JP5972760B2 - 排ガス脱硝システム、排ガス脱硝装置の再生方法及び排ガス脱硝装置の触媒交換方法 - Google Patents
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Description
ガスを吸引して測定用の配管に導く際、測定の高速化が困難である。
ガスを測定用の配管に引き込んだ後に濃度測定を行うことから、配管を流通しているガスと測定管に引き込まれたガスの状態(例えば、温度等)が異なってしまい、測定精度が低下する。
流通ガスを局所的に採取して濃度測定を行うため、局所的なガス濃度測定はできても、濃度分布を取得することができない。また、サンプリング箇所を逐次変えて濃度測定を行えば、濃度分布を取得することは可能であるが、位置毎にガスの吸引、排出が必要となり、作業が煩雑であるとともに時間がかかる。
にある。
図1−1に示すように、実施例1に係る排ガス脱硝システムを備えたボイラ装置100は、ボイラ101からの燃焼排ガス(以下「排ガス」という)102中に還元剤(例えばアンモニア:NH3)を供給する還元剤供給手段であるアンモニア注入装置104と、還元剤が含まれた窒素酸化物(NOx)を脱硝する区画された脱硝触媒106A、106B、106Cを備えた脱硝装置105と、前記脱硝装置の出口側に設けられ、前記脱硝装置105のガス流れに直交する区画された脱硝触媒106A、106B、106Cに対応する領域における排ガス中のガス成分(NH3、NOx)濃度分布を計測する複数の送光筒112A(112B、112C)を有するプローブ手段を有し、レーザ計測手段によりアンモニア濃度を測定するガス成分濃度分布測定装置110と、を具備し、前記ガス成分濃度分布測定装置110のアンモニア濃度の計測結果より、区画された領域のアンモニアの濃度分布を求めるものである。
図1−1中、符号107は空気予熱器、108は煙突を図示する。
なお、仕切板120を用いることなく、脱硝触媒がコンテナに充填されている場合には、そのコンテナの壁が仕切り手段となる。
これにより、排ガス102が仕切板120で区画された脱硝触媒を通過した後の排ガスは、お互いに混ざり合うことがなくなり、各々の区画された領域で計測できるので、各区画におけるアンモニアの濃度分布を計測することができる。
図4に示すように、基本の1セットを構成する3種類の異なる計測領域Lを形成するプローブ手段は、レーザ光を通過する中空の送光筒112A(112B、112C)と、該送光筒112A(112B、112C)の一部が所定距離112a、112bの間で区切られ、計測場に晒される計測領域Lを有している。
この区切られた計測領域Lに排ガス102が通過することとなるので、排ガス102中のアンモニアをレーザ光によって計測することができる。
この計測領域Lは、1mの間途切れており、レーザ光路長を1mとしている。
したがって、レーザ経路上では、送光筒112A(112B、112C)の切れている計測領域Lにのみ区画された脱硝触媒を通過した排ガス102が存在することになり、該計測領域Lにおける排ガス102中のアンモニア濃度をレーザ光の吸収により測定できる。
また、送光筒112Bは、第1列I、第2列II、第3列IIIの分割領域(P2、P5、P8)に対応するように、所定距離112a、112b間で区切られた計測場に晒される計測領域Lが設けられている。
また、送光筒112Cは、第1列I、第2列II、第3列IIIの分割領域(P3、P6、P9)に対応するように、所定距離112a、112b間で区切られた計測場に晒される計測領域Lが設けられている。
なお、図3では、計測領域Lの図示は省略している。
図8は、吸収分光計測の概念図である。図9は、吸収分光計測の吸収チャート図である。
レーザ光の光強度と測定対象の濃度との関係を示す関係式として、ランベルト・ベール(Lambert−Beer)の法則が知られている。
I(L)=I0exp(−kC0L) ……(1)
ここで、kは測定対象の吸光度に応じて設定される比例係数である。
I(L)=I0exp(−kC1L1) ……(2)
図10は、排ガス中の煤塵濃度とレーザ光透過率との関係を示す図である。
図10では、波長が1.5μmの場合、煤塵濃度が6g/Nm3程度の石炭灰中に2.0mの光路長で計測が可能であることを確認している。
よって、煤塵濃度がそれ以上の場合には、1.5m、より好適には1m前後の光路長で計測することが良好である。
図7に示すように、アンモニア注入装置104は、アンモニア供給源に接続された流路配管のアンモニア主系統22に総流量制御弁23を備えている。このアンモニア主系統22は、総流量制御弁23の下流において、ヘッダ24から分岐させた複数本(図示の例では6本)のアンモニア供給系統26を備えている。
図1−3の脱硝装置105では、仕切板120の下端部120aと上端部120bの内側に位置するように、ガス成分濃度分布測定装置110の送光筒112A(112B、112C)を有するプローブ手段を配置している。
この結果、区画された内側において、排ガス102中のガス成分を計測することができる。
これに対して、仕切板120の下端部120a側においては、その下端部120abよりも下方側に位置するように、ガス成分濃度分布測定装置110の送光筒112A(112B、112C)を有するプローブ手段を配置している。
脱硝触媒106中を通過した排ガス102は層流に近い状態となっているので、仕切板120の下端部120aより下側においても、その状態が維持されている。
よって、仕切板120の下端部120a側においては、送光筒112A(112B、112C)の配置が内側に限定されず、下端部120aよりも下方側であっても、区画された排ガス中のガス成分を確実に計測することができる。
このようにして得られた濃度測定領域の濃度分布は、例えば、制御装置20と接続された表示装置(図示略)に表示されることによって、ユーザに提示される。
よって、本装置を用いて、負荷変動等があった場合には、通常の計測回数よりも頻繁に濃度分布の計測を行うようにして、窒素酸化物の脱硝が確実になされているかを判断するようにしてもよい。
ガス成分計測装置において、排ガス中のアンモニアを計測する代わりに、排ガス中の窒素酸化物(NOx)を計測するようにしてもよい。
図1−5は、脱硝触媒が2層の上流側脱硝触媒層106Aと下流側脱硝触媒層106Bとからなる場合について説明するが、本発明は2層に限定されるものではない。
本実施例では、上流側脱硝触媒層106Aの入口側にガス成分濃度分布測定装置(入口)110を設置し、上流側の脱硝触媒層106Aと下流側の脱硝触媒層106Bとの間にガス成分濃度分布測定装置(中間)110を設置し、下流側脱硝触媒層106Bの出口側にガス成分濃度分布測定装置(出口)110を設置し、それぞれの層の間における空間のNOxの濃度分布を計測し、このNOの濃度分布の計測結果に基づき、アンモニア注入を調整するようにしている。
12 受光器
15 レーザビーム窓
19 シールエア
20 制御装置
100 ボイラ装置
101 ボイラ
102 燃焼排ガス(排ガス)
103 煙道
104 アンモニア注入装置
105 脱硝装置
106A、106B、106C 脱硝触媒
110 ガス成分濃度分布測定装置
Claims (9)
- 燃焼排ガス中に還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記燃焼排ガスが流れる方向に沿って設けられた仕切部材により複数の領域に区画された領域に配置され、前記還元剤が含まれた排ガス中の窒素酸化物(NOx)を脱硝する脱硝触媒を備えた脱硝装置と、
前記脱硝装置の入口側又は出口側の少なくとも一方に設けられ、前記脱硝装置のガス流れに直交する区画された各領域を流れる排ガス中のガス成分濃度分布をレーザ光によってそれぞれ計測する複数のプローブ手段を有するガス成分濃度分布測定装置と、を具備し、
前記ガス成分濃度分布測定装置の計測結果より、ガス成分濃度分布を求めることを特徴とする排ガス脱硝システム。 - 請求項1において、
前記ガス成分がアンモニア(NH3)又は窒素酸化物(NOx)のいずれか一方又は両方であることを特徴とする排ガス脱硝システム。 - 請求項2において、
前記ガス成分がアンモニアの場合、前記ガス成分濃度分布測定装置の計測結果より、アンモニア濃度分布を求め、
求めたアンモニア濃度分布より、リークアンモニア濃度が所定値以上の区画を判断する判断手段と、
この判断された区画に対応する還元剤供給手段からの還元剤供給量を調節する調節手段とを具備することを特徴とする排ガス脱硝システム。 - 請求項2において、
前記ガス成分が窒素酸化物の場合、前記ガス成分濃度分布測定装置の計測結果より、窒素酸化物濃度分布を求め、
求めた窒素酸化物濃度分布より、窒素酸化物濃度が所定値以上の脱硝不十分な区画を判断する判断手段と、
この判断された脱硝不十分な区画に対応する還元剤供給手段からの還元剤供給量を調節する調節手段とを具備することを特徴とする排ガス脱硝システム。 - 請求項4において、
前記判断手段は、求めた窒素酸化物濃度分布から、区画された脱硝触媒の脱硝率を求め、脱硝触媒の劣化の度合いを判断し、
前記調節手段は、劣化した区画に対応する還元剤供給手段からの還元剤供給量を調節する際、アンモニアの供給と共に、又はアンモニアの供給とは別に水を噴霧することを特徴とする排ガス脱硝システム。 - 請求項1乃至5のいずれか一つにおいて、
前記プローブ手段が、レーザ光を通過する送光筒と、
該送光筒の一部が所定距離区切られ、計測場に晒される計測領域を有することを特徴とする排ガス脱硝システム。 - 請求項6において、
前記送光筒は、長手方向の一部が所定区間区切られてなり、前記燃焼排ガスが前記送光筒を通過する計測領域を有し、前記計測領域が、隣接する前記複数のプローブ手段間で前記送光筒の長手方向の相互に異なる位置であって、区画された前記領域の一部に位置することを特徴とすることを特徴とする排ガス脱硝システム。 - 請求項1乃至7のいずれか一つの排ガス脱硝システムを用いた排ガス脱硝装置の再生方法であって、
前記仕切部材によって区画された前記領域の窒素酸化物濃度分布から、区画された脱硝触媒の脱硝率を求めて前記領域に対応する脱硝触媒の劣化の度合いを判断する工程と、
劣化した前記脱硝触媒に前記還元剤供給手段からの還元剤供給量を調節する際、アンモニアの供給と共に、又はアンモニアの供給とは別に溶剤を噴霧して劣化した前記脱硝触媒の再生を行う工程とを含むことを特徴とする排ガス脱硝装置の再生方法。 - 請求項1乃至7のいずれか一つの排ガス脱硝システムを用いた排ガス脱硝装置の再生方法であって、
前記仕切部材によって区画された前記領域の窒素酸化物濃度分布から、区画された脱硝触媒の脱硝率を求めて前記領域に対応する脱硝触媒の劣化の度合いを判断する工程と、
劣化した前記脱硝触媒を交換する工程とを含むことを特徴とする排ガス脱硝装置の触媒交換方法。
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