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JP6010854B2 - ロータリーカッタ装置 - Google Patents

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JP6010854B2 JP2012144712A JP2012144712A JP6010854B2 JP 6010854 B2 JP6010854 B2 JP 6010854B2 JP 2012144712 A JP2012144712 A JP 2012144712A JP 2012144712 A JP2012144712 A JP 2012144712A JP 6010854 B2 JP6010854 B2 JP 6010854B2
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Description

本発明は、被切断物を切断するロータリーカッタ装置に関する。
搬送される被切断物に対し、搬送を停止させることなく切断を行える、ロータリーカッタ装置が既に知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術のロータリーカッタ装置では、円筒形の胴部の外周に螺旋状の刃物が設けられた回転体を有している。そして、回転体の上記刃物の各部を順次被切断物に切り込ませることで、当該回転体への導入経路を搬送されてくる被切断物に対し直線的に切断が行われる。
実公昭60−1997号公報
しかしながら、上記回転体の刃物による切断時に、例えば被切断物が粘着剤層を備えている場合等においては、切断後に生成される切断物が上記刃物の刃先に付着することがある。この場合、切断物は、その付着した状態のまま刃先とともに上記回転方向に沿って回転し、それ以降の切断動作に支障をきたすおそれがあった。
本発明の目的は、回転体の刃物の刃先に切断物が付着した場合であっても、付着した切断物を刃先から引き剥がすことでその後の円滑な切断動作を確保できる、ロータリーカッタ装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本願発明の印字装置は、筐体と、所定の回転方向に沿って回転可能に前記筐体に支持され、第1刃先部を含む回転刃を設けた回転体と、前記筐体に支持され、第2刃先部を含む固定刃を設けた保持体と、を有し、前記第1刃先部が前記回転方向の一方側から前記第2刃先部に接触し互いに擦り合わせることにより、前記第2刃先部の近傍を通る経路に位置する被切断物を切断して切断物とするロータリーカッタ装置であって、前記回転刃から所定の遅れ位相角をもって前記回転体に設けられ、前記切断の実行時に前記第1刃先部に切断部が付着し前記回転刃とともに回転する前記切断物に対し径方向内側から接して径方向外側への反力を与える、回転側剥がし部材と、前記回転体の前記第1刃先部の回転範囲外でかつ当該第1刃先部の回転半径の近傍となるように前記筐体に対し固定され、前記切断物に対し径方向外側から接して当該径方向外側への移動を拘束する、固定側剥がし部材と、前記回転体の前記第1刃先部の回転範囲外でかつ前記回転体の前記回転方向に沿って前記固定側剥がし部材よりも回転進み側となるように前記筐体に設けられ、前記第1刃先部への付着が解放された前記切断物の前記切断部を受け止める、受け止め部材と、を有することを特徴とする。
本願発明のロータリーカッタ装置は、回転刃を備えた回転体と、固定刃を備えた保持体とを有する。回転体が所定の回転方向に沿って回転することにより、回転刃の第1刃先部が上記回転方向に沿って一方側から第2刃先部に近接し、さらには第2刃先部と互いに擦り合わせる。これにより、第2刃先部の近傍を通る経路へと搬送されて導入された被切断物を、第1刃先部と第2刃先部との協働によって切断し、切断物を生成することができる。
この切断時に、例えば被切断物が粘着剤層を備えている場合等においては、切断物が回転刃の上記第1刃先部に付着することがある。この場合、切断物は、その付着した状態のまま回転刃とともに上記回転方向に沿って回転し、それ以降の回転刃の切断動作に支障をきたすおそれがある。そこで本願発明では、回転体に回転側剥がし部材を設けるとともに、筐体に固定側剥がし部材を設ける。そして、これら回転側剥がし部材と固定側剥がし部材との協働により、上記のように付着した切断物を回転刃から引き剥がす。
すなわち、回転体に設けられる回転側剥がし部材は、回転刃から所定の遅れ位相角をもって回転する。切断時に切断物の切断部が回転刃の第1刃先部に付着して切断物が回転刃とともに回転すると、例えばある回転方向位置になったときに、上記切断部よりも回転遅れ側にある上記回転側剥がし部材が、切断物に対し径方向内側から接する。これにより、付着した切断物に対し径方向外側への反力が与えられ、切断物は、上記切断部が回転刃の第1刃先部に付着した状態のまま、径方向外側へと向かおうとする。
そして、このようにして回転刃に付着しかつ回転側剥がし部材により径方向外側への反力を与えられた状態の切断物に対し、その後、上記固定側剥がし部材が径方向外側から接触する。この固定側剥がし部材への接触後は、切断物は、上記径方向外側への移動を上記の固定側剥がし部材によって拘束される。この結果、回転の進行とともに、切断物には上記拘束から逃れようとするたわみ反発力が蓄積され、その反発力は切断物の上記切断部における第1刃先部への付着部位に対し径方向外側へと作用する。この結果、ある回転方向位置となると、上記たわみ反発力が上記付着部位での上記付着力を上回り、これによって上記付着が解放され、切断物を回転刃から引き剥がすことができる。この結果、その後の円滑な切断動作を確保することができる。
本発明によれば、回転体の刃物の刃先に切断物が付着した場合であっても、付着した切断物を刃先から引き剥がすことでその後の円滑な切断動作を確保することができる。
本実施形態によるロータリーカッタ装置を備えたラベル作成装置の概略構成を表す斜視図である。 図1に示したラベル作成装置の正面図である。 図1に示したラベル作成装置の側面図及び断面図である。 ラベル作成装置の制御系を表す機能ブロック図である。 印字ラベルの外観の一例を表す上面図及び下面図である。 図5中VI‐VI′断面による横断面図である。 ロータリーカッタ装置を正面側斜め上方から見た斜視図である。 ロータリーカッタ装置を背面側斜め上方から見た斜視図、及び、ロータリーカッタ装置を正面側斜め上方から見た斜視図である。 ロータリーカッタ装置の平面図及び背面図である。 水平な保持体に対して回転体の回転軸心を斜め配置した本発明の一実施形態の要部構成を表す背面図及び側面図、水平な回転体の回転軸心に対して保持体を斜め配置した変形例を表す背面図及び側面図である。 回転体と保持体との間へのラベル用テープの導入態様を表す、ロータリーカッタ装置の要部斜視図、及び、図11(a)中A方向から見た概念的側面図である。 回転体の第1切断刃の第1刃先部と保持体の第2切断刃の第2刃先部との擦り合わせによるラベル用テープの切断の推移を表す、説明図である。 ラベル剥がしシャフト及びラベル剥がし板を備えた実施形態のロータリーカッタ装置の平面図、正面図、及び側面図である。 ラベル剥がしシャフト及びラベル剥がし板を設けない比較例において、回転体の回転の進行とともに実行されるラベル用テープの搬送・切断挙動を表す概念的側面図である。 ラベル剥がしシャフト及びラベル剥がし板を設けた実施形態において、回転体の回転の進行とともに実行されるラベル用テープの搬送・切断挙動を表す概念的側面図である。 ラベル剥がしシャフトの遅れ位相角を小さく設定した変形例によるロータリーカッタ装置の概念的側面図である。 回転側剥がし部材としてフィルム部材を用いた変形例を表す斜視図である。 回転側剥がし部材としてワイヤーを備えた支持構造体を用いた変形例を表す斜視図である。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、本発明のロータリーカッタ装置を、印刷装置としてのラベル作成装置に適用した場合の実施形態である。なお、以下の説明において、上下方向、前後方向、左右方向は、各図中に適宜示す矢印方向に対応している。
図1に示すように、ラベル作成装置500は、ラベル作成装置本体1と、ロータリーカッタ装置610と、を備えている。
<ラベル作成装置本体の構成>
まず、ラベル作成装置本体1の構成を、図1、図2、図3(a)、及び図3(b)を用いて説明する。なお、図1、図2、図3(a)、及び図3(b)においては、図示の煩雑防止のために、後述するラベル剥がしシャフト901、ラベル剥がし板902、天板903等の図示を省略している。ラベル作成装置本体1は、筐体2と、透明樹脂製の上カバー5と、筐体2の前側に配置される電源ボタン7等から構成されている。
図3(b)に示すように、ラベル作成装置本体1に備えられたテープホルダ収納部4には、テープホルダ3が収納配置されている。またテープホルダ収納部4の上側を覆うように、前述の上カバー5が後側上端縁部に開閉自在に取り付けられている。
テープホルダ3には、所定幅のラベル用テープ3A(被切断物)が回転可能に巻回されている。すなわち、上記ラベル用テープ3Aは、所定の外周径を有する巻芯3Bにロール状に巻回され、テープロールを構成している。上記巻芯3Bの内周側には、軸方向に配置されるように略筒状形状のホルダ軸部材40が設けられる。
ラベル用テープ3Aは、この例では3層構造となっており(図3(b)中部分拡大図参照)、ロールの外側に巻かれる側(図3(b)中部分拡大図上側)よりその反対側(図3(b)中部分拡大図下側)へ向かって、剥離紙3a、粘着層3b、自己発色性を有する長尺状の感熱紙(いわゆる、サーマルペーパー)3cの順序で積層され構成されている。感熱紙3cの裏側(図3(b)中上側)に、上記粘着層3bによって上記剥離紙3aが接着されている。この剥離紙3aは、最終的に完成した印字ラベルT(後述の図5及び図6参照)が所定の物品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層3bにより当該物品等に接着できるようにしたものである。
また、上記ラベル用テープ3Aの上記テープロールからの繰り出し位置の搬送方向下流側には、所望の印字を行うサーマルヘッド31が設けられ、このサーマルヘッド31と対向する位置にはプラテンローラ26が設けられている。プラテンローラ26は、巻芯3Bに巻回された上記ラベル用テープ3Aを繰り出し、搬出口Eに至る搬送経路を搬送する。
サーマルヘッド31は、その上下動操作用のレバー(図示省略)を上方に回動させることにより下方に移動して上記プラテンローラ26から離間した状態となり、レバーを下方に回動させることにより上方に移動してラベル用テープ3Aをプラテンローラ26に押圧付勢して印字可能な状態になる。そして、後述する図4に示すように、パルスモータ(あるいはステッピングモータ)等のプラテンローラ用モータ208によってプラテンローラ26を回転駆動しつつ、サーマルヘッド31が駆動制御されることにより、ラベル用テープ3Aに備えられた所定の印字領域S(後述の図4参照)に対して所望の印字が行われる。そして、印字済みのラベル用テープ3Aは、搬出口Eから排出されてから上記ロータリーカッタ装置610により所望の長さに切断され、これによって印字ラベルTが生成される。なお、図1、図3(a)、及び図3(b)中の破線が、搬送されるラベル用テープ3Aの上記搬送経路を示している。
なお、図3(a)に示すように、ラベル作成装置本体1の前方側(搬出口Eから搬送方向下流側)には、ガイド用載置台700が設置されている。このガイド用載置台700からさらに搬送方向下流側に、上記ロータリーカッタ装置610が配置されている。ガイド用載置台700は、搬出口Eから排出されてきた印字済のラベル用テープ3Aを、ロータリーカッタ装置610の第1平刃621(後述)と第2平刃631(後述)との間に導く。
<ラベル作成装置本体の制御系>
上記ラベル作成装置本体1の制御系を図4により説明する。図4において、ラベル作成装置本体1には、上記搬送経路におけるラベル用テープ3Aの有無を検出するセンサ239と、上記サーマルヘッド31への通電を制御する印刷駆動回路205と、上記プラテンローラ26を駆動するプラテンローラ用モータ208と、このプラテンローラ用モータ208を制御するプラテンローラ駆動回路209と、印刷駆動回路205、プラテンローラ駆動回路209等を介し、ラベル作成装置本体1全体の動作を制御するための制御回路210と、が設けられている。
制御回路210は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う。またこの制御回路210は、電源回路211Aにより給電されるとともに、通信回路211Bを介し例えば通信回線に接続され、この通信回線に接続された図示しないルートサーバ、他の端末、汎用コンピュータ、及び情報サーバ等との間で情報のやりとりが可能となっている。なお、ラベル作成装置本体1の前方側に配した上記ロータリーカッタ装置610の後述するモータ638も、上記制御回路210によって駆動制御される。
ロータリーカッタ装置610によりラベル用テープ3Aの切断が完了し形成された印字ラベルTを、図5(a)、図5(b)、及び図6に示す。図示のように、印字ラベルTは、前述の3層構造となっており、表面側(図6中上側)よりその反対側(図6中下側)へ向かって、感熱紙3c、粘着層3b、剥離紙3aの順で積層している。そして、図5(a)に示すように、感熱紙3cの表面に印字R(この例では「AA−AA」の文字)が印刷されている。
<ロータリーカッタ装置の概略構成>
次に、上記ロータリーカッタ装置について、図7〜図11により説明する。なお、前述と同様、図示の煩雑防止のために、図7〜図11では、ラベル剥がしシャフト901、ラベル剥がし板902、天板903等の図示を省略している。図7、図8、図9、図10、及び図11に示すように、ロータリーカッタ装置610は、筐体612と、回転体620と、保持体630と、を備えている。そして、ロータリーカッタ装置610は、上記サーマルヘッド31により印字形成された状態のラベル用テープ3Aに対し、上記第1平刃621(回転刃)と、第2平刃631(固定刃)との協働によって直線的な切断を行う。筐体612は、一方側(この例では右側)に第1壁面613を有し、他方側(この例では左側)に第2壁面614を有している。また、筐体612は、第1壁面613と第2壁面614との間を接続する接続部611を備える。
なお、上記図1及び図2に示したように、ロータリーカッタ装置610は、筐体612の第1壁面613及び第2壁面614の面方向が鉛直方向からやや左側に傾斜した姿勢で配置されるが、説明の便宜及び図示の見やすさのために、図8(a)、図9(b)においては、筐体612を鉛直方向に戻した姿勢で図示を行っている。
<回転体の構成>
回転体620は、一方側の第1ブラケット622と、他方側の第2ブラケット623と、第1ブラケット622と第2ブラケット623との間を接続するようにかつ回転軸心Oまわりに回転可能に筐体612に設けられた回転軸650(回転軸部材)と、回転軸650に設けられ、回転刃としての第1平刃621を取り付けた平刃取付部624と、を備えている。
第1平刃621は、略板状の第1基部(図示省略)の縁部に直線状に延びる第1刃先部621bを備える。このとき、第1刃先部621bは、図8(a)、図9(b)等に示すように、上記回転軸心Oと平行となるように、上記平刃取付部624及び回転軸650によって支持されている。回転体620が回転すると、第1刃先部621bは回転軸心Oを中心とした円筒形の回転軌跡r(回転範囲に相当。後述の図15参照)を描く。
<保持体の構成>
保持体630は、固定刃としての第2平刃631を備えた板状の保持部632を有している。また、保持部632は左右両端部に延出部634,634を備えており、この延出部634,634を介し、揺動支持機構635(図8(b)参照)によって筐体612に対し揺動可能に支持されている。
揺動支持機構635は、図8(a)及び図8(b)に示すように、筐体612の接続部611に立設された左右一対のヒンジアーム641,641と、これらヒンジアーム641,641に回動可能に挿通され、上記保持部632の上記延出部634が両端に固定された支持軸636と、支持軸636のまわりに配置された、鶴巻状のコイルバネ637と、を備えている。保持部632は、延出部634,634に固定された支持軸636がヒンジアーム641に回動可能に支持されることで、保持部632は、筐体612に対し前後に揺動可能となる。このとき、図8(a)に示すように、コイルバネ637の一端(後端)が上記接続部611に固定される一方、コイルバネ637の他端(上端)は上記保持部632の後部に当接しており、この結果コイルバネ637は、保持部632を前方(言い換えれば回転体620へ向かう方向)へ向かって付勢する。この結果、保持部632は、筐体612に対し揺動可能に支持されることとなる。
第2平刃631は、図9(b)等に示すように、略板状の第2基部631aと、この第2基部631aの縁部において直線状に延びる第2刃先部631bとを備えている。第2平刃631は、第2基部631aが取り付けネジ633で固定されることにより保持部632に保持される。このとき、保持部632は上記のように揺動可能に配置されるが、どの揺動状態においても、第2平刃631の第2刃先部631bが回転軸心Oに対し非平行(ねじれの位置)となるように、保持部632は第2平刃631を保持している。詳細には、上記保持部632のどの揺動状態においても、第2平刃631の第2基部631aの面方向(すなわち第2平刃631の取付面方向)は、上記回転軸心Oと所定間隔を介し平行となる(図9(a)、図9(b)参照)。また、上記保持部632のどの揺動状態においても、第2平刃631は、正面から(言い換えれば第2基部631aの面方向と直交する側面方向から)見たときに、図9(b)に示すように、第2刃先部631bを含む直線と上記回転軸心Oとが、所定の角度αをもって配設される。回転軸心Oと第1刃先部621bとは常に平行であることから、第1刃先部621bと第2刃先部631bとが接触したときの傾斜角度(いわゆるシャー角)がこの角度αと一致する。特に、第2刃先部631bは、切断動作時にラベル用テープ3Aの搬送経路の搬送面内において直線状に延びるように、保持される。
上記の結果として、上記回転体620が回転したときに第1刃先部621bの描く円筒形の上記回転軌跡rが、第2刃先部631bに対して接触するように、上記第1平刃621は上記平刃取付部624に支持され、上記第2平刃631は上記保持部632に保持されることとなる。これにより、回転軸心Oを中心とする円筒形の上記回転軌跡rの外縁線に対し、第2平刃631の第2刃先部631bが斜交するような位置関係となる。
なお、本実施形態では、図10(a)に示すように、正面側から見て、ラベル用テープ3Aの搬送経路が(言い換えれば第2刃先部631bが)水平となり、かつ回転体620の回転軸心Oが上記水平方向に対して傾斜するように、回転体620及び保持体630を配置したが、これに限られない。すなわち、図10(b)に示すように、正面側から見て、回転体620の回転軸心Oが水平となり、かつラベル用テープ3Aの搬送経路が(言い換えれば第2刃先部631bが)上記水平方向に対して傾斜するように、回転体620及び保持体630を配置してもよい。
<駆動力の伝達>
一方、図7、図8(a)、図8(b)、図9(a)、図9(b)に示すように、筐体612の第2壁面614側の下方には、回転体620を回転駆動する回転駆動手段として機能するモータ638が設けられている。これに対応して、第2壁面614の外面には、第2壁面614を貫通したモータ638の駆動軸651(図8(b)参照)と第2壁面614を貫通した回転体620の回転軸650との間を作動連結可能な、ギア列からなる駆動伝達機構639が設けられている。モータ638は、第1平刃621の第1刃先部621bが上方から上記第2平刃631の第2刃先部631bに近接してゆく方向に、駆動伝達機構639を介して回転体620を回転する(図11(b)参照)。これにより、回転体620と保持体630との間に挿入されたラベル用テープ3Aが、(搬送停止することなく)走行状態で切断される。
このとき、図9に示すように、第1回転体620の回転軸650の一端(この例では左端)には、側面視略D字形状の回転カム800が固定されている。図11(a)及び図11(b)に示すように、第2平刃631のうち、第2刃先部631bより左側に位置する上端部に、突片状の被接触部640が形成されている。この被接触部640は、上記コイルバネ637の付勢力によって、上記揺動状態において回転カム800に圧接係合している。
回転カム800は、図11(a)及び図11(b)に示すように、第1周方向領域(上記D字形状の円弧部分に相当)801と、第2周方向領域(上記D字形状の直線部分に相当)802と、を備えている。回転カム800は、第1周方向領域801が被接触部640に対向している回転位置においては、当該第1周方向領域801によって被接触部640を後方へ向かって押圧する。これにより、回転カム800は、第2刃先部631bが第1回転体620全体の回転軌跡から離脱するように、保持体630を移動させる。一方、回転カム800は、第2周方向領域802が上記被接触部640に対向している状態では、(後述の第1平刃621の第1刃先部621bと第2平刃631の第2刃先部631bとの擦り合わせによって)被接触部801と非接触状態となり、保持体630を解放状態とする(図11(b)に示す状態)。
<切断動作>
上記ロータリーカッタ装置610の動作を図12により説明する。前述したように、本実施形態では、上記回転体620が回転したときに第1刃先部621bの描く、回転軸心Oを中心とする円筒形の上記回転軌跡rの外縁線に対し、第2平刃631の第2刃先部631bが斜交する位置関係となる。この結果、当該回転軌跡rを回転してくる第1刃先部621bは、その直線形状のうちの一端部(この例では左端部)がまっ先に第2刃先部631bへ近接した後、回転の進行に伴い、第2刃先部631bへ近接する部位が左端部から右方へ向かって徐々に直線的に移行していく。図12(a)〜図12(e)は、このときの挙動を順次表している。
すなわち、図12(a)は、上記第1刃先部621の左端部に近いR1−R1断面で表される部分が、第2刃先部631bへ接触し摺り合わされている状態である(白矢印参照)。なお、説明の便宜のために、この状態となる回転体620の姿勢(回転角度)を回転位相「0°」とする。
その後、回転体620の回転が進行した図12(b)では、上記第1刃先部621のR1−R1断面よりやや右側にずれたR2−R2断面で表される部分が、第2刃先部631bへ接触し摺り合わされている状態である(白矢印参照)。このときの回転体620の上記回転位相は例えば「4°」である。
その後、さらに回転体620の回転が進行した図12(c)では、上記第1刃先部621のR2−R2断面よりやや右側にずれた、左右方向中央部のMID−MID断面で表される部分が、第2刃先部631bへ接触し摺り合わされている状態である(白矢印参照)。このときの回転体620の上記回転位相は例えば「8°」である。
その後、さらに回転体620の回転が進行した図12(d)では、上記第1刃先部621のMID−MID断面よりやや右側にずれたL2−L2断面で表される部分が、第2刃先部631bへ接触し摺り合わされている状態である(白矢印参照)。このときの回転体620の上記回転位相は例えば「12°」である。
その後、さらに回転体620の回転が進行した図12(e)では、上記第1刃先部621のL2−L2断面よりやや右側にずれた、右端部近くのL1−L1断面で表される部分が、第2刃先部631bへ接触し摺り合わされている状態である(白矢印参照)。このときの回転体620の上記回転位相は例えば「16°」である。
以上のようにして順次移行する第1刃先部621bと第2刃先部631bとの接触部位にラベル用テープ3Aを導入することにより、上記左端部においてラベル用テープ3Aへの切り込みを開始した後、徐々に上記右方へと直線的にラベル用テープ3Aを切り進めることができる。そしてこのとき、前述の角度αがシャー角として機能するので、比較的小さいせん断力で円滑に切断を行うことができる。
<本実施形態の要部>
上記構成において、本実施形態の要部は、上記したラベル用テープ3Aの切断時に粘着層3bによって第1刃先部621bに付着したラベル用テープ3Aを、引き剥がすことで、切断動作の円滑化を図ることにある。以下、その詳細を図13〜図15により説明する。
<ラベル剥がしシャフト、ラベル剥がし板、天板>
図13(a)〜(c)に示すように、本実施形態においては、第1平刃621を備えた回転体620における、一方側の第1ブラケット622と他方側の第2ブラケット623との間に、ラベル剥がしシャフト901(回転側剥がし部材)が架設されている。このとき、このラベル剥がしシャフト901は、上記第1平刃621から所定の遅れ位相角(この例では約90°)で遅れて回転するように、配置されている(図13(c)及び後述の図15も参照)。
また、第1刃先部621bの回転範囲である上記回転軌跡rの外となるように、筐体612にラベル剥がし板902(固定側剥がし部材)が固定されている。このラベル剥がし板902は、筐体612の第1壁面613と第2壁面614との間に、上記第1刃先部621bの回転半径の近傍となるよう架設されている。
さらに、第1刃先部621bの回転範囲である上記回転軌跡rの外で、かつ、当該回転体620の回転方向に沿ってラベル剥がし板902の位置よりも回転進み側となる位置(この例では筐体612の上部)に、天板(受け止め部材)903が設けられている。天板903は、筐体612の、第1壁面613と第2壁面614との間に架設されている。
<比較例>
次に、上記したラベル剥がしシャフト901、ラベル剥がし板902、天板903の各構成に基づく作用効果を、比較例を参照しつつ説明する。図14(a)〜図14(h)に、上記シャフト901、ラベル剥がし板902、天板903が設けられていない比較例における、テープ搬送・切断挙動を回転角度に沿って順を追って示す。なお、各図中に、前述の回転位相「−20°」を基準にした回転位相の値を示している。また、図示の煩雑さをなくすため、図14(a)のみに各構成部材の符号を付し、その他の図14(b)〜図14(h)には、ラベル用テープ3Aの符号のみを付してその他の符号を省略している。
まず、図14(a)は、回転体620の上記回転位相が「−20°」の状態である。このタイミングでは、第1刃先部621bは、略水平状態となっており、第2刃先部631bの位置まで未だ到達していない。
図14(b)は、回転体620の上記回転位相が「0°」の状態であり、安定した切断準備完了状態にあるラベル用テープ3Aを挟むように、第1刃先部621bが上側から第2刃先部631bに接触し、互いに擦り合わせる。これによりラベル用テープ3Aの切断が開始される。このようにして回転位相「0°」で切断を開始した後、前述したように回転位相「16°」程度までの間、第1刃先部621bと第2刃先部631bとの擦り合わせが実行され、ラベル用テープ3Aに対し直線的な切断が実行される。
図14(c)は、上記の状態から回転体620の回転がさらに少し進んだ、回転位相「60°」の状態である。前述したようにラベル用テープ3Aは前述のように粘着剤層3bを備えている。この結果、上記回転位相「0°」の切断時に切断面から粘着剤層3bの粘着剤が露出し、その露出した粘着剤によって、当該切断位置CPのラベル用テープ3Aの端部(切断部)が第1刃先部621bに付着している。これにより、図14(c)に示すように、当該切断部よりも搬送方向前方(図示右側)のラベル用テープ3A(すなわち上記印字ラベルTとなる切断物。以下同様)が第1刃先部621bに対し片持ちぶら下がり状態となり、その状態で第1平刃621とともに上記回転方向に沿って回転している。なお、このとき同時に、上記切断位置よりも後方にある(=後続の)ラベル用テープ3Aについても前方(図示右側)へと搬送され、第1刃先部621bの回転軌跡rの内側に導入されている。
図14(d)は、回転体620の回転がさらに少し進んだ回転位相「120°」の状態である。上記付着したラベル用テープ3A(切断物)は第1平刃621に随伴したままの状態で回転を続けている。なお、上記切断位置よりも後方にある(=後続の)ラベル用テープ3Aはさらに前方(図示右側)へと搬送される。
以後同様にして、図14(e)は、回転体620の回転がさらに少し進んだ回転位相「200°」の状態、図14(f)は、回転体620の回転がさらに少し進んだ回転位相「230°」の状態、図14(g)は、回転体620の回転がさらに少し進んだ回転位相「260°」の状態、図14(h)は、回転体620の回転が回転位相「360°」の状態である。これらの図に示すように、上記付着したラベル用テープ3A(切断物)が第1刃先部621bに随伴した状態のまま回転位相「360°」まで第1平刃621とともに1回転している。その結果、図14(h)に示す時点で切断対象となる上記後続のラベル用テープ3Aに対する第1平刃621の切断動作や、さらにそれ以降の第1平刃621の切断動作に支障をきたすこととなる。
<実施形態の挙動>
図15(a)〜図15(g)に、ラベル剥がしシャフト901、ラベル剥がし板902、天板903を備えた本実施形態におけるラベル用テープ3Aの搬送・切断挙動を、前述の回転角度に沿って順を追って示す。なお、上記同様、図示の煩雑さをなくすため、図15(a)のみに各構成部材の符号を付し、その他の図15(b)〜図15(h)には、ラベル用テープ3Aの符号のみを付してその他の符号を適宜省略している。
まず、図15(a)〜(d)に示す、上記回転位相「−20°」〜「120°」の状態は、前述の上記図14(a)〜(d)と同様である。すなわち、第1刃先部621bが上側から第2刃先部631bに接触し互いに擦り合わせ、ラベル用テープ3Aの切断が開始される。その切断の際にラベル用テープ3Aの端部(切断部)が第1平刃621の刃先に付着することで、当該切断位置よりも搬送方向前方(図示右側)のラベル用テープ3A(切断物)が第1平刃621とともに上記回転方向に沿って回転する。
そして、本実施形態では、図15(d)に示す状態から回転体620の回転が少し進んだ状態(各請求項記載の所定の回転方向位置に相当)になると、前述のようにラベル剥がしシャフト901が、第1平刃621から所定の遅れ位相角(例えば90°)をもって回転してくることから、当該ラベル剥がしシャフト901が、ラベル用テープ3A(切断物)に対し径方向内側から接するようになる(後述の図15(e)参照)。この結果、ラベル剥がしシャフト901は、上記のように付着して第1平刃621とともに回転するラベル用テープ3A(切断物)に対し、径方向外側への反力を与える(後述の図15(e)中矢印ア参照)。なお、このラベル剥がしシャフト901による反力付与状態は、これ以降、後述のようにして付着が解除されるまで引き続き継続される。
図15(e)は、回転体620の回転が上記よりもさらに少し進んだ、回転位相「260°」の状態である。この状態になると、上記ラベル用テープ3A(切断物)に対し、ラベル剥がし板902が径方向外側から接触する。このとき、前述のようにして第1刃先部621bに付着したままのラベル用テープ3A(切断物)は、上記ラベル剥がしシャフト901による上記押圧によって径方向外側へと向かおうとする。しかしながら、上述のように当該ラベル用テープ3A(切断物)に対しラベル剥がし板902が径方向外側から接触することで、その後のラベル用テープ3A(切断物)は、上記径方向外側への移動がラベル剥がし板902によって拘束される(図15(e)中矢印イ参照)。上記の結果、図15(e)に示すように、ラベル用テープ3A(切断物)は、第1刃先部621bとの付着部位から、ラベル剥がしシャフト901との接触部位(反力付与部位)を経て、ラベル剥がし板902との接触部位(拘束部位)に至るまでの形状が、径方向外側に膨らむような弓なり形状となる。
なお、この際、図15(e)に示すように、ラベル剥がしシャフト901は、ラベル剥がし板902がラベル用テープ3A(切断物)に対し径方向外側から接したときに、第1刃先部621b及びラベル用テープ3A(切断物)の付着部位AP1と、ラベル剥がし板902及びラベル用テープ3A(切断物)の接触部位AP2と、を結んだ平面Qよりも径方向外側となるように、回転体620に設けられている。
図15(f)は、回転体620の回転が上記よりもさらに少し進んだ、回転位相「270°」の状態である。上記の弓なり形状の形成の結果、図15(e)以降の回転の進行とともに、ラベル用テープ3A(切断物)には前述のラベル剥がし板902の拘束から逃れようとするたわみ反発力が蓄積され、その反発力はラベル用テープ3Aの上記切断部(すなわち第1刃先部621bへの付着部位AP1。図15(e)参照)に対し径方向外側へと作用する。図15(f)に示す状態では、上記たわみ反発力が上記付着部位AP1での上記付着力を上回り、これによって上記付着が解放された状態である。この状態では、上記のようにして第1刃先部621bへの付着が解放されたラベル用テープ3Aの端部(切断部)が、天板903によって受け止められている。このようにして、ラベル用テープ3A(切断物)が第1平刃621の第1刃先部621bから引き剥がされる。
図15(g)は、回転体620の回転が上記よりもさらに少し進んだ、回転位相「300°」の状態である。上記のようにして付着から解放され、径方向外側へと弾けるラベル用テープ3A(切断物)が、天板902によって受け止められた後に、天板902から下方に離れている。なお、この状態の後、さらに回転体620の回転が進むと、上記図15(a)に示した切断開始前の状態となり、同様の手順が繰り返される。
なお、上記においては、ラベル用テープ3Aの送り速度と第1刃先部621bの周速度とを略同じとしたが、これに限られない。すなわち、例えばラベル用テープ3Aを比較的短い長さに切断したい場合には、ラベル用テープ3Aの送り速度よりも第1刃先部621bの周速度を速くしても良い。
以上説明したように、本実施形態においては、ラベル剥がしシャフト901の押圧接触とラベル剥がし板902との協働による拘束により、第1刃先部621bに付着したラベル用テープ3A(切断物)に、上記拘束から逃れようとするたわみ反発力が蓄積される。そして、回転体620がある回転方向位置となると、上記たわみ反発力が上記付着部位での付着力を上回ることで、上記付着が解放される。このようにして、本実施形態では、ラベル用テープ3Aを第1刃先部621bから容易に引き剥がすことができる。この結果、その後の円滑な切断動作を確保することができる。
また、本実施形態では特に、上記所定の回転方向位置になったときに、ラベル剥がしシャフト901がラベル用テープ3A(切断物)に対し径方向外側への反力の付与を確実に開始し、以降継続する。これにより、その後のラベル剥がし板902による拘束によって、ラベル用テープ3Aにおける上記たわみ反発力の蓄積を確実に行わせることができる。
また、本実施形態では特に、ラベル剥がしシャフト901の位置は、ラベル用テープ3A(切断物)の上記付着部位AP1からラベル剥がしシャフト901との接触部位(反力付与部位)を経て上記接触部位AP2に至るまでの形状が上記弓なり形状となる(図15(e)参照)ように、配置されている。これにより、比較的大きなたわみ反発力を迅速かつ確実に蓄積することができる。この結果、早期にラベル用テープ3Aの上記第1刃先部621bへの付着を解放し、第1平刃621から容易に引き剥がすことができる。
また、本実施形態では特に、ラベル剥がし板902より回転進み側に、天板903を設けている。これにより、上記付着から解放されたラベル用テープ3A(切断物)を受け止めて予期せぬ方向へ飛散するのを防止し、ラベル用テープ3Aを所望の態様に集積することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)ラベル剥がしシャフトの遅れ位相角が小さく設定される場合
本変形例では、上記ラベル剥がしシャフト901の第1平刃621からの遅れ位相角が、上記実施形態よりも小さく(この例では例えば10°未満として)構成される。すなわち、図16(a)〜図16(g)に示すように、ラベル剥がしシャフト901は、第1平刃621の回転方向とは反対側に比較的近接して配置される。
図16(a)〜図16(g)に、本変形例によるラベル剥がしシャフト901を備えたラベル用テープ3Aの搬送・切断挙動を、前述の回転角度に沿って順を追って示す。上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付している。なお、上記同様、図示の煩雑さをなくすため、図16(a)のみに各構成部材の符号を付し、その他の図16(b)〜図16(h)には、ラベル用テープ3Aの符号のみを付してその他の符号を適宜省略している。
まず、図16(a)〜図16(d)は、上記した本実施形態における図15(a)〜図15(d)とほぼ同等の挙動であるので、説明を省略する。図16(d)に示す状態から回転体620の回転が少し進んだ状態(各請求項記載の所定の回転方向位置に相当)になると、ラベル剥がしシャフト901が、第1平刃621から所定の遅れ位相角(但しこの例では10°未満の小さい値)をもって回転してくることから、ラベル用テープ3A(切断物)に対し径方向内側から接するようになる(後述の図16(e)参照)。この結果、ラベル剥がしシャフト901は、付着して第1平刃621とともに回転するラベル用テープ3A(切断物)に対し、径方向外側への反力を与える(後述の図16(e)中矢印ウ参照)。なお、このラベル剥がしシャフト901による反力付与状態は、これ以降、後述のようにして付着が解除されるまで引き続き継続される。
図16(e)は、回転体620の回転が上記よりもさらに少し進んだ、回転位相「200°」の状態である。この状態になると、上記ラベル用テープ3A(切断物)に対し、ラベル剥がし板902が径方向外側から接触する。第1刃先部621bに付着したままのラベル用テープ3A(切断物)は、上記ラベル剥がしシャフト901による上記押圧によって径方向外側へと向かおうとする。前述と同様、このとき当該ラベル用テープ3A(切断物)に対しラベル剥がし板902が径方向外側から接触することで、その後のラベル用テープ3A(切断物)は、上記径方向外側への移動がラベル剥がし板902によって拘束される(図16(e)中矢印エ参照)。上記の結果、図16(e)に示すように、ラベル用テープ3A(切断物)は、第1刃先部621bとの付着部位から、ラベル剥がしシャフト901との接触部位を経て、ラベル剥がし板902との接触部位AP2に至るまでの形状が、径方向外側に膨らむような弓なり形状となる。
図16(f)は、回転体620の回転が上記よりもさらに少し進んだ、回転位相「230°」の状態である。上記の弓なり形状の形成の結果、上記実施形態と同様、図16(e)以降の回転の進行とともに、ラベル用テープ3A(切断物)には前述のラベル剥がし板902の拘束から逃れようとするたわみ反発力が蓄積され、その反発力はラベル用テープ3Aの上記切断部(すなわち第1刃先部621bへの付着部位AP1。図16(e)参照)に対し径方向外側へと作用する。
その後、回転体620の回転が上記よりもさらに少し進んだ図16(g)に示す回転位相「240°」の状態で、上記たわみ反発力が上記付着部位AP1での上記付着力を上回り、これによって上記付着が解放された状態である。この状態では、上記のようにして第1刃先部621bへの付着が解放されたラベル用テープ3Aの端部(切断部)が、天板903によって受け止められている。このようにして、本変形例によっても、上記実施形態と同様の手法によって、ラベル用テープ3A(切断物)が第1平刃621の第1刃先部621bから引き剥がされる。
本変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得る。すなわち、ラベル剥がしシャフト901の押圧接触とラベル剥がし板902との協働による拘束によりラベル用テープ3A(切断物)にたわみ反発力が蓄積される。回転体620がある回転方向位置となって上記たわみ反発力が上記付着部位での付着力を上回ったときに、ラベル用テープ3Aを第1刃先部621bから容易に引き剥がすことができる。この結果、その後の円滑な切断動作を確保することができる。
(2)フィルムを用い回転側剥がし部材を構成する場合
すなわち、図17に示すように、本変形例では、回転側剥がし部材として、(上記ラベル剥がしシャフト901に代えて)略Ω状に折り曲げられたフィルム部材901′が用いられる。このとき、フィルム部材901′のうち上記折り曲げた部分が先端部962′となり、この先端部962′を挟んだ両側の基部961′が回転軸650に固定される。上記先端部962′が、上述と同様にラベル用テープ3A(切断物)に径方向内側から接触し径方向外側へ押圧する。このようなフィルム部材901′を用いることによっても、上記実施形態のラベル剥がしシャフト901と同様の効果を得ることができる。
(3)ワイヤー等を用いて回転側剥がし部材を構成する場合
すなわち、図18に示すように、本変形例では、回転側剥がし部材として、(上記ラベル剥がしシャフト901に代えて)、ワイヤー(あるいはピアノ線等)を用いた支持構造体901″が用いられる。すなわち、支持構造体901″は、回転軸650の左右対称位置に径方向に沿って2つ設けられたアーム状の基部961″と、それら2つの基部961″を架け渡すようにワイヤー962″が止め具962a″を介し固定されている。上記ワイヤー962″が、上述と同様にラベル用テープ3A(切断物)に径方向内側から接触し径方向外側へ押圧する。このような支持構造体901″によっても、上記実施形態のラベル剥がしシャフト901と同様の効果を得ることができる。
(4)その他
なお、以上においては、第2平刃631の第2基部631aの面方向を回転軸心Oと所定間隔を介し平行とするとともに、第2基部631aの面方向と直交する側面方向から見たとき第2刃先部631bを含む直線と上記回転軸心Oとが所定の角度αをもって配設されたロータリーカッタ装置610に本発明を適用した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、回転体620が、回転軸心Oと交わる平面上において回転軸心Oから離間した位置に配置され、一方側の端部による回転軌跡の径方向寸法が他方側の端部による回転軌跡の径方向寸法よりも大きくなるように回転軸心Oに対して傾斜して配置された、平刃取付部624と、平刃取付部624の他方側に対応した第1平刃621の他方側の端部が、平刃取付部624の一方側に対応した第1平刃621の一方側の端部よりも、周方向において大きく突出するように設けられることで、第1平刃621の一方側の端部と他方側の端部とが同一径の回転軌跡となるように、当該第1平刃621を平刃取付部624に対して支持する平刃支持部と、を有し、保持体630が、上記回転軸心Oと所定間隔を介し略平行となるように第2平刃631を保持可能な保持部632を備えるような、ロータリーカッタ装置610に本発明を適用してもよい。
上記構成のロータリーカッタ装置610においても、第1平刃621の一方側の端部と、第1平刃621の他方側の端部とが、互いに同一径の回転軌跡となる結果、回転体620の第1平刃621は一方側から他方側までの全域にわたって回転軸心Oから概ね同一距離を保って回転する。したがって、回転軸心Oから当該同一となる所定距離だけ離れた位置にラベル用テープ3Aを導入することで、第1平刃621の一方側から他方側までの全域によってラベル用テープ3Aに対しほぼ直線的な切断を行うことができる。そして、このようなロータリーカッタ装置610において、上記同様のラベル剥がしシャフト901等を設けることにより、上記同様の効果を得ることができる。
なお、以上においては、ラベル用テープ3Aに対し印字を行って切断し印字ラベルTを作成したが、これに限られない。すなわち、ラベル用テープ3Aとしての被印字テープに印字を行った後に基材テープと貼り合わせ、その貼り合わせたテープを切断して印字ラベルTを作成する方式(いわゆるラミネートタイプ)に本発明を適用してもよい。この場合も同様の効果を得る。
なお、以上において、図4中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
なお、その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 ラベル作成装置本体
3A ラベル用テープ(被切断物、切断物)
610 ロータリーカッタ装置
612 筐体
620 回転体
621 第1平刃(回転刃)
621b 第1刃先部
630 保持体
631 第2平刃(固定刃)
631b 第2刃先部
632 保持部
650 回転軸(回転軸部材)
901 ラベル剥がしシャフト(回転側剥がし部材)
902 ラベル剥がし板(固定側剥がし部材)
903 天板(受け止め部材)

Claims (3)

  1. 筐体と、
    所定の回転方向に沿って回転可能に前記筐体に支持され、第1刃先部を含む回転刃を設けた回転体と、
    前記筐体に支持され、第2刃先部を含む固定刃を設けた保持体と、
    を有し、
    前記第1刃先部が前記回転方向の一方側から前記第2刃先部に接触し互いに擦り合わせることにより、前記第2刃先部の近傍を通る経路に位置する被切断物を切断して切断物とするロータリーカッタ装置であって、
    前記回転刃から所定の遅れ位相角をもって前記回転体に設けられ、前記切断の実行時に前記第1刃先部に切断部が付着し前記回転刃とともに回転する前記切断物に対し径方向内側から接して径方向外側への反力を与える、回転側剥がし部材と、
    前記回転体の前記第1刃先部の回転範囲外でかつ当該第1刃先部の回転半径の近傍となるように前記筐体に対し固定され、前記切断物に対し径方向外側から接して当該径方向外側への移動を拘束する、固定側剥がし部材と、
    前記回転体の前記第1刃先部の回転範囲外でかつ前記回転体の前記回転方向に沿って前記固定側剥がし部材よりも回転進み側となるように前記筐体に設けられ、前記第1刃先部への付着が解放された前記切断物の前記切断部を受け止める、受け止め部材と、
    を有することを特徴とするロータリーカッタ装置。
  2. 請求項1記載のロータリーカッタ装置において、
    前記回転側剥がし部材は、
    前記回転体の所定の回転方向位置において前記切断物に対する接触を開始するとともに、当該回転方向位置以降は当該切断物に対する径方向外側への前記反力の付与を継続する
    ことを特徴とするロータリーカッタ装置。
  3. 請求項2記載のロータリーカッタ装置において、
    前記回転側剥がし部材は、
    前記固定側剥がし部材が前記切断物に対し径方向外側から接したときに、前記第1刃先部及び前記切断物の付着部位と前記固定側剥がし部材及び前記切断物の接触部位とを結んだ平面よりも径方向外側となるように、前記回転体に設けられている
    ことを特徴とするロータリーカッタ装置
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