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JP5974624B2 - 紙葉類搬送装置及び紙葉類取扱装置 - Google Patents

紙葉類搬送装置及び紙葉類取扱装置 Download PDF

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Description

本発明は紙葉類搬送装置及び紙葉類取扱装置に関し、例えば、紙幣の入金及び出金の取引を行う現金自動預払機(ATM:Automatic Teller Machine)、及び当該現金自動預払機に設けられた紙幣搬送部に適用して好適なものである。
従来の現金自動取引装置は、装置内部において下側に金庫が配置されると共に、当該金庫の上側に上部紙幣機構が前後に移動して引出及び収納可能なように配置されている。
そして上部紙幣機構内には、紙幣を搬送するための搬送路(以下、これを機構内紙幣搬送路とも呼ぶ)を形成する紙幣搬送部(以下、これを機構内搬送部とも呼ぶ)が設けられている。
また金庫内にも、紙幣を搬送するための搬送路(以下、これを金庫内搬送路とも呼ぶ)を形成する紙幣搬送部(以下、これを金庫内搬送部とも呼ぶ)が設けられている。
さらに金庫は、上部所定位置に孔部が穿設されている。そして金庫の孔部には、現金自動取引装置に上部紙幣機構が収納された場合に金庫内搬送部及び機構内搬送部を連結して金庫内搬送路及び機構内紙幣搬送路に対し紙幣を受け渡すように搬送するための搬送路(以下、これを紙幣受渡搬送路とも呼ぶ)を形成する紙幣搬送部(以下、これを受渡搬送部とも呼ぶ)が配置されている。
ただし、現金自動取引装置では、例えば、上部紙幣機構が収納されて固定される際、受渡搬送部の真上から機構内搬送部が当該上部紙幣機構の引出側(以下、これを機構引出側とも呼ぶ)や収納側(以下、これを機構収納側とも呼ぶ)にずれる場合がある。
このため現金自動取引装置には、受渡搬送部に対し機構内搬送部が機構引出側や機構収納側にずれても、紙幣受渡搬送路を機構内紙幣搬送路に接続し得る受渡搬送部が設けられている。
すなわち、図21に示すように、機構内搬送部200は、受渡搬送部201との搬送路接続部分に一対の平行な搬送ガイド210、211が矢印a10に示す上部紙幣機構の引出方向(以下、これを機構引出方向とも呼ぶ)に沿って所定の間隔で順に並べて固設されると共に、図示しないローラ等も配置されている。
これにより機構内搬送部200は、機構引出側に位置する一方の搬送ガイド(以下、これを引出側固定ガイドとも呼ぶ)210と、機構収納側に位置する他方の搬送ガイド(以下、これを収納側固定ガイドとも呼ぶ)211との間に、これらの間隔を搬送路縦幅とする機構内紙幣搬送路を形成している。
そして引出側固定ガイド210及び収納側固定ガイド211は、それぞれ下側に向けられた先端部が櫛歯状に形成されている。
また引出側固定ガイド210は、所定位置に板状の押付部212が、受渡搬送部201側(すなわち、下側)に突出するように設けられている。
一方、受渡搬送部201は、機構内搬送部200との搬送路接続部分に一対の搬送ガイド220、221が機構引出方向に沿って所定の間隔で順に位置させて、各々の根元部に取り付けられた回動軸222、223を介して回動可能に設けられると共に、ローラ224、225や搬送ベルト226が設けられている。
これにより受渡搬送部201は、機構引出側に位置する一方の搬送ガイド(以下、これを引出側可動ガイドとも呼ぶ)220と、機構収納側に位置する他方の搬送ガイド(以下、これを収納側可動ガイドとも呼ぶ)221との間に、これらの間隔を搬送路縦幅とする紙幣受渡搬送路を形成している。
この場合、引出側可動ガイド220及び収納側可動ガイド221は、各々の先端部を根元部よりも上側に位置させており、当該先端部が櫛歯状に形成されている。
また引出側可動ガイド220は、先端部に、略L字状の突起部220Aが機構収納側へ突出するように設けられている。
そして受渡搬送部201は、引出側可動ガイド220よりも機構引出側にばね(以下、これを引出側ばねも呼ぶ)227が設けられ、当該引出側ばね227により引出側可動ガイド220を時計回方向(すなわち、機構収納側)へ回転させるように付勢している。
また受渡搬送部201は、収納側可動ガイド221よりも機構収納側に、引出側ばね227よりも弾性力の大きいばね(以下、これを収納側ばねとも呼ぶ)228が設けられ、当該収納側ばね228により収納側可動ガイド221を反時計回方向(すなわち、機構引出側)へ回転させるように付勢している。
これにより受渡搬送部201は、引出側ばね227及び収納側ばね228の作用によって引出側可動ガイド220の突起部220Aを収納側可動ガイド221の先端部に押し付けている。
そして受渡搬送部201では、引出側可動ガイド220を機構引出方向に対して垂直にして突起部220Aを収納側可動ガイド221の先端部の所定位置(以下、これを基準位置とも呼ぶ)に押し付けた場合、引出側可動ガイド220及び収納側可動ガイド221を引出側固定ガイド210及び収納側固定ガイド211の間隔と等しい間隔で平行にする(すなわち、共に垂直にする)ように当該突起部220Aの長さが選定されている。
現金自動取引装置は、係る構成のもと、メンテナンス時に上部紙幣機構が引き出されると、機構内搬送部200を受渡搬送部201から引き離す。
この際、現金自動取引装置は、収納側可動ガイド221及び引出側可動ガイド220を反時計回方向の、引出側ばね227及び収納側ばね228の弾性力が釣り合う所定角度まで回転させて機構引出側へ傾斜させる。
この状態で現金自動取引装置は、上部紙幣機構が収納されると、機構内搬送部200の押付部212を引出側可動ガイド220の突起部220Aに押し付けるようにして、当該引出側可動ガイド220を機構内搬送部200の押付部212の位置に応じた角度だけ時計回方向へ回転させる。
また現金自動取引装置は、引出側可動ガイド220の突起部220Aを収納側可動ガイド221の先端部に押し付けていることで、当該引出側可動ガイド220の回転に連動させて収納側可動ガイド221も時計回方向へ回転させる。
これにより図22に示すように、現金自動取引装置は、機構内搬送部200が受渡搬送部201の真上よりも機構引出側へずれている場合は、引出側可動ガイド220及び収納側可動ガイド221を垂直な姿勢よりも機構引出側へ傾けた姿勢にして、これらの先端部を引出側固定ガイド210及び収納側固定ガイド211の先端部に嵌合して紙幣受渡搬送路を機構内紙幣搬送路に接続する。
また図23に示すように、現金自動取引装置は、機構内搬送部200が受渡搬送部201の真上に位置する場合は、引出側可動ガイド220及び収納側可動ガイド221を垂直な姿勢にして、これらの先端部を引出側固定ガイド210及び収納側固定ガイド211の先端部に嵌合して紙幣受渡搬送路を機構内紙幣搬送路に接続する。
さらに図24に示すように、現金自動取引装置は、機構内搬送部200が受渡搬送部201の真上よりも機構収納側へずれている場合は、引出側可動ガイド220及び収納側可動ガイド221を垂直な姿勢よりも機構収納側へ傾けた姿勢にして、これらの先端部を引出側固定ガイド210及び収納側固定ガイド211の先端部に嵌合して紙幣受渡搬送路を機構内紙幣搬送路に接続する。
このようにして現金自動取引装置は、上部紙幣機構が収納されて固定された場合、受渡搬送部201に対する機構内搬送部200の位置ずれに関わらずに、紙幣受渡搬送路を機構内紙幣搬送路に接続し得るようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−205252公報(第4頁乃至第8頁、図3、図5乃至図13)
ところで、係る構成の現金自動取引装置は、上部紙幣機構の収納に応じて引出側可動ガイド220を時計回方向へ回転させると、収納側可動ガイド221も当該引出側可動ガイド220に固定的に設けられた突起部220Aの押し付けにより時計回方向へ回転させている。
すなわち、現金自動取引装置は、機構内搬送部200が受渡搬送部201の真上よりも機構引出側へずれている場合、引出側可動ガイド220の突起部220Aを収納側可動ガイド221の基準位置よりも先端側に押し付けて、当該引出側可動ガイド220及び収納側可動ガイド221を垂直な姿勢よりも機構引出側へ傾ける。
また現金自動取引装置は、機構内搬送部200が受渡搬送部201の真上よりも機構収納側へずれている場合、引出側可動ガイド220の突起部220Aを収納側可動ガイド221の基準位置よりも根元側に押し付けて、当該引出側可動ガイド220及び収納側可動ガイド221を垂直な姿勢よりも機構収納側へ傾ける。
ところが、現金自動取引装置では、このように引出側可動ガイド220の突起部220Aを収納側可動ガイド221の基準位置とは異なる位置に押し付けると、引出側可動ガイド220及び収納側可動ガイド221が異なる傾斜角度で傾いて平行にならなくなる。
すなわち、現金自動取引装置では、引出側可動ガイド220及び収納側可動ガイド221を傾けると、当該収納側可動ガイド221及び引出側可動ガイド220の先端部側の搬送路縦幅と根元部側の搬送路縦幅とが異なるようになる。
このため現金自動取引装置では、引出側可動ガイド220及び収納側可動ガイド221を傾けて引出側固定ガイド210及び収納側固定ガイド211と嵌合させると、図22や図24からも明らかなように、紙幣受渡搬送路と機構内紙幣搬送路との接続部分内に、当該紙幣受渡搬送路側や機構内紙幣搬送路側の先端部が入り込んで段差や凹みが形成される。
そして現金自動取引装置では、紙幣受渡搬送路及び機構内紙幣搬送路の接続部分内に先端部が入り込んで段差や凹みが形成されていると、実際に紙幣を搬送したとき、当該接続部分内の段差や凹みに紙幣が引っ掛かりジャム(すなわち、紙幣の詰まり)が発生し、また紙幣が破損する場合がある。
このため従来の現金自動取引装置は、受渡搬送部201に対する機構内搬送部200の位置ずれに関わらずに紙幣受渡搬送路を機構内紙幣搬送路に的確に接続するには未だ不十分であるという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、搬送路を接続対象搬送路と位置ずれの有無に関わらずに的確に接続し得る紙葉類搬送装置及び紙葉類取扱装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、間に搬送路形成、一端部が、所定の間隔で平行にされて間に接続対象搬送路形成する一対の接続側搬送ガイドの端部と嵌合可能な形状に形成された一対の搬送ガイドと、一対の搬送ガイドをそれぞれ一対の接続側搬送ガイドの位置に応じて回動可能に支持する支持部と、一対の搬送ガイドを、一対の接続側搬送ガイドの間隔で平行にして回動するように連結する連結部とを設けた
従って本発明では、一対の接続側搬送ガイドの位置に応じて一対の搬送ガイドを回転させて、搬送路に対する接続対象搬送路の位置ずれにより、一対の搬送ガイドを一対の接続側搬送ガイドに対して傾けた姿勢で当該一対の搬送ガイドの一端部を一対の接続側搬送ガイドの端部と嵌合させても、連結部により一対の搬送ガイドを連結して平行リンクを形成していることで、搬送路と接続対象搬送路とを搬送路縦幅を変化させずに接続して接続部分内に段差や凹みが形成されることを確実に防止することができる。
本発明によれば、間に搬送路形成、一端部が、所定の間隔で平行にされて間に接続対象搬送路形成する一対の接続側搬送ガイドの端部と嵌合可能な形状に形成された一対の搬送ガイドと、一対の搬送ガイドをそれぞれ一対の接続側搬送ガイドの位置に応じて回動可能に支持する支持部と、一対の搬送ガイドを、一対の接続側搬送ガイドの間隔で平行にして回動するように連結する連結部とを設けたことにより、一対の接続側搬送ガイドの位置に応じて一対の搬送ガイドを回転させて、搬送路に対する接続対象搬送路の位置ずれにより、一対の搬送ガイドを一対の接続側搬送ガイドに対して傾けた姿勢で当該一対の搬送ガイドの一端部を一対の接続側搬送ガイドの端部と嵌合させても、連結部により一対の搬送ガイドを連結して平行リンクを形成していることで、搬送路と接続対象搬送路とを搬送路縦幅を変化させずに接続して接続部分内に段差や凹みが形成されることを確実に防止することができ、かくして搬送路を接続対象搬送路と位置ずれの有無に関わらずに的確に接続し得る紙葉類搬送装置及び紙葉類取扱装置を実現することができる。
本発明による現金自動預払機の外観構成の一実施の形態を示す略線的斜視図である。 現金自動預払機の内部構成を示す略線的側面図である。 連結部の構成を示す略線的斜視図である。 連結部による上部ユニット及び収納庫装填ケースの支持の説明に供する略線的正面図である。 預払機筐体に対する上部ユニットの引出及び収納の説明に供する略線的側面図である。 金庫筐体に対する収納庫装填ケースの引出及び収納の説明に供する略線的側面図である。 双方向受渡搬送部の構成(1)を示す略線的斜視図である。 双方向受渡搬送部の構成(2)を示す略線的斜視図である。 双方向受渡搬送部の搬送ガイドの構成を示す略線的斜視図である。 前側可動ガイド及び後側可動ガイドの回動の説明に供する略線図である。 左側昇降制御レバー及び右側昇降制御レバーの回転に連動した左側位置決めピン及び右側位置決めピンの収納の説明に供する略線的側面図である。 左側昇降制御レバー及び右側昇降制御レバーの回転に連動した左側位置決めピン及び右側位置決めピンの突き出しの説明に供する略線的側面図である。 双方向受渡搬送部の構成(3)を示す略線的斜視図である。 双方向紙幣搬送路と紙幣振分搬送路及び収納紙幣搬送路との接続(1)の説明に供する略線的側面図である。 双方向紙幣搬送路と紙幣振分搬送路及び収納紙幣搬送路との接続(2)の説明に供する略線的側面図である。 双方向紙幣搬送路と紙幣振分搬送路及び収納紙幣搬送路との接続(3)の説明に供する略線的側面図である。 双方向受渡搬送部に対する紙幣収納庫の位置決めの説明に供する略線的側面図である。 双方向受渡搬送部に対する紙幣収納庫の位置決めの解除の説明に供する略線的側面図である。 紙幣収納庫の構成を示す略線的斜視図である。 他の実施の形態による一対の搬送ガイドの構成を示す略線的側面図である。 従来の機構内搬送部及び受渡搬送部の構成を示す略線的断面図である。 機構内紙幣搬送路と紙幣受渡搬送路との接続(1)の説明に供する略線的断面図である。 機構内紙幣搬送路と紙幣受渡搬送路との接続(2)の説明に供する略線的断面図である。 機構内紙幣搬送路と紙幣受渡搬送路との接続(3)の説明に供する略線的断面図である。
以下図面を用いて、発明を実施するための最良の形態(以下、これを実施の形態とも呼ぶ)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
(1)実施の形態
(2)他の実施の形態
(1)実施の形態
(1−1)現金自動預払機の外観構成
図1において、1は全体として本発明を適用した現金自動預払機の外観構成を示す。かかる現金自動預払機1は、略箱型の筐体(以下、これを預払機筐体とも呼ぶ)2を有している。
因みに、以下の説明では、現金自動預払機1を、預払機筐体2の前面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印a1で示す左の方向を、預払機左方向とも呼び、当該預払機左方向とは逆の方向を、預払機右方向とも呼ぶ。
そして、以下の説明では、預払機左方向及び預払機右方向を特に区別する必要がない場合、これらをまとめて預払機左右方向とも呼ぶ。
また、以下の説明では、現金自動預払機1を、預払機筐体2の前面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印b1で示す上の方向を、預払機上方向とも呼び、当該預払機上方向とは逆の方向を、預払機下方向とも呼ぶ。
そして、以下の説明では、預払機上方向及び預払機下方向を特に区別する必要がない場合、これらをまとめて預払機上下方向とも呼ぶ。
さらに、以下の説明では、現金自動預払機1を、預払機筐体2の前面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印c1で示す手前の方向を、預払機前方向とも呼び、当該預払機前方向とは逆の方向を、預払機後方向とも呼ぶ。
そして、以下の説明では、預払機前方向及び預払機後方向を特に区別する必要がない場合、これらをまとめて預払機前後方向とも呼ぶ。
預払機筐体2の前上端部には、前面2Aよりも後面2B側に凹むように略L字状に形成されたフロントパネル3が設けられている。
フロントパネル3において預払機上方向に向くほぼ水平な上向パネル3Aには、例えば、左寄りに、種々の操作画像の表示及び表面へのタッチ操作が可能なタッチスクリーン4が設けられている。
またフロントパネル3の上向パネル3Aには、例えば、右寄りに、長方形の紙幣を投入し、また取り出すための紙幣投入取出部5が設けられている。
一方、フロントパネル3において預払機前方向に向くほぼ垂直な前向パネル3Bには、例えば、左寄りに、取引の際に通帳を挿入し、また当該通帳や取引明細書を排出するための通帳挿入排出口7が設けられている。
またフロントパネル3において前向パネル3Bには、例えば、右寄りに、取引の際にキャッシュカードやクレジットカード等の種々のカードを挿入及び排出するためのカード挿入排出口8が設けられている。
現金自動預払機1は、係る構成のもと、タッチスクリーン4に操作画像を表示すると共に、顧客によるタッチスクリーン4の表面へのタッチ操作に応じて操作画像を適宜切り換えて表示する。
これにより現金自動預払機1は、顧客に操作画像を介して、紙幣の預け入れのような入金や払い出しのような出金等の所望の取引の手順を案内する。
よって現金自動預払機1は、顧客に、その案内に従って通帳挿入排出口7やカード挿入排出口8に通帳やカードを挿入させ、また紙幣投入取出部5に入金用の紙幣を投入させる。
また現金自動預払機1は、顧客に、その案内に従って通帳挿入排出口7やカード挿入排出口8から排出した通帳や取引明細書、カードを受け取らせ、紙幣投入取出部5から出金用の紙幣を取り出させる。このようにして現金自動預払機1は、顧客が所望する紙幣の入金や出金等の取引を行うことができる。
(1−2)現金自動預払機の内部構成
次いで、現金自動預払機1の内部構成について説明する。図2に示すように、現金自動預払機1の預払機筐体2内には、当該現金自動預払機1全体を統括制御する制御部10が収納されると共に、当該制御部10の制御のもと、紙幣の入金処理及び出金処理等を行う紙幣処理ユニット11が収納されている。
紙幣処理ユニット11は、下部ユニット12及び上部ユニット13を有し、当該下部ユニット12に上部ユニット13が載上されている。
下部ユニット12は、比較的厚い複数の金属板を組み合わせるようにして略箱型に形成された金庫筐体15を有し、当該金庫筐体15が預払機筐体2内に固設されている。
また金庫筐体15内には、上端部が開放された略箱型の収納庫装填ケース16が収納されている。収納庫装填ケース16は、例えば、底面に図示しない複数の仕切板が前から後にかけて所定の間隔で順に植設され、これら複数の仕切板により底面が前から後にかけて順に複数の収納庫装填位置に区切られている。
そして収納庫装填ケース16は、最も前の1箇所の収納庫装填位置に、破損している紙幣や折れ曲がっている紙幣等のような異常な紙幣を収納するための1個の紙幣収納庫17が着脱可能に装填されている。
また収納庫装填ケース16は、最も前の1箇所の収納庫装填位置を除く他の複数箇所の収納庫装填位置に、それぞれ入金用及び出金用の紙幣を金種別に収納する(すなわち、それぞれ特定の1金種の紙幣のみを収納する)ための複数(例えば、5個)の紙幣収納庫20乃至24が着脱可能に装填されている。
因みに、以下の説明では、上述の破損している紙幣や折れ曲がっている紙幣等のような異常な紙幣を、適宜、入金用及び出金用の紙幣とは区別してリジェクト紙幣とも呼ぶ。
また、以下の説明では、リジェクト紙幣を収納するための1個の紙幣収納庫17を、入金用及び出金用の紙幣を金種別に収納する紙幣収納庫20乃至24とは区別して特にリジェクト庫17とも呼ぶ。
リジェクト庫17は、上端部内に、搬送ガイドやローラ等の複数種類の搬送路形成部品を有する紙幣搬送部(以下、これをリジェクト庫搬送部とも呼ぶ)17Aが一体に設けられている。
そしてリジェクト庫搬送部17Aは、複数種類の搬送路形成部品により、リジェクト庫17内にリジェクト紙幣を取り込むように搬送するための搬送路(以下、これをリジェクト紙幣搬送路とも呼ぶ)17AXを形成している。
また複数の紙幣収納庫20乃至24には、それぞれ上端部内に、搬送ガイドやローラ、ローラ駆動モータ等の複数種類の搬送路形成部品を有する紙幣搬送部(以下、これを収納庫搬送部とも呼ぶ)20A乃至24Aが一体に設けられている。
そして収納庫搬送部20A乃至24Aは、複数種類の搬送路形成部品により、紙幣収納庫20乃至24内に紙幣を取り込み、また紙幣収納庫20乃至24内から紙幣を繰り出すように搬送するための搬送路(以下、これを収納紙幣搬送路とも呼ぶ)20AX乃至24AXを形成している。
上部ユニット13は、上部筐体27と、紙幣搬送部28とを有し、当該上部筐体27の下面に紙幣搬送部28が取り付けられている。
上部筐体27内には、上向パネル3Aに対向させて上述の紙幣投入取出部5が配置され、当該紙幣投入取出部5の後斜下に鑑別部30が配置されると共に、紙幣投入取出部5及び鑑別部30の後側に一時保留部31が配置されている。
また上部筐体27内には、前側の紙幣投入取出部5及び鑑別部30の間に、搬送ガイドやローラ、ローラ駆動モータ等の複数種類の搬送路形成部品を有する紙幣搬送部(以下、これを前側搬送部とも呼ぶ)32が配置されている。
前側搬送部32は、複数種類の搬送路形成部品により、紙幣を、搬送先を適宜切り換えて搬送するための搬送路(以下、これを前側紙幣搬送路とも呼ぶ)32Aを形成して、当該前側紙幣搬送路32Aが紙幣投入取出部5及び鑑別部30に接続されている。
さらに上部筐体27内には、後側の紙幣投入取出部5、鑑別部30及び一時保留部31の間にも、搬送ガイドやローラ、ローラ駆動モータ等の複数種類の搬送路形成部品を有する紙幣搬送部(以下、これを後側搬送部とも呼ぶ)33が配置されている。
後側搬送部33は、複数種類の搬送路形成部品により、紙幣を、搬送先を適宜切り換えて搬送するための複数の分岐を有する搬送路(以下、これを後側紙幣搬送路とも呼ぶ)33Aを形成して、当該後側紙幣搬送路33Aが紙幣投入取出部5、鑑別部30及び一時保留部31に接続されている。
さらに上部筐体27の下面に取り付けられた紙幣搬送部28は、搬送ガイドやローラ、ローラ駆動モータ等の複数種類の搬送路形成部品を有している。
紙幣搬送部28は、複数種類の搬送路形成部品により、リジェクト紙幣や正常な紙幣を、搬送先を適宜切り換えてリジェクト庫17や複数の紙幣収納庫20乃至24へ振り分けるように搬送するための搬送路(以下、これを紙幣振分搬送路とも呼ぶ)28Aを形成している。
そして紙幣振分搬送路28Aは、2箇所の上端部が前側紙幣搬送路32Aの下端部及び後側紙幣搬送路33Aの下端部に接続されている。
因みに、以下の説明では、上部筐体27の下面に設けられ、紙幣振分搬送路28Aを形成する紙幣搬送部28を、振分搬送部28とも呼ぶ。
これに加え下部ユニット12において金庫筐体15の天板(以下、これを金庫天板とも呼ぶ)15Aには、振分搬送部28と、リジェクト庫搬送部17A及び複数の収納庫搬送部20A乃至24Aとを連結するための連結部35が設けられている。
図3に示すように、連結部35は、例えば、略長方形状の1枚の金属板を加工して、金庫天板15Aの大きさとほほ同じ大きさに形成された連結筐体36を有している。
連結筐体36は、中央部分に前後に長い略長方形の平板状の取付部36Aが設けられている。また連結筐体36は、取付部36Aの左端及び右端に、前後に長い略コ字状のユニット左支持部36B及びユニット右支持部36Cが、当該取付部36Aの上側へ突出するように垂設されている。
この場合、連結筐体36のユニット左支持部36Bは、預払機前後方向と平行な中央部に対し前端部及び後端部が預払機左方向へ直角に屈曲されている。
そして連結筐体36は、ユニット左支持部36Bの前後の屈曲部分の下側にそれぞれ当該屈曲部分を伸ばしたようなアングル状の所定長さのケース左前支持部36BX及びケース左後支持部(図示せず)が下側へ突出するように設けられている。
また連結筐体36のユニット右支持部36Cは、預払機前後方向と平行な中央部に対し前端部及び後端部が預払機右方向へ直角に屈曲されている。
そして連結筐体36は、ユニット右支持部36Cの前後の屈曲部分の下側にそれぞれ当該屈曲部分を伸ばしたようなアングル状の所定長さのケース右前支持部36CX及びケース右後支持部36CYが下側へ突出するように設けられている。
ところで、金庫筐体15の金庫天板15Aには、リジェクト庫17のリジェクト庫搬送部17Aに対応させて、左右に長い略長方形状の連結孔部(以下、これをリジェクト庫用連結孔部とも呼ぶ)が穿設されている。
また金庫筐体15の金庫天板15Aには、複数の紙幣収納庫20乃至24の収納庫搬送部20A乃至24Aに対応させて、左右に長い略長方形状の複数の連結孔部(以下、これらをそれぞれ収納庫用連結孔部とも呼ぶ)が穿設されている。
さらに金庫筐体15の金庫天板15Aには、左前端部及び左後端部に左前挿入孔部及び左後挿入孔部が穿設されると共に、右前端部及び右後端部に右前挿入孔部及び右後挿入孔部が穿設されている。
そして連結筐体36は、取付部36Aに、金庫天板15Aのリジェクト庫用連結孔部に対応する、左右に長い長方形状の取付孔部(以下、これをリジェクト庫用取付孔部とも呼ぶ)が穿設されている。
また連結筐体36は、取付部36Aに、金庫天板15Aの最も後の1個の収納庫用連結孔部を除く他の複数の収納庫用連結孔部に対応する、左右に長い長方形状の複数の取付孔部(以下、これらをそれぞれ収納庫用取付孔部とも呼ぶ)も穿設されている。
さらに連結筐体36は、取付部36Aに、金庫天板15Aの最も後の1個の収納庫用連結孔部に対応する1個の取付切欠部(以下、これを収納庫用取付切欠部とも呼ぶ)が形成されている。
これにより連結筐体36は、金庫筐体15の金庫天板15Aに対し、ケース左前支持部36BX及びケース左後支持部並びにケース右前支持部36CX及びケース右後支持部36CYを左前挿入孔部及び左後挿入孔部並びに右前挿入孔部及び右後挿入孔部に挿入して取付部36Aの下面を当該金庫天板15Aに当接させるようにして取り付けられている。
このようにして連結部35は、連結筐体36のリジェクト庫用取付孔部及び複数の収納庫用取付孔部並びに収納庫用取付切欠部を、金庫天板15Aのリジェクト庫用連結孔部及び複数の収納庫用連結孔部に対向させている。
また連結部35は、連結筐体36のケース左前支持部36BX及びケース左後支持部並びにケース右前支持部36CX及びケース右後支持部36CYの先端部を金庫筐体15に差し入れている。
さらに連結部35は、それぞれ搬送ガイドやローラ等の複数種類の搬送路形成部品を有する複数の紙幣搬送部39乃至44を有している。
そして連結部35は、連結筐体36に対し複数の紙幣搬送部39乃至44が、対応するリジェクト庫用取付孔部及び複数の収納庫用取付孔部並びに収納庫用取付切欠部を介して金庫天板15Aのリジェクト庫用連結孔部及び複数の収納庫用連結孔部に1個ずつ挿入するようにして取り付けられている。
ここで、金庫天板15Aのリジェクト庫用連結孔部に挿入された紙幣搬送部39は、複数種類の搬送路形成部品により、リジェクト紙幣を紙幣振分搬送路28Aからリジェクト紙幣搬送路17AXへ受け渡すように一方向に搬送するための搬送路(以下、これを一方向紙幣搬送路とも呼ぶ)39A(図2)を形成している。
そして一方向紙幣搬送路39Aは、上端部が紙幣振分搬送路28Aの複数箇所の下端部のうち対応する最も前の1箇所の下端部に接続される。また一方向紙幣搬送路39Aは、下端部がリジェクト紙幣搬送路17AXの上端部に接続される。
因みに、以下の説明では、連結部35に設けられ、一方向紙幣搬送路39Aを形成する紙幣搬送部39を、一方向受渡搬送部39とも呼ぶ。
また金庫天板15Aの複数の収納庫用連結孔部に挿入された複数の紙幣搬送部40乃至44は、それぞれ複数種類の搬送路形成部品により、紙幣を紙幣振分搬送路28Aから対応する収納紙幣搬送路20AX乃至24AXへ受け渡し、また対応する収納紙幣搬送路20AX乃至24AXから紙幣振分搬送路28Aへ受け渡すように双方向に搬送するための搬送路(以下、これを双方向紙幣搬送路とも呼ぶ)40A乃至44A(図2)を形成している。
そして複数の双方向紙幣搬送路40A乃至44Aは、それぞれ上端部が紙幣振分搬送路28Aの対応する下端部に接続される。
また複数の双方向紙幣搬送路40A乃至44Aは、それぞれ下端部が対応する収納紙幣搬送路20AX乃至24AXの上端部に接続される。
因みに、以下の説明では、連結部35に設けられ、双方向紙幣搬送路40A乃至44Aを形成する複数の紙幣搬送部40乃至44を、それぞれ双方向受渡搬送部40乃至44とも呼ぶ。
ところで、紙幣処理ユニット11では、前側紙幣搬送路32A、後側紙幣搬送路33A及び紙幣振分搬送路28Aを介して長方形の紙幣を例えば、一方の短辺を左側に位置させ、かつ他方の短辺を右側に位置させて(すなわち、紙幣の長手方向を預払機左右方向とほぼ平行にして)一方の長辺を搬送方向に向けた搬送姿勢で搬送する。
なお、以下の説明では、紙幣の長手方向を、紙幣長手方向とも呼び、当該紙幣の短手方向を、紙幣短手方向とも呼ぶ。
また紙幣処理ユニット11では、一方向紙幣搬送路39A、双方向紙幣搬送路40A乃至44A、リジェクト紙幣搬送路17AX及び複数の収納紙幣搬送路20AX乃至24AXも長方形の紙幣を同様に一方の長辺を搬送方向に向けた搬送姿勢で搬送する。
よって紙幣処理ユニット11では、紙幣投入取出部5、鑑別部30、一時保留部31、リジェクト庫17、複数の紙幣収納庫20乃至24において紙幣を、その搬送姿勢に応じて一方の短辺を左側に位置させ、かつ他方の短辺を右側に位置させた(すなわち、紙幣長手方向を預払機左右方向とほぼ平行にした)姿勢で取り扱っている。
実際に制御部10は、紙幣の入金処理時、顧客により紙幣投入取出部5に入金用の1又は複数の紙幣が投入されると、当該紙幣投入取出部5から1又は複数の紙幣を、1枚ずつ繰り出し前側紙幣搬送路32Aを介して鑑別部30へ搬送して、当該鑑別部30において、その紙幣の金種や状態等を鑑別させる。
その結果、制御部10は、鑑別部30から正常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、後側紙幣搬送路33Aを介して一時保留部31へ搬送して一時的に保持させることにより、当該紙幣の入金を保留する。
また制御部10は、鑑別部30から破損や折れ等により異常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、リジェクト紙幣として後側紙幣搬送路33Aを介して紙幣投入取出部5へ搬送することにより、顧客に当該紙幣投入取出部5から取り出させるようにして返却する。
このようにして制御部10は、鑑別部30において、紙幣投入取出部5内に投入された入金用の紙幣が全て鑑別されると、正常であると鑑別された紙幣の総額(すなわち、入金の金額)を、タッチスクリーン4を介して顧客に提示する。
その結果、制御部10は、入金の金額を確認した顧客によりタッチスクリーン4を介して紙幣の入金が指示されると、一時保留部31から一時的に保持していた紙幣を、1枚ずつ繰り出し後側紙幣搬送路33Aを介して鑑別部30へ搬送して、当該鑑別部30において再び、その紙幣の金種や状態等を鑑別させる。
そして制御部10は、鑑別部30から正常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、前側紙幣搬送路32A、紙幣振分搬送路28A及び双方向紙幣搬送路40A乃至44Aを順次介して当該紙幣の金種に応じた紙幣収納庫20乃至24へ搬送する。
これにより制御部10は、紙幣収納庫20乃至24において紙幣を、収納紙幣搬送路20AX乃至24AXを介して内部に収納させる。
ただし、制御部10は、この際、鑑別部30から異常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、リジェクト紙幣として前側紙幣搬送路32A、紙幣振分搬送路28A及び一方向紙幣搬送路39Aを順次介してリジェクト庫17へ搬送する。
これにより制御部10は、リジェクト庫17においてリジェクト紙幣を、リジェクト紙幣搬送路17AXを介して内部に収納させる。
このようにして制御部10は、紙幣処理ユニット11において紙幣の入金処理を実行して、顧客の所望する取引としての紙幣の入金を行うことができる。
一方、制御部10は、紙幣の出金処理時、例えば、顧客によりタッチスクリーン4を介して出金の金額が指定されると、紙幣収納庫20乃至24の内部から収納紙幣搬送路20AX乃至24AXを介して、当該顧客により指定された金額分の紙幣を1枚ずつ繰り出す。
また制御部10は、紙幣収納庫20乃至24から1枚ずつ繰り出した紙幣を、双方向紙幣搬送路40A乃至44A、紙幣振分搬送路28A及び前側紙幣搬送路32Aを順次介して鑑別部30へ搬送して、当該鑑別部30において紙幣の金種や状態等を鑑別させる。
その結果、制御部10は、鑑別部30から正常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、後側紙幣搬送路33Aを介して紙幣投入取出部5へ搬送する。
ただし、制御部10は、この際、鑑別部30から異常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、リジェクト紙幣として後側紙幣搬送路33A、紙幣振分搬送路28A及び一方向紙幣搬送路39Aを順次介してリジェクト庫17へ搬送する。
これにより制御部10は、リジェクト庫17においてリジェクト紙幣を、リジェクト紙幣搬送路17AXを介して内部に収納させて、その後の出金処理には用いないようにする。
そして制御部10は、紙幣投入取出部5に、出金用に指定された金額分の紙幣を搬送し終えると、顧客に当該紙幣投入取出部5から、その出金用に指定された金額分の紙幣を取り出させるようにして引き渡す。
このようにして制御部10は、紙幣処理ユニット11において紙幣の出金処理を実行して、顧客の所望する取引としての紙幣の出金を行うことができる。
ところで、預払機筐体2は、前下端部(すなわち、フロントパネル3の下側)に例えば、左前端部に設けられた図示しないヒンジ部を介して、四角形状の扉(以下、これを預払機扉とも呼ぶ)2AXが開閉可能に(すなわち、この場合は左開で)設けられている。
また金庫筐体15は、前端部に例えば、左前端部に設けられた図示しないヒンジ部を介して、四角形状の比較的厚い金属板でなる扉(以下、これを金庫扉とも呼ぶ)15Bが開閉可能に(すなわち、この場合は左開で)設けられている。
すなわち、金庫筐体15は、当該金庫筐体15を形成する複数の金属板のうち前板となる金属板が金庫扉15Bとして開閉可能に設けられている。
さらに図に示すように、上部ユニット13は、ユニット載置部50を有している。ユニット載置部50は、前後に長い長方形状の底板50Aの左端及び右端に、それぞれ前後に長い短冊状の左側板50B及び右側板50Cが垂設されている。
またユニット載置部50は、左側板50Bの上端に、前後に長い短冊状の左レール配置板50BXが預払機左方向に張り出すように設けられると共に、右側板50Cの上端に、前後に長い短冊状の右レール配置板50CXが預払機右方向に張り出すように設けられている。
そして上部ユニット13は、ユニット載置部50の底板50Aに振分搬送部28が載置されると共に、当該振分搬送部28に上部筐体27が載置されている。
またユニット載置部50は、左レール配置板50BXの下面に左上スライドレール51が、その長手方向を預払機前後方向と平行にして配置されると共に、右レール配置板50CXの下面に右上スライドレール52が、その長手方向を預払機前後方向と平行にして配置されている。
さらに連結部35の連結筐体36は、ユニット左支持部36Bの中央部の上端寄りに左上レールガイド53が、その長手方向を預払機前後方向と平行にして配置されると共に、ユニット右支持部36Cの中央部の上端寄りに右上レールガイド54が、その長手方向を預払機前後方向と平行にして配置されている。
そしてユニット載置部50は、左上スライドレール51及び右上スライドレール52が、連結筐体36の左上レールガイド53及び右上レールガイド54に係合されている。
これにより連結部35は、上部ユニット13を、左上レールガイド53及び右上レールガイド54並びに左上スライドレール51及び右上スライドレール52を介して前後にスライド可能に支持している。
一方、収納庫装填ケース16は、例えば、左側板16Aが,右側板16B、後板16C及び前板(図示せず)の高さよりも低く形成されている。
また収納庫装填ケース16は、例えば、右側板16B、後板16C及び前板が等しい高さを有するものの、リジェクト庫17や複数の紙幣収納庫20乃至24の高さよりも僅かに低く形成されている。
さらに収納庫装填ケース16は、左側板16Aの上端に、前後に長い短冊状の左レール配置板16AXが預払機左方向に張り出すように設けられると共に、右側板16Bの上端に、前後に長い短冊状の右レール配置板16BXが預払機右方向に張り出すように設けられている。
そして収納庫装填ケース16は、左レール配置板16AXの下面に左下スライドレール55が、その長手方向を預払機前後方向と平行にして配置されると共に、右レール配置板16BXの下面に右下スライドレール56が、その長手方向を預払機前後方向と平行にして配置されている。
また連結部35の連結筐体36は、ケース左前支持部36BX及びケース左後支持部の右面に前後に長いガイド支持板57が取り付けられている。
さらに連結部35の連結筐体36は、ガイド支持板57の右面の所定位置に左下レールガイド58が、その長手方向を預払機前後方向と平行にして配置されている。
さらにまた連結部35の連結筐体36は、ケース右前支持部36CX及びケース右後支持部36CYの左側を向いた面に右下レールガイド59が、その長手方向を預払機前後方向と平行にして配置されている。
そして収納庫装填ケース16は、左下スライドレール55及び右下スライドレール56が、連結筐体36の左下レールガイド58及び右下レールガイド59に係合されている。
これにより連結部35は、収納庫装填ケース16を、左下レールガイド58及び右下レールガイド59並びに左下スライドレール55及び右下スライドレール56を介して前後にスライド可能に支持している。
よって図5に示すように、預払機筐体2は、作業者に預払機扉2AXを開かせて預払機筐体2内から上部ユニット13を前側に引き出させ、また上部ユニット13を預払機筐体2内に押し込むようにして収納させることができる。
これにより預払機筐体2は、当該預払機筐体2の外部(前側)で上部ユニット13(すなわち、上部筐体27内の各部や振分搬送部28)をメンテナンスさせることができる。
また図6に示すように、預払機筐体2は、作業者に預払機扉2AXを開かせ、さらに金庫扉15Bを開かせて金庫筐体15内から収納庫装填ケース16を前側に引き出させ、また収納庫装填ケース16を金庫筐体15内に押し込むようにして収納させることができる。
これにより預払機筐体2は、金庫筐体15の外部(預払機筐体2の前側)で収納庫装填ケース16からリジェクト庫17を引き抜かせてリジェクト紙幣を回収させ、また収納庫装填ケース16に空のリジェクト庫17を装填させることができる。
また預払機筐体2は、金庫筐体15の外部(預払機筐体2の前側)で収納庫装填ケース16から、収納している紙幣が規定枚数以下に減った又は空となった複数の紙幣収納庫20乃至24を引き抜かせ、また収納庫装填ケース16に、複数の紙幣を補充した複数の紙幣収納庫20乃至24を装填させることができる。
ここで連結部35は、一方向受渡搬送部39及び複数の双方向受渡搬送部40乃至44において振分搬送部28との搬送路接続部分を金庫天板15Aの上側に突出させている。
またユニット載置部50の底板50Aには、振分搬送部28において一方向受渡搬送部39及び複数の双方向受渡搬送部40乃至44との複数の搬送路接続部分に対応する孔部が穿設されており、その孔部から当該振分搬送部28の複数の搬送路接続部分を下側に突出させている。
よって連結部35は、預払機筐体2内に上部ユニット13が収納されている状態では、一方向受渡搬送部39及び複数の双方向受渡搬送部40乃至44の上に振分搬送部28の対応する搬送路接続部分を位置させる。
これにより連結部35は、一方向紙幣搬送路39Aの上端部及び複数の双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの上端部をそれぞれ紙幣振分搬送路28Aの対応する下端部に接続することができる。
そして上部ユニット13は、預払機筐体2内から引き出された場合、一方向受渡搬送部39及び複数の双方向受渡搬送部40乃至44の上から振分搬送部28が前側に移動することで、一方向紙幣搬送路39Aの上端部及び複数の双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの上端部から紙幣振分搬送路28Aの対応する下端部を全て切り離す。
また連結部35は、預払機筐体2内に上部ユニット13が収納されると、再び一方向受渡搬送部39及び複数の双方向受渡搬送部40乃至44の上に振分搬送部28の対応する搬送路接続部分を位置させる。
これにより連結部35は、一方向紙幣搬送路39Aの上端部及び複数の双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの上端部をそれぞれ紙幣振分搬送路28Aの対応する下端部に再び接続することができる。
一方、連結部35は、一方向受渡搬送部39及び複数の双方向受渡搬送部40乃至44においてリジェクト庫搬送部17A及び複数の収納庫搬送部20A乃至24Aとの搬送路接続部分を金庫天板15Aの下側(すなわち、金庫筐体15内)に突出させている。
また収納庫装填ケース16は、装填されたリジェクト庫17の上端部と共に、リジェクト庫搬送部17Aにおいて一方向受渡搬送部39との搬送路接続部分を右側板16B、後板16C及び前板の上端よりも上側に突出させている。
さらに収納庫装填ケース16は、装填された複数の紙幣収納庫20乃至24の上端部と共に、複数の収納庫搬送部20A乃至24Aにおいて複数の双方向受渡搬送部40乃至44との搬送路接続部分を右側板16B、後板16C及び前板の上端よりも上側に突出させている。
よって連結部35は、金庫筐体15内に収納庫装填ケース16が収納されている状態では、一方向受渡搬送部39及び複数の双方向受渡搬送部40乃至44の下に対応するリジェクト庫搬送部17Aの搬送路接続部分及び複数の収納庫搬送部20A乃至24Aの搬送路接続部分を位置させる。
これにより連結部35は、一方向紙幣搬送路39Aの下端部及び複数の双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの下端部を対応するリジェクト紙幣搬送路17AXの上端部及び複数の収納紙幣搬送路20AX乃至24AXの上端部に接続することができる。
また収納庫装填ケース16は、上述のように右側板16B及び後板16Cの高さがリジェクト庫17及び複数の紙幣収納庫20乃至24の高さよりも低く選定されている。
このため収納庫装填ケース16は、金庫筐体15内から右側板16B及び後板16Cを連結部35に何ら引っ掛けることなく引き出させることができる。
そして収納庫装填ケース16は、金庫筐体15内から引き出されると、一方向受渡搬送部39及び複数の双方向受渡搬送部40乃至44の下からリジェクト庫17及び複数の紙幣収納庫20乃至24が前側に移動することで、一方向紙幣搬送路39Aの下端部及び複数の双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの下端部から対応するリジェクト紙幣搬送路17AXの上端部及び複数の収納紙幣搬送路20AX乃至24AXの上端部を全て切り離す。
また連結部35は、金庫筐体15内に収納庫装填ケース16が収納されると、再び一方向受渡搬送部39及び複数の双方向受渡搬送部40乃至44の下に対応するリジェクト庫搬送部17Aの搬送路接続部分及び複数の収納庫搬送部20A乃至24Aの搬送路接続部分を位置させる。
これにより連結部35は、一方向紙幣搬送路39Aの下端部及び複数の双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの下端部を対応するリジェクト紙幣搬送路17AXの上端部及び複数の収納紙幣搬送路20AX乃至24AXの上端部に再び接続することができる。
ところで、現金自動預払機1は、工場で、紙幣振分搬送路28Aの複数の下端部から対応する一方向紙幣搬送路39A及び複数の双方向紙幣搬送路40A乃至44Aを介してリジェクト紙幣搬送路17AXの上端部及び複数の収納紙幣搬送路20AX乃至24AXの上端部までを、それぞれ預払機下方向に沿って直線的に接続するように、上部ユニット13や複数の双方向受渡搬送部40乃至44、一方向受渡搬送部39、収納庫装填ケース16が位置決めされて組み立てられている。
また現金自動預払機1は、このようにして工場で組み立てられた後、国内や海外の銀行の店舗等に設置されて使用される。
そして現金自動預払機1では、設置場所での使用中に上部ユニット13や収納庫装填ケース16が故障すると、その設置場所で例えば、現地の作業者により、故障した上部ユニット13や収納庫装填ケース16が新たなものに交換される。
また現金自動預払機1では、このように上部ユニット13や収納庫装填ケース16が故障したものから新たなものへと交換された際、交換後の上部ユニット13や収納庫装填ケース16の位置が改めて調整される。
ここで、現金自動預払機1では、上述のように上部ユニット13及び収納庫装填ケース16が共に、金庫筐体15の金庫天板15Aに固定された連結筐体36に支持されている。
また現金自動預払機1では、上部ユニット13及び収納庫装填ケース16と、連結筐体36との間に介在するレールガイドやスライドレール(すなわち、左上レールガイド53や左上スライドレール51等)が高精度に形成されている。
このため現金自動預払機1では、設置場所で上部ユニット13や収納庫装填ケース16が交換された場合、現地の作業者に、当該上部ユニット13や収納庫装填ケース16の預払機左右方向及び預払機上下方向に対する位置については容易に精度良く調整させることができる。
しかしながら現金自動預払機1では、上部ユニット13及び収納庫装填ケース16の預払機前後方向に対する位置については、一方向受渡搬送部39及び複数の双方向受渡搬送部40乃至44のそれぞれについて満足するように調整する必要があり、調整作業が煩雑になる。
このため現金自動預払機1では、設置場所で上部ユニット13や収納庫装填ケース16が交換された場合、現地の作業者により、当該上部ユニット13及び収納庫装填ケース16の預払機前後方向に対する位置が、組立時ほどには高精度に調整されない可能性がある。
すなわち、現金自動預払機1では、設置場所で現地の作業者により、交換後の上部ユニット13や収納庫装填ケース16の預払機前後方向に対する位置が調整されても、調整後の位置が組立時の位置から預払機前後方向へ僅かにずれている可能性がある。
また現金自動預払機1では、銀行の店舗等で例えば、僅かに傾いている床に設置されると、上部ユニット13や収納庫装填ケース16の位置が組立時の位置から預払機前後方向へずれる場合がある。
このような場合も現金自動預払機1では、設置場所で例えば、現地の作業者により上部ユニット13や収納庫装填ケース16の預払機前後方向に対する位置が改めて調整される。
しかしながら現金自動預払機1では、この際も上述の故障による交換時と同様に、上部ユニット13や収納庫装填ケース16の調整後の位置が組立時の位置から預払機前後方向へ僅かにずれている可能性がある。
このため現金自動預払機1では、上部ユニット13や収納庫装填ケース16の位置が組立時の位置から預払機前後方向へ僅かにずれていても、連結部35の一方向受渡搬送部39及び複数の双方向受渡搬送部40乃至44が、一方向紙幣搬送路39A及び複数の双方向紙幣搬送路40A乃至44Aを紙幣振分搬送路28Aの対応する下端部やリジェクト紙幣搬送路17AXの上端部及び複数の収納紙幣搬送路20AX乃至24AXの上端部に接続可能なように形成されている。
(1−3)連結部の構成
次いで、連結部35の構成について説明する。連結部35は、図3及び図4について上述したように連結筐体36に一方向受渡搬送部39及び複数の双方向受渡搬送部40乃至44が預払機後方向に沿って順に取り付けられている。
この場合、複数の双方向受渡搬送部40乃至44は、基本的には同様に構成されている。ただし複数の双方向受渡搬送部40乃至44のうち最も前に位置する1個の双方向受渡搬送部40及び最も後に位置する1個の双方向受渡搬送部44は、他の複数の双方向受渡搬送部41乃至43に比して一部の部品を除いて構成されている。
このため複数の双方向受渡搬送部40乃至44の構成としては、例えば、前から2番目に位置する1個の双方向受渡搬送部41の構成について具体的に説明する。
また他の複数の双方向受渡搬送部40、42乃至44の構成については、前から2番目に位置する1個の双方向受渡搬送部41とは異なる部分のみを説明する。
図7乃至図9に示すように、前から2番目に位置する双方向受渡搬送部41には、例えば、ほぼ同一形状の略L字状の一対の金属板を組み合わせて左右に長い長方形状の枠部60Aを有するように形成された搬送部筐体60が設けられている。
搬送部筐体60は、前板60B及び後板60Cの長さが紙幣の長辺の長さよりも長い所定の長さに選定されると共に、左側板60D及び右側板60Eの長さが前板60B及び後板60Cの長さよりも短い所定の長さに選定されている。
また搬送部筐体60の前板60Bは、前寄り及び後寄りにそれぞれ形成された溝を利用して上端中央部(すなわち、中央の上半分)を預払機前方向へ直角に折り曲げることにより、当該前板60Bから前側に突出する前側取付部60BXが設けられると共に、その上端中央部に前側凹部60BYが設けられている。
さらに搬送部筐体60の後板60Cは、前寄り及び後寄りにそれぞれ形成された溝を利用して上端中央部(すなわち、中央の上半分)を預払機後方向へ直角に折り曲げるようにして、当該後板60Cから後側に突出する後側取付部60CXが設けられると共に、その上端中央部に後側凹部60CYが設けられている。
そして搬送部筐体60は、前板60Bの前側凹部60BY及び後板60Cの後側凹部60CYの長さ(すなわち、預払機左右方向の長さ)が、紙幣の長辺の長さ以上の互いに等しい所定長さに選定されている。
また搬送部筐体60の左側板60D及び右側板60Eは、互いの内面(すなわち、対向する面)の中心よりも前側の対向位置に一対の左前軸受部61及び右前軸受部(図示せず)が取り付けられている。
さらに搬送部筐体60の左側板60D及び右側板60Eは、互いの内面の中心よりも後側の対向位置に軸受取付孔部が穿設され、一対の左後軸受部62及び右後軸受部(図示せず)が、これら軸受取付孔部に挿入するようにして取り付けられている。
これにより搬送部筐体60は、一対の左前軸受部61及び右前軸受部の中心孔に前側ローラ軸63の一端部及び他端部を挿入するようにして、当該一対の左前軸受部61及び右前軸受部を介して前側ローラ軸63を預払機左右方向と平行にして矢印d1に示す一回転方向、及びこれとは逆の他回転方向に回動可能に支持している。
また搬送部筐体60は、一対の左後軸受部62及び右後軸受部の中心孔に後側ローラ軸64の一端部及び他端部を挿入するようにして、当該一対の左後軸受部62及び右後軸受部を介して後側ローラ軸64を預払機左右方向と平行にして一回転方向及び他回転方向に回動可能に支持している。
そして前側ローラ軸63は、搬送部筐体60の左側板60D及び右側板60E間の中心位置から左側及び右側のそれぞれ等距離の位置に一対の前側ローラ65(一方のみ図示して他方は図示せず)が取り付けられている。
また後側ローラ軸64は、前側ローラ軸63に取り付けられた一対の前側ローラ65と対向する位置に一対の後側ローラ67、68が取り付けられ、当該一対の後側ローラ67、68の周側面の一部を一対の前側ローラ65の周側面の一部に押し付けている。
さらに搬送部筐体60は、左右に長い略コ字状の一対の前側ガイド保持部70及び後側ガイド保持部71を有している。
前側ガイド保持部70は、略短冊状の背板部70Aを前側に位置させ、当該背板部70Aの左端及び右端から後側に突出する左板部70B及び右板部70Cを介して一対の左前軸受部61及び右前軸受部に、前側ローラ軸63の回動からは独立して一回転方向及び他回転方向へ回動可能に取り付けられている。
すなわち、搬送部筐体60は、一対の左前軸受部61及び右前軸受部を介して前側ガイド保持部70を、前側ローラ軸63を回動中心にするものの、当該前側ローラ軸63からは独立して一回転方向及び他回転方向へ回動可能に支持している。
また後側ガイド保持部71は、略アングル状の背板部71Aを後側に位置させ、当該背板部71Aの左端及び右端から前側に突出する平板状の左板部71B及び右板部71Cを介して一対の左後軸受部62及び右後軸受部に、後側ローラ軸64の回動からは独立して一回転方向及び他回転方向へ回動可能に取り付けられている。
すなわち、搬送部筐体60は、一対の左後軸受部62及び右後軸受部を介して後側ガイド保持部71を、後側ローラ軸64を回動中心にするものの、当該後側ローラ軸64からは独立して一回転方向及び他回転方向へ回動可能に支持している。
そして前側ガイド保持部70は、紙幣の長辺の長さ以上の所定の長さを有する断面略J字状の搬送ガイド72が、根元部を前側ローラ軸63よりも後側に位置させて当該前側ガイド保持部70の背板部70Aと平行にし、かつ先端部を当該根元部の前斜上で前側凹部60BYの底縁よりも上側に位置させるようにして取り付けられている。
これにより搬送部筐体60は、前側ガイド保持部70と共に、当該前側ガイド保持部70に保持された(すなわち、取り付けられた)搬送ガイド72を一回転方向及び他回転方向へ回動可能に支持している。
因みに、以下の説明では、前側ガイド保持部70に保持され、一体に回動する搬送ガイド72を、前側可動ガイド72とも呼ぶ。
前側可動ガイド72は、根元部の一面の下縁部分が前斜下に徐々に傾斜するように弓形状に形成されると共に、先端部及び根元部の一面全体が預払機左方向に沿って櫛歯状に形成されている。
一方、後側ガイド保持部71には、前側可動ガイド72の長さと等しい長さを有する断面略J字状の搬送ガイド73が、根元部を後側ローラ軸64よりも前側に位置させて当該後側ガイド保持部71の背板部71Aと平行にし、かつ先端部を当該根元部の後斜上で後側凹部60CYの底縁よりも上側に位置させるようにして取り付けられている。
これにより搬送部筐体60は、後側ガイド保持部71と共に、当該後側ガイド保持部71に保持された(すなわち、取り付けられた)搬送ガイド73を一回転方向及び他回転方向へ回動可能に支持している。
因みに、以下の説明では、後側ガイド保持部71に保持され、一体に回動する搬送ガイド73を、後側可動ガイド73とも呼ぶ。
後側可動ガイド73は、根元部の一面の下縁部分が後斜下に徐々に傾斜するように弓形状に形成されると共に、先端部及び根元部の一面全体が預払機左方向に沿って櫛歯状に形成されている。
また搬送部筐体60は、一対の左前軸受部61及び右前軸受部に、紙幣の長辺の長さ以上の所定の長さを有する断面略T字状の搬送ガイド74が、前側ローラ軸の後斜下で腕部の平坦な一面を垂直して後側に向け、かつ胴体部を当該腕部よりも前側に位置させて固定されている。
因みに、以下の説明では、搬送部筐体60の一対の左前軸受部61及び右前軸受部に固定された搬送ガイド74を、前側固定ガイド74とも呼ぶ。
前側固定ガイド74は、腕部の一面の上縁部分が前斜上に徐々に傾斜するように弓形状に形成されると共に、当該腕部の一面の下縁部分が前斜下に徐々に傾斜するように弓形状に形成されている。
また前側固定ガイド74は、腕部の一面全体が預払機左方向に沿って櫛歯状に形成され、当該腕部の上端部を前側可動ガイド72の根元部と噛み合わせるように嵌合させると共に、下端部を搬送部筐体60の枠部60Aから下側に突出させている。
さらに搬送部筐体60は、一対の左後軸受部62及び右後軸受部に、前側固定ガイド74の長さと等しい長さを有する断面略T字状の搬送ガイド75が、後側ローラ軸64の前斜下で腕部の平坦な一面を垂直して当該前側固定ガイド74の腕部の一面と対向させ(すなわち、前側に向け)、かつ胴体部を腕部よりも後側に位置させて固定されている。
因みに、以下の説明では、搬送部筐体60の一対の左後軸受部62及び右後軸受部に固定された搬送ガイド75を、後側固定ガイド75とも呼ぶ。
すなわち、搬送部筐体60には、前側固定ガイド74と後側固定ガイド75とが、互い腕部の一面を所定の間隔(例えば、5[mm]程度の間隔)で平行にして固設されている。
後側固定ガイド75は、腕部の一面の上縁部分が後斜上に徐々に傾斜するように弓形状に形成されると共に、当該腕部の一面の下縁部分が後斜下に徐々に傾斜するように弓形状に形成されている。
また後側固定ガイド75は、腕部の一面全体が預払機左方向に沿って櫛歯状に形成され、当該腕部の上端部を後側可動ガイド73の根元部と噛み合わせるように嵌合させると共に、下端部を搬送部筐体60の枠部60Aから下側に突出させている。
このようにして搬送部筐体60には、前側固定ガイド74が、前側可動ガイド72の根元部の一面の平坦な部分を垂直にした場合に、当該根元部の一面の平坦な部分と前側固定ガイド74の腕部の一面の平坦な部分とを面一にするように固定されている。
また搬送部筐体60には、後側固定ガイド75が、後側可動ガイド73の根元部の一面の平坦な部分を垂直にした場合に、当該根元部の一面の平坦な部分と後側固定ガイド75の腕部の一面の平坦な部分とを面一にするように固定されている。
そして前側可動ガイド72は、先端部及び根元部の一面全体において、一対の前側ローラ65と対向する位置にそれぞれ孔部が穿設されている。
また前側固定ガイド74は、腕部及び胴体部において、一対の前側ローラ65と対向する位置にそれぞれ切欠部が形成されている。
これにより前側可動ガイド72及び前側固定ガイド74は、一対の前側ローラ65の周側面の後側の部分を、対応する孔部及び切欠部を介して当該前側可動ガイド72の根元部の一面及び前側固定ガイド74の腕部の一面から後側に突出させている。
さらに後側可動ガイド73は、先端部及び根元部の一面全体において、一対の後側ローラ67、68と対向する位置にそれぞれ孔部が穿設されている。
さらにまた後側固定ガイド75は、腕部及び胴体部において、一対の後側ローラ67、68と対向する位置にそれぞれ切欠部が形成されている。
これにより後側可動ガイド73及び後側固定ガイド75は、一対の後側ローラ67、68の周側面の後側の部分を、対応する孔部及び切欠部を介して当該後側可動ガイド73の根元部の一面及び後側固定ガイド75の腕部の一面から前側に突出させている。
これに加えて搬送部筐体60は、左側板60D及び右側板60Eの上端中央部に所定の同一深さの左切欠部60DX及び右切欠部60EXが形成されている。
そして前側ガイド保持部70は、左板部70Bの外面において、前側可動ガイド72の根元部の一面の平坦な部分を垂直にした(すなわち、預払機上下方向と平行にした)場合に前側ローラ軸63の真上となる縁部に円柱状の左前側連結ピン77が植設されている。
また前側ガイド保持部70は、右板部70Cの外面において、前側可動ガイド72の根元部の一面の平坦な部分を垂直にした(すなわち、預払機上下方向と平行にした)場合に前側ローラ軸63の真上となる縁部にも円柱状の右前側連結ピン78が植設されている。
さらに後側ガイド保持部71は、左板部71Bの外面において、後側可動ガイド73の根元部の一面の平坦な部分を垂直にした(すなわち、預払機上下方向と平行にした)場合に後側ローラ軸64の真上となる縁部に円柱状の左後側連結ピン79が植設されている。
さらにまた後側ガイド保持部71は、右板部71Cの外面において、後側可動ガイド73の根元部の一面の平坦な部分を垂直にした(すなわち、預払機上下方向と平行にした)場合に後側ローラ軸64の真上となる縁部にも円柱状の右後側連結ピン80が植設されている。
そして前側ガイド保持部70及び後側ガイド保持部71の左前側連結ピン77及び左後側連結ピン79は、略短冊状の左側連結板81の一端部及び他端部に穿設された孔部に挿入されている。
また前側ガイド保持部70及び後側ガイド保持部71の右前側連結ピン78及び右後側連結ピン80は、略短冊状の右側連結板82の一端部及び他端部に穿設された孔部に挿入されている。
これにより前側ガイド保持部70及び後側ガイド保持部71は、左側連結板81及び右側連結板82を介して連結されている。
ところで、左側連結板81及び右側連結板82は、前側ローラ軸63及び後側ローラ軸64の中心間距離よりも僅かに長い所定長さに選定されると共に、一端部及び他端部の孔部の中心間距離が当該前側ローラ軸63及び後側ローラ軸64の中心間距離と等しく選定されている。
従って左側連結板81及び右側連結板82は、前側ガイド保持部70及び後側ガイド保持部71を介して前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を互いの根元部を平行にした状態で連結している。
すなわち、左側連結板81及び右側連結板82は、前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を互いの根元部を、前側固定ガイド74及び後側固定ガイド75の腕部の間隔と等しい間隔で平行にした状態で連結している。
これにより図10(A)及び(B)に示すように、前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73は、左側連結板81及び右側連結板82と共に、前側ローラ軸63及び後側ローラ軸64を回動中心とする平行リンクを形成している。
よって前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73は、左側連結板81及び右側連結板82の連結により、互いの根元部を、前側固定ガイド74及び後側固定ガイド75の腕部の間隔と等しい間隔で平行にしたまま、前側ローラ軸63及び後側ローラ軸64を回動中心として一回転方向及び他回転方向へ回動することができる。
このようにして双方向受渡搬送部41は、前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73並びに前側固定ガイド74及び後側固定ガイド75と、一対の前側ローラ65及び一対の後側ローラ67、68とにより、前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73の間並びに前側固定ガイド74及び後側固定ガイド75の間に、紙幣を一対の前側ローラ65及び一対の後側ローラ67、68を介して搬送する双方向紙幣搬送路41Aを形成している。
すなわち、双方向受渡搬送部41は、前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73の間並びに前側固定ガイド74及び後側固定ガイド75の間に、当該前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73(前側固定ガイド74及び後側固定ガイド75)の預払機左右方向の長さを搬送路横幅とし、かつ、これらの間隔を搬送路縦幅とする双方向紙幣搬送路41Aを形成している。
そして双方向受渡搬送部41では、上述のように前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73の根元部の一面の下縁部分が、互いの間隔を徐々に広げるように弓形状に形成されている。
また双方向受渡搬送部41では、前側固定ガイド74及び後側固定ガイド75の腕部の上端部も、互いの間隔を徐々に広げるように弓形状に形成されている。
そのうえで双方向受渡搬送部41では、前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73の根元部と前側固定ガイド74及び後側固定ガイド75の腕部とを櫛歯状の部分を噛み合わせるように嵌合させている。
さらに双方向受渡搬送部41は、前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を、前側固定ガイド74及び後側固定ガイド75の間隔と等しい間隔で平行にしたまま回動可能にしている。
よって双方向受渡搬送部41は、前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を垂直な姿勢から前側や後側へ傾けた場合でも、当該前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73と前側固定ガイド74及び後側固定ガイド75との嵌合部分で、双方向紙幣搬送路41A内に、これらの根元部や腕部が突出することを防止している。
ところで、搬送部筐体60は、例えば、後板60Cの内面に、左右に長い短冊状のばね係止板83が、その上端部を後側凹部60CYの縁から僅かに上に突出させるようにして(すなわち、後側凹部60CYの縁よりも上で、かつ前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73の先端部よりも下に位置させるようにして)取り付けられている。
そして搬送部筐体60は、例えば、ばね係止板84の前面において後側ローラ軸64よりも上側の所定位置に、圧縮コイルばね(又はトーションばね)のような一対のばね84A、84Bの一端が係止されると共に、後側ガイド保持部71の背板部71Aの所定位置(すなわち、後側ローラ軸64よりも上側の所定位置)に当該ばね84A、84Bの他端が係止されている。
これにより搬送部筐体60は、ばね84A、84Bにより後側ガイド保持部71において後側ローラ軸64よりも上側の所定位置を前側に押すようにしている。
よって搬送部筐体60は、ばね84A、84Bにより後側ガイド保持部71を、後側ローラ軸64を中心にして一回転方向へ回転させるように付勢すると共に、これに伴い、当該後側ガイド保持部71に連結された前側ガイド保持部70も前側ローラ軸63を中心にして一回転方向へ回転させるように付勢している。
そして搬送部筐体60は、後述するように預払機筐体2から上部ユニット13が引き出された状態では、ばね84A、84Bの付勢により後側ガイド保持部71と共に前側ガイド保持部70を一回転方向へ回転させて、前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を垂直な姿勢から前側に傾斜させている。
また搬送部筐体60は、例えば、右側板60Eの後端部にレバー挿入孔部が穿設されている。さらに後側ガイド保持部71の背板部71Aには、双方向受渡搬送部41に対応する振分搬送部28の搬送路接続部分の位置に応じて当該後側ガイド保持部71を回転させるための回転制御レバー85が取り付けられている。
この場合、回転制御レバー85は、所定長さの短冊板状の腕部の根元部分が後側ガイド保持部71の背板部71Aに接合され、当該腕部の先端部分を搬送部筐体60の右側板60Eのレバー挿入孔部に通して右側に突出させている。
また回転制御レバー85は、腕部の先端に略L字板状の受部が、当該腕部から上側に立ち上がり、その受突起を前側に向けるようにして設けられている。そして回転制御レバー85は、受部の形状及び寸法が適宜選定されている。
これにより回転制御レバー85は、後側ガイド保持部71に対し例えば、受突起の先端を、前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73の搬送路縦幅の方向と垂直で、かつ当該前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73の搬送路縦幅のセンターに位置するような仮想平面と面一にして取り付けられている。
また搬送部筐体60は、左右に長いピン保持部86を有している。ピン保持部86は、略コ字状の胴体板の下端部に短冊状のピン取付板が後側に突出するように設けられている。
そしてピン保持部86は、ピン取付板の下面の左寄り及び右寄りの所定位置にそれぞれ円柱状の左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88が下側に突出するように植設されている。
この場合、左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88は、それぞれ先端部が、先端にかけて徐々に径を細くするようにテーパ状に形成されている。
またピン保持部86は、ピン取付板の左端及び右端にそれぞれ短冊状の左側軸取付板及び右側軸取付板が後側に突出するように設けられている。
そしてピン保持部86は、左側軸取付部の外面に例えば、直径の等しい2本の左上ガイド軸(図示せず)及び左下ガイド軸90が、預払機下方向に沿って所定の間隔で植設されている。
またピン保持部86は、右側軸取付部の外面にも、例えば、直径の等しい2本の右上ガイド軸及び右下ガイド軸(何れも図示せず)が、預払機下方向に沿って所定の間隔で植設されている。
そして搬送部筐体60は、左側板60D及び右側板60Eの前端部に上下に長い左側昇降ガイド孔部及び右側昇降ガイド孔部が対向させて穿設されている。
よってピン保持部86は、前側ガイド保持部70と搬送部筐体60の前板60Bとの間にピン取付板を介在させた状態で左上ガイド軸及び左下ガイド軸90を左側板60Dの左側昇降ガイド孔部に通して左側に突出させると共に、右上ガイド軸及び右下ガイド軸を右側板60Eの右側昇降ガイド孔部に通して右側に突出させている。
そのうえでピン保持部86は、左上ガイド軸及び左下ガイド軸90に、それぞれ直径の等しいガイドローラ91、92が、当該左上ガイド軸及び左下ガイド軸90を中心にして回動可能に取り付けられて搬送部筐体60の左側板60Dの左側昇降ガイド孔部に係合されている。
またピン保持部86は、右上ガイド軸及び右下ガイド軸にも、それぞれ直径の等しいガイドローラ(何れも図示せず)が、当該右上ガイド軸及び右下ガイド軸を中心にして回動可能に取り付けられて搬送部筐体60の右側板60Eの右側昇降ガイド孔部に係合されている。
これにより搬送部筐体60は、ピン保持部86を上下に昇降可能に保持して、当該ピン保持部86を下降させて左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88を枠部60Aの下側に突き出し、また上昇させて当該左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88を枠部60A内に収納することができる。
因みに、ピン保持部86は、上昇して左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88を搬送部筐体60の枠部60A内に収納した状態では、胴体板が当該搬送部筐体60の前側凹部60BYの底縁よりも上側に突出しないように当該胴体部の高さが適宜選定されている。
また搬送部筐体60は、左側板60D及び右側板60Eの外面において一対の左後軸受部62及び右後軸受部の後斜下に左側軸挿入孔部及び右側軸挿入孔部が対向させて穿設されている。
そして搬送部筐体60は、レバー回動軸94が左側板60Dの左側軸挿入孔部から右側板60Eの右側軸挿入孔部にかけて挿入されている。
これにより搬送部筐体60は、レバー回動軸94の一端部を左側軸挿入孔部から左側に突出させると共に、他端部を右側軸挿入孔部から右側に突出させて、当該レバー回動軸94を左側軸挿入孔部及び右側軸挿入孔部を介して一回転方向及び他回転方向へ回動可能に支持している。
また搬送部筐体60は、ピン保持部86と共に左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88の昇降を制御するための略アングル状の一対の左側昇降制御レバー95及び右側昇降制御レバー96を有している。
この場合、左側昇降制御レバー95は、略コ字平板状の筐体取付部の下端に略L字平板状の連結部が左側に突出するように設けられている。
左側昇降制御レバー95は、筐体取付部の後端部に左側及び前側へと順に折り返すようにして形成された略コ字状の軸係止部が設けられている。
そして左側昇降制御レバー95は、軸係止部の左板及び右板に一対の軸係止孔部が対向させて穿設され、当該一対の軸係止孔部にレバー回動軸94の一端部が右から順に差し込まれて係止されている。
これにより搬送部筐体60は、左側昇降制御レバー95を、レバー回動軸94を中心にして一回転方向及び他回転方向へ回動可能に支持している。
また左側昇降制御レバー95は、筐体取付部の前端部に軸係合孔部が穿設され、当該軸係合孔部にピン保持部86の左下ガイド軸90が挿入されて係合されている。
さらに搬送部筐体60は、左側板60Dの上端前寄り(すなわち、左側昇降ガイド孔部の真上)に左側ばね係止部60DYが左側に突出するように設けられている。
そして左側昇降制御レバー95は、コイルばね97の一端部が、左下ガイド軸90において筐体取付部の左側に突出した部分に係止されると共に、当該コイルばね97の他端部が搬送部筐体60の左側ばね係止部60DYに係止されている。
これにより左側昇降制御レバー95は、コイルばね97により左下ガイド軸90と共に筐体取付部を上側に引き上げるようにして他回転方向へ回転するように付勢されている。
さらに左側昇降制御レバー95は、連結部の左側突出部の先端にピン取付部が下側に突出するように設けられ、当該ピン取付部の左側を向く外面に円柱状の連結ピン98が、左側へ突出するように植設されている。
一方、右側昇降制御レバー96は、左側昇降制御レバー95を左右反転させたような構成と基本的には同様に構成されている。
すなわち、右側昇降制御レバー96は、略コ字平板状の筐体取付部の下端に略L字平板状の連結部が右側に突出するように設けられている。
右側昇降制御レバー96は、筐体取付部の後端部に右側及び前側へと順に折り返すようにして形成された略コ字状の軸係止部が設けられている。
そして右側昇降制御レバー96は、軸係止部の左板及び右板に一対の軸係止孔部が対向させて穿設され、左側昇降制御レバー95と姿勢を合わせた状態で当該一対の軸係止孔部にレバー回動軸94の他端部が左から順に差し込まれて係止されている。
これにより搬送部筐体60は、左側昇降制御レバー95と共に右側昇降制御レバー96も互いの姿勢を合わせた状態でレバー回動軸94を中心にして一回転方向及び他回転方向へ回動可能に支持している。
また右側昇降制御レバー96は、筐体取付部の前端部に軸係合孔部が穿設され、当該軸係合孔部にピン保持部86の右下ガイド軸が挿入されて係合されている。
さらに搬送部筐体60は、右側板60Eの上端前寄り(すなわち、右側昇降ガイド孔部の真上)に右側ばね係止部60EYが右側に突出するように設けられている。
そして右側昇降制御レバー96は、上述のコイルばね97と同様な弾性力を有するコイルばね99の一端部が、右下ガイド軸において筐体取付部の右側に突出した部分に係止されると共に、当該コイルばね99の他端部が搬送部筐体60の右側ばね係止部60EYに係止されている。
これにより右側昇降制御レバー96は、コイルばね99により右下ガイド軸と共に筐体取付部を上側に引き上げるようにして他回転方向へ回転するように付勢されている。
因みに、右側昇降制御レバー96は、左側昇降制御レバー95とは異なり、連結部の右側突出部の長さが短く、かつピン取付部及び連結ピンが設けられずに構成されている。
係る構成により搬送部筐体60は、左側昇降制御レバー95及び右側昇降制御レバー96を互いの姿勢を合わせた状態で一回転方向及び他回転方向へ回転させる。
よって搬送部筐体60は、左側昇降制御レバー95及び右側昇降制御レバー96の回転に連動させてピン保持部86を、当該ピン保持部86の長手方向を預払機左右方向とほぼ平行にしたまま(すなわち、左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88の長手方向を預払機上下方向とほぼ平行にしたまま)上昇及び下降させることができる。
そして図11に示すように、搬送部筐体60は、左側昇降制御レバー95及び右側昇降制御レバー96が共に他回転方向へ回転すると、これに連動させてピン保持部86を押し上げるようにして上昇させて左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88を枠部60A内に収納することができる。
また図12に示すように、搬送部筐体60は、左側昇降制御レバー95及び右側昇降制御レバー96が共に一回転方向へ回転すると、これに連動させてピン保持部86を引き下げるようにして下降させて左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88を枠部60Aから突き出させることができる。
さらに搬送部筐体60は、例えば、左側板60Dの外面において後側ローラ軸64よりも下側で、かつ当該後側ローラ軸64よりも前側及び後側のそれぞれ等距離の位置に前側プーリ支持軸100及び後側プーリ支持軸101が植設されている。
そして双方向受渡搬送部41の搬送部筐体60は、図3について上述したように前側取付部60BX及び後側取付部60CXを介して連結筐体36に取り付けられ、前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73の先端部を金庫天板15Aの上側に突出させると共に、前側固定ガイド74及び後側固定ガイド75の腕部の下端部を当該金庫天板15Aの下側に突出させている。
ところで、複数の双方向受渡搬送部40乃至44のうち、前から3番目及び4番目に位置する双方向受渡搬送部42及び43は、前から2番目に位置する上述の双方向受渡搬送部41と同様に構成されている。
また最も前に位置する1個の双方向受渡搬送部40は、搬送部筐体に前側プーリ支持軸100が設けられていない点を除いて、前から2番目に位置する上述の双方向受渡搬送部41と同様に構成されている。
さらに最も後に位置する1個の双方向受渡搬送部44は、搬送部筐体に後側プーリ支持軸101が設けられていない点を除いて、前から2番目に位置する上述の双方向受渡搬送部41と同様に構成されている。
すなわち、図3及び図13に示すように、複数の双方向受渡搬送部40乃至44は、後側ローラ軸64において搬送部筐体60の左側板60Dから左側に突出している部分に左右に2本の駆動ベルト105をかけることが可能な駆動プーリ107が取り付けられている。
また複数の双方向受渡搬送部40乃至44は、前側プーリ支持軸100及び後側プーリ支持軸101にそれぞれ1本の駆動ベルトにテンションをかけるためのテンションプーリ108が一回転方向及び他回転方向に回動可能に取り付けられている。
これにより複数の双方向受渡搬送部40乃至44は、例えば、1個前の双方向受渡搬送部40乃至43との間で共に駆動プーリ107の右側に駆動ベルト105がかけられた場合、1個後の双方向受渡搬送部41乃至44との間では共に駆動プーリ107の左側に駆動ベルト105がかけられている。
また複数の双方向受渡搬送部40乃至44は、駆動プーリ107にかけられた駆動ベルト105の下側をテンションプーリ108で押し上げるようにして、当該駆動ベルト105に所定のテンションをかけている。
そして複数の双方向受渡搬送部40乃至44のうち例えば、最も前に位置する1個の双方向受渡搬送部40には、搬送部筐体60の左側にギアや駆動プーリ、駆動ベルト等を有する駆動伝達部110が配置されている。
よって最も前に位置する1個の双方向受渡搬送部40は、預払機筐体2に上部ユニット13が収納された場合、振分搬送部28に設けられた駆動伝達ギアを駆動伝達部110のギアと連結する。
これにより最も前に位置する1個の双方向受渡搬送部40は、紙幣の入金処理時や出金処理時、振分搬送部28から駆動伝達ギアを介して伝達されるモータの駆動力を、駆動伝達部110においてギアで受けると共に駆動プーリ及び駆動ベルトを介して、当該ギアの回転を自己の搬送部筐体60の駆動プーリ107から他の搬送部筐体60の駆動プーリ107へと順に伝達する。
このようにして複数の双方向受渡搬送部40乃至44は、ローラ駆動モータが特には設けられていないものの、紙幣の入金処理時や出金処理時、双方向紙幣搬送路40A乃至44Aを駆動して紙幣を搬送することができる。
ここで、図4及び図13に示すように、複数の双方向受渡搬送部40乃至44は、それぞれ上述のように搬送部筐体60の後側ガイド保持部71に回転制御レバー85が取り付けられている。
ただし、複数の双方向受渡搬送部40乃至44は、それぞれの搬送部筐体60の後側ガイド保持部71に対し回転制御レバー85が、預払機後方向に沿って当該回転制御レバー85の受部を順に右側に所定間隔でずらして位置させるように取り付けられている。
また振分搬送部28は、複数の双方向受渡搬送部40乃至44に対応する複数の搬送路接続部分に、それぞれ一対の平行な搬送ガイドが、互いの一面を垂直にし、かつ前後に位置させるようにして配置されると共にローラや搬送ベルト等も配置されている。
因みに、以下の説明では、振分搬送部28の複数の搬送路接続部分にそれぞれ配置された一対の搬送ガイドにおいて前側に位置する一方の搬送ガイドを、接続部分前ガイドとも呼び、後側に位置する他方の搬送ガイドを、接続部分後ガイドとも呼ぶ。
これにより振分搬送部28は、複数の搬送路接続部分においてそれぞれ接続部分前ガイド及び接続部分後ガイドの間に紙幣振分搬送路28Aの下端部を、複数の双方向受渡搬送部40乃至44の場合と同様な搬送路横幅及び搬送路縦幅を有し、紙幣を預払機上下方向と平行な搬送方向に沿って上側や下側へ搬送可能なように形成している。
なお、搬送路接続部分毎の一対の接続部分前ガイド及び接続部分後ガイドは、それぞれ下端部が預払機左方向に沿って櫛歯状に形成されると共に、当該下端部の一面が上から下にかけて互いの間隔を徐々に広げるように弓形状に形成されている。
そして振分搬送部28の複数の搬送路接続部分では、それぞれ一対の接続部分前ガイド及び接続部分後ガイドのうち例えば、接続部分前ガイドに、回転制御レバー85に対応する押付アーム115が取り付けられている。
この場合、押付アーム115は、それぞれ所定長さの短冊板状の腕部の根元部分が接続部分前ガイドの所定位置に接合され、当該腕部の先端部分を、その接続部分前ガイドよりも右側に位置させている。
また押付アーム115は、腕部の先端に例えば、縦長な略ブロック状の押付部が、当該腕部の先端から下側に突出し、かつ押付面を後側に向けるようにして設けられている。そして押付アーム115は、押付部の形状及び寸法が適宜選定されている。
これにより押付アーム115は、接続部分前ガイドに対し例えば、押付部の押付面を、一対の接続部分前ガイド及び接続部分後ガイドの搬送路縦幅の方向と垂直で、かつ当該一対の接続部分前ガイド及び接続部分後ガイドの搬送路縦幅のセンターに位置するような仮想平面と面一にして取り付けられている。
ただし、振分搬送部28は、複数の搬送路接続部分それぞれの接続部分前ガイドに対し押付アーム115が、預払機後方向に沿って当該押付アーム115の押付部を順に右側に所定間隔でずらして、回転制御レバー85の受突起に対向させて位置させるように取り付けられている。
係る構成のもと複数の双方向受渡搬送部40乃至44は、上述のように預払機筐体2から上部ユニット13が引き出された場合、搬送部筐体60において後側ガイド保持部71及び前側ガイド保持部70を一回転方向へ回転させて、前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を垂直な姿勢から前側に傾斜させている。
この状態で振分搬送部28は、預払機筐体2内に上部ユニット13が収納される場合、その収納に伴い上部ユニット13の一部として預払機筐体2の前側の所定のユニット引出位置から当該預払機筐体2内の所定のユニット収納位置まで預払機後方向へ移動する。
この際、振分搬送部28は、ユニット収納位置の手前で、複数の搬送路接続部分各々の押付アーム115の押付部を、複数の双方向受渡搬送部40乃至44の対応する回転制御レバー85の受部の受突起に押し当てるようにして後側可動ガイド73と共に前側可動ガイド72を他回転方向へ回転させ始める。
すなわち、振分搬送部28は、ユニット収納位置の手前まで移動すると、搬送路接続部分毎に押付アーム115の押付部を、当該搬送路接続部分と、対応する双方向受渡搬送部40乃至44との調整位置に応じた個別のタイミングで、その対応する双方向受渡搬送部40乃至44の回転制御レバー85の受部の受突起に押し当てるようにして後側可動ガイド73と共に前側可動ガイド72を他回転方向へ回転させ始める。
また振分搬送部28は、ユニット収納位置側へ引き続き移動することで、双方向受渡搬送部40乃至44毎の前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73をそれぞれ他回転方向へ回転させながら、当該前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73の先端部に、対応する接続部分前ガイド及び接続部分後ガイドの下端部を噛み合わせるように嵌合させる。
そして振分搬送部28は、ユニット収納位置に到達して移動が停止したとき、双方向受渡搬送部40乃至44毎の前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を、接続部分前ガイド及び接続部分後ガイドと嵌合させたまま、当該搬送路接続部分との調整位置に応じた所定角度まで回転させたうえで、その回転を停止させる。
これにより図14に示すように、振分搬送部28は、預払機筐体2内に上部ユニット13が収納された状態で、双方向受渡搬送部40乃至44の真上に、対応する搬送路接続部分が位置する場合、前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を垂直な姿勢にして、これらの先端部に、接続部分前ガイド120及び接続部分後ガイド121の先端部を嵌合させる。
すなわち、振分搬送部28は、この場合、前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を垂直な姿勢にして、当該前側可動ガイド72の根元部の一面を接続部分前ガイド120の一面と面一にすると共に、後側可動ガイド73の根元部の一面を接続部分後ガイド121の一面と面一にして双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの上端部を紙幣振分搬送路28Aの下端部と接続する。
また図15に示すように、振分搬送部28は、預払機筐体2内に上部ユニット13が収納された状態で、双方向受渡搬送部40乃至44の真上よりも後側に、対応する搬送路接続部分が位置する場合、前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を後側に傾けた姿勢にして、これらの先端部に、接続部分前ガイド120及び接続部分後ガイド121の先端部を嵌合させる。
すなわち、振分搬送部28は、この場合、前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を後側に傾けた姿勢にして、当該前側可動ガイド72の根元部の一面と接続部分前ガイド120の一面とをくの字状に交差させると共に、後側可動ガイド73の根元部の一面と接続部分後ガイド121の一面とをくの字状に交差させて双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの上端部を紙幣振分搬送路28Aの下端部と接続する。
さらに図16に示すように、振分搬送部28は、預払機筐体2内に上部ユニット13が収納された状態で、双方向受渡搬送部40乃至44の真上よりも前側に、対応する搬送路接続部分が位置する場合、前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を前側に傾けた姿勢にして、これらの先端部に、接続部分前ガイド120及び接続部分後ガイド121の先端部を嵌合させる。
すなわち、振分搬送部28は、この場合、前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を前側に傾けた姿勢にして、当該前側可動ガイド72の根元部の一面と接続部分前ガイド120の一面とを逆くの字状に交差させると共に、後側可動ガイド73の根元部の一面と接続部分後ガイド121の一面とを逆くの字状に交差させて双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの上端部を紙幣振分搬送路28Aの下端部と接続する。
このようにして振分搬送部28は、上部ユニット13の預払機前後方向に対する位置の調整が不十分な場合でも、上部ユニット13の収納時、作業者に当該上部ユニット13を預払機筐体2内に押し込ませるだけで、その押し込みによる預払機後方向への移動により、紙幣振分搬送路28Aの複数の下端部に対して、それぞれ対応する双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの上端部を精度良く位置決めして接続することができる。
そして複数の双方向受渡搬送部40乃至44は、この際、上述のように前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を平行にしたまま回転させている。
よって双方向受渡搬送部40乃至44は、前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を前側や後側へ傾けた姿勢で接続部分前ガイド120及び接続部分後ガイド121と嵌合させて双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの上端部と紙幣振分搬送路28Aの下端部とを接続しても、これらの接続部分内に先端部や下端部が入り込んで段差や凹みが形成されることを確実に防止することができる。
ところで、図4及び図17並びに図18に示すように、連結部35は、連結筐体36においてケース左前支持部36BX及びケース左後支持部の右面に、複数の双方向受渡搬送部40乃至44の左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88を、紙幣収納庫20乃至24の位置決め孔部に対して差し込み、また引き抜くための差込引抜部125が設けられている。
差込引抜部125は、所定長さの角柱状のアーム支持部126(図17及び図18には図示せず)と、金庫筐体15の奥行よりも僅かに短い所内長さの角柱状の可動アーム127とを有している。
この場合、アーム支持部126は、預払機前後方向と平行にしてケース左前支持部36BX及びケース左後支持部の右面の所定位置に固定されている。
また可動アーム127は、アーム支持部126と平行にした状態で、当該アーム支持部126に上下の複数の連結ピン及び複数の連結板(図17及び図18には図示せず)を介して連結されている。
これにより差込引抜部125は、複数の連結ピン及び複数の連結板と共に可動アーム127により平行リンクを形成し、当該可動アーム127をアーム支持部126と平行にしたまま、左右に変位させながら前後に移動させ得るようにしている。
そして差込引抜部125は、可動アーム127の後端と金庫筐体15の後板の内面との間に圧縮コイルばね128が配置され、当該圧縮コイルはね128により可動アーム127を預払機前方向へ移動させるように付勢している。
これにより差込引抜部125は、金庫筐体15に対し金庫扉15Bが閉じられた場合、圧縮コイルばね128により可動アーム127を前側へ移動させるように付勢しながら、当該可動アーム127の前端を金庫扉15Bの内面左端部(すなわち、金庫扉15Bを開閉可能に支持するヒンジ側)に押し付けている。
そして差込引抜部125は、金庫筐体15に対し金庫扉15Bが開かれた場合、圧縮コイルばね128により可動アーム127を前側に移動させて、当該可動アーム127の先端部を金庫筐体15内から前側に突出させる。
因みに、金庫扉15Bの前面には、図示はしていないが当該金庫扉15Bを開閉する際に手で把持して回転操作させる開閉ハンドルが取り付けられている。また開閉ハンドルには、その回転操作に連動して変位する閂(図示せず)が取り付けられている。
よって金庫筐体15は、金庫扉15Bが閉じられて開閉ハンドルが回転操作されると、閂を金庫筐体15内の所定の係合位置に係合させて当該金庫扉15Bの閉じた状態を維持することができる。
また金庫扉15Bの前面には、例えば、係合位置に係合した閂を一時的に変位させ得ないように固定して、金庫筐体15に対し当該金庫扉15Bを閉じた状態にロックするための錠も取り付けられている。
これにより金庫筐体15は、金庫扉15Bが閉じられて係合位置に閂が係合している間は、金庫扉15Bのロックの有無に関わらずに、可動アーム127を内部に留めておくことができる。
そして金庫筐体15は、金庫扉15Bが閉じられているものの、ロックが解除された状態(すなわち、閂を金庫筐体15内の所定の係合位置に係合させている状態)で開閉ハンドルが回転操作されると、係合位置から閂を退避させて、当該金庫扉15Bを開かせることができる。
これにより金庫筐体15は、金庫扉15Bが開かれている間は、圧縮コイルばね128の作用により可動アーム127を前側に移動させて当該可動アーム127の先端部を金庫筐体15内から前側に突出させている。
また可動アーム127は、右面において複数の双方向受渡搬送部40乃至44の左側昇降制御レバー95に設けられた連結ピン98とそれぞれ対向する位置に、当該連結ピン98の直径よりも長い横幅及び縦幅を有する四角形状のピン挿入孔部が穿設されている。
そして可動アーム127は、複数のピン挿入孔部にそれぞれ対応する連結ピン98の先端部が右面側から挿入されて左面から突出させている。
さらに可動アーム127は、左面において複数のピン挿入孔部それぞれの上側及び前側にばね押付部及びばね係止部が突設されている。
そして可動アーム127は、左面において複数のピン挿入孔部の前側にそれぞれトーションばね130がある程度縮められた状態で、一端部をばね係止部に係止すると共に、他端部をばね押付部に前側から押し付けるようにして設けられている。
ここで、図19を用いて複数の紙幣収納庫20乃至24の構成について説明する。ただし、複数の紙幣収納庫20乃至24は、それぞれ同様に構成されている。
このため、以下には、1個の紙幣収納庫20の構成について説明し、他の複数の紙幣収納庫21乃至24の構成については説明を省略する。
紙幣収納庫20は、例えば、上下に長い略直方体状に形成された外装ケース140を有し、当該外装ケース140の正面に扉(以下、これを収納庫扉とも呼ぶ)141が開閉可能に設けられている。
因みに、以下の説明では、紙幣収納庫20を、外装ケース140の正面と対峙して見た場合の図中に矢印a2で示す左の方向を、収納庫左方向とも呼び、当該収納庫左方向とは逆の方向を、収納庫右方向とも呼ぶ。
そして、以下の説明では、収納庫左方向及び収納庫右方向を特に区別する必要がない場合、これらをまとめて収納庫左右方向とも呼ぶ。
また、以下の説明では、紙幣収納庫20を、外装ケース140の正面と対峙して見た場合の図中に矢印b2で示す上の方向を、収納庫上方向とも呼び、当該収納庫上方向とは逆の方向を、収納庫下方向とも呼ぶ。
そして、以下の説明では、収納庫上方向及び収納庫下方向を特に区別する必要がない場合、これらをまとめて収納庫上下方向とも呼ぶ。
さらに、以下の説明では、紙幣収納庫20を、外装ケース140の正面と対峙して見た場合の図中に矢印c2で示す手前の方向を、収納庫前方向とも呼び、当該収納庫前方向とは逆の方向を、収納庫後方向とも呼ぶ。
そして、以下の説明では、収納庫前方向及び収納庫後方向を特に区別する必要がない場合、これらをまとめて収納庫前後方向とも呼ぶ。
この場合、外装ケース140の上面には、後端部に、平行な一対の搬送ガイド140A、140Bが、互いの一面を垂直にし、かつ前後に位置させるようにして一体に形成されている。
因みに、以下の説明では、外装ケース140の上面に一体に形成された一対の搬送ガイド140A、140Bのうち、前側に位置する一方の搬送ガイド140Aを、収納庫前ガイド140Aとも呼び、後側に位置する他方の搬送ガイド140Bを、収納庫後ガイド140Bとも呼ぶ。
また外装ケース140内には、収納庫前ガイド140A及び収納庫後ガイド140Bに対応させて複数のローラも配置されている。
これにより紙幣収納庫20は、収納庫前ガイド140A及び収納庫後ガイド140Bの間に収納紙幣搬送路20AXの端部を、複数の双方向受渡搬送部40乃至44の場合と同様な搬送路横幅及び搬送路縦幅を有し、紙幣を収納庫上下方向と平行な搬送方向に沿って上側や下側へ搬送可能なように形成している。
なお、収納庫前ガイド140A及び収納庫後ガイド140Bは、それぞれ上端部が収納庫左方向に沿って櫛歯状に形成されると共に、当該上端部の一面が下から上にかけて互いの間隔を徐々に広げるように弓形状に形成されている。
また外装ケース140の上面には、収納庫前ガイド140Aの前側左寄りに、双方向受渡搬送部40の左側位置決めピン87に対応させて所定深さの例えば、円形の左側位置決め孔部140Cが形成されている。
左側位置決め孔部140Cは、底部分の内径が左側位置決めピン87の直径とほぼ等しい長さに選定されている。
また左側位置決め孔部140Cは、ピン差込口が一周に亘り、底部分よりも内径を広げるように漏斗状に形成されている。
さらに外装ケース140の上面には、収納庫前ガイド140Aの前側右寄りに、双方向受渡搬送部40の右側位置決めピン88に対応させて所定深さのレーストラック状の右側位置決め孔部140Dが、その長手方向を収納庫左右方向と平行にして形成されている。
右側位置決め孔部140Dは、底部分の前後の幅が右側位置決めピン88の直径とほぼ等しい長さに選定されると共に、当該底部分の左右の幅が当該右側位置決めピン88の直径よりも長い所定長さに選定されている。
また右側位置決め孔部140Dは、ピン差込口が一周に亘り、底部分よりも前後左右の幅を広げるように略漏斗状に形成されている。
そして紙幣収納庫20、及び同様構成の他の紙幣収納庫21乃至24は、収納庫装填ケース16に対し例えば、外装ケース140の正面を前側に向けた状態で装填されている。
係る構成のもと複数の双方向受渡搬送部40乃至44(図17及び図18)は、金庫筐体15に対し金庫扉15Bが開かれた場合、後述するように左側昇降制御レバー95及び右側昇降制御レバー96を他回転方向へ回転させて左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88を搬送部筐体60の枠部60A内に収納している。
この状態で双方向受渡搬送部40乃至44は、金庫筐体15内に、複数の紙幣収納庫20乃至24が装填された収納庫装填ケース16が所定のケース収納位置まで収納されると、前側固定ガイド74及び後側固定ガイド75の下端部を、対応する紙幣収納庫20乃至24の収納庫前ガイド140A及び収納庫後ガイド140Bの上端部と噛み合わせるように嵌合させる。
この際、複数の双方向受渡搬送部40乃至44は、収納庫装填ケース16の預払機前後方向に対する位置が高精度に調節されていると、図14に示しているように、前側固定ガイド74の腕部の一面を対応する紙幣収納庫20乃至24の収納庫前ガイド140Aの一面と面一にすると共に、後側固定ガイド75の腕部の一面を当該紙幣収納庫20乃至24の収納庫後ガイド140Bの一面と面一にして双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの下端部を収納紙幣搬送路20AX乃至24AXの上端部と接続部分内に何ら段差のない状態で接続する。
ただし複数の双方向受渡搬送部40乃至44は、収納庫装填ケース16の預払機前後方向に対する位置の調節が不十分であると、前側固定ガイド74及び後側固定ガイド75に対し、紙幣収納庫20乃至24の収納庫前ガイド140A及び収納庫後ガイド140Bが前側や後側にずれて位置するため、双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの下端部を収納紙幣搬送路20AX乃至24AXの上端部と接続部分内に段差を形成するように接続することになる。
このため差込引抜部125は、金庫筐体15内に、複数の紙幣収納庫20乃至24が装填された収納庫装填ケース16が装填された状態で、それまで金庫筐体15に対して開かれていた金庫扉15Bが閉じられると、金庫扉15Bの内面で可動アーム127の前端が押されることで、当該可動アーム127を預払機後方向へ移動させる。
この際、差込引抜部125は、可動アーム127を移動させながら、当該可動アーム127の左面側で、複数の双方向受渡搬送部40乃至44の連結ピン98の先端部にそれぞれ対応するトーションばね130の他端部を押し付ける。
よって差込引抜部125は、複数の双方向受渡搬送部40乃至44において、それぞれ連結ピン98を後側へ変位させながら左側昇降制御レバー95及び右側昇降制御レバー96を一回転方向へ回転させて、左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88を下降させる。
これにより差込引抜部125は、複数の双方向受渡搬送部40乃至44の左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88をそれぞれ対応する紙幣収納庫20乃至24の左側位置決め孔部140C及び右側位置決め孔部140Dに一括して差し込む。
この際、収納庫装填ケース16の預払機前後方向に対する位置が高精度に調節されていると、複数の双方向受渡搬送部40乃至44の左側位置決めピン87の中心の真下及び右側位置決めピン88の中心の真下に、対応する紙幣収納庫20乃至24の左側位置決め孔部140Cの中心及び右側位置決め孔部140Dの中心が位置している。
このため差込引抜部125は、このような場合、複数の双方向受渡搬送部40乃至44の左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88を、対応する紙幣収納庫20乃至24を特には位置決めすることなく左側位置決め孔部140C及び右側位置決め孔部140Dに差し込むことができる。
ただし、収納庫装填ケース16の預払機前後方向に対する位置の調節が不十分であると、複数の双方向受渡搬送部40乃至44の左側位置決めピン87の中心の真下及び右側位置決めピン88の中心の真下から、対応する紙幣収納庫20乃至24の左側位置決め孔部140Cの中心及び右側位置決め孔部140Dの中心が前側や後側にずれることになる。
しかしながら、左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88は、それぞれ上述のように先端部がテーパ状に形成されている。
また左側位置決め孔部140C及び右側位置決め孔部140Dは、それぞれ上述のように、ピン差込口が漏斗状に形成されている。
このため差込引抜部125は、複数の双方向受渡搬送部40乃至44の左側位置決めピン87の中心の真下から、対応する紙幣収納庫20乃至24の左側位置決め孔部140Cの中心が前側や後側にずれていても、左側位置決めピン87の中心の真下に左側位置決め孔部140Cの中心を引き込むように紙幣収納庫20乃至24の位置や姿勢を変化させながら当該左側位置決めピン87を左側位置決め孔部140Cに差し込むことができる。
また差込引抜部125は、複数の双方向受渡搬送部40乃至44の右側位置決めピン88の中心の真下から、対応する紙幣収納庫20乃至24の右側位置決め孔部140Dの中心が前側や後側にずれている場合も、同様に右側位置決めピン88の中心の真下に右側位置決め孔部140Dの中心を引き込むように紙幣収納庫20乃至24の位置や姿勢を変化させながら当該右側位置決めピン88を右側位置決め孔部140Dに差し込むことができる。
これにより差込引抜部125は、複数の双方向受渡搬送部40乃至44に対し、対応する紙幣収納庫20乃至24を位置決めすることができる。
そして差込引抜部125は、このように複数の双方向受渡搬送部40乃至44に対し、対応する紙幣収納庫20乃至24を位置や姿勢を変化させて位置決めすると、これに応じて前側固定ガイド74及び後側固定ガイド75に対する収納庫前ガイド140A及び収納庫後ガイド140Bの位置ずれを修正することができる。
すなわち、差込引抜部125は、前側固定ガイド74の腕部の一面と収納庫前ガイド140Aの一面とを面一にすると共に、後側固定ガイド75の腕部の一面と収納庫後ガイド140Bの一面とを面一にするように位置ずれを修正して、双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの下端部と収納紙幣搬送路20AX乃至24AXの上端部との接続部分内を段差のない状態に変化させることができる。
このようにして差込引抜部125は、収納庫装填ケース16の預払機前後方向に対する位置の調整が不十分な場合でも、収納庫装填ケース16の収納時、作業者に金庫筐体15の金庫扉15Bを閉じさせるだけで、複数の双方向受渡搬送部40乃至44の双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの下端部に対して、対応する紙幣収納庫20乃至24の収納紙幣搬送路20AX乃至24AXの上端部を精度良く位置決めして接続することができる。
一方、差込引抜部125は、収納庫装填ケース16の引出時、金庫筐体15の金庫扉15Bが開かれると、これに応じて圧縮コイルばね128の作用により可動アーム127を預払機前方向へ移動させる。
この際、差込引抜部125は、可動アーム127を移動させながら、当該可動アーム127の複数のピン挿入孔部内の後面を、それぞれ当該ピン挿入孔部に挿入されている連結ピン98に押し付ける。
よって差込引抜部125は、複数の双方向受渡搬送部40乃至44においてそれぞれ連結ピン98を前側へ変位させながら左側昇降制御レバー95及び右側昇降制御レバー96を他回転方向へ回転させて、左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88を上昇させる。
これにより差込引抜部125は、複数の双方向受渡搬送部40乃至44の左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88をそれぞれ対応する紙幣収納庫20乃至24の左側位置決め孔部140C及び右側位置決め孔部140Dから一括して引き抜く。
そして差込引抜部125は、このようにして左側位置決め孔部140C及び右側位置決め孔部140Dから左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88を引き抜くと、その引抜時点からは引き続き複数の双方向受渡搬送部40乃至44に対しそれぞれ一対のコイルばね97、99の作用により左側昇降制御レバー95及び右側昇降制御レバー96を、さらに他回転方向へ回転させて左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88を上昇させ搬送部筐体60の枠部60A内に収納させる。
このようにして差込引抜部125は、収納庫装填ケース16の引出時、作業者に対し、複数の紙幣収納庫20乃至24の左側位置決め孔部140C及び右側位置決め孔部140Dから複数の双方向受渡搬送部40乃至44の左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88をそれぞれ引き抜かせるための特別な操作を何ら行わせることなく、収納庫装填ケース16の引き出しのために金庫筐体15の金庫扉15Bを開かせるだけで、当該複数の紙幣収納庫20乃至24の左側位置決め孔部140C及び右側位置決め孔部140Dから、対応する双方向受渡搬送部40乃至44の左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88を一括して引き抜くことができる。
ところで、金庫筐体15の金庫扉15Bは、比較的厚い金属板によって形成され比較的重いため、開閉には、ある程度の力が必要になる。
ただし、差込引抜部125には、可動アーム127を前側に付勢するために、比較的弾性力の大きい圧縮コイルばね128が設けられている。
このため差込引抜部125は、収納庫装填ケース16の引出時に、金庫筐体15の金庫扉15Bを開くために開閉ハンドルが回転操作され当該金庫筐体15内の係合位置から閂が退避すると、その時点で圧縮コイルばね128の作用により可動アーム127で金庫扉15Bを前側に押して僅かに開く(すなわち、金庫筐体15から金庫扉15Bを僅かにうかせる)ことができる。
これにより差込引抜部125は、作業者が金庫筐体15に対して金庫扉15Bを開く際の負担を軽減させることができる。
また差込引抜部125には、上述のように可動アーム127が平行リンクの機構を利用して前後に移動するように設けられている。
このため差込引抜部125は、金庫筐体15に対し金庫扉15Bが閉じられるとき、ヒンジを介して回転する金庫扉15Bの内面で可動アーム127が押されても、当該可動アーム127が金庫扉15Bによって加えられる回転方向の押圧力によって変形し、また破損することを防止することができる。
ところで、複数の双方向紙幣搬送路40A乃至44Aと、これに対応する紙幣振分搬送路28Aの複数箇所の下端部及び複数の収納紙幣搬送路20AX乃至24AXとについては、紙幣を預払機下方向及び預払機上方向のように双方向に搬送するため、互いを精度良く位置決めして接続する必要がある。
このため複数の双方向紙幣搬送路40A乃至44Aと、これに対応する紙幣振分搬送路28Aの複数箇所の下端部及び複数の収納紙幣搬送路20AX乃至24AXとについては、上述の構成により接続時の高精度な位置決めを実現している。
これに対し一方向紙幣搬送路39Aと、これに対応する紙幣振分搬送路28Aの1箇所の下端部及びリジェクト紙幣搬送路17AXとについては、リジェクト紙幣を預払機下方向のように一方向へのみ搬送するため、紙幣を双方向へ搬送する場合のように高精度に位置決めせずに接続しても、リジェクト紙幣を問題なく搬送することができる。
このため振分搬送部28は、一方向受渡搬送部39に対応する1箇所の搬送路接続部分に、複数の双方向受渡搬送部40乃至44に対応する複数の搬送路接続部分と同様に紙幣振分搬送路28Aの下端部を形成しているものの、当該一方向受渡搬送部39を双方向受渡搬送部40乃至44とは異なるように構成している。
すなわち、図3及び図4に示すように、一方向受渡搬送部39は、例えば、搬送部筐体150内に、紙幣の長辺の長さ以上の所定の長さを有する断面略コ字状の一対の搬送ガイド151、152が、一方は前側に位置させ、他方は後側に位置させるようにして互いの一面を対向させて固定されている。
因みに、以下の説明では、一方向受渡搬送部39において前側に位置する一方の搬送ガイド151を、一方向用前側ガイド151とも呼び、後側に位置する他方の搬送ガイド152を、一方向用後側ガイド152とも呼ぶ。
この場合、一方向用前側ガイド151及び一方向用後側ガイド152は、互いに一面が傾斜しており、互いの間隔が上から下へ徐々に狭まるように配置されている。
また一方向用前側ガイド151及び一方向用後側ガイド152は、上端部及び下端部がそれぞれ預払機左方向に沿って櫛歯状に形成されている。
さらに一方向受渡搬送部39は、一方向用前側ガイド151ド内に預払機左右方向と平行なローラ軸を介して一対のローラが回動可能に配置され、当該一対のローラの周側面の一部を一方向用前側ガイド151に穿設された対応する孔部を介して後側に突出させている。
さらにまた一方向受渡搬送部39は、一方向用後側ガイド152内にも預払機左右方向と平行なローラ軸を介して一対のローラが回動可能に配置され、当該一対のローラの周側面の一部を一方向用後側ガイド152に穿設された対応する孔部を介して前側に突出させている。
よって一方向受渡搬送部39は、一方向用前側ガイド151の一対のローラの周側面の後側と、一方向用後側ガイド152の一対のローラの周側面の前側とを、当該一方向用前側ガイド151及び一方向用後側ガイド152の間で押し付けている。
これにより一方向受渡搬送部39は、一方向用前側ガイド151及び一方向用後側ガイド152の間に、複数の双方向受渡搬送部40乃至44の場合と同様な搬送路横幅を有するものの、搬送路縦幅が上から下へ徐々に狭まる一方向紙幣搬送路39Aを形成している。
そして一方向受渡搬送部39には、搬送部筐体150の左側にギアや駆動プーリ、駆動ベルト等を有する左側駆動伝達部155が配置されている。
よって一方向受渡搬送部39は、預払機筐体2に上部ユニット13が収納された場合、振分搬送部28に設けられた駆動伝達ギアを左側駆動伝達部155のギアと連結する。
これにより一方向受渡搬送部39は、紙幣の入金処理時や出金処理時、振分搬送部28から駆動伝達ギアを介して伝達されるモータの駆動力を、左側駆動伝達部155においてギアで受けると共に駆動プーリ及び駆動ベルトを介して、当該ギアの回転を自己の搬送部筐体150の駆動プーリに伝達してローラ軸を回転させる。
このようにして一方向受渡搬送部39は、ローラ駆動モータが特には設けられていないものの、紙幣の入金処理時や出金処理時、一方向紙幣搬送路39Aを駆動してリジェクト紙幣を搬送することができる。
係る構成のもと、一方向受渡搬送部39は、預払機筐体2内に上部ユニット13が収納されると、一方向用前側ガイド151及び一方向用後側ガイド152の上端部を、振分搬送部28の対応する搬送路接続部分の接続部分前ガイド及び接続部分後ガイドの下端部と嵌合させて、一方向紙幣搬送路39Aの上端部を紙幣振分搬送路28Aの下端部と接続する。
ただし、一方向受渡搬送部39では、一方向用前側ガイド151及び一方向用後側ガイド152の上端部の間隔(すなわち、一方向紙幣搬送路39Aの上端部の搬送路縦幅)が、振分搬送部28の接続部分前ガイド及び接続部分後ガイドの間隔(すなわち、紙幣振分搬送路28Aの下端部の搬送路縦幅)よりも広く選定されている。
よって一方向受渡搬送部39は、一方向紙幣搬送路39Aの上端部の搬送路縦幅の中心と、紙幣振分搬送路28Aの下端部の搬送路縦幅の中心とが前後にずれていても、当該紙幣振分搬送路28Aの下端部から繰り出されるリジェクト紙幣を、一方向紙幣搬送路39Aの上端部で受け取って引き続き搬送することができる。
一方、リジェクト庫17は、紙幣収納庫20乃至24の場合と同様に外装ケース157を有し、当該外装ケース157の上面の後端部に、一対の搬送ガイド157A(一方のみ図示し、他方は図示せず)が、互いの一面を対向させて前後に位置させるようにして一体に形成されている。
因みに、以下の説明では、外装ケース157の上面に一体に形成された一対の搬送ガイド157Aのうち、前側に位置する一方の搬送ガイド157Aを、リジェクト庫前ガイド157Aとも呼び、後側に位置する他方の搬送ガイドを、リジェクト庫後ガイドとも呼ぶ。
この場合、リジェクト庫前ガイド157A及びリジェクト庫後ガイドは、例えば、互いの間隔を上から下へ徐々に狭めるように一面が形成されている。
またリジェクト庫前ガイド157A及びリジェクト庫後ガイドは、上端部がそれぞれ預払機左方向に沿って櫛歯状に形成されている。
また外装ケース157内には、リジェクト庫前ガイド157A及びリジェクト庫後ガイドに対応させて複数のローラや、当該ローラに連結されたギア158等も配置されている。
これによりリジェクト庫17は、リジェクト庫前ガイド157A及びリジェクト庫後ガイドの間に、複数の双方向受渡搬送部40乃至44の場合と同様な搬送路横幅を有するものの、搬送路縦幅が上から下へ徐々に狭まるリジェクト紙幣搬送路17AXを形成している。
因みに、リジェクト庫17は、内部にローラ駆動モータが設けられずに構成されている。このため一方向受渡搬送部39には、搬送部筐体150の右側にギアや駆動プーリ、駆動ベルト等を有する右側駆動伝達部159が配置され、当該右側駆動伝達部159がローラ軸を介して左側駆動伝達部155に連結されている。
またリジェクト庫17は、外装ケース157の上面の右端部に、内部のギア158を露出させるための切欠部が形成されている。
そして一方向受渡搬送部39は、収納庫装填ケース16の引出時及び収納時、所定の操作に応じて右側駆動伝達部159のギアを持ち上げることで、当該収納庫装填ケース16の引き出し及び収納の妨げになることを回避する。
また一方向受渡搬送部39は、金庫筐体15内に収納庫装填ケース16が収納された状態では、所定の操作に応じて右側駆動伝達部159のギアを下げてリジェクト庫17のギア158に歯合させる。
これにより一方向受渡搬送部39は、紙幣の入金処理時や出金処理時、右側駆動伝達部159のギアの回転をリジェクト庫17に伝達して、当該リジェクト庫17においてリジェクト紙幣の取込用にローラを回転させることができる。
係る構成のもと、一方向受渡搬送部39は、金庫筐体15内に、複数の紙幣収納庫20乃至24及びリジェクト庫17が装填された収納庫装填ケース16が装填されると、一方向用前側ガイド151及び一方向用後側ガイド152の下端部を、リジェクト庫17のリジェクト庫前ガイド157A及びリジェクト庫後ガイドの上端部と嵌合させて、一方向紙幣搬送路39Aの下端部をリジェクト紙幣搬送路17AXの下端部と接続する。
ただし、リジェクト庫17では、リジェクト庫前ガイド157A及びリジェクト庫後ガイドの上端部の間隔(すなわち、リジェクト紙幣搬送路17AXの上端部の搬送路縦幅)が、一方向用前側ガイド151及び一方向用後側ガイド152の下端部の間隔(すなわち、一方向紙幣搬送路39Aの下端部の搬送路縦幅)よりも広く選定されている。
よって一方向受渡搬送部39は、一方向紙幣搬送路39Aの下端部の搬送路縦幅の中心と、リジェクト紙幣搬送路17AXの上端部の搬送路縦幅の中心とが前後にずれていても、当該一方向紙幣搬送路39Aの下端部から繰り出すリジェクト紙幣をリジェクト紙幣搬送路17AXの上端部に引き渡すように搬送することができる。
このようにして一方向受渡搬送部39は、上部ユニット13及び又は収納庫装填ケース16の預払機前後方向に対する位置の調整が不十分な場合に、一方向紙幣搬送路39Aの上端部及び下端部をそれぞれ紙幣振分搬送路28Aの対応する下端部及びリジェクト紙幣搬送路17AXの上端部と特には位置決めせずに接続しても、当該紙幣振分搬送路28Aを介して搬送されるリジェクト紙幣をリジェクト紙幣搬送路17AXへと受け渡すように搬送することができる。
(1−4)実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、現金自動預払機1では、複数の双方向受渡搬送部40乃至44に前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を互いの根元部の一面を対向させて回動可能に設けると共に、当該前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を左側連結板81及び右側連結板82を介して連結して互いの一面を平行にしたまま回動可能なようにする。
そして現金自動預払機1は、預払機筐体2内に上部ユニット13が収納されたとき、複数の双方向受渡搬送部40乃至44の前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を、それぞれ振分搬送部28の対応する搬送路接続部分の接続部分前ガイド120及び接続部分後ガイド121の位置に応じて回転させて当該接続部分前ガイド120及び接続部分後ガイド121と嵌合させて双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの上端部を紙幣振分搬送路28Aの下端部と接続する。
従って現金自動預払機1は、複数の双方向受渡搬送部40乃至44の前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を前側や後側へ傾けた姿勢で振分搬送部28の対応する接続部分前ガイド120及び接続部分後ガイド121と嵌合させても、双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの上端部と紙幣振分搬送路28Aの下端部とを搬送路縦幅を変化させずに接続することができる。
よって現金自動預払機1は、複数の双方向受渡搬送部40乃至44の前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を前側や後側へ傾けた姿勢で振分搬送部28の対応する接続部分前ガイド120及び接続部分後ガイド121と嵌合させても、その嵌合により接続される双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの上端部と紙幣振分搬送路28Aの下端部との接続部分内に、当該前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73の先端部や接続部分前ガイド120及び接続部分後ガイド121の下端部が入り込んで段差や凹みが形成されることを確実に防止することができる。
そして現金自動預払機1は、このように双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの上端部と紙幣振分搬送路28Aの下端部とを接続部分内に段差や凹みが無いように接続することで、実際に当該紙幣振分搬送路28A及び双方向紙幣搬送路40A乃至44Aを順次介して紙幣を搬送する場合、その接続部分で紙幣が詰まり、また破損することをほぼ確実に防止することができる。
以上の構成によれば、現金自動預払機1は、双方向受渡搬送部40乃至44に一対の前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を左側連結板81及び右側連結板82を介して連結して互いの一面を平行にしたまま回動可能に設けるようにし、当該前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を接続部分前ガイド120及び接続部分後ガイド121の位置に応じて回転させて当該接続部分前ガイド120及び接続部分後ガイド121と嵌合させて双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの上端部を紙幣振分搬送路28Aの下端部と接続するようにした。
これにより現金自動預払機1は、双方向紙幣搬送路40A乃至44Aに対する紙幣振分搬送路28Aの位置ずれにより、前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を前側や後側へ傾けた姿勢で接続部分前ガイド120及び接続部分後ガイド121と嵌合させても、双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの上端部と紙幣振分搬送路28Aの下端部とを搬送路縦幅を変化させずに接続して接続部分内に段差や凹みが形成されることを確実に防止することができる。
よって現金自動預払機1は、双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの上端部を紙幣振分搬送路28Aの下端部と、位置ずれの有無に関わらずに的確に接続することができる。
また現金自動預払機1では、複数の双方向受渡搬送部40乃至44の後側ガイド保持部71に回転制御レバー85を、預払機後方向に沿って当該回転制御レバー85の受部を順に右側に所定間隔でずらして取り付けるようにした。
さらに現金自動預払機1では、振分搬送部28の複数の搬送路接続部分それぞれの接続部分前ガイド120に押付アーム115を、預払機後方向に沿って当該押付アーム115の押付部を順に右側に所定間隔でずらして、回転制御レバー85の受突起に対向させて取り付けるようにした。
従って現金自動預払機1は、振分搬送部28を有する上部ユニット13の収納時、作業者に上部ユニット13を預払機筐体2内に押し込ませるだけで、その押し込みによる振分搬送部28の移動により、当該振分搬送部28の複数の搬送路接続部分の押付アーム115の押付部を、それぞれ対応する双方向受渡搬送部40乃至44の回転制御レバー85の受部に押し付けて前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を、接続部分前ガイド120及び接続部分後ガイド121の位置に応じた角度まで一括して回転させることができる。
これにより現金自動預払機1は、上部ユニット13の収納時、紙幣振分搬送路28Aの複数の下端部に対して、それぞれ対応する双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの上端部を容易に、かつ精度良く位置決めして接続することができる。
そして現金自動預払機1は、振分搬送部28の複数の搬送路接続部分の接続部分前ガイド120にそれぞれ押付アーム115を取り付けると共に、複数の双方向受渡搬送部40乃至44の後側ガイド保持部71にそれぞれ回転制御レバー85を取り付けることで、紙幣振分搬送路28Aの複数の下端部と、それぞれ対応する双方向紙幣搬送路40A乃至44Aとの位置ずれの量や方向にばらつきがあっても、紙幣振分搬送路28Aの複数の下端部に対して、それぞれ対応する双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの上端部を個別に精度良く位置決めして接続することができる。
また現金自動預払機1では、このように紙幣振分搬送路28Aの複数の下端部に対して、それぞれ対応する双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの上端部を個別に精度良く位置決めして接続することができるため、現金自動預払機1を工場で組み立てる際や設置場所での上部ユニット13の交換の際に、当該上部ユニット13の預払機前後方向に対する位置の調整の要求精度を、押付アーム115及び回転制御レバー85を利用した前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73の回転による位置決めでカバーできる程度まで下げることもできる。
そして現金自動預払機1では、現金自動預払機1を工場で組み立てる際や設置場所での上部ユニット13の交換の際に、当該上部ユニット13の預払機前後方向に対する位置の調整の要求精度を下げれば、その分、上部ユニット13の預払機前後方向に対する位置を調整するための作業を簡略化することができる。
さらに現金自動預払機1では、複数の双方向受渡搬送部40乃至44にそれぞれ紙幣収納庫20乃至24を、搬送路の接続用に位置決めするための左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88を昇降可能に設けるようにした。
また現金自動預払機1では、金庫筐体15内に金庫扉15Bの開閉に応じて、複数の双方向受渡搬送部40乃至44の左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88を上昇させて、対応する紙幣収納庫20乃至24の左側位置決め孔部140C及び右側位置決め孔部140Dから一括して引き抜き、また当該左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88を下降させて、対応する紙幣収納庫20乃至24の左側位置決め孔部140C及び右側位置決め孔部140Dに一括して差し込むための差込引抜部125を設けるようにした。
従って現金自動預払機1は、金庫筐体15内への収納庫装填ケース16の収納時、金庫筐体15の金庫扉15Bを閉じさせるだけで、複数の双方向受渡搬送部40乃至44の双方向紙幣搬送路40A乃至44Aの下端部に対して、対応する紙幣収納庫20乃至24の収納紙幣搬送路20AX乃至24AXの上端部を精度良く位置決めして接続することができる。
また現金自動預払機1は、金庫筐体15内からの収納庫装填ケース16の引出時、金庫筐体15の金庫扉15Bを開かせるだけで、複数の紙幣収納庫20乃至24の左側位置決め孔部140C及び右側位置決め孔部140Dから、対応する双方向受渡搬送部40乃至44の左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88を一括して引き抜くことができる。
よって現金自動預払機1は、金庫筐体15内からの収納庫装填ケース16の引出時、金庫筐体15の金庫扉15Bを開かせると、複数の紙幣収納庫20乃至24の左側位置決め孔部140C及び右側位置決め孔部140Dから複数の双方向受渡搬送部40乃至44の左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88をそれぞれ引き抜かせるための特別な操作を何ら行わせることなく、引き続き金庫筐体15内から収納庫装填ケース16を引き出させることができる。
(2)他の実施の形態
(2−1)他の実施の形態1
なお上述した実施の形態においては、複数の双方向受渡搬送部40乃至44に一対の前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73をそれぞれ回動可能に設けると共に、当該前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を左側連結板81及び右側連結板82を介して連結して互いの一面を平行にしたまま回動させるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、例えば、図20(A)及び(B)に示すように、一対の搬送ガイド170、171の一方に他方を互いの一面を平行にしたまま固定し、当該一対の搬送ガイド170、171を1本の回動軸を中心にして回動可能に設けるようにしても良い。
本発明は、係る構成によれば、双方向受渡搬送部において一対の搬送ガイド170、171を回動させるための構成を簡易化することができる。
(2−2)他の実施の形態2
また上述した実施の形態においては、複数の双方向受渡搬送部40乃至44と複数の紙幣収納庫20乃至24との搬送路の接続用の位置決めに左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88を用いるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、複数の双方向受渡搬送部40乃至44に、前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73の下側にも、当該前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73と同様構成の一対の搬送ガイドを設ける。
そして本発明は、複数の双方向受渡搬送部40乃至44と複数の紙幣収納庫20乃至24との搬送路の接続用の位置決めを、当該複数の双方向受渡搬送部40乃至44と振分搬送部28の複数の搬送路接続部分との接続用の位置決めと同様に行うようにしても良い。
本発明は、係る構成によっても、複数の双方向紙幣搬送路40A乃至44Aを複数の収納紙幣搬送路20AX乃至24AXと高精度に位置決めして接続することができる。
(2−3)他の実施の形態3
さらに上述した実施の形態においては、振分搬送部28と、複数の紙幣収納庫20乃至24との間に複数の双方向受渡搬送部40乃至44を設けるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、双方向受渡搬送部40乃至44を他の実施の形態2で述べた構成とすると共に、上部ユニット13において上部筐体27と振分搬送部28とを個別に移動させて預払機筐体2に対し引出及び収納可能にし、そのうえで上部筐体27と振分搬送部28との間に双方向受渡搬送部を設けるようにしても良い。
(2−4)他の実施の形態4
さらに上述した実施の形態においては、振分搬送部28の複数の搬送路接続部分にそれぞれ一対の接続部分前ガイド120及び接続部分後ガイド121を固設し、複数の双方向受渡搬送部40乃至44に前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を設けるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、振分搬送部28の複数の搬送路接続部分にそれぞれ一対の搬送ガイドを互いの一面を平行にしたまま回動可能に設け、複数の双方向受渡搬送部40乃至44に前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73に換えて一対の搬送ガイドを固設するようにしても良い。
すなわち、本発明は、前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73の構成を双方向受渡搬送部40乃至44にのみ適用するのではなく、例えば、上部筐体27と振分搬送部28とを個別に移動させて預払機筐体2に対し引出及び収納可能にし、当該前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73の構成を前側搬送部32及び後側搬送部33における振分搬送部28との搬送路接続部分や、当該振分搬送部28における前側搬送部32及び後側搬送部33との搬送路接続部分に適用することもできる。
(2−5)他の実施の形態5
さらに上述した実施の形態においては、現金自動預払機1で紙幣を一方の長辺を搬送方向に向けて搬送するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、現金自動預払機1で紙幣を一方の短辺を搬送方向に向けて搬送するようにして、双方向受渡搬送部40乃至44や振分搬送部28等の各紙幣搬送部を、当該紙幣の搬送姿勢に応じて構成するようにしても良い。
(2−6)他の実施の形態6
さらに上述した実施の形態においては、本発明による紙葉類搬送装置を、図1乃至図20について上述した現金自動預払機1に設けられ、複数の双方向受渡搬送部40乃至44を有する連結部35に適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、切符やチケット、コピー用紙、葉書及び有価証券等の紙葉類を特定の種類のみ搬送する紙葉類搬送装置や、複数種類の紙葉類を搬送する紙葉類搬送装置等のように、この他種々の構成の紙葉類搬送装置に広く適用することができる。
(2−7)他の実施の形態7
さらに上述した実施の形態においては、本発明による紙葉類取扱装置を、図1乃至図20について上述した現金自動預払機1に適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、現金自動支払機(CD:Cash Dispenser)、両替機、電車の切符や観劇のチケット等を販売する券売機、精算機、自動販売機、パチンコ台やスロット台のような遊戯機、コピー機、葉書取扱装置等のように、紙幣や切符、チケット等の種々の紙葉類を扱うこの他種々の構成の紙葉類取扱装置に広く適用することができる。
(2−8)他の実施の形態8
さらに上述した実施の形態においては、所定の間隔で平行にされ、間に搬送路が形成されると共に、一端部が、間に接続対象搬送路が形成され間隔で平行にされた一対の接続側搬送ガイドの端部と嵌合可能な形状に形成された一対の搬送ガイドとして、図1乃至図20について上述した双方向受渡搬送部40乃至44に設けられた断面略J字状の前側可動ガイド72及び後側可動ガイド73を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、平板状の一対の搬送ガイドや、紙幣を一方向へ搬送する紙幣搬送部に回動可能に設けられた一対の搬送ガイド等のように、この他種々の形状及び構成の一対の搬送ガイドを広く適用することができる。
(2−9)他の実施の形態9
さらに上述した実施の形態においては、間に接続対象搬送路が形成され、所定の間隔で平行にされた一対の接続側搬送ガイドとして、図1乃至図20について上述した振分搬送部28に設けられた接続部分前ガイド120及び接続部分後ガイド121を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、前側搬送部32や後側搬送部33に設けられた一対の搬送ガイド等のように、この他種々の形状及び構成の一対の接続側搬送ガイドを広く適用することができる。
(2−10)他の実施の形態10
さらに上述した実施の形態においては、一対の搬送ガイドを、一対の接続側搬送ガイドの位置に応じて回動可能なように支持する支持部として、図1乃至図20について上述した双方向受渡搬送部40乃至44の搬送部筐体60、前側ローラ軸63及び後側ローラ軸64を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、ローラ軸と別に搬送ガイドの回転専用に設けられる可動軸を有する筐体等のように、この他種々の支持部を広く適用することができる。
(2−11)他の実施の形態11
さらに上述した実施の形態においては、支持部に回動可能に支持された一対の搬送ガイドを、一対の接続側搬送ガイドの位置に応じて回転させるための回転制御レバーとして、図1乃至図20について上述した双方向受渡搬送部40乃至44の回転制御レバー85を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、例えば前側可動ガイド72に取り付けられ、振分搬送部28の移動に応じて引っ掛けられて後側に引っ張られるような回転制御レバーのように、この他種々の構成の回転制御レバーを広く適用することができる。
(2−12)他の実施の形態12
さらに上述した実施の形態においては、それぞれ一対の搬送ガイド、支持部及び回転制御レバーを有する複数の紙葉類搬送部として、図1乃至図20について上述した双方向受渡搬送部40乃至44を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、上述した双方向受渡搬送部40乃至44と同様の構成を有するものの、紙幣を一方向へのみ搬送する一方向受渡搬送部のように、この他種々の構成の紙葉類搬送部を広く適用することができる。
(2−13)他の実施の形態13
さらに上述した実施の形態においては、複数の紙葉類搬送部にそれぞれ設けられ、一方向に沿って順次配置される複数の紙葉類収納庫を、対応する紙葉類搬送部に対して位置決めするための複数の位置決めピンとして、図1乃至図20について上述した先端部がテーパ状に形成されり円柱状の左側位置決めピン87及び右側位置決めピン88を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、この他種々の形状の位置決めピンを広く適用することができる。
(2−14)他の実施の形態14
さらに上述した実施の形態においては、複数の紙葉類搬送部にそれぞれ設けられた複数の位置決めピンを、複数の紙葉類搬送部にそれぞれ形成されたピン差込孔部に差し込み、また複数の紙葉類搬送部それぞれのピン差込孔部から引き抜く差込引抜部として、図1乃至図20について上述した差込引抜部125を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、複数の紙葉類搬送部にそれぞれ設けられた複数の位置決めピンを、複数の紙葉類搬送部にそれぞれ形成されたピン差込孔部に異なるタイミングで順次差し込み、また複数の紙葉類搬送部それぞれのピン差込孔部から異なるタイミングで順次引き抜く差込引抜部や、作業者の操作により可動アーム127を移動させる差込引抜部のように、この他種々の構成の差込引抜部を広く適用することができる。
本発明は、紙幣、切符、チケット、コピー用紙、葉書、有価証券等の紙葉類を搬送する紙葉類搬送装置と、紙葉類搬送装置によって搬送される紙幣、切符、チケット、コピー用紙、葉書、有価証券等の紙葉類を取り扱う紙葉類取扱装置とに利用することができる。
1……現金自動預払機、2……預払機筐体、13……上部ユニット、15……金庫筐体、15B……金庫扉、20乃至24……紙幣収納庫、20A乃至24A……収納庫搬送部、20AX乃至24AX……収納紙幣搬送路、28……振分搬送部、28A……紙幣振分搬送路、35……連結部、40乃至44……双方向受渡搬送部、40A乃至44A……双方向紙幣搬送路、60……搬送部筐体、63……前側ローラ軸、64……後側ローラ軸、72……前側可動ガイド、73……後側可動ガイド、74……前側固定ガイド、75……後側固定ガイド、81……左側連結板、82……右側連結板、85……回転制御レバー、87……左側位置決めピン、88……右側位置決めピン、95……左側昇降制御レバー、96……右側昇降制御レバー、125……差込引抜部、127……可動アーム、170、171……搬送ガイド。

Claims (7)

  1. に搬送路形成、一端部が、所定の間隔で平行にされて間に接続対象搬送路形成する一対の接続側搬送ガイドの端部と嵌合可能な形状に形成された一対の搬送ガイドと、
    上記一対の搬送ガイドをそれぞれ上記一対の接続側搬送ガイドの位置に応じて回動可能に支持する支持部と
    上記一対の搬送ガイドを、上記間隔で平行にして回動するように連結する連結部と
    を具える紙葉類搬送装置。
  2. 上記一対の搬送ガイドを、上記一対の接続側搬送ガイドの位置に応じて回転させるための回転制御レバー
    を具える請求項1に記載の紙葉類搬送装置。
  3. それぞれ上記一対の搬送ガイド、上記支持部、上記連結部及び上記回転制御レバーを有する複数の紙葉類搬送部
    を具え、
    複数の上記紙葉類搬送部は、
    所定の一方向及び当該一方向とは逆の他方向へ移動可能な他の紙葉類搬送装置に上記一方向に沿って順次配置される複数の上記一対の接続側搬送ガイドに対応させて、上記一方向に沿って順次配置され、
    複数の上記紙葉類搬送部の上記回転制御レバーは、
    上記一方向に沿って先端部を順に上記一方向と直交する直交方向へずらして位置させるように設けられた
    請求項2に記載の紙葉類搬送装置。
  4. 所定の間隔で平行にされて間に搬送路を形成すると共に、一端部が、上記間隔で平行にされて間に接続対象搬送路を形成する一対の接続側搬送ガイドの端部と嵌合可能な形状に形成された一対の搬送ガイドと、
    上記一対の搬送ガイドを、上記一対の接続側搬送ガイドの位置に応じて回動可能に支持する支持部と、
    上記支持部に回動可能に支持された上記一対の搬送ガイドを、上記一対の接続側搬送ガイドの位置に応じて回転させるための回転制御レバーと、
    それぞれ上記一対の搬送ガイド、上記支持部及び上記回転制御レバーを有する複数の紙葉類搬送部と
    を具え、
    複数の上記紙葉類搬送部は、
    所定の一方向及び当該一方向とは逆の他方向へ移動可能な他の紙葉類搬送装置に上記一方向に沿って順次配置される複数の上記一対の接続側搬送ガイドに対応させて、上記一方向に沿って順次配置され、
    複数の上記紙葉類搬送部の上記回転制御レバーは、
    上記一方向に沿って先端部を順に上記一方向と直交する直交方向へずらして位置させるように設けられた
    紙葉類搬送装置。
  5. 上記一方向に沿って順次配置される複数の紙葉類収納庫を、対応する上記紙葉類搬送部に対して位置決めするための複数の位置決めピンと、
    複数の上記紙葉類搬送部にそれぞれ設けられた複数の上記位置決めピンを、複数の上記紙葉類収納庫にそれぞれ形成されたピン差込孔部に差し込み、また複数の上記紙葉類収納庫それぞれの上記ピン差込孔部から引き抜く差込引抜部と
    を具える請求項3又は請求項4に記載の紙葉類搬送装置。
  6. 上記差込引抜部は、
    複数の上記紙葉類収納庫が収納される筐体内に設けられ、当該筐体に開閉可能に取り付けられた扉の開閉に応じて、複数の上記位置決めピンを、複数の上記紙葉類収納庫それぞれの上記ピン差込孔部に差し込み、また複数の上記紙葉類収納庫それぞれの上記ピン差込孔部から引き抜く
    請求項に記載の紙葉類搬送装置。
  7. 定の間隔で平行にされて間に接続対象搬送路を形成する一対の接続側搬送ガイドと、
    に搬送路形成、一端部が上記一対の接続側搬送ガイドの端部と嵌合可能な形状に形成された一対の搬送ガイドと、
    上記一対の搬送ガイドをそれぞれ上記一対の接続側搬送ガイドの位置に応じて回動可能に支持する支持部と
    上記一対の搬送ガイドを、上記間隔で平行にして回動するように連結する連結部と
    を具える紙葉類取扱装置。
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