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JP5931603B2 - ガスセンサ - Google Patents

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JP5931603B2 JP2012144961A JP2012144961A JP5931603B2 JP 5931603 B2 JP5931603 B2 JP 5931603B2 JP 2012144961 A JP2012144961 A JP 2012144961A JP 2012144961 A JP2012144961 A JP 2012144961A JP 5931603 B2 JP5931603 B2 JP 5931603B2
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Description

本発明は、ガスセンサに関するものである。
被測定ガス中の特定ガス成分を検出するガスセンサとして、従来、被測定ガス中の特定ガス成分の濃度に応じて電気的特性が変化するセンサ素子を備えるセンサが知られている(特許文献1〜6)。このようなセンサ素子としては、例えば、先端が閉じた有底筒状の固体電解質と、この固体電解質の内表面に形成された内側電極(基準電極)と、固体電解質の外表面の先端部に形成された外側電極(検出電極)と、固体電解質の外表面において外側電極から後端部側に延出して形成されたリード部と、を備えるセンサ素子が知られている。このようなセンサ素子をガスセンサに組み込む際には、例えば、ガスセンサから検出信号を取り出すためにガスセンサに設けられたリード線に接続される接続端子金具を用意して、この接続端子金具のセンサ素子への嵌め込みが行なわれる。例えば、リード線とセンサ素子の外側電極とを接続するには、接続端子金具をセンサ素子の後端部の外表面に嵌め込めばよく、これにより、接続端子金具および上記リード部を介してリード線と外側電極とが電気的に接続される。
上記のような接続端子金具では、一般に、その先端部に、センサ素子の後端部外表面に嵌め込むための構造として、径方向に弾性変形可能な筒状部が設けられている。この筒状部は、センサ素子に嵌め込まれる前(非嵌め込み状態)には、センサ素子の後端部よりも径が小さくなっており、筒状部をセンサ素子の後端部外表面に嵌め込む際に、筒状部がセンサ素子に乗り上げる形で径方向に拡径する。そこで、このような筒状部においては、筒状部をセンサ素子の後端部に嵌め込む動作を容易化するために、筒状部の先端部に、先端に向けて拡径する拡径部を設ける構成が提案されている(例えば、特許文献1の鍔部62f参照)。拡径部の先端の径を、センサ素子の後端(後端部)の径よりも大きくすることで、センサ素子の後端部が拡径部に倣って筒状部内へと容易に導くことができ、嵌め込みの動作が容易となる。
特開2010−25731号公報 特開2010−181347号公報 特開2009−281727号公報 特開2008−286810号公報 特開2004−205341号公報 特開2009−2846号公報
しかしながら、センサ素子の軸方向の長さを短縮することによりセンサ素子を小型化したいという要望に充分に応えることができない場合があった。近年、電極やリードに用いられる配線材料(例えば、貴金属)の使用量を削減する構成が検討されており、センサ素子の後端部を短くすることで、後端部側に形成されたリード部の軸方向の長さが短くなり、その結果、配線材料の使用量が削減できる。ところで、ガスセンサにおいては、センサ素子を取り囲むように金属部材(主体金具)を配置して、主体金具の後端部からセンサ素子が突出する構成が採用される場合がある。この場合に、配線材料の使用量を削減するためにセンサ素子の後端部の長さを短くすると、主体金具から突出するセンサ素子の後端部の長さが短くなる。その結果、センサ素子と接続端子金具との電気的接続の信頼性を維持するために、筒状部をより先端側に嵌め込もうとすると、センサ素子の後端部の径よりも大きい径を有する拡径部と主体金具とが接触して主体金具と接続端子金具とが短絡するという問題を生じ得た。また、このような短絡を避けるために、センサ素子への筒状部の嵌め込み量を抑制すると、センサ素子と接続端子金具との電気的接続の信頼性が低下するという問題も生じ得た。さらに、拡径部の径を、センサ素子の後端部の径よりも大きくしつつ、主体金具と接触しないように拡径部の径を調整することは困難であった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、製造工程を複雑化することなく、接続端子金具をセンサ素子に嵌め込み動作を容易化し、また、センサ素子と接続端子金具との電気的接続の信頼性を確保することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実施することが可能である。
[適用例1]
軸線方向に延出して形成される筒状のセンサ素子であって、軸線方向の一方の端部である先端部の外表面に設けられた外側電極と、前記外側電極から軸線方向の他方の端部である後端部側の外表面へと延出して設けられた外部リード部と、を備えるセンサ素子と、
径方向に弾性変形可能な筒状部を備え、該筒状部の少なくとも先端部が前記センサ素子の後端部の外表面に嵌め込まれて、前記筒状部において前記外部リード部と接触する接続端子と、
を備える、被測定ガス中の特定ガス成分を検出するガスセンサにおいて、
前記センサ素子の後端部は、前記センサ素子への非嵌め込み状態にあるときの前記筒状部の内径よりも外径が大きく、前記センサ素子へと前記筒状部が嵌め込まれた時には前記筒状部の内表面と接触する基体部と、前記基体部の後端側に形成されて、前記非嵌め込み状態にあるときの前記筒状部の内径よりも少なくとも後端側の外径が小さい縮径部とを備え、
前記センサ素子の外表面における前記外部リード部の後端が、前記基体部と前記縮径部との境界上に配置されていることを特徴とする
ガスセンサ。
適用例1のガスセンサによれば、センサ素子後端部に、非嵌め込み状態にあるときの筒状部の内径よりも少なくとも後端側の外径が小さい縮径部を備えるため、センサ素子の縮径部に筒状部が倣うことで、センサ素子の後端部を筒状部内へと容易に導くことができ、センサ素子への接続端子の嵌め込みの動作を容易化し、より正確に行なうことが可能になる。センサ素子への接続端子の嵌め込みの動作を正確に行なうことにより、接続端子と外側電極との電気的接続の信頼性を維持することができる。さらに、拡径部の径をセンサ素子の後端部の径よりも大きくする必要がなく、主体金具と接触しないように拡径部の径を調整するのみでよいため、拡径部の径の調整が容易となる。
その上、センサ素子に縮径部を形成しつつ、センサ素子の縮径部に筒状部が倣うように接続端子をセンサ素子に嵌め込むと、筒状部がセンサ素子の基体部まで嵌め込まれた際に、筒状部の先端側がセンサ素子の基体部から浮いてしまう(離間してしまう)ことがあり、接続端子と外側電極(外部リード部)との電気的接続の信頼性が低下することがある。これに対して、適用例1のガスセンサによれば、センサ素子の外表面において、外部リード部の後端が、基体部と縮径部との境界上に配置されているため、筒状部の先端側がセンサ素子の基体部から浮いてしまったとしても、基体部と縮径部との境界には確実に筒状部が当接することとなり、外側電極と接続端子との間の電気的接続の信頼性を確保できる。
[適用例2]
適用例1記載のガスセンサであって、さらに、前記筒状部は、前記接続端子の最先端に設けられているガスセンサ。
適用例2に記載のガスセンサによれば、筒状部を接続端子の最先端に設けているので、接続端子金具の筒状部の先端部に、先端ほど径が大きくなる拡径部を設ける必要がなく、接続端子に対して特別な加工を行う必要がなくなるため、接続端子の製造工程の複雑化を抑えることができる。その上、拡径部の径の調整を行う必要がなくなり、容易に接続端子と外側電極との電気的接続の信頼性を維持することができる。
[適用例3]
適用例1又は2記載のガスセンサであって、さらに、前記センサ素子を取り囲むと共に、前記センサ素子の少なくとも前記縮径部を露出させる主体金具を備え、前記センサ素子の後端部に嵌め込まれた前記筒状部の先端部は、前記主体金具内に配置されているガスセンサ。
適用例3記載のガスセンサによれば、筒状部の先端を主体金具内に挿入することにより、センサ素子の後端部を、より短く形成しても、センサ素子と筒状部とが軸線方向に重なる距離を、十分に確保することが可能になる。そのため、接続端子と外側電極との電気的接続の信頼性を維持しつつ、センサ素子を、より短く形成して、ガスセンサを小型化することができる。その結果、センサ素子の後端部を短くすることにより、外部リード部等を形成するための配線材料の使用量を抑制することができる。なお、従来のような拡径部を設けることなく、筒状部を接続端子の最先端に設けているので、主体金具と接続端子金具とが短絡することなく、筒状部の先端部を主体金具内に配置することが可能となる。
[適用例4]
適用例1又は2記載のガスセンサであって、さらに、前記センサ素子を取り囲むと共に、前記センサ素子の後端部を露出させる主体金具を備え、前記筒状部は、軸線方向に平行なスリットを有し、該スリットの幅を伸縮させることにより、径方向に弾性変形可能となっており、前記外部リード部の後端部には、前記基体部と前記縮径部の境界を後端としつつ前記センサ素子の外周に沿って前記センサ素子の外表面の一部に伸長するリングリード部を備え、前記センサ素子は、前記リングリード部が前記主体金具から露出するように前記主体金具に取り囲まれているガスセンサ。
適用例4記載のガスセンサによれば、センサ素子の外周に沿ってリングリード部をセンサ素子の外表面の一部に伸長するようにしている。これにより、リングリード部をセンサ素子の外表面のセンサ素子の外周に沿って全周に設ける場合に比べ、リングリード部の長さが短くなり、その結果、配線材料の使用量が削減できる。その上、リングリード部が主体金具から露出するため、センサ素子の後端部に接続端子の筒状部を嵌め込む際に、リングリード部の位置を主体金具の外側から確認し、センサ素子と筒状部の位置関係を調節することができる。そのため、センサ素子の外周の一部に沿ってリングリード部を設けつつ、且つ筒状部がスリットを有していても、筒状部とリングリード部との間の電気的接続の信頼性を維持することができる。
[適用例5]
適用例1ないし4いずれか記載のガスセンサであって、前記縮径部は、前記センサ素子への非嵌め込み状態にあるときの前記筒状部の内径よりも小さい一定の外径を有する小径部と、前記基体部と前記小径部との間に形成された段差部とを備えるガスセンサ。
適用例5記載のガスセンサによれば、センサ素子の後端部に筒状部を嵌め込む際には、小径部が、筒状部内に容易に導かれる。そして、筒状部の先端は、段差部に当接した後に基体部へと導かれ、嵌め込みの動作を、容易に、また正確に、行なうことができる。
[適用例6]
適用例1ないし4いずれか記載のガスセンサであって、前記縮径部は、前記基体部との境界から前記センサ素子の後端に向かって、次第に外径が小さくなるテーパ部であるガスセンサ。
適用例6記載のガスセンサによれば、センサ素子の後端部に筒状部を嵌め込む際には、縮径部の後端が、筒状部内に容易に導かれる。そして、筒状部の先端は、テーパ部の途中の位置に当接した後に、テーパ部によって基体部へと導かれ、嵌め込みの動作を、容易に、また正確に、行なうことができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、ガスセンサの製造方法などの形態で実現することが可能である。
ガスセンサ100の構成を表わす断面図である。 センサ素子10の外観を表わす斜視図である。 第2接続端子80の外観を表わす斜視図である。 ガスセンサ100の組立の概要を示す説明図である。 センサ素子10に筒状部83が嵌め込まれる様子を表わす説明図である。 センサ素子110の外観を表わす斜視図である。
A.第1の実施形態のガスセンサ100の構成:
図1は、本発明に係る第1の実施形態としてのガスセンサ100の構成を表わす断面図である。ガスセンサ100は、図1に示すように、軸線Oに沿って伸長する細長形状を有している。以下の説明では、軸線O方向であって図1の下方側を先端側と呼び、図1の上方側を後端側と呼ぶ。本実施形態のガスセンサ100は、酸素濃度センサであって、例えば、自動車の排気ガス中の酸素濃度を検出するために用いることができる。
ガスセンサ100は、センサ素子10と、主体金具(ハウジング)20と、外筒40と、さらに、ガスセンサの内部配線の引き回しに係る構造(電極および電極に接続する配線)を、主要な構成要素として備えている。センサ素子10は、酸化物イオン伝導性(酸素イオン伝導性)の固体電解質体の両面に一対の電極を積層した酸素濃淡電池を構成し、酸素分圧に応じた検出値を出力する公知の酸素センサ素子である。詳細には、センサ素子10は、外径が先端に向かってテーパ状に縮径する有底筒状の固体電解質体11と、固体電解質体11の内表面と外表面にそれぞれ形成された内側電極(基準電極)10a及び外側電極(検出電極)10bと、を備えている。そして、センサ素子10の内部空間を基準ガス雰囲気とし、センサ素子10の外表面に被検出ガスを接触させることで、ガスの検知を行う。ガスセンサ100の後端からは、上記センサ素子10の検出信号を取り出すための2本のリード線60が引き出されている。
図2は、センサ素子10の外観を表わす斜視図である。センサ素子10には、軸線O方向の中ほどにおいて、外周方向に張り出した(突出した)鍔部12が形成されている。鍔部12よりも先端側には、先端側に向かって次第に縮径されて先端部が閉塞された有底部13が形成されている。本実施形態では、外側電極10bは、有底部13の一部の外表面を覆うように形成されている。さらに、外側電極10bは、外側電極10bを保護するための電極保護層14に覆われている。
センサ素子10は、鍔部12よりも後端側において、略一定の外径を有する円筒状の基体部17と、基体部17の後端側に設けられ、基体部17よりも外径が小さく形成された縮径部18と、を備えている。ここで、縮径部18は、センサ素子10の後端で開口を形成すると共に、基体部17の外径よりも小さい一定の外径を有する小径部18aと、基体部17と小径部18aとの間に設けられ、基体部17と小径部18aとの間で滑らかに外径が変化する段差部18bと、を備えている。
また、鍔部12および鍔部12よりも後端側の外表面には、外側電極10bと電気的に接続された外部リード部10cが設けられている。本実施形態の外部リード部10cは、外側電極10bの後端部から、鍔部12を経由して、鍔部12よりも後端側へと、軸線O方向に線状に延出する縦リード部15と、縦リード部15の後端部に設けられたリングリード部16と、を備えている。リングリード部16は、基体部17と縮径部18の境界を後端としつつ、センサ素子10の外周に沿って、センサ素子10の外表面の一部に伸長している。上記した、縮径部18およびリングリード部16の構成は、外側電極10bとリード線60との間の接続に係る構成であり、後に詳しく説明する。
なお、既述したように、センサ素子10の内表面には内側電極10aが設けられている。有底円筒状の固体電解質体11の内部には、筒孔10dが形成されており(図1参照)、内側電極10aは、後端近傍を除く筒孔10dの表面全体を覆うように形成されている。
センサ素子10が備える固体電解質体11は、例えば酸化イットリウム(Y)を添加した酸化ジルコニウム(ZrO)、すなわちイットリア安定化ジルコニアによって構成することができる。あるいは、酸化カルシウム(CaO)や酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO)、酸化アルミニウム(Al)等から選択される酸化物を添加した安定化ジルコニア等の、他の固体電解質によってセンサ素子10を構成しても良い。
センサ素子10の表面に形成される内側電極10aおよび外側電極10bは、白金(Pt)や白金合金等の、貴金属あるいは貴金属合金によって形成されることが好ましい。内側電極10aおよび外側電極10bは、例えば、無電解めっき等のめっき法により形成することができる。また、外部リード部10cは、例えば固体電解質体11の製造時に、既述したイットリアを含有するジルコニア粉末の成形体の外表面に貴金属ペーストを用いて所定のパターンで印刷を行なうことにより、成形体の焼成と同時に形成することができる。
図1に戻り、上記したセンサ素子10は、主体金具20内に組み付けられている。主体金具20は、センサ素子10の軸線O方向の中ほどの部分を取り囲むように配置される金属部材である。主体金具20の内表面には、先端方向に向かって内径が縮径する段部20bが設けられている。この段部20bと、センサ素子10の鍔部12との間には、パッキン30が配置されている。主体金具20とセンサ素子10とを組み付ける際には、主体金具20の後端側から、センサ素子10を主体金具20内に挿入する。そして、鍔部12をパッキン30に当てることにより、間接的に段部20bにセンサ素子10の鍔部12を当接させる。
主体金具20とセンサ素子10とを組み付ける際には、さらに、鍔部12の後端側におけるセンサ素子10と主体金具20との径方向の隙間に、筒状のシール材(滑石粉末)31が充填される。そして、シール材31の後端側には、筒状の絶縁部材(セラミックスリーブ)32が配置される。さらに、絶縁部材32の後端側には、金属リング(ステンレス製の平ワッシャ)33が配置される。その後、主体金具20の後端部を内側に屈曲させて加締め部20aを形成することにより、絶縁部材32が先端側に押し付けられてシール材31を押し潰し、絶縁部材32及びシール材31が加締め固定されるとともに、センサ素子10と主体金具20の隙間がシールされる。上記のように主体金具20とセンサ素子10とを組み付けると、センサ素子10の後端部が主体金具20の後端(加締め部20a)から突出し、既述したリングリード部16(図2)が主体金具20から外部に露出する状態になる。
なお、主体金具20の中央付近には、六角レンチ等を係合するために、径方向外側に突出した形状に形成されている多角形の鍔部20cが設けられている。また、鍔部20cと、主体金具20の先端部である先端部20fとの間の外表面には、雄ねじ部20dが形成されている。主体金具20の雄ねじ部20dを、例えば自動車の排気管のネジ孔に取付けて、センサ素子10の先端を排気管内に露出させることにより、ガスセンサ100を用いた被検出ガス(排気ガス)中の酸素濃度の検知が可能になる。ガスセンサ100において、鍔部20cの先端面と雄ねじ部20dの後端との間の段部には、さらに、ガスセンサ100を排気管に取付けた際のガス抜けを防止するガスケットが嵌挿される(図示せず)。
主体金具20の先端部20fには、金属製(ステンレスなど)で筒状のプロテクタ62が固定され、主体金具20から突出するセンサ素子10の先端がプロテクタ62で覆われている。このプロテクタ62は、排気ガスをプロテクタ62の内部に取り込むための複数の孔部を有している。
一方、主体金具20の後端部には、金属製筒状の外筒40が接合されて、センサ素子10の後端部を覆っている。外筒40は、例えば、SUS430、SUS304、SUS304L、SUS310S、SUS316、SUS316L等のステンレス鋼で形成することができる。外筒40は、主体金具20に接続する先端部40aと、先端部40aよりも縮径された後端部40bとを有し、先端部40aと後端部40bとの間には段部43が設けられている。
外筒40の先端部40aの内側には、段差付きの略円柱状で絶縁性のセパレータ34が配置されている。セパレータ34には、セパレータ34を軸線O方向に貫通する2個の挿通孔34a、34bが形成されている。これらの挿通孔34a、34bには、それぞれ、第1接続端子70の板状基部71と、第2接続端子80の板状基部81が挿通されている。ここで、第1接続端子70および第2接続端子80は、それぞれ、内側電極10aあるいは外側電極10bと、リード線60とを接続するための部材である。各板状基部71、81の後端には、それぞれ、接続端部72、82が形成され、接続端部72、82には、それぞれ異なるリード線60が加締め接続されている。なお、第2接続端子80が特許請求の範囲の「接続端子」に相当する。
上記セパレータ34は、セパレータ34の後端面を外筒40の段部43に当接させつつ、セパレータ34の先端面をセパレータ34よりも先端側に配置した保持金具35に当接させることで、外筒40内に保持される。この保持金具35は、セパレータ34よりも先端側に配置され、外筒40の先端部40aが加締められることで外筒40内に固定されている。
第1接続端子70において、板状基部71よりも先端側には、センサ素子10の筒孔10d内に挿入される挿入部73が設けられている。この挿入部73は、センサ素子10の内表面に接触して、内側電極10aと電気的に接続される。
図3は、第2接続端子80の外観を表わす斜視図である。既述したように、第2接続端子80は、リード線60が接続される接続端部82と、セパレータ34の挿通孔34b内に配置される板状基部81と、を備えている。板状基部81の中央部には、略コの字状に切れ目を形成してその内側部分を外周側へと折り曲げることによって形成された支持腕84が設けられている。この支持腕84は、板状基部81が軸線O方向に略平行となるように、セパレータ34の挿通孔34b内で板状基部81を支える。
さらに、第2接続端子80において、板状基部81よりも先端側には、筒状部83が設けられている。この筒状部83は、センサ素子10の外表面に嵌め込まれて外部リード部10cと接することにより、外側電極10bと電気的に接続される。より具体的には、筒状部83は、略長方形状の板体を折り曲げた略中空円筒状に形成されており、軸線O方向に平行なスリット85を有している。筒状部83は、このスリット85の幅を伸縮させることにより、径方向に弾性変形可能となっている。筒状部83のセンサ素子10への嵌め込みの動作については、後に詳しく説明する。
図1に戻り、ガスセンサ100の外筒40の後端部40bの内側には、略円柱状のグロメット36が内挿されて加締め固定されている。このグロメット36には、グロメット36を軸線O方向に貫通する2個の挿通孔が形成されており、これら2個の挿通孔の各々から、リード線60が外部に引き出されている。グロメット36の後端側はフランジ状に拡径している。グロメット36を外筒40の後端から外筒40内へと挿入し、上記した拡径部分を外筒40の後端に当接させることにより、グロメット36の位置決めがなされる。グロメット36は、例えば、シリコンゴムやフッ素ゴム等のゴム材料によって形成することができる。
さらに、外筒40の後端部40bの側面のうち、グロメット36よりも先端側の位置には、周方向に等間隔で4個(図1では3個のみ図示)の第1通気孔41が開口している。そして、外筒40の後端部40bの径方向外側には、第1通気孔41を覆うように、環状の通気性のフィルタ37が被せられ、さらに、フィルタ37を径方向外側から金属製筒状の保護外筒38が囲んでいる。この保護外筒38は、例えば、SUS430、SUS304、SUS304L、SUS310S、SUS316、SUS316L等のステンレス鋼によって形成することができる。保護外筒38の側面には、周方向に等間隔で4個(図1では2個のみ図示)の第2通気孔39が開口し、フィルタ37を介して外筒40内部へ外気を導入可能になっている。なお、第2通気孔39の先端側と後端側で外筒40及び保護外筒38を加締めることで、外筒40と保護外筒38の間にフィルタ37を保持している。フィルタ37は、例えばフッ素系樹脂等の撥水性樹脂の多孔質構造体によって構成することができ、撥水性を有しているため外部の水を通さずにセンサ素子10の内部空間に基準ガス(大気)を導入可能となっている。
保護外筒38は、後端部がグロメット36の後端面上に設けられるように径方向内側に折り曲げられてなり、後端部の中央に開口63が形成され、開口63から2本のリード線60が外部に引き出されている。さらに、保護外筒38の後端側は、外筒40の後端部40bに設けられた加締め部に加締め固定されている。つまり、グロメット36は、保護外筒38及び外筒40の両者を同時に加締めることで、外筒40内に配置されている。
B.ガスセンサ100の組み立ての概要:
図4は、ガスセンサ100の組立の概要を示す説明図である。ガスセンサ100の組み立て時には、ガスセンサ100の後端側の構造を備える後端側アセンブリAと、先端側の構造を備える先端側アセンブリBとを組み立て、アセンブリAおよびBの組み付けが行なわれる。図4は、アセンブリAをアセンブリBの後端に被せる組み付け動作を説明する断面図である。
ガスセンサ100の製造に際しては、まず、先端側アセンブリBの組み立てが行なわれる。具体的には、センサ素子10を主体金具20内に配置されたパッキン30上に配置する。その後、主体金具20とセンサ素子10との間隙にシール材31を充填し、絶縁部材32、金属リング33を順にシール材31上に配置する。そして、主体金具20の後端側を加締めることにより、アセンブリBを作製する。
一方で、後端側アセンブリAの組み立てが行なわれる。すなわち、外筒40内に、第1接続端子70及び第2接続端子80を組み付けたセパレータ34をグロメット36と共に配置し、アセンブリAを組み立てる。具体的には、リード線60に接続された第1接続端子70及び第2接続端子80をセパレータ34の挿通孔34a、34b内に挿入し、その後、セパレータ34を外筒40の段部43に当接させる。その後、セパレータ34と外筒40との間隙に保持金具35を挿入して、外筒40の先端部40aを加締めることで、保持金具35を固定する。さらに、グロメット36を外筒40の後端から挿入すると共に、外筒40の後端部40bにフィルタ37、保護外筒38をそれぞれ配置し、フィルタ37、グロメット36をそれぞれ加締め固定することにより、アセンブリAを作製する。
そして、アセンブリAとアセンブリBとの軸線を合わせ、アセンブリAの外筒40の先端部を、アセンブリBの主体金具20の後端部に被せることにより、ガスセンサ100の組み立てが行なわれる。
図4に示すように、後端側アセンブリAでは、外筒40の先端から、第1接続端子70の挿入部73が突出している。また、先端側アセンブリBでは、主体金具20の後端から、センサ素子10の縮径部18と、基体部17の一部(後端部分)が露出している。アセンブリAとアセンブリBとを組み付ける際には、まず、アセンブリAから突出する挿入部73を、アセンブリBのセンサ素子10内に形成される筒孔10dに挿入しつつ、外筒40の先端部を、主体金具20の後端部に被せる。このとき、挿入部73が筒孔10dの内表面に接することにより、第1接続端子70と内側電極10aとが電気的に接続される。
また、上記のように外筒40の先端部を主体金具20の後端部に被せると、アセンブリA,Bの内部では、アセンブリAが備える第2接続端子80の筒状部83の先端が、センサ素子10の後端に当接して、筒状部83がセンサ素子10の後端部に嵌め込まれる。このとき、筒状部83の内表面がリングリード部16に接することにより、第2接続端子80と外側電極10bとが電気的に接続される。
図5は、センサ素子10の後端部に、第2接続端子80の筒状部83が嵌め込まれる様子を表わす説明図である。ここでは、図示の便宜上、筒状部83はその断面図を示し、他の部材は正面図を示している。図5では、センサ素子10の基体部17の外径をD1、縮径部18の後端に設けられた小径部18aの外径をD2、第2接続端子80の筒状部83が非嵌め込み状態である時の筒状部83の内径をD3、と表わしている。これら各部の径の間では、「D2<D3<D1」の関係が成り立っている。既述したようにアセンブリAとアセンブリBの嵌め込みを行なうと、筒状部83の先端部において筒状部83の内径D3よりも小さい外径D2を有する小径部18aが筒状部83内に嵌り、筒状部83の先端は、段差部18bに当接する。その後、さらにアセンブリAとアセンブリBとの嵌め込みを行なうと、筒状部83は、段差部18bに倣って、スリット85(図3)を広げることにより径を拡大しながら、センサ素子10の先端側へと嵌め込まれる。筒状部83の先端が、縮径部18と基体部17の境界を越えると、筒状部83が、リングリード部16の後端(縮径部18と基体部17の境界に設けられた)と接触するようになる。
アセンブリAとアセンブリBの嵌め込みが終了する時には、筒状部83の先端は、主体金具20内に進入し、絶縁部材32の後端近傍に到達する(図1参照)。センサ素子10の基体部17と筒状部83とが重なる軸線O方向の長さがある程度長くなると、筒状部83は軸線O方向と略平行になり、筒状部83の内表面と基体部17の外表面とが面接触する。筒状部83とセンサ素子10とが重なる程度(位置関係)を所望の重なり具合にするためには、各々のアセンブリ内におけるセンサ素子10および第2接続端子80の組み付け位置と、アセンブリAとアセンブリBとの間の組み付け位置とを、上記所望の重なり具合に応じて予め設定しておけばよい。筒状部83は、その全体がセンサ素子10の後端部と重なることとしても良く、筒状部83の先端側の一部のみがセンサ素子10の後端部と重なることとしても良い。
なお、図5では、主体金具20の後端から突出するセンサ素子10後端において、リングリード部16が露出している様子を示している。リングリード部16は、既述したように、センサ素子10の外表面上を周方向に延出するように形成されており、外周の一部に沿って伸長する形状となっている。上記のようにリングリード部16が主体金具20から露出していることにより、アセンブリA,Bの組み付け時には、リングリード部16が設けられている位置を、予め目視により確認し、アセンブリA、Bを組み付ける角度を調節することができる。これにより、リングリード部16とスリット85との重なりを抑えることができ、リングリード部16がセンサ素子10の外周に沿う一部に設けられ、且つ筒状部83がスリット85を有している構成であっても、リングリード部16と筒状部83との接続の信頼性を維持することができる。
主体金具20の所定の位置まで外筒40が覆うように、アセンブリAとBの組付けを行なった後には、外筒40の先端部の外周面を加締め、その後レーザ溶接等によって主体金具20の後端部に接続することにより、ガスセンサ100が得られる。
以上のように構成された本実施形態のガスセンサ100によれば、センサ素子10の後端部に、非嵌め込み状態にあるときの筒状部83の内径よりも外径が小さい小径部18aを後端とする縮径部18を備えるため、センサ素子10の縮径部18に筒状部83が倣うことで、センサ素子10の後端部を筒状部83内へと容易に導くことができ、センサ素子10への第2接続端子80の嵌め込みを容易に行なうことができる。なお、センサ素子10は、一般に、構成材料の粉末(例えば、イットリア含有ジルコニア粉末等)を加圧成形し、所定の温度で焼成することによって作製される。本実施形態のようにセンサ素子10に縮径部18を設けるには、上記成形に用いる金型デザインを変更するだけで良く、製造工程に変更を加える必要がない。
特に、センサ素子10の後端部に筒状部83を嵌め込む動作は、既述したように、アセンブリAとBとの組み付け時に同時に行なわれるものであり、センサ素子10に筒状部83が嵌め込まれる様子を視認しながら行なうことが困難である。本実施形態のように、センサ素子10に縮径部18を設けて筒状部83の先端を導くことで、センサ素子10への筒状部83の嵌め込み動作をより正確に行なうことが可能となるため、第2接続端子80と外側電極10bとの電気的接続の信頼性を維持することができる。
さらに、本実施形態によれば、センサ素子10の外表面において、外部リード部10cの後端が、基体部17と縮径部18との境界上に配置されているため、外側電極10bと第2接続端子80との間の電気的接続の信頼性を確保できる。
例えば、本実施形態のように、スリット85を有する断面C字形状の筒状部83を用いる場合には、組み付けの際に筒状部83が基体部17に達した後に、筒状部83と基体部17との重なり量が不十分であると、筒状部83の先端側の径がより大きく広がって、縦断面ハの字形になる場合が生じ得る。この場合、筒状部83の先端側がセンサ素子10の基体部17から浮いてしまう(離間してしまう)。このような場合であっても、基体部17と縮径部18の境界に外部リード部10cが形成されることで、外側電極10bと第2接続端子80との間の電気的接続を確保することができる。すなわち、筒状部83の先端側がセンサ素子10の基体部17から浮いてしまったとしても、第2接続端子80と確実に接触する箇所(基体部17と縮径部18の境界)に外部リード部10cが設けられているため、外側電極10bと第2接続端子80との間の電気的接続の信頼性を確保できる。なお、外部リード部10cは、基体部17と縮径部18との境界から先端側へと延出して設けられているため、筒状部83が基体部17の表面とほぼ平行になった時には、外部リード部10cのより広い範囲において、第2接続端子80との電気的接続が可能になる。
また、筒状部83の先端を主体金具20の内部に挿入できるため、センサ素子10の後端部を、従来よりも短くしても、センサ素子10と筒状部83とが軸線O方向に重なる距離を十分に確保することが可能になる。そのため、第2接続端子80と外側電極10bとの接続の信頼性を維持しつつ、センサ素子10を、より短くする(小型化する)ことが可能になり、ガスセンサ100全体の更なる小型化が可能になる。その結果、センサ素子10の後端部を短くすることにより、外側電極10bに接続する外部リード部10cの縦リード部15(図2)の長さを短くすると共に、センサ素子10の内表面に形成される内側電極10aおよびこれに接続する配線を縮小することができる。そのため、センサ素子10の表面に外側電極10bや外部リード部10cあるいは内側電極10aを形成するための配線材料(貴金属)の使用量を抑えて、製造コストを低減することができる。
さらに、本実施形態のガスセンサ100によれば、筒状部83を第2接続端子80の最先端に設けている。センサ素子10への第2接続端子80の嵌め込みを容易化する方法としては、例えば、第2接続端子の筒状部の先端に、先端ほど径が大きくなる拡径部であって、最先端部の径がセンサ素子10の後端の径よりも大きい拡径部を設けて、センサ素子の後端を筒状部内へと導く構成も考えられる。しかしながら、このような構成を採用すると、筒状部の先端に拡径部を設けることにより、第2接続端子の製造工程が複雑化し、コストの増大を引き起こし得る。本実施形態によれば、このような製造工程の複雑化に起因するコスト増を抑えることができる。
その上、センサ素子10の小型化のために、センサ素子10の後端部を短くしたとしても、主体金具20と第2接続端子80とが短絡する虞がないため、従来のように、第2接続端子80に設けた拡径部の径の調整を行う必要がなくなり、容易にセンサ素子10と第2接続端子80との電気的接続の信頼性を維持できる。
なお、外部リード部10cのリングリード部16は、センサ素子10の外表面上の全周にわたって設けるようにしても良いが、本実施形態では、外周の一部のみに設けられている。そのため、外部リード部10cを形成するための配線材料(貴金属)の使用量を、さらに抑制することができる。なお、外部リード部10cの後端部は、基体部17と縮径部18との境界まで縦リード部15の幅を維持して、リングリード部16を設けない構成も可能であるが、縦リード部15よりも幅広のリングリード部16を設けることで、筒状部83との電気的接続の信頼性を確保し易くなる。
C.第2の実施形態:
図6は、第2の実施形態のセンサ素子110の外観を表わす斜視図である。センサ素子110は、第1の実施形態のガスセンサ100と同様のセンサにおいて、センサ素子10に代えて用いられる。第2の実施形態のガスセンサは、センサ素子以外の構成は第1の実施形態と同様であるため、共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明は省略する。
センサ素子110は、センサ素子10と類似する構成を有しているが、縮径部として、テーパ部118を有している点のみがセンサ素子10と異なっている。テーパ部118は、基体部17とテーパ部118の境界からセンサ素子110の後端に向かって、次第に径が小さくなるように形成されている。そして、テーパ部118の後端部の外径D4(図6参照)が、第2接続端子80が備える筒状部83が非嵌め込み状態にあるときの内径D3(図5参照)よりも小さくなるように形成されている。なお、基体部17における外径は、第1の実施形態と同様にD1であり、「D4<D3<D1」が成り立っている。また、センサ素子110では、外部リード部10cが備えるリングリード部16は、その後端が、基体部17とテーパ部118との境界上に配置されている。
以上のように構成された第2の実施形態のガスセンサにおいても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、第2接続端子80の製造工程の複雑化を抑えつつ、センサ素子110への第2接続端子80の嵌め込みを容易化し、第2接続端子80と外側電極10bとの電気的接続の信頼性を維持することができる。また、外部リード部10cや内側電極10aを形成するための配線材料(貴金属)の使用量を抑制することができる。なお、図6では、リングリード部16は、センサ素子110の外表面上において、外周を一周するように周方向に延出させている。ただし、第1の実施形態と同様に、外周の一部に沿って伸長する形状にしてもよい。
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
D1.変形例1:
センサ素子の後端側に設ける縮径部は、種々の変形が可能であり、少なくとも後端の外径が、基体部17への非嵌め込み状態にあるときの筒状部83の内径よりも小さいならば、第1あるいは第2の実施形態と同様の効果が得られる。非嵌め込み状態にあるときの筒状部83の内径よりも小さい一定の外径を有する部分(小径部)、あるいは、後端部ほど外径が小さく形成された部分(テーパ部)を有し、後端側から嵌め込まれる筒状部83を基体部17へと支障なく導くことができる形状であればよい。例えば、縮径部を、後端側ほど外径が小さくなる複数の小径部を備える多段構造としても良い。あるいは、後端部側へと外径が次第に小さくなる傾斜の角度が異なる複数のテーパ部を備える多段構造としても良い。
D2.変形例2:
第1および第2の実施形態のガスセンサでは、第2接続端子80の筒状部83の先端は、主体金具20内に挿入されて絶縁部材32の後端近傍に達することとしたが、異なる構成としても良い。例えば、筒状部83の先端は、主体金具20の外側に位置する構成としても良い。この場合であっても、センサ素子の後端側に縮径部を設けることにより、センサ素子への筒状部83の嵌め込みが容易になる効果や、センサ素子の基体部と縮径部の境界に外部リード部10cの後端を設けることにより電極の接続信頼性を高める効果を、同様に得ることができる。さらに、筒状部に既述した拡径部を設ける構成とは異なり、筒状部83を主体金具20の後端に充分に近づけても、主体金具20との間の短絡を抑える効果を得ることができる。
あるいは、ガスセンサ内において、絶縁部材32とセンサ素子10との間に、後端側から筒状部83が進入可能な空隙を設け、筒状部83の先端を、より深く、絶縁部材32と重なる領域にまで挿入することとしても良い。この場合にも、第1および第2の実施形態と同様の効果が得られる。
D3.変形例3:
第1および第2の実施形態では、センサ素子を取り囲む主体金具20の後端から、センサ素子の縮径部および基体部17の後端部分が突出することとしたが、異なる構成としても良い。少なくともセンサ素子の縮径部18の後端の一部が主体金具20の後端から突出していれば、リングリード部16が形成された基体部17が突出していなくても、アセンブリの組み付け時に、センサ素子の筒孔10d内に、第1接続端子70の挿入部73の先端部を容易に挿入することができる。そして、このとき、筒状部83の先端を基体部17の外表面へと容易に導くことができるという、第1および第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
ここで、第2実施形態のように、リングリード部16を、基体部17の全周にわたるように設ける場合には、基体部17が突出していないことによりリングリード部16がアセンブリBの外側から視認し難くても、接続の信頼性を確保できる。すなわち、筒状部83のスリット85の位置およびスリット85の幅にかかわらず、リングリード部16と筒状部83との間を容易に接続することができる。
また、第1実施例のように、リングリード部16を、外周の一部に沿って伸長する形状とする場合には、リングリード部16が周方向に伸長する長さを、基体部17の全周の半分以上の長さとしてもよい。あるいは、リングリード部16が周方向に伸長する長さを、筒状部83が嵌め込み状態となったときの、センサ素子外表面上におけるスリット85間の距離以上とすればよい。このような構成とすれば、リングリード部16がアセンブリBの外側から視認し難くても、筒状部83のスリット85の位置にかかわらず、リングリード部16と筒状部83との間を容易に接続することができる。
D4.変形例4:
第1および第2の実施形態では、筒状部83を第2接続端子80の最先端に設けていたが、第2接続端子80の筒状部83の先端に拡径部を設けてもよい。なお、センサ素子10の小型化のために、センサ素子10の後端部を短くし、第2接続端子80が主体金具20の内部に挿入される場合には、拡径部の径をセンサ素子の後端部の径よりも大きくしつつ、主体金具と接触しないように拡径部の径を調整する必要がある。
D5.変形例5:
第1および第2の実施形態では、ガスセンサは酸素濃度センサとしたが、異なる構成としても良い。イオン伝導性を有する固体電解質の両面に積層された一対の電極を有し、各電極上の特定ガス成分の濃度差(分圧差)により起電力を生じる濃淡電池を備えるセンサであれば、本願発明を適用することにより、同様の効果が得られる。
10,110…センサ素子
10a…内側電極
10b…外側電極
10c…外部リード部
10d…筒孔
11…固体電解質体
12…鍔部
13…有底部
14…被毒防止層
15…縦リード部
16…リングリード部
17…基体部
18…縮径部
18a…小径部
18b…段差部
20…主体金具
20a…加締め部
20b…段部
20c…鍔部
20d…雄ねじ部
20f…先端部
30…パッキン
31…シール材
32…絶縁部材
33…金属リング
34…セパレータ
34a,34b…挿通孔
35…保持金具
36…グロメット
37…フィルタ
38…保護外筒
39…第2通気孔
40…外筒
40a…先端部
40b…後端部
41…第1通気孔
43…段部
60…リード線
62…プロテクタ
63…開口
70…第1接続端子
71,81…板状基部
72,82…接続端部
73…挿入部
80…第2接続端子
83…筒状部
84…支持腕
85…スリット
100…ガスセンサ
118…テーパ部

Claims (6)

  1. 軸線方向に延出して形成される筒状のセンサ素子であって、軸線方向の一方の端部である先端部の外表面に設けられた外側電極と、前記外側電極から軸線方向の他方の端部である後端部側の外表面へと延出して設けられた外部リード部と、を備えるセンサ素子と、
    径方向に弾性変形可能な筒状部を備え、該筒状部の少なくとも先端部が前記センサ素子の後端部の外表面に嵌め込まれて、前記筒状部において前記外部リード部と接触する接続端子と、
    を備える、被測定ガス中の特定ガス成分を検出するガスセンサにおいて、
    前記センサ素子の後端部は、前記センサ素子への非嵌め込み状態にあるときの前記筒状部の内径よりも外径が大きく、前記センサ素子へと前記筒状部が嵌め込まれた時には前記筒状部の内表面と接触する基体部と、前記基体部の後端側に形成されて、前記非嵌め込み状態にあるときの前記筒状部の内径よりも少なくとも後端側の外径が小さい縮径部とを備え、
    前記センサ素子の外表面における前記外部リード部の後端が、前記基体部と前記縮径部との境界上に配置されていることを特徴とする
    ガスセンサ。
  2. 請求項1記載のガスセンサであって、さらに、
    前記筒状部は、前記接続端子の最先端に設けられていることを特徴とする
    ガスセンサ。
  3. 請求項1又は2記載のガスセンサであって、さらに、
    前記センサ素子を取り囲むと共に、前記センサ素子の少なくとも前記縮径部を露出させる主体金具を備え、
    前記センサ素子の後端部に嵌め込まれた前記筒状部の先端部は、前記主体金具内に配置されている
    ガスセンサ。
  4. 請求項1又は2記載のガスセンサであって、さらに、
    前記センサ素子を取り囲むと共に、前記センサ素子の後端部を露出させる主体金具を備え、
    前記筒状部は、軸線方向に平行なスリットを有し、該スリットの幅を伸縮させることにより、径方向に弾性変形可能となっており、
    前記外部リード部の後端部には、前記基体部と前記縮径部の境界を後端としつつ前記センサ素子の外周に沿って前記センサ素子の外表面の一部に伸長するリングリード部を備え、
    前記センサ素子は、前記リングリード部が前記主体金具から露出するように前記主体金具に取り囲まれている
    ガスセンサ。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載のガスセンサであって、
    前記縮径部は、前記センサ素子への非嵌め込み状態にあるときの前記筒状部の内径よりも小さい一定の外径を有する小径部と、前記基体部と前記小径部との間に形成された段差部とを備える
    ガスセンサ。
  6. 請求項1ないし4いずれか記載のガスセンサであって、
    前記縮径部は、前記基体部との境界から前記センサ素子の後端に向かって、次第に外径が小さくなるテーパ部である
    ガスセンサ。
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