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JP6020242B2 - 内燃機関の廃熱利用装置 - Google Patents

内燃機関の廃熱利用装置 Download PDF

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JP6020242B2 JP2013028740A JP2013028740A JP6020242B2 JP 6020242 B2 JP6020242 B2 JP 6020242B2 JP 2013028740 A JP2013028740 A JP 2013028740A JP 2013028740 A JP2013028740 A JP 2013028740A JP 6020242 B2 JP6020242 B2 JP 6020242B2
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Description

本発明は、内燃機関の廃熱利用装置に関する。
従来、内燃機関の廃熱を利用する廃熱利用装置が知られている。例えば特許文献1には、内燃機関の排気の熱(すなわち廃熱)を用いて作動流体を気体にする沸騰器(特許文献1では蒸気発生器と称されている)と、沸騰器から排出された作動流体から熱エネルギを回収する回収装置(特許文献1では車室用暖房装置がこれに相当する)とを備える廃熱利用装置が開示されている。特許文献1に係る廃熱利用装置は、内燃機関の廃熱で加熱された作動流体から熱エネルギを回収して車室用の暖房に利用している。
特開2010−156315号公報
特許文献1に係る廃熱利用装置の場合、内燃機関が冷間始動時の場合には、沸騰器における作動流体の気化が不十分になる可能性がある。この場合、回収装置の性能を早期に発揮させることが困難になる可能性がある。
本発明は、内燃機関の冷間始動時において回収装置の性能を早期に発揮させることができる内燃機関の廃熱利用装置を提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関の廃熱利用装置は、作動流体からエネルギを回収する回収装置と、液体の前記作動流体を内燃機関の廃熱を利用して気体の前記作動流体にする第1沸騰器と、前記第1沸騰器の熱容量よりも小さい熱容量を有し、且つ液体の前記作動流体を前記内燃機関の廃熱を利用して気体の前記作動流体にする第2沸騰器と、前記第1沸騰器から排出された気体の前記作動流体を前記第2沸騰器または前記回収装置に供給する通路と、前記第2沸騰器から排出された気体の前記作動流体を前記回収装置に供給する通路と、前記回収装置から排出された液体の前記作動流体を前記第1沸騰器および前記第2沸騰器に供給する通路と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る内燃機関の廃熱利用装置によれば、第1沸騰器において内燃機関の廃熱を利用して気体の作動流体を生成し、この作動流体を第2沸騰器または回収装置に供給することができるとともに、第2沸騰器においても内燃機関の廃熱を利用して気体の作動流体を生成して回収装置に供給することができる。また第2沸騰器の熱容量が第1沸騰器の熱容量よりも小さいため、内燃機関が冷間始動時の場合であっても、第2沸騰器によって作動流体を早期に気化して回収装置に供給することができる。その結果、内燃機関の冷間始動時において回収装置の性能を早期に発揮させることができる。
上記構成において、前記内燃機関の廃熱は、前記内燃機関の排気の熱であり、前記第2沸騰器は前記第1沸騰器よりも前記排気の流動方向で上流側に配置されていてもよい。
この構成によれば、第2沸騰器が第1沸騰器よりも排気の流動方向で下流側に配置されている場合に比較して、第2沸騰器によって作動流体を効果的に気化させることができる。その結果、内燃機関の冷間始動時において回収装置の性能をより早期に発揮させることができる。
本発明によれば、内燃機関の冷間始動時において回収装置の性能を早期に発揮させることができる内燃機関の廃熱利用装置を提供することができる。
図1は実施例1に係る廃熱利用装置の構成を示す模式図である。 図2は比較例に係る廃熱利用装置の構成を示す模式図である。 図3(a)は作動流体の沸騰曲線を示す模式図である。図3(b)は、比較例に係る廃熱利用装置の第1沸騰器および回収装置の伝熱性能を示す模式図である。図3(c)は、実施例1に係る廃熱利用装置の沸騰器全体および回収装置の伝熱性能を示す模式図である。 図4は実施例2に係る廃熱利用装置の構成を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
本発明の実施例1に係る内燃機関の廃熱利用装置5について説明する。図1は廃熱利用装置5の構成を示す模式図である。図1に示す廃熱利用装置5は車両に搭載されている。廃熱利用装置5は、内燃機関10と、内燃機関10の排気が通過する排気通路15と、第1沸騰器20と、第2沸騰器30と、回収装置40とを備えている。また廃熱利用装置5は、廃熱利用装置5の作動流体が通過する通路として、通路50aと、通路50bと、通路60aと、通路60bとを備えている。内燃機関10の種類は特に限定されるものではなく、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の種々のエンジンを用いることができる。本実施例においては内燃機関10の一例としてガソリンエンジンを用いる。また作動流体の種類は、内燃機関10の排気の熱で加熱されて気体になることが可能なものであれば、特に限定されるものではない。本実施例においては、作動流体の一例として内燃機関10の冷却に使用可能な冷媒を用いる。冷媒の具体例としては、例えば水、水とエチレングリコールとが混合した不凍液等を用いることができる。本実施例においては、作動流体に用いられる冷媒の一例として、水を用いる。
第1沸騰器20および第2沸騰器30は、液体の作動流体を内燃機関10の廃熱を利用して気体の作動流体にする装置である。本実施例においては、内燃機関10の廃熱の一例として内燃機関10の排気の熱を用いる。本実施例に係る第1沸騰器20および第2沸騰器30の構造は次のとおりである。まず、第1沸騰器20および第2沸騰器30の内部には排気通路15が挿通している。本実施例に係る第2沸騰器30は、第1沸騰器20よりも排気の流動方向で上流側に配置されている。第1沸騰器20の内部において、排気通路15よりも上方側を上部21と称し、下方側を下部22と称する。また第2沸騰器30の内部において、排気通路15よりも上方側を上部31と称し、下方側を下部32と称する。
第1沸騰器20の下部22には、液体の作動流体が貯留されている。下部22に貯留された液体の作動流体は、排気通路15の排気の熱によって加熱されることで沸騰する。その結果、第1沸騰器20において気体の作動流体(具体的には蒸気)が生成される。生成された気体の作動流体は上部21に貯留され、その後、後述する通路60aを通過して第2沸騰器30の上部31に流入する。第2沸騰器30の下部32には、液体の作動流体が貯留されている。下部32に貯留された液体の作動流体は、排気通路15の排気の熱によって加熱されることで沸騰する。その結果、第2沸騰器30において気体の作動流体が生成される。気体の作動流体は上部31に貯留され、その後、後述する通路60bを通過して回収装置40に供給される。
以上のように本実施例に係る第1沸騰器20および第2沸騰器30は、液体の作動流体を排気通路15の排気の熱(すなわち内燃機関10の廃熱)によって加熱することで気体の作動流体にしている。また第1沸騰器20の下部22および第2沸騰器30の下部32は、液体の作動流体を貯留する貯留部としての機能を有し、第1沸騰器20の上部21および第2沸騰器30の上部31は、気体の作動流体を貯留する貯留部としての機能を有している。なお第1沸騰器20および第2沸騰器30の構造自体は、これら沸騰器内の液体の作動流体を内燃機関10の廃熱で加熱して気体の作動流体にすることが可能なものであれば、図1の構造に限定されるものではない。
本実施例において、第2沸騰器30の熱容量(J/K)は、第1沸騰器20の熱容量よりも小さい。具体的には本実施例に係る第2沸騰器30の容積は、第1沸騰器20の容積よりも小さい。それにより、第2沸騰器30を単位時間当たり1℃上昇させるのに必要な熱量(すなわち熱容量)は、第1沸騰器20の熱容量よりも小さくなっている。
通路50aは、回収装置40と第1沸騰器20の下部22とを接続している。通路50bは、通路50aの通路途中と第2沸騰器30の下部32とを接続している。ここで、回収装置40から排出された作動流体は、主として液体である。したがって、通路50aは、回収装置40から排出された液体の作動流体を第1沸騰器20に供給する通路としての機能を有している。また通路50bは、回収装置40から排出された液体の作動流体を第2沸騰器30に供給する通路としての機能を有している。なお回収装置40から排出された作動流体には気体の作動流体が混合していることが考えられるが、この気体の作動流体も通路50aを通過して第1沸騰器20に供給され、通路50bを通過して第2沸騰器30に供給される。
通路60aは、第1沸騰器20の上部21と第2沸騰器30の上部31とを接続している。通路60bは、第2沸騰器30の上部31と回収装置40とを接続している。通路60aは、第1沸騰器20から排出された気体の作動流体を第2沸騰器30に供給する通路としての機能を有している。また通路60bは、第2沸騰器30から排出された気体の作動流体を回収装置40に供給する通路としての機能を有している。
回収装置40は、作動流体からエネルギを回収する装置である。本実施例においては回収装置40の一例として、車両の車室(キャビン)を暖める暖房装置を用いる。この場合、回収装置40は、通路60bを通過して回収装置40に供給された気体の作動流体の熱エネルギを利用して空気を暖め、暖められた空気を車室に送風する。具体的には本実施例に係る車室用暖房装置としての回収装置40の内部には、通路60bと通路50aとを連通する内部通路が設けられている。通路60bを通過した気体の作動流体が内部通路に流入した場合、内部通路内の作動流体の熱と内部通路の周囲の空気との間で熱交換が行われることで、内部通路の周囲の空気は暖められる。回収装置40は、この内部通路の周囲の空気を車室に送風する送風機を備えている。送風機は、車両のユーザが回収装置40の運転開始スイッチをONにした場合に、車室への送風を開始する。送風機が車室への送風を開始した場合、内部通路の周囲の暖かい空気は車室に供給される。このようにして本実施例に係る回収装置40は、内燃機関10の廃熱によって加熱された作動流体から熱エネルギを回収し、回収された熱エネルギによって暖められた空気を車室の暖房用に用いている。但し、車室用暖房装置としての回収装置40の具体的構成は、これに限定されるものではない。
なお、回収装置40の具体的構成は、本実施例のような車室用暖房装置に限定されるものではない。回収装置40の他の例を挙げると、例えば回収装置40として、内燃機関10の暖機を促進させるための暖機装置を用いることもできる。具体的には、この暖機装置として、内燃機関10(具体的には内燃機関10のシリンダブロックおよびシリンダヘッドの少なくとも一方)の周囲に配置された作動流体通路を用いることができる。この場合、通路60bを経由してこの暖機装置としての作動流体通路に供給された作動流体の熱エネルギは、作動流体通路において回収され、内燃機関10を暖めるために利用される。
本実施例に係る廃熱利用装置5は次のように作動する。まず、第1沸騰器20の下部22および第2沸騰器30の下部32に貯留されている液体の作動流体は、排気通路15の排気の熱によって加熱されることで気化して気体の作動流体となり、それぞれ上部21および上部31に移動する。第1沸騰器20の上部21の作動流体は、通路60aを通過して第2沸騰器30の上部31に供給される。第2沸騰器30の上部31の作動流体は、通路60bを通過して回収装置40に供給される。回収装置40に供給された気体の作動流体の熱は、回収装置40において回収されて車室の暖房に利用される。その結果、気体の作動流体は凝縮して液体の作動流体になる。回収装置40から排出された作動流体は、通路50aを通過して、一部は第1沸騰器20の下部22に供給され、残部は通路50bを通過して第2沸騰器30の下部32に供給される。
なお廃熱利用装置5は、ポンプ等の作動流体圧送装置を例えば通路50a等に備え、この作動流体圧送装置によって強制的に第1沸騰器20または第2沸騰器30に液体の作動流体を供給する構成であってもよい。
続いて廃熱利用装置5の効果について、比較例に係る廃熱利用装置100と比較しつつ説明する。図2は比較例に係る廃熱利用装置100の構成を示す模式図である。廃熱利用装置100は、第2沸騰器30、通路60a、通路60bおよび通路50bを備えていない点と、第1沸騰器20と回収装置40とを接続する通路110を備えている点とにおいて、本実施例に係る廃熱利用装置5と異なっている。比較例に係る廃熱利用装置100の場合、内燃機関10が冷間始動時の場合(具体的には内燃機関10の冷媒の温度が所定温度よりも低い状態で内燃機関10が始動した時の場合)、第1沸騰器20における作動流体の気化が不十分になる可能性がある。この場合、回収装置40の性能を早期に発揮させることが困難になる可能性がある。この比較例に係る廃熱利用装置100の問題点について具体的に説明すると次のようになる。
図3(a)は作動流体の沸騰曲線を示す模式図である。縦軸は熱流束を示し、横軸は過熱度(作動流体の飽和温度と加熱面の温度(これは排気の温度と略等しい)との差)を示している。図3(a)には、作動流体の圧力が高圧の場合の沸騰曲線(曲線1)と低圧の場合の沸騰曲線(曲線2)とが図示されている。図3(a)において、A−Bの領域は非沸騰領域であり、B−C−Dの領域は核沸騰領域であり、D−Eの領域は遷移沸騰領域であり、E−Fの領域は膜沸騰領域である。図3(a)においてDに相当する過熱度(△Tsat)の作動流体が回収装置40に供給されることが理想的である。
図3(a)のDに対応する過熱度(△Tsat)において曲線1と曲線2とを比較した場合、曲線1(高圧)の熱流束(q)の方が曲線2(低圧)の熱流束(q)よりも高くなっている。すなわち、気体の作動流体の圧力(これ以降、蒸気圧と称する場合がある)が高い方がより高い伝熱性能を有することができ、その結果、作動流体の蒸気圧が高くなるほど、回収装置40をより効率的に作動させることができることが分る。逆にいえば、作動流体の蒸気圧が低い場合には、回収装置40の性能を発揮させることが困難になることがあり得ると考えられる。これについて図を用いてさらに具体的に説明すると次のようになる。
図3(b)は、比較例に係る廃熱利用装置100の第1沸騰器20および回収装置40の伝熱性能を示す模式図である。具体的には図3(b)の第1沸騰器20の伝熱性能は、冷間始動時において第1沸騰器20が作動流体の熱を受熱する際の伝熱性能(すなわち受熱性能)を意味している。また図3(b)の回収装置40の伝熱性能は、冷間始動時において回収装置40が作動流体から熱を奪う際の伝熱性能(すなわち凝縮性能)を示している。比較例に係る廃熱利用装置100の場合、冷間始動時において、回収装置40における作動流体の凝縮性能の方が第1沸騰器20における作動流体の受熱性能よりも高くなっている。この場合、冷間始動時において作動流体は、回収装置40において速やかに凝縮してしまうため、回収装置40の暖機が進むまで通路110の作動流体の蒸気圧は十分に高圧化しない。したがって、比較例に係る廃熱利用装置100の場合、内燃機関10が冷間始動時の場合には、第1沸騰器20において十分に高圧な蒸気圧の作動流体を早期に生成することが困難になるため、回収装置40の性能を早期に発揮させることが困難になってしまう。
これに対して本実施例に係る廃熱利用装置5によれば、第1沸騰器20において内燃機関10の廃熱を利用して気体の作動流体を生成し、この作動流体を第2沸騰器30に供給することができるとともに、第2沸騰器30においても内燃機関10の廃熱を利用して気体の作動流体を生成して回収装置40に供給することができる。すなわち、第1沸騰器20と第2沸騰器30との両方によって作動流体を気体にして回収装置40に供給することができる。また第2沸騰器30の熱容量が第1沸騰器20の熱容量よりも小さいため、内燃機関10が冷間始動時の場合のように排気温度が低温の場合であっても、第2沸騰器30によって作動流体を早期に気化して回収装置40に供給することができる。それにより、回収装置40に蒸気圧の高い作動流体を早期に供給することができる。その結果、内燃機関10の冷間始動時において回収装置40の性能を早期に発揮させることができる。
上述した本実施例に係る廃熱利用装置5の効果を図を用いて説明すると次のようになる。図3(c)は、廃熱利用装置5の沸騰器全体(第1沸騰器20および第2沸騰器30)および回収装置40の伝熱性能を示す模式図である。具体的には図3(c)の沸騰器全体の伝熱性能は、冷間始動時における沸騰器全体の作動流体の受熱性能を意味している。図3(c)の回収装置40の伝熱性能は、冷間始動時における回収装置40の作動流体の凝縮性能を意味している。廃熱利用装置5によれば、冷間始動時において沸騰器全体の受熱性能が回収装置40の凝縮性能を上回っているため、冷間始動時において、作動流体を凝縮器全体で効果的に高圧化することができる。その結果、冷間始動時において回収装置40の性能を早期に発揮させることができる。また本実施例に係る回収装置40は車室用の暖房装置であるため、本実施例に係る廃熱利用装置5によれば、内燃機関10が冷間始動時であっても、車室用の暖房装置の性能を早期に発揮させて車室を早期に暖めることができる。
なお本実施例に係る廃熱利用装置5は、廃熱利用装置5が作動するに際して、作動流体が通過する通路を切替える等の特段の制御を実行する必要がないため、全体的にシンプルな構成といえる。そのため、廃熱利用装置5の車両への搭載の自由度は高い。したがって、廃熱利用装置5は幅広い車種に容易に搭載することが可能である。
なお本実施例において、第2沸騰器30は第1沸騰器20よりも排気の流動方向で上流側に配置されているが、これに限定されるものではない。第2沸騰器30が第1沸騰器20よりも排気の流動方向で下流側に配置されていても、廃熱利用装置5は上述した作用効果を奏することは可能である。しかしながら、排気通路15の排気の温度は上流側の方が下流側よりも高いため、本実施例のように第2沸騰器30が第1沸騰器20よりも排気の流動方向で上流側に配置されている方が、第2沸騰器30が第1沸騰器20よりも下流側に配置されている場合よりも、第2沸騰器30によって作動流体を効果的に気化させることができる。その結果、内燃機関10の冷間始動時において回収装置40の性能をより早期に発揮させることができる。
ところで、例えば図2の比較例に係る廃熱利用装置100が、第1沸騰器20に代えて第2沸騰器30を備えている場合(この廃熱利用装置を比較例2に係る廃熱利用装置と称する)、この比較例2に係る廃熱利用装置は、廃熱利用装置100よりも沸騰器全体の熱容量が小さいため、廃熱利用装置100に比較して冷間始動時において早期に作動流体を気化することが可能であるとも考えられる。しかしながら、比較例2に係る廃熱利用装置と本実施例に係る廃熱利用装置5とを比較した場合、本実施例に係る廃熱利用装置5の沸騰器全体(第1沸騰器20および第2沸騰器30)によって得られる蒸気量は、この比較例2に係る廃熱利用装置に係る沸騰器全体(第2沸騰器30のみ)によって得られる蒸気量よりも多いため、本実施例に係る廃熱利用装置5の方が比較例2に係る廃熱利用装置よりも冷間始動時において回収装置40をより効果的に作動させることができる。この点において、本実施例に係る廃熱利用装置5は比較例2に係る廃熱利用装置よりも優れている。
続いて本発明の実施例2に係る内燃機関の廃熱利用装置5aについて説明する。図4は廃熱利用装置5aの構成を示す模式図である。廃熱利用装置5aは、実施例1に係る廃熱利用装置5と同様に、車両に搭載されている。廃熱利用装置5aは、通路60aおよび通路60bを備える代わりに通路60cを備えている点において、図1に示す実施例1に係る廃熱利用装置5と異なっている。廃熱利用装置5aのその他の構成は廃熱利用装置5と同様である。
通路60cは、第1通路部61と第2通路部62とを備えている。第1通路部61は、第1沸騰器20の上部21と第2沸騰器30の上部31とを接続している。第2通路部62は、第1通路部61の通路途中と回収装置40とを接続している。第1沸騰器20の上部21に存在する気体の作動流体は、第1通路部61および第2通路部62を通過して回収装置40に流入する。第2沸騰器30の上部31に存在する気体の作動流体は、第1通路部61および第2通路部62を通過して回収装置40に流入する。このように本実施例に係る通路60cは、第1沸騰器20から排出された気体の作動流体を回収装置40に供給する通路としての機能を有するとともに、第2沸騰器30から排出された気体の作動流体を回収装置40に供給する通路としての機能も有している。
本実施例に係る廃熱利用装置5aは、次に説明するように実施例1と同様の効果を奏することができる。具体的には廃熱利用装置5aによれば、第1沸騰器20において内燃機関10の廃熱を利用して気体の作動流体を生成し、この作動流体を回収装置40に供給することができるとともに、第2沸騰器30においても内燃機関10の廃熱を利用して気体の作動流体を生成して回収装置40に供給することができる。すなわち本実施例においても実施例1と同様に、第1沸騰器20と第2沸騰器30との両方によって作動流体を気体にして回収装置40に供給することができる。それにより、内燃機関10が冷間始動時の場合であっても、熱容量の相対的に小さい第2沸騰器30によって作動流体を早期に気化して回収装置40に供給することができる。その結果、内燃機関10の冷間始動時において回収装置40の性能を早期に発揮させることができる。
また本実施例に係る廃熱利用装置5aにおいても、第2沸騰器30が第1沸騰器20よりも排気の流動方向で上流側に配置されていることから、第2沸騰器30によって作動流体を効果的に気化させることができる。その結果、第2沸騰器30が第1沸騰器20よりも下流側に配置されている場合に比較して、内燃機関10の冷間始動時において回収装置40の性能をより早期に発揮させることができる。また廃熱利用装置5aは、廃熱利用装置5aが作動するに際して作動流体が通過する通路を切替える等の特段の制御を実行する必要がないため、全体的にシンプルな構成となっている。そのため、廃熱利用装置5aの車両への搭載の自由度は高く、その結果、幅広い車種に容易に搭載することが可能である。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
5 廃熱利用装置
10 内燃機関
20 第1沸騰器
30 第2沸騰器
40 回収装置
50a,50b 通路
60a,60b,60c 通路
100 廃熱利用装置
110 通路

Claims (2)

  1. 作動流体からエネルギを回収する回収装置と、
    液体の前記作動流体を内燃機関の廃熱を利用して気体の前記作動流体にする第1沸騰器と、
    前記第1沸騰器の熱容量よりも小さい熱容量を有し、且つ液体の前記作動流体を前記内燃機関の廃熱を利用して気体の前記作動流体にする第2沸騰器と、
    前記第1沸騰器から排出された気体の前記作動流体を前記第2沸騰器に供給する通路と、
    前記第2沸騰器から排出された気体の前記作動流体を前記回収装置に供給する通路と、
    前記回収装置から排出された液体の前記作動流体を前記第1沸騰器および前記第2沸騰器に供給する通路と、を備えることを特徴とする内燃機関の廃熱利用装置。
  2. 前記内燃機関の廃熱は、前記内燃機関の排気の熱であり、
    前記第2沸騰器は前記第1沸騰器よりも前記排気の流動方向で上流側に配置されている請求項1記載の内燃機関の廃熱利用装置。

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