以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。尚、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。尚、前面枠セット14は、内枠12を介してではなく、外枠11に直接開放可能に支持されるように構成してもよい。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1、図2に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。加えて、下皿15の左部には、LEDが内蔵された演出ボタン125が設けられており、演出ボタン125を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段(可変抵抗器)が設けられている。そして、ハンドル18が右回りに回動操作されると、回動操作量に応じた強さで、後述する発射手段としての発射装置60によって遊技球が発射される。また、ハンドル18には、ハンドル18を握った右手の親指で押圧操作可能な発射禁止ボタン18aが設けられている。当該発射禁止ボタン18aを押圧した状態においては、ハンドル18を握っていたとしても、発射装置60による遊技球の発射が禁止される。このため、遊技球の発射を禁止しつつハンドル18の回動操作を行ったり、ハンドル18を握った状態で、一時的に遊技球の発射を止めたりすることができる。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射装置60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、遊技状態の変化等に応じて発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12には、窓孔39の後側において、遊技盤30が樹脂ベース38の裏側に当接した状態で装着されている。従って、遊技盤30前面の略中央部分が窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60によって発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。さらに、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞ユニット(始動口)33、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35、第1特別表示装置43L及び第2特別表示装置43R、変動特定ランプ40等が配設されている。周知の通り一般入賞口31、可変入球手段としての可変入賞装置32、始動入賞ユニット33などの各種入賞口に遊技球が入球(入賞)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19又は下皿15へ所定数の賞球が払い出される。例えば、始動入賞ユニット33への入球があった場合には3個、一般入賞口31への入球があった場合には10個、可変入賞装置32への入球があった場合には15個の遊技球が払出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない閉状態になっており、大当たり状態の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。尚、図示は省略するが、可変入賞装置32は、遊技盤30の後方へと通じる大入賞口と、大入賞口を開閉するシャッタと、シャッタを動作させるための大入賞口ソレノイドと、大入賞口に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ223とを備え、大入賞口ソレノイドを駆動制御し、シャッタを開閉させることで、可変入賞装置32(大入賞口)を閉状態と開状態とに切替えている。
始動入賞ユニット33は、上入賞口33a及び下入賞口33bと、下入賞口33bの両側部に設けられた開閉する一対の開閉部材33cとを備えている。開閉部材33cが所定条件の成立に応じて開閉動作することにより、下入賞口33bの側方を流下する遊技球が下入賞口33bへと案内される開状態と、案内されない閉状態との間で状態変化可能に構成されている。尚、詳しくは後述するが、始動入賞ユニット33は、上入賞口33a、下入賞口33bに入球した遊技球をそれぞれ検知する第1始動入賞スイッチ224a、及び第2始動入賞スイッチ224bを備えており、当該始動入賞スイッチ224a、224bにて遊技球が検知された場合に、大当たり状態を発生させるか否かを決める当否抽選が行われるとともに、特別表示装置43L、43R(及び後述する可変表示手段としての装飾図柄表示装置42)にて、当該当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて大当たりに当選した場合には、可変入賞装置32が開放される特別遊技状態としての大当たり状態が付与されることとなる。
また、本実施形態では、当否抽選にて所定の確率で大当たりに当選する低確率状態と、当否抽選にて低確率状態よりも高確率で大当たりに当選する高確率状態とがある。さらに、開閉部材33cが比較的頻繁に開放され、遊技球を下入賞口33cへ入球させ易くなる高入球状態と、開閉部材33cがほとんど開状態とされず、遊技球を下入賞口33bへ入球させ難い低入球状態とがある。以下、低確率状態かつ低入球状態である状態を「通常モード」と称し、低確率状態かつ高入球状態である状態を「時間短縮モード」と称し、高確率状態かつ高入球状態である状態を「確変モード」と称する。
さらに、本実施形態では、通常モード及び確変モードは大当たり状態が発生するまで継続されるのに対し、時間短縮モードは大当たり状態が発生しなくても特別表示装置43L、43R及び装飾図柄表示装置42における変動表示が100回行われると終了し、通常モードに移行する構成となっている。
また、本実施形態の大当たり種別は、16ラウンド確変大当たり(以下「16RS」と言う)と、7ラウンド確変大当たり(以下「7RS」と言う)と、7ラウンド通常大当たり(以下「7RN」)との3種類である。そして、可変入賞装置32が30秒間開放されること、又は、可変入賞装置32が開放されてから可変入賞装置32に8個の遊技球が入球することを1ラウンドとして、「16RS」に関しては、それが16回繰り返され、一方、「7RS」に関しては、それが7回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。また、「16RS」、「7RS」の大当たり状態終了後には「確変モード」が付与され、「7RN」の大当たり状態終了後には「時間短縮モード」が付与される。
第1及び第2特別表示装置43L、43Rは、それぞれ2文字(及びドット)を表示可能なタイプの7セグメント表示装置により構成され、遊技者から視認可能な位置(本例では可変入賞装置32の右方)に設置されている。そして、始動入賞ユニット33の上入賞口33aへの遊技球の入球を契機として第1特別表示装置43Lにて切替表示(変動表示)が行われ、下入賞口33bへの遊技球の入球を契機として第2特別表示装置43Rにて切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。尚、特別表示装置43L、43Rは、後述する主制御手段としての主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
また、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて変動表示が行われた後、当該変動表示が停止したときの表示態様により、当否抽選の結果、すなわち、「大当たり」又は「外れ」であることが確定的に表示される。例えば、上入賞口33aに遊技球が入賞すると、対応する第1特別表示装置43Lにて点灯態様(点灯するセグメントの組合わせ)が高速で(例えば4msec毎に)切替表示(変動表示)され、所定時間が経過すると、いずれかの点灯態様を停止表示(例えば数秒間停止)する。そして、当否抽選にて「大当たり」に当選した場合には、対応する点灯態様が変動停止時に表示され、大当たり状態が発生する。
さらに、特別表示装置43L、43Rにおいては、「大当たり」に当選したことが教示されるだけでなく、大当たり状態の種別、すなわち、「16RS」、「7RS」、「7RN」のいずれであるかについても教示される。例えば、第1特別表示装置43L(又は第2特別表示装置43R)において最終的に「7.7.」が表示された(停止表示された)場合には「16RS」が付与され、「n.0.」が表示された場合には「7RN」が付与されるといった具合に対応付けられている。また、1つの大当たり種別を教示する特別表示装置43L、43Rの停止態様は1つではなく複数存在し、それらのいずれかが選択されて停止表示される。また、第1特別表示装置43L、第2特別表示装置43Rのどちらか一方において、変動表示又は決定表示が行われている場合には、他方が消灯状態とされており(「−」を表示しておいてもよい)、どちらにおいても変動表示及び決定表示が行われていない場合には、両方においてそれぞれ「−」が表示される。
また、第1又は第2特別表示装置43L、43Rの変動表示中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では、上入賞口33aに入賞した遊技球、及び下入賞口33bに入賞した遊技球に対応して、それぞれ4回までの変動表示(合計8回の変動表示)が保留される。
さらに、上入賞口33aへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第1変動表示」と言う)の保留数は、青色に発光可能な第1保留ランプ46aにて点灯表示され、下入賞口33bへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第2変動表示」と言う)の保留数は、赤色に発光可能な第2保留ランプ46bにて点灯表示されるようになっている。保留ランプ46a、46bは、第1変動表示及び第2変動表示の各最大保留数と同じく4個ずつ設けられており、保留されている第1変動表示又は第2変動表示の数と同じ数だけ点灯する。当該保留ランプ46a、46bは、後述するサブ制御手段としてのサブ制御装置262によって表示内容が制御される。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
尚、保留された変動表示は、基本的に、保留された順番で消化されるようになっているが、第1変動表示及び第2変動表示の両方が保留されている場合(保留ランプ46a、46bがそれぞれ1つ以上点灯している場合)には、第2変動表示が優先的に消化されるようになっている。すなわち、下入賞口33bへの入賞を契機とする第2変動表示が全て消化された状態でなければ、上入賞口33aへの入球を契機とする第1変動表示が行われない構成となっている。例えば、第1保留ランプ46aが1つ点灯している状態において、下入賞口33bに遊技球が入球し、第2保留ランプ46bが1つ点灯した場合、第1変動表示が後回しにされ、先に第2変動表示が行われることとなる。
変動特定ランプ40は、装飾図柄表示装置42にて行われている変動表示が上入賞口33a及び下入賞口33bのうちどちらの入球に対応するものであるか(第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるか)を示すためのものであり、遊技者から視認可能な位置(本例では特別表示装置43L、43Rの下方)に配置されている。変動特定ランプ40は、発光色が青色のLED及び発光色が赤色のLEDを備えており、装飾図柄表示装置42において第1変動表示が行われている場合には青色に発光し、第2変動表示が行われている場合には赤色に発光する。
スルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えており、当該スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合に、始動入賞ユニット33を開状態とするか否かの入球アシスト抽選が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて当該入球アシスト抽選の結果を教示するための変動表示が行われる。そして、入球アシスト抽選にて当選した場合には、当該変動表示の終了後に始動入賞ユニット33の下入賞口33b(開閉部材33c)が規定時間だけ開状態とされる。
可変表示装置ユニット35には、スルーゲート34の通過を契機として変動表示する普通図柄表示装置41と、第1及び第2特別表示装置43L、43Rによる変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。さらに、可変表示装置ユニット35には、上記第1保留ランプ46a及び第2保留ランプ46bと、保留ランプ44とが設けられている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球がスルーゲート34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、始動入賞ユニット33(開閉部材33c)が所定時間だけ開状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
本実施形態の装飾図柄表示装置42は、液晶表示装置によって構成されており、識別情報としての装飾図柄を変動表示可能に構成されている。また、装飾図柄表示装置42は、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、当該決定に基づき、表示制御装置45によって表示制御が行われる。
装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中及び下の3つの図柄表示領域が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の装飾図柄(例えば1〜9の数字が付された数字図柄)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)装飾図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たり状態の発生が確定すると、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域にて停止表示される装飾図柄が同一となり)、大当たり状態が開始される。
また、装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の装飾図柄が停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。勿論、リーチ状態が発生したからといって必ずしも大当たりとなるわけではなく、外れる場合もある。
本実施形態では、リーチ状態が発生した後、中図柄表示領域において、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された装飾図柄(リーチ図柄)と同じ装飾図柄が停止表示された場合(ゾロ目が停止表示された場合)に、大当たり状態が付与される。また、奇数のゾロ目の場合には、大当たり状態終了後において確変モードが付与される「16RS」又は「7RS」が発生し、偶数のゾロ目の場合には、「16RS」、「7RS」、又は「7RN」のいずれかが付与される。また、ゾロ目以外の装飾図柄の組合わせは基本的に「外れ」を教示するものである。
また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。センターフレーム47の上部には入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球は、センターフレーム47の内部に形成され、装飾図柄表示装置42の側部に沿って上下に延びるワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153上を転動した後ステージ153の中央奥側に形成されたポケット154に入球したりする。尚、ポケット154は、始動入賞ユニット33(上入賞口33a)の直上方の遊技領域へと通じる案内通路155と連通しており、該ポケット154に入球した遊技球は、比較的高い確率で始動入賞ユニット33(上入賞口33a)に入球するようになっている。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図4の右上部)には、返しゴム54が取着されている。所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻されることとなる。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12の前面側に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、前面枠セット14の球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、装飾図柄表示装置42における表示や音声等を用いて下皿15が満杯であることを教示するエラー報知の制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)エラー報知の状態が解除される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32及び始動入賞ユニット33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検出する入球検出スイッチが設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。また、始動入賞ユニット33には、上入賞口33a及び下入賞口33bそれぞれに対応して第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bが設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、入賞口スイッチ221等と、主制御手段としての主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。これに対し、始動入賞スイッチ224a,224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検出された場合を除く。)
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、可変入賞装置32にて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられ、始動入賞ユニット33にて一対の開閉部材33cを開閉駆動する入賞口用ソレノイドが設けられている。また、裏枠セット215には、これらソレノイドと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部端子板240が設けられている。
外部端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や確変モード等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313、及び、カードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御手段としての主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43L、43R、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43L、43R、及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞ユニットスイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225、ハンドル18の各種スイッチ等の各種検出スイッチや、各種基板、可変入賞装置32を開閉させるためのソレノイド等の各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、保留ランプ46a、46b、演出ボタン125、各種電飾部及びランプ102〜104が接続されている。尚、詳しくは後述するが、本実施形態のスピーカSPは、音声組成部264を介して、入出力ポート554に接続されている。音声組成部264は、CPU551等と同一の基板に設けられている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに当選したことを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43L、43Rの表示に合わせた表示(付随的な演出表示)が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射禁止ボタン18a(図1参照)が操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施形態では、主制御手段としての主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図8に示すように、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定(種別抽選)に使用する種別決定カウンタC2と、装飾図柄表示装置42においてリーチ状態を発生させるか否かの決定に使用する変動選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、第1及び第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示時間の決定等に使用する第1変動種別カウンタCS1、第2変動種別カウンタCS2と、普通図柄表示装置41の抽選(入球アシスト抽選)に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。なお、変動選択カウンタC3は、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際のリーチ種別の抽選にも使用される。また、変動種別カウンタCS1、CS2は、装飾図柄表示装置42の変動パターン選択(演出パターン選択)にも使用される。詳しくは、決定された変動パターンにより、特別表示装置43L、43Rの変動時間が決定されるとともに、装飾図柄表示装置42における変動態様及び変動時間すなわち演出パターンが決定される。
カウンタC1、C2、C3、CINI、CS1、CS2、C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、大当たり乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び、変動選択カウンタC3の各値が記憶される保留記憶エリアとしての特別変動保留エリアと、普通図柄乱数カウンタC4の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。普通変動保留エリアは、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)とを備えている。普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、普通図柄表示装置41における変動表示を4回まで保留可能としている。
また、特別変動保留エリアは、それぞれ4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)を備える第1特別変動保留エリア及び第2特別変動記憶エリアと、1つの実行エリアとを備えている。第1特別変動保留エリアの各保留エリアには、上入賞口33aへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。第2特別変動保留エリアの各保留エリアには、下入賞口33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、特別表示装置43L、43Rにおける変動表示をそれぞれ4回まで保留可能としている。
各カウンタについて詳しく説明すると、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり599)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜599)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が始動入賞ユニット33の上入賞口33a又は下入賞口33bに入賞したタイミングで、大当たり乱数カウンタバッファに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、特別変動保留エリアに格納される。
また、本実施形態では、低確率状態(通常モード、時間短縮モード)であれば大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値の数は2つで、その値は「7、307」であり、高確率状態(確変モード、潜確モード)であれば大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値の数は20で、その値は「7〜16、307〜316」である。本実施形態では、ROM502に対し、大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応するか否かの判定を行う際に参照される当否判定テーブルが2つ設けられており、「7、307」を大当たり値として記憶した第1当否判定テーブルと、「8〜16、308〜316」を大当たり値として記憶した第2当否判定テーブルとがある。
尚、通常モードにおいては、当否抽選にて大当たりに当選する確率(大当たり確率)が1/300であり、入球アシスト抽選の結果を教示するための普通図柄表示装置41における変動時間が6秒であり、また、入球アシスト抽選にて当選した場合に、下入賞口33b(開閉部材33c)が0.6秒間開放される。
確変モードにおいては、大当たり確率が1/30であり、通常モードに比べて大当たりし易くなる。また、確変モードにおいては、入球アシスト抽選に基づく普通図柄表示装置41の変動時間が2秒であり、通常モードに比べて短くなる上、入球アシスト抽選にて当選した場合、下入賞口33bが3回開放されるとともに、各開放時間が2秒間となる。つまり、確変モードでは、通常モードに比べ、普通図柄表示装置41における変動時間が短くなる上、入球アシスト抽選の当選1回あたりの下入賞口33bの開放時間が長くなるとともに、開放回数が多くなる。これによって、下入賞口33bが開状態となっている時間帯が長くなるため、下入賞口33bに対して遊技球が頻繁に入球するようになり(高入球状態となり)、当否抽選が連続してなされると共に、玉持ちのよい状態となる。尚、高入球状態においては、普通図柄表示装置41において「○」図柄が停止表示される確率(入球アシスト抽選の当選確率)を通常モード時よりも高くすることとしてもよい。
時間短縮モードにおいては、大当たり確率が1/300である。また、時間短縮モードにおいては、入球アシスト抽選に基づく普通図柄表示装置41の変動時間が2秒であり、入球アシスト抽選にて当選した場合、下入賞口33bが3回開放されるとともに、各開放時間が2秒間となる。すなわち、時間短縮モードは、大当たり確率が通常モード時と同じ低確率ではあるが、始動入賞ユニット33の動作だけを見ると、確変モードと同じである。本実施形態では、「7RN」の大当たり状態終了後に、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて行われる合計100回の変動表示にわたって時間短縮モードが設定される。また、時間短縮モードは、大当たり状態が発生しなくても、特別表示装置43L、43Rにて合計100回の変動表示が行われた時点で終了し、その後、通常モードに移行する。
種別決定カウンタC2は、例えば0〜19の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり19)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。また、ROM502には、種別決定カウンタC2の値がいずれの大当たり種別に対応するかの判定を行う際に参照される種別判定テーブルが設けられている。そして、当否抽選にて当選した場合に、種別決定カウンタC2の値に基づいて付与される大当たり状態の種別の種別が決定され(種別抽選が行われ)、決定された種別の大当たり状態が付与されることとなる。
尚、種別決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、種別決定カウンタC2の値が種別決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が始動入賞ユニット33の上入賞口33a又は下入賞口33bに入賞したタイミングで、種別決定カウンタバッファに格納されている種別決定カウンタC2の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
変動選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチ状態が発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ状態が発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ状態が発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。本実施形態では、ROM502に対し、変動選択カウンタC3の値とリーチ種別との対応関係を記憶しているリーチ判定テーブルが設けられている。リーチ判定テーブルには「0〜238」の値が記憶され、C3=0,1が前後外れリーチに対応し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに対応し、C3=22〜238が完全外れに対応する構成となっている。
変動選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタバッファに変動選択カウンタC3の値が格納される。そして、遊技球が始動入賞ユニット33の上入賞口33a又は下入賞口33bに入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタC3の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1、CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜59の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり59)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜37の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり37)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。例えば、第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチパターンやその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本例では中図柄)が停止するまでの経過時間などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1、CS2を組合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
また、変動種別カウンタCS1、CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1、CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1、CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかのスルーゲート34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。当選となる乱数の値の数は6つあり、その範囲は「3〜8」である。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、下入賞口33b(開閉部材33c)がそのときの遊技モードに応じたパターンで開放される。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図11は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。先ずステップS301では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。一方、検出情報がない場合には、そのまま次の処理に移行する。
尚、各種入賞スイッチの検知情報があった場合、対応する賞球カウンタの値を加算する。また、後述する通常処理の外部出力処理において、各賞球カウンタの値に基づく賞球コマンドが払出制御装置311へ出力され、賞球コマンドに基づいて賞球が付与される(遊技球が払出される)。さらに、この賞球コマンドの出力に際して、各賞球カウンタの値がリセットされる。
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、及び普通図柄乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、599、19、238、9)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1、C2、C3、C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304では、始動入賞ユニット33への入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305では、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図13のフローチャートを参照して説明する。尚、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、大当たり乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリア、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリア、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアが設けられている。本実施形態では、当否乱数記憶エリアは、2バイトを使用して大当たり乱数カウンタC1の値を記憶している。また、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリアはそれぞれ1バイトを使用して、種別決定カウンタC2の値、変動選択カウンタC3の値を記憶している。加えて、上入賞口33aへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする上保留カウンタNa、下入賞口33bへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする下保留カウンタNbが設けられている。
先ず、ステップS501では、遊技球が下入賞口33bに入賞したか否かを第2始動入賞スイッチ224bの検知情報により判別する。当該ステップS501で肯定判別された場合、ステップS502において、下保留カウンタNbの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。ステップS501又はS502で否定判別された場合には、ステップS509に移行する。一方、ステップS502で肯定判別された場合には、ステップS503に進み、下保留カウンタNbを1インクメントする。
続くステップS504では、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した大当たり乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値(大当たり乱数カウンタバッファ、種別決定カウンタバッファ、及び変動選択カウンタバッファに記憶されている各値)を、特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア)に格納する。ステップS504の後、ステップS505に移行する。
ステップS505では、新たに特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判別する大当たり判定処理を行う。尚、大当たり判定処理の詳細については後述する。
続くステップS506では、ステップS505で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たりの種別を判別する種別判定処理を行う。尚、種別判定処理の詳細については後述する。
続くステップS507では、ステップS505で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、外れ変動時のリーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。尚、リーチ判定処理の詳細については後述する。
ここで、ステップS505の大当たり判定処理の詳細について、図14を参照して説明する。
先ず、ステップS5101では、新たに特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が、第1当否判定テーブルに記憶された値である「7」、「307」のどちらかと一致するか否かを判別する。ちなみに、「7」、「307」は、低確率状態でも、高確率状態でも大当たりとなる値である。
尚、図14では便宜上、当該ステップS5101の処理を簡略化して記載しているが、実際には、大当たり乱数カウンタC1の値が「7」であるか否かを判別するとともに、当該判別で否定判別された場合には、大当たり乱数カウンタC1の値が「307」であるか否かを判別し、これらどちらかの判別で肯定判別された場合に、当該ステップS5101で肯定判別され、どちらの判別においても否定判別された場合に、当該ステップS5101で否定判別されることとなる。
ステップS5101で肯定判別された場合には、ステップS5102において第1当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、本実施形態では、大当たり乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアの他に、別途当否フラグを設けているわけではなく、当否乱数記憶エリアに大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶する(上書きする)構成となっている。上記のように、当否乱数記憶エリアは2バイトを使用しており、当該ステップS5102では、当否乱数記憶エリアに対して例えば「1010101010101010」が設定される。尚、本実施形態では、便宜上、当否乱数記憶エリアに対して当該設定がなされることを、第1当否フラグをオンにすると称して説明する。
ステップS5101で否定判別された場合には、ステップS5103において、新たに特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が第2当否判定テーブルに記憶された値である「8〜16、308〜316」のいずれかであるか否かを判別する。ちなみに、「8〜16、308〜316」は、確変モードでのみ大当たりとなる値である。尚、当該判別処理に際しても、実際には、上記のように大当たり乱数カウンタC1の値と大当たりに対応する各値とが一致するか否かを1つずつ判別する。
当該ステップS5103で肯定判別された場合には、ステップS5104において第2当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、ここで第2当否フラグをオンにするとあるのは、当否乱数記憶エリアに対して例えば「1100110011001100」が設定されることを意味する。一方、ステップS5103で否定判別された場合、すなわち、高確率状態でも「外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。
尚、上記のように、本実施形態では、当否に関わる情報が2バイトを使用して記憶されるため、例えば、ノイズが生じた場合に当否フラグ(当否乱数記憶エリアの記憶内容)が書き換えられ、当選ではないのに大当たり状態が発生したり、当選なのに大当たり状態が発生しなかったりするといった事態を防止することができる。また、大当たり判定処理において当否乱数記憶エリアに設定されるパターン(「1」、「0」の組合わせ)は、大当たり乱数カウンタC1の値を当否乱数記憶エリアに記憶する際には使用されないパターンである。
次に、ステップS506の種別判定処理について、図15を参照して説明する。
先ず、ステップS5201では、直前に行われた大当たり判定処理にて、第1又は第2当否フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップS5201で否定判別された(大当たり状態の発生する可能性がない)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5201で肯定判別された(大当たり状態の発生する可能性がある)場合には、ステップS5202において、種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が、「16RS」に対応する値「0」と一致するか否かを判別する。ステップS5202で肯定判別された場合には、ステップS5203において16RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリアの他に、別途16RSフラグ等を設けているわけではなく、当選種別乱数記憶エリアに「16RS」、「7RS」、「7RN」である旨の情報を記憶する(上書きする)構成となっている。上記のように、当選種別乱数記憶エリアは1バイトを使用しており、当該ステップS5203では、当選種別乱数記憶エリアに対して例えば「10101010」が設定される。本実施形態では、便宜上、当選種別乱数記憶エリアに対して「16RS」等の大当たり種別を示すパターンが設定されることを、大当たり種別を示すフラグ(16RSフラグ等)をオンにすることと称して説明する。
一方、ステップS5202で否定判別された場合には、ステップS5204において、種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「7RN」に対応する値「12〜19」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップS5204で肯定判別された場合には、ステップS5205において、7RNフラグをオン(当選種別乱数記憶エリアに対して例えば「00011111」を設定)にしてから、本処理を終了する。一方、ステップS5204で否定判別された場合には、ステップS5206において7RSフラグをオン(当選種別乱数記憶エリアに対して例えば「00010000」を設定)にしてから、本処理を終了する。
尚、種別判定処理において当選種別乱数記憶エリアに設定されるパターン(「1」、「0」の組合わせ)は、種別決定カウンタC2の値を当選種別乱数記憶エリアに記憶する際には使用されないパターンである。
次に、ステップS507のリーチ判定処理について、図16を参照して説明する。
先ず、ステップS5301では、直前に行われた大当たり判定処理にて、第1当否フラグが設定されたか否かを判別する。ステップS5301で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態及び高確率状態のどちらにおいても大当たりとなる(必ず大当たり状態が発生する)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5301で否定判別された場合、すなわち、少なくとも低確率状態においては大当たり状態が発生しない(外れとなる可能性がある)場合には、ステップS5302において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れリーチ」に対応する値「0、1」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS5302で肯定判別された場合には、ステップS5303において、前後外れリーチの発生を示す前後フラグをオンにした後、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアの他に、別途前後フラグを設けているわけではなく、リーチ乱数記憶エリアに「前後はずれリーチ」である旨の情報を記憶する(上書きする)構成となっている。上記のように、リーチ乱数記憶エリアは1バイトを使用しており、当該ステップS5303では、リーチ乱数記憶エリアに対して例えば「10101010」が設定される。尚、本実施形態では、便宜上、リーチ乱数記憶エリアに対して当該設定がなされることを、前後フラグをオンにすることと称して説明する。
一方、ステップS5302で否定判別された場合には、ステップS5304において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れ以外リーチ」に対応する値「2〜21」のいずれかと一致するか否かを判別する。当該ステップS5304で肯定判別された場合には、ステップS5305において前後以外フラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、ここで前後以外フラグをオンにするとあるのは、リーチ乱数記憶エリアに対して例えば「11001100」が設定されることを意味する。
また、ステップS5304で否定判別された場合、すなわち、リーチ状態を経ることなく変動表示が終了する「完全外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。尚、リーチ判定処理においてリーチ乱数記憶エリアに設定されるパターン(「1」、「0」の組合わせ)は、変動選択カウンタC3の値をリーチ乱数記憶エリアに記憶する際には使用されないパターンである。
図13の説明に戻り、ステップS507に続くステップS508では、先発コマンドの設定処理を行う。尚、先発コマンドには、保留記憶された変動情報(変動表示の内容を決定するために使用される所定情報)が上入賞口33a又は下入賞口33bのどちらの入球を契機とするものかを示す情報とともに、大当たり判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理の結果を示す情報が含まれ、次回の外部出力処理(ステップS201参照)にてサブ制御装置262に出力される。
ステップS508の処理の後、又は、ステップS501、或いはステップS502で否定判別された場合には、ステップS509において、遊技球が上入賞口33aに入賞したか否かを第1始動入賞ユニットスイッチ224aの検知情報により判別する。当該ステップS509で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、ステップS510において、上入賞口33aへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする上保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。当該ステップS510で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS510で肯定判別された場合には、ステップS511に進み、上保留カウンタNaを1インクメントする。
続くステップS512では、大当たり乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3の各値を、特別変動保留エリアの空いている保留エリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア)に格納する。ステップS512の後、ステップS513に移行する。
ステップS513では、新たに特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判別する大当たり判定処理を行う。大当たり判定処理の詳細については既に上述している。
続くステップS514では、ステップS513で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別を判別する種別判定処理を行う。種別判定処理の詳細については既に上述している。
続くステップS515では、ステップS513で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、リーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。リーチ判定処理の詳細については既に上述している。
ステップS515の後、ステップS516において、先発コマンドの設定処理を行い、本処理を終了する。尚、本実施形態では、上入賞口33a、下入賞口33bに遊技球が入球すると、大当たり乱数カウンタC1の値等が直接特別変動保留エリアに記憶され、その後、大当たり判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理が実行される構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、大当たり乱数カウンタC1の値等を取得した際にこれらのカウンタ値を一時的に記憶する仮記憶エリア(作業エリア)を設け、当該仮記憶エリアに記憶された情報に関し、大当たり判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理を実行した後、対応する特別変動保留エリアの保留エリアに記憶する構成を採用してもよい。
次に、ステップS305のスルーゲート通過処理について図17のフローチャートを参照して説明する。ステップS601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検出情報により判別する。ステップS601で否定判別された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS601にて肯定判別された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判別されると、ステップS602において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNcの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS602で肯定判別された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNcの値<4であることを条件にステップS603に進み、普通保留カウンタNcを1インクリメントする。
また、続くステップS604では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC4の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、スルーゲート通過処理を終了する。
図12は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図12のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図9のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS103では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS112へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS105でRAM判定値を算出し、続くステップS106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS112へ移行する。
ステップS112の処理では、サブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。つまり、ステップS113ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS114ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。
ステップS109では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信する。ステップS110では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図10のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S210の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS211,ステップS212のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の通常処理で更新された特別表示装置43L、43Rや始動入賞ユニット33等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。
例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド、図柄コマンド等をサブ制御装置262に送信する。つまり、変動パターンコマンドや図柄コマンドは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて行われる表示に合わせた表示演出を装飾図柄表示装置42にて行わせるためにサブ制御装置262に出力されるコマンドである。これに対し、変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様(変動時間や演出態様など)を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
便宜上、ここで変動パターンコマンド等について説明する。変動パターンコマンドには、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄の変動種別を特定する情報が含まれている。尚、変動パターンコマンド等についても本来2バイトの2進数(保留情報コマンドと同様の出力方法)であるが、便宜上4ビット毎の16進数で示す。本実施形態では、例えば通常モード時には「FF10」、「FF11」、「FF12」、「FF13」、「FF14」、「FF15」、「FF16」のうちのいずれかが変動パターンコマンドとして設定される。また、確変モード時及び時間短縮モード時には、「FD10」、「FD11」、「FD12」、「FD13」、「FD14」、「FD15」、「FD16」が設定される。一方、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動種別との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに基づいて、変動表示の演出パターン等を決定し、表示制御装置45や音声等の制御を行う。
以下、装飾図柄の変動種別、及び、変動種別と変動パターンコマンドとの対応関係について説明する。
ノーマルリーチは、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がされないリーチパターンである。そして、ノーマルリーチに対応する変動パターンコマンドにはモードに応じて「FF11」又は「FD11」が設定される。尚、確変モード時及び時間短縮モード時においては、各種リーチとなる場合においても、通常モード時に比べ、変動表示時間が短縮されている。例えば、ノーマルリーチが導出される変動表示時間は、通常モード時には「15秒」、確変モード時及び時間短縮モード時には「10秒」となっている。
スーパーリーチは、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態では、スーパーリーチとして、スーパーリーチSR1、SR2、SR3の3種類が用意されており、スーパーリーチの種別毎に変動表示時間が異なっている。そして、スーパーリーチSR1ならば「FF12」又は「FD12」が変動パターンコマンドに設定され、スーパーリーチSR2ならば「FF13」又は「FD13」が設定され、スーパーリーチSR3ならば「FF14」又は「FD14」が設定される。
プレミアムリーチは、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態のプレミアムリーチには、プレミアムリーチPR1、PR2の2種類が用意されており、プレミアムリーチの種別毎に変動表示時間が異なっている。そして、プレミアムリーチPR1ならば「FF15」又は「FD15」が変動パターンコマンドに設定される。プレミアムリーチPR2ならば「FF16」又は「FD16」が設定される。
加えて、いずれのリーチ状態にもならない「完全外れ」に対応する変動パターンコマンドにはモードに応じて「FF10」又は「FD10」が変動パターンコマンドに設定される。本実施形態では、完全外れとなる変動表示時間は通常モード時「10秒」、確変モード及び時間短縮モード時「6秒」に設定されている。
また、サブ制御装置262は、図柄コマンドに基づき停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定して、変動時間経過後に表示する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるコマンドであり、確変大当たり図柄の組合わせ、通常大当たり図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせという5つの区分を指定するものである。これらの区分は、例えば、「AA11」、「AA12」、「AA13」、「AA14」、「AA15」で示され、この内のいずれかが図柄コマンドとして設定される。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する図柄の組合わせを停止表示する。
以下、停止図柄の区分、及び、停止図柄と図柄コマンドとの対応関係について説明する。確変大当たり図柄の組合わせは、1,3,5,7,9のいずれかの奇数のゾロ目からなる図柄の組合わせである。また、通常大当たり図柄の組合わせは、2,4,6,8のいずれかの偶数のゾロ目からなる図柄の組合わせである。本実施形態では、確変大当たり(「16RS」又は「7RS」)の場合には、確変大当たり図柄又は通常大当たり図柄のどちらかの組合せで変動表示が停止表示され、通常大当たり(「7RN」)の場合には、通常大当たり図柄の組合わせで変動表示が停止表示されることとなる。
そして、確変大当たりの場合には図柄コマンドに「AA11」が設定され、通常大当たりの場合には図柄コマンドに「AA12」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに「AA11」が設定されている場合、1〜9のいずれかのゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定し、「AA12」が設定されている場合、2,4,6,8のいずれかのゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものであり、前後外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「AA13」が設定される。前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものであり、前後外れ以外図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「AA14」が設定される。完全外れ図柄の組合わせは、リーチすら発生しない「完全外れ」に対応するものであり、完全外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「AA15」が設定される。本実施形態では、装飾図柄表示装置42にて前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせが停止表示された場合、「外れ」となる。
なお、詳しくは後述するが、図柄コマンドに「AA13」〜「AA15」が設定されている場合、サブ制御装置262は、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。尚、本実施形態では、外れ用の図柄コマンドに「AA13」〜「AA15」の3つのコマンドを用意しているが、これに限らず、例えば外れ用の図柄コマンドが1種類だけであって、サブ制御装置262で装飾図柄の組合わせを決定する構成としてもよい。
図10の説明に戻り、ステップS202では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では59、37)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
その後、ステップS205では、第1表示制御処理を実行する。この処理では、第1及び第2特別表示装置43L、43Rに関する制御が行われると共に、大当たりの判定や特別表示装置43L、43R及び装飾図柄表示装置42における変動表示の設定などが行われる。この第1表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32に関する制御が行われる。これにより、大当たり状態となった場合には、可変入賞装置32(大入賞口)の開閉処理が所定ラウンド数繰り返し実行される。可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、第2表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41に関する制御が行われる。この第2表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS208では、契機対応ユニット制御処理を実行する。この処理では、始動入賞ユニット33に関する制御が行われる。この契機対応ユニット制御処理の詳細は後述する。
その後は、ステップS209において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS210で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1、CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS211、ステップS212)。
つまり、ステップS211では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップS212では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本例では59、37)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、CS2についてもランダムに更新することができる。
また、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS209:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS213以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS213において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS214において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS215において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。
その後、ステップS216において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS217でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS218でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS209の処理は、ステップS201〜S208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS211、S212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS213)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の第1表示制御処理について図18のフローチャートを参照して説明する。先ず、ステップS801では、詳しくは後述する大当たり状況記憶エリアを参照し、今現在、大当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。尚、大当たり状態中には、特定表示装置43L、43Rにおいて大当たりに対応する表示態様が停止表示されてから可変入賞装置32が開放されるまでの間のオープニング期間と、可変入賞装置32が開状態とされるラウンド期間と、可変入賞装置32が閉状態とされるインターバル期間と、最終ラウンドの後、特別表示装置43L、43Rの変動表示が開始可能となるまでのエンディング期間とがある。本実施形態の大当たり状況記憶エリアは、大当たり状態以外の状態のときには「0」が記憶されており、大当たり状態においては、オープニング期間及びインターバル期間のときに「1」、ラウンド期間のときに「2」、エンディング期間のときに「3」が記憶されている。すなわち、当該ステップS801では、大当たり状況記憶エリアに「0」が記憶されているか否かを判別する。
尚、大当たり状況記憶エリアに「0」〜「3」等の数値が記憶されているとあるのは便宜上のことで、実際には大当たり状況記憶エリアは2バイトを使用しており、以下の説明でも大当たり状況記憶エリアに例えば「1010101010101010」等が設定されていることを「0」等が記憶されていることとして説明する。
ステップS801で否定判別された場合、すなわち大当たり状態中である場合には、そのまま本処理を終了する、一方、ステップS801で肯定判別された場合には、ステップS802において、詳しくは後述する第1表示中フラグの設定状況を見て、第1又は第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)にて変動表示中であるか否かを判別する。詳しくは、第1表示中フラグがオン状態の場合には変動表示中とみなされ、第1表示中フラグがオフ状態の場合には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、詳しくは後述するが、第1表示中フラグは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示を開始する際にオンにされ、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示が停止表示される際にオフにされる。
そして、ステップS802で否定判別された場合、すなわち、大当たり中でなくさらに変動表示中でもない場合には、ステップS803に進み、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示(第2変動表示)の保留数をカウントする下保留カウンタNbの値が0よりも大きいか否かを判別する。
ステップS803で肯定判別された場合、すなわち、第2変動表示が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS804において、下保留カウンタNbから1を減算する。尚、本実施形態では、ステップS803の判別処理により、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示を実行することなく第2変動表示を実行することとなる。つまり、第2変動表示よりも第1変動表示の方が早くに保留記憶された場合であっても、第2変動表示を優先して消化する(第1変動表示を後回しにする)構成となっている。
続くステップS805では、第2特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS805の後、ステップS806において、変動特定ランプ40を赤色に発光させる処理を行う。その後、ステップS807において、詳しくは後述する変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS803で否定判定された場合、すなわち、第2変動表示が1つも保留記憶されていない場合には、ステップS808において、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示(第1変動表示)の保留数をカウントする上保留カウンタNaが0よりも大きいか否かを判別する。当該ステップS808で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS808で肯定判別された場合には、ステップS809において、上保留カウンタNaから1を減算する。続くステップS810では、第1特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS810の後、ステップS811において、変動特定ランプ40を青色に発光させる処理を行う。その後、ステップS807において変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。尚、本実施形態では、特別変動保留エリアの実行エリアは1つであり、第1特別変動保留エリア及び第2特別変動保留エリアに格納されているデータは、当該データに基づく変動表示を行う際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
ここで、ステップS807の変動表示設定処理の詳細について、図19を参照して説明する。
先ず、ステップS901では、詳しくは後述するモード記憶エリアを参照し、高確率状態(確変モード)であるか否かを判別する。尚、モード記憶エリアには、遊技モードを判別するための判別情報が記憶されている。本実施形態では、モード記憶エリアには、「11」、「12」、「21」のいずれかの値が記憶されており、「11」は通常モードに対応し、「12」は時間短縮モードに対応し、「21」は確変モードに対応している。つまり、当該ステップS901では、モード記憶エリアに「21」が記憶されているか否かを判別することで、高確率状態であるか否かを判別している。
ステップS901で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態である場合には、ステップS902において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌して、第1又は第2当否フラグ(図14の大当たり判定処理参照)のどちらかがオン設定されているか否かを判別する。当該ステップS902で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
また、ステップS901で否定判別された場合、すなわち低確率状態(通常モード、時間短縮モード)である場合には、ステップS903において、当否乱数記憶エリアを参酌し、第1当否フラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS903で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
ステップS904では、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、16RSフラグ(図15の種別判定処理参照)がオン設定されている否かを判別する。ステップS904で肯定判別された場合、すなわち「16RS」である場合には、ステップS905にて16RSパターン設定処理(変動パターンコマンド及び図柄コマンドを設定する処理)を行う。16RSパターン設定処理は、「16RS」の発生を教示するための変動表示を実行させるための処理であり、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1、CS2の値に基づいて、特別表示装置43L、43Rや装飾図柄表示装置42の変動パターン(変動表示時間、演出パターン等)を決定し、当該決定や各種フラグ等に基づいて、変動パターンコマンド及び図柄コマンドの設定等を行う。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。ステップS905の後、後述するステップS914に移行する。
また、ステップS904で否定判別された場合には、ステップS906において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、7RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS906で肯定判別された場合、すなわち「7RS」である場合には、ステップS907にて7RSパターン設定処理を行う。ステップS907の後、ステップS914に移行する。
一方、ステップS906で否定判別された場合、すなわち「7RN」である場合には、ステップS908において7RNパターン設定処理を行う。ステップS908の後、ステップS914に移行する。
また、ステップS902又はステップS903で否定判別された場合、すなわち大当たりではないと判別された場合には、ステップS909において、特別変動保留エリアの実行エリアのリーチ乱数記憶エリアを参酌し、前後フラグ(図16のリーチ判定処理参照)がオンであるか否かを判別する。ステップS909で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れリーチ」である場合には、ステップS910にて前後リーチパターン設定処理を行った後、ステップS914へ移行する。
また、ステップS909で否定判別された場合には、ステップS911において、特別変動保留エリアの実行エリアのリーチ乱数記憶エリアを参酌し、前後以外フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS911で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れ以外リーチ」である場合には、ステップS912にて前後以外リーチパターン設定処理を行った後、ステップS914へ移行する。
また、ステップS911で否定判別された場合には、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS913において外れ変動パターン設定処理を行った後、ステップS914に移行する。
ステップS914では、特別表示装置43L、43Rにおいて切替表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す開始設定処理を行う。この開始設定処理では、特別表示装置43L、43Rにて変動表示中であるか否かを示す第1表示中フラグがオンにされるとともに、第1表示タイマの設定処理が行われる。
第1表示タイマとは、特別表示装置43L、43Rにおける変動時間(変動表示の残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。なお、本実施形態における特別表示装置43L、43Rの変動表示時間は、上記変動種別カウンタCS1、CS2により選出される変動パターンに対応した値が設定される。このような第1表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43L、43Rにおいて切替表示(変動表示)が開始される。また、変動パターンコマンド及び図柄コマンドを受信したサブ制御装置262は、特別表示装置43L、43Rの変動開始と同時に、変動パターンコマンドに基づいて装飾図柄表示装置42において変動表示を開始させ、特別表示装置43L、43Rの停止表示と同時に、図柄コマンドに基づいた図柄の組み合わせにて装飾図柄表示装置42における変動表示を停止表示させる。ステップS914の終了後、変動表示設定処理を終了する。
尚、本実施形態では、始動入賞処理のステップS504、S512の大当たり乱数カウンタC1の値を取得して特別変動保留エリアに記憶する処理と、ステップS505、513の大当たり判定処理と、変動表示設定処理の当否フラグに基づいて各種大当たりフラグを設定するステップS901〜S903の処理とによって当否抽選が構成される。
図18の説明に戻り、ステップS802で肯定判別された場合、すなわち変動表示中である場合には、ステップS812に進み、第1表示タイマの減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第1表示タイマの値が4msec分ずつ減算されていく。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には、第1表示タイマに対して「2500」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップS813に進み、上記減算後の第1表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち第1表示タイマの値が「0」となった時にステップS813が肯定判別される。
ステップS813で否定判別された場合には、ステップS817において、特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、第1表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)が実現される。
一方、ステップS813で肯定判別された場合には、ステップS814において第1表示中フラグをオフし、ステップS815において特別表示装置43L、43Rにて停止表示を行うための停止表示設定を行う。この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、42Rに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、各大当たり種別や外れに対応する停止態様で停止表示させる。また、サブ制御装置262にも装飾図柄表示装置42の停止表示を行う旨の制御信号が出力される。これにより、特別表示装置43L、42R及び装飾図柄表示装置42の停止タイミングの同期が確実に図られる。但し、装飾図柄表示装置42の停止態様については変動表示の開始時に出力された図柄コマンドや変動パターンコマンドによって既にサブ制御装置262で決定されているため、再度装飾図柄表示装置42の停止態様に関する情報を付加する必要はない。また、繰り返しとなるが、このような特別表示装置43L、43Rによる停止表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の表示はあくまでも補助的なもの(演出用)となっている。
続いて、ステップS816において判別情報設定処理を行った後、本処理を終了する。ここで、判別情報設定処理について、図20を参照して説明する。
先ず、ステップS1001において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌し、大当たり状態の発生を示す大当たりフラグ(16RSフラグ、7RSフラグ、7RNフラグ)がオン設定されているか否かを判別する。ステップS1001で肯定判別された場合には、ステップS1002以下の大当たり状態の初期設定を行うための処理に移行する。すなわち、ステップS1002では、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌し、16RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1002で肯定判別された場合、ステップS1003において、大当たり状態中に実行されるラウンドの回数(可変入賞装置32の開放回数)を判別するためのラウンド数カウンタに「16」を設定する。一方、ステップS1002で否定判別された場合、ステップS1004において、ラウンド数カウンタに「7」を設定する。ステップS1003、又はステップS1004の後、ステップS1005に移行する。
ステップS1005では、大当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。続くステップS1006では、大当たり状態中の制御(可変入賞装置32の開閉制御)に用いられる第1可変タイマに対して、例えば8秒のオープニング期間に対応する値「2000」を設定する。続いて、ステップS1007では、可変入賞装置32に入球した遊技球の数をカウントするための入賞カウンタに対して、1ラウンドあたりの最大入球個数である8個を示す「8」を設定する。尚、入賞カウンタの値は、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図11参照)に際して、可変入賞装置32への入球があったか否かをカウントスイッチ223の検出情報により判別し、可変入賞装置32への入球があったと判別されると1減算される。
それから、ステップS1008では、サブ制御装置262に対して大当たり状態の開始を伝えるためのオープニングコマンドを設定する。当該オープニングコマンドには、大当たり種別の情報等が含まれ、サブ制御装置262でも大当たり状態の全ラウンド数等が把握できるようになっている。ステップS1008の後、本処理を終了する。
尚、大当たり状態において見た目の大当たり種別の昇格の演出等(例えば、装飾図柄表示装置42で偶数のゾロ目が停止表示された場合に、直後の大当たり状態中において「7RS」又は「16RS」に当選したことを教示したり、装飾図柄表示装置42で奇数のゾロ目が停止表示された場合に、直後の大当たり状態中において「16RS」に当選したことを教示したりする)を行うこととしてもよい。
また、ステップS1001で否定判別された場合、すなわち「外れ」と判別された場合には、ステップS1009へ移行する。ステップS1009では、モード記憶エリアに設定されている値が時間短縮モードであることを示す「12」であるか否か、すなわち、時間短縮モードであるか否かを判別する。ステップS1009で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1009で肯定判別された場合には、ステップS1010において、時間短縮モードの継続期間を計測するため変動回数カウンタの値を1減算する。後述するように、本実施形態では、「7RN」の大当たり状態終了時において変動回数カウンタに「100」が設定され、特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示が1回行われる毎に当該ステップS1010において1減算される。
続くステップS1011では、変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1011で否定判別された場合、すなわち、時間短縮モードが開始されてから未だ特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)において変動表示が100回行われていない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1011で肯定判別された場合には、ステップS1012において、モード記憶エリアに対し、通常モードであることを示す「11」を設定する。すなわち、特別表示装置43L、43Rにおいて変動表示が100回行われた時点で時間短縮モードが終了し、通常モードへと移行するようになっている。当該ステップS1012の後、本処理を終了する。
次に、上記ステップS206の可変入賞装置制御処理について図21のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1201では、大当たり状況記憶エリアに設定されている値が「0」であるか否かを判別することで、大当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。ステップS1201で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態ではない場合には、そのまま本処理を終了する。ちなみに、大当たり状態の開始時にあっては、上記判別情報設定処理にて大当たり状況記憶エリアに「1」が設定されている。
一方、ステップS1201で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態中である場合(大当たり状況記憶エリアに「1」〜「3」のいずれかが設定されている場合)にはステップS1202に移行し、第1可変タイマの値を1減算する。ちなみに、大当たり状態の開始時にあっては、判別情報設定処理にて第1可変タイマに「2000」が設定されている。
続くステップS1203では、第1可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1203で肯定判別された場合には、ステップS1204において、大当たり状況記憶エリアにおいて「1」が設定されているか否かを判別する。
ステップS1204で肯定判別された場合には、ステップS1205において、大当たり状況記憶エリアに対して「2」を設定する。続く、ステップS1206では、第1可変タイマに対して可変入賞装置32の開状態を維持する時間(30秒)に対応する値「7500」を設定する。
ステップS1206の後、ステップS1207では、可変入賞装置32を開状態とさせる処理を行い、ステップS1208では、サブ制御装置262に対してラウンドを開始する旨の情報を伝えるラウンドコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1204で否定判別された場合には、ステップS1209において大当たり状況記憶エリアにおいて「3」が設定されているか否かを判別する。尚、詳しくは後述するが、大当たり状態における全ラウンドが終了し、エンディング期間が開始される際に、大当たり状況記憶エリアに対して「3」が設定されることとなる。ステップS1209で否定判別された場合、すなわち、未だ大当たり状態を終了させる時期ではない場合には、ステップS1210においてラウンド数カウンタの値を1減算する。
続くステップS1211では、ラウンド数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1211で否定判別された場合、すなわち、未だ実行するべきラウンドが残されている場合には、ステップS1212に移行し、大当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。その後、ステップS1213において、第1可変タイマに対してインターバルの時間(4秒)に対応する値「1000」を設定し、ステップS1214において、入賞カウンタに対して「8」を設定する。さらに、ステップS1215において、可変入賞装置32を閉状態とさせる処理を行い、ステップS1216において、サブ制御装置262に対してインターバルを開始する旨の情報を伝えるインターバルコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1203で否定判別された場合、すなわち、可変入賞装置32の開状態又は閉状態を維持するべき時間(開放時間又は閉鎖時間)が残っている場合には、ステップS1217に移行し、可変入賞装置32への入球個数を計測する入賞カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。尚、入賞カウンタには、大当たり状態の開始時及びインターバルの開始時において、1回のラウンドあたりの入賞数の上限(規定個数)である「8」が設定される。そして、可変入賞装置32に遊技球が1つ入球する毎に1減算される。
ステップS1217で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1217で肯定判別された場合、すなわち、ラウンドの設定期間の経過を待たずにラウンドの終了契機が訪れた場合には、上記ステップS1210に移行する。これにより、1回のラウンド中に可変入賞装置32に対して遊技球が8個入球した場合には、開放期間30秒が経過していなくてもその時点で速やかにラウンドが終了することとなる。
また、ステップS1211で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態における全ラウンドが消化された場合には、ステップS1218に移行し、大当たり状況記憶エリアに対して「3」を設定する。ステップS1218の後、ステップS1219において、第1可変タイマに対してエンディングの時間(10秒)に対応する値「2500」を設定する。
続くステップS1220では、入賞カウンタに対して「7」を設定する。尚、ステップS1217で肯定判別された後の流れでステップS1218以降のエンディングを設定する処理が行われる場合、入賞カウンタの値は「0」になっている。そして、エンディング期間の開始時に入賞カウンタの値をそのまま「0」にしておくと、4msec後の可変入賞装置制御処理において、いきなりステップS1217で肯定判別されてしまい、エンディング期間を全うさせることができない。このため、ステップS1220で入賞カウンタに対して「0」以外の仮の数値(本例では「7」)を入れておくことで、エンディング期間を全うさせるようになっている。勿論、別の方法で、エンディング期間を全うさせるように構成してもよい。
ステップS1220の後、ステップS1221では、可変入賞装置32を閉状態とさせる処理を行い、続くステップS1222では、サブ制御装置262に対してエンディングを開始する旨の情報を伝えるエンディングコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1209で肯定判別された場合、すなわち、エンディング期間が終了して大当たり状態を終了させる時期が到来した場合には、ステップS1223に移行し、終了設定処理を行う。終了設定処理では、モード記憶エリアの設定や変動回数カウンタの設定が行われる。
ここで、終了設定処理について、図22を参照して説明する。先ず、ステップS1401では、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアに7RNフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1401で肯定判別された場合には、ステップS1402において、モード記憶エリアに時間短縮モードに対応する値「12」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に時間短縮モードが付与されることとなる。
続くステップS1403では、変動回数カウンタに対して「100」を設定する。尚、変動回数カウンタとは、上述したように時間短縮モードの継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、上記モード記憶エリアの設定処理にてモード記憶エリアに「12」が設定される場合に、変動回数カウンタの値として変動表示100回分に相当する「100」が設定されることとなる。ステップS1403の後、本処理を終了する。
また、ステップS1401で否定判別された場合、すなわち、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアに「16RS」又は「7RS」が記憶されている場合には、ステップS1404において、モード記憶エリアに対して確変モードに対応する値「21」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に確変モードが付与されることとなる。その後、本処理を終了する。
図21の説明に戻り、ステップS1223の後、ステップS1224において、大当たり状況記憶エリアに対して大当たり状態ではないことを示す「0」を設定する。その後、ステップS1225において、サブ制御装置262に対して大当たり状態を終了する旨の情報を伝える大当たり終了コマンドを設定してから、本処理を終了する。尚、大当たり終了コマンドには、上記終了設定処理で設定された遊技モードや変動回数カウンタの回数情報等が含まれている。
次に、前記ステップS207の第2表示制御処理について図23のフローチャートを参照して説明する。
図23において、ステップS2101では、普通図柄表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す第2表示中フラグがオンであるか否かを判別することで、普通図柄表示装置41による切換表示(変動表示)中であるか否かを判別する。第2表示中フラグがオンである場合には普通図柄表示装置41において変動表示中であるとみなされ、第2表示中フラグがオフである場合には、普通図柄表示装置41において変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。
ステップS2101で否定判別された場合には、ステップS2102に進み、普通保留カウンタNcの値が0よりも大きいか否かを判別する。このとき、普通保留カウンタNcの値が0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、変動表示中でなく且つ普通保留カウンタNcの値>0であれば、ステップS2103に進む。ステップS2103では、普通保留カウンタNcから1を減算する。ステップS2104では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2105では、開始設定処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41において切換表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す処理を行う。詳しくは、第2表示中フラグをオンにするとともに、第2表示タイマの設定処理が行われる。第2表示タイマとは、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。本実施形態では、通常モードにおいては、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間は6秒であるため、第2表示タイマには「1500」が設定される。また、確変モード、時間短縮モードにおいては普通図柄表示装置41の変動時間が2秒であるため、第2表示タイマに「500」が設定される。当該開始設定処理における設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切換表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、普通図柄表示装置41において切換表示が開始される。上述したように普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示するように構成されており、表示されているのが「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。そして、ステップS2105の終了後、第2表示制御処理を終了する。
ステップS2101で肯定判別された場合、すなわち普通図柄表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップS2106に進み、第2表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップS2107に進み、第2表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判別する。ステップS2107で肯定判別された場合には、ステップS2108において第2表示中フラグをオフし、ステップS2109において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための普通図柄停止表示設定を行う。そして、この普通図柄停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、当選である場合には「○」図柄(当選図柄)を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には「×」図柄を停止表示させる。
なお、上述したように、普通変動保留エリアの実行エリアに格納されている普通図柄乱数カウンタC4の値に基づいて当選か否かが判別される。具体的には、普通図柄乱数カウンタC4の数値0〜9のうち「3〜8」が当たり値である。
続いてステップS2110に進み、普通図柄判別情報設定処理を行い、本処理を終了する。この処理において、停止表示が当選に対応する場合には、始動入賞ユニット33の開閉処理を行うための設定処理を行う。具体的には、入球アシストフラグをオン設定し、第2可変フラグをオン設定し、第2可変タイマに開放時間を設定し、駆動回数カウンタに始動入賞ユニット33(開閉部材33c)の駆動回数(開放回数)を設定する。
入球アシストフラグとは、入球アシスト抽選の当選に基づく処理中であるか否かを判別するための判別情報である。第2可変フラグとは、始動入賞ユニット33(開閉部材33c)が開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。第2可変タイマとは、始動入賞ユニット33の開放時間(残余時間)を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。駆動回数カウンタとは、開閉部材33cを開放させる回数(残り回数)を計測手段である。
また、第2可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、始動入賞ユニット33に対し各種制御信号が出力される。第2可変フラグがオンの場合には始動入賞ユニット33に対し開閉部材33cを開放する旨の制御信号が出力され、始動入賞ユニット33が開状態となる。一方、第2可変フラグがオフの場合には始動入賞ユニット33に対し開閉部材33cを閉鎖する旨の制御信号が出力され、始動入賞ユニット33が閉状態となる(開閉部材33cが閉状態とされ、下入賞口33bへの遊技球の入球が不可能となる)。
尚、本実施形態では、高入球状態(確変モード及び時間短縮モード)と低入球状態(通常モード)とで始動入賞ユニット33の開放時間及び開放回数が異なる。本実施形態では、高入球状態においては、第2可変タイマに対して「500」が設定されるとともに、駆動回数カウンタに「3」が設定される。一方、低入球状態においては、第2可変タイマに対して「150」が設定されるとともに、駆動回数カウンタに「1」が設定される。
一方、ステップS2107で否定判別された場合には、ステップS2111において、普通図柄表示装置41の切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯が「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。これによって、第2表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の切換表示(変動表示)が実現される。
次に上記ステップS208の契機対応ユニット制御処理について図24のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS2201では、入球アシストフラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2201で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。一方、ステップS2201で肯定判別された場合には、ステップS2202において第2可変タイマの値を1減算する。
続くステップS2203では、第2可変フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2203で肯定判別された場合、すなわち、始動入賞ユニット33(開閉部材33c)が開状態である場合には、ステップS2204において、第2可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2204で否定判別された場合、すなわち、予め規定された始動入賞ユニット33の開放時間が未だ経過していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2204で肯定判別された場合には、ステップS2205に移行し、第2可変フラグをオフする。続くステップS2206では、駆動回数カウンタの値を1減算する。その後、ステップS2207において、駆動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2207で肯定判別された場合には、ステップS2208において入球アシストフラグをオフしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS2208で否定判別された場合、すなわち、当選した入球アシスト抽選が確変モード又は時間短縮モードで行われたものであって、それに基づいて始動入賞ユニット33が3回開放されるうちの残り回数がある場合には、ステップS2209で第2可変タイマに対してインターバル時間に相当する値(例えば「100」)を設定する。ステップS2209のあと、本処理を終了する。
また、ステップS2203で否定判別された場合、すなわち、始動入賞ユニット33が3回開放される間のインターバル期間(始動入賞ユニット33は閉状態)である場合には、ステップS2210に移行し、第2可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2210で否定判別された場合、すなわち、未だインターバル期間が経過していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2210で肯定判別された場合には、ステップS2211で第2可変フラグをオンし、ステップS2112で第2可変タイマに対して開放時間に相当する値(本例では「500」)を設定してから、本処理を終了する。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図25を参照して受信割込み処理を説明し、その後図26を参照してメイン処理を説明する。
図25は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図27に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図26を参照して説明する。図26は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図27のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図28を参照して以下に説明する。
図28は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図25参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302〜ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304〜ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図27のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3202で肯定判別されれば、ステップS3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3207では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3208で払出個数設定処理を行い、ステップS3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3210においてモータ駆動処理を行う。
ステップS3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3212では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の通常処理ついて図29を参照しつつ説明する。先ずステップS3901では、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判別する。
コマンドが受信されている場合には、ステップS3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
続くステップS3903では、主制御装置261から出力された先発コマンドの情報を、RAM553に設けられた保留情報記憶エリアに格納する保留情報格納処理を行う。尚、先発コマンドには、上記のように、上入賞口33a又は下入賞口33bのどちらの入球を契機とする変動表示であるかを示す情報、大当たりに対応する変動情報であるかを示す情報、大当たり種別を示す情報、リーチの種別を示す情報が含まれる。
保留情報格納エリアは、主制御装置261の特別変動保留エリアと同様に、それぞれ4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)を備える第1保留情報格納エリア及び第2保留情報格納エリアと、1つの実行エリアとを備えている。第1保留情報格納エリアには、第1変動表示(第1特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、大当たりか否かの情報、大当たり種別、及びリーチ種別等の変動情報が時系列的に格納される。また、第2保留情報格納エリアには、第2変動表示(第2特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、変動情報が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、上入賞口33aへの入球を契機とする第1変動表示の情報(変動情報)、及び下入賞口33bへの入球を契機とする第2変動表示の情報をそれぞれ4つ保留記憶することができ、結果的に、主制御装置261の第1及び第2特別変動保留エリアに記憶された変動情報を、サブ制御装置262においても把握することができる。
以下、保留情報格納処理について、図32を参照して説明する。先ず、ステップS4101では、先発コマンドを受信したか否か(先発コマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。当該ステップS4101で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4101で肯定判別された場合には、ステップS4102において先発コマンドが下入賞口33bへの入球(第2特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであるか否かを判別する。ここで否定判別された場合、すなわち、先発コマンドが上入賞口33aの入球(第1特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであった場合には、ステップS4103において、第1保留情報格納エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする上変動保留カウンタNdを1インクメントする。
続くステップS4104では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別の情報、リーチ種別の情報等を、第1保留情報格納エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。
また、続くステップS4105では、予告情報格納処理を行う。すなわち、本実施形態では、連続する複数の変動表示において互いに関連する演出表示を意図的に導出する(所謂、「連続予告」が行われる)場合がある。ここでは、連続予告を行うか否かを決定するための連続予告カウンタの値、及び、連続予告の種別を決定するための予告種別カウンタの値を取得し、当該カウンタ値を第1保留情報格納エリアのうち上記ステップS4104にて変動情報を新たに記憶した保留エリアに記憶する。
連続予告カウンタは、例えば0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり49)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。連続予告カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(連続予告カウンタバッファ)に連続予告カウンタの値が記憶される。
予告種別カウンタは、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。予告種別カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(予告種別カウンタバッファ)に予告種別カウンタの値が記憶される。
そして、当該予告情報格納処理において、保留情報格納エリアに変動情報が格納されると、連続予告カウンタバッファ及び予告種別カウンタバッファに記憶されている連続予告カウンタの値及び予告種別カウンタの値が取得されることとなる。さらに、保留情報格納エリアの各保留エリア及び実行エリアには、連続予告が導出されることが決定された場合にオンされる連続予告フラグがそれぞれ設けられている。
また、本実施形態では、ROM552に対し、連続予告を行うか否かの決定に際して参酌される予告当否判定テーブルと、連続予告の態様の決定に際して参酌される予告テーブルとが設けられている。予告当否判定テーブル及び予告テーブルはそれぞれ複数設けられており、変動情報に応じて、参酌される予告当否判定テーブル及び予告テーブルが選択される。
ステップS4105の後、ステップS4106において、消灯状態にある第1保留ランプ46aのうちの1つ(例えば、4つある第1保留ランプ46aのなかで消えているもののうち一番左側のもの)を点灯状態とする。本実施形態の第1保留ランプ46aは青色に発光する。続くステップS4107では、連続予告を実行するか否かを決定する連続予告抽選処理を行い、その後、本処理を終了する。
尚、ステップS4107の連続予告抽選処理では、上変動保留カウンタNdの値が「2」以上である場合に、第1保留情報記憶エリアに新たに記憶された連続予告カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチ種別や遊技モードにそれぞれ対応する予告当否判定テーブルを参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。さらに、連続予告を実行することが決定された場合には、第1保留情報記憶エリアに新たに記憶された予告種別カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチ種別や遊技モードに対応する予告テーブルを参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。加えて、第1保留情報記憶エリアの保留エリアのうち変動情報が記憶されている全ての保留エリアの連続予告フラグをオンにする。但し、実行エリアの連続予告フラグはオンにしない。
また、ステップS4102で否定判別された場合、すなわち、先発コマンドが下入賞口33bへの入球(第2特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであった場合には、ステップS4108に進み、第2保留情報格納エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする下変動保留カウンタNeを1インクリメントする。
その後、ステップS4109では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別の情報、リーチ種別の情報等を、第2保留情報格納エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。続くステップS4110では、連続予告カウンタの値及び予告種別カウンタの値を取得し、当該カウンタ値を第2保留情報格納エリアのうち上記ステップS4109にて変動情報を新たに記憶した保留エリアに記憶する。
ステップS4110の後、ステップS4111において、消灯状態にある第2保留ランプ46bのうちの1つ(例えば、4つある第2ランプ46bのなかで消えているもののうち一番左側のもの)を点灯状態とする。本実施形態の第2保留ランプ46bは赤色に発光する。続くステップS4112では、連続予告を実行するか否かを決定する連続予告抽選処理を行い、本処理を終了する。尚、ステップS4112の連続予告抽選処理は、ステップS4107の連続予告抽選処理を下入賞口33bへの入球に対応させるだけであり、説明は省略する。
図29の説明に戻り、ステップS3903の後又はステップS3901で否定判別された場合には、ステップS3904へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では2msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していればステップS3905へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップS3912へと移行する。
ステップS3905では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図30に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタCOと、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
大当たり時装飾図柄カウンタCOは、大当たり状態が発生する際に、装飾図柄表示装置42の変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定するものであり、本実施形態では、大当たり時装飾図柄カウンタCOとしては、9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタCOは、0〜8の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり8)に達した後0に戻る構成となっている。
そして、主制御装置261から送信された図柄コマンドが確変大当たりに対応する図柄を停止させる旨を示す「AA11」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合わせを決定する。この大当たり時装飾図柄カウンタCOはステップS3905のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、後述するようにサブ制御装置262が図柄コマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。尚、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタCOはRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
また、図柄コマンドが通常大当たりに対応する図柄を停止させる旨を示す「AA12」である場合、例えば、カウンタ値が0、1であれば「2」(のゾロ目)、2〜4であれば「4」(のゾロ目)、5、6であれば「6」(のゾロ目)、7、8であれば「8」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合わせを決定する。
上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRは、当否抽選が外れとなったときに、上・中・下の図柄表示領域の各停止図柄の組合わせを決定するものであり、各列では9個の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。上図柄カウンタCLにより上図柄表示領域の停止図柄が決定され、中図柄カウンタCMにより中図柄表示領域の停止図柄が決定され、下図柄カウンタCRにより下図柄表示領域の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に8減算されて今回値が決定される。各図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ、及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図31に示すように、ステップS4001では、上図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS4002では、中図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。なお、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS4002で肯定判断されることになる。そして、上図柄カウンタCLの更新時期(ステップS4001がYES)であればステップS4003に進み、上図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄カウンタCMの更新時期(ステップS4002がYES)であればステップS4004に進み、中図柄カウンタCMを更新する。さらに、下図柄カウンタCRの更新時期(ステップS4001、S4002が共にNO)であればステップS4005に進み、下図柄カウンタCRを更新する。ステップS4003〜S4005の図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に8を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS4006では、上記更新した図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせ(上図柄表示領域の図柄と下図柄表示領域の図柄とが同じ)になっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合わせである場合(S4006がYES)、さらにステップS4007では、大当たり図柄の組合わせ(上下の図柄表示領域の図柄と中図柄表示領域の図柄とが同じ)であるか否かを判別する。ステップS4007で肯定判別された場合には、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553に記憶することなく、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4007で否定判別された場合には、ステップS4008において、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが前後外れ図柄の組合わせであるか否かを判別する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ図柄(前後外れリーチ)の組合わせである場合(S4008がYES)、ステップS4009に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外図柄(前後外れ以外リーチ)の組合わせである場合(S4008がNO)には、ステップS4010に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(S4006がNO)、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっているため、ステップS4011において、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納して、本処理を修了する。
図29の説明に戻り、ステップS3906では保留処理を行う。以下、保留処理について図33を参照して説明する。
先ず、ステップS4201では、変動パターンコマンドを受信したか否か(変動パターンコマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。ステップS4201で肯定判別された場合には、ステップS4202において、下変動保留カウンタNeの値が「0」よりも大きいか否かを判別する。当該ステップS4202で否定判別された場合、すなわち、第2変動表示の変動情報が保留記憶されていない場合には、ステップS4203に進み、上変動保留カウンタNdの値を1減算する。
尚、上記のように、本実施形態では、第1変動表示よりも第2変動表示が優先的に消化され、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示が消化されることはない。すなわち、第2保留情報格納エリアに第2変動表示の変動情報が保留記憶されている場合には、第1変動表示に対応する変動パターンコマンドは送られてこない。このため、本実施形態では、ステップS4202において、下変動保留カウンタNeの値が「0」よりも大きいか否かを判別することで、当該変動パターンコマンドが第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報を有しているかを判別している。もちろん、変動パターンコマンドに対して第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報に対応しているかの情報を持たせ、変動パターンコマンドに基づいて、当該変動パターンコマンドが第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報を有しているかを判別してもよい。
ステップS4203の後、ステップS4204において、第1保留情報格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留情報格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータ(連続予告フラグも含む)を実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS4205では、点灯状態にある第1保留ランプ46aのうちの1つ(例えば、点灯している第1保留ランプ46aのうち一番右側のもの)を消灯状態とする。ステップS4205の後、ステップS4209に移行する。
また、ステップS4202で肯定判別された場合、すなわち、第2変動表示の変動情報が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS4206において、下変動保留カウンタNeの値を1減算する。
続くステップS4207では、第2保留情報格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2保留情報格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。尚、本実施形態では、保留情報格納エリアの実行エリアは1つであり、第1保留情報格納エリア及び第2保留情報格納エリアに格納されているデータは、当該データに対応する変動表示が行われる際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
続くステップS4208では、点灯状態にある第2保留ランプ46bのうちの1つ(例えば、点灯している第2保留ランプ46bのうち一番右側のもの)を消灯状態とする。ステップS4208の後、ステップS4209に移行する。
ステップS4209では連続予告に使用される表示演出の種別を決定する予告設定処理が行われる。ステップS4209の予告設定処理では、保留情報格納エリアの実行エリアの連続予告フラグ(ステップS4107の連続予告抽選処理参照)がオンであるか否かを判別し、否定判別された場合には、連続予告は行われないため、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、大当たりか否か、大当たりの場合には種別は何か、大当たりではない場合には、リーチ種別は何か等を判別し、それぞれに対応するテーブルを参照して、連続予告の種別を決定する。ここで決定された種別の連続予告は、対応する変動表示に際して所期のタイミングで導出されることとなる。ステップS4209の後、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、第2変動表示が第1変動表示よりも優先的に消化される構成であるため、複数回の第1変動表示に関して連続予告が行われる場合には、かかる第1変動表示の変動表示中に下入賞口33bへの入球があると、第2変動表示が前記複数回の第1変動表示の間に割り込んで、連続予告が途切れる場合がある。これに対し、本実施形態では、連続予告として使用される演出は、連続予告が行われない場合の通常の変動表示に際しても導出され得る表示演出(単独の変動表示を対象として導出され得る演出)が用いられる。このため、連続予告が途切れても、何ら違和感は生じない。
図29の説明に戻り、ステップS3907では表示設定処理を行う。ここでは、RAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。つまり、ここでは、装飾図柄表示装置42において表示する表示態様が決定されることとなる。例えば、変動パターンコマンド及び図柄コマンドを受信した場合、サブ制御装置262は、変動種別、変動時間、及び停止図柄等に基づいて、対応するテーブルを参照し、表示パターン等を決定する。そして、決定事項を表示コマンドとして表示制御装置45に出力する等の制御を行う。
尚、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42での装飾図柄の変動表示を開始する。なお、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンに対応する変動時間が経過するまでの間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。
また、変動表示を開始させる際には、保留情報記憶エリアの実行エリアの連続予告フラグ(ステップS4105の連続予告抽選処理参照)がオンである場合に、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、各状況に対応するテーブルを参照して、変動表示に導出させる連続予告の種別を決定したり、連続予告とは別の予告演出の導出を決定したり、演出ボタン125の操作に対応する表示を行ったりする。さらに、当該ステップS3907の表示設定処理では、大当たり中の演出制御を行う処理(大当たり表示処理)についても行われるが、これについては後述する。
ステップS3908のランプ設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。
ステップS3909の音声設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカSPの出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS3909で行われる。
ステップS3910では、客待ち演出(例えば装飾図柄表示装置42の変動表示が行われていない状態で所定時間が経過すると表示されるように設定されているデモ画面表示;省エネモード)の制御設定等その他の処理を行う。
ステップ3911では、上記ステップS3905〜3910の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。
2msec毎に行われるステップS3905〜S3911の処理が実行された後、又は、上記ステップS3904で否定判別された場合には、ステップS3912に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップS3913に進み、RAM553が破壊されているか否かが判別される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップS3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップS3912で電源断の発生情報が記憶されると判別された場合、ステップS3914において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
次に、ステップS3907の表示設定処理において行われる大当たり表示処理について、図34を参照して説明する。
先ず、ステップS4701では、主制御装置261から大当たり状態の開始を告げるオープニングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4701で肯定判別された場合には、ステップS4702において、残りのラウンド数を把握するためのラウンド把握カウンタに対し、オープニングコマンドに含まれる情報に基づいて、「16RS」であれば「16」を設定し、「7RS」、「7RN」であれば「7」を設定する。
その後、ステップS4703において、8秒間のオープニング演出の設定(装飾図柄表示装置42の画像、スピーカSPの音声、各種ランプの点灯態様の設定)を行ってから、本処理を終了する。尚、サブ制御装置262には、大当たり種別と、残りラウンド数と、大当たり状態中の各種演出態様との対応関係を記憶するテーブルが設けられており、当該テーブルを参照して対応する演出を選択し、それを実行させることとなる。
また、ステップS4701で否定判別された場合には、ステップS4704においてインターバルコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4704で肯定判別された場合、ステップS4705において、最大で30秒のラウンド中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4704で否定判別された場合、ステップS4706において、インターバルコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4706で肯定判別された場合、ステップS4707でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4708で4秒のインターバル中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4706で否定判別された場合、ステップS4709においてエンディングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4709で肯定判別された場合、ステップS4710でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4711で10秒のエンディング演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4709で否定判別された場合、ステップS4712において大当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4712で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4712で肯定判別された場合には、ステップS4713において、エンディング表示を直ちに終了させ、変動表示が行われる通常遊技状態の態様とする設定を行う。その後、本処理を終了する。
さて、サブ制御装置262のROM552には、複数パターンの音声データを符号化した形(バイナリデータ)で予め記憶している音声データ記憶手段としての音声データ記憶エリア267が設けられている。さらに、サブ制御装置262には、音声データを音声信号に変換可能に構成されるとともに、複数の音声信号をスピーカSPに同時に出力可能に構成された音声手段としての音声組成部264が設けられている。音声組成部264は、音声信号を入力可能な複数のチャンネルCHと、音声信号を増幅する増幅器とを備え、複数のチャンネルCHに入力された音声信号を合わせて(ミキシングして)スピーカSPへ出力可能に構成されている。
そして、サブ制御装置262が、主制御装置261から変動パターンコマンド等を受信すると、CPU551が該コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42における表示態様や、これに対応する音声態様を決定するとともに、音声に関しては、対応する音声データを音声データ記憶エリア267から読み出して、音声組成部264に入力する。音声組成部264では、入力された音声データを音声信号、すなわち、デジタル信号、ひいては、アナログ信号に変換し、アナログ信号化された該音声信号を対象のチャンネルCHに入力する。さらに、音声信号は、増幅器において設定に応じたレベルに増幅された後、スピーカSPに出力される。スピーカSPでは、音声信号が音声(空気の疎密波)に変換されて、かかる音声がパチンコ機10の前方に出力される。
本実施形態では、スピーカSPから最多で3パターンの音声(BGMや効果音)を同時に出力可能に構成されている。すなわち、音声組成部264のチャンネルCHは、第1チャンネルCH1と、第2チャンネルCH2と、第3チャンネルCH3とを備え、チャンネルCH1〜CH3に入力された音声信号は、まとめて(ミキシングされて)スピーカSPへと出力されるようになっている。これにより、第1〜第3チャンネルCH1〜CH3に対してそれぞれ異なる音声データの音声信号が入力されると、スピーカSPから3パターンの音声が同時に出力されることとなる。
また、増幅器は、各チャンネルCH1〜CH3に入力された音声信号をそれぞれ個別に増幅可能なプリアンプと、複数のチャンネルCH1〜CH3に同時に入力されてミキシングされた後の全体の音声信号を増幅可能なメインアンプとを備えている。さらに、音声組成部264は、各チャンネルCH1〜CH3に入力された音声信号の(プリアンプで増幅された後の)音量をそれぞれ調節可能なチャンネル音量調節手段としてのチャンネルボリューム調節部と、複数のチャンネルCH1〜CH3に同時に入力されてミキシングされた後の全体の音声信号の(メインアンプで増幅された後の)音量を調節可能なマスタ音量調節手段としてのマスタボリューム調節部とを備えている。
尚、本実施形態のチャンネルボリューム調節部では、各チャンネルCH1〜CH3のボリュームを、基準とされる音量の100%となる大ボリューム「VH」から、0%となる全ミュート「V0」までの間で設定可能に構成されている。加えて、各チャンネルCH1〜CH3に入力されて各々音量調節された後の音声信号は、右側のスピーカSPと、左側のスピーカSPとにそれぞれ出力されるように分岐配線されている。また、メインアンプやマスタボリューム調節部に関しては、左右のスピーカSPの音量が一緒に変化するように分岐の前に設けられていてもよいし、左右のスピーカSPの音量を個別に調節可能なように、分岐の後にそれぞれ(2つ)設けられていてもよいし、これらを合わせて3つ設けられていてもよい。さらに、詳しくは後述するが、CPU551から複数の音声データを音声組成部264に出力する場合には、かかる音声データがパラレルに出力される。尚、音声組成部264は、音声データの音声信号とは異なるノイズを検出して、かかるノイズをある程度除去可能な機能を有していることとしてもよい。
また、本実施形態では、大当たり状態中、より具体的には、大当たりのオープニング(ファンファーレ)が終了してからエンディングが開始されるまでの間の大当たりラウンドの期間に流れる音声(BGM)が複数パターン用意されている。以下、各パターンについて説明する。
「通常大当たりBGM」;通常大当たりである「7RN」に当選した場合、或いは、確変大当たりである「7RS」に当選したが、装飾図柄表示装置42において、「7RN」及び「7RS」のどちらかに当選したことだけが把握できる態様で変動表示が停止表示される(例えば、装飾図柄表示装置42において偶数のゾロ目が停止表示される)とともに、大当たり状態中(大当たりラウンド中)においても、「7RS」であることが教示されない場合に出力される。尚、大当たりラウンド中では教示されないが、エンディングに際して「7RS」であることが教示されるような演出が行われるような場合には、当該演出が行われる場合においても「通常大当たりBGM」が選択される。また、特別表示装置43L、43Rにおいて大当たりが教示された際の変動表示の停止表示を確認せず、かつ、「通常大当たりBGM」が選択され、大当たり状態において「7RS」であることが教示されなかった場合には、大当たり状態終了後に高入球状態に移行しても「時間短縮モード」及び「確変モード」のどちらなのかの区別はつかない。この場合、「時間短縮モード」の上限を超えて高入球状態が継続することで「確変モード」であることを把握することができる。
「昇格通常大当たりBGM」;「7RS」に当選したが、装飾図柄表示装置42において、「7RN」及び「7RS」のどちらかに当選したことだけが把握できる態様で変動表示が停止表示されるとともに、大当たりラウンド中において「7RS」であることが教示される場合に出力される。
「確変大当たりBGM」;「7RS」に当選し、装飾図柄表示装置42において、確変大当たりである「7RS」及び「16RS」のどちらかに当選したことだけが把握できる態様で変動表示が停止表示された(例えば、装飾図柄表示装置42において「7」以外の奇数のゾロ目が停止表示される)場合に出力される。尚、装飾図柄表示装置42において、「7RN」及び「7RS」のどちらかに当選したことだけが把握できる態様で変動表示を停止表示させておき、大当たりラウンドの開始に伴って「確変大当たりBGM」を出力することで「7RS」又は「16RS」であることを教示するパターンが存在するように構成してもよい。
「昇格確変大当たりBGM」;「16RS」に当選し、装飾図柄表示装置42において、確変大当たりである「7RS」及び「16RS」のどちらかに当選したことだけが把握できる態様で変動表示が停止表示されるとともに、大当たりラウンド中において「16RS」であることが教示される場合に出力される。
「16R確変大当たりBGM」;「16RS」に当選し、装飾図柄表示装置42において、「16RS」に当選したことが把握できる態様で変動表示が停止表示された(例えば、装飾図柄表示装置42において「7」のゾロ目が停止表示される)場合に出力される。本実施形態では、大当たり状態が発生することが教示される演出が行われる「プレミアムリーチ」が導出された場合と、2回以上連続して「16RS」に当選した場合とにおいて、「16R確変大当たりBGM」が出力されるようになっている。
そして、大当たり状態の開始時(大当たり状態の当選時でも可)に、サブ制御装置262が、「7RN」であれば「通常大当たりBGM」を設定し、「7RS」であれば、「昇格通常大当たりBGM」又は「確変大当たりBGM」のどちらかを抽選にて設定し、「16RS」であれば「昇格確変大当たりBGM」又は「16R確変大当たりBGM」のどちらかを抽選にて設定する。尚、「通常大当たりBGM」及び「昇格通常大当たりBGM」の楽曲(以下、「第1大当たり楽曲」と称する)と、「確変大当たりBGM」、「昇格確変大当たりBGM」、及び「16R確変大当たりBGM」の楽曲(以下、「第2大当たり楽曲」と称する)とは異なるものである。つまり、「第2大当たり楽曲」は確変大当たりに対応しており、少なくとも大当たりラウンドの開始時に「第2大当たり楽曲」が流れていれば「7RS」及び「16RS」のどちらかであることが教示される。
さらに、スピーカSPから出力される音声のなかには、当該音声を出力するために複数のチャンネルCH1〜CH3を同時に使用するものもある。本実施形態では、3つのパターンの音声データを3つのチャンネルCH1〜CH3で同時に再生させることによって出力される多旋律の音声(多旋律曲)と、同じ音声データを2つのチャンネルCHで同時に再生させることでチャンネルボリューム調節部等を調節制御しなくても音量を変化させることのできる音声とが存在する。
より具体的には、3つのチャンネルが使用される音声には、「確変大当たりBGM」、「昇格確変大当たりBGM」、「16R確変大当たりBGM」が存在する。2つのチャンネルが使用される音声には、「昇格通常大当たりBGM」、「プレミアムリーチ」、エラー状態の発生を報知する「エラー発生音」、「特殊効果音」が存在する。「特殊効果音」には、大当たり状態の発生を告知する「大当たり告知B」と、演出の展開が複数段階用意されていて発展するほど大当たり状態等への期待度が高まるように対応付けされている「ステップアップ演出B」とが存在する。
その他の一般的な大多数の音声、例えば、「通常大当たりBGM」、通常の遊技状態(変動表示中)における通常時BGM、「大当たり告知A」や「ステップアップ演出A」なども含む「一般効果音」には、1つのチャンネルが使用される。尚、遊技(ハンドル操作)が一定期間行われていない場合に開始されるデモ画面表示に際しては、音声が出力されないが、演出ボタン125の操作があった場合には対応する音声が出力される。
次に、ステップS3909の音声設定処理において行われる大当たり状態中のBGMを設定するための大当たりBGM設定処理について、図35を参照して説明する。尚、当該処理よりも前段階において大当たり状態中のBGM種別を決定する処理が行われている。
先ず、ステップS7101では、「16R確変大当たりBGM」であるか否かを判別する。ステップS7101で肯定判別された場合には、ステップS7102において、第1〜第3チャンネルCH1〜CH3に対して多旋律曲である「第2大当たり楽曲」の各旋律を設定する。より具体的に、「第2大当たり楽曲」を構成する各旋律としては、「伴奏」と、「歌唱(ボーカル)」と、歌唱と同じ音階の音が出力される「ガイドメロディー」とがある。そして、「伴奏」と、その他2つのうち少なくとも一方とが同時に出力されることで「第2大当たり楽曲」が構成される。つまり、「伴奏」、「ガイドメロディー」、及び「歌唱」のうちで同時に遊技者に聞こえる音で出力される組合わせを変えることで、同じ楽曲ではあるが、互いに区別がつくようなアレンジが加えられることとなる。
当該ステップS7102では、サブ制御装置262のCPU551により、音声データ記憶エリア267から「伴奏」、「ガイドメロディー」、及び「歌唱」の各音声データが読み出され、これらの音声データが音声組成部264にパラレルに(同時に)入力されるように設定する。また、音声データを受けた音声組成部264では、各音声データが音声信号に変換されるとともに、第1チャンネルCH1に「伴奏」の音声信号が入力され、第2チャンネルCH2に「ガイドメロディー」の音声信号が入力され、第3チャンネルCH3に「歌唱」の音声信号が入力される。これによって、「伴奏」、「ガイドメロディー」、及び「歌唱」の各音声データが同時に再生開始されることとなる。
尚、「第2大当たり楽曲」は、先ず「伴奏」が始まってから(イントロダクションが終わってから)、「歌唱」或いは「ガイドメロディー」が開始されることとなる歌唱付きの楽曲である。但し、「歌唱」及び「ガイドメロディー」の音声データは、「歌い始め」の時点からのデータだけでなく、「第2大当たり楽曲」を構成する旋律の中で最も先のタイミングで遊技者に可聴な音声としてスピーカSPから出力される「伴奏」の音声データの再生開始に合わせて、該再生開始時点からのデータを有している。つまり、「歌唱」及び「ガイドメロディー」の音声データは、「伴奏」のイントロダクションと同じ時間的長さの「無音」を示すデータを有している。これにより、上記のように、「伴奏」、「ガイドメロディー」、及び「歌唱」の各音声データを同時に再生開始させることで、旋律間のタイミングをばっちりと合わせることができる。
ステップS7102の後、ステップS7103において、第1〜第3チャンネルCH1〜CH3のボリュームをいずれも大ボリューム「VH」としてから、本処理を終了する。
また、ステップS7101で否定判別された場合、ステップS7104において、「昇格確変大当たりBGM」であるか否かを判別する。ステップS7104で肯定判別された場合には、ステップS7105において、第1〜第3チャンネルCH1〜CH3に対して「第2大当たり楽曲」の各旋律を設定する。より具体的に、第1チャンネルCH1に「伴奏」の音声データが入力され、第2チャンネルCH2に「ガイドメロディー」の音声データが入力され、第3チャンネルCH3に「歌唱」の音声データが入力されるように設定される。
ステップS7105の後、ステップS7106において、第1及び第2チャンネルCH1、CH2のボリュームを大ボリューム「VH」とするとともに、第3チャンネルCH3のボリュームを全ミュート「V0」とする。すなわち、「昇格確変大当たりBGM」の大当たりラウンド開始時には、「伴奏」及び「ガイドメロディー」が聞こえ、「歌唱」は聞こえない状態となる。
続くステップS7107では、大当たりBGMの切替制御に使用される第1切替フラグをオンにするとともに、ステップS7108では、同じく大当たりBGMの切替制御に使用される切替タイマの設定を行う。「昇格確変大当たりBGM」は、大当たりラウンドの途中において、実は「16RS」に当選していたということが教示されるタイミングで、「伴奏」及び「ガイドメロディー」が聞こえる状態から、「伴奏」及び「歌唱」が聞こえる状態に変化するようになっており、当該ステップS7108では、かかる切替えを開始するまでの時間に対応する値が切替タイマに設定される。ステップS7108の後、本処理を終了する。
尚、演出として装飾図柄表示装置42での教示タイミングよりも前のタイミングにずらすことも可能、装飾図柄表示装置42での教示を行わず音声だけで教示することも可能である。
また、ステップS7104で否定判別された場合には、ステップS7109において「確変大当たりBGM」であるか否かを判別する。ステップS7109で肯定判別された場合には、ステップS7110において、第1〜第3チャンネルCH1〜CH3に対して「第2大当たり楽曲」の各旋律を設定する。より具体的に、第1チャンネルCH1に「伴奏」の音声データが入力され、第2チャンネルCH2に「ガイドメロディー」の音声データが入力され、第3チャンネルCH3に「歌唱」の音声データが入力されるように設定される。
ステップS7110の後、ステップS7111において、第1及び第2チャンネルCH1、CH2のボリュームを大ボリューム「VH」とするとともに、第3チャンネルCH3のボリュームを全ミュート「V0」とする。すなわち、「昇格確変大当たりBGM」の大当たりラウンド開始時には、「伴奏」及び「ガイドメロディー」が聞こえ、「歌唱」は聞こえない状態となる。
続くステップS7112で第1切替フラグをオンにするとともに、ステップS7113で切替タイマの設定を行う。「確変大当たりBGM」では、「昇格確変大当たりBGM」であれば「伴奏」及び「ガイドメロディー」が聞こえる状態から、「伴奏」及び「歌唱」が聞こえる状態に変化するようなタイミングで、「伴奏」及び「歌唱」が聞こえる状態には結局変化しなかったという演出が行われる。つまり、「歌唱」は「16RS」に対応しており、「伴奏」及び「歌唱」が導出された場合には「16RS」であることが教示される。当該ステップS7113では、かかるフェイク演出を開始するまでの時間に対応する値が切替タイマに設定される。ステップS7113の後、本処理を終了する。尚、「確変大当たりBGM」が導出される場合において、フェイク演出が行われないパターンが存在してもよいし、大当たりラウンドの途中でフェイク演出を行うか否かの抽選及び決定を行い、該決定に基づいてフェイク演出を行ったり行わなかったりしてもよい。
また、ステップS7109で否定判別された場合、ステップS7114において、「昇格通常大当たりBGM」であるか否かを判別する。ステップS7114において肯定判別された場合、ステップS7115において、第1及び第2チャンネルCH1、CH2に対して「第1大当たり楽曲」を設定する。「第1大当たり楽曲」の音声データは、「第2大当たり楽曲」の音声データように「第2大当たり楽曲」を構成する各旋律に分けて複数の音声データが存在するわけではなく、1つ存在するだけである。当該ステップS7115では、第1チャンネルCH1及び第2チャンネルCH2に対して、それぞれ同じ「第1大当たり楽曲」の音声データが入力されるように設定される。
当該設定が行われることで、サブ制御装置262のCPU551により、「第1大当たり楽曲」の音声データがパラレルに音声組成部264に入力され、各音声データが音声信号に変換されるとともに、「第1大当たり楽曲」の音声信号が第1、第2チャンネルCH1、CH2に入力される。これによって、第1、第2チャンネルCH1、CH2において「第1大当たり楽曲」の音声データが同時に再生開始されることとなる。
ステップS7115の後、ステップS7116において、第1チャンネルCH1のボリュームを大ボリューム「VH」とするとともに、第2チャンネルCH2のボリュームを全ミュート「V0」とする。すなわち、「昇格通常大当たりBGM」の大当たりラウンド開始時には、第1チャンネルCH1で再生される「第1大当たり楽曲」が聞こえ、第2チャンネルCH2で再生される「第1大当たり楽曲」は聞こえない状態となる。
続くステップS7117で第1切替フラグをオンにするとともに、ステップS7118で切替タイマの設定を行う。「昇格通常大当たりBGM」は、大当たりラウンドの途中において、実は「確変大当たり」に当選していたということが教示されるタイミングで、第1チャンネルCH1で再生される「第1大当たり楽曲」のみが聞こえる状態から、第1及び第2チャンネルCH1、CH2で再生される「第1大当たり楽曲」が聞こえる状態に変化するようになっている。さらに、その直前に、対応する昇格チャンス演出(例えば演出ボタン125の操作を絡めたボタン演出等)が行われるように構成されており、当該ステップS7118では、当該昇格チャンス演出を開始するまでの時間に対応する値が切替タイマに設定される。ステップS7118の後、本処理を終了する。
また、ステップS7114で否定判別された場合、すなわち、「通常大当たりBGM」である場合には、ステップS7119において、第1チャンネルCH1に対して「第1大当たり楽曲」を設定する。ステップS7119の後、ステップS7120において、第1チャンネルCH1のボリュームを大ボリューム「VH」とする。
続くステップS7121で第1切替フラグをオンにするとともに、ステップS7122で切替タイマの設定を行う。尚、「通常大当たりBGM」に際しても昇格チャンス演出が行われ、ステップS7122では、当該昇格チャンス演出が行われるまでの時間に対応する値が切替タイマに設定される。但し、「通常大当たりBGM」が導出される場合は昇格チャンス演出が失敗する、すなわち、フェイク演出となる。ステップS7122の後、本処理を終了する。尚、「通常大当たりBGM」が導出される場合において、昇格チャンス演出が行われないパターンが存在してもよいし、大当たりラウンドの途中でフェイク演出を行うか否かの抽選及び決定を行い、該決定に基づいてフェイク演出を行ったり行わなかったりしてもよい。
次に、大当たり状態中のBGMを切替える等の処理を行う大当たりBGM切替え処理について、図36、図37、図38を参照して説明する。尚、本実施形態では、「第2大当たり楽曲」が出力される場合に、「伴奏」と「歌唱」とが同時に大ボリューム「VH」で出力されることと、「16RS」であることとが対応付けされている。
先ず、ステップS7201では、切替タイマを1減算する処理を行う。続くステップS7202では、切替タイマの値が「0」になったか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS7202で肯定判別された場合には、ステップS7203において、「通常大当たりBGM」であるか否かを判別する。ステップS7203で肯定判別された場合には、ステップS7204において、第1切替フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS7204で肯定判別された場合には、ステップS7205において、第3チャンネルCH3において昇格チャンス演出(例えば、ボタン演出)に対応する音声を出力させる設定を行う。続くステップS7206において、第1切替フラグをオフするとともに、第2切替フラグをオンにする。さらに、ステップS7207において、昇格チャンス演出を終了させるまでの時間、ひいては、「昇格通常大当たりBGM」であれば、昇格チャンス演出が「成功」となり、確変大当たりが教示されるようなタイミングまでの時間に対応する値が切替タイマに設定される。ステップS7207の後、本処理を終了する。
また、ステップS7204で否定判別された場合には、ステップS7208において、第2切替フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS7208で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS7208で肯定判別された場合には、ステップS7209において、第3チャンネルCH3で行われている昇格チャンス演出を終了させる処理を行い、ステップS7210において第2切替フラグをオフにしてから、本処理を終了する。
つまり、「通常大当たりBGM」の流れとしては、図43に示すように、第1チャンネルCH1において終始「第1大当たり楽曲」が大ボリューム「VH」で再生されるとともに、第3チャンネルにおいてt1〜t2のタイミングで昇格チャンス演出が行われるが、失敗となる。尚、「通常大当たりBGM」においては、第2チャンネルCH2は使用されない。
また、ステップS7203で否定判別された場合には、ステップS7211において、「昇格通常大当たりBGM」であるか否かを判別する。ステップS7211で肯定判別された場合には、ステップS7212において、第1切替フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS7212において肯定判別された場合には、ステップS7213において、第3チャンネルCH3において昇格チャンス演出に対応する音声を出力させる設定を行う。続くステップS7214において、第1切替フラグをオフするとともに、第2切替フラグをオンにする。さらに、ステップS7215において、昇格チャンス演出を終了させるまでの時間、ひいては、昇格チャンス演出が「成功」となり、確変大当たりが教示されるようなタイミングまでの時間に対応する値が切替タイマに設定される。ステップS7215の後、本処理を終了する。
また、ステップS7212で否定判別された場合には、ステップS7216において第2切替フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS7216で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。一方、ステップS7216で肯定判別された場合には、ステップS7217において第3チャンネルCH3で行われている昇格チャンス演出を終了させる処理を行う。続くステップS7218においては、第2チャンネルCH2のボリュームを大ボリューム「VH」とする。これにより、第1及び第2チャンネルCH1、CH2にそれぞれ入力された「第1大当たり楽曲」の音声データがそれぞれスピーカSPから遊技者に聞こえる音量として出力されることとなる。その後、ステップS7219で第2切替フラグをオフにしてから、本処理を終了する。
「昇格通常大当たりBGM」の流れとしては、図42(a)に示すように、第1チャンネルCH1において終始「第1大当たり楽曲」が大ボリューム「VH」で再生されるとともに、第3チャンネルCH3においてt1〜t2のタイミングで昇格チャンス演出が行われ、成功する。さらに、昇格チャンス演出の成功を受けて、全ミュート「V0」で第2チャンネルCH2において再生されていた「第1大当たり楽曲」が大ボリューム「VH」で再生されることとなる。上記のように、第2チャンネルCH2では第1チャンネルCH1と同時に「第1大当たり楽曲」の音声データの再生が開始されているため、楽曲の途中から大ボリューム「VH」としても、第1チャンネルCH1で再生されている「第1大当たり楽曲」とずれることはなく、完全に一致するようになっている。
また、図42(b)に示すように、t2のタイミングで第2チャンネルCH2を大ボリューム「VH」とすることで、音声組成部264において第1チャンネルCH1の「第1大当たり楽曲」の音声信号と、第2チャンネルCH2の「第1大当たり楽曲」の音声信号とが共鳴することとなり、結果として「第1大当たり楽曲」の音量が大きくなる。ちなみに、共鳴後の「第1大当たり楽曲」の音量は、増幅器で増幅させた場合に換算すると閾値を超える比較的大きな音量となるが、増幅器で増幅させるのではなく共鳴させて音量を大きくすることによって「音割れ」は生じない。もちろん、各チャンネルCH1、CH2で再生される「第1大当たり楽曲」の音声データ単体としては、閾値を超えるものではなく、範囲内に収まるものである。
また、ステップS7211で否定判別された場合には、ステップS7220において、「確変大当たりBGM」であるか否かを判別する。ステップS7220で肯定判別された場合には、ステップS7221において、第1切替フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS7221で肯定判別された場合、ステップS7222において、第2チャンネルCH2の音量を次第に下げる(「ガイドメロディー」をフェードアウトさせる)とともに、第3チャンネルCH3の音量を次第に上げる(「歌唱」をフェードインさせる)処理を行う。尚、本実施形態では、当該ステップS7222において、フェードインの実行を示すフラグやフェードアウトの実行を示すフラグをオンするとともに、タイマを設定することとなる。そして、フェードインやフェードアウトを実際に行うフェードイン処理やフェードアウト処理については、別途、例えば、割込み処理等において、かかるフラグやタイマを参照しつつ実行する。例えば、大ボリューム「VH」から全ミュート「V0」までの間で、大ボリューム「VH」及び全ミュート「V0」も含めて10段階で音量調節ができ、所定時間(例えば、0.4秒程度)の経過で、例えば、フェードアウトだったら音量を1段階ずつ下げていくといった処理が行われる。
尚、上記のように、第1チャンネルCH1で再生される「第2大当たり楽曲」の「伴奏」と、第2チャンネルCH2で再生される「第2大当たり楽曲」の「ガイドメロディー」と、第3チャンネルCH3で再生される「第2大当たり楽曲」の「歌唱」とは同時に再生開始されており、「歌唱」の音量を「第2大当たり楽曲」の途中から遊技者に聞こえるように上げたとしても、「歌唱」と、「伴奏」(及び「ガイドメロディー」)とがずれて聞こえるようなことはない。
ステップS7222の後、ステップS7223において、第1切替フラグをオフにするとともに、第2切替フラグをオンにする。さらに、ステップS7224において、切替タイマに対して、上記した「フェードアウト」及び「フェードイン」を停止させるまでの時間に対応する値を設定し、本処理を終了する。
また、ステップS7221で否定判別された場合には、ステップS7225において、第2切替フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS7225で肯定判別された場合には、ステップS7226において、「フェードアウト」の途中であった第2チャンネルCH2の「ガイドメロディー」を「フェードイン」に転じさせ、「フェードイン」の途中であった第3チャンネルCH3の「歌唱」を「フェードアウト」に転じさせる処理を行う。つまり、ここでは、「ガイドメロディー」が消え、「歌唱」が完全な音量(大ボリューム「VH」)で再生されるのではないか、すなわち、「16RS」であることが教示されるのではないかとの期待を持たせるも、実現されないといった「フェイク演出」の演出制御が行われることとなる。
その後、ステップS7227において、第2切替フラグをオフするとともに、第3切替フラグをオンにする。さらに、ステップS7228において、切替タイマに対し、「フェイク演出」が終了するまでの時間に対応する値が設定される。
また、ステップS7225で否定判別された場合には、ステップS7229において第3切替フラグがオンされているか否かを判別する。ステップS7229で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS7229で肯定判別された場合には、ステップS7230において、第2チャンネルCH2の音量を大ボリューム「VH」に完全に戻すとともに、第3チャンネルCH3の「歌唱」の音声データの再生を停止させる処理を行う。続くステップS7231で第3切替フラグをオフしてから、本処理を終了する。
「確変大当たりBGM」の流れとしては、図41に示すように、第1チャンネルCH1において終始「第2大当たり楽曲」の「伴奏」が大ボリューム「VH」で再生されるとともに、t1のタイミングで、第2チャンネルCH2において「ガイドメロディー」のフェードアウトが開始され、第3チャンネルCH3において「歌唱」のフェードインが開始されるが、完全にフェードアウト・フェードインしきることはなく、t2のタイミングで第2チャンネルCH2はフェードインに転じ、第3チャンネルCH3はフェードアウトに転じることとなり、t3のタイミングで元の状態(「ガイドメロディー」が聞こえ、「歌唱」が聞こえない状態)に戻ってしまう「フェイク演出」が行われる。
尚、「フェイク演出」の別のパターンとして、「伴奏」と「ガイドメロディー」とが大ボリューム「VH」で再生開始され、途中、「ガイドメロディー」がフェードアウトしているがミュートになる前に元の大ボリューム「VH」に戻る(当然、「歌唱」は聞こえてこない)といったパターンを用意してもよい。また、当該パターンを実行する場合には、第1、及び第2チャンネルCH1、CH2のみが使用されることとなるが、大当たり状態の開始後に、「ガイドメロディー」のボリュームを単に下げるだけの「フェイク演出」を実行するのか、或いは、「ガイドメロディー」のボリュームを下げる一方で、「歌唱」のボリュームを上げる「フェイク演出」を実行するのかを選択可能とするために、結果的に前者の「フェイク演出」が実行される場合でも、「伴奏」、「ガイドメロディー」、及び「歌唱」の音声データを同時に再生しておくこととしてもよい。
また、ステップS7220において否定判別された場合には、ステップS7232において、「昇格確変大当たりBGM」であるか否かを判別する。ステップS7232において否定判別された場合、すなわち、「16R確変大当たりBGM」である場合には、そのまま本処理を終了する。つまり、「16R確変大当たりBGM」が導出される場合には、大当たりラウンド中において大当たりBGM設定処理で設定された音声データを再生し続けるだけであるため、大当たりBGM切替え処理を行う必要がない。また、「16R確変大当たりBGM」の流れとしては、図40に示すように、第1〜第3チャンネルCH1〜CH3において、終始「第2大当たり楽曲」の各旋律が大ボリューム「VH」で再生される。
一方、ステップS7232において肯定判別された場合、すなわち、「昇格確変大当たりBGM」である場合には、ステップS7233において、第1切替フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS7233で肯定判別された場合には、ステップS7234において、第2チャンネルCH2で再生される「ガイドメロディー」を「フェードアウト」させるとともに、第3チャンネルCH3で再生される「歌唱」を「フェードイン」させる処理を行う。続くステップS7235において第1切替フラグをオフするとともに、第2切替フラグをオンする処理を行う。さらに、ステップS7236において、切替タイマに対し、「ガイドメロディー」の再生が停止され、「16RS」であることを教示するまでの時間に対応する値が設定される。ステップS7236の後、本処理を終了する。
また、ステップS7233で否定判別された場合には、ステップS7237において、第2切替フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS7237で肯定判別された場合には、ステップS7238において、第2チャンネルCH2で再生されていた「ガイドメロディー」を停止させる処理を行う。尚、第3チャンネルCH3で再生されている「歌唱」のフェードインについては引き続き行われる。ステップS7239の後、ステップS7240において、切替タイマに対し、「歌唱」のフェードインが終了するまでの時間に相当する値を設定する。さらに、ステップS7241において、「大当たり告知A」と同じ音声を出力させるべく、第2チャンネルCH2に対し、「大当たり告知A」の音声データが入力されるように設定する。尚、「第2大当たり楽曲」の流れる大当たりラウンド中に、「大当たり告知A」の音声が導出されることで、「16RS」への昇格(実際には「16RS」に当選していたこと)が教示されることとなる。ステップS7241の後、本処理を終了する。
また、ステップS7237において否定判別された場合には、ステップS7242において第3切替フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS7242で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS7242で肯定判別された場合には、ステップS7243において、第3チャンネルCH3で再生されている「歌唱」の音量を完全に大ボリューム「VH」とさせる処理を行う。その後、ステップS7244において、第3切替フラグをオフしてから、本処理を終了する。ちなみに、このタイミングで「大当たり告知A」の出力も終了するようになっている。
本実施形態では、「伴奏」が第1旋律に相当し、「ガイドメロディー」が第2旋律に相当し、「歌唱」が第3旋律に相当する。加えて、「伴奏」と「ガイドメロディー」とが大ボリューム「VH」とされ、「歌唱」が全ミュート「V0」とされている状態が第1混合状態に相当し、「伴奏」と「歌唱」とが大ボリューム「VH」とされ、「ガイドメロディー」が全ミュート「V0」とされている状態が第2混合状態に相当する。さらに、「伴奏」と「ガイドメロディー」とが聞こえる状態から、「伴奏」と「歌唱」とが聞こえる状態に移行する際(過渡期)において、「歌唱」や「ガイドメロディー」がフェードイン・フェードアウトする等しつつ、「伴奏」、「ガイドメロディー」、及び「歌唱」がいずれも聞こえる状態が第3混合状態に相当する。
「昇格確変大当たりBGM」の流れとしては、図39に示すように、第1チャンネルCH1において終始「第2大当たり楽曲」の「伴奏」が大ボリューム「VH」で再生されるとともに、t1のタイミングで、第2チャンネルCH2において「ガイドメロディー」がフェードアウトを開始し、第3チャンネルCH3において「歌唱」がフェードインを開始する。さらには、t2のタイミングで、第2チャンネルCH2において「ガイドメロディー」の再生を停止させるとともに、使用されなくなった当該第2チャンネルCH2を利用して、「大当たり告知A」の音声を出力させる。また、第3チャンネルCH3では、t1のタイミングから徐々にボリュームを上げてt3のタイミングで完全に大ボリューム「VH」となるが、上記のように、第3チャンネルCH3では第1チャンネルCH1や第2チャンネルCH2と同時に「第2大当たり楽曲」の再生が開始されているため、楽曲の途中から音量を上げても、第1チャンネルCH1等で再生されている「第2大当たり楽曲」とずれることなく、完全に一致するようになっている。
尚、「確変大当たりBGM」に際して行われることとした「フェイク演出」を「昇格確変大当たりBGM」でも行うように構成し、何回か「フェイク演出」を行った後に、「16RS」に当選していたことの教示(昇格演出)を行うように構成してもよい。さらに、例えば、2回の「フェイク演出」の後にさらにフェードイン・フェードアウトがあった場合には、昇格演出の発生が確定するような遊技性を付加してもよい。
また、上記のように、本実施形態では、2つのチャンネルCHを使用する音声が大当たり時のBGMだけでなく、その他にも存在する。さらに、本実施形態では、所定の音声を出力する際に、出力中である音声の種類によって、1つのチャンネルCHを使用して音声を出力するのか、或いは、2つのチャンネルCHを使用して音声を出力するのかを決定する場合がある。以下、大当たりに至るパターンを例示した図44〜図46を参照しつつ、チャンネルCHの使用例について説明する。
先ず、図44に示す<態様例1>の第1チャンネルCH1では、通常時BGM(変動表示音)→リーチ時のBGM(リーチ状態中の変動表示音)→大当たりのファンファーレと移行する。第2チャンネルCH2では、リーチ状態の発生とともに、「ステップアップ演出A」に対応する音声が出力されるようになっている。第3チャンネルCH3では、変動表示の停止直前に「大当たり告知A」の音声が出力されるようになっている。
これに対し、図45に示す<態様例2>の第1チャンネルCH1では、リーチ状態発生後に、スーパーリーチに発展することとなる。また、第2チャンネルCH2及び第3チャンネルCH3の両方を使用して「ステップアップ演出B」を導出するようになっている。すなわち、「ステップアップ演出A」でも使用されるステップアップ演出用の音声データを、第2及び第3チャンネルCH2、CH3で同時に再生開始させるのであるが、再生開始当初は、第2チャンネルCH2を大ボリューム「VH」、第3チャンネルCH3を全ミュート「V0」とする。これにより、「ステップアップ演出B」の開始当初は「ステップアップ演出A」と何ら変化はない。
その後、第3チャンネルCH3を大ボリューム「VH」とすることで、ステップアップ演出の音量が大幅に上昇する。これにより、大当たり状態発生への期待度が高いことを示唆することとし、当該<態様例2>では、「ステップアップ演出B」の終了後に、スーパーリーチに発展する。
さらに、<態様例2>では、変動表示の停止直前に「大当たり告知B」の音声が出力されるようになっている。すなわち、「大当たり告知A」でも使用される大当たり告知用の音声データを、第2及び第3チャンネルCH2、CH3において同時に大ボリューム「VH」で再生させる。大当たり告知A又は大当たり告知Bのどちらを導出するかについては、現在、第1チャンネルCH1で出力されている音声パターンによって選択される。本実施形態では、大当たり告知を行うことが決定された場合、各チャンネルCH1〜CH3において再生されている音声データを特定する情報を記憶しているパターン記憶エリアを参酌し、第1チャンネルCH1でスーパーリーチの音声データが再生されている場合には「大当たり告知B」を選択し、それ以外であれば「大当たり告知A」を選択するようになっている。つまり、スーパーリーチの音声は、ノーマルリーチの音声よりも賑やかなため、第2チャンネルCH2及び第3チャンネルCH3を使用して、大当たり告知用の音声データの音声信号を共鳴させ、大当たり告知を大音量とするのである。
また、図46に示す<態様例3>では、プレミアムリーチが導出されることとなる。プレミアムリーチ用の音声データは、第2及び第3チャンネルCH2、CH3で同時に再生開始されるようになっている。特に、<態様例3>では、第2チャンネルCH2のプレミアムリーチの音声がフェードインするようになっており、最終的には、第2及び第3チャンネルCH2、CH3がともに大ボリューム「VH」となって、比較的大きな音量のプレミアムリーチの音声が導出されることとなる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、「昇格通常大当たりBGM」(図42(a)、図42(b)等参照)等のように、複数のチャンネルCHで同じ音声データを同時に再生開始させ、これらのチャンネルCHの音量を全ミュート「V0」以外(大ボリューム「VH」)とすることで、音声組成部264において同じ波形の音声信号が共鳴することとなり、結果的に当該音声信号に対応する音声(「昇格通常大当たりBGM」を構成する「第1大当たり楽曲」等)の音量が大きくなる。特に、各チャンネルCHに対応して音割れ(クリッピング)が発生しないように音量(音圧)を制限しつつ、このように音声信号を共鳴させることで、単に音声信号を増幅器で増幅させた場合には音割れが生じてしまうような比較的大きな音量の音声をスピーカSPから出力する場合であっても、音割れの発生を回避することができる。従って、音割れを回避しつつ、音声をより大きな音量で出力することができる。
また、元々、音声データを音量が大きくなるような格好で記憶しておけば、該音声データの音声信号を増幅器で所望の音量となるまで増幅させた場合のノイズを抑制する(ノイズを耳につき難くする)こともできるが、かかる音声データに対応する音声を小音量で出力させたい場合には、別途、音量が小さいパターンの音声データをも記憶しておく必要がある。これに対し、本実施形態によれば、音量が小さいパターンの音声データの音声信号を増幅器で所望とする音量まで大きく増幅させなくても、音声信号を共鳴させて所望とする音量まで大きくすることができる。このため、増幅器で音声信号を比較的大きく増幅させることに起因して比較的大きなノイズが発生してしまうといった事態を抑制しつつ、音声の音量を大きくすることができる。従って、音量が小さいパターンの音声データだけを記憶しておけばよく、音声データ記憶エリア267に記憶される音声データや、これを選択させる選択テーブルに使用される記憶容量を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、各チャンネルCH1〜CH3に入力された音声信号の音量をそれぞれ調節可能なチャンネルボリューム調節部を備えている。このため、より細かな音量調整を行うことができたり、複数のチャンネルCHで同時に再生開始させた音声データの再生を止めることなく、音声信号を共鳴させる場合と共鳴させない場合との切替えを行い、簡単な制御で音量の大幅な変化を瞬時に行うことができたりする。このため、音量をより自在に変化させることができ、演出性等を高めることができる。
また、「昇格通常大当たりBGM」のように、対応する音声データの再生開始時は、チャンネルCHの1つ分の音量だけで出力するとともに、再生されてから所定時間経過すると、チャンネルCHの2つ分の共鳴した大きな音量を出力させるような場合であっても、上記のように、同一の音声データを複数のチャンネルCHで同時に再生開始させることで、複数のチャンネルCHから出力される同一の音声データの音声信号をずらすことなく一致させることができる。従って、音声信号を共鳴させて音量を大きくするといった作用効果がより一層確実に奏される。さらには、上記実施形態では例示されていないが、音声信号の共鳴を一旦止めた後、再度共鳴させたとしても音声信号のずれを回避することができたり、(共鳴の有無を切替える等して)音量を変化させるタイミングを自由に設定したりすることもでき、演出パターンの多様化等をより一層図ることができる。その上、同じ音声データが再生されるチャンネルCHのうち可聴な音量(例えば、大ボリューム「VH」)とされるチャンネルCHの数を変化させ、音量が大幅に変化する際においても、音声の流れが途切れる(無音の状態が発生する)ことなくスムースに連続する上、制御の簡素化を図ることができる。
また、本実施形態では、大当たり状態に際して、複数パターンの音声データを複数のチャンネルCHで同時に再生させることで構成される多旋律曲としての「第2大当たり楽曲」を出力可能に構成されている。すなわち、「第2大当たり楽曲」は、「伴奏」と、「歌唱」及び「ガイドメロディー」の少なくとも一方とで構成され、これら「第2大当たり楽曲」を構成する各旋律の音声データのうち、遊技者に聞こえる音量で出力される組合わせを変えることで、「昇格確変大当たりBGM」、「16R確変大当たりBGM」、「確変大当たりBGM」といった3パターンを形成している。さらに、「歌唱」及び「ガイドメロディー」の音声データは、「伴奏」の音声データの再生開始に合わせて、該再生開始時点からのデータを有しており、「伴奏」、「歌唱」、及び「ガイドメロディー」の各音声データは同時に再生開始されるようになっている。これにより、多旋律曲を構成する各旋律のタイミングをばっちりと合わせることができる。さらに、多旋律曲を構成する各旋律の音声データはそれぞれ別のチャンネルCHで再生され、それぞれ音量変化可能であるため、アレンジを適宜自在(予め決めておかなくてもよい)、かつ、比較的容易に行うことができ、多旋律曲を構成する旋律の組合わせを変えて本実施形態のように「第2大当たり楽曲」を複数パターンに増やすことができる上、フェードイン・フェードアウトを行うタイミングをずらす等のより細かな調整をも可能とすることができる。従って、演出の自由度を向上させ、音による演出の多様化を簡単に図ることができる。当然、これらのアレンジを行ったとしても、旋律間のタイミングがずれることはない。このため、旋律の組合わせを変更する場合でも音の繋がりを良くすることができ、心地よい音声の移り変わりを実現させることができる。さらには、これらのアレンジを行った後のような多旋律曲の音声データを予め複数パターン記憶するような構成に比べ、音声データ記憶エリア267に記憶される音声データのデータ量を飛躍的に低減させることができる。
また、「昇格確変大当たりBGM」では、「伴奏」と「ガイドメロディー」とが同時に聞こえ、「歌唱」が聞こえない第1混合状態から、「伴奏」と「歌唱」とが聞こえ、「ガイドメロディー」が聞こえない第2混合状態へと状態変化するようになっている。そして、第1混合状態から第2混合状態へ状態変化する過渡期に、「伴奏」と「ガイドメロディー」と「歌唱」とが聞こえる第3混合状態を経由するようになっている。このように、「ガイドメロディー」と「歌唱」とが重複する(だぶる)期間があることで、第1混合状態から第2混合状態への状態変化を比較的スムースなものとする(耳触りをよくする)ことができる。
さらに、第1混合状態から第2混合状態に移行する間に第3混合状態といったワンクッションがあることで、演出の多様化を図ったり、演出に深みを与えたりすることができる。すなわち、「歌唱」が大ボリューム「VH」で聞こえること、すなわち、第2混合状態となることと、「16RS」であることとが対応付けされており、「昇格確変大当たりBGM」は、第1混合状態から第3混合状態を経由して第2混合状態に移行するパターンであったが、「確変大当たりBGM」は、第1混合状態から第3混合状態に移行したが再度第1混合状態に戻ってしまうパターンとなっている。このため、第1混合状態から第3混合状態に移行することで、遊技者は「第2混合状態に移行するかもしれない」として高揚感を高めることができ、「第1混合状態に戻ってしまわないように」と第3混合状態の行方を手に汗握って堪能することができる。つまり、第1混合状態からいきなり第2混合状態に移行するのではなく、幾分もったいぶらせることで、「もしかして第2混合状態に移行するのではないか」という遊技者にドキドキさせることのできる機会を増やすことができる上、いざ第2混合状態に移行した際に遊技者の人情に作用して「ありがたさ」が増し、充実感の向上を図ることができる。
加えて、例えば、第1混合状態から第2混合状態へは移行するが第3混合状態が介在しないような構成の場合には、演出の多様化を図るべく、第1混合状態から第2混合状態に一旦移行したがやはり第1混合状態に戻るといったようなパターンを設定してしまうと、多大なる違和感が生じる上、興趣の著しい低下を招くおそれがある。これに対し、第3混合状態を設けることによって、第1混合状態から第2混合状態に移行するかと見せかけて第1混合状態に戻るといった演出を違和感なく実施することができる。
また、図39に示すように、「昇格確変大当たりBGM」では、第2チャンネルCH2で再生されていた「ガイドメロディー」をフェードアウトさせて停止させた後、同第2チャンネルCH2で効果音(大当たり告知と同じ音;ここでは「16RS」に当選していたことを教示する意図で導出される)が再生されるようになっている。このように、全ミュート「V0」で再生し続けていたとしも音量を大きくする可能性がない場合には、その時点で再生を止め、使用されなくなったチャンネルCHを、その他の種類の音声データを再生することに利用することで、一度に(同時期に)使用されるチャンネルCHの数を極力低減させる、或いは、複数設けられたチャンネルCHをフル活用して、効果的な音声を導出することができる。従って、最小限のチャンネルCHで上手くやりくりすることができ、あまり利用されることのないチャンネルCHを無駄に増やしてしまうといった事態を回避することができ、費用対効果の向上等を図ることができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、第1チャンネルCH1、第2チャンネルCH2、第3チャンネルCH3が設けられ、スピーカSPから同時に最大で3パターンの音声を出力可能に構成されているが、チャンネルCHの数等は特に限定されるものではなく、例えば、同時に最大で2パターンの音声を出力可能(音声組成部264の音声パターン記憶エリアのチャンネルが2つ)としてもよいし、4パターン以上の音声を出力可能(例えば音声パターン記憶エリアのチャンネルが5つ)としてもよい。
さらに、上記実施形態では、2つのチャンネルCHで同じ音声データを同時に再生して音声信号を共鳴させて音量を大きくすることが例示されているが、同じ音声データを同時に再生開始するチャンネルの数は特に限定されるものではなく、例えば、2つのチャンネルで同じ音声データを同時再生する場合と、3つのチャンネルで同じ音声データを同時再生する場合と、4つのチャンネルで同じ音声データを同時再生する場合とがあるように構成してもよい。
尚、図46の<態様例3>にもあるように、音声信号を共鳴させる場合は必ずしも音量が大ボリューム「VH」である必要はなく、共鳴させる音声信号を再生しているチャンネルCHの全部、又は、そのうちの一部を、フェードイン・フェードアウトさせたり、音量を基準とされる音量の1%〜99%としたりすることも可能である。つまり、同じ音声を出力するチャンネルCHの数が多いほどより細かな音量調節を行うことが可能となる。
加えて、同じ音声データを複数のチャンネルCHで同時に再生開始する場合において、出力される音声がこもった感じにならないように、パン(スピーカSPの左右バランス)を変えたり、一方の音色を若干変更したりすることとしてもよい。
また、多旋律曲を構成する旋律の数は特に限定されるものではない。例えば、伴奏と、3人のコーラスとから構成され、コーラス3人のうち、遊技者に聞こえる声の人や人数が適宜変化するように構成してもよい。また、多旋律曲を構成する旋律の数や、多旋律曲を出力する場合に各旋律の出力に使用されるチャンネルの数は特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。加えて、上記実施形態では、「歌唱」及び「ガイドメロディー」の音声データは、「伴奏」のイントロダクションの間は「無音」のデータとなっているが、人間の耳には聞こえない音量、或いは、聞こえ難い音量のデータが記憶されていてもよいし、「伴奏」がより重厚なものとなるように、「歌唱」及び「ガイドメロディー」の音声データではあるが、イントロダクションの間は「伴奏」のデータが記憶されていることとしてもよい。
加えて、上記実施形態では、多旋律の音声は、主制御基板261から停止に対応するコマンドを受けて停止されるBGMのみに採用されているが、再生時間に関する情報に基づいてタイマ管理で所定時間後に停止される音声(効果音等)に適用することも可能である。
さらに、上記実施形態では、複数のチャンネルCHで同時に再生開始した音声データについては、必ず一度は遊技者に聞こえるような音量とされるが、特にこのような構成に限定されるものではなく、遊技者に聞こえるような音量に必ずしもされないかもしれないが、可能性がある場合には、とりあえず同時に再生開始させておき、可能性がなくなった際に再生を停止させるように構成してもよい。この場合、途中から所定の音声データの音声信号の音量が外的要因によって、共鳴させる音声信号を増やして大音量に変化させたい場合にも対応可能となる。
また、第1チャンネルCH1で「伴奏」を再生し、第2及び第3チャンネルCH2、CH3で「ガイドメロディー」を再生し、第2及び第3チャンネルCH2、CH3のうち一方を全ミュート「V0」から大ボリューム「VH」に切替えることで、「ガイドメロディー」の音量と変化させるように構成してもよい。このように、チャンネルCHで再生される音声データの組合わせを増やすことで、演出のより一層の多様化等を図ることができる。
尚、上記実施形態では、「昇格確変大当たりBGM」、「16R確変大当たりBGM」、「確変大当たりBGM」の音声制御に際して、「伴奏」と、「ガイドメロディー」と、「歌唱」とに分類された音声データをチャンネルCH1〜CH3で適宜再生しているが、所定の楽曲を構成し、同時に再生開始される場合がある音声データの分類については特に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、「伴奏」が一まとめになっているが、各種楽器毎に、或いは、これらの組合わせが複数存在するように(例えば、ピアノの音声データと、バイオリンの音声データと、トロンボーン及びホルンがまとめられた音声データとがあるように)構成してもよい。
また、上記実施形態では、音声組成部264はCPU551等と同一の基板に設けられているが、異なる基板に設けられてもよい。さらに、音声組成部264は、サブ制御装置262のCPU551、ROM552、RAM553とは別に、音声制御用のCPU、ROM、RAMを備えること(必ずしもこれらの全てではなく、1つや2つでもよい)としてもよい。この場合、サブ制御装置262のCPU551からのコマンドに基づいて音声組成部264においてより細かな音声制御を実行することができる。例えば、ステップS7222において、音声をフェードインしたりすることが決定された場合に、CPU551からその旨を示すコマンドを音声組成部264に出力することで、音声制御部264は、対象の音声を次第に小さくしていく処理等を行うこととなる。加えて、スピーカSPの数や配置についても特に限定されるものではなく、適宜設置可能である。
(b)上記実施形態では、「昇格確変大当たりBGM」及び「確変大当たりBGM」においての際に、「歌唱」、「ガイドメロディー」の音量を適宜フェードイン・フェードアウトさせる処理を行っているが、単に「歌唱」、「ガイドメロディー」がカットイン、カットアウトするような処理としてもよい。この場合においても、「伴奏」及び「ガイドメロディー」が聞こえる第1混合状態から、「伴奏」及び「歌唱」が聞こえる第2混合状態に移行するか否かの過渡期において、「伴奏」、「歌唱」、及び「ガイドメロディー」の3つが同時に聞こえる期間を設定することが考えられる。但し、当該構成を採用する場合、途中から伴奏」及び「ガイドメロディー」に混ざって聞こえる大ボリューム「VH」の「歌唱」が所定時間以上継続するか否かによって第2混合状態へと移行することを確認することとなり、多少分かり難い。従って、上記実施形態のように、少なくとも移行先の状態を示唆する「歌唱」はフェードインさせることが望ましい。また、フェードイン・フェードアウトさせる方が、第1混合状態及び第2混合状態のうち一方から他方へ状態変化をよりスムースなものとすることができる。尚、上記実施形態において、細かな音量調節ができなくなるものの、音を絞るためのチャンネルボリューム調節部やマスタボリューム調節部を省略することも可能である。
尚、上記実施形態では特に言及していないが、「伴奏」、「歌唱」、及び「ガイドメロディー」の音量をそれぞれ調節可能であることから、例えば、「歌唱」及び「ガイドメロディー」をだぶらせる(第3混合状態の)タイミングや長さ等を適宜自在に設定することができる。従って、その他のタイミング(表示演出で盛り上がるタイミング等)と合わせることも容易に行うことができる。
さらに、上記実施形態では、「伴奏」、「歌唱」、及び「ガイドメロディー」の組合わせを変化させて、遊技者にとってより有利な(遊技者にとってうれしい)状況へステップアップするかもしれないといった演出を行っているが、旋律の組合わせを変化させることを使用して別の演出を行うこととしてもよい。例えば、図48に示すように、通常モードに対応する「通常BGM」と、「通常BGM」をアレンジした楽曲であって、時間短縮モード及び確変モードに対応する「時短BGM」とを、第1チャンネルCH1と第2チャンネルCH2とで同時に再生開始し、「時短BGM」は大ボリューム「VH」、「通常BGM」は全ミュート「V0」とする。「時間短縮モード」には、変動表示が100回行われることで終了するパターンと、変動表示が50回行われることで終了するパターンとがあることとし、50回目の変動表示、及び、100回目の変動表示に際して、「通常BGM」及び「時短BGM」をフェードイン・フェードアウトさせる処理を実行可能とする。そして、図48(a)に示すように、「100回の時間短縮モード」である場合には、50回目の変動表示に際して、「通常BGM」及び「時短BGM」を、一旦、音量が中程度となるまでフェードイン・フェードアウトさせるが、音量が中程度となると、逆に、フェードアウト、フェードインさせて、元の状態に復帰させる。その後、100回目の変動表示に際して、「通常BGM」を大ボリューム「VH」となるまでフェードインさせ、「時短BGM」を全ミュート「V0」となるまでフェードアウトさせるとともに、「時短BGM」を停止させる。
これに対し、図48(b)に示すように、「確変モード」である場合には、100回目の変動表示に際して、「通常BGM」及び「時短BGM」を、一旦、音量が中程度となるまでフェードイン・フェードアウトさせるが、音量が中程度となると、逆に、フェードアウト、フェードインさせて、元の状態に復帰させる。「時短BGM」については、復帰後停止させる。このような構成の場合でも、「通常BGM」及び「時短BGM」を同時に再生開始させることで、変動表示の50回目や100回目までの時間は適宜変化し得るが、両BGMをばっちりと合わせることができ、楽曲の移行等をスムースに行うことができる。
(c)上記実施形態において、複数のチャンネルCHを使用してダイナミックレンジの広い楽曲を出力することとしてもよい。より具体的に、所定の音声を所望とする音量で出力しようとすると、図47(a)に示すように、対応する音声波形が部分的に閾値を超えて音割れを起こしてしまうようなレベルになってしまう場合、音割れが生じない区間(以下、「Aメロ」と称する)と、音割れが生じてしまう区間(以下、「Bメロ」と称する)とに分け、図47(b)に示すように、「Aメロ」のデータについては所望とする音量で記憶する一方で、「Bメロ」のデータについては所望とする音量の半分の音量で記憶する。そして、かかる楽曲を出力する場合は、図47(b)、(c)に示すように、対応する音声データを第1及び第2チャンネルCH1、CH2で同時に再生開始させ、第1チャンネルCH1は大ボリューム「VH」、第2チャンネルCH2は全ミュート「V0」とする。その後、「Aメロ」から「Bメロ」に切替わる際に、両方を大ボリューム「VH」とすると、図47(d)に示すように、半分の音量で記憶されていた「Bメロ」が共鳴して所望の音量とされるとともに、音割れの発生も回避される。
この場合、「Aメロ」の音声データが弱シーン対応部に対応し、「Bメロ」の音声データが強シーン対応部に対応し、「Aメロ」及び「Bメロ」を有する音声データが広レンジ音声データに対応する。
以上のように、ダイナミックレンジの広い(音の強弱がはっきりとした)楽曲の音声データを再生する場合に、音量の大きなシーン(例えば、楽曲の「サビ」の部分)において音割れが起きないように全体的に音量を抑えて楽曲を出力する場合には、音量の小さなシーンにおいて音量が小さくなり過ぎてしまうおそれがある。かといって、音量の小さなシーンに合わせて楽曲を出力する場合には、音量の大きなシーンにおいて音割れが起きてしまう。また、音量の大小の差を小さくすることも考えられるが、迫力が薄れたり、抑揚がつけられなかったりして、音声による演出効果が上手く奏されないおそれがある。
この点、上記構成によれば、広レンジ音声データのうち、音量の大きなシーン(「Bメロ」)においては、音声出力を行う(音声信号を共鳴させる)チャンネルCHの数を増やすことで音量を大きくしている。このため、強シーン対応部のデータ自体としては、楽曲として所望とする音量(実際に遊技者に聞こえる音量)よりも小さく、音割れが起きないレベルに設定しておくことができる。従って、強シーン対応部での音割れを防止しつつ、弱シーン対応部の音量を極力大きく設定することができ、楽曲の迫力や抑揚を損なったり、聞こえ難いシーンが存在したりしてしまうことなく、ダイナミックレンジの広い楽曲をパチンコ機10で流すことができる。さらには、音割れを防ぐべく、一定音量を超えた音をコンプレッサーで圧縮したり、リミッターでつぶしたりする必要もなく、楽曲そのもののメロディーを出力することができる。加えて、ノイズを除去し易くなるといった作用効果も奏される。
(d)上記実施形態において、音声に関する調節を遊技者が行えるように構成してもよい。さらに、音声組成部264がエフェクタ機能を備える(例えば、各チャンネルCHに対応してAUX端子を設け、該端子にリバーブやディレイ等のエフェクタを接続し、マスターチャンネルに戻す)こととしてもよい。例えば、操作部(例えば、回動可能又はスライド可能なつまみ、ボタン、センサ、タッチパネル等)がパチンコ機10の前面側(例えば、上皿19の側部等)に設けられ、操作部の操作量に応じて、音声信号の波形を変化させる(音量、音色、スピーカSP間の音量バランス(パン)等を変化させる)ように構成してもよい。尚、操作部と、音声信号の波形を変化させる機能とが音声調節手段を構成する。
このような構成を採用する場合、パチンコ機10から流れる楽曲(特に版権物など)をより深く堪能することができる。また、遊技者が自分の好みに音声をアレンジ可能であるため、より遊技に積極的に取り組むことができる。尚、遊技者が操作可能な操作部が設けられる場合、該操作部を不正の足掛かりに利用してチャンネルCH側から制御装置側に信号が送られないように、途中にダイオード等を設置することとしてもよい。
また、上記のエフェクタのような機能をより有効利用するべく、遊技者の操作によってパチンコ機10から流れるメロディーに効果音を入れることができたり、伴奏を行ったりすることができるように構成してもよい。例えば、上皿19の前面等をタッチパッドで構成して、当該タッチパッドやパチンコ機10に設けられた各種ボタンの操作を行うことで、遊技者が様々な音声をパチンコ機10のスピーカSPから出力できるように構成してもよい。
尚、遊技機としてのスロットマシンにおいては、リズムに合わせてベットボタンや停止ボタン等を操作していくことで、規定のメロディーが流れ、さらに、遊技者が自らアレンジしてその他の演出用のボタン等を操作することで、効果音などを適宜挿入できるように構成し、例えば、所定の基準よりも上手く演奏が行われた場合等において、遊技状況等〈遊技者にとって有利な特別遊技状態(例えば、リプレイ確率が上がるとともに、子役を獲得可能な停止ボタンの押し順がアナウンスされるアシストリプレイタイム等)を発生させる権利を何回分得ているか、特別遊技状態から所定の確率で転落する抽選が行われるとともに、転落する確率が複数設定されている構成における転落率(継続率)、或いは、特別遊技状態等の当選確率を複数段階で変更可能な構成においてどの段階に設定されているか〉の情報が遊技者に示唆され得るように構成してもよい。
加えて、パチンコ機10と、遊技者が携帯可能であって、パチンコ機10との間で情報交換可能な情報記憶手段(携帯通信端末、会員カード等)との間で、音声に関する設定情報をやり取りすることができるように構成してもよい。尚、遊技機メーカーが運営するサーバ等に携帯通信端末を介して音声の設定を記憶可能、さらには、サーバのウェブページ上で音声設定可能に構成してもよい。
(e)上記実施形態において、パチンコ機10に対し、遊技者が携帯する携帯通信端末と通信可能な通信部と、携帯通信端末から通信部を介して入力された音声データを記憶する外部データ記憶手段と、外部データ記憶手段に記憶された音声データを解析し、対応する画像を作成する対応画像生成手段とを設け、音声組成部264は、外部データ記憶手段に記憶されている音声データの音声信号をスピーカSPへ出力可能に構成されるとともに、表示制御装置45は、外部データ記憶手段に記憶されている音声データの音声信号に合わせるようにして、対応画像生成手段で作成された画像を装飾図柄表示装置42において表示可能に構成されていることとしてもよい。
この場合、遊技者自身が持ち込んだ楽曲と、パチンコ機10の画像とをコラボレーションさせる(例えば、楽曲に合わせてパチンコ機10の登場キャラクタが動いたり、解析が困難な部位には静止画を当て嵌めたりする)ことができ、興趣の向上等を図ることができる。尚、遊技者が持ち込んだ楽曲の再生回数には上限を設けること、より具体的には、1回(再生するためにはその都度入力が必要)とすることが望ましい。また、遊技を行うことなく、かかる機能だけを利用されてしまうことを回避するべく、遊技者が持ち込んだ曲が流れるのは大当たり状態中としたり、遊技球の発射が所定時間毎に検出されている場合としたりすることが望ましい。また、上記(d)に対応して、モバイル連動遊技で貯めたポイント等に応じて、遊技者の操作による音声のアレンジの幅が広がるように構成してもよい。
(f)上記実施形態において、遊技者が利用可能なヘッドフォンを電気的に接続可能な接続端子が設けられていることとしてもよい。さらに、当該接続端子に対してヘッドフォンの接続が確認されている状態においては、接続が確認されていない状態に比べ、音量の調節の幅が広くなることとしてもよい。この場合、ヘッドフォンをしてよりパチンコ機10の音声を堪能することができる。さらに、ヘッドフォンを接続すると、接続していない状態よりも音量を大きくしたり小さくしたりすることが可能となる。従って、他の遊技者の迷惑になったり、他の遊技者が遊技しているパチンコ機10の音声が気になったりすることを抑制することができ、楽曲をより堪能することができる。
尚、ヘッドフォンとの接続端子は、異物の侵入を抑制するべく、開く方向に負荷をかけていないと自動的に閉塞されるような蓋を備えることとしてもよい。また、かかる接続端子は、前面枠セット14の背面側から取外し可能、さらに、接続端子(レセプタクル)の筒状部分が取外し可能としてもよい。この場合、自然に、或いは、故意に、接続端子に異物が詰められてしまった場合でも、比較的容易に異物を除去することが可能となる。
(g)上記実施形態において、所定領域に発生する音を拾うマイクを設け、マイクで拾われた音をスピーカSPから出力可能に構成してもよい。以下、マイクを備える態様例について、図面を参照しつつ説明する。
(g−1)本態様例では、遊技領域の防音対策が施されている(防音手段が設けられている)。より具体的には、ガラスユニット137は、前後一対の板ガラスを備えるとともに、一対の板ガラスの間に透明なアクリル板が両板ガラスから離間し、かつ、独立して支持された状態で設けられている(板ガラスを厚くしてもよい)。また、内枠12(樹脂ベース38)に対して遊技盤30が固定されたり、前面枠セット14に対してガラスユニット137が固定されたりした場合に、遊技盤30やガラスユニット137に圧接し、遊技盤30やガラスユニット137の位置ずれを防止する位置決め手段(ゴム等)が設けられている。加えて、前面枠セット14が内枠12に施錠されたり、内枠12が外枠11に施錠されたりした場合に、前面枠セット14や内枠12に圧接し、前面枠セット14や内枠12の位置ずれを防止する位置決め手段が設けられている。さらに、遊技領域の外周縁を画定する枠状部位の外周側にはグラスウールやロックウールが設置されている。尚、防音手段の構成については特に限定されるものではなく、例えば、弾性片と、弾性片に取付けられ、内枠12への装着状態にあるガラスユニット137の外周面に当接するゴム製の緩衝材と、弾性片を緩衝材がガラスユニット137と圧接する方向に弾性力に抗して変形させた状態で弾性片を係止する係止部とを備えていることとしてもよい。
また、図49に示すように、本態様例のパチンコ機10は、遊技球がパチンコ機10の内部を循環するタイプのもの(所謂、封入式のパチンコ機)であり、上皿19に対し、遊技者が上皿19に供給された遊技球への接触が図れないように(遊技球が取出されたり、遊技球が外部から供給されたりしないように)透明の蓋21がなされている。当該構成に起因して、上皿19に遊技球が供給される際の音(遊技球同士がぶつかったり、遊技球が上皿19の内壁にぶつかったりするような音)が低減することとなる。尚、当該封入式のパチンコ機10では、下皿15がなく、遊技者が遊技球に触れたり、遊技球を持ち出したりすることはない。また、上皿19に遊技球が払い出される契機としては、所定の入賞手段(可変入賞装置32等)に遊技球が入球した場合だけでなく、クレジットされた遊技球が存在する状態で供給ボタンとしての球貸しボタン121が押された場合にも上皿19に遊技球が払い出される。
また、図49に示すように、本態様例では、上皿19のうち遊技球を貯留する部位(空間)である貯留部20に臨むようにして上皿マイクMC1が設置されている。さらに、遊技領域に臨むようにして遊技領域マイクMC2が設置されている。加えて、上皿19の貯留部20や遊技領域を画定する壁部には遊技球の直径よりも小さな孔が開けられるとともに、マイクMC1、MC2は、かかる孔から貯留部20や遊技領域を望むようにして取付けられている。このため、マイクMC1、MC2は、上皿19や遊技領域を移動する遊技球がマイクMC1、MC2に衝突しないようになっている。これにより、遊技球がマイクMC1、MC2に衝突したことによる比較的大きな音を拾ってしまったり、マイクMC1、MC2が損傷したりしてしまうといった事態を防止することができる。
さらに、図50に示すように、これらのマイクMC1、MC2で拾われた音は、サブ制御装置262に入力され、音声組成部264等を介して、スピーカSPから出力可能に構成されている。つまり、マイクMC1、MC2で拾われた音は、音声信号に変換されて、対応するチャンネルCHに入力される。本実施形態では、基本的に、通常遊技状態に際しては、常時、第1チャンネルCH1によってBGMが出力され、第3チャンネルCH3によって遊技領域マイクMC2で拾われた遊技領域の音が出力されるようになっている。さらに、適宜、第2チャンネルCH2によって効果音や上皿マイクMC1で拾われた上皿19の音が出力されるようになっている。
加えて、サブ制御装置262のROM552には、マイクMC1、MC2で拾われた音を所定のチャンネルCHで出力する場合に参照され、別のチャンネルCHで出力される音声のパターンや遊技状態と、マイクMC1、MC2で拾われた音の音量との対応関係を記憶するマイク音量調節テーブル(図51参照)が設けられている。
例えば、変動表示が行われていない状態(非変動中)である場合には、上皿マイクMC1の音は大ボリュームとされ、遊技領域マイクMC2の音は(拾うような音は発生していないが)大ボリュームとされる。また、変動表示が行われている状態(変動中)では、基本的に、同じく、上皿マイクMC1及び遊技領域マイクMC2の音が大ボリュームとされるのではあるが、弱めの効果音(大当たりとなる期待度の比較的低い演出)が発生する場合には、当該効果音の出力のために第2チャンネルCH2が使用されるため、上皿マイクMC1の音は全ミュート(本例ではチャンネルCHへの入力が行われない)となっている。さらに、強めの効果音(大当たりとなる期待度の比較的高い演出)が発生する場合には、上皿マイクMC1の音が全ミュートとされる上、効果音を際立たせるべく、遊技領域マイクMC2の音が小ボリュームとされる。加えて、本例では、弱めの効果音と強めの効果音とが同時に出力される場合があるが、この場合、弱めの効果音で第2チャンネルCH2を使用し、強めの効果音で第3チャンネルCH3を使用するため、マイクMC1、MC2の音は全ミュートとされる(チャンネルCHへの入力が行われない)。
また、大当たり状態中においては、遊技領域マイクMC2の音が終始全ミュートとされる。これにより、大当たり状態中のBGMをより際立たせることができる。さらに、オープニングから大当たりラウンドの終了までの間は、遊技球が短期間でたくさん払い出される音を堪能してもらうべく、上皿マイクMC1の音が大ボリュームとされ、大当たり状態のエンディングにおいては、大当たりの余韻を落ち着いて楽しんでもらうべく、上皿マイクMC1の音が小ボリュームとされる。尚、本例では、エンディングの最後に、遊技機メーカーの名前とキャッチフレーズとがアナウンスされるが、その際は、上皿マイクMC1の音も全ミュートとされる。また、上記実施形態の「昇格確変大当たりBGM」、「16R確変大当たりBGM」、「確変大当たりBGM」のように、大当たり状態において3パターンの音声データを同時に再生させる構成を採用する場合には、上皿マイクMC1の音も同時に出力できるように、チャンネルCHの数を増やせばよい。
加えて、本実施形態では、マイクMC1、MC2の出力に使用されるチャンネルCH2、CH3に対して、音声加工手段としての各種エフェクタが接続されている。例えば、エフェクタとしてリミッターが接続され、上皿19や遊技領域の音量が閾値を超えると、超えた分が潰されるようになっている。これにより、あまりにも大きくて耳障りな音がスピーカSPから発せられてしまうといった事態を回避することができる。
さらに、例えば、エフェクタとして、イコライザーやディレイ等の音質を変化させるものが接続され、例えば、サブ制御装置のCPU551によって、演出の一環としてマイクMC1、MC2の音質を変化させる旨の信号を受けた場合に、対応する音質に変化させることができるように構成してもよい。例えば、装飾図柄表示装置42において、確変モードであることは教示されていないのではあるが、内部的に確変モードである場合には、所定条件の成立(例えば、所定のループカウンタ及びテーブルを用いた抽選にて当選)に基づいて、上皿マイクMC1で拾われた音を対応する音質となるように加工することとしてもよい。この場合、マイクMC1、MC2で拾われた音を演出に使用する(装飾図柄表示装置42等で行われる表示演出と連動させる)ことができる。
加えて、本態様例では、上皿19と窓部101との間の位置にもスピーカSPが設けられている。当該スピーカSPからは、別のスピーカSPと同様に、第1〜第3チャンネルCH1〜CH3に入力された全ての音声データの音声が出力されるように構成されているが、別のスピーカSPに比べて、上皿マイクMC1の音が比較的大きくなるように設定されている。これにより、スピーカSPから聞こえる上皿19への払出しの音への違和感を極力抑制することができる。
以上詳述したように、本態様例によれば、上皿19に蓋21が設けられていたり、遊技領域に防音対策が施されていたりしていて、上皿19に遊技球が供給される音や、遊技球が遊技領域を流下する音等が従来よりも聞こえ難くなっているが、上皿19及び遊技領域にそれぞれ対応して上皿マイクMC1及び遊技領域マイクMC2が設けられ、これらのマイクMC1、MC2で拾われた音がスピーカSPから出力可能に構成されている。このため、上皿19や遊技領域で発生した音を聞こえ難いままの状態にすることは勿論のこと、聞こえ難くなった分を補った音量にしたりすることができる。従って、遊技球の音を楽しみたい遊技者でも遊技を十分に堪能することができる。例えば、大当たり状態において、払い出される遊技球の音がしないこと(獲得した遊技球の数が増加している実感がわかないこと)に起因して、満足感が減ってしまう、ひいては、興趣の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。
また、遊技領域から目を離しても(目をつぶったり、誰かと会話をしたりしていても)、遊技球が払い出される音や遊技球が遊技領域を流下する音等を耳にすることで、遊技球が正常に行われていることを把握することができる。さらに、上皿19に遊技球が供給されたことをより確実に把握することができることから、例えば、遊技を開始させるにあたって貸出ボタン121を操作することで既に遊技球の供給が行われているのにもかかわらず、供給されていないと勘違いして、遊技球の供給を受ける貸出ボタン121等を何度も押してしまうことを抑止することができる。
さらに、このように、上皿19や遊技領域で発生した音を一度音声信号として取り込むことで、かかる音をそのままではなく加工した形で出力したり、かかる音を別の演出態様(別の音声態様や表示態様等)と絡めた演出を行ったりすることができる。従って、状況に応じて、上皿19や遊技領域で発生した音を適宜調節して出力することができ、演出態様の多様化等を図ることができる。
また、本例では、マイクMC1、MC2で拾われた音が大き過ぎる場合には、エフェクタ(リミッター)の作用によって、一定音量を超える音を出力しないようになっている。このため、耳障りな音がスピーカSPから発せられ、遊技者が不快な思いをしたり、マイクMC1、MC2で拾われる可能性のある大きな音に対抗するために、音声データの音声ボリュームを更に大きくすることで、遊技ホールの騒音が大きくなってしまったりするといった事態を抑制することができ、音環境の向上(遊技を行っているパチンコ機10の音声が聴き取り易くなったり、遊技ホール全体の騒音が低減されて遊技者やホールスタッフの耳への悪影響を低減させたりする)等を図ることができる。
加えて、マイクMC1、MC2で拾われた音の出力の大きさは、マイクMC1、MC2で拾われた音の出力で使用されるチャンネルCHとは別のチャンネルCHで出力されている音声のパターンや各種遊技状態に応じて変化するようになっている。例えば、図51に示すように、遊技領域の音は、通常遊技状態(大当たり状態以外の状態)では、基本的に大ボリュームとされるが、強めの(大当たり期待度の高い)演出である強効果音が発生する場合には、かかる効果音を際立たせるべく、小ボリュームとされる。また、上皿19の音は、基本的に大当たり状態では大ボリュームとされるが、エンディングでは小ボリューム(特に最後は全ミュート)とされる。特に、本例では、マイクMC1、MC2で拾われた音の音量(マイク音量)と遊技状況との対応関係を示すマイク音量調節テーブルが使用される。このため、各種状況に応じて、マイク音量の調節を簡潔かつスムースに行うことができ、マイク音量を設定する処理を的確、かつ、迅速に実行することができる。さらに、音声データ記憶エリアに記憶されている音声データの音声と、マイク音とを別々のチャンネルCHで同時に再生することができ、その上、それぞれの音量を調節可能に構成されていることから、音声の態様をより自在に変化させることができ、演出の自由度を向上させ、音による演出の多様化を簡単に図ることができる。
さらに、マイクMC1、MC2で拾われた音は、第2、第3チャンネルCH2、CH3で出力されることとなるが、第2、第3チャンネルCH2、CH3はマイク音専用のチャンネルCHではなく、効果音の出力にも使用される。このため、一度に(同時期に)使用されるチャンネルCHの数を極力少なくする、或いは、複数のチャンネルCH1〜CH3を最大限活用して多彩な音声態様を導出することができる。従って、最小限のチャンネルCHで上手くやりくりして、あまり利用されることのないチャンネルCHを無駄に増やしてしまうといった事態を回避することができ、構成の簡素化(費用対効果の向上等)を図りつつ、音声を使った演出の多様化等を図ることができる。
尚、遊技者が操作可能に設けられ、マイクMC1、MC2で拾われた音の音量を調節可能なマイク音調節操作手段としての第1ボリューム操作部及び第2ボリューム操作部を備えていることとしてもよい。この場合、遊技者の好みに応じてマイク音量を調節することが可能となり、快適に遊技を行うことができる。例えば、マイク音が嫌いな遊技者や、パチンコ機10の音声(楽曲)等を堪能したい遊技者は、マイク音量を下げることができる。
尚、上記態様例では、上皿マイクMC1及び遊技領域マイクMC2が設けられているがどちらか一方でもよいし、これらのマイクMC1、MC2に代えて、又は、加えて、別の領域の音を拾ってスピーカSPから出力させることのできるマイクを設けることとしてもよい。また、上記態様例では、上皿マイクMC1及び遊技領域マイクMC2が別々のチャンネルCHに入力されるように構成されているが、マイクMC1、MC2で拾われた音が第3チャンネルCH3に入力される段階で既にミックスされた状態とされるように構成してもよい。
また、本態様例では、マイクMC1、MC2で拾った音を音声信号に変換して、そのままチャンネルCHに入力させる構成となっているが、変換された音声信号をデジタルデータの形態として一時的に記憶することとしてもよい。この場合、音声の加工や、別の音声態様や表示態様との同期等が行い易くなる。
尚、上記実施形態のスピーカSPに代えて、又は、加えて、ガラスユニット137の一対のガラス板のうち前方のガラス板に対して、音声組成部264で増幅された音声信号を付加する等して、かかるガラス板によってスピーカSP(共振板)が構成されるようにしてもよい。この場合、音声演出をよりダイナミックに行うことができる。また、例えば、遊技領域マイクMC2で拾われた遊技領域の音をより自然に遊技者に受け入れさせることができる。
尚、ここで、上記態様例の「封入」に関する構成について言及する。封入式のパチンコ機10には、遊技球が各種入賞口(例えば、可変入賞装置32)に入球することに応じて払い出される筈の遊技球の数を記憶するクレジット記憶手段が設けられている。そして、遊技者は、遊技の終了に際し、遊技に際して獲得した遊技球の数を、遊技者が携帯可能なカード(携帯式記録媒体)に記憶させることとなる。加えて、クレジット記憶手段に記憶されている遊技球の数を表示するクレジット表示手段が設けられている(例えば、6ケタ表示可能な7セグメント表示装置等を別途設けてもよいし、装飾図柄表示装置42の一部を利用して表示してもよい)。そして、遊技球が各種入賞口に入球することで、クレジット記憶手段に対応する値が加算され、上皿19に払い出されることでクレジット記憶手段から対応する値が減算される。クレジット表示手段では、クレジット記憶手段に対応する値が加算されるタイミングよりも遅れて、払出しの動作が停止して減算を終えた頃に加算表示されることとなり、例えば、上皿19が空の状態で遊技球が供給される場合には、クレジットにおいて加算表示が行われないようになっている。さらに、上皿19に貯留されている遊技球は、球抜きボタン123を操作することでパチンコ機10の背面側に抜くことができる上、パチンコ機10の背面側に抜かれる遊技球を検知するスイッチの検知をカウントするカウンタの値を参照して、かかる値がクレジットデータに加算されることとなる。
また、パチンコ機10に隣接される遊技ホール側の機器である台間装置には、遊技球の数のデータ等を記憶可能な遊技カードが挿入されており、遊技の終了に際して、返却ボタン122が操作されると、クレジットされている遊技球の数を示すクレジットデータが遊技カードに移される(清算される)こととなる。さらに、遊技球のクレジットデータは、見かけ上、遊技カードに一度に(一瞬で)移されるのではなく、クレジット表示手段において、遊技球の数のカウントダウンが行われるように、徐々に数が減っていくように構成されている(実際にこの段階では、クレジット記憶手段の記憶内容は変更されていない)。特に、遊技カードに遊技球データを移行させる際には、遊技球を移している気分が出るように、予め録音してある遊技球同士が互いにぶつかりながら移動していくような音がスピーカSPから出力されるようになっている。
加えて、かかる遊技球のクレジットデータの移行の途中で、例えば、貸出ボタン121が操作されると、クレジット表示手段のカウントダウン表示が中止されるとともに、クレジット表示手段の表示数に対応して、見た目上移行された数だけ実際に遊技球のクレジットデータがクレジット記憶手段から遊技カードへと移される(クレジット記憶手段及び遊技カードの記憶内容を変更する)。勿論、途中で貸出ボタン121が操作されることなく、クレジット表示手段の残高が「0」になった場合には、その時点で、クレジット記憶手段に記憶されている全ての遊技球のクレジットデータが遊技カードへと移される。
また、遊技球のクレジットデータ清算中に返却ボタン122を再度操作するとクレジットの清算のカウントダウン速度が速まる、或いは、清算が一気に行われるようになっている。さらに、クレジットデータ清算中のこれらのボタン操作方法については、遊技球のクレジットデータ清算中において、装飾図柄表示装置42にて表示される。
尚、本態様例では、返却ボタン122を操作すると遊技球のクレジットデータが清算され、クレジットデータの移し忘れを防止できる構成となっているが、例えば、スライド式のスライドボタンの操作が確認されている状態とされることで、クレジットデータの清算が上記のようなカウントダウンのような格好で行われるとともに、スライドボタンの操作量に応じて、カウントダウンの速度が変化する(対応して導出される遊技球が払い出される音(予め録音されたもの)も比例するようにして出力音量が大きくなる)ように構成してもよい。この場合、遊技球のやりとりがデジタルなものとなっても、アナログな部分を少しでも再現することで、アナログの場合に味わえた獲得した遊技球を箱(所謂ドル箱)に移すときの満足感や達成感を再現することができる。
尚、球抜きボタン123を操作することでも、クレジットデータが遊技カードに移行されるように構成してもよい。すなわち、クレジットがある状態で球抜きボタン123を操作すると、遊技球が上皿19からパチンコ機10の背面側に抜かれる一方で、上皿19に遊技球が順次供給されるように構成し、あたかも大量の遊技球を球抜きしている間隔を疑似体験できるようにした場合であっても、上皿19に払い出された遊技球の数と、上皿19からパチンコ機10の背面側に抜かれる遊技球の数とを把握することで、クレジットの数と、上皿19の遊技球の数とを把握することができる。当該構成を採用することで、遊技球の球抜きに伴う音として、録音した音源ではなく、下皿マイクMC1で拾った音を使用することができる。但し、遊技球が上皿19から抜かれるスピードと、クレジットデータが遊技カードに移行されるスピードを対応させていては時間がかかり過ぎる場合があるので、クレジット表示手段では、(状況に応じて)実際に球抜きされているスピードよりも速いスピードで遊技球が移行しているように表示できるように構成することが望ましい。
また、上皿19において遊技球が満タンな状態であれば、遊技球が上皿19にそれ以上供給されることはない。つまり、上皿19において遊技球が満タンになってしまうと、遊技球が払い出される音が聞こえなくなってしまう。これに対し、例えば、大当たり状態においては、通常の遊技状態に比べ、単位時間当たりに発射される遊技球の数に対する単位時間当たりに払い出される遊技球の数の比率が低い(大当たり状態では比較的ゆっくり払い出される)ように構成してもよい。この場合、大当たり状態において、遊技球の払出音が聞こえる時間帯を増やすことができる。また、クレジットがある場合の遊技球の上皿19への供給であるが、球貸しボタン121を操作することで上皿19にクレジットの遊技球が規定量供給されるように構成してもよいし、満タン状態となるまで自動供給されるように構成してもよいし、貯留部20にセンサを設けて、遊技球が規定量以下になった場合に遊技球が供給されるように構成してもよい。
尚、上皿19(貯留部20)に対し、発射装置60へと通じる孔とは別に、パチンコ機10の背面側に連通する排出孔を形成するとともに、排出孔から排出される遊技球を検知するスイッチと、かかるスイッチの検知をカウントするカウンタとを設け、かかるカウンタでカウントされた値はクレジットに加算されることとしてもよい。この場合、上皿19が満タンになることはなく、大当たり状態において勢いよく遊技球が払い出される音を導出させることができる。
(g−2)マイクMCで拾う音は、遊技球の移動の音に限定されるものではなく、例えば、前面枠セット14のうち、上皿19と窓部101との間の位置にマイクMCを設けることとしてもよい。この場合、マイクMCによって遊技者の声を拾う(入力する)ことが可能となる。以下、遊技者の声を拾うことのできるマイクMCを設ける場合の態様例について説明する。
本態様例のサブ制御装置262のRAM553においては、マイクMCで拾われた音がデジタルデータの形態とされて一時的に記憶されるマイク音記憶エリア(マイク音記憶手段)が設けられている。マイク音記憶エリアに音声データが記憶された場合、当該音声データを解析し、解析結果と装飾図柄表示装置42にて表示されるキャラクタの画像パターン(動作パターン)との対応関係を記憶するテーブルを参照して、対応する画像を作成するように、表示制御装置45にコマンドを出力する。尚、このようにマイク音記憶エリアに記憶された音声データに基づいて対応する画像を表示する機能が、対応画像生成手段を構成する。
そして、例えば、マイクMCへの音声入力が許容されている期間中に、遊技者が、サブ制御装置262のROM552において予め定められているキーワードと同じ或いは音声波形が近似する言葉を入力した場合に、装飾図柄表示装置42等において、それに応じたリアクション演出が実行されることとなる。さらに、本例では、かかる機能(声の入力に対するリアクション演出)が利用できるのは、変動表示中、及び、変動表示の停止から所定時間(例えば、2秒〜5秒)を経過するまでの間となっている。これにより、遊技を行うことなく、かかる機能だけを利用されてしまうことを回避することができる。
加えて、装飾図柄表示装置42における登場キャラクタの声を遊技者が吹き替えるストーリー演出があり、ストーリー演出の開始時に吹き替えに参加するか否かの意思表示を確認し(装飾図柄表示装置42にて選択肢を表示して、演出ボタン125の操作等で確認)、参加の意思が確認された場合に、装飾図柄表示装置42にてセリフを表示するとともに、マイクMCに向かってセリフを言ってください等の表示を行う。マイクを介して入力された遊技者の声は、音声信号に変換されるとともに、符号化されて、マイク音記憶エリアに記憶される(録音される)。また、セリフは、例えば、各シーンで複数種類用意されており、遊技者がセリフの種別を選択する。そして、ストーリー演出の該当する場面で録音された遊技者の声が再生される(吹き替えが行われる)が、遊技者がどのセリフを吹き込んでいるかによって、ストーリー演出での受け答えが変化する(吹き替えをしなくても、セリフ選択は行われる)こととなり、例えば、受け答えが正しければ大当たり状態が発生する。
尚、通常のストーリー演出に際して流れる音声は、BGMデータと、キャラクタボイスデータとが同時に再生開始されるが、遊技者による吹き替えを許容する条件が満たされ、セリフの録音が確認された場合の特定のストーリー演出に際しては、BGMデータのみが再生され、該当するタイミングで、遊技者の録音された声が出力される(出力後、1回で消去される)。また、遊技者の声の再生回数の上限は1回であり、再生後、直ちにマイク音記憶エリアの音声データが消去される(再生するためにはその都度入力が必要)ようになっている。これにより、入力された声が別の遊技者に聞かれる、或いは、別の遊技者の声を聞かされることに起因して気分を害してしまうといった事態を回避することができる。
以上のような構成を採用することにより、遊技者の声と、パチンコ機10の画像とをコラボレーションさせることができ、興趣の向上等を図ることができる。尚、パチンコ機10に可動役物が設けられる場合には、遊技者の声に応じて、可動役物が動く場合もあるように構成してもよい。さらに、吹き替えに参加した場合には、プレミアム演出が導出され易くなったり、実は確変大当たりであるが、通常大当たり及び確変大当たりのどちらなのか分からないようにするといったパターンが選択されない、或いは、選択され難いようにしたりする等、所定の特典が付与されるように構成されることが望ましい。
尚、マイクMCやスピーカSPが遊技ホールのホールコンピュータに繋がっていてもよい。この場合、ホールスタッフが直接遊技者の元を訪れなくても用件を聞くことができる。
(g−3)また、マイクMCに入力された音声に対して、音声認識処理(該処理を行う音声認識ソフトが音声認識手段を構成する)、音声合成処理、及び自然言語処理等を利用した演出を行うこととしてもよい。例えば、パチンコ機10に対して外部の所定のコンピュータ(ホールコンピュータや遊技機メーカーのサーバ等)と通信可能な機能を設けるとともに、マイクMCに入力された言葉をパチンコ機10の音声認識処理で認識し、これに関するデータ(例えば、音声波形をデジタル化した音声データ)をパチンコ機10外部の所定のコンピュータに送る。さらに、外部コンピュータでは、送られてきたデータを解析して、対応する音声データを選択・決定するとともに、かかる音声データ(例えば、音声波形を示すデジタルデータ)をパチンコ機10に送る処理が行われる。外部コンピュータから音声データがパチンコ機10に入力されると、入力された音声データを音声波形に復元するとともに、かかる音声データに基づいて、装飾図柄表示装置42の画像を生成し、かつ、必要に応じて音声を追加・変更・省略し、装飾図柄表示装置42で表示されたキャラクタが遊技者の言葉に対する返事を言うといった演出が行われる。すなわち、あたかも、遊技者が、パチンコ機10(装飾図柄表示装置42で表示されたキャラクタ)と会話しているような演出を行うように構成することも可能である。さらには、今までの会話の内容を(ある程度、サーバで)記憶しておき、それを反映させた返事が行われる場合もあるように構成してもよい。以上のような構成を採用する場合、演出バリエーションを飛躍的に増やすことができ、遊技に際しての倦怠感を払拭することができる。尚、データ容量の都合上、バリエーションは少なくなることが懸念されるが、パチンコ機10だけで、上記の会話のような演出が行えるように構成してもよい。
また、マイクMCに入力された音声に対して、パチンコ機10で生成した音を重ねて出力するように構成してもよい。例えば、(カラオケのように)スピーカSPから所定の楽曲の伴奏(及びガイドメロディー)を出力するとともに、装飾図柄表示装置42において歌詞を表示し、マイクMCに入力された音声に対応してパチンコ機10で生成した音、例えば、マイクMCに入力された音声の音調(音階)を認識し、かかる音調に対応する協和音(例えば、マイナーコードやメジャーコード等)をスピーカSPから出力することとしてもよい。この場合、マイクMCに入力された遊技者の声(歌唱)に対するコーラスパートのような旋律をスピーカSPから出力し、遊技者の声とリアルタイムに重ねることができる。さらに、例えば、マイクMCに入力された遊技者の声の音調を認識し、かかる音調に応じた音調の伴奏やガイドメロディーを導出する(キーの自動調整機能を備える)ように構成してもよい。加えて、例えば、マイクMCに入力された音声を先ず解析(デジタル化)して記憶する処理を行うとともに、記憶された音声データを解析して対応する音声データを生成し、両音声データをそれぞれチャンネルCHで同時に再生させる(重ねて出力する)ように構成してもよい。これらのように、マイクMCに入力された音声を認識して、対応する音声を生成することにより、マイクMCに入力された音声と、パチンコ機10で生成した音とが合わさることで、不協和音を生じさせてしまうといった事態を回避することができる。尚、認識された音に対応する協和音をスピーカSPから出力する機能が協和音発生手段を構成する。また、マイクMCに入力された音声自体も音質等を加工してスピーカSPから出力するように構成してもよい。
尚、マイクMCに入力された音声の演出等への利用方法は特に限定されるものではなく、例えば、マイクMCに入力された音声を認識して得られたデジタルの音声データ(例えば、バイナリデータ)と、演出との対応付けを行うテーブルを設け、入力された音声のフレーズは同じでも、音声データ、すなわち、音程、音質等によって導出される演出が異なるように構成したり、テーブルを用いて演出を選択する際に、マイクMCに入力された音声の音声データがある場合には、テーブルの選択範囲が変化する(オフセットさせる;より具体的に、例えば、0〜20の値を取り得るカウンタの値が0〜15の場合には「演出無」となり、カウンタ値が16〜20の場合に「演出有」となる構成であって、音声入力がある場合には、特別にカウンタ値に10を加算し、その値が15を超えるか否かで「演出有・無を決定する)ように構成したりしてもよい。当然、マイクMCを使用した演出に参加してもらうことで、遊技者に特典が付与され易くなる(より多くの、或いは、よりレアな演出が行われ易くなる等)ようになっている方が望ましい。加えて、音声認識処理等の機能があれば、パチンコ機10においてキーボードなどの入力手段がなくても、音声入力によって様々な処理を実行させることができる。例えば、マイクMCへの音声入力に基づいて遊技中(デモ画面が表示されるような状態以外の状態)であれば、マイクMCに入力された音声の指示に応じて、通信機能を利用してサーバと接続し、遊技機メーカーの最新情報を装飾図柄表示装置42において装飾図柄の変動表示等とともに表示したり、天気予報を表示したり、所定の演出を進行させたりすることとしてもよい。また、通常、遊技ホール等においてパチンコ機10に併設されているデータカウンタの機能をパチンコ機10において搭載し、マイクMCに入力された音声による遊技者からの指示に基づいて、対応するデータを表示可能に構成してもよい。すなわち、マイクMCに向かって「今日の大当たり回数」と言えば、装飾図柄表示装置42において今日の大当たり回数が表示されるといった具合である。
(g−4)上記(g−1)に記載したような封入式のパチンコ機において、上皿19の透明な蓋21の裏側に、上皿19の貯留部20に存在する遊技球を透視可能とする液晶表示装置を設けることとしてもよい。例えば、透明な蓋21は、上方から、透明な樹脂或いはガラスの板よりなる保護板と、光学方式(赤外線方式)のタッチパネルと、液晶パネルと、透明な面発光板とが積層されることで構成されていることとしてもよい。この場合、蓋21において各種選択操作を行ったり、スライドタッチ等することで遊技球の上皿19への供給を行ったり、操作を行わないときには全体的に上皿19の貯留部20に存在する遊技球を視認可能な状態としたり(蓋21の視認態様を切替える切替ボタンを設ける。表示を切替えることで、音声も対応するものに切替わる)することができる。また、上皿19の蓋21を囲んでいる枠部分は、少なくとも蓋21よりも前方に位置する部位が、蓋21の上面の方線方向において、蓋21の上面よりも上方に突出していることとしてもよい。この場合、蓋21が強打される等の事態を抑制することができる。さらに、蓋21は手前に下方傾斜していることとしてもよい。この場合、遊技者にとって蓋21をより見易くすることができる。加えて、上皿19の貯留部20に供給される遊技球が蓋21の裏側に衝突する事態を抑止するべく、該貯留部20へ遊技球を1球ずつ供給可能に構成してもよい。例えば、上皿19の貯留部20の入口に対して、モータで回転し、複数の羽部を有するプロペラ状の回転体を設置し、羽部で区画されて遊技球を1球ずつ収容可能な空間に、払い出される遊技球を1球ずつ収容するとともに、回転体を回転させることで、前記空間に収容されている遊技球を上皿19の貯留部20に案内するように構成してもよい。また、蓋21の表示に対応する音声は、上皿19近くのスピーカSPから出力されることとしてもよい。この場合、装飾図柄表示装置42等の音声と区別することができ、スピーカSPに顔を近づけることでより聞き分け易くすることもできる。
(h)上記実施形態において、スピーカSPを変位可能に設けることとしてもよい。例えば、スピーカSPを回動可能に構成して遊技者に対する相対向きを変更可能に構成したり、スピーカSPを上下、左右、前後等にスライド可能に構成し、多数のスピーカSPを様々な場所に配設しなくても、様々な場所から音声を出力したり、音源が変位する様を堪能したりすることができる。また、スピーカSPを変位させることで遊技者に聞こえる音量を変化させることもできる。但し、スピーカSPを変位させることで、隣の遊技機を遊技している遊技者に迷惑が掛からないように、スピーカSPがパチンコ機10の前方を真っ直ぐに向いた状態よりもパチンコ機10の左右外側に開くようにして回動しないように構成することが望ましい。
また、スピーカSPから出力された音声を誘導する音声誘導手段を備え、音声誘導手段は、スピーカSPから出力された音波が進入する進入口と、進入口から進入した音波が外出する外出口とを備え、外出口は複数設けられ、音声誘導手段の一部を動作させる又は全体を変位させることで、遊技者側(パチンコ機10の前方)に開口する外出口が変化することとしてもよい。例えば、音声誘導手段は、上下に延びる円環状をなす本体と、本体の閉塞された上端部と連結されて本体を回転させるモータとを備え、本体は、下端部において下方に開口する進入口と、側壁部において上下方向及び外周方向においてそれぞれ異なる位置に設けられた複数の外出口とを備え、本体の下方に設置されたスピーカSPから出力された音声が該進入口から進入するとともに、該音声が各外出口から本体の外部に放出されることとしてもよい。この場合、スピーカSP自体を変位させなくても、音声が比較的大きく聞こえてくる位置を変化させることができる。
(i)上記実施形態において大当たり確率や、大当たり種別の数や、各種大当たり種別の可変入賞装置32の開閉パターン等は特に限定されるものではなく、機種ごとに適宜設定可能である。さらに、上記実施形態では、確変モードとそれ以外のモードとで当否抽選での当選確率が変動する構成となっているが、当選確率が変動せず(一定であり)、大当たり状態終了後に付与される時間短縮モードの期間(変動回数)が複数パターン用意されているパチンコ機に上記構成を適用してもよい。
また、上記実施形態において、上入賞口33aへの遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合と、下入賞口33bへの遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合とで、付与される大当たり種別の割合が異なるように構成してもよい。例えば、上入賞口33aへの遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合と、下入賞口33bへの遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合とで、「7RN」となる割合は同じであるが、「16RS」となる割合(換言すれば「7RS」となる割合)が異なるように構成してもよい。
(j)上記実施形態では、変動表示の保留を保留ランプ46a、46bによって遊技者に教示しているが、その他の表示手段で保留を教示してもよい。例えば、装飾図柄表示装置42において、保留を意味する画像オブジェクトを、保留された変動表示と1対1で対応して、第1変動表示の保留か第2変動表示の保留かが分かるように表示してもよい。
また、上記実施形態では、既に保留されている上入賞口33aへの遊技球の入球に基づく変動表示(第1変動表示)よりも後に保留された下入賞口33bへの遊技球の入球に基づく変動表示(第2変動表示)が、前記第1変動表示よりも先に消化されるといった具合に、保留された順番を前後するようにして、第2変動表示が優先的に消化されるよう構成されているが、第1変動表示であるか、第2変動表示であるかに関係なく、保留された順番通りに消化されるように構成してもよい。
(k)上記実施形態では、主制御装置261にてメイン処理(図9参照)の後、通常処理(図10参照)を行う構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、メイン処理のステップS111の後に、上記実施形態で通常処理のステップS209〜ステップS218で行われていたカウンタ値の更新等の処理を行い(ステップS210は省略)、例えば、2msec毎に行われるタイマ割込み処理において、上記実施形態で通常処理のステップS201〜ステップS208で行われていた処理と、上記実施形態でNMI割込み処理として行われていたステップS401の処理とを行うこととしてもよい。尚、この場合のステップS401の処理としては、例えば、CPU501のNMI端子に停電監視回路542から停電信号SK1が出力されたか否かを判定し、停電信号SK1の出力が確認された場合に、停電の発生を示すフラグをオンにする構成が挙げられる。また、ステップS401の処理に関しては、上記実施形態と同様に、NMI割込み処理として別途行うこととしてもよい。
(l)上記実施形態では、大当たり乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアに対して大当たり状態が発生するか否かの情報が上書きされる構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアに対して当選乱数記憶エリアとは別に、大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよいし、特別変動保留エリアとは別に、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアに個別に対応する記憶エリアを設け、当該記憶エリアに大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶することとしてもよい。尚、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリアとは別に、大当たりの種別を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよいし、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアとは別に、リーチ情報を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよい。
(m)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。例えば、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域と、特定領域への入球を許容する開状態と、特定領域への入球を禁止する閉状態とに変化可能な可動手段(羽部材)とを具備する可変入球手段と、特定領域に入球した遊技球が入球可能な特定入球手段及び非特定入球手段と、特定入球手段に入球した遊技球を検知する特定入球検知手段(条件成立検出手段)と、特定領域の外部に設けられ、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入球手段と、始動入球手段に入球した遊技球を検知する始動入球検知手段と、可変入球手段の開閉制御を行う主制御手段とを備え、特定領域に遊技球が入球した場合には、当該遊技球が特定入球手段及び非特定入球手段のどちらに入球する場合であっても遊技者に所定数の遊技価値(遊技球)が付与され、主制御手段は、始動入球検知手段の検知に基づいて、可変入球手段を第1時間だけ1回又は複数回開状態とさせる小当たり状態、又は、可変入球手段を前記第1時間よりも長い第2時間開状態とさせる、又は、開状態とされた可変入賞手段に規定個数の遊技球が入球するまでを1ラウンドとして、これを規定回数繰り返す大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選を行い、当否抽選にて小当たりに当選した場合には小当たり状態を発生させ、当否抽選にて大当たりに当選した場合、及び、特定入球検知手段の検知があった場合には大当たり状態を発生させるといった遊技機に適用してもよい。この場合、可変入球手段が可変入賞装置に相当する。加えて、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機、回胴式遊技機としてのスロットマシンや、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機などとして実施してもよい。
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射装置によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、大当たり状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、可変表示装置にて抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2003−154110号公報参照)。
また、遊技性の向上を図るべく、遊技の進行に合わせて適宜、各種ランプや表示装置等による光の態様と、音声の態様とが相俟った演出が行われるようになっている。そこで音声に関しては、迫力や抑揚のある演出を行うべく、演出等に応じて適宜大小様々な音量で効果音を出力したり、ダイナミックレンジの広い楽曲を遊技に際して出力したりしている。
しかしながら、音声を大きくしようとした場合に「音割れ」等の不快な音が発生してしまうことが懸念される。すなわち、「音割れ」等が生じた場合には、遊技者に不快感を与えるおそれがある。その一方で、「音割れ」等を回避するべく、妥協して音量を小さくした場合には、迫力のない単調な音声になってしまうことが懸念され、演出性が低下するおそれがある。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、不快な音の発生を防止しつつ、抑揚のある音声を導出することのできる遊技機を提供することにある。
手段A−1.複数パターンの音声データを予め記憶している音声データ記憶手段と、
音声データを音声信号に変換可能に構成されるとともに、複数の音声信号を同時に出力可能な音声手段と、
前記音声信号を音声に変えるスピーカとを備え、
前記音声手段は、
音声信号を入力可能な複数のチャンネルと、音声信号を増幅する増幅器とを備え、
前記複数のチャンネルに入力された音声信号を合わせて前記スピーカへ出力可能に構成されるとともに、
所定条件の成立に基づいて、複数の前記チャンネルで同じ音声データを同時に再生開始させることを特徴とする遊技機。
手段A−1のように、複数のチャンネルで同じ音声データを同時に再生開始させることで、音声手段において同じ波形の音声信号が共鳴することとなり、結果的に当該音声信号に対応する音声の音量が大きくなる。特に、各チャンネルに対応して音割れ(クリッピング)が発生しないように音量を制限しつつ、このように音声信号を共鳴させることで、単に音声信号を増幅器で増幅させた場合には音割れが生じてしまうような比較的大きな音量の音声をスピーカから出力する場合であっても、音割れの発生を回避することができる。従って、音割れを回避しつつ、音声をより大きな音量で出力することができる。
また、元々、音声データを音量が大きくなるような格好で記憶しておけば、該音声データの音声信号を増幅器で所望の音量となるまで増幅させた場合のノイズを抑制する(ノイズを耳につき難くする)こともできるが、かかる音声データに対応する音声を小音量で出力させたい場合には、別途、音量が小さいパターンの音声データをも記憶しておく必要がある。これに対し、本手段によれば、音量が小さいパターンの音声データの音声信号を増幅器で所望とする音量まで大きく増幅させなくても、音声信号を共鳴させて所望とする音量まで大きくすることができる。このため、増幅器で音声信号を比較的大きく増幅させることに起因して比較的大きなノイズが発生してしまうといった事態を抑制しつつ、音声の音量を大きくすることができる。従って、音量が小さいパターンの音声データだけを記憶しておけばよく、音声データや、これを選択させる選択テーブルに使用される記憶容量を抑制することができる。
尚、複数のチャンネルに同時に入力されて合わされた音声信号(ミキシングされた音声信号)の音量を調節可能なマスタ音量調節手段を備えていることとしてもよい。また、同じ音声データを同時に再生開始するチャンネルの数や、チャンネルの総数は特に限定されるものではなく、例えば、2つのチャンネルで同じ音声データを同時再生する場合と、3つのチャンネルで同じ音声データを同時再生する場合と、4つのチャンネルで同じ音声データを同時再生する場合とがあるように構成してもよい。
手段A−2.前記音声手段は、前記各チャンネルに入力された音声信号の音量をそれぞれ調節可能なチャンネル音量調節手段を備えていることを特徴とする手段A−1に記載の遊技機。
手段A−2によれば、より細かな音量調整を行うことができたり、各チャンネルに入力された音声信号の音量をミュートにする機能を有することで、複数のチャンネルで同時に再生開始させた音声データの再生を止めることなく、音声信号を共鳴させるチャンネルの数を変更して(例えば、音声信号を共鳴させる場合と共鳴させない場合との切替えを行い)、簡単な制御で音量の大幅な変化を瞬時に行うことができたりする。このため、音量をより自在に変化させることができ、演出性等を高めることができる。
また、例えば、所定の音声を出力する場合、対応する音声データの再生開始時は、チャンネル1つ分の音量だけで出力するのに対し、再生されてから所定時間経過すると、チャンネル2つ分の共鳴した大きな音量を出力するような場合であっても、上記手段A−1のように、同一の音声データを複数のチャンネルで同時に再生開始させることで、複数のチャンネルから出力される同一の音声データの音声信号をずらすことなく一致させることができる。従って、音声信号を共鳴させて音量を大きくするといった作用効果がより一層確実に奏される。さらに、音声信号の共鳴を一旦止めた後、再度共鳴させたとしても音声信号のずれを回避することができたり、音量を変化させるタイミングを自由に設定したりすることもでき、演出パターンの多様化等をより一層図ることができる。また、例えば、所定の音声を出力する場合に、途中で、音量が小さいパターンの音声データから、音量が大きいパターンの音声データへと切替えることで、音量の大幅な変化を実現するような場合に比べ、音量が大幅に変化する際の音声の流れをスムースにしたり(無音の状態が発生する等して楽曲が途切れること等を回避したり)、制御の簡素化を図ったりすることができる。
手段A−3.前記音声データ記憶手段に記憶されている音声データには、ダイナミックレンジの広い楽曲の音声データであって、複数の前記チャンネルで同時に再生開始されることとなる広レンジ音声データがあり、
前記広レンジ音声データは、前記楽曲のうち比較的音量の大きなシーンに対応する強シーン対応部と、前記楽曲のうち比較的音量の小さなシーンに対応する弱シーン対応部とに分けられ、
前記強シーン対応部では、前記弱シーン対応部よりも、遊技者に可聴な音量で音声データが再生されるチャンネルの数が多くなることを特徴とする手段A−1又はA−2に記載の遊技機。
ダイナミックレンジの広い(音の強弱がはっきりとした)楽曲の音声データを再生する場合に、音量の大きなシーン(例えば、楽曲の「サビ」の部分)において音割れが起きないように全体的に音量を抑えて楽曲を出力する場合には、音量の小さなシーンにおいて音量が小さくなり過ぎてしまうおそれがある。かといって、音量の小さなシーンに合わせて楽曲を出力する場合には、音量の大きなシーンにおいて音割れが起きてしまう。また、音量の大小の差を小さくすることも考えられるが、迫力が薄れたり、抑揚がつけられなかったりして、音声による演出効果が上手く奏されないおそれがある。
この点、手段A−3によれば、広レンジ音声データのうち、音量の大きなシーンにおいては、音声出力を行う(音声信号を共鳴させる)チャンネルの数を増やすことで音量を大きくしている。このため、強シーン対応部のデータ自体としては、楽曲として所望とする音量(実際に遊技者に聞こえる音量)よりも小さく、音割れが起きないレベルに設定しておくことができる。従って、強シーン対応部での音割れを防止しつつ、弱シーン対応部の音量を極力大きく設定することができ、楽曲の迫力や抑揚を損なったり、聞こえ難いシーンが存在したりしてしまうことなく、ダイナミックレンジの広い楽曲を遊技機で流すことができる。さらには、音割れを防ぐべく、一定音量を超えた音をコンプレッサーで圧縮したり、リミッターでつぶしたりする必要もなく、楽曲そのもののメロディーを出力することができる。加えて、ノイズを除去し易くなるといった作用効果も奏される。
手段A−4.複数パターンの音声データを複数の前記チャンネルで同時に再生させることで構成される多旋律の音声(多旋律曲)を出力可能に構成され、
多旋律の音声を構成する各旋律の音声データは、これらの各旋律の中で最も先のタイミングで遊技者に可聴な音声として前記スピーカから出力される旋律の音声データの再生開始に合わせて、該再生開始時点からのデータを有し、
所定条件の成立に基づいて、複数の前記チャンネルで多旋律の音声の各旋律に対応する音声データを同時に再生開始させることを特徴とする手段A−1乃至A−3のいずれかに記載の遊技機。
例えば、歌唱と伴奏とがそれぞれ別のチャンネルから出力される場合、歌唱は伴奏よりも後のタイミングでスタートすることから、歌唱の音声データは伴奏の音声データよりも後のタイミングで再生開始してもよいのではあるが、タイミングを計る構成が複雑になったり、それでもうまく合わせられなかったりすることが懸念される。
この点、手段A−4によれば、多旋律の音声(多旋律曲)を構成する各旋律の音声データが同時に再生開始される。このため、多旋律の音声を構成する各旋律のタイミングをばっちりと合わせることができる。また、多旋律の音声を構成する各旋律はそれぞれ独立した音声データを有することから、多旋律の音声を構成する旋律の組合わせを複数用意することで、演出性の向上等を図ることができる。さらに、多旋律の音声を構成する各旋律はそれぞれ別のチャンネルで再生されるため、それぞれの音量変化可能に構成することができる。この場合、所定の旋律の開始を通常よりも遅らせたり、所定の旋律だけを一時的に消したり、再度復帰させたりする等のアレンジを適宜自在(予め決めておかなくてもよい)、かつ、比較的容易に行うことができる。従って、演出の自由度を向上させ、音による演出の多様化を簡単に図ることができる。当然、これらのアレンジを行ったとしても、旋律間のタイミングがずれることはない。このため、旋律の組合わせを変更する場合でも音の繋がりを良くすることができ、心地よい音声の移り変わりを実現させることができる。さらには、これらのアレンジを行った後のような多旋律の音声の音声データを予め複数パターン記憶するような構成に比べ、音声データ記憶手段に記憶される音声データのデータ量を飛躍的に低減させることができる。
尚、多旋律の音声(楽曲)を構成する旋律として、歌唱パートと伴奏パートとがある場合、歌唱パートの音声データは、楽曲の開始(伴奏開始)から歌唱開始までの間に無音であることを示すデータを有していることとすれば、歌唱パートの音声データと、伴奏パートの音声データとを同時に再生開始しても、タイミングをばっちりと合わせることができる。また、多旋律の音声を構成する旋律の数は特に限定されるものではない。例えば、伴奏と、3人のコーラスとから構成され、コーラス3人のうち、遊技者に聞こえる声の人や人数が適宜変化するように構成してもよい。また、多旋律の音声を構成する旋律の数や、多旋律の音声を出力する場合に各旋律の出力に使用されるチャンネルの数は特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。
手段A−5.多旋律の音声を構成する各旋律は少なくとも第1旋律、第2旋律、及び第3旋律があり、
前記第1旋律、前記第2旋律、及び前記第3旋律にそれぞれ対応する音声データが異なる前記チャンネルで同時に再生開始されるパターンにおいて、
前記第1旋律及び前記第2旋律が遊技者に可聴な音量で出力されるとともに、前記第3旋律が遊技者に可聴な音量で出力されていない第1混合状態と、
前記第1旋律及び前記第3旋律の音が遊技者に可聴な音量で出力されるとともに、前記第2旋律が遊技者に可聴な音量で出力されていない第2混合状態とに状態変化可能に構成され、
前記第1混合状態と前記第2混合状態との間を状態変化する際(過渡期)において、前記第1旋律、前記第2旋律、及び前記第3旋律がともに遊技者に可聴な音量で出力される第3混合状態を経由するパターンがあることを特徴とする手段A−4に記載の遊技機。
手段A−5によれば、第1混合状態及び第2混合状態のうち一方から他方へ状態変化する過渡期に、第2旋律及び第3旋律が重複する(だぶる)期間があることで、一方から他方への状態変化を比較的スムースなものとする(耳触りをよくする)ことができる。さらには、第1混合状態及び第2混合状態の一方から他方に移行する間にワンクッションあることで、演出の多様化を図ったり、演出に深みを与えたりすることができる。
尚、「前記第1混合状態から前記第3混合状態を経由して前記第2混合状態に移行する場合には、前記第3混合状態において、前記第2旋律の音量が次第に小さくなり、前記第3旋律の音量が次第に大きくなること」としてもよい。また、「前記第2混合状態から前記第3混合状態を経由して前記第1混合状態に移行する場合には、前記第3混合状態において、前記第3旋律の音量が次第に小さくなり、前記第2旋律の音量が次第に大きくなること」としてもよい。これらの構成を採用する場合、第1混合状態及び第2混合状態のうち一方から他方へ状態変化をよりスムースなものとすることができる。
手段A−6.「前記第2混合状態が導出されること」と、「遊技者にとって有利な状態が付与されること」とが対応付けられ、
前記第1混合状態から前記第3混合状態を経由して前記第2混合状態に移行するパターンと、
前記第1混合状態から前記第3混合状態に移行して前記第1混合状態に戻るパターンとが存在することを特徴とする手段A−5に記載の遊技機。
手段A−6によれば、第1混合状態から第3混合状態に移行することで、遊技者は「第2混合状態に移行するかもしれない」として高揚感を高めることができ、「第1混合状態に戻ってしまわないように」と第3混合状態の行方を手に汗握って堪能することができる。つまり、第1混合状態からいきなり第2混合状態に移行するのではなく、幾分もったいぶらせることで、「もしかして第2混合状態に移行するのではないか」という遊技者にドキドキさせることのできる機会を増やすことができる上、いざ第2混合状態に移行した際に遊技者の人情に作用して「ありがたさ」が増し、充実感の向上を図ることができる。
尚、第1混合状態から第2混合状態へは移行するが第3混合状態が介在しないような構成の場合には、演出の多様化を図るべく、第1混合状態から第2混合状態に一旦移行したがやはり第1混合状態に戻るといったようなパターンを設定してしまうと、多大なる違和感が生じる上、興趣の著しい低下を招くおそれがある。これに対し、第3混合状態を設けることによって、本手段A−6のように、第1混合状態から第2混合状態に移行するかと見せかけて第1混合状態に戻るといった演出を違和感なく実施することができる。
また、第1旋律、第2旋律、及び第3旋律の音量をそれぞれ調節可能であれば、例えば、第2旋律と第3旋律とをだぶらせる(第3混合状態の)タイミングや長さ等を適宜自在に設定することができる。従って、その他のタイミング(表示演出で盛り上がるタイミング等)と合わせることも容易に行うことができる。
尚、当該手段A−6に加えて、又は、代えて、「前記第2混合状態から前記第3混合状態に移行して前記第2混合状態に戻るパターンが存在すること」としてもよい。この場合にも、第2混合状態から第1混合状態に転落してしまうのか、或いは第2混合状態が継続するのかといった演出を堪能することができる。態様例としては、第2混合状態が高入球状態に対応し、高入球状態に対応する時間短縮モード(例えば、変動表示50回分と100回分とがある)及び確変モードのうち時間短縮モードの終了タイミングに第3混合状態として、低入球状態(通常モード)に転落するようであれば第1混合状態に移行させ、転落しないようであれば第2混合状態に移行させるように構成してもよい。
手段A−7.前記第1混合状態から、前記第3混合状態を経由して、前記第2混合状態に状態変化した場合、状態変化前に前記第2旋律の音声データを再生していた前記チャンネルにおいて前記第2旋律の音声データの再生を停止するとともに、当該第2旋律の音声データの再生で使用されなくなったチャンネルを利用して、その他の種類の音声データを、前記第1旋律及び前記第3旋律に対応する音声データと同時に再生可能に構成されていることを特徴とする手段A−5又はA−6に記載の遊技機。
手段A−7によれば、一度に(同時期に)使用されるチャンネルの数を極力低減させる、或いは、複数設けられたチャンネルをフル活用して、効果的な音声を導出することができる。従って、最小限のチャンネルで上手くやりくりすることができ、あまり利用されることのないチャンネルを無駄に増やしてしまうといった事態を回避することができ、費用対効果の向上等を図ることができる。
手段A−8.遊技者が操作可能に構成され、前記チャンネルに入力された音声信号の波形を変更可能な音声調節手段が設けられていることを特徴とする手段A−1乃至A−7のいずれかに記載の遊技機。
手段A−8によれば、遊技機から流れる楽曲(特に版権物など)をより深く堪能することができる。尚、複数のチャンネルに入力された音声信号の波形をそれぞれアレンジ可能に音声調節手段が設けられていることとしてもよい。また、音声調節手段としては、音量の調節を行えることとしてもよいし、音声手段がエフェクタ機能を備える場合には、その調節を行えることとしてもよいし、スピーカが複数ある場合にはスピーカ間の音量バランスの調節を行えることとしてもよいし、これらいずれかの組合わせが行えることとしてもよい。さらに、音声調節手段が設けられる場合、音声調節手段を不正の足掛かりに利用してチャンネル側から制御装置側に信号が送られないように、途中にダイオード等を設置することとしてもよい。加えて、音声調節手段の操作部としては、回動可能又はスライド可能なつまみ、ボタン、センサ、タッチパネル等を採用することが可能である。
手段A−9.遊技者が携帯する携帯通信端末と通信可能な通信部と、
携帯通信端末から前記通信部を介して入力された音声データを記憶する外部データ記憶手段と、
前記外部データ記憶手段に記憶された音声データを解析し、対応する画像を作成する対応画像生成手段とを備え、
前記音声手段は、前記外部データ記憶手段に記憶されている音声データの音声信号を前記スピーカへ出力可能に構成されていることを特徴とする手段A−1乃至A−8のいずれかに記載の遊技機。
手段A−9によれば、遊技者自身が持ち込んだ楽曲と、遊技機の画像とをコラボレーションさせる(例えば、楽曲に合わせて遊技機の登場キャラクタが動いたり、解析が困難な部位には静止画を当て嵌めたりする)ことができ、興趣の向上等を図ることができる。尚、遊技者が持ち込んだ楽曲の再生回数には上限を設けること、より具体的には、1回(再生するためにはその都度入力が必要)とすることが望ましい。また、遊技を行うことなく、かかる機能だけを利用されてしまうことを回避するべく、遊技者が持ち込んだ曲が流れるのは特別遊技状態中としたり、遊技球の発射が所定時間毎に検出されている場合としたりすることが望ましい。
手段A−10.遊技者が利用可能なヘッドフォンを電気的に接続可能な接続端子が設けられ、当該接続端子に対してヘッドフォンの接続が確認されている状態においては、接続が確認されていない状態に比べ、音量の調節の幅が広くなることを特徴とする手段A−8又はA−9に記載の遊技機。
手段A−10によれば、ヘッドフォンを接続すると、接続していない状態よりも音量を大きくしたり小さくしたりすることが可能となる。従って、他の遊技者の迷惑になったり、他の遊技者が遊技している遊技機の音声が気になったりすることを抑制することができ、楽曲をより堪能することができる。
手段A−11.発射装置によって発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を画定する遊技領域構成部の振動を抑制する防音手段と、
前記遊技領域の音を拾うマイクとを備え、
前記マイクで拾われた前記遊技領域の音を前記スピーカから出力可能に構成され、
遊技者が操作可能に設けられ、前記スピーカから出力される前記遊技領域の音の音量を調節可能なマイク音調節操作手段を備えていることを特徴とする手段A−8乃至A−10のいずれかに記載の遊技機。
手段A−11によれば、遊技領域に防音対策が施されることで、スピーカ等から出力される遊技機の楽曲をより堪能することができる。その一方で、防音対策が過ぎてしまうと、遊技機本来の音、すなわち、遊技球が釘等に弾かれたりする音等が聞こえ難くなってしまう場合も考えられる。この点、本手段によれば、遊技領域の音をマイクで拾ってその音をスピーカから出力できるように構成されているため、遊技球の音を楽しみたい遊技者でも遊技を十分に堪能することができる。
尚、遊技を行っている状態において封印されている密閉空間に臨む、或いは、隣接するようにして設置され、前記密閉空間における音を拾うマイクと、前記マイクで拾われた音を出力可能なスピーカとを備えることとしてもよい。前記密閉空間は遊技球が通過する空間であることとしてもよい。また、マイクで拾った音を加工してスピーカから出力させることのできる音声加工手段を備えていることとしてもよい。
手段B−1.複数パターンの音声データを予め記憶している音声データ記憶手段と、
音声データを音声信号に変換可能に構成されるとともに、複数の音声信号を同時に出力可能な音声手段と、
前記音声信号を音声に変えるスピーカとを備え、
前記音声手段は、
音声信号を入力可能な複数のチャンネルと、音声信号を増幅する増幅器とを備え、
前記複数のチャンネルに入力された音声信号を合わせて前記スピーカへ出力可能に構成されるとともに、
複数パターンの音声データを複数の前記チャンネルで同時に再生させることで構成される多旋律の音声(多旋律曲)を出力可能に構成され、
多旋律の音声を構成する各旋律の音声データは、これらの各旋律の中で最も先のタイミングで遊技者に可聴な音声として前記スピーカから出力される旋律の音声データの再生開始に合わせて、該再生開始時点からのデータを有し、
所定条件の成立に基づいて、複数の前記チャンネルで多旋律の音声の各旋律に対応する音声データを同時に再生開始させることを特徴とする遊技機。
例えば、歌唱と伴奏とがそれぞれ別のチャンネルから出力される場合、歌唱は伴奏よりも後のタイミングでスタートすることから、歌唱の音声データは伴奏の音声データよりも後のタイミングで再生開始してもよいのではあるが、タイミングを計る構成が複雑になったり、それでもうまく合わせられなかったりすることが懸念される。
この点、手段B−1によれば、多旋律の音声(多旋律曲)を構成する各旋律の音声データが同時に再生開始される。このため、多旋律の音声を構成する各旋律のタイミングをばっちりと合わせることができる。また、多旋律の音声を構成する各旋律はそれぞれ独立した音声データを有することから、多旋律の音声を構成する旋律の組合わせを複数用意することで、演出性の向上等を図ることができる。さらに、多旋律の音声を構成する各旋律はそれぞれ別のチャンネルで再生されるため、それぞれの音量変化可能に構成することができる。この場合、所定の旋律の開始を通常よりも遅らせたり、所定の旋律だけを一時的に消したり、再度復帰させたりする等のアレンジを適宜自在(予め決めておかなくてもよい)、かつ、比較的容易に行うことができる。従って、演出の自由度を向上させ、音による演出の多様化を簡単に図ることができる。当然、これらのアレンジを行ったとしても、旋律間のタイミングがずれることはない。このため、旋律の組合わせを変更する場合でも音の繋がりを良くすることができ、心地よい音声の移り変わりを実現させることができる。さらには、これらのアレンジを行った後のような多旋律の音声の音声データを予め複数パターン記憶するような構成に比べ、音声データ記憶手段に記憶される音声データのデータ量を飛躍的に低減させることができる。
尚、多旋律の音声(楽曲)を構成する旋律として、歌唱パートと伴奏パートとがある場合、歌唱パートの音声データは、楽曲の開始(伴奏開始)から歌唱開始までの間に無音であることを示すデータを有していることとすれば、歌唱パートの音声データと、伴奏パートの音声データとを同時に再生開始しても、タイミングをばっちりと合わせることができる。また、多旋律の音声を構成する旋律の数は特に限定されるものではない。例えば、伴奏と、3人のコーラスとから構成され、コーラス3人のうち、遊技者に聞こえる声の人や人数が適宜変化するように構成してもよい。
尚、複数のチャンネルに同時に入力されて合わされた音声信号(ミキシングされた音声信号)の音量を調節可能なマスタ音量調節手段を備えていることとしてもよい。また、多旋律の音声を構成する旋律の数や、多旋律の音声を出力する場合に各旋律の出力に使用されるチャンネルの数は特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。
手段B−2.多旋律の音声を構成する各旋律は少なくとも第1旋律、第2旋律、及び第3旋律があり、
前記第1旋律、前記第2旋律、及び前記第3旋律にそれぞれ対応する音声データが異なる前記チャンネルで同時に再生開始されるパターンにおいて、
前記第1旋律及び前記第2旋律が遊技者に可聴な音量で出力されるとともに、前記第3旋律が遊技者に可聴な音量で出力されていない第1混合状態と、
前記第1旋律及び前記第3旋律の音が遊技者に可聴な音量で出力されるとともに、前記第2旋律が遊技者に可聴な音量で出力されていない第2混合状態とに状態変化可能に構成され、
前記第1混合状態と前記第2混合状態との間を状態変化する際(過渡期)において、前記第1旋律、前記第2旋律、及び前記第3旋律がともに遊技者に可聴な音量で出力される第3混合状態を経由するパターンがあることを特徴とする手段B−1に記載の遊技機。
手段B−2によれば、第1混合状態及び第2混合状態のうち一方から他方へ状態変化する過渡期に、第2旋律及び第3旋律が重複する(だぶる)期間があることで、一方から他方への状態変化を比較的スムースなものとする(耳触りをよくする)ことができる。さらには、第1混合状態及び第2混合状態の一方から他方に移行する間にワンクッションあることで、演出の多様化を図ったり、演出に深みを与えたりすることができる。
尚、「前記第1混合状態から前記第3混合状態を経由して前記第2混合状態に移行する場合には、前記第3混合状態において、前記第2旋律の音量が次第に小さくなり、前記第3旋律の音量が次第に大きくなること」としてもよい。また、「前記第2混合状態から前記第3混合状態を経由して前記第1混合状態に移行する場合には、前記第3混合状態において、前記第3旋律の音量が次第に小さくなり、前記第2旋律の音量が次第に大きくなること」としてもよい。これらの構成を採用する場合、第1混合状態及び第2混合状態のうち一方から他方へ状態変化をよりスムースなものとすることができる。
手段B−3.「前記第2混合状態が導出されること」と、「遊技者にとって有利な状態が付与されること」とが対応付けられ、
前記第1混合状態から前記第3混合状態を経由して前記第2混合状態に移行するパターンと、
前記第1混合状態から前記第3混合状態に移行して前記第1混合状態に戻るパターンとが存在することを特徴とする手段B−2に記載の遊技機。
手段B−3によれば、第1混合状態から第3混合状態に移行することで、遊技者は「第2混合状態に移行するかもしれない」として高揚感を高めることができ、「第1混合状態に戻ってしまわないように」と第3混合状態の行方を手に汗握って堪能することができる。つまり、第1混合状態からいきなり第2混合状態に移行するのではなく、幾分もったいぶらせることで、「もしかして第2混合状態に移行するのではないか」という遊技者にドキドキさせることのできる機会を増やすことができる上、いざ第2混合状態に移行した際に遊技者の人情に作用して「ありがたさ」が増し、充実感の向上を図ることができる。
尚、第1混合状態から第2混合状態へは移行するが第3混合状態が介在しないような構成の場合には、演出の多様化を図るべく、第1混合状態から第2混合状態に一旦移行したがやはり第1混合状態に戻るといったようなパターンを設定してしまうと、多大なる違和感が生じる上、興趣の著しい低下を招くおそれがある。これに対し、第3混合状態を設けることによって、本手段B−3のように、第1混合状態から第2混合状態に移行するかと見せかけて第1混合状態に戻るといった演出を違和感なく実施することができる。
また、第1旋律、第2旋律、及び第3旋律の音量をそれぞれ調節可能であれば、例えば、第2旋律と第3旋律とをだぶらせる(第3混合状態の)タイミングや長さ等を適宜自在に設定することができる。従って、その他のタイミング(表示演出で盛り上がるタイミング等)と合わせることも容易に行うことができる。
尚、当該手段B−3に加えて、又は、代えて、「前記第2混合状態から前記第3混合状態に移行して前記第2混合状態に戻るパターンが存在すること」としてもよい。この場合にも、第2混合状態から第1混合状態に転落してしまうのか、或いは第2混合状態が継続するのかといった演出を堪能することができる。態様例としては、第2混合状態が高入球状態に対応し、高入球状態に対応する時間短縮モード(例えば、変動表示50回分と100回分とがある)及び確変モードのうち時間短縮モードの終了タイミングに第3混合状態として、低入球状態(通常モード)に転落するようであれば第1混合状態に移行させ、転落しないようであれば第2混合状態に移行させるように構成してもよい。
手段B−4.前記第1混合状態から、前記第3混合状態を経由して、前記第2混合状態に状態変化した場合、状態変化前に前記第2旋律の音声データを再生していた前記チャンネルにおいて前記第2旋律の音声データの再生を停止するとともに、当該第2旋律の音声データの再生で使用されなくなったチャンネルを利用して、その他の種類の音声データを、前記第1旋律及び前記第3旋律に対応する音声データと同時に再生可能に構成されていることを特徴とする手段B−2又はB−3に記載の遊技機。
手段B−4によれば、一度に(同時期に)使用されるチャンネルの数を極力低減させる、或いは、複数設けられたチャンネルをフル活用して、効果的な音声を導出することができる。従って、最小限のチャンネルで上手くやりくりすることができ、あまり利用されることのないチャンネルを無駄に増やしてしまうといった事態を回避することができ、費用対効果の向上等を図ることができる。
手段B−5.所定条件の成立に基づいて、複数の前記チャンネルで同じ音声データを同時に再生開始させることを特徴とする手段B−1乃至B−4のいずれかに記載の遊技機。
手段B−5のように、複数のチャンネルで同じ音声データを同時に再生開始させることで、音声手段において同じ波形の音声信号が共鳴することとなり、結果的に当該音声信号に対応する音声の音量が大きくなる。特に、各チャンネルに対応して音割れ(クリッピング)が発生しないように音量を制限しつつ、このように音声信号を共鳴させることで、単に音声信号を増幅器で増幅させた場合には音割れが生じてしまうような比較的大きな音量の音声をスピーカから出力する場合であっても、音割れの発生を回避することができる。従って、音割れを回避しつつ、音声をより大きな音量で出力することができる。
また、元々、音声データを音量が大きくなるような格好で記憶しておけば、該音声データの音声信号を増幅器で所望の音量となるまで増幅させた場合のノイズを抑制する(ノイズを耳につき難くする)こともできるが、かかる音声データに対応する音声を小音量で出力させたい場合には、別途、音量が小さいパターンの音声データをも記憶しておく必要がある。これに対し、本手段によれば、音量が小さいパターンの音声データの音声信号を増幅器で所望とする音量まで大きく増幅させなくても、音声信号を共鳴させて所望とする音量まで大きくすることができる。このため、増幅器で音声信号を比較的大きく増幅させることに起因して比較的大きなノイズが発生してしまうといった事態を抑制しつつ、音声の音量を大きくすることができる。従って、音量が小さいパターンの音声データだけを記憶しておけばよく、音声データや、これを選択させる選択テーブルに使用される記憶容量を抑制することができる。
尚、同じ音声データを同時に再生開始するチャンネルの数や、チャンネルの総数は特に限定されるものではなく、例えば、2つのチャンネルで同じ音声データを同時再生する場合と、3つのチャンネルで同じ音声データを同時再生する場合と、4つのチャンネルで同じ音声データを同時再生する場合とがあるように構成してもよい。
手段B−6.前記音声手段は、前記各チャンネルに入力された音声信号の音量をそれぞれ調節可能なチャンネル音量調節手段を備えていることを特徴とする手段B−5に記載の遊技機。
手段B−6によれば、より細かな音量調整を行うことができたり、各チャンネルに入力された音声信号の音量をミュートにする機能を有することで、複数のチャンネルで同時に再生開始させた音声データの再生を止めることなく、音声信号を共鳴させるチャンネルの数を変更して(例えば、音声信号を共鳴させる場合と共鳴させない場合との切替えを行い)、簡単な制御で音量の大幅な変化を瞬時に行うことができたりする。このため、音量をより自在に変化させることができ、演出性等を高めることができる。
また、例えば、所定の音声を出力する場合、対応する音声データの再生開始時は、チャンネル1つ分の音量だけで出力するのに対し、再生されてから所定時間経過すると、チャンネル2つ分の共鳴した大きな音量を出力するような場合であっても、上記手段B−5のように、同一の音声データを複数のチャンネルで同時に再生開始させることで、複数のチャンネルから出力される同一の音声データの音声信号をずらすことなく一致させることができる。従って、音声信号を共鳴させて音量を大きくするといった作用効果がより一層確実に奏される。さらに、音声信号の共鳴を一旦止めた後、再度共鳴させたとしても音声信号のずれを回避することができたり、音量を変化させるタイミングを自由に設定したりすることもでき、演出パターンの多様化等をより一層図ることができる。また、例えば、所定の音声を出力する場合に、途中で、音量が小さいパターンの音声データから、音量が大きいパターンの音声データへと切替えることで、音量の大幅な変化を実現するような場合に比べ、音量が大幅に変化する際の音声の流れをスムースにしたり(無音の状態が発生する等して楽曲が途切れること等を回避したり)、制御の簡素化を図ったりすることができる。
手段B−7.前記音声データ記憶手段に記憶されている音声データには、ダイナミックレンジの広い楽曲の音声データであって、複数の前記チャンネルで同時に再生開始されることとなる広レンジ音声データがあり、
前記広レンジ音声データは、前記楽曲のうち比較的音量の大きなシーンに対応する強シーン対応部と、前記楽曲のうち比較的音量の小さなシーンに対応する弱シーン対応部とに分けられ、
前記強シーン対応部では、前記弱シーン対応部よりも、遊技者に可聴な音量で音声データが再生されるチャンネルの数が多くなることを特徴とする手段B−5又はB−6に記載の遊技機。
ダイナミックレンジの広い(音の強弱がはっきりとした)楽曲の音声データを再生する場合に、音量の大きなシーン(例えば、楽曲の「サビ」の部分)において音割れが起きないように全体的に音量を抑えて楽曲を出力する場合には、音量の小さなシーンにおいて音量が小さくなり過ぎてしまうおそれがある。かといって、音量の小さなシーンに合わせて楽曲を出力する場合には、音量の大きなシーンにおいて音割れが起きてしまう。また、音量の大小の差を小さくすることも考えられるが、迫力が薄れたり、抑揚がつけられなかったりして、音声による演出効果が上手く奏されないおそれがある。
この点、手段B−7によれば、広レンジ音声データのうち、音量の大きなシーンにおいては、音声出力を行う(音声信号を共鳴させる)チャンネルの数を増やすことで音量を大きくしている。このため、強シーン対応部のデータ自体としては、楽曲として所望とする音量(実際に遊技者に聞こえる音量)よりも小さく、音割れが起きないレベルに設定しておくことができる。従って、強シーン対応部での音割れを防止しつつ、弱シーン対応部の音量を極力大きく設定することができ、楽曲の迫力や抑揚を損なったり、聞こえ難いシーンが存在したりしてしまうことなく、ダイナミックレンジの広い楽曲を遊技機で流すことができる。さらには、音割れを防ぐべく、一定音量を超えた音をコンプレッサーで圧縮したり、リミッターでつぶしたりする必要もなく、楽曲そのもののメロディーを出力することができる。加えて、ノイズを除去し易くなるといった作用効果も奏される。
手段B−8.遊技者が操作可能に構成され、前記チャンネルに入力された音声信号の波形を変更可能な音声調節手段が設けられていることを特徴とする手段B−1乃至B−7のいずれかに記載の遊技機。
手段B−8によれば、遊技機から流れる楽曲(特に版権物など)をより深く堪能することができる。尚、複数のチャンネルに入力された音声信号の波形をそれぞれアレンジ可能に音声調節手段が設けられていることとしてもよい。また、音声調節手段としては、音量の調節を行えることとしてもよいし、音声手段がエフェクタ機能を備える場合には、その調節を行えることとしてもよいし、スピーカが複数ある場合にはスピーカ間の音量バランスの調節を行えることとしてもよいし、これらいずれかの組合わせが行えることとしてもよい。さらに、音声調節手段が設けられる場合、音声調節手段を不正の足掛かりに利用してチャンネル側から制御装置側に信号が送られないように、途中にダイオード等を設置することとしてもよい。加えて、音声調節手段の操作部としては、回動可能又はスライド可能なつまみ、ボタン、センサ、タッチパネル等を採用することが可能である。
手段B−9.遊技者が携帯する携帯通信端末と通信可能な通信部と、
携帯通信端末から前記通信部を介して入力された音声データを記憶する外部データ記憶手段と、
前記外部データ記憶手段に記憶された音声データを解析し、対応する画像を作成する対応画像生成手段とを備え、
前記音声手段は、前記外部データ記憶手段に記憶されている音声データの音声信号を前記スピーカへ出力可能に構成されていることを特徴とする手段B−1乃至B−8のいずれかに記載の遊技機。
手段B−9によれば、遊技者自身が持ち込んだ楽曲と、遊技機の画像とをコラボレーションさせる(例えば、楽曲に合わせて遊技機の登場キャラクタが動いたり、解析が困難な部位には静止画を当て嵌めたりする)ことができ、興趣の向上等を図ることができる。尚、遊技者が持ち込んだ楽曲の再生回数には上限を設けること、より具体的には、1回(再生するためにはその都度入力が必要)とすることが望ましい。また、遊技を行うことなく、かかる機能だけを利用されてしまうことを回避するべく、遊技者が持ち込んだ曲が流れるのは特別遊技状態中としたり、遊技球の発射が所定時間毎に検出されている場合としたりすることが望ましい。
手段B−10.遊技者が利用可能なヘッドフォンを電気的に接続可能な接続端子が設けられ、当該接続端子に対してヘッドフォンの接続が確認されている状態においては、接続が確認されていない状態に比べ、音量の調節の幅が広くなることを特徴とする手段B−8又はB−9に記載の遊技機。
手段B−10によれば、ヘッドフォンを接続すると、接続していない状態よりも音量を大きくしたり小さくしたりすることが可能となる。従って、他の遊技者の迷惑になったり、他の遊技者が遊技している遊技機の音声が気になったりすることを抑制することができ、楽曲をより堪能することができる。
手段B−11.発射装置によって発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を画定する遊技領域構成部の振動を抑制する防音手段と、
前記遊技領域の音を拾うマイクとを備え、
前記マイクで拾われた前記遊技領域の音を前記スピーカから出力可能に構成され、
遊技者が操作可能に設けられ、前記スピーカから出力される前記遊技領域の音の音量を調節可能なマイク音調節操作手段を備えていることを特徴とする手段B−8乃至B−10のいずれかに記載の遊技機。
手段B−11によれば、遊技領域に防音対策が施されることで、スピーカ等から出力される遊技機の楽曲をより堪能することができる。その一方で、防音対策が過ぎてしまうと、遊技機本来の音、すなわち、遊技球が釘等に弾かれたりする音等が聞こえ難くなってしまう場合も考えられる。この点、本手段によれば、遊技領域の音をマイクで拾ってその音をスピーカから出力できるように構成されているため、遊技球の音を楽しみたい遊技者でも遊技を十分に堪能することができる。
尚、遊技を行っている状態において封印されている密閉空間に臨む、或いは、隣接するようにして設置され、前記密閉空間における音を拾うマイクと、前記マイクで拾われた音を出力可能なスピーカとを備えることとしてもよい。前記密閉空間は遊技球が通過する空間であることとしてもよい。また、マイクで拾った音を加工してスピーカから出力させることのできる音声加工手段を備えていることとしてもよい。
手段C−1.遊技球を遊技媒体として遊技が行われる遊技機において、
遊技球の移動する音をスピーカから出力可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
手段C−1によれば、例えば、所定の空間を移動する遊技球の音が遊技者に直接聞こえ難いような構成であっても、スピーカから遊技球の移動音を出力することで、所定の空間を移動する遊技球が移動していることを明示することができる。従って、遊技球の移動する音が聞こえ難いことで、遊技に際しての満足感等が低下してしまうといった事態を防止することができる。
手段C−2.遊技球が通過可能に構成されるとともに、少なくとも遊技を行っている状態においては遊技球のみが進入及び外出することのできる密閉空間を備えるとともに、
前記密閉空間で発生する音を拾うことのできるマイクを備え、
前記マイクで拾われた音が前記スピーカから出力されることを特徴とする手段C−1に記載の遊技機。
手段C−2によれば、密閉空間で発生した音が遊技者に聞こえ難い場合でも、かかる音をマイクで拾ってスピーカから出力することで、比較的はっきりと聞き取れるようにすることができる。このため、例えば、所定の構成が追加されることに起因して、密閉空間で発生した音が聞こえ難くなったり、新たに密閉空間が形成されたりした場合においても、密閉空間の音を聞こえるようにしたいというニーズに応えることができる。従って、遊技者は、密閉空間で発生する音から得られる情報をより確実に得ることができる。さらに、密閉空間で発生する音を好む遊技者にとっても納得のいく遊技機を提供することができる。
手段C−3.前記マイクで拾った音を加工して前記スピーカから出力させることのできる音声加工手段を備えていることを特徴とする手段C−2に記載の遊技機。
手段C−3によれば、マイクで拾った音の調整を行うことができ、耳障りなまでに大きな音や異音をスピーカから出力してしまうといった事態を防止することができる。尚、音声加工手段は、マイクで拾った音を音声信号に変換する手段と、リミッター又はコンプレッサーとを備えていることとしてもよい。
手段C−4.前記密閉空間は、発射装置によって発射された遊技球が案内される遊技領域であり、前記マイクは前記遊技領域の音を拾って前記スピーカから出力することを特徴とする手段C−2又はC−3に記載の遊技機。
手段C−4によれば、例えば、遊技領域を画定する遊技領域構成部の振動を抑制する防音手段を設けたり、遊技領域構成部自体の構成(材料や厚みや配置等)が変化したりすることによって、遊技領域において発生する音が聞こえ難くなったとしても、マイク及びスピーカを利用することによってそれを補うことができる。このため、遊技領域において遊技球が遊技釘に弾かれる音等の情緒を楽しみたい遊技者にとっても、十分に遊技を堪能することができる。また、遊技領域から目を離しても(目をつぶったり、誰かと会話をしたりしていても)、遊技領域から遊技球が弾かれる音を耳にすることで、遊技球が正確に発射されているかを把握することができる。
手段C−5.発射装置によって発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域に設置されるとともに、前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な入賞手段(可変入賞装置や一般入賞口等)と、
前記入賞手段に遊技球が入球した場合に所定数の遊技球を払い出す払出手段(払出制御装置や払出モータ等の払出し機構)と、
前記払出手段によって払い出された遊技球が供給される球受皿(上皿等)とを備え、
前記球受皿は、前記払出手段によって払い出された遊技球を貯留する貯留空間の上方を閉塞する透明または半透明の蓋を備え、
前記密閉空間は、前記球受皿の前記貯留空間であることを特徴とする手段C−2乃至C−4のいずれかに記載の遊技機。
手段C−5によれば、球受皿に蓋が設けられることによって球受皿に遊技球が供給された音が聞こえ難くなったとしても、マイク及びスピーカを利用することによってそれを補うことができる。このため、球受皿に遊技球が供給されたことをより確実に把握することができ、例えば、既に遊技球が供給されているのにもかかわらず、されていないと勘違いして、供給ボタン等を押してしまうことを抑止することができる。さらには、遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当たり状態)等において、払い出される遊技球の音がしないこと(獲得した遊技球の数が増加している実感がわかないこと)に起因して、満足感が減ってしまう、ひいては、興趣の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。
手段C−6.前記マイクは、前記密閉空間に対し、遊技球が進入できない大きさの孔部を有する壁を隔てて設けられていることを特徴とする手段C−2乃至C−5のいずれかに記載の遊技機。
手段C−6によれば、マイクの保護を図ることができる。さらに、遊技球がマイクにぶつかった比較的大きな音を拾ってしまうといった事態を回避することができる。
手段C−7.遊技者が操作可能に設けられ、前記マイクで拾われて前記スピーカから出力される前記密閉空間の音の音量を調節可能なマイク音調節操作手段を備えていることを特徴とする手段C−2乃至C−6のいずれかに記載の遊技機。
手段C−7によれば、遊技者の好みに応じてスピーカから出力される密閉空間の音の音量を調節することが可能となり、快適に遊技を行うことができる。例えば、密閉空間で発生する音が嫌いな遊技者や、遊技機の音声(楽曲)等を堪能したい遊技者は、密閉空間の音の音量を下げることができる。
手段C−8.前記スピーカは、少なくとも前記密閉空間の近傍位置に設けられ、前記マイクで拾われた前記密閉空間の音は、前記密閉空間の近傍位置に設けられた前記スピーカから出力されることを特徴とする手段C−2乃至C−7のいずれかに記載の遊技機。
手段C−8によれば、音の発生源(密閉空間)と、音の出力場所(スピーカ)とが近くなることから、違和感なくマイクで拾った音を密閉空間で発生した音としてスムースに受け入れることができる。
手段C−9.遊技者に払い出すことのできる遊技球の数を記憶するクレジット記憶手段を備え、
遊技者が携帯可能な記憶媒体との間で、前記クレジット記憶手段に記憶されている遊技球の数を示すデータをやり取り可能な構成であって、
前記クレジット記憶手段に記憶されている遊技球の数のデータを前記記憶媒体に移す際に、予め録音されている遊技球の移動する音が前記スピーカから出力されることを特徴とする手段C−1乃至C−8のいずれかに記載の遊技機。
手段C−9によれば、遊技球のやりとりがデジタルなものとなっても、アナログな部分を少しでも再現することで、アナログの場合に味わえた獲得した遊技球を箱(所謂ドル箱)に移すときのような満足感や達成感を再現することができる。
手段C−10.遊技者に払い出すことのできる遊技球の数を記憶するクレジット記憶手段を備え、
遊技者が携帯可能な記憶媒体との間で、前記クレジット記憶手段に記憶されている遊技球の数を示すデータをやり取り可能な構成であって、
所定条件の成立に基づいて所定数の遊技球が払い出される球受皿を備え、
前記球受皿は、遊技球を貯留可能な貯留部と、遊技者の操作に応じて、前記貯留部に貯留されている遊技球を遊技機の背面側に排出させることのできる球抜き操作手段と、
前記球抜き操作手段によって遊技機の背面側に排出される遊技球を検知する検知手段と、
当該検知手段による検知をカウントするカウンタとを備え、
前記球抜き操作手段の操作を行うことで、前記クレジット記憶手段に記憶されている遊技球の数のデータを前記記憶媒体に移すことができるとともに、前記クレジット記憶手段に記憶されている遊技球の数のデータを前記記憶媒体に移す際に、前記貯留部に対応して設けられている前記マイクで拾われた音が前記スピーカから出力されることを特徴とする手段C−1乃至C−8のいずれかに記載の遊技機。
手段C−10によれば、基本的に手段C−9と同様にして、遊技球のやりとりがデジタルなものとなっても、アナログな部分を少しでも再現することで、アナログの場合に味わえた獲得した遊技球を箱(所謂ドル箱)に移すときのような満足感や達成感を再現することができる。また、本手段では、クレジットデータを記憶媒体に移す際にスピーカから出力される遊技球の移動音の音源が、予め録音されたものではなく、球受皿において移動している遊技球の音をマイクで拾ったものとなる。これにより、クレジットデータを移す際に流れる遊技球の移動音をよりリアルなものにすることができる。
手段D−1.所定領域に発生する音を拾うマイクと、
前記マイクで拾われた音を出力可能なスピーカとを備えていることを特徴とする遊技機。
パチンコ機では、スピーカから出力される音声以外にも様々な音が発生する。しかしながら、パチンコ機の開発を行っていく上で、所定の構成が追加されることに起因して、所定の領域で発生した音が聞こえ難くなる場合がある。この場合、遊技ホール全体としての騒音が抑制される一方で、前記所定の領域で発生する音から得られる情報を得難くなったり、かかる領域で発生する音を好む遊技者にとって興趣の低下を招いたりすることが懸念される。
この点、手段D−1によれば、所定領域で発生した音をマイクで拾ってスピーカから出力することができる。このように、所定領域で発生した音を一度音声信号として取り込むことで、かかる音をそのままではなく加工した形で出力したり、かかる音を別の演出態様(別の音声態様や表示態様等)と絡めた演出を行ったりすることができる。従って、演出態様の多様化等を図ることができる。また、所定領域において発生する音が遊技者に直接聞こえ難いような構成においては、かかる音をスピーカを介して遊技者により確実に聞こえるように出力することができる。つまり、意図的であるか否かは別にして、所定領域で発生する音が遊技者に聞え難くなるような構成を遊技機に付加する場合においては、所定領域で発生する音を聞こえ難いままの状態にすることは勿論のこと、聞こえ難くなった分を補った音量にしたり、それ以上の音量にしたりすることができる。従って、状況に応じて、所定領域で発生する音を適宜調節して出力することができ、結果として、音環境の向上(遊技を行っている遊技機の音声が聴き取り易くなったり、遊技ホール全体の騒音が低減されて遊技者やホールスタッフの耳への悪影響を低減させたりする)を図ることができる。
尚、遊技機では、遊技球やメダル等の遊技価値が払い出される際の音や、パチンコ機では、遊技領域を遊技球が流下する際に、遊技球が遊技領域に配設されている各種役物や遊技釘に弾かれたり、遊技領域の前側を画定する透明な板状体に衝突したりした場合の衝突音や、遊技球を発射する発射装置の音等が発生する。これらの音は決して小さいものではなく、かかる音に負けないように、演出等に伴うスピーカからの音声もそれなりに大きな音量で出力されている。これによって、遊技ホール全体の騒音が大きくなり、遊技者や従業員の耳に悪影響を与えかねない状況となっている。また、周りの音がうるさくて、遊技している遊技機の音声が上手く聞き取れないといった状況を招くことも懸念される。
これに対し、上記した遊技価値の払出音等の音量低減を図ることにより、スピーカからの音声がより聞こえ易くなり、スピーカの音量を下げても十分に聞こえるようにすることができる。これによって、遊技ホール全体の騒音を小さくすることができ、遊技者や従業員の耳への悪影響を低減させることができる。さらに、本手段1のマイクを、上記した遊技価値の払出音等が拾えるような位置に設置することで、状況に応じてマイクで拾った音の音量を効果的に上げ下げして出力することができる。従って、上記のような払出音のような音の音量が単に小さくなっただけの場合のように迫力が低減したり、音から得られる筈の情報が得られなくなってしまったりすることを回避することができる
手段D−2.複数パターンの音声データを予め記憶している音声データ記憶手段と、
音声データを音声信号に変換可能に構成されるとともに、複数の音声信号を同時に出力可能な音声手段と、
前記音声信号を音声に変えるスピーカとを備え、
前記音声手段は、
音声信号を入力可能な複数のチャンネルを備え、
前記複数のチャンネルに入力された音声信号を合わせて前記スピーカへ出力可能に構成されるとともに、
前記各チャンネルに入力された音声信号の音量をそれぞれ調節可能なチャンネル音量調節手段と、
前記マイクで拾われた音を所定のチャンネルで出力する場合に参照され、別のチャンネルで出力される音声のパターン、又は/及び、各種遊技状態と、前記マイクで拾われた音の音量との対応関係を記憶するマイク音量調節テーブルとを備えていることを特徴とする手段D−1に記載の遊技機。
手段D−2によれば、各種状況に応じて、マイクで拾われた音の音量(マイク音量)の調節を簡潔かつスムースに行うことができ、マイク音量を設定する処理を的確、かつ、迅速に実行することができる。さらに、音声データ記憶手段に記憶されている音声データと、マイクで拾われた音(マイク音)とを別々のチャンネルで同時に再生することができ、その上、それぞれの音量を調節可能に構成されている。従って、音声の態様をより自在に変化させることができ、演出の自由度を向上させ、音による演出の多様化を簡単に図ることができる。
手段D−3.前記マイクで拾われた音は、その音声信号が、前記マイクで拾われた音以外の音声データの出力にも使用される前記チャンネルに入力されることによって前記スピーカから出力されることを特徴とする手段D−2に記載の遊技機。
手段D−3によれば、チャンネルは複数設けられているものの、マイクで拾われた音(マイク音)専用のチャンネルは設けられていない。このため、一度に(同時期に)使用されるチャンネルの数を極力少なくする、或いは、複数のチャンネルを最大限活用して多彩な音声態様を導出することができる。従って、最小限のチャンネルで上手くやりくりして、あまり利用されることのないチャンネルを無駄に増やしてしまうといった事態を回避することができ、構成の簡素化(費用対効果の向上等)を図りつつ、音声を使った演出の多様化等を図ることができる。
手段D−4.前記チャンネルに入力された音声信号の波形を変更可能な音声加工手段が設けられていることを特徴とする手段D−2又はD−3に記載の遊技機。
手段D−4によれば、マイクで拾われた音を適宜加工することができ、マイクで拾われた音が騒音になってしまうことを抑止したり、マイクで拾われた音を演出に利用したりすることができる。例えば、コンプレッサーやリミッターを設けた場合には、マイクで拾われた音が大き過ぎた場合に、一定音量を超えた音をコンプレッサーで圧縮したり、リミッターでつぶしたりして音割れ等を防ぐことができ、スピーカから大きくて耳障りな音が出力されてしまうといった事態を回避することができる。さらに、例えば、マイクで拾われた音の音質(音色、残響の程度等)を変化させることのできるエフェクタなどを設ける場合には、マイクで拾われた音の音質を変化させて状態示唆演出等を行ったり、或いは、その他の演出(音声データに基づく音声や、表示手段で行われる表示等)と合わせた(コラボレーションさせた)演出を行うことができる。これらのような構成を採用することで、不快な音の発生を防止しつつ、より多様な音声を導出することができる。
手段D−5.遊技者が操作可能に設けられ、前記マイクで拾われた音の音量を調節可能なマイク音調節操作手段を備えていることを特徴とする手段D−1乃至D−4のいずれかに記載の遊技機。
手段D−5によれば、遊技者の好みに応じてマイク音量を調節することが可能となり、快適に遊技を行うことができる。例えば、マイク音が嫌いな遊技者や、遊技機の音声(楽曲)等を堪能したい遊技者は、マイク音量を下げることができる。尚、マイク音調節操作手段が設けられる場合、マイク音調節操作手段を不正の足掛かりに利用してチャンネル側から制御装置側に信号が送られないように、途中にダイオード等を設置することとしてもよい。加えて、マイク音調節操作手段の操作部としては、回動可能又はスライド可能なつまみ、ボタン、センサ、タッチパネル等を採用することが可能である。
手段D−6.遊技盤の前方において形成され、発射装置によって発射された遊技球が案内される遊技領域を備え、
前記マイクは、前記遊技領域の音を拾うことができる位置(前記遊技領域に臨む、或いは、隣接する位置)に設けられていることを特徴とする手段D−1乃至D−5のいずれかに記載の遊技機。
例えば、遊技領域を画定する遊技領域構成部の振動を抑制する手段が設けられたり、遊技領域構成部自体の構成(材料や厚みや配置等)が変化したりすることによって、結果的に、遊技領域に防音対策が施される場合、スピーカ等から出力される遊技機の楽曲をより堪能することができる一方で、防音対策が過ぎてしまうと、遊技機本来の音、すなわち、遊技球が釘等に弾かれたりする音等が聞こえ難くなってしまう場合も考えられる。
この点、本手段D−6によれば、遊技領域の音をマイクで拾ってその音をスピーカから出力できるように構成されているため、遊技球の音を楽しみたい遊技者でも遊技を十分に堪能することができる。また、遊技領域から目を離しても(目をつぶったり、誰かと会話をしたりしていても)、遊技球が遊技領域を流下する音等を耳にすることで、遊技球が正常に行われていることを把握することができる。
尚、前記遊技領域を画定する遊技領域構成部の振動を抑制する防音手段を備えることとしてもよい。また、前記マイクは、前記密閉空間に対し、遊技球が進入できない大きさの孔部を有する壁を隔てて設けられていることとしてもよい。この場合、マイクの保護を図ることができる。さらに、遊技球がマイクにぶつかった比較的大きな音を拾ってしまうといった事態を回避することができる。加えて、遊技領域を移動する遊技球が入球困難又は不可能な閉状態と、前記遊技球が入球容易な開状態とに状態変化する可変入賞手段を備え、前記可変入賞手段が開状態とされる特別遊技状態においては、特別遊技状態以外の通常遊技状態においてよりも、前記マイクで拾われた遊技領域の音の音量が小さく又は消音されるように構成されていることとしてもよい。
手段D−7.遊技盤の前方において形成され、発射装置によって発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域に設置されるとともに、前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な入賞手段(可変入賞装置や一般入賞口等)と、
前記入賞手段に遊技球が入球した場合に所定数の遊技球を払い出す払出手段(払出制御装置や払出モータ等の払出し機構)と、
前記払出手段によって払い出された遊技球が供給される球受皿(上皿等)と、
前記入賞手段への遊技球の入球に応じて払い出される遊技球のうち未払いの遊技球の数を記憶するクレジット記憶手段とを備え、
前記球受皿は、前記払出手段によって払い出された遊技球を貯留する貯留部の上方を閉塞する透明または半透明の蓋を備え、
前記マイクは、前記球受皿の前記貯留部の音を拾うことができる位置(前記貯留部に臨む、或いは、隣接する位置)に設けられていることを特徴とする手段D−1乃至D−6のいずれかに記載の遊技機。
手段D−7によれば、球受皿に蓋が設けられることによって球受皿に遊技球が供給された音が聞こえ難くなったとしても、マイク及びスピーカを利用することによってそれを補うことができる。このため、遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当たり状態)等において、払い出される遊技球の音がしないこと(獲得した遊技球の数が増加している実感がわかないこと)に起因して、満足感が減ってしまう、ひいては、興趣の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。さらに、球受皿に遊技球が供給されたことをより確実に把握することができることから、例えば、入賞手段に遊技球が入球した場合だけではなく、遊技を開始させるにあたって遊技球を借り受ける際にも球受皿に遊技球が供給される構成において、既に遊技球が供給されているのにもかかわらず、未だに供給されていないと勘違いして、遊技球の供給を受ける球貸ボタン等を何度も押してしまうことを抑止することができる。
手段D−8.前記マイクは、遊技者の声を拾うことができる位置に設けられるとともに、
前記マイクに入力された音を認識する音声認識手段と、
前記マイクで拾われた音がデジタルデータの形態とされて記憶されるマイク音記憶手段と、
前記マイク音記憶手段に記憶される音声データを解析し、対応する画像を作成する対応画像生成手段とを備えていることを特徴とする手段D−1乃至D−7のいずれかに記載の遊技機。
手段D−8によれば、遊技者の声と、遊技機の画像とをコラボレーションさせる(例えば、遊技者の声に応じて、遊技機の所定の表示装置にて登場するキャラクタや遊技機の役物が動いたり、ストーリー演出等に際して、遊技者の声で吹き替えを行ったりする)ことができ、興趣の向上等を図ることができる。尚、遊技者の声の再生回数には上限を設けること、より具体的には、1回(再生するためにはその都度入力が必要)とすることが望ましい。また、遊技を行うことなく、かかる機能だけを利用されてしまうことを回避するべく、かかる機能が利用できるのは、所定の抽選にて当選した場合に発生する遊技者にとって有利な特別遊技状態中や、各種抽選の結果を教示するための変動表示中とすることが望ましい。
手段D−9.所定条件の成立に基づいて抽選を行う抽選手段と、
複数の識別情報を表示可能に構成され、前記識別情報が変動表示されるとともに、前記抽選手段による抽選の結果に応じた態様で前記識別情報が停止表示される可変表示手段と、
前記可変表示手段の前方を閉塞するようにして設けられ、前記可変表示手段を前方から視認可能にするとともに、前記可変表示手段への外部からの接触を防止する透明な板状体とを備え、
前記板状体によって前記スピーカが構成されていることを特徴とする手段D−1乃至D−8のいずれかに記載の遊技機。
手段D−9によれば、音声演出をよりダイナミックに行うことができる。また、例えば、手段D−6に対応しては、マイクで拾われた遊技領域の音をより自然に遊技者に受け入れさせることができる。
手段D−10.前記マイクに入力された音を認識する音声認識手段と、前記音声認識手段で認識された音に対応する協和音を前記スピーカから出力可能な協和音発生手段とを備えていることを特徴とする手段D−1乃至D−9のいずれかに記載の遊技機。
手段D−10によれば、遊技者が参加する音声演出のより一層の多様化を図ることができる。また、音声認識手段を備えることで、マイクに入力された音の音程等に応じて和音を生成することができ、マイクに入力された音に対応して遊技機側で生成される音が出力されることで不協和音が発生してしまうといった事態を回避することができる。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
D.上記各手段における遊技機は、スロットマシン等の回胴式遊技機であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。
E.上記各手段における遊技機は、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機)であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成し、さらに球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む取込手段と、前記球受皿に遊技球の払出しを行う払出手段とを備え、前記取込手段により遊技球が取り込まれることにより遊技の開始条件が成立するように構成した遊技機」が挙げられる。