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JP6146175B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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JP6146175B2 JP2013145057A JP2013145057A JP6146175B2 JP 6146175 B2 JP6146175 B2 JP 6146175B2 JP 2013145057 A JP2013145057 A JP 2013145057A JP 2013145057 A JP2013145057 A JP 2013145057A JP 6146175 B2 JP6146175 B2 JP 6146175B2
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本発明は、画像形成装置に関する。
画像の形成に際して記録媒体に吐出されたインク等の色剤を記録媒体に定着させるため、紫外線等のエネルギーを画像が形成された記録媒体に照射する照射部を備える画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1)。
さらに、記録媒体に形成された画像を光学的に読み取る読取部を備え、読取部による読取結果に基づいて、画像の色再現性を判定する機能等を有する画像形成装置も知られている。
特開2009−262524号公報
しかしながら、照射部及び読取部を備える画像形成装置において、照射部により照射された紫外線等が読取部に進入すると、読取部の読取結果に誤差を生じさせる問題があった。ここで、照射部と読取部はともに、搬送部により搬送される記録媒体に面するよう設けられることから、照射部と読取部とを完全に物理的に隔離することは困難であった。また、照射部と読取部との間の距離が長ければ長いほど、照射部により照射された紫外線等が読取部に進入する可能性は低くなるが、照射部と読取部との間の距離を長くしようとすると、画像形成装置が大型化してしまうという別の問題が生じる。
本発明は、画像形成装置を大型化させることなく、記録媒体に照射されたエネルギーが読取結果に与える影響をより低減することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明による画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により画像が形成された記録媒体に画像を定着させるためのエネルギーを照射する照射部と、記録媒体の搬送方向における前記照射部の下流側に設けられ、前記画像形成部により記録媒体に形成されたパターン画像を読み取る読取部と、前記読取部及び前記照射部の動作を制御する制御部と、を備え、前記パターン画像は、前記記録媒体における前記搬送方向の上流側端部に形成され、前記制御部は、前記読取部による前記パターン画像の読取開始から読取完了前の間の所定のタイミングで前記照射部によるエネルギーの照射を停止させることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記エネルギーは、所定の波長の光であり、前記パターン画像は、複数の色により構成され、当該パターン画像に含まれる複数の色のうち、前記所定の波長に対応する色により近い色の部分画像ほど前記搬送方向のより上流側に存することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置であって、前記パターン画像のもとになる画像データにおける複数の色の色値と当該画像データを用いて記録媒体に形成されたパターン画像の読取結果における複数の色の色値との比較結果に基づいて、前記画像形成部による色再現性の是非を判定する判定部を備え、前記エネルギーは、所定の波長の光であり、前記判定部は、前記所定の波長に対応する色に関する判定を行わないことを特徴とする。
本発明によれば、画像形成装置を大型化させることなく、記録媒体に照射されたエネルギーが読取結果に与える影響をより低減することができる。
本発明の一実施形態である画像形成装置の主要構成を示す図である。 画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。 読取部のCCDイメージセンサーの分光感度特性の一例を示す図である。 パターン画像が形成された記録媒体の一例を示す図である。 ドラム式の搬送部を有する画像形成装置の一例を示す図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置1の主要構成を示す図である。
図2は、画像形成装置1の主要構成を示すブロック図である。
画像形成装置1は、通信部10、画像処理部20、画像形成部30、照射部40、読取部50、搬送部60、判定部70、調整部80、操作表示部90、制御部100等を備え、これらの各部は、バス2を介して接続されている。
通信部10は、例えば、ネットワークインターフェースカード(Network Interface Card)等を備え、外部の機器と画像形成装置1とを通信可能に接続する。
通信部10は、例えば、外部の機器から送信されたジョブデータを受信する。
画像処理部20は、各種の画像処理を行う。
具体的には、画像処理部20は、例えば、通信部10を介して入力されたジョブデータに含まれるページ記述言語によるデータを解析してベクターデータを生成する解析処理、解析処理により生成されたベクターデータを画像データに応じたビットマップデータを生成するラスタライズ処理等、各種の画像処理を行う。
画像形成部30は、媒体(例えば、記録媒体P等)に画像を形成する。
具体的には、画像形成部30は、例えば、所定の方向に沿って設けられた複数のノズルや、複数のノズルの各々からインクを吐出するインクジェットヘッド、インクジェットヘッドの駆動に係る各種の回路を備える駆動基板等を備えたヘッド部31を有する。画像形成部30は、画像処理部20により生成されたビットマップデータに基づいて、搬送部60により搬送される記録媒体Pに対してヘッド部31のノズルからインクを吐出することで、記録媒体Pに画像を形成する。また、画像形成部30は、ヘッド部31に対してインクを供給するインク供給部、ヘッド部31を所定の方向に沿って移動可能に支持するキャリッジ、後述する詰まり解消動作においてヘッド部31を所定の方向に沿って移動させる駆動部及びノズルから強制的に吐出されたインクを受け止めるためのクリーニング部等を有する。
本実施形態の画像形成部30は、複数の色(例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K))のインクの組み合わせにより画像を形成するカラープリントが可能な画像形成部である。画像形成部30のヘッド部31は、複数の色の各々について個別に設けられている。
画像形成部30は、例えば、ジョブデータに応じた画像を形成する。
また、画像形成部30は、パターン画像を形成する(図4参照)。パターン画像の形成は、例えば、ジョブデータに応じた画像の形成とともに行われる。パターン画像の詳細については、後述する。
照射部40は、画像形成部30により画像が形成された記録媒体Pに画像を定着させるためのエネルギーを照射する。
照射部40により照射されるエネルギーは、インクの特性に応じる。例えば、画像形成部30のヘッド部31において紫外線の照射により硬化する紫外線硬化性インクが用いられる場合、照射部40から照射されるエネルギーは、紫外線である。この場合、照射部40は、例えば、紫外線(ultraviolet:UV)を発する発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)等の照射源等を有する。係る照射部40は、搬送部60により搬送される記録媒体Pに対して紫外線を照射する。
照射部40によりエネルギーが照射されると、記録媒体Pの記録面上に吐出されたインクが硬化して、記録面に定着されることとなる。
読取部50は、媒体の画像を読み取る。
具体的には、読取部50は、例えば、CCD(charge-coupled device)イメージセンサー又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサー等、所定数の撮像素子が所定の方向に沿って設けられたリニアイメージセンサーや、撮像素子から出力された電気信号に応じて画像データを生成する生成部、媒体に対して光を照射する光源等を有する。読取部50は、搬送部60により搬送されることで読取部50に対して移動する媒体を走査することで媒体上に形成されている画像を読み取る。より具体的には、読取部50は、光源から媒体に光を照射し、媒体により反射された光をリニアイメージセンサーで検知して、検知結果に応じて出力された電気信号に基づいて、読取結果に応じた画像データ(読取画像データ)を生成、出力する。
読取部50は、照射部40に近接して設けられている。
具体的には、読取部50と照射部40は、搬送部60による媒体の搬送経路に沿って隣り合うよう設けられている。
ここで、照射部40から照射されるエネルギーと読取部50による読取結果の関係について説明する。
図3は、読取部50のCCDイメージセンサーの分光感度特性の一例を示す図である。
CCDイメージセンサーは、図3に示すように、400〜700[nm]の光に対する感度を有する。このため、例えば、照射部40の照射源から発せられる紫外線の波長が405[nm]である場合、CCDイメージセンサーは、照射部40の照射源から発せられる紫外線や当該紫外線の反射光に対する感度を有していることとなる。
また、図3では図示していないが、CCDイメージセンサーは、例えば、395[nm]等、400[nm]未満の全ての光に対する感度が全くないわけではない。また、照射源に設定される紫外線の波長はあくまで中心波長であり、照射源から実際に発せられる紫外線の波長が完全な単一波長であるわけではない。このため、照射部40の照射源から発せられる紫外線の波長が400[nm]未満に設定されている場合であっても、CCDイメージセンサーは、照射部40の照射源から発せられる紫外線や当該紫外線の反射光に対する感度を示すことがある。
図3に示すような分光感度特性と照射部40の照射源から発せられる紫外線との関係から、本実施形態において読取部50の動作中に照射部40が動作している場合、読取部50のCCDイメージセンサーにより読み取られる色のうち、青(B)を原色として含む色が影響を受ける。また、赤(R)、緑(G)、青(B)の原色のうち、青(B)による影響がより強い色は、照射部40の照射源から発せられる紫外線の影響がより強くなる。言い換えれば、本実施形態において、照射部40から照射されるエネルギーである光(紫外線)の波長(所定の波長)に対応する色は、青(B)である。
搬送部60は、画像形成部30、照射部40及び読取部50に媒体を搬送する。
具体的には、搬送部60は、例えば、所定の方向について所定の幅を有する輪状のベルトや、ベルトの輪の内側からベルトを張架するよう設けられた複数のローラー、ローラーを回転駆動する駆動部等を有する。搬送部60は、駆動部がローラーを回転駆動することで、ベルトの外周面に載置された記録媒体P等の媒体を搬送する。
搬送部60は、例えば、所定の方向に直交する方向に沿って媒体を搬送する。ここで、画像形成部30と照射部40は、所定の方向に直交する方向に沿って設けられている。また、照射部40は、搬送部60による媒体の搬送方向において、画像形成部30の下流側に設けられている。また、読取部50は、搬送方向において、照射部40の下流側に設けられている。また、搬送部60のベルトの上面は、当該上面に載置されて搬送される媒体の通過位置が画像形成部30、照射部40及び読取部50の配設位置の近傍となるよう設けられている。搬送部60は、所定の方向に直交する方向に沿って媒体を搬送することで、画像形成部30、照射部40及び読取部50の配設位置の近傍に媒体を通過させる。
また、搬送部60に媒体が載置される搬送面と、画像形成部30のヘッド部31のノズルから吐出されるインクの吐出方向とは直交する。
判定部70は、パターン画像を構成する複数の色の各々と、読取部50による当該パターン画像の読取結果が示す複数の色の各々との比較結果に基づいて、画像形成部30による色再現性の是非を判定する。
ここで、パターン画像について説明する。
パターン画像は、例えば、図4に示すように、記録媒体P(例えば、枚葉紙)における記録面のうち、ジョブデータに応じた画像が形成される画像形成領域の上流側であって、記録媒体Pの上流側端部に存する余白領域に形成される。
また、パターン画像は、複数の色により構成される。
具体的には、パターン画像は、例えば、図4に示すように、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色に対応する部分領域を有する。
なお、図4には、各部分領域の色に対応する符号R、G、Bを付している。また、各部分領域は、例えば、搬送方向に直交する方向(幅方向)について、記録媒体Pに画像を形成することが可能な最大幅に対応する幅を有する方形状の領域であるが、一例であってこれに限られるものでなく、適宜変更可能である。
また、パターン画像は、当該パターン画像に含まれる複数の色のうち、所定の波長により近い色に対応する色の部分画像ほど搬送方向のより上流側に存する。
具体的には、例えば、図4に示すように、パターン画像を構成する赤(R)、緑(G)、青(B)の各色に対応する部分領域のうち、照射部40から照射される光(紫外線)の波長に対応する色である青(B)の部分領域が最も上流側に存する。また、赤(R)よりも緑(G)のほうが照射部40から照射される光の波長により近いことから、赤(R)の部分領域よりも緑(G)の部分領域のほうがより上流側に存する。このことから、余白部分P1には、搬送方向に沿う方向について、上流側から、青(B)、緑(G)、赤(B)の順に部分領域が並ぶように形成されている。
パターン画像のもとになる画像データ(元画像データ)は、例えば、画像形成装置1に設けられた記憶装置(例えば、制御部100のROM等)に予め記憶されている。画像形成部30は、元画像データに基づいてパターン画像を形成する。読取部50は、元画像データを用いて記録媒体Pに形成されたパターン画像を読み取って、読取結果に応じた読取画像データを生成する。
判定部70は、元画像データの色と読取画像データの色とを比較する。具体的には、判定部70は、例えば、元画像データの各画素の色値と、読取画像データの各画素の色値とを比較する。そして、判定部70は、比較された色値に差がある場合に、当該差と所定の閾値との関係に基づいて、画像形成部30による色再現性の是非を判定する。
例えば、比較された色値に差がない場合や、差がある場合であって、かつ、当該差が所定の閾値未満である場合に、判定部70は、元画像データに基づいて形成されたパターン画像の色再現性に問題がないものと判定する。ここで、元画像データに基づいて形成されたパターン画像の色再現性に問題がないということは、ジョブデータに応じて形成される画像の色再現性にも問題が生じないものと推定されることから、判定部70は、画像形成部30による色再現性に問題がないと判定する。
一方、比較された色値に差がある場合であって、かつ、当該差が所定の閾値以上である場合に、判定部70は、元画像データに基づいて形成されたパターン画像の色再現性に問題があるものと判定する。ここで、元画像データに基づいて形成されたパターン画像の色再現性に問題があるということは、ジョブデータに応じて形成される画像の色再現性にも問題が生じるものと推定されることから、判定部70は、画像形成部30による色再現性に問題があると判定する。
判定部70は、元画像データの各部分領域と、読取画像データの各部分領域とを対応させたうえで、各画素の色値の比較を行う。また、判定部70は、所定の画素数以上の画素について、色値の差が所定の閾値以上である場合に、画像形成部30による色再現性に問題があると判定するようにしてもよい。なお、所定の閾値及び所定の画素数については、任意に設定することができる。
調整部80は、判定部70による判定結果に基づいて、画像形成部30の色再現に係る調整を行う。
具体的には、調整部80は、画像形成部30による色再現性に問題があると判定部70により判定された場合、正しい色再現が行われるように出力信号を調整する調整動作を行う。
具体的には、調整部80は、例えば、元画像データの色値に対して読取画像データの色値が大きいことにより色再現性に問題があると判定された画素がある場合、即ち、濃すぎる色が再現されている場合に、当該画素に対応するノズルの出力信号について、インクの吐出量をより少なくするように調整を行うことで、色再現性を適正にする。逆に、元画像データの色値に対して読取画像データの色値が小さいことにより色再現性に問題があると判定された画素がある場合、即ち、淡すぎる色が再現されている場合に、当該画素に対応するノズルの出力信号について、インクの吐出量をより多くするように調整を行うことで、色再現性を適正にする。係る色再現性の適正化は、説明の簡略化のために例示的に説明しているが、適宜変更可能である。具体的には、調整部80は、例えば、赤(R)を再現するために必要な各色のインクの割合に応じて、各色のヘッドユニットのノズルの出力信号を調整する。他の色についても、同様である。また、調整部80は、色再現性に問題があると判定部70により判定される原因となった全ての画素について、出力信号の調整を行う。
判定部70及び調整部80は、例えば、PLD又はASICのような集積回路あるいはこれらの組み合わせによる回路からなり、当該回路に、判定部70及び調整部80としての機能が実装されているが、一例であってこれに限られるものでない。例えば、各機能の一部又は全部について個別に回路が設けられていてもよい。
操作表示部90は、画像形成装置1の動作に係る各種の表示出力を行うとともに、画像形成装置1の動作に係る各種の入力操作を検知する。
具体的には、操作表示部90は、例えば、タッチパネル方式の入力装置を備える表示装置や、各種の入力操作内容に応じて設けられたスイッチ等を備える。操作表示部90は、表示装置により、制御部100の制御下で、画像形成装置1の動作に係る各種の表示出力を行う。また、操作表示部90は、タッチパネル方式の入力装置やスイッチに対して行われたユーザーからの入力操作を検知して、検知された入力操作内容に応じた信号を制御部100に出力する。
制御部100は、画像形成装置1の動作の制御に係る各種の処理を行う。
具体的には、制御部100は、例えば、CPU、RAM、ROM等を備える。CPUは、ROM等の記憶装置から処理内容に応じたプログラムやデータ等を読み出して処理し、画像形成装置1の各部の動作を制御する。また、CPUは、処理に際して読み出されたプログラムやデータ、処理に伴い生じたパラメーター等をRAMに記憶させる。
以下、画像形成装置1の具体的な動作について説明する。
本実施形態の画像形成装置1は、画像形成部30により記録媒体Pに画像を形成するとともに、記録媒体Pの余白部分P1にパターン画像を形成し、記録媒体Pに形成されたパターン画像を読取部50で読み取って判定部70による判定を行う判定機能を有する。
判定機能に係る処理において、制御部100は、読取部50によるパターン画像の読取開始から読取完了前の間の所定のタイミングで照射部40によるエネルギーの照射を停止させる。
具体的には、制御部100は、例えば、パターン画像のうち、青(B)の部分領域が読取部50により読み取られるタイミングで照射部40の動作を停止させる。これにより、照射部40からの光(紫外線)による青(B)への影響をなくした状態で読取を行うことができることから、読取部50は、青(B)の部分領域に係る色の検知を正しく行うことができる。よって、判定部70による判定を正しい読取結果に基づいて行うことができる。
なお、搬送部60により搬送される記録媒体Pに形成されたパターン画像の位置と読取部50による読取位置との対応関係は、例えば、搬送部60による記録媒体Pの単位時間あたりの搬送速度及び搬送量と、画像形成部30によるパターン画像の形成タイミングと、画像形成部30、照射部40及び読取部50の搬送方向に沿う方向の位置関係とに基づいて特定される。制御部100は、予め把握されている搬送速度ならびに画像形成部30、照射部40及び読取部50の位置関係に基づいて、搬送部60による記録媒体Pの搬送量から画像形成部30による画像の形成タイミングを決定し、パターン画像を含む画像を形成する。また、制御部100は、記録媒体Pに形成されたパターン画像が読取部50による読取位置まで搬送されるタイミングを特定し、当該タイミングで読取部50を動作させる。また、制御部100は、パターン画像のうち、照射部40の動作を停止させた状態で読み取られる部分領域(例えば、青(B)の部分領域)が読取部50による読取位置まで搬送されるタイミングを特定し、当該タイミングで照射部40を停止させ、読取部50による読取を続行させる。パターン画像の全領域が読取位置を通過するまで記録媒体Pが搬送されると、制御部100は、読取部50による読取が完了したと判定し、読取部50による読取を終了させる。
上記のパターン画像の位置と読取部50による読取位置との対応関係に係る処理は一例であって、これに限られるものでなく、適宜変更可能である。
例えば、搬送部60の動作量を取得するための取得部を設けてもよい。取得部として、例えば、ベルトを担持するローラー又は当該ローラーを駆動するモーターの回転量を取得するエンコーダー等が挙げられる。また、搬送される記録媒体Pの位置を検知するための検知部(例えば、フォトカプラ等)を搬送部60による記録媒体Pの搬送経路に設けて、記録媒体Pの位置を検知するようにしてもよい。これらの構成のいずれか又は全てにより、制御部100は、より正確に各種のタイミングを決定することができる。
以上、本実施形態の画像形成装置1によれば、制御部100は、読取部50によるパターン画像の読取開始から読取完了前の間の所定のタイミングで照射部40によるエネルギーの照射を停止させるので、照射部40が停止された後の読取結果について、照射部40からのエネルギーにより生じうる読取部50による読取結果への影響をなくした状態で読取を行うことができることから、読取部50は、色の検知を正しく行うことができる。よって、照射部40により照射されたエネルギーが読取部50による読取結果に与える影響をより低減することができる。
また、パターン画像は、記録媒体Pにおける搬送方向の上流側端部に形成されるので、制御部100は、パターン画像より下流側に形成される画像に対する照射部40によるエネルギーの照射を照射部40に行わせるとともに、読取部50によりパターン画像の読取を行うタイミングに応じて照射部40の動作を停止させることができる。即ち、パターン画像より下流側に形成される画像に対して照射部40から十分にエネルギーを照射することができることから、パターン画像より下流側に形成される画像に対して照射部40の動作停止の影響を与えることなく画像形成を行うことができる。
また、エネルギーは、所定の波長の光であり、パターン画像は、複数の色により構成され、当該パターン画像に含まれる複数の色のうち、所定の波長により近い色に対応する色の部分画像ほど搬送方向のより上流側に存するので、より上流側に存する色(例えば、青(B))の読取タイミングに応じて照射部40の動作を停止することで、照射部40から照射される光(例えば、紫外線)による当該色への影響をなくすことができるとともに、より下流側に存する色の読取が行われている際に照射部40を動作させることができる。即ち、照射部40の動作による画像の定着と、照射部40により照射されたエネルギーが読取部50による読取結果に与える影響の低減との両立をより高いレベルで行うことができる。
なお、本発明の実施の形態は、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記の実施形態における照射部40の動作停止タイミングは、あくまで一例であってこれに限られるものでない。
他の一例として、制御部100は、パターン画像の読取開始タイミングで照射部40の動作を停止させてもよい。この場合、パターン画像の全ての領域に係る読取結果について、照射部40から照射されるエネルギーによる読取結果への影響をなくすことができる。ただし、パターン画像に対して、照射部40によるエネルギーの照射が行われないことから、記録媒体Pに対するパターン画像の定着が不十分又は行われないことが考えられる。しかしながら、パターン画像は、当該パターン画像の下流側に形成される画像(例えば、ジョブデータに応じた画像)の形成に伴い余白部分P1に形成される画像であり、事後に余白部分P1の切除等により廃棄されるものであることから、画像形成において実質的な問題は生じない。
また、上記の実施形態では、判定部70はパターン画像の全領域の読取結果について判定を行っているが、一例であってこれに限られるものでない。
判定部70は、例えば、照射部40から照射される光の波長に対応する色に関する判定を行わないようにしてもよい。具体的には、例えば、上記の実施形態のように、照射部40から照射されるエネルギーが紫外線の場合、読取部50のCCDイメージセンサーにより検知される色の検知結果のうち、当該紫外線の波長に対応する部分(例えば、405[nm]以下の波長に係る検知結果等)について、判定部70は、判定を行わないようにしてもよい。より具体的には、元画像データと読取画像データとの比較において、照射部40から照射される光の波長に対応する色に関する比較を省略するようにしてもよいし、比較については全ての波長について行い、判定のみ照射部40から照射される光の波長に対応する色に関する部分について省略するようにしてもよい。
また、上記の実施形態におけるパターン画像はあくまで一例であってこれに限られるものでなく、適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、パターン画像は、赤(R)、緑(G)、青(B)の各々の色に対応する部分領域により構成されているが、これらの色は任意に変更可能である。例えば、パターン画像は、画像形成部30のヘッド部31の各々の色(CMYK)に対応する部分領域により構成されていてもよい。また、上記の実施形態において、パターン画像は、ベタ画像である部分領域により構成されているが、ベタ画像に限らない。例えば、各部分領域は、各ノズルから吐出された複数の線により構成されたテストチャートであってもよいし、複数の色の各々の濃淡に係る色再現性を示すシェーディング画像であってもよい。また、上記の実施形態において、パターン画像は、余白部分P1に形成され、記録媒体Pの最大幅に対応する幅方向の大きさを有するが、パターン画像の形成位置や大きさは、任意に変更可能である。
また、これらの各種の変更を行った場合にも、搬送部60による搬送方向について、照射部40から照射される光の波長に対応する色との近似性に基づいて、パターン画像を構成する部分領域の並び順を決定することで、上記と同様に、照射部40から照射される光の波長により近い波長に対応する色に係る読取結果に対する影響を低減することができる。
また、幅方向について、画像形成装置1が対応する最大幅を有する記録媒体Pに対してパターン画像を形成する場合に、画像形成部30により画像が形成可能な最大幅を有するパターン画像を形成するようにしてもよい。これにより、読取部50によるパターン画像の読取結果に基づいて、画像形成部30のノズルの各々の詰まりの有無を確認することができる。
また、上記の実施形態における読取部50はリニアイメージセンサーであるが、一例であってこれに限られるものでない。例えば、読取部50は、搬送部60に搬送される媒体の一面を撮像するように設けられた二次元のエリアイメージセンサーであってもよい。
また、上記の実施形態では、ワンパス方式のインクジェット記録装置として機能する画像形成部30について記載しているが、一例であってこれに限られるものでない。例えば、画像形成部30は、所定の方向に沿ってヘッド部31を往復移動させる機構をさらに備えていてもよいし、インクジェット記録方式によらず、他の画像形成方式によって画像を形成する画像形成部であってもよい。
また、上記の実施形態において、照射部40から照射されるエネルギーは紫外線であるが、一例であってこれに限られるものでない。他のエネルギーの具体例として、赤外線(infrared:IR)、インクを硬化させる作用をもたらすその他の光線又は電磁波等の波動あるいはこれらの波動により生じる熱等が挙げられる。エネルギーは、インクの特性に応じて具体的に選定される。
また、照射部40から照射されるエネルギーが読取部50に対して与える影響に係る具体的内容は、エネルギーに応じる。例えば、エネルギーとしてIRが用いられる場合、CCDイメージセンサーが感度を示す波長の光のうち、700[nm]以上の波長の光に係る影響がより重点的に考慮される。また、この場合、赤(R)、緑(G)、青(B)の原色のうち、照射部40から照射されるエネルギーである光(紫外線)の波長である所定の波長に対応する色は、赤(R)である。
また、判定部70及び調整部80の機能のうち、一部又は全部は、制御部100のCPU、RAM、ROM等の協働によるソフトウェア処理で実現される機能であってもよい。
また、搬送部60の形態等、画像形成装置1を構成する各部の形態及び配置は適宜変更可能である。
例えば、図5に示すように、ドラム式の搬送部60Aを有する画像形成装置1Aにおいても、本発明は適用可能である。この場合、画像形成部30のヘッド部31の各々は、搬送部60Aのドラムの外周面の弧に沿うように並べて設けられる。また、照射部40は、媒体の搬入部から媒体の排出部に至るまでの媒体の搬送方向において、画像形成部30の下流側の位置に設けられる。また、読取部50は、照射部40の下流側の位置に設けられる。
図5に示す例による画像形成装置1Aにおいても、上記と同様の効果を奏する。
1 画像形成装置
2 バス
10 通信部
20 画像処理部
30 画像形成部
31 ヘッド部
40 照射部
50 読取部
60 搬送部
70 判定部
80 調整部
90 操作表示部
100 制御部
P 記録媒体
P1 余白部分

Claims (3)

  1. 記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部により画像が形成された記録媒体に画像を定着させるためのエネルギーを照射する照射部と、
    記録媒体の搬送方向における前記照射部の下流側に設けられ、前記画像形成部により記録媒体に形成されたパターン画像を読み取る読取部と、
    前記読取部及び前記照射部の動作を制御する制御部と、を備え、
    前記パターン画像は、前記記録媒体における前記搬送方向の上流側端部に形成され、
    前記制御部は、前記読取部による前記パターン画像の読取開始から読取完了前の間の所定のタイミングで前記照射部によるエネルギーの照射を停止させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記エネルギーは、所定の波長の光であり、
    前記パターン画像は、複数の色により構成され、当該パターン画像に含まれる複数の色のうち、前記所定の波長に対応する色により近い色の部分画像ほど前記搬送方向のより上流側に存することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記パターン画像のもとになる画像データにおける複数の色の色値と当該画像データを用いて記録媒体に形成されたパターン画像の読取結果における複数の色の色値との比較結果に基づいて、前記画像形成部による色再現性の是非を判定する判定部を備え、
    前記エネルギーは、所定の波長の光であり、
    前記判定部は、前記所定の波長に対応する色に関する判定を行わないことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
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