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JP6001324B2 - 車両の車体構造 - Google Patents

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JP6001324B2
JP6001324B2 JP2012116751A JP2012116751A JP6001324B2 JP 6001324 B2 JP6001324 B2 JP 6001324B2 JP 2012116751 A JP2012116751 A JP 2012116751A JP 2012116751 A JP2012116751 A JP 2012116751A JP 6001324 B2 JP6001324 B2 JP 6001324B2
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Description

本発明は、車体の側壁の下端部がわに、スライド式のドアを案内するためのロアレールを取り付けた車両の車体構造に関するものである。
上記車両の車体構造には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、車体構造は、車体の左、右側壁と、略水平方向に延びて上記両側壁の下端部がわに架設されるフロアパネルと、車体の幅方向における上記フロアパネルの中途部を上方に膨出させることにより形成されるトンネル部と、上記側壁に形成されたドア開口を開閉可能とするドアと、車体の前後方向に延びて上記側壁の下端部がわに取り付けられ、上記ドア開口を開閉するよう上記ドアを案内するロアレールと、車体の前後方向で上記ロアレール近傍に配置され、車体の幅方向に延びて上記側壁の下端部がわとトンネル部とに架設されるクロスメンバとを備えている。
そして、ドアに外力を与えて前、後方向に向けて移動させると、このドアは上記ロアレールに案内されて所定の前、後方向に移動し、この移動により上記ドア開口が開閉可能とされる。
一方、車両に対しその外側方から何らかの物体が衝突(側突)したときには、通常、その衝撃力により車体の側壁は車体の内側方に向かって、ある程度屈曲変形することとされる。そして、この変形により上記衝撃力が吸収されて、乗員が保護される。また、この場合、上記クロスメンバは上記側壁の剛性を向上させるものであることから、上記クロスメンバは、その長手方向で上記衝撃力を強固に支持する。このため、この衝撃力による側壁の過大な変形が防止され、これによっても乗員が保護される。
特開2007−8398号公報
ところで、車体の側壁のうち、車体の前後方向で上記クロスメンバと同位置の部分は、このクロスメンバにより、側突時の衝撃力で過大に変形することは防止される。しかし、このクロスメンバを基準とした上記側壁の前、後部分は、上記衝撃力により、車体の内側方に向かってそれぞれ屈曲変形しがちとなる。
ここで、前記ロアレールはドアを案内するものであって、その機能を達成する上で、強度と剛性とを十分に有する部材とされる。このため、上記ロアレールを取り付けている上記側壁の下端部がわの部分は上記ロアレールにより補強されて剛性が向上する。この結果、側突時において、上記側壁の前、後部分のうち、上記ロアレールがより長く存在する側の部分(後部分)の変形は、このロアレールがより短く存在する側の他部分(前部分)のそれよりも小さく抑制され、その分、この他部分の変形は大きくなりがちである。
しかしながら、乗員保護の向上などの理由で、上記側壁の前、後部分のうち、上記ロアレールが長く存在する側の部分(後部分)の変形よりも、上記ロアレールが短く存在する側の他部分(前部分)のそれを意図的に小さくさせたいことがある。しかし、このようにすることは、上記従来の技術では容易でない。
そこで、上記側壁の前、後部分のうち、上記ロアレールがより短く存在する側の他部分に別途の補強材を設けることが考えられる。しかし、単に、このようにすると、側壁の剛性が全体的に過大になって側突時の変形による衝撃力の吸収が不十分になるおそれを生じ、また、車体の構成が複雑になると共に車体の質量が増加して、その生産性が低下するおそれも生じる。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、側突時の衝撃力により車体の側壁が変形しようとするとき、車体のクロスメンバを基準とした側壁の前、後部分のうち、意図的に選んだ一方の部分の変形よりも他部分のそれを小さくさせる、という側壁についての変形のコントロールができるようにし、もって、乗員の保護をより向上させることができるようにすることである。
また、本発明の他の目的は、上記した側突時の車体の側壁についての変形のコントロールが、側壁の剛性を過大にさせたり、車体の生産性を低下させたりすることなく達成できるようにすることである。
請求項1の発明は、車体2の左、右側壁6と、略水平方向に延びて上記両側壁6の下端部がわに架設されるフロアパネル7と、車体2の幅方向における上記フロアパネル7の中途部を上方に膨出させることにより形成されるトンネル部21と、上記側壁6に形成されたドア開口15を開閉可能とするドア34と、車体2の前後方向に延びて上記側壁6の下端部がわに取り付けられ、上記ドア開口15を開閉するよう上記ドア34を案内するロアレール38と、車体2の前後方向で上記ロアレール38近傍に配置され、車体2の幅方向に延びて上記側壁6の下端部がわとトンネル部21とに架設されるクロスメンバ63とを備えた車両の車体構造において、
上記クロスメンバ63は、その長手方向の中途部における前、後部分のうち、このクロスメンバ63を基準として上記ロアレール38がより長く存在する側の部分に脆弱部81が形成されており、上記脆弱部81が設定されていない側のクロスメンバ63の長手方向の各部は車体2の幅方向に直線的に延びていることを特徴とする車両の車体構造である。

なお、この項において、上記各用語に付記した符号や図面番号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、車体の左、右側壁と、略水平方向に延びて上記両側壁の下端部がわに架設されるフロアパネルと、車体の幅方向における上記フロアパネルの中途部を上方に膨出させることにより形成されるトンネル部と、上記側壁に形成されたドア開口を開閉可能とするドアと、車体の前後方向に延びて上記側壁の下端部がわに取り付けられ、上記ドア開口を開閉するよう上記ドアを案内するロアレールと、車体の前後方向で上記ロアレール近傍に配置され、車体の幅方向に延びて上記側壁の下端部がわとトンネル部とに架設されるクロスメンバとを備えた車両の車体構造において、
上記クロスメンバの長手方向の中途部における前、後部分のうち、このクロスメンバを基準として上記ロアレールがより長く存在する側の部分に脆弱部を形成しており、次の効果が生じる。
即ち、車両の側突時の衝撃力により車体の側壁が変形しようとするとき、上記クロスメンバを基準とした側壁の前、後部分のうち、上記ロアレールがより長く存在する側の部分は、このロアレールによる補強がより十分になされる分、その変形は他部分のそれよりも小さくなり、この他部分の変形は大きくなりがちである。
しかし、前記したように、クロスメンバの長手方向の中途部における前、後部分のうち、このクロスメンバを基準として上記ロアレールがより長く存在する側の部分に脆弱部を形成している。
このため、車両の側突時の衝撃力が上記クロスメンバの長手方向に対し与えられたとき、このクロスメンバの脆弱部には圧縮による応力集中が生じ、この脆弱部を中心として上記クロスメンバは谷折れ状に屈曲しがちとなる。よって、前記したように、側突時には、通常、上記側壁においてロアレールがより長く存在する側の部分の変形は、他部分のそれよりも小さくなり、この他部分の変形は大きくなりがちであるが、これに反し、上記した脆弱部を中心としたクロスメンバの屈曲によれば、これに連動させることにより、上記側壁においてロアレールがより長く存在する側の部分の変形を他部分のそれよりも意図的に大きくさせ、この他部分の変形を小さくさせる、という側壁についての変形のコントロールができることとなる。
この結果、側突時に、側壁において、より大きく変形することが予定された部分を予め乗員から離間させることにより、乗員の保護をより向上させることができる。
また、上記した側突時の車体の側壁についての変形のコントロールは、側壁に対し別途に補強材を設けないで達成可能であるため、その分、第1に、上記した変形のコントロールは側壁の剛性を過大にさせることなく達成できる。また、第2に、上記した変形のコントロールは、車体の部品点数の増加を抑制して、この車体の構成が複雑になったり、質量が重くなったりすることを防止しつつ達成できる。また、第3に、上記した変形のコントロールは、車体の部品点数の増加を抑制して達成できるため、車体の生産性を低下させることなく安価に達成できる。
車体内部の右側部の平面図である。 車体の全体側面図である。 図1の部分拡大詳細図である。 図3のIV−IV線矢視拡大断面図である。 図3のV−V線矢視拡大断面図である。 図3のVI−VI線矢視拡大断面図である。 図3で示したものの斜視一部展開図である。
本発明の車両の車体構造に関し、側突時の衝撃力により車体の側壁が変形しようとするとき、車体のクロスメンバを基準とした側壁の前、後部分のうち、意図的に選んだ一方の部分の変形よりも他部分のそれを小さくさせる、という側壁についての変形のコントロールができるようにし、もって、乗員の保護をより向上させることができるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための形態は、次の如くである。
即ち、車両の車体構造は、車体の左、右側壁と、略水平方向に延びて上記両側壁の下端部がわに架設されるフロアパネルと、車体の幅方向における上記フロアパネルの中途部を上方に膨出させることにより形成されるトンネル部と、上記側壁に形成されたドア開口を開閉可能とするドアと、車体の前後方向に延びて上記側壁の下端部がわに取り付けられ、上記ドア開口を開閉するよう上記ドアを案内するロアレールと、車体の前後方向で上記ロアレール近傍に配置され、車体の幅方向に延びて上記側壁の下端部がわとトンネル部とに架設されるクロスメンバとを備える。上記クロスメンバの長手方向の中途部における前、後部分のうち、このクロスメンバを基準として上記ロアレールがより長く存在する側の部分に脆弱部を形成している。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
図において、符号1は、自動車で例示される車両であり、矢印Frは、この車両1の進行方向の前方を示している。また、下記する左右とは、上記前方に向かっての車両1の車体2の幅方向をいうものとする。
車両1の車体2は全体として板金製とされ、この車体2の内部が車室3とされる。上記車体2は、上記車室3の側面を形成する左、右側壁6と、略水平方向に延びて上記車室3の下面を形成し、上記左、右側壁6の各下端部がわに架設されるフロアパネル7と、車体2の幅方向で互いに離れて位置し、それぞれ車体2の前後方向に延びて上記フロアパネル7をその下面側から支持する車体2の骨格部材である左右一対のサイドメンバ8と、上記左、右側壁6の各上端縁部に架設されて上記車室3の上面を形成するルーフパネル9とを備えている。
上記各側壁6は、車体2の幅方向で少し離れて対面し、互いに強固に結合されるアウタ、インナパネル11,12を有している。上記側壁6に、車室3の内外を連通させる前、後ドア開口14,15が形成される。上記側壁6の下端部がわには、上記アウタ、インナパネル11,12の互いの接合により車体2の前後方向に長く延びるロッカ17が形成される。また、上記左、右側壁6のうち、右側壁6の前後方向の中途部であって、上記前、後ドア開口14,15の間には上下方向に延びるセンタピラー18が形成される。上記ロッカ17とセンタピラー18とは、それぞれその長手方向の各部が中空閉断面構造とされて、大きい強度と剛性を有し、車体2の骨格部材とされる。
なお、上記左、右側壁6のうち、左側壁6では、上記前、後ドア開口14,15が一体的に形成されて、上記センターピラー18は設けられていないが、上記側壁6に上記センターピラー18を設けてもよい。
上記フロアパネル7の車体2の幅方向における中途部である中央部20には上方に膨出して強度と剛性とが大きいトンネル部21が形成され、このトンネル部21は前後方向に長く延びている。車体2の平面視(図3)で、上記サイドメンバ8と重なるよう上記フロアパネル7の上面に支持材24が溶接により結合される。この支持材24は、車体2の前後方向で上記センターピラー18と同位置に配置され、上記サイドメンバ8に沿って車体2の前後方向に長く延びている。上記支持材24は板金製で、その長手方向の各部断面がハット形状をなしている。
上記前ドア開口14を車体2の外側方から開閉可能に閉じるドア31が設けられる。また、上記後ドア開口15を車体2の外側方から開閉可能に閉じるスライドドア装置32が設けられ、このスライドドア装置32は、スライド式の後ドア34を有している。上記側壁6の後部における上端部、上下方向の中途部、下端部には、それぞれその外側面に沿って車体2の前後方向に長く延び、上記後ドア開口15を開閉するよう上記後ドア34を前後方向に案内するアッパー、センター、ロアレール36〜38が支持される。そして、これら各レール36〜38には、それぞれその長手方向にのみ移動可能なローラ39が嵌入され、これら各ローラ39に対しそれぞれアーム40により上記後ドア34が支持され、かつ、連結されている。
車体2の前後方向に延び、車体2の外側方に向かって開く開口42を有する板金製の箱状支持体43が設けられる。この箱状支持体43の長手方向の各部断面は車体2の外側方に向かって開くコの字形状とされる。上記箱状支持体43は上記側壁6の後部における下端部がわを構成するロッカ17の内部に配置される。上記箱状支持体43は、上記ロッカ17に対し種々の取付パネル44を用いて溶接により取り付けられ、これら取付パネル44は上記ロッカ17と箱状支持体43とをそれぞれ補強している。
車体2の幅方向で、上記箱状支持体43の開口42に対向する上記ロッカ17のアウタパネル11に他の開口45が形成され、これら両開口42,45の各開口縁部は互いに結合されている。そして、この結合と、上記した取付パネル44による補強とにより、上記ロッカ17と箱状支持体43とはそれぞれ十分に大きい強度と剛性とを有している。前記ロアレール38は、上記箱状支持体43に内有されて、この箱状支持体43内の上面に不図示の締結具や溶接により支持される。そして、上記ロアレール38に嵌入されたローラ39に対し、上記後ドア34が上記各開口42,45を通し上記アーム40により連結されている。
上記箱状支持体43は、上板49と下板50とを互いに結合させることにより形成されている。また、上記箱状支持体43の一端部(前端部)43aは上記側壁6よりも車体2内側方に向かって膨出するよう延出させられている。そして、上記ロアレール38の前端部は、前方に向かうに従い車体2の内側方に向かって徐々に屈曲させられ、この屈曲部が上記箱状支持体43の一端部43aに内有され、この一端部43aに取り付けられている。
一方、上記ロッカ17上部のインナパネル12に車体2の幅方向に貫通する貫通孔46が形成される。そして、上記箱状支持体43の一端部43aは、上記貫通孔46を通し車室3の下端部内に配置される。上記貫通孔46と箱状支持体43の一端部43aとは、それぞれ車体2の前後方向で、上記センターピラー18と同位置に配置される。上記箱状支持体43の一端部43aは前記支持材24に締結具51により結合される。
上記後ドア34を前後方向に移動駆動させるドア駆動ユニット54が設けられる。このドア駆動ユニット54は、上記箱状支持体43の一端部43aの上面に取り付けられて正、逆回転可能に駆動力を出力する電動機55と、上記箱状支持体43に取り付けられ、上記電動機55から出力される駆動力を上記後ドア34に伝達してこの後ドア34を前後方向に移動させる駆動力伝達部56とを備えている。この駆動力伝達部56は、無端式のベルト59と、このベルト59を巻装させる各プーリー60とで主構成されている。
上記ドア駆動ユニット54の電動機55を正、逆回転駆動させれば、その駆動力が上記駆動力伝達部56を介し上記後ドア34に伝達されて、この後ドア34が前、後移動し、上記後ドア開口15が開閉可能とされる。
車体2の幅方向に延びて上記側壁6の下端部がわであるロッカ17上部とトンネル部21上部とに架設される板金製のクロスメンバ63が設けられる。上記電動機55とクロスメンバ63とは、車体2の前後方向で、上記センターピラー18と同位置に配置されると共に上記ロアレール38近傍に配置され、上記電動機55はその上方から上記クロスメンバ63により覆われている。
上記クロスメンバ63は、その長手方向の各部断面がハット形状とされ、車体2の前後方向で少し離れて対面する前、後面板64,65と、これら前、後面板64,65の各上端縁部を互いに一体的に結合する上面板66と、上記前、後面板64,65の各下端縁部に一体的に形成される前、後外向きフランジ67,68とを有している。
上記クロスメンバ63における車体2の外側方端部における上記上面板66および前、後外向きフランジ67,68はそれぞれ締結具71,72により上記ロッカ17の上面に締結される。また、上記クロスメンバ63における車体2の内側方端部における上記上面板66および前、後外向きフランジ67,68はそれぞれ締結具75,76により上記トンネル部21に溶接された板金製ブラケット74に締結される。また、上記クロスメンバ63の長手方向の中途部における前、後外向きフランジ67,68はそれぞれ締結具78により前記支持材24の上面板に締結される。
上記ロッカ17、トンネル部21、およびクロスメンバ63の各上面は互いに略同じ高さとされる。上記クロスメンバ63の長手方向の中途部は、上記支持材24により嵩上げされて、上記クロスメンバ63の下端面は上記フロアパネル7から上方に離間させられている。
上記クロスメンバ63の長手方向の中途部における前、後部分のうち、このクロスメンバ63を基準として上記ロアレール38がより長く存在する側の部分、つまり、後部分に脆弱部81が形成されている。
具体的には、車体2の平面視(図1,3)で、上記クロスメンバ63の長手方向の各部における前がわ部分は、車体2の幅方向に直線的に延びている。上記クロスメンバ63の車体2の外側方がわよりも内側方がわの幅寸法が小さくなるよう、上記クロスメンバ63の長手方向の中途部で、上記クロスメンバ63の後がわ部分が前方に向けて屈曲させられている。より具体的には、上記クロスメンバ63の後面板65と上面板66とで形成される稜線がその長手方向の中途部で屈曲させられている。そして、上記した屈曲部は、何らかの物体83による側突時に、この物体83から上記クロスメンバ63の長手方向に衝撃力Fが与えられるとき、この衝撃力Fに対抗するクロスメンバ63の剛性の断点(応力集中部分)となるもので、上記脆弱部81に相当している。
上記車体3の側部に、乗員84が前方に向かって着座可能な前、後シート85,86が設けられ、これら各シート85,86はそれぞれフロアパネル7側に支持される。この場合、前シート85は左右一対のシートレール87,87によりフロアパネル7側に支持される。また、上記各シートレール87の後部は前記締結具72,76により上記クロスメンバ63に締結され、このクロスメンバ63を介しフロアパネル7に支持される。車体2の前後方向で、上記前シート85の後部は上記センターピラー18およびクロスメンバ63と同位置とされ、上記後シート86は上記センターピラー18およびクロスメンバ63よりも後方に配置されている。
ここで、前記したように、車体2の外側方に向かって開く開口42を有してその内部に上記ロアレール38を支持する箱状支持体43が、上記側壁6の下端部がわであるロッカ17の内部に取り付けられている。
このため、図4で示すように、側突時に、その物体83から上記側壁6に衝撃力Fが与えられたときには、上記箱状支持体43はその開口42が開くよう大きく変形し、上記センターピラー18の上部がわが車体2の内側方に向かって大きく倒れるよう変形しがちとなる。
しかし、前記したように、車体2の幅方向に延びて上記側壁6の下端部がわであるロッカ17の上部とトンネル部21とに架設されるクロスメンバ63を設けている。
このため、上記衝撃力Fは上記クロスメンバ63によりその長手方向で強固に支持される。よって、上記衝撃力Fにより上記箱状支持体43の開口42が開くようこの箱状支持体43が変形することは、上記クロスメンバ63によって、より確実に防止され、乗員84の保護が、より確実に達成される。
ここで、図1で示すように、車両1の側突時に、その物体83から上記側壁6に衝撃力Fが与えられてこの側壁6が変形しようとするときには、上記クロスメンバ63を基準とした上記側壁6の前、後部分のうち、上記ロアレール38がより長く存在する側の部分(後部分)は、このロアレール38による補強がより十分になされる分、その変形は他部分(前部分)のそれよりも小さくなり、この他部分の変形は大きくなりがちである。そして、この側壁6の他部分(前部分)の変形は、車体2の前後方向で、前シート85上の乗員84の上体近傍で生じることから、この乗員84の保護が不十分となりがちである。
しかし、前記したように、クロスメンバ63の長手方向の中途部における前、後部分のうち、このクロスメンバ63を基準として上記ロアレール38がより長く存在する側の部分に脆弱部81を形成している。
このため、特に図1において、車両1の側突時の衝撃力Fが上記クロスメンバ63の長手方向に対し与えられたとき、このクロスメンバ63の脆弱部81には圧縮による応力集中が生じ、この脆弱部81を中心として図1中一点鎖線で示すように上記クロスメンバ63は谷折れ状に屈曲しがちとなる。よって、前記したように、側突時には、通常、上記側壁6においてロアレール38がより長く存在する側の部分(後部分)の変形は、他部分(前部分)のそれよりも小さくなり、この他部分(前部分)の変形は大きくなりがちであるが、これに反し、上記した脆弱部81を中心としたクロスメンバ63の屈曲によれば、 これに連動させることにより、上記側壁6においてロアレール38がより長く存在する側の部分(後部分)の変形を他部分(前部分)のそれよりも意図的に大きくさせ、この他部分の変形を小さくさせる、という側壁6についての変形のコントロールができることとなる。
そして、上記側壁6における他部分(前部分)の変形は、車体2の前後方向で、前シート85の乗員84の上体近傍で生じるが、上記他部分の変形は小さく抑制されることから、この乗員84の保護を向上させることができる。一方、上記側壁6における上記部分(後部分)の変形は大きいが、この部分は、車体2の前後方向で、後シート86上の乗員84の上体から予め離間させてあって脚部側に位置させてあることから、この乗員84の保護も向上させることができる。
また、上記した側突時の車体2の側壁6についての変形のコントロールは、側壁6に対し別途に補強材を設けないで達成可能であるため、その分、第1に、上記した変形のコントロールは、側壁6の剛性を過大にさせることなく達成できる。また、第2に、上記した変形のコントロールは、車体2の部品点数の増加を抑制して、この車体2の構成が複雑になったり、質量が重くなったりすることを防止しつつ達成できる。また、第3に、上記した変形のコントロールは、車体2の部品点数の増加を抑制して達成できるため、車体2の生産性を低下させることなく安価に達成できる。
また、前記したように、クロスメンバ63は上記ドア駆動ユニット54の電動機55をその上方から全体的に覆って、車体2側に支持されている。
このため、上記クロスメンバ63の利用により、簡単な構成で上記電動機55の防水ができると共に、乗員84が電動機55を足踏みすることによるこの電動機55の損傷発生を防止できる。
また、前記したように、後シート86支持用のシートレール87をクロスメンバ63と共に締結具72,76により車体2側に締結している。
このため、上記後シート86の車体2側への支持は上記クロスメンバ63により補強される。よって、上記後シート86の支持に上記したクロスメンバ63が利用された分、この支持は簡単な構成で強固に達成される。
また、上記支持材24によりクロスメンバ63をフロアパネル7から上方に嵩上げしている。
このため、不図示のフロアカーペットの嵩上げが簡単な構成で達成される。
また、上記クロスメンバ63が支持材24により所定位置にまで嵩上げされたことから、その分、上記クロスメンバ63を軽量かつコンパクトにできる。また、上記クロスメンバ63の下端部は上記フロアパネル7から離間してこのフロアパネル7による補強が直接にはなされないため、側突時に、上記クロスメンバ63が脆弱部81を中心として屈曲変形することは円滑かつ確実に得られる。
なお、以上は図示の例によるが、上記ブラケット74は設けなくてもよく、この場合、上記クロスメンバ63における車体2の内側方端部を上記トンネル部21に直接結合してやればよい。また、上記車体2側に対する各締結具71,72,75,76,78によるクロスメンバ63の締結は、これに代えて溶接してもよい。
また、上記脆弱部81は、上記クロスメンバ63の前、後部分に形成される切り欠きや縦向きビードであってもよく、板厚を薄くさせたものであってもよい。
1 車両
2 車体
3 車室
6 側壁
7 フロアパネル
11 アウタパネル
12 インナパネル
15 ドア開口
17 ロッカ
18 センターピラー
20 中央部
21 トンネル部
24 支持材
32 スライドドア装置
34 ドア
38 ロアレール
42 開口
43 箱状支持体
43a 一端部
45 開口
46 貫通孔
49 上板
50 下板
51 締結具
54 ドア駆動ユニット
55 電動機
56 駆動力伝達部
63 クロスメンバ
64 前面板
65 後面板
66 上面板
67 前外向きフランジ
68 後外向きフランジ
81 脆弱部
83 物体
84 乗員
85 前シート
86 後シート
87 シートレール
F 衝撃力

Claims (1)

  1. 車体の左、右側壁と、略水平方向に延びて上記両側壁の下端部がわに架設されるフロア
    パネルと、車体の幅方向における上記フロアパネルの中途部を上方に膨出させることによ
    り形成されるトンネル部と、上記側壁に形成されたドア開口を開閉可能とするドアと、車
    体の前後方向に延びて上記側壁の下端部がわに取り付けられ、上記ドア開口を開閉するよ
    う上記ドアを案内するロアレールと、車体の前後方向で上記ロアレール近傍に配置され、
    車体の幅方向に延びて上記側壁の下端部がわとトンネル部とに架設されるクロスメンバと
    を備えた車両の車体構造において、
    上記クロスメンバは、その長手方向の中途部における前、後部分のうち、このクロスメンバを基準として上記ロアレールがより長く存在する側の部分に脆弱部が形成されており、上記脆弱部が設定されていない側のクロスメンバの長手方向の各部は車体の幅方向に直線的に延びていることを特徴とする車両の車体構造。
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