[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP6150396B2 - 水素ガス含有飲料用容器および容器詰水素ガス含有飲料 - Google Patents

水素ガス含有飲料用容器および容器詰水素ガス含有飲料 Download PDF

Info

Publication number
JP6150396B2
JP6150396B2 JP2014093863A JP2014093863A JP6150396B2 JP 6150396 B2 JP6150396 B2 JP 6150396B2 JP 2014093863 A JP2014093863 A JP 2014093863A JP 2014093863 A JP2014093863 A JP 2014093863A JP 6150396 B2 JP6150396 B2 JP 6150396B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen gas
layer
containing beverage
container
aluminum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014093863A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015209255A (ja
Inventor
瀧原 孝宣
孝宣 瀧原
光 杉浦
光 杉浦
泰史 田中
泰史 田中
粟野 いづみ
いづみ 粟野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ito En Ltd
Original Assignee
Ito En Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ito En Ltd filed Critical Ito En Ltd
Priority to JP2014093863A priority Critical patent/JP6150396B2/ja
Publication of JP2015209255A publication Critical patent/JP2015209255A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6150396B2 publication Critical patent/JP6150396B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Wrappers (AREA)

Description

本発明は、可撓性包装材料、これを用いた水素ガス含有飲料用可撓性容器、および当該容器に水素ガス含有飲料が充填されてなる容器詰水素ガス含有飲料に関するものである。さらに、本発明は、容器詰水素ガス含有飲料の製造方法、および水素ガス含有飲料の水素ガス濃度低下抑制方法に関するものである。
生体内に活性酸素が蓄積すると、老化症状や各種疾患の原因となることが知られており、活性酸素を除去することに対する要望が高まっている。そのためには、活性酸素と反応しこれを除去する物質(還元性物質)を体内に摂取することが考えられる。なかでも水素ガスは還元力が強いため、近年、飲用水に水素ガスを含有させた水素ガス含有飲料が注目されている。また、水素ガスに夏ばての予防または改善作用を有することも見出されており、かかる水素ガスを有効成分として含んでなる夏ばての予防または改善用飲食品が提案されている(特許文献1参照)。
ここで、水素ガス含有飲料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)ボトル、アルミニウム(アルミ)ボトル、アルミパウチなどの様々な容器に充填された製品が上市されている。
特開2010−254604号公報
しかし、水素ガスは分子として最も小さいものであって様々な材質を透過しやすい。そのため、例えばPETボトルに充填された水素ガス含有飲料は、保管・流通の過程で水素ガスが抜け出てしまい、十分な水素ガス濃度を維持し難いという問題があった。アルミ缶などの金属缶であれば水素ガスの透過を防止することができるが、十分な軽量化が図れない上に、容器が可撓性を有しないため取り扱いが不便であるという問題があった。
一方、アルミパウチやアルミ付き紙パックなど、アルミ箔を使用した可撓性容器の場合、流通過程や飲用前の取扱い時などに起こる僅かな凹み・折れによってもアルミ箔に微小なクラックが生じる。そのため、アルミ箔を使用した可撓性容器に水素ガス含有飲料を充填した場合、微小なクラックが生じたときに水素ガスが漏出してしまうという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、可撓性容器に用いることが可能であって、クラックが生じたとしても水素ガスの漏出を抑制することのできる可撓性包装材料、当該包装材料を成形してなる水素ガス含有飲料用可撓性容器、および当該容器に水素ガス含有飲料が充填されてなる容器詰水素ガス含有飲料を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、樹脂基材と、前記樹脂基材の少なくとも一方の面側に積層された無機物層と、前記樹脂基材および前記無機物層の間には存在しない金属層とを備えた可撓性を有する包装材料であって、前記金属層は、少なくともアルミニウムを含有し、前記無機物層は、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物、カルシウム酸化物、ケイ素窒化物、アルミニウム窒化物、ケイ素酸窒化物およびアルミニウム酸窒化物からなる群より選択される1種または2種以上で形成されることを特徴とする可撓性包装材料を提供する(発明1)。
上記発明(発明1)に係る可撓性包装材料は、少なくともアルミニウムを含有する金属層を備えることで、水素ガスの漏出を防止することができ、さらに、所定の無機物で形成される無機物層を備えることで、金属層にクラックが生じた場合でも、水素ガスの漏出を防止することができる。
上記発明(発明1)において、前記無機物層は、前記樹脂基材の少なくとも一方の面側に形成された蒸着層であることが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1または2)において、前記金属層の厚さは、5〜14μmであることが好ましい(発明3)。
上記発明(発明1〜3)に係る可撓性包装材料は、さらに紙基材を備えることが好ましい(発明4)。
第2に本発明は、上記発明(発明1〜4)に係る可撓性包装材料を用いて成形された水素ガス含有飲料用可撓性容器を提供する(発明5)。
第3に本発明は、上記発明(発明1〜3)に係る可撓性包装材料を用いて成形された水素ガス含有飲料用パウチを提供する(発明6)。
第4に本発明は、上記発明(発明4)に係る可撓性包装材料を用いて成形された水素ガス含有飲料用紙パックを提供する(発明7)。
上記発明(発明5〜7)によれば、前述した可撓性包装材料を用いて成形されているため、水素ガスの漏出を抑制することができ、得られる容器に水素ガス含有飲料を充填したときに、水素ガス濃度を高い値に維持することができる。
第5に本発明は、上記発明(発明5)に係る水素ガス含有飲料用可撓性容器、上記発明(発明6)に係る水素ガス含有飲料用パウチ、または上記発明(発明7)に係る水素ガス含有飲料用紙パックに、水素ガスを含有する飲料が充填されてなる容器詰水素ガス含有飲料を提供する(発明8)。
第6に本発明は、上記発明(発明5)に係る水素ガス含有飲料用可撓性容器、上記発明(発明6)に係る水素ガス含有飲料用パウチ、または上記発明(発明7)に係る水素ガス含有飲料用紙パックに、水素ガスを含有する飲料を充填することを特徴とする容器詰水素ガス含有飲料の製造方法を提供する(発明9)。
第7に本発明は、上記発明(発明5)に係る水素ガス含有飲料用可撓性容器、上記発明(発明6)に係る水素ガス含有飲料用パウチ、または上記発明(発明7)に係る水素ガス含有飲料用紙パックに、水素ガスを含有する飲料を充填することを特徴とする水素ガス含有飲料の水素ガス濃度低下抑制方法を提供する(発明10)。
本発明の可撓性包装材料は、可撓性容器に用いることが可能であって、クラックが生じたとしても水素ガスの漏出を抑制することができる。また、当該可撓性包装材料を用いて成形された水素ガス含有飲料用可撓性容器に充填されてなる容器詰水素ガス含有飲料は、容器の凹みや折れによりクラックが生じたとしても、水素ガスの漏出が抑制されたものとなる。
本発明の一実施形態に係る可撓性包装材料の断面図である。 本発明の他の実施形態に係る可撓性包装材料の断面図である。 試験例におけるクラックの形成方法を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
〔可撓性包装材料〕
1.第1の実施形態
図1に示すように、本実施形態に係る可撓性包装材料1は、金属層11と、樹脂基材12と、樹脂基材12の一方の面側(図1における上側)に積層された無機物層13とを備えている。また、本実施形態においては、さらに紙基材14と、紙基材14の一方の面(図1における上側)に積層された印刷層15とが積層されており、さらに金属層11と無機物層13との間、金属層11と紙基材14との間、紙基材14と印刷層15との間、および印刷層15における紙基材14とは反対の面側(図1における上側)には、それぞれ樹脂層16A、16B、16Cおよび16Dが積層されている。なお、図1に示す可撓性包装材料1を用いて容器を成形した場合、可撓性包装材料1における樹脂層16D側(図1における上側)の面が容器の外側に、樹脂基材12側(図1における下側)の面が容器の内側になる。
本実施形態において、金属層11は少なくともアルミニウムを含有する。かかる金属層11を備えることで、本実施形態に係る可撓性包装材料1は、水素ガス含有飲料用容器としたときに水素ガスの漏出を防止することができる。
さらに、無機物層13は、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物、カルシウム酸化物、ケイ素窒化物、アルミニウム窒化物、ケイ素酸窒化物およびアルミニウム酸窒化物からなる群より選択される1種または2種以上で形成されており、上記金属層11とは異なるものである。かかる無機物層13を備える可撓性包装材料1は、可撓性が要求される用途に使用されて金属層11にクラックが生じた場合でも、水素ガスの漏出を防止することができる。
(1)金属層
本実施形態における金属層11は、水素ガスの透過を防止する層であり、少なくともアルミニウム(Al)を含有する。なお、本明細書において、金属層11を構成する金属には、アルミニウムのほか、アルミニウム合金(例えば、JIS H4160に規定されるアルミニウム合金)も含まれるものとする。
金属層11がアルミニウム合金で構成される場合、アルミニウム以外に含まれる成分としては、鉄、銅、マンガン、ニッケル、亜鉛、チタン等の金属;ケイ素等の非金属が挙げられ、これらは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。金属層11がアルミニウム以外の上記成分を含有する場合、軽量性や成形性を維持しつつ剛性を落とすことができ、展延性、耐衝撃性、耐屈曲性などに優れていることから、鉄を含有することが好ましい。
金属層11におけるアルミニウムの含有量は、98質量%以上であることが好ましく、特に99質量%以上であることが好ましく、さらには99.9質量%以上であることが好ましい。かかる範囲でアルミニウムを含有する金属層11は、十分な可撓性を有するとともに、水素ガスの漏出をより効果的に防止することができる。ここで、アルミニウムの含有量が100質量%の場合、すなわち、金属層11がアルミニウムのみで構成される場合は、特に好ましい実施形態の一つである。
金属層11の厚さは、5〜14μmであることが好ましく、特に5〜12μmであることが好ましく、さらには6〜9μmであることが好ましい。金属層11の厚さが5μm以上であると、金属層11にクラックやピンホールが形成されにくく、水素ガスの漏出をより良好にバリアすることができる。一方、厚さが14μm以下であると、可撓性包装材料1の可撓性が十分なものとなり、また重量が軽量であるため、可撓性包装材料1の取り扱いがより優れたものとなる。
(2)樹脂基材
樹脂基材12は、可撓性を有するものであれば特に限定されない。かかる樹脂基材12としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ナイロン等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアクリルニトリル、ポリイミドなどの樹脂からなる樹脂フィルムが好ましく、単層からなるフィルムであってもよいし、同種または異種の複数層を積層したフィルムであってもよい。延伸、未延伸のどちらでも良いが、機械的強度や寸法安定性を有するものが好ましい。これらの中でも、特に二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレートまたはナイロンが好ましい。
樹脂基材12において無機物層13が積層される側の面には、無機物層13との密着性を高めるため、低温プラズマ処理、コロナ放電処理、大気圧プラズマ放電処理、リアクティブイオンエッチング処理等の表面処理を施してもよく、また熱可塑性樹脂によるアンカーコート層等を設けてもよい。
樹脂基材12の厚さは、特に限定されないが、可撓性やコストを考慮すると、1〜200μmであることが好ましく、特に5〜100μmであることが好ましく、さらには5〜30μmであることが好ましい。
(3)無機物層
本実施形態に係る可撓性包装材料1は、前述した金属層11に加えて、金属層11とは異なる無機物層13を備えることで、可撓性包装材料1にクラックが生じた場合であっても、水素ガスの漏出を効果的に防止することができる。これは、成分構造から層構造になって蒸着されており、耐物理的衝撃に優れ、程度により回復性も期待でき、また水素保持機能を有することによるものと考えられる。ただし、クラック形成後における無機物層13の水素ガス漏出防止効果は、これらの理由に限定されるものではない。
なお、従来から、酸素や水蒸気などに対するガスバリア性を有する材料として、アルミニウム等の金属や、ケイ素酸化物(シリカ)およびアルミニウム酸化物(アルミナ)等の無機物が用いられていた。しかし、アルミニウム等の金属は遮光性を有するのに対し無機物は透明性を有するなどの対照的な物性を有するため、両者はそれぞれ別々の用途に用いられ、併用されることはなかった。また、本実施形態の対象である水素ガスバリア性が要求される用途においては、アルミニウム等の金属層を有する可撓性ガスバリアフィルムが用いられており、優れた水素バリア性を有するが、耐クラック性に問題があった。一方、無機物層を有する可撓性ガスバリアフィルムは水素バリア性に劣るため、かかる用途には用いられていなかった。しかし、本実施形態に係る可撓性包装材料1においては、金属層11と無機物層13とを併用することで、金属層11にクラックが生じたとしても、なお優れた水素ガスバリア性を有するものとなる。
無機物層13に含まれる無機物は、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物、カルシウム酸化物、ケイ素窒化物、アルミニウム窒化物、ケイ素酸窒化物およびアルミニウム酸窒化物から選択される1種または2種以上である。これらの中でも、金属層11と組み合わせたときの水素ガス漏出防止効果および製造コストなどの観点から、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物およびカルシウム酸化物が好ましく、ケイ素酸化物およびアルミニウム酸化物が特に好ましい。
無機物層13の厚さは、5〜300nmであることが好ましく、特に10〜100nmであることが好ましく、さらには10〜30nmであることが好ましい。
(4)その他の層
紙基材14は、本実施形態に係る可撓性包装材料1を用いて紙パックを形成する場合に設けられるものである。紙基材14としては、パルプ、天然紙、合成紙、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙など、一般的に紙パックに用いられる原紙であれば特に制限されずに使用することができる。
紙基材14の坪量は、特に限定されるものではないが、可撓性や強度の観点から、170〜500g/m2であることが好ましく、特に200〜350g/m2であることが好ましい。
印刷層15は、図1においては、紙基材14に積層された樹脂層16Cに印刷加工を施すことで設けられるが、本実施形態はこれに限定されず、例えば紙基材14等に直接印刷加工を施すことで印刷層15を形成してもよい。
樹脂層16は、所望の層をコートしたり、層間の接着を担ったりする層である。本実施形態では、図1における樹脂層16Aは無機物層13をコートし、樹脂層16Bおよび樹脂層16Cは紙基材14をコートし、また、それらの樹脂層16A〜16Cは、層間の接着を担う。一方、図1における樹脂層16Dは、可撓性包装材料1の最外層として、印刷層15をコートする。
樹脂層16A〜16Cの構成材料としては、被着体に対する接着性を有し飲料用容器に一般的に用いられる材料であれば特に限定されないが、取扱いの容易さの観点から熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、例えば、ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン−αオレフイン共重合体等などが挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を混合して用いることができ、また、樹脂層16A〜16Cは、同一の組成物であってもよく、異なる組成物であってもよい。
樹脂層16Dとしては、汚染防止コート、耐候性コート、表面粗さおよび鏡面光沢度調整用コート等のトップコート層などが挙げられる。かかる樹脂層16Dの構成材料としては、例えば、ポリウレタン;アクリル系ポリマー;ポリ塩化ビニル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;オレフィン系、ポリエステル系等の熱可塑性エラストマー;アイオノマーなどの樹脂を使用することが好ましく、それらの中でもポリオレフィン、特にポリエチレンを使用することが好ましい。それらの樹脂は、顔料、無機フィラー、有機フィラー、紫外線吸収剤等の各種添加剤を含んだものであってもよい。
また、可撓性包装材料1は、前述した以外の層、例えば、水素ガス含有飲料の酸化を防止する等の機能を備えた機能性層、可撓性包装材料1同士を熱接着(ヒートシール)するためのシーラント層などを、本実施形態による効果を損なわない範囲で備えていてもよい。
2.第2の実施形態
第1の実施形態では、樹脂基材、無機物層、金属層および紙基材がこの順に積層される場合を一例として説明したが、本発明はこの場合に限られない。例えば、図2に示すように、可撓性包装材料2においては、金属層21、樹脂基材22および無機物層23がこの順に積層されており、無機物層23における樹脂基材23とは反対の面側(図2における上側)には樹脂層26が、また金属層21における樹脂基材22とは反対の面側(図2における下側)にはシーラント層28が、それぞれ設けられている。また、本実施形態においては、紙基材は積層されていない。
本実施形態における金属層21、樹脂基材22および無機物層23としては、前述した第1の実施形態にて説明した金属層11、樹脂基材12および無機物層13と同様のものを用いることができる。なお、金属層11と樹脂基材12との間に樹脂層を設けない場合、樹脂基材12は、前述した樹脂フィルムの中でも接着性(例えば、熱接着性)を有することが好ましい。
3.可撓性包装材料の製造方法
以下においては第1の実施形態に係る可撓性包装材料1の製造方法を例にとって説明するが、第2の実施形態に係る可撓性包装材料1にも適宜応用が可能である。
可撓性包装材料1を製造するには、可撓性包装材料を製造するには、まず樹脂基材12と無機物層13との積層体を製造する。かかる積層体は、樹脂基材12を構成する樹脂フィルムの一方の面に、無機物層13を形成することで得られる。
樹脂フィルムの一方の面に無機物層13を形成する方法は、使用する材料に応じて適宜選択すればよい。例えば、上記無機物層の材料を、抵抗加熱蒸着法、高周波誘導加熱蒸着法、電子ビーム物理蒸着法等の真空蒸着法;熱化学蒸着法、プラズマ化学蒸着法、光化学蒸着法等の化学蒸着法;スパッタリング法、イオンプレーティング法などにより、樹脂基材12の少なくとも一方の面に形成する方法などが挙げられる。また、無機物層13の材料を有機溶剤に溶解した溶液を、樹脂基材12の少なくとも一方の面に塗布する方法であってもよい。
ここで、無機物層13がケイ素酸化物で形成され、アルミニウム酸化物を含有しない場合には、真空蒸着法で形成することが好ましい。また、無機物層13がアルミニウム酸化物で形成され、ケイ素酸化物を含有しない場合には、熱化学蒸着法またはプラズマ化学蒸着法で形成することが好ましい。さらに、無機物層13がケイ素酸化物およびアルミニウム酸化物で形成される場合には、電子ビーム物理蒸着法で形成することが好ましい。
このようにして得られた無機物層13における樹脂基材12とは反対の面側(図1における上側)に、樹脂層16Aを積層する。樹脂層16Aの形成は常法によって行えばよく、例えば、押出ラミネーション、ドライラミネーション等によって形成することができる。
なお、本実施形態においては、樹脂基材12の少なくとも一方の面に、無機物を蒸着させて無機物層13が形成され、さらに無機物層13に樹脂層16Aが積層された積層体として、市販の蒸着フィルムを用いてもよい。本実施形態において利用可能な蒸着フィルムとしては、例えば、「GLシリーズ」「GXシリーズ」(凸版印刷社製)、「IBシリーズ」(大日本印刷社製)、「バリアロックス」(東レフィルム加工社製)、「テックバリア」(三菱樹脂社製)、「TLシリーズ」、「マックスバリアシリーズ」(三井化学東セロ社製)、「エコシアール」(東洋紡社製)などを例示することができる。このような市販の蒸着フィルムにおいては、無機物層13のコート層(本実施形態における樹脂層16Aに該当)として、熱接着性を有する樹脂層があらかじめ設けられているものもある。
得られた樹脂基材12、無機物層13および樹脂層16Aを備える積層体に、金属層11を構成する金属箔と、紙基材14を樹脂層16Bおよび16Cでサンドイッチしてなる積層体とを、順に積層する。得られた積層体における樹脂層16C側の面に印刷加工を施して印刷層15を形成し、当該印刷層15を樹脂層16Dにてコートすることにより、本実施形態に係る可撓性包装材料1を得ることができる。
一方、第2の実施形態に係る可撓性包装材料2を製造するには、前述した方法と同様にして樹脂基材22、無機物層23および樹脂層26を備える積層体を得たのち、当該積層体と、金属層21を構成する金属箔と、熱可塑性樹脂により構成されるシーラント層28とを、順に積層すればよい。
以上の本実施形態に係る可撓性包装材料1および2は、金属層11に微小なクラックが生じたとしても、水素ガスの漏出を抑制することができる。このため、可撓性包装材料1は、例えば可撓性を有する例えば水素ガス含有飲料の容器に用いた場合に、水素ガス含有飲料における水素ガス濃度を高い値に維持することができる。
〔水素ガス含有飲料用容器,水素ガス含有飲料用紙パック,水素ガス含有飲料用パウチ〕
本実施形態に係る水素ガス含有飲料用容器は、前述した可撓性包装材料を用いて形成されたものである。例えば、前述した可撓性包装材料1を用いた場合、水素ガス含有飲料用紙パックが得られ、また前述した可撓性包装材料2を用いた場合、水素ガス含有飲料用パウチが得られる。
水素ガス含有飲料用紙パックの形状は、用途・目的などに応じて適宜決定すればよく、例えば、ブリックタイプ(レンガ型)、ゲーブルトップタイプ(屋根型)、フラットタイプ、円筒型、三角錐型などが挙げられる。なお、水素ガス含有飲料用紙パックの注出口には、例えばキャップ、プルタブの開封機構等を適宜に設けてもよい。
一方、水素ガス含有飲料用パウチの形状も、用途・目的などに応じて適宜決定すればよく、スタンディングパウチ、非スタンディングパウチ等の何れであってもよい。また、包装形態も特に制限されず、通常のガゼット袋の他、サイドガゼット袋や平袋など各種のものを使用することができる。さらに、水素ガス含有飲料用パウチの注出口には、例えばスパウト等の開封機構を設けてもよく、開封するための切欠部を設けてもよい。
なお、水素ガス含有飲料用容器(紙パックおよびパウチを含む)の注出口にキャップ、スパウト等の開封機構を設ける場合、これらの開封機構を構成する材料としては、水素ガスの漏出が抑制される材料であることが好ましく、例えばアルミニウムなどの金属製であることが特に好ましい。
本実施形態に係る水素ガス含有飲料用容器は、以下のようにして製造することができる。例えば、水素ガス含有飲料用紙パックを製造する場合、前述した可撓性包装材料1を、まず所定の形状に裁断する。次いで、所定の折り曲げ線に沿って折り曲げ、これにより形成された端部の重なり部分を適当な接着剤またはシーラント層のヒートシールにより接着し、所定の形状に成形された水素ガス含有飲料用紙パックを得ることができる。
一方、本実施形態に係る水素ガス含有飲料用パウチを製造するには、前述した可撓性包装材料2を、まず所定の形状に裁断する。次いで、所望により底面用フィルム(好ましくは可撓性包装材料2で構成される)を折り込み、またスパウトなどの開封機構を載置した後、シーラント層28のヒートシール性を利用して、袋状となるように端部をヒートシールしたり、適当な接着剤を用いて製袋したりすることにより、所定の形状に成形された水素ガス含有飲料用パウチを得ることができる。
なお、水素ガス含有飲料用容器の製造工程には、後述する水素ガス含有飲料が充填される工程が含まれていてもよい。
このようにして得られる水素ガス含有飲料用容器、水素ガス含有飲料用紙パックおよび水素ガス含有飲料用パウチは、前述した可撓性包装材料を用いて成形されているため、例えば容器の製造工程、特に成形工程における折り曲げなどにおいて金属層に微小なクラックが生じたとしても、水素ガスの漏出を抑制することができる。そのため、得られる容器に水素ガス含有飲料を充填したときに、水素ガス濃度を高い値に維持することができる。
〔容器詰水素ガス含有飲料〕
本実施形態に係る容器詰水素ガス含有飲料は、上記の水素ガス含有飲料用容器、水素ガス含有飲料用紙パックまたは水素ガス含有飲料用スパウト付きパウチ(以下、「水素ガス含有飲料用容器等」という。)に水素ガス含有飲料を充填してなるものである。
本実施形態を適用し得る飲料としては、飲用水のほか、緑茶飲料や紅茶飲料等の茶系飲料、野菜飲料、果汁飲料、コーヒー飲料、炭酸飲料、機能性飲料、酢含有飲料、スポーツドリンク、ニアウォーター、乳酸菌飲料等が挙げられる。飲用水としては、飲用に適した水であれば特に制限されず、例えば、純水、硬水、軟水、イオン交換水等のほか、これらの水を脱気処理した脱気水等が挙げられる。
本実施形態に用いられる水素ガス含有飲料は、水素ガス濃度が0.1〜7ppmであることが好ましく、特に0.3〜5ppmであることが好ましい。水素ガス濃度が0.1ppm以上であると、水素ガス含有飲料が十分な還元力を有し、また夏ばて予防効果なども期待できる。一方、水素ガスの濃度が7ppm以下であると、水における水素ガスの飽和濃度と大きく乖離しないため水素ガスを十分に飲料中に保持することができる。
水素ガス含有飲料は、原料となる上記飲料に水素ガスを含有させることによって製造することができる。水素を含有させる方法は、水素の加圧、液体水素の添加、原料となる飲料への水素の微細気泡や水素吸蔵金属の添加、アルカリ金属の直接溶解、水の電気分解などにより発生する水素を利用するなどの方法を用いることができる。
このようにして得られた水素ガス含有飲料を、上記の水素ガス含有飲料用容器等に充填することにより、本実施形態に係る容器詰水素ガス含有飲料を製造することができる。得られる容器詰水素ガス含有飲料は、流通・販売過程や飲用前の取扱い時に起こる凹みや折れにより容器にクラックが生じたとしても、水素ガスの漏出を抑制することができる。これにより、容器詰水素ガス含有飲料は、賞味期限内の水素ガス濃度を高い値に維持することができ、また賞味期限の延長も可能になる。さらに、上記の容器詰水素ガス含有飲料は、可撓性容器に充填されているため流通・販売過程における取り扱いが容易になる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、可撓性包装材料における積層の順序は、金属層が樹脂基材と無機物層との間に存在しないように積層すればよい。すなわち、第1の実施形態においては、印刷層および樹脂層を除くと樹脂基材12/無機物層13/金属層11/紙基材14の順序として説明したが、金属層/樹脂基材/無機物層/紙基材や金属層/紙基材/樹脂基材/無機物層といった順序で積層されていてもよい。
以下、実施例等を示すことにより本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
金属層としてのアルミニウム層を備え、以下の層構成を有するアルミフィルム(細川洋行社製)を14.7cm×13cmに裁断した。
=アルミフィルムの層構成=
括弧内の数値は厚さを表す。
PET(12μm)/ポリエチレン(15μm)/アルミニウム(7μm)/ポリエチレン(15μm)/直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)(30μm)
裁断したアルミフィルムについて、図3に示すようにクラック形成処理を行った。すなわち、直径1.5cm程度の円筒状の2本の棒を、それぞれの棒の先端をフィルム端部から5cm内側に位置させ、2本の棒を巻き込むようにしてフィルム屈曲させた(図3における(1))。次いで、2本の棒を、フィルムに対して手で固定しながらフィルム中央部方向に動かし(同(2))、次いで元に戻す(同(3))という一連の動作を50秒間で100回繰り返した。その後、最初の2本の棒の方向と略直交する方向(同(4))にて2本の棒を巻き込み、一連の動作を同様に行い(同(5))、フィルムにクラックを形成した(同(6))。
一方、樹脂基材層としてのポリエチレンテレフタレート(PET)層と、無機物層としての酸化ケイ素蒸着層とを備え、以下の層構成を有するシリカ蒸着フィルム(凸版印刷社製,製品名「GLフィルム」)を12.5cm×10.4cmに裁断した。
=シリカ蒸着フィルムの層構成=
括弧内の数値は厚さを表す。
GL−RD12(12μm)(凸版印刷社製,PET層および酸化ケイ素蒸着層を有する)/延伸ナイロン(ONY)(15μm)/無延伸ポリプロピレン(CPP)(50μm)
クラックを形成したアルミフィルムと、裁断したシリカ蒸着フィルムとを、アルミフィルムのLLDPE層およびシリカ蒸着フィルムのCPP層が互いに接するようにして積層し、ヒートシールすることにより、アルミフィルムにクラック形成処理が行われた可撓性包装材料を得た。得られた可撓性包装材料を2枚用い、シリカ蒸着フィルム側が内側になるようにして2枚を重ね合わせ、3辺をヒートシールして製袋し、水素ガス含有飲料用容器を得た。
市販のミネラルウォーターを卓上水素水生成機(エコモ・インターナショナル社製,製品名「Aquela blue MEH-1500」)に供して水素水を得た。得られた水素水に含まれる水素ガス濃度を溶存水素濃度計(東亜ディーケーケー社製,製品名「DH−35A」)にて測定し、その結果に基づき水素ガス濃度を1.30ppmに調整した後、200mLを上記水素ガス含有飲料用容器に充填し、ヘッドスペースが無いようにヒートシールして密封することにより、容器詰水素ガス含有飲料を製造した。
得られた容器詰水素ガス含有飲料(サンプル)を25℃で1週間保存した後、水素ガス含有飲料に含まれる水素ガス濃度を溶存水素濃度計(東亜ディーケーケー社製,製品名「DH−35A」)にて測定した。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
シリカ蒸着フィルムに替えて、以下の層構成を有するアルミナ蒸着フィルム(凸版印刷社製,製品名「GXフィルム」)を用いた他は、実施例1と同様にして、容器詰水素ガス含有飲料を製造し25℃1週間保存後の水素ガス濃度を測定した。結果を表1に示す。
=アルミナ蒸着フィルムの層構成=
括弧内の数値は厚さを表す。
GX−P−F12(12μm)(凸版印刷社製,PET層および酸化アルミニウム蒸着層を有する)/ONY(15μm)/CPP(50μm)
〔比較例1〕
シリカ蒸着フィルムに替えて、以下の層構成を有するアルミ蒸着フィルム(東レ社製)を用い、クラック形成したアルミフィルムのLLDPE層およびアルミ蒸着フィルムの直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)層が互いに接するようにして積層した以外は、実施例1と同様にして、容器詰水素ガス含有飲料を製造し25℃1週間保存後の水素ガス濃度を測定した。結果を表1に示す。
=アルミ蒸着フィルムの層構成=
括弧内の数値は厚さを表す。
VM−PET(12μm)(東レ社製,PET層およびアルミニウム蒸着層を有する)/ドライラミネート(DL)/LLDPE(80μm)
〔比較例2〜5,参考例〕
表1に示す蒸着フィルムまたはアルミフィルムを14.7cm×13cmに裁断し、包装材料として用いた。2枚の包装材料をCPP層(またはLLDPE層)が内側となるようにして2枚を重ね合わせ、3辺をヒートシールして水素ガス含有飲料用容器を得た。これら以外は実施例1と同様にして、水素ガス濃度を1.30ppmに調整した水素水を充填してヘッドスペースが無いように密封し、25℃1週間保存後の水素ガス濃度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006150396
表1に示すように、実施例で得られた容器詰水素ガス含有飲料は、アルミフィルム(におけるアルミニウム層)にクラックが形成されていても、水素ガスの漏出が抑制されており、クラックが形成されていない参考例と同程度の水素ガス残存率を有していた。一方、無機物層を備えていない比較例1〜2、および金属層を備えていない比較例3〜5の容器詰水素ガス含有飲料は、水素ガスの漏出が十分に抑制できなかった。
〔実施例3〕
14.7cm×13cmに裁断したアルミフィルム(細川洋行社製、層構成は前述)と、12.5cm×10.4cmに裁断したシリカ蒸着フィルム(凸版印刷社製,製品名「GLフィルム」,層構成は前述)とを、アルミフィルムのLLDPE層およびシリカ蒸着フィルムのCPP層が互いに接するようにして積層し、ヒートシールすることにより、可撓性包装材料を得た。得られた可撓性包装材料を2枚用い、シリカ蒸着フィルム側が内側になるようにして2枚を重ね合わせ、3辺をヒートシールして製袋した。得られた製袋品について、図3に示すようにクラック形成処理を行い、クラック形成された水素ガス含有飲料用容器を得た。
得られた水素ガス含有飲料用容器(クラック形成処理済)について、実施例1と同様に、水素ガス濃度を1.30ppmに調整した水素水200mLを充填し、ヘッドスペースが無いようにヒートシールして密封することにより、容器詰水素ガス含有飲料を製造した。得られた容器詰水素ガス含有飲料(サンプル)を25℃で1週間保存した後、水素ガス含有飲料に含まれる水素ガス濃度を溶存水素濃度計(東亜ディーケーケー社製,製品名「DH−35A」)にて測定した。結果を表2に示す。
〔実施例4,比較例6〜7〕
シリカ蒸着フィルムに替えて、アルミナ蒸着フィルム(凸版印刷社製,製品名「GLフィルム」,層構成は前述)、アルミ蒸着フィルム(東レ社製,層構成は前述)、またはアルミフィルム(細川洋行社製,層構成は前述)を12.5cm×10.4cmに裁断し、14.7cm×13cmに裁断したアルミフィルムと積層した以外は、実施例3と同様にして可撓性包装材料を製造した。かかる可撓性包装材料を用いてクラック形成された水素ガス含有飲料用容器を得た後、水素ガス濃度1.30ppmに調整した水素水200mLを充填し、ヘッドスペースがないように密封して、25℃1週間保存後の水素ガス濃度を測定した。結果を表2に示す。
〔実施例5〕
以下の層構成を有するシリカ・アルミナ混合蒸着フィルム(東洋紡社製)を、14.7cm×13cmに裁断した。
=シリカ・アルミナ混合蒸着フィルムの層構成=
括弧内の数値は厚さを表す。
エコシアールVN507(15μm)(東洋紡社製,ONY層およびシリカ・アルミナ混合蒸着層を有する)/ドライラミネート(DL)/LLDPE(40μm)
アルミフィルム(細川洋行社製,層構成は前述)を12.7cm×11.0cmに裁断し、シリカ・アルミナ混合蒸着フィルムのLLDPE層およびアルミフィルムのLLDPE層が互いに接するようにして積層し、ヒートシールすることにより、可撓性包装材料を得た。得られた可撓性包装材料を2枚用い、アルミフィルム側が内側になるようにして2枚を重ね合わせ、3辺をヒートシールして製袋した。得られた製袋品について、実施例3と同様にして、クラック形成処理を行い、水素ガス濃度1.30ppmに調整した水素水200mLを充填し、ヘッドスペースがないように密封して、25℃1週間保存後の水素ガス濃度を測定した。結果を表2に示す。
〔実施例6〕
アルミフィルムに替えて、以下の構成を有するアルミ合金フィルム(細川洋行社製)を使用した以外は、実施例3と同様にして可撓性包装材料を製造した。かかる可撓性包装材料を用いてクラック形成された水素ガス含有飲料用容器を得た後、水素ガス濃度1.30ppmに調整した水素水200mLを充填し、ヘッドスペースがないように密封して、25℃1週間保存後の水素ガス濃度を測定した。結果を表2に示す。
=アルミ合金フィルムの層構成=
括弧内の数値は厚さを表す。
PET(12μm)/ドライラミネート/アルミニウム合金(7μm)/ドライラミネート/LLDPE(60μm)
〔比較例8〕
シリカ蒸着フィルムを用いず、14.7cm×13cmに裁断したアルミフィルム(細川洋行社製,層構成は前述)のみを用いて製袋した以外は、実施例3と同様にして、クラック形成された水素ガス含有飲料用容器を得た後、水素ガス濃度1.30ppmに調整した水素水200mLを充填し、ヘッドスペースがないように密封して、25℃1週間保存後の水素ガス濃度を測定した。結果を表2に示す。
〔比較例9〕
シリカ蒸着フィルムを用いず、14.7cm×13cmに裁断したアルミ合金フィルム(細川洋行社製,層構成は前述)のみを用いて製袋した以外は、実施例3と同様にして、クラック形成された水素ガス含有飲料用容器を得た後、水素ガス濃度1.30ppmに調整した水素水200mLを充填し、ヘッドスペースがないように密封して、25℃1週間保存後の水素ガス濃度を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0006150396
表2に示すように、実施例で得られた容器詰水素ガス含有飲料は、製袋後にクラック形成を行っても、水素ガスの漏出が良好に防止されていた。一方、無機物層に替えてアルミ蒸着層を用いた比較例5、アルミフィルム2枚の積層体を用いて製袋した比較例7、アルミフィルム1枚のみで製袋した比較例8、およびアルミ合金フィルム1枚のみで製袋した比較例9は、いずれも水素ガス漏出防止効果が十分でなかった。
本発明に係る可撓性包装材料、水素ガス含有飲料用容器、水素ガス含有飲料用紙パックおよび水素ガス含有飲料用パウチは、水素ガス含有飲料の包装材料または容器に好適に用いられる。また、本発明に係る容器詰水素ガス含有飲料は、水素ガスの漏出が防止され、流通・販売過程や飲用時における取り扱いが容易な水素ガス含有飲料として好適である。
1,2…包装材料
11,21…金属層
12,22…樹脂基材
13,23…無機物層
14…紙基材

Claims (7)

  1. 樹脂基材と、前記樹脂基材の少なくとも一方の面側に積層された無機物層と、前記樹脂基材および前記無機物層の間には存在しない金属層とを備えた可撓性包装材料(前記無機物層と金属層の間にポリアミド層及び/又はポリプロピレン層を含むものを除く)を用いて成形された水素ガス含有飲料用容器であって、
    前記金属層は、少なくともアルミニウムを含有し、
    前記無機物層は、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物、カルシウム酸化物、ケイ素窒化物、アルミニウム窒化物、ケイ素酸窒化物およびアルミニウム酸窒化物からなる群より選択される1種または2種以上で形成される
    ことを特徴とする水素ガス含有飲料用容器。
  2. 前記無機物層は、前記樹脂基材の少なくとも一方の面側に形成された蒸着層であることを特徴とする請求項1に記載の水素ガス含有飲料用容器。
  3. 前記金属層の厚さは、5〜14μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の水素ガス含有飲料用容器。
  4. 水素ガス含有飲料用パウチである請求項1〜3のいずれか一項に記載の水素ガス含有飲料用容器。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の水素ガス含有飲料用容器に、水素ガスを含有する飲料が充填されてなる容器詰水素ガス含有飲料。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の水素ガス含有飲料用容器に、水素ガスを含有する飲料を充填することを特徴とする容器詰水素ガス含有飲料の製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の水素ガス含有飲料用容器に、水素ガスを含有する飲料を充填することを特徴とする水素ガス含有飲料の水素ガス濃度低下抑制方法。
JP2014093863A 2014-04-30 2014-04-30 水素ガス含有飲料用容器および容器詰水素ガス含有飲料 Active JP6150396B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014093863A JP6150396B2 (ja) 2014-04-30 2014-04-30 水素ガス含有飲料用容器および容器詰水素ガス含有飲料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014093863A JP6150396B2 (ja) 2014-04-30 2014-04-30 水素ガス含有飲料用容器および容器詰水素ガス含有飲料

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015234372A Division JP2016074223A (ja) 2015-12-01 2015-12-01 可撓性包装材料および容器詰水素ガス含有飲料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015209255A JP2015209255A (ja) 2015-11-24
JP6150396B2 true JP6150396B2 (ja) 2017-06-21

Family

ID=54611773

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014093863A Active JP6150396B2 (ja) 2014-04-30 2014-04-30 水素ガス含有飲料用容器および容器詰水素ガス含有飲料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6150396B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6587090B2 (ja) 2015-03-30 2019-10-09 国立大学法人名古屋大学 転削工具
KR20180025868A (ko) * 2015-07-01 2018-03-09 가부시키가이샤 호소카와 요코 적층체, 포장대, 입구마개 달린 포장대 및 수소수 넣은 입구마개 달린 포장대
JP6210521B1 (ja) * 2016-04-28 2017-10-11 奥長良川名水株式会社 水素水

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4731097Y1 (ja) * 1969-04-28 1972-09-18
JP4617754B2 (ja) * 2004-07-27 2011-01-26 凸版印刷株式会社 真空包装材
JP2009227300A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Makino Sogo Kenkyusho:Kk 水素含有飲料用ストロー・キャップ付きパウチ
JP2011240959A (ja) * 2010-05-18 2011-12-01 Shefco Co Ltd スパウト付包装容器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015209255A (ja) 2015-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4794442B2 (ja) 無箔バリヤラミネート
US10654635B2 (en) Transparent retail bag-in-box package
JP2008221606A (ja) 紙容器用積層材料及び液体用紙容器
JP2022007902A (ja) 蒸着樹脂フィルム、該蒸着樹脂フィルムを備える積層体及び該積層体を備える包装容器
JP2015093404A (ja) 包装体用フィルム及び包装体
JP2022031795A (ja) 蒸着樹脂フィルム、該蒸着樹脂フィルムを備える積層体及び該積層体を備える包装容器
JP6150396B2 (ja) 水素ガス含有飲料用容器および容器詰水素ガス含有飲料
JP2018510822A (ja) 付属部を有する可撓性容器
JP2012025439A (ja) ストローの突き刺し性を有する紙製タブテープ
JP2016074223A (ja) 可撓性包装材料および容器詰水素ガス含有飲料
JP3205004U (ja) 可撓性包装材料および容器詰水素ガス含有飲料
JP2018020535A (ja) 深絞り包装体用共押出無延伸フィルム、冷凍包装体用積層フィルム、およびこれらを用いた包装体
JP6415263B2 (ja) 包装体用フィルム及び包装体
CN210618940U (zh) 一种自立袋
WO2021100770A1 (ja) 蒸着樹脂フィルム、該蒸着樹脂フィルムを備える積層体及び該積層体を備える包装容器
JP2022007899A (ja) 印刷樹脂フィルム、該印刷樹脂フィルムを備える積層体及び該積層体を備える包装容器、並びにポリエステルフィルムを備える積層体及び該積層体を備える包装容器
JP6547864B2 (ja) 包装材料及びそれを用いた包装容器
US20150360828A1 (en) Reinforced foil membrane
JP6984717B1 (ja) 印刷樹脂フィルム、該印刷樹脂フィルムを備える積層体及び該積層体を備える包装容器、並びにポリエステルフィルムを備える積層体及び該積層体を備える包装容器
JP2017197276A (ja) 包装材料及びそれを含む容器
JP7431131B2 (ja) 包装材料及びそれを含む容器
JP4011650B2 (ja) バリア−性フィルム、それを使用した積層体および包装用容器
JP2000198167A (ja) 保香性を有する易開封性包装体
JP5200718B2 (ja) 液体用紙容器およびその製造方法
WO2021100771A1 (ja) 印刷樹脂フィルム、該印刷樹脂フィルムを備える積層体及び該積層体を備える包装容器、並びにポリエステルフィルムを備える積層体及び該積層体を備える包装容器

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150901

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151201

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20151209

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20160108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170519

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6150396

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250