JP6142896B2 - 冷凍装置 - Google Patents
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Description
図1は、実施形態による冷凍装置(10)の構成例を示している。冷凍装置(10)は、熱源側ユニット(11)と、熱源側ユニット(11)に対して並列に接続された複数(この例では、2つ)の利用側ユニット(12)と、コントローラ(13)とを備えている。例えば、熱源側ユニット(11)は、庫外に設けられ、利用側ユニット(12)は、庫内に設けられている。
熱源側回路(21)は、第1〜第3圧縮機(31a〜31c)と、四方切換弁(32)と、熱源側熱交換器(33)と、過冷却熱交換器(34)と、過冷却膨張弁(35)と、第1〜第3中間膨張弁(36a〜36c)と、レシーバ(37)と、熱源側膨張弁(38)と、第1〜第3逆止弁(CV1〜CV3)と、油分離器(41)と、油戻し膨張弁(42)とを有している。また、熱源側回路(21)には、吐出冷媒配管(51)と、吸入冷媒配管(52)と、熱源側液冷媒配管(53)と、インジェクション配管(54)と、第1接続配管(55)と、第2接続配管(56)と、油戻し配管(57)とが設けられている。以下の説明では、第1〜第3圧縮機(31a〜31c)の総称を「圧縮機(31a,31b,31c)」と記載し、第1〜第3中間膨張弁(36a〜36c)の総称を「中間膨張弁(36a,36b,36c)」と記載する。
圧縮機(31a,31b,31c)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出するように構成されている。また、圧縮機(31a,31b,31c)には、吸入ポートと、中間ポートと、吐出ポートとが設けられている。吸入ポートは、圧縮機(31a,31b,31c)の吸入行程において圧縮室(すなわち、低圧の圧縮室)と連通するように形成されている。中間ポートは、圧縮機(31a,31b,31c)の圧縮行程の途中において圧縮室(すなわち、中間圧の圧縮室)と連通するように形成されている。吐出ポートは、圧縮機(31a,31b,31c)の吐出行程において圧縮室(すなわち、高圧の圧縮室)と連通するように構成されている。例えば、圧縮機(31a,31b,31c)は、互いに歯合する固定スクロールおよび可動スクロールの間に圧縮室が構成されるスクロール式の圧縮機によって構成されている。
四方切換弁(32)は、第1ポートと第3ポートとが連通し且つ第2ポートと第4ポートとが連通する第1状態(図1の実線で示された状態)と、第1ポートと第4ポートとが連通し且つ第2ポートと第3ポートとが連通する第2状態(図1の破線で示された状態)とに切り換え可能に構成されている。
この例では、吐出冷媒配管(51)は、一端が第1,第2,第3圧縮機(31a,31b,31c)の吐出ポートに接続される第1,第2,第3吐出管(51a,51b,51c)と、第1,第2,第3吐出管(51a,51b,51c)の他端と四方切換弁(32)の第1ポートとを接続する吐出合流管(51d)とによって構成されている。また、吸入冷媒配管(52)は、一端が第1,第2,第3圧縮機(31a,31b,31c)の吸入ポートにそれぞれ接続される第1,第2,第3吸入管(52a,52b,52c)と、第1,第2,第3吸入管(52a,52b,52c)の他端と四方切換弁(32)の第2ポートとを接続する吸入主管(52d)とによって構成されている。
熱源側熱交換器(33)は、その液端が熱源側液冷媒配管(53)の一端に接続され、そのガス端が四方切換弁(32)の第3ポートに接続されている。また、熱源側熱交換器(33)の近傍には、熱源側ファン(22)が配置されている。そして、熱源側熱交換器(33)は、冷媒と熱源側ファン(22)によって搬送された熱源側空気(例えば、庫外空気)とを熱交換させるように構成されている。例えば、熱源側熱交換器(33)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器によって構成されている。
熱源側液冷媒配管(53)は、その一端が熱源側熱交換器(33)に接続され、その他端が液閉鎖弁(V1)に接続されている。この例では、熱源側液冷媒配管(53)は、熱源側熱交換器(33)の液端とレシーバ(37)とを接続する第1熱源側液管(53a)と、レシーバ(37)と過冷却熱交換器(34)とを接続する第2熱源側液管(53b)と、過冷却熱交換器(34)と液閉鎖弁(V1)とを接続する第3熱源側液管(53c)とによって構成されている。
インジェクション配管(54)は、熱源側液冷媒配管(53)の第1中途部(P1)と圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートとを接続している。この例では、インジェクション配管(54)は、熱源側液冷媒配管(53)の第1中途部(P1)と過冷却熱交換器(34)とを接続する第1インジェクション主管(54m)と、一端が過冷却熱交換器(34)に接続される第2インジェクション主管(54n)と、第2インジェクション主管(54n)の他端と第1,第2,第3圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートとをそれぞれ接続する第1,第2,第3インジェクション分岐管(54a,54b,54c)とによって構成されている。以下の説明では、第1,第2,第3インジェクション分岐管(54a,54b,54c)の総称を「インジェクション分岐管(54a,54b,54c)」と記載する。
過冷却熱交換器(34)は、熱源側液冷媒配管(53)とインジェクション配管(54)とに接続され、熱源側液冷媒配管(53)を流れる冷媒とインジェクション配管(54)を流れる冷媒とを熱交換させるように構成されている。この例では、過冷却熱交換器(34)は、第2熱源側液管(53b)と第3熱源側液管(53c)との間に接続される第1流路(34a)と、第1インジェクション主管(54m)と第2インジェクション主管(54n)との間に接続される第2流路(34b)とを有し、第1流路(34a)を流れる冷媒と第2流路(34b)を流れる冷媒とを熱交換させるように構成されている。例えば、過冷却熱交換器(34)は、プレート型熱交換器によって構成されている。
過冷却膨張弁(35)は、インジェクション配管(54)において熱源側液冷媒配管(53)の第1中途部(P1)と過冷却熱交換器(34)との間(この例では、第1インジェクション主管(54m))に設けられている。また、過冷却膨張弁(35)は、その開度を調節可能に構成されている。例えば、過冷却膨張弁(35)は、電子膨張弁(電動弁)によって構成されている。
中間膨張弁(36a,36b,36c)は、インジェクション配管(54)において過冷却熱交換器(34)と圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートとの間に設けられている。この例では、第1,第2,第3中間膨張弁(36a,36b,36c)は、それぞれ、第1,第2,第3圧縮機(31a,31b,31c)に対応し、第1,第2,第3インジェクション分岐管(54a,54b,54c)に設けられている。また、中間膨張弁(36a,36b,36c)は、その開度を調節可能に構成されている。例えば、中間膨張弁(36a,36b,36c)は、電子膨張弁(電動弁)によって構成されている。
レシーバ(37)は、熱源側液冷媒配管(53)において熱源側熱交換器(33)と過冷却熱交換器(34)との間に接続され、凝縮器(具体的には、熱源側熱交換器(33)または利用側熱交換器(61))において凝縮した冷媒を一時的に貯留することができるように構成されている。この例では、レシーバ(37)は、その頂部に第1熱源側液管(53a)が接続され、その底部に第2熱源側液管(53b)が接続されている。
第1接続配管(55)は、熱源側液冷媒配管(53)の第2中途部(P2)と第3中途部(P3)とを接続している。第2中途部(P2)は、熱源側液冷媒配管(53)において第1中途部(P1)と液閉鎖弁(V1)との間に位置し、第3中途部(P3)は、熱源側液冷媒配管(53)において熱源側熱交換器(33)の液端とレシーバ(37)との間に位置する。
熱源側膨張弁(38)は、第2接続配管(56)に設けられている。また、熱源側膨張弁(38)は、その開度を調節可能に構成されている。例えば、熱源側膨張弁(38)は、電子膨張弁(電動弁)によって構成されている。
第1逆止弁(CV1)は、熱源側液冷媒配管(53)の第3中途部(P3)と第5中途部(P5)との間に設けられ、第5中途部(P5)から第3中途部(P3)へ向かう冷媒の流れのみを許容するように構成されている。第2逆止弁(CV2)は、熱源側液冷媒配管(53)の第1中途部(P1)と第2中途部(P2)との間に設けられ、第1中途部(P1)から第2中途部(P2)へ向かう冷媒の流れのみを許容するように構成されている。第3逆止弁(CV3)は、第1接続配管(55)に設けられ、熱源側液冷媒配管(53)の第2中途部(P2)から第3中途部(P3)へ向かう冷媒の流れのみを許容するように構成されている。
油分離器(41)は、吐出冷媒配管(51)(この例では、吐出合流管(51d))に設けられ、圧縮機(31a,31b,31c)から吐出された冷媒から冷凍機油を分離して内部に貯留することができるように構成されている。
油戻し配管(57)は、油分離器(41)に貯留された冷凍機油(比較的高温の冷凍機油)をインジェクション配管(54)に供給するための配管であり、その一端が油分離器(41)に接続され、その他端がインジェクション配管(54)における過冷却熱交換器(34)と中間膨張弁(36a,36b,36c)との間の中途部(この例では、第2インジェクション主管(54n)の中途部)に接続されている。
油戻し膨張弁(42)は、油戻し配管(57)に設けられている。また、油戻し膨張弁(42)は、その開度を調節可能に構成されている。例えば、油戻し膨張弁(42)は、電子膨張弁(電動弁)によって構成されている。
利用側回路(23)は、利用側熱交換器(61)と、利用側開閉弁(62)と、利用側膨張弁(63)とを有している。また、利用側回路(23)には、利用側液冷媒配管(71)と、利用側ガス冷媒配管(72)とが設けられている。
利用側熱交換器(61)は、その液端が利用側液冷媒配管(71)によって液側連絡配管(14)に接続され、そのガス端が利用側ガス冷媒配管(72)によってガス側連絡配管(15)に接続されている。また、利用側熱交換器(61)の近傍には、利用側ファン(24)が配置されている。そして、利用側熱交換器(61)は、冷媒と利用側ファン(24)によって搬送された利用側空気(例えば、庫内空気)とを熱交換させるように構成されている。例えば、利用側熱交換器(61)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器によって構成されている。
利用側液冷媒配管(71)は、その一端が液側連絡配管(14)に接続され、その他端が利用側熱交換器(61)の液端に接続されている。この例では、利用側液冷媒配管(71)は、一端が液側連絡配管(14)に接続される第1利用側液管(71a)と、一端が第1利用側液管(71a)の他端に接続されるドレンパン配管(71b)と、ドレンパン配管(71b)の他端と利用側熱交換器(61)の液端とを接続する第2利用側液管(71c)とによって構成されている。利用側ガス冷媒配管(72)は、その一端が利用側熱交換器(61)のガス端に接続され、その他端がガス側連絡配管(15)に接続されている。
利用側開閉弁(62)および利用側膨張弁(63)は、利用側液冷媒配管(71)(この例では、第2利用側液管(71c))に直列に設けられている。
ドレンパン(25)は、利用側熱交換器(61)の下側に設置され、利用側熱交換器(61)の表面から落下する霜や結露水を回収するように構成されている。また、ドレンパン(25)の内部には、利用側液冷媒配管(71)の一部であるドレンパン配管(71b)が配設されている。
なお、この冷媒回路(20)では、熱源側液冷媒配管(53)と液側連絡配管(14)とによって液冷媒配管(50)が構成されている。すなわち、熱源側熱交換器(33)の液端は、液冷媒配管(50)に接続されている。利用側液冷媒配管(71)は、利用側熱交換器(61)の液端と液冷媒配管(50)とを接続している。インジェクション配管(54)は、液冷媒配管(50)の中途部(第1中途部(P1))と圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートとを接続している。過冷却熱交換器(34)は、液冷媒配管(50)とインジェクション配管(54)とに接続され、液冷媒配管(50)を流れる冷媒とインジェクション配管(54)を流れる冷媒とを熱交換させるように構成されている。
また、この冷凍装置(10)には、第1〜第3吐出冷媒温度センサ(81a〜81c)や過冷却冷媒温度センサ(82)などの各種センサが設けられている。なお、以下の説明では、第1〜第3吐出冷媒温度センサ(81a〜81c)の総称を「吐出冷媒温度センサ(81a,81b,81c)」と記載する。
コントローラ(13)は、冷凍装置(10)の各部を制御して冷凍装置(10)の運転動作を制御する。具体的には、コントローラ(13)は、各種センサ(吐出冷媒温度センサ(81a,81b,81c)や過冷却冷媒温度センサ(82)など)の検出値に基づいて、圧縮機(31a,31b,31c)と各種ファン(熱源側ファン(22),利用側ファン(24))と各種弁(四方切換弁(32),過冷却膨張弁(35),中間膨張弁(36a,36b,36c),熱源側膨張弁(38),油戻し膨張弁(42),利用側開閉弁(62))とを制御する。なお、この冷凍装置(10)では、庫内を冷却する冷却運転と、利用側熱交換器(61)を除霜するデフロスト運転とが行われる。
次に、図2を参照して、冷却運転について説明する。冷却運転では、冷媒回路(20)において熱源側熱交換器(33)が凝縮器となり過冷却熱交換器(34)が過冷却器となり利用側熱交換器(61)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
次に、図3を参照して、デフロスト運転について説明する。デフロスト運転では、冷媒回路(20)において利用側熱交換器(61)が凝縮器となり熱源側熱交換器(33)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
次に、図4を参照して、冷却運転における中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度調節について説明する。コントローラ(13)は、冷却運転において予め定められた動作時間が経過する毎に、第1開度調節動作(ステップ(ST11〜ST13))を行う。第1開度調節動作では、コントローラ(13)は、吐出冷媒温度(Td)が予め定められた吐出高温閾値(Tdth)を下回るように中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を調節する。この例では、コントローラ(13)は、第1〜第3中間膨張弁(36a〜36c)の各々に対して第1開度調節動作を行う。例えば、コントローラ(13)は、第1吐出冷媒温度センサ(81a)の検出値に基づいて、第1圧縮機(31a)に対応する第1中間膨張弁(36a)に対して第1開度調節動作を調節する。なお、第1開度調節動作では、以下のような処理が行われる。
まず、コントローラ(13)は、吐出冷媒温度(Td)が吐出高温閾値(Tdth)を下回っているか否かを判定する(ステップ(ST11))。例えば、吐出高温閾値(Tdth)は、圧縮機(31a,31b,31c)に高温異常が発生しないとみなせる吐出冷媒温度(Td)の限界値(最高値、例えば105℃)に設定されている。吐出冷媒温度(Td)が吐出高温閾値(Tdth)を下回っている場合には、ステップ(ST12)へ進み、そうでない場合には、ステップ(ST13)へ進む。
吐出冷媒温度(Td)が吐出高温閾値(Tdth)を下回っている場合、コントローラ(13)は、圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の過熱度(以下では、吐出過熱度と記載)が予め定められた目標過熱度(例えば15℃)となるように中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を調節する。
また、吐出冷媒温度(Td)が吐出高温閾値(Tdth)を下回っていない場合(ステップ(ST11)のNO)、コントローラ(13)は、中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を予め定められた増加量だけ増加させる。これにより、圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートに流入する冷媒の流量(インジェクション量)を増加させて圧縮機(31a,31b,31c)内における冷媒の温度低下量を増加させることができる。その結果、圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の温度(すなわち、吐出冷媒温度(Td))を低下させることができる。
なお、デフロスト運転から冷却運転へ切り換えられた時点の直後において、ドレンパン(25)内に回収された霜や氷塊が十分に融解されずにドレンパン(25)内に残っていることがある。そのため、デフロスト運転から冷却運転へ切り換えられた時点を開始時点とする期間(冷却運転開始期間)では、ドレンパン配管(71b)の加熱能力を確保してドレンパン(25)内における残留フロストの成長を抑制することが好ましい。ただし、冷却運転開始期間において利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足している場合は、ドレンパン配管(71b)の加熱能力の確保よりも過冷却熱交換器(34)の過冷却能力の確保を優先させて、利用側熱交換器(61)の冷却能力を補填することが好ましい。
次に、図5を参照して、冷却運転における過冷却膨張弁(35)の開度調節について説明する。コントローラ(13)は、冷却運転において予め定められた動作時間が経過する毎に、図5に示した処理(ステップ(ST20〜ST26))を行う。
まず、コントローラ(13)は、冷却運転開始期間が経過したか否かを判定する。この例では、コントローラ(13)は、デフロスト運転から冷却運転へ切り換えられた時点から予め定められた加熱時間(例えば30分)が経過したか否かを判定する。すなわち、この例では、冷却運転開始期間は、デフロスト運転から冷却運転へ切り換えられた時点から加熱時間が経過するまでの期間である。加熱時間が経過していない場合には、ステップ(ST22)へ進み、そうでない場合には、ステップ(ST21)へ進む。
加熱時間が経過していない場合、コントローラ(13)は、利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足しているか否かを判定する。例えば、コントローラ(13)は、第1圧縮機(31a)の回転数が最大回転数よりも低い回転数となっている場合に、利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足していないと判定し、第1圧縮機(31a)の回転数が最大回転数となっている場合に、利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足していると判定する。利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足していない場合には、ステップ(ST23)へ進み、そうでない場合には、ステップ(ST24)へ進む。
加熱時間が経過していない場合において利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足していない場合(すなわち、冷却運転開始期間において利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足していない場合)、コントローラ(13)は、過冷却膨張弁(35)の開度を予め定められた増加量だけ増加させる。これにより、インジェクション配管(54)において過冷却膨張弁(35)から過冷却熱交換器(34)の第2流路(34b)に流入する冷媒の圧力を上昇させて、過冷却熱交換器(34)における冷媒の過冷却度を減少させることができる。その結果、過冷却熱交換器(34)からドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度を上昇させて、ドレンパン配管(71b)の加熱能力を確保することができる。
また、加熱時間が経過していない場合において利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足している場合(ステップ(ST22)のYES)、コントローラ(13)は、第2開度調節動作を行う。すなわち、コントローラ(13)は、冷却運転開始期間において利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足している場合に、第2開度調節動作を行う。
具体的には、コントローラ(13)は、過冷却冷媒温度(Tsc)が氷結温度閾値(Tfth)を上回っているか否かを判定する。例えば、氷結温度閾値(Tfth)は、ドレンパン配管(71b)に流入する冷媒によってドレンパン(25)内の残留フロストを融解させることができるとみなせるときの過冷却冷媒温度(Tsc)の限界値(最低値、例えば0℃)に設定されている。過冷却冷媒温度(Tsc)が氷結温度閾値(Tfth)を上回っている場合には、ステップ(ST25)へ進み、そうでない場合には、ステップ(ST26)へ進む。
過冷却冷媒温度(Tsc)が氷結温度閾値(Tfth)を上回っている場合、コントローラ(13)は、過冷却膨張弁(35)の開度を予め定められた減少量だけ減少させる。これにより、過冷却膨張弁(35)から過冷却熱交換器(34)の第2流路(34b)に流入する冷媒の圧力を低下させて、過冷却熱交換器(34)における冷媒の過冷却度を増加させることができる。その結果、過冷却熱交換器(34)の過冷却能力を確保することができる。
一方、過冷却冷媒温度(Tsc)が氷結温度閾値(Tfth)を上回っていない場合、コントローラ(13)は、過冷却膨張弁(35)の開度を予め定められた増加量だけ増加させる。これにより、インジェクション配管(54)において過冷却膨張弁(35)から過冷却熱交換器(34)の第2流路(34b)に流入する冷媒の圧力を上昇させて、過冷却熱交換器(34)における冷媒の過冷却度を減少させることができる。その結果、過冷却熱交換器(34)からドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度を上昇させて、ドレンパン配管(71b)を流れる冷媒の温度を上昇させることができる。
以上のように、過冷却膨張弁(35)の開度を調節することにより、インジェクション配管(54)において過冷却熱交換器(34)から中間膨張弁(36a,36b,36c)へ向けて冷媒を流すことができる。そして、第1開度調節動作において中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を調節することにより、吐出高温閾値(Tdth)を下回るように圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の温度(Td)を調節することができる。これにより、圧縮機(31a,31b,31c)を高温異常から保護することができる。また、第2開度調節動作において過冷却膨張弁(35)の開度を調節することにより、氷結温度閾値(Tfth)を上回るように過冷却熱交換器(34)からドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度を調節することができる。これにより、ドレンパン(25)内における残留フロストの成長を抑制することができる。
なお、冷却運転開始期間は、デフロスト運転から冷却運転へ切り換えられた時点からドレンパン配管(71b)の温度が上昇して所定値となるまでの期間であってもよい。この場合、コントローラ(13)は、ドレンパン配管(71b)の温度を検出する温度センサ(図示を省略)の検出値に基づいて、ドレンパン配管(71b)の温度が上昇して所定値となったか否か(すなわち、冷却運転開始期間が経過したか否か)を判定してもよい。
以上の説明では、冷凍装置(10)が2つの利用側ユニット(12)を備えている場合を例に挙げたが、利用側ユニット(12)の台数は、1台であってもよいし、3台以上であってもよい。
11 熱源側ユニット
12 利用側ユニット
13 コントローラ(制御部)
14 液側冷媒配管
15 ガス側冷媒配管
20 冷媒回路
21 熱源側回路
22 熱源側ファン
23 利用側回路
24 利用側ファン
25 ドレンパン
31a 第1圧縮機
31b 第2圧縮機
31c 第3圧縮機
32 四方切換弁
33 熱源側熱交換器
34 過冷却熱交換器
35 過冷却膨張弁
36a 第1中間膨張弁
36b 第2中間膨張弁
36c 第3中間膨張弁
37 レシーバ
38 熱源側膨張弁
41 油分離器
42 油戻し膨張弁
50 液冷媒配管
51 吐出冷媒配管
52 吸入冷媒配管
53 熱源側液冷媒配管
54 インジェクション配管
55 第1接続配管
56 第2接続配管
57 油戻し配管
61 利用側熱交換器
62 利用側開閉弁
63 利用側膨張弁
71 利用側液冷媒配管
72 利用側ガス冷媒配管
Claims (5)
- 圧縮機(31a,31b,31c)と、熱源側熱交換器(33)と、利用側熱交換器(61)と、該熱源側熱交換器(33)の液端が接続される液冷媒配管(50)と、該利用側熱交換器(61)の液端と該液冷媒配管(50)とを接続する利用側液冷媒配管(71)と、該液冷媒配管(50)の中途部(P1)と該圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートとを接続するインジェクション配管(54)と、該液冷媒配管(50)と該インジェクション配管(54)とに接続されて該液冷媒配管(50)を流れる冷媒と該インジェクション配管(54)を流れる冷媒とを熱交換させる過冷却熱交換器(34)と、該インジェクション配管(54)において該液冷媒配管(50)の中途部(P1)と該過冷却熱交換器(34)との間に設けられる過冷却膨張弁(35)と、該インジェクション配管(54)において該過冷却熱交換器(34)と該圧縮機(31a,31b,31c)の中間ポートとの間に設けられる中間膨張弁(36a,36b,36c)とを有する冷媒回路(20)と、
上記利用側熱交換器(61)の下側に設置され、内部に上記利用側液冷媒配管(71)の一部であるドレンパン配管(71b)が配設されるドレンパン(25)と、
上記冷媒回路(20)において上記熱源側熱交換器(33)が凝縮器となり上記過冷却熱交換器(34)が過冷却器となり上記利用側熱交換器(61)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる冷却運転において、上記圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の温度(Td)が予め定められた吐出高温閾値(Tdth)を下回るように上記中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を調節する第1開度調節動作と、該過冷却熱交換器(34)から上記ドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度が予め定められた氷結温度閾値(Tfth)を上回るように上記過冷却膨張弁(35)の開度を調節する第2開度調節動作とを行う制御部(13)とを備え、
上記制御部(13)は、上記冷媒回路(20)において上記利用側熱交換器(61)が凝縮器となり上記熱源側熱交換器(33)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われるデフロスト運転から上記冷却運転へ切り換えられた時点を開始時点とする冷却運転開始期間において上記利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足していない場合に、上記過冷却膨張弁(35)の開度を増加させ、該冷却運転開始期間において該利用側熱交換器(61)の冷却能力が不足している場合に、上記第2開度調節動作を行う
ことを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1において、
上記冷却運転開始期間は、上記デフロスト運転から上記冷却運転へ切り換えられた時点から予め定められた加熱時間が経過するまでの期間である
ことを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1または2において、
上記制御部(13)は、上記第1開度調節動作では、上記圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の温度(Td)が上記吐出高温閾値(Tdth)を下回る場合に、該圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の過熱度が予め定められた目標過熱度となるように上記中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を調節し、該圧縮機(31a,31b,31c)から吐出される冷媒の温度(Td)が該吐出高温閾値(Tdth)を下回らない場合に、該中間膨張弁(36a,36b,36c)の開度を増加させる
ことを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項において、
上記制御部(13)は、上記第2開度調節動作では、上記過冷却熱交換器(34)から上記ドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度が上記氷結温度閾値(Tfth)を上回る場合に、上記過冷却膨張弁(35)の開度を減少させ、該過冷却熱交換器(34)から該ドレンパン配管(71b)に供給される冷媒の温度が該氷結温度閾値(Tfth)を上回らない場合に、上記過冷却膨張弁(35)の開度を増加させる
ことを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項において、
上記液冷媒配管(50)は、上記熱源側熱交換器(33)の液端と上記過冷却熱交換器(34)と上記インジェクション配管(54)とが接続される熱源側液冷媒配管(53)と、該熱源側液冷媒配管(53)と上記利用側液冷媒配管(71)とを接続する液側連絡配管(14)とを有し、
上記圧縮機(31a,31b,31c)と上記熱源側熱交換器(33)と上記過冷却熱交換器(34)と上記過冷却膨張弁(35)と上記熱源側液冷媒配管(53)は、熱源側ユニット(11)に設けられ、
上記利用側熱交換器(61)と上記利用側液冷媒配管(71)は、利用側ユニット(12)に設けられ、
上記制御部(13)は、上記熱源側液冷媒配管(53)において上記過冷却熱交換器(34)と上記液側連絡配管(14)との間を流れる冷媒の温度(Tsc)に基づいて上記第2開度調節動作を行う
ことを特徴とする冷凍装置。
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