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JP6048824B2 - ランプ及び照明装置 - Google Patents

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Description

本発明は、LED(Light Emitting Diode)等の半導体発光素子を光源とするランプ及び照明装置に関する。
近年、省エネルギーの観点から、白熱電球に代替する電球形ランプとして、高効率・長寿命なLEDを利用するランプ(以下、LEDランプと記載する。)が提案されている。
LEDランプは、例えば、多数のLEDを実装する実装基板が、一端に口金を備えるケースの他端側に装着され、口金から受電してLEDを点灯させる点灯回路ユニットがケース内に収容されてなる(特許文献1〜2)。
LEDは点灯時に熱を発生する。この熱によりLEDが温度上昇すると、LEDの発光効率が低下したり、LEDの寿命が短くなったりする。このことから、発光時のLEDの過度な温度上昇を防止するために種々の対策が施されている。
特許文献2では、金属製のケースの表面に放熱溝を設け、発光時に実装基板からケースへと伝わった熱を効率良く放熱させるようにしている。つまり、ケースをヒートシンクとして利用している。
特開2006−313717号公報 特開2010−003580号公報
「ランプ総合カタログ 2010」発行:パナソニック株式会社 ライティング社他
ランプは、通常、電気的な絶縁対策が施されており、通常の使用においては十分な製品信頼性が確保されている。しかしながら、ランプが想定外の状態で使用される場合として、例えば、水中での使用や、一度水没したランプを乾かして使用するなどがある。想定外の状態で使用された場合には、上記通常の電気絶縁対策では十分な信頼性が確保できない場合が考えられる。従って、そのような想定外の使用状況においても、電気絶縁性を確保し製品信頼性を十分に確保することが望ましい。
特に、ヒートシンクは、ランプの取り付け、取り外しの際にユーザが手で触る可能性が高い部分であるため、ヒートシンクが金属材料から成る場合には、より確実な電気絶縁対策が求められる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、良好な放熱性を備え、且つ、十分な製品信頼性を確保することができるランプを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るランプは、半導体発光素子と、点灯時の前記半導体発光素子の熱を放熱するヒートシンクとを備えたランプであって、以下の構成を備える。すなわち、前記ヒートシンクは、金属材料からなり前記半導体発光素子を搭載する載置面を設けた内郭部を備える。さらに、前記載置面を除く前記内郭部は、前記ヒートシンクを前記半導体発光素子側から平面視したとき、前記内郭部と一体成型された樹脂材料からなる外郭部に外周を覆わる。さらに、前記載置面を除く前記内郭部の外周の少なくとも一部において前記内郭部の外周は前記外郭部の内周から離間していることを特徴とする。
また、別の態様では、前記載置面を除く前記内郭部の全周において、前記内郭部の外周は前記外郭部の内周から離間していることを特徴とする構成であってもよい。
また、別の態様では、前記ヒートシンクを前記載置面の方向より平面視したとき、前記外郭部は周方向に途切れたスリットを有し、当該スリットを通した前記外郭部の外周から前記内郭部までの空間距離は2mm以上であることを特徴とする構成であってもよい。
また、別の態様では、前記内郭部の外周における前記スリット近傍に、前記内郭部の内方に向けて凹んだ凹陥部を有することを特徴とする構成であってもよい。
また、別の態様では、前記ヒートシンクを前記半導体発光素子側から平面視したとき、前記スリットはクランク形状であることを特徴とする構成であってもよい。
また、別の態様では、半導体発光素子と、点灯時の前記半導体発光素子の熱を放熱するヒートシンクとを備えたランプであって、前記ヒートシンクは、金属材料からなり前記半導体発光素子を搭載する載置面を設けた第1基部を備える。さらに、当該第1基部は、前記載置面側より平面視したとき、前記第1基部と一体成型された樹脂材料からなる第2基部に外周を覆われる。さらに、前記第1基部の外周の少なくとも一部において、前記第1基部の外周は前記第2基部の内周から離間していることを特徴とする構成であってもよい。
また、別の態様として、前記内郭部は第1基部であり、前記外郭部は第2基部であることを特徴とする構成であってもよい。
また、別の態様では、本発明の一態様に係る照明装置は、上記のアンプと、当該ランプの装着を受け入れ、当該ランプを点灯させる照明器具を備えたことを特徴とする構成であってもよい。
上記の構成によれば、ヒートシンク部を、内郭部に金属材料を用いたことにより良好な放熱性を備えつつ樹脂の外郭部を有した2重構造とする構成とした。これにより、良好な放熱性を備え、且つ、十分な製品信頼性を確保することができるランプを提供することができる。
第1の実施形態に係るLEDランプ100の外観を示す斜上方から見た斜視図である。 第1の実施形態に係るLEDランプ100の側面図である。 第1の実施形態に係るLEDランプ100を図1におけるA−A線で切った断面を示す断面図である。 第1の実施形態に係るLEDランプ100を斜上方から見た分解斜視図である。 (a)は、第1の実施形態に係るLEDランプ100の筐体130におけるヒートシンク部131を図4とは異なる角度から見た斜視図である。(b)は、筐体130におけるヒートシンク部131の底面図である。 (a)は、第1の実施形態に係るLEDランプ100における、図4のB−B線で切った断面を示す筐体130のヒートシンク部131の斜視断面図である。(b)は、(a)とは、異なる角度から見た筐体130におけるヒートシンク部131の斜視断面図である。 第1の実施形態に係るLEDランプ100の筐体130におけるヒートシンク部131の分解斜視図である。 第1の実施形態に係るLEDランプ100の筐体130におけるヒートシンク部131の平面図である。 第1の実施形態に係るLEDランプ100の筐体130の一部と点灯回路ユニット150とを図4の状態から上下反転した状態で示した分解斜視図である。 第1の実施形態に係るLEDランプ100の筐体130におけるヒートシンク部の変形例131´を示す平面図である。 (a)は、第2の実施形態に係るLEDランプを、図4のB−B線に沿った断面と同様の位置で切った筐体におけるヒートシンク部231の斜視断面図である。(b)は、(a)とは、異なる角度から見た筐体におけるヒートシンク部231の斜視断面図である。 第2の実施形態に係るLEDランプの筐体におけるヒートシンク部231の分解斜視図である。 第2の実施形態に係るLEDランプの筐体におけるヒートシンク部231の平面図である。 (a)は、第3の実施形態に係るLEDランプを、図4のB−B線に沿った断面と同様の位置で切った筐体におけるヒートシンク部331の斜視断面図である。(b)は、(a)とは、異なる角度から見た筐体におけるヒートシンク部331の斜視断面図である。 第3の実施形態に係るLEDランプの筐体におけるヒートシンク部331の分解斜視図である。 第3の実施形態に係るLEDランプの筐体におけるヒートシンク部331の平面図である。 第4の実施形態に係る照明装置301の概略図である。
≪第1の実施形態≫
1.全体構成
図1は、第1の実施形態に係るLEDランプ100の外観を示す斜上方から見た斜視図である。図2は、第1の実施形態に係るLEDランプ100の側面図である。図3は、第1の実施形態に係るLEDランプ100を図1におけるA−A線で切った断面を示す断面図である。図4は、第1の実施形態に係るLEDランプ100を斜上方から見た分解斜視図である。
LEDランプ100は、その主な構成として、照明器具(図17参照)側から受電するための口金110、半導体発光素子であるLED171を有するLEDモジュール170、口金110から受電してLED171を点灯させる点灯回路ユニット150を備える。さらに、点灯回路ユニット150を収容するケース部135とLED発光時の熱を放出するためのヒートシンク部131からなる筐体130を備える。さらに、LEDランプ100は、上記構成の他、LED171を覆うグローブ140を有している。図1におけるグローブ140は、グローブ140を紙面に平行な断面で切断した形状を示す。
ここで、図2及び図3に示したLEDランプ100の中心軸Jに沿って、口金110の方向を「ランプ基端方向」、グローブ140の方向を「ランプ先端方向」と称する。また、筐体130において、ランプ軸方向のランプ基端方向に向いた端部を「ランプ基端側の端部」、そして、ランプ軸方向のランプ先端方向に向いた端部を「ランプ先端側の端部」と称する。
筐体130における、ヒートシンク部131のランプ先端側の端部131cにはLED171が直接的又は間接的に搭載されている。ここでは、LED171は複数あり、複数のLED171が、実装基板172に実装されたモジュールタイプである。このLEDモジュール170は、ヒートシンク部131のランプ先端側の端部131cに直接装着されている。複数のLED171が実装基板172に実装されたものをLEDモジュール170とする。
筐体130におけるヒートシンク部131のランプ基端側の端部131dには、点灯回路ユニット150を収容するケース部135がケースカバー部137とともに、ネジ191によりヒートシンク部131に締結されている。すなわち、点灯回路ユニット150はヒートシンク部131に直接接触することなくヒートシンク部131のランプ基端側の端部131dに装着されている。筐体130の詳細については後述する。
2.各部構成
(1)LEDモジュール
LEDモジュール170は、実装基板172と複数のLED171と複数の封止体とを含む。
実装基板172は、絶縁板と、複数のLEDを所定の接続形態で実装するための配線パターンと、配線パターンと点灯回路ユニット150とを接続するための接続端子とを備える。所定の接続形態としては、例えば、直列接続、並列接続、直並列接続等がある。
LED171は、所定の光の色を発する。所定の光の色としては、例えば、青色光、紫外線光等がある。複数のLED171は、実装基板172に所定の形態で実装される。所定の形態は、円環状をしているが、これに限られない。例えば、多角形の環状、マトリクス状、列状等であってもよい。ここでは、LEDモジュール170は、24個のLED171を平面視において円環状に備える。
実装基板172は、例えば、セラミック基板や熱伝導樹脂等からなる絶縁層とアルミ板等からなる金属層との2層構造を有するアルミ基板等が用いられる。実装基板172の上面にはLED171が実装されている。ここでは、実装基板172には、円板状のセラミック(例えばアルミナ)基板が用いられている。
封止体は、LED171を封止するためのものである。封止体としては、例えば、樹脂材料を用いることができる。LED171から発せられた光の波長変換は、波長変換材料を樹脂材料に混入することで実施できる。樹脂材料としては、例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッソ樹脂、シリコーン・エポキシのハイブリッド樹脂、ユリア樹脂等を用いることができる。蛍光体としては、例えば、黄色に発色する、YAG蛍光体、Y3Al512:Ceや、Eu2+付活とするシリケート蛍光体、Sr2SiO4:Eu等を用いることができる。ここでは、LED171は青色光を発し、封止体である樹脂材料(例えばシリコーン樹脂)に青色光を波長変換する蛍光体が混入されている。
LED171は、実装基板172に実装された後に封止されてもよいし、封止体により封止された後に実装基板172に実装されてもよい。ここでは、LEDは、表面実装(SMD)タイプであり、封止体と一体化されている。このため、図3及び4で実際に現れているのは封止体であるが、SMDとしてのLEDを符号「171」で表している。
(2)点灯回路ユニット
点灯回路ユニット150は、回路基板151と各種の電子部品152、153とを含む。点灯回路ユニット150は、口金110を介して受電した商用電力(交流)を整流する整流回路と、整流された直流電力を平滑化する平滑回路とを備える。平滑された直流電力は、必要があれば、昇圧・降圧回路等により所定の電圧へと変換される。整流回路はダイオードブリッジにより、平滑回路はコンデンサにより構成されている。これらの電子部品152、153は回路基板151に実装される。なお、電子部品は、符号を付した「152」、「153」以外にも存在するが、ここでは、図面の便宜上、チョークコイル152と電解コンデンサ153にのみ符号を付している。
回路基板151は、絶縁板と配線パターンと接続端子とを備える。絶縁板は、ここでは、全体として矩形状をしている。
点灯回路ユニット150は、ヒートシンク部131より口金110に近い位置でケース部135内に収容されている。回路基板151における口金110側のランプ基端方向に向いた面には、上記チョークコイル152や電解コンデンサ153、抵抗等が実装され、ランプ先端方向に向いた面にはIC等が実装されている。ランプ先端方向に向いた面には耐熱性の高い電子部品を実装することが好ましい。
(3)筐体
上述したように、筐体130は、LEDモジュール170からの熱を外部に放出するためのヒートシンク部131と、点灯回路ユニット150を収容するケース部135とを有する。以下、各部の構成について説明する。
(3−1)ヒートシンク部
[ヒートシンク部131の構成の概要]
ヒートシンク部131は、LEDモジュール170で発生した熱を放熱するための部位であり、図3に示すように、基部131aと、複数のフィン131bとから成る。
基部131aは、円板状であり、ランプ先端側の端部131cには、LEDモジュール170が搭載される。すなわち、ヒートシンク部131における基部131aのランプ先端側の端部131cは、LEDモジュール170が搭載される載置面である。この端部131cには、LEDモジュール170をネジ192で締結するためのネジ穴131eと、LEDモジュール170に駆動するための電気信号を供給する配線部材180を通すための中央穴部131iとが設けられている。また、この端部131cの外側には周方向に環状の挿入溝131fが形成されている。グローブ140の開口側の端部140aが挿入溝131fに挿入された状態で、図示なし接着剤が挿入溝131fに充填され固化することにより、グローブ140がヒートシンク部131に固着される。
フィン131bは、板状の部材であり、基部131aの下面からランプ軸基端方向に複数延設されている。また、フィン131bは、ランプ軸Jと直交する断面において、ランプ軸Jを中心として放射状に形成されている。また、フィン131bは、ランプ軸Jとその周辺の中央領域には形成されておらず、当該フィン131bが形成されていない部分は、中央空間131gとなっている。この中央空間131gは、ヒートシンク部131のランプ軸方向の一端部と他端部との間にある。
ヒートシンク部131は、ケース部135及びケース蓋部136を装着するための装着手段を有する。装着手段は、基部131aから延出して、その延出端がケース蓋部136に当接する装着突部131hにより構成される。装着突部131hは、ヒートシンク部131の中央空間131gを挟んだ2か所に形成されている。装着突部131hは、ヒートシンク部131の外側から見たときにフィン131bと同じように見えるように、ランプ軸と平行な方向に延伸する溝が外周面に形成されている。装着突部131hは、ケース部135及びケース蓋部136と組み合わされた際に、その突出端面がケース蓋部136における円板部136bに当接する。フィン131bの装着突部131hの端面には、ケース部135及びケース蓋部136に装着されるための結合手段であるネジ穴131jが設けられている。
[ヒートシンク部131の一体成型について]
次に、ヒートシンク部131の一体成型について説明する。
図5(a)は、第1の実施形態に係るLEDランプ100の筐体130におけるヒートシンク部131を図4とは異なる角度から見た斜視図である。(b)は、筐体130におけるヒートシンク部131の底面図である。図6(a)は、第1の実施形態に係るLEDランプ100を、図4のB−B線で切った断面を示す筐体130のヒートシンク部131の斜視断面図である。(b)は、(a)とは、異なる角度から見た筐体130におけるヒートシンク部131の斜視断面図である。図7は、第1の実施形態に係るLEDランプ100の筐体130におけるヒートシンク部131の分解斜視図である。
図5および図6に示すように、ヒートシンク部131の基部131aは、第1基部131a1および第2基部131a2から成る。フィン131bは、第1フィン部131b1および第2フィン部131b2から成る。装着突部131hは、第1装着突部131h1および第2装着突部131h2から成る。
第2基部131a2は、第1基部131a1の外周面の周囲に形成され、さらに基部131aから下方に複数延設された各フィン131bの間の表面を覆うように形成されている。
第2フィン部131b2は、第1フィン部131b1の両側面およびランプ軸Jとは反対側の端部である外側端部131b3を覆うように形成されており、第1フィン部131b1のランプ軸側端部131b4には第2フィン部131b2が形成されていない。即ち、第1フィン部131b1は、ランプ軸J側の端部において外部に露出している。
第1装着突部131h1は、第2装着突部131h2の外周面を覆うように形成されている。
第1基部131a1、第1フィン部131b1および第1装着突部131h1は、一続きの部材として一体的に形成されており、図7に示すように、これらによりヒートシンク部131の内郭部をなす第1ヒートシンク部131z1が構成されている。第2基部131a2、第2フィン部131b2および第2装着突部131h2は、一続きの部材として一体的に形成されており、図7に示すように、これらによりヒートシンク部131の外郭部をなす第2ヒートシンク部131z2が構成されている。
本実施形態においては、第1ヒートシンク部131z1および第2ヒートシンク部131z2は、一体成形により一体的に形成されている。従って、第1ヒートシンク部131z1および第2ヒートシンク部131z2を分離することはできないが、図7では、これらが分離可能であるとした場合の分解斜視図を示している。
内郭部である第1ヒートシンク部131z1は、熱伝導性の高い材料(第1の材料)から成る。熱伝導性の高い材料としては、例えば、アルミ、スチール、チタン、銅等の金属や、樹脂に金属フィラーを混入して熱伝導性を向上させた熱伝導性樹脂やセラミック等を用いることができる。本実施形態においては、第1ヒートシンク部131z1は、金属から成り、具体的には、例えばアルミから成り、アルミダイキャスト、プレス、深絞り等を用いて作成することができる。
外郭部である第2ヒートシンク部131z2は、電気絶縁性の材料から成る。電気絶縁性の材料とは、例えば、樹脂やセラミック等を用いることができる。樹脂材料としては、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ABS、PET等を用いることができる。本実施形態においては、第2ヒートシンク部131z2は、電気絶縁性を有する樹脂材料からなり、具体的には、ポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる。
上記のように、本実施形態においては、フィン131bは、熱伝導性の高い金属材料から成る第1フィン部131b1と、電気絶縁性の樹脂材料から成る第2フィン部131b2とで構成されている。金属から成る第1フィン部131b1のランプ軸Jとは反対側(即ち、外側)の端面および両側面は、電気絶縁性の樹脂から成る第2フィン部131b2により覆われている。そのため、二重絶縁構造とすることで電気用品としての更なる安全確保に資することができる。
また、第1フィン部131b1が熱伝導性の高い金属材料から形成されているため、フィン全体が電気絶縁性の樹脂で形成されている場合と比較して、高い放熱性を実現することができる。
さらには、第1フィン部131b1と第2フィン部131b2とが一体成形により一体的に形成されているため、双方が密着しており、双方の間には空間が存在しない。そのため、第1フィン部131b1と第2フィン部131b2とが別部材として形成され、これらが組み合わされる場合と比較して、第1フィン部131b1から第2フィン部131b2への熱伝導の効率を高くすることができる。
加えて、第1フィン部131b1と第2フィン部131b2とが一体成形により1つの部材として形成されているため、部品点数および組み立て工数を減じて、生産性向上に資することができる。
ここで、フィン131bが十分な電気絶縁性および放熱性を発揮するためには、第2フィン部131b2の厚さは、0.4〜2mmであればよく、より好ましくは1.0〜1.5mmであればよい。
また、ヒートシンク部131は、上記した構成によって良好な放熱性を有する。図5に示すように、複数のフィン131bが、ランプ軸Jを中心として放射状に延伸している。ヒートシンク部131は、隣接するフィン131bの間には空間が存在する。また、フィン131bのランプ軸側端部131b4の内側には、中央空間131gが存在する。ゆえに、隣接するフィン131bの間の空間は、互いに中央空間131gを介して連通している。そのため、外気が、隣接するフィン131bの間の空間から、中央空間131gを通って、他の隣接するフィン131bの間には空間へと流れることができる。したがって、フィン131bの放熱効果が向上し、良好な放熱性を実現することができる。
[ヒートシンク部131の第2基部131a2における樹脂割れ防止のための対策]
本実施の形態では、樹脂等の電気絶縁性の材料と熱伝導率の高い金属とを組合せてヒートシンクを形成した。上述したように、第1基部131a1は、熱伝導性の高い金属から成り、本実施の形態ではアルミから成り、その線膨張係数は、約2.4×10-5/℃である。他方、第2基部131a2は、電気絶縁性の材料から成り、本実施の形態ではポリブチレンテレフタレート(PBT)からなり、その線膨張係数は、約8×10-5/℃である。
一般に、樹脂と金属とは線膨張係数が大きく異なるために、急激で過大な温度変化を受けた場合に、樹脂部分にクラックが発生する場合がある。特に、−40℃以下等の低温環境下では、樹脂の収縮量が金属の収縮量よりも過大となるために、樹脂部分に樹脂割れが発生するときがある。この場合、金属部分が外部に露出することがあり、信頼性を確保するための十分な電気絶縁性を確保することが難しい可能性があり得る。
図8は、第1の実施形態に係るLEDランプ100の筐体130におけるヒートシンク部131の平面図である。図6、図7及び図8に示すように、本実施の形態の筐体130におけるヒートシンク部131では、基部131aにおける第1基部131a1の外周の外径131f1が、外周の全周にわたって第2基部131a2の内周131f2の内径よりも小さい構成となっている。これにより、基部131aにおいて、第1基部131a1の外周131f1と第2基部131a2の内周131f2とが離間するように構成されている。ランプ軸方向については、基部131aの厚みに対して70%以上について、第1基部131a1の外周131f1が第2基部131a2の内周131f2から離間している構成であればよい。もちろん、基部131aの厚み全体に対して第1基部131a1の外周131f1が第2基部131a2の内周131f2から離間している構成であってもよい。本実施形態では、端部131cから基部131aの厚みに対して80%の深さまで、第1基部131a1の外周131f1が第2基部131a2の内周131f2から離間している構成とした。20%については、第1基部131a1の外周131f1の外径が第2基部131a2の内周131f2は接触している。
そのため、アルミからなる第1基部131a1と、樹脂からなる第2基部131a2とは、互いに拘束されず両者が独立に、膨張収縮を行うことができる。その結果、急激で過大な温度変化を受けた場合においても、樹脂からなる第2基部131a2に、金属部分露出の要因となり得るクラックが発生することを防止できる。
(3−2)ケース部
筐体130は、ヒートシンク部131の他、点灯回路ユニット150を収容する筒状のケース部135と、ケース部135のランプ先端側の開口を塞ぐケース蓋部136と、ケース部135を覆う円錐台形状のケースカバー部137とを備える。
ケース部135は、絶縁性を有する樹脂材料、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる。ケース部135は、全体として円筒形状をし、口金110と結合するための口金結合部135aと、点灯回路ユニット150を収容するための収容部135bと、取り付け用の穴135dが形成されたフランジ部135cとを有する。
ケース蓋部136は、絶縁性を有する樹脂材料(例えばポリブチレンテレフタレート(PBT))からなり、図3、図4及び図9に示すように、ランプ基端側に位置する円板部136bと、ランプ先端側に位置する小径筒部136aとを有する。点灯回路ユニット150が載置される当接壁部136cを有する。小径筒部136aは、ヒートシンク部131の中央空間131gを通り、中央穴部131iに挿入される。小径筒部136aは、内部は連通状態にあり点灯回路ユニット150とLEDモジュール170とを電気的に接続する配線部材180が小径筒部136aの内部に挿通されている。そのため、後述するヒートシンク部131の隣接するフィン131bの隙間を通して、点灯回路ユニット150とLEDモジュール170とを接続する配線部材180が、ヒートシンク部131の外から視認されることはない。
ケースカバー部137は、樹脂材料からなりケース部135の外周部分を覆うようにケース部に、図示しないスナップフィット等の結合方法により嵌挿されている。
(4)口金
口金110は、LEDランプ100を照明器具に装着するための装着手段としての機能と、照明器具のソケットから受電するための受電手段としての機能を有する。口金110は、一般電球に用いられている口金と同タイプのものが利用される。本実施形態における口金110は、導電性の金属材料からなり、エジソンタイプ(ねじ込みタイプ)であり、シェル部111と、アイレット部113と、シェル部111とアイレット部113との絶縁性を確保するための絶縁部112とからなる。例えば、所謂E26等を利用することができる。
(5)グローブ
グローブ140は、ドーム状をしている。グローブ140は、LEDモジュール170を保護したり、LEDモジュールから放出される光を拡散させる機能を有する。このため、グローブ140は、LEDモジュール170を被覆する状態でヒートシンク部130に装着される。なお、グローブ140は、透光性材料により構成されている。使用可能な透光性材料としては、例えば、ガラス材料や樹脂材料等がある。本実施形態では、グローブ140は、ガラス材料が用いられている。
3.組立について
(3−1)点灯回路ユニット150のケース部135への装着
図9は、第1の実施形態に係るLEDランプ100の筐体130の一部と点灯回路ユニット150とを図4の状態から上下反転した状態で示した分解斜視図である。
図4及び図8に示すように、点灯回路ユニット150は、ケース部135とケース蓋部136とが結合して形成される内部空間に収容される。この空間を形成する部分が収容部135bである。点灯回路ユニット150は、回路基板151をランプ軸先端側にし、回路基板151の切欠部151a内にケース部135の側凸部分135eが位置する状態で、ケース部135の収容部135b内に収容される。これにより、点灯回路ユニット150のランプ軸周りの回転が規制される。また、回路基板151の周縁部は、収容部135bの内周面に設けられた段差部135f上に載置された状態となる。なお、点灯回路ユニット150は、電子部品152,153側が口金110側に位置するように挿入される。
(3−2)ケース蓋部136のケース部135への装着
次に、ケース蓋部136を、続いて挿入する。ケース蓋部136は、ケース蓋部136の円板部136bに形成された当接壁部136cがケース部135の収容部135bの内周面に沿って、ケース部135に緩挿される。ここでの、ケース部135とケース蓋部136との位置合わせは、ケース蓋部136の当接壁部136cが、ケース蓋部136をケース部135に装着する際の案内手段となることにより行われる。
そして、ケース部135にケース蓋部136側の開口から挿入されると、点灯回路ユニット150は、回路基板151周縁部がケース部135の内周にある段差部135fに当接した状態になる。すなわち、当接壁部136cは、ケース部135内に収容された点灯回路ユニット150の回路基板151がランプ軸の延伸する方向に移動するのを規制する規制手段として機能する。
(3−3)ケース蓋部136とケース部135のヒートシンク部131への装着
図4及び図9に示すように、ケース部135及びケース蓋部136をヒートシンク部131に装着する。ケース部135及びケース蓋部136をヒートシンク部131に装着するための結合手段として、ここでは、ネジ結合を利用している。上述したように、フィン131bの装着突部131hの端面に設けられたネジ穴131jが設けられている。ヒートシンク部131と、ケース部135及びケース蓋部136との結合は、図9に示すように、ケース部135の穴135dとケース蓋部136の穴136dを挿通するネジ191がヒートシンク部131の装着突部131hの端面に設けられたネジ穴131jに螺合することで行う。ヒートシンク部131及びケース部135は、ケース蓋部136の小径筒部136aがヒートシンク部131の内部空間131gに挿入された状態で、結合される。
以上により、点灯回路ユニット150がケース部135内に収容された状態で、ケース部135がヒートシンク部131に装着される。
このとき、回路基板151は、ケース部135の段差部135fと、ケース蓋部136の当接壁部136cとに挟まれて固定される。これにより、点灯回路ユニット150のランプ軸方向の移動が規制される。
また、回路基板151の切欠部151aの形状とケース部135の側凸部分135eの平面視における形状とが対応している。従って、ケース蓋部136がケース部135に組み付けられた状態において、点灯回路ユニット150のランプ軸Jを中心とした回転方向の移動が規制され、ガタツキが防止される。
また、点灯回路ユニット150とLEDモジュール170とを電気的に接続する配線部材180を、ヒートシンク部131のランプ軸先端側の端部131cの中央穴部131iから導出し、ケース蓋部136の小径筒部136aに挿通させる。その導出口となる中央穴部131iをシリコーン樹脂等で封止することでケース部135の気密性を確保し、点灯回路ユニット150を保護することができる。
(3−4)LEDモジュール170のヒートシンク部131への装着
ヒートシンク部131のランプ軸方法のランプ先端側に位置する平面状の端部131cにLEDモジュール170を装着する。LEDモジュール170の装着は、ここではネジ192を利用する。LEDモジュール170の貫通孔172bを挿通するネジ192が端部131cのネジ穴131eに螺合される。
また、LEDモジュール170を、ヒートシンク部131に取り付ける際に、配線部材180をヒートシンク部131の端部131cの中央穴部131iから導出する。配線部材180は図示しないコネクタによりLEDモジュール170に接続する。そして、導出口となる中央穴部131iをシリコーン樹脂等で封止することでケース部135の気密性を確保し、点灯回路ユニット150を保護することができる。
(3−5)グローブ140のヒートシンク部131への装着
グローブ140はヒートシンク部131のランプ軸方法のランプ先端側の端部131cを覆うように装着される。グローブ140の開口側の端部140aが、ヒートシンク部131のランプ先端側の端部131cの外周近傍に位置する挿入溝131fに挿入され、図示しない接着剤により固着されることによりグローブ140がヒートシンク部131に装着される。
(3−6)口金のケース部135への装着
ケース部135の口金側の端部である口金結合部135aが、口金110のシェル部111におけるアイレット部と反対側の端部111aに挿入され、この状態でケース部135と口金110とが結合されている。両者の結合は、例えば、接着剤、ネジ、かしめ、これらの組合せ等により行うことができる。
4.変形例
図10は、第1の実施形態に係るLEDランプ100の筐体130におけるヒートシンク部131の変形例を示す平面図である。
本実施の形態の筐体の変形例に係るヒートシンク部では、基部131aにおける第1基部131a1の外周の外径が、外周の一部l1において第2基部131a2の内周の内径よりも小さい構成となっている。これにより、基部131aにおいて、第1基部131a1の外周と第2基部131a2の内周とが、周上で断続的に存在する外周の一部l1において離間するように構成されている。外周の一部l1以外の部分l0では、第1基部131a1の外周と第2基部131a2の内周とは接触している。図10では、l1が4箇所、l0が4箇所、設けられている。しかしながら、l1及びl0の個数は、図10に示す4箇所に限られず、l1及びl0の個数は各々1以上であればよい。1以上のl0を合計したトータルの許容寸法は、最大で131a1の外周の50%以下であることが望ましい。この範囲内であれば、両者の膨張収縮量の差の絶対値は小さくl0の範囲において樹脂割れは発生しない。
また、ランプ軸方向については、l1において基部131aの厚みに対して70%以上について、第1基部131a1の外周が第2基部131a2の内周から離間している構成であればよい。もちろん、基部231aの厚み全体に対して第1基部131a1の外周が第2基部131a2の内周から離間している構成であってもよい。本実施形態では、端部131cから基部131aの厚みに対して約80%の深さまで、第1基部131a1の外周が第2基部131a2の内周から離間している構成とした。約20%については、l1においても第1基部131a1の外周の外径が第2基部131a2の内周は接触している。
そのため、アルミからなる第1基部131a1と、樹脂からなる第2基部131a2とは、互いに拘束されず両者が独立に膨張収縮することができ、急激で過大な温度変化に伴って樹脂からなる第2基部131a2に樹脂割れが発生することを防止できる。
5.効果
以上、説明したとおり、本発明の一実施形態に係るLEDランプ100は、以下の特徴を有する。すなわち、半導体発光素子171と、点灯時の半導体発光素子の熱を放熱するヒートシンク131とを備えたランプであって、ヒートシンク131は、金属材料からなり半導体発光素子171を搭載する載置面131cを設けた内郭部131a1を備える。そして、載置面131cを除く内郭部131a1は、ヒートシンク131を半導体発光素子側から平面視したとき、内郭部131a1と一体成型された樹脂材料からなる外郭部131a2に外周131f1を覆われる。さらに、載置面131cを除く内郭部131a1の外周131f1の少なくとも一部において内郭部131a1の外周131f1は外郭部131a2の内周131f2から離間している。
上述したように、ヒートシンクは、ランプの取り付け、取り外しの際にユーザが手で触る可能性が高い部分であるため、ヒートシンクが金属材料から成る場合には、より確実な電気絶縁対策が求められる。
これに対し、本発明の一実施形態に係るLEDランプ100は、上記した構成により、ヒートシンク部131を内郭部131a1に金属材料を用いたことにより良好な放熱性を備えつつ樹脂からなる外郭部131a2を有した2重構造とした。この構成により、−40℃以下等の低温環境下等でも外郭部131a2に金属部分露出の要因となり得るクラックが発生することを防止した。これにより、金属からなる内郭部131a1が外部から露出することはない。そのため、例えば、水中での使用や、一度水没したランプを乾かして使用する場合等想定外の状態で使用された場合や、屋外仕様、防湿防雨器具、極度な高温多湿に対応する場合にも十分な信頼性を確保するための、更なる電気絶縁性を確保することができる。その結果、良好な放熱性を備え、且つ、十分な製品信頼性を確保することができるランプを提供することができる。
≪第2の実施形態≫
以上、本発明に係るLEDランプの実施形態を説明したが、例示したLEDランプを以下のように変形することも可能であり、本発明が上述の実施形態で示した通りのLEDランプに限られないことは勿論である。
上記、第1の実施形態では、図6、図7及び図8に示すように、筐体におけるヒートシンク部131では、基部131aにおける第1基部131a1の外周の外径が、外周の全周又は一部において第2基部131a2の内周の内径よりも小さい構成となっている。しかしながら、基部のランプ軸と直交する断面では、内郭部の外周は、内郭部の外周の少なくとも一部において外郭部と離間しているものであれば足り、例えば、以下に示す構成であってもよい。
図11(a)は、第2の実施形態に係るLEDランプを、図4のB−B線に沿った断面と同様の位置で切った筐体におけるヒートシンク部231の斜視断面図である。(b)は、(a)とは、異なる角度から見た筐体におけるヒートシンク部231の斜視断面図である。図12は、第2の実施形態に係るLEDランプの筐体におけるヒートシンク部231の分解斜視図である。図13は、第2の実施形態に係るLEDランプの筐体におけるヒートシンク部231の平面図である。
第2の実施形態に係るLEDランプは、第1の実施形態に係るLEDランプにおける筐体におけるヒートシンク部131を、次のようなヒートシンク部231に変更したものである。ヒートシンク部231では、基部のランプ軸と直交する断面では、外郭部の周縁の少なくとも一部において、外郭部が円周方向に途切れているスリットからなる不連続部を有する。さらに、内郭部の外周におけるスリット近傍に、内郭部の内方に向けて凹んだ凹陥部を有する。本実施の形態では、基部のランプ軸と直交する断面では、外郭部の内径よりも、不連続部における内郭部の外径が小さい。
ヒートシンク部231における、材料、基部231a以外の部分については、第1の実施形態におけるヒートシンク部131の下2ケタが同じ番号を付した部分と構成が同じであり説明を省略する。また、筐体におけるケース部135、ケース蓋部136、ケースカバー部137については、 第1の実施形態における各々の部分と同様であり説明を省略する。さらに、筐体以外の構成は、第1の実施形態に係るLEDランプと同じであり説明を省略する。
図11、図12及び図13に示すように、第2の実施形態のヒートシンク部231は、基部231aのランプ軸と直交する断面では、第2基部231a2の周縁の少なくとも一部において、第2基部231a2が円周方向に途切れているスリットからなる不連続部231k2を有する。また、第2基部231a2の内径よりも、第2基部231a2の不連続部231k2を含む範囲231k1における、第1基部131a1の外径が小さい構成であることが好ましい。本実施の形態では、第1基部131a1の外周におけるスリットからなる不連続部231k2近傍に第1基部131a1の内方に向けて凹んだ凹陥部231k1を有する。これにより、第2基部231a2の不連続部231k2における、第2基部231a2の外周から第1基部231a1までの空間距離が、所定の基準長さよりも大きくなるように構成されている。外表面と金属部分との距離は、電気用品安全法、IEC、UL等の安全規格に基づき、例えば、2mmよりも大きいことが必要である。したがって、第2の実施形態では、第2基部231a2の外周から第1基部231a1までの空間距離は、所定の基準長さとして2mmよりも大きくなるよう構成されている。

また、ランプ軸方向については、基部231aの厚みに対して70%以上について、第2基部231a2にスリット231k2が設けられている構成であればよい。もちろん、基部231aの厚み全体に対してスリットがある構成でもよい。本実施形態では、80%の深さまで、スリット231k2が設けられている。20%については、スリット231k2が設けられておらず、第1基部231a1の外周の外径が第2基部231a2の内周は接触している。
この構成により、第2の実施形態に係るLEDランプは、第1の実施形態に係るLEDランプ同様に、アルミからなる第1基部231a1と、樹脂からなる第2基部231a2とは、互いに拘束されず両者が独立に膨張収縮することができる。ゆえに、−40℃以下等の低温環境下等でも外郭部231a2に金属部分露出の要因となり得るクラックが発生することを防止することを防止できる。
第2基部231a2の外周から第1基部231a1までの空間距離についても、安全規格上必要な長さを確保することができ、良好な放熱性を備え、且つ、十分な製品信頼性を確保することができるランプを提供することができる。
≪第3の実施形態≫
図14(a)は、第3の実施形態に係るLEDランプを、図4のB−B線に沿った断面と同様の位置で切った筐体におけるヒートシンク部331の斜視断面図である。(b)は、(a)とは、異なる角度から見た筐体におけるヒートシンク部331の斜視断面図である。図15は、第3の実施形態に係るLEDランプの筐体におけるヒートシンク部331の分解斜視図である。図16は、第3の実施形態に係るLEDランプの筐体におけるヒートシンク部331の平面図である。
第3の実施形態に係るLEDランプは、第1の実施形態に係るLEDランプにおける筐体におけるヒートシンク部131を、次のようなヒートシンク部331に変更したものである。このヒートシンク部331では、基部のランプ軸と直交する断面では、外郭部の周縁の少なくとも一部において、外郭部が円周方向に途切れているクランク形状のスリットからなる不連続部を有する。これより、不連続部における沿面距離の総和が外郭部の半径方向の厚みよりも大きい。
ヒートシンク部331における、材料、基部331a以外の部分については、第1の実施形態におけるヒートシンク部131の下2ケタが同じ番号を付した部分と構成が同じであり説明を省略する。また、筐体におけるケース部135、ケース蓋部136、ケースカバー部137については、 第1の実施形態における各々の部分と同様であり説明を省略する。さらに、筐体以外の構成は、第1の実施形態に係るLEDランプと同じであり説明を省略する。
図14、図15及び図16に示すように、第3の実施形態のヒートシンク部331は、次の構成を有する。すなわち、ヒートシンク部331は、基部331aのランプ軸と直交する断面では、第2基部331a2の周縁の少なくとも一部において、第2基部331a2が円周方向に途切れているクランク形状のスリットからなる不連続部331k2を有する。そして、不連続部331k2における沿面距離l31、l32及びl33の総和l3=l31+l32+l33が所定の基準値よりも大きい構成となっている。これにより、第2基部331a2の不連続部331k2における、第2基部331a2の外周から第1基部331a1までの沿面距離が、所定の基準値よりも大きく構成されている。外表面と金属部分との沿面距離は、電気用品安全法、IEC、UL等の安全規格に基づき、例えば、2mmよりも大きいことが必要である。したがって、第2の実施形態では、第2基部331a2の外周から第1基部331a1までの沿面距離は、所定の基準値として2mmよりも大きく構成されている。
尚、図16における、不連続部331k2の平面形状については、図示したクランク状のスリット以外にも、沿面距離の総和が、所定の基準長さ2mmよりも大きくなるようなものであれば、他の態様であってもよい。例えば、第1基部331a1を斜めに横断する態様のスリットや、第1基部331a1を曲線を描いて横断する態様の曲線状スリット等、いろいろな形状のスリットを用いることが可能である。
また、ランプ軸方向については、基部331aの厚みに対して70%以上について、第1基部331a1の外周にスリット331k2が設けられている構成であればよい。もちろん、基部331aの厚み全体に対してスリットがある構成でもよい。本実施形態では、80%の深さまで、スリット331k2が設けられている。20%については、スリット331k2が設けられておらず、第1基部331a1の外周の外径が第2基部331a2の内周は接触している。
この構成により、第3の実施形態に係るLEDランプは、第1の実施形態に係るLEDランプ同様に、アルミからなる第1基部331a1と、樹脂からなる第2基部331a2とは、互いに拘束されず両者が独立に膨張収縮することができる。ゆえに、−40℃以下等の低温環境下等でも外郭部331a2に金属部分露出の要因となり得るクラックが発生することを防止することを防止できる。
第2基部331a2の外周から第1基部331a1までの沿面距離についても、安全規格上必要な長さを確保することができ、良好な放熱性を備え、且つ、十分な製品信頼性を確保することができるランプを提供することができる。
≪第4の実施形態≫
第1から第3までの実施形態では、特に、LEDランプについて説明したが、本発明は、上記LEDランプを利用した照明装置にも適用できる。
第4の実施形態では、第1ないしは第3の実施形態に係るLEDランプを照明器具(ダウンライトタイプである。)に装着する場合について説明する。
図17は、第4の実施形態に係る照明装置の概略図である。
照明装置301は、例えば、天井303に装着されて使用される。
照明装置301は、図17に示すように、LEDランプ100と、LEDランプ100を装着して点灯・消灯をさせる照明器具305とを備える。
照明器具305は、例えば、天井303に取り付けられる器具本体307と、器具本体307に装着され且つLEDランプ100を覆うカバー309とを備える。カバー309は、ここでは開口型であり、LEDランプ100から出射された光を所定方向(ここでは下方である。)に反射させる反射膜313を内面に有している。器具本体307には、LEDランプ100の口金110が取り付け(螺着)られるソケット311を備え、このソケット311を介してLEDランプ100に給電される。
ここでの照明器具は、一例であり、例えば、開口型のカバー309を有さずに、閉塞型のカバーを有するものであってもよい。LEDランプが横を向くような姿勢(LEDランプの中心軸が水平となるような姿勢)や傾斜する姿勢(LEDランプの中心軸が照明器具の中心軸に対して傾斜する姿勢)で点灯させるような照明器具でもよい。
また、照明装置は、天井や壁に接触する状態で照明器具が装着される直付タイプであったが、天井や壁に埋め込まれた状態で照明器具が装着される埋込タイプであっても良く、照明器具の電気ケーブルにより天井から吊り下げられる吊下タイプ等であってもよい。
さらに、ここでは、照明器具は、装着される1つのLEDランプを点灯させているが、複数、例えば、3個のLEDランプが装着されるようなものであってもよい。
≪変形例≫
以上、本発明の構成を、第1ないしは第3の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。例えば、第1から第3の実施形態に係るLEDランプや第4の実施形態に係る照明装置の部分的な構成および下記の変形例に係る構成を、適宜組み合わせてなるLEDランプであってもよい。
また、上記実施形態に記載した材料、数値等は好ましいものを例示しているだけであり、それに限定されることはない。さらに、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、LEDランプや照明装置の構成に適宜変更を加えることは可能である。
1.ケース
(1)形態
実施形態では、ケース本体とケース蓋とでケースを構成していたが、ケース内に点灯回路ユニットを密閉状(水等の侵入を防止するため)に収容できれば、他の形態であってもよい。
他の形態としては、ケース蓋を備えずに筒状のケース本体だけでケースを構成し、ケースにおける口金側と反対側の開口をヒートシンクのランプ基端側の端部により塞ぐようにしてもよい。
(2)材料
実施の形態では、ケースの材料として樹脂材料を用いたが、他の材料を利用することもできる。例えば、点灯時に点灯回路ユニットの温度が高くなるような場合、ケースにヒートシンク機能を持たせるようにしてもよい。この場合、例えば、熱伝導性の高いフィラー・繊維を含有する樹脂材料や金属材料を利用してケースを構成することで実施できる。
ケースにヒートシンク機能を持たせる場合、例えば、ケースの外周面にフィンを複数備えるようにしてもよい。
ケースと点灯回路ユニットとの間、ケースと口金との間で絶縁性を確保する必要がある場合は、ケースの内面に絶縁材料を塗布する等の絶縁処理を行えば実施できる。
2.ヒートシンク
(1)フィン
実施の形態では、フィンは、実施形態ではヒートシンクの両端に亘ってヒートシンクの中心軸と平行に設けられている。しかしながら、フィンは、ヒートシンクの中心軸方向において、両端間の一部の領域に存するように設けられてもよい。
フィンは、実施形態ではヒートシンクの中心軸と平行に配されているが、中心軸と傾斜するように配されてもよいし、基部側からケース側へと移りながら中心軸の周りを旋回するネジ状に配されてもよい。
また、隣接するフィンが、基部からケース側へと並行に延伸してもよいし、基部からケース側へと延伸する途中で交差するような延伸してもよい。
(2)材料
実施の形態では、ヒートシンクの金属材料としてアルミニウムを用いたが、スチール、チタン、銅等の他の金属材料を用いてもよいし、セラミック材料、樹脂材料等を用いてもよい。さらに、ヒートシンクをセラミック材料で構成し、この金属材料の表面に樹脂材料を塗布したような2重構造であってもよい。さらには、ヒートシンクを樹脂材料で構成し、その表面に金属メッキ加工等を施した2重構造であってもよい。
3.LEDモジュール
(1)発光素子
実施の形態では、半導体発光素子はLEDであったが、例えば、LD(レーザダイオード)であっても良く、EL素子(エレクトリックルミネッセンス素子)であってもよい。
また、LEDは表面実装タイプのSMDであったが、ベアチップの状態や砲弾タイプで実装基板に実装されてもよい。さらに、複数のLEDは、ベアチップタイプと表面実装タイプとの混合であってもよい。
(2)実装基板
実施の形態での実装基板は平面視において円板形状をしている。しかしながら、実装基板は、他の形状、例えば、三角形、四角形等の多角形、楕円形状、環状等であってもよい。また、実装基板数も1個に限定するものでなく、2個以上の複数個であってもよい。
(3)封止体
実施の形態では、封止体はLEDを個別に封止している(LEDの数と封止体の数とが同じである。)。しかしながら、封止体は、ベアチップタイプの複数のLEDを実装基板に実装し、すべてのLEDまたは、複数のLEDを1つの封止体により封止するようにしてもよい。
(4)LEDの配置
実施の形態では、複数のLEDが同一の円周上に1列状(1重状)に配されていたが、平面視において、四角形の4辺上に位置するように配されていてもよいし、マトリクス状に配されてもよいし、他の配置でもよい。
(5)その他
LEDモジュールは、青色光を出射するLEDと、青色光を波長変換する蛍光体粒子とを利用することで白色光を出射するようにしていたが、例えば、紫外線発光の半導体発光素子と三原色(赤色、緑色、青色)に発光する各色蛍光体粒子とを組み合わせたものでもよい。
さらに、波長変換材料として半導体、金属錯体、有機染料、顔料など、ある波長の光を吸収し、吸収した光とは異なる波長の光を発する物質を含んでいる材料を利用してもよい。
4.口金
実施の形態では,エジソンタイプの口金を利用したが、他のタイプ、例えば、ピンタイプ(具体的にはGY、GX等のGタイプである。)を利用してもよい。
また、上記実施形態では、口金は、シェル部の雌ネジを利用してケース部のネジ部に螺合させることで、ケース部に装着(接合)されていたが、他の方法でケース部と接合されてもよい。他の方法としては、接着剤による接合、カシメによる接合、圧入による接合等があり、これらの方法を2つ以上組合せてもよい。
5.グローブ
実施の形態では、グローブをドーム形状としたが、他のタイプ、例えばAタイプ、Gタイプ、Rタイプ等の形状であってもよいし、電球等の形状と全く異なるような形状であってもよい。
実施の形態では、グローブの内面について特に説明しなかったが、例えば、LEDモジュールから発せられた光を拡散させる拡散処理(例えば、シリカや白色顔料等による処理)が施されていてもよい。また、グローブは透光性材料により構成されていれば良く、例えば、透明・不透明は特に関係ない。
実施の形態では、グローブは一体であった(1つのものとして製造されている)が、例えば、複数の部材を組み合わせた(接合させた)ものであってもよい。
6.LEDランプ
実施の形態では、LEDランプとして、ケース内に回路ユニットを格納するLEDランプ(いわゆる、電球型LEDランプである。)について説明した。しかしながら、ケース内に回路ユニットを格納していないLEDランプ、例えば、コンパクト電球を代替とするようなLEDランプにも適用できる。さらには、従来にないようなLEDランプ、例えば、照明器具に直接組みこまれているようなLEDランプであってもよい。
≪総括≫
以上、説明したとおり、本発明の一態様に係るランプは、半導体発光素子と、点灯時の前記半導体発光素子の熱を放熱するヒートシンクとを備えたランプであって、以下の構成を備える。すなわち、前記ヒートシンクは、金属材料からなり前記半導体発光素子を搭載する載置面を設けた内郭部を備える。さらに、前記載置面を除く前記内郭部は、前記ヒートシンクを前記半導体発光素子側から平面視したとき、前記内郭部と一体成型された樹脂材料からなる外郭部に外周を覆わる。さらに、前記載置面を除く前記内郭部の外周の少なくとも一部において前記内郭部の外周は前記外郭部の内周から離間していることを特徴とする。これにより、良好な放熱性を備え、且つ、十分な製品信頼性を確保することができるランプを提供することができる。
また、別の態様では、前記載置面を除く前記内郭部の全周において、前記内郭部の外周は前記外郭部の内周から離間していることを特徴とする構成であってもよい。これにより、金属材料からなる内郭部と、樹脂からなる外郭部とは、互いに拘束されず両者が独立に、膨張収縮を行うことができる。その結果、急激で過大な温度変化を受けた場合においても、樹脂からなる外郭部に、金属部分露出の要因となり得るクラックが発生することを防止できる。
また、別の態様では、前記ヒートシンクを前記載置面の方向より平面視したとき、前記外郭部は周方向に途切れたスリットを有し、当該スリットを通した前記外郭部の外周から前記内郭部までの空間距離は2mm以上であることを特徴とする構成であってもよい。これにより、金属材料からなる内郭部と、樹脂からなる外郭部とは、互いに拘束されず両者が独立に膨張収縮することができる。また、外郭部の外周から内郭部までの空間距離も、安全規格上必要な長さを確保することができる。
また、別の態様では、前記内郭部の外周における前記スリット近傍に、前記内郭部の内方に向けて凹んだ凹陥部を有することを特徴とする構成であってもよい。また、別の態様では、前記ヒートシンクを前記半導体発光素子側から平面視したとき、前記スリットはクランク形状であることを特徴とする構成であってもよい。これにより、外郭部の不連続部における、外郭部の外周から内郭部までの沿面距離についても、安全規格上必要な長さを確保することができる。
≪補足≫
以上で説明した実施形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、実施形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない工程については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
また、発明の理解の容易のため、上記各実施形態で挙げた各図の構成要素の縮尺は実際のものと異なる場合がある。また本発明は上記各実施形態の記載によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
さらに、照明装置においては基板上に回路部品、リード線等の部材も存在するが、電気的配線、電気回路について照明装置等の技術分野における通常の知識に基づいて様々な態様を実施可能であり、本発明の説明として直接的には無関係のため、説明を省略している。尚、上記示した各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
100 LEDランプ
110 口金
130 筐体
131、231、331 ヒートシンク部
135 ケース部
136 ケース蓋
137 ケースカバー
140 グローブ
150 点灯回路ユニット
151 回路基板
152,153 電子部品
160 蓋部材
170 LEDモジュール(発光モジュール)
171 LED(半導体発光素子)
172 実装基板
180 配線部材
301 照明装置

Claims (7)

  1. 半導体発光素子と、点灯時の前記半導体発光素子の熱を放熱するヒートシンクとを備え
    たランプであって
    前記ヒートシンクは、金属材料からなり前記半導体発光素子を搭載する載置面を設けた
    内郭部を備え、
    前記載置面を除く前記内郭部は、前記ヒートシンクを前記半導体発光素子側から平面視
    したとき、前記内郭部と一体成型された樹脂材料からなる外郭部に外周を覆われ、
    前記載置面を除く前記内郭部の外周の少なくとも一部において前記内郭部の外周は前記
    外郭部の内周から離間しており、
    前記ヒートシンクを前記載置面の方向より平面視したとき、前記外郭部は周方向に途切
    れたスリットを有し、当該スリットを通した前記外郭部の外周から前記内郭部までの空間
    距離は2mm以上である
    ことを特徴とするランプ。
  2. 前記載置面を除く前記内郭部の全周において、前記内郭部の外周は前記外郭部の内周か
    ら離間していることを特徴とする請求項1記載のランプ。
  3. 前記内郭部の外周における前記スリット近傍に、前記内郭部の内方に向けて凹んだ凹陥
    部を有することを特徴とする請求項記載のランプ。
  4. 前記ヒートシンクを前記半導体発光素子側から平面視したとき、前記スリットはクラン
    ク形状であることを特徴とする請求項記載のランプ。
  5. 半導体発光素子と、点灯時の前記半導体発光素子の熱を放熱するヒートシンクとを備え
    たランプであって
    前記ヒートシンクは、金属材料からなり前記半導体発光素子を搭載する載置面を設けた
    第1基部を備え、
    当該第1基部は、前記載置面側より平面視したとき、前記第1基部と一体成型された樹
    脂材料からなる第2基部に外周を覆われ、
    前記第1基部の外周の少なくとも一部において、前記第1基部の外周は前記第2基部の
    内周から離間していることを特徴とする請求項1記載のランプ。
  6. 前記内郭部は第1基部であり、前記外郭部は第2基部であることを特徴とする請求項2
    からに記載のランプ。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のランプと、前記ランプの装着を受け入れ、当該ラ
    ンプを点灯させる照明器具を備えたことを特徴とする照明装置。
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