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JP6009915B2 - 内視鏡装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内視鏡装置に関し、特に、内視鏡の先端部に設けられた対物レンズの曇りを防止する内視鏡装置に関する。
従来、照明光を照射し体腔内の内視鏡画像を得る内視鏡装置が広く用いられている。この種の内視鏡装置は、内視鏡の先端部の温度が体腔内より低いため、内視鏡を体腔内に挿入した際に先端部の対物レンズが曇ってしまい、鮮明な画像を得ることができないことがある。そのため、内視鏡装置には、先端部の対物レンズの曇りを防ぐ機能を持つものもある。
例えば、特許文献1には、内視鏡先端部表面に設けられた先端温度計と、先端部から突出した周囲温度計と、先端部内部の撮像素子付近に設けられた電子回路とを有する軟性内視鏡を備えた内視鏡装置が開示されている。ここで先端温度計は、撮像レンズ(対物レンズ)及び2つの照明レンズの中心から略等しい位置に設けられ、先端部に設けられる発熱体である電子回路及び2つの照明レンズから均等に影響を受け、正確な先端部の温度を測定することが可能となると開示されている。
この内視鏡装置は、先端温度計で測定した先端の温度と、周囲温度計で測定した周囲の温度との差分値を用いて、電子回路に流れる電流の制御を行う。それにより、先端部の温度を上昇させて先端部のレンズの曇りを防ぐようにしている。
特開2008−259611号公報
一方、硬性内視鏡では、対物レンズが最も曇りやすいため、対物レンズの温度を制御することが重要となる。しかしながら、特許文献1の軟性内視鏡のように、先端温度計を先端部表面に、電子回路を先端部内部の撮像素子付近に設けると、先端温度計と発熱体である電子回路の距離が離れているため、電子回路の発熱有無に起因する温度変化の影響は、遅延して先端温度計に測定される。たとえば、先端温度計で測定した温度が所定温度となり、電子回路の発熱を停止させたとしても、発熱停止前に電子回路によって発生した熱はその後先端部に伝達されて過剰に先端部を加熱してしまい、体腔内で許容可能な温度を超えるおそれがある。したがって、特許文献1の軟性内視鏡においては、対物レンズの温度を適切に制御することができないという問題がある。
そこで、本発明は、対物レンズの温度を適切に制御して、曇りを防ぐことができる内視鏡装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様の内視鏡装置は、内視鏡の先端部に設けられた対物レンズと、前記対物レンズの周辺に設けられた照明レンズと、前記対物レンズに当接して設けられ、発熱する加熱部材と、前記先端部に設けられ、前記対物レンズに当接された第1の温度センサと、前記先端部であって前記対物レンズを挟んで前記照明レンズに対向する側に設けられ、かつ前記対物レンズの基端側に設けられた撮像素子によって規定される上下方向の下方向に設けられた第2の温度センサと、前記第1の温度センサと前記第2の温度センサとが検知した温度を基に、前記第2の温度センサで検知した温度より前記第1の温度センサで検知した温度が高くなるように前記加熱部材を制御する制御部とを有する。
本発明の内視鏡装置によれば、加熱部材は被加熱部材である対物レンズに当接されているので、加熱部材の熱は遅延なく対物レンズに伝達される。第1の温度センサは対物レンズに当接して設けられているので、直接に対物レンズの温度を測定できる。また、第2の温度センサは、照明光により発熱体となる照明レンズから離間して、対物レンズを挟んで対向する側に配置したので、照明レンズの発熱の影響を受けることなく環境温度を正確に測定できる。したがって、第1の温度センサと第2の温度センサが正確に測定対象の温度を測定できるので、その測定値に基づいて正確に加熱部材を制御でき、遅延なく対物レンズが加熱されるので対物レンズの温度を適切に制御して、曇りを防ぐことができる。
第1の実施の形態に係る内視鏡装置の構成を示す図である。 内視鏡システム1の電気的な構成について説明するための図である。 挿入部11の先端部の構成について説明するための図である。 内視鏡システム1aの電気的な構成について説明するための図である。 挿入部11の先端部の構成について説明するための図である。 内視鏡システム1bの電気的な構成について説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
まず、図1を用いて、第1の実施の形態の内視鏡装置の全体構成について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る内視鏡装置の構成を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態の内視鏡装置である内視鏡システム1は、硬性内視鏡(以下、単に内視鏡という)2と、光源装置3と、ビデオプロセッサ4と、モニタ5と、によって、主に構成されている。
内視鏡2は、硬質な挿入部11に連設された操作部12と、この操作部12に設けられたスイッチ類13と、操作部12から延出する複合ケーブルであるユニバーサルケーブル14と、このユニバーサルケーブル14の延出端に配設された光源コネクタ15と、この光源コネクタ15の側部から延出する電気ケーブル16と、この電気ケーブル16の延出端に配設された電気コネクタ17と、を有して構成されている。なお、光源コネクタ15は、光源装置3に着脱自在に接続される。また、電気コネクタ17は、ビデオプロセッサ4に着脱自在に接続される。
ビデオプロセッサ4は、光源装置3、およびモニタ5に電気的に接続されている。ビデオプロセッサ4は、内視鏡2が撮像した画像データを映像信号化して、モニタ5に表示させる。さらに、ビデオプロセッサ4は、内視鏡2の操作部12に配設されたスイッチ類13の操作信号が入力され、これら信号に基づいて、光源装置3を制御するための制御手段である制御装置を構成している。
次に、内視鏡システム1の主に電気的な構成について、図2及び図3に基づいて、以下に説明する。図2は、内視鏡システム1の電気的な構成について説明するための図であり、図3は、挿入部11の先端部の構成について説明するための図である。
図2に示すように、光源装置3は、キセノンランプ、ハロゲンランプあるいはLED等の光源21を有して構成されている。また、ビデオプロセッサ4は、映像信号処理部22と、温度制御部23とを有して構成されている。
挿入部11の先端部24には、対物レンズ25が配置されている。対物レンズ25の結像位置には、撮像ユニット26の撮像素子26aが配置されている。また、対物レンズ25の後端側には、対物レンズ25を温めるための加熱部材27と、対物レンズ25の温度を検知する第1の温度センサ28とが当接して配置されている。
また、挿入部11の先端部24には、被写体に照明光を出射する照明レンズ29と、挿入部11の先端部24の外部環境の温度を検知する第2の温度センサ30とが配置されている。照明レンズ29は、図3に示すように、対物レンズ25の周囲に設けられ、かつ、UP側(図3の上方向)に2つ配置されている。ここでUP側とは、対物レンズ25の基端側に設けられた撮像素子26aにおいて規定される上方向に一致し、このUP側を重力方向の上方向に向けて撮像することで、重力方向における上下方向がモニタ5においても正しい上下方向に表示される方向である。したがって、本実施例の内視鏡1のように硬性で腹腔鏡などに使用されるものは、腹壁から腹腔へ挿入することで、UP側は腹壁に近く、UP側の反対側であるDOWN側(図3の下方向)は肝臓等の被観察臓器に近くなる。また、第2の温度センサ30は、対物レンズ25の周囲に設けられ、かつ、被観察臓器に近いDOWN側に設けられている。なお、第2の温度センサ30は、DOWN側であれば、先端部24の側面に設けても良い。
照明レンズ29の周辺は、照明光の影響で周囲より高温になるため、外部環境の温度を正確に測定できない。そのため、第2の温度センサ30は、照明レンズ29の周辺を避けて配置されている。即ち、第2の温度センサ30は、対物レンズ25を挟んで照明レンズ29と対向する側に配置され、照明レンズ29から出射される照明光の温度の影響を受けないようにしている。なお、図2の挿入部11の断面は、図3のIII−III線に沿う断面図である。
照明レンズ29の後端側には、照明光を伝送するライトガイド31の先端部が配置されている。ライトガイド31の基端部は、光源コネクタ15に配置され、光源装置3の光源21に接続されている。光源21からの照明光は、ライトガイド31に伝送され、照明レンズ29から被写体に照射される。
被写体からの戻り光は、CCDやCMOS等で構成される撮像素子26aで結像される。撮像素子26aは、結像された光学像を光電変換して撮像信号を生成する。撮像素子26aには、撮像素子用ケーブル32(以下、単にケーブル32という)が接続されている。このケーブル32は、電気コネクタ17を介してビデオプロセッサ4の映像信号処理部22に接続される。これにより、撮像素子26aにより生成された撮像信号は、ケーブル32を介してビデオプロセッサ4の映像信号処理部22に供給される。
映像信号処理部22は、供給された撮像信号に所定の映像信号処理を施し、得られた映像信号を電気的に接続されているモニタ5に出力し、内視鏡画像をモニタ5に表示する。
加熱部材27には、加熱部材用ケーブル33(以下、単にケーブル33という)が接続され、第1の温度センサ28には、第1の温度センサ用ケーブル34(以下、単にケーブル34という)が接続され、第2の温度センサ30には、第2の温度センサ用ケーブル35(以下、単にケーブル35という)が接続されている。ケーブル33〜35は、電気コネクタ17を介してビデオプロセッサ4の温度制御部23に接続されている。
第1の温度センサ28は、対物レンズ25の温度を検知し、検知した値をケーブル34を介して温度制御部23に出力する。また、第2の温度センサ30は、挿入部11の先端部24の外部環境の温度を検知し、検知した値をケーブル35を介して温度制御部23に出力する。
制御部としての温度制御部23は、第1の温度センサ28で検知した対物レンズ25の温度と、第2の温度センサ30で検知した外部環境の温度とに基づき、第1の温度センサ28で検知した対物レンズ25の温度が第2の温度センサ30で検知した外部環境の温度より高くなるように、加熱部材27を制御する。
加熱部材27は、例えばヒーターであり、温度制御部23の制御により、ケーブル33を介して電圧を印加することにより発熱し、対物レンズ25を加熱する。
ここで、このように構成された内視鏡システム1における対物レンズ25の温度制御について説明する。
温度制御部23には、第2の温度センサ30で検知された外部環境の温度がケーブル35を介して入力される。温度制御部23は、例えば、第2の温度センサ30で検知された外部環境の温度が37℃の場合、対物レンズ25の温度が39〜40℃になるように、加熱部材27を制御する。このとき、温度制御部23は、第1の温度センサ28で検知されケーブル34を介して入力された対物レンズ25の温度を参照しながら、ケーブル33を介して加熱部材27に電圧を印加する。
また、温度制御部23は、例えば、第2の温度センサ30で検知された外部環境の温度が39℃の場合、対物レンズ25の温度が41〜42℃になるように、加熱部材27を制御する。
このように、温度制御部23は、第2の温度センサ30で検知した外部環境の温度より、第1の温度センサ28で検知した温度、即ち、対物レンズ25の温度が高くなるように、加熱部材27を制御する。これにより、対物レンズ25の温度を外部環境の温度より高い所定の温度範囲内に保ち、対物レンズ25の曇りを防止する。
以上のように、内視鏡システム1は、第2の温度センサ30で検知された外部環境の温度に応じて、対物レンズ25の温度を最適に保つようにしている。このとき、加熱部材27は被加熱部材である対物レンズ25に当接されているので、加熱部材27の熱は遅延なく対物レンズ25に伝達される。第1の温度センサ28は対物レンズ25に当接して設けられているので、直接に対物レンズ25の温度を測定できる。また、第2の温度センサ30は、照明光により発熱体となる照明レンズ29から離間して、対物レンズ25を挟んで対向する側に配置したので、照明レンズ29の発熱の影響を受けることなく環境温度を正確に測定できる。したがって、第1の温度センサ28と第2の温度センサ30は正確に測定対象の温度を測定できるので、その測定値に基づいて正確に加熱部材27を制御でき、遅延なく対物レンズ25が加熱される。これにより、内視鏡システム1は、外部環境の温度の変化によって、曇り防止機能の能力が低下することを防ぐことができる。また、第2の温度センサ30をDOWN側に配置したことにより、肝臓等の被観察臓器に近くなり、使用時に肝臓等の臓器に近づいた場合の環境温度変化に対しても適切に加熱部材27を制御でき、過度に対物レンズ25を加熱しないという効果も有する。
よって、本実施の形態の内視鏡装置である内視鏡システムによれば、対物レンズの温度を適切に制御して、曇りを防ぐことができる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。対物レンズ25の曇り易さは、対物レンズ25の温度、外部環境の温度に加え、外部環境の湿度に依存する。そこで、第2の実施の形態では、第1の実施の形態に加え、外部環境の湿度を測定し、対物レンズ25の曇り易さをより正確に判断することで、対物レンズ25をより適した温度に保つことができる内視鏡システムについて説明する。なお、第2の実施の形態の内視鏡システム1aの構成は、図1の内視鏡システム1と同様である。
図4は、内視鏡システム1aの電気的な構成について説明するための図であり、図5は、挿入部11の先端部の構成について説明するための図である。なお、図4及び図5において、それぞれ図2及び図3と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図4に示すように、内視鏡システム1aは、図2の内視鏡システム1の温度制御部23に代わり、温度制御部23aを用いて構成されている。また、図5に示すように、挿入部11の先端部24には、図3の対物レンズ25、2つの照明レンズ29、第2の温度センサ30に加え、湿度センサ41が設けられている。湿度センサ41は、対物レンズ25の周囲のDOWN側に、第2の温度センサ30に隣接して配置されている。また、第2の温度センサ30と湿度センサ41は、DOWN側であれば、先端部24の側面に設けても良い。なお、図4の挿入部11の断面は、図5のV−V線に沿う断面図である。
湿度センサ41には、湿度センサ用ケーブル42(以下、単にケーブル42という)が接続されている。ケーブル42は、電気コネクタ17を介してビデオプロセッサ4の温度制御部23aに接続されている。湿度センサ41は、挿入部11の先端部24の外部環境の湿度を検知し、検知した値をケーブル42を介して温度制御部23aに出力する。
温度制御部23aには、湿度センサ41からの外部環境の湿度に加え、第1の温度センサ28からの対物レンズ25の温度と、第2の温度センサ30(図4では不図示)からの外部環境の温度とが入力される。
温度制御部23aは、湿度センサ41からの外部環境の湿度と、第1の温度センサ28で検知した対物レンズ25の温度と、第2の温度センサ30で検知した外部環境の温度とに基づき、対物レンズ25の温度が所定の温度となるように、加熱部材27を制御する。
ここで、このように構成された内視鏡システム1aにおける対物レンズ25の温度制御について説明する。
一般的に、外部環境の湿度が高くなると、対物レンズ25がより曇り易くなる。そのため、温度制御部23aは、外部環境の湿度が高くなると、対物レンズ25の温度が高くなるように、加熱部材27を制御する。
具体的には、温度制御部23aは、例えば、第2の温度センサ30で検知された外部環境の温度が37℃で、湿度センサ41で検知された外部環境の湿度が30%の場合、対物レンズ25の温度が39〜40℃になるように、加熱部材27を制御する。
これに対し、温度制御部23aは、例えば、第2の温度センサ30で検知された外部環境の温度が37℃で、湿度センサ41で検知された外部環境の湿度が60%の場合、対物レンズ25の温度が40〜41℃になるように、加熱部材27を制御する。
以上のように、内視鏡システム1aは、第1の実施の形態の第1の温度センサ28及び第2の温度センサ30に加え、湿度センサ41を設けて、外部環境の湿度を検知するようにした。そして、内視鏡システム1aは、湿度センサ41からの外部環境の湿度と、第1の温度センサ28で検知した対物レンズ25の温度と、第2の温度センサ30で検知した外部環境の温度とに基づき、対物レンズ25の曇り易さを判断し、対物レンズ25の温度を制御するようにした。
この結果、本実施の形態の内視鏡装置である内視鏡システム1aは、第1の実施の形態の内視鏡システム1に比べ、対物レンズ25をより適した温度に制御して、曇りを防ぐことができる。さらに、湿度センサ41をDOWN側に配置したことにより、肝臓等の被観察臓器に近くなり、使用時に肝臓等の臓器に近づいた場合の環境湿度変化に対しても適切に加熱部材27を制御でき、対物レンズ25の温度をより適切に制御できるという効果も有する。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。第1及び第2の実施の形態で説明した曇り防止機能は、加熱部材27、第1の温度センサ28あるいは第2の温度センサ30が故障した場合、正常に機能しないという問題がある。そこで、第3の実施の形態では、加熱部材27、第1の温度センサ28あるいは第2の温度センサ30の故障を正確に検知することができる内視鏡システムについて説明する。なお、第3の実施の形態の内視鏡システム1bの構成は、図1の内視鏡システム1と同様である。
図6は、内視鏡システム1bの電気的な構成について説明するための図である。なお、図6において、図2と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図6に示すように、内視鏡システム1bは、図2の温度制御部23に代わり、温度制御部23bを用いて構成されている。温度制御部23bは、手術開始前や手術開始後において、第1の温度センサ28や第2の温度センサ30で検知された値に基づき、加熱部材27、第1の温度センサ28あるいは第2の温度センサ30の故障を判断し、故障していると判断した場合には、モニタ5にエラーメッセージを表示し、加熱部材27への電圧の印加を中止する。
なお、加熱部材27、第1の温度センサ28あるいは第2の温度センサ30の故障とは、加熱部材27に接続されているケーブル33、第1の温度センサ28に接続されているケーブル34、あるいは、第2の温度センサ30に接続されているケーブル35の断線も含むものとする。以下に、温度制御部23bによる温度センサの故障検知の具体例を説明する。
ここで、このように構成された内視鏡システム1bのおける故障検知の制御について説明する。
まず、手術開始前の準備で、内視鏡2がビデオプロセッサ4に接続され、ビデオプロセッサ4の電源がONされると、第1の温度センサ28で検知された対物レンズ25の温度と、第2の温度センサ30で検知された外部環境の温度とが温度制御部23bに入力される。
温度制御部23bは、ビデオプロセッサ4の電源ON直後の第1の温度センサ28で検知された値(対物レンズ25の温度)が、所定の設定値(例えば、手術室の気温:20〜25℃)内でない場合、第1の温度センサ28が故障していると判断する。ビデオプロセッサ4の電源ON直後には、加熱部材27は加熱されておらず、第1の温度センサ28で検知された値(対物レンズ25の温度)と、手術室の気温は略同じ値になるので、第1の温度センサ28で検知された値が、所定の設定値内でない場合、第1の温度センサ28が故障していることになる。そして、温度制御部23bは、第1の温度センサ28が故障していると判断すると、加熱部材27への電圧の印加を止めて、映像信号処理部22を介してモニタ5にエラーメッセージを表示する。
また、温度制御部23bは、ビデオプロセッサ4の電源ON直後の第1の温度センサ28で検知された値と、第2の温度センサ30で検知された値とが、所定の設定値(例えば、2℃)以上の差がある場合、第1の温度センサ28及び第2の温度センサ30の少なくとも1つが故障していると判断する。通常、ビデオプロセッサ4の電源ON直後には、加熱部材27は加熱されておらず、第1の温度センサ28で検知された値(対物レンズ25の温度)と、第2の温度センサ30で検知された値(外部環境の温度)とは略同じ値になるので、この2つの温度に所定の設定値以上の差がある場合、第1の温度センサ28及び第2の温度センサ30の少なくとも1つが故障していることになる。そして、温度制御部23bは、第1の温度センサ28及び第2の温度センサ30の少なくとも1つが故障している判断すると、加熱部材27への電圧の印加を止めて、映像信号処理部22を介してモニタ5にエラーメッセージを表示する。
次に、温度制御部23bは、手術開始後、第2の温度センサ30で検知した値(外部環境の温度)が、所定の設定値(例えば、手術室の気温と体腔内の温度の範囲:20〜39℃)内でない場合、第2の温度センサ30が故障していると判断する。そして、温度制御部23bは、第2の温度センサ30が故障していると判断すると、加熱部材27への電圧の印加を止めて、映像信号処理部22を介してモニタ5にエラーメッセージを表示する。
さらに、温度制御部23bは、内視鏡2を体腔内に挿入されていて、第2の温度センサ30で検知した値(外部環境の温度)が、所定の設定値(たとえば、体腔内の温度:36〜38℃)のときに、第1の温度センサ28で検知した値(対物レンズ25の温度)が、第2の温度センサ30で検知した値より高い所定の設定値(例えば、39〜41℃)内でない場合、加熱部材27または第1の温度センサ28が故障していると判断する。そして、温度制御部23bは、加熱部材27または第1の温度センサ28が故障していると判断すると、加熱部材27への電圧の印加を止めて、映像信号処理部22を介してモニタ5にエラーメッセージを表示する。
以上のように、内視鏡システム1bは、第1の温度センサ28で検知された対物レンズ25の温度及び/または第2の温度センサ30で検知された外部環境の温度に基づき、加熱部材27、第1の温度センサ28あるいは第2の温度センサ30の故障を検知するようにした。
この結果、本実施の形態の内視鏡装置である内視鏡システム1bは、加熱部材27、第1の温度センサ28あるいは第2の温度センサ30の故障を正確に検知することができるため、対物レンズの曇りを防ぐ機能を正常に動作させることができ、故障を検知したときは加熱部材27への電圧の印加を止めるとともにモニタ5にエラーメッセージを表示することで安全に使用を中止できる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
1,1a,1b…内視鏡システム、2…内視鏡、3…光源装置、4…ビデオプロセッサ、5…モニタ、11…挿入部、12…操作部、13…スイッチ類、14…ユニバーサルケーブル、15…光源コネクタ、16…電気ケーブル、17…電気コネクタ、21…光源、22…映像信号処理部、23,23a,23b…温度制御部、24…先端部、25…対物レンズ、26…撮像ユニット、26a…撮像素子、27…加熱部材、28…第1の温度センサ、29…照明レンズ、30…第2の温度センサ、31…ライトガイド、32〜35,42…ケーブル、41…湿度センサ。

Claims (5)

  1. 内視鏡の先端部に設けられた対物レンズと、
    前記対物レンズの周辺に設けられた照明レンズと、
    前記対物レンズに当接して設けられ、発熱する加熱部材と、
    前記先端部に設けられ、前記対物レンズに当接された第1の温度センサと、
    前記先端部であって前記対物レンズを挟んで前記照明レンズに対向する側に設けられ、かつ前記対物レンズの基端側に設けられた撮像素子によって規定される上下方向の下方向に設けられた第2の温度センサと、
    前記第1の温度センサと前記第2の温度センサとが検知した温度を基に、前記第2の温度センサで検知した温度より前記第1の温度センサで検知した温度が高くなるように前記加熱部材を制御する制御部と、
    を有することを特徴とする内視鏡装置。
  2. 前記先端部であって前記対物レンズの基端側に設けられた撮像素子によって規定される上下方向の下方向に設けられ、外部環境の湿度を検知する湿度センサを有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置
  3. 前記制御部は、前記第1の温度センサが検知した温度及び/または前記第2の温度センサが検知した温度に基づき、前記加熱部材、前記第1の温度センサまたは前記第2の温度センサの故障を検知することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置
  4. 前記制御部は、前記加熱部材、前記第1の温度センサまたは前記第2の温度センサの故障を検知した場合、前記加熱部材の加熱を中止することを特徴とする請求項に記載の内視鏡装置。
  5. 前記制御部は、前記加熱部材、前記第1の温度センサまたは前記第2の温度センサの故障を検知した場合、モニタにエラーメッセージを表示することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の内視鏡装置。
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