JP5987275B2 - 固体撮像装置、固体撮像装置の製造方法、および電子機器 - Google Patents
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Description
1.実施形態の固体撮像装置の概略構成例
2.第1実施形態(段差構造の絶縁層を設けた例)
3.第2実施形態(絶縁パターンを絶縁膜で覆った段差構造の絶縁層を設けた例)
4.第3実施形態(段差構造の絶縁層とセンサ基板を掘り込んだ埋込配線を設けた例)
5.第4実施形態(段差構造の絶縁層と積層配線を設けた例)
6.第5実施形態(センサ基板内の配線の接続にシェアコンを設けた例)
7.電子機器(固体撮像装置を用いた電子機器の例)
尚、各実施形態において共通の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に、本技術が適用される裏面照射型の固体撮像装置の一例として、三次元構造の固体撮像装置の概略構成を示す。この図に示す固体撮像装置1は、光電変換部が配列形成されたセンサ基板2と、このセンサ基板2に対して積層させた状態で貼り合わされた回路基板9とを備えている。
<固体撮像装置の構成>
(段差構造の絶縁層と埋込配線を設けた例)
図2は、第1実施形態の固体撮像装置1-1の構成を示す要部断面図であり、図1における画素領域4と周辺領域7との境界付近の断面図である。以下、この要部断面図に基づいて第1実施形態の固体撮像装置1-1の構成を説明する。
センサ基板2は、例えば単結晶シリコンからなる半導体基板を薄膜化したものである。このセンサ基板2における画素領域4には、受光面Aに沿って複数の光電変換部20が配列形成されている。各光電変換部20は、例えばn型拡散層とp型拡散層との積層構造で構成されている。尚、光電変換部20は画素毎に設けられており、図面においては1画素分の断面を図示している。
センサ基板2の表面上に設けられた配線層2aは、センサ基板2との界面側に、ここでの図示を省略したゲート絶縁膜を介して転送ゲートTGおよびトランジスタTrのゲート電極25、さらにはここでの図示を省略した他の電極を有している。またこれらの転送ゲートTGおよびゲート電極25は、層間絶縁膜26で覆われており、この層間絶縁膜26に設けられた溝パターン内には、例えば銅(Cu)を用いた埋込配線27が多層配線として設けられている。これらの埋込配線27は、ビアによって相互に接続され、また一部がソース/ドレイン21、転送ゲートTG、さらにはゲート電極25に接続された構成となっている。また、埋込配線27には、センサ基板2に設けられた貫通ビア23も接続され、トランジスタTrおよび埋込配線27等によって画素回路が構成されている。
回路基板9は、例えば単結晶シリコンからなる半導体基板を薄膜化したものである。この回路基板9において、センサ基板2側に向かう表面層には、トランジスタTrのソース/ドレイン31、さらにはここでの図示を省略した不純物層、および素子分離32などが設けられている。
回路基板9の表面上に設けられた配線層9aは、回路基板9との界面側に、ここでの図示を省略したゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極35、さらにはここでの図示を省略した他の電極を有している。これらのゲート電極35および他の電極は、層間絶縁膜36で覆われており、この層間絶縁膜36に設けられた溝パターン内にはたとえば銅(Cu)を用いた埋込配線37が多層配線として設けられている。これらの埋込配線37は、ビアによって相互に接続され、また一部がソース/ドレイン31やゲート電極35に接続された構成となっている。また、埋込配線37には、回路基板9に設けられた貫通ビア33も接続され、トランジスタTrおよび埋込配線37等によって駆動回路が構成されている。
絶縁層14は、センサ基板2の受光面A上に設けられている。この絶縁層14は、画素領域4の膜厚が周辺領域7の膜厚よりも薄い段差構造を有しているところが特徴的である。このような絶縁層14は、例えば異なる絶縁材料を用いた積層膜として構成され、ここでは一例として受光面A側から順に反射防止膜14-1、界面準位抑制膜14-2、エッチングストップ膜14-3、溝形成膜14-4、キャップ膜14-5の5層構造である。
配線8は、受光面A側における周辺領域7において、絶縁層14に埋め込まれた埋込配線として設けられている。この配線8は、絶縁層14を構成する溝形成膜14-4に形成された配線溝内に埋め込まれ、その下層のエッチングストップ膜14-3、界面準位抑制膜14-2、および反射防止膜14-1を貫通して設けられた貫通ビア23に接続されている。
遮光膜16は、受光面A側における画素領域4において、絶縁層14の段差下部、つまり、絶縁層14において積層構造の下層部分を構成する界面準位抑制膜14-2の上部に設けられている。このような遮光膜16は、各光電変換部20に対応する複数の受光開口16aを備えている。
透明保護膜17は、絶縁層14および遮光膜16を覆う状態で設けられている。この透明平坦化膜17は、例えばアクリル樹脂などが用いられる。
カラーフィルタ18は、各光電変換部20に対応して設けられ、各光電変換部20に対応する各色で構成されている。各色のカラーフィルタ18の配列が限定されることはない。
オンチップレンズ19は、各光電変換部20に対応して設けられ、各光電変換部20に入射光が集光されるように構成されている。
次に、上述した構成の固体撮像装置1-1の製造方法を図3〜図6の断面工程図に基づいて説明する。
先ず図3Aに示すように、センサ基板2における画素領域4に、複数の光電変換部20を配列形成すると共に、センサ基板2にフローティングディフュージョンFD他の不純物層や素子分離22を形成する。次に、センサ基板2の表面上に転送ゲートTGおよびゲート電極25を形成し、さらに層間絶縁膜26と共に埋込配線27を形成して配線層2aを設け、この配線層2aの上部を保護膜2bで覆う。一方、回路基板9に、ソース/ドレイン31他の不純物層や素子分離32を形成する。次に、回路基板9の表面上にゲート電極35を形成し、さらに層間絶縁膜36と共に埋込配線37を形成して配線層9aを設け、また配線層9aから回路基板9にかけてビア33を形成し、配線層9aの上部を保護膜9bで覆う。
次に図3Bに示すように、センサ基板2の受光面A上に、反射防止膜14-1、界面準位抑制膜14-2、エッチングストップ膜14-3、および溝形成膜14-4をこの順に積層成膜する。反射防止膜14-1は、例えば酸化ハフニウム(HfO2)からなり、原子層蒸着法によって膜厚10nm〜300nm(例えば60nm)で成膜される。界面準位抑制膜14-2は、例えば酸化シリコン(SiO2)からなり、P−CVD(plasma-chemical vapor deposition)法によって膜厚200nmで成膜される。エッチングストップ膜14-3は、例えば窒化シリコン(SiN)からなり、P−CVD法によって膜厚360nmで成膜される。溝形成膜14-4は、例えば酸化シリコン(SiO2)からなり、P−CVD法によって膜厚200nmで成膜される。
その後、図4Aに示すように、センサ基板2の周辺領域7において、最上層の溝形成膜14-4に配線溝8aを形成する。この際、ここでの図示を省略したレジストパターンをマスクにして、酸化シリコン(SiO2)からなる溝形成膜14-4のエッチングを行う。このエッチングにおいては、下層の窒化シリコン(SiN)からなるエッチングストップ膜14-3でエッチングをストップさせる。エッチングの終了後にはレジストパターンを除去する。
次に、図4Bに示すように、配線溝8aの底部に、必要に応じた深さの各接続孔23aを形成する。これらの各接続孔23aは、センサ基板2の表面側に設けられた、配線層2aの埋込配線27または配線層9aの埋込配線37の上部に達する各深さで形成されれば良く、底部に埋込配線27および埋込配線37を露出させなくても良い。この際、接続孔23aの深さ毎に、ここでの図示を省略した複数のレジストパターンを形成し、これらのレジストパターンをマスクにしてセンサ基板2および層間絶縁膜26に対して複数回のエッチングを行う。各エッチングの終了後には各レジストパターンを除去する。
次いで図5Aに示すように、配線溝8aおよび接続孔23aの内壁を覆う状態で、溝形成膜14-4上に、分離絶縁膜24を成膜する。ここでは例えば2層構造の分離絶縁膜24を形成することとし、先ずp−CVD法によって膜厚70nmの窒化シリコン膜24-1を成膜し、次いでp−CVD法によって膜厚900nmの酸化シリコン膜24-2を成膜する。尚、分離絶縁膜24は、積層構造に限定されることはなく、例えば酸化シリコン膜または窒化シリコン膜の単層構造であっても良い。
その後、図5Bに示すように、異方性の高いエッチング条件により分離絶縁膜24をエッチング除去することにより、溝形成膜14-4上および配線溝8aの底部、さらには接続孔23aの底部の分離絶縁膜24を除去する。引き続き、異方性の高いエッチング条件により接続孔23aの底部の層間絶縁膜26、保護膜2b、および保護膜9bをエッチング除去し、接続孔23aを掘り進める。これにより、各接続孔23aの底部に埋込配線27または埋込配線37を露出させる。
次に、図5Cに示すように、配線溝8aおよび接続孔23aを導電性材料で一体に埋め込むことにより、配線溝8a内に埋込配線として配線8を形成し、さらにセンサ基板2を貫通する接続孔23a内に貫通ビア23を形成する。ここでは先ず、配線溝8aおよび接続孔23a内を埋め込む状態で、溝形成膜14-4上に導電性材料膜[例えば銅(Cu)膜]を成膜し、次に化学的機械研磨(CMP)法によって溝形成膜14-4上の導電性材料膜を研磨除去する。これにより、配線溝8aおよび接続孔23a内のみに導電性材料膜を残し、センサ基板2の受光面A側における周辺領域7に、配線8およびこれに接続された貫通ビア23を形成する。
次いで図6Aに示すように、配線8および溝形成膜14-4上を覆う状態で、配線8を構成する銅(Cu)に対する拡散防止効果を有するキャップ膜14-5を成膜する。ここではキャップ膜14-5として、例えば窒化シリコン膜を70nmの膜厚で成膜する。これにより、センサ基板2の受光面A上に、反射防止膜14-1、界面準位抑制膜14-2、エッチングストップ膜14-3、溝形成膜14-4、およびキャップ膜14-5をこの順に積層させた5層構造の絶縁層14を形成する。尚、最上層の窒化シリコンからなるキャップ膜14-5上には、さらに必要に応じて酸化シリコン膜を成膜しても良い。
その後、図6Bに示すように、絶縁層14において画素領域4に対応する部分を、周辺領域7に対して選択的に薄膜化し、これにより絶縁層14に段差構造を形成する。この際、ここでの図示を省略したレジストパターンをマスクにして、窒化シリコン(SiN)からなるキャップ膜14-5をエッチングし、その後条件を変えて酸化シリコン(SiO2)からなる溝形成膜14-4をエッチングする。この際、下層の窒化シリコン(SiN)からなるエッチングストップ膜14-3でエッチングをストップさせる。その後、さらに条件を変えてエッチングストップ膜14-3をエッチングする。
次に、図6Cに示すように、絶縁層14の段差下部に、センサ基板2を露出させる開口14aを形成する。この際、ここでの図示を省略したレジストパターンをマスクにして、界面準位抑制膜14-2と反射防止膜14-1をエッチングする。尚、この開口14aは、光電変換部20の上方を避けた位置に形成される。
以上の後には先の図2に示したように、遮光膜16を覆う状態で光透過性を有する材料からなる透明保護膜17を成膜する。透明保護膜17の成膜は、スピンコート法のような塗布法によって行う。次に、透明保護膜17上に、光電変換部20に対応する各色のカラーフィルタ18を形成し、さらにこの上部に光電変換部20に対応するオンチップレンズ19を形成する。また回路基板9の露出面を研磨することで回路基板9を薄膜化し、ビア33を露出させて貫通ビア33とする。その後、貫通ビア33を覆う状態で回路基板9上に保護膜9cを成膜し、貫通ビア33を露出するパッド開口33aを形成することにより、固体撮像装置1-1を完成させる。
以上説明した構成の固体撮像装置1-1は、画素領域4の外側の周辺領域7に配線8を設けた裏面照射型の固体撮像装置である。このような構成において、受光面A上には、周辺領域7に対して画素領域4で膜厚が薄い段差構造の絶縁層14を設け、この上部にオンチップレンズ19を設けている。これにより、周辺領域7においては配線8の構成に影響を与えることなく絶縁層14の膜厚が確保され、一方、画素領域4においては絶縁層14を薄膜化してこの上部のオンチップレンズ19と受光面Aとの距離を小さくすることができる。
<固体撮像装置の構成>
(絶縁パターンを絶縁膜で覆った段差構造の絶縁層を設けた例)
図7は、第2実施形態の固体撮像装置1-2の構成を示す要部断面図であり、図1における画素領域4と周辺領域7との境界付近の断面図である。以下、この要部断面図に基づいて第2実施形態の固体撮像装置1-2の構成を説明する。
次に、上述した構成の固体撮像装置1-2の製造方法を図8〜図10の断面工程図に基づいて説明する。
先ず図8Aに示すように、センサ基板2と回路基板とを貼り合わせ、必要に応じてセンサ基板2の受光面A側を薄膜化するまでを、第1実施形態で図3Aを用いて説明したと同様に行う。その後、センサ基板2の受光面A上に、酸化シリコン膜41-1および窒化シリコン膜41-2をこの順に成膜する。
次に図8Bに示すように、センサ基板2の周辺領域7において、酸化シリコン膜41-1および窒化シリコン膜41-2に配線溝8aを形成する。この際、ここでの図示を省略したレジストパターンをマスクにして、窒化シリコン膜41-2をエッチングし、さらに酸化シリコン膜41-1をエッチングする。このエッチングにおいては、さらに下層のセンサ基板2の表面層をエッチングしても良い。エッチングの終了後にはレジストパターンを除去する。
次いで図8Cに示すように、配線溝8aの底部に、必要に応じた深さの各接続孔23aを形成する。これらの各接続孔23aは、第1実施形態と同様であり、センサ基板2の表面側に設けられた埋込配線27または埋込配線37の上部に達する各深さで形成される。その後は、第1実施形態において図5A〜図5Cを用いて説明した手順と同様の手順を行う。
以上により図9Aに示すように、配線溝8aおよび接続孔23aの内壁に、積層構造の分離絶縁膜24を形成し、これらの内部を銅(Cu)で一体に埋め込むと共に埋込配線27または埋込配線37に接続された配線8と貫通ビア23とを形成する。
その後図9Bに示すように、配線8および窒化シリコン膜41-2上を覆う状態で、配線8を構成する銅(Cu)に対する拡散防止効果を有するキャップ膜41-3を成膜する。ここではキャップ膜41-3として、例えば窒化シリコン膜を70nmの膜厚で成膜する。これにより、センサ基板2の受光面A上に、酸化シリコン膜41-1、窒化シリコン膜41-2、およびキャップ膜41-3の3層を積層させる。
その後、図10Aに示すように、周辺領域7の絶縁パターンBを覆う状態で、センサ基板2における受光面A上に、例えば酸化ハフニウム(HfO2)からなる反射防止膜41-4、および酸化シリコン(SiO2)からなる界面準位抑制膜41-5をこの順に成膜する。これにより、受光面A上には、絶縁パターンBとこれを覆う反射防止膜41-4と界面準位抑制膜41-5とで構成された絶縁層41が形成される。
次に、図10Bに示すように、絶縁層41の段差下部にセンサ基板2を露出させる開口41aを形成し、次いで画素領域4における絶縁層41上に開口41aを介してセンサ基板2に接地された遮光膜16をパターン形成する。この遮光膜16には、各光電変換部20に対応する受光開口16aを設ける。以上の工程は、第1実施形態において図6Cを用いて説明した手順と同様の手順で行う。また、このような遮光膜16は、絶縁層41の段差上部で除去され、段差下部を広く覆う形状で良く、これにより、絶縁層41の段差を広い範囲で軽減することができることも第1実施形態と同様である。
以上の後には先の図7に示したように、遮光膜16を覆う状態で光透過性を有する材料からなる透明保護膜17を、スピンコート法のような塗布法によって成膜する。次に、透明保護膜17上に、光電変換部20に対応する各色のカラーフィルタ18を形成し、さらにこの上部に光電変換部20に対応する各オンチップレンズ19を形成する。また回路基板9の露出面を研磨することで回路基板9を薄膜化し、ビア33を露出させて貫通ビア33とする。その後、貫通ビア33を覆う状態で回路基板9上に保護膜9cを成膜し、貫通ビア33を露出するパッド開口33aを形成することにより、固体撮像装置1-2を完成させる。
以上説明した構成の固体撮像装置1-2は、第1実施形態の固体撮像装置と同様に、周辺領域7に配線8を設けた裏面照射型であり、受光面A上には画素領域4で膜厚が薄い段差構造の絶縁層41を設け、この上部にオンチップレンズ19を設けた構成である。したがって、第1実施形態と同様に、配線8のパターン精度を確保しつつ、オンチップレンズ19と受光面Aとの距離を小さくして光電変換部20においての受光特性の向上を図ることが可能である。
<固体撮像装置の構成>
(段差構造の絶縁層とセンサ基板を掘り込んだ埋込配線を設けた例)
図11は、第3実施形態の固体撮像装置1-3の構成を示す要部断面図であり、図1における画素領域4と周辺領域7との境界付近の断面図である。以下、この要部断面図に基づいて第3実施形態の固体撮像装置1-3の構成を説明する。
次に、上述した構成の固体撮像装置1-3の製造方法を図12〜図13の断面工程図に基づいて説明する。
先ず図12Aに示すように、センサ基板2と回路基板とを貼り合わせ、必要に応じてセンサ基板2の受光面A側を薄膜化するまでを、第1実施形態で図3Aを用いて説明したと同様に行う。その後、センサ基板2の受光面A上に、例えば酸化ハフニウム(HfO2)からなる反射防止膜43-1、酸化シリコン(SiO2)からなる界面準位抑制膜43-2、および窒化シリコン(SiN)からなるエッチングストップ膜43-3をこの順に積層成膜する。以上の3層は、上述した段差構造を有する絶縁層(43)の一部を構成する膜として成膜される。
次に図12Bに示すように、配線溝8a’の底部に、必要に応じた深さの各接続孔23aを形成する。これらの各接続孔23aは、第1実施形態と同様であり、センサ基板2の表面側に設けられた埋込配線27または埋込配線37の上部に達する各深さで形成される。その後は、第1実施形態において図5A〜図5Cを用いて説明した手順と同様の手順を行う。
以上により図12Cに示すように、配線溝8a’および接続孔23aの内壁に、積層構造の分離絶縁膜24を形成し、これらの内部を銅(Cu)で一体に埋め込むと共に埋込配線27または埋込配線37に接続された配線8と貫通ビア23とを形成する。
その後、図13Aに示すように、配線8およびエッチングストップ膜43-3上を覆う状態で、配線8を構成する銅(Cu)に対する拡散防止効果を有するキャップ膜43-4を成膜する。ここでは例えばキャップ膜として、窒化シリコン膜を70nmの膜厚で成膜する。これにより、センサ基板2の受光面A上に、反射防止膜43-1、界面準位抑制膜43-2、エッチングストップ膜43-3、およびキャップ膜43-4をこの順に積層させた4層構造の絶縁層43を形成する。尚、最上層の窒化シリコンからなるキャップ膜43-4上には、さらに必要に応じて酸化シリコン膜を成膜しても良い。
次に、図13Bに示すように、絶縁層43の段差下部にセンサ基板2を露出させる開口43aを形成し、次いで画素領域4における絶縁層43上に開口43aを介してセンサ基板2に接地された遮光膜16をパターン形成する。この遮光膜16には、各光電変換部20に対応する受光開口16aを設ける。以上の工程は、第1実施形態において図6Cを用いて説明した手順と同様の手順で行う。また、このような遮光膜16は、絶縁層43の段差上部で除去され、段差下部を広く覆う形状で良く、これにより、絶縁層43の段差を広い範囲で軽減することができることも第1実施形態と同様である。
以上の後には先の図11に示したように、遮光膜16を覆う状態で光透過性を有する材料からなる透明保護膜17を、スピンコート法のような塗布法によって成膜する。次に、透明保護膜17上に、光電変換部20に対応する各色のカラーフィルタ18を形成し、さらにこの上部に光電変換部20に対応する各オンチップレンズ19を形成する。また回路基板9の露出面を研磨することで回路基板9を薄膜化し、ビア33を露出させて貫通ビア33とする。その後、貫通ビア33を覆う状態で回路基板9上に保護膜9cを成膜し、貫通ビア33を露出するパッド開口33aを形成することにより、固体撮像装置1-3を完成させる。
以上説明した構成の固体撮像装置1-3は、第1実施形態の固体撮像装置と同様に、周辺領域7に配線8を設けた裏面照射型であり、受光面A上には画素領域4で膜厚が薄い段差構造の絶縁層43を設け、この上部にオンチップレンズ19を設けた構成である。したがって、第1実施形態と同様に、配線8のパターン精度を確保しつつ、オンチップレンズ19と受光面Aとの距離を小さくして光電変換部20においての受光特性の向上を図ることが可能である。また第1実施形態と同様に、受光面Aをエッチングダメージに晒すことなく良好に保つことも可能である。
<固体撮像装置の構成>
(段差構造の絶縁層と積層配線を設けた例)
図14は、第4実施形態の固体撮像装置1-4の構成を示す要部断面図であり、図1における画素領域4と周辺領域7との境界付近の断面図である。以下、この要部断面図に基づいて第4実施形態の固体撮像装置1-4の構成を説明する。
次に、上述した構成の固体撮像装置1-4の製造方法を図15〜図16の断面工程図に基づいて説明する。
先ず図15Aに示すように、センサ基板2と回路基板とを貼り合わせ、必要に応じてセンサ基板2の受光面A側を薄膜化するまでを、第1実施形態で図3Aを用いて説明したと同様に行う。その後、センサ基板2の受光面A上に、例えば酸化ハフニウム(HfO2)からなる反射防止膜45-1、酸化シリコン(SiO2)からなる界面準位抑制膜45-2、および窒化シリコン(SiN)からなるエッチングストップ膜45-3をこの順に積層成膜する。以上の3層は、上述した段差構造を有する絶縁層(45)の一部を構成する膜として成膜される。
次に図15Bに示すように、接続孔23aの内壁に、積層構造の分離絶縁膜24を形成し、これらの内部を銅(Cu)で埋め込むことにより、各接続孔23a内に埋込配線27および埋込配線37に接続された貫通ビア23を形成する。このような分離絶縁膜24および貫通ビア23は、第1実施形態において図5A〜図5Cを用いて説明した手順と同様の手順で形成することができる。
次いで図15Cに示すように、貫通ビア23およびエッチングストップ膜45-3を覆う状態で、貫通ビア23を構成する銅(Cu)に対する拡散防止効果を有するキャップ膜45-4として、例えば窒化シリコン膜を70nmの膜厚で成膜する。さらにこの上部に、層間膜45-5として、酸化シリコン膜を成膜する。これにより、センサ基板2の受光面A上に、反射防止膜45-1、界面準位抑制膜45-2、エッチングストップ膜45-3、キャップ膜45-4、および層間膜45-5をこの順に積層させた5層構造の絶縁層45を形成する。
その後、図16Aに示すように、周辺領域7において、層間膜45-5およびキャップ膜45-4に、貫通ビア23に達する各接続孔23bを形成する。その後、接続孔23bを介して貫通ビア23に接続された配線47を、層間膜45-5上に形成する。この際、先ずスパッタ成膜法によって層間膜45-5上にアルミニウムのような導電性材料膜を成膜し、次にこの上部に形成したレジストパターンをマスクにして導電性材料膜をエッチングすることにより、導電性材料膜をパターニングしてなる配線47を形成する。以上の後には、必要に応じて配線47を覆う保護膜49を層間膜45-5上に成膜する。尚、この保護膜49も、絶縁層45を構成する膜とすることもできる。
次に図16Bに示すように、絶縁層45において画素領域4に対応する部分を選択的に薄膜化し、これにより絶縁層45に段差構造を形成する。この際、ここでの図示を省略したレジストパターンをマスクにして、保護膜49、層間膜45-5、キャップ膜45-4、およびエッチングストップ膜45-3をエッチングする。
次に、図16Cに示すように、絶縁層45の段差下部にセンサ基板2を露出させる開口45aを形成し、次いで画素領域4における絶縁層45上に開口45aを介してセンサ基板2に接地された遮光膜16をパターン形成する。この遮光膜16には、各光電変換部20に対応する受光開口16aを設ける。以上の工程は、第1実施形態において図6Cを用いて説明した手順と同様の手順で行う。また、このような遮光膜16は、絶縁層45の段差上部で除去され、段差下部を広く覆う形状で良く、これにより、絶縁層45の段差を広い範囲で軽減することができることも第1実施形態と同様である。
以上の後には先の図14に示したように、遮光膜16を覆う状態で光透過性を有する材料からなる透明保護膜17を、スピンコート法のような塗布法によって成膜する。次に、透明保護膜17上に、光電変換部20に対応する各色のカラーフィルタ18を形成し、さらにこの上部に光電変換部20に対応するオンチップレンズ19を形成する。また回路基板9の露出面を研磨することで回路基板9を薄膜化し、ビア33を露出させて貫通ビア33とする。その後、貫通ビア33を覆う状態で回路基板9上に保護膜9cを成膜し、貫通ビア33を露出するパッド開口33aを形成する。さらに必要に応じて、アルミニウム等からなる配線47上に、ここでの図示を省略した配線47を露出するパッド開口を形成し、固体撮像装置1-4を完成させる。
以上説明した構成の固体撮像装置1-4は、第1実施形態の固体撮像装置と同様に、周辺領域7に配線47を設けた裏面照射型であり、受光面A上には画素領域4で膜厚が薄い段差構造の絶縁層45を設け、この上部にオンチップレンズ19を設けた構成である。したがって、配線47の構成に必要な膜厚の絶縁層45を周辺領域7に残しつつ、画素領域4においてはオンチップレンズ19と受光面Aとの距離を小さくして光電変換部20においての受光特性の向上を図ることが可能である。また第1実施形態と同様に、受光面Aをエッチングダメージに晒すことなく良好に保つことも可能である。
(センサ基板内の配線の接続にシェアコンを設けた例)
図17は、第5実施形態の固体撮像装置1-5の構成を示す要部断面図であり、図1における画素領域4と周辺領域7との境界付近の断面図である。以下、この要部断面図に基づいて第5実施形態の固体撮像装置1-5の構成を説明する。
以上説明した構成の固体撮像装置1-5は、第1実施形態の固体撮像装置と同様に、周辺領域7に配線としての貫通ビア51を設けた裏面照射型であり、受光面A上には画素領域4で膜厚が薄い段差構造の絶縁層53を設け、この上部にオンチップレンズ19を設けた構成である。したがって、配線としての貫通ビア51の構成に必要な膜厚の絶縁層53を周辺領域7に残しつつ、画素領域4においてはオンチップレンズ19と受光面Aとの距離を小さくして光電変換部20においての受光特性の向上を図ることが可能である。また第1実施形態と同様に、受光面Aをエッチングダメージに晒すことなく良好に保つことも可能である。
上述の実施形態で説明した本技術に係る固体撮像装置は、例えばデジタルカメラやビデオカメラ等のカメラシステム、さらには撮像機能を有する携帯電話、あるいは撮像機能を備えた他の機器などの電子機器に適用することができる。
光電変換部が配列形成された画素領域を有するセンサ基板と、
前記センサ基板において前記光電変換部に対する受光面とは逆の表面側に設けられた駆動回路と、
前記受光面上に設けられ、前記画素領域の膜厚が当該画素領域の外側に設けられた周辺領域の膜厚よりも薄い段差構造を有する絶縁層と、
前記受光面側における前記周辺領域に設けられた配線と、
前記絶縁層上において前記光電変換部に対応する各位置に設けられたオンチップレンズとを備えた
固体撮像装置。
前記配線は、前記絶縁層に埋め込まれた埋込配線として設けられている
(1)記載の固体撮像装置。
前記配線は、前記センサ基板の受光面側に埋め込まれた埋込配線として設けられている
(1)または(2)記載の固体撮像装置。
前記画素領域における前記絶縁層と前記オンチップレンズとの間には、前記光電変換部に対応した受光開口を有する遮光膜が設けられている
(1)〜(3)の何れかに記載の固体撮像装置。
前記絶縁層は、異なる材料を用いて構成された積層構造であり、
前記画素領域においては、前記絶縁層において積層構造の上層部分を構成する膜が除去されている
(1)〜(4)の何れかに記載の固体撮像装置。
前記絶縁層は、前記周辺領域にパターン形成された絶縁パターンと、当該絶縁パターンを覆う状態で前記センサ基板上に設けられた絶縁膜とを含み、
前記画素領域には、前記絶縁膜が設けられている
(1)〜(4)の何れかに記載の固体撮像装置。
前記センサ基板の表面側には、前記駆動回路を有する回路基板が貼り合わせられた
(1)〜(6)の何れかに記載の固体撮像装置。
前記センサ基板には、前記受光面側の前記配線と前記表面側に配置された前記駆動回路とを接続する貫通ビアが設けられている
(1)〜(7)の何れかに記載の固体撮像装置。
前記配線は、前記貫通ビアと一体に形成されている
(8)記載の固体撮像装置。
前記遮光膜は、前記絶縁層の薄膜部分に形成された開口を介して前記センサ基板に接地されている
(4)記載の固体撮像装置。
センサ基板に設定された画素領域に光電変換部を配列形成することと、
前記センサ基板において前記光電変換部に対する受光面とは逆の表面側に駆動回路を形成することと、
前記センサ基板における前記受光面上に絶縁層を成膜することと、
前記受光面側において、前記画素領域の外側に設けられた周辺領域に配線を形成することと、
前記絶縁層および前記配線を形成した後、当該絶縁層において前記画素領域に対応する部分を前記周辺領域に対して選択的に薄膜化することにより当該絶縁層に段差構造を形成することと、
前記段差構造が形成された前記絶縁層上において前記光電変換部に対応する各位置にオンチップレンズを形成することを含む
固体撮像装置の製造方法。
前記配線を形成する際には、前記絶縁層に埋め込まれた埋込配線として当該配線を形成する
(11)記載の固体撮像装置の製造方法。
前記絶縁層を成膜する際には、異なる材料を用いて構成された積層構造として当該絶縁層を成膜し、
前記絶縁層に段差構造を形成する際には、当該絶縁層において積層構造の上層部分を構成する膜を、下層部分を構成する膜に対して選択的に除去する
(11)または(12)に記載の固体撮像装置の製造方法。
光電変換部が配列形成された画素領域を有するセンサ基板と、
前記センサ基板において前記光電変換部に対する受光面とは逆の表面側に設けられた駆動回路と、
前記受光面上に設けられ、前記画素領域の膜厚が当該画素領域の外側に設けられた周辺領域の膜厚よりも薄い段差構造を有する絶縁層と、
前記受光面側における前記周辺領域に設けられた配線と、
前記絶縁層上において前記光電変換部に対応する各位置に設けられたオンチップレンズと、
前記光電変換部に入射光を導く光学系を備えた
電子機器。
Claims (15)
- 光電変換部が配列形成された画素領域を有するセンサ基板と、
前記センサ基板において前記光電変換部に対する受光面とは逆の表面側に設けられた駆動回路と、
前記受光面上に設けられ、前記画素領域の膜厚が当該画素領域の外側に設けられた周辺領域の膜厚よりも薄い段差構造を有する絶縁層と、
前記受光面側における前記周辺領域に設けられた配線と、
前記絶縁層上において前記光電変換部に対応する各位置に設けられたオンチップレンズを備え、
前記配線は、少なくとも一部が前記受光面側から前記センサ基板に埋め込まれた埋込配線として設けられ、
前記絶縁層は、前記周辺領域において前記配線の上部を覆う膜を備えた
固体撮像装置。 - 前記配線の上部は、前記センサ基板から前記受光面側に突出している
請求項1記載の固体撮像装置。 - 前記配線の上部は、前記絶縁層に埋め込まれている
請求項1または2に記載の固体撮像装置。 - 前記画素領域における前記絶縁層と前記オンチップレンズとの間には、前記光電変換部に対応した受光開口を有する遮光膜が設けられている
請求項1〜3の何れかに記載の固体撮像装置。 - 前記絶縁層は、異なる材料を用いて構成された積層構造であり、
前記画素領域においては、前記絶縁層において積層構造の上層部分を構成する膜が除去されている
請求項1〜4の何れかに記載の固体撮像装置。 - 前記絶縁層は、前記周辺領域にパターン形成された絶縁パターンと、当該絶縁パターンを覆う状態で前記センサ基板上に設けられた絶縁膜とを含み、
前記画素領域には、前記絶縁膜が設けられている
請求項1〜5の何れかに記載の固体撮像装置。 - 前記センサ基板には、前記受光面側の前記配線と前記表面側に配置された前記駆動回路とを接続する貫通ビアが設けられている
請求項1〜6の何れかに記載の固体撮像装置。 - 前記センサ基板側の駆動回路を第1の駆動回路とし、当該センサ基板の表面側には、第2の駆動回路を有する回路基板が貼り合わせられた
請求項1〜7の何れかに記載の固体撮像装置。 - 前記センサ基板には、前記受光面側から前記センサ基板を貫通し、前記センサ基板側の第1の駆動回路と前記回路基板側の第2の駆動回路とに達する異なる高さの底面を有する貫通ビアが、前記配線として設けられている
請求項8記載の固体撮像装置。 - 前記センサ基板には、前記受光面側の前記配線と前記センサ基板側の第1の駆動回路とを接続する貫通ビアと、前記受光面側の前記配線と前記回路基板側の第2の駆動回路とを接続する貫通ビアとが設けられている
請求項8記載の固体撮像装置。 - 前記遮光膜は、前記絶縁層の薄膜部分に形成された開口を介して前記センサ基板に接地されている
請求項4記載の固体撮像装置。 - センサ基板に設定された画素領域に光電変換部を配列形成することと、
前記センサ基板において前記光電変換部に対する受光面とは逆の表面側に駆動回路を形成することと、
前記センサ基板における前記受光面上に絶縁層を成膜することと、
前記受光面側において、前記画素領域の外側に設けられた周辺領域に配線を形成することと、
前記絶縁層および前記配線を形成した後、当該絶縁層において前記画素領域に対応する部分を前記周辺領域に対して選択的に薄膜化することにより当該絶縁層に段差構造を形成することと、
前記段差構造が形成された前記絶縁層上において前記光電変換部に対応する各位置にオンチップレンズを形成することを含み、
前記絶縁層を成膜する際には、前記周辺領域において前記配線の上部を覆う膜を備えて当該絶縁層を形成し、
前記配線を形成する際には、少なくとも一部が前記受光面側から前記センサ基板に埋め込まれた埋込配線として当該配線を形成する
固体撮像装置の製造方法。 - 前記配線を形成する際には、前記絶縁層に埋め込まれた埋込配線として当該配線を形成する
請求項12記載の固体撮像装置の製造方法。 - 前記絶縁層を成膜する際には、異なる材料を用いて構成された積層構造として当該絶縁層を成膜し、
前記絶縁層に段差構造を形成する際には、当該絶縁層において積層構造の上層部分を構成する膜を、下層部分を構成する膜に対して選択的に除去する
請求項12または13記載の固体撮像装置の製造方法。 - 光電変換部が配列形成された画素領域を有するセンサ基板と、
前記センサ基板において前記光電変換部に対する受光面とは逆の表面側に設けられた駆動回路と、
前記受光面上に設けられ、前記画素領域の膜厚が当該画素領域の外側に設けられた周辺領域の膜厚よりも薄い段差構造を有する絶縁層と、
前記受光面側における前記周辺領域に設けられた配線と、
前記絶縁層上において前記光電変換部に対応する各位置に設けられたオンチップレンズと、
前記光電変換部に入射光を導く光学系を備え、
前記配線は、少なくとも一部が前記受光面側から前記センサ基板に埋め込まれた埋込配線として設けられ、
前記絶縁層は、前記周辺領域において前記配線の上部を覆う膜を備えた
電子機器。
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