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JP6000703B2 - 有機el素子、及びこれを用いた発光装置、画像形成装置、発光素子アレイ、撮像装置、表示装置 - Google Patents

有機el素子、及びこれを用いた発光装置、画像形成装置、発光素子アレイ、撮像装置、表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子に関し、さらに、係る有機EL素子を用いてなる発光装置、画像形成装置、発光素子アレイ、撮像装置、表示装置に関する。
近年、数ボルト程度の低駆動電圧で自己発光する有機EL素子が注目を集めている。有機EL素子は、金属反射層を有する反射電極と発光層と透明電極とが積層された構成である。この有機EL素子は、面発光特性、軽量、視認性といった優れた特徴を活かし薄型ディスプレイや照明器具、ヘッドマウントディスプレー、また電子写真方式プリンタのプリントヘッド用光源など発光装置としての実用化が進みつつある。
有機EL素子を用いて構成された表示装置の低消費電力化の要求に伴い、有機EL素子の発光効率の改善が期待されている。発光効率を飛躍的に改善させるデバイス構造の一つに、マイクロキャビティ方式がある。発光分子は、光の「強めあう干渉」が起きる空間に向かって光を強く放射する性質がある。つまり、光学干渉を使って励起子の放射速度を増加させたり、放射パターンを制御することが可能となる。マイクロキャビティ方式では、発光分子からみて光取り出し方向に「強めあう干渉」が生じるようにデバイスパラメータ(膜厚、屈折率等)を設計する。特に、金属反射層と発光層の距離d0がd0=λ/(4n0)の条件(以後、λ/4の干渉条件)を満たす場合、干渉効果による放射強度増加が最も大きくなることが知られている。ここで、λは発光分子のPLスペクトルのピーク波長(真空中)であり、n0は発光点から金属反射層間の有効屈折率に相当する。マイクロキャビティ方式は、マイクロレンズのような凹凸の構造物の必要がなく、低コストで発光効率の増大が期待できる。
また、マイクロキャビティは、光取り出し側の反射率の大小により弱キャビティ(Weak Micro Cavity)と強キャビティ(Strong micro cavity)に分類される。通常、弱キャビティにおいてはガラス/透明酸化物半導体といった透過率の高い電極構造が用いられ、キャビティの干渉効果は主に金属反射層と発光層間で生じる干渉条件で決まる。一方、強キャビティにおいては、光取り出し側の透明電極として、反射率の高い半透明の金属薄膜が用いられる。そのため、金属反射層と発光層間で生じる干渉効果だけでなく、発光層と光取り出し側の金属薄膜間で生じる干渉効果も含まれる。この場合もまた、干渉効果が最大となるように発光層と光取り出し側の金属薄膜との光学距離がλ/4の干渉条件を満たす様に設計される。そのため、強キャビティでは、弱キャビティに比べより大きな干渉効果を利用することが可能となり、飛躍的に発光効率が改善され得る。
しかしながら、λ/4の干渉条件においては、発光層と金属反射層間の距離が約60nm以下となるため、表面プラズモン(SP)損失が大きくなることが知られている。SP損失とは、発光分子の励起エネルギーによって金属のSPが励起される結果、その励起エネルギーがジュール熱に転化される現象である。そのため、λ/4干渉構造を利用したマイクロキャビティにおいては、大きな光学干渉効果の割に発光効率が改善されない、という課題があった。つまり、λ/4マイクロキャビティの発光効率をさらに改善するには、SP損失を抑制する方法が必須となる。
これまで、SP損失を抑制する方法は、金属反射層と発光層間の距離を増大させる方法(特許文献1)のように、干渉効果を犠牲にする方法が提案されてきた。最近の研究で、発光分子の遷移ダイポールモーメントを水平配向させる方法(非特許文献1)のように、λ/4の干渉効果とSP損失抑制を両立できる方法が提案され始めている。上に紹介したSP損失抑制案は、どれも金属と誘電体界面が1つしかない弱キャビティ構成で検討されている。つまり、λ/4の干渉条件を満たした強キャビティにおけるSP抑制案は、未だ提案されていない。
特表2008−543074号公報 米国特許第5,022,726号明細書 特開2003−109775号公報
J.Frischeisen et.al.,Organic Electronics 12,(2011),809−817. I.Gontijo et.al.,Physical Review B,Vol.60,(1999),11564. S.Nowy et.al.,Journal of Applied Physics,Vol.40,(2008),123109 L.H.Smith et.al.,Journal of Modern Optics,Vol.55,(2008),2929. J.J.Burke et.al.,Physical Review B,Vol.33,(1986),5186. Handbook of Optical Constants of Solids (Academic Orlando FL 1985) H. Riel et.al.,Appl.Phys.Lett.82,466−468(2003).
本発明は、λ/4干渉条件を満たす強キャビティ構成においてもSP損失を抑制し、発光効率が改善された有機EL素子、及び該有機EL素子を用いた各種装置を提供することを課題とする。
本発明の第1は、金属膜からなる第1電極と、第1電荷輸送層と、発光層と、第2電荷輸送層と、金属膜からなる第2電極と、光学調整層と、をこの順に有し、前記第2電極側から前記発光層が発する光を射出し、発光スペクトルの最大ピーク波長λが440nm以上470nm以下の光を発する有機EL素子であって、
前記第1電荷輸送層は、前記第1電極と接しており、
前記第2電荷輸送層と光学調整層はそれぞれ、前記第2電極と接しており、
前記第1電極と前記第1電荷輸送層との第1の界面と、前記第2電極と前記第2電荷輸送層との第2の界面との間の光学距離Lは、前記最大ピーク波長をλ、前記第1の界面及び第2の界面で前記最大ピーク波長λの光が反射する際の位相シフトの和をφ[rad]とすると、
(−1−φ/π)×(λ/4)<L<(1−φ/π)×(λ/4)
を満たし、
前記第1の界面で発生する表面プラズモンの波数の実部をkr[rad/m]、前記第2の界面で発生する表面プラズモンの波数の実部をks[rad/m]とすると、
−4.5×106≦kr−ks≦2.1×106
を満たすことを特徴とする。
本発明の第2は、上記第1の発明の有機EL素子と、前記有機EL素子の発光を制御する制御回路とを有することを特徴とする発光装置である。
本発明の第3は、上記第2の発明の発光装置と、前記発光装置によって潜像が形成される感光体と、前記感光体を帯電する帯電手段と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明の第4は、青色を発光する有機EL素子と、緑色を発光する有機EL素子と、赤色を発光する有機EL素子と、が配列された発光素子アレイであって、
前記青色を発光する有機EL素子が上記第1の発明の有機EL素子であることを特徴とする。
本発明の第5は、上記第4の発明の発光素子アレイと、前記発光素子アレイの発光面の上以外に配置された撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置である。
本発明の第6は、上記第5の発明の発光素子アレイと、撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置である。
本発明においては、光取り出しに寄与する発光分子のダイポール成分は、表面プラズモンに吸収されることなく、伝搬光として外部に取り出されるため、光取り出し効率を向上させた有機EL素子を提供することができる。よって、有機EL素子を用いて構成される、発光装置、画像形成装置、発光素子アレイ、撮像装置、表示装置において、その特性を向上することができる。
本発明の有機EL素子の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の表示装置の一実施形態の構成を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施形態における青色発光の有機EL素子101bと102bのx成分のSPエネルギー散逸を示す図である。 図3に示したSPモード101b−1の電場プロファイルである。 図3に示したSPモード102b−1の電場プロファイルである。 本発明の実施形態における青色発光の有機EL素子101bと102bのアノード及びカソードのSPエネルギー散逸を示す図である。 光学調整層の屈折率がn=1.88の時の、アノードとカソードのSPの波数差δk(Re)と発光効率の関係を示す図である。 光学調整層の屈折率がn=1.88の時の、キャビティ強度と発光効率の関係を示す図である。 光学調整層の屈折率がn=2.4の時の、アノードとカソードのSPの波数差δk(Re)と発光効率の関係を示す図である。 素子構成Lと図9の素子構成L’のx成分のSPエネルギー散逸を示す図である。 ギャッププラズモンの波数と発光効率との関係を示す図である。 ドーパント−1とDAC(2,8−ジアミノクリセン)のPLスペクトルを示す図である。 発光分子がドーパント−1における、光学調整層の屈折率がn=1.88の時の波数差δk(Re)と発光効率の関係を示す図である。 発光分子がドーパント−1における、光学調整層の屈折率がn=2.4の時の波数差δk(Re)と発光効率の関係を示す図である。 本発明の実施例における有機EL素子の実験により求めた色度−効率曲線を示す図である。 本発明の実施例における有機EL素子のシミュレーションにより求めた色度−効率曲線を示す図である。
本発明の有機EL素子は、金属膜からなる第1電極と、第1電荷輸送層と、発光層と、第2電荷輸送層と、金属膜からなる第2電極と、光学調整層と、をこの順に有し、λ/4干渉条件を満たす強キャビティ構成を備えた有機EL素子である。本発明の有機EL素子は、前記第2電極側から前記発光層が発する光を射出し、発光スペクトルの最大ピーク波長λが440nm以上470nm以下の光を発する。そして、第1電極と第1電荷輸送層との第1の界面、第2電極と第2電荷輸送層との第2の界面でそれぞれ発生する表面プラズモンの波数の実部をkr[rad/m]、ks[rad/m]とすると、−4.5×106≦kr−ks≦2.1×106である。kr−ksは第1及び第2電極のそれぞれで発生する表面プラズモン(以下、「SP」と記す。)の波数差δk(Re)[rad/m]である。
以下、本発明の有機EL素子について、実施形態を挙げて説明する。図1は、本発明の表示装置の一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。図2は、本発明の表示装置の一実施形態の斜視図であり、図2中のA−A’断面が図1に相当する。
本発明の表示装置は、画素500がマトリックス状に配置された表示領域601を備えており、各画素500がそれぞれ有機EL素子を有している。フルカラー画像表示の表示装置の場合、通常、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)をそれぞれ発光する有機EL素子を有している。図1において、2は赤色発光の、3は緑色発光の、4は青色発光の有機EL素子であり、各素子は支持基板10上に形成されている。以下、便宜上、赤色発光の有機EL素子をR素子、緑色発光の有機EL素子をG素子、青色発光の有機EL素子をB素子と記す。図1は、支持基板10上に光反射性の第1電極である反射電極20が各素子に配置され、該反射電極2とは発光層40R,40G,40Bを挟んで反対側に光透過性の第2電極である透明電極60R,60G,60Bが配置されている。図1中、30R,30G,30Bは第1電荷輸送層、50R,50G,50Bは第2電荷輸送層、70R,70G,70Bは光学調整層である。尚、各符号のR,G,BはそれぞれR素子2,G素子3,B素子4中の層であることを示しており、以下の説明において、各素子に共通する説明では便宜上R,G,Bを省略する。図1の例は、透明電極60側(基板10とは反対側)から光を取り出すトップエミッション型である。本発明は、基板10側から有機EL素子で発せられた光を出射する構成でも適用可能である。尚、反射電極20と透明電極60に挟まれた有機化合物からなる積層体を通常、有機化合物層と言う。また、図1では、反射電極20がR素子2、G素子3、B素子4で共通に形成され、透明電極60R,60G,60BがR素子2、G素子3、B素子4ごとに形成されている。但し、反射電極20がR素子2、G素子3、B素子4ごとに形成され、透明電極60R,60G,60BがR素子2、G素子3、B素子で共通に形成されていてもよい。
図1の支持基板10としては、プラスチック基板、各種のガラス基板、Poly−Siやa−Si(アモルファスシリコン)等で半導体を形成したトランジスタ等の駆動回路を形成したガラス基板を用いることができる。また、シリコンウエハー上に駆動回路を形成したガラス基板、シリコンウエハー上に駆動回路を設けたもの等も挙げることができる。
第1電荷輸送層30、第2電荷輸送層50としては、反射電極20及び透明電極60のいずれが陽極となるか陰極となるか、さらに発光層40との位置関係により異なる。具体的には、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層などが適宜用いられる。また、電荷輸送層は発光層と電極との間に2層以上配置されていてもよい。
本発明において、各層に含まれる有機材料には限定されない。例えば、発光層40を構成する発光材料は蛍光材料もしくは燐光材料のいずれでもよく、ホスト材料の中にドーピングされた形態でもよく、さらには、発光材料の他に少なくとも一種類以上の化合物が素子性能向上のために含まれていてもよい。また、正孔輸送層が電子ブロック層や正孔注入層として機能してもよく、電子輸送層は正孔ブロック層や電子注入層として機能してもよい。
本発明の有機EL素子においては、強キャビティによる干渉効果を得るため、発光位置から反射電極20の反射面(第1反射面)までの光学距離Lr、発光位置から透明電極60の反射面(第2反射面)までの光学距離Lsが適宜調整される。発光層40の発する光のスペクトルの最大ピーク波長をλ、第1反射面及び第2反射面で波長λの光が反射する際の位相シフトをφr<0、φs<0[rad]とする。干渉効果が最も高まる光学距離Lr、Lsは以下の式(1)、(2)で示される。尚、光学距離Lr、Lsは、発光位置から反射面までの間に含まれる有機化合物層の各層の屈折率nと各層の厚さdの積の総和である。
r=(−φr/π)×(λ/4) (1)
s=(−φs/π)×(λ/4) (2)
まとめると、第1反射面と第2反射面との間の光学距離Lは、下記式(A)を満たしている。但し、φ=φr+φsである。また、第1反射面は、第1電極である反射電極20と第1電荷輸送層30R,30G,30Bとの界面(第1の界面)である。また、第2反射面は、第2電極である透明電極60R,60B,60Gと第2電荷輸送層50R,50G,50Bとの界面(第2の界面)である。
式(A)
L=(−φ/π)×(λ/4)
この時、実際の有機EL素子では、正面の取り出し効率とトレードオフの関係にある視野角特性等も考慮すると、必ずしも上記膜厚と厳密に一致させる必要はない。具体的には、Lr、Lsがそれぞれ式(1)、(2)を満たす値から±λ/8の値の範囲内の誤差があってもよい。よって、本発明の有機EL素子において、下記式(I)、(II)を満たすことが好ましい。
式(I)
(−1−(2φr/π))×(λ/8)<Lr<(1−(2φr/π))×(λ/8)
式(II)
(−1−(2φs/π))×(λ/8)<Ls<(1−(2φs/π))×(λ/8)
式(I)、(II)をまとめると、本発明の有機EL素子において、下記式(B)を満たすことが好ましい。
式(B)
(−1−(φ/π))×(λ/4)<L<(1−(φ/π))×(λ/4)
より具体的には、φr、φsの値がおよそ−πであるので、φ=φr+φs=(−π)+(−π)=−2πとすると、本発明の有機EL素子において、下記式(B’)を満たすことが好ましい。
式(B’)
λ/4<L<3λ/4
この場合、有機EL素子の第1の界面と第2の界面との物理的距離は、58nm以上186nm以下となる。
さらに好ましくは、Lr、Lsがそれぞれ式(I)、(II)を満たす値から±λ/16の値の範囲内であればよく、本発明の有機EL素子において、下記式(I’)、(II’)を満たすことが好ましい。
式(I’)
(−1−(4φr/π))×(λ/16)<Lr<(1−(4φr/π))×(λ/16)
式(II’)
(−1−(4φs/π))×(λ/16)<Ls<(1−(4φs/π))×(λ/16)
式(I’)、(II’)をまとめると、本発明の有機EL素子において、下記式(C)を満たすことが好ましい。
式(C)
(−1−(2φ/π))×(λ/8)≦L≦(1−(2φ/π))×(λ/8)
より具体的には、φr、φsの値がおよそ−πであるので、φ=φr+φs=(−π)+(−π)=−2πとすると、本発明の有機EL素子において、下記式(C’)を満たすことが好ましい。
式(C’)
3λ/8≦L≦5λ/8
この場合、有機EL素子の第1の界面と第2の界面との物理的距離は、87nm以上155nm以下となる。
上記(I)、(II)の条件を満たす素子構造の場合、有機化合物層の膜厚は100nm程度となるため、反射電極20と透明電極60のSPとの相互作用が顕著になる。
本発明は、ピーク波長が440nm以上470nm以下の光を発光する青色λ/4強キャビティの基板面内方向のダイポール成分のSP損失を抑制することによりB素子の発光効率を向上させる。より具体的には、反射電極20と透明電極60でそれぞれ発生するSPの波数が概ね一致するように、反射電極20、及び透明電極60の構成材料、該電極に接合している正孔輸送層、電子輸送層及び光学調整層の複素誘電率(又は複素屈折率)を選択する。
以下、SP損失抑制の形態の具体的な組み合わせについて、λ/4強キャビティにおける反射電極種と透明電極種の組み合わせ、電極と接合する電荷輸送層、光学調整層の誘電率(屈折率)依存性の解析結果を示しながら、本発明の実施形態について説明する。
以後の説明では、反射電極20が陽極(透明電極60が陰極)、第1電荷輸送層30が正孔輸送層(第2電荷輸送層50が電子輸送層)の場合について説明する。但し、本発明は電極の極性にはよらず、反射電極20が陰極、透明電極60が陽極の場合でも成立する。
先ず、B素子で式(I)、(II)を満たす素子構造において、発光効率が最も高くなる材料の組み合わせが、他の発光色及び構成でのそれと異なることを示す。表1には各素子構成における発光効率η及びキャビティ強度Ψcav、及びSP損失比ξの関係に対する陽極種依存性を示した。ここでは、可視光全域において良好な反射率(>87%)を有する代表的金属であるAlとAgの比較を行っている。検討した構成は、図1に示したようなトップエミッション型であり、支持基板/アノード/正孔輸送層(HTL)/発光層(EML)/電子輸送層(ETL)/カソード/光学調整層(OCL)という構造である。有機EL素子101,102のアノードは、それぞれAg、Alである。また、101,102の後のbはB素子を、rはR素子を、gはG素子を示し、後述する103以降の有機EL素子も同様である。
シミュレーションは非特許文献3と同様の手法で実施した。計算で使用したPLスペクトルは、R素子、G素子、B素子でそれぞれ、下記のIr(piq)3、Alq3、DACのPLスペクトルである。
Ir(piq)3:(トリス[1−フェニルイソキノリン−C2,N]イリジウム(III)(Tris[1−phenylisoquinoline−C2,N]iridium(III))
Alq3:トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Tris(8−quinolinolato)aluminum)
DAC:2,8−ジアミノクリセン(2,8−Diaminochrysene)
以後、特に断りがない場合、B素子ではDACのPLスペクトルを使用している。また、(励起子生成効率、内部量子効率)は、R素子、G素子、B素子でそれぞれ(75%,50%)、(25%,85%)、(25%,80%)として計算を行った。シミュレーションにおける発光分布は一様発光を仮定している。また、全ての素子構成において、発光層の膜厚を20nmで固定し、発光効率が最大となるよう正孔輸送層、電子輸送層、光学調整層の膜厚を各色素子で最適化させている。正孔輸送層と電子輸送層の膜厚は式(I),(II)の関係を満たしている。また、表におけるn及びdは、それぞれλにおける屈折率、膜厚[nm]を表している。
Figure 0006000703
ここで定義しているキャビティ強度Ψcavとは、多重干渉効果によるPLスペクトルの増幅度合いを表している。つまり、SP損失を考慮しない場合、キャビティ強度が大きくなるほど正面輝度が増加することになる。キャビティ強度Ψcavは下記式(3)の関係を有する。
Figure 0006000703
ここで、Χはキャビティ内で発生した光の電場が光取り出し側でどの程度増幅されたかを表しており、上記式(4)で定義される。式(4)の絶対値記号の成分は、発光領域における光取り出し方向への強めあう干渉の程度を表しており、Tcは発光層から見た光取り出し方向の透過率である。式(4)の絶対値記号の成分において、R1、R2はそれぞれ第1電極、第2電極の反射率で、φ1、φ2はそれぞれ第1電極、第2電極における位相シフト量を表している。nr、nsはそれぞれ正孔輸送層と発光層、電子輸送層と発光層の有効屈折率である。Ωはピーク強度が1となるよう規格化された発光スペクトル強度である。
また、SP損失比ξはSP吸収による発光効率低下を表す性能指数(figure of merit)である。SP損失比ξはLight Cone内に放射される光のエネルギーWlc[W](もしくは放射速度Γlc)に対する表面プラズモンと結合するエネルギーWsp[W](結合速度Γsp)の比であり、下記式(5)として定義される。
Figure 0006000703
式(I),(II)を満たす素子構造の有機EL素子101、102で、アノード種の効果を眺めると、B素子(101b,102b)のみ傾向が異なることが分かる。具体的には、R素子101rと102r(又はG素子101gと102g)で比較すると、発光効率ηとSP損失比ξとの間に明確な相関がなく、キャビティ強度が大きな構造でより発光効率が高いといった明確な相関が確認された。一方で、B素子101bと102bを比較すると、G,Rで見られたような正面発光効率とキャビティ強度の相関はなく、SP損失が小さな102bで発光効率が増大する結果が得られた。
また、比較例として下記式(6)を満たすように正孔輸送層の膜厚を最適化させたB素子103b,104bも検討した。
r=(2−(φr/π))×(λ/4) (6)
B素子103b、104bで比較すると、発光効率とキャビティ強度との明確な相関が見られ、キャビティ強度が大きな103bで発光効率が増大した。
以上から、B素子101b、102bで見られたような発光効率とSP損失比との関係は、式(I),(II)を満たす素子構造に起因しているといえる。このように、式(I),(II)を満たす素子構造のB素子においては、SP損失がその発光効率を決める重要なパラメータであることがわかる。つまり、発光効率が最も高くなる材料の組み合わせが、他の構成及び発光色のそれと異なることを示唆している。
本発明は、式(I),(II)を満たす素子構造のB素子で独特の、SP損失抑制による発光効率向上のためのデバイスパラメータの提案である。以後、本発明のSP損失抑制のメカニズムについて、本発明で規定する要件を満たす素子構造のB素子102bと満たさない素子構造のB素子101bとで比較を行いながら、詳しく説明する。
一般に、SPの励起速度は、以下の式(7)の関係があることが知られている(非特許文献2参照)。
Figure 0006000703
ここで、pは遷移ダイポールモーメント、EspはSPが作る電場ベクトル、ρはSPの状態密度である。また<>は熱力学的な平均値を示している。式(7)より、SPの励起のし易さは、SPの電場Espと遷移ダイポールモーメントpの内積の2乗に比例することがわかる。
ここで、z方向を基板法線方向(光取り出し方向)とする。基板面内方向の成分のうち、x方向を遷移ダイポールの振動軸と平行な方向とし、y方向を振動軸に対して垂直な方向と定義する。この定義に基づくと、波の伝播方向に磁場成分を持たない導波路モードであるTMモード(Transverse Magnetic mode)の電場ベクトルはx方向とz方向の2成分で構成される。SPはTMモードの範疇に入るため、SPの電場ベクトルはx成分とz成分となる。一方、TE(Transverse Electric mode)とは、波の伝搬方向に電場成分を持たない導波路モードである。つまり、TEモードの電場はx成分で構成され、y方向に進行する。
一方で、遷移ダイポールの放射パターンの性質上、外部に伝搬光として取り出されるのは、遷移ダイポールの基板面内(発光層の膜厚方向と垂直な方向)の成分のみである。そのため、SP吸収抑制による発光効率改善には、遷移ダイポールモーメントのx成分に対するSP吸収を抑制することが効果的である。本発明のコンセプトは、発光層においてSPが作る電場の面内方向成分(つまり、x成分)が小さくなるようにアノードとカソードの表面プラズモンを最適化することである。
図3には、有機EL素子が発する光のピーク波長の振動数(4.12×1015[rad/sec])での、B素子101b,102bにおけるx成分のSPエネルギー散逸の関係を示す。素子構造は表1に示す。図3からB素子101b,102bで発生するSPは2つのモードが発生することが分かる。一つは、3.0×107[rad/m]付近に発生するモード(101b−1,102b−1)、もう一つは5.6×107[rad/m]に発生するモード(101b−2,102b−2)である。モード101b−1,102b−1を比較すると、明確な陽極種依存性が見られた。同図と表1におけるSP損失比とを対応させると、B素子101bで見られた大きなSP損失はモード101b−1に起因していることが分かる。図4、図5に、それぞれモード101b−1、102b−1の電場プロファイルを示した。計算は転送行列法で計算を行った。図4、図5ともアノードとカソードのSPが独立しておらず、ミキシング(mixing)した状態である。ここでは、このミキシングを起こしている状態のSPをギャッププラズモンと呼ぶことにする。ギャッププラズモンによる吸収(図3のモード101b−1)が大きな101bと小さな102b(図3のモード102b−1)を比較すると、B素子102bにおいてはギャッププラズモンが作る電場のx成分がほぼ0になることがわかる。つまり、B素子102bは、pxとEspの内積が0になる素子構造であるといえる。
次に、アノードとカソードのSPがどのような関係の時に、図5のようにギャッププラズモンによる吸収を抑制できるかについて説明する。
一般に膜厚が光学的に無限に厚い金属と有機化合物層との界面で発生するSPの波数は、下記式(8)の関係を有する。
Figure 0006000703
ここでεaは金属(アノード)の複素誘電率、εr orgは有機化合物層の実効的な複素誘電率、k0は空気中の光の波数である。ここでは、簡単のため有機化合物層の消衰係数は0としている。つまり、有機化合物層の屈折率をnr orgとした時に、εr org≒(nr org2の関係が成立する。つまり、アノードで発生するSPの波数は、アノードの複素誘電率εa、実効的な複素誘電率εr orgにより決まる。ちなみに、実効的な複素誘電率εr orgは、正孔輸送層、発光層、電子輸送層などの誘電率又はそれぞれの膜厚により決定されるが、アノードと接合する正孔輸送層の誘電率が支配的である。
一方、光学的に有限の厚みを持つ金属では、金属(カソード)の複素誘電率εc、膜厚d、電子輸送層側の有機化合物層の実効的な複素誘電率εs org、光学調整層側の実効的な複素誘電率εs oclで決まる(詳細は、非特許文献5の式(6)、(7)参照)。アノードと同等に、電子輸送層側の有機化合物層の実効的な複素誘電率εs org、光学調整層側の実効的な複素誘電率εs oclはそれぞれカソードと接する電子輸送層、光学調整層の誘電率が支配的である。
また、複素誘電率(もしくは複素屈折率)は物質の表面で光が反射する際の偏光状態の変化を観測して、その物質の光学定数を決定する方法である周知のエリプソメトリーを用いた市販の分光エリプソメーターにて計測できる。そして、求めた複素誘電率から、有機化合物層を構成する有機膜や、反射電極20及び透明電極60のSPのピーク波数を算出することができる。パネルにおいては、上記のエリプソメトリー以外に、断面SEM(Scanning Electron Microscope)、SIMS(Secondary Ion Spectrometry)、X線反射率法などを併用することで求められる。これらの分析により求められたアノード、カソード及び有機化合物層の膜厚及び比誘電率から、アノード及びカソードのSPの波数の関係を特定することができる。
図6に、B素子101b、102bを構成するAgカソード、Agアノード又はAlアノードのSPの関係を示した。尚、図6(b)は図6(a)の部分拡大図である。この計算においては、PLスペクトルのピーク波長の振動数(4.12×1015[rad/sec])で行った。アノードのSPの計算においてカソードの影響を排除するために電子輸送層の膜厚を無限大とした。同様に、カソードのSPの波数を計算する場合は正孔輸送層の膜厚を無限大とした。図6の縦軸は、アノード及びカソードのピーク波数を強調するため便宜上、カソードのSPが大きくなるようにそれぞれ規格化して示している。図6において、屈折率nが1.88の正孔輸送層とAg基板界面で発生するSPの波数(図中の101b−a)は、該正孔輸送層とAl界面で発生するSPのそれ(図中の102b−a)に比べ大きいのがわかる。これは、Agのプラズマ周波数がAlのそれに比べ小さいため、Agの複素誘電率の実部がAlのそれよりも絶対値が小さいことに起因している。一方、AgカソードのSP(図中のb−c)は、2つにスプリットしており、2.8×107,5.7×107[rad/m]に発生する。前者はLong−Range Surface Plasmon(LRSP)、後者はShort−Range Surface Plasmon(SRSP)と呼ばれる。Agカソードと光学調整層及び電子輸送層の2つの界面のSPが相互作用したモードである(非特許文献4もしくは5参照)。図6から、AlアノードのSPとAgカソードのLRSPの波数が一致していることがわかる。つまり、アノードとカソードの波数をおおよそ一致させることによって、図5のように発光層における面内方向の電場を0にすることが可能であることを示唆している。後述するが、アノードのSPを概ね一致させるカソードのSPは、SRSPよりもLRSPが望ましい。LRSP及びSRSPの取りうる波数は、それぞれ2.2×107乃至3.5×107[rad/m]、4.5×107乃至2.5×108[rad/m]である。そのため、アノードのSPをカソードのLRSPと概ね一致するよう設計することにより、ギャッププラズモンの波数を小さくすることができる。ギャッププラズモンの低波数化により、状態密度が低下させることができ、ギャッププラズモンの励起速度を小さくすることができる。その効果ついては、図11で示した。以下特に断りがない限り、カソードのSPはLRSPを指す。
次に、アノードとカソードの波数差がどのような範囲において、ギャッププラズモンが抑制され易いか、またそれを抑制し易いアノード、カソードの組み合わせについて説明する。
図7はアノードとカソードのSPの波数差δk(Re)と発光効率の関係を、図8には式(3)で定義したキャビティ強度と発光効率の関係を示した。ここで、波数差δk(Re)は、アノードとカソードのSP波数の実部をそれぞれka sp(Re)、kc sp(Re)とした時に、δk(Re)=ka sp(Re)−kc sp(Re)としている。アノード(もしくはカソード)のSP波数は、図6で求めたように電子輸送層(カソードの場合、正孔輸送層)の膜厚を十分厚い条件で、転送行列法によりその値を求めている。検討した素子構成はどれも、支持基板/アノード/正孔輸送層(HTL)/発光層(EML)/電子輸送層(ETL)/カソード/光学調整層(OCL)という構造である。この検討での有機化合物層及び光学調整層の誘電率(又は屈折率)とその分散特性は表1のB素子101b及び102bと同一である。また、正孔輸送層、電子輸送層、カソード、光学調整層の膜厚は、式(I)、(II)を満たす範囲内で、色度CIE_Yxy(0.136,0.66)における発光効率が最大となるように最適化している。
ここで使用したMgの光学定数は非特許文献6に記載の値を参照しており、スパッタリング法で作製されたMgアノードを想定している(蒸着法(抵抗加熱)とスパッタリングで成膜された光学特性の違いについては、特許文献2を参照)。金属積層アノードは、上部の金属の膜厚によりSP波数を制御することができる。Ag/Mg積層アノードの場合、反射率を保持したまま、Mg膜厚を増加させることで、SP波数をAgのそれに比べ小さくすることができる。カソードで使用しているMg:Ag合金は、吸収の少ないAgリッチ(10:1)のものを使用した(特許文献3参照)。ここでは、MgAgカソード、MgAg/Agカソード、Agカソードというように、カソードに含まれるMgの含有量を変化させ、SP波数を制御している。
先ず、図7をみると、発光効率と波数差δk(Re)の明確な相関関係がみられ、δk(Re)が小さいほど発光効率が高い傾向が得られた。一方で、図8から発光効率とキャビティ強度の相関はない。つまり、B素子の発光効率をきめる主な因子は、キャビティ強度でなく、アノードとカソードのSP波数差δk(Re)であると言える。図7及び図8における構成A乃至Eの比較は、アノードのSP波数を変化させた場合に相当する。先ず、構成A乃至Cの比較からアノード種依存性を眺めると、アノードのプラズマ周波数ωpが重要な因子であることが分かる。つまり、プラズマ周波数が小さなAg(ωp=14.0×1015-1)は、Mg(ωp=16.1×1015-1)、Al(ωp=23.2×1015-1)に比べ、δk(Re)が大きく発光効率が低い。次に、構成A、D及びEを比較すると、Mgの膜厚が大きくなるほど、δk(Re)が小さくなり、発光効率が増加している。このように、構成Bと構成Cの関係を除き、δk(Re)が小さいほど発光効率が高い傾向が得られた。ちなみに、構成Cの発光効率が構成Bのそれよりも大きいのは、構成Cのキャビティ強度が構成Bのそれよりも大きいことに起因している。次に、Alアノードにおけるカソード依存性(構成B、I乃至Kの比較)をみても、δk(Re)を小さくすることが望ましいといえる。具体的には、構成Bは、キャビティ強度が大きい構成Kよりも発光効率が高い。キャビティ強度が最も大きい構成Hの発光効率は、キャビティ強度が最小の構成Iのそれよりも小さいことからもいえる。
本発明における望ましい具体的なδk(Re)の上限は、最大発光効率に対して−15%となる範囲とする。具体的な値は、図7の破線で示したように、δk(Re)≦2.1×106[rad/m]であることが望ましい。これは、図8においては点線で囲まれた領域に相当する。この領域内においては、従来の設計指針であるキャビティ強度を高くするよう材料を選択すればよい。
次に、δk(Re)の下限について説明する。通常、カソードで発生するLRSPは、アノードで発生するSPより小さいことが多い。それは、Alをアノードに、Agをカソードとした組み合わせでδk(Re)が最小になることからもわかる。
但し、光学調整層にZnSeのような高誘電率材料を用いた場合においては、カソードのLRSPが高波数化するため、δk(Re)が負となり得る。図9には、高屈折率光学調整層を用いたλ/4強キャビティ構成におけるδk(Re)と発光効率の関係を示した。ここで使用した光学調整層のλにおける屈折率は2.4であり、その波長分散性は図7のそれと同じである。ここでは、簡単のために、消光係数は0としている。図8の構成A’乃至N’の有機化合物層、アノード、カソードの構成は図7の構成A乃至Nと同じであり、正孔輸送層及び電子輸送層、光学調整層の膜厚を、色度CIE_Yxy(0.136,0.66)における発光効率が最大となるように最適化している。また、構成BとCのAg膜厚依存性も示した(構成L’乃至N’)。上記したように、カソードの膜厚によりLRSPの波数が変化する。そのため、構成M’が最もδk(Re)の値が最小になる構成である。
図9の高誘電率光学調整層を用いた素子のδk(Re)は、図7の素子のそれよりも負方向にシフトしている。但し、大きなキャビティ強度が見込める構成B’、C’、K’、L’乃至N’の構成において、δk(Re)が小さいほど発光効率が高いといった傾向は保持されているのがわかる。そのため、Alアノード(もしくはMgアノード)で最適なAgの膜厚が26nmから22nm(Mgの場合24nm)となる。
ちなみに、図9の高誘電率光学調整層を用いた素子は、図7の素子のそれよりも発光効率が増加している。高誘電率光学調整層は、カソードにおける伝搬光の吸収を抑制できることが知られている(非特許文献7)。それに加え、カソードに局在しているSRSPも低減することができる。図10に、x成分のSPエネルギー散逸に対する高誘電率光学調整層の効果を示す。構成LとL’(図9)はともに、色度CIE_Yxy(0.136,0.66)における発光効率が最大となるように有機化合物層の膜厚の最適化している。図10から、SRSPのモード(L−2及びL’−2)を比較すると、L’−2の吸収が低減しているのが分かる。
以上から、式(I)、(II)を満たすB素子においては、δk(Re)を小さくするように、デバイスパラメータ(材料及び膜厚)を設計することが望ましい。本発明における望ましい具体的なδk(Re)[rad/m]の範囲は、図9の破線で示したように、下記式(9)の関係を満たすことがよい。尚、本発明においては、最大ピーク波長λでの振動数ω=2πC0/λ(C0は光の真空中の位相速度)における、第1の界面、第2の界面でそれぞれ発生するSP波数の実部をkr(Re)、ks(Re)とし、δk(Re)=kr(Re)−ks(Re)とする。
式(9)
−4.5×106≦δk(Re)≦2.1×106 (9)
通常用いられる電荷輸送層の屈折率を鑑みると、反射電極20の材料は、B領域において空気に対する反射率が85%以上であり、且つプラズマ周波数ωpが16.0×1015[s-1]以上の材料が好ましい。特に、Alもしくは(スパッタ)Mg、もしくは光学特性が変化しない程度添加されたAl合金もしくはMg合金が好ましい。また、電荷注入性向上のため、上記の反射率及びSP分散特性を満たす範囲において、Al(合金)及びMg(合金)上に金属薄膜を積層してもよい。カソードに関しては、キャビティ強度を高めることができるAgもしくはAl、もしくは光学特性が変化しない程度添加されたAg合金もしくはAl合金が好ましい。また、電荷注入性向上のため、上記SP分散特性を満たす範囲において、Al(合金)及びAg(合金)に金属薄膜を積層してもよい。
以下、式(9)を満たすB素子を例示する。B素子から発光される光のピーク波長λ=450nmにおける、OCL、ETL、HTLの屈折率をそれぞれnocl、netl、nhtlとする。Alアノード及びAgカソードの組み合わせにおいては、nocl=2.4且つnetl=1.9の場合、(nhtl,Ag膜厚範囲[nm])=(1.9,8乃至29nm)、(1.7,6乃至26nm)、(1.5,4乃至27nm)となる。また、nocl=1.9且つnetl=1.9の場合、(nhtl,Ag膜厚範囲[nm])=(1.9,8乃至38nm)、(1.7,7乃至34nm)、(1.5乃至32nm)である。また、Alアノード上に膜厚6nmのMoを積層したアノードとAgカソードの組み合わせでは、nocl=1.9且つnetl=1.9の場合において、(nhtl,Ag膜厚範囲[nm])=(1.9,18乃至40nm)、(1.7,8乃至38nm)、(1.5,4乃至34nm)である。
上記したように、式(9)の条件を満たした範囲の中で、キャビティ強度を高めるようB素子の構造を決定することが望ましい。
但し、光学調整層の膜厚及び屈折率を調整し、カソード上部に少なくとも一つの反射面を形成することが望ましい。表2には、比較例として反射面がないB素子105b、106bの発光効率を示した。表2中の∞の意味は、光の可干渉距離よりも膜厚が大きいことを表している。カソード上の媒質は、B素子105b、106bでそれぞれSiN、空気を想定している。B素子105bでは、ギャッププラズモン抑制条件を満たしているのにも関わらず、発光効率は102bに比べ低い。その理由は、キャビティ強度が著しく低下すること(式(4)の分子が減少)に起因している。また、同表にカソード上部が空気である106bを示したが、105bに比べても、さらに発光効率が低下する。これは、光学調整層が空気の場合、カソードのLRSPモードが消失するため、ギャッププラズモン抑制条件を満たさなくなるためである。
Figure 0006000703
本発明では、カソードと接合する光学調整層と電子輸送層の誘電率をそれぞれεocl、εetlとした時に、εocl≧εetlとなるように設計するのが望ましい。
表3には、比較例として光学調整層を高屈折率化したB素子107b、電子輸送層を高屈折率化したB素子108b、光学調整層を低屈折率化したB素子109b、電子輸送層を低屈折率化したB素子110bの発光効率を示した。ここでは、簡単のため有機化合物層の消衰係数は0としている。構成は、支持基板/アノード/正孔輸送層(HTL)/発光層(EML)/電子輸送層(ETL)/カソード/光学調整層(OCL)という構造である。また、全ての素子構造において、発光層の膜厚を20nmで固定し、正孔輸送層、電子輸送層、光学調整層を上記式(I),(II)を満たすよう各色素子で最適化させている。また、表2におけるn及びdは、それぞれピーク波長λにおける屈折率、膜厚[nm]である。表2からnocl≧netlの関係を満たすB素子102b、107b、110bは、108b、109bに比べ発光効率が改善することが分かる。この関係を満たすことで、キャビティ強度の増加やカソード由来の吸収低減することができ、ギャッププラズモン抑制の効果をさらに効果的に引き出すことが可能となる。
Figure 0006000703
上記したギャッププラズモン抑制条件が成立している範囲において、ギャッププラズモンの波数はできるだけ小さい方が望ましい。ギャッププラズモンの波数を小さくすることにより、ギャッププラズモンの状態密度を小さくでき、z方向のSPの励起速度を低下させることができるためである(状態密度の定義式は、非特許文献2参照)。
ギャッププラズモンの波数を小さくする方法は、アノードのSPとカソードのLRSPを概ね一致させるだけでなく、アノードと接合する正孔輸送層及びカソードと接合する電子輸送層の複素誘電率を小さくすることが効果的である。図11に、ギャッププラズモンの波数kgap(Re)[rad/m]と発光効率の関係を示した。ここでは、素子構成は、支持基板/Alアノード/正孔輸送層(HTL)/発光層(EML)/電子輸送層(ETL)/Agカソード/光学調整層(OCL)という構造である。また、全ての素子構造において、発光層及びAgカソードの膜厚をそれぞれ20nm、26nmで固定し、正孔輸送層、電子輸送層、光学調整層を上記式(I),(II)を満たすよう各色素子で最適化させている。この検討では、正孔輸送層及び電子輸送層の屈折率を小さくすることで、アノード及びカソードのSP波数を調整している。ここでは、簡単のため有機化合物層の消衰係数は0としている。
図11から正孔輸送層及び電子輸送層の屈折率を小さくすると、ギャッププラズモンの波数が小さくなり、発光効率が増加しているのがわかる。ちなみに、構成PとRの比較をすると、構成Pのギャッププラズモンの波数が構成Rのそれよりも小さいにも関わらず、発光効率は構成Rが高い。これは、電子輸送層の低屈折率化は、カソードに局在しているSRSPの抑制も兼ねているためである。正孔輸送層と電子輸送層の屈折率を共に低くした構成Sでは、ギャッププラズモンの波数を大幅に低減でき、飛躍的に発光効率を改善することが可能となる。
ただし、上記のギャッププラズモンが抑制されている条件において、少なくともどちらかの電荷輸送層の屈折率は、発光層の屈折率と同等か、それ以下であることが望ましい。
表4には、ギャッププラズモンの抑制条件を満たす素子における有機化合物の屈折率と発光効率、SP結合割合Wsp及びギャッププラズモンの波数の関係を示した。ここで素子構成は、支持基板/Alアノード/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/Agカソード(22nm)/光学調整層(45nm)という構成である。どの構成も、正面方向のスペクトルが色度CIE_Yxyにおける(0.139,0.66)となるように膜厚を最適化している。また、カソードに局在したSRSPの影響を小さくするために、光学調整層の屈折率は2.4とした。素子111bと素子112bを比較すると、発光層の屈折率が2つの電荷輸送層のそれよりも小さい112bで、発光効率が低下していることがわかる。112bはギャッププラズモンの波数が111bのそれよりも小さいにも拘らず、SP結合割合Wspが増加している。このSP結合割合の増加は、z方向のSPの電界が大きくなることに起因している。つまり、z方向の電束密度Dは連続であるため、発光層の誘電率εemlが小さくなると、電界Esp=D/εemlが大きくなる。その結果、上記式(7)の表面プラズモン励起速度が増加するという訳である。
また、表4には、発光層に加え、第1電荷輸送層及び第2電極輸送層をそれぞれ低屈折率化した素子113b及び114bを載せた。素子113b、114b共に、素子111bよりも発光効率が高い。電極と接する電荷輸送層の屈折率を小さくすると、キャビティ強度を大きくすることができるため、発光層の屈折率が小さくとも、発光効率を改善させることができる。また、113b及び114bのSP結合割合Wspは112bに比べ小さい。電極と接する電荷輸送層を低屈折率化すると、ギャッププラズモンの波数を小さくしやすい。つまり、上記式(7)で示したギャッププラズモンの状態密度を低下させることができ、112bに比べSP励起速度は低下させることができる。
つまり、ギャッププラズモンが抑制されている条件において、少なくともどちらかの電荷輸送層の屈折率は、発光層の屈折率と同等か、それ以下となるように設計することが望ましい。最も望ましいのは、115bに示したように、ギャッププラズモンの波数を小さくした状態で、第1電荷輸送層と第2電荷輸送層の屈折率が共に発光層の屈折率よりも小さい場合である。この場合、SP結合効率は低下し、飛躍的に発光効率が増加する。
Figure 0006000703
上記のギャッププラズモンが抑制されている条件において、発光層に含まれる発光分子としては、遷移ダイポールが発光層の膜厚方向と垂直な方向(基板面内方向)に配向状態を持つ発光分子を使用することが望ましい。公知の材料である4,40−ビス[4−(ジフェニルアミノ)スチリル]ビフェニル(BDASBi)などを用いれば、遷移ダイポールの配向分布状態を基板面内方向に偏らせることが可能である。また、遷移ダイポールの配向状態は、非特許文献1などに記載された周知の方法である、スペクトル角度依存性から評価することができる。
表5は、3種類のB素子において遷移ダイポールが完全に水平な配向分布状態をとるときのWpara oc、Wpara sp、正面方向の色度及び発光効率を示した。ここで、Wpara oc及びWpara spは生成されたエキシトンエネルギに対して、それぞれ外部に取り出されたエネルギー割合、SPに結合したエネルギー割合に相当する。ちなみに外部に取り出されたエネルギー割合Wpara ocに、キャリアバランスファクタと励起子生成効率を乗じたものが外部量子効率に相当する。また、表5のWpara sp中のカッコの値は、遷移双極子の水平配向によるSPエネルギー結合の減少割合δWspである。つまり、遷移双極子がランダムな配向分布を持つ場合におけるSPエネルギー結合割合をWiso spとすると、δWsp=(Wpara sp/Wiso sp)−1となる。ここで検討した構成は、支持基板/第1電極/第1電荷輸送層/発光層(20nm)/第2電荷輸送層/第2電極/光学調整層という構造である。EMLの屈折率及び分散曲線は電荷輸送層のそれと同等である。PLスペクトルは図12のドーパント−1であり、励起子生成効率及び発光量子収率をそれぞれ0.25、0.8と仮定した。B素子116b及び117bにおける第1電荷輸送層及び第2電荷輸送層の膜厚は上記式(I),(II)を満たし、正面のスペクトルが色度CIE_Yxyにおける(0.138,0.60)になるよう設計されている。また比較例として、ボトムエミッション構成である素子118bも載せた。素子118bの第1電荷輸送層の膜厚は素子117bのそれと同等とした。
表5からギャッププラズモン抑制条件を満たす117bのδWspは−87.2%となり、他の構成に比べ最も大きいことがわかる。つまり、素子117bは、遷移ダイポールの水平配向による表面プラズモン損失抑制の効果が高い。その結果、素子117bのWpara spは約5%と、他の構成に比べ最も小さくなる。これは、ギャッププラズモン抑制条件を満たす場合、図5からわかるようにSPの作る電場のx成分がEMLで0となることに起因している。非特許文献1で開示されているようなボトムエミッション構成では、誘電体/金属界面が一つのみであるので、その界面で発生するSPの電界は半ループ状となる。つまり、SPの電界がかかっている領域においては、SPの電界のx成分を0にすることができない。それは、素子118bのδWspが−77.5%であり、117bのそれに比べ小さいことからもわかる。このように、ギャッププラズモン抑制条件を満たし、且つ遷移ダイポールが面内方向に配向秩序を持つ発光分子を使用することで、表面プラズモン損失を大幅に抑制でき、正面発光効率並びに外部量子効率を飛躍的に改善することができる。
Figure 0006000703
式(I),(II)を満たすB素子を用いて構成される表示装置において、反射電極及び透明電極がR、G、B素子で共通の場合、B素子でギャッププラズモン抑制条件を満たす組み合わせを選択する方が好ましい。表6は、有機EL素子101、102で構成される表示装置の250cd/m2における消費電力を例示した。計算条件は、3inch、vertical:Horizontal=3:4、開口率25%、駆動電圧8.7Vである。
また、表示装置101rgb及び102rgbはそれぞれB素子101b,G素子101g,R素子101r、及び、B素子102b,G素子102g,R素子102rで構成されている。表6からギャッププラズモン抑制条件を満たすB素子102bで構成される表示装置102rgbは、101rgbに比べ消費電力が低下していることが分かる。
また、歩留まりやプロセス簡易性の観点から、電子輸送層、カソード、光学調整層といった発光層より上部の層を共通層として成膜することが多い。そういった場合においても、B素子でギャッププラズモン抑制条件を満たす組み合わせを選択する方が好ましい。表6に表示装置103rgb、104rgbの比較を示した。ここで103rgbとは、有機EL素子101と同じ種類の材料で構成され、R素子及びG素子の電子輸送層、カソード膜厚、光学調整層の膜厚がB素子101bのそれと同じ場合に相当する(R素子103r,G素子103g)。同様に、104rgbは、R素子及びG素子の正孔輸送層、光学調整層の膜厚がB素子102bのそれと同じ場合に相当する(R素子104r,G素子104g)。101rgb、102rgbとの関係と同じように、B素子でギャッププラズモン抑制条件を満たす組み合わせ104rgbの消費電力は103rgbのそれに比べ小さいことが分かる。
Figure 0006000703
また、RGBごとに異なる反射電極を採用する場合においては、R素子とG素子とはキャビティ強度を最大にする組み合わせを、B素子はギャッププラズモン抑制条件を満たす組み合わせを選択する方が好ましい。表6に105rgb、106rgbの消費電力を示した。105rgb、106rgbは、それぞれR,G,B素子(101r,101g,102b)、(103r、103g、102b)で構成されている。105rgb、106rgbの消費電力は、共にそれぞれ102rgb、104rgbのそれよりも低減されている。
本発明の有機EL素子は、上記したように、金属電極におけるSP損失が低減され、発光効率が高い。よって、有機EL素子を用いた各種の装置に適用することによって、より高い特性が得られる。具体的には、本発明の有機EL素子と、係る有機EL素子の発光を制御する制御回路とを備えた発光装置が挙げられる。発光装置としては、照明装置や電子写真方式の画像形成装置の露光光源、液晶表示装置のバックライトなどが挙げられる。画像形成装置は、露光光源(上記発光装置)と、露光光源によって潜像が形成される感光体と、感光体を帯電する帯電手段と、を有している。
また、B素子とG素子とR素子とが配列された発光素子アレイにおいて、本発明の有機EL素子をB素子に用いることができる。この発光素子アレイは、表示装置に用いることができる。具体的には、表示装置は、発光素子アレイと、外部から入力された画像信号を基に発光素子アレイに所望の画像を表示するための制御回路と、を備えている。表示装置としては、テレビ受像機、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯ゲーム機、携帯音楽再生装置、携帯情報端末(PDA)、カーナビゲーションシステムが挙げられる。
この他に、本実施形態の発光素子アレイは、デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像装置の表示部や電子ビューファインダに配置されていてもよい。撮像装置は、撮像するための撮像光学系やCMOSセンサなどの撮像素子をさらに有している。また、撮像素子は、前記発光素子アレイの発光面の上以外に配置されている。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1では、異なるPLスペクトルにおいてもギャッププラズモン抑制条件(式(9))が成立することを示す。
図12には、本検討で使用したドーパント−1のPLスペクトルを示した。ドーパント−1のPLスペクトルはピーク波長λが451nmであり、ダブルピークを有する。
図13、図14に、発光分子がドーパント−1における、アノードとカソードのSPの波数差δk(Re)と発光効率の関係を示す。図13、図14の光学調整層のλでの屈折率はそれぞれ、1.88、2.4である。検討した素子構成はどれも、支持基板/アノード/正孔輸送層(HTL)/発光層(EML)/電子輸送層(ETL)/カソード/光学調整層(OCL)という構造である。この検討での有機化合物層の誘電率(又は屈折率)とその分散特性は、図7と同一である。また、正孔輸送層、電子輸送層、カソード、光学調整層の膜厚は、式(I)、(II)を満たす範囲内で、色度CIE_Yxy(0.137,0.60)における発光効率が最大となるように最適化している。
図13、図14におけるδk(Re)と発光効率の関係は、DACで得られたそれ(図7、図9)と同様の傾向が得られ、ギャッププラズモン抑制条件(式(9))を満たしていることが確認された。
(実施例2)
図7で示したシミュレーションで得られた結果における構成AとBの効果について確認する。
本例のアノードは、AlNdとAg/ITOを使用した。AlNdアノードは、ガラス基板上に、アルミニウム合金(AlNd)を100nmの膜厚でスパッタリング法にて成膜し、アノードを形成した。Ndの添加率は2.0質量%である。
Ndの添加率においては、Alの光学特性に対する影響がないことを確認している。また、Ag/ITOアノードはガラス基板上にAgを100nmの膜厚で成膜し、その後、ITOを10nmの膜厚で成膜した。Ag、ITO共にスパッタリング法である。これらアノードの上に順次、真空蒸着法で有機化合物層を成膜した。成膜順に列記すると、正孔輸送層として上述の化合物1を、AlNdアノード上、Ag/ITO上にそれぞれ20nm、5nmの膜厚で成膜した。
Figure 0006000703
次に、電子ブロック層として下記に示す構造の化合物2を10nmの膜厚で成膜した。次に発光層としては下記に示す構造の化合物3と化合物4とをそれぞれ成膜速度0.98Å/s、0.02Å/sで共蒸着し、膜厚20nmの発光層を形成した。次に、電子輸送層として下記に示す構造の化合物6を20nmの膜厚に成膜した。次に電子注入層として下記に示す構造の化合物6とCsをそれぞれ成膜速度3.0Å/s、0.3Å/sで共蒸着し10nmの膜厚に成膜した。カソードとしてはAg(24nm)の光透過性の金属薄膜を形成した。尚、括弧内は対応する金属の膜厚である。
また、光学調整層として、電子輸送層として上記に示した構造の化合物5を70nmの膜厚に成膜した。
Figure 0006000703
最後に、窒素雰囲気中のグローブボックスにて、乾燥剤を入れた封止ガラス(不図示)とガラス基板の成膜面とをUV硬化樹脂を用いて封止した。
Figure 0006000703
表7は、実験で得られた有機EL素子の発光効率である。また、表7中の有機化合物層の屈折率の値は、分光エリプソメーターにて測定され、光のピーク波長がλ=450nmの時の値である。δk(Re)は、上記したシミュレーション法から求めた。ギャッププラズモン抑制条件を満たすAl:Ndアノードを用いた実施例1−1の発光効率が、Ag/ITOアノードを用いた実施例1−2のそれよりも高いことが確認された。
(実施例3)
既述のシミュレーション結果で高い効率が得られた、ギャッププラズモンの低波数化の効果を確認する。今回は、アノードに接した正孔輸送層を低屈折率化した場合を検討した。
本実施例は、屈折率の異なる2つの正孔輸送層を用いた。正孔輸送層の一つは前記した化合物1(λ=450nmにおいて屈折率n=1.88)であり、もう一方はこれより低屈折率の化合物6(λ=450nmにおいて屈折率n=1.65)である。
Figure 0006000703
本例で作製した素子は、先ず、ガラス基板上に、アルミニウム合金(AlNd)を100nmの膜厚でスパッタリング法にて成膜し、アノードを形成した。Ndの添加率は2.0質量%である。このアノードの上に順次、真空蒸着法で有機化合物層を成膜した。成膜順に列記すると、正孔輸送層として上述の化合物1を18nmの膜厚で、もしくは化合物6を21nmの膜厚で、電子ブロック層として上記した構造の化合物2を10nmの膜厚で成膜した。次に発光層としては上記した構造の化合物3と化合物4とをそれぞれ成膜速度0.98Å/s、0.02Å/sで共蒸着し、膜厚20nmの発光層を形成した。次に、電子輸送層として上記した構造の化合物5を30nmの膜厚で成膜した。次にカソードとしてはAgCs(6nm)/Ag(20nm)の光透過性の積層金属薄膜を形成した。ここで、カソードの電子輸送層と接する側はAgとCsからなるAg合金とすることで電子輸送層への電子注入を容易としている。尚、括弧内は対応する金属の膜厚である。このCs濃度においては、CsドープによるAgの光学特性に対する影響は見られなかった。また、光学調整層として、電子輸送層として上記に示した構造の化合物5を70nmの膜厚で成膜した。
最後に、窒素雰囲気中のグローブボックスにて、乾燥剤を入れた封止ガラス(不図示)とガラス基板の成膜面とをUV硬化樹脂を用いて封止した。
尚、本例で作製した有機EL素子はいずれもλ/4構成である。また、化合物1、化合物2におけるアノードとカソードのSP波数差は、それぞれ1.5×105、7.4×105[rad/m]であり、いずれの素子も前記式(9)を満たしている。
図15は実験で得られた有機EL素子の色度−発光効率曲線であり、図16は各有機EL素子に対応する層構成をシミュレーションした結果である。図15中の白丸のプロットで示される、正孔輸送層に化合物1を用いた有機EL素子は、CIEy=0.065で4.1cd/A程度である。一方、図15中の黒丸及び曲線で示される、屈折率の低い化合物2を用いた有機EL素子はCIEy=0.065で5.3cd/A程度と高い効率を示し、低屈折率化による効率増加率は化合物1の1.3倍に及んだ。また、図16中、実線は化合物2を用いた素子、破線は化合物1を用いた素子を示しており、シミュレーションで得られた増加率も、化合物2は化合物1の約1.3倍となっており、シミュレーション結果は実験結果と矛盾しないことも確認された。
即ち、本実施例により、シミュレーションが実験結果と矛盾しないことが確認され、アノードと接する正孔輸送層3の屈折率を低下させ、ギャッププラズモンの波数を小さくすることで発光効率が改善されることが示された。
2,3,4:有機EL素子、20:第1電極(反射電極)、30:第1電荷輸送層、40:発光層、50:第2電荷輸送層、60:第2電極(透明電極)、70:光学調整層

Claims (17)

  1. 金属膜からなる第1電極と、第1電荷輸送層と、発光層と、第2電荷輸送層と、金属膜からなる第2電極と、光学調整層と、をこの順に有し、前記第2電極側から前記発光層が発する光を射出し、発光スペクトルの最大ピーク波長λが440nm以上470nm以下の光を発する有機EL素子であって、
    前記第1電荷輸送層は、前記第1電極と接しており、
    前記第2電荷輸送層と光学調整層はそれぞれ、前記第2電極と接しており、
    前記第1電極と前記第1電荷輸送層との第1の界面と、前記第2電極と前記第2電荷輸送層との第2の界面との間の光学距離Lは、前記最大ピーク波長をλ、前記第1の界面及び第2の界面で前記最大ピーク波長λの光が反射する際の位相シフトの和をφ[rad]とすると、
    (−1−φ/π)×(λ/4)<L<(1−φ/π)×(λ/4)
    を満たし、
    前記第1の界面で発生する表面プラズモンの波数の実部をkr[rad/m]、前記第2の界面で発生する表面プラズモンの波数の実部をks[rad/m]とすると、
    −4.5×106≦kr−ks≦2.1×106
    を満たすことを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記第2電極の表面プラズモンがLong−Range Surface Plasmon(LRSP)であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記第2電極の表面プラズモンの波数が、2.2×107乃至3.5×107[rad/m]であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL素子。
  4. 前記光学調整層の誘電率は前記第2電荷輸送層の誘電率よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  5. 前記第1電荷輸送層の誘電率と前記第2電荷輸送層の誘電率は、前記発光層の誘電率よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  6. 前記発光層は、遷移ダイポールモーメントが発光層の膜厚方向と垂直な方向に偏った配向状態をとる発光分子を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  7. 前記光学距離Lは、
    (−1−(2φ/π))×(λ/8)≦L≦(1−(2φ/π))×(λ/8)
    を満たすことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  8. 前記光学距離Lは、
    λ/4<L<3λ/4
    を満たすことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  9. 前記第1の界面と前記第2の界面との物理的距離は、58nm以上186nm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  10. 前記光学距離Lは、
    3λ/8≦L≦5λ/8
    を満たすことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  11. 前記第1の界面と前記第2の界面との物理的距離は、87nm以上155nm以下であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の有機EL素子と、前記有機EL素子の発光を制御する制御回路とを有することを特徴とする発光装置。
  13. 請求項12に記載の発光装置と、前記発光装置によって潜像が形成される感光体と、前記感光体を帯電する帯電手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  14. 青色を発光する有機EL素子と、緑色を発光する有機EL素子と、赤色を発光する有機EL素子と、が配列された発光素子アレイであって、
    前記青色を発光する有機EL素子が請求項1乃至11のいずれか1項に記載の有機EL素子であることを特徴とする発光素子アレイ。
  15. 請求項14に記載の発光素子アレイと、前記発光素子アレイの発光面の上以外に配置された撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。
  16. 請求項14に記載の発光素子アレイと、外部から入力された画像信号を基に前記発光素子アレイに画像を表示するための制御回路と、を備えることを特徴とする表示装置。
  17. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の有機EL素子を有することを特徴とする照明装置。
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