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JP6073526B2 - エステル化セルロースエーテルを反応生成物混合物から回収するためのプロセス - Google Patents

エステル化セルロースエーテルを反応生成物混合物から回収するためのプロセス Download PDF

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Description

本発明は、セルロースエーテルのエステルを反応生成物混合物から回収するための改善されたプロセスに関する。
序文
セルロースエーテルのエステル、それらの使用、及びそれらを調製するためのプロセスは、概して、当該技術分野において既知である。セルロースエーテル−エステルを生成するための1つのプロセスは、米国特許第3,435,027号に記載される。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート(HPMCA)、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)は、薬学的剤形において有用である。HPMCASは、薬学的剤形用の腸溶性ポリマーとして有用である。腸溶性ポリマーは、胃の酸性環境で無傷のまま残存するものである。かかるポリマーでコーティングされた剤形は、酸性環境における不活性化または分解から薬物を保護し、薬物による胃の炎症を予防する。
HPMCAS、HPMCA、またはHPMCPなどのセルロースエーテルのエステルの従来の調製方法では、生成物の沈殿を開始し、かつ不純物を希釈及び除去するために、反応生成物混合物に冷水が注がれる。しかしながら、粒子間の凝集が非常に広い範囲にわたって起こるので、この方法を適用するとき、微粉末または顆粒の形態のセルロースエーテルのエステルは得ることができない。HPMCASまたはHPMCAなどのエステル化セルロースエーテルは、酢酸などの脂肪族カルボン酸及びナトリウムアセテートなどのアルカリ金属カルボキシレートの存在下で、反応生成物混合物において非常に粘着性の性質を示す傾向にある。粒子間凝集は、水が粒子間に浸透するのを防止し、その結果、酢酸、ナトリウムアセテート、コハク酸、フタル酸、未反応ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などの不純物を効果的に除去するのが困難になる。その上、生成物のさらなる製粉または粉砕が顆粒生成物を得るために必要とされる。
この問題に対処するための方法がいくつか示唆されている。
米国特許第4,226,981号は、エステル化触媒としてのナトリウムアセテートなどのアルカリカルボキシレート及び反応媒体としての酢酸の存在下で、ヒドロキシプロピルメチルセルロースをコハク酸無水物及び酢酸無水物でエステル化することによって、HPMCASなどのセルロースエーテルの混合エステルを調製するためのプロセスを開示する。エステル化反応の完了後、反応生成物が沈殿するように大量の水、具体的には、容積が10倍の水を反応生成物混合物に添加する。次いで、沈殿した生成物は、水での完全な洗浄に供され、不純物を除去し、乾燥させて、粉末または顆粒形態の混合エステルを生成する。
国際公開第WO2005/115330号は、置換レベルの特定の組み合わせでのHPMCAS及びHPMCAポリマーを開示する。HPMCAS及びHPMCAは、米国特許第4,226,981号に記載される方式と同様の方式で生成される。一旦反応が完了すると、大量の水が、HPMCASまたはHPMCAが沈殿するように、反応生成物混合物に添加される。次いで、沈殿した生成物は、水での完全な洗浄に供され、不純物を除去する。
欧州特許第EP0219426号は、HPMCPまたはHPMCASを生成し、続いて大量の水を反応生成物混合物に添加し、混合物中に形成された沈殿物が濾過によって収集され、洗浄沈殿物が酸性でなくなるまで水で繰り返し洗浄されるプロセスを開示する。
米国特許出願公開第US2004/0152886号は、粒子間に存在するフタル酸及び酢酸などの不純物が水と接触して洗い流され得るように、HPMCP粒子の凝集を防止する必要性に対処する。同第US2004/0152886号は、後処理プロセスとして流動化溶媒を添加し、かつそれを噴霧ノズルによって水中に噴霧することによって、反応生成物混合物の流動性を増加させることを示唆する。
本特許出願の発明者らによって2013年3月12日に出願され、第WO2013/148154号として2013年10月3日に公開された、同時係属中の国際特許出願第PCT/US13/030394号において、エステル化セルロースエーテルをその反応生成物混合物から沈殿させるための改善されたプロセスが記載される。この方法によれば、エステル化セルロースエーテルを含む反応生成物混合物は、水と接触し、水と反応生成物混合物の組み合わせは、少なくとも800秒−1の剪断速度に供される。エステル化セルロースエーテルの沈殿中または沈殿後及びその洗浄中のエステル化セルロースエーテルの粒子の実質的な凝集を防止することができる。セルロースエーテルの非粘着性の微粉末エステルが得られる。
微粒子径のエステル化セルロースエーテルを得るためにどちらの方法が適用されても、エステル化セルロースエーテルは、典型的には、高純度に達するために完全にかつ繰り返し洗浄される。特に、薬学的用途のためのこれらのエステル化セルロースエーテルは、非常に高い純度を必要とする。精製は、典型的には、水性液体中にエステル化セルロースエーテルを懸濁させ、濾過、遠心分離、デカンテーション、またはそれらの組み合わせによって、エステル化セルロースエーテルを懸濁液から回収することによって実施される。
しかしながら、エステル化セルロースエーテル固体は、純度が高くなるほどより脆くなり、微粒子は、脆い固体の処理、例えば、剪断によって生成されるが、濾過、遠心分離、またはデカンテーションによって、エステル化セルロースエーテルを水性液体から分離するのがより困難になる。非常に微細な粒子径は、精製ステップが高剪断効果を有する装置の使用を含むときに観察される。濾過、遠心分離、デカンテーション、またはそれらの組み合わせによる、エステル化セルロースエーテルの水性液体からの分離後、エステル化セルロースエーテルは、依然として非常に湿っており、他の手段、例えば、加熱された空気によって乾燥されなければならない。エステル化セルロースエーテルの塊が、濾過、遠心分離、デカンテーション後により湿っていると、その乾燥減量(LOD)がより高くなり、エステル化セルロースエーテルの乾燥により多くのエネルギーと時間が必要となる。その上、水性液体が、乾燥の際にエステル化セルロースエーテル中に留まるナトリウムアセテートまたは酢酸などの水溶性不純物を含有するので、エステル化セルロースエーテルの高LOD、すなわち、エステル化セルロースエーテルの固体塊中に捕捉された大量の水性液体は望ましくない。
したがって、本発明の1つの目的は、洗浄されたエステル化セルロースエーテルの水性液体からの分離性が改善されるエステル化セルロースエーテルを水性液体で洗浄するプロセスを見出すことである。
本発明のもう1つの目的は、固体エステル化セルロースエーテルの湿潤塊の乾燥減量を低減する方法を見出すことである。
本発明の好ましい目的は、非常に高い純度の洗浄されたエステル化セルロースエーテルが達成されるエステル化セルロースエーテルを水性液体で洗浄するプロセスを見出すことである。
驚くべきことに、エステル化セルロースエーテルが、本発明において特許請求される懸濁ステップに供される場合、エステル化セルロースエーテルの水性液体からの分離性が改善され、固体エステル化セルロースエーテルの結果として生じる湿潤塊の乾燥減量及びその中の不純物の量が低減することが見出された。
したがって、本発明の一態様は、(a)セルロースエーテルと、(b)脂肪族モノカルボン酸無水物、またはジもしくはトリカルボン酸無水物、または脂肪族モノカルボン酸無水物とジもしくはトリカルボン酸無水物の組み合わせとの反応から得られた反応生成物混合物からエステル化セルロースエーテルを回収するプロセスであり、本プロセスが、
(i)反応生成物混合物を水性液体と接触させて、反応生成物混合物からエステル化セルロースエーテルを沈殿させるステップと、
(ii)沈殿したエステル化セルロースエーテルをステップ(i)で得られた混合物から単離するステップと、
(iii)水性液体中に単離されたエステル化セルロースエーテルを懸濁させて、少なくとも28℃の温度を有する懸濁液を提供するステップと、
(iv)エステル化セルロースエーテルをステップ(iii)の懸濁液から回収するステップと、を含む。
本発明の別の態様は、(a)セルロースエーテルが、(b)脂肪族モノカルボン酸無水物、またはジもしくはトリカルボン酸無水物、または脂肪族モノカルボン酸無水物とジもしくはトリカルボン酸無水物の組み合わせと反応し、エステル化セルロースエーテルが、上述のプロセスに従って反応生成物混合物から回収される、セルロースエーテルのエステルを調製するためのプロセスである。
本発明のさらに別の態様は、あるプロセスにおけるエステル化セルロースエーテルの水性液体からの分離性を改善する方法であって、水性液体中に、精製されるエステル化セルロースエーテルを懸濁させて、懸濁液を提供するステップと、濾過、遠心分離、デカンテーション、またはそれらの組み合わせによって、エステル化セルロースエーテルを懸濁液から回収するステップと、を含み、懸濁液の温度が、エステル化セルロースエーテルが懸濁液から回収される前に少なくとも28℃に調整される、方法である。
本発明のさらに別の態様は、固体エステル化セルロースエーテルの湿潤塊の乾燥減量を低減する方法であって、水性液体中に、固体エステル化セルロースエーテルの湿潤塊を懸濁させて、懸濁液を提供するステップと、濾過、遠心分離、デカンテーション、またはそれらの組み合わせによって、エステル化セルロースエーテルを懸濁液から回収するステップと、を含み、懸濁液の温度が、エステル化セルロースエーテルが懸濁液から回収される前に少なくとも28℃に調整される、方法である。
(実施形態の記載)
本発明のプロセスによると、エステル化セルロースエーテルは、さらに以下に記載されるように、任意選択で(c)脂肪族カルボン酸及び、任意選択で(d)アルカリ金属カルボキシレートの存在下で、(a)セルロースエーテルと、(b)脂肪族モノカルボン酸無水物、またはジもしくはトリカルボン酸無水物、または脂肪族モノカルボン酸無水物とジもしくはトリカルボン酸無水物の組み合わせとの反応から得られた反応生成物混合物から回収される。
(a)エステル化反応の出発材料として使用されるセルロースエーテルは、好ましくは、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、またはヒドロキシアルキルアルキルセルロースである。ヒドロキシアルコキシ基は、典型的には、ヒドロキシメトキシ、ヒドロキシエトキシ、及び/またはヒドロキシプロポキシ基である。ヒドロキシエトキシ及び/またはヒドロキシプロポキシ基が好ましい。好ましくは、単一の種類のヒドロキシアルコキシ基、より好ましくは、ヒドロキシプロポキシがセルロースエーテル中に存在する。アルコキシ基は、典型的には、メトキシ、エトキシ、及び/またはプロポキシ基である。メトキシ基が好ましい。上で定義されたセルロースエーテルの例証は、メチルセルロース、エチルセルロース、及びプロピルセルロース;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、及びヒドロキシブチルエチルセルロースである。より好ましくは、セルロースエーテルはヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
エステル化反応の出発材料として使用されるセルロースエーテルは、ASTM D2363−79(2006に再承認)に従って20℃で2重量%水溶液として測定された、好ましくは、1.20〜200mPa・s、より好ましくは2.0〜100mPa・s、最も好ましくは2.5〜50mPa・s、特に3〜30mPa・sの粘度を有する。
無水グルコース単位当たりのメトキシ基などのアルコキシ基によって置換されたヒドロキシル基の平均数は、アルコキシ基の置換度(DS)として指定される。上述のDSの定義において、「アルコキシ基によって置換されたヒドロキシル基」という用語は、セルロース主鎖の炭素原子に直接結合されるアルキル化ヒドロキシル基を含むだけではなく、セルロース主鎖に結合されるヒドロキシアルコキシ置換基のアルキル化ヒドロキシル基も含む。最も好ましくは、セルロースエーテルは、1.1〜2.1、より好ましくは1.75〜2.05のDSメトキシル、及び0.05〜1.1、より好ましくは0.15〜0.4のMSヒドロキシプロポキシルを有するヒドロキシプロピルメチルセルロースである。DSメトキシル及びMSヒドロキシプロポキシルは、米国薬局方及び国民医薬品集、ヒプロメロース(ヒドロクスプロイルメチルセルロース)(United States Pharmacopeia and National Formulary,Hypromellose(hydroxproyl methyl cellulose))に従って決定される。
セルロースエーテル(a)は、(b)脂肪族モノカルボン酸無水物、またはジもしくはトリカルボン酸無水物、または脂肪族モノカルボン酸無水物とジもしくはトリカルボン酸無水物の組み合わせと反応する。好ましい脂肪族モノカルボン酸無水物は、酢酸無水物、酪酸無水物、及びプロピオン酸無水物からなる群から選択される。好ましいジカルボン酸無水物は、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、及びフタル酸無水物からなる群から選択される。好ましいトリカルボン酸無水物は、トリメリット酸無水物である。好ましい脂肪族モノカルボン酸無水物は、単独で使用され得るか、または好ましいジもしくはトリカルボン酸無水物は、単独で使用され得るか、または好ましい脂肪族モノカルボン酸無水物は、好ましいジもしくはトリカルボン酸無水物と組み合わせて使用され得る。
以下のエステル化セルロースエーテルの、上述のセルロースエーテル、脂肪族モノカルボン酸無水物、及びジもしくはトリカルボン酸無水物からの生成が特に好ましい。
i)HPMC−XY及びHPMC−X(HPMCがヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、XがA(アセテート)であるか、またはXがB(ブチレート)であるか、またはXがPr(プロピオネート)であり、YがS(サクシネート)であるか、YがP(フタレート)であるか、YがM(マレエート)であるか、またはYがT(トリメリテート)、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート(HPMCAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートトリメリテート(HPMCAT)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートマレエート(HPMCAM)、もしくはヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)である)、または
ii)ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートサクシネート(HPCAS)、ヒドロキシブチルメチルセルロースプロピオネートサクシネート(HBMCPrS)、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロースプロピオネートサクシネート(HEHPCPrS)、及びメチルセルロースアセテートサクシネート(MCAS)。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)は、最も好ましいエステル化セルロースエーテルである。
セルロースエーテルのエステル化は、例えば、米国特許第3,435,027号及び同第4,226,981号、国際特許出願第WO2005/115330号、または欧州特許出願第EP0219426号に記載される既知の方式で実施され得る。セルロースエーテルのエステル化は、好ましくは、反応媒体として、酢酸、プロピオン酸、または酪酸などの(c)脂肪族カルボン酸中で実施される。反応媒体は、室温で液体であり、かつセルロースエーテル、例えば、ハロゲン化C−C誘導体、例えば、ジクロロメタン、またはジクロロメチルエーテルと反応しない少量の他の溶媒または希釈液を含み得るが、脂肪族カルボン酸の量は、反応媒体の総重量に基づいて、好ましくは50パーセント超、より好ましくは少なくとも75パーセント、さらにより好ましくは少なくとも90パーセントである。最も好ましくは、反応媒体は、脂肪族カルボン酸からなる。エステル化反応は、概して、セルロースエーテル100重量部当たり、反応媒体として100〜2,000重量部の脂肪族カルボン酸の存在下で実施される。
エステル化反応は、好ましくは、(d)エステル化触媒の存在下で、より好ましくはアルカリ金属カルボキシレート、例えばナトリウムアセテートまたはカリウムアセテートの存在下で実施される。アルカリ金属カルボキシレートの量は、好ましくはセルロースエーテル100重量部当たり20〜200重量部のアルカリ金属カルボキシレートである。脂肪族モノカルボン酸無水物及びジもしくはトリカルボン酸無水物が、セルロースエーテルをエステル化するために使用される場合、2つの無水物は、同時にまたは別々に相次いで反応容器内に導入され得る。反応容器内に導入される各無水物の量は、最終生成物において得られる所望のエステル化度に応じて決定され、通常、エステル化による無水グルコース単位の所望のモル置換度の化学量論量の1〜10倍である。混合物は、概して、反応を完了するのに十分な時間、つまり、典型的には2〜25時間、より典型的には2〜8時間、60℃〜110℃、好ましくは70℃〜100℃で加熱される。出発材料としてのセルロースエーテルは、脂肪族カルボン酸中に常に可溶性ではないが、特にセルロースエーテルにおける置換度が比較的小さいときに脂肪族カルボン酸中にのみ分散され得るか、または脂肪族カルボン酸によってのみ膨潤され得る。エステル化反応は、かかる分散または膨潤セルロースエーテルでさえ起こり得、エステル化反応が進むにつれ、反応下のセルロースエーテルは、概して反応媒体中に溶解して、最終的に均質な溶液を提供する。
結果として生じる反応生成物混合物は、エステル化セルロースエーテル、典型的には反応媒体として使用される脂肪族カルボン酸、典型的には反応触媒、例えばアルカリ金属カルボキシレート、典型的には残存量の1つ以上のエステル化薬剤及び副生成物、例えば脂肪族モノカルボン酸及び/またはジもしくはトリカルボン酸を含む。結果として生じる反応生成物混合物は、概して、3〜60、典型的には7〜35重量パーセントのエステル化セルロースエーテル、10〜95、典型的には20〜70重量パーセントの脂肪族カルボン酸;1〜50、典型的には5〜30重量パーセントの反応触媒、例えばアルカリ金属カルボキシレート、及び0.1〜50、典型的には2〜40重量パーセントの微量成分、例えば脂肪族モノカルボン酸の未反応無水物及び/またはジもしくはトリカルボン酸の未反応無水物を含む。
その後、反応生成物混合物からエステル化セルロースエーテルを回収するためのステップ(i)〜(iv)が、以下に記載されるように実行される。本発明のプロセスにおいて、ステップ(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)が順序通り実行されるが、追加のステップが、ステップ(i)〜(iv)の前、間、または後に実行され得ることを理解されたい。例えば、本発明の一実施形態において、1つ以上の追加のステップは、ステップ(ii)と(iii)の間で実施され得る。別の実施形態において、1つ以上の追加のステップは、ステップ(iv)の後に実行され得る。さらに別の実施形態において、ステップ(iii)及び(iv)の繰り返しサイクルが実行され得、例えばステップ(iii)、ステップ(iv)、ステップ(iii)、ステップ(iv)などの順序で実行され得る。
本発明のプロセスのステップ(i)において、上記の反応生成物混合物は、水性液体と接触して、反応生成物混合物からエステル化セルロースエーテルを沈殿させる。水性液体の少なくとも55重量パーセント及び最大100パーセントは水である。水性液体は、追加で、少量の有機液体希釈液を含み得るが、水性液体は、水性液体の総重量に基づいて、少なくとも55、好ましくは少なくとも65、より好ましくは少なくとも75、最も好ましくは少なくとも90、特に少なくとも95重量パーセントの水を含むべきである。好ましくは、水性液体は水からなる。
好ましくは、反応生成物混合物は、エステル化のために使用されるセルロースエーテル1重量部当たり、5〜400、より好ましくは8〜300、最も好ましくは10〜100、特に12〜80重量部の量の水性液体と接触する。重量比[水性液体/水性液体を含まない反応生成物混合物]は、概して、最大150/1、好ましくは最大75/1、より好ましくは最大25/1である。重量比[水性液体/水性液体を含まない反応生成物混合物]は、概して、少なくとも0.5/1.0、好ましくは少なくとも1.0/1.0、より好ましくは少なくとも1.5/1.0である。エステル化セルロースエーテルを含む反応生成物混合物は、概して、60℃〜110℃の温度を有する。それは、反応生成物混合物を前もって冷却することなく、水性液体と接触し得る。水性液体の温度は、好ましくは1〜90℃、より好ましくは5〜40℃である。ステップ(i)は、典型的には緩徐な撹拌下で、水性液体を反応混合物に充填することによる既知の方式で実行され得る。しかしながら、ステップ(i)は、好ましくは、参照により本明細書に組み込まれる、第WO2013/148154号として2013年10月3日に発行され、2013年3月12日に出願された同時係属中の国際特許出願第PCT/US13/030394号に記載されるように実施される。第PCT/US13/030394号に記載される方法によると、水性液体と反応生成物混合物の組み合わせは、少なくとも800秒−1、好ましくは少なくとも1500秒−1、より好ましくは少なくとも3000秒−1、最も好ましくは少なくとも8000秒−1の剪断速度に供される。剪断速度は、概して、最大300,000秒−1、典型的には最大200,000秒−1、より典型的には最大100,000秒−1、最も典型的には最大50,000秒−1である。かかる剪断速度を適用することは、沈殿及び反応生成物混合物からの単離の際に非粘着性であり、微粒子径であるセルロースエーテルのエステルを提供するのに有用である。かかる剪断速度は、ローターステーターミキサーもしくはホモジナイザーとしても既知の高剪断ミキサー、高剪断ミル、または高剪断ポンプなどの高剪断装置において得ることができる。高剪断装置は、一般に、ステーターまたはハウジングなどの「ステーショナリー」とも称される剪断装置の固定部分と一緒にローターを備える。このステーショナリーは、ローターとそれ自体の間に接近隙間を作り、この隙間内に材料用の高剪断域を形成する。ステーショナリーは、単一または複数の列の開口部、間隙、または歯を含み、一種の剪断周波数及び増加した乱流エネルギーを誘発する。
混合の度合または徹底度に対する1つの計量は、高速先端速度を伴う混合装置によって発生させられる剪断力である。流体の1つの領域が隣接する領域に対して異なる流速で移動するとき、流体は剪断を経験する。ローターの先端速度は、式:
先端速度=ローターの回転速度×ローター円周、に従う回転によって発生させられる運動エネルギーの測定単位である。
剪断速度は、ローターと、一般にステーターまたはハウジングと称される剪断装置の固定部分との間の間隙距離の間の反比例関係に基づく。高剪断装置がステーターを備えていない場合、沈殿容器の内壁がステーターとして機能する。
剪断速度=先端速度/ローターの外径とステーショナリーとの間の間隙距離。
本発明のプロセスのステップ(i)は、好ましくは、少なくとも4m/秒、好ましくは少なくとも8m/秒、より好ましくは少なくとも12m/秒の先端速度で稼働する剪断装置内で実施される。先端速度は、概して最大100m/秒、典型的には最大50m/秒、より典型的には最大30m/秒である。
さらなる剪断は、ローターの外径での流体の先端流速と、ローターの中心での流速との間の流速差によって誘発される。水性液体及びエステル化セルロースエーテルを含む上記の反応生成物混合物は、別々の流体流れとしてか、または組み合わされた流体流れとして高剪断装置に供給され得る。
高剪断装置は、高剪断ミキサーとも呼ばれ、コロイドミル、歯付装置、軸状放出及び放射状放出ローターステーターミキサー(Atiemo−Obeng,V.A.and Calabrese,R.V.,2004.“Rotor−stator mixing devices”in Handbook of Industrial Mixing:Science and Practice,E.L.Paul,V.A.Atiemo−Obeng and S.M.Kresta,John Wiley&Sons,Hoboken,New Jersey,USA.)などの異なる形状を包含する。高剪断装置は、連続操作またはバッチ操作において使用され得る。好ましくは、高剪断装置はインライン高剪断装置である。インライン高剪断装置において、概して、混合ヘッドは、一端部に注入口及びもう一方の端部に排出口を有するシールによって駆動されるハウジング内に収容されるか、または装置の周囲上に収容される。エステル化セルロースエーテル及び水性液体は、好ましくは、連続流れにおいて混合ヘッドによって引き込まれる。平衡混合は、典型的には、水性液体とエステル化セルロースエーテルを含む反応生成物混合物の組み合わせを2回以上インライン高剪断装置に通過させることによって、達成される。ローターステーターミキサー、高剪断ミル、または高剪断ポンプなどの高剪断装置の既知の販売業者は、Herbst Maschinenfabrik GmbH、Germany(モデルシリーズHI)、Charles Ross&Son Company、USA(モデルシリーズ400DL、100LCI、100、HSD、700)、IKA GmbH&Co.KG、Germany(モデルシリーズUltra−Turrax、UTL、DR、MK、コロイドミルMK)、Scott Turbon Mixer Inc.、USA(モデルシリーズL−HSM、HSM、IL、HSP、Scott top、底部及び床据え置き型ミキサー)、FrymaKoruma AG、Switzerland(モデルシリーズDIL)、及びBWS Technology、Germany(モデルシリーズSupraton及びReflector)である。有用な高剪断装置の一例が、米国特許出願第2011/0091360号に開示される。
本発明の一実施形態において、反応生成物混合物を水性液体と接触させることによってステップ(i)で得られた混合物は、混合物がステップ(ii)に供される前に28〜95℃、典型的には30〜70℃の温度を有する。かかる温度は、高温生成物混合物を任意選択で加熱された水性液体と接触させることによってか、または生成物混合物と水性液体の組み合わせを加熱することによって達成され得る。
本発明の別の実施形態において、反応生成物混合物を水性液体と接触させることによってステップ(i)で得られた混合物は、混合物がステップ(ii)に供される前に27℃以下、好ましくは5℃〜25℃、より好ましくは10℃〜23℃の温度に調整される。かかる温度は、水性液体と接触させる前に反応生成物混合物を冷却することによって、水性液体を冷却することによって、またはより典型的にはステップ(i)で得られた混合物の温度を制御し、27℃を超える場合、混合物を冷却することによって、達成され得る。ステップ(i)における温度制御は、ステップ(i)の最初、間、または終わりに実施され得る。
本発明のプロセスのステップ(ii)において、沈殿したエステル化セルロースエーテルは、ステップ(i)で得られた混合物の残部から単離される。本発明の一実施形態において、ステップ(ii)に供される混合物は、28〜95℃、典型的には30〜70℃の温度を有する。本発明の別の実施形態において、ステップ(ii)に供される混合物は、27℃以下、好ましくは5℃〜25℃、より好ましくは10℃〜23℃の温度を有する。沈殿したエステル化セルロースエーテルをステップ(i)で得られた混合物から単離するステップ(ii)は、分離装置において既知の方式で、例えば、遠心分離もしくは濾過によって、またはデカンテーションもしくはそれらの組み合わせによる沈降の際に、実施され得る。好ましい分離装置は、濾過装置またはデカンター、例えば、真空フィルター、加圧フィルター、スクリーン及びフィルター遠心分離機、またはデカンター遠心分離機である。
本発明の一実施形態において、ステップ(iii)はステップ(ii)の直後に以下に記載されるように実行される。本発明のこの実施形態は、ステップ(i)及び(ii)後に微粒子径及び比較的高い純度のエステル化セルロースエーテルが得られる場合、例えば、ステップ(i)において水性液体と反応生成物混合物の組み合わせが、上にさらに記載されるように、少なくとも800秒−1の剪断速度に供されるときに特に有利である。
その一方で、ステップ(ii)で得られたエステル化セルロースエーテルが比較的低い純度を有する場合、例えば、単離されたエステル化セルロースエーテルが粘着性である場合、ステップ(ii)で得られたエステル化セルロースエーテルが以下に記載されるように、ステップ(iii)に供される前に、精製ステップを受けることが有利であり得る。したがって、本発明の別の実施形態において、ステップ(ii)の後及びステップ(iii)より前に、単離されたエステル化セルロースエーテルが、28℃未満、好ましくは15〜25℃の温度を有する水性液体で、単離されたエステル化セルロースエーテルが実質的な粘着性をもはや示さなくなるまで、洗浄される。28℃未満の温度を有する水性液体での1回以上の洗浄ステップが有用であり得る。例えば、洗浄は、水性液体中に、単離されたエステル化セルロースエーテルを懸濁させて、懸濁液を提供すること、及び懸濁液が28℃未満、好ましくは15〜25℃の温度を有することを除いては以下にステップ(iii)及び(iv)で記載される方式と同一の方式で懸濁液からエステル化セルロースエーテルを回収することによって実施され得る。
本発明のプロセスのステップ(iii)において、単離されたエステル化セルロースエーテルは、水性液体中に懸濁されて、少なくとも28℃、好ましくは少なくとも30℃、より好ましくは少なくとも35℃、さらにより好ましくは少なくとも50℃、最も好ましくは少なくとも55℃、特に少なくとも70℃の温度を有する懸濁液を提供する。水性液体は、典型的には最大95℃、より典型的には最大90℃、最も典型的には最大85℃の温度を有する。水性液体の少なくとも55重量パーセント及び最大100パーセントは水である。水性液体は、追加で少量の有機液体希釈液を含み得るが、水性液体は、水性液体の総重量に基づいて、少なくとも55、好ましくは少なくとも65、より好ましくは少なくとも75、最も好ましくは少なくとも90、特に少なくとも95重量パーセントの水を含むべきである。好ましくは、水性液体は水からなる。ステップ(iii)において、単離されたエステル化セルロースエーテルは、好ましくは、エステル化セルロースエーテル1重量部当たり2〜400重量部、より好ましくは3〜300重量部、最も好ましくは4〜150重量部の水性液体と接触する。エステル化セルロースエーテルは、好ましくは、高剪断または低剪断調合などの撹拌下で水性液体中に懸濁される。一実施形態において、800〜300,000秒−1、好ましくは1500〜200,000秒−1、より好ましくは3000〜100,000秒−1、最も好ましくは8000〜50,000秒−1の剪断速度が、洗浄溶液中にエステル化セルロースエーテルを懸濁するためのステップ(i)について上に記載されるように適用される。ステップ(i)について記載される高剪断装置が使用され得る。本発明の別の実施形態において、800秒−1未満、典型的には50〜500秒−1、より典型的には100〜400秒−1の剪断速度が適用される。ステップ(iii)において、懸濁液が、エステル化セルロースエーテルが懸濁液から回収される前の少なくともある時点で、少なくとも28℃の温度に到達することが必要である。好ましくは、エステル化セルロースエーテルは、少なくとも30秒、より好ましくは少なくとも45秒、最も好ましくは少なくとも60秒、典型的には最大10分、より典型的には最大5分、少なくとも28℃の温度で、懸濁液中に保持される。懸濁液を提供するために、単離されたエステル化セルロースエーテル及び/または水性液体の温度は、結果として生じる懸濁液が少なくとも28℃の温度を有する既知の方式で、調整され得る。あるいは、少なくとも28℃への温度調整は、懸濁液が、例えば電気加熱もしくは水蒸気圧入によって、または伝熱流体を含む外皮容器において生成された後、既知の方式で達成され得る。
懸濁液が少なくとも28℃の温度に到達した後、エステル化セルロースエーテルは、懸濁液が少なくとも28℃の温度を依然として有する間、その後のステップ(iv)において懸濁液から回収され得る。本発明の別の実施形態において、懸濁液は、エステル化セルロースエーテルがステップ(iv)において懸濁液から回収される前に、28℃未満の温度に冷却され得るか、または冷却されてもよい。ステップ(iv)は、例えば遠心分離もしくは濾過によって、またはデカンテーションによる沈降の際に、分離装置において既知の方式で実施され得る。好ましい分離装置は、濾過装置もしくはデカンター、例えば、真空フィルター、加圧フィルター、スクリーン及びフィルター遠心分離機もしくはデカンター遠心分離機、またはそれらの組み合わせである。ステップ(iv)において、精製されたエステル化セルロースエーテルが得られる。
ステップ(iii)及び(iv)の順序が、1回または数回、好ましくは1〜5回繰り返され得る。例えば、ステップ(iii)、ステップ(iv)、ステップ(iii)、及びステップ(iv)の順序が実施され得る。
驚くべきことに、ステップ(iii)において、より低い温度ではなく少なくとも28℃の温度を有する懸濁液が生成されるときに、エステル化セルロースエーテルの水性液体からの分離性が改善され、その乾燥減量(LOD)が低減することが見出された。回収されたエステル化セルロースエーテルがより少ない水性液体を含有し、したがって、ナトリウムアセテートまたは酢酸などの、より少ない水溶性不純物を含有するので、低減したLODは非常に有利である。生成物が、非常に高い純度を有するエステル化セルロースエーテルに到達するために先行技術のプロセスと同じぐらい極度に、または先行技術のプロセスほど頻繁に精製される必要はないので、これはより高い生成物収率につながる。例えば洗浄による極度の精製は、増加した生成物損失をもたらす。その上、精製されたエステル化セルロースエーテルを乾燥させるためにあまり時間とエネルギーを必要としないため、低減したLODは有利である。
エステル化セルロースエーテルのより粗い粒子は、懸濁液がステップ(iii)において少なくとも28℃の温度を有するときに形成され、それは、デカンテーション、遠心分離、濾過、またはそれらの組み合わせによって改善された分離性へとつながることが見出された。その上、分離された洗浄溶液は低減した濁度を有し、それは減少した量のエステル化セルロースエーテル粒子が洗浄溶液中に残っていることの指標である。これは、エステル化セルロースエーテルの改善された収率につながる。驚くべきことに、エステル化セルロースエーテルは、ステップ(iii)で提供された懸濁液がより低い温度ではなく少なくとも28℃の温度を有するようにステップ(iii)及び(iv)が1回または繰り返し実施されるとき、乾燥の際に改善された破砕性を有することも見出された。さらにより驚くべきことに、本発明のプロセスに従うステップ(iii)及び(iv)に供されたエステル化セルロースエーテル中の塩含有量は、ステップ(iii)における懸濁液が28℃未満の温度を有することを除いては、同等のプロセスにおいて処理されたエステル化セルロースエーテル中の塩含有量よりもさらに低いことが見出された。エステル化セルロースエーテル中の塩含有量は、エステル化セルロースエーテルの純度の指標である。
本発明の一実施形態において、ステップ(iv)の後、またはステップ(iii)及び(iv)の繰り返しサイクルの場合、最後のステップ(iv)の後、回収されたエステル化セルロースエーテルは、水性液体中にエステル化セルロースエーテルを懸濁させて、最大27℃、好ましくは15〜25℃の温度を有する懸濁液を提供するステップ(v)、及びステップ(v)の懸濁液からエステル化セルロースエーテルを回収するステップ(vi)に供される。懸濁液の異なる温度は別として、ステップ(v)における水性液体の種類及び量ならびに条件は、好ましくは、ステップ(iii)について上に記載される通りである。ステップ(vi)は、さらに上に記載されるステップ(iv)と同一の方式で実施され得る。
精製されたエステル化セルロースエーテルは、その後、既知の方式、例えばオーブン内で、または通風乾燥によって、乾燥され得る。典型的な乾燥温度は、20〜200℃、より典型的には40〜150℃である。典型的な乾燥期間は、5分〜24時間、より典型的には15分〜10時間である。乾燥は材料の低LODのため改善され、乾燥するのにあまり時間とエネルギーを必要としない。
上に記載されるステップ(iii)における改善を到達するため、ステップ(iii)は、ステップ(i)及び(ii)から始まる必要はないが、それらとは別々に実施され得る。
したがって、本発明の一実施形態は、あるプロセスにおけるエステル化セルロースエーテルの水性液体からの分離性を改善する方法であって、水性液体中に、精製されるエステル化セルロースエーテルを懸濁させて、懸濁液を提供するステップと、濾過、遠心分離、デカンテーション、またはそれらの組み合わせによって、エステル化セルロースエーテルを懸濁液から回収するステップと、を含み、懸濁液の温度が、エステル化セルロースエーテルが懸濁液から回収される前に少なくとも28℃に調整される、方法に関する。
本発明の別の実施形態は、固体エステル化セルロースエーテルの湿潤塊の乾燥減量を低減する方法であって、水性液体中に、固体エステル化セルロースエーテルの湿潤塊を懸濁させて、懸濁液を提供するステップと、濾過、遠心分離、デカンテーション、またはそれらの組み合わせによって、エステル化セルロースエーテルを懸濁液から回収するステップと、を含み、懸濁液の温度が、エステル化セルロースエーテルが懸濁液から回収される前に少なくとも28℃に調整される、方法に関する。「固体エステル化セルロースエーテル」は、25℃及び大気圧で固体であるエステル化セルロースエーテルを意味する。「湿塊」とも表される「固体エステル化セルロースエーテルの湿潤塊」はまた、濾過、遠心分離、デカンテーション、またはそれらの組み合わせによってではなく、乾燥のみによって、例えば加熱の手段によって、除去されるエステル化セルロースエーテルの固体塊中に捕捉された水性液体を含有する塊を意味する。本発明の目的のため、湿度、すなわち、固体エステル化セルロースエーテルの湿潤塊中の揮発性成分の重量パーセンテージは、乾燥減量(LOD)に対応する。パーセントにおけるLODは、(重量湿潤−重量乾燥)/重量湿潤×100として計算され、重量湿潤は、固体エステル化セルロースエーテルの湿潤塊の重量であり、重量乾燥は、乾燥固体エステル化セルロースエーテルの重量である。本発明のプロセスより前に、エステル化セルロースエーテルの湿潤塊は、典型的には50〜98パーセント、より典型的には55〜80パーセントの乾燥減量(LOD)を有する。本発明のプロセスの後、すなわち、乾燥ステップを伴わない、濾過、遠心分離、デカンテーション、またはそれらの組み合わせによって、懸濁液からエステル化セルロースエーテルを回収した後、エステル化セルロースエーテルは、典型的には、35〜65パーセント、より典型的には40〜60パーセントの乾燥減量(LOD)を有する。
水性液体中に固体エステル化セルロースエーテルの湿潤塊を懸濁させて、懸濁液を提供するステップ、懸濁液の温度を少なくとも28℃に調整するステップ、及び濾過、遠心分離、デカンテーション、またはそれらの組み合わせによって、エステル化セルロースエーテルを懸濁液から回収するステップによって、概して、出発LODに基づいて、少なくとも12パーセント、典型的には少なくとも15パーセント、より典型的には少なくとも20パーセント、最適化された条件下では、さらに少なくとも25パーセントまたはさらに少なくとも30パーセントのLODの低減が到達される。
エステル化セルロースエーテルの水性液体からの分離性を改善させる方法及び固体エステル化セルロースエーテルの湿潤塊の乾燥減量を低減させる方法の好ましい実施形態は、上に記載されるプロセスにおけるステップ(iii)及び(iv)について上に記載されたものである。
本発明のいくつかの実施形態は、ここで以下の実施例において詳細が記載される。
別途述べられない限り、全ての部及びパーセンテージは重量によるものである。実施例において、以下の試験手順を使用する。
エーテル及びエステル基の含有量
ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)におけるエーテル基の含有量を、“Hypromellose”,United States Pharmacopeia and National Formulary,USP35,pp3467−3469に記載される方式と同一の方式で決定する。
アセチル基(−CO−CH)でのエステル置換及びサクシノイル基(−CO−CH−CH−COOH)でのエステル置換を、Hypromellose Acetate Succinate,United States Pharmacopia and National Formulary,NF29,pp1548−1550”に従い決定する。エステル置換の報告された値は、揮発性に対して補正される(上のHPMCASモノグラフにおいて「乾燥減量」の節に記載されるように決定される)。
洗浄溶液の濁度の決定
濁度を、濁度計2100AN(ウォルフラムランプ、ドイツカタログ番号47089−00)(Hach Company、Loveland、Colorado、USA)で分析した。濁度は、試料セル(直径:24mm)を通る散乱光の分析であり、USEPA方法180.1に従いNTU(ネフェロメ濁度単位)でもたらされる。分析を、<0.1NTU〜7500NTU(StablCal(商標)、カタログ番号2659505)の範囲のホルマジン標準に対して実施した。USEPA方法180.1フィルターモジュール(カタログ番号3031200)を使用した。
乾燥減量(LOD)の決定
パーセントにおけるLODは、(重量湿潤−重量乾燥)/重量湿潤×100。HPMCASのLODを、130℃で、Ohaus MB35水分計を使用して測定した。
伝導率測定
洗浄されたHPMCASの伝導率を、1000gの水中に165g(乾燥重量に基づいて)の洗浄及び濾過されたHPMCASを再懸濁すること、ならびにFisher Scientific、USAから市販されるccumet(商標)13−620−156導電率プローブを使用して、懸濁液の液相の伝導率を測定することによって、測定した。伝導率測定で、懸濁液の液相は20℃の温度を有した。
ナトリウムイオンの決定
洗浄されたHPMCAS中のナトリウムイオンの濃度を、1000gの水中に165g(乾燥重量に基づいて)の洗浄及び濾過されたHPMCASを再懸濁すること、ならびにFisher Scientific、USAから市販されるOrion(商標)8611Bナトリウムイオン選択プローブを使用して、懸濁液の液相のナトリウムイオン濃度を測定することによって、測定した。ナトリウムイオンの測定されたppmを、HPMCASの乾燥重量に基づいて、ナトリウムイオン濃度を計算するために使用した。以下の表2において、計算されたナトリウムイオン濃度を列記する。
実施例1
ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)を含む反応生成物混合物の生成
208.1重量部の氷酢酸、84.5重量部の酢酸無水物、2重量%の含水量を有する100重量部のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、10.6重量部のコハク酸無水物、及び95.0重量部のナトリウムアセテート(水非含有)を、完全な撹拌の下、反応容器に導入した。
HPMCは、米国薬局方及び国民医薬品集、ヒプロメロース(ヒドロクスプロイルメチルセルロース)に従い測定された28.8%のメトキシル置換及び8.8%のヒドロキシプロポキシル置換を有し、それは1.88のDSメトキシル及び0.24のMSヒドロキシプロポキシルに相当する。HPMCは、ASTM D2363−79(2006に再承認)に従い、20℃で水中の2%溶液として測定された約3mPa・sの粘度を有した。HPMCの重量平均分子量は約20,000ダルトンであった。HPMCは、メトセルE3 LVプレミアムセルロースエーテルとしてThe Dow Chemical Companyから市販される。
混合物を、3.0時間撹拌しながら85℃で加熱して、エステル化をもたらした。
反応生成物混合物からのHPMCASの沈殿及び単離(ステップ(i)及び(ii))、続いて繰り返される洗浄ステップにおける精製
3.0時間の反応時間の後、高温反応混合物中のエステル化HPMC生成物を、再循環され撹拌された容器のサイドアーム内に取り付けられた高剪断装置を通して、高温反応混合物を緩徐に約20℃の温度で5750部の水中に移行させることによって、沈殿させた。沈殿したHPMCASを、水性スラリーの残部から分離した。
単離されたHPMCASを、15〜20℃の温度を有する水中にHPMCを懸濁させるいくつかのサイクルに供し、その後、HPMCを懸濁液から分離した。最終HPMCAS湿潤ケーキは、約37%のHPMCAS、約63%の水、及び0.5%未満の副生成物(酸、ナトリウム塩など非含有)からなった。単離されたHPMCASは、63重量パーセントの乾燥減量(LOD)を有した。HPMCASは、HPMCASの乾燥重量に基づいて、7.3%のサクシネート置換及び12.3%のアセテート置換を有した。
ステップ(iii)及び(iv):水性液体中にHPMCASを懸濁し、懸濁液からHPMCASを分離する
上に記載されるように、反応生成物混合物からのHPMCASの沈殿及び単離(ステップ(i)及び(ii))、続いて、繰り返される洗浄ステップにおける精製の後に得られた81.08gの湿潤HPMCASを、1658.92gの脱イオン水中に懸濁した。懸濁液を、10,000rpmで2分間、Ultra−Turrax撹拌機(シャフトS50 N G 45 F)を用いて剪断した。この懸濁液を、4部分(一定分量)に分割し、錨型撹拌機を使用する撹拌の下、10分間異なる温度に加熱した。錨型撹拌機は300rpmの速度を有した。次いで、懸濁液を、G1フリットを通して濾過し、濾過性を質的に評価し、濾液の濁度を測定した。
上の表1の結果は、HPMCASの改善された濾過性及び濾液の減少した濁度を示し、それは、ステップ(iii)において、本発明において特許請求されるように、HPMCASを、水性液体中に懸濁して、少なくとも28℃の温度を有する懸濁液を提供するときの、濾過作用における増加した収率の指標である。
実施例2
異なる量の氷酢酸、酢酸無水物、コハク酸無水物、及びナトリウムアセテートを使用することを除き、実施例1のプロセスを繰り返し、約33重量パーセントのHPMCAS、約67重量パーセントの水、及び0.5重量パーセント未満の副生成物(酸、ナトリウムなど非含有)からなる湿潤ケーキをもたらした。HPMCASは、HPMCASの乾燥重量に基づいて、10.5%のサクシネート置換及び9.6%のアセテート置換を有した。
実施例1において上に記載されるように、HPMCASを、反応生成物混合物から沈殿及び単離し、続いて、繰り返される洗浄ステップにおいて精製した。本発明のプロセスのステップ(iii)及び(iv)、すなわち、水性液体中にHPMCASを懸濁し、懸濁液からHPMCASを分離することを以下のように実行した。以下の表2に列記されるように、90〜98℃の温度の1Lの脱イオン水中に、67重量パーセントのLODを有する500gの湿潤HPMCASを懸濁させて、続いて、デカンテーションした。懸濁液を、Variac電力変圧器を備える2LのWaringブレンダー内で撹拌した。ブレンダーを、約35%の電力で稼動し、それは集結を防止するのには十分であったが、粒子径を大いに減少させなかった。結果として生じる懸濁液の温度を監視し、以下の表2に列記する。HPMCASのより低い温度のため、90〜98℃未満であった。以下の表2に列記されるように、熱水中にHPMCASを懸濁させ、続いてデカンテーションする最後のサイクルの後、20℃の温度の水中にHPMCASを繰り返し懸濁させ、続いて、1Lのフィルター漏斗中のP8 Fisher粗フィルターペーパーを通して濾過した。
冷水との比較手順において、20℃の温度の水中にHPMCASを繰り返し懸濁させ、続いて、濾過した。冷水中のHPMCASの各懸濁液を、1Lのフィルター漏斗中のP8 Fisher粗フィルターペーパーを通した真空濾過に供した。
最後の懸濁/分離サイクル後、フィルター漏斗中のHPMCASを20℃の温度の水で1回すすいだ。
結果を以下の表2に列記する。結果は、洗浄ステップ(iii)を、より低い温度ではなく少なくとも28℃の温度を有する洗浄溶液で1回または繰り返し実施するとき、洗浄されたエステル化セルロースエーテルの乾燥減量(LOD)が改善されることを示す。その上、洗浄ステップ(iii)を、洗浄溶液で1回または繰り返し実施して、より低い温度ではなく少なくとも28℃の温度を有する懸濁液を提供するとき、再懸濁されたエステル化セルロースエーテルの液相における伝導率及びナトリウムイオン濃度は低い。低減された伝導率及びナトリウムイオン濃度は、本発明のプロセスに従って洗浄されたエステル化セルロースエーテルの改善された純度を示す。
本開示は以下も包含する。
[1]
(a)セルロースエーテルと、(b)脂肪族モノカルボン酸無水物、またはジもしくはトリカルボン酸無水物、または脂肪族モノカルボン酸無水物とジもしくはトリカルボン酸無水物の組み合わせとの反応から得られた反応生成物混合物からエステル化セルロースエーテルを回収するプロセスであって、
(i)前記反応生成物混合物を水性液体と接触させて、前記反応生成物混合物から前記エステル化セルロースエーテルを沈殿させるステップと、
(ii)前記沈殿したエステル化セルロースエーテルをステップ(i)で得られた前記混合物から単離するステップと、
(iii)水性液体中に前記単離されたエステル化セルロースエーテルを懸濁させて、少なくとも28℃の温度を有する懸濁液を提供するステップと、
(iv)前記エステル化セルロースエーテルをステップ(iii)の前記懸濁液から回収するステップと、を含む、前記プロセス。
[2]
前記水性液体が水である、上記態様1に記載の前記プロセス。
[3]
ステップ(iii)の前記懸濁液が、30〜95℃の温度を有する、上記態様1または2に記載の前記プロセス。
[4]
ステップ(iii)の前記懸濁液が、55〜90℃の温度を有する、上記態様3に記載の前記プロセス。
[5]
ステップ(i)において、水性液体と前記反応生成物混合物の組み合わせが、少なくとも800秒 −1 の剪断速度に供される、上記態様1〜4のいずれかに記載の前記プロセス。
[6]
ステップ(i)において、前記反応生成物混合物を水性液体と接触させることによって得られた前記混合物の温度が、ステップ(ii)に供される前に27℃以下に調整される、上記態様1〜5のいずれかに記載の前記プロセス。
[7]
ステップ(iii)において、前記エステル化セルロースエーテルが、エステル化セルロースエーテル1重量部当たり2〜400重量部の水性液体と接触する、上記態様1〜6のいずれかに記載の前記プロセス。
[8]
前記単離されたエステル化セルロースエーテルが、ステップ(iii)及び(iv)の繰り返しサイクルに供される、上記態様1〜7のいずれかに記載の前記プロセス。
[9]
ステップ(iv)の後、またはステップ(iii)及び(iv)の繰り返しサイクルの場合、最後のステップ(iv)の後、前記回収されたエステル化セルロースエーテルが、
(v)水性液体中に前記エステル化セルロースエーテルを懸濁させて、最大27℃の温度を有する懸濁液を提供するステップと、
(vi)前記エステル化セルロースエーテルをステップ(v)の前記懸濁液から回収するステップと、に供される、上記態様1〜8のいずれかに記載の前記プロセス。
[10]
前記反応生成物混合物が、(c)脂肪族カルボン酸及び(d)アルカリ金属カルボキシレートの存在下で、(a)セルロースエーテルと、(b)脂肪族モノカルボン酸無水物、またはジもしくはトリカルボン酸無水物、または脂肪族モノカルボン酸無水物とジもしくはトリカルボン酸無水物の組み合わせとの反応から得られたものである、上記態様1〜9のいずれかに記載の前記プロセス。
[11]
前記反応生成物混合物が、(a)アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、またはヒドロキシアルキルアルキルセルロースと、(b)酢酸無水物、酪酸無水物、及びプロピオン酸無水物からなる群から選択される脂肪族モノカルボン酸無水物、またはコハク酸無水物、フタル酸無水物、及びトリメリット酸無水物からなる群から選択されるジもしくはトリカルボン酸無水物、または前記脂肪族モノカルボン酸無水物と前記ジもしくはトリカルボン酸無水物の組み合わせとの反応から得られたものである、上記態様1〜10のいずれかに記載の前記プロセス。
[12]
前記エステル化セルロースエーテルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートである、上記態様1〜11のいずれかに記載の前記プロセス。
[13]
(a)セルロースエーテルが、(b)脂肪族モノカルボン酸無水物、またはジもしくはトリカルボン酸無水物、または脂肪族モノカルボン酸無水物とジもしくはトリカルボン酸無水物の組み合わせと反応し、前記エステル化セルロースエーテルが、上記態様1〜12のいずれかに記載の前記プロセスに従って前記反応生成物混合物から回収される、セルロースエーテルのエステルを調製するためのプロセス。
[14]
あるプロセスにおけるエステル化セルロースエーテルの水性液体からの分離性を改善する方法であって、
水性液体中に、精製されるエステル化セルロースエーテルを懸濁させて、懸濁液を提供するステップと、
濾過、遠心分離、デカンテーション、またはそれらの組み合わせによって、前記エステル化セルロースエーテルを前記懸濁液から回収するステップと、を含み、
前記懸濁液の温度が、前記エステル化セルロースエーテルが前記懸濁液から回収される前に少なくとも28℃に調整される、前記方法。
[15]
固体エステル化セルロースエーテルの湿潤塊の乾燥減量を低減する方法であって、
水性液体中に固体エステル化セルロースエーテルの前記湿潤塊を懸濁させて、懸濁液を提供するステップと、
濾過、遠心分離、デカンテーション、またはそれらの組み合わせによって、前記エステル化セルロースエーテルを前記懸濁液から回収するステップと、を含み、前記懸濁液の温度が、前記エステル化セルロースエーテルが前記懸濁液から回収される前に少なくとも28℃に調整される、前記方法。

Claims (10)

  1. (a)セルロースエーテルと、(b)ジもしくはトリカルボン酸無水物、または脂肪族モノカルボン酸無水物とジもしくはトリカルボン酸無水物の組み合わせとの反応から得られた反応生成物混合物からエステル化セルロースエーテルを回収するプロセスであって、
    (i)前記反応生成物混合物をと接触させて、前記反応生成物混合物から前記エステル化セルロースエーテルを沈殿させるステップと、
    (ii)前記沈殿したエステル化セルロースエーテルをステップ(i)で得られた前記混合物から単離するステップと、
    (iii)少なくとも30秒間撹拌下で水中に前記単離されたエステル化セルロースエーテルを懸濁させて、少なくとも50℃の温度を有する懸濁液を提供するステップと、
    (iv)前記エステル化セルロースエーテルをステップ(iii)の前記懸濁液から回収するステップと、を含む、前記プロセス。
  2. ステップ(iii)の前記懸濁液が、55〜90℃の温度を有する、請求項1に記載の前記プロセス。
  3. ステップ(i)において、と前記反応生成物混合物の組み合わせが、少なくとも800秒−1の剪断速度に供される、請求項1または2に記載の前記プロセス。
  4. ステップ(i)において、前記反応生成物混合物をと接触させることによって得られた前記混合物の前記温度が、ステップ(ii)に供される前に、27℃以下に調整される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の前記プロセス。
  5. 前記単離されたエステル化セルロースエーテルが、ステップ(iii)及び(iv)の繰り返しサイクルに供される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の前記プロセス。
  6. ステップ(iv)の後、またはステップ(iii)及び(iv)の繰り返しサイクルの場合、最後のステップ(iv)の後、前記回収されたエステル化セルロースエーテルが、
    (v)中に前記エステル化セルロースエーテルを懸濁させて、最大27℃の温度を有する懸濁液を提供するステップと、
    (vi)前記エステル化セルロースエーテルをステップ(v)の懸濁液から回収するステップと、に供される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の前記プロセス。
  7. 前記反応生成物混合物が、(a)アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、またはヒドロキシアルキルアルキルセルロースと、(b)酢酸無水物、酪酸無水物、及びプロピオン酸無水物からなる群から選択される脂肪族モノカルボン酸無水物、ならびにコハク酸無水物、フタル酸無水物、及びトリメリット酸無水物からなる群から選択されるジもしくはトリカルボン酸無水物との反応から得られたものである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の前記プロセス。
  8. (a)セルロースエーテルが、(b)ジもしくはトリカルボン酸無水物、または脂肪族モノカルボン酸無水物とジもしくはトリカルボン酸無水物の組み合わせと反応し、前記エステル化セルロースエーテルが、請求項1〜7のいずれか一項に記載の前記プロセスに従って前記反応生成物混合物から回収される、セルロースエーテルのエステルを調製するためのプロセス。
  9. あるプロセスにおけるヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートのからの分離性を改善する方法であって、
    少なくとも30秒間撹拌下で水中に、精製されるヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートを懸濁させて、懸濁液を提供するステップと、
    濾過、遠心分離、デカンテーション、またはそれらの組み合わせによって、前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートを前記懸濁液から回収するステップと、を含み、
    前記懸濁液の温度が、前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートが前記懸濁液から回収される前に少なくとも50℃に調整される、前記方法。
  10. 固体ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートの湿潤塊の乾燥減量を低減する方法であって、
    少なくとも30秒間撹拌下で水中に固体ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートの前記湿潤塊を懸濁させて、懸濁液を提供するステップと、
    濾過、遠心分離、デカンテーション、またはそれらの組み合わせによって、前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートを前記懸濁液から回収するステップと、を含み、前記懸濁液の温度が、前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートが前記懸濁液から回収される前に少なくとも50℃に調整される、前記方法。
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