JP6016777B2 - ガス成分濃度分布測定装置及び排ガス脱硝システム - Google Patents
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Description
ガスを吸引して測定用の配管に導く際、測定の高速化が困難である。
ガスを測定用の配管に引き込んだ後に濃度測定を行うことから、配管を流通しているガスと測定管に引き込まれたガスの状態(例えば、水分濃度、温度等)が異なってしまい、測定精度が低下する。
流通ガスを局所的に採取して濃度測定を行うため、局所的なガス濃度測定はできても、濃度分布を取得することができない。また、サンプリング箇所を逐次変えて濃度測定を行えば、濃度分布を取得することは可能であるが、位置毎にガスの吸引、排出が必要となり、作業が煩雑であるとともに時間がかかる。
図1に示すように、本実施例に係る排ガス脱硝システムを備えたボイラ装置100は、ボイラ101からの燃焼排ガス(以下「排ガス」という)102中に還元剤(例えばアンモニア:NH3)を供給する還元剤供給手段であるアンモニア注入装置104と、還元剤が含まれた窒素酸化物(NOx)を脱硝する区画された脱硝触媒106を備えた脱硝装置105と、前記脱硝装置105の出口側に設けられ、前記脱硝装置105のガス流れに直交する区画された脱硝触媒106に対応する領域における排ガス102中のガス成分(NH3、NOx)濃度分布をレーザ計測手段によりアンモニア濃度を測定するガス成分濃度分布測定装置10と、を具備し、前記ガス成分濃度分布測定装置10A(10B、10C)のアンモニア濃度の計測結果より、区画された領域のアンモニアの濃度分布を求めるものである。なお、図1中、符号107は空気予熱器、108は煙突を図示する。
なお、レーザ発光部13及びレーザ受光部14と回動部23までは各々光ファイバ17により接続されている。
この場合において、計測領域Lを、送光筒12の長手方向に沿って異なるようにして、区画された領域の一部に位置するようにしてもよい。
すなわち、図中左側の送光筒12では、図中、手前側に計測領域L1を形成し、図中真ん中の送光筒12では、図中、中心側に計測領域L2を形成し、図中右側の送光筒12では、図中、奥側に計測領域L3を形成し、各々回転させることで、複数領域の計測が可能となる。
図10は、吸収分光計測の概念図である。図11は、吸収分光計測の吸収チャート図である。
レーザ光の光強度と測定対象の濃度との関係を示す関係式として、ランベルト・ベール(Lambert−Beer)の法則が知られている。
I(L)=I0exp(−kC0L) ……(1)
ここで、kは測定対象の吸光度に応じて設定される比例係数である。
I(L)=I0exp(−kC1L1) ……(2)
図12は、排ガス中の煤塵濃度とレーザ光透過率との関係を示す図である。
図12では、波長が1.5μmの場合、煤塵濃度が6g/Nm3程度の石炭灰中に2.0mの光路長で計測が可能であることを確認している。
よって、煤塵濃度がそれ以上の場合には、1.5m、より好適には1m前後の光路長で計測することが良好である。
図13に示すように、アンモニア注入装置104は、アンモニア供給源に接続された流路配管のアンモニア主系統31に総流量制御弁32を備えている。このアンモニア主系統22は、総流量制御弁23の下流において、ヘッダ24から分岐させた複数本(図示の例では6本)のアンモニア供給系統26を備えている。
このようにして得られた濃度測定領域の濃度分布は、例えば、制御装置20と接続された表示装置(図示略)に表示されることによって、ユーザに提示される。
よって、本装置を用いて、負荷変動等があった場合には、通常の計測回数よりも頻繁に濃度分布の計測を行うようにして、窒素酸化物の脱硝が確実になされているかを判断するようにしてもよい。
前述の実施例では、レーザ発光部13とレーザ受光部14とを煙道の左右側に各々設置しているが、本実施例では、レーザ発光部13とレーザ受光部14とを煙道103の一側面の同じ側(本例では右側)に設置して、レーザ受光・発光部15を用いるようにしている。
図6では、第1の送光筒12Aとこの第1の送光筒12Aに一体に設けられる所定距離の計測領域Lである開口部12cを有する第2の送光筒12Bとの構成を示す。図7は矩形の煙道103にこの第1の送光筒12Aと第2の送光筒12Bとの回転における軌道を示した様子を示す。
図7に示すように、回動部23の軸心を中心とし、第2の送光筒12Bの開口部12cは、常にこの軸心を向くように回動部23により回転される。よって、開口部12cから排ガス102中の煤塵等の侵入を防止するために、この回転は水平方向よりも15度から165度の角度を持って回動するのが好ましい。
前述の実施例では、開口部12cが常に軸心を向いていたが、本実施例では、開口部12cが常に下方(鉛直軸方向側下方)に位置するようにしている。
11 レーザ光
12 送光筒
12a レーザ発光端部
12b レーザ受光端部
13 レーザ発光部
14 レーザ受光部
21 クランク部
22 クランク状支持体
100 ボイラ装置
101 ボイラ
102 燃焼排ガス(排ガス)
103 煙道
104 アンモニア注入装置
105 脱硝装置
106 脱硝触媒
Claims (5)
- 燃焼排ガスが通過する煙道と、
前記煙道の燃焼排ガスのガス流れ方向と直交する方向に設置され、コの字状のクランク部を有するクランク状支持体と、
前記クランク部に一体に設けられ、レーザ光を通過する送光筒と、
該送光筒の一部が所定距離区切られ、前記煙道の計測場に晒される計測領域と、
前記煙道の外部から前記レーザ光を、前記送光筒内に出射させるレーザ発光部と、
前記計測領域を通過した前記レーザ光を、前記煙道の外部で受光し、前記レーザ光の光強度を検出するレーザ受光部と、
前記クランク状支持体の軸部を中心として回転させる回動部と、を備えてなり、
前記燃焼排ガスのガス成分濃度を計測する際、前記回動部の回転により、クランク部に設けた送光筒が、前記軸部から所定距離離れた領域を回転することにより、各回転箇所における所定間隔を持った計測領域における燃焼排ガス中のガス組成の濃度をレーザ光の吸収により測定することを特徴とするガス成分濃度分布測定装置。 - 請求項1において、
前記計測領域が、前記送光筒の長手方向に沿って異なり、区画された領域の一部に位置することを特徴とするガス成分濃度分布測定装置。 - 請求項1又は2において、
前記レーザ発光部とレーザ受光部とが煙道の一側面の同じ側に設置されると共に、
前記送光筒が、
前記レーザ発光部からのレーザ光を送光する第1の送光筒と、
前記第1の送光筒側のレーザ進行方向の端部側でレーザ光を反射する反射部と、
前記反射部で反射されたレーザ光を送光させると共に、その一部が所定距離区切られ、前記煙道の計測場に晒される計測領域を有する第2の送光筒と、を備えることを特徴とするガス成分濃度分布測定装置。 - 燃焼排ガス中に還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記還元剤が含まれた排ガス中の窒素酸化物(NOx)を脱硝する区画された脱硝触媒を備えた脱硝装置と、
前記脱硝装置の入口側又は出口側の少なくとも一方に設けられ、排ガス中のガス成分濃度分布を計測する請求項1乃至3のいずれか一つのガス成分濃度分布測定装置と、を具備し、
前記ガス成分濃度分布測定装置の計測結果より、ガス成分濃度分布を求めることを特徴とする排ガス脱硝システム。 - 請求項4において、
前記ガス成分がアンモニア(NH3)又は窒素酸化物(NOx)のいずれか一方又は両方であることを特徴とする排ガス脱硝システム。
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