[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP6020885B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents

車両用操舵装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6020885B2
JP6020885B2 JP2012130034A JP2012130034A JP6020885B2 JP 6020885 B2 JP6020885 B2 JP 6020885B2 JP 2012130034 A JP2012130034 A JP 2012130034A JP 2012130034 A JP2012130034 A JP 2012130034A JP 6020885 B2 JP6020885 B2 JP 6020885B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steering
vehicle
motor
steered
command value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012130034A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013252804A (ja
Inventor
健 渡邉
健 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2012130034A priority Critical patent/JP6020885B2/ja
Publication of JP2013252804A publication Critical patent/JP2013252804A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6020885B2 publication Critical patent/JP6020885B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Description

本発明は、操舵部材の操作に基づいて転舵輪を転舵させる車両用操舵装置に関する。
近年、ステアリングホイール等の操舵部材と転舵輪との間の機械的な連結を解き、操舵伝達系の一部を電気的な経路で構成する、いわゆるステア・バイ・ワイヤ・システム(単にSBWとも称する)を搭載した車両用操舵装置が知られている。
この種の車両用操舵装置では、操舵部材につながった操舵機構と、転舵輪を転舵させるための転舵モータを用いて実際にタイヤを転舵する転舵機構とが備えられている。転舵機構は、操舵部材の操舵角を検出するための操舵角センサにより検出される操舵角に基づいて転舵モータを駆動制御する。
この種のステア・バイ・ワイヤ・システムでは、操舵角センサに異常が発生した場合のフェールセーフ対策が重要である。特に操舵角センサの故障時には、転舵機構が正常でも操舵しにくくなってしまう。そのため、操舵角センサの故障時にも操舵が容易にできるようなメカリンクの搭載や(特許文献1)、センサの多重化などの冗長化(特許文献2)が行われている。
特開2004-90784号公報 特開平10-278826号公報
しかしメカリンクを搭載したり、センサの冗長化をすることによる部品点数の増加、コストの増大が問題となっている。
本発明はこの課題に鑑みてなされたものであり、安価かつ簡素な部材の追加でいわゆるステア・バイ・ワイヤ・システムにおけるセンサの故障発生時にも操舵を達成することができる車両用操舵装置を提供することを目的とする。
本発明は、操舵部材及び操舵角検出手段を有する操舵機構と、転舵アクチュエータ及び転舵輪を有し操舵機構と機械的に非連結の転舵機構と、転舵アクチュエータの構成部材としての転舵モータを制御する制御装置とを備える車両用操舵装置であって、前記操舵部材の回転運動を、所定方向の直線運動に変換する第1の運動変換機構と、前記第1の運動変換機構に連結され、前記所定方向の直線運動を回転運動に変換する第2の運動変換機構と、前記第2の運動変換機構の回転角に基づいて、操舵部材の中立位置を基準とした操舵方向を検出する操舵方向検出手段とを有し、前記制御装置は、前記操舵角検出手段の故障時に、前記操舵方向検出手段からの方向検出信号に基づいて前記転舵モータを制御するものである。前記第2の運動変換機構は前記回転運動に摩擦抵抗力を与えるための摩擦付与機構を有する。
この構成によれば、操舵角検出手段の正常時には、操舵角検出手段の検出信号に基づいて、転舵機構を介して転舵輪を転舵駆動することができる。また操舵角検出手段に異常が発生したときには、操舵方向検出手段からの操舵方向の検出信号に基づいて転舵モータを制御することができる。この場合、第1の運動変換機構を用いて操舵部材の回転運動を直線運動に変換し、第2の運動変換機構を用いて所定方向の直線運動を回転運動に変換し、第2の運動変換機構の回転角に基づいて、操舵部材の中立位置を基準とした操舵方向を検出するようにしている。これらの第1、第2の運動変換機構と操舵方向検出手段とを用いることで、操舵角検出手段を冗長化しなくても、簡単な構成で、最低限の転舵機能を確保することができる。また、前記摩擦付与機構によって、操舵角検出手段の正常、異常にかかわらず、操舵部材の操作に抵抗力を与え、操舵感を向上させることができる。
記操舵方向検出手段は、前記第2の運動変換機構の回転角が、左回転又は右回転の閾値に到達したことに基づいて、前記方向検出信号を出力するようにしてもよい。この構成であれば、閾値に到達した時点で操舵方向検出手段から操舵方向の検出信号が出力される。したがって、操舵方向(左、右)の検出ができる。なお、第2の運動変換機構の回転角が閾値に到達しない状態では、操舵方向検出手段から操舵方向の検出信号は原則として出力されないが、操舵角検出手段に異常が発生したことを想定しているので、操舵部材を左又は右に閾値まで回転させたときに操舵方向の検出信号に基づいて転舵モータを制御することで、故障発生時に最低限の操舵を達成することができる。
前記制御装置は、転舵モータを制御する転舵モータ指令値を決定するものであり、転舵モータ指令値は、前記操舵方向の検出信号が同一方向を示す時間積分値に応じて変更されるようにしてもよい。これにより、操舵方向が変化した際に、転舵モータ指令値(転舵量)が急変することを防止でき、車両の挙動を安定させることができる。また閾値まで到達してから時間が経てば、転舵モータ指令値を増加させ、ドライバの操舵したい意図を反映することができる。
転舵モータ指令値は、車速に応じて変化するようにすれば、例えば高速走行時に操舵フィーリングを向上することができる。
また、転舵モータ指令値は、車両の前進時と後退時とで異なる特性に設定されるようにしてもよい。後退時に前進時と同じ転舵モータの出力とすると、旋回し過ぎてしまい、取り回し性が低下するが、本構成によりこの取り回し性の低下を緩和できる。
本発明の一実施形態の車両用操舵装置1の概略構成を示す模式図である。 第1の運動変換機構40及びこれに連結する第2の運動変換機構50の構造を示す側面図である。 第1の運動変換機構40の直線動作と第2の運動変換機構50の回転動作との関係を説明するための図である。 図2におけるX−X線断面図であり、第2の運動変換機構50に連結された回転型ポテンショメータ54及び閾値比較回路56の接続状態を示す。 ポテンショメータ54の検出電圧と、操舵部材2の操舵角との関係を示すグラフである。 比較回路56の出力電圧Vと操舵角との関係を示すグラフである。 制御装置19により実行される操舵角センサ12の異常時の転舵制御処理を説明するためのフローチャートである。 車速に応じて転舵モータを駆動するための転舵モータ指令値motor_reqを算出する方法を説明するためのグラフである。 (a)は、比較回路56の出力電圧Vを時間積分する積分回路62と、積分値に応じて転舵モータ指令値motor_reqを補正する補正回路61とを示すブロック図である。(b)はハイレベルの状態を維持する時間にわたる時間積分値と、補正ゲインKとの関係を示すグラフである。 (a)は、ボールナット41に、アーム52の回転運動に摩擦抵抗力を与えるための摩擦付与機構を付加した構造を示す図である。図10(b)は、中心軸Fを通り、ボールナット41の移動方向Eに垂直な断面Y−Yで、ボールナット41、支柱51及びアーム52を切断した断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態の車両用操舵装置の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、本車両用操舵装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2と転舵輪3との機械的な連結が解除された、いわゆるステア・バイ・ワイヤ・システムを構成している。
車両用操舵装置1では、操舵部材2の回転操作に応じて駆動される転舵アクチュエータ4の動作を、ハウジング5に支持された転舵軸6の車幅方向の直線運動に変換するようになっている。この転舵軸6の直線運動は、転舵用の左右の転舵輪3の転舵運動に変換され、これにより車両の転舵が達成される。車両が直進しているときの転舵輪3の位置に対応する操舵部材2の位置が、操舵中立位置として設定されている。
転舵アクチュエータ4は、転舵モータMを含んでいる。この転舵モータMの駆動力(出力軸の回転力)は、転舵軸6に関連して設けられた運動変換機構(ボールねじ装置)により、転舵軸6の軸方向の直線運動に変換される。この転舵軸6の直線運動は、転舵軸6の両端に連結されたタイロッド7に伝達され、ナックルアームの回動を引き起こす。これにより、ナックルアームに支持された転舵輪3の操向が達成される。
これらの転舵軸6、タイロッド7及びナックルアームにより、転舵輪3を転舵するための転舵機構Aが構成される。転舵軸6を支持するハウジング5は、車体Bに固定されている。
操舵部材2は、車体Bに回転可能に支持された操舵軸9に連結されている。操舵軸9には、路面等から転舵輪3に伝わる反力を、操舵反力として操舵部材2に与えるための反力モータ10が取り付けられている。反力モータ10は、ブラシレスモータ等のモータである。反力モータ10は、車体Bに固定されたハウジング11内に収容されている。
車両用操舵装置1には、操舵軸9に関連して、操舵部材2の操舵角を検出するための操舵角センサ12が設けられている。また、操舵軸9には、操舵部材2に加えられた操舵トルクTを検出するためのトルクセンサ13が設けられている。操舵部材2、操舵軸9、操舵角センサ12により、操舵機構Cが構成される。
さらに車両用操舵装置1には、操舵軸9に関連して、操舵部材2の操舵中立位置を基準とした操舵方向を検出する第1の運動変換機構40を設けている。この第1の運動変換機構40の構造は操舵方向を検出することができれば任意の構造を採用できるが、本実施形態では操舵軸9が回転すると、その動きを、上下動自在に設置されたボールナット41の上下の動きに変換することにより、操舵方向を検出している。その詳しい構造と動作は、後に図2を用いて説明する。
一方、車両用操舵装置1には、転舵軸6に関連して、転舵輪3の転舵角を検出するための転舵角センサ14が設けられている。
これらのセンサの他にも、車速Vを検出する車速センサ15が設けられている。車速センサ15は、動力伝達機構の所定の回転軸などの回転速度を検出して車速Vを演算するセンサであっても良く、車内LAN(CAN)から取得される車速信号に基づいて車速Vを検出するセンサであっても良い。
これらのセンサ12〜15の各検出信号は、マイクロコンピュータを含む構成の電子制御ユニットである制御装置としての制御装置19に入力されるようになっている。制御装置19は、駆動回路20Aに指令信号を送ることにより、転舵モータMを回転駆動する。また制御装置19は、駆動回路20Bに指令信号を送ることにより、反力モータ10を回転駆動する。
図2を参照して、操舵方向を検出する第1の運動変換機構40は、操舵部材2から遠い側に、操舵軸9を貫通させる第1の孔が形成された第1の板状部材42aと、操舵部材2に近い側に、操舵軸9を貫通させる第2の孔が形成された第2の板状部材42bと、第1の板状部材42aと第2の板状部材42bとを橋渡しするように設置されたセンサ支持部材45とを有している。これらの第1の板状部材42a、第2の板状部材42b、センサ支持部材45は、車体Bに固定されている。
操舵軸9の一部であって、第1の板状部材42aと第2の板状部材42bとの間に位置する部分にはボールねじ43が形成されている。そして多数のボールを内蔵した雌ねじが中心部に形成されたボールナット41が、ボールねじ43に嵌合する状態で、第1の板状部材42aと第2の板状部材42bとの間に設置されている。
さらにボールナット41には、その中心軸と平行な方向に中心軸を有する1つ又はそれ以上の側孔46が設けられている。そして第1の板状部材42aと第2の板状部材42bとの間には、ボールナット41に設けられた側孔46に貫通され、ボールナット41の自由な回転を阻止するための棒状部材47が渡されている。これにより、ボールナット41は自ら回転することなく、図2に示す矢印E方向にのみ移動することができる。なお、操舵部材2が操舵中立位置にあるときに、 ボールナット41が、第1の板状部材42aと第2の板状部材42bとのほぼ中間になるように、ボールナット41の位置が決められている。。
したがって、操舵軸9が図2に示す矢印Dのように回転すると、操舵軸9のボールねじ43が回転し、その動きは、車体Bに上下動自在に設置されたボールナット41の矢印E方向の上下移動に変換される。
また、第1の板状部材42aと第2の板状部材42bは、ボールナット41の端面に当接することにより、操舵部材2の操舵角に限界を設けるためのストッパ部材としても機能する。
車体Bには、ボールナット41の上下位置を検出するための第2の運動変換機構50が設けられている。第2の運動変換機構50は、第1の板状部材42aと第2の板状部材42bとのほぼ中間の、ボールナット41から離れた場所に配置され、車体Bに固定されボールナット41の移動方向Eに垂直に設置された中心線Fの周りに回転可能な支柱51と、支柱51に装着されたアーム52とを備える。アーム52は、支柱51とともに回転することができる。アーム52は前記中心線Fに垂直な平面を有しており、この平面に長円状の挿通孔53が形成されている。挿通孔53の挿通方向は、中心線Fと平行である。
一方、ボールナット41の側面には、円柱状のピン48が突出しており、このピン48が、挿通孔53に係合している。操舵部材2を操舵して、ボールナット41が矢印E方向に上下移動すると、ピン48もこれに合わせて上下移動し、アーム52が中心軸Fの周りに回転する。したがって、アーム52の回転角は操舵部材2の操舵角に連動している。
操舵部材2 が操舵中立位置にあるとき、すなわち、ボールナット41が第1の板状部材42aと第2の板状部材42bとのほぼ中間の位置にあるときは、中心軸Fとピン48との距離は最も近く、操舵部材2 を左又は右に回して、ボールナット41が第1の板状部材42a又は第2の板状部材42bの何れかに接近すると、中心軸Fとピン48との距離は離れていく。アーム52に形成された挿通孔53は、前述のとおり長円状に形成されているので、この距離差を吸収することができる。
図3(a)は、ボールナット41が第2の板状部材42bに接近した状態を描いた図であり、ピン48は中心軸Fよりも最も上側に位置している。この状態でピン48は、アーム52に形成された挿通孔53の遠端に当たっている。図3(b)は、ボールナット41が第2の板状部材42aに接近した状態を描いた図であり、この場合ピン48は中心軸Fよりも最も下側に位置し、ピン48は、アーム52に形成された挿通孔53の遠端に当たっている。また、ボールナット41が第2の板状部材42aと第2の板状部材42bとの中間にあるときは、ピン48は中心軸Fに最も近くなり、ピン48は、アーム52に形成された挿通孔53の近端に当たる(図2参照)。
図4は、図2の中心軸Fを通る断面であって、ボールナット41の移動方向Eに垂直な断面X−Xで、ボールナット41、支柱51及びアーム52を切断した断面図である。支柱51の一端には、回転型のポテンショメータ54の回転軸55が連結されている。このポテンショメータ54の内部には、図示しないが中心軸Fの周りに円環状の抵抗器が配置され、回転軸55に連動する接点が抵抗器に接触し、回転軸55の回転とともに円環状の抵抗器の表面を摺動する仕組みになっている。この抵抗器の両端を正負電源+VB,−VBにつなぎ、接点の電圧を取り出せば、回転軸55の回転角に応じた電圧値が得られる。この電圧値をポテンショ出力Pという。
図5は、このポテンショ出力Pと回転軸55の回転角に対応するとの関係を示すグラフである。回転軸55の回転角は操舵角に対応するので、図5の横軸は「操舵角」と表示している。このようにポテンショ出力Pは、操舵角に対してリニアに変化している。ポテンショ出力Pに閾値Thr,Thlを設ける。閾値Thrは、操舵部材2を中立位置から右回転させて角度a1に到達した時点でのポテンショ出力Pであり、正の値をとるものとする。閾値Thlは、操舵部材2を中立位置から左回転させて角度−a1に到達した時点でのポテンショ出力Pであり、負の値をとるものとする。図5における角度a2,−a2は、ボールナット41が第1の板状部材42a又は第2の板状部材42bに当接したときの角度であり、操舵部材2の回転限界角に相当する。角度a1の例として30〜60度,角度a2の例として180〜540度の範囲から選ばれる数値をあげることができるが、本発明はこの数値に限定されるものではない。
図4を参照して、ポテンショ出力Pは比較回路56に入力されている。比較回路56は、ポテンショ出力Pと閾値Thr,Thlとを比較して、それらの大小関係に応じて一定の出力信号を出力する回路である。その出力電圧を”V”で表す。制御装置19に入力される。 これらのポテンショメータ54と比較回路56とが、「操舵方向検出手段」の主構成要素となる。
図6は、比較回路56の比較機能を説明するためのグラフである。 操舵部材2を中立位置から右回転させて角度a1に到達した時点でポテンショ出力Pが閾値Thrに到達し、比較回路56の出力電圧Vは、ローレベルから閾値Thrに上がる。このまま、操舵部材2を角度a2まで右回転させても出力電圧Vは閾値Thrのままである。操舵部材2を中立位置から左回転させて角度−a1に到達した時点で出力電圧Vは閾値Thrから閾値Thlに移る。このまま、操舵部材2を角度−a2まで左回転させても出力電圧Vは閾値Thlのままである。中立位置を含む角度−a1〜0〜a1の間で操舵部材2を回転させても、検出電圧Vは前の値の履歴を引きずる。すなわち、出力電圧Vは操舵部材2の回転に伴ってヒステリシスループを描く。
以上のように、比較回路56の出力電圧Vを監視することにより、操舵部材2の操舵方向、すなわち「左」(−a2〜−a1)、「中立又はその近傍」(−a1〜0〜a1)、「右」(a1〜a2)の3つの方向を検出することができる。
ただし、前記「左」は過去の履歴を含むので、以前左(−a2〜−a1)の範囲にあれば、現在は中立又はその近傍にあったとしても、「左」と判定される。「左」の判定が解消されるのは、操舵部材2を右(a1〜a2)に切ったときである。前記「右」も過去の履歴を含むので、以前(a1〜a2)の範囲にあり、現在は中立又はその近傍にあったとしても、「右」と判定される。「右」の判定が解消されるのは、操舵部材2を左(−a2〜−a1)に切ったときである。このようにヒステリシス特性を持たせることによって、 操舵部材2の操舵角が「左」と「中立又はその近傍」との間でふらついているときでも、比較回路56から安定した出力電圧Vを取り出すことができる。「右」と「中立又はその近傍」との間でふらついているときも同様である。
図7は、制御装置19により実行される転舵制御処理について説明するためのフローチャートである。
まず操舵角センサ12の正常時の制御装置19の処理を簡単に説明すると、制御装置19は、操舵角センサ12により検出された操舵部材2の操舵角及び車速センサ15によって検出された車速Vに基づいて、転舵モータMの電流指令値又は回転速度指令値のいずれかを選択して設定する。そして、この電流指令値又は回転速度指令値に基づいて、転舵モータMを駆動制御する。これにより、転舵モータMから、操舵部材2の操作方向及び操作量に応じた方向に転舵軸6を移動させるための回転トルクが出力され、車両の走行状況や操舵部材2の操作態様に応じた良好な操舵が達成される。またこれと同時に、制御装置19は、センサ類12〜15が出力する検出信号に基づいて、操舵部材2が操舵された方向と逆方向を向く適当な反力が操舵部材2に付与されるように、駆動回路20Bを介して、反力モータ10を駆動制御する。
転舵モータMを駆動制御している間に、操舵角センサ12に異常が発生すると、反力モータ10を停止し(ステップS1)、車速センサ15を通して車速を検出する(ステップS2)。検出される車速には後退時の車速も含まれる。なお、操舵角センサ12に異常が発生したことは、操舵角センサ12の出力値が通常とりえない値をとることで分かる(例えば0の値が無限に続く、など)。
次に転舵モータMを駆動するための転舵モータ指令値motor_reqを演算する(ステップS3)。転舵モータ指令値motor_reqは、符号を有し、右旋回させる場合を「正」、左旋回させる場合を「負」とする。
制御装置19が転舵モータMを駆動するのに前記電流指令値に基づいて駆動する場合、転舵モータ指令値motor_reqは電流指令値motor_currentとなる。前記回転速度指令値に基づいて駆動する場合、転舵モータ指令値motor_reqは回転速度指令値motor_speedとなる。この指令値motor_reqの算出方法は図9、図10を用いて後に説明する。
比較回路56の出力電圧Vを判定し(ステップS4)、出力電圧Vが閾値Thlに等しい場合、左操舵と判定し、転舵モータ指令値motor_reqの符号を反転し(ステップS5)、ステップS7に進む。出力電圧Vが閾値Thrに等しい場合、右操舵と判定し、そのままステップS7に進む。出力電圧Vが閾値Thlでも閾値Thr0でもない場合、すなわち0の場合、操舵位置は中立又はその近傍と判定し、転舵モータ指令値motor_reqを出力しない(あるいは転舵モータMを駆動できない値、例えば0を出力する)。
ステップS7においては、転舵モータ指令値motor_reqを用いて転舵モータMを駆動制御する。
図8は、車速に応じて転舵モータMを駆動するための転舵モータ指令値motor_reqを算出する方法を説明するためのグラフである。転舵モータ指令値motor_reqは、前進時であって車速が0であれば最大値をとり、車速が増大するほど低下し、車速がある値以上になれば、最低値を維持する。これは低速時ほどタイヤを転回させるのに力が必要なので、転舵モータ指令値motor_reqを増大させて転舵をスムーズにするためである。また、速い転舵を行っても危険の少ない低速時に指令値を大きくし、反対に高速時に指令値を小さくすることで、安全性と取り回し性を両立させることができる。
後退時の場合は、車速が0であれば最大値をとり、車速が増大するほど低下し、車速がある値以上であれば、最低値を維持する。ただし、転舵モータ指令値motor_reqの絶対値は前進の場合よりも小さく設定されている。これは、後退時に前進時と同じ転舵モータ指令値motor_reqとすると、後退時に旋回し過ぎてしまい、取り回し性が低下するためである。また、後退時は、前進時より視認性が良くないため、急激な転舵とならないようにすることで安全性を高めることができる。
以上のようにこの転舵モータ指令値motor_reqの算出方法によれば、通常時は、操舵部材2の操舵角に応じて、転舵機構Aを介して転舵輪を転舵駆動することができる。また、操舵角センサ12に異常が発生したときには、通常時の転舵駆動を停止し、操舵方向を検出する比較回路56の出力信号Vに基づき、転舵モータMを制御する転舵モータ指令値motor_reqを決定して転舵モータMを制御することができる。したがって、操舵角センサとしてフェールセーフ用のものを予備として備えなくても、転舵を継続することができる。また、第1の運動変換機構40、第2の運動変換機構50は、操舵角センサよりも簡易な構造とすることができるので、コストダウンを図ることができる。
以上のように算出された転舵モータ指令値motor_reqを補正する方法を、以下に説明する。
図9(a)は、比較回路56の出力信号Vが同一値を示す時間にわたって時間積分する積分回路62と、積分回路62の積分値に応じて、転舵モータ指令値motor_reqを補正する補正回路61とを示す図である。すなわち、積分回路62により、比較回路56の出力信号Vが閾値Thl又はThrの状態を維持する時間にわたって時間積分値を計算し、その積分値に応じて、補正回路61を使って転舵モータ指令値motor_reqを補正する。
同図(b)の横軸は時間積分値、縦軸は補正ゲインKを表す。曲線“e”や“f”に示すように、時間積分値が大きくなるほど、補正ゲインKを大きくし、時間積分値が小さければ、補正ゲインKを1に近く設定する。これにより、切り初めや操舵方向が変化した直後では、転舵モータ指令値motor_reqが急変することを防止でき、急激な転舵を防止でき車両の挙動が安定する。操舵方向が変化して時間が経てば、転舵モータ指令値motor_reqを増加させ、ドライバの操舵の意図を十分適性に反映することができる。
また車速が例えば2km/h以下のような比較的低速の場合は、同図(b)の曲線“e”に示すように、補正ゲインKの増大率を高くし、例えば10km/h以上のような比較的高速の場合は、同図(b)の直線“g”に示すように、補正ゲインKの増大率を高くしないで一定値“1”に保つ。これにより、比較的高速時は転舵モータ指令値motor_reqを小さくすることで旋回走行が安定する。比較的低速時は転舵モータ指令値motor_reqを大きくすることで旋回を素早く、かつスムーズにできる。
図10(a)は、ボールナット41に、アーム52の回転運動に摩擦抵抗力を与えるための摩擦付与機構を付加した構造を示す図である。図10(b)は、中心軸Fを通り、ボールナット41の移動方向Eに垂直な断面Y−Yで、ボールナット41、支柱51及びアーム52を切断した断面図である。図10(a)に示すように、ボールナット41が第2の板状部材42aと第2の板状部材42bとの中間あるとき、アーム52の角度を0とし、ボールナット41が上下動することに応じて、アーム52が回転するときの回転角をθと表示する。
摩擦付与機構49は、ボールナット41の側面に設けられ、同側面から突出しているピン48の近傍に、かつ中心軸Fと同心に形成された円弧状の部材で構成される。この円弧状の部材の材質は摩耗に強い材質であれば限定されない。例えばボールナット41とは別部材として、ボールナット41に取り付けても良い。
この円弧状の部材49とアーム52との間に発生する摩擦力によって、操舵角センサ12の正常、異常にかかわらず、操舵部材2の操作に抵抗力を与えることができる。この抵抗力は反力の一部を構成するものとなる。
この円弧状の部材は、中央部、すなわち回転角θ=0に相当する部位でその幅dが広くなっており、回転角θが正又は負の方向に増大するにつれて、その幅dが狭くなっていることが好ましい。この構造により、操舵部材2が中立位置のときは、抵抗力が最も大きく、操舵部材2を右又は左に回転させるに従って抵抗力を小さくすることができる。したがって、旋回のフィーリングを自然なものとすることができる。
なお、摩擦付与機構として、ボールナット41の側面でなく、アーム52の、ボールナット41に対向する面に突出物を設けても良い。この突出物の材質は摩耗に強い材質であれば限定されない。例えばアーム52とは別部材として、アーム52の前記対向する面に取り付けても良い。この場合も、操舵部材2の操作に一定の抵抗力を与えることができる。
以上で本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更を施すことができる。
1…車両用操舵装置、2…操舵部材、12…操舵角センサ、19…制御装置、40…第1の運動変換機構、50…第2の運動変換機構、54…ポテンショメータ、56…比較回路、A…転舵機構、C…操舵機構、M…転舵モータ

Claims (8)

  1. 操舵部材及び操舵角検出手段を有する操舵機構と、転舵アクチュエータ及び転舵輪を有し前記操舵機構と機械的に非連結の転舵機構と、転舵アクチュエータの構成部材としての転舵モータを制御する制御装置とを備える車両用操舵装置であって、
    前記操舵部材の回転運動を、所定方向の直線運動に変換する第1の運動変換機構と、
    前記第1の運動変換機構に連結され、前記所定方向の直線運動を回転運動に変換する第2の運動変換機構と、
    前記第2の運動変換機構の回転角に基づいて、操舵部材の中立位置を基準とした操舵方向を検出する操舵方向検出手段とを有し、
    前記第2の運動変換機構は、その先端部が前記第1の運動変換機構に連結されている回転可能な部材を含み、前記部材の回転運動に摩擦抵抗力を与えるための摩擦付与機構が設置されており、
    前記制御装置は、前記操舵角検出手段の故障時に、前記操舵方向検出手段からの方向検出信号に基づいて前記転舵モータを制御するものである、車両用操舵装置。
  2. 前記摩擦付与機構は、前記操舵部材の回転角が操舵中立位置に近い位置では前記部材の回転運動に比較的大きな摩擦抵抗力を与え、前記操舵部材の回転角が操舵中立位置から遠い位置では比較的小さな摩擦抵抗力を与える、請求項1記載の車両用操舵装置。
  3. 前記操舵方向検出手段は、前記第2の運動変換機構の回転角が、左回転又は右回転の閾値に到達したことに基づいて、前記方向検出信号を出力するものである、請求項1又は請求項2に記載の車両用操舵装置。
  4. 前記制御装置は、転舵モータを制御する転舵モータ指令値を決定するものであり、
    前記転舵モータ指令値は、前記方向検出信号が同一方向を示す時間積分値に応じて変化される、請求項3に記載の車両用操舵装置。
  5. 前記制御装置は、転舵モータを制御する転舵モータ指令値を決定するものであり、
    前記転舵モータ指令値は、車速に応じて変化される、請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両用操舵装置。
  6. 前記制御装置は、転舵モータを制御する転舵モータ指令値を決定するものであり、
    前記転舵モータ指令値は、車両の前進時と後退時とで異なる特性に設定される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用操舵装置。
  7. 前記第1の運動変換機構が、前記操舵部材の操舵軸に形成されたボールねじに螺合するボールナットであり、前記第2の運動変換機構は、その先端部が前記ボールナットに連結されている回転可能なアームである、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車両用操舵装置。
  8. 前記摩擦付与機構が発生させる摩擦抵抗力は、前記アームと前記ボールナットの側面との間で発生する、請求項7に記載の車両用操舵装置。
JP2012130034A 2012-06-07 2012-06-07 車両用操舵装置 Expired - Fee Related JP6020885B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012130034A JP6020885B2 (ja) 2012-06-07 2012-06-07 車両用操舵装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012130034A JP6020885B2 (ja) 2012-06-07 2012-06-07 車両用操舵装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013252804A JP2013252804A (ja) 2013-12-19
JP6020885B2 true JP6020885B2 (ja) 2016-11-02

Family

ID=49950711

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012130034A Expired - Fee Related JP6020885B2 (ja) 2012-06-07 2012-06-07 車両用操舵装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6020885B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102111294B1 (ko) * 2019-05-15 2020-05-15 주식회사 만도 스티어 바이 와이어식 조향장치
JP7495281B2 (ja) 2020-06-18 2024-06-04 株式会社ジェイテクト 操舵装置
CN113665799B (zh) * 2021-09-07 2023-02-24 中国商用飞机有限责任公司 用于前轮转弯超行程的保护装置
JP2023117733A (ja) * 2022-02-14 2023-08-24 日立Astemo株式会社 操舵操作入力装置

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100204643B1 (ko) * 1993-09-20 1999-06-15 홍순영 전자식 동력조향장치
JPH10194152A (ja) * 1997-01-16 1998-07-28 Koyo Seiko Co Ltd 自動車の舵取装置
JP3554841B2 (ja) * 1997-02-07 2004-08-18 光洋精工株式会社 自動車の舵取装置
JP3639940B2 (ja) * 1997-04-08 2005-04-20 光洋精工株式会社 自動車の舵取装置
JP2002367484A (ja) * 2001-06-11 2002-12-20 Toyota Motor Corp スイッチおよびこのスイッチを用いた電動式操舵力補助装置
JP4055520B2 (ja) * 2002-08-30 2008-03-05 株式会社ジェイテクト 車両用操舵装置
JP2005053304A (ja) * 2003-08-01 2005-03-03 Koyo Seiko Co Ltd 電動パワーステアリング装置
JP4223457B2 (ja) * 2004-10-06 2009-02-12 本田技研工業株式会社 車両の電動ステアリング装置
JP4641432B2 (ja) * 2005-02-17 2011-03-02 日本輸送機株式会社 ハンドル装置
JP4114686B2 (ja) * 2005-08-29 2008-07-09 株式会社ジェイテクト 車両用操舵装置
JP2007276582A (ja) * 2006-04-05 2007-10-25 Nissan Motor Co Ltd 乗員保護装置
JP2009090687A (ja) * 2007-10-03 2009-04-30 Tokai Rika Co Ltd 車両の操舵装置
JP2011001041A (ja) * 2009-06-22 2011-01-06 Fujitsu Ten Ltd 操舵装置
JP2011111079A (ja) * 2009-11-27 2011-06-09 Jtekt Corp 電動パワーステアリング装置
JP5825519B2 (ja) * 2011-12-26 2015-12-02 株式会社ジェイテクト 操舵装置
JP6115757B2 (ja) * 2012-02-17 2017-04-19 株式会社ジェイテクト 車両用操舵装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013252804A (ja) 2013-12-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6115757B2 (ja) 車両用操舵装置
JP3493568B2 (ja) 自動車の舵取装置
US8831835B2 (en) Steering system
US8662240B2 (en) Steering system
JP5826680B2 (ja) ステアバイワイヤ式操舵機構の制御装置
JP5811397B2 (ja) 車両用操舵装置
JP2008544917A (ja) 車輪操舵用アクチュエータ故障時の劣化運転モードを有する車両操縦システム
US20080011539A1 (en) Determination of the absolute position of a steering system through a linear sensor on the rack
JP6020885B2 (ja) 車両用操舵装置
CN108945082A (zh) 一种汽车转向控制系统、汽车及控制方法
JP2006327550A (ja) 路面摩擦推定装置
JP2014000915A (ja) 車両用操舵装置
JP5125724B2 (ja) 車両制御装置
JP5939425B2 (ja) 車両用操舵制御装置
JP2010058668A (ja) 反力発生装置
JP7502124B2 (ja) 転舵システム
JP3675613B2 (ja) 車両用操舵装置
JP4254671B2 (ja) 車両用操舵装置
JP2009056996A (ja) 車両用操舵制御装置
JP3665487B2 (ja) 車両の操舵装置
JP4114686B2 (ja) 車両用操舵装置
JP2019043391A (ja) 舵角制御装置
JP5310084B2 (ja) 車両用操舵装置、車両用操舵方法、車両用操舵装置付き車両
JP6790806B2 (ja) 同軸二輪車
JP4069653B2 (ja) 車両の操舵装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150521

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160317

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160511

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160908

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160921

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6020885

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees