以下図面を用いて、発明を実施するための最良の形態(以下、これを実施の形態とも呼ぶ)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
(1)実施の形態
(2)他の実施の形態
(1)実施の形態
(1−1)現金自動預払機の外観構成
図1において、1は全体として本発明を適用した現金自動預払機の外観構成を示す。係る現金自動預払機1は、上前隅部が切り欠かれたような略L字箱型の筐体(以下、これを預払機筐体とも呼ぶ)2を有している。
因みに、以下の説明では、現金自動預払機1を、預払機筐体2の切欠部分の下側となる前面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印a1で示す左の方向を、預払機左方向とも呼び、当該預払機左方向とは逆の方向を、預払機右方向とも呼ぶ。
そして、以下の説明では、預払機左方向及び預払機右方向を特に区別する必要がない場合、これらをまとめて預払機左右方向とも呼ぶ。
また、以下の説明では、現金自動預払機1を、預払機筐体2の前面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印b1で示す上の方向を、預払機上方向とも呼び、当該預払機上方向とは逆の方向を、預払機下方向とも呼ぶ。
そして、以下の説明では、預払機上方向及び預払機下方向を特に区別する必要がない場合、これらをまとめて預払機上下方向とも呼ぶ。
さらに、以下の説明では、現金自動預払機1を、預払機筐体2の前面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印c1で示す手前の方向を、預払機前方向とも呼び、当該預払機前方向とは逆の方向を、預払機後方向とも呼ぶ。
そして、以下の説明では、預払機前方向及び預払機後方向を特に区別する必要がない場合、これらをまとめて預払機前後方向とも呼ぶ。
預払機筐体2は、前面2Aの上側の切欠部分に、接客用の略L字状のパネル(以下、これを接客パネルとも呼ぶ)3が設けられている。
接客パネル3において表面が上側を向く上向パネル3Aは、例えば、その表面の左後端部に、顧客に入金用の硬貨を投入させ、また出金用の硬貨を取り出させるための略円形状の硬貨投入取出口(以下、これを硬貨口とも呼ぶ)3AXが形成されている。
また上向パネル3Aは、例えば、その表面の右後端部に、顧客に入金用の紙幣を投入させ、また出金用の紙幣を取り出させるための略長方形状の紙幣投入取出口(以下、これを紙幣口とも呼ぶ)3AYが預払機左右方向と平行に形成されている。
さらに上向パネル3Aは、例えば、その表面の中央前端部に、取引の手順を案内するための種々の取引手順案内画像の表示及び表面へのタッチ操作が可能なタッチスクリーン4が配置されている。
因みに、預払機筐体2は、上向パネル3Aの裏面の左後端部に、硬貨口3AXを開放及び閉塞するためのシャッタ(以下、これを硬貨口用シャッタとも呼ぶ)5を有するシャッタ開閉部が配置されている。
また預払機筐体2は、上向パネル3Aの裏面の右後端部に、紙幣口3AYを開放及び閉塞するためのシャッタ(以下、これを紙幣口用シャッタとも呼ぶ)6を有するシャッタ開閉部が配置されている。
一方、接客パネル3において表面が前側を向く前向パネル3Bは、例えば、その表面の中央部の左寄りに、取引の際、通帳を挿入及び排出するための略長方形状の通帳挿入排出口(以下、これを通帳口とも呼ぶ)7が預払機左右方向と平行に形成されている。
また前向パネル3Bは、例えば、その表面の中央部の右寄りに、取引の際、キャッシュカードやクレジットカード等のカードを挿入及び排出するための略長方形状のカード挿入排出口(以下、これをカード口とも呼ぶ)8が預払機左右方向と平行に形成されている。
現金自動預払機1は、係る構成のもと、タッチスクリーン4に取引手順案内画像を表示すると共に、顧客によるタッチスクリーン4の表面へのタッチ操作に応じて、当該タッチスクリーン4に表示する取引手順案内画像を適宜切り換える。
そして現金自動預払機1は、タッチスクリーン4に適宜切り換えて表示する取引手順案内画像によって、顧客に硬貨や紙幣の預け入れのような入金や、硬貨や紙幣の払い出しのような出金等の所望の取引の手順を案内する。
これにより現金自動預払機1は、顧客に取引の手順の案内に従って、通帳口7やカード口8に通帳やカードを挿入させる。
そのうえで、現金自動預払機1は、入金の際には顧客に取引の手順の案内に従って、硬貨口3AXや紙幣口3AYに入金用の硬貨や紙幣を投入させる。
また現金自動預払機1は、出金の際には顧客に取引の手順の案内に従って、硬貨口3AXや紙幣口3AYから出金用の硬貨や紙幣を取り出させる。
そして現金自動預払機1は、通帳口7やカード口8から通帳やカードを排出するようにして、顧客に取引の手順の案内に従って、その通帳やカードを受け取らせる。
このようにして現金自動預払機1は、顧客が所望する現金(すなわち、硬貨や紙幣)の入金や出金等の取引を行うことができる。
(1−2)現金自動預払機の内部構成
次いで、現金自動預払機1の内部構成について説明する。因みに、以下には、現金自動預払機1の内部構成として便宜上、現金としての紙幣の入金及び出金に関する構成について説明し、現金としての硬貨の入金及び出金に関する構成については説明を省略する。
図2に示すように、現金自動預払機1の預払機筐体2は、上向パネル3Aの位置よりも下側の左下隅部に、当該現金自動預払機1全体を統括制御する制御ユニット10が収納されている。
また預払機筐体2は、上向パネル3Aの位置よりも下側の右下端部に、制御ユニット10の制御のもと、紙幣の入金処理及び出金処理を実行する紙幣処理ユニット11が収納されている。
図3に示すように、紙幣処理ユニット11は、略箱型の筐体(以下、これをユニット筐体とも呼ぶ)12を有している。
そしてユニット筐体12内には、上述した紙幣口用シャッタ6を有するシャッタ開閉部13の真下となる例えば上前隅部に、紙幣口3AYを介して顧客から入金用の紙幣を受け取り、また顧客に出金用の紙幣を引き渡すための紙幣受渡部14が配置されている。
またユニット筐体12内には、例えば、紙幣受渡部14の後斜め下に、紙幣の金種や状態等を鑑別するための鑑別部15が配置されている。
さらにユニット筐体12内には、例えば、鑑別部15の後斜め上に、入金時に紙幣を保持して、その入金を一時的に保留するための一時保留部16が配置されている。
さらにユニット筐体12内には、例えば、一時保留部16の下に、破損している紙幣や折れ曲がっている紙幣等のような異常な紙幣を収納するための紙幣収納庫17が収納されている。
因みに、以下の説明では、破損している紙幣や折れ曲がっている紙幣等のような異常な紙幣を、適宜、入金用及び出金用の紙幣とは区別してリジェクト紙幣とも呼ぶ。
また、以下の説明では、リジェクト紙幣を収納するための紙幣収納庫17を、特にリジェクト庫17とも呼ぶ。
さらにまたユニット筐体12内には、例えば、下端部(すなわち、紙幣受渡部14、鑑別部15及びリジェクト庫17の下側)に、入出金用の複数の紙幣を金種別に収納する(すなわち、それぞれ特定の1金種の紙幣を収納する)ための複数の紙幣収納庫18乃至22が前から後へ順に並べるようにして固設されている。
これに加えてユニット筐体12内には、上前端部において紙幣受渡部14と鑑別部15との間に、搬送ガイドや搬送ローラ、搬送方向切換ブレード、搬送用モータ等の複数種類の搬送路形成部品を有する搬送部(以下、これを前側搬送部とも呼ぶ)25が配置されている。
前側搬送部25は、複数種類の搬送路形成部品により、紙幣を、搬送先を適宜切り換えて搬送するための搬送路(以下、これを前側紙幣搬送路とも呼ぶ)25Aを形成している。そして前側紙幣搬送路25Aは、紙幣受渡部14及び鑑別部15に接続されている。
またユニット筐体12内には、上端部において紙幣受渡部14、鑑別部15、一時保留部16及びリジェクト庫17の間に、搬送ガイドや搬送ローラ、搬送方向切換ブレード、搬送用モータ等の複数種類の搬送路形成部品を有する搬送部(以下、これを上側搬送部とも呼ぶ)26が配置されている。
上側搬送部26は、複数種類の搬送路形成部品により、紙幣を、搬送先を適宜切り換えて搬送するための搬送路(以下、これを上側紙幣搬送路とも呼ぶ)26Aを形成している。
そして上側紙幣搬送路26Aは、紙幣受渡部14、鑑別部15、一時保留部16及びリジェクト庫17に接続されている。
さらにユニット筐体12内には、中央部において鑑別部15、リジェクト庫17、前側搬送部25及び上側搬送部26と、複数の紙幣収納庫18乃至22との間に、搬送ガイドや搬送ローラ、搬送方向切換ブレード、搬送用モータ等の複数種類の搬送路形成部品を有する搬送部(以下、これを中央搬送部とも呼ぶ)27が配置されている。
中央搬送部27は、複数種類の搬送路形成部品により、紙幣を、搬送先を適宜切り換えて搬送するための搬送路(以下、これを中央紙幣搬送路とも呼ぶ)27Aを形成している。
そして中央紙幣搬送路27Aは、前側紙幣搬送路25A、上側紙幣搬送路26A及び複数の紙幣収納庫18乃至22に接続されている。
ところで、前側搬送部25、上側搬送部26及び中央搬送部27は、前側紙幣搬送路25A、上側紙幣搬送路26A及び中央紙幣搬送路27Aを介して長方形の紙幣を例えば、一方の短辺を左側に位置させ、かつ他方の短辺を右側に位置させて(すなわち、紙幣の長手方向を預払機左右方向とほぼ平行にして)一方の長辺を搬送方向に向けた搬送姿勢で搬送している。
なお、以下の説明では、紙幣の長手方向(すなわち、紙幣の長辺と平行な方向)を、紙幣長手方向とも呼び、当該紙幣の短手方向(すなわち、紙幣の短辺と平行な方向)を、紙幣短手方向とも呼ぶ。
よって紙幣処理ユニット11は、紙幣受渡部14、鑑別部15、一時保留部16、リジェクト庫17及び複数の紙幣収納庫18乃至22において紙幣を、その搬送姿勢に応じて一方の短辺を左側に位置させ、かつ他方の短辺を右側に位置させた(すなわち、紙幣長手方向を預払機左右方向とほぼ平行にした)姿勢で取り扱っている。
実際に制御ユニット10は、紙幣の入金時、シャッタ開閉部13により紙幣口用シャッタ6を開いて、顧客に紙幣口3AYへ入金用の紙幣を投入するように促す。
この際、制御ユニット10は、顧客により紙幣口3AYに1又は複数の入金用の紙幣が投入されると、その入金用の紙幣を紙幣受渡部14で受け取り、当該紙幣受渡部14から、その入金用の紙幣を1枚ずつ繰り出す。
また制御ユニット10は、紙幣受渡部14から1枚ずつ繰り出した紙幣を、前側紙幣搬送路25Aを介して鑑別部15へ搬送して、当該鑑別部15において、その紙幣の金種や状態等を鑑別させる。
その結果、制御ユニット10は、鑑別部15から正常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、上側紙幣搬送路26Aを介して一時保留部16へ搬送して一時的に保持させることにより、当該紙幣の入金を保留する。
また制御ユニット10は、鑑別部15から破損や折れ等により異常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、リジェクト紙幣として上側紙幣搬送路26Aを介して紙幣受渡部14へ戻すように搬送する。
そして制御ユニット10は、シャッタ開閉部13により紙幣口用シャッタ6を開いて、顧客に紙幣口3AYを介して紙幣受渡部14からリジェクト紙幣を取り出させるようにして返却する。
このようにして制御ユニット10は、鑑別部15において、紙幣口3AYに投入された入金用の紙幣が全て鑑別されると、正常であると鑑別された紙幣の総額(すなわち、入金の金額)を、タッチスクリーン4を介して顧客に提示する。
その結果、制御ユニット10は、入金の金額を確認した顧客によりタッチスクリーン4を介して紙幣の入金が指示されると、一時保留部16から一時的に保持していた紙幣を1枚ずつ繰り出す。
この際、制御ユニット10は、一時保留部16から1枚ずつ繰り出した紙幣を、上側紙幣搬送路26Aを介して鑑別部15へ搬送して、当該鑑別部15において再び、その紙幣の金種や状態等を鑑別させる。
そして制御ユニット10は、鑑別部15から正常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、前側紙幣搬送路25A及び中央紙幣搬送路27Aを順次介して当該紙幣の金種に応じた紙幣収納庫18乃至22へ搬送して収納する。
ただし、制御ユニット10は、この際、鑑別部15から異常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、リジェクト紙幣として前側紙幣搬送路25A、中央紙幣搬送路27A及び上側紙幣搬送路26Aを順次介してリジェクト庫17へ搬送して収納することにより、その後の出金には用いないようにする。
このようにして制御ユニット10は、紙幣処理ユニット11において紙幣の入金処理を実行して、顧客の所望する取引としての紙幣の入金を行うことができる。
一方、制御ユニット10は、紙幣の出金時、例えば、顧客によりタッチスクリーン4を介して出金の金額が指定されると、複数の紙幣収納庫18乃至22から、顧客により指定された金額分の紙幣を1枚ずつ繰り出す。
この際、制御ユニット10は、複数の紙幣収納庫18乃至22から1枚ずつ繰り出した紙幣を、中央紙幣搬送路27A及び前側紙幣搬送路25Aを順次介して鑑別部15へ搬送して、当該鑑別部15において紙幣の金種や状態等を鑑別させる。
その結果、制御ユニット10は、鑑別部15から正常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、上側紙幣搬送路26Aを介して紙幣受渡部14へ搬送する。
ただし、制御ユニット10は、この際、鑑別部15から異常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、リジェクト紙幣として上側紙幣搬送路26Aを介してリジェクト庫17へ搬送して収納することにより、その後の出金には用いないようにする。
そして制御ユニット10は、紙幣受渡部14へ、出金用に指定された金額分の紙幣を搬送し終えると、シャッタ開閉部13により紙幣口用シャッタ6を開く。
これにより制御ユニット10は、顧客に紙幣口3AYを介して紙幣受渡部14から、その出金用に指定された金額分の紙幣を取り出させるようにして引き渡す。
このようにして制御ユニット10は、紙幣処理ユニット11において紙幣の出金処理を実行して、顧客の所望する取引としての紙幣の出金を行うことができる。
(1−3)紙幣収納庫の構成
次いで、複数の紙幣収納庫18乃至22の構成について説明する。ただし、複数の紙幣収納庫18乃至22は、同様に構成されている。
このため、以下には、1つの紙幣収納庫18の構成について説明し、他の紙幣収納庫19乃至22の構成については説明を省略する。
図4及び図5に示すように、紙幣収納庫18は、略箱型の筐体(以下、これを収納庫筐体とも呼ぶ)30を有している。
収納庫筐体30は、例えば、預払機左右方向に長い略長方形平板状の底板30Aを有し、当該底板30Aの幅(すなわち、預払機左右方向の長さ)が、現金自動預払機1の扱う種々の大きさの紙幣のうち最も長辺の長い紙幣(以下、これを長辺最長紙幣とも呼ぶ)の当該長辺よりも長い所定長さに選定されている。
また収納庫筐体30は、底板30Aの奥行(すなわち、預払機前後方向の長さ)が、現金自動預払機1の扱う種々の大きさの紙幣のうち最も短辺の長い紙幣(以下、これを短辺最長紙幣とも呼ぶ)の当該短辺よりも長い所定長さに選定されている。
さらに収納庫筐体30は、例えば、預払機上下方向に長い略長方形平板状の左側板30B及び右側板30Cも有し、当該左側板30B及び右側板30Cの高さ(すなわち、預払機上下方向の長さ)が所定長さに選定されている。
また収納庫筐体30は、左側板30B及び右側板30Cの奥行(すなわち、預払機前後方向の長さ)が、底板30Aの奥行よりも長い所定長さに選定されている。
そして収納庫筐体30は、左側板30Bが、その前端を底板30Aの前端と面一にし、かつ後端部を当該底板30Aの後端よりも後へ突出させて、下端の前側の部分を底板30Aの左端に接合するようにして設けられている。
また収納庫筐体30は、右側板30Cが、その前端を底板30Aの前端と面一にし、かつ後端部を当該底板30Aの後端よりも後へ突出させて、下端の前側の部分を底板30Aの右端に接合するようにして設けられている。
さらに収納庫筐体30は、例えば、預払機上下方向に長い略長方形平板状の前板30Dも有し、当該前板30Dの幅(すなわち、預払機左右方向の長さ)が、底板30Aの幅とほぼ等しい所定長さに選定されている。
また収納庫筐体30は、前板30Dの高さ(すなわち、預払機上下方向の長さ)が、左側板30B及び右側板30Cの高さとほぼ等しい所定長さに選定されている。
そして収納庫筐体30は、前板30Dが、その下端を底板30Aの前端に接合すると共に、左端及び右端を左側板30B及び右側板30Cの前端に接合するようにして設けられている。
さらに収納庫筐体30は、例えば、預払機上下方向に長い略長方形平板状の後板30Eも有し、当該後板30Eの幅(すなわち、預払機左右方向の長さ)が、底板30Aの横幅とほぼ等しい所定長さに選定されている。
また収納庫筐体30は、後板30Eの高さ(すなわち、預払機上下方向の長さ)が、前板30Dの高さよりも僅かに低い所定長さに選定されている。
そして収納庫筐体30は、後板30Eが、前板30Dと平行な姿勢で下端を底板30Aの後端に接合すると共に、左端及び右端を左側板30B及び右側板30Cの対向位置に接合するようにして設けられている。
これにより収納庫筐体30は、底板30Aの真上に左側板30Bの前端部、右側板30Cの前端部、前板30D及び後板30Eによって囲まれた預払機上下方向に長い略直方体状の紙幣収納空間を形成している。
そして紙幣収納庫18は、紙幣収納空間に複数の紙幣を収納するための収納部31が設けられている。
また紙幣収納庫18は、中央紙幣搬送路27Aを介して搬送される紙幣を紙幣収納空間に取り込み、また当該紙幣収納空間から紙幣を中央紙幣搬送路27Aへ繰り出すための取込繰出部32が設けられている。
収納部31は、収納庫筐体30が形成する紙幣収納空間で、一面35Aに紙幣を順に重ねるように載上するための例えば、略長方形平板状のステージ35を有している。
ステージ35は、一面35Aの大きさが、現金自動預払機1の扱う種々の大きさの紙幣の何れも載上可能なように例えば、最も大きい紙幣の一面の大きさよりも僅かに大きい所定の大きさに選定されている。
すなわち、ステージ35は、その長手方向(以下、これをステージ長手方向とも呼ぶ)の長さが、現金自動預払機1の扱う種々の大きさの紙幣のうち長辺最長紙幣の長辺よりも僅かに長い所定長さに選定されている。
またステージ35は、その短手方向(以下、これをステージ短手方向とも呼ぶ)の長さが、現金自動預払機1の扱う種々の大きさの紙幣のうち短辺最長紙幣の短辺よりも僅かに長い所定長さに選定されている。
そしてステージ35は、紙幣収納空間にステージ長手方向を預払機左右方向と平行にし、かつ一面35Aを預払機上方向へ向けて水平にした姿勢で収納されている。
また収納部31は、ステージ35を昇降させるための、図示しない駆動モータ(以下、これをステージ駆動モータとも呼ぶ)や図示しない所定のステージ昇降部も有している。
これにより制御ユニット10は、紙幣取込時や紙幣繰出時、収納部31においてステージ駆動モータを動作させることで、ステージ昇降部を介して紙幣収納空間でステージ35を、その一面35Aを預払機上方向へ向けて水平にした姿勢のまま上昇及び下降させる(すなわち、預払機上方向及び預払機下方向へ移動させる)ことができる。
さらに収納部31は、ステージ35の一面35Aに載上された紙幣のうち最も上に位置する紙幣(以下、これを最上位紙幣とも呼ぶ)が例えば、紙幣取込位置に到達したか否かを光学的に検出するための発光素子及び受光素子からなる紙幣到達検出部36が設けられている。
これにより制御ユニット10は、例えば、紙幣取込時、紙幣到達検出部36を介して最上位紙幣が紙幣取込位置に到達したか否かを検出し、その検出結果に応じてステージ駆動モータを制御してステージ35の位置を紙幣の取込用に調整することができる。
一方、取込繰出部32は、一対の搬送ガイド40、41を有している。因みに、以下の説明では、一対の搬送ガイド40、41のうち、一方の搬送ガイド40を、第1搬送ガイド40とも呼び、他方の搬送ガイド41を、第2搬送ガイド41とも呼ぶ。
第1搬送ガイド40は、例えば、略S字板状に形成され、その幅が収納庫筐体30の底板30Aの幅とほぼ等しい所定長さに選定されている。
また第2搬送ガイド41は、例えば、略J字板状に形成され、その幅が収納庫筐体30の底板30Aの幅とほぼ等しい所定長さに選定されている。
そして第1搬送ガイド40は、例えば、収納庫筐体30の左側板30Bの後上端部と右側板30Cの後上端部との間に、当該第1搬送ガイド40の一端を左側板30B及び右側板30Cの後上隅近傍に位置させ、かつ他端を収納庫筐体30の後板30Eの上端に接触させるようにして設けられている。
また第2搬送ガイド41は、例えば、収納庫筐体30の左側板30Bの後上端部と右側板30Cの後上端部との間に、当該第2搬送ガイド41の一端を第1搬送ガイド40の一端よりも前側に位置させ、かつ他端を第1搬送ガイド40の他端の上側に位置させるようにして設けられている。
すなわち、第1搬送ガイド40及び第2搬送ガイド41は、収納庫筐体30の左側板30Bの後上端部と右側板30Cの後上端部との間に、互いの一面を所定の隙間を空けて近接させるようにして設けられている。
これにより取込繰出部32は、収納庫筐体30の左側板30Bの後上端部と右側板30Cの後上端部との間に、第1搬送ガイド40及び第2搬送ガイド41により、中央紙幣搬送路27Aと紙幣収納空間とを繋いで紙幣を取込及び繰出用に搬送するための取込繰出路42を形成している。
因みに、以下の説明では、取込繰出路42において紙幣収納庫18の外部の中央紙幣搬送路27A側の一方の開口部を、外側開口部とも呼び、当該紙幣収納庫18の内部の紙幣収納空間側の他方の開口部を、内側開口部とも呼ぶ。
また取込繰出部32は、例えば、収納庫筐体30の底板30Aの幅よりも長い所定長さの2本の回転軸43、44を有している。
因みに、以下の説明では、収納庫筐体30の底板30Aの幅よりも長い所定長さの2本の回転軸43、44のうち一方の回転軸43を、第1回転軸43とも呼び、他方の回転軸44を、第2回転軸44とも呼ぶ。
さらに取込繰出部32は、例えば、収納庫筐体30の底板30Aの幅とほぼ等しい長さの回転軸45を有していると共に、当該底板30Aの幅よりも短い所定長さの2本の回転軸46(一方のみ図示し、他方は図示せず)も有している。
因みに、以下の説明では、収納庫筐体30の底板30Aの幅とほぼ等しい長さの回転軸45を、第3回転軸45とも呼ぶ。
また、以下の説明では、例えば、収納庫筐体30の底板30Aの幅よりも短い所定長さの2本の回転軸46のうち一方の回転軸46を、第4回転軸46とも呼び、他方の回転軸を、第5回転軸とも呼ぶ。
そして取込繰出部32は、例えば、収納庫筐体30の左側板30Bの後上端部の内面及び右側板30Cの後上端部の内面において第2搬送ガイド41の他端部の上側近傍に対向配置された一対の第1軸受部(図示せず)を有している。
また収納庫筐体30の例えば、左側板30Bは、第1軸受部に対応させて第1軸挿通孔部(図示せず)が穿設されている。
これにより第1回転軸43は、収納庫筐体30により一対の第1軸受部を介して預払機左右方向と平行な姿勢で、図中に矢印d1で示す一回転方向、及びこれとは逆の他回転方向へ回転可能に支持されると共に、一端部を第1軸挿通孔部に通して左側板30Bの左側に突出させている。
また第1回転軸43は、例えば、収納庫筐体30の左側板30B及び右側板30C間の中心から左右へ等間隔の所定位置に、紙幣取込繰出用の2個のローラ(以下、これらをフィードローラとも呼ぶ)50、51が固設されている。
すなわち、第1回転軸43は、2個のフィードローラ50、51各々の中心に穿設された孔部に挿入された状態で、これら2個のフィードローラ50、51が当該第1回転軸43と一体に回転するように固設されている。
2個のフィードローラ50、51は、所定の等しい幅を有すると共に、所定の等しい外径を有し、例えば、それぞれ外周面において幅方向の一端部及び他端部に当該外周面の一周に亘る凹部が形成されている。
そして2個のフィードローラ50、51は、それぞれ外周面において下側の所定部分を、当該所定部分に対応させて第2搬送ガイド41に穿設された孔部(図示せず)を介して取込繰出路42内に入り込ませている。
さらに第1回転軸43は、例えば、収納庫筐体30の左側板30B及び右側板30C間において左側のフィードローラ50のさらに左側、及び右側のフィードローラ51のさらに右側にそれぞれ所定の間隔を空けて、紙幣の取込及び繰出を補助するためのローラ(以下、これらを補助ローラとも呼ぶ)52、53が固設されている。
すなわち、第1回転軸43は、2個の補助ローラ52、53各々の中心に穿設された孔部に挿入された状態で、これら2個の補助ローラ52、53が当該第1回転軸43と一体に回転するように固設されている。
2個の補助ローラ52、53は、第1回転軸43に対する固設位置が、例えば、現金自動預払機1の扱う種々の大きさの紙幣のうち、最も長辺の短い紙幣(以下、これを長辺最短紙幣とも呼ぶ)の当該長辺の長さを基準にして適宜選定されている。
すなわち、2個の補助ローラ52、53は、取込繰出路42を介して長辺最短紙幣が搬送される場合でも、搬送中の長辺最短紙幣の一面において紙幣長手方向の一端部及び他端部(すなわち、一対の短辺よりも内側の所定位置)と対向するように、第1回転軸43に対する固設位置が選定されている。
また2個の補助ローラ52、53は、所定の等しい幅を有すると共に、フィードローラ50、51の外径(すなわち、外周面の凸部の外径)と等しい外径を有している。
そして2個の補助ローラ52、53も、それぞれ外周面において下側の所定部分を、当該所定部分に対応させて第2搬送ガイド41に穿設された孔部(図示せず)を介して取込繰出路42内に入り込ませている。
このようにして取込繰出部32には、2個のフィードローラ50、51及び2個の補助ローラ52、53が、それぞれ取込繰出路42内に下側の所定部分を入り込ませた状態で、第1回転軸43と一体に一回転方向及び他回転方向へ回転可能に設けられている。
また取込繰出部32は、例えば、収納庫筐体30の左側板30Bの後上端部の内面及び右側板30Cの後上端部の内面において第1回転軸43のほぼ真下となる、第1搬送ガイド40の他端部の下側に対向配置された一対の第2軸受部(図示せず)を有している。
さらに収納庫筐体30の例えば、左側板30Bは、第2軸受部に対応させて第2軸挿通孔部(図示せず)が穿設されている。
これにより第2回転軸44は、収納庫筐体30により一対の第2軸受部を介して預払機左右方向と平行な姿勢で、一回転方向及び他回転方向へ回転可能に支持されると共に、一端部を第2軸挿通孔部に通して左側板30Bの左側に突出させている。
第2回転軸44は、例えば、収納庫筐体30の左側板30B及び右側板30C間の部分において2個のフィードローラ50、51と対向する位置に、紙幣取込用の2個のローラ(以下、これらを取込ローラとも呼ぶ)55、56が固設されている。
すなわち、第2回転軸44は、2個の取込ローラ55、56各々の中心に穿設された孔部に挿入された状態で、これら2個の取込ローラ55、56が当該第2回転軸44と一体に回転するように固設されている。
2個の取込ローラ55、56は、例えば、フィードローラ50、51の幅よりも狭い所定の等しい幅を有している。
また2個の取込ローラ55、56は、例えば、所定の等しい外径を有し、それぞれ外周面において幅方向の中央部に当該外周面の一周に亘る凹部が形成されている。
そして2個の取込ローラ55、56は、それぞれ外周面において上側の所定部分を、当該所定部分に対応させて第1搬送ガイド40に穿設された孔部(図示せず)を介して取込繰出路42内に入り込ませている。
これにより取込繰出部32は、取込繰出路42内で、2個のフィードローラ50、51の外周面の凹部及び凸部に、2個の取込ローラ55、56の外周面の対向する凸部及び凹部を非接触の状態で僅かに嵌合させている。
このようにして取込繰出部32には、2個の取込ローラ55、56が、それぞれ取込繰出路42内に上側の所定部分を入り込ませた状態で、第2回転軸44と一体に一回転方向及び他回転方向へ回転可能に設けられている。
ところで、第2回転軸44は、例えば、収納庫筐体30の左側板30B及び右側板30C間において左側の取込ローラ55のさらに左側、及び右側の取込ローラ56のさらに右側に、それぞれ3個の羽根車57乃至62が所定の間隔で設けられている。
この場合、第2回転軸44は、例えば、左側のフィードローラ50及び補助ローラ52の間と対向する所定位置に、左側の取込ローラ55から左側へ1個目の羽根車57が固設されている。
また第2回転軸44は、例えば、左側の補助ローラ52と対向する位置から僅かに左寄りの所定位置に、左側の取込ローラ55から左側へ2個目の羽根車58が一回転方向及び他回転方向へ回転可能に設けられている。
すなわち、左側の取込ローラ55から左側へ2個目の羽根車58は、第2回転軸44に対し例えば、取込繰出路42を介して長辺最短紙幣が搬送される場合でも、搬送中の長辺最短紙幣の他面(すなわち、下側へ向いている面)において紙幣長手方向の一端部(すなわち、左側の短辺よりも内側の所定位置)と対向するような所定位置に設けられている。
さらに第2回転軸44は、例えば、左側の補助ローラ52の左斜め下側となる所定位置に、左側の取込ローラ55から左側へ3個目の羽根車59が固設されている。
このようにして第2回転軸44は、左側の取込ローラ55のさらに左側に2個の羽根車57、59が、これらの中心に穿設された孔部を介して当該第2回転軸44と一体に回転するように固設されている。
また第2回転軸44は、左側の取込ローラ55のさらに左側において当該第2回転軸44に固設された2個の羽根車57、59の間に、1個の羽根車58が、その中心に穿設された孔部を介して一回転方向及び他回転方向へ回転可能に設けられている。
一方、第2回転軸44は、例えば、右側のフィードローラ51及び補助ローラ53の間と対向する所定位置に、右側の取込ローラ56から右側へ1個目の羽根車60が固設されている。
また第2回転軸44は、例えば、右側の補助ローラ53と対向する位置から僅かに右寄りの所定位置に、右側の取込ローラ56から右側へ2個目の羽根車61が一回転方向及び他回転方向へ回転可能に設けられている。
すなわち、右側の取込ローラ56から右側へ2個目の羽根車61は、第2回転軸44に対し例えば、取込繰出路42を介して長辺最短紙幣が搬送される場合でも、搬送中の長辺最短紙幣の他面において紙幣長手方向の他端部(すなわち、右側の短辺よりも内側の所定位置)と対向するような所定位置に設けられている。
さらに第2回転軸44は、例えば、右側の補助ローラ53の右斜め下側となる所定位置に、右側の取込ローラ56から右側へ3個目の羽根車62が固設されている。
このようにして第2回転軸44は、右側の取込ローラ56のさらに右側に2個の羽根車60、62が、これらの中心に穿設された孔部を介して当該第2回転軸44と一体に回転するように固設されている。
また第2回転軸44は、右側の取込ローラ56のさらに右側において当該第2回転軸44に固設された2個の羽根車60、62の間に、1個の羽根車61が、その中心に穿設された孔部を介して一回転方向及び他回転方向へ回転可能に設けられている。
ここで、第2回転軸44に固設された4個の羽根車57、59、60、62は、それぞれ環状の本体部57A、59A、60A、62Aを有している。
また4個の羽根車57、59、60、62は、それぞれ本体部57A、59A、60A、62Aの外周面において180度以下の所定の角度範囲に、弾性を有する短冊状の複数の羽根57B、59B、60B、62Bが所定の等間隔で放射状に突出するように植設されている。
すなわち、4個の羽根車57、59、60、62は、本体部57A、59A、60A、62Aの外周面の一部に複数の羽根57B、59B、60B、62Bが植設されている。
そして4個の羽根車57、59、60、62は、第2回転軸44に固設されているため、当該第2回転軸44に対する複数の羽根57B、59B、60B、62Bの位置が固定されている。
よって、以下の説明では、第2回転軸44に固設され、その第2回転軸44に対する複数の羽根57B、59B、60B、62Bの位置が固定された4個の羽根車57、59、60、62を、それぞれ固定羽根車57、59、60、62とも呼ぶ。
実際に4個の固定羽根車57、59、60、62は、第2回転軸44に、各々の複数の羽根57B、59B、60B、62Bの植設位置をほぼ合わせて(すなわち、各々の複数の羽根57B、59B、60B、62Bをほぼ同一の方向へ突出させて)固設されている。
そして4個の固定羽根車57、59、60、62は、本体部57A、59A、60A、62Aが所定の等しい幅を有すると共に、取込ローラ55、56の外径(すなわち、外周面の凸部の外径)よりも小さい所定の等しい外径を有している。
また4個の固定羽根車57、59、60、62は、例えば、複数の羽根57B、59B、60B、62Bが所定の等しい長さを有している。
ただし、4個の固定羽根車57、59、60、62は、第2回転軸44と共に回転した際に複数の羽根57B、59B、60B、62Bの先端の軌跡が描く円の直径が、取込ローラ55、56の外径(すなわち、外周面の凸部の外径)よりも大きくなるように、これら複数の羽根57B、59B、60B、62Bの長さが適宜選定されている。
すなわち、4個の固定羽根車57、59、60、62は、本体部57A、59A、60A、62Aの中心から複数の羽根57B、59B、60B、62Bの先端までの長さが、取込ローラ55、56の外径よりも長い所定長さとなるように、これら複数の羽根57B、59B、60B、62Bの長さが適宜選定されている。
そして4個の固定羽根車57、59、60、62は、第2回転軸44と共に回転した場合、複数の羽根57B、59B、60B、62Bの先端部を、当該複数の羽根57B、59B、60B、62Bの軌跡に対応させて第1搬送ガイド40に穿設された孔部(図示せず)を介して適宜、取込繰出路42内に入り込ませている。
また4個の固定羽根車57、59、60、62は、第2回転軸44と共に回転した場合、複数の羽根57B、59B、60B、62Bの先端部を、当該複数の羽根57B、59B、60B、62Bの軌跡に対応させて収納庫筐体30の後板30Eに穿設された孔部(図示せず)を介して適宜、紙幣収納空間に入り込ませている。
一方、第2回転軸44に回転可能に設けられた2個の羽根車58、61は、それぞれ環状の本体部58A、61Aを有している。
また2個の羽根車58、61は、本体部58A、61Aの外周面において180度以下の所定の角度範囲に、弾性を有する短冊状の複数の羽根58B、61Bが所定の等間隔で放射状に突出するように植設されている。
すなわち、2個の羽根車58、61も、4個の固定羽根車57、59、60、62と同様に、本体部58A、61Aの外周面の一部に複数の羽根58B、61Bが植設されている。
そして2個の羽根車58、61は、第2回転軸44に対して回転し得るため、その第2回転軸44に対する複数の羽根58B、61Bの位置を変化させることができる。
よって、以下の説明では、第2回転軸44に回転可能に設けられ、その第2回転軸44に対する複数の羽根58B、61Bの位置を変化可能な2個の羽根車58、61を、それぞれ可変羽根車58、61とも呼ぶ。
2個の可変羽根車58、61は、本体部58A、61Aが、例えば、固定羽根車57、59、60、62の本体部57A、59A、60A、62Aの幅及び外径と等しい幅及び外径を有している。
また2個の可変羽根車58、61は、例えば、複数の羽根55B、61Bが、固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62Bの長さと等しい長さを有している。
そして2個の可変羽根車58、61は、第2回転軸44を中心にして回転した場合、複数の羽根58B、61Bの先端部を、当該複数の羽根58B、61Bの軌跡に対応させて第1搬送ガイド40に穿設された孔部(図示せず)を介して適宜、取込繰出路42内に入り込ませている。
また2個の可変羽根車58、61は、第2回転軸44を中心にして回転した場合、複数の羽根58B、61Bの先端部を、当該複数の羽根58B、61Bの軌跡に対応させて収納庫筐体30の後板30Eに穿設された孔部(図示せず)を介して適宜、紙幣収納空間に入り込ませている。
これに加えて第2回転軸44は、例えば、左側の可変羽根車58の右隣で、かつ左側の補助ローラ52とほぼ対向する位置に、環状の本体部63Aを有する押上部63が固設されている。
すなわち、第2回転軸44は、押上部63の本体部63Aの中心に穿設された孔部に挿入された状態で当該押上部63が、取込繰出路42を介して長辺最短紙幣が搬送される場合でも、搬送中の長辺最短紙幣の他面において紙幣長手方向の一端部(すなわち、左側の短辺よりも内側の所定位置)と対向するような所定位置に、第2回転軸44と一体に回転するように固設されている。
押上部63は、例えば、本体部63Aの外周面の左縁部(すなわち、可変羽根車58側の縁部)において180度以下の所定の角度範囲に円弧状の押上板63Bが突設されている。
そして押上部63は、第2回転軸44に対し押上板63Bを、当該第2回転軸44に対する4個の固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62Bの突出側に位置させて(すなわち、複数の羽根57B、59B、60B、62Bの突出側に押上板63Bを突出させて)固設されている。
また押上部63は、本体部63Aが、例えば、補助ローラ52の幅以上の所定の幅を有すると共に、取込ローラ55、56の外径(すなわち、外周面の凸部の外径)よりも小さい所定の外径を有している。
ただし、押上部63は、押上板63Bの外径(すなわち、本体部63Aの中心から押上板63Bの外周面までの長さ)が、例えば、取込ローラ55、56の外径(すなわち、外周面の凸部の外径)とほぼ等しく選定されている。
そして押上部63は、第2回転軸44と共に回転した場合、押上板63Bを、当該押上板63Bの軌跡に対応させて第1搬送ガイド40に穿設された孔部(図示せず)を介して適宜、取込繰出路42内に入り込ませて、補助ローラ52の左側面において下側の部分に近接させている。
また第2回転軸44は、例えば、右側の可変羽根車61の左隣で、かつ右側の補助ローラ53とほぼ対向する位置にも、環状の本体部64Aを有する押上部64が固設されている。
すなわち、第2回転軸44は、押上部64の本体部64Aの中心に穿設された孔部に挿入された状態で当該押上部64が、取込繰出路42を介して長辺最短紙幣が搬送される場合でも、搬送中の長辺最短紙幣の他面において紙幣長手方向の他端部(すなわち、右側の短辺よりも内側の所定位置)と対向するような所定位置に、第2回転軸44と一体に回転するように固設されている。
押上部64は、例えば、本体部64Aの外周面の左縁部(すなわち、可変羽根車61側の縁部)において180度以下の所定の角度範囲に円弧状の押上板64Bが突設されている。
そして押上部64も、上述した左側の押上部63と同様に第2回転軸44に対し押上板64Bを、当該第2回転軸44に対する4個の固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62Bの突出側に位置させて(すなわち、複数の羽根57B、59B、60B、62Bの突出側に押上板64Bを突出させて)固設されている。
また押上部64は、上述した左側の押上部63と同様に本体部64Aが、例えば、補助ローラ53の幅以上の所定の幅を有すると共に、取込ローラ55、56の外径(すなわち、外周面の凸部の外径)よりも小さい所定の外径を有している。
ただし、押上部64も、上述した左側の押上部63と同様に押上板64Bの外径(すなわち、本体部64Aの中心から押上板64Bの外周面までの長さ)が、例えば、取込ローラ55、56の外径(すなわち、外周面の凸部の外径)とほぼ等しく選定されている。
そして押上部64は、第2回転軸44と共に回転した場合、押上板64Bを、当該押上板64Bの軌跡に対応させて第1搬送ガイド40に穿設された孔部(図示せず)を介して適宜、取込繰出路42内に入り込ませて、補助ローラ53の右側面において下側の部分に近接させている。
このようにして取込繰出部32には、4個の固定羽根車57、59、60、62が複数の羽根57B、59B、60B、62Bの位置をほぼ揃えたまま第2回転軸44と共に回転して当該複数の羽根57B、59B、60B、62Bの先端部を適宜、取込繰出路42内及び紙幣収納空間に入り込ませることができるように設けられている。
また取込繰出部32には、2個の可変羽根車58、61が、第2回転軸44を介して回転して複数の羽根58B、61Bの先端部を適宜、取込繰出路42内及び紙幣収納空間に入り込ませることができるように設けられている。
さらに取込繰出部32には、2個の押上部63、64が押上板63B、64Bの位置をほぼ揃えたまま第2回転軸44と共に回転して当該押上板63B、64Bを適宜、取込繰出路42内に入り込ませることができるように設けられている。
因みに、以下の説明では、第2回転軸44に紙幣の取込用の部品として固設された2個の取込ローラ55、56、4個の固定羽根車57、59、60、62及び2個の押上部63、64を、まとめて取込用固設部品とも呼ぶ。
また取込繰出部32は、例えば、収納庫筐体30の左側板30Bの後上端部の内面及び右側板30Cの後上端部の内面において第2回転軸44の後斜め上側(また、第1回転軸43の後斜め下側)に対向配置された一対の第3軸受部(図示せず)を有している。
これにより第3回転軸45は、収納庫筐体30により一対の第3軸受部を介して預払機左右方向と平行な姿勢で、一回転方向及び他回転方向へ回転可能に支持されている。
第3回転軸45は、例えば、2個のフィードローラ50、51と対向する位置に、これら2個のフィードローラ50、51の間に紙幣を挟み込むための2個のローラ(以下、これをプレッシャローラとも呼ぶ)68(図4には1つのみ図示し、図5には2個とも図示せず)が固設されている。
すなわち、第3回転軸45は、2個のプレッシャローラ68各々の中心に穿設された孔部に挿入された状態で、これら2個のプレッシャローラ68が当該第3回転軸45と一体に回転するように固設されている。
2個のプレッシャローラ68は、例えば、フィードローラ50、51の幅と等しい幅を有している。また2個のプレッシャローラ68は、所定の等しい外径を有している。
そして2個のプレッシャローラ68は、それぞれ外周面において前斜め上側の所定部分を、当該所定部分に対応させて第1搬送ガイド40に穿設された孔部(図示せず)を介して取込繰出路42内に入り込ませている。
これにより取込繰出部32は、取込繰出路42内で、2個のフィードローラ50、51の外周面の凸部の一部(すなわち、後斜め下側の部分)に、2個のプレッシャローラ68の外周面の一部を押し付けている。
このようにして取込繰出部32には、2個のプレッシャローラ68が、それぞれ取込繰出路42内に前斜め上側の所定部分を入り込ませた状態で2個のフィードローラ50、51の一回転方向及び他回転方向への回転に連動させて、当該2個のフィードローラ50、51の回転方向とは逆の他回転方向及び一回転方向へ回転可能に設けられている。
さらに取込繰出部32は、一対の軸支持アーム69(図4には1つのみ図示し、図5には2個とも図示せず)を有している。
一方の軸支持アーム69は、例えば、その一端部が第1回転軸43において収納庫筐体30の左側板30Bの内面近傍の所定位置に回転しないように(すなわち、第1回転軸43の回転を受けないように)支持され、他端部を第1回転軸43の前側に位置させている。
そして第4回転軸46は、一方の軸支持アーム69の他端部に預払機左右方向と平行な姿勢で一回転方向及び他回転方向へ回転可能に支持されると共に、当該第4回転軸46の右端部を左側のフィードローラ50と対向させている。
この場合、第1回転軸43は、一方の軸支持アーム69の支持部分に歯付プーリ70が、当該第1回転軸43と一体に回転するように固設されている。
また第4回転軸46は、一方の軸支持アーム69による支持部分に歯付プーリ71が、当該第4回転軸46と一体に回転するように固設されている。
そして取込繰出部32は、第1回転軸43の歯付プーリ70から第4回転軸46の歯付プーリ71に亘り無端状の駆動ベルト72がかけられている。
これにより取込繰出部32は、第4回転軸46を、第1回転軸43の一回転方向及び他回転方向への回転に連動させて当該第1回転軸43の回転方向と同一の一回転方向及び他回転方向へ回転させ得るようにしている。
そして第4回転軸46は、例えば、左側のフィードローラ50と対向する位置、及び左側の補助ローラ52と対向する位置に、それぞれ紙幣収納空間から紙幣を取込繰出路42へ送り出すためのローラ(以下、これをピッカローラとも呼ぶ)73(図4には1つのみ図示し、図5には2個とも図示せず)が固設されている。
すなわち、第4回転軸46は、2個のピッカローラ73各々の中心に穿設された孔部に挿入された状態で、これら2個のピッカローラ73が当該第4回転軸46と一体に回転するように固設されている。
また他方の軸支持アームは、例えば、その一端部が第1回転軸43において収納庫筐体30の右側板30Cの内面近傍の所定位置に回転しないように(すなわち、第1回転軸43の回転を受けないように)支持され、他端部を第1回転軸43の前側に位置させている。
そして第5回転軸は、他方の軸支持アームの他端部に預払機左右方向と平行な姿勢で一回転方向及び他回転方向へ回転可能に支持されると共に、当該第5回転軸の左端部を右側のフィードローラ51と対向させている。
この場合、第1回転軸43は、他方の軸支持アームの支持部分に歯付プーリ(図示せず)が、当該第1回転軸43と一体に回転するように固設されている。
また第5回転軸は、他方の軸支持アームによる支持部分に歯付プーリ(図示せず)が、当該第5回転軸と一体に回転するように固設されている。
そして取込繰出部32は、第1回転軸43の歯付プーリから第5回転軸の歯付プーリに亘り無端状の駆動ベルト(図示せず)がかけられている。
これにより取込繰出部32は、第4回転軸46と同様に第5回転軸も、第1回転軸43の一回転方向及び他回転方向への回転に連動させて当該第1回転軸43の回転方向と同一の一回転方向及び他回転方向へ回転させ得るようにしている。
そして第5回転軸は、例えば、右側のフィードローラ51と対向する位置、及び右側の補助ローラ53と対向する位置に、それぞれ紙幣収納空間から紙幣を取込繰出路42へ送り出すためのピッカローラ(図示せず)が固設されている。
すなわち、第5回転軸は、2個のピッカローラ各々の中心に穿設された孔部に挿入された状態で、これら2個のピッカローラが当該第5回転軸と一体に回転するように固設されている。
このようにして取込繰出部32には、4個のピッカローラ73が、第1回転軸43の一回転方向及び他回転方向への回転に連動させて、当該第1回転軸43の回転方向と同一の一回転方向及他回転方向へ回転可能に設けられている。
そして取込繰出部32において第1回転軸43は、収納庫筐体30の左側板30Bから左側に突出している一端部に第1駆動ギア75が固設されている。
また図5と共に図6に示すように、取込繰出部32において第2回転軸44は、収納庫筐体30の左側板30Bから左側に突出している一端部に、当該第2回転軸44を一回転方向へのみ回転させるためのワンウェイクラッチ76を介して第2駆動ギア77が設けられ、当該第2駆動ギア77を第1駆動ギア75に歯合させている。
さらに取込繰出部32は、上述した2個のフィードローラ50、51や2個の取込ローラ55、56等の各種ローラを回転させるために例えば、紙幣収納庫18の所定位置に設けられた図示しない駆動モータ(以下、これをローラ駆動モータとも呼ぶ)を有し、当該ローラ駆動モータの出力軸が複数のギア(図示せず)を介して第2駆動ギア77に連結されている。
これにより取込繰出部32は、紙幣取込時、制御ユニット10の制御のもとローラ駆動モータが紙幣の取込用に動作すると、そのローラ駆動モータの出力軸の回転を複数のギアを介して第2駆動ギア77に伝達して、当該第2駆動ギア77を一回転方向へ回転させることができる。
そして取込繰出部32は、第2回転軸44を、ワンウェイクラッチ76の作用により第2駆動ギア77と共に一回転方向へ回転させる。
よって取込繰出部32は、第2回転軸44と共に、これに設けられている2個の取込ローラ55、56、4個の固定羽根車57、59、60、62及び2個の押上部63、64を紙幣の取込用に一回転方向へ回転させることができる共に、後述するように2個の可変羽根車58、61も適宜、一回転方向へ回転させることができる。
また取込繰出部32は、この際、第2駆動ギア77に歯合している第1駆動ギア75を、当該第2駆動ギア77の回転方向とは逆の他回転方向へ回転させることができる。
よって取込繰出部32は、第1回転軸43を第1駆動ギア75と共に紙幣の取込用に他回転方向へ回転させて、当該第1回転軸43に設けられた2個のフィードローラ50、51及び2個の補助ローラ52、53も紙幣の取込用に他回転方向へ回転させることができる。
さらに取込繰出部32は、この際、2個のフィードローラ50、51の他回転方向への回転に連動させて2個のプレッシャローラ68を、紙幣の取込用に当該2個のフィードローラ50、51の回転方向とは逆の一回転方向へ回転させることができる。
一方、取込繰出部32は、紙幣繰出時、制御ユニット10の制御のもとローラ駆動モータが紙幣の繰出用に動作すると、そのローラ駆動モータの出力軸の回転を複数のギアを介して第2駆動ギア77に伝達して、当該第2駆動ギア77を他回転方向へ回転させることができる。
ただし、取込繰出部32は、第2駆動ギア77が他回転方向へ回転してもワンウェイクラッチ76の作用により第2回転軸44を回転させずに停止させたままにする。
よって取込繰出部32は、第2回転軸44に設けられている2個の取込ローラ55、56、4個の固定羽根車57、59、60、62及び2個の押上部63、64も回転させずに停止させたままにすると共に、後述するように2個の可変羽根車58、61についても回転させずに停止させたままにする。
また取込繰出部32は、この際、第2駆動ギア77に歯合している第1駆動ギア75を、当該第2駆動ギア77の回転方向とは逆の一回転方向へ回転させることができる。
よって取込繰出部32は、第1回転軸43を、第1駆動ギア75と共に紙幣の繰出用に一回転方向へ回転させて、当該第1回転軸43に設けられている2個のフィードローラ50、51及び2個の補助ローラ52、53も紙幣の繰出用に一回転方向へ回転させることができる。
さらに取込繰出部32は、この際、2個のフィードローラ50、51の一回転方向への回転に連動させて2個のプレッシャローラ68を、紙幣の繰出用に当該2個のフィードローラ50、51の回転方向とは逆の他回転方向へ回転させることができる。
さらにまた取込繰出部32は、この際、第1回転軸43の一回転方向への回転に連動させて第4回転軸46及び第5回転軸と共に4個のピッカローラ73を、紙幣収納空間から取込繰出路42への紙幣の送出用に当該第1回転軸43の回転方向と同一の一回転方向へ回転させることができる。
因みに、取込繰出部32は、取込繰出路42を介して紙幣を取込用及び繰出用に搬送する際、その取込繰出路42内での紙幣の通過の有無を例えば、光学的に検出するための発光素子及び受光素子からなる紙幣通過検出部80が設けられている。
また取込繰出部32は、収納庫筐体30の前板30Dにおいて第1搬送ガイド40及び第2搬送ガイド41の他端(すなわち、紙幣収納空間側の端)と対向する位置に、紙幣取込時に取込繰出路42の内側開口部から紙幣収納空間に放出された紙幣を、その一方の長辺を衝突させて止めるためのビルストッパ81が衝撃吸収用のばね(図示せず)を介して取り付けられている。
ところで、取込繰出部32(図6)は、第2回転軸44の回転制御用として(すなわち、第2回転軸44の一回転方向への回転を停止させる際の停止位置の制御用として)例えば、回転子85と、略コ字状の回転位置検出部86とを有している。
回転子85は、例えば、平ワッシャ状の本体部85Aを有し、当該本体部85Aの外周の一部に短冊状の被検出部85Bが突設されている。
そして回転子85は、第2回転軸44の一端部において収納庫筐体30の左側板30Bの外面と第2駆動ギア77との間の所定位置に、本体部85Aの中心の孔部を介して当該第2回転軸44と一体に回転するように固設されている。
また回転位置検出部86は、例えば、一方の腕部に発光素子が埋設されると共に、その発光素子に対向させて(すなわち、発光素子が発射した光を受光可能なように)、他方の腕部に受光素子が埋設されている。
そして回転位置検出部86は、第2回転軸44と共に回転子85が一回転方向へ回転した場合、当該回転子85の被検出部85Bが、一方及び他方の腕部間の溝部(以下、これを検出用溝部とも呼ぶ)内を通るように、例えば、収納庫筐体30の左側板30Bの外面に設けられている。
よって制御ユニット10は、ローラ駆動モータを紙幣の取込用に動作させて第2回転軸44を一回転方向へ回転させた際、回転位置検出部86を介して検出用溝部内に回転子85の被検出部85Bが入り込んだか否かを光学的に検出している。
そして制御ユニット10は、取込繰出部32による紙幣の取り込みが終了した際には、回転位置検出部86を介して検出用溝部内に回転子85の被検出部85Bが入り込んだことを検出したことに応じてローラ駆動モータの動作を停止させている。
実際に制御ユニット10は、回転位置検出部86を介して回転子85の被検出部85Bを検出したときには、4個の固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62B及び2個の押上部63、64の押上板63B、64Bを取込繰出路42内及び紙幣収納空間から待避させるようにしてローラ駆動モータの動作と共に第2回転軸44の一回転方向への回転を停止させている。
そして取込繰出部32は、制御ユニット10の制御のもと、ローラ駆動モータが停止状態から紙幣の繰出用に動作しても、上述のように第2回転軸44をワンウェイクラッチ76の作用により回転させずに停止させたままにしている。
従って取込繰出部32は、ローラ駆動モータが停止している間のみならず、紙幣の繰出用に動作している間も、4個の固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62B及び2個の押上部63、64の押上板63B、64Bを取込繰出路42内及び紙幣収納空間から待避させ続けている。
係る構成に加えて、図7に示すように、右側に位置する可変羽根車61は、左側面において複数の羽根61Bの突出側の所定位置に、第2回転軸44に対する当該複数の羽根61Bの位置を制御するための例えば、扇状の突起でなる係合部61Cが設けられている。
また図8に示すように、右側に位置する押上部64は、可変羽根車61の左側面と対向する右側面の中心寄り(すなわち、中心の孔部の縁部分)において押上板64Bの突設範囲(すなわち、180度以下の所定の角度範囲)に、第2回転軸44に対する当該可変羽根車61の複数の羽根61Bの位置を制御するための例えば、円弧状の突起でなる係合部64Cが設けられている。
因みに、以下の説明では、可変羽根車61に設けられた係合部61Cを、羽根側係合部61Cとも呼び、押上部64に設けられた係合部64Cを、押上側係合部64Cとも呼ぶ。
また以下の説明では、羽根側係合部61C及び押上側係合部64Cにおいて一回転方向の端面61CX、64CXを、何れも一端面61CX、64CXとも呼び、他回転方向の端面61CY、64CYを、何れも他端面61CY、64CYとも呼ぶ。
そして第2回転軸44は、押上部64が、その右側面を可変羽根車61の左側面に近接させて固設されている。
よって可変羽根車61は、第2回転軸44に対して押上部64の押上側係合部64Cの他端面64CYに羽根側係合部61Cの一端面61CXを接触(すなわち、係合)させる位置から当該押上部64の押上側係合部64Cの一端面64CXに羽根側係合部61Cの他端面61CYを接触(すなわち、係合)させる位置までのほぼ180度の角度範囲で一回転方向及び他回転方向へ回転することができる。
そして可変羽根車61は、第2回転軸44に対して相対的に一回転方向及び他回転方向へ回転するようにして押上部64の押上側係合部64Cに対する羽根側係合部61Cの接触箇所(すなわち、係合箇所)を切り換えることで、第2回転軸44に対する複数の羽根61Bの位置を変化させることができる。
実際に可変羽根車61は、第2回転軸44に対して一回転方向へ回転して押上部64の押上側係合部64Cの他端面64CYに羽根側係合部61Cの一端面61CXを接触させた場合、複数の羽根61Bを4個の固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62B及び2個の押上部63、64の押上板63B、64Bの突出側へ位置させることができる。
また可変羽根車61は、第2回転軸44に対して他回転方向へ回転して押上部64の押上側係合部64Cの一端面64CXに羽根側係合部61Cの他端面61CYを接触させた場合、複数の羽根61Bを4個の固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62B及び2個の押上部63、64の押上板63B、64Bの突出側とは反対側へ位置させることができる。
さらに第2回転軸44(図5及び図6)は、右側の可変羽根車61と、これよりも右側の固定羽根車62との間がコイルばね87の孔部に挿入されている。
そしてコイルばね87は、一端部が、可変羽根車61の右側面に穿設された孔部に挿入され、又は、その本体部61Aの外周面の所定位置に形成された溝部に引っ掛けられる等して当該可変羽根車61に係止されている。
またコイルばね87は、他端部が、固定羽根車62の左側面に穿設された孔部に挿入され、又は、その本体部62Aの外周面の所定位置に形成された溝部に引っ掛けられる等して当該固定羽根車62に係止されている。
これによりコイルばね87は、第2回転軸44に対し可変羽根車61を一回転方向へ回転させるように付勢している。
よってコイルばね87は、可変羽根車61に一回転方向へ回転させるような外力が加えられていない状態で羽根61Bに一回転方向への回転を妨げるような負荷もかかっていなければ、第2回転軸44に対し可変羽根車61を一回転方向へ回転させることができる。
ただし、コイルばね87は、可変羽根車61に一回転方向へ回転させるような外力が加えられていない状態で羽根61Bに一回転方向への回転を妨げるような負荷がかかったときには、可変羽根車61を一回転方向への回転を停止させるような付勢力で付勢している。
言い換えると、コイルばね87は、可変羽根車61を、複数の羽根61Bの有する弾性力(すなわち、羽根61Bの腰の強さ)よりも小さい付勢力で一回転方向へ回転させるように付勢している。
一方、左側に位置する可変羽根車58は、特に図示しないが、当該左側に位置する可変羽根車58と右側に位置する可変羽根車61との中間位置で預払機左右方向と垂直な仮想平面に対し、その右側に位置する可変羽根車61と面対称な形状を有するように形成されている。
また左側に位置する押上部63も、特に図示しないが、当該左側に位置する押上部63と右側に位置する押上部64との中間位置で預払機左右方向と垂直な仮想平面に対し、その右側に位置する押上部64と面対称な形状を有するように形成されている。
そして第2回転軸44は、左側の押上部63が、押上側係合部が設けられた左側面を、左側の可変羽根車58の羽根側係合部が設けられた右側面に近接させて固設されている。
よって可変羽根車58は、第2回転軸44に対して押上部63の押上側係合部の他端面に羽根側係合部の一端面を接触させる位置から当該押上部63の押上側係合部の一端面に羽根側係合部の他端面を接触させる位置までのほぼ180度の角度範囲で一回転方向及び他回転方向へ回転することができる。
そして可変羽根車58も、右側の可変羽根車61と同様に、第2回転軸44に対して相対的に一回転方向及び他回転方向へ回転するようにして押上部63の押上側係合部に対する羽根側係合部の接触箇所を切り換えることで、第2回転軸44に対する複数の羽根58Bの位置を変化させることができる。
すなわち、可変羽根車58は、第2回転軸44に対し一回転方向へ回転して押上部63の押上側係合部の他端面に羽根側係合部の一端面を接触させた場合、複数の羽根58Bを4個の固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62B及び2個の押上部63、64の押上板63B、64Bの突出側へ位置させることができる。
また可変羽根車58は、第2回転軸44に対し他回転方向へ回転して押上部63の押上側係合部の一端面に羽根側係合部の他端面を接触させた場合、複数の羽根58Bを4個の固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62B及び2個の押上部63、64の押上板63B、64Bの突出側とは反対側へ位置させることができる。
さらに第2回転軸44(図5)は、左側の可変羽根車58と、これよりも左側の固定羽根車59との間もコイルばね88の孔部に挿入されている。
そしてコイルばね88は、一端部が、可変羽根車58の左側面に穿設された孔部に挿入され、又は、その本体部58Aの外周面の所定位置に形成された溝部に引っ掛けられる等して当該可変羽根車58に係止されている。
またコイルばね88は、他端部が、固定羽根車59の右側面に穿設された孔部に挿入され、又は、その本体部59Aの外周面の所定位置に形成された溝部に引っ掛けられる等して当該固定羽根車59に係止されている。
これによりコイルばね88は、第2回転軸44に対し可変羽根車58を一回転方向へ回転させるように付勢している。
よってコイルばね88は、可変羽根車58に一回転方向へ回転させるような外力が加えられていない状態で羽根58Bに一回転方向への回転を妨げるような負荷もかかっていなければ、第2回転軸44に対し可変羽根車58を一回転方向へ回転させることができる。
ただし、コイルばね88も、上述の右側のコイルばね87と同様に、可変羽根車58に一回転方向へ回転させるような外力が加えられていない状態で羽根58Bに一回転方向への回転を妨げるような負荷がかかったときには、可変羽根車58を一回転方向への回転を停止させるような付勢力で付勢している。
言い換えると、コイルばね88も、可変羽根車58を、複数の羽根58Bの有する弾性力(すなわち、羽根58Bの腰の強さ)よりも小さい付勢力で一回転方向へ回転させるように付勢している。
これにより図9(A)乃至図10(B)に示すように、取込繰出部32は、2個の可変羽根車58、61に一回転方向へ回転させるような外力が加えられていない状態で羽根58B、61Bに一回転方向への回転を妨げるような負荷F1もかかっていなければ、第2回転軸44に対し2個の可変羽根車58、61を、コイルばね87、88によってかけている付勢力F2により一回転方向へ回転させる。
よって取込繰出部32は、2個の押上部63、64の押上側係合部64Cの他端面64CYに2個の可変羽根車58、61の羽根側係合部61Cの一端面61CXを接触させて、当該2個の可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bを4個の固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62B及び2個の押上部63、64の押上板63B、64Bの突出側へ位置させる(図9(A))。
そして取込繰出部32は、この状態で第2回転軸44が回転した場合は、2個の可変羽根車58、61を、コイルばね87、88によってかけている付勢力F2により当該第2回転軸44の回転に追従させて一回転方向へ回転させる。
すなわち、取込繰出部32は、この際、2個の可変羽根車58、61を、2個の押上部63、64の押上側係合部64Cの他端面64CYに当該2個の可変羽根車58、61の羽根側係合部61Cの一端面61CXを接触させて、複数の羽根58B、61Bを4個の固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62B及び2個の押上部63、64の押上板63B、64Bの突出側へ位置させたまま、第2回転軸44と共に一回転方向へ回転させる(図9(B))。
ただし、取込繰出部32は、第2回転軸44の一回転方向への回転中に、2個の可変羽根車58、61の羽根58B、61Bに付勢力F2以上の負荷F1がかかると、第2回転軸44は一回転方向へ回転させながらも、2個の可変羽根車58、61の一回転方向への回転は停止させる。
この際、取込繰出部32は、第2回転軸44が、これに固設されている2個の押上部63、64と共に一回転方向へ回転するため、その回転に応じて2個の可変羽根車58、61の羽根側係合部61Cの一端面61CXから2個の押上部63、64の押上側係合部64Cの他端面64CYを徐々に引き離す(図9(C))。
そして取込繰出部32は、2個の可変羽根車58、61に対し第2回転軸44がほぼ半回転すると、当該2個の可変羽根車58、61の羽根側係合部61Cの他端面61CYに2個の押上部63、64の押上側係合部64Cの一端面64CXを接触させる。
よって取込繰出部32は、2個の可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bを4個の固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62B及び2個の押上部63、64の押上板63B、64Bの突出側とは反対側へ位置させる(図10(A))。
この状態で取込繰出部32は、第2回転軸44がさらに一回転方向へ回転すると、その回転に応じて2個の押上部63、64の押上側係合部64Cにより2個の可変羽根車58、61の羽根側係合部61Cを一回転方向へ押すようにして、第2回転軸44と共に当該2個の可変羽根車58、61を一回転方向へ回転させる。
すなわち、取込繰出部32は、この際、2個の可変羽根車58、61の羽根側係合部61Cの他端面61CYに2個の押上部63、64の押上側係合部64Cの一端面64CXを接触させて、複数の羽根58B、61Bを4個の固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62B及び2個の押上部63、64の押上板63B、64Bの突出側とは反対側へ位置させたまま、第2回転軸44と共に2個の可変羽根車58、61を一回転方向へ回転させる(図10(B))。
そして取込繰出部32は、上述のようにローラ駆動モータの動作と共に第2回転軸44の一回転方向への回転が停止した際には、その第2回転軸44に対して2個の可変羽根車58、61をコイルばね87、88の付勢によって一回転方向へ回転させる。
これにより取込繰出部32は、2個の可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bを4個の固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62B及び2個の押上部63、64の押上板63B、64Bの突出側へ位置させて、当該2個の可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bも取込繰出路42内及び紙幣収納空間から待避させることができる。
また取込繰出部32は、第2回転軸44が一回転方向へ回転したときには、2個の可変羽根車58、61の羽根58B、61Bに上述した付勢力F2以上の負荷F1がかかるか否かに応じて、当該第2回転軸44に対する2個の可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bの位置を適宜変化させることができる。
実際に取込繰出部32(図4)は、例えば、第1搬送ガイド40の下側で、かつ第2回転軸44の後側に、預払機左右方向に長い略短冊状のストッパ90が、その一面を前斜め下側へ向けるように傾斜させて配置されている。
そして取込繰出部32は、4個の固定羽根車57、59、60、62及び2個の可変羽根車58、61の複数の羽根57B乃至62Bを取込繰出路42内及び紙幣収納空間から待避させる場合、ストッパ90の一面に複数の羽根57B乃至62Bの先端部を押し付けさせて変形(すなわち、屈曲)させ得るように、当該ストッパ90の配置位置及び配置角度が適宜選定されている。
すなわち、取込繰出部32は、4個の固定羽根車57、59、60、62及び2個の可変羽根車58、61の複数の羽根57B乃至62Bを取込繰出路42内及び紙幣収納空間から待避させる場合、これら複数の羽根57B乃至62Bに上述した付勢力F2以上の負荷F1をかけることができるように、ストッパ90の配置位置及び配置角度が適宜選定されている。
よって図11(A)乃至図12(C)に示すように、取込繰出部32は、紙幣の取込用に動作していたローラ駆動モータの停止に応じて第2回転軸44の一回転方向への回転が停止した場合、4個の固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62Bを取込繰出路42内及び紙幣収納空間から待避させる。
これにより取込繰出部32は、固定羽根車57、59、60、62毎に例えば、一回転方向への回転の際の先頭側(以下、これを回転先頭側とも呼ぶ)の1つの羽根57B、59B、60B、62Bの先端部をそれぞれストッパ90に押し付けて撓ませる。
また取込繰出部32は、この際、図9(A)について上述した場合と同様に、第2回転軸44に対し2個の可変羽根車58、61をコイルばね87、88の付勢により一回転方向へ回転させて当該2個の可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bを取込繰出路42内及び紙幣収納空間から待避させる。
よって取込繰出部32は、可変羽根車58、61毎に例えば、回転先頭側の1つの羽根58B、61Bの先端部をストッパ90に押し付けて撓ませるようにして、これら2個の可変羽根車58、61の一回転方向への回転を停止させる(図11(A))。
この状態で取込繰出部32は、ローラ駆動モータが紙幣の取込用に動作して第2回転軸44が一回転方向へ回転すると、2個の可変羽根車58、61については図9(C)について上述した場合と同様に、羽根58B、61Bにストッパ90に対する押し付けで負荷F1がかかっていることにより一回転方向へは回転させない。
よって取込繰出部32は、この際、ローラ駆動モータの駆動力により第2回転軸44と共に4個の固定羽根車57、59、60、62及び2個の押上部63、64を一回転方向へ回転させる。
従って取込繰出部32は、この際、4個の固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62Bの先端部を、回転先頭側から順にストッパ90との接触位置を一旦は撓ませながら通過させた後、元の形状に戻して取込繰出路42内に入り込ませる(図11(B))。
このようにして取込繰出部32は、2個の可変羽根車58、61の回転は停止させたまま、第2回転軸44と共に4個の固定羽根車57、59、60、62及び2個の押上部63、64を一回転方向へほぼ180度回転させたときには、当該4個の固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62Bを全て取込繰出路42内及び紙幣収納空間の何れかに入り込ませると共に、2個の押上部63、64の押上板63B、64Bを取込繰出路42内に入り込ませる。
この際、取込繰出部32では、回転を停止させていた2個の可変羽根車58、61と、第2回転軸44と共に一回転方向へ回転していた2個の押上部63、64とが、図10(A)について上述した場合と同様の位置関係になる。
よって取込繰出部32では、4個の固定羽根車57、59、60、62及び2個の可変羽根車58、61の複数の羽根57B乃至62Bが第2回転軸44の全周(すなわち、360度の範囲)に亘って放射状に展開される(図11(C))。
そして取込繰出部32は、第2回転軸44と共に4個の固定羽根車57、59、60、62及び2個の押上部63、64がさらに一回転方向へ回転すると、図10(B)について上述した場合と同様に、第2回転軸44と共に可変羽根車58、61も一回転方向へ回転し始める。
すなわち、取込繰出部32は、4個の固定羽根車57、59、60、62及び2個の可変羽根車58、61を、複数の羽根57B乃至62Bを第2回転軸44の全周に亘って放射状に展開させたまま一回転方向へ回転させる。
これにより取込繰出部32は、2個の可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bの先端部を、回転先頭側から順にストッパ90との接触位置を一旦は撓ませながら通過させた後、元の形状に戻して取込繰出路42内に入り込ませる(図12(A))。
そして取込繰出部32は、第2回転軸44の一回転方向への回転に応じて4個の固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62Bが全て取込繰出路42内及び紙幣収納空間から一時的に待避し、また2個の押上部63、64の押上板63B、64Bが取込繰出路42内から一時的に待避したときには、2個の可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bを全て取込繰出路42内及び紙幣収納空間の何れかに入り込ませる(図12(B))。
このようにして取込繰出部32は、4個の固定羽根車57、59、60、62及び2個の可変羽根車58、61の複数の羽根57B乃至62Bを第2回転軸44の全周(すなわち、360度の範囲)に亘って放射状に展開させると、その後は、第2回転軸44が一回転方向へ回転している間、4個の固定羽根車57、59、60、62及び2個の可変羽根車58、61を複数の羽根57B乃至62Bを展開させた状態のまま一回転方向へ回転させる。
すなわち、取込繰出部32は、第2回転軸44が一回転方向へ回転している間、4個の固定羽根車57、59、60、62及び2個の可変羽根車58、61の複数の羽根57B乃至62Bを展開させた状態のままストッパ90の接触位置を順に叩くようにして通過させて、当該第2回転軸44と共に4個の固定羽根車57、59、60、62及び2個の可変羽根車58、61を一回転方向へ回転させる。
そして取込繰出部32は、紙幣の取込用に動作していたローラ駆動モータの停止に応じて第2回転軸44の一回転方向への回転が停止した場合、4個の固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62Bを再び取込繰出路42内及び紙幣収納空間から待避させる。
これにより取込繰出部32は、固定羽根車57、59、60、62毎に例えば、回転先頭側の1つの羽根57B、59B、60B、62Bの先端部をそれぞれストッパ90に押し付けて撓ませる(図12(B))。
そして取込繰出部32は、この際、再び図9(A)について上述した場合と同様に、第2回転軸44に対し2個の可変羽根車58、61をコイルばね87、88の付勢により一回転方向へ回転させて当該2個の可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bを取込繰出路42内及び紙幣収納空間から待避させる。
よって取込繰出部32は、可変羽根車58、61毎に例えば、回転先頭側の1つの羽根58B、61Bの先端部をストッパ90に押し付けて撓ませるようにして、これら2個の可変羽根車58、61の一回転方向への回転を停止させる(図12(C))。
このようにして取込繰出部32は、紙幣の取込用に第2回転軸44が一回転方向へ回転し始めたときには、その第2回転軸44に対する2個の可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bの位置を変化させながら、当該2個の可変羽根車58、61をほぼ半周分遅延させて一回転方向へ回転させ始める。
また取込繰出部32は、紙幣の取込用に一回転方向へ回転していた第2回転軸44の回転を停止させるときには、その第2回転軸44に対する2個の可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bの位置を回転停止時の位置に戻すように変化させて、当該2個の可変羽根車58、61の一回転方向への回転を停止させる。
(1−4)紙幣収納庫による紙幣の取込処理及び繰出処理
次いで、制御ユニット10が、上述した紙幣の入金処理において紙幣収納庫18乃至22で行う紙幣の取込処理、及び上述した紙幣の出金処理において当該紙幣収納庫18乃至22で行う紙幣の繰出処理について順に説明する。
図13に示すように、制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22による紙幣95の取込処理時、収納部31においてステージ駆動モータを動作させてステージ昇降部を駆動することによりステージ35を上昇又は下降させる。
この際、制御ユニット10は、紙幣到達検出部36を介して、ステージ35の一面35A上の最上位紙幣95が紙幣取込位置に到達したことを検出すると、その時点でステージ駆動モータの動作を停止させて、当該ステージ35を停止させる。
これにより制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において4個のピッカローラ73とステージ35の一面35A上の最上位紙幣95との間に、紙幣収納空間への紙幣95の取り込みに最適な、当該紙幣95の所定枚数分の厚みに相当する隙間を形成する。
この状態で制御ユニット10は、取込繰出部32においてローラ駆動モータを紙幣95の取込用に動作させる。
よって制御ユニット10は、第2回転軸44と共に2個の取込ローラ55、56、4個の固定羽根車57、59、60、62及び2個の押上部63、64を一回転方向へ回転させる。
また制御ユニット10は、この際、上述のように第2回転軸44の一回転方向への回転の開始時点から、当該第2回転軸44がほぼ半回転する間だけ遅延させて2個の可変羽根車58、61を一回転方向へ回転させ始める。
よって制御ユニット10は、4個の固定羽根車57、59、60、62及び2個の可変羽根車58、61を、これらの複数の羽根57B乃至62Bを第2回転軸44の全周に亘って放射状に展開させた状態で一回転方向へ回転させる。
さらに制御ユニット10は、この際、第1回転軸43と共に2個のフィードローラ50、51及び2個の補助ローラ52、53を他回転方向へ回転させると共に、その回転に連動させて第3回転軸45と共に2個のプレッシャローラ68を一回転方向へ回転させる。
この状態で制御ユニット10は、中央紙幣搬送路27Aを介して紙幣95を1枚ずつ紙幣収納庫18乃至22へ搬送する。
これにより制御ユニット10は、その紙幣95を取込繰出路42内に外側開口部から取り込んで、互いに逆回転している2個のフィードローラ50、51と2個のプレッシャローラ68との間に挟み込みながら2個の取込ローラ55、56側へ送り出す。
また制御ユニット10は、2個のフィードローラ50、51と2個のプレッシャローラ68との間を通した紙幣95を、引き続き2個のフィードローラ50、51と2個の取込ローラ55、56との間に挟み込みながら取込繰出路42の内側開口部から、当該紙幣95の他面を下側に向けた姿勢で紙幣収納空間(すなわち、ステージ35の上側)へ放出する。
そして制御ユニット10は、取込繰出路42の内側開口部から紙幣収納空間へ放出した紙幣95の前側の長辺をビルストッパ81に衝突させて、当該紙幣95の前方向への移動を止めると共に、その紙幣95の一面(すなわち、上側へ向いている面)の後端部を4個の固定羽根車57、59、60、62や2個の可変羽根車58、61の羽根57B乃至62Bで上からたたく。
これにより制御ユニット10は、紙幣収納空間で紙幣95を落下させて、ステージ35の一面35A上の最上位紙幣95に重ねるように載せる。
このようにして制御ユニット10は、紙幣95を、中央紙幣搬送路27Aを介して紙幣収納庫18乃至22へ搬送する毎に、当該紙幣収納庫18乃至22において同様に、その紙幣95を取込繰出路42を介して紙幣収納空間に取り込んでステージ35の一面35Aに順に重ねるようにして収納することができる。
ここで、図14に示すように、紙幣収納庫18乃至22では、第2回転軸44が一回転方向へ回転している状態で、2個の可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bが下側に位置するときには、4個の固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62Bと共に2個の押上部63、64の押上板63B、64Bが上側に位置している。
そして紙幣収納庫18乃至22では、この際、上述したように左側の補助ローラ52の左側面において下側の部分に左側の押上部63の押上板63Bが近接すると共に、右側の補助ローラ53の右側面において下側の部分に右側の押上部64の押上板64Bが近接する。
また図15に示すように、紙幣収納庫18乃至22では、第2回転軸44が一回転方向へ回転している状態で、4個の固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62Bと共に2個の押上部63、64の押上板63B、64Bが下側に位置するときには、2個の可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bが上側に位置している。
そして紙幣収納庫18乃至22では、この際、上述したように左側の補助ローラ52の左側面において下側の部分に左側の可変羽根車58の複数の羽根58Bが近接すると共に、右側の補助ローラ53の右側面において下側の部分に右側の可変羽根車61の複数の羽根61Bが近接する。
すなわち、紙幣収納庫18乃至22は、紙幣取込時、2個の押上部63、64の押上板63B、64Bと2個の可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bとを順次交互に取込繰出路42内に入り込ませて2個の補助ローラ52、53の外側に位置させている。
よって紙幣収納庫18乃至22は、2個のフィードローラ50、51と2個の取込ローラ55、56との間に紙幣95を挟み込んだときに2個の押上部63、64の押上板63B、64Bが上側に位置すると、当該紙幣95の一端部及び他端部(すなわち、2個の補助ローラ52、53の外側の部分)を、その押上板63B、64Bによって押し上げるようにして変形させる。
そして紙幣収納庫18乃至22は、第2回転軸44が一回転方向へ回転し続けると、2個の押上部63、64も一回転方向へ回転し続けて押上板63B、64Bが下側へ変位するものの、2個の可変羽根車58、61が一回転方向へ回転していることで、当該2個の可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bを上側に変位させる。
このため紙幣収納庫18乃至22は、2個のフィードローラ50、51と2個の取込ローラ55、56との間に挟み込んでいた紙幣95において押し上げるように変形させた一端部及び他端部から2個の押上部63、64の押上板63B、64Bが離れても、当該紙幣95の一端部及び他端部を、垂れ下がる前に2個の可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bで押し上げるようにして変形させ続けることができる。
このようにして紙幣収納庫18乃至22は、2個のフィードローラ50、51と2個の取込ローラ55、56との間に紙幣95を搬送用に挟み込んでいる間は、当該紙幣95の一端部及び他端部を2個の押上部63、64の押上板63B、64Bと2個の可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bとにより常に押し上げるようにして変形させることができる。
よって紙幣収納庫18乃至22は、取込繰出路42から紙幣95を、その一端部及び他端部のばたつきを抑えながら紙幣収納空間へ放出することができる。
ところで、制御ユニット10は、ステージ35の一面35A上に新たに1枚の紙幣95を載せる毎に、ステージ駆動モータを間欠的に動作させてステージ昇降部を駆動することで、ステージ35を僅かに下降させる。
これにより制御ユニット10は、ステージ35の一面35A上に新たに載せた紙幣95(すなわち、新たな最上位紙幣95)を紙幣取込位置に位置させる。
このようにして制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において紙幣収納空間に複数の紙幣95を常に同一の取込条件で取り込ませる。
従って制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において紙幣収納空間に複数の紙幣95を順次、取込繰出路42内や、複数のピッカローラ73と最上位紙幣95との間等で詰まらせることなく取り込んでステージ35の一面35Aに順に積層するようにして収納することができる。
一方、図16に示すように、制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22による紙幣95の繰出処理時、収納部31においてステージ駆動モータを動作させてステージ昇降部を駆動することによりステージ35を上昇させる。
この際、制御ユニット10は、例えば、紙幣到達検出部36を介して、ステージ35の一面35A上の最上位紙幣95が紙幣取込位置に到達したことを検出すると、その時点からさらに一定時間、ステージ駆動モータを動作させてステージ35を上昇させた後、当該ステージ駆動モータの動作を停止させて、ステージ35を停止させる。
これにより制御ユニット10は、ステージ35の一面35A上の最上位紙幣95(すなわち、最上位紙幣95の一面)を、4個のピッカローラ73の外周面の下側の部分に所定の押圧力で押し付ける。
この状態で制御ユニット10は、取込繰出部32においてローラ駆動モータを紙幣95の繰出用に動作させる。
この際、制御ユニット10は、第2回転軸44についてはワンウェイクラッチの作用により回転させないものの、第1回転軸43と共に2個のフィードローラ50、51及び2個の補助ローラ52、53を一回転方向へ回転させると共に、その回転に連動させて第3回転軸45と共に2個のプレッシャローラ68を他回転方向へ回転させる。
また制御ユニット10は、この際、第1回転軸43の一回転方向への回転に連動させて、第4回転軸46及び第5回転軸と共に4個のピッカローラ73も一回転方向へ回転させる。
これにより制御ユニット10は、4個のピッカローラ73により、ステージ35の一面35A上から最上位紙幣95を取込繰出路42側へずらすようにして、その内側開口部へ送り出す。
また制御ユニット10は、ステージ35上から取込繰出路42の内側開口部へ送り出した紙幣95(すなわち、最上位紙幣95)を当該内側開口部から取込繰出路42内に取り込んで2個のフィードローラ50、51により2個のプレッシャローラ68側へ送り出す。
さらに制御ユニット10は、その紙幣95を、互いに逆回転している2個のフィードローラ50、51と2個のプレッシャローラ68との間に挟み込みながら取込繰出路42の外側開口部へ送る。
このようにして制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22に収納している紙幣95を、取込繰出路42の外側開口部から中央紙幣搬送路27Aへ繰り出すことができる。
因みに、制御ユニット10は、この際、4個のピッカローラ73によりステージ35の一面35A上から仮に2枚の紙幣95が上下に重なったまま取込繰出路42側へ送り出されても、2個の取込ローラ55、56の回転を停止させていることで、その2個の取込ローラ55、56によって下側の紙幣95の送り出しを一旦止めて上側の紙幣95のみを2個のフィードローラ50、51と2個のプレッシャローラ68との間へ送り出すことができる。
すなわち、制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において4個のピッカローラ73によりステージ35の一面35A上から仮に2枚の紙幣95が上下に重なったまま取込繰出路42側へ送り出されても、これら2枚の紙幣95を2個のフィードローラ50、51及び2個の取込ローラ55、56の間で分離して1枚ずつ繰り出すことができる。
また制御ユニット10は、この際、例えば、紙幣通過検出部80を介して取込繰出路42内での紙幣95の通過の有無を検出している。
そして制御ユニット10は、例えば、紙幣通過検出部80を介して取込繰出路42内を紙幣95が通過したことを検出する毎に、ステージ駆動モータを間欠的に動作させてステージ昇降部を駆動することで、ステージ35を僅かに上昇させる。
すなわち、制御ユニット10は、ステージ35の一面35A上から最上位紙幣95が2個のフィードローラ50、51と2個の取込ローラ55、56との間へ送り出される毎に、ステージ35により新たな最上位紙幣95を4個のピッカローラ73の外周面の下側の部分に所定の押圧力で押し付ける。
よって制御ユニット10は、複数のピッカローラ73により常に同一の送出条件で、ステージ35の一面35A上の複数の紙幣95を1枚ずつ取込繰出路42側へ送り出させている。
これにより制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22に収納している紙幣95を1枚ずつ的確に取込繰出路42の外側開口部から中央紙幣搬送路27Aへ繰り出すことができる。
(1−5)実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、現金自動預払機1では、紙幣収納庫18乃至22に、フィードローラ50、51が固設され、紙幣95の取込及び繰出用に他回転方向及び一回転方向へ回転可能な第1回転軸43と、取込用固設部品としての取込ローラ55、56が固設され、紙幣95の取込用に一回転方向へ回転可能な第2回転軸44とを有し、中央紙幣搬送路27Aを介して搬送された紙幣95を、取込繰出路42を介して紙幣収納空間に取り込み、また紙幣収納空間に収納している紙幣95を、取込繰出路42を介して中央紙幣搬送路27Aへ繰り出す取込繰出部32を設けるようにした。
また現金自動預払機1では、紙幣収納庫18乃至22の取込繰出部32において第2回転軸44に取込用固設部品として、本体部57A、59A、60A、62Aの外周面の一部に複数の羽根57B、59B、60B、62Bが植設された固定羽根車57、59、60、62と、押上部63、64とを固設するようにした。
さらに現金自動預払機1では、紙幣収納庫18乃至22の取込繰出部32において第2回転軸44に、本体部58A、61Aの外周面の一部に複数の羽根58B、61Bが植設された可変羽根車58、61を一回転方向及び他回転方向へ回転可能に設けるようにした。
さらにまた現金自動預払機1では、紙幣収納庫18乃至22の取込繰出部32において可変羽根車58、61に、第2回転軸44に対する複数の羽根58B、61Bの位置の制御用として羽根側係合部61Cを設けるようにした。
そして現金自動預払機1では、紙幣収納庫18乃至22の取込繰出部32において取込用固設部品としての押上部63、64に、第2回転軸44に対する可変羽根車58、61の回転に応じて羽根側係合部61Cとの接触箇所を変えて、当該第2回転軸44に対して可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bを、第2回転軸44に対する固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62Bの突出側へ変位させ、また当該第2回転軸44に対する固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62Bの否突出側へ変位させるための押上側係合部64Cを設けるようにした。
従って現金自動預払機1は、第2回転軸44に対する可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bの位置の制御用として、当該第2回転軸44に取込用固設部品とは別部品となるピン等の係合部を特に設けることなく、可変羽根車58、61に設けた羽根側係合部61Cと取込用固設部品としての押上部63、64に設けた押上側係合部64Cとにより、第2回転軸44に対して可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bを、取込繰出路42内及び紙幣収納空間からの待避用に第2回転軸44に対する固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62Bの突出側へ変位させ、また紙幣95の取込繰出路42を介した紙幣収納空間への取込用に第2回転軸44に対する固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62Bの否突出側へ変位させることができる。
以上の構成によれば、現金自動預払機1は、紙幣収納庫18乃至22において紙幣95を、取込繰出路42を介して紙幣収納空間に取り込み、また紙幣収納空間に収納している紙幣95を、取込繰出路42を介して繰り出す取込繰出部32に、紙幣95の取込用に一回転方向へ回転可能で取込用固設部品が固設される第2回転軸44に、当該取込用固設部品として本体部57A、59A、60A、62Aの外周面の一部に複数の羽根57B、59B、60B、62Bが植設された固定羽根車57、59、60、62と、押上部63、64とを固設すると共に、これら取込用固設部品以外に本体部58A、61Aの外周面の一部に複数の羽根58B、61Bが植設された可変羽根車58、61を一回転方向及び他回転方向へ回転可能に設け、当該可変羽根車58、61に、第2回転軸44に対する複数の羽根58B、61Bの位置の制御用として羽根側係合部61Cを設けると共に、取込用固設部品としての押上部63、64に、第2回転軸44に対する可変羽根車58、61の回転に応じて羽根側係合部61Cとの接触箇所を変えて、当該第2回転軸44に対して可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bを、第2回転軸44に対する固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62Bの突出側へ変位させ、また当該第2回転軸44に対する固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62Bの否突出側へ変位させるための押上側係合部64Cを設けるようにした。
これにより現金自動預払機1は、第2回転軸44に対する可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bの位置の制御用として当該第2回転軸44に取込用固設部品とは別部品となるピン等の係合部を特に設けることなく、可変羽根車58、61に設けた羽根側係合部61Cと取込用固設部品としての押上部63、64に設けた押上側係合部64Cとにより、第2回転軸44に対して可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bを、取込繰出路42内及び紙幣収納空間からの待避用に固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62Bの突出側へ変位させ、また紙幣95の取込繰出路42を介した紙幣収納空間への取込用に固定羽根車57、59、60、62の複数の羽根57B、59B、60B、62Bの否突出側へ変位させることができる。
よって現金自動預払機1は、紙幣収納庫18乃至22の取込繰出部32の構成を簡易化することができ、その結果、当該紙幣収納庫18乃至22の構成、及び現金自動預払機1の構成も簡易化することができる。
また現金自動預払機1は、係る構成により、第2回転軸44に取込用固設部品とは別部品となるピン等の係合部を設けなくても良いため、当該現金自動預払機1の製造時に、第2回転軸44に複数の取込用固設部品を組み付けるための工程を簡易化し得ると共に、その工程に要する時間を短縮することができ、製造コストを下げることができる。
(2)他の実施の形態
(2−1)他の実施の形態1
なお上述した実施の形態においては、可変羽根車58、61の右側面又は左側面に第2回転軸44に対する複数の羽根58B、61Bの位置の制御用として扇状の突起でなる羽根側係合部61Cを設けると共に、押上部63、64の左側面又は右側面に第2回転軸44に対する可変羽根車61の複数の羽根61Bの位置の制御用として円弧状の突起でなる押上側係合部64Cを設けるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、例えば、図17に示すように、右側に位置する可変羽根車100の本体部100Aの左側面に、第2回転軸44を挿入するための孔部100AXの内径よりも大きい所定の内径を有する円形の凹部100AYを形成する。
また本発明は、その本体部100Aの凹部100AYの内周面において複数の羽根100Bの突出側の所定位置に、第2回転軸44に対する当該複数の羽根100Bの位置の制御用として略台形状の突起でなる羽根側係合部100Cを設けるようにする。
さらに本発明は、左側に位置する可変羽根車を、図17に示した右側に位置する可変羽根車100との中間位置で預払機左右方向と垂直な仮想平面に対し、その右側に位置する可変羽根車100と面対称な形状を有するように形成する。
そのうえで本発明は、第2回転軸44に、これら右側の可変羽根車100及び左側の可変羽根車を、これらの凹部100AYに、図8について上述した右側の押上部64及び左側の押上部63の押上側係合部64Cを挿入した状態で一回転方向及び他回転方向へ回転可能に設ける。
これにより本発明は、第2回転軸44に対する左右の可変羽根車100の回転に応じて、当該左右の可変羽根車100の羽根側係合部100Cと左右の押上部63、64の押上側係合部64Cとの接触箇所を変えて、当該第2回転軸44に対する左右の可変羽根車100の複数の羽根100Bの位置を変化させるようにしても良い。
本発明は、係る構成によれば、第2回転軸44に左右の押上部63、64を、左右の可変羽根車100に極力近接させ、又は接触させるようにして固設することができ、当該第2回転軸44に他の取込用固設部品を設けるための設計の自由度を向上させることができる。
また本発明は、例えば、図18に示すように、右側に位置する押上部101の本体部101Aの右側面に、第2回転軸44に対する可変羽根車61の複数の羽根61Bの位置の制御用として、押上板としての機能を併せ持つ所定の厚みの円弧状の押上側係合部101Bを設けるようにする。
また本発明は、左側に位置する押上部を、図18に示した右側に位置する押上部101との中間位置で預払機左右方向と垂直な仮想平面に対し、その右側に位置する押上部101と面対称な形状を有するように形成する。
そのうえで本発明は、第2回転軸44に、これら右側の押上部101及び左側の押上部を、図7について上述した右側の可変羽根車61及び左側の可変羽根車に近接させた状態で固設する。
これにより本発明は、第2回転軸44に対する左右の可変羽根車58、61の回転に応じて、当該左右の可変羽根車58、61の羽根側係合部61Cと左右の押上部101の押上側係合部101Bとの接触箇所を変えて、当該第2回転軸44に対する左右の可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bの位置を変化させるようにしても良い。
本発明は、係る構成によれば、左右の押上部101の形状を簡易化して、製造コストを下げることができる。
さらに本発明は、例えば、可変羽根車の本体部において一方の側面の所定位置に、第2回転軸44に対する可変羽根車の複数の羽根の位置の制御用として1個の突起でなる羽根側係合部を設けるようにする。
また本発明は、例えば、押上部の本体部において一方の側面の所定の2箇所にそれぞれ、第2回転軸44に対する可変羽根車の複数の羽根の位置の制御用として突起でなる押上側係合部を設けるようにする。
そのうえで本発明は、第2回転軸44に可変羽根車を、その羽根側係合部を押上部の2個の押上側係合部の間に位置させるようにして、一回転方向及び他回転方向へ回転可能に設ける。
これにより本発明は、第2回転軸44に対する可変羽根車の回転に応じて、羽根側係合部と押上部の押上側係合部との接触箇所を変えて、当該第2回転軸44に対する可変羽根車の複数の羽根の位置を変化させるようにしても良い。
さらに本発明は、例えば、可変羽根車の本体部において一方の側面の所定の2箇所にそれぞれ、第2回転軸44に対する可変羽根車の複数の羽根の位置の制御用として突起でなる羽根側係合部を設けるようにする。
また本発明は、例えば、押上部の本体部において一方の側面の所定位置に、第2回転軸44に対する可変羽根車の複数の羽根の位置の制御用として1個の突起でなる押上側係合部を設けるようにする。
そのうえで本発明は、第2回転軸44に可変羽根車を、2個の羽根側係合部の間に押上部の押上側係合部を位置させるようにして、一回転方向及び他回転方向へ回転可能に設ける。
これにより本発明は、第2回転軸44に対する可変羽根車の回転に応じて、羽根側係合部と押上部の押上側係合部との接触箇所を変えて、当該第2回転軸44に対する可変羽根車の複数の羽根の位置を変化させるようにしても良い。
本発明は、これらの構成によっても、上述した実施の形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
これに加えて本発明は、例えば、第2回転軸44に固設される取込ローラや固定羽根車のような押上部以外の取込用固設部品の一方の側面に、当該第2回転軸44に対する可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bの位置の制御用として、その第2回転軸44に沿わせるように比較的長い円弧状の係合部(以下、これを部品側係合部とも呼ぶ)を設けるようにする。
そして本発明は、第2回転軸44に対する可変羽根車58、61の回転に応じて、羽根側係合部61Cと取込用固設部品の部品側係合部との接触箇所を変えて、当該第2回転軸44に対する可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bの位置を変化させるようにしても良い。
因みに、本発明は、可変羽根車58、61と部品側係合部が設けられた取込用固設部品との間に他の取込用固設部品が介在していない場合、当該部品側係合部を単に第2回転軸44に沿わせるようにする。
ただし、本発明は、可変羽根車58、61と部品側係合部が設けられた取込用固設部品との間に他の1又は複数の取込用固設部品が介在する場合、当該他の取込用固設部品の孔部の一部に、その内径を広げるような円弧状の溝部を形成し、部品側係合部を当該溝部に通して第2回転軸44に沿わせるようにする。
これにより本発明は、このように押上部以外の取込用固設部品に部品側係合部を設けるような場合でも、第2回転軸44に対する可変羽根車58、61の回転に応じて、羽根側係合部61Cと取込用固設部品の部品側係合部とを接触させて、当該第2回転軸44に対する可変羽根車58、61の複数の羽根58B、61Bの位置を変化させることができる。
なお、本発明は、取込用固設部品の一方の側面に例えば、比較的長い2個の部品側係合部を設けるようにしても良い。
また本発明は、可変羽根車の一方の側面に1又は2個の比較的長い羽根側係合部を設けると共に、取込用固設部品の一方の側面に2又は1個の比較的短い部品側係合部を設けるようにしても良い。
そして本発明は、このような種々の構成によっても、上述した実施の形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
(2−2)他の実施の形態2
また上述した実施の形態においては、押上部63、64に押上板63B、64Bを設けるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、押上部63、64に押上板63B、64Bを設ける構成に加えて、図19に示すように、右側に位置する可変羽根車105にも本体部105Aの側面において複数の羽根105Bの突出側となる180度以下の所定の角度範囲に例えば、円弧状の押上板105Cを設けるようにしても良い。
また本発明は、左側に位置する可変羽根車を、図19に示した右側に位置する可変羽根車105との中間位置で預払機左右方向と垂直な仮想平面に対し、その右側に位置する可変羽根車105と面対称な形状を有するように形成するようにしても良い。
本発明は、係る構成によれば、図14との対応部分に同一符号を付した図20に示すように、紙幣収納庫106において第2回転軸44が一回転方向へ回転している状態で、2個の可変羽根車105、107の複数の羽根105B、107A及び押上板105C、107Bが下側に位置するときには、2個の押上部63、64の押上板63B、64Bを上側に位置させることができる。
また本発明は、図15との対応部分に同一符号を付した図21に示すように、紙幣収納庫106において第2回転軸44が一回転方向へ回転している状態で、2個の押上部63、64の押上板63B、64Bが下側に位置するときには、2個の可変羽根車105、107の複数の羽根105B、107A及び押上板105C、107Bを上側に位置させることができる。
よって本発明は、紙幣収納庫106において第2回転軸44を一回転方向へ回転させた場合、2個のフィードローラ50、51と2個の取込ローラ55、56との間に挟み込んでいた紙幣95の一端部及び他端部から、これらを押し上げていた2個の押上部63、64の押上板63B、64Bが離れても、当該紙幣95の一端部及び他端部を、垂れ下がる前に2個の可変羽根車105、107の押上板105C、107B及び複数の羽根105B、107Aで押し上げるようにして変形させ続けることができる。
すなわち、本発明は、紙幣収納庫106において2個のフィードローラ50、51と2個の取込ローラ55、56との間に紙幣95を搬送用に挟み込んでいる間は、当該紙幣95の一端部及び他端部を2個の押上部63、64の押上板63B、64Bと2個の可変羽根車105、107の押上板105C、107B及び複数の羽根105B、107Aとにより常に押し上げるようにして変形させることができる。
よって本発明は、係る構成によっても、上述した実施の形態と同様に、紙幣収納庫106において取込繰出路42から紙幣95を、その一端部及び他端部のばたつきを抑えながら紙幣収納空間へ放出することができる。
(2−3)他の実施の形態3
さらに上述した実施の形態においては、現金自動預払機1内で(すなわち、紙幣収納庫18乃至22内でも)、長方形の紙幣95を、紙幣長手方向を預払機左右方向とほぼ平行にして、一方の長辺を搬送方向に向けた搬送姿勢で搬送し、また当該搬送姿勢に準じて取り扱うようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、現金自動預払機1内で(すなわち、紙幣収納庫18乃至22内でも)、長方形の紙幣95を、紙幣短手方向を預払機左右方向とほぼ平行にして、一方の短辺を搬送方向に向けた搬送姿勢で搬送し、また当該搬送姿勢に準じて取り扱うようにしても良い。
(2−4)他の実施の形態4
さらに上述した実施の形態においては、複数の紙幣収納庫18乃至22各々において、第1搬送ガイド40を、当該第1搬送ガイド40の他端を収納庫筐体30の後板30Eの上端に接触させて設けるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、複数の紙幣収納庫18乃至22各々において、第1搬送ガイド40を、当該第1搬送ガイド40の他端部を収納庫筐体30の後板30Eの上端には接触させずに、その上端よりも紙幣収納空間へ突出させて設けるようにしても良い。
(2−5)他の実施の形態5
さらに上述した実施の形態においては、複数の紙幣収納庫18乃至22各々において、第3回転軸45に2個のプレッシャローラ68を固設するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、複数の紙幣収納庫18乃至22各々において、収納庫筐体30に第3回転軸45を固設して、当該第3回転軸45に2個のプレッシャローラ68を、各々の中心に穿設された孔部を介して一回転方向及び他回転方向へ回転可能に設けるようにしても良い。
(2−6)他の実施の形態6
さらに上述した実施の形態においては、複数の紙幣収納庫18乃至22各々において、第3回転軸45に固設した2個のプレッシャローラ68の外周面の一部を、取込繰出路42内で2個のフィードローラ50、51の外周面の凸部の一部(すなわち、後斜め下側の部分)に押し付けるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、複数の紙幣収納庫18乃至22各々において、第3回転軸45に固設した2個のプレッシャローラ68の外周面の一部を、取込繰出路42内で2個の補助ローラ52、53の外周面の一部(すなわち、後斜め下側の部分)に押し付けるようにしても良い。
また本発明は、複数の紙幣収納庫18乃至22各々において、収納庫筐体30に第3回転軸45を固設すると共に、当該第3回転軸45に2個のプレッシャローラ68を、各々の中心に穿設された孔部を介して一回転方向及び他回転方向へ回転可能に設けるようにし、これら2個のプレッシャローラ68の外周面の一部を、取込繰出路42内で2個の補助ローラ52、53の外周面の一部(すなわち、後斜め下側の部分)に押し付けるようにしても良い。
(2−7)他の実施の形態7
さらに上述した実施の形態においては、制御ユニット10が、複数の紙幣収納庫18乃至22による紙幣95の繰出処理時、紙幣到達検出部36を介して、ステージ35の一面35A上の最上位紙幣95が紙幣取込位置に到達したことを検出すると、その時点から一定時間、ステージ駆動モータを動作させてステージ35を上昇させることにより最上位紙幣95を、4個のピッカローラ73の外周面の下側の部分に所定の押圧力で押し付けるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、例えば、複数の紙幣収納庫18乃至22各々に4個のピッカローラ73を上側及び下側へ変位可能に設けると共に、当該4個のピッカローラ73の基準位置からの変位量を検出するための変位量検出部を設ける。
そして本発明は、制御ユニット10が、複数の紙幣収納庫18乃至22による紙幣95の繰出処理時、ステージ駆動モータを動作させてステージ35を上昇させながら、変位量検出部を介して4個のピッカローラ73の上側への変位の有無を監視し、当該4個のピッカローラ73が上側へ所定量変位したことを検出したときにステージ駆動モータの動作を停止させてステージ35を停止させる。
本発明は、このようにしてステージ35上の最上位紙幣95を、4個のピッカローラ73の外周面の下側の部分に所定の押圧力で押し付けるようにしても良い。
(2−8)他の実施の形態8
さらに上述した実施の形態においては、制御ユニット10が、複数の紙幣収納庫18乃至22による紙幣95の繰出処理時、紙幣通過検出部80を介して取込繰出路42内を紙幣95が通過したことを検出する毎に、ステージ駆動モータを間欠的に動作させてステージ昇降部を駆動することで、ステージ35を僅かに上昇させるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、例えば、複数の紙幣収納庫18乃至22各々に4個のピッカローラ73を上側及び下側へ変位可能に設けると共に、当該4個のピッカローラ73の基準位置からの変位量を検出するための変位量検出部を設ける。
そして本発明は、制御ユニット10が、複数の紙幣収納庫18乃至22による紙幣95の繰出処理時、4個のピッカローラ73によりステージ35の一面35A上の最上位紙幣95を2個のフィードローラ50、51と2個の取込ローラ55、56との間へ送り出しながら、変位量検出部を介して4個のピッカローラ73の下側への変位の有無を監視して、当該4個のピッカローラ73が下側へ所定量変位したことを検出する毎に、ステージ駆動モータを間欠的に動作させてステージ昇降部を駆動することで、ステージ35を僅かに上昇させる。
本発明は、このようにしてステージ35の一面35A上から最上位紙幣95が2個のフィードローラ50、51と2個の取込ローラ55、56との間へ送り出される毎に、ステージ35により新たな最上位紙幣95を4個のピッカローラ73の外周面の下側の部分に所定の押圧力で押し付けるようにしても良い。
(2−9)他の実施の形態9
さらに上述した実施の形態においては、本発明による取込繰出装置を、図1乃至図21について上述した現金自動預払機1内の紙幣収納庫18乃至22に設けられた取込繰出部32に適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、現金自動支払機(CD:Cash Dispenser)や両替機、電車の切符や観劇のチケット等を販売する券売機、精算機、自動販売機、パチンコ台やスロット台のような遊戯機内に設けられた紙幣用の取込繰出部に適用することができる。
また本発明は、取込繰出装置を、券売機に設けられた切符やチケット用の取込繰出部や、有価証券取扱機に設けられた有価証券用の取込繰出部、コピー機に設けられたコピー用紙用の取込繰出部、葉書取扱装置に設けられた葉書用の取込繰出部等のように、この他種々の媒体を取り込み及び繰り出すための取込繰出部にも広く適用することができる。
(2−10)他の実施の形態10
さらに上述した実施の形態においては、本発明による媒体収納庫を、図1乃至図21について上述した現金自動預払機1の紙幣処理ユニット11内に固設された紙幣収納庫18乃至22に適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、現金自動預払機1の紙幣処理ユニット11に着脱可能に装着される紙幣収納庫や、現金自動支払機、両替機、券売機、精算機、自動販売機、遊戯機に固設又は着脱可能に装着される紙幣収納庫に適用することができる。
また本発明は、媒体収納庫を、有価証券取扱機に固設又は着脱可能に装着される有価証券収納庫、コピー機に固設又は着脱可能に装着されるコピー用紙収納庫、葉書取扱装置に固設又は着脱可能に装着される葉書収納庫等のように、この他種々の媒体を収納する媒体収納庫にも広く適用することができる。
(2−11)他の実施の形態11
さらに上述した実施の形態においては、本発明による媒体取扱装置を、図1乃至図21について上述した現金自動預払機1に適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、紙幣を取り扱う現金自動支払機、両替機、券売機、精算機、自動販売機及び遊戯機、切符やチケットを取り扱う券売機、有価証券を取り扱う有価証券取扱機、コピー用紙を取り扱うコピー機、葉書を取り扱う葉書取扱装置等のように、この他種々の媒体を取り扱う媒体取扱装置に広く適用することができる。
(2−12)他の実施の形態12
さらに上述した実施の形態においては、一回転方向へ回転可能に設けられ、媒体を所定の取込繰出路を介して媒体収納空間に取り込むための複数種類の取込用固設部品が固設される回転軸として、図1乃至図21について上述した第2回転軸44を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、例えば、取込用固設部品として1個、又は3個以上の取込ローラが固設される第2回転軸や、部品側係合部が設けられる取込ローラが固設される第2回転軸等のように、この他種々の構成の回転軸を広く適用することができる。
(2−13)他の実施の形態13
さらに上述した実施の形態においては、回転軸に複数種類の取込用固設部品の1つとして固設され、本体部の外周面の一部に複数の羽根が植設された固定羽根車として、図1乃至図21について上述した4個の固定羽根車57、59、60、62を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、略C字状の本体部を有する固定羽根車や、可変羽根車に設けられる複数の羽根とは長さの異なる複数の羽根が設けられる固定羽根車、複数の羽根の一部又は全ての長さが異なる固定羽根車を適用することができる。
また本発明は、固定羽根車として、第2回転軸に固設され、互いに羽根の長さが異なる複数の固定羽根車、第2回転軸に固設され、互いに幅及び外径の少なくとも一方が異なる複数の固定羽根車、第2回転軸に固設される3個以下、又は5個以上の固定羽根車、任意の位置に部品側係合部が設けられる固定羽根車等のように、この他種々の構成の固定羽根車も広く適用することができる。
(2−14)他の実施の形態14
さらに上述した実施の形態においては、回転軸に一回転方向、及び当該一回転方向とは逆の他回転方向へ回転可能に設けられ、本体部の外周面の一部に複数の羽根が植設されると共に、回転軸に対する当該複数の羽根の位置の制御用として羽根側係合部が設けられた可変羽根車として、図1乃至図21について上述した2個の可変羽根車58、61、100を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、略C字状の本体部を有する可変羽根車や、固定羽根車に設けられる複数の羽根とは長さの異なる複数の羽根が設けられる可変羽根車、複数の羽根の一部又は全ての長さが異なる可変羽根車を適用することができる。
また本発明は、可変羽根車として、第2回転軸に回転可能に設けられ、互いに羽根の長さが異なる複数の可変羽根車、固定羽根車とは幅及び外径の少なくとも一方が異なる可変羽根車を適用することもできる。
さらに本発明は、可変羽根車として、第2回転軸44において2個の取込ローラ55、56の間に1個だけ回転可能に設けられる可変羽根車、第2回転軸44に3個以上設けられる可変羽根車、円弧状や扇状、棒状等の種々の形状の1又は2個の羽根側係合部が任意の位置に設けられる可変羽根車等のように、この他種々の構成の可変羽根車も広く適用することができる。
(2−15)他の実施の形態15
さらに上述した実施の形態においては、固定羽根車を含む複数種類の取込用固設部品のうちの何れかに、回転軸に対する可変羽根車の回転に応じて羽根側係合部との接触箇所を変えて、当該回転軸に対して可変羽根車の複数の羽根を、回転軸に対する固定羽根車の複数の羽根の突出側へ変位させ、また当該回転軸に対する固定羽根車の複数の羽根の否突出側へ変位させるために設けられた部品側係合部として、図1乃至図21について上述した押上部63、64に設けられた円弧状の突起でなる押上側係合部64Cを適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、取込用固設部品の側面の任意の位置に設けられる円弧状や扇状、棒状等の種々の形状の1又は2個の部品側係合部や、取込用固設部品の側面の凹部内の任意の位置に設けられる円弧状や扇状、棒状等の種々の形状の1又は2個の部品側係合部等のように、この他種々の構成の部品側係合部を広く適用することができる。
(2−16)他の実施の形態16
さらに上述した実施の形態においては、回転軸に複数種類の取込用固設部品の1つとして可変羽根車の隣に位置するように固設され、本体部に部品側係合部が設けられると共に、取込繰出路を介して媒体が取込用に搬送される際に当該媒体の端部を押し上げるようにして変形させるための押上板が設けられた押上部として、図1乃至図21について上述した押上部63、64、101を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、略C字状の本体部を有する押上部や、本体部の一方の側面に第2回転軸44を挿入するための孔部の内径よりも大きい所定の内径を有する円形又は円弧状の凹部が形成されると共に、当該凹部の内周面に略台形状の突起でなる押上側係合部が設けられた押上部等のように、この他種々の構成の押上部を広く適用することができる。