JP5902463B2 - エポキシ樹脂射出成型材料 - Google Patents
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Description
特許文献2には、エポキシ樹脂、 シリコーン樹脂、 熱可塑性樹脂を含有するモーター封止用エポキシ樹脂成形材料が開示されているが、シリコーン樹脂および 熱可塑性樹脂を併用することにより、十分な密着性や耐熱性が得にくい課題がある。
特許文献3には、熱硬化性樹脂中に粒子径が0.3〜250μmの無機フィラー系の伝熱性粒子伝熱性材料を分散した熱伝導性樹脂組成物が開示されているが、所定の熱伝導率とするためには無機フィラー含有率を89%とするために、樹脂組成物が流動性に劣り、成形機などの金属摩耗が早まるなどの課題がある。
すなわち、本発明は、
(1)多官能性エポキシ樹脂(A)、2官能性エポキシ樹脂(B)、エポキシ樹脂硬化剤(C)、硬化促進剤(D)、無機フィラー(E)、シランカップリング剤(F)、離型剤(G)のみを含有し、常温で固形であるエポキシ樹脂組成物よりなるエポキシ樹脂射出成型材料であって、前記無機フィラー(E)が、球状アルミナ、破砕アルミナ、溶融シリカ、結晶性シリカ、マイカ、窒化アルミニウム、炭化ケイ素及びカーボンからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、且つ前記成型材料の硬化物の熱伝導率が1.5W・m/K以上、ガラス転移温度が140℃以上200℃以下、ガラス転移温度以下の線膨張率が40ppm以下、ガラス転移温度以下の弾性率が20GPa未満10GPa以上であることを特徴とするエポキシ樹脂射出成型材料、
(2)多官能性エポキシ樹脂(A)の軟化点が60〜120℃のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、2官能性エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量が160〜2500g/eqのビスフェノール型及び/又は微粒子ゴム分散型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤(C)がクレゾールノボラック樹脂、フェノールノボラック樹脂及びビスフェノールAノボラック樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種、であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂射出成型材料。
(3)多官能性エポキシ樹脂(A)、2官能性エポキシ樹脂(B)、エポキシ樹脂硬化剤(C)硬化促進剤(D)シランカップリング剤(F)、離型剤(G)の合計量が、エポキシ樹脂組成物の全重量に対して15〜25重量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエポキシ樹脂射出成型材料、
(4)無機フィラー(E)の合計の容積分率が、エポキシ樹脂組成物の全容積に対して55〜70容積%であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載のエポキシ樹脂射出成型材料。
(5)多官能エポキシ樹脂(A)及び二官能エポキシ樹脂(B)の合計のエポキシ基1当量に対してエポキシ樹脂硬化剤(C)の官能基を0.5当量〜1.5当量を配合してなる請求項1〜請求項4のいずれかの項に記載のエポキシ樹脂射出成型材料、
(6)上記(1)〜(5)のいずれかの項に記載のエポキシ樹脂射出成型材料を硬化した成形体に関する。」
何ら限定されるものではない。尚、エポキシ樹脂粉体組成物、硬化物は以下の方法で行った。
多官能性エポキシ樹脂、2官能性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、硬化促進剤、シランカップリング剤、離型剤の合計量の重量を全エポキシ樹脂組成物重量に対する割合を100分率で表した。
無機フィラーの合計容積をエポキシ樹脂組成物の全容積に対する100分率で表した。
粉体組成物を錠剤成型機にて断面積1cm2、高さ20mmのタブレットを成型した。
このタブレットを170℃に設定した島津製作所製フローテスターにて1mmφ×長さ10mmのノズルを使用して、5kg荷重にて時間−せん断応力の測定を行った。ゲル化によりシリンダーが停止するまでの時間をゲル化時間とした。
射出成型にて得られた5mm×5mm×5mmのテストピースについて、セイコーインスツルメンツ社製TMA/SS120Uにてガラス転移温度、ガラス転移温度以下での線膨張係数を測定した。
同様にして得られた直径120mm、厚み3mmのテストピースについて、京都電子工業社製熱伝導率計QTM−500にて測定を行った。
同様にして得られた厚み4mm×10mm×120mmのテストピースについて、
島津製作所製オートグラフAGS−Hにて曲げ試験を行い曲げ弾性率の測定を行った。
射出成形機による成型物のクラックに関して以下のように評価した。
○:クラック発生なし
×:微細なクラックが発生
金型温度180℃で射出成型後の金型からの離型性を以下のように判定した。
○:容易に離型
×:離型し難い
〔耐熱性〕
試験片を200℃オーブン中で5000時間熱処理した後の曲げ強度の保持率で表した。
無機フィラーとして平均粒径45μmのアルミナ(商品名DAM−45電気化学工業株式会社製)100.0部、平均粒径20μmの溶融シリカ(商品名ヒューズレックスSY龍森株式会社製)150.0部、平均粒径20μmの結晶シリカ(商品名クリスタライトC龍森株式会社製)554.0部及びシランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名KBM−403信越化学工業社製)6.0部をヘンシェルミキサーで均一に混合した。そこに、多官能エポキシ樹脂として軟化点90℃のオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名エポトートYDCN−704新日鐵化学株式会社製)94.0部、二官能エポキシ樹脂としてコアシェル型微粒子シリコーンゴム分散ビスフェノール型エポキシ樹脂(商品名カネエースMX−960株式会社カネカ製)28.1部、エポキシ樹脂硬化剤として軟化点95℃のノボラック型フェノール樹脂(商品名BRG−558昭和電工株式会社製)54.2部、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(商品名キュアゾール2P4MHZ−PW四国化成工業株式会社製)3.5部、着色顔料としてカーボンブラック(商品名MA−8三菱化学株式会社製)4.0部及び離型剤としてカルバナワックス(商品名トーワックス171東亜化成株式会社製)6.2部を加え均一に混合した。この混合物を二軸ニーダーで溶融混練合し、溶融混練物を冷却、固化した後、粉砕して250μmの篩を通して本発明の本発明の常温で固体の粉体組成物を得た。これを金型温度180℃にて射出成型により試験片を作成して、下記の評価を行った。
無機フィラーとして平均粒径45μmのアルミナ100.0部、平均粒径12μmの結晶シリカ(商品名クリスタライトA1龍森株式会社製)675.5部及びシランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン6.0部をヘンシェルミキサーで均一に混合した。そこに多官能性エポキシ樹脂として軟化点90℃のオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂106.6部、二官能エポキシ樹脂としてエポキシ当量950g/eqのBPA型エポキシ樹脂(商品名エポトートYD−904H新日鐵化学株式会社製)45.7部、エポキシ樹脂硬化剤として軟化点90℃のノボラック型フェノール樹脂52.5部、硬促進剤として2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール4.1部、着色顔料としてカーボンブラック4.0部及び離型剤としてカルバナワックス7.2部を加え均一に混合した。この混合物を二軸ニーダーで溶融混練合し、溶融混練物を冷却、固化した後、粉砕して250μmの篩を通して本発明の本発明の常温で固体の粉体組成物を得た。これを射出成型により試験片を作成して、評価を行った。
二官能エポキシ樹脂としてエポキシ当量950g/eqのBPF型エポキシ樹脂(商品名エポトートYDF−2004新日鐵化学株式会社製)を使用した以外は実施例2と同様の操作を行い粉体組成物、試験片を作成して評価を行った。
二官能エポキシ樹脂を使用せず、多官能エポキシ樹脂として軟化点90℃のオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂122.1部とした以外は実施例1と同様の操作を行い粉体組成物、試験片を作成して評価を行った。
多官能エポキシ樹脂を使用せず、エポキシ当量950g/eqの二官能エポキシ樹脂YDF−2004を185.8部、エポキシ樹脂硬化剤としてノボラック型フェノール樹脂18.4部とした以外は実施例2と同様の操作を行い粉体組成物、試験片を作成して評価を行った。
Claims (6)
- 多官能性エポキシ樹脂(A)、2官能性エポキシ樹脂(B)、エポキシ樹脂硬化剤(C)、硬化促進剤(D)、無機フィラー(E)、シランカップリング剤(F)、離型剤(G)のみを含有し、常温で固形であるエポキシ樹脂組成物よりなるエポキシ樹脂射出成型材料であって、前記無機フィラー(E)が、球状アルミナ、破砕アルミナ、溶融シリカ、結晶性シリカ、マイカ、窒化アルミニウム、炭化ケイ素及びカーボンからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、且つ前記成型材料の硬化物の熱伝導率が1.5W・m/K以上、ガラス転移温度が140℃以上200℃以下、ガラス転移温度以下の線膨張率が40ppm以下、ガラス転移温度以下の弾性率が20GPa未満10GPa以上であることを特徴とするエポキシ樹脂射出成型材料。
- 多官能性エポキシ樹脂(A)の軟化点が60〜120℃のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、2官能性エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量が160〜2500g/eqのビスフェノール型及び/又は微粒子ゴム分散型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤(C)がクレゾールノボラック樹脂、フェノールノボラック樹脂及びビスフェノールAノボラック樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種、であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂射出成型材料。
- 多官能性エポキシ樹脂(A)、2官能性エポキシ樹脂(B)、エポキシ樹脂硬化剤(C)、硬化促進剤(D)、シランカップリング剤(F)、離型剤(G)の合計量が、エポキシ樹脂組成物の全重量に対して15〜25重量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエポキシ樹脂射出成型材料。
- 無機フィラー(E)の合計の容積分率が、エポキシ樹脂組成物の全容積に対して55〜70容積%であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載のエポキシ樹脂射出成型材料。
- 多官能エポキシ樹脂(A)及び二官能エポキシ樹脂(B)の合計のエポキシ基1当量に対してエポキシ樹脂硬化剤(C)の官能基を0.5当量〜1.5当量を配合してなる請求項1〜請求項4のいずれかの項に記載のエポキシ樹脂射出成型材料。
- 請求項1〜請求項5のいずれかの項に記載のエポキシ樹脂射出成型材料を硬化した成形体。」
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