JP6034331B2 - 一方向への回転方向変換装置 - Google Patents
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Description
筒状部ISEと出力軸OSの先端との間には第1一方向クラッチOC1が置かれるとともに、筒状部ISEと傘歯車BG1の軸部との間には第2一方向クラッチOC2が置かれ、対向する傘歯車BG2の軸部と出力軸OSとの間には、第3一方向クラッチOC3が置かれる。これらの一方向クラッチは、全体図の各断面の符号に対応する(a)〜(c)図に示すとおり、ローラROをカム面でロックする方向にばねSPで押し込むローラ型の一方向クラッチである。第1一方向クラッチOC1と第2一方向クラッチOC2とは、入力軸IS(筒状部ISE)の正転・逆転に応じて、一方の一方向クラッチがロックし他方のものが空転するよう構成され、第3一方向クラッチOC3は、第2一方向クラッチOC2がロックしたときにロックするよう構成してある(傘歯車BG1、BG2の回転方向は互いに反対)。
本発明の課題は、入力軸の正転・逆転にかかわらず出力軸を一方向へ回転させる回転方向変換装置において、製造が容易な通常の平歯車を用いて、入力軸と出力軸とが同心となったコンパクトな装置を構成し、上述の問題を解決することにある。
「同心に配置された入力軸と出力軸とを備え、前記入力軸の回転方向に関係なく前記出力軸を一方向に回転させる回転方向変換装置であって、
前記出力軸には、これと一体的に回転する外側回転体が取り付けられるとともに、前記外側回転体の内部には、内側回転体が前記外側回転体と同心に設置され、
前記外側回転体と前記内側回転体とは、それぞれ一方向クラッチを介して前記入力軸と連結され、前記入力軸の回転方向に応じて、前記外側回転体と前記内側回転体のいずれか一方が前記入力軸と接続されるよう構成されており、さらに、
前記外側回転体と前記内側回転体にはそれぞれ内歯歯車が固着され、両方の前記内歯歯車は、固定された歯車支持部材に軸支される中間歯車を介して、互いに反対方向に回転するよう連結されている」
ことを特徴とする回転方向変換装置となっている。
「両方の内歯歯車を連結する前記中間歯車は、同一形状の2個の歯車を組み合わせたものであって、その2個の歯車の各々は、軸方向の一部において互いに噛み合うとともに、残りの部分では、一方の歯車が前記外側回転体の前記内歯歯車と噛み合い、他方の歯車が前記内側回転体の前記内歯歯車と噛み合う」
構成とすることが好ましい。
また、同心の外側回転体と内側回転体とに固着された2個の内歯歯車、及び、それらの内歯歯車を反対方向に回転するよう歯車結合する中間歯車は、入出力軸と同方向の回転軸の回りを回転する。これらの歯車には、小型であっても寸法精度の優れた平歯車を使用できるので、回転方向変換装置における動力伝達効率の低下あるいは騒音の増大を回避することが可能である。
請求項3の発明は、請求項2の発明における中間歯車の構造等を限定したものである。中間歯車は、外側回転体と内側回転体との内歯歯車を互いに反対方向に回転させるために設けられる歯車であるので、複数設置することが必要となるが、請求項3の発明では、同一形状の2個の歯車を組み合わせている。そして、その2個の歯車の各々は、軸方向の一部において互いに噛み合うとともに、残りの部分では、一方の歯車が外側回転体の内歯歯車と噛み合い、他方の歯車が内側回転体の内歯歯車と噛み合うようにする。これにより、占有スペースが少ない簡素な構成で、外側回転体と内側回転体との内歯歯車を互いに逆方向に回転する駆動機構が実現される。
図1の全体図に示すように、本発明の回転方向変換装置は、対向して同心に配置された入力軸ISと出力軸OSとを備えている。入力軸ISは段付き部を有する軸であって、先端には小径部ISSが形成されており、その小径部ISSは、板状の歯車支持部材1(詳細な構造については後述)の中央孔を貫通して出力軸OSの方向に延びている。歯車支持部材1は、本発明の回転方向変換装置を、適用対象である複写機等に取り付けるための固定された連結部材であり、入力軸ISは、その段付き部が歯車支持部材1の側面に当接するようにして、回転可能に支持される。
図2に示すとおり、内側回転体3の一方の端面には、第1内歯歯車IG1と同一形状の第2内歯歯車IG2が形成され、反対側には空間部31が形成されている。空間部31には、第2一方向クラッチOC2が嵌め込まれて固着される(図1参照)。
つまり、第1内歯歯車IG1と第2内歯歯車IG2とは、固定の歯車支持部材1に軸支されて逆方向に回転する、2個の中間歯車MGA、MGBにそれぞれ歯車結合され、外側回転体2と内側回転体3とを反対方向に回転駆動する。両方の回転体の回転軸が平行であるので、この実施例の各歯車には通常の平歯車が用いられ、その歯形は、サイクロイド歯型曲線を基本とする、歯の強度の高いサイクロイド歯車となっている。
図5(a)に示すとおり、入力軸ISが正転(便宜上、右方から見て時計回りの回転を正転とする)したときは、外側回転体2の第1一方向クラッチOC1が接続状態となり、外側回転体2が入力軸ISとともに同一方向に回転し、これがそのまま出力軸OSに伝達されて、出力軸OSは正転する。外側回転体2の正転は、中間歯車MGA、MGBを介して内側回転体3を逆転させるけれども(図5(a)の破線参照)、内側回転体3の第2一方向クラッチOC2が内側回転体3の逆転時に空転するため、内側回転体3の逆転が入力軸ISに対して悪影響を及ぼすことはない。
2 外側回転体
2A 外側回転体本体
2B 外側内歯歯車板
3 内側回転体
IS 入力軸
OS 出力軸
OC1、OC2 一方向クラッチ
IG1、IG2 内歯歯車
MGA、MGB 中間歯車
Claims (5)
- 同心に配置された入力軸と出力軸とを備え、前記入力軸の回転方向に関係なく前記出力軸を一方向に回転させる回転方向変換装置であって、
前記出力軸には、これと一体的に回転する外側回転体が取り付けられるとともに、前記外側回転体の内部には、内側回転体が前記外側回転体と同心に設置され、
前記外側回転体と前記内側回転体とは、それぞれ一方向クラッチを介して前記入力軸と連結され、前記入力軸の回転方向に応じて、前記外側回転体と前記内側回転体のいずれか一方が前記入力軸と接続されるよう構成されており、さらに、
前記外側回転体と前記内側回転体にはそれぞれ内歯歯車が固着され、両方の前記内歯歯車は、固定された歯車支持部材に軸支される中間歯車を介して、互いに反対方向に回転するよう連結されていることを特徴とする回転方向変換装置。 - 両方の前記内歯歯車が同一形状の内歯歯車であって、軸方向に並列して配置されている請求項1に記載の回転方向変換装置。
- 両方の前記内歯歯車を連結する前記中間歯車は、同一形状の2個の歯車を組み合わせたものであって、その2個の歯車の各々は、軸方向の一部において互いに噛み合うとともに、残りの部分では、一方の歯車が前記外側回転体の前記内歯歯車と噛み合い、他方の歯車が前記内側回転体の前記内歯歯車と噛み合う請求項2に記載の回転方向変換装置。
- 前記外側回転体は、軸方向に2分割した部材を組み合わせたものであって、前記内歯歯車が一方の部材に形成されている請求項2又は請求項3に記載の回転方向変換装置。
- 前記中間歯車を軸支する歯車支持部材は、前記外側回転体の外径と等しい円板部と取り付け用のアーム部とを備えた板状部材である請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の回転方向変換装置。
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