JP4069653B2 - 車両の操舵装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクチュエータの制御により車両の操舵特性を変更可能な車両の操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
操作部材の操作に応じた操舵用アクチュエータの動きを車輪に舵角が変化するように伝達する際に、操作部材の操作量と車輪の転舵量との比を変化させることで操舵特性を変更可能な車両の操舵装置が開発されている。そのような操舵装置として、操作部材を車輪に機械的に連結しない所謂ステアバイワイヤシステムを採用したものと機械的に連結したものとがある。ステアバイワイヤシステムを採用した操舵装置においては、ステアリングホイールを模した操作部材を車輪に機械的に連結することなく、操舵用アクチュエータの動きを舵角が変化するように車輪に伝達する際に、操舵用アクチュエータを制御することで操作量と転舵量との比を変更している。また、操作部材を車輪に機械的に連結した操舵装置においては、ステアリングホイールの操作に応じた入力シャフトの回転を出力シャフトに遊星ギヤ機構等の伝達比可変機構を介して伝達する際に、その遊星ギヤ機構を構成するリングギヤ等を駆動する操舵用アクチュエータを制御することで操作量と転舵量との比を変更している。
【0003】
その操作部材においては、例えばステアリングシャフトに取り付けられるハブや、そのハブを環状のリムに連結する部材を、特定の方向を指示できる形状や配置にすることにより、基準方向を示す指標が設けられている。通常、その指標により示される基準方向は、直進状態においては車両の前後方向を示すものとされている。これにより、その指標により示される基準方向から車両の舵角中点を容易に把握することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような操舵装置においては、例えば急操舵時や低速走行時において通常操舵時や高速走行時よりも操作量に対する転舵量の比を大きくすることで、操舵特性の向上が図られる。しかし、操舵途中において操作速度や車速が変化することで操作量に対する転舵量の比が変化する場合、直進状態において操作部材の指標が車両の前後方向を示さなくなる。そのため、その指標により示される基準方向に基づき舵角中点を把握するのが困難になり、運転し難くなるという問題がある。
【0005】
そこで、操作部材の操作量として中点位置からの回転角を検出し、直進状態においては操作量が零になるように操作用アクチュエータを制御することで操作部材を中点位置に位置決めすることが考えられる。しかし、操作部材が左右方向それぞれに360度を超えて回転するような場合、通常の回転角センサでは操作量として中点位置からの回転角を求めることはできない。また、無理に直進状態において操作量が零になるように操作用アクチュエータを制御すると操舵フィーリングが低下する。
本発明は上記問題を解決することのできる車両の操舵装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両の操舵装置は、基準方向を示す指標を有する操作部材と、操舵用アクチュエータと、操作用アクチュエータと、その操舵用アクチュエータの動きを舵角変化が生じるように車輪に伝達する手段と、その操作部材の操作量を検出する増分形センサと、その車輪の転舵量を検出するセンサと、その操作部材の操作量と車輪の転舵量との比が変化するように操舵用アクチュエータを制御可能な手段と、その操作部材に作用する操作反力を発生するように操作用アクチュエータを制御可能な手段と、車両が直進状態か否かを判断する手段と、前記指標により示される基準方向が車両の前後方向に沿う時の中点位置からの、その操作部材の回転角を検出する絶対値形センサと、前記絶対値形センサによる検出値に基づき、その操作部材の位置が、前記中点位置から変位しているか否かを判断する手段とを備え、車両が直進状態であると判断された時点の操作部材の位置が中点位置から変位している場合、その中点位置からの変位が低減されるように前記操舵用アクチュエータと操作用アクチュエータの中の少なくとも一方が制御されることを特徴とする。
本発明の構成によれば、車両が直進状態である時における操作部材の位置が中点位置から変位した場合、その変位が低減されるように前記操舵用アクチュエータと操作用アクチュエータの中の少なくとも一方が制御される。よって、直進状態である時は操作部材を中点位置に配置して指標から舵角中点を把握することができる。
【0007】
本発明の車両の操舵装置においては、その操作部材の位置の中点位置からの変位は、前記操舵用アクチュエータと操作用アクチュエータの中の少なくとも一方の制御を時間間隔をおいて断続的に行うことで漸次低減されるのが好ましい。
これにより、操作部材の位置の中点位置からの変位の低減は漸次行われるので、操作フィーリングに悪影響が及ぶのを防止できる。
【0008】
本発明の車両の操舵装置においては、車速が設定範囲内であり、且つ、操作速度が設定値未満である状態の継続時間が設定値を超える時に車両は直進状態であると判断されるのが好ましい。
これにより、ドライバーの癖に応じて舵角が左右方向に多少変動している状態でも直進状態であると判断した上で操作部材の位置修正ができる。その判断を設定車速未満で行うことにより、高速直進状態で操作部材の位置が修正されることはなく、車両姿勢が不安定になるのを防止できる。また、その判断を設定車速を超えたとき行うことで、舵角を変化させることなくコーナリングを継続している状態を直進状態であると誤って判断するのを防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1に示す車両の操舵装置は、ステアリングホイールを模した操作部材1と、操舵用アクチュエータ2と、その操舵用アクチュエータ2の動きを、その操作部材1を車輪4に機械的に連結することなく、舵角変化が生じるように車輪4に伝達するステアリングギヤ3とを備える。
【0010】
その操舵用アクチュエータ2は、例えば公知の直流ブラシレスモータ等の電動モータにより構成できる。そのステアリングギヤ3は、その操舵用アクチュエータ2の出力シャフトの回転運動をステアリングロッド7の直線運動に変換する例えばボールネジ機構等の運動変換機構により構成されている。そのステアリングロッド7の動きがタイロッド8とナックルアーム9を介して車輪4に伝達され、車輪4のトー角が変化する。そのステアリングギヤ3は、公知のものを用いることができ、操舵用アクチュエータ2の動きを舵角が変化するように車輪4に伝達できれば構成は限定されない。操舵用アクチュエータ2が駆動されていない状態では、車輪4はセルフアライニングトルクにより直進位置に復帰できるようにホイールアラインメントが設定されている。
【0011】
その操作部材1は、車体側により回転可能に支持される回転シャフト10に連結されている。本実施形態では、図2に示すように、その操作部材1は回転シャフト10に取り付けられるハブ1aを環状のリム1bに複数の連結部材1cにより連結することで構成される。その連結部材1cの中の一つが特定方向を指示できるように配置されることで基準方向を示す指標Mを構成する。その指標Mにより示される基準方向が車両の前後方向に沿う時、本実施形態では指標Mを構成する連結部材1cの長手方向が車両の前後方向に沿う時、操作部材1は中点位置に配置されている。なお、指標の構成は一定方向を示すことができれば特に限定されない。その回転シャフト10に操作用アクチュエータ19の出力シャフトが一体化されている。その操作用アクチュエータ19は操作反力を発生することができる。その操作用アクチュエータ19はブラシレスモータ等の電動モータにより構成できる。
【0012】
操作部材1の操作量として操作角δhを検出する角度センサ11が設けられている。本実施形態では、その操作部材1は左右方向それぞれに360度を超えて回転し、その角度センサ11は増分形センサにより構成される。なお、操作部材1の回転角は左右方向それぞれに360度以下であってもよい。また、操作部材1の中点位置からの変位を検出する変位検出センサ12が設けられている。本実施形態では、その変位検出センサ12は、操作部材1の中点位置からの回転角を検出する絶対値形センサにより構成される。車輪4の転舵量として舵角δを検出する舵角センサ13が設けられる。その舵角センサ13は、本実施形態では、その舵角δとして舵角中点からのステアリングロッド7の移動量を検出する絶対値形センサにより構成される。車速Vを検出する速度センサ14が設けられている。操作部材1の操作反力に対応する操作トルクThとして回転シャフト10により伝達されるトルクを検出するトルクセンサ44が設けられている。その角度センサ11、変位検出センサ12、舵角センサ13、速度センサ14、トルクセンサ44は、コンピュータにより構成される制御装置20に接続される。
【0013】
その制御装置20は、駆動回路22を介して操舵用アクチュエータ2を制御する制御系を構成する。例えば制御装置20は、操作部材1の操作角δhと車速Vと目標舵角δ* との間の関係を予め定めて記憶し、目標舵角δ* と舵角δとの偏差をなくすように駆動回路22に操舵用アクチュエータ2の駆動信号を出力する。その操作角δhと車速Vと目標舵角δ* との間の関係は、例えば低車速で旋回性能を向上して高車速で走行安定性を向上するため、車速Vが大きくなる程に操作角δhに対する目標舵角δ* の比δ* /δhが小さくなるものとされる。これにより、操作角δhと舵角δとの比、すなわち操作部材1の操作量と車輪4の転舵量との比が変化するように操舵用アクチュエータ2が制御される。なお、その比δ* /δhは車速Vに応じて変化するものに限定されず、例えば操作速度や操作角に応じて変化してもよく、その比が変化するように操舵用アクチュエータ2が制御されるものであればよい。
【0014】
制御装置20は、駆動回路23を介して操作用アクチュエータ19を制御する制御系を構成する。その操作用アクチュエータ19の制御により、操作部材1を中立位置へ復帰させる方向に作用する操作反力が車両運転条件に応じて変化する。本実施形態では、その運転条件は操作角δhとされ、制御装置20は操作角δhに相関する操作反力目標値として目標操作トルクTh* を演算する。例えば操作角δhが大きくなる程に目標操作トルクTh* が大きくなる関係を制御装置20は記憶し、その記憶した関係と検出操作角δhとから目標操作トルクTh* を演算し、目標操作トルクTh* と検出操作トルクThとの偏差をなくすように駆動回路23に操作用アクチュエータ19の駆動信号を出力する。なお、車両運転条件は操作角δhに限定されず、例えば操作角δhと車速Vとに目標操作トルクTh* が相関するようにしてもよく、適正な操作反力を発生できればよい。
【0015】
制御装置20は車両が直進状態か否かを判断する。本実施形態では、検出車速Vが設定範囲内であり、且つ、操作速度d(δh)/dtが設定値未満である状態の継続時間が設定値を超える時に直進状態であると判断する。また制御装置20は、車両が直進状態であると判断された時点の操作部材1の位置が、上記中点位置から変位しているか否かを変位検出センサ12の検出値に基づき判断する。車両が直進状態であると判断された時点の操作部材1の位置が中点位置から変位している場合、その中点位置からの変位が漸次低減されるように制御装置20は操舵用アクチュエータ2を制御し、ドライバーにその変位の修正を促す。これにより操作部材1の位置修正が行われる。
【0016】
図3のフローチャートを参照して制御装置20による操舵用アクチュエータ2と操作用アクチュエータ19の制御手順を説明する。
まず、各センサによる検出値を読み込み(ステップS1)、その検出値に基づいて操作部材1の位置修正処理を行う(ステップS2)。次に、検出操作角δhと検出車速Vとから上記のように目標舵角δ* を求め(ステップS3)、その目標舵角δ* と検出舵角δとの偏差が零か否かを判断する(ステップS4)。その目標舵角δ* と検出舵角δとの偏差が零でなければ操作部材1の操作量と車輪4の転舵量との比が変化する可能性があるので修正済フラグをオフする(ステップS5)。その修正済フラグをオフした後、目標舵角δ* と検出舵角δとの偏差をなくすように操舵用アクチュエータ2を制御する(ステップS6)。これにより、操作部材1の操作量と車輪4の転舵量との比が変化するように操舵用アクチュエータ2が制御される。また、検出操作角δhから上記のように目標操作トルクT* を求め、その目標操作トルクT* と検出操作トルクThとの偏差をなくすように操作用アクチュエータ19を制御する(ステップS7)。目標舵角δ* と検出舵角δとの偏差が零である場合は操舵用アクチュエータ2が制御されることなく操作用アクチュエータ19が制御される。そして制御を終了するか否かを判断し(ステップS8)、終了しない場合はステップS1に戻る。
【0017】
図4のフローチャートを参照して上記操作部材1の位置修正処理手順を示す。まず、修正済フラグがオンか否かを判断する(ステップS101)。修正済フラグがオフであれば検出車速Vが設定範囲内か否かを判断する(ステップS102)。その設定範囲は例えば40km/時を超え100km/時未満の範囲とされる。検出車速Vが設定範囲内であれば操作速度d(δh)/dtが設定値未満か否かを判断する(ステップS103)。その設定値は操作の有無を判断できるように設定され、例えば10度/秒とされる。操作速度d(δh)/dtが設定値未満であれば検出車速Vが設定範囲内であって操作速度d(δh)/dtが設定値未満である状態の継続時間tが設定値を超えるか否かを判断する(ステップS104)。その設定値は直進状態を維持していると判断できる時間に設定され、例えば10秒とされる。その継続時間tが設定値を超えていれば操作部材1の位置が中点位置から右操作側に変位しているか否かを判断する(ステップS105)。本実施形態では、変位検出センサ12により検出される操作部材1の中点位置からの回転角をθ度として、0<θ≦180であれば操作部材1は右操作側に変位していると判断し、−180≦θ<0であれば左操作側に変位していると判断する。操作部材1の位置が中点位置から右操作側に変位している場合、制御装置20の内蔵カウンタの計数値Nに1を加え(ステップS106)、その計数値Nが設定値α以上か否かを判断する(ステップS107)。その設定値αは大きい程に操作部材1の位置修正速度は小さくなり、操作部材1の中点位置からの変位が適正な速度で漸次低減される数に設定される。その速度は設定変更可能とされてもよい。その計数値Nが設定値α未満であればリターンし、設定値α以上である場合は舵角が右操舵側に設定角度だけ変化するように操舵用アクチュエータ2を制御する(ステップS108)。その設定角度は一回の制御による操作部材1の位置修正量に対応し、適正速度で位置修正されるように定められ、例えば1度とされる。この操舵用アクチュエータ2の制御により舵角δが設定角度だけ右操舵方向に変化するので、ドライバーは直進状態に復帰させるために操作部材1を左操作方向に操作する。これにより操作部材1の位置の中点位置からの変位は、操舵用アクチュエータ2の制御を時間間隔をおいて断続的に行うことで漸次低減される。次に、カウンタの計数値Nを零とし(ステップS109)、リターンする。ステップS105において操作部材が中点位置から右操作側に変位していなければ、左操作側に変位しているか否かを判断する(ステップS110)。操作部材1の位置が中点位置から左操作側に変位している場合、制御装置20の内蔵カウンタの計数値Nに1を加え(ステップS106)、その計数値Nが設定値α以上か否かを判断する(ステップS107)。その計数値Nが設定値α以上である場合、舵角が左操舵側に設定角度だけ変化するように操舵用アクチュエータ2を制御する(ステップS108)。この操舵用アクチュエータ2の制御により舵角δが設定角度だけ左操舵方向に変化するので、ドライバーは直進状態に復帰させるために操作部材1を右操作方向に操作する。これにより操作部材1の位置が設定角度に対応する角度だけ修正される。次に、カウンタの計数値Nを零とし(ステップS109)、リターンする。ステップS110において操作部材1が中点位置から左操作側に変位していなければ、中点位置修正は不要であるので修正済フラグをオンし(ステップS111)、カウンタの計数値Nを零とし(ステップS109)、リターンする。ステップS101において修正済フラグがオンである場合、ステップS102において検出車速Vが設定範囲内でない場合、ステップS103において操作速度d(δh)/dtが設定値未満でない場合、あるいはステップS104において継続時間tが設定値を超えていない場合はカウンタの計数値Nを零とし(ステップS109)、リターンする。これが繰り返されることで、操作部材1の位置は直進状態において中点位置になるように漸次修正される。
【0018】
上記構成によれば、車両が直進状態である時における操作部材1の位置が中点位置から変位している場合、操舵用アクチュエータ2が制御され、ドライバーにその変位の修正を促し、結果としてその変位が低減される。よって、直進状態である時は操作部材1を中点位置に配置して指標Mから舵角中点を把握することができる。その操作部材1の位置の中点位置からの変位の低減は漸次行われるので、操作フィーリングに悪影響が及ぶのを防止できる。また、ドライバーの癖に応じて舵角が左右方向に多少変動している状態でも直進状態であると判断した上で操作部材1の位置修正ができる。その判断を設定車速未満で行うことにより、高速直進状態で操作部材1の位置が修正されることはなく、車両姿勢が不安定になるのを防止できる。また、その判断を設定車速を超えたとき行うことにより、舵角を変化させることなくコーナリングを継続している状態を直進状態であると誤って判断するのを防止できる。
【0019】
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、舵角センサ13の検出値が舵角中点から一定範囲内であれば直進状態であると判断してもよい。また、上記実施形態において操舵用アクチュエータ2に代えて操作用アクチュエータ19を制御することで操作部材1の位置の中点位置からの変位を漸次低減してもよい。すなわち、上記操作部材1の位置修正処理手順のステップS108において、操舵用アクチュエータ2を舵角が設定角度だけ変化するように制御することに代えて、操作部材1を中点位置に復帰させる力が作用するように操作用アクチュエータ19を制御し、操作部材1が設定角度だけ中点位置に向かい回転したならばその制御を解除する。これにより、車両の舵角を変化させることなく操作部材1の位置を漸次修正できる。この場合、位置修正処理を行っていることにドライバーが気付かずに操作部材1の中点位置復帰に抵抗した場合、操作部材1の位置修正を迅速に行うことができない可能性がある。そこで、上記実施形態において操舵用アクチュエータ2と共に操作用アクチュエータ19を制御することで操作部材1の中点位置からの変位を漸次低減してもよい。すなわち、上記操作部材1の位置修正処理手順のステップS108において、先ずは操作部材1を中点位置に復帰させる力が作用するように操作用アクチュエータ19を制御し、設定時間内に操作部材1が設定角度だけ中点位置に向かい回転したならばその制御を解除する。ドライバーの抵抗力により設定時間内に操作部材1が設定角度だけ中点位置に向かい回転しなければ、上記実施形態と同様に操舵用アクチュエータ2を舵角が設定角度だけ変化するように制御する。これにより、ドライバーが操作部材1の位置修正処理に抵抗しなければ車両の舵角を変化させることなく操作部材1の位置を漸次修正でき、抵抗しても操作部材1の位置を漸次修正できる。
【0020】
また、図5の変形例に示すように、操作部材であるステアリングホイールHが車輪に機械的に連結され、且つ、操作部材の操作量と車輪の転舵量との比を変化させることができる操舵装置101に本発明を適用してもよい。すなわち、そのステアリングホイールHの操作に応じた入力シャフト102の回転は、回転伝達機構130により出力シャフト111に伝達され、その出力シャフト111の回転が車輪に舵角が変化するようにステアリングギヤ(図示省略)により伝達される。そのステアリングギヤはラックピニオン式ステアリングギヤやボールスクリュー式ステアリングギヤ等の公知のものを用いることができる。その入力シャフト102と出力シャフト111は互いに同軸心に隙間を介して配置され、ベアリング107、108、112、113を介してハウジング110により支持されている。その回転伝達機構130は、本変形例では遊星ギヤ機構とされ、サンギヤ131とリングギヤ132とに噛み合う遊星ギヤ133をキャリア134により保持する。そのサンギヤ131は、入力シャフト102の端部に同行回転するように連結されている。そのキャリア134は、出力シャフト111に同行回転するように連結されている。そのリングギヤ132は、入力シャフト102を囲むホルダー136にボルト362を介して固定されている。そのホルダー136は、入力シャフト102を囲むようにハウジング110に固定された筒状部材135によりベアリング109を介して支持されている。そのホルダー136の外周にウォームホイール137が同行回転するように嵌め合わされている。そのウォームホイール137に噛み合うウォーム138がハウジング110により支持されている。そのウォーム138がハウジング110に取り付けられた操舵用アクチュエータ139により駆動される。これにより、その操舵用アクチュエータ139の制御によってステアリングホイールHの操作量と車輪の転舵量との比を変化させることができる。また、そのステアリングホイールHの中立位置復帰方向へ作用する反力を発生する操作用アクチュエータ119が設けられ、その操作用アクチュエータ119の制御によって操作反力を発生させる。その操舵用アクチュエータ139の制御系と操作用アクチュエータ119の制御系とが上記実施形態と同様の制御装置とセンサとにより構成される。なお、この場合、直進状態においてステアリングホイールHの位置修正のためにステアリングホイールHが回転した際、そのステアリングホイールHの回転が出力シャフト111に伝達されないように操舵用アクチュエータ139を制御すればよい。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、アクチュエータの制御により操作量に対する転舵量の比を変更することができる車両の操舵装置において、操作フィーリングを低下させることなく、操作部材の指標による舵角中点の把握が困難になるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の車両の操舵装置の構成説明図
【図2】本発明の実施形態の車両の操舵装置における操作部材の構成を示す図
【図3】本発明の実施形態の車両の操舵装置における制御手順を示すフローチャート
【図4】本発明の実施形態の車両の操舵装置における操作部材の位置修正処理手順を示すフローチャート
【図5】本発明の変形例の車両の操舵装置の構成説明図
【符号の説明】
1 操作部材
2、139 操舵用アクチュエータ
3 ステアリングギヤ
4 車輪
11 角度センサ
12 変位検出センサ
13 舵角センサ
19、119 操作用アクチュエータ
20 制御装置
H ステアリングホイール
M 指標
Claims (4)
- 基準方向を示す指標を有する操作部材と、
操舵用アクチュエータと、
操作用アクチュエータと、
その操舵用アクチュエータの動きを舵角変化が生じるように車輪に伝達する手段と、
その操作部材の操作量を検出する増分形センサと、
その車輪の転舵量を検出するセンサと、
その操作部材の操作量と車輪の転舵量との比が変化するように操舵用アクチュエータを制御可能な手段と、
その操作部材に作用する操作反力を発生するように操作用アクチュエータを制御可能な手段と、
車両が直進状態か否かを判断する手段と、
前記指標により示される基準方向が車両の前後方向に沿う時の中点位置からの、その操作部材の回転角を検出する絶対値形センサと、
前記絶対値形センサによる検出値に基づき、その操作部材の位置が、前記中点位置から変位しているか否かを判断する手段とを備え、
車両が直進状態であると判断された時点の操作部材の位置が中点位置から変位している場合、その中点位置からの変位が低減されるように前記操舵用アクチュエータと操作用アクチュエータの中の少なくとも一方が制御される車両の操舵装置。 - その操作部材の位置の中点位置からの変位は、前記操舵用アクチュエータと操作用アクチュエータの中の少なくとも一方の制御を時間間隔をおいて断続的に行うことで漸次低減される請求項1に記載の車両の操舵装置。
- 車速が設定範囲内であり、且つ、操作速度が設定値未満である状態の継続時間が設定値を超える時に車両は直進状態であると判断される請求項1または2に記載の車両の操舵装置。
- 基準方向を示す指標を有する操作部材と、
操舵用アクチュエータと、
操作用アクチュエータと、
その操舵用アクチュエータの動きを舵角変化が生じるように車輪に伝達する手段と、
その操作部材の操作量を検出する増分形センサと、
その車輪の転舵量を検出するセンサと、
その操作部材の操作量と車輪の転舵量との比が変化するように操舵用アクチュエータを制御可能な手段と、
その操作部材に作用する操作反力を発生するように操作用アクチュエータを制御可能な手段と、
車両が直進状態か否かを判断する手段と、
前記指標により示される基準方向が車両の前後方向に沿う時の中点位置からの、その操作部材の回転角を検出する絶対値形センサと、
前記絶対値形センサによる検出値に基づき、その操作部材の位置が、前記中点位置から変位しているか否かを判断する手段とを備え、
車両が直進状態であると判断された時点の操作部材の位置が中点位置から変位している場合、その中点位置からの変位が低減されるように前記操舵用アクチュエータと操作用アクチュエータの双方が制御される車両の操舵装置。
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