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JP5996988B2 - 自動二輪車の車高調整装置 - Google Patents

自動二輪車の車高調整装置 Download PDF

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Description

本発明は自動二輪車の車高調整装置に関する。
自動二輪車の車高調整装置として、特許文献1に記載の如く、油圧減衰器を利用した車両の車高調整装置に関するものであり、停車中は車高を下げ、走行中は車高を高くするための車高2段階調整装置について、油圧減衰器の伸縮動作を利用して油圧減衰器を伸長させて車高を高くし、また任意に車高を低い位置に変更することができるようにしたものである。
具体的には、油圧減衰器の伸縮振動によるポンピング動作による吐出油を利用して、手元操作、或いは自動操作によって作動せしめられる電磁アクチュエータにより調整弁を操作し、この調整弁を車高を高くする位置、車高を低くする位置のいずれかに選択することによって、車高を所定の高さ、或いは所定の低さに任意に切換えるものとしている。
特公平8-22680
特許文献1に記載の自動二輪車の車高調整装置にあっては、油圧減衰器の伸縮振動によるポンピング動作による吐出油を油圧ジャッキに給排して車高を調整している。
従って、車高を一定の高さに設定した車両の停車時に、車両が何らかの原因によって揺動、振動せしめられる等により、油圧減衰器が不測の伸縮振動を生ずると、この伸縮振動によるポンピング動作で吐出される吐出油が油圧ジャッキに供給され、不測の車高上げ動作を生ずるおそれがある。
そして、不測の車高上げ動作が続いて車高が大きく上がると、サイドスタンドに支持されている車体の地面に対する傾きが大きくなって転倒したり、輸送トラックの荷台にバンド締めされている車体がバンドの張力を増大してバンド破断又は油圧ジャッキの破裂を引き起こすおそれがある。
本発明の課題は、ダンパの伸縮によりポンピング動作する油圧ポンプを用いた自動二輪車の車高調整装置において、車両の停車時における不測の車高上げ動作に起因する不都合を回避することにある。
請求項1に係る発明は、車体と車軸の間に介装されるダンパと、ダンパの伸縮動によりポンピング動作してダンパ内の作動油を吐出する油圧ポンプと、油圧ポンプが吐出する作動油を給排されて車高を変位させる油圧ジャッキと、車高を検出する車高検出手段と、油圧ジャッキをダンパの油溜室に切換接続する切換弁と、車高検出手段の検出結果によって切換弁を切換制御し、車高を任意の位置に調整する制御手段とを有してなる自動二輪車の車高調整装置であって、前記制御手段は、車速が0であることが検出されたとき、及び/又は、車両に設けられたイグニッションスイッチのオフが検出されたときに、一定時間間隔で切換弁を開弁制御し、車高下げ動作するようにしたものである。
請求項2に係る発明は、車体と車軸の間に介装されるダンパと、ダンパの伸縮動によりポンピング動作してダンパ内の作動油を吐出する油圧ポンプと、油圧ポンプが吐出する作動油を給排されて車高を変位させる油圧ジャッキと、車高を検出する車高検出手段と、油圧ジャッキをダンパの油溜室に切換接続する切換弁と、車高検出手段の検出結果によって切換弁を切換制御し、車高を任意の位置に調整する制御手段とを有してなる自動二輪車の車高調整装置であって、前記制御手段は、車速が0であることが検出されたとき、及び/又は、車両に設けられたイグニッションスイッチのオフが検出されたときに、ダンパの伸縮動が一定時間以上続いたことを条件に切換弁を開弁制御し、車高下げ動作するようにしたものである。
請求項3に係る発明は、車体と車軸の間に介装されるダンパと、ダンパの伸縮動によりポンピング動作してダンパ内の作動油を吐出する油圧ポンプと、油圧ポンプが吐出する作動油を給排されて車高を変位させる油圧ジャッキと、車高を検出する車高検出手段と、油圧ジャッキをダンパの油溜室に切換接続する切換弁と、車高検出手段の検出結果によって切換弁を切換制御し、車高を任意の位置に調整する制御手段とを有してなる自動二輪車の車高調整装置であって、車両の停車中の異常変位によって警報出力を発生するイモビライザを有し、制御手段は、イモビライザの警報出力により切換弁を開弁制御し、車高下げ動作するようにしたものである。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において更に、前記油圧ジャッキのジャッキ室の中間高さ位置に設けた中間ポートを油溜室に切換接続するサブ切換弁を有し、制御手段は、通常の車高下げ動作時には切換弁を閉弁制御するとともにサブ切換弁を開弁制御し、イモビライザの警報出力による車高下げ動作時にはサブ切換弁を閉弁制御するとともに切換弁を開弁制御して車高を走行困難な極低位置に設定可能にするようにしたものである。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれかに係る発明において更に、前記制御手段は、車両が停車状態から走行状態に移行したことを条件に、切換弁を閉弁制御し、車高上げ動作可能にするようにしたものである。
(請求項1)
(a)自動二輪車の車高調整装置において、制御手段は、車速が0であることが検出されたとき、及び/又は、車両に設けられたイグニッションスイッチのオフが検出されたときに、一定時間間隔で切換弁を開弁制御し、車高上げ動作する。
これにより、車高を一定の高さに設定した車両の停車時に、車両が何らかの原因によって揺動、振動せしめられる等により、ダンパが不測の伸縮振動を生じ、これによってポンピング動作する油圧ポンプの吐出油が油圧ジャッキに供給されて不測の車高上げ動作を生じても、一定時間間隔で繰り返される切換弁の開弁制御による車高下げ動作が上述の車高上げ動作をキャンセルする。従って、車高上げ動作が続いて車高が大きく上がることがなく、車体の転倒やバンド破断等の不都合を回避できる。
尚、切換弁を一定時間間隔で開弁制御することにより、ソレノイドの発熱を抑えながら車高を低い位置に維持できる。
(請求項2)
(b)自動二輪車の車高調整装置において、制御手段は、車速が0であることが検出されたとき、及び/又は、車両に設けられたイグニッションスイッチのオフが検出されたときに、ダンパの伸縮動が一定時間以上続いたことを条件に切換弁を開弁制御し、車高下げ動作する。
これにより、車高を一定の高さに設定した車両の停車時に、車両が何らかの原因によって揺動、振動せしめられる等により、ダンパが不測の伸縮振動を生じ、これによってポンピング動作する油圧ポンプの吐出油が油圧ジャッキに供給されて不測の車高上げ動作を生じても、このダンパの伸縮動が一定時間以上続いたことを条件にして駆動される切換弁の開弁制御による車高下げ動作が上述の車高上げ動作をキャンセルする。従って、車高上げ動作が続いて車高が大きく上がることがなく、車体の転倒やバンド破断等の不都合を回避できる。
(請求項3)
(c)自動二輪車の車高調整装置において、車両の停車中に制御手段が、イモビライザの警報出力により切換弁を開弁制御し、車高下げ動作する。
これにより、車高を一定の高さに設定した車両の停車時に、車両が盗難等によって揺動、振動せしめられる等により、ダンパが不測の伸縮振動を生じ、これによってポンピング動作する油圧ポンプの吐出油が油圧ジャッキに供給されて不測の車高上げ動作を生じても、イモビライザが上述の車両の振動に応じて直ちに警報出力を発生すると同時に、この警報出力に基づく切換弁の開弁制御による車高下げ動作が上述の車高上げ動作をキャンセルする。従って、車高上げ動作が続いて車高が大きく上がることがなく、車体の転倒やバンド破断等の不都合を回避できる。
尚、イモビライザを用いることにより、前述(a)の一定時間間隔で繰り返される切換弁の開弁制御に比して、省電力になる。
(請求項4)
(d)上述(c)の制御手段は、通常の車高下げ動作時には切換弁を閉弁制御するとともにサブ切換弁を開弁制御し、イモビライザの警報出力による車高下げ動作時にはサブ切換弁を閉弁制御するとともに切換弁を開弁制御して車高を走行困難な極低位置に設定可能にする。
これにより、イモビライザの警報出力に応じて、車両の停車時の不測の車高上げ動作に起因する不都合を上述(c)の如くに回避すると同時に、車両を走行困難な車高にして盗難防止できる。制御手段は、イモビライザの警報が解除されるまで、切換弁を閉弁制御せず、車高下げ制御モードに入らない。
(請求項5)
(e)前記制御手段は、車両が上述(a)〜(d)の停車状態から走行状態に移行したことを条件に、切換弁を閉弁制御し、車高上げ動作可能にする。
図1は自動二輪車を示す模式側面図である。 図2はリアサスペンションの車高上げ制御モードを示し、(A)は伸長行程を示す断面図、(B)は圧縮行程を示す断面図である。 図3はリアサスペンションの車高下げ制御モードを示す断面図である。 図4はリアサスペンションの車高保持モードを示す断面図である。 図5はフロントフォークの車高上げ制御モードを示し、(A)は伸長行程を示す断面図、(B)は圧縮行程を示す断面図である。 図6はフロントフォークの車高下げ制御モードを示す断面図である。 図7はフロントフォークの車高保持モードを示す断面図である。 図8は車高調整装置を示す制御回路図である。 図9は制御回路の一例を示す回路図である。 図10は制御回路の変形例を示す回路図である。
図1に示した自動二輪車1は、車体2と後部車軸3(後輪3A)との間にリアサスペンション10を介装し、車体2と前部車軸4(前輪4A)との間にフロントフォーク110を介装している。
リアサスペンション10(図2〜図4、図8、図9)
リアサスペンション10は、図2〜図4、図8に示すダンパ10Aを有する。ダンパ10Aは、車体側に取付けられるダンパチューブ11と、車軸側に取付けられるピストンロッド12とを有する。ピストンロッド12は、ダンパチューブ11内をピストン24を介して摺動して該ダンパチューブ11に対して伸縮し、ダンパチューブ11とピストンロッド12の外周沿いに配置された懸架スプリング13を有する。ダンパチューブ11の上端部には車体側取付部材14が固定され、ピストンロッド12の下端部には車軸側取付部材15が固定される。
ダンパチューブ11の上端側の外周部には後輪側車高調整装置40の油圧ジャッキ41が設けられ、油圧ジャッキ41にはジャッキ室42を区画するプランジャ43が挿入される。懸架スプリング13の上端がプランジャ43に支持され、懸架スプリング13の下端が車軸側取付部材15に設けたばね受16に支持される。
リアサスペンション10は、ダンパチューブ11をインナチューブ21とアウタチューブ22からなる二重管とし、ピストンロッド12のインナチューブ21への挿入端にピストン24を固定して備える。リアサスペンション10は、インナチューブ21の内部にピストン24により区画される下油室25Aと上油室25Bを形成し、アウタチューブ22の外周に油溜室26を形成し、それらの油室25A、25B、油溜室26に作動油を収容している。油溜室26は常に下油室25A又は上油室25Bに連通し、リアサスペンション10の伸縮に伴うピストンロッド12の容積分の作動油を補償する。
リアサスペンション10は、ピストンロッド12のピストン24に設けた下油室25Aと上油室25Bとの連絡路に減衰力発生装置27(図8)を有するとともに、ダンパチューブ11に設けた上油室25Bと油溜室26との連絡路に減衰力発生装置28(図8)を有する。減衰力発生装置27、28は、懸架スプリング13による路面からの衝撃力の吸収に伴うダンパチューブ11とピストンロッド12の伸縮振動を減衰する。
しかるに、後輪側車高調整装置40は、図2〜図4、図8に示す如く、ダンパチューブ11におけるアウタチューブ22の外周に油圧ジャッキ41を設けている。油圧ジャッキ41はジャッキ室42を区画するプランジャ43を備える。プランジャ43はジャッキ室42に供給される作動油によりジャッキ室42から突出し、その下面に懸架スプリング13の上端を支持する。
尚、油圧ジャッキ41は、プランジャ43がジャッキ室42から突出する突出端に達したとき、ジャッキ室42の作動油を油溜室26に戻す油戻り通路44をアウタチューブ22に設けている(図4)。
後輪側車高調整装置40は、ダンパチューブ11に対するピストンロッド12の伸縮動によりポンピング動作して油圧ジャッキ41のジャッキ室42に作動油を給排する油圧ポンプ50を有する。
油圧ポンプ50は、ダンパチューブ11のエンドピース11Aに立設した中空パイプ51を、ピストンロッド12の中空部によって形成されているポンプ室52に摺動可能に挿入してある。
油圧ポンプ50は、ピストンロッド12がダンパチューブ11、中空パイプ51に進入する収縮動により加圧されるポンプ室52の作動油を油圧ジャッキ41の側に吐出させる吐出用チェック弁53を備えるとともに(図2(B))、ピストンロッド12がダンパチューブ11、中空パイプ51から退出する伸長動により負圧になるポンプ室52にダンパチューブ11のインナチューブ21内の作動油を吸込む吸込用チェック弁54を備える(図2(A))。
従って、油圧ポンプ50は、車両が走行してリアサスペンション10が路面の凹凸により加振され、ピストンロッド12がダンパチューブ11、中空パイプ51に進退する伸縮動によりポンピング動作する。ピストンロッド12の収縮動によるポンピング動作により、ポンプ室52が加圧されるとき、ポンプ室52の油が吐出用チェック弁53を開いて油圧ジャッキ41の側に吐出される。ピストンロッド12の伸長動によるポンピング動作により、ポンプ室52が負圧になると、ダンパチューブ11の上油室25Bの油が吸込用チェック弁54を開いてポンプ室52に吸込まれる。
後輪側車高調整装置40は、油圧ジャッキ41のジャッキ室42とダンパ10Aの油溜室26とを切換接続する電磁式切換弁60を有する。切換弁60は、油圧ジャッキ41のジャッキ室42に供給した作動油を止めるように閉弁し、又は該作動油を図3に示す如くに油溜室26(ダンパチューブ11の油室25A、25Bでも可)に排出するように開弁する。
後輪側車高調整装置40は、ECU(制御手段)70により制御される図8、図9に示す如くの制御回路を有する。ECU70は、切換弁60のソレノイド60Aに対する通電を制御して該切換弁60を開閉制御することにより、ダンパチューブ11に対するピストンロッド12の伸縮動によりポンピング動作する油圧ポンプ50の吐出油を油圧ジャッキ41のジャッキ室42に給排した作動油の液位、ひいてはジャッキ室42から突出するプランジャ43の突出高さを調整し、車両の車高を調整する。
フロントフォーク110(図5〜図7)
フロントフォーク110は、図5〜図7に示す如く、ダンパ110Aを有する。ダンパ110Aは、車体側に取付けられるダンパチューブ111と、車軸側に取付けられるボトムチューブ112及びピストンロッド113を有する。ダンパチューブ111はボトムチューブ112の上端開口から該ボトムチューブ112内に摺動可能に挿入される。ピストンロッド113は、ボトムチューブ112の内部中央に立設され、ダンパチューブ111の下端側の油室125内を摺動して該ダンパチューブ111に対して伸縮する。ダンパチューブ111の上端側の油溜室126には懸架スプリング114が配置されている。ダンパチューブ111の上端部には不図示の車体側取付部材が固定され、ボトムチューブ112の下端部には車軸側取付部材115が固定される。
ダンパチューブ111の上端部には、前輪側車高調整装置140の油圧ジャッキ141が設けられ、油圧ジャッキ141にはジャッキ室142を区画するプランジャ143が嵌合される。懸架スプリング114の上端がばね受116を介してプランジャ143に支持され、懸架スプリング114の下端がピストンロッド113の上端部に設けたエンドピース兼ばね受117に支持される。
フロントフォーク110は、ダンパチューブ111の下端側に、ピストンロッド113の外周に摺動するピストン124を固定的に備える。フロントフォーク110は、ピストンロッド113の外周にピストン124により区画される下油室125Aと上油室125Bを形成し、ピストンロッド113の内周及びダンパチューブ111の上部内周に油溜室126を形成し、それらの油室125A、125B、油溜室126に作動油を収容している。油溜室126は常に下油室125A又は上油室125Bに連通し、フロントフォーク110の伸縮に伴うダンパチューブ111の容積分の作動油を補償する。
フロントフォーク110は、ダンパチューブ111のピストン124に設けた下油室125Aと上油室125Bとの連絡路に減衰力発生装置127を有するとともに、ピストンロッド113に設けた下油室125A、上油室125Bと油溜室126との連絡路に減衰力発生装置128を有する。減衰力発生装置127、128は、懸架スプリング114による路面からの衝撃力の吸収に伴うダンパチューブ111とボトムチューブ112、ピストンロッド113の伸縮振動を減衰する。
しかるに、前輪側車高調整装置140は、図5〜図7に示す如く、ダンパチューブ111の上端部に油圧ジャッキ141を設けている。油圧ジャッキ141はジャッキ室142を区画するプランジャ143を備える。プランジャ143はジャッキ室142に供給される作動油によりジャッキ室142から突出し、その下面に懸架スプリング114の上端を支持する。
尚、油圧ジャッキ141は、プランジャ143がジャッキ室142から突出する突出端に達したとき、ジャッキ室142の作動油を油溜室126に戻す油戻り通路144を油圧ジャッキ141に設けている(図7)。
前輪側車高調整装置140は、ダンパチューブ111に対するピストンロッド113の伸縮動によりポンピング動作して油圧ジャッキ141のジャッキ室142に作動油を給排する油圧ポンプ150を有する。
油圧ポンプ150は、ピストンロッド113のエンドピース117に立設した中空パイプ151を、プランジャ143の中空部によって形成されているポンプ室152に摺動可能に挿入してある。
油圧ポンプ150は、ピストンロッド113、中空パイプ151がダンパチューブ111に進入する収縮動により加圧されるポンプ室152の作動油を油圧ジャッキ141の側に吐出させる吐出用チェック弁153を備えるとともに(図5(B))、ピストンロッド113、中空パイプ151がダンパチューブ111から退出する伸長動により負圧になるポンプ室152に油溜室126の作動油を吸込む吸込用チェック弁154を備える(図5(A))。
従って、油圧ポンプ150は、車両が走行してフロントフォーク110が路面の凹凸により加振され、ピストンロッド113、中空パイプ151がダンパチューブ111に進退する伸縮動によりポンピング動作する。ピストンロッド113の収縮動によるポンピング動作によりポンプ室152が加圧されるとき、ポンプ室152の油が吐出用チェック弁153を開いて油圧ジャッキ141の側に吐出される。ピストンロッド113の伸長動によるポンピング動作によりポンプ室152が負圧になると、油溜室126の油が吸込用チェック弁154を開いてポンプ室152に吸込まれる。
前輪側車高調整装置140は、油圧ジャッキ141のジャッキ室142とダンパ110Aの油溜室126とを切換接続する電磁式切換弁160(不図示)を有する。切換弁160は、油圧ジャッキ141のジャッキ室142に供給した作動油を止めるように閉弁し、又は該作動油を図6に示す如くに油溜室126に排出するように開弁する。
前輪側車高調整装置140は、後輪側車高調整装置40においてECU70により制御された図8、図9に示したと同様の制御回路を有する。ECU70は、切換弁160のソレノイド160A(不図示)に対する通電を制御して該切換弁160を開閉制御することにより、ダンパチューブ111に対するピストンロッド113の伸縮動によりポンピング動作する油圧ポンプ150の吐出油を油圧ジャッキ141のジャッキ室142に給排した作動油の液位、ひいてはジャッキ室142から突出するプランジャ143の突出高さを調整し、車両の車高を調整する。
本実施例のECU70は、車高検出手段80(前輪側車高検出手段80F、後輪側車高検出手段80R)、車速センサ91(前輪車速センサ91F、後輪車速センサ91R)、シフトポジションセンサ92、Gセンサ(加減速センサ)93、サイドスタンドセンサ94、エンジン回転センサ95、ブレーキセンサ96等の検出信号を経て、電磁弁からなる切換弁60(又は切換弁160)をオン/オフ制御する。
車高検出手段80(前輪側車高検出手段80F又は後輪側車高検出手段80R)としては、油圧ジャッキ41におけるプランジャ43(又は油圧ジャッキ141におけるプランジャ143)の突出高さ検出手段81、油圧ジャッキ41におけるジャッキ室42(又は油圧ジャッキ141におけるジャッキ室142)の油圧検出手段82、ダンパチューブ11に対するピストンロッド12(又はダンパチューブ111に対するピストンロッド113)の伸縮ストローク長検出手段83の1つ、或いはそれらの2つ以上の組合せを採用できる。
尚、プランジャ43の突出高さ検出手段81は、具体的には、例えば図8に示す如く、油圧ジャッキ41の外周にコイル81Aを巻き、プランジャ43に設けたカバー81Bを油圧ジャッキ41の外周に被せる。突出高さ検出手段81はプランジャ43の変位に応じてコイル81Aのインピーダンスを変化させ、コイル81Aの出力は信号処理回路81Cを介してECU70に伝えられ、ECU70は信号処理回路81Cが出力するコイル81Aの発振周波数でプランジャ43の突出高さを検出する。
以下、自動二輪車1の車高調整動作として、単一の2ポート2位置電磁弁からなる切換弁60を用いた図8、図9の制御回路を採用したリアサスペンション10の後輪側車高調整装置40について詳述する。フロントフォーク110の前輪側車高調整装置140による車高調整動作も実質的に同様である。尚、図8、図9の切換弁60はノーマルオープンバルブ(但し、切換弁60はノーマルクローズバルブでも可)とした。
ECU70がオフ信号を出力する車高下げ制御モードで、切換弁60が開弁して油圧ジャッキ41のジャッキ室42をダンパチューブ11の油溜室26に接続することにより、油圧ポンプ50が油圧ジャッキ41のジャッキ室42に供給した作動油を油溜室26に排出してジャッキ室42の液位、ひいてはプランジャ43の突出高さを下げ、車高下げ動作可能にする。
他方、ECU70がオン信号を出力する車高上げ制御モードで、切換弁60が閉弁して油圧ジャッキ41のジャッキ室42をダンパチューブ11の油溜室26に対して遮断し、油圧ポンプ50が油圧ジャッキ41のジャッキ室42に供給した作動油を排出せず、車高維持又は車高上げ動作可能にする。このとき、ピストンロッド12の前述の伸長動によるポンピング動作により、油圧ポンプ50はダンパチューブ11の下油室25Aの油を吸込用チェック弁54からポンプ室52に吸込み可能にする。そして、ピストンロッド12の前述の収縮動によるポンピング動作により、油圧ポンプ50はポンプ室52の油を吐出用チェック弁53から油圧ジャッキ41のジャッキ室42に供給し、車高上げ動作可能にする。
後輪側車高調整装置40による制御モードは具体的には以下の通りである。
(A)車高下げ制御モード
後輪側車高調整装置40において、ECU70は、車両の走行中又は長時間停車中にあって、切換弁60を閉弁して車高上げ動作可能にする車高上げ制御モード下で、下記1〜3のいずれかの制御条件によって切換弁60を開弁する車高下げ制御モードに移行する。
1.車速制御
ECU70は、車両の車速Vが車高下げ車速Vd以下(V≦Vd)に入ったときに、車高下げ制御モードに入り、切換弁60を開弁して車高下げ動作可能にする。
ECU70は、車高下げ車速Vdを予め定めておく。Vdは例えば10km/hとする。
2.停車予測時間制御
ECU70は、車両の停車予測時間Tを予測し、予測した停車予測時間Tが所定の基準停車時間Ta以下(T≦Ta)になったきに、車高下げ制御モードに入り、切換弁60を開弁して車高下げ動作可能にする。
ECU70は、車両の車速から減速度を算出し、又はGセンサから減速度を検出し、減速度から停車予測時間Tを予測する。
ECU70は、基準停車時間Taを、油圧ジャッキ41のジャッキ室42に満杯された作動油の排出時間(ジャッキ室42から切換弁60を介してダンパチューブ11の油溜室26に排出する時間)とする。
このとき、ECU70は、車両の停車予測時間Tを予測開始すべき基準車速Vaを予め定め、車両の車速Vが基準車速Va以下(V≦Va)になったときに、停車予測時間Tを予測するものとする。
尚、ECU70は、停車予測時間制御において、上述のT≦Ta、かつV≦Vaなる制御条件に代え、車両の減速度αが所定の基準減速度αa以上(α≧αa)になったときに車高下げ制御モードに入り、切換弁60を開弁して車高下げ動作可能にするものとしても良い。
ECU70は、基準車速Va、基準停車時間Ta、基準減速度αaを予め定めておく。Vaは例えば40km/h、Taは例えば2.5sec、αaは例えば4km/h/secとする。
尚、停車予測時間とは、刻々の車両運動パラメータから予測演算される、走行中の車両が直近未来に停止するまでの時間を代表するパラメータであって、時間の次元を有する。
実際の比較演算を行なう際には、時間の次元が比較式の両辺に分割されていたり、要素毎に比較を行なう等によって、一見「時間」の次数をとらない比較演算となる場合もある。
例えば、最も簡単な停車予測時間の演算式のひとつはT=−V/α=−V・dt/dV(等加速度運動を仮定した場合の演算式)であるが、下記3つの比較式はすべて同一の意味となり、演算上の都合で比較方法の違いは生じても、実効上の意味はすべて停止予測時間の比較演算を行なっているものである。
T<c(cは閾値、ここではc=Ta)
V<−c・α
−α>c・V
更に要素毎に比較を行なう例では、(V<c1)∩(−α>c2) (c1、c2は閾値)のように停車予測時間を算出するV、αの要素毎に比較を行ない、論理積をとる等の場合がある。
この場合は、T=−V/αより、Ta=(−c1)/(−c2)=c1/C2と表せる。
3.サイドスタンド制御
ECU70は、車両のサイドスタンドが待機位置から作業位置に設定替えされたことを検出したときに車高下げ制御モードに入り、切換弁60を開弁して車高下げ動作可能にする。また、車速を監視して、車速が微速以上(例えば5km/s)ある場合はスタンド位置が、作業位置にあっても、下げ制御を行なわないで、車速が0の場合のみ下げ制御を実施する様な制御を行なうことができる。
(B)車高上げ制御モード
後輪側車高調整装置40において、ECU70は、上述(A)により切換弁60を開弁保持した車高下げ制御モード中に、下記1〜4のいずれかの制御条件によって切換弁60を閉弁する車高上げ制御モードに移行する。
尚、ECU70は、車高上げ制御モードに入って切換弁60を開弁状態から閉弁するとき、切換弁60への印加電圧E0をオフする(E0=OV)。
1.車速制御
ECU70は、車両の車速Vが車高下げ車速Vd(車高下げ車速Vdとは独立に定めた車高上げ車速Vuでも可)を越えた(V>Vd、又はV>Vu)ときに、車高下げ制御モードを中止し、車高上げ制御モードに入り、切換弁60を閉弁して車高上げ動作可能にする。
ECU70は、車高下げ車速Vd(又は車高上げ車速Vu)を予め定めておく。Vd又はVuは例えば40km/hとする。
2.停車予測時間制御
ECU70は、車両の停車予測時間Tを予測し、予測した停車予測時間Tが所定の副次的基準停車時間Tbを越えた(T>Tb)ときに、車高下げ制御モードを中止し、車高上げ制御モードに入り、切換弁60を閉弁して車高上げ動作可能にする。
ECU70は、車両の停車予測時間Tを、車両の減速度(又は加速度)から予測する。
このとき、ECU70は、車両の停車時間Tを予測開始すべき副次的基準車速Vbを予め定め、車両の車速Vが副次的基準車速Vbを越えた(V>Vb)ときに、停車予測時間Tを予測するものとする。
尚、ECU70は、停車予測時間制御において、上述のT>Tb、かつV>Vbなる制御条件に代え、車両の加速度βが所定の基準加速度βbを越えた(β>βb)ときに、車高下げ制御モードを中止し、車高上げ制御モードに入り、切換弁60を閉弁して車高上げ動作可能にするものとしても良い。
ECU70は、副次的基準車速Vb、副次的基準停車時間Tb、基準加速度βbを予め定めておく。Vbは例えば40km/h、Tbは例えば3sec、βbは例えば5km/h/secとする。
3.長時間停車制御
ECU70は、車両の停車時間が所定の継続停車時間Tc以上になったときに、車高下げ制御モードを中止し、車高上げ制御モードに入り、切換弁60を閉弁して車高上げ動作可能にする。
ECU70は、車両の継続停車時間Tcを予め定めておく。Tcは例えば30secとする。
4.ニュートラル制御
ECU70は、車両の車速V=0、かつシフトポジションがニュートラルのときに、車高下げ制御モードを中止し、車高上げ制御モードに入り、切換弁60を閉弁して車高上げ動作可能にする。
(C)車高保持モード
後輪側車高調整装置40において、ECU70は、車両の走行中にあって、車高検出手段80(後輪側車高検出手段80R)の検出結果によって切換弁60を開閉制御することにより、車高を予め所望により設定した任意の中間高さ位置に保持する。
即ち、ECU70が切換弁60をオン作動(車高上げ制御モード)からオフ作動に切換えて開弁し、車高下げ開始する車高の上閾値をH1に設定し、ECU70が切換弁60をオフ作動(車高下げ制御モード)からオン作動に切換えて閉弁し、車高上げ開始する車高の下閾値をH2に設定する。これにより、ECU70は、車高検出手段80の検出結果によって、自動二輪車1の走行中の車高を、H1とH2に挟まれる中間高さ位置に保持するものになる。
従って、このような後輪側車高調整装置40によれば、車高は、油圧ジャッキ41におけるプランジャ43の最高突出可能端が定める最大高さ位置と、油圧ジャッキ41におけるプランジャ43の最低没入可能端が定める最小高さ位置との間で、任意の中間高さ位置に保持され得る。
また、車高の切換手段たる切換弁60として電磁弁を採用することにより、車高を瞬時に切換えできる。
尚、車高検出手段80(後輪側車高検出手段80R)として、油圧ジャッキ41におけるプランジャ43の突出高さ検出手段81を採用することにより、検出時の車高を推測できる。
また、車高検出手段80(後輪側車高検出手段80R)として、油圧ジャッキ41におけるジャッキ室42の油圧検出手段82を採用することにより、検出時の車高を推測できる。このとき、油圧検出手段82の検出結果をフィルタ(ローパス)にかけることによって、車重(積載荷重)を推定できる。車重が重くて車高が下がり気味のときには、車高を上げてダンパ10Aの底突を回避する。車重が軽くて車高が上がり気味のときには、車高を下げてダンパ10Aの伸切を回避する。
また、車高検出手段80(後輪側車高検出手段80R)として、ダンパチューブ11に対するピストンロッド12の伸縮ストローク長検出手段83を採用することにより、検出時の車高を推測できる。このとき、伸縮ストローク長検出手段83の検出結果をフィルタ(バンドパス)にかけることによって路面の凹凸状況(振幅状況)を推定できる。路面の振幅が大きいときには、車高を上げてダンパ10Aの底突を回避し、又は車高を適宜高さに調整してダンパ10Aの底突と伸切の双方を回避する。路面の振幅が小さいときには、オンロード車であれば風の抵抗を緩和するために車高を下げ、オフロード車であれば車両の前後の揺れ(ピッチング)を防ぐために車高を下げる。
以下、車両の停車時における車高調整装置40の不測の車高上げ動作に起因する不都合(前述した車体の転倒、輸送用バンドの破断等)を回避するための停車中制御について説明する。前輪側車高調整装置140の切換弁160においても、後輪側車高調整装置40の切換弁60におけると実質的に同様の停車中制御がなされる。
(I)停車中制御手法の1
ECU70は、切換弁60を閉弁して車高上げ動作可能にしている車両の停車時に、一定時間間隔で切換弁60を開弁制御し、車高下げ動作可能にする。
尚、ECU70は、車両の停車を車速センサ91による車速V=0の検出等によって判別する。
これにより、車高を一定の高さに設定した車両の停車時に、車両が何らかの原因によって揺動、振動せしめられる等により、ダンパ10Aが不測の伸縮振動を生じ、これによってポンピング動作する油圧ポンプ50の吐出油が油圧ジャッキ41に供給されて不測の車高上げ動作を生じても、一定時間間隔で繰り返される切換弁60の開弁制御による車高下げ動作が上述の車高上げ動作をキャンセルする。従って、車高上げ動作が続いて車高が大きく上がることがなく、車体の転倒やバンド破断等の不都合を回避できる。
(II)停車中制御手法の2
ECU70は、切換弁60を閉弁して車高上げ動作可能にしている車両の停車時に、ダンパ10Aの伸縮動が一定時間以上続いたことを条件に切換弁60を開弁制御し、車高下げ動作可能にする。ECU70は、車両の停車を判別したときに、油圧検出手段82又は伸縮ストローク長検出手段83の出力変動が一定時間以上続いたことにより、ダンパ10Aの伸縮動が一定時間以上続いたものと判断する。
これにより、車高を一定の高さに設定した車両の停車時に、車両が何らかの原因によって揺動、振動せしめられる等により、ダンパ10Aが不測の伸縮振動を生じ、これによってポンピング動作する油圧ポンプ50の吐出油が油圧ジャッキ41に供給されて不測の車高上げ動作を生じても、このダンパ10Aの伸縮動が一定時間以上続いたことを条件にして駆動される切換弁60の開弁制御による車高下げ動作が上述の車高上げ動作をキャンセルする。従って、車高上げ動作が続いて車高が大きく上がることがなく、車体の転倒やバンド破断等の不都合を回避できる。
(III)停車中制御手法の3
車両がイグニッションスイッチをオフした停車中の車体の振動等の異常変位によって警報出力を発生する盗難防止用イモビライザ100を有しているときには、ECU70は、イモビライザ100の警報出力により切換弁60を開弁制御し、車高下げ動作可能にする。
イモビライザが作動した場合には、通常の走行が困難な状態にまで、車高を下げることも、可能であり、イグニッションスイッチがオンされるまで、通常の車高位置に復帰しないように、制御することも可能である。
これにより、車高を一定の高さに設定した車両の停車時に、車両が盗難等によって揺動、振動せしめられる等により、ダンパ10Aが不測の伸縮振動を生じ、これによってポンピング動作する油圧ポンプ50の吐出油が油圧ジャッキ41に供給されて不測の車高上げ動作を生じても、イモビライザ100が上述の車両の振動に応じて直ちに警報出力を発生すると同時に、この警報出力に基づく切換弁60の開弁制御による車高下げ動作が上述の車高上げ動作をキャンセルする。従って、車高上げ動作が続いて車高が大きく上がることがなく、車体の転倒やバンド破断等の不都合を回避できる。
尚、イモビライザ100を用いることにより、前述(I)の一定時間間隔で繰り返される切換弁60の開弁制御に比して、省電力になる。
イモビライザ等からの信号により、走行状態と判定できる車速などの信号で、車高調整装置の電源を入れ車高調整機能を有効にし、車高を制御することも可能である。走行の条件は、例えば車速が一定以上あり、サスストロークが有る場合等が続く場合に車高調整ECUを起動させる、但し、イグニッションスイッチのオフ状態が長く続く場合には、車高調整EUCをオフさせる。
(IV)停車中制御手法の4(図10)
車高調整装置40の制御回路が、図10に示す如く、切換弁60とともにサブ切換弁61を備えるとき、ECU70は以下の如くに動作する。
サブ切換弁61は、油圧ジャッキ41のジャッキ室42の中間高さ位置に設けた中間ポートPmをダンパチューブ11の油溜室26に選択的に連通又は遮断される。本実施例のサブ切換弁61は、ノーマルオープンバルブ(但し、ノーマルクローズバルブでも可)の2ポート2位置切換弁からなる。
従って、ECU70は、通常の車高上げ制御モードでは切換弁60を閉弁制御するとともに、サブ切換弁61を閉弁制御し、通常の車高下げ制御モードでは切換弁60を閉弁維持するとともに、サブ切換弁61を開弁制御する。これにより、ジャッキ室42の液位、ひいてはプランジャ43の突出高さを中間ポートPmに相当する高さまで下げ可能にし、ライダーの足付き性を確保する。
他方、ECU70は、上述(III)におけるイモビライザ100の警報出力による車高下げ制御モードでは、サブ切換弁61を閉弁制御し、切換弁60を開弁制御して車高を中間ポートPmより低い、ジャッキ室42の底レベルに相当する走行困難な極低位置(油圧ジャッキ41におけるプランジャ43の最低没入可能端が定める最小高さ位置)に設定する。尚、イモビライザ100の警報出力が解除されたとき、ECU70は、通常の車高上げ制御モードと車高下げ制御モードに復帰し得るようにサブ切換弁61を開閉制御する。
(V)停車中制御の解除手法
ECU70は、車両が上述(I)〜(IV)の如くに停車中制御される停車状態から走行状態に移行したときには、切換弁60を閉弁制御し、車高上げ動作可能にする。
尚、ECU70は、車両のイグニッションスイッチのオフ状態が一定時間以上続いたら、車両が停車状態にあると判断し、該ECU70の主電源スイッチ(FET、リレー等)をオフし、車高調整装置40による車高調整機能を停止する。そして、ECU70は、車速センサ91、油圧検出手段82、伸縮ストローク長検出手段83等の出力によって車両が走行状態に入ったと判断したことをトリガーとして目を覚まし、該ECU70の主電源スイッチ(FET、リレー等)のオンにより、車高調整装置40による車高調整機能を起動せしめる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
本発明は、車体と車軸の間に介装されるダンパと、ダンパの伸縮動によりポンピング動作してダンパ内の作動油を吐出する油圧ポンプと、油圧ポンプが吐出する作動油を給排されて車高を変位させる油圧ジャッキと、車高を検出する車高検出手段と、油圧ジャッキをダンパの油溜室に切換接続する切換弁と、車高検出手段の検出結果によって切換弁を切換制御し、車高を任意の位置に調整する制御手段とを有してなる自動二輪車の車高調整装置であって、制御手段は、車両の停車時に、一定時間間隔で切換弁を開弁制御し、車高下げ動作する。これにより、ダンパの伸縮によりポンピング動作する油圧ポンプを用いた自動二輪車の車高調整装置において、車両の停車時における不測の車高上げ動作に起因する不都合を回避することができる。
1 自動二輪車
2 車体
3 車軸
10 リアサスペンション
10A ダンパ
26 油溜室
40 車高調整装置
41 油圧ジャッキ
50 油圧ポンプ
60 切換弁
61 サブ切換弁
70 ECU(制御手段)
80 車高検出手段
100 イモビライザ

Claims (5)

  1. 車体と車軸の間に介装されるダンパと、
    ダンパの伸縮動によりポンピング動作してダンパ内の作動油を吐出する油圧ポンプと、
    油圧ポンプが吐出する作動油を給排されて車高を変位させる油圧ジャッキと、
    車高を検出する車高検出手段と、
    油圧ジャッキをダンパの油溜室に切換接続する切換弁と、
    車高検出手段の検出結果によって切換弁を切換制御し、車高を任意の位置に調整する制御手段とを有してなる自動二輪車の車高調整装置であって、
    前記制御手段は、車速が0であることが検出されたとき、及び/又は、車両に設けられたイグニッションスイッチのオフが検出されたときに、一定時間間隔で切換弁を開弁制御し、車高下げ動作する自動二輪車の車高調整装置。
  2. 車体と車軸の間に介装されるダンパと、
    ダンパの伸縮動によりポンピング動作してダンパ内の作動油を吐出する油圧ポンプと、
    油圧ポンプが吐出する作動油を給排されて車高を変位させる油圧ジャッキと、
    車高を検出する車高検出手段と、
    油圧ジャッキをダンパの油溜室に切換接続する切換弁と、
    車高検出手段の検出結果によって切換弁を切換制御し、車高を任意の位置に調整する制御手段とを有してなる自動二輪車の車高調整装置であって、
    前記制御手段は、車速が0であることが検出されたとき、及び/又は、車両に設けられたイグニッションスイッチのオフが検出されたときに、ダンパの伸縮動が一定時間以上続いたことを条件に切換弁を開弁制御し、車高下げ動作する自動二輪車の車高調整装置。
  3. 車体と車軸の間に介装されるダンパと、
    ダンパの伸縮動によりポンピング動作してダンパ内の作動油を吐出する油圧ポンプと、
    油圧ポンプが吐出する作動油を給排されて車高を変位させる油圧ジャッキと、
    車高を検出する車高検出手段と、
    油圧ジャッキをダンパの油溜室に切換接続する切換弁と、
    車高検出手段の検出結果によって切換弁を切換制御し、車高を任意の位置に調整する制御手段とを有してなる自動二輪車の車高調整装置であって、
    車両の停車中の異常変位によって警報出力を発生するイモビライザを有し、
    制御手段は、イモビライザの警報出力により切換弁を開弁制御し、車高下げ動作する自動二輪車の車高調整装置。
  4. 前記油圧ジャッキのジャッキ室の中間高さ位置に設けた中間ポートを油溜室に切換接続するサブ切換弁を有し、
    制御手段は、通常の車高下げ動作時には切換弁を閉弁制御するとともにサブ切換弁を開弁制御し、イモビライザの警報出力による車高下げ動作時にはサブ切換弁を閉弁制御するとともに切換弁を開弁制御して車高を走行困難な極低位置に設定可能にする請求項3に記載の自動二輪車の車高調整装置。
  5. 前記制御手段は、車両が停車状態から走行状態に移行したことを条件に、切換弁を閉弁制御し、車高上げ動作可能にする請求項1〜4のいずれかに記載の自動二輪車の車高調整装置。
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