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JP5923351B2 - 銅膜形成用組成物及び該組成物を用いた銅膜の製造方法 - Google Patents

銅膜形成用組成物及び該組成物を用いた銅膜の製造方法 Download PDF

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JP5923351B2 JP2012060536A JP2012060536A JP5923351B2 JP 5923351 B2 JP5923351 B2 JP 5923351B2 JP 2012060536 A JP2012060536 A JP 2012060536A JP 2012060536 A JP2012060536 A JP 2012060536A JP 5923351 B2 JP5923351 B2 JP 5923351B2
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Description

本発明は、種々の基体上に銅膜を形成するための銅膜形成用組成物および該組成物を基体に塗布し、加熱することによる銅膜の製造方法に関する。
銅を電気導体とする導電層や配線を、液体プロセスである塗布熱分解法(MOD法)や微粒子分散液塗布法によって形成する技術は、多数報告されている。
例えば、特許文献1〜4では、各種基体に水酸化銅又は有機酸銅と多価アルコールを必須成分とした混合液を塗布し、非酸化性雰囲気中で165℃以上の温度に加熱することを特徴とする一連の銅膜形成物品の製造方法を提案している。そして、当該液体プロセスに使用する有機酸銅としてギ酸銅が開示されており、多価アルコールとして、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが開示されている。
特許文献5には、半田耐熱性に優れる金属膜を下地電極上に形成することができる、銀微粒子と銅の有機化合物を含有する金属ペーストについての提案がある。当該ペーストに使用される銅の有機化合物としてギ酸銅が開示されており、これと反応させてペースト化せしめるアミノ化合物としてジエタノールアミンが開示されている。
特許文献6には、回路に用いる金属パターン形成用の金属塩混合物についての提案がされている。そして、当該混合物を構成する成分として、金属塩としてギ酸銅が開示されており、有機成分として、有機溶剤であるジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリンが開示されており、金属配位子として、ピリジンが開示されている。
特許文献7には、エレクトロニクス用配線の形成などに有用な、印刷後に低温で熱分解可能なギ酸銅と3−ジアルキルアミノプロパン−1,2−ジオール化合物を含有する低温分解性の銅前駆体組成物が開示されている。
特許文献8には、先述した液体プロセスに有用なギ酸銅とアルカノールアミンを含有する銅薄膜形成用組成物が開示されている。そして、アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが例示されている。
特開平1−168865号公報 特開平1−168866号公報 特開平1−168867号公報 特開平1−168868号公報 特開2007−35353号公報 特開2008−205430号公報 特開2009−256218号公報 特開2010−242118号公報
ここで、銅膜形成用組成物を使用した液体プロセスにおいて微細な配線や膜を安価に製造するには、下記の要件を満足する組成物が提供されることが望まれる。すなわち、微粒子等の固相を含まない溶液タイプであること、導電性に優れた銅膜を与えること、低温で銅膜に転化できること、塗布性が良好であること、保存安定性が良好であること、1回の塗布により得られる膜厚のコントロールが容易であること、が望まれ、特に厚い膜の形成ができることが望まれている。しかし、これらの要求の全てを充分に満たす銅膜形成用組成物は、未だ知られていない。
したがって、本発明の目的は、上記した要求の全てを充分に満たす銅膜形成用組成物を提供することである。より具体的には、基体上に塗布し、比較的低温で加熱することで、充分な導電性を有する銅膜を得ることが可能な、微粒子等の固相を含まない溶液状の銅膜形成用組成物を提供することにある。また、本発明の目的は、構成成分中の銅の濃度を適宜に調整することで、1回の塗布で得られる膜厚を調整することができ、所望する厚い銅膜の製造を簡便に行える銅膜形成用組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記の実情に鑑み検討を重ねた結果、ギ酸銅又はその水和物、酢酸銅又はその水和物と、特定の構造を有するジオール化合物、特定の構造を有するピペリジン化合物を特定の割合で含有してなる銅膜形成用組成物が上記要求性能を満たすことを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、必須成分として、ギ酸銅又はその水和物を0.01〜3.0モル/kgと、酢酸銅又はその水和物を0.01〜3.0モル/kgと、下記一般式(1)または下記一般式(1’)のいずれかで表されるジオール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のジオール化合物と、下記一般式(2)で表されるピペリジン化合物と、これらを溶解せしめる有機溶剤とを含有してなり、かつ、上記ギ酸銅又はその水和物1モル/kgに対して、上記ジオール化合物を0.1〜6.0モル/kgの範囲で含み、さらに、上記ギ酸銅又はその水和物1モル/kgに対して、上記ピペリジン化合物を0.1〜6.0モル/kgの範囲で含むことを特徴とする銅膜形成用組成物を提供するものである。
Figure 0005923351
(一般式(1)中、Xは、水素原子、メチル基、エチル基、又は3−アミノプロピル基のいずれかを表わす。一般式(1’)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、 1 及びR 2 は互いに結合して隣接する窒素原子を含む5員環又は6員環を形成してもよい。)
Figure 0005923351
(一般式(2)中、Rはメチル基若しくはエチル基を表し、mは0又は1を表す。)
また、本発明は、上記に記載の銅膜形成用組成物を基体上に塗布する塗布工程と、その後に、該基体を100〜400℃に加熱することによって銅膜を形成する工程とを有することを特徴とする銅膜の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、基体上に塗布し、比較的低温で加熱することで、充分な導電性を有する銅膜を得ることが可能な、微粒子等の固相を含まない溶液である銅膜形成用組成物が提供される。また、本発明の組成物は、ギ酸銅又はその水和物及び酢酸銅又はその水和物の濃度を適宜に調整することで、1回の塗布で得られる膜厚を調整することができ、所望する厚い銅膜を製造することもできる。
本発明の銅膜形成用組成物の特徴の一つは、銅膜の前駆体(プレカーサ)としてギ酸銅を使用したことにある。本発明で使用するギ酸銅は、無水和物でもよく、水和していてもよい。具体的には、無水ギ酸銅(II)、ギ酸銅(II)二水和物、ギ酸銅(II)四水和物などを用いることができる。ギ酸銅としては、そのまま混合してもよく、水溶液、有機溶媒溶液、有機溶媒懸濁液として混合してもよい。
本発明の銅膜形成用組成物中のギ酸銅の含有量は、所望の銅膜の厚さに応じて適宜に調整すればよい。ギ酸銅の含有量は、例えば、0.01〜3.0モル/kgが好ましく、0.1〜2.5モル/kgがより好ましい。
ここで、本発明における「モル/kg」は、「溶液1kgに対して溶けている溶質の物質量」を表している。例えば、本発明の銅組成物1kg中に、ギ酸銅+酢酸銅が、銅として63.55g溶解していた場合、銅濃度=1.0モル/kgとしている。同様に、ギ酸銅(II)の分子量は153.58であるので、本発明の銅組成物1kg中に、ギ酸銅を153.58g溶解させた場合、1.0モル/kgとなる。
また、本発明の銅膜形成用組成物の特徴の一つは、銅濃度のコントロール剤として酢酸銅を上記ギ酸銅と組合せて使用したことにある。本発明で使用する酢酸銅は、無水和物でもよく、水和していてもよい。具体的には、無水酢酸銅(II)、酢酸銅(II)一水和物などを用いることができる。また、ギ酸銅と同様に、そのまま混合しても、水溶液、有機溶媒溶液、有機溶媒懸濁液として混合してもよい。本発明者等の検討によれば、酢酸銅を加えてギ酸銅と併用することによって、得られる銅膜の電気特性が向上する。上記したように、例えば、酢酸銅(II)一水和物(分子量:199.65)を用いた場合、これを1.0モル/kg含有するとは、本発明の銅組成物1kg中に199.65g含有することを意味する。
また、本発明者等の検討によれば、酢酸銅を併用することにより、同じ銅濃度の銅膜形成用組成物をギ酸銅のみで調製した場合と比較して、低い粘度の銅膜形成用組成物を得ることができる。一般に、銅膜形成用組成物をインクジェット法やスピンコート法に代表される塗布法用の塗布液として用いる場合は、粘度が高いと、塗布性が悪化する場合がある。本発明の銅膜形成用組成物は、銅濃度が高い場合であっても粘度を低く保つことができ、塗布性を維持することができる。
また、酢酸銅は該組成物への溶解性が非常に高いため、ギ酸銅のみによって銅膜形成用組成物中の銅濃度をコントロールした場合と比較して、該組成物中の銅濃度を高くすることができる。該組成物中の銅濃度は、塗布法によって成膜された銅膜の厚さに大きな影響を与える。これに対し、本発明の銅膜形成用組成物は、銅濃度が高濃度でも、高安定性、高塗布性であり、得られる銅膜の膜厚のコントロール性にも優れる。例えば、上記に挙げたような塗布法によって銅膜を製造した場合に、1回の塗布で、数十〜1,000nmの広範な範囲内の、適宜な膜厚を有する平滑な導電膜である銅膜を形成することもできる。
本発明の銅膜形成用組成物中の酢酸銅の含有量は、所望の銅膜の厚さに応じて適宜に調整すればよい。酢酸銅の含有量は、例えば、0.01〜3.0モル/kgが好ましく、0.1〜2.5モル/kgがより好ましい。
本発明の銅膜形成用組成物中のギ酸銅と酢酸銅の濃度比率は、特に限定されるものではないが、該組成物中の全銅濃度の40%以上がギ酸銅の添加によるものであることが好ましい。また、ギ酸銅と酢酸銅の濃度比率が1:1のほぼ等量である場合が、電気特性に優れた膜が得られるため、特に好ましい。
本発明の銅膜形成用組成物を構成する成分である下記一般式(1)または(1’)のいずれかで表されるジオール化合物は、1つ以上のアミノ基を有することを特徴とする。本発明者等の検討によれば、当該ジオール化合物は、ギ酸銅又はギ酸銅水和物に対する可溶化剤としての効果を示し、また、銅膜形成用組成物に対し、保存安定性を与え、さらには、膜に転化したときに導電性を向上させる効果を与える。
Figure 0005923351
上記一般式(1)中のXは、水素原子、メチル基、エチル基又は3−アミノプロピル基のいずれかを表わす。また、上記一般式(1’)のR1及びR2は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表し、 1 及びR 2 は互いに結合して隣接するNを含む5員環又は6員環を形成してもよい。炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、2−プロピル、ブチル、2−ブチル、イソブチル、第3ブチルが挙げられる。R1及びR2が互いに結合して隣接するNとともに形成する5〜6員環としては、例えば、ピロール、ピロリジン、メチルピロリジン、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、ピペリジン、2−メチルピペリジン、3−メチルピペリジン、4−メチルピペリジンが挙げられる。
上記一般式(1)で表されるジオール化合物としては、例えば、下記化合物No.1〜No.4が挙げられる。
Figure 0005923351
上記一般式(1’)で表されるジオール化合物の例としては、例えば、下記化合物No.5〜No.13が挙げられる。
Figure 0005923351
上記に列挙したジオール化合物の中でも、ジエタノールアミン(化合物No.1)、N−メチルジエタノールアミン(化合物No.2)、N−エチルジエタノールアミン(化合物No.3)、N−アミノプロピルジエタノールアミン(化合物No.4)又は3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール(化合物No.8)は、銅膜形成用組成物に対して、特に良好な保存安定性を与えるので好ましい。また、ジエタノールアミン(化合物No.1)、N−メチルジエタノールアミン(化合物No.2)、N−エチルジエタノールアミン(化合物No.3)、N−アミノプロピルジエタノールアミン(化合物No.4)を用いることにより、銅膜形成用組成物によって形成される膜の導電性が良好となるので、特に好ましい。
さらに、上記に挙げた中でも、特にN−メチルジエタノールアミン(化合物No.2)を用いると、低い加熱温度で銅膜への転化が可能になるのでより好ましい。
本発明の銅膜形成用組成物における上記したジオール化合物の含有量は、ギ酸銅1モル/kgに対して、0.1〜6.0モル/kgである。0.1モル/kgより少ないと、得られる銅膜の導電性が不十分となり、6.0モル/kgを超えると塗布性が悪化し、均一な銅膜が得られなくなる。より好ましい範囲は、0.2〜5.0モル/kgである。また、上記ジオール化合物は、単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。
本発明の銅膜形成用組成物の必須成分である上記一般式(2)で表されるピペリジン化合物は、これを含有させることで、銅膜形成用組成物に対して良好な塗布性と保存安定性を与える。
本発明を構成する上記一般式(2)で表されるピペリジン化合物の例としては、例えば、下記化合物No.14〜No.20が挙げられる。
Figure 0005923351
Figure 0005923351
本発明においては、上記例示したピペリジン化合物の中でも、特に化合物No.15を用いることが好ましい。このように構成することで、特に良好な塗布性と保存安定性をもつ銅膜形成用組成物が得られる。
本発明の銅膜形成用組成物における上記ピペリジン化合物の含有量は、ギ酸銅1モル/kgに対して、0.1〜6.0モル/kgである。0.1モル/kgより少ないと、塗布性が悪化し、均一な銅膜が得られなくなり、6.0モル/kgを超えると得られる銅膜の導電性が不十分となる。より好ましい範囲は、0.2〜5.0モル/kgである。
また、本発明者らの検討によれば、本発明の銅膜形成用組成物における、上記ジオール化合物と上記ピペリジン化合物の含有量の和は、ギ酸銅と酢酸銅の使用量の和1モル/kgに対して、0.5〜2.0モル/kgであると、その塗布性、得られる膜の導電性、保存安定性が良好となるので好ましい。0.5モル/kgより少ないと、沈殿物が発生する場合があり、2モル/kgよりも多いと塗布性が悪化する場合があるのでいずれも好ましくない。より好ましい範囲は、1〜1.5モル/kgである。
また、本発明の銅膜形成用組成物中におけるジオール化合物とピペリジン化合物の濃度比率は特に限定されるものではないが、ジオール化合物1モル/kgに対してピペリジン化合物が0.5〜1.5モル/kgであることが好ましい。1モル/kg(ほぼ等量)である場合が、溶液の安定性がよく、電気特性に優れた膜が得られるため、特に好ましい。
本発明の銅膜形成用組成物を構成する有機溶剤は、上記のギ酸銅(又はその水和物)、ジオール化合物及びピペリジン化合物を安定に溶解せしめることができれば、いずれのものでもよい。当該有機溶剤は、単一組成でも混合物でもよい。本発明に係る組成物に使用される有機溶剤の例としては、アルコール系溶剤、ジオール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、脂肪族又は脂環族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、シアノ基を有する炭化水素溶剤、その他の溶剤等が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、イソブタノール、2−ブタノール、第3ブタノール、ペンタノール、イソペンタノール、2−ペンタノール、ネオペンタノール、第3ペンタノール、ヘキサノール、2−ヘキサノール、ヘプタノール、2−ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、2−オクタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、メチルシクロペンタノール、メチルシクロヘキサノール、メチルシクロヘプタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(N,N−ジメチルアミノ)エタノール、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロパノール等が挙げられる。
ジオール系溶剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、イソプレングリコール(3−メチル−1,3−ブタンジオール)、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、オクタンジオール(2−エチル−1,3−ヘキサンジオール)、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、例えば、アセトン、エチルメチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸第2ブチル、酢酸第3ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸第3アミル、酢酸フェニル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸第2ブチル、プロピオン酸第3ブチル、プロピオン酸アミル、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸第3アミル、プロピオン酸フェニル、2−エチルヘキサン酸メチル、2−エチルヘキサン酸エチル、2−エチルヘキサン酸プロピル、2−エチルヘキサン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ第2ブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ第3ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ第2ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ第3ブチルエーテルアセテート、ブチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ブチレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、ブチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ブチレングリコールモノ第2ブチルエーテルアセテート、ブチレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、ブチレングリコールモノ第3ブチルエーテルアセテート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、オキソブタン酸メチル、オキソブタン酸エチル、γ−ラクトン、δ−ラクトン等が挙げられる。
エーテル系溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、モルホリン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジブチルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン等が挙げられる。
脂肪族又は脂環族炭化水素系溶剤としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカリン、ソルベントナフサ等が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶剤としては、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、メシチレン、ジエチルベンゼン、クメン、イソブチルベンゼン、シメン、テトラリンが挙げられる。
シアノ基を有する炭化水素溶剤としては、1−シアノプロパン、1−シアノブタン、1−シアノヘキサン、シアノシクロヘキサン、シアノベンゼン、1,3−ジシアノプロパン、1,4−ジシアノブタン、1,6−ジシアノヘキサン、1,4−ジシアノシクロヘキサン、1,4−ジシアノベンゼン等が挙げられる。
その他の有機溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドが挙げられる。
本発明においては、上記の有機溶剤の中でも、アルコール系溶剤、ジオール系溶剤、エステル系溶剤が安価であり、しかも溶質に対する充分な溶解性を示し、さらに、シリコン基体、金属基体、セラミックス基体、ガラス基体、樹脂基体等の様々な基体に対する塗布溶媒として良好な塗布性を示すので、好ましい。中でも、アルコール系溶剤、ジオール系溶剤等の構造中に水酸基を有する溶剤が、溶質に対する溶解性が高く、特に好ましい。
本発明の銅膜形成用組成物における上記の有機溶剤の含有量は、特に限定されるものではなく、所望する銅膜の厚さや、用いられる銅膜を製造する方法に応じて適宜調節すればよい。例えば、塗布法によって銅膜を製造する場合には、ギ酸銅(ギ酸銅水和物の場合であってもギ酸銅で換算)と酢酸銅(酢酸銅水和物の場合であっても酢酸銅で換算)の質量の和100質量部に対して、有機溶剤を0.01質量部〜5,000質量部使用することが好ましい。0.01質量部より小さいと得られる膜にクラックが発生したり、塗布性が悪化する等の不具合をきたす場合があるので好ましくない。また、有機溶剤の割合が増すほど得られる膜が薄くなるので生産性の面から5,000質量部を超えないことが好ましい。より具体的には、スピンコート法によって銅膜を製造する場合には、ギ酸銅(ギ酸銅水和物の場合であってもギ酸銅で換算)と酢酸銅(酢酸銅水和物の場合であっても酢酸銅で換算)の質量の和100質量部に対して、20質量部〜1,000質量部が好ましい。また、スクリーン印刷法によって銅膜を製造する場合には、ギ酸銅(ギ酸銅水和物の場合であってもギ酸銅で換算)と酢酸銅(酢酸銅水和物の場合であっても酢酸銅で換算)の質量の和100質量部に対して、0.01質量部〜20質量部が好ましい。
本発明の銅膜形成用組成物は、前記したように、ギ酸銅又はその水和物、酢酸銅またはその水和物、特定のジオール化合物、特定のピペリジン化合物、有機溶剤を必須とするが、それ以外に、任意の成分を本発明の効果を阻害しない範囲で含有してもよい。任意の成分としては、ゲル化防止剤、安定剤等の塗布液組成物に安定性を付与するための添加剤;消泡剤、増粘剤、揺変剤、レベリング剤等の塗布液組成物の塗布性を改善するための添加剤;燃焼助剤、架橋助剤等の成膜助剤等が挙げられる。これらの任意の成分を使用する場合の含有量は、本発明の組成物全量中において10質量%以下であること好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
次に、本発明の銅膜の製造方法について説明する。
本発明の銅膜の製造方法は、上記で説明した本発明の銅膜形成用組成物を基体上に塗布する塗布工程と、その後、該基体を100〜400℃に加熱する成膜工程とを有する。必要に応じて成膜工程の前に、基体を50〜200℃に保持し、有機溶剤等の低沸点成分を揮発させる乾燥工程を加えてもよく、成膜工程の後に、基体を200℃〜500℃に保持して銅膜の導電性を向上させるアニール工程を加えてもよい。
上記の塗布工程における塗布方法としては、スピンコート法、ディップ法、スプレーコート法、ミストコート法、フローコート法、カーテンコート法、ロールコート法、ナイフコート法、バーコート法、スリットコート法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、インクジェット法、刷毛塗り等が挙げられる。
また、必要な膜厚を得るために、上記の塗布工程から任意の工程までを複数繰り返すことができる。例えば、塗布工程から成膜工程の全ての工程を複数回繰り返してもよく、塗布工程と乾燥工程を複数回繰り返してもよい。
上記の乾燥工程、成膜工程、アニール工程の雰囲気は、通常、還元性ガス、不活性ガスのいずれかである。還元性ガスの存在下のほうが、より導電性の優れた銅膜を得ることができる。還元性ガスとしては水素が挙げられ、不活性ガスとしては、ヘリウム、窒素、アルゴンが挙げられる。不活性ガスは還元性ガスの希釈ガスとして使用してもよい。また、各工程においてプラズマ;レーザー;キセノンランプ、水銀ランプ、水銀キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、アルゴンフラッシュランプ、重水素ランプ等の放電ランプ;各種放射線等の熱以外のエネルギーを印加又は照射してもよい。
以下、製造例、実施例をもって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例等によって何ら制限を受けるものではない。
[実施例1]
表1に記載の化合物をそれぞれカッコ内の値(モル/kg)となるように配合し、本発明の実施例である銅膜形成用組成物No.1〜12を得た。具体的には、表1に示したように、ギ酸銅四水和物と、酢酸銅一水和物については使用量を変化させ、ジオール化合物およびピペリジン化合物についてはその種類と使用量を変化させて、No.1〜12の12種類の銅膜形成用組成物を作製した。なお、残分は全てエタノールである。また、表1中に記載した濃度は、製造した組成物1kg中における各成分の使用量である(以下、同様)。
Figure 0005923351
[比較製造例1]
表2に記載の化合物をそれぞれカッコ内の値(モル/kg)となるように配合し、比較組成物1〜11を得た。具体的には、表2に示したように、比較組成物1〜9は、ギ酸銅四水和物と、酢酸銅一水和物、ジオール化合物およびピペリジン化合物の少なくともいずれかを含まない銅膜形成用組成物である。さらに、比較組成物10、11は、酢酸銅化合物以外の銅化合物を用いて作製した銅膜形成用組成物である。なお、残分は全てエタノールである。
Figure 0005923351
[実施例2]
実施例1で得た銅膜形成用組成物No.1〜12をそれぞれに用いて、塗布法による銅薄膜の作製を行った。具体的には、まず、上記した各組成物を、液晶画面用ガラス基板(Eagle XG(商品名):コーニング社製)上にキャストし、500rpmで5秒、2,000rpmで20秒スピンコート法によって塗布した。その後、大気中でホットプレートを用いて140℃、30秒間乾燥を行い、次いで、乾燥後のガラス基板を、赤外線加熱炉(RTP−6:アルバック理工社製)を用いてアルゴン雰囲気下、表3に示した所定の温度にて、20分間加熱することでそれぞれ本焼成を行った。本焼成時のアルゴンのフロー条件は300mL/minであり、昇温速度は250℃/30秒であった。得られた各銅薄膜は、後述の評価用としたが、それぞれの膜を評価例1−1〜評価例1−12として表3に示した。
[比較製造例2]
比較製造例1で得た比較組成物1〜11をそれぞれに用いて、塗布法による銅薄膜の作製を行った。具体的には、まず、上記した各組成物を実施例2で使用したと同様のガラス基板(Eagle XG:コーニング社製)上にキャストし、500rpmで5秒、2,000rpmで20秒スピンコート法によって塗布した。その後、大気中でホットプレートを用いて140℃、60秒間乾燥を行い、次いで、乾燥後のガラス基板を、赤外線加熱炉(RTP−6:アルバック理工社製)を用いてアルゴン雰囲気下、所定の温度にて、20分間加熱することで本焼成とした。本焼成時のアルゴンのフロー条件は300mL/minであり、昇温速度は250℃/30秒であった。得られた各銅薄膜は、後述の評価用としたが、それぞれの膜を比較例1〜11として表3に示した。
[評価例1]
実施例2及び比較製造例2で得られたガラス基板上に形成した各銅薄膜について、膜の状態、表面抵抗値、膜の厚さを下記の方法で評価した。膜の状態は目視によって行い、表面抵抗値の測定には、ロレスタGP(商品名:三菱化学アナリテック社製)を用い、膜の厚さはFE−SEM(電界放射型走査電子顕微鏡)を用いて断面を観察することによって測定した。結果を表3にまとめて示した。
Figure 0005923351
表3の※2:得られた膜は導電性を示さなかった。
表3の※3:組成物の塗布時に基板上でハジいてしまい、基板表面全体に膜を形成することができなかった。
表3の結果より、評価例1−1〜1−12の銅薄膜は、比較例1〜9の銅薄膜と比べて、大幅に表面抵抗値が低くなっており、電気特性が向上していることが確認できた。このことから、本発明の実施例の組成物は電気特性の良好な銅膜を得ることができる組成物であることが確認された。また、酢酸銅以外の銅化合物を用いた比較例10、11は比較例1よりも電気特性が劣化してしまっていた。さらに、評価例1−1〜1−12の銅薄膜は全てで平滑且つ全面光沢を有する銅膜であったことから、本発明の銅膜形成用組成物は、塗布性に優れた組成物であることが確認できた。
[実施例3]
表4に記載の化合物をそれぞれカッコ内の値(モル/kg)となるように配合し、本発明の実施例である銅膜形成用組成物No.13〜15を得た。なお、残分は全てエタノールである。
Figure 0005923351
[実施例4]
表5に記載の化合物をそれぞれカッコ内の値(モル/kg)となるように配合し、本発明の実施例である銅膜形成用組成物No.16、17を得た。なお、残分は全てブタノールであり、実施例3で得たNo.13、14とは、その溶剤が異なる。
Figure 0005923351
[実施例5]
表6に記載の化合物をそれぞれカッコ内の値(モル/kg)となるように配合し、本発明の実施例である銅膜形成用組成物No.18、19を得た。なお、残分は全てエチレングリコールモノブチルエーテルであり、実施例3で得たNo.13、14、実施例4で得たNo.16、17とは、その溶剤が異なる。
Figure 0005923351
[実施例6]
表7に記載の化合物をそれぞれカッコ内の値(モル/kg)となるように配合し、本発明の実施例である銅膜形成用組成物No.20、21を得た。なお、残分は全てジエチレングリコールモノエチルエーテルであり、No.13〜19とは、その溶剤が異なる。
Figure 0005923351
[比較製造例3]
表8に記載の化合物をそれぞれカッコ内の値(モル/kg)となるように配合し、酢酸銅化合物を用いない比較組成物12〜14を得た。なお、残分は全てエタノールである。
Figure 0005923351
[比較製造例4]
表9に記載の化合物をそれぞれカッコ内の値(モル/kg)となるように配合し、酢酸銅化合物を用いない比較組成物15、16を得た。なお、残分は全てブタノールであり、比較製造例3で得たNo.12〜14とは、その溶剤が異なる。
Figure 0005923351
[比較製造例5]
表10に記載の化合物をそれぞれカッコ内の値(モル/kg)となるように配合し、酢酸銅化合物を用いない比較組成物17、18を得た。なお、残分は全てエチレングリコールモノブチルエーテルであり、比較製造例3、4で得たNo.12〜16とは、その溶剤が異なる。
Figure 0005923351
[比較製造例6]
表11に記載の化合物をそれぞれカッコ内の値(モル/kg)となるように配合し、酢酸銅化合物を用いない比較組成物No.19、20を得た。なお、残分は全てジエチレングリコールモノエチルエーテルであり、比較製造例3〜5で得たNo.12〜18とは、その溶剤が異なる。
Figure 0005923351
[評価例2]
実施例3〜6で得た本発明の実施例の銅膜形成用組成物No.13〜21及び比較製造例3〜6で得た比較組成物12〜20について、下記の評価を行った。まず、目視にて各組成物の状態を確認し、粘度計(RE−85L:東機産業社製)を用いて組成物の粘度を測定し、さらに、密栓したバイアル瓶中で大気中24時間放置した際の組成物の状態を目視にて確認することで、組成物の安定性を確認した。その結果を表12にまとめて示した。
Figure 0005923351
※4:固形分を全て溶解させることができなかった。
表12の結果に示されているように、銅濃度及び溶剤が同一である場合において、本発明の実施例の銅膜形成用組成物は、比較組成物と比べて低い粘度の組成物が得られること及び組成物の安定性が高いことが確認できた。粘度は組成物の輸送性に大きな影響を与えるため、本発明の銅膜形成用組成物は輸送性に優れ、且つ組成物の安定性が高い銅膜形成用組成物であることがわかった。また、比較例14では、固形分であるギ酸銅四水和物及び酢酸銅一水和物を全て溶解させることができなかったが、組成物中の銅濃度が同一である評価例2−3は全てを溶解させることができたことから、本発明によれば、高い銅濃度の組成物の提供が可能になる。
[実施例7]
実施例3〜6で得た銅膜形成用組成物No.13〜21をそれぞれに用いて、塗布法による銅薄膜の作製を行った。具体的には、まず、これらの各組成物を、実施例2で使用したと同様のガラス基板(Eagle XG:コーニング社製)上にキャストし、500rpmで5秒、2,000rpmで20秒スピンコート法によって塗布した。その後、大気中でホットプレートを用いて140℃、30秒間乾燥を行い、次いで、乾燥後のガラス基板を、赤外線加熱炉(RTP−6:アルバック理工社製)を用いてアルゴン雰囲気下、250℃の温度にて、20分間加熱することで本焼成とした。本焼成時のアルゴンのフロー条件は300mL/minであり、昇温速度は250℃/30秒であった。
[比較製造例7]
比較製造例3〜6で得た比較組成物12〜20をそれぞれに用いて、塗布法による銅薄膜の作製を行った。具体的には、まず、これらの各組成物を、実施例2で使用したと同様のガラス基板(Eagle XG:コーニング社製)上にキャストし、500rpmで5秒、2,000rpmで20秒スピンコート法によって塗布した。その後、大気中でホットプレートを用いて140℃、60秒間乾燥を行い、次いで、乾燥後のガラス基板を、赤外線加熱炉(RTP−6:アルバック理工社製)を用いてアルゴン雰囲気下、250℃、20分間加熱することで本焼成とした。本焼成時のアルゴンのフロー条件は300mL/minであり、昇温速度は250℃/30秒であった。
[評価例3]
実施例7及び比較製造例7で得られた銅薄膜について、膜の状態、表面抵抗値、膜の厚さを下記の方法で評価した。膜の状態は目視によって行い、表面抵抗値の測定には、ロレスタGP(三菱化学アナリテック社製)を用い、膜の厚さはFE−SEMを用いて断面を観察することによって測定した。結果を表13に示した。
Figure 0005923351
表13の※5:組成物中に沈殿物が生じているため、薄膜作製することができなかった。
表13の※6:塗布時に基板上でハジいてしまい、基板表面全体に膜を形成することができなかった。
表13の結果より、銅濃度及び溶媒が同一である場合を比較すると、本発明の実施例の銅膜形成用組成物を用いた場合に大幅に表面抵抗値が低くなっており、電気特性が向上していることが確認できた。また、本発明の実施例の銅膜形成用組成物は、溶媒の種類によらず、様々な溶媒を用いた場合においても同様の結果が得られることがわかった。さらに、本発明の実施例の銅膜形成用組成物を用いた場合には、銅濃度が2.0モル/kg以上になった場合にも平滑な膜が得られており、本発明の実施例の銅膜形成用組成物は該組成物中の銅濃度が高い場合にも良好な塗布性を維持することができることがわかった。

Claims (8)

  1. 必須成分として、ギ酸銅又はその水和物を0.01〜3.0モル/kgと、酢酸銅又はその水和物を0.01〜3.0モル/kgと、下記一般式(1)または下記一般式(1’)のいずれかで表されるジオール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のジオール化合物と、下記一般式(2)で表されるピペリジン化合物と、これらを溶解せしめる有機溶剤とを含有してなり、かつ、
    上記ギ酸銅又はその水和物1モル/kgに対して、上記ジオール化合物を0.1〜6.0モル/kgの範囲で含み、さらに、上記ギ酸銅又はその水和物1モル/kgに対して、上記ピペリジン化合物を0.1〜6.0モル/kgの範囲で含むことを特徴とする銅膜形成用組成物。
    Figure 0005923351
    (一般式(1)中、Xは、水素原子、メチル基、エチル基、又は3−アミノプロピル基のいずれかを表す。一般式(1’)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、 1 及びR 2 は互いに結合して隣接する窒素原子を含む5員環又は6員環を形成してもよい。)
    Figure 0005923351
    (一般式(2)中、Rはメチル基若しくはエチル基を表し、mは0又は1を表す。)
  2. 前記ジオール化合物が、N−メチルジエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン及びN−アミノプロピルジエタノールアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1に記載の銅膜形成用組成物。
  3. 前記ジオール化合物が、N−メチルジエタノールアミンである請求項1に記載の銅膜形成用組成物。
  4. 前記ピペリジン化合物が、2−メチルピペリジンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅膜形成用組成物。
  5. 前記ギ酸銅又はその水和物の含有量が0.1〜2.5モル/kgで、前記酢酸銅又はその水和物の含有量が0.1〜2.5モル/kgであり、かつ、前記ジオール化合物を、前記ギ酸銅又はその水和物1モル/kgに対して0.2〜5.0モル/kgの範囲で含み、前記ピペリジン化合物を、前記ギ酸銅又はその水和物1モル/kgに対して0.2〜5.0モル/kgの範囲で含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の銅膜形成用組成物。
  6. 前記ジオール化合物と前記ピペリジン化合物の含有量の和が、ギ酸銅と酢酸銅の含有量の和1モル/kgに対して、0.5〜2.0モル/kgである請求項1〜5のいずれか1項に記載の銅膜形成用組成物。
  7. 前記有機溶剤が、アルコール系溶剤、ジオール系溶剤及びエステル系溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶剤を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の銅膜形成用組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の銅膜形成用組成物を基体上に塗布する塗布工程と、その後に、該基体を100〜400℃に加熱することによって銅膜を形成する工程とを有することを特徴とする銅膜の製造方法。
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