JP6043262B2 - 燃料電池セパレータおよびその親水化処理方法 - Google Patents
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Description
本発明に係る燃料電池セパレータ、ならびに本発明に係る燃料電池セパレータの親水化処理方法により表面に親水性を付与された燃料電池セパレータは、一般的な燃料電池(固体高分子型燃料電池)に使用されるための、水素や酸素等の流路となる溝が形成された板状のセパレータである(図示省略)。
本発明に係る燃料電池セパレータは、金属製の基材にグラファイトを含有する導電層(以下、炭素層)を被覆してなり、表面すなわち炭素層が親水性を有する。なお、燃料電池セパレータの親水性を有する表面とは、燃料電池に使用された際に、当該燃料電池の内部の雰囲気に曝される領域(両側の面や端面を含む)を指す。以下、本発明の実施形態に係る燃料電池セパレータを構成する各要素について説明する。
基材は、燃料電池セパレータの基材として、板材を当該燃料電池セパレータの形状に成形されたものである。基材には、加工性および強度に優れたアルミニウム、チタン、ニッケル、それらを基とする合金、あるいはステンレス鋼等の金属材料を適用することができる。特に、薄肉化および燃料電池セパレータの軽量化に好適で、また燃料電池セパレータが燃料電池に使用された際に、当該燃料電池の内部の酸性雰囲気に対して十分な耐酸性を有するチタン(純チタン)またはチタン合金で形成されることが好ましい。これは、後記するように、本実施形態においては、炭素層が完全に連続した膜ではない場合があり、基材表面の炭素層がない部分が燃料電池の内部の雰囲気に曝されるためである。本実施形態に係る燃料セパレータは、基材がチタンまたはチタン合金からなる構成として説明する。
炭素層は、基材を被覆して燃料電池セパレータの表面に設けられ、当該燃料電池セパレータに腐食環境下での導電性を付与する。炭素層は、耐食性を有する炭素(C)、特にグラファイトで形成され、導電性を有するものであればその構造は特に限定されないが、六方晶系のグラファイト構造を有する、詳しくはグラフェンシートが層状に多数積み重なった六角板状結晶であることが好ましい。結晶性のグラファイトは導電性に優れ、高温、酸性雰囲気の燃料電池の内部環境における耐久性に優れるため、前記導電性を維持することができる。このようなグラファイトである炭素層は、粒状または粉状に成形された黒鉛(グラファイト)やカーボンブラックのような炭素粉を基材に付着させて(塗布して)圧着することで形成できる(後記の燃料電池セパレータの製造方法にて詳細に説明する)。この他に、炭素層は、いわゆる炭のように、微小なグラファイト構造と立方晶系のダイヤモンド構造とが混在した非晶質(無定形)構造であってもよい。
前記したように炭素粉で形成される炭素層は、硬質な基材に圧着されただけでは基材に押し付けられたことによって付着しているに過ぎず、基材との密着性が不十分である。また、基材の仕上げ状態(酸洗の有無)にかかわらず、基材の表面すなわち炭素層との界面にチタンの不働態皮膜(二酸化チタン、TiO2)が形成されているため、燃料電池セパレータの導電性が低くなる。そこで、本実施形態に係る燃料電池セパレータは、炭素層と基材との界面に、Ti,Cを含有する層(中間層)を有する。中間層においては、前記のTi,Cが、炭化チタン(チタンカーバイド、TiC)、あるいはさらに炭素固溶チタンとして存在する。このような中間層は、基材上に炭素層を形成した後に、非酸化性雰囲気(低酸素雰囲気)で熱処理を行うことにより、界面でC,Tiを互いに拡散させて形成される(後記の燃料電池セパレータの製造方法にて詳細に説明する)。
次に、本発明に係る燃料電池セパレータの親水化処理方法を、前記燃料電池セパレータの製造方法と共に説明する。
前記した通り、公知の方法でチタンまたはチタン合金からなる所望の厚さの冷間圧延板(条材)を製造し、コイルに巻き取り、基材とする。さらに必要に応じて、冷間圧延板を焼鈍したり、フッ酸と硝酸の混合溶液等で酸洗してもよい。
基材の表面(片面または両面)に、炭素層を形成するための炭素粉を付着させる。付着方法は特に限定されないが、炭素粉を直接に基材に付着させたり、炭素粉をカルボキシメチルセルロース等の水溶液や樹脂成分を含有する塗料中に分散させたスラリーを、基材に塗布すればよい。あるいは、炭素粉と樹脂とを混練して作製した炭素粉含有フィルムを基材に貼り付けたり、ショットブラストにより炭素粉を基材表面に打ち込んで、基材に担持させたり、炭素粉末と樹脂粉末とを混合して、コールドスプレー法によって基材に付着させる方法等が挙げられる。また、スラリーを塗布した場合等、溶媒を使用した場合は、ブロー等にて乾燥させてから後続の圧着を行うことが好ましい。
炭素層を形成した基材を、非酸化性雰囲気で熱処理を施すことにより、基材の不働態皮膜を薄くして少なくとも一部を消失させて、基材の母材(Ti)に炭素層が接触するようにし、さらに接触した界面に炭化チタンを生成させて中間層を形成する。非酸化性雰囲気とは、具体的には、真空中または窒素(N2)やAr等の不活性ガスに、好ましくは酸素分圧1.3×10-3Pa以下を指す。酸素分圧が十分に低い雰囲気でないと、熱処理で炭素層の炭素が酸化して二酸化炭素(CO2)として解離してしまい、炭素層の膜厚が減少する。
炭素層および中間層を形成した基材を、切断、プレス加工等により、所望の形状に成形して、燃料電池セパレータ(親水化処理前)とする。なお、成形工程は熱処理工程前に行うこともできる。すなわち中間層が形成される前であっても、加工等により炭素層が剥離しない程度に基材に密着していればよい。また、圧延圧着に代えて、基材のプレス加工と同時に炭素粉を圧着して炭素層を形成してもよい。
本発明に係る燃料電池セパレータの親水化処理方法は、金属からなる基材の表面に炭素層を備える燃料電池セパレータに、酸素(O2)濃度1%以上の雰囲気で150〜500℃の熱処理を施す。以下、実施形態として、前記の製造方法により、チタンまたはチタン合金からなる基材に、炭素層、および基材と炭素層の間の中間層を形成された燃料電池セパレータについて、その親水化処理方法を詳細に説明する。
(基材作製)
基材材料としてJIS 1種、化学組成が、O:450ppm、Fe:250ppm、N:40ppm、C:200ppm、H:30ppm、残部がTiおよび不可避的不純物の純チタンを適用した。この純チタンを、公知の溶解、鋳造、熱間圧延、冷間圧延を施して、板厚0.1mmの条材を作製し、さらに焼鈍、酸洗仕上げとし、50mm×150mmに切り出して基材とした。
炭素層を形成する黒鉛(グラファイト)粉として、平均粒径10μm、純度99.9%の鱗片状黒鉛粉(SECカーボン社製、SNO−10)を用いた。この黒鉛粉を、1.0質量%カルボキシメチルセルロース水溶液中に12質量%となるように分散させてスラリーを作製した。そして、このスラリーを15番の番手のバーコーターを用いて前記の基材の両面に各200μg/cm2(乾燥後換算)塗布し、設定温度を100℃とした乾燥機の中で乾燥させた。そして、基材を、ワークロール径200mmの2段圧延機を用い、潤滑油を塗布していない圧延ロールにて、荷重2.5トンでロールプレスし、1パスで圧下率(=総圧延率)1.0%の冷間圧延を施して基材両面に炭素層を形成した。
炭素層を形成した基材を、熱処理炉を用いて、酸素分圧1.3×10-3Pa以下の真空(6.7×10-3Pa)雰囲気で、560℃で2時間保持して熱処理を行った。熱処理後は、真空雰囲気下で基材の温度が100℃以下になるまで冷却し、40mm×30mmに切り出して、燃料電池セパレータの試験材(親水化処理前)とした。
得られた燃料電池セパレータの試験材を、大気炉にて、表1に示す温度で表1に示す時間保持して熱処理を施し、試験材No.2〜10とした。また、熱処理(親水化処理)を施さない試験材を比較例(試験材No.1)とした。
(親水性)
試験材No.1〜16について、25℃の環境下で、試験材を水平に載置し、表面に約0.5μLの純水を滴下し、接触角測定器(協和界面科学社製、CA−A)を用いて接触角(水接触角)θを測定した。親水性の合格基準は、接触角θが70°以下とした。接触角θおよび試験材No.1との差Δθを表1、表2に示す。
試験材No.1〜16について、接触抵抗を、図1に示す接触抵抗測定装置を用いて測定した。試験材を両面から2枚のカーボンクロスで挟み、さらにその外側を接触面積1cm2の銅電極で荷重98N(10kgf)に加圧し、直流電流電源を用いて7.4mAの電流を通電し、両カーボンクロス間に印加される電圧を電圧計で測定して抵抗値を算出した。得られた抵抗値を接触抵抗として表1に示す。導電性の合格基準は、接触抵抗が5mΩ・cm2以下とした。
Claims (3)
- グラファイトを含有する炭素からなる導電層を表面に備えて前記導電層が金属からなる基材を被覆してなる燃料電池セパレータの前記表面に、親水性を付与する燃料電池セパレータの親水化処理方法であって、
前記燃料電池セパレータに、酸素濃度1%以上の雰囲気で150〜500℃の熱処理を施すことを特徴とする燃料電池セパレータの親水化処理方法。 - グラファイトを含有する炭素からなる導電層を表面に備え、前記導電層が金属からなる基材を被覆してなる燃料電池セパレータであって、
25℃の環境下において、前記表面に水を滴下したときの接触角が70°以下であることを特徴とする燃料電池セパレータ。 - 前記基材がチタンまたはチタン合金からなり、
前記基材と前記導電層との間に、炭化チタンを含有する中間層が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池セパレータ。
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