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JP6142896B2 - 冷凍装置 - Google Patents

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JP6142896B2
JP6142896B2 JP2015092162A JP2015092162A JP6142896B2 JP 6142896 B2 JP6142896 B2 JP 6142896B2 JP 2015092162 A JP2015092162 A JP 2015092162A JP 2015092162 A JP2015092162 A JP 2015092162A JP 6142896 B2 JP6142896 B2 JP 6142896B2
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Description

この発明は、冷凍装置に関する。
従来、冷凍サイクルを利用して冷凍装置が知られている。このような冷凍装置は、冷蔵庫や冷凍庫の庫内の冷却や、室内の空調などに広く利用されている。例えば、特許文献1には、冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる冷媒回路を備えた冷凍装置が開示されている。冷媒回路は、圧縮機と熱源側熱交換器と膨張弁と利用側熱交換器とを有している。利用側熱交換器は、冷凍庫の庫内に設けられる。そして、特許文献1の冷凍装置では、冷却運転とデフロスト運転とが行われる。冷却運転では、利用側熱交換器において冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発することにより、冷凍庫内の空気が冷却される。デフロスト運転では、利用側熱交換器において冷媒が放熱することにより、利用側熱交換器の表面の除霜が行われる。また、冷媒回路には、過冷却熱交換器および過冷却膨張弁が設けられている。さらに、利用側熱交換器の下側には、ドレンパンが設置されている。
特開2009−287800号公報
特許文献1の冷凍装置では、冷媒回路に、熱源側熱交換器の液端が接続される液冷媒配管と、利用側熱交換器の液端と液冷媒配管とを接続する利用側液冷媒配管と、液冷媒配管の中途部と圧縮機の中間ポートとを接続するインジェクション配管とが設けられている。過冷却熱交換器は、液冷媒配管とインジェクション配管とに接続され、液冷媒配管を流れる冷媒とインジェクション配管を流れる冷媒とを熱交換させるように構成されている。過冷却膨張弁は、インジェクション配管において液冷媒配管の中途部と過冷却熱交換器との間に設けられている。また、ドレンパンの内部には、利用側液冷媒配管の一部であるドレンパン配管が配設されている。
そして、デフロスト運転が終了すると、過冷却膨張弁が全閉状態に設定されて冷却運転が再開される。過冷却膨張弁が全閉状態に設定されると、インジェクション配管に冷媒が流れなくなる。そのため、熱源側熱交換器から液冷媒配管を経由して過冷却熱交換器に流入した冷媒(高圧冷媒)は、過冷却熱交換器において過冷却されることなく過冷却熱交換器を通過した後に、液冷媒配管を経由して利用側液冷媒配管に流入する。したがって、過冷却熱交換器において冷媒(高圧冷媒)が過冷却される場合よりも、利用側液冷媒配管の一部であるドレンパン配管を流れる冷媒の温度が高くなるので、ドレンパン内の残留フロスト(すなわち、ドレンパン内に回収された霜や結露水が凍結して生成される氷塊)の融解が促進され、ドレンパン内において残留フロストの成長が抑制される。
しかしながら、特許文献1の冷凍装置では、過冷却膨張弁が全閉状態に設定されてインジェクション配管に冷媒が流れなくなるので、過冷却熱交換器からインジェクション配管を経由して圧縮機の中間ポートに冷媒(中間圧冷媒)を供給することができない。そのため、圧縮機内の冷媒温度(具体的には、中間圧の圧縮室内の冷媒温度)を低下させて圧縮機の吐出冷媒温度を低下させることができないので、圧縮機を高温異常から保護することが困難となる。
そこで、この発明は、圧縮機を高温異常から保護しつつドレンパン内における残留フロストの成長を抑制することが可能な冷凍装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、圧縮機(31a,31b,31c)と、熱源側熱交換器(33)と、利用側熱交換器(61)と、該熱源側熱交換器(33)の液端が接続される液冷媒配管(50)と、該利用側熱交換器(61)の液端と該液冷媒配管(50)とを接続する利用側液冷媒配管(71)と、該液冷媒配管(50)の中途部(P1)と該圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートとを接続するインジェクション配管(54)と、該液冷媒配管(50)と該インジェクション配管(54)とに接続されて該液冷媒配管(50)を流れる冷媒と該インジェクション配管(54)を流れる冷媒とを熱交換させる過冷却熱交換器(34)と、該インジェクション配管(54)において該液冷媒配管(50)の中途部(P1)と該過冷却熱交換器(34)との間に設けられる過冷却膨張弁(35)と、該インジェクション配管(54)において該過冷却熱交換器(34)と該圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートとの間に設けられる中間膨張弁(36a,36b,36c)とを有する冷媒回路(20)と、上記利用側熱交換器(61)の下側に設置され、内部に上記利用側液冷媒配管(71)の一部であるドレンパン配管(71b)が配設されるドレンパン(25)と、上記冷媒回路(20)において上記熱源側熱交換器(33)が凝縮器となり上記過冷却熱交換器(34)が過冷却器となり上記利用側熱交換器(61)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる冷却運転において、上記圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の温度(Td)が予め定められた吐出高温閾値(Tdth)を下回るように上記中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を調節する第1開度調節動作と、該過冷却熱交換器(34)から上記ドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度が予め定められた氷結温度閾値(Tfth)を上回るように上記過冷却膨張弁(35)の開度を調節する第2開度調節動作とを行う制御部(13)とを備え、上記制御部(13)は、上記冷媒回路(20)において上記利用側熱交換器(61)が凝縮器となり上記熱源側熱交換器(33)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われるデフロスト運転から上記冷却運転へ切り換えられた時点を開始時点とする冷却運転開始期間において上記利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足していない場合に、上記過冷却膨張弁(35)の開度を増加させ、該冷却運転開始期間において該利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足している場合に、上記第2開度調節動作を行うことを特徴とする冷凍装置である。
上記第1の発明では、過冷却膨張弁(35)の開度を調節することにより、インジェクション配管(54)において過冷却熱交換器(34)から中間膨張弁(36a,36b,36c)へ向けて冷媒を流すことができる。そして、第1開度調節動作において中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を調節することにより、圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートに流入する冷媒の流量(インジェクション量)を調節することができ、その結果、圧縮機(31a,31b,31c)内における冷媒の温度低下量を調節することができる。これにより、圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の温度(Td)を調節することができる。また、第2開度調節動作において過冷却膨張弁(35)の開度を調節することにより、インジェクション配管(54)において過冷却膨張弁(35)から過冷却熱交換器(34)に流入する冷媒の圧力を調節することができ、その結果、過冷却熱交換器(34)における冷媒の過冷却度(具体的には、液冷媒配管(50)において過冷却熱交換器(34)から流出する冷媒の過冷却度)を調節することができる。これにより、過冷却熱交換器(34)からドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度を調節することができる。
また、上記第の発明では、デフロスト運転から冷却運転へ切り換えられた時点の直後において、ドレンパン(25)内に回収された霜や氷塊が十分に融解されずにドレンパン(25)内に残っていることがある。そのため、デフロスト運転から冷却運転へ切り換えられた時点を開始時点とする冷却運転開始期間では、ドレンパン配管(71b)の加熱能力を確保してドレンパン(25)内における残留フロストの成長を抑制することが好ましい。ただし、冷却運転開始期間において利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足している場合は、ドレンパン配管(71b)の加熱能力の確保よりも過冷却熱交換器(34)の過冷却能力の確保を優先させて、利用側熱交換器(61)の冷却能力を補填することが好ましい。
なお、上記第の発明では、冷却運転開始期間において利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足していない場合に、過冷却膨張弁(35)の開度が増加する。これにより、インジェクション配管(54)において過冷却膨張弁(35)から過冷却熱交換器(34)に流入する冷媒の圧力を上昇させて、過冷却熱交換器(34)における冷媒の過冷却度を減少させることができる。その結果、過冷却熱交換器(34)からドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度を上昇させて、ドレンパン配管(71b)の加熱能力を確保することができる。
また、上記第の発明では、冷却運転開始期間において利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足していない場合に、第2開度調節動作が行われる。第2開度調節動作では、過冷却膨張弁(35)の開度を減少させることができる。これにより、インジェクション配管(54)において過冷却膨張弁(35)から過冷却熱交換器(34)に流入する冷媒の圧力を低下させて、過冷却熱交換器(34)における冷媒の過冷却度を増加させることができる。その結果、過冷却熱交換器(34)の過冷却能力を確保することができる。
の発明は、上記第の発明において、上記冷却運転開始期間は、上記デフロスト運転から上記冷却運転へ切り換えられた時点から予め定められた加熱時間が経過するまでの期間であることを特徴とする冷凍装置である。
上記第の発明では、デフロスト運転から冷却運転へ切り換えられた時点から加熱時間が経過するまでの期間において、利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足していない場合に、過冷却膨張弁(35)の開度を増加させて加熱能力を確保することができる。また、デフロスト運転から冷却運転へ切り換えられた時点から加熱時間が経過するまでの期間において、利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足している場合に、第2開度調節動作によって過冷却熱交換器(34)の過冷却能力を確保することができる。
の発明は、上記第1またはの発明のいずれか1つにおいて、上記制御部(13)は、上記第1開度調節動作では、上記圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の温度(Td)が上記吐出高温閾値(Tdth)を下回る場合に、該圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の過熱度が予め定められた目標過熱度となるように上記中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を調節し、該圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の温度(Td)が該吐出高温閾値(Tdth)を下回らない場合に、該中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を増加させることを特徴とする冷凍装置である。
上記第の発明では、第1開度調節動作において、中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を増加させることにより、圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートに流入する冷媒の流量(インジェクション量)を増加させることができる。これにより、圧縮機(31a,31b,31c)内における冷媒の温度低下量を増加させることができ、圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の温度を低下させることができる。
の発明は、上記第1〜第の発明のいずれか1つにおいて、上記制御部(13)は、上記第2開度調節動作では、上記過冷却熱交換器(34)から上記ドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度が上記氷結温度閾値(Tfth)を上回る場合に、上記過冷却膨張弁(35)の開度を減少させ、該過冷却熱交換器(34)から該ドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度が該氷結温度閾値(Tfth)を上回らない場合に、上記過冷却膨張弁(35)の開度を増加させることを特徴とする冷凍装置である。
上記第の発明では、過冷却膨張弁(35)の開度を減少させることにより、インジェクション配管(54)において過冷却膨張弁(35)から過冷却熱交換器(34)に流入する冷媒の圧力を低下させることができる。これにより、過冷却熱交換器(34)における冷媒の過冷却度を増加させることができる。一方、過冷却膨張弁(35)の開度を増加させることにより、インジェクション配管(54)において過冷却膨張弁(35)から過冷却熱交換器(34)に流入する冷媒の圧力を上昇させることができる。これにより、過冷却熱交換器(34)における冷媒の過冷却度を減少させることができる。
の発明は、上記第1〜第の発明のいずれか1つにおいて、上記液冷媒配管(50)は、上記熱源側熱交換器(33)の液端と上記過冷却熱交換器(34)と上記インジェクション配管(54)とが接続される熱源側液冷媒配管(53)と、該熱源側液冷媒配管(53)と上記利用側液冷媒配管(71)とを接続する液側連絡配管(14)とを有し、上記圧縮機(31a,31b,31c)と上記熱源側熱交換器(33)と上記過冷却熱交換器(34)と上記過冷却膨張弁(35)と上記熱源側液冷媒配管(53)は、熱源側ユニット(11)に設けられ、上記利用側熱交換器(61)と上記利用側液冷媒配管(71)は、利用側ユニット(12)に設けられ、上記制御部(13)は、上記熱源側液冷媒配管(53)において上記過冷却熱交換器(34)と上記液側連絡配管(14)との間を流れる冷媒の温度(Tsc)に基づいて上記第2開度調節動作を行うことを特徴とする冷凍装置である。
上記第発明では、過冷却熱交換器(34)と液側連絡配管(14)との間を流れる冷媒の温度(Tsc)に基づいて第2開度調節動作を行うことにより、過冷却熱交換器(34)と液側連絡配管(14)との間を流れる冷媒の温度(Tsc)を調節して過冷却熱交換器(34)からドレンパン配管(71b)に流入する冷媒の温度を調節することができる。したがって、過冷却熱交換器(34)と液側連絡配管(14)との間を流れる冷媒の温度(Tsc)に基づいて第2開度調節動作を行うことにより、過冷却熱交換器(34)からドレンパン配管(71b)に流入する温度が氷結温度閾値(Tfth)を上回るように過冷却膨張弁(35)の開度を調節することができる。また、過冷却熱交換器(34)と液側連絡配管(14)との間を流れる冷媒の温度(Tsc)を検出するための構成部品(例えば、冷媒温度センサ)を、その検出温度に基づく制御の対象となる過冷却膨張弁(35)とともに熱源側ユニット(11)内に設けることができる。これにより、熱源側ユニット(11)と利用側ユニット(12)との間の信号伝送路(具体的には、ドレンパン配管(71b)に流入する冷媒の温度を示した温度信号を利用側ユニット(12)から熱源側ユニット(11)へ向けて伝送するための伝送路)を省略することができる。
第1の発明によれば、第1開度調節動作において中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を調節することにより、吐出高温閾値(Tdth)を下回るように圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の温度(Td)を調節することができるので、圧縮機(31a,31b,31c)を高温異常から保護することができる。また、第2開度調節動作において過冷却膨張弁(35)の開度を調節することにより、氷結温度閾値(Tfth)を上回るように過冷却熱交換器(34)からドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度を調節することができるので、ドレンパン(25)内における残留フロスト(すなわち、ドレンパン(25)内に回収された霜や結露水が凍結して生成される氷塊)の成長を抑制することができる。
また、の発明によれば、冷却運転開始期間において利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足していない場合に、過冷却膨張弁(35)の開度を増加させてドレンパン配管(71b)の加熱能力を確保することができるので、ドレンパン(25)内における残留フロストの成長を効果的に抑制することができる。また、冷却運転開始期間において利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足している場合に、第2開度調節動作によって過冷却熱交換器(34)の過冷却能力を確保することができるので、利用側熱交換器(61)の冷却能力を補填することができる。このように、冷却運転開始期間において、ドレンパン(25)内における残留フロストの成長を効果的に抑制しつつ、利用側熱交換器(61)の冷却能力を補填することができる。
の発明によれば、デフロスト運転から冷却運転へ切り換えられた時点から加熱時間が経過するまでの期間において、ドレンパン(25)内における残留フロストの成長を効果的に抑制しつつ、利用側熱交換器(61)の冷却能力を補填することができる。
の発明によれば、第1開度調節動作において、圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の温度(Td)が吐出高温閾値(Tdth)を下回らない場合に、中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を増加させることにより、圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の温度を低下させることができる。これにより、圧縮機(31a,31b,31c)を高温異常から保護することができる。
の発明によれば、第2開度調節動作において、過冷却熱交換器(34)からドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度が氷結温度閾値(Tfth)を上回る場合に、過冷却膨張弁(35)の開度を減少させることにより、過冷却熱交換器(34)における冷媒の過冷却度を増加させることができるので、利用側熱交換器(61)の冷却能力を向上させることができる。また、過冷却熱交換器(34)からドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度が氷結温度閾値(Tfth)を上回らない場合に、過冷却膨張弁(35)の開度を増加させることにより、過冷却熱交換器(34)における冷媒の過冷却度を減少させることができるので、過冷却熱交換器(34)からドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度を上昇させてドレンパン(25)内における残留フロストの成長を抑制することができる。
の発明によれば、熱源側ユニット(11)と利用側ユニット(12)との間の信号伝送路(具体的には、ドレンパン配管(71b)に流入する冷媒の温度を示した温度信号を利用側ユニット(12)から熱源側ユニット(11)へ向けて伝送するための伝送路)を省略することができるので、熱源側ユニット(11)と利用側ユニット(12)とを個別に制御することが可能な冷凍装置(所謂、伝送レスタイプの冷凍装置)を構成することができる。
実施形態による冷凍装置の構成例を示す配管系統図。 冷却運転について説明するための配管系統図。 デフロスト運転について説明するための配管系統図。 中間膨張弁の開度調節について説明するためのフローチャート。 過冷却膨張弁の開度調節について説明するためのフローチャート。
以下、実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
(冷凍装置)
図1は、実施形態による冷凍装置(10)の構成例を示している。冷凍装置(10)は、熱源側ユニット(11)と、熱源側ユニット(11)に対して並列に接続された複数(この例では、2つ)の利用側ユニット(12)と、コントローラ(13)とを備えている。例えば、熱源側ユニット(11)は、庫外に設けられ、利用側ユニット(12)は、庫内に設けられている。
熱源側ユニット(11)には、熱源側回路(21)と熱源側ファン(22)とが設けられ、各利用側ユニット(12)には、利用側回路(23)と利用側ファン(24)とドレンパン(25)とが設けられている。この冷凍装置(10)では、熱源側ユニット(11)の熱源側回路(21)と各利用側ユニット(12)の利用側回路(23)とが液側連絡配管(14)およびガス側連絡配管(15)によって接続されて、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる冷媒回路(20)が構成されている。
具体的には、熱源側回路(21)の液端およびガス端には、液閉鎖弁(V1)およびガス閉鎖弁(V2)がそれぞれ設けられている。液閉鎖弁(V1)およびガス閉鎖弁(V2)には、液側連絡配管(14)の一端およびガス側連絡配管(15)の一端がそれぞれ接続されている。液側連絡配管(14)およびガス側連絡配管(15)には、各利用側回路(23)の液端およびガス端がそれぞれ接続されている。
〈熱源側回路〉
熱源側回路(21)は、第1〜第3圧縮機(31a〜31c)と、四方切換弁(32)と、熱源側熱交換器(33)と、過冷却熱交換器(34)と、過冷却膨張弁(35)と、第1〜第3中間膨張弁(36a〜36c)と、レシーバ(37)と、熱源側膨張弁(38)と、第1〜第3逆止弁(CV1〜CV3)と、油分離器(41)と、油戻し膨張弁(42)とを有している。また、熱源側回路(21)には、吐出冷媒配管(51)と、吸入冷媒配管(52)と、熱源側液冷媒配管(53)と、インジェクション配管(54)と、第1接続配管(55)と、第2接続配管(56)と、油戻し配管(57)とが設けられている。以下の説明では、第1〜第3圧縮機(31a〜31c)の総称を「圧縮機(31a,31b,31c)」と記載し、第1〜第3中間膨張弁(36a〜36c)の総称を「中間膨張弁(36a,36b,36c)」と記載する。
《圧縮機》
圧縮機(31a,31b,31c)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出するように構成されている。また、圧縮機(31a,31b,31c)には、吸入ポートと、中間ポートと、吐出ポートとが設けられている。吸入ポートは、圧縮機(31a,31b,31c)の吸入行程において圧縮室(すなわち、低圧の圧縮室)と連通するように形成されている。中間ポートは、圧縮機(31a,31b,31c)の圧縮行程の途中において圧縮室(すなわち、中間圧の圧縮室)と連通するように形成されている。吐出ポートは、圧縮機(31a,31b,31c)の吐出行程において圧縮室(すなわち、高圧の圧縮室)と連通するように構成されている。例えば、圧縮機(31a,31b,31c)は、互いに歯合する固定スクロールおよび可動スクロールの間に圧縮室が構成されるスクロール式の圧縮機によって構成されている。
なお、この例では、第1圧縮機(31a)は、その容量が可変に構成されている。すなわち、第1圧縮機(31a)は、インバータ(図示を省略)の出力周波数を変化させることで、その内部に設けられた電動機の回転数が変化し、その容量が変化するように構成されている。第2および第3圧縮機(31b,31c)は、その容量が固定されている。すなわち、第2および第3圧縮機(31b,31c)は、その内部に設けられた電動機の回転数が一定であり、その容量が一定となっている。
《四方切換弁》
四方切換弁(32)は、第1ポートと第3ポートとが連通し且つ第2ポートと第4ポートとが連通する第1状態(図1の実線で示された状態)と、第1ポートと第4ポートとが連通し且つ第2ポートと第3ポートとが連通する第2状態(図1の破線で示された状態)とに切り換え可能に構成されている。
四方切換弁(32)の第1ポートは、吐出冷媒配管(51)によって圧縮機(31a,31b,31c)の吐出ポートに接続され、四方切換弁(32)の第2ポートは、吸入冷媒配管(52)によって圧縮機(31a,31b,31c)の吸入ポートに接続されている。四方切換弁(32)の第3ポートは、熱源側熱交換器(33)のガス端に接続され、四方切換弁(32)の第4ポートは、ガス閉鎖弁(V2)に接続されている。
《吐出冷媒配管,吸入冷媒配管》
この例では、吐出冷媒配管(51)は、一端が第1,第2,第3圧縮機(31a,31b,31c)の吐出ポートに接続される第1,第2,第3吐出管(51a,51b,51c)と、第1,第2,第3吐出管(51a,51b,51c)の他端と四方切換弁(32)の第1ポートとを接続する吐出合流管(51d)とによって構成されている。また、吸入冷媒配管(52)は、一端が第1,第2,第3圧縮機(31a,31b,31c)の吸入ポートにそれぞれ接続される第1,第2,第3吸入管(52a,52b,52c)と、第1,第2,第3吸入管(52a,52b,52c)の他端と四方切換弁(32)の第2ポートとを接続する吸入主管(52d)とによって構成されている。
《熱源側熱交換器》
熱源側熱交換器(33)は、その液端が熱源側液冷媒配管(53)の一端に接続され、そのガス端が四方切換弁(32)の第3ポートに接続されている。また、熱源側熱交換器(33)の近傍には、熱源側ファン(22)が配置されている。そして、熱源側熱交換器(33)は、冷媒と熱源側ファン(22)によって搬送された熱源側空気(例えば、庫外空気)とを熱交換させるように構成されている。例えば、熱源側熱交換器(33)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器によって構成されている。
《熱源側液冷媒配管》
熱源側液冷媒配管(53)は、その一端が熱源側熱交換器(33)に接続され、その他端が液閉鎖弁(V1)に接続されている。この例では、熱源側液冷媒配管(53)は、熱源側熱交換器(33)の液端とレシーバ(37)とを接続する第1熱源側液管(53a)と、レシーバ(37)と過冷却熱交換器(34)とを接続する第2熱源側液管(53b)と、過冷却熱交換器(34)と液閉鎖弁(V1)とを接続する第3熱源側液管(53c)とによって構成されている。
《インジェクション配管》
インジェクション配管(54)は、熱源側液冷媒配管(53)の第1中途部(P1)と圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートとを接続している。この例では、インジェクション配管(54)は、熱源側液冷媒配管(53)の第1中途部(P1)と過冷却熱交換器(34)とを接続する第1インジェクション主管(54m)と、一端が過冷却熱交換器(34)に接続される第2インジェクション主管(54n)と、第2インジェクション主管(54n)の他端と第1,第2,第3圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートとをそれぞれ接続する第1,第2,第3インジェクション分岐管(54a,54b,54c)とによって構成されている。以下の説明では、第1,第2,第3インジェクション分岐管(54a,54b,54c)の総称を「インジェクション分岐管(54a,54b,54c)」と記載する。
《過冷却熱交換器》
過冷却熱交換器(34)は、熱源側液冷媒配管(53)とインジェクション配管(54)とに接続され、熱源側液冷媒配管(53)を流れる冷媒とインジェクション配管(54)を流れる冷媒とを熱交換させるように構成されている。この例では、過冷却熱交換器(34)は、第2熱源側液管(53b)と第3熱源側液管(53c)との間に接続される第1流路(34a)と、第1インジェクション主管(54m)と第2インジェクション主管(54n)との間に接続される第2流路(34b)とを有し、第1流路(34a)を流れる冷媒と第2流路(34b)を流れる冷媒とを熱交換させるように構成されている。例えば、過冷却熱交換器(34)は、プレート型熱交換器によって構成されている。
《過冷却膨張弁》
過冷却膨張弁(35)は、インジェクション配管(54)において熱源側液冷媒配管(53)の第1中途部(P1)と過冷却熱交換器(34)との間(この例では、第1インジェクション主管(54m))に設けられている。また、過冷却膨張弁(35)は、その開度を調節可能に構成されている。例えば、過冷却膨張弁(35)は、電子膨張弁(電動弁)によって構成されている。
《中間膨張弁》
中間膨張弁(36a,36b,36c)は、インジェクション配管(54)において過冷却熱交換器(34)と圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートとの間に設けられている。この例では、第1,第2,第3中間膨張弁(36a,36b,36c)は、それぞれ、第1,第2,第3圧縮機(31a,31b,31c)に対応し、第1,第2,第3インジェクション分岐管(54a,54b,54c)に設けられている。また、中間膨張弁(36a,36b,36c)は、その開度を調節可能に構成されている。例えば、中間膨張弁(36a,36b,36c)は、電子膨張弁(電動弁)によって構成されている。
《レシーバ》
レシーバ(37)は、熱源側液冷媒配管(53)において熱源側熱交換器(33)と過冷却熱交換器(34)との間に接続され、凝縮器(具体的には、熱源側熱交換器(33)または利用側熱交換器(61))において凝縮した冷媒を一時的に貯留することができるように構成されている。この例では、レシーバ(37)は、その頂部に第1熱源側液管(53a)が接続され、その底部に第2熱源側液管(53b)が接続されている。
《接続配管》
第1接続配管(55)は、熱源側液冷媒配管(53)の第2中途部(P2)と第3中途部(P3)とを接続している。第2中途部(P2)は、熱源側液冷媒配管(53)において第1中途部(P1)と液閉鎖弁(V1)との間に位置し、第3中途部(P3)は、熱源側液冷媒配管(53)において熱源側熱交換器(33)の液端とレシーバ(37)との間に位置する。
第2接続配管(56)は、熱源側液冷媒配管(53)の第4中途部(P4)と第5中途部(P5)とを接続している。第4中途部(P4)は、熱源側液冷媒配管(53)において過冷却熱交換器(34)と第1中途部(P1)との間に位置し、第5中途部(P5)は、熱源側液冷媒配管(53)において熱源側熱交換器(33)の液端と第3中途部(P3)との間に位置する。
《熱源側膨張弁》
熱源側膨張弁(38)は、第2接続配管(56)に設けられている。また、熱源側膨張弁(38)は、その開度を調節可能に構成されている。例えば、熱源側膨張弁(38)は、電子膨張弁(電動弁)によって構成されている。
《逆止弁》
第1逆止弁(CV1)は、熱源側液冷媒配管(53)の第3中途部(P3)と第5中途部(P5)との間に設けられ、第5中途部(P5)から第3中途部(P3)へ向かう冷媒の流れのみを許容するように構成されている。第2逆止弁(CV2)は、熱源側液冷媒配管(53)の第1中途部(P1)と第2中途部(P2)との間に設けられ、第1中途部(P1)から第2中途部(P2)へ向かう冷媒の流れのみを許容するように構成されている。第3逆止弁(CV3)は、第1接続配管(55)に設けられ、熱源側液冷媒配管(53)の第2中途部(P2)から第3中途部(P3)へ向かう冷媒の流れのみを許容するように構成されている。
《油分離器》
油分離器(41)は、吐出冷媒配管(51)(この例では、吐出合流管(51d))に設けられ、圧縮機(31a,31b,31c)から吐出された冷媒から冷凍機油を分離して内部に貯留することができるように構成されている。
《油戻し配管》
油戻し配管(57)は、油分離器(41)に貯留された冷凍機油(比較的高温の冷凍機油)をインジェクション配管(54)に供給するための配管であり、その一端が油分離器(41)に接続され、その他端がインジェクション配管(54)における過冷却熱交換器(34)と中間膨張弁(36a,36b,36c)との間の中途部(この例では、第2インジェクション主管(54n)の中途部)に接続されている。
《油戻し膨張弁》
油戻し膨張弁(42)は、油戻し配管(57)に設けられている。また、油戻し膨張弁(42)は、その開度を調節可能に構成されている。例えば、油戻し膨張弁(42)は、電子膨張弁(電動弁)によって構成されている。
〈利用側回路〉
利用側回路(23)は、利用側熱交換器(61)と、利用側開閉弁(62)と、利用側膨張弁(63)とを有している。また、利用側回路(23)には、利用側液冷媒配管(71)と、利用側ガス冷媒配管(72)とが設けられている。
《利用側熱交換器》
利用側熱交換器(61)は、その液端が利用側液冷媒配管(71)によって液側連絡配管(14)に接続され、そのガス端が利用側ガス冷媒配管(72)によってガス側連絡配管(15)に接続されている。また、利用側熱交換器(61)の近傍には、利用側ファン(24)が配置されている。そして、利用側熱交換器(61)は、冷媒と利用側ファン(24)によって搬送された利用側空気(例えば、庫内空気)とを熱交換させるように構成されている。例えば、利用側熱交換器(61)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器によって構成されている。
《利用側液冷媒配管,利用側ガス冷媒配管》
利用側液冷媒配管(71)は、その一端が液側連絡配管(14)に接続され、その他端が利用側熱交換器(61)の液端に接続されている。この例では、利用側液冷媒配管(71)は、一端が液側連絡配管(14)に接続される第1利用側液管(71a)と、一端が第1利用側液管(71a)の他端に接続されるドレンパン配管(71b)と、ドレンパン配管(71b)の他端と利用側熱交換器(61)の液端とを接続する第2利用側液管(71c)とによって構成されている。利用側ガス冷媒配管(72)は、その一端が利用側熱交換器(61)のガス端に接続され、その他端がガス側連絡配管(15)に接続されている。
《利用側開閉弁,利用側膨張弁》
利用側開閉弁(62)および利用側膨張弁(63)は、利用側液冷媒配管(71)(この例では、第2利用側液管(71c))に直列に設けられている。
利用側開閉弁(62)は、その開閉を切り換え可能に構成されている。例えば、利用側開閉弁(62)は、電磁弁によって構成されている。利用側膨張弁(63)は、その開度を調節可能に構成されている。この例では、利用側膨張弁(63)は、外部均圧形温度自動膨張弁によって構成されている。具体的には、利用側膨張弁(63)は、利用側ガス冷媒配管(72)に設けられる感温筒(63a)と、利用側ガス冷媒配管(72)の中途部に接続される均圧管(63b)とを有し、感温筒(63a)の温度と均圧管(63b)の冷媒圧力とに応じて開度が調節される。
〈ドレンパン〉
ドレンパン(25)は、利用側熱交換器(61)の下側に設置され、利用側熱交換器(61)の表面から落下する霜や結露水を回収するように構成されている。また、ドレンパン(25)の内部には、利用側液冷媒配管(71)の一部であるドレンパン配管(71b)が配設されている。
〈液冷媒配管〉
なお、この冷媒回路(20)では、熱源側液冷媒配管(53)と液側連絡配管(14)とによって液冷媒配管(50)が構成されている。すなわち、熱源側熱交換器(33)の液端は、液冷媒配管(50)に接続されている。利用側液冷媒配管(71)は、利用側熱交換器(61)の液端と液冷媒配管(50)とを接続している。インジェクション配管(54)は、液冷媒配管(50)の中途部(第1中途部(P1))と圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートとを接続している。過冷却熱交換器(34)は、液冷媒配管(50)とインジェクション配管(54)とに接続され、液冷媒配管(50)を流れる冷媒とインジェクション配管(54)を流れる冷媒とを熱交換させるように構成されている。
《各種センサ》
また、この冷凍装置(10)には、第1〜第3吐出冷媒温度センサ(81a〜81c)や過冷却冷媒温度センサ(82)などの各種センサが設けられている。なお、以下の説明では、第1〜第3吐出冷媒温度センサ(81a〜81c)の総称を「吐出冷媒温度センサ(81a,81b,81c)」と記載する。
吐出冷媒温度センサ(81a,81b,81c)は、圧縮機(31a,31b,31c)から吐出された冷媒の温度(以下では、吐出冷媒温度(Td)と記載)を検出するように構成されている。この例では、第1,第2,第3吐出冷媒温度センサ(81a,81b,81c)は、それぞれ、第1,第2,第3中間膨張弁(36a,36b,36c)に対応し、第1,第2,第3圧縮機(31a,31b,31c)の吐出ポートの近傍に設置され、設置場所における冷媒の温度を吐出冷媒温度(Td)として検出する。
過冷却冷媒温度センサ(82)は、過冷却熱交換器(34)からドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度(好ましくは、熱源側液冷媒配管(53)において過冷却熱交換器(34)と液側連絡配管(14)との間を流れる冷媒の温度)を検出するように構成されている。この例では、過冷却冷媒温度センサ(82)は、熱源側液冷媒配管(53)において過冷却熱交換器(34)と液側連絡配管(14)との間に設置され、設置場所における冷媒の温度を熱源側液冷媒配管(53)において過冷却熱交換器(34)と液側連絡配管(14)との間を流れる冷媒の温度(以下では、過冷却冷媒温度(Tsc)と記載)として検出する。
〈コントローラ(制御部)〉
コントローラ(13)は、冷凍装置(10)の各部を制御して冷凍装置(10)の運転動作を制御する。具体的には、コントローラ(13)は、各種センサ(吐出冷媒温度センサ(81a,81b,81c)や過冷却冷媒温度センサ(82)など)の検出値に基づいて、圧縮機(31a,31b,31c)と各種ファン(熱源側ファン(22),利用側ファン(24))と各種弁(四方切換弁(32),過冷却膨張弁(35),中間膨張弁(36a,36b,36c),熱源側膨張弁(38),油戻し膨張弁(42),利用側開閉弁(62))とを制御する。なお、この冷凍装置(10)では、庫内を冷却する冷却運転と、利用側熱交換器(61)を除霜するデフロスト運転とが行われる。
〈冷却運転〉
次に、図2を参照して、冷却運転について説明する。冷却運転では、冷媒回路(20)において熱源側熱交換器(33)が凝縮器となり過冷却熱交換器(34)が過冷却器となり利用側熱交換器(61)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
具体的には、四方切換弁(32)が第1状態に設定される。これにより、圧縮機(31a,31b,31c)の吐出ポートと熱源側熱交換器(33)のガス端とが連通し、圧縮機(31a,31b,31c)の吸入ポートとガス側連絡配管(15)とが連通する。また、圧縮機(31a,31b,31c)と熱源側ファン(22)と利用側ファン(24)とが駆動状態に設定される。さらに、過冷却膨張弁(35)の開度が調節され、中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度が調節され、熱源側膨張弁(38)が全閉状態に設定され、油戻し膨張弁(42)が間欠的に開状態に設定される。また、各利用側ユニット(12)では、庫内の冷却負荷に応じて利用側開閉弁(62)が開状態および閉状態のいずれか一方に設定され、利用側熱交換器(61)の出口における冷媒の過熱度が所定の過熱度となるように、感温筒(63a)の温度および均圧管(63b)の冷媒圧力に応じて利用側膨張弁(63)に開度が調節される。なお、図2では、全ての利用側ユニット(12)において利用側開閉弁(62)が開状態に設定されている場合を示している。
圧縮機(31a,31b,31c)から吐出された冷媒は、吐出冷媒配管(51)において油分離器(41)を通過した後に、四方切換弁(32)を通過して熱源側熱交換器(33)に流入し、熱源側熱交換器(33)において熱源側空気(例えば、庫外空気)に放熱して凝縮する。熱源側熱交換器(33)から流出した冷媒(高圧冷媒)は、第1熱源側液管(53a)において第1逆止弁(CV1)を通過した後に、レシーバ(37)と第2熱源側液管(53b)と順に通過して過冷却熱交換器(34)の第1流路(34a)に流入し、過冷却熱交換器(34)の第2流路(34b)を流れる冷媒(中間圧冷媒)に吸熱されて過冷却される。過冷却熱交換器(34)の第1流路(34a)から流出した冷媒は、第3熱源側液管(53c)に流入する。第3熱源側液管(53c)に流入した冷媒は、その一部が第1インジェクション主管(54m)に流入し、その残部が第3熱源側液管(53c)において第2逆止弁(CV2)を通過した後に液閉鎖弁(V1)を通過して液側連絡配管(14)に流入する。
第1インジェクション主管(54m)に流入した冷媒は、過冷却膨張弁(35)において減圧されて過冷却熱交換器(34)の第2流路(34b)に流入し、過冷却熱交換器(34)の第1流路(34a)を流れる冷媒(高圧冷媒)から吸熱する。過冷却熱交換器(34)の第2流路(34b)から流出した冷媒は、第2インジェクション主管(54n)を通過してインジェクション分岐管(54a,54b,54c)に流入する。インジェクション分岐管(54a,54b,54c)に流入した冷媒は、中間膨張弁(36a,36b,36c)において減圧されて圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートに流入する。中間ポートを通過して圧縮機(31a,31b,31c)内に流入した冷媒は、圧縮機(31a,31b,31c)内の冷媒(具体的には、圧縮室内の冷媒)と混合される。すなわち、圧縮機(31a,31b,31c)内の冷媒が冷却されながれ圧縮される。
一方、液側連絡配管(14)に流入した冷媒は、利用側開閉弁(62)が開状態に設定されている利用側ユニット(12)の第1利用側液管(71a)に流入する。利用側開閉弁(62)が開状態に設定されている利用側ユニット(12)では、第1利用側液管(71a)に流入した冷媒は、ドレンパン配管(71b)を通過して第2利用側液管(71c)に流入する。第2利用側液管(71c)に流入した冷媒は、開状態の利用側開閉弁(62)を通過した後に、利用側膨張弁(63)において減圧されて利用側熱交換器(61)に流入し、利用側熱交換器(61)において利用側空気(例えば、庫内空気)から吸熱して蒸発する。これにより、利用側空気が冷却される。利用側熱交換器(61)から流出した冷媒は、利用側ガス冷媒配管(72)とガス側連絡配管(15)とガス閉鎖弁(V2)と四方切換弁(32)と吸入冷媒配管(52)とを順に通過して圧縮機(31a,31b,31c)の吸入ポートに吸入される。
また、油分離器(41)では、冷媒(すなわち、圧縮機(31a,31b,31c)から吐出された冷媒)から冷凍機油が分離され、その冷凍機油が油分離器(41)に貯留される。そして、油戻し膨張弁(42)が開状態に設定されると、油分離器(41)に貯留された冷凍機油(比較的高温の冷凍機油)が油戻し配管(57)を通過して第2インジェクション主管(54n)に流入する。第2インジェクション主管(54n)に流入した冷凍機油は、第2インジェクション主管(54n)を流れる冷媒と合流した後に、インジェクション分岐管(54a,54b,54c)において中間膨張弁(36a,36b,36c)を通過して圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートに流入する。
なお、冷却運転では、中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を調節することにより、圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートに流入する冷媒の流量(インジェクション量)を調節することができる。これにより、圧縮機(31a,31b,31c)内における冷媒の温度低下量を調節することができ、その結果、圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の温度(すなわち、吐出冷媒温度(Td))を調節することができる。冷却運転における中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度調節については、後で詳しく説明する。
また、冷却運転では、過冷却膨張弁(35)の開度を調節することにより、インジェクション配管(54)において過冷却膨張弁(35)から過冷却熱交換器(34)の第2流路(34b)に流入する冷媒の圧力を調節することができる。これにより、過冷却熱交換器(34)における冷媒の過冷却度(具体的には、過冷却熱交換器(34)の第1流路(34a)から流出する冷媒の過冷却度)や、インジェクション配管(54)において過冷却熱交換器(34)と中間膨張弁(36a,36b,36c)との間を流れる冷媒の温度を調節することができる。また、過冷却膨張弁(35)の開度を調節することにより、インジェクション配管(54)において過冷却膨張弁(35)から過冷却熱交換器(34)の第2流路(34b)に流入する冷媒の流量を調節することができる。これにより、過冷却熱交換器(34)の第2流路(34b)から中間膨張弁(36a,36b,36c)を通過して圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートに流入する冷媒の流量(インジェクション量)を調節することができる。冷却運転における過冷却膨張弁(35)の開度調節については、後で詳しく説明する。
また、冷却運転では、油戻し膨張弁(42)を間欠的に開状態に設定することにより、油分離器(41)に貯留された冷凍機油を油戻し配管(57)に間欠的に流すことができる。これにより、圧縮機(31a,31b,31c)内に冷凍機油を効果的に戻すことができる。
〈デフロスト運転〉
次に、図3を参照して、デフロスト運転について説明する。デフロスト運転では、冷媒回路(20)において利用側熱交換器(61)が凝縮器となり熱源側熱交換器(33)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
具体的には、四方切換弁(32)が第2状態に設定される。これにより、圧縮機(31a,31b,31c)の吐出ポートとガス側連絡配管(15)とが連通し、圧縮機(31a,31b,31c)の吸入ポートと熱源側熱交換器(33)のガス端とが連通する。また、圧縮機(31a,31b,31c)と熱源側ファン(22)と利用側ファン(24)とが駆動状態に設定される。さらに、過冷却膨張弁(35)が全閉状態に設定され、中間膨張弁(36a,36b,36c)が全閉状態に設定され、熱源側熱交換器(33)の出口における冷媒の過熱度が予め定められた目標過熱度となるように熱源側膨張弁(38)の開度が調節され、油戻し膨張弁(42)が全閉状態に設定される。また、各利用側ユニット(12)では、利用側開閉弁(62)が開状態に設定され、利用側膨張弁(63)が全開状態となる。
圧縮機(31a,31b,31c)から吐出された冷媒は、吐出冷媒配管(51)において油分離器(41)を通過した後に、四方切換弁(32)とガス閉鎖弁(V2)とを順に通過してガス側連絡配管(15)に流入する。ガス側連絡配管(15)に流入した冷媒は、各利用側ユニット(12)の利用側ガス冷媒配管(72)に流入する。各利用側ユニット(12)では、利用側ガス冷媒配管(72)に流入した冷媒は、利用側熱交換器(61)に流入し、利用側熱交換器(61)において利用側空気(例えば、庫内空気)に放熱して凝縮する。これにより、利用側熱交換器(61)に付着した霜が加熱されて融解する。利用側熱交換器(61)から流出した冷媒は、第2利用側液管(71c)に流入して全開状態の利用側膨張弁(63)と開状態の利用側開閉弁(62)とを順に通過した後に、ドレンパン配管(71b)と第1利用側液管(71a)とを順に通過して液側連絡配管(14)に流入する。
液側連絡配管(14)に流入した冷媒は、液閉鎖弁(V1)を通過して第3熱源側液管(53c)に流入する。第3熱源側液管(53c)に流入した冷媒は、第1接続配管(55)に流入し、第1接続配管(55)において第2逆止弁(CV2)を通過して第1熱源側液管(53a)に流入する。第1熱源側液管(53a)に流入した冷媒は、レシーバ(37)と第2熱源側液管(53b)と過冷却熱交換器(34)の第1流路(34a)とを順に通過して第3熱源側液管(53c)に流入する。第3熱源側液管(53c)に流入した冷媒は、第2接続配管(56)に流入する。第2接続配管(56)に流入した冷媒は、熱源側膨張弁(38)において減圧されて第1熱源側液管(53a)に流入する。第1熱源側液管(53a)に流入した冷媒は、熱源側熱交換器(33)に流入し、熱源側熱交換器(33)において熱源側空気(例えば、庫外空気)から吸熱して蒸発する。熱源側熱交換器(33)から流出した冷媒は、四方切換弁(32)と吸入冷媒配管(52)とを順に通過して圧縮機(31a,31b,31c)の吸入ポートに吸入される。
なお、デフロスト運転では、凝縮器となっている利用側熱交換器(61)から流出した冷媒(高温冷媒)がドレンパン配管(71b)を流れる。これにより、ドレンパン配管(71b)を流れる冷媒によってドレンパン(25)内の残留フロスト(すなわち、ドレンパン(25)内に回収された霜や結露水が凍結して生成される氷塊)を加熱して融解させることができる。なお、残留フロストの融解によって発生した水は、排水配管(図示を省略)を通じて排出される。
〔中間膨張弁の開度調節〕
次に、図4を参照して、冷却運転における中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度調節について説明する。コントローラ(13)は、冷却運転において予め定められた動作時間が経過する毎に、第1開度調節動作(ステップ(ST11〜ST13))を行う。第1開度調節動作では、コントローラ(13)は、吐出冷媒温度(Td)が予め定められた吐出高温閾値(Tdth)を下回るように中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を調節する。この例では、コントローラ(13)は、第1〜第3中間膨張弁(36a〜36c)の各々に対して第1開度調節動作を行う。例えば、コントローラ(13)は、第1吐出冷媒温度センサ(81a)の検出値に基づいて、第1圧縮機(31a)に対応する第1中間膨張弁(36a)に対して第1開度調節動作を調節する。なお、第1開度調節動作では、以下のような処理が行われる。
〈ステップ(ST11)〉
まず、コントローラ(13)は、吐出冷媒温度(Td)が吐出高温閾値(Tdth)を下回っているか否かを判定する(ステップ(ST11))。例えば、吐出高温閾値(Tdth)は、圧縮機(31a,31b,31c)に高温異常が発生しないとみなせる吐出冷媒温度(Td)の限界値(最高値、例えば105℃)に設定されている。吐出冷媒温度(Td)が吐出高温閾値(Tdth)を下回っている場合には、ステップ(ST12)へ進み、そうでない場合には、ステップ(ST13)へ進む。
〈ステップ(ST12):吐出過熱度制御〉
吐出冷媒温度(Td)が吐出高温閾値(Tdth)を下回っている場合、コントローラ(13)は、圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の過熱度(以下では、吐出過熱度と記載)が予め定められた目標過熱度(例えば15℃)となるように中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を調節する。
具体的には、コントローラ(13)は、吐出過熱度が目標過熱度を上回る場合に、中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を増加させる。これにより、圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートに流入する冷媒の流量(インジェクション量)を増加させて圧縮機(31a,31b,31c)内における冷媒の温度低下量を増加させることができる。その結果、圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の温度(すなわち、吐出冷媒温度(Td))を低下させることができ、吐出過熱度を低下させることができる。
一方、コントローラ(13)は、吐出過熱度が目標過熱度を下回る場合に、中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を減少させる。これにより、圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートに流入する冷媒の流量(インジェクション量)を減少させて圧縮機(31a,31b,31c)内における冷媒の温度低下量を減少させることができる。その結果、圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の温度(すなわち、吐出冷媒温度(Td))を上昇させることができ、吐出過熱度を上昇させることができる。
このように、圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の過熱度が予め定められた目標過熱度となるように中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を調節することにより、圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートに流入する冷媒の流量(インジェクション量)を適切に調節することができる。
〈ステップ(ST13)〉
また、吐出冷媒温度(Td)が吐出高温閾値(Tdth)を下回っていない場合(ステップ(ST11)のNO)、コントローラ(13)は、中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を予め定められた増加量だけ増加させる。これにより、圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートに流入する冷媒の流量(インジェクション量)を増加させて圧縮機(31a,31b,31c)内における冷媒の温度低下量を増加させることができる。その結果、圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の温度(すなわち、吐出冷媒温度(Td))を低下させることができる。
なお、コントローラ(13)は、ステップ(ST13)において中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度が最大開度(例えば、全開状態)となっている場合、中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を最大開度のまま維持する。
〔デフロスト運転から冷却運転への切り換え〕
なお、デフロスト運転から冷却運転へ切り換えられた時点の直後において、ドレンパン(25)内に回収された霜や氷塊が十分に融解されずにドレンパン(25)内に残っていることがある。そのため、デフロスト運転から冷却運転へ切り換えられた時点を開始時点とする期間(冷却運転開始期間)では、ドレンパン配管(71b)の加熱能力を確保してドレンパン(25)内における残留フロストの成長を抑制することが好ましい。ただし、冷却運転開始期間において利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足している場合は、ドレンパン配管(71b)の加熱能力の確保よりも過冷却熱交換器(34)の過冷却能力の確保を優先させて、利用側熱交換器(61)の冷却能力を補填することが好ましい。
〔過冷却膨張弁の開度調節〕
次に、図5を参照して、冷却運転における過冷却膨張弁(35)の開度調節について説明する。コントローラ(13)は、冷却運転において予め定められた動作時間が経過する毎に、図5に示した処理(ステップ(ST20〜ST26))を行う。
〈ステップ(ST21)〉
まず、コントローラ(13)は、冷却運転開始期間が経過したか否かを判定する。この例では、コントローラ(13)は、デフロスト運転から冷却運転へ切り換えられた時点から予め定められた加熱時間(例えば30分)が経過したか否かを判定する。すなわち、この例では、冷却運転開始期間は、デフロスト運転から冷却運転へ切り換えられた時点から加熱時間が経過するまでの期間である。加熱時間が経過していない場合には、ステップ(ST22)へ進み、そうでない場合には、ステップ(ST21)へ進む。
〈ステップ(ST22)〉
加熱時間が経過していない場合、コントローラ(13)は、利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足しているか否かを判定する。例えば、コントローラ(13)は、第1圧縮機(31a)の回転数が最大回転数よりも低い回転数となっている場合に、利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足していないと判定し、第1圧縮機(31a)の回転数が最大回転数となっている場合に、利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足していると判定する。利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足していない場合には、ステップ(ST23)へ進み、そうでない場合には、ステップ(ST24)へ進む。
〈ステップ(ST23)〉
加熱時間が経過していない場合において利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足していない場合(すなわち、冷却運転開始期間において利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足していない場合)、コントローラ(13)は、過冷却膨張弁(35)の開度を予め定められた増加量だけ増加させる。これにより、インジェクション配管(54)において過冷却膨張弁(35)から過冷却熱交換器(34)の第2流路(34b)に流入する冷媒の圧力を上昇させて、過冷却熱交換器(34)における冷媒の過冷却度を減少させることができる。その結果、過冷却熱交換器(34)からドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度を上昇させて、ドレンパン配管(71b)の加熱能力を確保することができる。
〈ステップ(ST24〜ST26):第2開度調節動作〉
また、加熱時間が経過していない場合において利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足している場合(ステップ(ST22)のYES)、コントローラ(13)は、第2開度調節動作を行う。すなわち、コントローラ(13)は、冷却運転開始期間において利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足している場合に、第2開度調節動作を行う。
なお、この例では、加熱時間が経過していない場合(ステップ(ST21)のYES)も、コントローラ(13)は、第2開度調節動作を行う。すなわち、この例では、コントローラ(13)は、冷却運転開始期間が経過した後(すなわち、冷却運転が行われる冷却運転期間のうち冷却運転開始期間の後の期間)に、第2開度調節動作を行う。
第2開度調節動作では、コントローラ(13)は、過冷却熱交換器(34)からドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度(この例では、過冷却冷媒温度(Tsc))が予め定められた氷結温度閾値(Tfth)を上回るように、過冷却膨張弁(35)の開度を調節する。なお、第2開度調節動作では、以下のような処理が行われる。
《ステップ(ST24)》
具体的には、コントローラ(13)は、過冷却冷媒温度(Tsc)が氷結温度閾値(Tfth)を上回っているか否かを判定する。例えば、氷結温度閾値(Tfth)は、ドレンパン配管(71b)に流入する冷媒によってドレンパン(25)内の残留フロストを融解させることができるとみなせるときの過冷却冷媒温度(Tsc)の限界値(最低値、例えば0℃)に設定されている。過冷却冷媒温度(Tsc)が氷結温度閾値(Tfth)を上回っている場合には、ステップ(ST25)へ進み、そうでない場合には、ステップ(ST26)へ進む。
《ステップ(ST25)》
過冷却冷媒温度(Tsc)が氷結温度閾値(Tfth)を上回っている場合、コントローラ(13)は、過冷却膨張弁(35)の開度を予め定められた減少量だけ減少させる。これにより、過冷却膨張弁(35)から過冷却熱交換器(34)の第2流路(34b)に流入する冷媒の圧力を低下させて、過冷却熱交換器(34)における冷媒の過冷却度を増加させることができる。その結果、過冷却熱交換器(34)の過冷却能力を確保することができる。
《ステップ(ST26)》
一方、過冷却冷媒温度(Tsc)が氷結温度閾値(Tfth)を上回っていない場合、コントローラ(13)は、過冷却膨張弁(35)の開度を予め定められた増加量だけ増加させる。これにより、インジェクション配管(54)において過冷却膨張弁(35)から過冷却熱交換器(34)の第2流路(34b)に流入する冷媒の圧力を上昇させて、過冷却熱交換器(34)における冷媒の過冷却度を減少させることができる。その結果、過冷却熱交換器(34)からドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度を上昇させて、ドレンパン配管(71b)を流れる冷媒の温度を上昇させることができる。
なお、コントローラ(13)は、ステップ(ST23,ST26)において過冷却膨張弁(35)の開度が最大開度(例えば、全開状態)となっている場合、過冷却膨張弁(35)の開度を最大開度のまま維持する。また、コントローラ(13)は、ステップ(ST25)において過冷却膨張弁(35)の開度が最小開度(例えば、全閉状態)となっている場合、過冷却膨張弁(35)の開度を最小開度のまま維持する。
〔実施形態による効果〕
以上のように、過冷却膨張弁(35)の開度を調節することにより、インジェクション配管(54)において過冷却熱交換器(34)から中間膨張弁(36a,36b,36c)へ向けて冷媒を流すことができる。そして、第1開度調節動作において中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を調節することにより、吐出高温閾値(Tdth)を下回るように圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の温度(Td)を調節することができる。これにより、圧縮機(31a,31b,31c)を高温異常から保護することができる。また、第2開度調節動作において過冷却膨張弁(35)の開度を調節することにより、氷結温度閾値(Tfth)を上回るように過冷却熱交換器(34)からドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度を調節することができる。これにより、ドレンパン(25)内における残留フロストの成長を抑制することができる。
また、第1開度調節動作において、圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の温度(Td)が吐出高温閾値(Tdth)を下回らない場合に、中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を増加させることにより、圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の温度を低下させることができる。これにより、圧縮機(31a,31b,31c)を高温異常から保護することができる。
また、第2開度調節動作において、過冷却熱交換器(34)からドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度が氷結温度閾値(Tfth)を上回る場合に、過冷却膨張弁(35)の開度を減少させることにより、過冷却熱交換器(34)における冷媒の過冷却度を増加させることができる。これにより、利用側熱交換器(61)の冷却能力を向上させることができる。一方、過冷却熱交換器(34)からドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度が氷結温度閾値(Tfth)を上回らない場合に、過冷却膨張弁(35)の開度を増加させることにより、過冷却熱交換器(34)における冷媒の過冷却度を減少させることができる。これにより、過冷却熱交換器(34)からドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度を上昇させることができ、ドレンパン内における残留フロストの成長を抑制することができる。
また、冷却運転開始期間(この例では、デフロスト運転から冷却運転へ切り換えられた時点から加熱時間が経過するまでの期間)において、利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足していない場合に、過冷却膨張弁(35)の開度を増加させてドレンパン配管(71b)の加熱能力を確保することができるので、ドレンパン(25)内における残留フロストの成長を効果的に抑制することができる。
また、冷却運転開始期間(この例では、デフロスト運転から冷却運転へ切り換えられた時点から加熱時間が経過するまでの期間)において、利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足している場合に、第2開度調節動作によって過冷却熱交換器(34)の過冷却能力を確保することができるので、利用側熱交換器(61)の冷却能力を補填することができる。
このように、冷却運転開始期間(この例では、デフロスト運転から冷却運転へ切り換えられた時点から加熱時間が経過するまでの期間)において、ドレンパン(25)内における残留フロストの成長を効果的に抑制しつつ、利用側熱交換器(61)の冷却能力を補填することができる。
また、過冷却熱交換器(34)と液側連絡配管(14)との間を流れる冷媒の温度(Tsc)に基づいて第2開度調節動作を行うことにより、過冷却熱交換器(34)と液側連絡配管(14)との間を流れる冷媒の温度(Tsc)を調節して過冷却熱交換器(34)からドレンパン配管(71b)に流入する冷媒の温度を調節することができる。したがって、過冷却熱交換器(34)と液側連絡配管(14)との間を流れる冷媒の温度(Tsc)に基づいて第2開度調節動作を行うことにより、過冷却熱交換器(34)からドレンパン配管(71b)に流入する温度が氷結温度閾値(Tfth)を上回るように過冷却膨張弁(35)の開度を調節することができる。
また、過冷却熱交換器(34)と液側連絡配管(14)との間を流れる冷媒の温度(Tsc)を検出するための構成部品(この例では、過冷却冷媒温度センサ(82))を、その検出温度に基づく制御の対象となる過冷却膨張弁(35)とともに熱源側ユニット(11)内に設けることができる。これにより、熱源側ユニット(11)と利用側ユニット(12)との間の信号伝送路(具体的には、ドレンパン配管(71b)に流入する冷媒の温度を示した温度信号を利用側ユニット(12)から熱源側ユニット(11)へ向けて伝送するための伝送路)を省略することができるので、熱源側ユニット(11)と利用側ユニット(12)とを個別に制御することが可能な冷凍装置(所謂、伝送レスタイプの冷凍装置)を構成することができる。
〔冷却運転開始期間の変形例〕
なお、冷却運転開始期間は、デフロスト運転から冷却運転へ切り換えられた時点からドレンパン配管(71b)の温度が上昇して所定値となるまでの期間であってもよい。この場合、コントローラ(13)は、ドレンパン配管(71b)の温度を検出する温度センサ(図示を省略)の検出値に基づいて、ドレンパン配管(71b)の温度が上昇して所定値となったか否か(すなわち、冷却運転開始期間が経過したか否か)を判定してもよい。
ドレンパン配管(71b)を通過する冷媒は、ドレンパン(25)内の残留フロストに吸熱されて冷却される。このドレンパン配管(71b)内の冷媒の冷却に伴い、ドレンパン配管(71b)の温度が低くなる。そして、ドレンパン(25)内の残留フロストが十分に融解されると、ドレンパン配管(71b)内の冷媒はあまり冷却されなくなり、ドレンパン配管(71b)の温度が高くなる。すなわち、ドレンパン配管(71b)の温度が上昇して所定値となると、ドレンパン(25)内の残留フロストが十分に融解されたとみなすことができる。そして、ドレンパン配管(71b)の温度が上昇して所定値となると、冷却運転開始時間が終了する。
このように構成した場合も、冷却運転開始期間において、ドレンパン(25)内における残留フロストの成長を効果的に抑制しつつ、利用側熱交換器(61)の冷却能力を補填することができる。
(その他の実施形態)
以上の説明では、冷凍装置(10)が2つの利用側ユニット(12)を備えている場合を例に挙げたが、利用側ユニット(12)の台数は、1台であってもよいし、3台以上であってもよい。
また、冷媒回路(20)に3つの圧縮機(第1〜第3圧縮機(31a〜31c))が設けられている場合を例に挙げたが、圧縮機の台数は、1台であってもよいし、2台であってもよいし、4台以上であってもよい。
以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、この発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、上述の冷凍装置は、庫内などを冷却する冷凍装置として有用である。
10 冷凍装置
11 熱源側ユニット
12 利用側ユニット
13 コントローラ(制御部)
14 液側冷媒配管
15 ガス側冷媒配管
20 冷媒回路
21 熱源側回路
22 熱源側ファン
23 利用側回路
24 利用側ファン
25 ドレンパン
31a 第1圧縮機
31b 第2圧縮機
31c 第3圧縮機
32 四方切換弁
33 熱源側熱交換器
34 過冷却熱交換器
35 過冷却膨張弁
36a 第1中間膨張弁
36b 第2中間膨張弁
36c 第3中間膨張弁
37 レシーバ
38 熱源側膨張弁
41 油分離器
42 油戻し膨張弁
50 液冷媒配管
51 吐出冷媒配管
52 吸入冷媒配管
53 熱源側液冷媒配管
54 インジェクション配管
55 第1接続配管
56 第2接続配管
57 油戻し配管
61 利用側熱交換器
62 利用側開閉弁
63 利用側膨張弁
71 利用側液冷媒配管
72 利用側ガス冷媒配管

Claims (5)

  1. 圧縮機(31a,31b,31c)と、熱源側熱交換器(33)と、利用側熱交換器(61)と、該熱源側熱交換器(33)の液端が接続される液冷媒配管(50)と、該利用側熱交換器(61)の液端と該液冷媒配管(50)とを接続する利用側液冷媒配管(71)と、該液冷媒配管(50)の中途部(P1)と該圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートとを接続するインジェクション配管(54)と、該液冷媒配管(50)と該インジェクション配管(54)とに接続されて該液冷媒配管(50)を流れる冷媒と該インジェクション配管(54)を流れる冷媒とを熱交換させる過冷却熱交換器(34)と、該インジェクション配管(54)において該液冷媒配管(50)の中途部(P1)と該過冷却熱交換器(34)との間に設けられる過冷却膨張弁(35)と、該インジェクション配管(54)において該過冷却熱交換器(34)と該圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートとの間に設けられる中間膨張弁(36a,36b,36c)とを有する冷媒回路(20)と、
    上記利用側熱交換器(61)の下側に設置され、内部に上記利用側液冷媒配管(71)の一部であるドレンパン配管(71b)が配設されるドレンパン(25)と、
    上記冷媒回路(20)において上記熱源側熱交換器(33)が凝縮器となり上記過冷却熱交換器(34)が過冷却器となり上記利用側熱交換器(61)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる冷却運転において、上記圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の温度(Td)が予め定められた吐出高温閾値(Tdth)を下回るように上記中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を調節する第1開度調節動作と、該過冷却熱交換器(34)から上記ドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度が予め定められた氷結温度閾値(Tfth)を上回るように上記過冷却膨張弁(35)の開度を調節する第2開度調節動作とを行う制御部(13)とを備え、
    上記制御部(13)は、上記冷媒回路(20)において上記利用側熱交換器(61)が凝縮器となり上記熱源側熱交換器(33)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われるデフロスト運転から上記冷却運転へ切り換えられた時点を開始時点とする冷却運転開始期間において上記利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足していない場合に、上記過冷却膨張弁(35)の開度を増加させ、該冷却運転開始期間において該利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足している場合に、上記第2開度調節動作を行う
    ことを特徴とする冷凍装置。
  2. 請求項において、
    上記冷却運転開始期間は、上記デフロスト運転から上記冷却運転へ切り換えられた時点から予め定められた加熱時間が経過するまでの期間である
    ことを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項1または2において、
    上記制御部(13)は、上記第1開度調節動作では、上記圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の温度(Td)が上記吐出高温閾値(Tdth)を下回る場合に、該圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の過熱度が予め定められた目標過熱度となるように上記中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を調節し、該圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の温度(Td)が該吐出高温閾値(Tdth)を下回らない場合に、該中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を増加させる
    ことを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1項において、
    上記制御部(13)は、上記第2開度調節動作では、上記過冷却熱交換器(34)から上記ドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度が上記氷結温度閾値(Tfth)を上回る場合に、上記過冷却膨張弁(35)の開度を減少させ、該過冷却熱交換器(34)から該ドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度が該氷結温度閾値(Tfth)を上回らない場合に、上記過冷却膨張弁(35)の開度を増加させる
    ことを特徴とする冷凍装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1項において、
    上記液冷媒配管(50)は、上記熱源側熱交換器(33)の液端と上記過冷却熱交換器(34)と上記インジェクション配管(54)とが接続される熱源側液冷媒配管(53)と、該熱源側液冷媒配管(53)と上記利用側液冷媒配管(71)とを接続する液側連絡配管(14)とを有し、
    上記圧縮機(31a,31b,31c)と上記熱源側熱交換器(33)と上記過冷却熱交換器(34)と上記過冷却膨張弁(35)と上記熱源側液冷媒配管(53)は、熱源側ユニット(11)に設けられ、
    上記利用側熱交換器(61)と上記利用側液冷媒配管(71)は、利用側ユニット(12)に設けられ、
    上記制御部(13)は、上記熱源側液冷媒配管(53)において上記過冷却熱交換器(34)と上記液側連絡配管(14)との間を流れる冷媒の温度(Tsc)に基づいて上記第2開度調節動作を行う
    ことを特徴とする冷凍装置。
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