JP6155600B2 - 透明樹脂積層体とその製造方法、ならびに熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液 - Google Patents
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Description
また、特許文献3、4および5には、ポリカーボネート樹脂にタングステン酸化物或いは6ホウ化物を配合した熱線遮蔽材が開示されている。
一方、特許文献6には、透明樹脂基材の表面に複合タングステン酸化物微粒子を分散したメタクリル酸メチル樹脂を塗布し、熱硬化させて熱線遮蔽層を積層し、その上にシリコーン系樹脂塗料を塗布し、熱硬化させてシリコーン系樹脂層を積層した熱線遮蔽材が開示されている。
特許文献2:特開平06−264050号公報
特許文献3:特開2005−179504号公報
特許文献4:特開2007−211213号公報
特許文献5:特開2008−044609号公報
特許文献6:特開2009−256413号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献6に提案された熱線遮蔽機能を有する透明樹脂基材は、優れた熱線遮蔽特性を有し、多品種少量生産に柔軟に対応することが出来るものの、光学的特性と機械的特性とに課題があるものであった。具体的には、熱線遮蔽機能を有する透明樹脂基材の光学的特性上の課題であるヘイズ値と、機械的特性上の課題である透明樹脂基材とシリコーン系樹脂層との密着性とに課題を残していた。
即ち、熱線遮蔽機能を有するプライマー層を形成する際、乾燥温度が高い場合は、当該熱線遮蔽機能を有するプライマー層とシリコーン系樹脂層との密着性が悪くなる。一方、乾燥温度が低い場合は、製造された熱線遮蔽機能を有する透明樹脂積層体のヘイズ値が高くなり意匠性が損なわれる。結局のところ、光学的特性と機械的特性とが両立が困難な為、狙いの品質を有する透明樹脂積層体を製造することが困難であった。
透明樹脂基材の少なくとも片方の表面に、熱線遮蔽機能を有する微粒子と、密着性付与剤と、分散剤と、(メタ)アクリル系樹脂とを含有する熱線遮蔽機能を有するプライマー層とが積層され、当該熱線遮蔽機能を有するプライマー層上にシリコーン系樹脂層が積層された透明樹脂積層体であって、
前記熱線遮蔽機能を有する微粒子が、一般式MyWOZ(但し、Mは、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuから選択される1種類以上の元素、0.1≦y≦0.5、2.2≦z≦3.0)で示され、かつ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子であり、
前記分散剤が、官能基としてアミンを含有する基を有し、分子量Mw2000〜200000、アミン価5〜100mgKOH/gであるアクリル系分散剤であり、前記分散剤の添加量が、前記複合タングステン酸化物微粒子100重量部に対し10重量部〜1000重量部であり、
前記密着性付与剤が、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシランから選択される1種以上であり、前記密着性付与剤の添加量が、前記アクリル系樹脂100重量部に対して、0.1〜30重量部であることを特徴とする透明樹脂積層体である。
第2の発明は、
前記熱線遮蔽機能を有する微粒子の添加量が、前記アクリル系樹脂100重量部に対して、1重量〜100重量部であることを特徴とする第1の発明に記載の透明樹脂積層体である。
第3の発明は、
前記熱線遮蔽微粒子が、平均粒径1nm〜800nmの微粒子であることを特徴とする第1または第2の発明に記載の透明樹脂積層体である。
第4の発明は、
前記熱線遮蔽機能を有するプライマー層の膜厚が、1μm〜20μmであることを特徴とする第1〜第3の発明のいずれかに記載の透明樹脂積層体である。
第5の発明は、
前記シリコーン系樹脂層の膜厚が、1μm〜20μmであることを特徴とする第1〜第4の発明のいずれかに記載の透明樹脂積層体である。
第6の発明は、
前記透明樹脂基材が、ポリカーボネート樹脂であることを特徴とする第1〜第5の発明のいずれかに記載の透明樹脂積層体である。
第7の発明は、
第1〜第6の発明のいずれかに記載の透明樹脂積層体であって、当該透明樹脂積層体の可視光透過率を50%以上に設定したときのヘイズが5%以下であることを特徴とする透明樹脂積層体である。
第8の発明は、
第1〜第7の発明のいずれかに記載の透明樹脂積層体における熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液であって、
前記熱線遮蔽微粒子と、前記密着性付与剤と、前記(メタ)アクリル系樹脂と、沸点120℃以下の有機溶剤と、前記アクリル系分散剤とを、含むことを特徴とする熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液である。
第9の発明は、
前記透明樹脂基材の少なくとも片方の表面に、前記熱線遮蔽微粒子と、前記密着性付与剤と、前記(メタ)アクリル系樹脂と、沸点120℃以下の有機溶剤と、前記アクリル系分散剤とを、含むプライマー液を塗布し、温度90℃〜140℃の下で熱硬化させて熱線遮蔽機能を有するプライマー層を形成する第1の工程と、
前記熱線遮蔽機能を有するプライマー層上に前記シリコーン系樹脂を含む塗液を塗布し、熱硬化させる第2の工程を具備することを特徴とする第1〜第7の発明のいずれかに記載の透明樹脂積層体の製造方法である。
当該透明樹脂積層体において、熱線遮蔽機能を有するプライマー層は、熱線遮蔽機能を有する微粒子(A)と密着性付与剤(B)と(メタ)アクリル系樹脂(C)を含む熱線遮蔽膜形成用のプライマー液を、透明樹脂基材に塗布し硬化させることで形成される。
さらに当該熱線遮蔽膜形成用のプライマー液は、熱線遮蔽機能を有する微粒子分散液(本発明において「熱線遮蔽微粒子含有分散液」と記載する場合がある。)に密着性付与剤(B)と、(メタ)アクリル系樹脂(C)を添加し混合することで得られる。
以下、本発明の実施の形態について、[1]熱線遮蔽微粒子含有分散液、[2]熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液、[3]透明樹脂積層体、の順で詳細に説明する。
本発明に係る熱線遮蔽微粒子含有分散液について、(1)熱線遮蔽機能を有する微粒子、(2)分散剤、(3)有機溶剤、さらに(4)熱線遮蔽微粒子含有分散液の製造方法、の順で詳細に説明する。
本発明に係る熱線遮蔽微粒子含有分散液に用いられる熱線遮蔽機能を有する微粒子は、複合タングステン酸化物微粒子である。
当該複合タングステン酸化物微粒子は、近赤外線領域、特に波長1000nm以上の光を大きく吸収するため、その透過色調はブルー系の色調となるものが多い。
複合タングステン酸化物微粒子は、一般式MyWOZ(但し、Mは、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuから選択される1種類以上の元素、0.1≦y≦0.5、2.2≦z≦3.0)で示され、かつ六方晶の結晶構造を有しているものであることが好ましい。
以上、説明したように、光の散乱を回避する観点からは、複合タングステン酸化物微粒子の分散粒子径は小さい方が好ましい。一方、複合タングステン酸化物微粒子の分散粒子径が1nm以上であれば、工業的な製造は容易である。
好ましい複合タングステン酸化物微粒子の成分例としては、Cs0.33WO3、Rb0.33WO3、K0.33WO3、Ba0.33WO3などを挙げることが出来る。尤も、y、zの値が上記の範囲に収まるものであれば、有用な熱線遮蔽特性を得ることができる。添加元素Mの添加量は、0.1以上0.5以下が好ましく、さらに好ましくは0.33付近である。これは六方晶の結晶構造から理論的に算出される値が0.33であり、この前後の添加量で好ましい光学特性が得られるからである。また、Zの範囲については、2.2≦z≦3.0が好ましい。これは、MyWOZで表記される複合タングステン酸化物材料においても、上述したWOxで表記されるタングステン酸化物材料と同様の機構が働くのに加え、z≦3.0においても、上述した元素Mの添加による自由電子の供給があるためである。尤も、光学特性の観点から、より好ましくは2.45≦z≦3.00である。
一般式MYWOZ表記される複合タングステン酸化物微粒子は、タングステン化合物出発原料を不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気中で熱処理して得ることができる。
まず、タングステン化合物出発原料について説明する。
タングステン化合物出発原料は、三酸化タングステン粉末、ニ酸化タングステン粉末、酸化タングステンの水和物粉末、六塩化タングステン粉末、タングステン酸アンモニウム粉末、または、六塩化タングステン粉末をアルコール中に溶解させた後乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、または、六塩化タングステンをアルコール中に溶解させたのち水を添加して沈殿させこれを乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、または、タングステン酸アンモニウム水溶液を乾燥して得られるタングステン化合物粉末、金属タングステン粉末、から選ばれたいずれか1種類以上であって、さらに元素Mを、元素単体または化合物の形態で含有するタングステン化合物を出発原料とすることが好ましい。
まず、不活性ガス雰囲気中における熱処理条件としては、650℃以上が好ましい。650℃以上で熱処理された出発原料は、十分な近赤外線吸収力を有し熱線遮蔽微粒子として効率が良い。不活性ガスとしてはAr、N2等の不活性ガスを用いることがよい。
また、還元性雰囲気中における熱処理条件としては、出発原料を、まず還元性ガス雰囲気中にて100℃以上650℃以下で熱処理し、次いで不活性ガス雰囲気中にて650℃以上1200℃以下の温度で熱処理することが良い。この時の還元性ガスは、特に限定されないが、H2が好ましい。そして、還元性ガスとしてH2を用いる場合は、還元性雰囲気の組成として、例えば、Ar、N2等の不活性ガスにH2を体積比で0.1%以上を混合することが好ましく、さらに好ましくは0.2%以上混合したものである。H2が体積比で0.1%以上であれば効率よく還元を進めることができる。
水素で還元された出発原料粉末は、マグネリ相を含み、良好な熱線遮蔽特性を示す。従って、この状態でも熱線遮蔽微粒子として使用可能である。
本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子が表面処理され、Si、Ti、Zr、Alから選択される1種類以上を含有する化合物、好ましくは酸化物で被覆されていることは、耐候性向上の観点から好ましい。当該表面処理を行うには、Si、Ti、Zr、Alから選択される1種類以上を含有する有機化合物を用いて、公知の表面処理を行えばよい。例えば、本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子と有機ケイ素化合物とを混合し、加水分解処理を行えばよい。
本発明に係る分散剤は、本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子を、熱線遮蔽微粒子含有分散液中、および後述する熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液中、さらには後述する熱線遮蔽機能を有するプライマー層中において均一に分散させる機能を発揮するものである。
本発明に係る分散剤は、アミンを含有する基、水酸基、カルボキシル基、または、エポキシ基を官能基として有する分散剤であることが好ましい。これらの官能基は、複合タングステン酸化物微粒子の表面に吸着し、複合タングステン酸化物微粒子の凝集を防ぎ、熱線遮蔽微粒子含有分散液中でも当該微粒子を均一に分散させる効果を持つ。
本発明に係る有機溶剤は、上述した分散剤を溶解出来、熱線遮蔽機能を有する微粒子を均一分散出来るものであって、透明樹脂基材を溶解しないものであれば良い。但し、後述する熱線遮蔽膜を形成する際における熱硬化の工程中に、当該熱線遮蔽機能を有するプライマー層からの除去効率を考慮すると、沸点が120℃以下であることが好ましい。
具体的にはトルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール、エタノールが挙げられる。
また、本発明に係る熱線遮蔽微粒子含有分散液へ、後述するアクリル樹脂や密着性付与剤を添加することで、本発明に係る熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液が製造される。従って、上述したように、有機溶剤は、透明基材樹脂を溶解しないものであることに留意する。熱線遮蔽機能を有するプライマー層の形成中に有機溶剤が透明基材樹脂を侵食し、透明樹脂積層体の外観の不具合につながる事態を回避する為である。
本発明に係る熱線遮蔽微粒子含有分散液は、上述した、熱線遮蔽機能を有する微粒子、分散剤及び有機溶剤を添加混合し、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波ホモジナイザーなど、微粒子を分散する際に用いられる一般的な方法を適用することで製造することが出来る。
当該熱線遮蔽微粒子含有分散液中に含まれる熱線遮蔽機能を有する微粒子の濃度は、50質量%以下であることが好ましい。50質量%以下であれば、微粒子の凝集が起こり難く、分散が容易であるとともに、急激な粘度の上昇も回避することができ、取り扱いが容易だからである
本発明に係る熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液は、上述した熱線遮蔽微粒子含有分散液、密着性付与剤、およびアクリル系樹脂を含む溶液である。
熱線遮蔽微粒子含有分散液に関しては既に説明した通りである。
ここでは、(1)アクリル系樹脂、(2)密着性付与剤、の順に説明し、さらに(3)熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液の製造方法について説明する。
本発明に係る熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液にて用いることができるアクリル系樹脂は、透明樹脂基材とシリコーン系樹脂の密着性に優れているものであれば、何でも使用することができ、特に制限されるものではない。
尤も、本発明に係る熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液では熱硬化性のアクリル樹脂が望ましい。具体的には、複合タングステン酸化物微粒子の分散性、材料自体の透明性、加工性、耐久性等を考慮すると、アクリル酸アルキルエステルモノマーまたはメタクリル酸アルキルエステルモノマーを重合させて得られる(メタ)アクリル系樹脂であることが望ましい。
本発明に係る密着性付与剤は、透明樹脂基材の少なくとも片方の面に積層した熱線遮蔽機能を有するプライマー層と、当該熱線遮蔽機能を有するプライマー層の上に形成されるシリコーン系樹脂層との層間密着性を改善する目的で、プライマー液へ添加するものである。
熱線遮蔽機能を有するプライマー層とシリコーン系樹脂層との層間密着性の観点のみからすれば、密着性付与剤には、エポキシ系架橋剤や各種シラン化合物やその他同等の効果を有する化合物を用いることも考えられる。
そして、当該構成を有する本発明に係るプライマー液は、温度90℃〜140℃という広域な乾燥温度範囲下において、本発明に係る透明樹脂積層体における熱線遮蔽機能を有するプライマー層を、ヘイズが低く意匠性に優れ且つシリコーン系樹脂層との密着性も良好で優れた熱線遮蔽機能を有するプライマー層として形成出来るものである。即ち、熱線遮蔽機能を有するプライマー層とシリコーン系樹脂層との層間密着性担保に加えて、熱線遮蔽機能を有するプライマー層におけるヘイズ値の抑制を、優れた生産性を保ちながら達成出来るものである。
例えば、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(商品名:KBE9007、信越化学株式会社)等を例示することができる。
本発明に係る熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液は、熱線遮蔽微粒子含有分散液、アクリル系樹脂を含む溶液、および密着性付与剤を添加混合することで製造することができる。混合方法は、熱線遮蔽微粒子含有分散液と、アクリル系樹脂を含む溶液と、密着性付与剤とを均一に混合できる方法であれば良く、特に制限はない。例えば、攪拌混合法や超音波混合法などを挙げることができる。
上述したように、本発明に係る透明樹脂積層体は、透明樹脂基材の少なくとも片方の面に積層した熱線遮蔽機能を有するプライマー層と、当該熱線遮蔽機能を有するプライマー層の上に形成されるシリコーン系樹脂層とを有する。
ここで、(1)透明樹脂基材、(2)熱線遮蔽機能を有するプライマー層、(3)シリコーン系樹脂層の順で説明し、さらに(4)透明樹脂積層体の製造方法について説明する。
本発明に係る透明樹脂積層体の透明樹脂基材としては、可視光領域の光線透過率が高い透明な樹脂基材であれば使用出来、特に限定されるものではない。
具体的には、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂、アセチルセルロース樹脂、含硫ウレタン樹脂または架橋(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられる。特に、機械的強度や耐熱性、耐久性に優れる観点からポリカーボネート樹脂が好ましい。
本発明に係る透明樹脂積層体の熱線遮蔽機能を有するプライマー層は、上述した本発明に係る熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液を用いて、透明樹脂基材の少なくとも片方の面に積層した熱線遮蔽機能を有するプライマー層である。
熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液に関しては既に説明した通りである。また、透明樹脂基材上への、熱線遮蔽機能を有するプライマー層の積層方法については後述する。
本発明に係る透明樹脂積層体のシリコーン系樹脂は、ポリシロキサン結合を有するケイ素化合物であり、例えば、無機シラン系化合物および/またはポリオルガノシロキサン系化合物を主成分とする、ハードコート層を形成するシリコーン系樹脂を挙げることができる。
R1nSi(OR2)4−n・・・・(式1)
[但し、上記一般式中のR1は非加水分解性基であって、アルキル基、置換アルキル基(置換基:ハロゲン原子、エポキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基等)、アルケニル基、アリール基またはアラルキル基、R2は低級アルキル基であり、nは0または1〜3の整数である。R1およびOR2がそれぞれ複数ある場合、複数のR1は同一でも、異なっていてもよく、また複数のOR2も同一でも、異なっていてもよい。]
この場合、n=0の化合物、すなわちテトラアルコキシシランを加水分解すれば無機シラン系のバインダーが得られ、部分加水分解すれば、ポリオルガノシロキサン系バインダーまたは無機シラン系とポリオルガノシロキサン系との混合系バインダーが得られる。一方、n=1〜3の化合物では、非加水分解性基を有するため、部分または完全加水分解により、ポリオルガノシロキサン系バインダーが得られる。上記の際、加水分解反応を制御する目的で適当な有機溶媒を用いてもよい。
本発明に係る透明樹脂積層体は、透明樹脂基材の少なくとも片方の面へ、上述した本発明に係る熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液を塗布し熱硬化することで、熱線遮蔽機能を有するプライマー層を積層した後、さらに、当該熱線遮蔽機能を有するプライマー層上にシリコーン系樹脂からなる塗液を塗布、熱硬化しシリコーン系樹脂層を積層することで製造出来る。
以下、〈4−1〉熱線遮蔽機能を有するプライマー層の積層方法、〈4−2〉シリコーン系樹脂層の積層方法の順で説明する。
上述した熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液をバーコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ディップコート法、スピンコート法等適宜な方法で、透明樹脂基材上へ塗布する。次に、当該透明樹脂基材上の塗布層を、90℃〜140℃、10分〜3時間加熱して乾燥し、上記アクリル系樹脂を熱硬化させる方法で熱線遮蔽機能を有するプライマー層を得る。
プライマー層と後述するシリコーン系樹脂膜との密着性から検討する。乾燥温度が80℃以上あれば、アクリル系樹脂が十分に熱硬化したプライマー層が形成可能である。一方、乾燥温度が150℃未満であれば、熱線遮蔽機能を有するプライマー層と、シリコーン系樹脂膜との密着性を担保出来るからである。当該観点から、より好ましい乾燥温度は、80℃〜140℃の範囲である。
また、プライマー層の意匠性から検討すると、乾燥温度が90℃以上であれば、プライマー層において低いヘイズ値を担保出来る。そこで、当該意匠性の観点も加えると、最も好ましい乾燥温度は90〜140℃の範囲である。
また、好ましい乾燥時間は20分〜2時間、最も好ましくは30分〜1時間30分間である。
当該乾燥処理により、熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液中の有機溶剤が除去され、熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液中のアクリル樹脂モノマーの重合が行われる。
上記膜厚が1μm以上あれば、本発明に係る透明樹脂積層体において所望の熱線遮蔽特性を得るために、上記熱線遮蔽機能を有するプライマー層に存在すべき複合タングステン酸化物微粒子の配合量が過剰となることが回避出来、結果として当該熱線遮蔽機能を有するプライマー層がプライマー層としての十分な密着強度を発揮することが出来るためである。一方、膜厚が20μm以下であれば、ヘイズ値の増加を抑制出来、且つ、当該熱線遮蔽機能を有するプライマー層の硬化収縮により上層のシリコーン系樹脂層の割れや剥がれが生じ易くなる事態も回避出来る。
シリコーン系樹脂層は、シリコーン系樹脂からなる塗液をバーコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ディップコート法、スピンコート法等適宜な方法で塗布し、塗布層を室温〜150℃、10分〜2時間加熱し、上記シリコーン系樹脂を硬化させる方法で積層することができる。下限温度、加熱時間、加熱雰囲気(真空を含む)は、溶媒が蒸発し、塗布層(塗膜)が硬化する条件であればよく、特に限定されない。
〈熱線遮蔽微粒子含有分散液の製造〉
熱線遮蔽機能を有する微粒子であるCs0.33WO3粒子100重量部へ、有機溶媒としてメチルイソブチルケトン500重量部と、官能基としてアミンを含有する基を有するアクリル系分散剤(アミン価44mgKOH/g)50重量部とを加え混合物とした。当該混合物を媒体攪拌ミルに装填し、Cs0.33WO3粒子を粉砕して分散させた、実施例1に係る熱線遮蔽微粒子含有分散液を製造した。このとき、当該熱線遮蔽微粒子含有分散液中のCs0.33WO3微粒子の分散粒径は21nmであり、Cs0.33WO3微粒子含量は18.5重量%であった。尚、Cs0.33WO3微粒子の分散粒径は、日機装製マイクロトラック粒度分布計にて測定した。
アクリル樹脂を含む塗液として、モメンティブ社製PH−91を準備した。
密着性付与剤として、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学製:KBE−9007/)B−1を準備した。
そして、実施例1に係るアクリル系樹脂を含む溶液、実施例1に係る熱線遮蔽微粒子含有分散液、密着性付与剤であるイソシアネートプロピルトリエトキシシランを、アクリル系樹脂:Cs0.33WO3微粒子:密着性付与剤=100重量部:5.75重量部:5重量部となるように配合して混合物とした。そして、熱線遮蔽微粒子含有分散液とアクリル系樹脂を含む溶液と密着性付与剤とを均一に混合し、実施例1に係る熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液を製造した。
実施例1に係るプライマー液を、3枚のポリカーボネート樹脂プレートの表面にディップコートした。そして、当該3枚のポリカーボネート樹脂プレートを、各々85℃、115℃、120℃、125℃、130℃の温度で、1時間乾燥し、熱線遮蔽機能を有するプライマー層を積層した。当該熱線遮蔽機能を有するプライマー層の膜厚は、全て8.5μmであった。
シリコーン系樹脂を含む塗液として、モメンティブ社製トスガード510を準備した。
上記3種類の実施例1に係る熱線遮蔽機能を有するプライマー層上へ、シリコーン系樹脂を含む塗液をディップコートし、120℃で1時間乾燥することでシリコーン系樹脂層を積層し、実施例1に係る3種類の透明樹脂積層体を製造した。当該3種類のシリコーン系樹脂層の膜厚は、全て5.2μmであった。
得られた実施例1に係る3種類の透明樹脂積層体の光学特性:可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%)、ヘイズH(単位:%)、を評価した。なお、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%)に関しては、分光光度計U−4000(日立製作所製)を使用して評価し、ヘイズH(単位:%)は、ヘイズメーター(村上色彩研究所製)を使用しJISK7136に準拠して評価した。評価結果を表1に示す。
得られた3種類の透明樹脂積層体の機械的特性(密着性)を評価した。
具体的には、積層した塗膜にカッターナイフで1mm間隔の100個の碁盤目を作り、ニチバン製粘着テープ(商品名セロテープ(登録商標))を圧着した後、垂直に強く引き剥がしたとき、塗膜が剥離せずに残存した碁盤目の数Xで評価した。評価結果は、X/100で示した。評価結果を表1に示す。
密着性付与剤であるイソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学製:KBE−9007/)B−1の添加量を、アクリル系樹脂:Cs0.33WO3微粒子:密着性付与剤=100重量部:5.75重量部:0.1重量部となるように配合して混合物とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係る熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液を製造した。
実施例2に係るプライマー液を用い、実施例1と同様にして、実施例2に係る3種類の透明樹脂積層体を製造した。
製造した実施例2に係る3種類の透明樹脂積層体の光学的特性および機械的特性を、実施例1と同様に評価し、評価結果を表1に記載した。
密着性付与剤であるイソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学製:KBE−9007/)B−1の添加量を、アクリル系樹脂:Cs0.33WO3微粒子:密着性付与剤=100重量部:5.75重量部:30重量部となるように配合して混合物とした以外は、実施例1と同様にして、実施例3に係る熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液を製造した。
実施例3に係るプライマー液を用い、実施例1と同様にして、実施例3に係る3種類の透明樹脂積層体を製造した。
製造した実施例3に係る3種類の透明樹脂積層体の光学的特性および機械的特性を、実施例1と同様に評価し、評価結果を表1に記載した。
密着性付与剤を、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学製:KBE−903)B−2へ代替した以外は、実施例1と同様にして、実施例4に係る熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液を製造した。
実施例4に係るプライマー液を用い、実施例1と同様にして、実施例4に係る3種類の透明樹脂積層体を製造した。
製造した実施例4に係る3種類の透明樹脂積層体の光学的特性および機械的特性を、実施例1と同様に評価し、評価結果を表1に記載した。
密着性付与剤を、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学製:KBE−403)B−3へ代替した以外は、実施例1と同様にして、実施例5に係る熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液を製造した。
実施例5に係るプライマー液を用い、実施例1と同様にして、実施例5に係る3種類の透明樹脂積層体を製造した。
製造した実施例5に係る3種類の透明樹脂積層体の光学的特性および機械的特性を、実施例1と同様に評価し、評価結果を表1に記載した。
密着性付与剤を、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(信越化学製:KBE−803)B−4へ代替した以外は、実施例1と同様にして、実施例6に係る熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液を製造した。
実施例6に係るプライマー液を用い、実施例1と同様にして、実施例6に係る3種類の透明樹脂積層体を製造した。
製造した実施例6に係る3種類の透明樹脂積層体の光学的特性および機械的特性を、実施例1と同様に評価し、評価結果を表1に記載した。
密着性付与剤を、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学製:KBM−5103)B−5へ代替した以外は、実施例1と同様にして、実施例7に係る熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液を製造した。
実施例7に係るプライマー液を用い、実施例1と同様にして、実施例7に係る3種類の透明樹脂積層体を製造した。
製造した実施例7に係る3種類の透明樹脂積層体の光学的特性および機械的特性を、実施例1と同様に評価し、評価結果を表1に記載した。
密着性付与剤を、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学製:KBE−503)B−6へ代替した以外は、実施例1と同様にして、実施例8に係る熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液を製造した。
実施例8に係るプライマー液を用い、実施例1と同様にして、実施例8に係る3種類の透明樹脂積層体を製造した。
製造した実施例8に係る3種類の透明樹脂積層体の光学的特性および機械的特性を、実施例1と同様に評価し、評価結果を表1に記載した。
密着性付与剤を、ビニルトリエトキシシラン(信越化学製:KBE−1003)B−7へ代替した以外は、実施例1と同様にして、実施例9に係る熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液を製造した。
実施例9に係るプライマー液を用い、実施例1と同様にして、実施例9に係る3種類の透明樹脂積層体を製造した。
製造した実施例9に係る3種類の透明樹脂積層体の光学的特性および機械的特性を、実施例1と同様に評価し、評価結果を表1に記載した。
密着性付与剤を添加せず、アクリル系樹脂:Cs0.33WO3微粒子=100重量部:5.75重量部となるように配合して混合物とした以外は、実施例1と同様にして、比較例1に係る熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液を製造した。
比較例1に係るプライマー液を用い、実施例1と同様にして、比較例1に係る3種類の透明樹脂積層体を製造した。
製造した比較例1に係る3種類の透明樹脂積層体の光学的特性および機械的特性を、実施例1と同様に評価し、評価結果を表1に記載した。
密着性付与剤であるイソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学製:KBE−9007/)B−1の添加量を、アクリル系樹脂:Cs0.33WO3微粒子:密着性付与剤=100重量部:5.75重量部:0.05重量部となるように配合して混合物とした以外は、実施例1と同様にして、比較例2に係る熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液を製造した。
比較例2に係るプライマー液を用い、実施例1と同様にして、比較例2に係る3種類の透明樹脂積層体を製造した。
製造した比較例2に係る3種類の透明樹脂積層体の光学的特性および機械的特性を、実施例1と同様に評価し、評価結果を表1に記載した。
密着性付与剤であるイソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学製:KBE−9007/)B−1の添加量を、アクリル系樹脂:Cs0.33WO3微粒子:密着性付与剤=100重量部:5.75重量部:35重量部となるように配合して混合物とした以外は、実施例1と同様にして、比較例3に係る熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液を製造した。
比較例3に係るプライマー液を用い、実施例1と同様にして、比較例3に係る3種類の透明樹脂積層体を製造した。
製造した比較例3に係る3種類の透明樹脂積層体の光学的特性および機械的特性を、実施例1と同様に評価し、評価結果を表1に記載した。
密着性付与剤を、テトラエトキシシラン(信越化学製:KBE−04)B−8へ代替した以外は、実施例1と同様にして、比較例4に係る熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液を製造した。
比較例4に係るプライマー液を用い、実施例1と同様にして、比較例4に係る3種類の透明樹脂積層体を製造した。
製造した比較例4に係る3種類の透明樹脂積層体の光学的特性および機械的特性を、実施例1と同様に評価し、評価結果を表1に記載した。
密着性付与剤を、イソシアネート系架橋剤(旭化成株式会社製:MF−K60X)B−9へ代替した以外は、実施例1と同様にして、比較例5に係る熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液を製造した。
比較例5に係るプライマー液を用い、実施例1と同様にして、比較例5に係る3種類の透明樹脂積層体を製造した。
製造した比較例5に係る3種類の透明樹脂積層体の光学的特性および機械的特性を、実施例1と同様に評価し、評価結果を表1に記載した。
密着性付与剤を、エポキシ系架橋剤(綜研化学株式会社製:E−AX)B−10へ代替した以外は、実施例1と同様にして、比較例6に係る熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液を製造した。
比較例6に係るプライマー液を用い、実施例1と同様にして、比較例6に係る3種類の透明樹脂積層体を製造した。
製造した比較例6に係る3種類の透明樹脂積層体の光学的特性および機械的特性を、実施例1と同様に評価し、評価結果を表1に記載した。
Claims (9)
- 透明樹脂基材の少なくとも片方の表面に、熱線遮蔽機能を有する微粒子と、密着性付与剤と、分散剤と、(メタ)アクリル系樹脂とを含有する熱線遮蔽機能を有するプライマー層とが積層され、当該熱線遮蔽機能を有するプライマー層上にシリコーン系樹脂層が積層された透明樹脂積層体であって、
前記熱線遮蔽機能を有する微粒子が、一般式MyWOZ(但し、Mは、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuから選択される1種類以上の元素、0.1≦y≦0.5、2.2≦z≦3.0)で示され、かつ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子であり、
前記分散剤が、官能基としてアミンを含有する基を有し、分子量Mw2000〜200000、アミン価5〜100mgKOH/gであるアクリル系分散剤であり、前記分散剤の添加量が、前記複合タングステン酸化物微粒子100重量部に対し10重量部〜1000重量部であり、
前記密着性付与剤が、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシランから選択される1種以上であり、前記密着性付与剤の添加量が、前記アクリル系樹脂100重量部に対して、0.1〜30重量部である透明樹脂積層体。 - 前記熱線遮蔽機能を有する微粒子の添加量が、前記アクリル系樹脂100重量部に対して、1重量〜100重量部であることを特徴とする請求項1に記載の透明樹脂積層体。
- 前記熱線遮蔽微粒子が、平均粒径1nm〜800nmの微粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明樹脂積層体。
- 前記熱線遮蔽機能を有するプライマー層の膜厚が、1μm〜20μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明樹脂積層体。
- 前記シリコーン系樹脂層の膜厚が、1μm〜20μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透明樹脂積層体。
- 前記透明樹脂基材が、ポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の透明樹脂積層体。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の透明樹脂積層体であって、当該透明樹脂積層体の可視光透過率を50%以上に設定したときのヘイズが5%以下であることを特徴とする透明樹脂積層体。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の透明樹脂積層体における熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液であって、
前記熱線遮蔽微粒子と、前記密着性付与剤と、前記(メタ)アクリル系樹脂と、沸点120℃以下の有機溶剤と、前記アクリル系分散剤とを、含むことを特徴とする熱線遮蔽機能を有するプライマー層形成用のプライマー液。 - 前記透明樹脂基材の少なくとも片方の表面に、前記熱線遮蔽微粒子と、前記密着性付与剤と、前記(メタ)アクリル系樹脂と、沸点120℃以下の有機溶剤と、前記アクリル系分散剤とを、含むプライマー液を塗布し、温度90℃〜140℃の下で熱硬化させて熱線遮蔽機能を有するプライマー層を形成する第1の工程と、
前記熱線遮蔽機能を有するプライマー層上に前記シリコーン系樹脂を含む塗液を塗布し、熱硬化させる第2の工程を具備することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の透明樹脂積層体の製造方法。
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