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JP6090205B2 - 移動支援装置、移動支援方法、及び運転支援システム - Google Patents

移動支援装置、移動支援方法、及び運転支援システム Download PDF

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JP6090205B2 JP2014033463A JP2014033463A JP6090205B2 JP 6090205 B2 JP6090205 B2 JP 6090205B2 JP 2014033463 A JP2014033463 A JP 2014033463A JP 2014033463 A JP2014033463 A JP 2014033463A JP 6090205 B2 JP6090205 B2 JP 6090205B2
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Description

本発明は、車両の複数の走行モードの適用を管理する移動支援装置、移動支援方法、及び運転支援システムに関する。
従来、上述のような複数の走行モードを備える車両として、内燃機関とモータとを駆動源として用いるハイブリッド車両が知られている。ハイブリッド車両は、複数の走行モードとして、内燃機関を停止させてモータのみを用いて走行するEV走行を優先することでバッテリの蓄電量を維持しない第1のモード(EVモード)や、内燃機関とモータとを使用して走行するHV走行を優先することでバッテリの蓄電量を維持する第2のモード(HVモード)などを備えている。また、ハイブリッド車両に搭載されるナビゲーションシステム等を含む移動支援装置は、地図情報や道路交通情報などに基づいて、現在地から目的地までの走行経路を算出するとともに、走行経路中の区切りとなる各区間に適用する走行モードを選択するなどの支援を行う。例えば、特許文献1には、こうした移動支援機能を有する車両の制御装置の一例が記載されている。
特開2009−12605号公報
ところで、特許文献1に記載の車両の制御装置では、目的地において二次電池であるバッテリの残量が零になるように、走行経路全体のエネルギー収支を考慮して走行経路の各区間の走行モードを設定している。ところが、交通流の変化などによって予測が外れ、バッテリの残量が予測よりも早く減少した場合には、第1のモードに計画された区間の途中でバッテリがなくなり、運転者に違和感を与えることがある。そこで、予測外れを考慮してバッテリの減りを多めに見積もっておくことも考えられるが、その場合には、バッテリの残量が目的地において零にならないことがある。
なお、こうした課題は、エネルギー収支の異なる複数の走行モードを備える車両を対象に走行モードの割り当てを行う装置あるいは方法にあっては、概ね共通した課題となっている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、走行経路におけるバッテリの消費の適正化を促進することのできる移動支援装置、移動支援方法、及びこれら移動支援機能を備える運転支援システムを提供することにある。
以下、上記課題を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
上記課題を解決する移動支援装置は、内燃機関とモータとを駆動源として備える車両の現在地から目的地までの移動を支援する移動支援装置であって、現在地から目的地までの走行経路を区切った各区間について、当該区間に関連付けられた走行負荷に基づき、バッテリの蓄電量を維持しない第1のモードと、前記バッテリの蓄電量を維持する第2のモードとのいずれかの走行モードを計画する計画部を備え、前記計画部は、所定の周期で前記走行モードの再計画を行うものであって、当該車両の前記第1のモードでの走行中には、前記走行モードの再計画を前記所定の周期よりも短い周期で行うことをその要旨としている。
上記課題を解決する移動支援方法は、内燃機関とモータとを駆動源として備える車両の現在地から目的地までの移動を、計画部を用いて支援する移動支援方法であって、前記計画部によって、現在地から目的地までの走行経路を区切った各区間について、当該区間に関連付けられた走行負荷に基づき、バッテリの蓄電量を維持しない第1のモードと、前記バッテリの蓄電量を維持する第2のモードとのいずれかの走行モードを計画するにあたり、所定の周期で前記走行モードの再計画を行い、当該車両の前記第1のモードでの走行中には、前記走行モードの再計画を前記所定の周期よりも短い周期で行うことをその要旨としている。
上記構成もしくは方法では、車両が第1のモードでの走行中であるとき、所定の周期よりも短い周期で走行モードの再計画を行う。このため、交通流等に起因してバッテリの残量の減りが変化したとしても、所定の周期よりも短い周期で走行モードを変更することによって適切な走行モードを新たに割り当てることができる。よって、走行経路におけるバッテリの消費の適正化を促進することができる。
上記課題を解決する移動支援装置について、内燃機関とモータとを駆動源として備える車両の現在地から目的地までの移動を支援する移動支援装置であって、現在地から目的地までの走行経路を区切った各区間について、当該区間に関連付けられた走行負荷に基づき、バッテリの蓄電量を維持しない第1のモードと、前記バッテリの蓄電量を維持する第2のモードとのいずれかの走行モードを計画する計画部を備え、前記計画部は、所定の周期で前記走行モードの再計画を行うものであって、当該車両の前記第1のモードでの走行中で、かつ、前記バッテリの残量がバッテリ残量の判定値である残量閾値未満であるときには、前記走行モードの再計画を前記所定の周期よりも短い周期で行うことをその要旨としている。
上記課題を解決する移動支援方法について、内燃機関とモータとを駆動源として備える車両の現在地から目的地までの移動を、計画部を用いて支援する移動支援方法であって、前記計画部によって、現在地から目的地までの走行経路を区切った各区間について、当該区間に関連付けられた走行負荷に基づき、バッテリの蓄電量を維持しない第1のモードと、前記バッテリの蓄電量を維持する第2のモードとのいずれかの走行モードを計画するにあたり、所定の周期で前記走行モードの再計画を行い、当該車両の前記第1のモードでの走行中で、かつ、前記バッテリの残量がバッテリ残量の判定値である残量閾値未満であるときには、前記走行モードの再計画を前記所定の周期よりも短い周期で行うことをその要旨としている。
上記構成もしくは方法では、車両が第1のモードの走行で、かつバッテリの残量が残量閾値未満であるときには、所定の周期よりも短い周期で走行モードの再計画を行う。このため、バッテリの残量が十分であるときには所定の周期で走行モードの再計画が行われ、バッテリの残量が少ないときには所定の周期より短い周期で走行モードの再計画が行われる。よって、バッテリの消費の適正化に影響が大きいときのみ再計画の周期の変更が行われ、これによっても走行経路におけるバッテリの消費の適正化が促進される。
上記課題を解決する運転支援システムは、内燃機関とモータとを駆動源として備える車両の現在地から目的地までの走行経路を区切った各区間に計画された、異なる複数の走行モードから選択した1つの走行モードに基づいて前記車両の運転を支援する運転支援システムであって、前記走行経路の各区間に前記複数の走行モードから選択した1つの走行モードを計画する移動支援装置として、上記の移動支援装置を備えることをその要旨としている。
上記構成によれば、複数の走行モードを備える車両に対し、走行経路におけるバッテリの消費の適正化を促進しながら車両の運転を支援することができる。
移動支援装置の一実施形態についてその概略構成を示すブロック図。 同実施形態の移動支援装置による走行モードの計画処理についてその処理手順を示すフローチャート。 同実施形態の移動支援装置による走行モードの計画処理についてその処理手順を示すフローチャート。 移動支援装置による走行モードの計画処理の変形例についてその処理手順を示すフローチャート。
以下、図1〜図3を参照して、移動支援装置、移動支援方法、及び運転支援システムを具体化した一実施形態について説明する。なお、本実施形態の移動支援装置、移動支援方法、及び運転支援システムは、二次電池からなるバッテリを動力源として用いる電動モータ、及びガソリンやその他の燃料を動力源として用いる内燃機関をそれぞれ駆動源とするハイブリッド車両に適用される。
図1に示されるように、車両100には、車両100の走行状態を検出する装置として、例えばGPS(Global Positioning System)101、車載カメラ102、ミリ波レーダー103、加速度センサ104、及び車速センサ105等が搭載されている。これらGPS101、車載カメラ102、ミリ波レーダー103、加速度センサ104、及び車速センサ105は、例えばCAN(Controller Area Network)などの車載ネットワークNWを介して、ハイブリッド制御装置110、ナビゲーションシステム120のナビ制御装置121、及びエンジン制御装置130に接続されている。また、ハイブリッド制御装置110、ナビ制御装置121、及びエンジン制御装置130は、いわゆるECU(電子制御装置)であって、演算装置や記憶装置を有する小型コンピュータを含んで構成されている。ハイブリッド制御装置110、ナビ制御装置121、及びエンジン制御装置130は、記憶装置に記憶されたプログラムやパラメータを演算装置により演算することによって各種制御を行うことができる。
GPS101は、GPS衛星からの信号を受信し、この受信したGPS衛星からの信号に基づき車両100の位置を、例えば緯度経度として検出する。また、GPS101は、この検出した車両100の位置(緯度経度)を示す情報である位置情報を出力する。車載カメラ102は、車両100の周辺環境を撮像し、この撮像した画像データを出力する。ミリ波レーダー103は、ミリ波帯の電波を用いて車両100周辺に存在する物体を検知し、この検知結果に応じた信号を出力する。
加速度センサ104は、車両100の加速度を検出し、この検出した加速度に応じた信号を出力する。車速センサ105は、車両100の車輪の回転速度を検出し、この検出した回転速度に応じた信号を出力する。
アクセルセンサ106は、ドライバによるアクセルペダルの操作量を検出し、この検出したアクセルペダルの操作量に応じた信号を出力する。ブレーキセンサ107は、ドライバによるブレーキペダルの操作量を検出し、この検出したブレーキペダルの操作量に応じた信号を出力する。
また、車両100には、内燃機関の駆動状態を制御するアクセルアクチュエータ108、及びブレーキを制御するブレーキアクチュエータ109が設けられている。アクセルアクチュエータ108やブレーキアクチュエータ109は、車載ネットワークNWに電気的に接続されている。アクセルアクチュエータ108は、アクセルセンサ106の検出値に応じてエンジン制御装置130が算出する内燃機関の制御量に基づき内燃機関を制御する。また、ブレーキアクチュエータ109は、ブレーキセンサ107の検出値に応じてエンジン制御装置130が算出するブレーキの制御量に基づきブレーキを制御する。
さらに、車両100には、駆動源である電動モータの動力源であるバッテリ113と、バッテリ113の充放電を制御する電池アクチュエータ112が設けられている。電池アクチュエータ112は、車載ネットワークNWに電気的に接続されている。電池アクチュエータ112は、バッテリ113の充放電等を管理する。また、電池アクチュエータ112は、バッテリ113の放電を制御することにより電動モータを駆動させたり、電動モータの回生によりバッテリ113を充電させたりする。
車両100には、内燃機関及び電動モータの駆動状態を制御するハイブリッド制御装置110が設けられている。ハイブリッド制御装置110は、車載ネットワークNWを介して、電池アクチュエータ112、アクセルアクチュエータ108、及びブレーキアクチュエータ109に電気的に接続されている。
ハイブリッド制御装置110は、加速度センサ104、車速センサ105、及びアクセルセンサ106の検出結果に基づいて、内燃機関及び電動モータの駆動力の配分(出力比)を定める。特に、ハイブリッド制御装置110は、内燃機関及び電動モータの駆動力の配分(出力比)の変更によってバッテリ113のエネルギー残量であるバッテリ113の残量を調整するようにしている。ハイブリッド制御装置110は、内燃機関を停止させて電動モータを駆動源として用いるEV走行、内燃機関及び電動モータを駆動源として用いるHV走行を実行する。
ハイブリッド制御装置110は、バッテリ113の蓄電量を消費するモードであるCD(Charge Depleting)モード、及び、バッテリ113の蓄電量を維持するモードであるCS(Charge Sustaining)モードを適宜選択する。
CDモードは、バッテリ113の蓄電量を維持することなく、バッテリ113に充電された電力を積極的に消費するモードであり、EV走行を優先させるモードである。以下、このCDモードをEVモードとして説明する。なお、EVモードであっても、アクセルペダルが大きく踏み込まれて大きな走行パワーが要求されれば内燃機関は駆動される。
CSモードは、バッテリ113の蓄電量を基準値に対して所定の範囲に維持させるモードであり、蓄電量を維持させるために必要に応じて内燃機関を駆動させて電動モータを回生運転させHV走行を優先するモードである。以下、このCSモードをHVモードとして説明する。なお、HVモードであっても、バッテリ113の蓄電量が基準値を上回っていれば内燃機関が停止する。HVモードの基準値には、EVモードからHVモードに変更されたときの蓄電量の値、又は、バッテリ113の性能維持を図るために必要とされる蓄電量の値が適宜設定される。
ハイブリッド制御装置110は、選択されたEVモード又はHVモードの下、駆動力の配分に基づいて、バッテリ113の放電等に関する電池アクチュエータ112の制御指令や、エンジン制御装置130に算出させる内燃機関の制御量に関する情報を生成する。また、ハイブリッド制御装置110は、加速度センサ104、車速センサ105、及びブレーキセンサ107の検出結果に基づいて、ブレーキ及び電動モータの制動力の配分を定める。ハイブリッド制御装置110は、制動力の配分に基づいて、バッテリ113の充電等に関する電池アクチュエータ112の制御指令や、エンジン制御装置130に算出させるブレーキの制御量に関する情報を生成する。つまり、ハイブリッド制御装置110は、生成した制御指令を電池アクチュエータ112に出力することによりバッテリ113の充放電を制御する。これにより、バッテリ113の放電によりバッテリ113を動力源(電力源)とする電動モータが駆動されたり、電動モータの回生によりバッテリ113が充電されたりする。また、ハイブリッド制御装置110は、ハイブリッド制御の実行状況やバッテリ113の充電率を監視することが可能となっている。
ハイブリッド制御装置110は、車両100のドライバの選択結果に応じてEVモードとHVモードとを切り替える制御を行う。また、ハイブリッド制御装置110は、EVモードとHVモードとを自動的に切り替える機能を有しており、ナビ制御装置121から入力される車両100の走行経路の各区間の走行に要する走行負荷に関する情報等に基づいてEVモードとHVモードとを切り替える制御を行う。なお、走行負荷は、その区間における単位距離当たりの負荷量であって、当該区間の走行に要する平均的な負荷量である。一方、その区間の完走に要する走行負荷の累積値は、消費エネルギーとしてこれを定義する。
また、車両100は、地図データが登録された地図情報データベース122を備えている。地図データは、道路などの地理に関するデータである。地図データには、地理を表示可能な表示種別のデータなどとともに、緯度経度などの位置に関する情報が登録されている。表示種別のデータには、川、湖、及び海等の表示情報が含まれる。また、地図データには、交差点名称、道路名称、方面名称、方向ガイド、及び施設情報などの情報が登録されていてもよい。
また、地図情報データベース122には、道路上の位置を示すノードに関する情報であるノードデータと、2つのノードの間の区間としてのリンクに関する情報であるリンクデータとが含まれている。ノードは、道路上において、交差点、信号機、及びカーブ等の特定の交通要素の位置や車線数が変更される地点などに設定される。ノードデータには、ノードの位置情報や、当該位置の道路情報などが含まれる。リンクは、2つのノードの間に、それら2つのノードに区切られた区間として設定される。リンクデータには、2つのノードの情報や、当該リンクの区間の道路情報などが含まれる。リンクデータに含まれる走行負荷情報から、走行負荷を取得もしくは算出することができる。リンクの区間の道路情報としては、始点位置、終点位置、距離、経路、起伏などの情報が含まれる。また、リンクデータには、リンクの区間の走行負荷を含むコストデータ、道路種類を含む道路データ、特定の位置を示すマークデータ、交差点の情報を示す交差点データ、施設の情報を示す施設データ等の各種データが含まれている。
詳述すると、ノードデータは、例えば、ノードの識別番号であるノードID、ノードの座標、ノードに接続される全リンクのリンクID、交差点や合流地点等の種別を示すノード種別等によって構成されてもよい。また、ノードデータは、ノードを表す画像の識別番号である画像IDなどのノードの特性を示すデータ等を含んで構成されてもよい。
また、リンクデータは、例えば、リンクの識別番号であるリンクID、リンク長、始点及び終点に接続する各ノードのノードIDによって構成されている。また、リンクデータは、高速道路、有料道路、一般道路、市街地/郊外道路、山間部道路、トンネル、橋、立体交差路等の道路種別を示すデータに加え、道路幅員、車線数、リンク走行時間、法定制限速度、及び道路の勾配等を示すデータ等のうち必要な情報を含んで構成されている。さらに、リンクデータは、各リンクにおける車両100の必要出力である走行負荷情報として、移動時間、移動速度、消費燃料量、及び消費電力量等の平均値や最大値、最小値等を示すデータを含んで構成されてもよい。消費電力量は、車両100がEVモードにて走行したときに電動モータにより消費される電力量である。リンク(区間)の走行負荷は、こうした走行負荷情報に基づいて取得もしくは算出される。なお、走行負荷は、リンク(区間)における平均値であり、単位を[kW]等としている。また、各リンク(区間)の完走に必要な走行負荷の累積値としての消費エネルギーは、走行負荷とリンク長(区間長)とから算出することができる。
車両100には、経路案内等を行うナビゲーションシステム120が搭載されている。ナビゲーションシステム120のナビ制御装置121は、車両100の現在地点(緯度経度)を、GPS101から取得する。また、ナビ制御装置121は、ドライバによって目的地点が設定されると、この目的地点(緯度経度)を特定する。そして、ナビ制御装置121は、車両100の現在地点から目的地点までの走行経路を、地図情報データベース122の参照を通じて、例えばダイクストラ法等を用いて探索する。また、ナビ制御装置121は、例えば探索した走行経路における走行負荷、移動時間、移動速度、消費燃料量、及び消費電力量を算出する。そして、ナビ制御装置121は、探索した走行経路や算出した走行負荷、移動時間、移動速度、消費燃料量、及び消費電力量を示す情報を、車載ネットワークNWを介してハイブリッド制御装置110に出力するとともに、車載ネットワークNWを介して車室内に設けられた液晶ディスプレイ等からなる表示装置123に出力する。
また、車両100には、ダッシュボードに設けられたインストルメントパネルに表示されるメータの表示状況を制御するメータ制御装置124が設けられている。メータ制御装置124は、例えばバッテリ113の充放電状況等を示すデータをハイブリッド制御装置110から取得し、この取得したデータに基づいて例えば車両100内のエネルギーフローを可視表示する。エネルギーフローとは、バッテリ113の充放電、電動モータの駆動力/回生などによって生じる車両100におけるエネルギーの流れである。なお、エネルギーフローには、内燃機関の駆動力などによって生じる車両100におけるエネルギーの流れが含まれていてもよい。
ハイブリッド制御装置110は、走行経路が入力されると、その走行経路の各区間に走行モードの割り当てを行う。ハイブリッド制御装置110は、走行経路に応じた走行モードの割り当てを支援する運転支援部111を備えている。運転支援部111は、ナビ制御装置121からドライバにより設定された目的地点までの走行経路の情報を取得する。また、運転支援部111は、取得した走行経路の区間に割り当てられる走行モードの計画等を行うモード計画部111aを備えている。モード計画部111aは、移動支援装置を構成し、ハイブリッド制御装置110におけるプログラムの実行処理などによりその機能が発揮されるものである。モード計画部111aは、走行経路全体のエネルギー収支を考慮して、走行経路の各区間の走行負荷に応じて各区間の走行モードを計画する機能を備えている。
一般に、電動モータによる走行を走行負荷の小さい区間に適用するほうが効率が良い傾向にあり、内燃機関による走行を走行負荷の大きい区間に適用するほうが効率が良い傾向にある。そこで、ハイブリッド制御装置110は、走行負荷の小さい区間にはEVモードを割り当て、走行負荷の大きい区間にはHVモードを割り当てるようにしている。
モード計画部111aは、複数の対象区間について、それらの区間における走行負荷を比較して低い区間から順にEVモードを割り当てる。また、モード計画部111aは、EVモードを割り当てた区間の消費エネルギーを積算し、バッテリ113のエネルギー残量から減算する。そして、モード計画部111aは、積算された消費エネルギーがバッテリ113のエネルギー量の残量を超えないように、各区間へのEVモードの割り当てを続ける。これにより、モード計画部111aは、走行経路の各区間のうち、相対的に走行負荷の低い区間にEVモードを割り当てる。また、モード計画部111aは、EVモードが割り当てられなかった区間にはHVモードを割り当てる。
ところで、モード計画部111aは、目的地においてバッテリ113の残量が零になるように、走行経路全体のエネルギー収支を考慮して走行経路の各区間の走行モードを計画している。しかし、交通流の変化などによって予測が外れ、バッテリ113の残量が予測よりも早く減少した場合には、EVモードに計画された区間の途中でバッテリがなくなり、運転者に違和感を与えることがある。そこで、モード計画部111aは、走行モードの再計画を所定の周期(例えば1分周期)で行っているところ、車両100がEVモードでの走行中には走行モードの再計画を所定の周期よりも短い周期(例えば30秒周期)で行う。
モード計画部111aは、車両100がHVモードでの走行中には所定の計画周期(通常の計画周期)で再計画を行い、車両100がEVモードでの走行中には通常の計画周期よりも短い周期で再計画を行う。すなわち、こうして、バッテリ113の残量が変動するEVモードであるときに、短い周期で再計画するので、走行経路におけるバッテリ113の消費の適正化を促進することができる。
モード計画部111aはまた、上記のように走行経路の各区間に対して計画した走行モードを表示装置123に出力し、走行している区間の計画した走行モードを表示装置123に表示させる。
ハイブリッド制御装置110は、現在走行している位置情報を適宜取得することで現在走行している区間、言い換えれば現区間を特定するとともに、その特定された区間に計画された走行モードで車両100が走行するようにしている。つまり、ハイブリッド制御装置110は、車両100の走行経路が変化する都度、車両100の走行モードを当該区間に割り当てられたEVモード又はHVモードに切り替える。これにより、車両100は、現在走行している区間(現区間)に計画された走行モードで走行する。
次に、図2及び図3を参照して、運転支援部111のモード計画部111aによる走行モードの計画処理について、作用とともに説明する。運転支援部111は、ナビ制御装置121から走行経路が伝達される都度、その走行経路の各区間に対する走行モードの計画を行う。また、モード計画部111aは、計画周期毎に走行モードの計画を再度行う。
図2に示されるように、運転支援部111は、ナビ制御装置121によって目的地点が設定されると、走行経路中の全区間について経路情報を取得する(ステップS11)。そして、運転支援部111は、経過時間t=0とする(ステップS12)。
運転支援部111は、支援可能状態であるか否かを判断する(ステップS13)。すなわち、モード計画部111aは、バッテリ113の残量が残っていればEVモードでの走行支援が可能であるので、バッテリ113の残量がバッテリ切れと判断する所定値よりも大きいか否かを判断する。そして、運転支援部111は、バッテリ113の残量が残っていない支援不可能状態であると判断した場合には(ステップS13:NO)、モード計画処理を終了する。
また、運転支援部111は、バッテリ113の残量が残っている支援可能状態であると判断した場合には(ステップS13:YES)、走行経路の全区間の消費エネルギーの総和Esumを算出する(ステップS14)。運転支援部111は、走行経路の全区間の消費エネルギーの和Esumがバッテリ113の残量よりも大きいか否かを判断する(ステップS15)。すなわち、モード計画部111aは、走行経路の全区間をEVモードで走行できるか否かを判断する。そして、運転支援部111は、走行経路の全区間の消費エネルギーの和Esumがバッテリ113の残量よりも大きくないと判断した場合には(ステップS15:NO)、走行経路の全区間にEVモードを割り当てる(ステップS28)。
一方、運転支援部111は、走行経路の全区間の消費エネルギーの和Esumがバッテリ113の残量よりも大きいと判断した場合には(ステップS15:YES)、走行経路の各区間の走行負荷を比較して、走行負荷の低い順に各区間を並び替える(ステップS16)。
運転支援部111は、走行負荷の低い順に並び替えた区間を区間n=1〜nとし、区間n=1、消費エネルギーE=0とする(ステップS17)。運転支援部111は、区間nまでの消費エネルギーの和(E=E+En)を算出する(ステップS18)。
次に、運転支援部111は、区間nまでの区間の消費エネルギーの和Eがバッテリ113の残量よりも大きいか否かを判断する(ステップS19)。運転支援部111は、区間nまでの区間の消費エネルギーの和Eがバッテリ113の残量以下であると判断した場合には(ステップS19:NO)、区間を1つ加算するためにn=n+1とする(ステップS27)。
また、運転支援部111は、区間nまでの区間の消費エネルギーの和Eがバッテリ113の残量よりも大きいと判断した場合には(ステップS19:YES)、並び替えた後の1〜nまでの区間をEVモードに設定する(ステップS20)。そして、運転支援部111は、走行経路の各区間に走行モードを割り当てる(ステップS21)。
続いて、運転支援部111は、現在の走行モードがEVモードであるか否かを判断する(ステップS22)。すなわち、モード計画部111aは、バッテリ113を消費して、バッテリ113の残量が変動する走行モードであるEVモードであるか否かを判断する。そして、モード計画部111aは、現在の走行モードがEVモードでないと判断した場合には(ステップS22:NO)、走行モードの計画の間隔である計画周期Tを「β」と設定する(ステップS29)。「β」は、通常の計画周期であって、所定の計画周期に相当し、例えば1分である。
一方、モード計画部111aは、現在の走行モードがEVモードであると判断した場合には(ステップS22:YES)、走行モードの計画周期Tを「α」と設定する(ステップS23)。「α」は、通常の計画周期よりも短い周期であって(α<β)、例えば30秒である。
運転支援部111は、経過時間tに計算周期を加えて、計算終了後の経過時間tを算出する(ステップS24)。ここで、計算周期は、ステップS24の処理開始から次のモード計画処理が開始されるまでの時間であって、例えば8m秒である。
続いて、運転支援部111は、上記ステップS24にて算出された経過時間tが計画周期Tよりも小さいか否かを判断する(ステップS25)。すなわち、モード計画部111aは、経過時間tが計画周期Tを経過するか否かを判断する。そして、運転支援部111は、経過時間tが計画周期Tよりも小さくない、すなわち計画周期Tを経過すると判断した場合には(ステップS25:NO)、ステップS12に移行して、次の走行モードの計画を行う。
一方、運転支援部111は、経過時間tが計画周期Tよりも小さい、すなわち計画周期Tを経過していないと判断した場合には(ステップS25:YES)、支援可能状態であるか否かを判断する(ステップS26)。すなわち、モード計画部111aは、バッテリ113の残量が残っている支援可能状態であれば(ステップS26:YES)、EVモードでの走行支援を継続するため、ステップS22に移行して、現走行モードの確認を再度行い、経過時間tが計画周期Tに達するまで処理を繰り返す。そして、モード計画部111aは、経過時間tが計画周期Tに達すれば、次の走行モードの計画を行うべくステップS12に移行する。一方、モード計画部111aは、バッテリ113の残量が残っていない支援不可能状態であれば(ステップS26:NO)、モード計画処理を終了する。
本実施形態ではこのように、走行モードの再計画を計画周期T=βで行っているところ、車両100がEVモードでの走行中には走行モードの再計画を計画周期T=βよりも短い計画周期T=αで行う。こうして、バッテリ113の残量が変動するEVモードであるときに、短い計画周期T=α<βで走行モードを再計画するので、走行経路におけるバッテリ113の消費の適正化を促進することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)走行モードがEVモードでの走行中であるとき、所定の計画周期T=βよりも短い計画周期T=αで再計画を行う。このため、交通流等に起因してバッテリ113の残量の減りが変化したとしても、所定の計画周期T=βよりも短い計画周期T=α<βで走行モードを変更することによって、適切な走行モードを新たに割り当てることができる。よって、走行経路におけるバッテリ113の消費の適正化を促進することができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・図3に代わる図として図4に示すように、走行モードがEVモードの走行で、かつバッテリ113の残量が残量閾値X未満であるときに、所定の計画周期T=βよりも短い計画周期T=αで再計画を行ってもよい。すなわち、運転支援部111は、ステップS21に続いて、バッテリ113の残量が残量閾値X未満であるか否かを判断する(ステップS30)。そして、運転支援部111は、バッテリ113の残量が残量閾値X以上であると判断した場合には(ステップS30:NO)、計画周期Tを「β」と設定する(ステップS29)。運転支援部111は、バッテリ113の残量が残量閾値X未満であると判断した場合には(ステップS30:YES)、ステップS22に移行して、現在の走行モードがEVモードであるときに(ステップS22:YES)、計画周期Tを「α」と設定する(ステップS23)。よって、現在の走行モードがEVモードであってもバッテリ113の残量が残量閾値X以上であれば、計画周期Tが通常の計画周期βとなる。これにより、バッテリ113の消費の適正化に影響が大きいときのみ再計画の周期の変更が行われ、これによっても走行経路におけるバッテリ113の消費の適正化が促進される。
・上記実施形態では、車載ネットワークNWはCANである場合について例示した。しかしこれに限らず、車載ネットワークNWは、接続されているECU等を通信可能に接続させるものであれば、イーサーネット(登録商標)や、フレックスレイ(登録商標)や、IEEE1394(FireWire(登録商標))などその他のネットワークから構成されていてもよい。また、CANを含み、これらのネットワークが組み合わされて構成されていてもよい。これにより、移動支援装置が用いられる車両について構成の自由度の向上が図られる。
・上記実施形態では、GPS101が車載ネットワークNWを介してナビ制御装置121に接続されたが、GPS101がナビ制御装置121に直接接続されてもよい。
・上記実施形態では、ナビゲーションシステム120と運転支援部111とが別々の構成である場合について例示した。しかしこれに限らず、ナビゲーションシステムと運転支援部とは同一の装置に設けられていてもよい。これにより、移動支援装置の構成の自由度の向上が図られる。
・上記実施形態では、ハイブリッド制御装置110と運転支援部111とが同一の装置に設けられている場合について例示した。しかしこれに限らず、ハイブリッド制御装置と運転支援部とは別々の装置に設けられていてもよい。これにより、移動支援装置の構成の自由度の向上が図られる。
・上記実施形態では、ナビゲーションシステム120、表示装置123などの各装置が車両100に一体として設けられている場合について例示した。しかしこれに限らず、ナビゲーションシステム、表示装置などの各装置は、相互に通信可能に接続されるのであれば、携帯電話やスマートフォンなどの携帯可能な情報処理装置等をそれらの機能の全部又は一部として用いてもよい。これにより、移動支援装置の設計自由度の拡大が図られる。
・上記実施形態では、運転支援部111、ナビゲーションシステム120、地図情報データベース122などが車両100に搭載されている場合について例示した。しかしこれに限らず、運転支援部、ナビゲーションシステム、地図情報データベースなどの一部の機能が、車外の情報処理装置に設けられていたり、携帯型情報処理装置に設けられていたりしてもよい。車外の情報処理装置としては情報処理センターが挙げられ、携帯型情報処理装置としては、携帯電話やスマートフォンなどが挙げられる。車外の情報処理装置であれば無線通信回線などを介して情報を授受するようにすればよい。携帯型情報処理装置であれば、車載ネットワークに接続してもよいし、近距離通信によって接続されていてもよいし、無線通信回線を介して情報を授受してもよい。これにより、移動支援装置の設計自由度の拡大が図られる。
・上記実施形態では、走行経路中の区間の走行負荷を地図情報データベースに含まれる情報から取得もしくは算出する場合について例示した。しかしこれに限らず、走行経路中の区間の走行負荷を、学習データベースから取得もしくは算出するなどしてもよい。例えば、以前に走行したことのある経路であれば、学習データベースに記憶されている、以前に当該経路の走行に要した走行負荷を利用することができる。これにより、移動支援装置の設計自由度の拡大が図られる。
・上記実施形態では、走行モードの割り当てが運転支援部111により行われる場合について例示した。しかしこれに限らず、走行モードの割り当てをナビ制御装置などで行ってもよい。これにより、移動支援装置の設計自由度の拡大が図られる。
・上記実施形態では、主に、走行モードの割り当てが、車両100の位置が現在地点であるとき実行される場合について例示したが、走行モードの割り当ては、車両が目的地点に移動しているいずれの地点においても実行されてもよい。そして、いずれの地点における実行についても走行経路の全区間に対する適切な走行モードの割り当てを行うことができる。これにより、移動支援装置の設計自由度の拡大が図られる。
100…車両、101…GPS、102…車載カメラ、103…ミリ波レーダー、104…加速度センサ、105…車速センサ、106…アクセルセンサ、107…ブレーキセンサ、108…アクセルアクチュエータ、109…ブレーキアクチュエータ、110…ハイブリッド制御装置、111…運転支援部、111a…モード計画部、112…電池アクチュエータ、113…バッテリ、120…ナビゲーションシステム、121…ナビ制御装置、122…地図情報データベース、123…表示装置、124…メータ制御装置、NW…車載ネットワーク、T,α,β…計画周期、t…経過時間。

Claims (5)

  1. 内燃機関とモータとを駆動源として備える車両の現在地から目的地までの移動を支援する移動支援装置であって、
    現在地から目的地までの走行経路を区切った各区間について、当該区間に関連付けられた走行負荷に基づき、バッテリの蓄電量を維持しない第1のモードと、前記バッテリの蓄電量を維持する第2のモードとのいずれかの走行モードを計画する計画部を備え、
    前記計画部は、所定の周期で前記走行モードの再計画を行うものであって、当該車両の前記第1のモードでの走行中には、前記走行モードの再計画を前記所定の周期よりも短い周期で行う
    ことを特徴とする移動支援装置。
  2. 内燃機関とモータとを駆動源として備える車両の現在地から目的地までの移動を支援する移動支援装置であって、
    現在地から目的地までの走行経路を区切った各区間について、当該区間に関連付けられた走行負荷に基づき、バッテリの蓄電量を維持しない第1のモードと、前記バッテリの蓄電量を維持する第2のモードとのいずれかの走行モードを計画する計画部を備え、
    前記計画部は、所定の周期で前記走行モードの再計画を行うものであって、当該車両の前記第1のモードでの走行中で、かつ、前記バッテリの残量がバッテリ残量の判定値である残量閾値未満であるときには、前記走行モードの再計画を前記所定の周期よりも短い周期で行う
    ことを特徴とする移動支援装置。
  3. 内燃機関とモータとを駆動源として備える車両の現在地から目的地までの移動を、計画部を用いて支援する移動支援方法であって、
    前記計画部によって、現在地から目的地までの走行経路を区切った各区間について、当該区間に関連付けられた走行負荷に基づき、バッテリの蓄電量を維持しない第1のモードと、前記バッテリの蓄電量を維持する第2のモードとのいずれかの走行モードを計画するにあたり、所定の周期で前記走行モードの再計画を行い、当該車両の前記第1のモードでの走行中には、前記走行モードの再計画を前記所定の周期よりも短い周期で行う
    ことを特徴とする移動支援方法。
  4. 内燃機関とモータとを駆動源として備える車両の現在地から目的地までの移動を、計画部を用いて支援する移動支援方法であって、
    前記計画部によって、現在地から目的地までの走行経路を区切った各区間について、当該区間に関連付けられた走行負荷に基づき、バッテリの蓄電量を維持しない第1のモードと、前記バッテリの蓄電量を維持する第2のモードとのいずれかの走行モードを計画するにあたり、所定の周期で前記走行モードの再計画を行い、当該車両の前記第1のモードでの走行中で、かつ、前記バッテリの残量がバッテリ残量の判定値である残量閾値未満であるときには、前記走行モードの再計画を前記所定の周期よりも短い周期で行う
    ことを特徴とする移動支援方法。
  5. 内燃機関とモータとを駆動源として備える車両の現在地から目的地までの走行経路を区切った各区間に計画された、異なる複数の走行モードから選択した1つの走行モードに基づいて前記車両の運転を支援する運転支援システムであって、
    前記走行経路の各区間に前記複数の走行モードから選択した1つの走行モードを計画する移動支援装置として、請求項1又は2に記載の移動支援装置を備える
    ことを特徴とする運転支援システム。
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