JP6040596B2 - 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
これらにより感光体の機械的耐久性は飛躍的に向上している。
さらに、本発明に係る画像形成装置は、前記電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する画像露光手段と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を転写媒体に転写する転写手段と、を備えることを特徴とする。
またさらに、本発明に係るプロセスカートリッジは、前記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段および除電手段よりなる群から選ばれた少なくとも1つの手段と、を備え、画像形成装置本体に着脱可能であることを特徴とする。
また本発明によれば、前記電子写真感光体を用いることにより、画像濃度や色味の変化が少ない、すなわち画質一貫性に優れた画像出力が可能な画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジが提供される。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明の感光体の構成を表わす断面図であり、導電性支持体(31)上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(35)と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層(37)とが積層された構成をとっており、更に電荷輸送層(37)上に表面層(39)が設けられてなる。
導電性支持体(31)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体(31)として用いることができる。
電荷発生層(35)は、電荷発生物質を主成分とする層である。電荷発生層(35)には、公知の電荷発生物質を用いることが可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられる。これら電荷発生物質は単独で用いても2種以上混合して用いても構わない。
電荷発生層(35)は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂と共に適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
電荷輸送層(37)は、電荷輸送材料およびバインダー樹脂を主成分とする層である。
本発明においては電荷輸送層に少なくとも下記一般式(1)で表される正孔輸送材料と下記一般式(2)で表される化合物とを含む。
ここで、R27、R28は、好ましくは置換基を有しないフェニル基、ハロゲン原子で置換されたフェニル基、あるいは、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェニル基、または、炭素数1〜4のアルキル基である。
本発明においては、詳細を後述する表面層が設けられているため、ある程度は酸化性ガスから守られるが、酸化性ガスは少しずつ浸透し、電荷輸送層に到達する。従って電荷輸送層/表面層界面の正孔輸送材料は少しずつではあるが、曝露され続けることになり、非常に長期にわたる使用により画像ボケを発生してしまうと考えられる。
しかしここに前記一般式(2)で表される化合物が存在する場合には、長期間にわたる使用においても画像ボケを抑制することができる。理由は明らかにはなっていないが、前記一般式(2)で表される化合物はアクセプター性を有するため、前記一般式(1)で表される正孔輸送材料と電荷移動錯体を形成することで、酸化性ガスとの反応を妨げているものと推測される。また酸化防止剤等と異なり、酸化性ガスと反応しないため、材料の分解・劣化がなく、これがJob内変動も長期にわたり抑制できる理由と考えられる。
表面層に架橋性樹脂を用いた場合は、耐摩耗性が向上し、機械的にはより長期の使用が可能となるが、架橋性樹脂は三次元網目構造であるため、酸化性ガスが浸透しやすく、画像ボケが発生しやすい状況にある。しかし本発明に用いられる一般式(1)で表される正孔輸送材料と一般式(2)で表される化合物を組み合わせた場合には画像ボケが発生しにくいため、長期の使用においても画像ボケやJob内変動を抑制できるという本発明の効果をより顕著に得ることができる。
前記一般式(2)で表される化合物の含有量は、前記一般式(1)で表される正孔輸送材料100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましく1〜5重量部がより好ましい。含有量が少ないと本発明の効果が得られず、また多いと露光部電位やJob内変動が大きくなってしまう。
前記電荷輸送層(37)の形成に用いる塗布液の溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロルメタン、モノクロルベンゼン、ジクロルエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。これらは単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。
塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等、従来の塗工方法を用いることができる。
次に、表面層について説明する。
本発明の電子写真感光体の表面層(39)使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレート、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。特に、バインダー樹脂としてウレタン樹脂、フェノール樹脂、アクリル/メタクリル樹脂、シロキサン、エポキシ樹脂等の架橋性樹脂を用いた架橋表面層とすることが好ましい。
表面層に架橋性樹脂を用いた場合には耐摩耗性が向上し、機械的にはより長期の使用が可能となるが、架橋性樹脂は三次元網目構造であるため、酸化性ガスが浸透しやすく、画像ボケが発生しやすい状況にある。しかし本発明の一般式(1)で表される正孔輸送材料と一般式(2)で表される化合物を組み合わせた場合には画像ボケが発生しにくいため、長期の使用においても画像ボケやJob内変動を抑制できるという本発明の効果をより顕著に得ることができる。
不飽和重合性官能基とは、ラジカルやイオンなどによって不飽和基が重合する反応であり、例えば、C=C、C≡C、C=O、C=N、C≡Nなどの官能基が挙げられる。
開環重合性官能基とは、炭素環やオクソ環や窒素ヘテロ環等のひずみを有する不安定な環状構造が、開環すると同時に重合を繰り返し、鎖状高分子を生成する反応であり、イオンが活性種として作用するものが大半である。これらの一例としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基等の炭素−炭素二重結合を有する基、シラノール基、環状エーテル基等の開環重合を起こす基、あるいは2種以上の分子の反応によるものが挙げられる。
また、硬化反応において、反応性モノマーの1分子に有する官能基数は、より多い方が3次元網目構造はより強固になり、3官能以上で特に有効である。これにより、硬化密度が高まり、高硬度で高弾性、かつ均一で平滑性も向上し、電子写真感光体の高耐久化や高画質化に有効となる。
ここで、電荷輸送性構造、すなわちホール輸送性構造あるいは電子輸送性構造が化合物中に一つであっても、あるいは複数であってもよく、複数の方が電荷輸送性に優れるためより好ましい。また、電荷輸送性構造を有する反応性化合物の分子中に、ホール輸送性構造と電子輸送性構造が共に含まれたバイポーラー性を有するものであってもよい。
本発明に用いられる電荷輸送性を有しない重合性化合物とは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送性構造を有しておらず、且つラジカル重合性官能基を有する化合物である。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、重合可能な基であれば何れでもよいが、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。
3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば、水酸基がその分子中に3個以上ある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、3個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、ラジカル重合性官能基を3個以上有する単量体中のラジカル重合性官能基は、同一でも異なってもよい。
本発明において使用する上記電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物としては、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、HPA変性(アルキレン変性)トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性(エチレンオキシ変性)トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性(プロピレンオキシ変性)トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、ECH変性(エピクロロヒドリン変性)グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、PO変性グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレート等が挙げられ、これらは、単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。前記変性を行った理由はこれらの化合物の粘度を下げ、扱いやすくするためである。
本発明に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物は、例えばトリアリールアミン構造、ヒドラゾン構造、ピラゾリン構造、カルバゾール構造等の正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環等の電子輸送構造を有しており、かつラジカル重合性官能基を有する化合物を指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、重合可能な基であれば何れでもよいが、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。
有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、カーボン微粒子などが挙げられる。カーボン微粒子としては、炭素が主成分の構造を有する粒子のことである。非晶質、ダイヤモンド、グラファイト、無定型炭素、フラーレン、ツェッペリン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等の構造を有する粒子である。これらの構造の中で水素を含有するダイヤモンド状カーボン若しくは非晶質カーボン構造を有する粒子は、機械的及び化学的耐久性が良好である。水素を含有するダイヤモンド状カーボン若しくは非晶質カーボン膜とは、SP3軌道を有するダイヤモンド構造、SP2軌道を有するグラファイト構造、非晶質カーボン構造などの類似構造が混在した粒子のことである。ダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子は、炭素だけで構成されるのではなく、水素、酸素、窒素、フッ素、硼素、リン、塩素、臭素、沃素等の他の元素が含有されていてもかまわない。
無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、酸化珪素、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、ジルコニア、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス等の金属酸化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。特に、フィラーの硬度の点からは、この中でも無機材料を用いることが有利である。特に金属酸化物が良好であり、さらには、酸化珪素、アルミナ、酸化チタンが有効に使用できる。また、コロイダルシリカやコロイダルアルミナなどの微粒子も有効に使用できる。
放射線のエネルギーとしては電子線を用いるものが挙げられる。
光エネルギーまたは放射線エネルギーにより表面層を硬化した場合は、硬化後に残留溶媒を除去するため、乾燥を行うことが好ましい。乾燥の温度及び時間は、架橋表面層の塗工液に用いられた溶媒の沸点により任意に選択できるが、概ね100℃〜150℃、10分〜30分程度が好ましい。
本発明の電子写真感光体においては、導電性支持体(31)と電荷発生層35との間に下引き層(図示せず)を設けることができる。
本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、架橋表面層、感光層(電荷発生層、電荷輸送層)、下引き層等の各層に公知の酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤等の添加剤を添加することができる。
本発明の画像形成方法とは、本発明の電子写真感光体を用い、例えば少なくとも感光体に帯電、画像露光、現像の過程を経た後、トナー画像を画像保持体(転写媒体、転写紙)へ転写し、さらに必要により定着及び感光体表面のクリーニングという過程よりなるものである。また、本発明の画像形成装置とは、本発明の架橋型電荷輸送層を有した電子写真感光体を用い、例えば少なくとも感光体に帯電、画像露光、現像の手段を経た後、画像保持体(転写媒体、転写紙)へのトナー画像の転写の各手段よりなり、さらに必要により定着及び感光体表面のクリーニングという手段よりなるものである。本発明の画像形成装置は、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及び電子写真感光体からなる画像形成要素が複数配列された構成とすることもできる。
また、本発明に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する画像露光手段と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を転写媒体に転写する転写手段と、を備えることを特徴とする。
電子写真感光体を帯電させる手段として、帯電チャージャ(3)が用いられる。この帯電手段としては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラ帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が使用可能である。特に本発明の構成は、接触帯電方式又は非接触近接配置帯電方式のような、感光体組成物の分解の原因となる帯電手段からの近接放電が生じるような帯電手段を用いた場合に特に有効である。ここで言う接触帯電方式とは、感光体に帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電ブレード等が直接接触する帯電方式である。一方の近接帯電方式とは、例えば帯電ローラが感光体表面と帯電手段との間に200μm以下の空隙を有するように非接触状態で近接配置したタイプのものである。この空隙は、大きすぎた場合には帯電が不安定になりやすく、また、小さすぎた場合には、感光体に残留したトナーが存在する場合に、帯電部材表面が汚染されてしまう可能性がある。したがって、空隙は10〜200μm、好ましくは10〜100μmの範囲が適当である。
正規現像の場合には感光体表面上には負の静電潜像が形成される。これを正極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また負極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
また、クリーニングをより効率的に行なうためにクリーニング前チャージャ(13)を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、本発明の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段および除電手段よりなる群から選ばれた少なくとも一つの手段と、を有し、画像形成装置本体に着脱可能としたものである。
画像形成装置用プロセスカートリッジとは、感光体(101)を内蔵し、他に帯電手段(102)、現像手段(104)、転写手段(106)、クリーニング手段(107)、除電手段(図示せず)の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。図3に例示される装置による画像形成プロセスについて示すと、感光体(101)は、矢印方向に回転しながら、帯電手段(102)による帯電、露光手段(103)による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成され、この静電潜像は、現像手段(104)でトナー現像され、該トナー現像は転写手段(106)により、転写体(105:転写媒体)に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段(107)によりクリーニングされ、さらに除電手段(図示せず)により除電されて、再び以上の操作を繰り返すものである。
合成は、特開2004−83859号公報に準じた。即ち、1,3−ジイミノイソインドリン292部とスルホラン1800部を混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド204部を滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行った。反応終了後、放冷した後、析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄した。次にメタノールで数回洗浄し、更に80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過し、次いで、洗浄液が中性になるまでイオン交換水(pH:7.0、比伝導度:1.0μS/cm)により水洗いを繰り返し(洗浄後のイオン交換水のpH値は6.8、比伝導度は2.6μS/cmであった)、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(水ペースト)を得た。
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒
Al製支持体(外径60mmφ)に、下記の下引き層塗工液を用いて、130℃で20分乾燥後の膜厚が3.5μmになるように浸漬法で塗工し、下引き層を形成した。
二酸化チタン粉末(石原産業社製、タイベークCR−EL): 400部
メラミン樹脂(DIC社製、スーパーベッカミンG821−60): 65部
アルキッド樹脂(DIC社製、ベッコライトM6401−50): 120部
2−ブタノン: 400部
チタニルフタロシアニン: 8部
ポリビニルブチラール(積水化学工業社製、BX−1): 5部
2−ブタノン: 400部
Z型ポリカーボネート(帝人化成社製、TS−2050): 10 部
下記構造の正孔輸送材料(CTM3): 11 部
下記構造の化合物:(ETM1) 0.3部
テロラヒドロフラン: 100 部
ラジカル重合性モノマー(トリメチロールプロパンアクリレート)
(日本化薬社製、KAYARAD TMPTA): 10部
下記構造式(1)の化合物: 10部
光重合開始剤
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガキュア184): 1部
テトラヒドロフラン: 100部
実施例1において、正孔輸送材料(CTM3)を下記構造(CTM17)の正孔輸送材料に変更した以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
実施例1において、正孔輸送材料(CTM3)及び化合物(ETM1)をそれぞれ下記構造の正孔輸送材料(CTM7)及び下記構造の化合物(ETM3)に変更した以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
実施例1において、電荷輸送層用塗工液及び架橋表面層塗工液を下記のものに変更した以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
Z型ポリカーボネート(帝人化成社製、TS−2050): 10 部
下記構造の正孔輸送材料(CTM14): 11 部
下記構造の化合物(ETM1): 0.3部
テロラヒドロフラン: 100 部
アルミナ(住友化学社製、AA02): 3.0 部
不飽和ポリカルボン酸ポリマー
(BYKケミー製、BYK−P104): 0.06部
ラジカル重合性モノマー(トリメチロールプロパンアクリレート)
(日本化薬社製、KAYARAD TMPTA): 5 部
ラジカル重合性モノマー
(ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート)
(日本化薬社製、KAYARAD DPCA−120): 5 部
前記構造式(1)の化合物: 10 部
光重合開始剤
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガキュア184): 1 部
テトラヒドロフラン: 100 部
実施例4において、化合物(ETM1)を下記構造の化合物(ETM4)に変更した以外は実施例4と同様にして感光体を作製した。
実施例4において、正孔輸送材料(CTM14)及び化合物(ETM1)をそれぞれ下記構造の正孔輸送材料(CTM12)及び下記構造の化合物(ETM5)に変更した以外は実施例4と同様にして感光体を作製した。
実施例4において、正孔輸送材料(CTM14)及び化合物(ETM1)をそれぞれ下記構造の正孔輸送材料(CTM27)及び下記構造の化合物(ETM8)に変更した以外は実施例4と同様にして感光体を作製した。
実施例4において、正孔輸送材料(CTM14)及び化合物(ETM1)をそれぞれ下記構造(CTM35)の正孔輸送材料及び下記構造(ETM9)の化合物に変更した以外は実施例4と同様にして感光体を作製した。
実施例4において、化合物(ETM1)の添加量を0.06部に変更した以外は実施例4と同様にして感光体を作製した。
実施例4において、化合物(ETM1)の添加量を0.1部に変更した以外は実施例4と同様にして感光体を作製した。
実施例4において、化合物(ETM1)の添加量を0.5部に変更した以外は実施例4と同様にして感光体を作製した。
実施例4において、化合物(ETM1)の添加量を1部に変更した以外は実施例4と同様にして感光体を作製した。
まず、実施例4と同様にして、感光体の電荷輸送層まで形成した。
次いで、下記構成の架橋表面層用塗工液をスプレー塗工後、1分間自然乾燥し、その後、150℃で30分間加熱し、5μmの表面架橋層を設け、感光体を作製した。
ポリオール: 20 部
[スチレン、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートからなるスチレン−アクリル共重合体]
(藤倉化成社製、LZR−170)
下記構造式(2)の化合物: 20 部
イソシアネート: 38 部
[トリレンジイソシアネートのポリオールアダクト体]
(日本ポリウレタン工業社製、コロネートL)
シリコーンオイル(信越化学工業製、KF50−100CS): 0.05部
シクロヘキサノン: 50 部
テトラヒドロフラン: 200 部
まず、実施例4と同様にして、感光体の電荷輸送層まで形成した。
次いで、下記構成の表面層用塗工液をスプレー塗工後、1分間自然乾燥し、その後、150℃で30分間加熱し、5μmの表面層を設け、感光体を作製した。
アルミナ(住友化学社製、AA03): 3.0 部
不飽和ポリカルボン酸ポリマー
(BYKケミー製、BYK−P104): 0.03部
下記構造式(4)で表される電荷輸送材料: 4部
Z型ポリカーボネート(帝人化成社製、TS−2050): 5.5 部
テトラヒドロフラン: 220 部
シクロヘキサノン: 80 部
実施例4において、化合物(ETM1)の添加量を0.03部に変更した以外は実施例4と同様にして感光体を作製した。
実施例4において、化合物(ETM1)の添加量を1.6部に変更した以外は実施例4と同様にして感光体を作製した。
実施例4において化合物(ETM1)を添加しない以外は実施例4と同様にして感光体を作製した。
実施例13において化合物(ETM1)を添加しない以外は実施例13と同様にして感光体を作製した。
実施例4において、正孔輸送材料(CTM14)を下記構造式(3)の正孔輸送材料に変更した以外は実施例4と同様にして感光体を作製した。
実施例4において、正孔輸送材料(CTM14)を前記構造式(4)の正孔輸送材料に変更した以外は実施例4と同様にして感光体を作製した。
実施例4において、化合物(ETM1)を下記構造式(5)の化合物に変更した以外は実施例4と同様にして感光体を作製した。
実施例4において、化合物(ETM1)を下記構造式(6)の化合物に変更した以外は実施例4と同様にして感光体を作製した。
実施例4において、化合物(ETM1)を下記構造式(7)の化合物に変更した以外は実施例4と同様にして感光体を作製した。
実施例4において、「化合物(ETM1):0.3部」を「下記構造式(8)の化合物:1部」に変更した以外は実施例4と同様にして感光体を作製した。
実施例4において、化合物(ETM1)を添加せず、更に架橋表面層塗工液を下記構成のものに変更した以外は実施例4と同様にして感光体を作製した。
アルミナ(住友化学社製、AA02): 3.0 部
不飽和ポリカルボン酸ポリマー(BYKケミー製、BYK−P104):0.06部
ラジカル重合性モノマー(トリメチロールプロパンアクリレート)
(日本化薬社製、KAYARAD TMPTA): 5 部
ラジカル重合性モノマー: 5 部
(ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート)
(日本化薬社製、KAYARAD DPCA−120)
前記構造式(1)の化合物: 10 部
前記構造式(8)の化合物: 0.5 部
光重合開始剤: 1 部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガキュア184)
テトラヒドロフラン: 100 部
実施例4において、架橋表面層を設けない以外は実施例4と同様にして感光体を作製した。
◎:問題ないレベル
○:若干変化が認められるが、補正できる範囲で問題にならないレベル
△:変化が明らかに認められ、若干許容範囲を超えたレベル
×:変化が大きく、問題視されるレベル
◎:問題が認められないレベル
○:若干解像力が低下している様子が認められるが、許容できるレベル
△:明らかに解像力が低下しており、許容レベルを超えたレベル
×:画像がボケており、問題視されるレベル
一般式(2)の化合物の含有量の少ない実施例15では、僅かながら画像ボケが発生、逆に一般式(2)の化合物の含有量の多い実施例16では、画像ボケは発生せず、繰り返し使用によるJob内変動の上昇は少ないが、初期から値が大きくなってしまっている。
一方、一般式(2)の化合物を含まない比較例1,2の場合にはJob内変動は低く抑えられるが、画像ボケが発生してしまう。
また比較例3,4は一般式(1)以外の正孔輸送材料を用いた場合、比較例5〜7は一般式(2)以外の化合物を用いた場合であるが、Job内変動も大きく、画像ボケも発生してしまう。これらの組合せでは、正孔輸送材料と化合物との相互作用が弱く、酸化性ガス等による劣化を抑制出来ていないものと考えられる。
比較例8,9はアルキルアミノ基を有する化合物を電荷輸送層、架橋表面層に添加した場合であるが、画像ボケに対する効果は十分であるが、Job内変動が大きくなってしまう。
架橋表面層を設けなかった比較例10においては、摩耗が大きく、耐刷試験を継続することができなかった。
また本発明によれば前記電子写真感光体を用いることにより、画像濃度や色味の変化が少ない、すなわち画質一貫性に優れた画像出力が可能な画像形成方法、画像形成装置、及び画像形成装置用プロセスカートリッジが提供される。
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写体
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
31 導電性支持体
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 架橋表面層
101 感光体
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 転写体
106 転写手段
107 クリーニング手段
Claims (7)
- 前記表面層は、架橋表面層であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記表面層は、フィラーを含有していることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(2)で表される化合物の含有量は、前記一般式(1)で表される正孔輸送材料100重量部に対して0.5〜10重量部であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体を帯電させる帯電工程と、
帯電した前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する画像露光工程と、
前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を転写媒体に転写する転写工程と、を備えることを特徴とする画像形成方法。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体と、
該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する画像露光手段と、
前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を転写媒体に転写する転写手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段および除電手段よりなる群から選ばれた少なくとも1つの手段と、を備え、画像形成装置本体に着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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