JP5965590B2 - 二重エアゾール容器およびその製造方法 - Google Patents
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Description
このとき、エアゾールバルブを外部容器より若干上に配置あるいは保持させることにより、エアゾールバルブと外部容器との間に噴射剤を充填するための通路を形成させる。そのとき、引用文献1、2に示すように、外部容器の底面に載置したとき、その上端が外部容器の上端より若干上になるように構成した内部容器を用いてエアゾールバルブを所定の高さで保持させる方法が開示されている。
本発明は、内容物および噴射剤が、容易に、かつ、安定に充填できる二重エアゾール容器およびその二重エアゾール容器に内容物および噴射剤を充填する二重エアゾール製品の製造方法を提供することを目的とする。
そして、下端貼代を脚部とした二重エアゾール容器であって、前記脚部に下端から上方に向かう切り込みが形成されている場合、切り込みにより脚部が複数に分かれるため、脚部により内部容器をしっかり支持できる。また、脚部自身の上下方向の強度を調整できるため、撓みやすい。
前記脚部に水平方向の折れ線が形成された場合も、脚部の上下方向の強度を調整でき、撓みやすい。
さらに、パウチの幅が外部容器の胴部内径より大きい場合、パウチを外部容器内に挿入すると、パウチの一部が外部容器の内側面と当接する。そのため、パウチは、自身の弾性力により外部容器の内側面に水平方向に支持される。
外部容器11の胴部11aの内径は、首部11cの内径の1.2〜3倍、特に、
1.3〜2.5倍となっている。
パウチ16の幅は、外部容器の胴部11aの内径より大きくなるように構成されている。特に、外部容器の胴部11aの内径の1.2〜3倍、好ましくは、1.5〜2.5倍とするのが好ましい。これにより、パウチ16を外部容器11内に挿入したとき、パウチ16が広がり、パウチの一部が確実に外部容器の内側面と当接し、その弾性力によりパウチ16は外部容器内で水平方向に支持される。つまり、胴部11a内にパウチ16が収納されたとき、パウチ16は折れ線18aに沿って軽く畳まれた状態で、パウチ16が外部容器の内面の少なくとも2ヶ所と当接する。1.2倍より小さくなると、パウチ16が外部容器と1ヶ所でしか当接しない場合がある。3倍より大きくなると、パウチ16が拡がりにくくなって、収納部19の容積に無駄が出る。この実施形態では、パウチ16の幅を外部容器の胴部11aの内径より大きくしているが、本発明としては、胴部の内径よりも小さくても良い。この場合は水平方向の支持は得られない。
貼着部21は、略ひし形柱状のものであり、その側面に水平方向に延びる水平リブ21aが形成されている。この貼着部21の外周面にパウチ16のシート12aが貼着される。また、上端にフランジ部21bが形成されている。このフランジ部21bは、パウチ16の貼着位置を特定するものであり、これによりパウチ16を貼着部21に確実に貼着することができる。
バルブ連結部22は、円筒状のものであり、その下端にフランジ部22aが形成されている。
中間部23は、直方体状のものである。この中間部23は直方体状となっているため、指などで把持しやすく、内部容器13の取り扱いが簡単である。この中間部23はなくてもよい。貼着部21のフランジ部21bまたはバルブ連結部22のフランジ部22aのどちらかは省略される。また、いずれを省略してもよい。
このような連結部材17は、ステンレスにポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィンなどの接着性樹脂を被覆したもの、あるいは、ポリアセタール、ナイロンなどの合成樹脂製のものが挙げられる。
ハウジング13aの下端には、下方に突出し、ハウジング内部と外部とを連通させる筒状の連通部26aが形成されている。この連通部26aを連結部材17のバルブ連結部22内に挿入することにより、エアゾールバルブ13と内部容器12とは連結される。
また、ハウジング13aの側面には、外部容器11の凹部11dの内面と係合する段部26bが環状に形成されている。エアゾールバルブ13は、外部容器の凹部11dによって支持される。
挿入された連結体20は、図1dに示すように、外部容器11の胴部11aの底面に載置され、エアゾールバルブ13が外部容器11に固着されるときの位置より若干上側(距離X)に配置される。特に、パウチ16は、幅が外部容器11の内径より大きいため、テープ等でパウチ16を折り畳んだ状態で固定しなくても、軽く折れ曲がった状態で外部容器11内に立つ。そのため、パウチ16が可撓性のシート12aからなるものであっても、エアゾールバルブ13を十分支持する。また、脚部18aが切り込みによって複数の部位に分けられているため、安定してエアゾールバルブ13を支持する。さらに、パウチ16は外部容器の内側面に支持されているため、外部容器の半径方向も支持され、エアゾールバルブ13のブレが少ない。テープ等により折り畳んだ状態で内部容器12を挿入している場合は、そのような支持はない。
噴射剤充填機構で噴射剤を充填した後、エアゾールバルブ13を外部容器11方向(下方向)に押圧し、エアゾールバルブ13のキャップ13fの下端を外部容器11の凹部11dに当接させるようにしてカシメることにより、エアゾールバルブ13は外部容器11に固着される。このとき、内部容器の脚部18aが下方向への押圧力の少なくとも一部を吸収して撓む。特に、パウチ16は、軽く折り畳まれたあるいは丸めた状態で外部容器内にあり、その緩やかな折れ線が上下方向の力に対するリブ的な作用を奏するため、さらに、脚部18aには折れ線に沿って切り込み15が形成されているため、脚部18aが胴部に比べて撓みやすい。このように、内部容器の胴部(収納部)の撓みを抑えることにより、内部容器の胴部(収納部)の折れ曲がりを防止し、容積の変化を小さくすることができる。
最後に、内容物をエアゾールバルブ13のステム13bから内部容器12内に充填する。このとき内部容器は膨らんで容積が大きくなるが、エアゾールバルブをカシメる際の内部容器の胴部の変形が少なく、特に折れ曲がりがないため、内部容器はスムーズに膨らむことができ、内容物を確実に所定量充填することができる。この方法は、噴射剤として圧縮ガスを用いる場合に好ましく、噴射剤(圧縮ガス)を0.2MPa〜0.4MPaで充填し、その後、内容物を充填することにより、収納部19の容積が増大すると共に、外部容器11と内部容器12との間の空間が減少し、製品時の圧力を0.5〜1.0MPaまで増大させることができる。しかし、内容物は、噴射剤を充填する前に充填してもよい。
また、内部容器12を挿入するとき、テープ等により折り畳んだ状態で保持している場合は、この内容物の充填によりテープ等による折り畳んだ状態が解除される。
また内部容器31は、外部容器11の底面に載置したとき、内部容器31の上端が外部容器11から突出するように構成されている。
噴射剤充填機構で噴射剤を充填した後、エアゾールバルブ13を外部容器11方向に押圧し、エアゾールバルブ13のキャップ13fの下端を外部容器11の凹部11dに当接させるようにしてカシメることにより、エアゾールバルブ13は外部容器11に固着される。このとき、ピンチオフ部32に切り込み33が設けられているため、ピンチオフ部の下部33aが内部容器の他の部位より優先的に撓む(図3d、図3e参照)。そのため、内部容器31の胴部の折れ曲がりなどの不規則な変形を最小限にして外部容器11内に収納できる。この状態でエアゾールバルブから内部容器内の空気を排出してもよく、内部容器は不規則な変形をしていないため、空気の排出に伴い規則的に収縮し、後述する原液の充填をスムーズに行うことができる。
最後に、内容物をエアゾールバルブ13のステム13bから内部容器31内に充填する。しかし、内容物は、噴射剤を充填する前に充填してもよく、エアゾールバルブ13を内部容器31の上に置く前に充填してもよい。
また、上記参考例ではピンチオフ部32に切り込みを入れたが、図3fに示すように、ピンチオフ部32に水平な折れ線33bや凹み溝を設け、下方への力で撓みやすくしてもよい。これら折れ線や凹み溝はブロー成型のピンチオフ部を形成するときに加工することができる。
外部容器36は、図4bに示すように、底部を有する筒状の胴部36a、テーパー状の肩部36bとからなり、肩部上端にビード部36cが形成されたものであり、ビード部36cが開口部を構成している。肩部とビード部との間に筒状の首部を設けても良い。このような外部容器36も、アルミニウムなどの金属板からインパクト加工、絞り・しごき加工等によって成形される。
内部容器37は、パウチ37aの下端の貼代37bの下部において、2枚のシート12を貼り合わせずに開いており、この開いた部位を脚部37cとしている。また、パウチ37aの幅(紙面に直角)がビード部36c(開口部)の内径より大きく、胴部36aの内径より小さいものである。そのため、内部容器37は、外部容器36内において水平方向に支持されない。他の構成は、図1の内部容器12と実質的に同じであり、連結部材17がパウチ37aに連結される。なお、パウチ37aの幅を胴部36aの内径より大きくすることもできる。
エアゾールバルブ38は、外部容器のビード部36cにクリンプされるマウンティングカップ38aと、そのマウンティングカップの中央に保持されるハウジング38bと、そのハウジング内に上下移動自在に収容されるステム38cと、前記ハウジング38bの上端に設けられ、ステム孔を開閉するステムラバー(符号無し)と、そのステムを常時上向きに付勢するバネ(符号無し)とからなる。ステム、ステムラバー、バネは、図1の二重エアゾール容器と実質的に同じものである。ハウジング38bの下端には、ハウジングと外部とを連通する筒状の連通部39が形成されている。連通部に連結部材を連結することでエアゾールバルブとパウチを一体にして取り扱うことができる。
このように構成されているため、図1と同様にして内容物および噴射剤が充填される。
外部容器41は、球面状の底部41aと、円筒状の胴部41bと、上方に向かって閉じるテーパー状の肩部41cと、円筒状の首部41dおよび円筒状の口部(開口部)41eとを有している。また、底部41aと胴部41bとの間に支持段部41gが形成されている。口部41eの内面は首部の内面と同径で、口部41eの外面は首部より大きく構成されている。つまり、口部41eは、首部41dより厚肉に構成され、胴部41bは、肩部41cおよび首部41dよりも薄肉に構成されている。このような外部容器41は、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂を用いて、射出成型にてプリフォームを成形し、さらにプリフォームを二軸延伸ブロー成型にて成形したものである。さらに、口部41eの上面には、環状突起45が形成されている。外部容器41は合成樹脂製であるため、透光性を持たせてもよく、その場合、内部容器の膨らみ状態が見え、内容物の残量を確認できる。また、口部41eの上面には、リング状のシール部材41hが設けられる。
外部容器の口部41eおよび首部41dの内径は、8〜35mm、特に、10〜30mmであり、外部容器の胴部41bの内径は、20〜50mm、特に、25〜45mmである。そして、胴部41bの内径は、口部41eの内径より1.2〜4倍、特に、1.5〜3.5倍となる。
バルブホルダー52は、図8a、bに示すように、円柱状の基部52aと、その基部を上下に貫通するように形成された2つの筒状のホルダー部52bとを有する。基部52aは、マウンテンカバー53によって外部容器51の上端に固定される部位である。ホルダー部52bは、エアゾールバルブ13を挿入して保持するものである。
基部52aは、円柱状の本体56、その下端から下方に延びる円筒状のシール部57とからなり、本体56の下部には、外方に向かって突出するフランジ部56aが形成されている。シール部57の外周には環状のガスケット58を挿入するための環状凹部57aが形成されている。ガスケット58は、断面円形でリング状のシール材である。つまり、ガスケット58を環状凹部57aに嵌合させた状態でシール部57を外部容器51内に挿入することにより、ガスケット58が外部容器51の内側面と当接し、バルブホルダー52と外部容器51との間をシールする。
この状態において、エアゾールバルブ13は、それぞれの内部容器12の脚部18aが外部容器51の底面に載置されて、バルブホルダー52のホルダー部52bより若干上(距離X)に配置される。この状態において、マウンティングカバー53の下端から噴射剤を注入し、バルブホルダーのホルダー部52bを介して外部容器内に噴射剤を充填する(図7bの矢印)。
噴射剤充填機構で噴射剤を充填した後、エアゾールバルブ13を外部容器51(バルブホルダー52)方向(下方向)に押圧し、マウンティングカバーの下端を外部容器51の首部と口部の境界に当接させるようにしてカシメることにより、バルブホルダー52およびエアゾールバルブ13は外部容器11に固着される。このとき、内部容器の脚部18a(図2a参照)が下方向への押圧力の少なくとも一部を吸収して撓むため、内部容器の胴部は折れ曲ったり、不規則な変形をせず、後述する原液の充填をスムーズにできる。
最後に、異なる2種類の内容物をそれぞれのエアゾールバルブ13のステム13bから内部容器12内に充填する。しかし、内容物は、噴射剤を充填する前に充填してもよい。内部容器12を挿入するとき、テープ等により折り畳んだ状態で保持している場合は、この内容物の充填によりテープ等による折り畳んだ状態が解除される。
内部容器60のパウチ61は、シート12a(下シート、中シート、上シート)を3枚重ね、それぞれの周縁部同士を貼着したものである。また下端貼代には切り込み61aが2つ形成されており、それに沿って折れ線61bが2つ形成されている。他の構成は、図1のパウチ16と実質的に同じものである。このように構成されているため、下シート12aと中シート12b、および、中シート12bと上シート12cでそれぞれ内容物の収納部62a、bが形成される。
内部容器60の連結部材63は、パウチ61の収納部62a、bの上端開口を閉じるとともに、それらを外部と独立して連通するように内部容器の上端に固定されたものである。連結部材63は、パウチ61が貼着される円柱状の貼着部66と、エアゾールバルブ13の連通部26aと連結する円筒状のバルブ連結部67とからなる一体成形品である。貼着部66には、下端から上方向に延びるスリット66aと、そのスリットを挟んで形成されており、貼着部66を上下に貫通した第1通路66bおよび第2通路66cとを備えている。つまり、貼着部66は、スリット66aを境界として収納部62aを閉じる第1栓部と、収納部62bを閉じる第2栓部とに分けることができ、それぞれ第1栓部および第2栓部に第1通路66bおよび第2通路66cが形成されている。バルブ連結部67の中心孔67aは、第1通路66bおよび第2通路66cと連通している。
X 距離
10 二重エアゾール容器
11 外部容器
11a 胴部
11b 肩部
11c 首部
11d 凹部
12 内部容器
12a シート
13 エアゾールバルブ
13a ハウジング
13b ステム
13c ばね
13e ステムラバー
13f キャップ
15 切り込み
15a 折れ線
16 パウチ
16a 開口部
17 連結部材
18 貼代
18a 脚部
19 収納部
20 連結体
21 貼着部
21a 水平リブ
21b フランジ部
22 バルブ連結部
22a フランジ部
23 中間部
26a 連通部
26b 段部
30 二重エアゾール容器
30a 噴射剤充填機構のホルダー
30b 噴射剤充填機構のシール部
31 内部容器
31a 底部
31b 胴部
31c 肩部
31d 首部
31e 開口部
32 ピンチオフ部
33 切り込み
35 二重エアゾール容器
36 外部容器
36a 胴部
36b 肩部
36c ビード部
37 内部容器
37a パウチ
37b 貼代
37c 脚部
38 エアゾールバルブ
38a マウンティングカップ
38b ハウジング
38c ステム
39 連通部
40 二重エアゾール容器
41 外部容器
41a 底部
41b 胴部
41c 肩部
41d 首部
41e 口部
41g 支持団部
41h シール部材
42 内部容器
42c 折れ線
43 エアゾールバルブ
44 パウチ
44a 脚部
44b 切り込み
45 環状突起
46 テープ
50 二重エアゾール容器
51 外部容器
51a 胴部
51b 肩部
51c 首部
51d 口部
52 バルブホルダー
52a 基部
52b ホルダー部
53 マウンテンカバー
56 本体
56a フランジ部
57 シール部
57a 環状凹部
58 ガスケット
59a 上筒部
59b 下筒部
59c 環状段部
60 内部容器
61 パウチ
62a、b 収納部
63 連結部材
66 貼着部
66a スリット
66b 第1通路
66c 第2通路
67 バルブ連結部
Claims (9)
- 外部容器と、
前記外部容器に収容される内部容器と、
前記内部容器の開口部に連結され、外部容器に固着されるエアゾールバルブとからなる二重エアゾール容器であって、
前記内部容器が、可撓性のシートが貼り合せられて成形されたパウチであり、内容物が充填される胴部と、その胴部の下端に胴部と一体に成形される脚部とを備えており、
前記脚部は、パウチのシート下端同士が貼り合せられた下端貼代からなり、
この脚部には、脚部を幅方向に分けるように、下端から上方に向かう切り込みが形成されており、
前記エアゾールバルブと内部容器とを連結させて外部容器内の底面に載置したとき、内部容器の脚部に支持されてエアゾールバルブが前記外部容器に固着されるときの位置より上方となるように構成されており、
前記エアゾールバルブを外部容器に固着したとき、前記切り込みによって複数に分かれた前記内部容器の脚部が撓んでいる、
二重エアゾール容器。 - 前記内部容器が、切り込みに沿って折り畳んであるいは丸められて外部容器に収容されている、請求項1記載の二重エアゾール容器。
- 前記切り込みが複数設けられている、請求項1又は2記載の二重エアゾール容器。
- 前記パウチには、前記切り込みに沿って上下方向に延びる折れ線が形成されている、請求項1から3のいずれか記載の二重エアゾール容器。
- 前記切り込みが三角形状や円弧状である、請求項1から4いずれか記載の二重エアゾール容器。
- 前記パウチの幅が、前記外部容器の胴部内径より大きい、請求項1から5のいずれか記載の二重エアゾール容器。
- 前記脚部の両端部が切り落とされている、請求項1から6のいずれか記載の二重エアゾール容器。
- 2つの内部容器を備える、請求項1から7のいずれか記載の二重エアゾール容器。
- 請求項1〜8いずれか記載の二重エアゾール容器に内容物および噴射剤を充填する二重エアゾール製品の製造方法であって、
前記内部容器とエアゾールバルブとを連結し、
その状態で内部容器を外部容器内に挿入して、脚部を外部容器の底部に載置させてエアゾールバルブと外部容器との隙間を確保し、
前記隙間から外部容器と内部容器との間の加圧室に噴射剤を充填し、
脚部を撓ませながらエアゾールバルブを降下させて外部容器に被せて固着し、
内容物を内部容器内に充填する、
二重エアゾール製品の製造方法。
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