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JP6088286B2 - 防振装置 - Google Patents

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JP6088286B2 JP2013034799A JP2013034799A JP6088286B2 JP 6088286 B2 JP6088286 B2 JP 6088286B2 JP 2013034799 A JP2013034799 A JP 2013034799A JP 2013034799 A JP2013034799 A JP 2013034799A JP 6088286 B2 JP6088286 B2 JP 6088286B2
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Description

この発明は、例えば自動車等に用いられる防振装置に関するものである。
車両用の防振装置として、エンジン等の振動発生部と車体との間に、車両の前後を向いて取り付けられた、例えば特許文献1に記載の、防振支持装置が知られている。この種の防振支持装置は一般に、車両の前後方向に特性が最適化されており、車両の上下方向または左右方向(内筒軸方向)では、剛性(ばね定数)が低くなる傾向がある。そのため、車両を急旋回させた時や、車両が段差を乗り越した時等に、防振支持装置の外筒が車体に当たって打音が発生する場合がある。
ここで、特許文献1に記載された防振支持装置では、内筒と外筒とを連結するゴム弾性体の軸方向両側面に、外筒の軸方向両端より外側に突出したゴム突起部を設けて、外筒が車体に当たることを防止している。
特開2005−188575号公報
ところで、ゴム弾性体にゴム突起部を設けると、車両前後方向(主振動方向)の振動入力に対するゴム弾性体の特性が変わるため、設計変更が容易でないという問題点があった。またゴム弾性体にゴム突起部を設けた場合、振動入力時においてゴム突起部と車体とが繰り返し当接することとなるため、ゴム弾性体自体の耐久性に影響を及ぼすおそれがあった。
この発明は、上述した課題を有効に解決するものであり、主振動方向の振動入力に対する本体弾性体の特性を変化させること無しに、また本体弾性体の耐久性に影響を及ぼすこと無しに防振装置の内筒軸方向変位に対するストッパ機能を追加した防振装置を提供することを目的とするものである。
この発明の防振装置は、振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結される内筒と、前記振動発生部および前記振動受部のいずれか他方に連結される外筒と、前記外筒の内周面に圧入された中間筒と、前記内筒と前記中間筒とを接続する本体弾性体と、前記中間筒に固定され、内筒軸方向に直交する方向で、前記内筒軸方向に貫通して形成された空洞部を少なくとも挟んで前記内筒と対向する、前記本体弾性体と独立したストッパ弾性体とを有し、前記ストッパ弾性体は、前記内筒軸方向において、前記中間筒及び前記外筒よりも突出した軸方向ストッパ部を有し、前記軸方向ストッパ部が、前記中間筒よりも、前記内筒径方向内側のみに設けられることを特徴とする。
この防振装置によれば、本体弾性体ではなくストッパ弾性体に軸方向ストッパ部を設けることで、本体弾性体の、主振動方向の振動入力に対する特性を変化させることなく、また本体弾性体の耐久性に影響を及ぼすことなく防振装置の内筒軸方向変位に対するストッパ機能を追加することができる。
なお、この明細書において、本体弾性体とストッパ弾性体とが「独立」しているとは、本体弾性体とストッパ弾性体とが独立して変形可能であり、本体弾性体がそれ自体の防振機能上、ストッパ弾性体に影響されない構成をいうものとし、例えば製造上の理由から、本体弾性体とストッパ弾性体とが、中間筒に固着された薄い弾性体部分を介して繋がって形成されている場合等も含むものとする。
また、この明細書で、「軸方向ストッパ部」とは、ストッパ部が内筒軸方向に沿って延びる場合に加え、ストッパ部が内筒軸方向に対して傾斜または湾曲して延びる場合も含むものとする。
ここで、この発明の防振装置では、前記内筒軸方向に直交する断面において、前記軸方向ストッパ部の外筒径方向の幅の中心線が、前記ストッパ弾性体の外筒径方向の幅の中心線よりも前記中間筒寄りに位置することが好ましい。
この場合には、ストッパ弾性体の固定端である中間筒付近に、軸方向ストッパ部を位置させることで、ストッパ弾性体の内筒軸方向の剛性を向上させて、軸方向ストッパ機能を高めることができる。
なお、軸方向ストッパ部またはストッパ弾性体の「中心線」とは、それぞれの、外筒径方向の幅の中心線をいうものとする。
また、この発明の防振装置では、前記内筒軸方向に沿った断面において、前記ストッパ弾性体を、その少なくとも一部で、前記内筒側から前記中間筒側に向けて次第に厚みが増加するように形成することが好ましい。
この場合には、ストッパ弾性体が当接する際に、当接直後はやわらかく、次第に硬く接触させることができ、乗り心地性を向上させることができる。
そして、この発明の防振装置では、前記軸方向ストッパ部の内筒軸方向外側端部の外表面輪郭が、該軸方向ストッパ部の外方に向かって凸となる曲面を有することが好ましい。
この場合には、軸方向ストッパ部が車体等に当接する際に、当接直後はやわらかく、次第に硬く接触させることで、乗り心地性をさらに向上させることができる。また、軸方向ストッパ部と車体等とを当接させる際に、接触面積を次第に増加させることで、不快な当接音が発生することを抑制することができる。
ここにおいて、この発明の防振装置がさらに、前記内筒軸方向と軸方向を異にする第2の内筒と、前記外筒と連結ロッドを介して連結された第2の外筒と、前記第2の内筒と前記第2の外筒との間に設けられた第2の本体弾性体とを有することが好ましい。
この場合には、エンジン等の振動発生部と車体との間に、連結ロッドの長手方向を車両の前後方向に揃えて、該防振装置を取り付けることで、振動発生部の振動が車体に伝わることを防止することができる。
この発明に係る防振装置によれば、主振動方向の振動入力に対する、本体弾性体の特性を変化させること無しに、また本体弾性体の耐久性に影響を及ぼすこと無しに防振装置の内筒軸方向変位に対するストッパ機能を追加することができる。
この発明の防振装置の一の実施形態を示す平面図である。 図1に示す防振装置の側面図である。 図1のI−I線で切断した、第1の弾性ブッシュの内筒軸方向に沿う断面図である。 この発明の防振装置の他の実施形態を示す、第1の弾性ブッシュの内筒軸方向に沿う断面図である。
以下に、図面を参照しつつ、この発明に係る防振装置の実施の形態を例示説明する。
図1及び2に示す本実施形態の防振装置1は、第1の弾性ブッシュ10と、第1の弾性ブッシュ10よりも小径の第2の弾性ブッシュ20と、第1の弾性ブッシュ10及び第2の弾性ブッシュ20を連結する連結ロッド30とを具えた、トルクロッドである。
図1に示すように、第1の弾性ブッシュ10は、内筒11と、中間筒13と、内筒11及び中間筒13を接続する本体弾性体14と、中間筒13に固定されて、内筒11の軸方向(図1の表裏を貫く方向、以下「内筒軸方向」ともいう)に直交する方向で、内筒軸方向に貫通して形成された空洞部17を挟んで内筒11と対向するストッパ弾性体15と、内筒軸方向に貫通して形成された空洞部18及び本体弾性体14とを挟んで内筒11と対向するストッパ弾性体16とを有する。また、中間筒13は外筒12の内周面に圧入されている。
それぞれのストッパ弾性体15、16は、本体弾性体14と独立しており、また、中間筒13側から内筒11側に向かって突設されることとなる。
なお、本実施形態では、ストッパ弾性体15、16は、中間筒13に、例えば加硫接着等により直接固着(固定)されているが、ストッパ弾性体15、16の少なくとも一方を、別部材を介して中間筒13に間接的に固定すること等も可能である。
ここで示す実施形態では、第1の弾性ブッシュ10の内筒11は、振動発生部であるエンジン(図示せず)とボルト等によって連結され、第1の弾性ブッシュ10の外筒12は、連結ロッド30及び第2の弾性ブッシュ20を介して、連結ロッド30の長手方向を車両の前後方向として(従って、防振装置1の主振動方向は、車両の前後方向となる)、振動受部である車体(図示せず)とボルト等によって連結される。
一方、説明は省略するが、第1の弾性ブッシュ10の内筒11を、振動受部である車体と連結させ、第1の弾性ブッシュ10の外筒12を、連結ロッド30及び第2の弾性ブッシュ20を介して、振動発生部であるエンジンと連結させることもできる。
そして、ストッパ弾性体15、16はそれぞれ、内筒軸方向に沿って延び、図2に示すように、内筒軸方向において、中間筒13及び外筒12よりも車体側に突出した軸方向ストッパ部15a、16aを有する。
また、第2の弾性ブッシュ20は、第2の内筒21と、外筒12と連結ロッド30を介して連結された第2の外筒22と、第2の内筒21と第2の外筒22との間に設けられた第2の本体弾性体24とを有する。第1の弾性ブッシュ10の内筒11と、第2の弾性ブッシュ20の第2の内筒21とは、軸方向を異にし、例えば互いに直交している。
ここで、本実施形態の防振装置1の機能について説明する。
防振装置1を、上記の通り、振動発生部であるエンジンと振動受部である車体とに連結したとき、内筒11に連結したエンジンが、車両の前後方向、左右方向及び/または上下方向に振動すると、該振動は、内筒11と中間筒13との間に介在する本体弾性体14の弾性変形で吸収されるため、エンジンの振動が車体に伝達されることが抑制される。
また、本体弾性体14が内筒軸方向と直交する方向に大きく変位した際には、ストッパ弾性体15、16がストッパとして機能する。ストッパを弾性体で構成することにより、当接時の打音を低減させることができる。
ここで示す実施形態では、図1のI−I線断面図(内筒軸方向に沿う、特には主振動方向を含む断面図)である図3に示すように、内筒軸方向に沿った断面において、ストッパ弾性体15及び16を、内筒11側の端部から軸方向ストッパ部15a、16aの内筒11側の下端まで、中間筒13側に向けて次第に厚みが増加するように形成している。これにより、ストッパ弾性体15または16が当接する際に、当接直後はやわらかく、次第に硬く接触させることができ、乗り心地性を向上させることができる。
一方、車両を急旋回させた時や、車両が段差を乗り越した時等に、第1の弾性ブッシュ10の内筒11と外筒12とが相対的に内筒軸方向に大きく変位した際には、ストッパ弾性体15、16それぞれに設けられた軸方向ストッパ部15a、16aがストッパとして機能する。これにより、外筒12が車体に当たることを防止することができる。なお、このような軸方向ストッパ部15a、16aを追加で形成する際には、ゴム金型に凹部を追加で形成すれば足り、また追加に伴うゴム量の増加分はわずかなものであるため、製造コストに対する影響は少ない。
この発明では、本体弾性体14ではなくストッパ弾性体15、16に軸方向ストッパ部15a、16aを設けている。このことで、本体弾性体14の、主振動方向の振動入力に対する特性を変化させることなく、また本体弾性体の耐久性に影響を及ぼすこと無しに、内筒軸方向の変位に対するストッパ機能を追加することができる。これにより、例えば、防振装置の設計が完了した後に車体と外筒との打音の問題が判明した場合であっても、その対策を容易とすることができる。
また、軸方向ストッパ部15a、16aが機能する際に、本体弾性体14には力が加わらないため、本体弾性体14の耐久性を確保することができる。
そして、ストッパ弾性体を、中間軸側に固定しているため、ストッパ弾性体に軸方向ストッパ部を設けることで、軸方向ストッパ部を、主振動方向(図1及び図2に示す実施形態では、車両の前後方向)において内筒11から離れた位置(内筒寄りではなく中間筒寄りの位置)に位置させることができる。この場合には、ストッパ弾性体の固定端である中間筒のより近い位置に、軸方向ストッパ部を位置させることで、ストッパ弾性体の内筒軸方向の剛性を向上させて、軸方向ストッパ機能を高めることができる。
ここで、この発明の防振装置では、前記内筒軸方向に直交する断面において、軸方向ストッパ部15aの中心線La1を、前記ストッパ弾性体15の中心線Lr1よりも中間筒13寄りに位置させることが好ましく、また軸方向ストッパ部16aの中心線La2を、前記ストッパ弾性体16の中心線Lr2よりも中間筒13寄りに位置させることが好ましい。
これらの場合には、ストッパ弾性体15、16の固定端である中間筒13のより近い位置に、軸方向ストッパ部15a、16bを位置させることで、ストッパ弾性体15、16の内筒軸方向の剛性を向上させて、軸方向ストッパ機能をより一層高めることができる。また、中間筒13付近に軸方向ストッパ部15a、16bを位置させることで、ストッパ弾性体15、16の内筒11に近い部分の厚みを特に厚くさせることなく、ストッパ弾性体15、16が当接する際に、やわらかく接触させることができる。これにより、軸方向ストッパ部15a、16aを設けたとしても、良好な乗り心地性を維持させることもできる。
また、軸方向ストッパ部15a、16aがストッパ機能を有効に発揮するためには、図1にL、L’で示す軸方向ストッパ部15a、16aそれぞれの長さを30mm以上、W、W’で示すそれぞれの外筒径方向の幅を3mm以上、図2にH、H’で示すそれぞれの内筒軸方向の高さを3mm以上とすることが好ましい。
なお、軸方向ストッパ部は、ストッパ弾性体15、16の少なくとも一方に設けられていればよい。そして軸方向ストッパ部をストッパ弾性体15、16の一方のみに設ける場合には、内筒11を挟んで第2の弾性ブッシュ20側とは反対側に位置するストッパ弾性体15に、軸方向ストッパ部を設けることが好ましい。この場合には、大きく変位する、外筒12の内筒11を挟んだ第2の弾性ブッシュ20側とは反対側の部分が、車体に当ることを有効に防止することができるとともに、軸方向ストッパ部が設けられていないストッパ弾性体16の耐久性を確保することができる。
また軸方向ストッパ部は、ストッパ弾性体の、少なくとも外筒12の軸方向端縁が車体等と対向する、内筒軸方向の一方側に設ける必要がある。そして、図2に示すように、内筒軸方向の他方側にも軸方向ストッパ部15b、16bを設けた場合には、外筒12の内周面に中間筒13を圧入する際に、中間筒13の軸方向表裏を区別する必要がなくなるために、防振装置の組立を容易とすることができる。
ところで、図1に示す実施形態では、軸方向ストッパ部15a、16aの形状を直方体状としているが、例えば、内筒軸方向に直交する断面で、軸方向ストッパ部の側面を中間筒の表面に沿わせて湾曲させてもよく、その他、軸方向ストッパ部の形状は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
次いで、図に、この発明の他の実施形態の防振装置101の内筒軸方向に沿う断面図を示す。この防振装置101は、軸方向ストッパ部115a、115b、116a、116bそれぞれの内筒軸方向外側端部の外表面輪郭115e、115e、116e、116eが、該軸方向ストッパ部の外方に向かって凸となる曲面を有するように形成している。このことで、軸方向ストッパ部が車体等に当接する際に、当接直後はやわらかく、次第に硬く接触させることができ、乗り心地性をさらに向上させることができる。また、軸方向ストッパ部と車体等とが当接する際に、接触面積が次第に増加するように当接させることができ、大きな接触面積で一度に接触した場合に生じる不快な当接音の発生を抑制することができる。
なお、ここで示す実施形態では、軸方向ストッパ部が主振動方向を含む内筒軸方向に沿う断面で凸となる曲面を有するように構成しているが、他の内筒軸方向に沿う断面で凸となる曲面を有するように構成することもできる。
なお、本発明の防振装置は、例示したトルクロッドに適用するのが、最も効果的で好ましいが、トルクロッドではなく、例えば上述した第1の弾性ブッシュだけで、エンジンマウント等の防振装置を構成することもできる。
1、101:防振装置、 10:第1の弾性ブッシュ、 11:内筒、 12:外筒、 13:中間筒、 14:本体弾性体、 15、16:ストッパ弾性体、 15a、15b、16a、16b、115a、115b、116a、116b:軸方向ストッパ部、
115e、115e、116e、116e:軸方向ストッパ部の内筒軸方向外縁、 17、18:空洞部、 20:第2の弾性ブッシュ、 21:第2の内筒、
22:第2の外筒、 24:第2の本体弾性体、 30:連結ロッド

Claims (5)

  1. 振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結される内筒と、
    前記振動発生部および前記振動受部のいずれか他方に連結される外筒と、
    前記外筒の内周面に圧入された中間筒と、
    前記内筒と前記中間筒とを接続する本体弾性体と、
    前記中間筒に固定され、内筒軸方向に直交する方向で、前記内筒軸方向に貫通して形成された空洞部を少なくとも挟んで前記内筒と対向する、前記本体弾性体と独立したストッパ弾性体とを有し、
    前記ストッパ弾性体は、前記内筒軸方向において、前記中間筒及び前記外筒よりも突出した軸方向ストッパ部を有し、
    前記軸方向ストッパ部が、前記中間筒よりも、前記内筒径方向内側のみに設けられることを特徴とする、防振装置。
  2. 前記内筒軸方向に直交する断面において、前記軸方向ストッパ部の外筒径方向の幅の中心線が、前記ストッパ弾性体の外筒径方向の幅の中心線よりも前記中間筒寄りに位置する、請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記内筒軸方向に沿った断面において、前記ストッパ弾性体を、その少なくとも一部で、前記内筒側から前記中間筒側に向けて次第に厚みが増加するように形成してなる、請求項1または2に記載の防振装置。
  4. 前記軸方向ストッパ部の内筒軸方向外側端部の外表面輪郭が、該軸方向ストッパ部の外方に向かって凸となる曲面を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の防振装置。
  5. 前記防振装置がさらに、前記内筒軸方向と軸方向を異にする第2の内筒と、前記外筒と連結ロッドを介して連結された第2の外筒と、前記第2の内筒と前記第2の外筒との間に設けられた第2の本体弾性体とを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の防振装置。
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