JP6011905B2 - ラベルの製造方法 - Google Patents
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図4(a)は従来から使用されている粘着ラベルの代表的な層構成を示す断面図であり、このラベル101は基材フィルム102の裏面側に粘着層104を積層し、さらに剥離紙106を貼り合わせ、表面側に加飾層となる印刷層103を積層し、そして、所望の形状に剥離紙106以外を抜き加工し、不要な部分を巻き取り、除去したものである。成形品等の被貼着物に貼着する場合には、剥離紙106を剥離し、圧力を作用させて粘着層104により成形品等の被貼着物の表面に貼着する。
そして、この転写フィルム111をホットスタンプ法の工程に従って、成形品の表面に重合し、加熱した状態の版により圧力を作用させ、版に刻設された所定の図柄に沿って剥離層113と保護層114と金属薄膜層115と接着層116からなる転写箔111tが、接着層116を介して成形品の表面に接着、転写され、成形品の表面を所定の図案に沿って転写された金属薄膜層115により加飾することができる。
そして、成形品表面に転写された転写箔111t部分以外の、転写箔111t部分は基材フィルム112と共に除去される。
このような、印刷層103と金属薄膜層115により加飾されたラベル101を成形品の表面に貼着することにより、成形品をより高度に加飾することが可能となる。
しかし、この保護層114はアクリル系樹脂やエポキシ系樹脂を塗布した層厚が1マイクロメートル程度のもので、微細なピンホールやクラックの形成が避け難く、上記のように擦れによる傷付き等を防ぐためには有効であるが、
たとえば、合成樹脂製の容器に収納する内容物が消費者の使用や液垂れ等により外表面に付着するような場合には、内容物が保護層114のピンホールやクラックから金属薄膜層115に侵入し、この内容物の種類によっては金属薄膜層115が侵食、腐食され、外観性を大きく損なうと云う問題がある。
この原紙の表面側、すなわち基材フィルム102の表面側に印刷層103を印刷、積層し、矩形状等の所定の形状に、基材フィルム102と粘着層104を打抜くようにする打抜き加工を行い、不要な、基材フィルム102と粘着層104部分を巻き取りながら除去すると共に、ラベルとして使用される部分を剥離紙106と共に巻き取り、ロール状とするのが一般的であり、
原紙の製造工程と、印刷層の印刷及び打抜き加工工程が別工程であるためにコスト高となると云う問題がある。
ここでホットスタンプ法による転写工程は、転写フィルム111を加熱、加圧した状態で静止時間(0.5〜1秒)を必要とするものであるので、印刷層103の印刷工程と転写工程を一貫ラインで、一定速度で実施することは難しく、別工程で実施する必要があり、さらにコスト高になってしまうと云う、問題点を有する。
透明性の基材フィルムの裏面側に印刷により所定のパターンに部分的に第1のUV硬化型粘着剤を積層し、
第1のUV硬化型粘着剤にUVを照射して第1の粘着層を形成し、
金属薄膜層が積層されている転写フィルムの該金属薄膜層側を、第1の粘着層を含む基材フィルムの裏面側に重合して加熱することなく圧力のみで第1の粘着層に金属薄膜層を転写し、
転写された金属薄膜層を含む基材フィルムの裏面側を、印刷により第2のUV硬化型粘着剤で被覆し、さらに透明な剥離フィルムを積層し、
この剥離フィルム側から第2のUV硬化型粘着剤にUVを照射して合成樹脂製成形品の表面に貼着する第2の粘着層を形成する、
と云うものである。
なお、転写フィルムは基材フィルムに剥離層を介して金属薄膜層が積層された構成のものを使用することができる。
原紙の製造工程、印刷工程、金属薄膜層の転写工程等を別工程とすることなく、粘着層の形成、積層工程も含めて、
ラベルを次の(1)〜(5)に記載した工程に沿って、一貫ラインで、低コストで製造することが可能となる。
(1)印刷により、基材フィルムの表面側若しくは裏面側に印刷層を所定のパターンに形成、積層する。
(2)印刷により、基材フィルムの裏面側に第1のUV硬化型粘着剤を所定のパターンに部分的に積層し、UVを照射して第1の粘着層を形成する。
(3)金属薄膜層が積層されている転写フィルムを、第1の粘着層を含む基材フィルムの裏面側に重合して、加熱することなく圧力のみで(コールドスタンプ法で)第1の粘着層に金属薄膜層を転写する。
(4)印刷により、転写された金属薄膜層を含む基材フィルムの裏面側に第2のUV硬化型粘着剤を被覆する。
(5)UV硬化型粘着剤の被覆層に透明な剥離フィルムを積層し、この剥離フィルム側から第2のUV硬化型粘着剤にUVを照射して合成樹脂製成形品の表面に貼着する第2の粘着層を形成する。
また、一貫ラインとして、上記(1)〜(5)の工程の後にラベルを打ち抜き加工する工程を追加することも可能である。
また、上記構成、あるいは以降の説明では第1の紫外線硬化型粘着剤と第2の紫外線硬化型粘着剤、あるいは第1の粘着層と第2の粘着層と云うように、第1、第2と云う用語を使用しているが、これらは単に両紫外線硬化型粘着剤と両粘着層を区別するためのものである。
また以降の説明では例えば第1の紫外線硬化型粘着剤を第1のUV硬化型粘着剤とするように、紫外線をUVと略記する。
すなわち、本発明の製造方法により得られるラベルの特徴は、最表面側に合成樹脂製の基材フィルムが積層される点にあり、従来の金属薄膜層を含む転写箔のようにアクリル系樹脂やエポキシ系樹脂を塗布して形成した層厚が1マイクロメートル程度の従来の保護層では避けがたいピンホールやクラックの発生と云う問題はなく、擦れによる傷付き等の問題は勿論のこと、内容物の付着等による金属薄膜層の侵食、腐食、クラックの発生、捲れ等の問題を効果的に抑制することができ、金属薄膜層による加飾性を長期間損なうことなく美麗に保持することができる。
また、基材フィルムにより保護層の機能が発揮されるので、別途保護層を積層する必要がなく、層構成を全体的に簡略化することができ、コストを抑えることができる。
原紙の製造工程、印刷工程、金属薄膜の転写工程等を、粘着層の形成、積層工程を含めて別工程とすることなく、ラベルを一貫ラインで、低コストで製造することができる。
図1は本発明の製造方法により得られるラベルの一例の層構成を示す断面図であり、その基本的な層構成は表面側から(図中の上から)順に、
[基材フィルム2/第1の粘着層4a/転写箔11t(剥離層13/金属薄膜層15)/第2の粘着層4b/剥離フィルム6]と云う積層構造を有する。
また基材フィルム2の裏面側には印刷層3も積層されている。
基材フィルム2には透明な、ポリプロピレン樹脂製の無延伸フィルム(CPPフィルム)を使用しておりフィルム厚さは50マイクロメートルである。
また、第1の粘着層4aはアクリル系の第1のUV硬化型粘着剤を印刷により所定のパターンに部分的に積層し、UV照射して硬化した層で、層厚は1マイクロメートルである。
また、第2の粘着層4bは第1の粘着層4aと同様にアクリル系の第2のUV硬化型粘着剤を印刷により積層し、UV照射して硬化した層で、層厚は3マイクロメートルである。
また、剥離フィルム6には、透明な、ポリプロピレン樹脂製の延伸フィルム(OPPフィルム)を使用しておりフィルム厚さは30マイクロメートルである。
また、剥離フィルム6の第2の粘着層4bと接する面にはシリコーン樹脂が塗布されている。
本例では、
基材フィルム2にはPET樹脂製のフィルムを使用しておりフィルム厚さは16マイクロメートルである。
また、剥離層13はワックス系で0.5マイクロメートル程度の層厚を有する。
また、金属薄膜層15はアルミニウムを真空蒸着法により積層したもので0.05マイクロメートル程度の膜厚を有する。
ここで、この転写フィルム11は、図5に示される従来のホットスタンプ用の転写フィルム111の層構成における保護層114と接着層116に相当する層がなく、シンプルな層構成を有するものである。
・工程P1(印刷層3の印刷工程)
コロナ処理をした基材フィルム2の裏面側(図3中では上面側)に印刷により印刷層3を形成する。
本実施例ではフレキソ印刷機によりUV硬化型インキを使用して印刷し、次いでUV照射してインキを硬化させて、図案化された文字A〜Hを円周上に並べるように印刷層3を形成している。
なお、印刷方法はフレキソ方式に限定されるものではなく、ドライオフセット方式、凸版方式等、公知の方式を用いることができるが、
第1の粘着層4aと第2の粘着層4bを、UV硬化型粘着剤の印刷後にUV照射して形成するため、一貫ラインによる製造を考慮すると、印刷層3の印刷にはUV硬化型インキを使用するのが好ましい。
基材フィルム2の裏面側に、印刷により第1のUV硬化型粘着剤Aを所定のパターン(本実施例では星型)で部分的に積層し、UV照射して第1の粘着層4aを形成する。
本実施例では、第1のUV硬化型粘着剤Aとしてアクリル系のUV硬化型粘着剤を使用しフレキソ印刷機により所定のパターンに印刷した。
UV硬化型粘着剤としては他にもエポキシ系等のものを使用することができる。
また印刷方式もオフセット印刷等の方式を採用することができる。
図2に示した層構成を有する転写フィルム11の金属薄膜層15側を、第1の粘着層4aを含む基材フィルム2の裏面側に重合し、加圧ロールにより加熱することなく圧力のみで、転写箔11tを工程P2で所定(星型)のパターンに形成された第1の粘着層4aに転写する。
工程P3で所定(星型)のパターンに転写され、積層された転写箔11tを含む基材フィルム2の裏面側に、印刷により第2のUV硬化型粘着剤Bを被覆する。
本実施例では第2のUV硬化型粘着剤Bとしてアクリル系のUV硬化型粘着剤を使用してフレキソ印刷機により印刷した。
UV硬化型粘着剤としては他にもエポキシ系等のものを使用することができる。
また印刷方式もオフセット印刷等の方式を採用することができる。
工程P4で印刷した第2のUV硬化型粘着剤Bによる被覆層に、透明な剥離フィルム6を積層し、この剥離フィルム6側からUVを照射して第2の粘着層4bを形成する。
ここで、第2のUV硬化型粘着剤Bを被覆し、紫外線照射した後、透明性の剥離フィルムを積層しても良い。
本実施例では剥離フィルム6に透明で、厚さが30マイクロメートルのOPPフィルムを使用した。また、剥離フィルム6の第2の粘着層4bと接する面にはシリコーン樹脂が塗布されている。
所定のラベル形状(図3中では矩形状)に打抜き加工し、不必要な部分を巻き取りながら除去し、剥離フィルム6と共に必要なラベル部分を巻き取り、ロール状にする。
なお、図1のラベル1では剥離フィルム6を残して基材フィルム2と第2の粘着層4bまでを矩形状に打抜き加工する。
たとえば上記実施例ではラベルの基材フィルムとしてCPPフィルム、剥離フィルムとしてOPPフィルムを使用したが、基材フィルムや剥離フィルムの機能、打抜き加工性、ラベル貼着性、製造ライン適性等を考慮して、他の合成樹脂製フィルムを適宜選択することができる。
また、UV硬化型粘着剤についても、印刷特性、硬化後の粘着性を考慮してその材料を選択することができ、UVの照射量によりその粘着性を調整することができる。
また、金属薄膜層特有の色調だけではなく、ハーフトーンの着色印刷層に第1の粘着層、金属薄膜層を積層し、任意に着色された金属光沢を有する加飾とすることもできる。
2 ;基材フィルム
3 ;印刷層
4a;第1の粘着層
4b;第2の粘着層
6 ;剥離フィルム
A ;第1の紫外線(UV)硬化型粘着剤
B ;第2の紫外線(UV)硬化型粘着剤
11;(コールドスタンプ用)転写フィルム
11t;転写箔
12;基材フィルム
13;剥離層
15;金属薄膜層
101;粘着ラベル
102;基材フィルム
103;印刷層
104;粘着層
106;剥離紙
111;(ホットスタンプ用)転写フィルム
111t;転写箔
112;基材フィルム
113;剥離層
114;保護層
115;金属薄膜層
116;接着層
Claims (2)
- 透明性の基材フィルム(2)の裏面側に印刷により所定のパターンに部分的に第1の紫外線硬化型粘着剤(A)を積層し、次に前記第1の紫外線硬化型粘着剤(A)に紫外線を照射して第1の粘着層(4a)を形成し、次に金属薄膜層(15)が積層されている転写フィルム(11)の該金属薄膜層(15)側を、前記第1の粘着層(4a)を含む基材フィルム(2)の裏面側に重合して加熱することなく圧力のみで前記第1の粘着層(4a)に金属薄膜層(15)を転写し、次に前記金属薄膜層(15)を含む基材フィルム(2)の裏面側を印刷により第2の紫外線硬化型粘着剤(B)で被覆し、さらに透明な剥離フィルム(6)を積層し、次に該剥離フィルム(6)側から第2の紫外線硬化型粘着剤(B)による被覆層に紫外線を照射して合成樹脂製成形品の表面に貼着する第2の粘着層(4b)を形成することを特徴とするラベルの製造方法。
- 転写フィルム(11)が基材フィルム(12)に剥離層(13)を介して金属薄膜層(15)が積層された構成であることを特徴とする請求項1記載のラベルの製造方法。
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