スイッチング損失が小さく、高効率なDCDCコンバータとして、特許文献1に開示されているような電流共振型コンバータが知られている。図17は、一般的なハーフブリッジ構成の電流共振型コンバータを示した回路図である。この回路は、トランスT1の一次側にコンデンサCrとインダクタLrとからなる直列共振部を備えている。Lmは、トランスT1の励磁インダクタであり、この励磁インダクタLmとンデンサCrとの共振は、並列共振になる。トランスT1の二次側には、ダイオードD3とダイオードD4とからなる整流回路が構成されている。ダイオードD3とダイオードD4のアノードは、トランスT1の二次側巻線の両端にそれぞれ接続され、これらのカソードは双方ともコンデンサC4の正極側の端子に接続されている。トランスT1の二次側巻線はセンタータップを有し、このセンタータップはコンデンサC4の負極側の端子に接続されている。コンデンサC4に並列に接続された抵抗RLは負荷抵抗である。
図18は、図17に示した電流共振型コンバータの各部の電圧波形と電流波形を示している。上から一番目と二番目の波形は、トランジスタ(FET)Q3とトランジスタ(FET)Q4のゲートに印加される駆動電圧の電圧波形をそれぞれ示し、三番目と四番目の波形は、トランジスタ(FET)Q3とトランジスタ(FET)Q4のドレイン・ソース間の電圧波形をそれぞれ示している。これらの電圧波形からも分かるように、トランジスタ(FET)Q3とトランジスタ(FET)Q4は、ほぼ50%の時比率で、デッドタイムを挟んで交互にオンする。
上から五番目と六番目の波形は、トランジスタ(FET)Q3とトランジスタ(FET)Q4を流れる電流の電流波形をそれぞれ示し、上から七番目の波形は、コンデンサCrとインダクタLrを流れる共振電流Irの電流波形を示し、上から八番目の波形は、コンデンサCrの両端の電圧波形を示している。共振電流Irは、トランジスタ(FET)Q3がオンしているときは、トランジスタ(FET)Q3を流れ、トランジスタ(FET)Q4がオンしているときは、トランジスタ(FET)Q4を流れる。トランジスタ(FET)Q3とトランジスタ(FET)Q4は、それぞれのボディーダイオードを介して電流が流れているときにオンする。このようにスイッチングさせることにより、電圧と電流の重なりが少なくなり、高効率化、低ノイズ化が可能になる。上から九番目と十番目の波形は、ダイオードD3を流れる電流の電流波形とダイオードD4を流れる電流の電流波形をそれぞれ示している。これらの電流波形からも分かるように、トランジスタ(FET)Q3がオンしているときは、ダイオードD3に電流が流れ、トランジスタ(FET)Q4がオンしているときは、ダイオードD4に電流が流れる。尚、共振電流Irには励磁電流Imが含まれており、共振電流Irから励磁電流Imを差し引いた電流(斜線部分)だけがトランスT1を介して2次側に供給される。
次に、トランスT1の一次側の回路に印加される入力電圧VinとランスT1の二次側の回路から出力される出力電圧Voの関係について説明する。図19は、図17に示した電流共振型コンバータの基本波周波数に着目した等価回路を示す回路図である。この等価回路で、電圧Vsの振幅は下記の式1で与えられ、電圧Vacの振幅は下記の式2で与えられ、等価負荷抵抗Racは下記の式3で与えられる。但し、nは、センタータップにより2つに分割されたそれぞれの二次側巻線の巻数を基準とした一次側巻線の巻数(一次側巻線の巻数:二次側巻線の巻数=n:1)である(一次側巻線の巻数:二次側巻線の巻数=n:1)。
この回路において、共振周波数f0は下記の式4で与えられ、特性インピーダンスZ0は下記の式5で与えられ、電圧変換率M(fsw=f0のときのVo/Vin(=Vac/Vs)を基準とした電圧変換率)は下記の式6で与えられる。
尚、式6において、Q、λ及びFは、下記の式7〜9で与えられる。但し、fswはトランジスタ(FET)Q3とトランジスタ(FET)Q4のスイッチング周波数である。
ここで、式6からも分かるように、スイッチング周波数fswと共振周波数foが等しい(F=1)ときは、電圧変換率Mは1となり、Fが1より大きいときは、Fを大きくすると電圧変換率Mは小さくなっていく。そして、この電圧変換率Mは、Q及びλにも依存している。
このように電流共振型コンバータでは、スイッチング周波数fswを変化させることにより、電圧変換率Mを変化させることができるので、PFM(Pulse Frequency Modulation)制御により出力電圧Voの調整が行われる。次に、スイッチング周波数fswを変化させたときの電圧変換率Mの変化を、グラフを参照して説明する。図20は、λ=0.2のときのFと電圧変換率Mの関係を示したグラフであり、図21は、λ=0.5のときのFと電圧変換率Mの関係を示したグラフである。これらのグラフにおいて、電圧変換率Mは、fsw=f0のときの電圧変換率を1としたときの比率で示されている。また、図20と図21には、Q=0(Rac=∞)、Q=0.4(Rac=2.5×Z0)及びQ=0.8(Rac=1.25×Z0)のときのFと電圧変換率Mの関係がそれぞれ示されている。
図20で、点Aは、スイッチング周波数fswが共振周波数f0と等しいときに対応する。式6からも分かるように、fsw=f0(F=1)のときは、Qの値に関わらず、電圧変換率Mは同じ値になる。点B1は、無負荷状態(Q=0つまりRac=∞)で、スイッチング周波数fswを振周波数f0の0.6倍の周波数(0.6×f0)にしたときに対応する。点B2は、無負荷状態(Q=0)で、スイッチング周波数fswを共振周波数f0の1.6倍の周波数(1.6×f0)にしたときに対応する。無負荷状態(Q=0)で、Fを0.6〜1.6の間で変化させた場合(スイッチング周波数fswを0.6×f0から1.6×f0までの間で変化させた場合)、電圧変換率Mは、点B1、点A及び点B2を通る曲線上で変化する。また、点C1は、Q=0.4の状態で、スイッチング周波数fswを振周波数f0の0.6倍の周波数(0.6×f0)にしたときに対応する。点C2は、Q=0.4の状態で、スイッチング周波数fswを共振周波数f0の1.6倍の周波数(1.6×f0)にしたときに対応する。Q=0.4の状態で、Fを0.6〜1.6の間で変化させた場合(スイッチング周波数fswを0.6×f0から1.6×f0までの間で変化させた場合)、電圧変換率Mは、点C1、点A及び点C2を通る曲線上で変化する。Q=0の曲線とQ=0.4の曲線の比較からも分かるように、スイッチング周波数fswが同じであっても、等価負荷抵抗Racが小さくなるにつれて、つまり、負荷抵抗RLが小さくなるにつれて、電圧変換率Mが小さくなる。
図21においても、図20と同様に、点Aは、スイッチング周波数fswが共振周波数f0と等しいときに対応する。点B1は、無負荷状態(Q=0つまりRac=∞)で、スイッチング周波数fswを振周波数f0の0.7倍の周波数(0.7×f0)にしたときに対応する。点B2は、無負荷状態(Q=0)で、スイッチング周波数fswを共振周波数f0の1.6倍の周波数(1.6×f0)にしたときに対応する。無負荷状態(Q=0)で、Fを0.7〜1.6の間で変化させた場合(スイッチング周波数fswを0.7×f0から1.6×f0までの間で変化させた場合)、電圧変換率Mは、点B1、点A及び点B2を通る曲線上で変化する。また、点C1は、Q=0.4の状態で、スイッチング周波数fswを振周波数f0の0.7倍の周波数(0.7×f0)にしたときに対応する。点C2は、Q=0.4の状態で、スイッチング周波数fswを共振周波数f0の1.6倍の周波数(1.6×f0)にしたときに対応する。Q=0.4の状態で、Fを0.7〜1.6の間で変化させた場合(スイッチング周波数fswを0.7×f0から1.6×f0までの間で変化させた場合)、電圧変換率Mは、点C1、点A及び点C2を通る曲線上で変化する。図21においても、図20と同様に、等価負荷抵抗Racが小さくなるにつれて、つまり、負荷抵抗RLが小さくなるにつれて、電圧変換率Mが小さくなる。
ここで、λ=0.2のときのグラフ(図20)とλ=0.5のときのグラフ(図21)の比較、又は式6からも分かるように、Fが1より大きい範囲では、電圧変換率Mは、λが大きくなるにつれて小さくなる。従って、出力電圧Voの調整可能範囲の下限を低くしたい場合には、λを大きくすればよい。しかしながら、λを大きくするために、励磁インダクタを小さくすると、励磁インダクタを流れる励磁電流Imが増加し、トランジスタ(FET)Q3、トランジスタ(FET)Q4の導通損失及びトランスT1の1次側銅損が増加してしまう。このように、図17に示した電流共振型コンバータ単独では、高効率化と、下限側の出力電圧調整可能範囲の拡大の双方を達成することができない。
次に、降圧コンバータと電流共振型コンバータを直列に接続して構成されたコンバータについて説明する。特許文献2に開示されているように、前段のコンバータ(降圧コンバータ)で出力電圧の制御を行い、後段のコンバータ(ハーフブリッジ構成のコンバータ)を一定の電圧変換率で動作させる技術が一般に知られている。図22は、この技術を電流共振型コンバータに適用した場合の回路図である。この回路は、力率改善回路11、降圧コンバータ12、電流共振型コンバータ13、第1の制御回路14、第2の制御回路15及び指令電圧生成回路16により構成されている。
力率改善回路11は、交流電圧を全波整流するダイオードブリッジBD1と、電流波形を電圧波形に相似な正弦波の波形に整形する昇圧チョッパー回路とで構成されている。この昇圧チョッパー回路は、インダクタL1、トランジスタ(FET)Q1、ダイオードD1及びコンデンサC1により構成されている。第1の制御回路14は、コンデンサC1とダイオードD1の接続部に生成される電圧Vpが所定の電圧値になるようにトランジスタ(FET)Q1のオンオフを制御する。
降圧コンバータ12は、トランジスタ(FET)Q2、ダイオードD2、インダクタL2及びコンデンサC2により構成されている。この降圧コンバータ12は、電圧Vpを降圧して、コンデンサC2とインダクタL2の接続部の電圧である電圧Vbを生成する。第2の制御回路15は、電流共振型コンバータ13から出力される出力電圧Voを指令電圧生成回路16から与えられる目標電圧Vtgtに一致させるように、トランジスタ(FET)Q2のオン期間を制御する。つまり、第2の制御回路15は、出力電圧Voと目標電圧Vtgtに基づいてトランジスタ(FET)Q2がオンオフする時比率を調整する。この第2の制御回路15が行うPWM(Pulse Width Modulation)制御により出力電圧Voの調整が行われる。
電流共振型コンバータ13は、ランジスタ(FET)Q3、トランジスタ(FET)Q4、コンデンサC3、インダクタL3、トランスT1、ダイオードD3、ダイオードD4及びコンデンサC4により構成されている。この電流共振型コンバータ13は、所定の電圧変換率で動作する。例えば、トランジスタ(FET)Q3及びトランジスタ(FET)Q4は、共振周波数f0でオンオフするように設定される。トランジスタ(FET)Q3及びトランジスタ(FET)Q4を共振周波数f0でオンオフさせた場合、負荷抵抗が変動しても電圧変換率が変化しないため、電流共振型コンバータ13に入力される電圧Vbは、常に、一定の電圧変換率で変換される。そして、変換された電圧は、出力電圧Voとして出力される。
このように、トランジスタ(FET)Q3及びトランジスタ(FET)Q4を、共振周波数f0でオンオフさせた場合、電流共振型コンバータ13に入力された電圧Vbは、常に、一定の電圧変換率で変換されるので、降圧コンバータ12により電流共振型コンバータ13に入力される電圧Vbが調整されれば、それに応じて出力電圧Voも調整される。
以下、本発明の電源装置を実施するための形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る電源装置を示した回路図である。この電源装置は、力率改善回路1、降圧コンバータ2、電流共振型コンバータ3、第1の制御回路4、第2の制御回路5及び指令電圧生成回路6により構成されている。
力率改善回路1は、交流電圧を全波整流するダイオードブリッジBD1と、電流波形を電圧波形に相似な正弦波の波形に整形する昇圧チョッパー回路とで構成されている。この昇圧チョッパー回路は、インダクタL1、トランジスタ(FET)Q1、ダイオードD1及びコンデンサC1により構成されている。第1の制御回路4は、コンデンサC1とダイオードD1の接続部に生成される電圧Vpが所定の電圧値になるようにトランジスタ(FET)Q1のオンオフを制御する。Vcは、100Vの商用電源であり、電圧Vpは370〜390Vの範囲内の電圧値、例えば、380Vに設定される。
降圧コンバータ2は、トランジスタ(FET)Q2、ダイオードD2、インダクタL2及びコンデンサC2により構成されている。降圧コンバータ2は、電流共振型コンバータ3のスイッチング周波数fswが所定の周波数に到達したときに降圧動作を開始する。降圧コンバータ2が降圧動作を開始すると、トランジスタ(FET)Q2がオンオフする時比率が1未満となるため、コンデンサC2とインダクタL2の接続部の電圧である電圧Vbは、電圧Vpよりも低い電圧値になる。降圧コンバータ2が降圧動作を停止しているときには、トランジスタ(FET)Q2がオンオフする時比率は1に維持され(トランジスタ(FET)Q2はオン状態に維持され)、電圧Vbと電圧Vpは同じ電圧値になる。
電流共振型コンバータ3は、トランジスタ(FET)Q3、トランジスタ(FET)Q4、コンデンサC3、インダクタL3、トランスT1、ダイオードD3、ダイオードD4及びコンデンサC4により構成されている。この電流共振型コンバータ3においては、トランジスタ(FET)Q3とトランジスタ(FET)Q4が、ほぼ50%の時比率で、デッドタイムを挟んで交互にオンする。このスイッチング動作により、コンデンサC3及びインダクタL3には共振電流が流れる。そして、電流共振型コンバータ3における電圧変換率は、トランジスタ(FET)Q3とトランジスタ(FET)Q4がオンオフするスイッチング周波数を変化させることにより、調整することができる。
第2の制御回路5は、電流共振型コンバータ3から出力される出力電圧Voを指令電圧生成回路6から与えられる目標電圧Vtgtに一致させるように、降圧コンバータ2の時比率(トランジスタ(FET)Q2がオンオフする時比率)と電流共振型コンバータ3のスイッチング周波数fsw(トランジスタ(FET)Q3とトランジスタ(FET)Q4がオンオフするスイッチング周波数)を制御する。この制御を、図面を参照して説明する。尚、以下の説明おいて、直列共振に関わるインダクタLrと並列共振に関わるインダクタLmによって決まるλ(=Lr/Lm)は、0.2に設定されているものとする。また、共振周波数f0は、コンデンサC3とインダクタLrとの直列共振における共振周波数である。
図2及び図3を参照して第1の実施例を説明する。図2は、電流共振型コンバータ3のスイッチング周波数と電圧変換率の関係を示したグラフである。Q(=Z0/Rac)は、等価負荷抵抗Racと特性インピーダンスZ0により決まる値である。このグラフで、横軸は共振周波数f0を基準としたスイッチング周波数fswの比率F(=fsw/f0)で示されており、縦軸はスイッチング周波数fswが共振周波数f0と等しいときの電圧変換率(Vo/Vb)を基準とした電圧変換率Mで示されている。従って、fsw=f0のとき、F及びMは共に1になる。
グラフ上の点Aは、スイッチング周波数fswが共振周波数f0と等しいときに対応する。fsw=f0(F=1)のときは、Qの値に関わらず、電圧変換率Mは同じ値になる。点B1は、無負荷状態(Q=0つまりRac=∞)で、スイッチング周波数fswを共振周波数f0の0.6倍の周波数(0.6×f0)にしたときに対応する。点B2は、無負荷状態(Q=0)で、スイッチング周波数fswを共振周波数f0の1.5倍の周波数(1.5×f0)にしたときに対応する。無負荷状態(Q=0)で、Fを0.6〜1.5の間で変化させた場合(スイッチング周波数fswを0.6×f0から1.5×f0までの間で変化させた場合)、電圧変換率Mは、点B1、点A及び点B2を通る曲線上で変化する。また、点C1は、Q=0.4の状態で、スイッチング周波数fswを振周波数f0の0.6倍の周波数(0.6×f0)にしたときに対応する。点C2は、Q=0.4の状態で、スイッチング周波数fswを共振周波数f0の1.5倍の周波数(1.5×f0)にしたときに対応する。Q=0.4の状態で、Fを0.6〜1.5の間で変化させた場合(スイッチング周波数fswを0.6×f0から1.5×f0までの間で変化させた場合)、電圧変換率Mは、点C1、点A及び点C2を通る曲線上で変化する。
図2のグラフからも分かるように、電流共振型コンバータ3のスイッチング周波数fswを共振周波数f0の0.6倍の周波数である最小周波数fmin(=0.6×f0)から共振周波数f0の1.5倍の周波数である最大周波数fmax(=1.5×f0)までの間で変化させたき、電圧変換率Mは、スイッチング周波数fswが最小周波数fminになったときに最大となり、スイッチング周波数fswが最大周波数fmaxになったときに最小になる。また、スイッチング周波数fswが共振周波数f0と異なる場合には、電圧変換率MはQの値に応じて変化する。つまり、電圧変換率Mは、等価負荷抵抗Racが変動すると、それに応じて変化する。例えば、スイッチング周波数fswを最大周波数fmaxに維持した状態で、等価負荷抵抗Racが変動し、その結果としてQが0〜0.4の間で変化すると、電圧変換率Mは点B2と点C2を結ぶ直線で変化する。尚、図2に示した例では、点B2に対応する電圧変換率Mは、0.9になるように設定されている。
第2の制御回路5は、電流共振型コンバータ3から出力される出力電圧Voを指令電圧生成回路6から与えられる目標電圧Vtgtに一致させるように、スイッチング周波数fswを最小周波数fminから最大周波数fmaxの間で変化させるスイッチング周波数fswの制御を行う。ここで、スイッチング周波数fswが最大周波数fmaxに到達するまでは、このスイッチング周波数fswの制御により、出力電圧Voを目標電圧Vtgtに一致させるように電圧変換率Mが調整される。このとき、降圧コンバータ2の時比率は1に維持されている。つまり、トランジスタ(FET)Q2はオン状態に維持されている。このようにトランジスタ(FET)Q2がオン状態に維持されているとき、スイッチング損失(トランジスタ(FET)Q2がオンするとき、又はオフするときに生じる損失)、ダイオードD2の損失及びインダクタL2の鉄損が生じないので、降圧コンバータ2で生じる損失を低く抑えることができる。
一方、電流共振型コンバータ3のスイッチング周波数fswが最大周波数fmaxに到達したとき、第2の制御回路5は、スイッチング周波数fswを最大周波数fmaxに維持した状態で、降圧コンバータ2の時比率を調整する。このとき、降圧コンバータ2の時比率は1より小さくなり、トランジスタ(FET)Q2がスイッチング動作を開始する。つまり、降圧コンバータ2が降圧動作を開始する。この降圧動作により、電流共振型コンバータ3に入力される電圧Vbが力率改善回路1によって生成される電圧Vpよりも低くなる。このようにして電圧Vbを降下させるのは、スイッチング周波数fswが最大周波数fmaxに到達したときには、電流共振型コンバータ3の電圧変換率Mをこれ以上小さくすることができないためである。電圧変換率Mをこれ以上小さくすることができなくなったとき、つまり、スイッチング周波数fswが最大周波数fmaxに到達したときには、次のような制御が行われる。指令電圧生成回路6から与えられる目標電圧Vtgtが電流共振型コンバータ3から出力される出力電圧Voよりも低いときには、第2の制御回路5が降圧コンバータ2の時比率を小さくしていく。降圧コンバータ2の時比率が小さくなっていくと、電流共振型コンバータ3に入力される電圧Vbが降下するため、出力電圧Voも降下する。第2の制御回路5は、出力電圧Voが目標電圧Vtgtと等しくなるまで、降圧コンバータ2の時比率を小さくしていく。反対に、目標電圧Vtgtが出力電圧Voよりも高いときには、第2の制御回路5が降圧コンバータ2の時比率を大きくしていく。降圧コンバータ2の時比率が大きくなっていくと、電流共振型コンバータ3に入力される電圧Vbが上昇するため、出力電圧Voも上昇する。第2の制御回路5は、出力電圧Voが目標電圧Vtgtと等しくなるまで、降圧コンバータ2の時比率を大きくしていく。このように、第2の制御回路5は、降圧コンバータ2の時比率を制御することにより、電流共振型コンバータ3に入力される電圧Vbを調整し、出力電圧Voを目標電圧Vtgtに一致させる。
次に、図3を参照して、降圧コンバータ2と電流共振型コンバータ3の動作を説明する。図3は、降圧コンバータ2のトランジスタ(FET)Q2並びに電流共振型コンバータ3のトランジスタ(FET)Q3及びトランジスタ(FET)Q4のスイッチング動作を説明するためのタイミングチャートである。図3において、上から一番目と二番目の波形は、トランジスタ(FET)Q3とトランジスタ(FET)Q4のゲートに印加される駆動電圧の電圧波形をそれぞれ示し、上から四番目の波形は、トランジスタ(FET)Q2のゲートに印加される駆動電圧の電圧波形を示している。尚、トランジスタ(FET)Q2〜4は、駆動電圧がハイレベルのときにオンしロウレベルのときにオフする。また、上から三番目に、トランジスタ(FET)Q3及びトランジスタ(FET)Q4がオンオフするスイッチング周波数fswの変化が示され、上から五番目に、降圧コンバータ2から出力される電圧Vbと、力率改善回路1から出力される電圧Vpの比(Vb/Vp)が示されている。
期間Taにおいては、トランジスタ(FET)Q3とトランジスタ(FET)Q4のスイッチング周波数fswは上昇していき、トランジスタ(FET)Q2はオン状態に維持されている。この期間、第2の制御回路5は、電流共振型コンバータ3から出力される出力電圧Voを目標電圧Vtgtに一致させるように、トランジスタ(FET)Q3とトランジスタ(FET)Q4のスイッチング周波数fswを制御する。この例では、第2の制御回路5は、出力電圧Voを目標電圧Vtgtに一致させるために、スイッチング周波数fswを上昇させていく。その結果、電流共振型コンバータ3から出力される出力電圧Voは、スイッチング周波数fswの上昇に応じて降下していく。そして、時点t1でスイッチング周波数fswが最大周波数fmaxに到達し、期間Tbに移行する。
期間Tbにおいては、トランジスタ(FET)Q3とトランジスタ(FET)Q4のスイッチング周波数fswは、最大周波数fmaxに維持される。一方、トランジスタ(FET)Q2がオンオフする時比率は1未満となり、トランジスタ(FET)Q2がスイッチング動作を開始する。この期間、第2の制御回路5は、電流共振型コンバータ3のスイッチング周波数fswを最大周波数fmaxに維持しつつ、電流共振型コンバータ3から出力される出力電圧Voを目標電圧Vtgtに一致させるように、トランジスタ(FET)Q2がオンオフする時比率を制御する。つまり、等価負荷抵抗Racの変化の影響がなければ、第2の制御回路5は、目標電圧Vtgtが降下したときにトランジスタ(FET)Q2がオンオフする時比率を降下させ、目標電圧Vtgtが上昇したときにトランジスタ(FET)Q2がオンオフする時比率を上昇させる。トランジスタ(FET)Q2がオンオフする時比率が降下すると、降圧コンバータ2から出力される電圧Vbが降下するため、Vb/Vpの値が小さくなっていき、出力電圧Voが降下する。トランジスタ(FET)Q2がオンオフする時比率が上昇すると、降圧コンバータ2から出力される電圧Vbが上昇するため、Vb/Vpの値が大きくなっていき、出力電圧Voが上昇する。そして、トランジスタ(FET)Q2がオンオフする時比率が1になると電圧Vpと電圧Vbが等しくなるため、Vb/Vpの値は1になる。この例では、時点t2で、トランジスタ(FET)Q2がオンオフする時比率が1になる。そして、この期間は、時点t2で終了し、期間Tcに移行する。
期間Tcにおいては、トランジスタ(FET)Q3とトランジスタ(FET)Q4のスイッチング周波数fswは降下していき、トランジスタ(FET)Q2がオンオフする時比率は1に維持されている(トランジスタ(FET)Q2はオン状態に維持されている)。この期間、第2の制御回路5は、電流共振型コンバータ3から出力される出力電圧Voを目標電圧Vtgtに一致させるように、トランジスタ(FET)Q3とトランジスタ(FET)Q4のスイッチング周波数fswを制御する。この例では、第2の制御回路5は、電流共振型コンバータ3から出力される出力電圧Voを目標電圧Vtgtに一致させるために、トランジスタ(FET)Q3とトランジスタ(FET)Q4のスイッチング周波数fswを降下させていく。このとき、電流共振型コンバータ3から出力される出力電圧Voは、等価負荷抵抗Racの変化の影響がなければ、スイッチング周波数fswが降下するにつれて上昇していく。
上述のように、本実施例では、トランジスタ(FET)Q2は、電流共振型コンバータ3のスイッチング周波数fswが最大周波数fmaxに到達したときにだけ、スイッチング動作を開始する。従って、トランジスタ(FET)Q2が、常時、スイッチング動作を行っている場合よりも、降圧コンバータ2における損失を低減することができる。
次に、降圧コンバータ2及び電流共振型コンバータ3のスイッチング動作を制御する制御システム(制御系)を、図面を参照して説明する。図4は、この制御システム(制御系)のブロック線図を示している。このブロック線図に示されているように、この制御システム(制御系)は、減算器21、PID制御器22、乗算器23、制限器24、減算器25、乗算器26、加算器27及び制限器28により構成されている。
この制御システム(制御系)おいて、PWM制御により時比率Dが制御されている降圧コンバータ2に対する指令値(第1の指令値)は、減算器21、PID制御器22、乗算器23及び制限器24により生成される。一方、PFM制御によりスイッチング周波数fswが制御されている電流共振型コンバータ3に対する指令値(第2の指令値)は、減算器21、PID制御器22、減算器25、乗算器26、加算器27及び制限器28により生成される。このように、この制御システム(制御系)は、降圧コンバータ2に対する第1の指令値を生成するためのブロックと電流共振型コンバータ3に対する第2の指令値を生成するためのブロックを含んでいる。そして、減算器21からPID制御器22までは、第1の指令値を生成する側と第2の指令値を生成する側とで共用されている。
つぎに、この制御システム(制御系)を構成する各要素について説明する。減算器21は、出力電圧Voの目標値である目標電圧Vtgtから出力電圧Voを減算する。この減算により得られた差分値(Vtgt−Vo)は、PID制御器22に入力される。尚、減算器21は、出力電圧Voから目標電圧Vtgtを減算するような構成であってもよい。
PID制御器22は、差分値(Vtgt−Vo)又は差分値(Vo−Vtgt)に基づいて操作量Uを生成する。この操作量Uは、比例制御、積分制御及び微分制御の3つを組み合わせた制御に基づいて生成される。PID制御器22は、比例制御、積分制御及び微分制御のうちのいずれか1つを用いた制御により、又はこれらのうちの2つを組み合わせた制御により、操作量Uを生成する制御器に置き換えることもできる。但し、一般的な電源装置においては、比例制御、積分制御及び微分制御の3つの組み合せた制御器、比例制御及び積分制御の2つの組み合せた制御器、又は比例制御及び微分制御の2つの組み合せた制御器を用いることが好ましい。尚、降圧コンバータ2に対する第1の指令値及びと電流共振型コンバータ3に対する第2の指令値は、共にPID制御器22により生成される操作量Uに基づいて生成される。
次に、降圧コンバータ2に対する第1の指令値を生成する経路について説明する。乗算器23には、PID制御器22により生成された操作量Uが入力される。乗算器23は、操作量Uに第1の定数Kaを乗算した値(第1の算出値)を出力する。この第1の算出値(U×Ka)は、制限器24により、所定の最大時比率Dmaxが上限になるように制限されたうえで、降圧コンバータ2のPWM制御における時比率Dの指令値として出力される。つまり、第1の算出値(U×Ka)が最大時比率Dmaxより小さいときは、第1の算出値(U×Ka)が時比率Dの指令値として出力される。そして、第1の算出値(U×Ka)が最大時比率Dmaxと等しいとき、又は最大時比率Dmaxより大きいときは、最大時比率Dmaxが時比率Dの指令値として出力される。
次に、電流共振型コンバータ3に対する第2の指令値を生成する経路について説明する。減算器25は、PID制御器22により生成された操作量Uから第2の定数Aを減算した値(U−A)を出力する。第2の定数Aは、例えば、Dmax/Ka(最大時比率Dmaxを第1の定数Kaで除算した値)に設定される。乗算器26は、減算器25から出力される値に第3の定数Kbを乗算した値((U−A)×Kb)を出力する。加算器27は、乗算器26から出力される値に第4の定数Bを加算した値(第2の算出値=(U−A)×Kb+B)を出力する。第4の定数は、例えば、PFM制御における最大のスイッチング周波数(最大周波数fmax)に対応する周期(最小周期Tmin=1/fmax)に設定される。加算器27から出力される第2の算出値((U−A)×Kb+B)は、制限器28により、所定の最小周期Tminが下限になるように制限されたうえで、電流共振型コンバータ3のPFM制御にける周期Tの指令値(つまり、スイッチング周波数fswを調整するための指令値)として出力される。つまり、第2の算出値((U−A)×Kb+B)が最小周期Tminと等しいとき、又は第2の算出値((U−A)×Kb+B)が最小周期Tminより小さいときは、最小周期Tminが周期Tの指令値として出力される。そして、第2の算出値((U−A)×Kb+B)が最小周期Tminより大きいときは、第2の算出値((U−A)×Kb+B)が周期Tの指令値として出力される。
上記のように、電流共振型コンバータ3に対する第2の指令値は、スイッチング周波数fswの値としてではなく、スイッチングの周期Tの値として生成される。しかし、スイッチング周波数fswはスイッチングの周期Tの逆数なので、スイッチングの周期Tの指令値を生成することにより、間接的に又は実施的にスイッチング周波数fswの指令値を生成している。
次に、PID制御器22により生成された操作量U、降圧コンバータ2に対する第1の指令値である時比率D及び電流共振型コンバータ3に対する第2指令値である周期Tの関係を、図面を参照して説明する。図5はこれらの関係を示したグラフであり、操作量Uが横軸に、時比率D及び周期Tが縦軸に割り当てられている。
時比率Dは、最大時比率Dmaxに到達するまでは、一定の傾きで増加していく。この傾きは、第1の定数Kaによって決まる。つまり、操作量Uの変化に対する時比率Dの変化の度合いは、第1の定数Kaを大きくすると大きくなり、第1の定数Kaを小さくすると小さくなる。また、時比率Dが最大時比率Dmaxに到達すると、操作量Uが増加しても、時比率Dは一定値(最大時比率Dmax)に維持される。
周期Tは、操作量Uが第2の定数Aに到達するまでは、操作量Uが増加しても一定値(最小周期Tmin)に維持される。操作量Uが第2の定数Aを超えると、周期Tは一定の傾きで増加していく。この傾きは、第3の定数Kbによって決まる。つまり、操作量Uの変化に対する周期Tの変化の度合いは、第3の定数Kbを大きくすると大きくなり、第3の定数Kbを小さくすると小さくなる。また、第3の定数Kbは、操作量Uが最大操作量Umaxに到達したときに、周期Tが最大周期Tmax(最小周波数fminの逆数)に到達するように設定される。また、第2の定数AをDmax/Ka(最大時比率Dmaxを第1の定数Kaで除算した値)に設定し、第4の定数Bを最小周期Tminに設定することにより、時比率Dが増加から一定値に切り替るときに、周期Tが一定値から増加に切り替るようにすることができる。つまり、このように設定すれば、周期Tが最小周期Tminに維持されているときに、時比率Dが操作量Uの変化に応じて変化し、時比率Dが最大時比率Dmaxに維持されているときに、周期Tが操作量Uの変化に応じて変化するようにすることができる。
次に、電流共振型コンバータ3のスイッチング周波数fswが最大周波数fmaxより小さいときに、降圧コンバータ2の降圧動作を停止させたい場合の実施例(第2の実施例)を、図6を参照して説明する。降圧コンバータ2は、時比率Dが1のときに、降圧動作を停止し、入力電圧を電圧変換することなく出力する。従って、図6に示したよう、最大時比率Dmaxは1に設定される。また、第2の定数Aを1/Kaに設定することにより、操作量Uが1/KaからUmaxまでの範囲において、時比率Dは1に維持される。一方、電流共振型コンバータ3のスイッチング周波数fswを調整するための周期Tの指令値は、この範囲において、操作量Uの変化に応じて変化する。
また、この設定では、操作量Uが0から1/Kaまでの範囲において、電流共振型コンバータ3のスイッチング周波数fswは最大周波数fmaxに維持される。一方、降圧コンバータ2の時比率Dを調整するための指令値は、この範囲において、操作量Uの変化に応じて変化する。
次に、限られた操作量Uの範囲において、操作量Uの変化に基づいた時比率Dの変化及び周期Tの変化の双方を許容する場合の実施例(第3の実施例)を、図7及び図8を参照して説明する。図7に示されている第3の実施例の制御システム(制御系)では、最大時比率Dmaxは1に設定され、第2の定数Aは0.9/Kaに設定される。
このように設定した場合、図7に示したように、時比率Dは操作量Uが1/Kaを超えると1に維持される。一方、周期Tは操作量Uが0.9/Kaを超えると操作量Uの変化に基づいた変化を開始する。従って、操作量Uが0.9/Kaから1/Kaまでの範囲においては、時比率Dが操作量Uの変化に基づいて変化すると共に、周期Tも操作量Uの変化に基づいて変化する。
次に、電流共振型コンバータの共振回路の構成方法について図面を参照して説明する。この共振回路において、直列共振に関わるインダクタ(直列共振インダクタ)と並列共振に関わるインダクタ(並列共振インダクタ)は、以下のようにして構成される。図9は、直列共振インダクタを、トランスT1の漏れインダクタLrp、Lrsにより構成した場合を示している。この場合、トランスT1を疎結合にし、このトランスT1に共振コンデンサを接続することにより共振回路が構成される。このとき、トランスT1の結合係数は0.8〜0.9程度に設定される。尚、トランスT1の励磁インダクタLmは、並列共振インダクタになる。
図10は、直列共振インダクタを、外部インダクタLaddにより構成した場合を示している。この場合、トランスT1を密結合にし、このトランスT1に外部インダクタLaddと共振コンデンサを接続することにより共振回路が構成される。尚、トランスT1の励磁インダクタLmは、図10の場合と同様に、並列共振インダクタになる。
図11は、直列共振インダクタを、外部インダクタLaddと漏れインダクタLrp、Lrsにより構成した場合を示している。この場合、トランスT1を疎結合にし、このトランスT1に外部インダクタLaddと共振コンデンサを接続することにより共振回路が構成される。尚、トランスT1の励磁インダクタLmは、図10の場合と同様に、並列共振インダクタになる。
次に、共振回路の共振コンデンサの構成方法について説明する。図12は、コンデンサC11及びコンデンサC12により、共振コンデンサを構成した場合を示している。この場合、直流電源Vinの両端にコンデンサC11とコンデンサC12が直列に接続され、コンデンサC11とコンデンサC12の接続部にトランスT1の一次巻線の一端が接続される。
図13は、コンデンサC13、コンデンサC14及びコンデンサC15により、共振コンデンサを構成した場合を示している。この場合、直流電源Vinの両端にコンデンサC14とコンデンサC15が直列に接続され、コンデンサC14とコンデンサC15の接続部とトランスT1の一次巻線の一端との間にコンデンサC13が接続される。また、コンデンサC14及びコンデンサC15の過負荷保護のために、これらのコンデンサにダイオードD11及びダイオード12を並列に接続してもよい。この例では、コンデンサC14と並列にダイオードD11が接続されており、この接続において、ダイオードD11のカソードは直流電源Vinの正極側に接続される。また、コンデンサC15と並列にダイオードD12が接続されており、この接続において、ダイオードD12のアノードは直流電源Vinの負極側に接続される。尚、このようにダイオードD11及びダイオード12を接続することにより、出力電圧の垂下を行わせることも可能になる。
また、本実施1から3では、ハーフブリッジ構成の電流共振型コンバータを用いたが、図14に示したようなフルブリッジ構成の電流共振型コンバータであってもよい。この回路では、直流電源Vinの両端にトランジスタ(FET)Q11とトランジスタ(FET)Q12が直列に接続され、更に、トランジスタ(FET)Q13とトランジスタ(FET)Q14も直流電源Vinの両端に直列に接続されている。トランジスタ(FET)Q11とトランジスタ(FET)Q12の接続部は、共振回路を構成するコンデンサCrとインダクタCrを介してトランスT1の一次巻線の一端に接続され、トランジスタ(FET)Q13とトランジスタ(FET)Q14の接続部は、トランスT1の一次巻線の他端に接続されている。トランジスタ(FET)Q11とトランジスタ(FET)Q14が同時にオンし、トランジスタ(FET)Q12とトランジスタ(FET)Q13が同時にオンする。トランジスタ(FET)Q11とトランジスタ(FET)Q14の組と、トランジスタ(FET)Q12とトランジスタ(FET)Q13の組は、ほぼ50%の時比率で、デッドタイムを挟んで交互にオンする。
また、トランスT1の二次側に設けられる整流回路は、図15に示したようなダイオードブリッジ10であってもよい。
上述のように、本発明に係るコンバータの一部をなす電流共振型コンバータには色々な構成があるが、共振電流が流れるスイッチング素子のスイッチング周波数により電圧変換率が調整されるように構成されていれば、その構成は、特に、限定されることはない。従って、電流共振型コンバータは、トランスT1の一次巻線又は二次巻線にコンデンサが並列に接続された電流共振型コンバータ(いわゆるLCCコンバータ)であっても、同様に実施することができる。また、降圧コンバータについても、降圧動作をするように構成されていれば、その構成は、特に、限定されることはない。
また、上記の実施例では、降圧コンバータを電流共振型コンバータの前段に接続した場合について説明したが、本発明は、降圧コンバータを電流共振型コンバータの後段に接続した場合にも同様に実施することができる。つまり、図16に示したように、電流共振型コンバータの出力が降圧コンバータの入力に接続される構成であっても、本発明を同様に実施することができる。尚、このように降圧コンバータを電流共振型コンバータの後段に接続した場合、降圧コンバータから出力される出力電圧を、指令電圧生成回路から与えられる目標電圧に一致させるように、降圧コンバータ及び電流共振型コンバータの動作が制御される。