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JP3734063B2 - スイッチング電源 - Google Patents

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JP3734063B2
JP3734063B2 JP14834397A JP14834397A JP3734063B2 JP 3734063 B2 JP3734063 B2 JP 3734063B2 JP 14834397 A JP14834397 A JP 14834397A JP 14834397 A JP14834397 A JP 14834397A JP 3734063 B2 JP3734063 B2 JP 3734063B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つのコンバータを縦続的に接続したスイッチング電源に関する。
【0002】
【従来の技術】
スイッチング電源において、負荷条件は例えば、無負荷、軽負荷、過負荷等のように変化する。また、出力可変型電源では、出力電圧が段階的に変化する。スイッチング電源は、これらの負荷条件及び出力条件の全てを満足するように設計する必要がある。ところが、無負荷、軽負荷及び過負荷等の非定常時の負荷条件を満たすように設計すると、定常時の動作条件が犠牲になり、最適動作を確保できなくなる。
【0003】
例えば、力率改善の目的から、主コンバータ(第2のコンバータ)の前段に、アクティブフィルタ等の力率改善回路(第1のコンバータ)を接続し、力率改善回路によって交流入力を直流電圧に変換し、変換された直流電圧を主コンバータに供給し、主コンバータから負荷に安定化された直流電圧を供給する従来のスイッチング電源において、力率改善回路(第1のコンバータ)及び主コンバータ(第2のコンバータ)を制御する場合、従来は、これらの回路が異なる機能を有することを前提にし、互いに独立の制御系を構成し、個別に制御していた。このため、第2のコンバータの負荷条件に対応して制御される制御量、例えばスイッチング動作周波数またはパルス幅を、第1のコンバータの制御に反映させて、系全体としての最適動作のための制御系を構成することができなかった。
【0004】
特開平8ー294282号公報は、第1のコンバータ及び第2のコンバータを備えるスイッチング電源において、第1のコンバータに入力される入力電圧によって第2のコンバータの出力電圧を変化させる技術を開示しているが、第2のコンバータの負荷条件及び出力可変型スイッチング電源における出力条件を第1のコンバータの制御に反映させる手段は開示していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、多様な条件下で最適動作を確保し得る高効率のスイッチング電源を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明に係るスイッチング電源は、第1のコンバータと、第2のコンバータと、制御回路とを含む。前記第1のコンバータは、交流入力を第1の直流出力電圧に変換して出力する回路であって、前記第1の直流出力電圧が制御可能である。
【0007】
前記第2のコンバータは、前記第1のコンバータの後段に接続され、前記第1の直流出力電圧を第2の直流出力電圧に変換して出力する回路であって、前記第2の直流出力電圧が制御可能である。
【0008】
前記制御回路は、前記第2のコンバータを制御すると共に、前記第2のコンバータに与えられる制御情報に対応して前記第1の直流出力電圧を変化させ得る。
【0009】
本発明に係るスイッチング電源において、第1のコンバータは交流入力を第1の直流出力電圧に変換して出力し、第2のコンバータは前記第1のコンバータの後段に接続され、第1の直流出力電圧を第2の直流出力電圧に変換して出力するから、例えば商用交流電源から供給された交流入力を、第1のコンバータによって第1の直流出力電圧に変換し、第1の直流出力電圧を、第2のコンバータによって、負荷に要求される第2の直流出力電圧に変換して出力するスイッチング電源が得られる。
【0010】
第2のコンバータにおいて、第2の直流出力電圧は制御可能であり、制御回路は第2のコンバータを制御する。この場合の制御には、第2の直流出力電圧の安定化制御や、過電流保護制御等が含まれる。制御回路に対しては、電圧情報や電流情報が与えられ、制御回路はそれらの情報に基づいて、第2のコンバータに制御情報を与え、必要な制御動作を行なう。
【0011】
第1のコンバータにおいて、第1の直流出力電圧が制御可能であり、制御回路は、第1のコンバータを、第2のコンバータに与えられる種々の制御情報に応じて制御して第1の直流出力電圧を変化させる。ここで、第2のコンバータに与えられる制御情報には、無負荷、軽負荷、過負荷等の負荷条件に関する情報が含まれ、また、出力可変型スイッチング電源では、出力電圧がある電圧から他の電圧に可変される旨の情報等が含まれる。
【0012】
従って、第2のコンバータの動作状態に応じて第1のコンバータを制御し、それによって第1のコンバータから出力される第1の直流出力電圧を制御することができる。この場合、第1のコンバータの制御に当たって、第2のコンバータに供給される第1の直流出力電圧を、第2のコンバータの動作にとって好ましい方向に制御することが可能であり、それによって、系全体として、最適動作を確保し、効率を向上させることができる。
【0013】
本発明において、制御回路は、第2の直流出力電圧を監視し、第1のコンバータに第2の直流出力電圧に対応した制御信号を供給し、第1の直流出力電圧を、第2の直流出力電圧に応じて変化させる。この構成によれば、出力可変型スイッチング電源への適用において、第2のコンバータにおける動作周波数及びパルス幅の変動領域を縮小することができる。例えば、共振を利用した可変型スイッチング電源において、第2の直流出力電圧を、可変範囲のうち、高い電圧値に設定し、その電圧となるように安定化制御を行なう場合、第2の直流出力電圧が高いことに合わせて、第1の直流出力電圧も高くすることにより、両者の電圧差を小さくし、第2の直流出力電圧を設定する第2のコンバータの動作周波数の変動幅を小さくすることができる。第2の直流出力電圧を、可変範囲のうち、低い電圧値に設定した場合は、第1の直流出力電圧の電圧値も低くし、第2のコンバータの動作周波数の変動幅を小さくすることができる。
【0014】
また、パルス幅制御による可変型スイッチング電源において、第2の直流出力電圧を、可変範囲のうち、高い電圧値に設定し、その電圧となるように安定化制御を行なう場合、第2の直流出力電圧が高いことに合わせて、第1の直流出力電圧も高くすることにより、両者の電圧差を小さくし、第2の直流出力電圧を設定する第2のコンバータのパルス幅の変動を小さくすることができる。第2の直流出力電圧を、可変範囲のうち、低い電圧値に設定した場合は、第1の直流出力電圧の電圧値も低くし、第2のコンバータのパルス幅の変動を小さくすることができる。
【0015】
本発明の他の目的、構成及び利点については、実施例である添付図面を参照して、更に詳しく説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係るスイッチング電源のブロック図である。図示するように、本発明に係るスイッチング電源は、第1のコンバータ1と、第2のコンバータ2と、制御回路3とを含む。第1のコンバータ1は、交流入力Vinを第1の直流出力電圧V1に変換して出力する。第1のコンバータ1において、第1の直流出力電圧V1は制御可能である。このような第1のコンバータ1の代表例は力率改善のためのアクティブフィルタまたは昇降圧コンバータ等である。
【0017】
第2のコンバータ2は、第1のコンバータ1の後段に接続され、第1の直流出力電圧V1を第2の直流出力電圧V2に変換して出力する。第2のコンバータ2において、第2の直流出力電圧V2は制御可能である。第2のコンバータ2は負荷4に電力を供給するものであり、主コンバータとしての役割を担っている。第2のコンバータ2は、パルス幅変調型コンバータのほか、共振型コンバータや周波数変調型コンバータ等によっても構成され得る。
【0018】
制御回路3は、第1の制御回路31と、第2の制御回路32とを含んでいる。第2の制御回路32は、第2のコンバータ2を制御する。この場合の制御には、第2の直流出力電圧V2の安定化制御や、過電流保護制御等が含まれる。第2の制御回路32に対しては、電圧情報や電流情報が与えられ、第2の制御回路32はそれらの情報に基づいて、第2のコンバータ2に制御情報を与え、必要な制御動作を行なう。
【0019】
第1の制御回路31には、第1のコンバータ1の出力電圧及び電流の情報に加え、第2のコンバータ2に与えられる制御情報(信号)S1が与えられる。第1の制御回路31は、第2の制御回路32から供給される制御情報(信号)S1に基づき、第1の直流出力電圧V1を制御情報(信号)S1に応じて変化させる。
【0020】
図示された制御回路3は、第2の直流出力電圧V2を第2の制御回路32によって安定化制御し、その制御情報(信号)S1を第1のコンバータ1の第1の制御回路31に供給する。第1の制御回路31は第1の直流出力電圧V1が一定となるように安定化制御を、第1のコンバータ1に与える。その際、安定化電圧の設定値は制御情報S1によって変化する。
【0021】
本発明に係るスイッチング電源において、第1のコンバータ1は交流入力Vinを、第1の直流出力電圧V1に変換して出力し、第2のコンバータ2は第1のコンバータ1の後段に接続され、第1の直流出力電圧V1を第2の直流出力電圧V2に変換して出力するから、例えば商用交流電源5から供給された交流入力Vinを、第1のコンバータ1によって第1の直流出力電圧V1に変換し、第1の直流出力電圧V1を、第2のコンバータ2によって、負荷4に要求される第2の直流出力電圧V2に変換して出力するスイッチング電源が得られる。
【0022】
第1の制御回路31は第1のコンバータ1に対して、その出力電圧である第1の直流出力電圧V1が設定値と等しくなるような安定化制御を与える。また、第2の制御回路32は第2のコンバータ2に対して、その出力電圧である第2の直流出力電圧V2を安定化する制御を与える。第1のコンバータ1の出力電圧設定値は固定ではなく、第2のコンバータ2を安定化するための制御情報(信号)S1によって変化するが、定常時には制御信号S1が変化しないので、出力電圧設定値は変化しない。いま、スイッチング電源の負荷4が、軽負荷または無負荷になった場合を考えると、第2の制御回路32は第2のコンバータ2から出力される第2の直流出力電圧V2の上昇を抑えて安定化するような制御情報(信号)S1を、第2のコンバータ2に与え、第2の直流出力電圧V2を安定化する。これと同時に、制御情報(信号)S1は第1の制御回路31にも与えられ、第1のコンバータ1の出力電圧設定値を下げる。すなわち、第1のコンバータ1から出力される第1の直流出力電圧V1(第2のコンバータ2の入力電圧)が低下し、第2のコンバータ2から出力される第2の直流出力電圧V2の上昇を抑える動作をする。これにより、制御情報(信号)S1の変化幅が圧縮され、定常動作からの変化幅が小さくなり、最適動作状態を維持できる。
【0023】
第1のコンバータ1は、前述したように、アクティブフィルタ、昇降圧型コンバータ等の力率改善回路によって構成できる。図2は第1のコンバータ1を昇降圧型コンバータによって構成した場合の回路図を示している。このような昇降圧型コンバータは、特開平8ー70573号公報に開示されている。図において、第1のコンバータ1は、整流ダイオード10、入力端11、12、トランス13、第1のスイッチング素子14、第2のスイッチング素子15、第1のダイオード16、第2のダイオード17、及び、コンデンサ18を含んでいる。入力端11、12には、交流電源5から交流入力Vinが供給される。
【0024】
トランス13、第1のスイッチング素子14、第1のダイオード16、及び、コンデンサ18は第1のエネルギー伝送回路を構成している。トランス13は、入力巻線131と、出力巻線132とを有している。黒丸印は巻始めを示している。第1のスイッチング素子14は、FET、バイポーラトランジスタ、サイリスタ、トライアックまたはIGBT等の3端子素子、或いはその他の制御極付半導体素子で構成され、その主電極回路が入力巻線131に直列接続され、直列回路に流れる電流をスイッチングする。
【0025】
第1のダイオード16は、出力巻線132に直列接続され、その直列回路が出力端に接続されている。第1のダイオード16の極性は、第1のスイッチング素子14のオフ時に出力巻線132に発生する電圧(フライバック電圧)に対して順方向となるように方向付けられている。出力巻線132には、第1のスイッチング素子14のオフ時に、図示極性のフライバック電圧VF2が発生する。第1のダイオード16は、フライバック電圧VF2に対して順方向となる。
【0026】
第2のダイオード17、トランス13の出力巻線132、第2のスイッチング素子15、及び、コンデンサ18は第2のエネルギー伝送回路を構成している。第2のダイオード17は、一端が第1のダイオード16の一端と同極の関係で接続されている。第2のスイッチング素子15は、FET等の3端子素子であり、その主電極回路が入力端11、12の側からみて、出力巻線132、第2のダイオード17及びコンデンサ18と共に、直列回路を構成している。実施例では、第2のダイオード17のアノードが入力端11に接続され、カソードが出力巻線132及び第1のダイオード16のカソードに接続されている。第1のダイオード16のアノードは、出力端に接続されている。第2のスイッチング素子15は、主電極の一方(ソース)が、第1のスイッチング素子14の主電極の一方(ソース)に接続され、主電極の他方(ドレイン)が第1のダイオード16のアノードに接続されている。コンデンサ18は、出力端に並列に接続されている。
【0027】
第1のダイオード16、コンデンサ18及び出力巻線132は、エネルギー放出回路を構成し、第1のエネルギー伝送回路及び第2のエネルギー伝送回路のエネルギー伝送過程を通してトランス13に蓄積されたエネルギーを放出する。
【0028】
第1の制御回路31は、第1のスイッチング素子14及び第2のスイッチング素子15に制御情報(信号)S31、S32を与えて、そのオン時間及びオンのタイミングを制御する。これにより、第1の直流出力電圧V1の安定化及び力率改善を行なうことが可能になる。
【0029】
第1のスイッチング素子14及び第2のスイッチング素子15のオン時間及びオンのタイミングを制御することにより、入力電圧がある限り、入力側から出力側へのエネルギー伝送を連続的に行なわせることができる。このため、全波整流出力等の連続的な入力電圧を供給して、入力電流を連続的に流すことができる。これは力率改善の基礎を与える。コンデンサ19は第1のスイッチング素子14及び第2のスイッチング素子15のスイッチング動作に伴って発生するスイッチングノイズを吸収するノイズフィルタである。平滑用コンデンサではないことに注意すべきである。
【0030】
次に、第2のコンバータ2としては、第2の直流出力電圧V2を、スイッチング動作周波数を変えることによって制御するタイプのコンバータを用いることができる。この場合、第2の制御回路32から、第1のコンバータ1に備えられた第1の制御回路31に制御情報(信号)S1を供給し、第1の制御回路31から第1のコンバータ1にスイッチング動作周波数に対応した制御信号を供給し、第1の直流出力電圧V1を、スイッチング動作周波数に応じて変化させる。このようなコンバータの代表的な例は、共振型コンバータである。
【0031】
共振型コンバータは、高効率、低雑音が達成できる可能性があるスイッチング電源として注目されている。共振型コンバータは、直流電源をスイッチング回路によってスイッチングし、スイッチング出力を共振回路で共振させ、共振出力を出力整流平滑回路を用いて、直流に変換して出力する。共振回路方式としては、直列共振、並列共振、直並列共振または複共振等、種々の回路方式が知られている。
【0032】
共振型コンバータにおいて、出力の安定化は、スイッチング周波数を制御することによって行なう。例えば、共振回路の共振周波数foよりも高い周波数領域で動作する共振型コンバータの場合、出力電圧が基準値よりも高い方向に移行しようとする場合は、スイッチング周波数が高くなる方向に、また、出力電圧が低下する方向に移行しようとする場合はスイッチング周波数が低くなる方向に制御する。
【0033】
図3は共振型コンバータとして構成された第2のコンバータの電気回路図である。図示された第2のコンバータ2は、スイッチング回路21と、共振回路22と、トランス23と、出力整流平滑回路24とを有する。
【0034】
スイッチング回路21は、入力された第1の直流出力電圧V1をスイッチングする。スイッチング回路21は、第1のスイッチング素子211及び第2のスイッチング素子212を有する。第1のスイッチング素子211及び第2のスイッチング素子212は、FET等でなり、その主回路が互いに直列に接続され、その両端に第1の直流出力電圧V1が供給される。
【0035】
トランス23は、少なくとも、一次巻線7と、二次巻線8とを含んでいる。実施例は、出力整流平滑回路24を両波整流回路方式とした場合に適した二次巻線構造を示し、二次巻線8は、第1の巻線81と、第2の巻線82の二つの巻線を備え、第1の巻線81及び第2の巻線82は、それぞれの一端が互いに接続されている。
【0036】
共振回路22は、共振用コンデンサ221と、共振用インダクタ222とを有する。共振用コンデンサ221及び共振用インダクタ222は、スイッチング回路21とトランス23の一次巻線7とを含む回路ループ内に接続されている。実施例では、共振用コンデンサ221は、共振用インダクタ222の一端と、第1のスイッチング素子211及び第2のスイッチング素子212の接続点との間に接続され、共振用インダクタ222の他端はトランス23の一次巻線の一端に接続されている。従って、共振回路22は共振用コンデンサ221及び共振用インダクタ222による直列共振回路を構成している。
【0037】
出力整流平滑回路24は、トランス23の二次巻線8に接続され、二次巻線8に生じる誘起電圧を直流に変換して出力する。図示された出力整流平滑回路24は、出力平滑コンデンサ241を有するコンデンサインプット型であるが、出力チョークコイルを備えたチョークインプット型であってもよい。整流回路は第1のダイオード242と、第2のダイオード243とを有する。第1のダイオード242のアノードは第1の巻線81の他端に接続され、第2のダイオード243のアノードは第2の巻線の他端に接続されている。第1のダイオード242及び第2のダイオード243のカソードは互いに接続され、出力平滑コンデンサ241の一端に接続されている。
【0038】
第2の制御回路32は、出力整流平滑回路24から出力される第2の直流出力電圧V2が一定となるようにスイッチング回路21を制御する。第2の制御回路32は、また、2つのスイッチング素子211、212に制御信号S11、S12を与え、スイッチング素子211、212を、共振回路22の共振周波数foよりも高い周波数領域で動作させる(図4参照)。この制御動作は第2の制御回路32によって実行される。第2の制御回路32は、例えば、電圧によって周波数が制御される電圧制御発振器(VCO)によって構成される。
【0039】
上記構成の共振型コンバータにおいて、直列に接続された2つのスイッチング素子211、212を交互に動作させることにより、第1のコンバータ1から入力された第1の直流出力電圧V1をスイッチングし、そのスイッチング出力を共振回路22及びトランス23の一次巻線7に供給する。
【0040】
2つのスイッチング素子211、212の接続点と、2つのスイッチング素子211、212によって構成される直列回路の一端との間には、共振回路22を構成する共振用コンデンサ221及び共振用インダクタ222と、トランス23の一次巻線7とを直列に接続した直列回路の両端が接続されているから、2つのスイッチング素子211、212の交互動作により、共振回路22及びトランス23の一次巻線7に、共振回路22の共振周波数foに対応した疑似正弦波電流Irが流れる。このとき、一次巻線7と結合する二次巻線8に誘起電圧が発生する。この誘起電圧はトランス23の二次巻線8に接続された出力整流平滑回路24により第2の直流出力電圧V2に変換され、負荷4(図1参照)に供給される。
【0041】
図4は第2の制御回路32の基本的な動作特性を示す図である。第2の制御回路32は、定常時は、スイッチング素子211、212に制御信号S11、S12を与え、スイッチング素子211、212を、共振回路22の共振周波数foよりも高い周波数領域で動作させる。
【0042】
負荷4が増加し、第2の直流出力電圧V2が低下した場合には、動作周波数fを、周波数f1からそれより低い周波数f2に変更し、第2の直流出力電圧V2を上昇させる方向に制御し、第2の直流出力電圧V2を安定化する。負荷4が軽くなったり、あるいは第2の直流出力電圧V2が高くなった場合には、動作周波数fを、周波数f2からそれより周波数の高い周波数f1に変更し、第2の直流出力電圧V2を安定化する。
【0043】
共振型コンバータでなる第2のコンバータ2において、第1のコンバータ1を考慮した場合、第1のコンバータ1は、交流入力Vinが変動しても、第1の制御回路31によって、第1の直流出力電圧V1が指令値にほぼ等しくなるような電圧安定化制御を行なうから、第2のコンバータ2は、交流入力Vinの変動に対しては、スイッチング動作周波数fを変化させる必要はない。
【0044】
これに対して、スイッチング電源の負荷4が軽負荷または無負荷になった場合には、図5に示すように、第2の制御回路32はスイッチング動作周波数を上昇させ、軽負荷または無負荷による第2の直流出力電圧V2の上昇を抑えて安定化するような制御情報(信号)S1を、第2のコンバータ2に与える。この制御情報(信号)は、第1の制御回路31にも与えられる。すると、第1の制御回路31は、第1のコンバータ1から出力される第1の直流出力電圧V1を下げる方向に、第1のコンバータ1を制御する。
【0045】
共振型コンバータでなる第2のコンバータ2は、図6に示すように、入力電圧が低くなると、スイッチング動作周波数が低くなる方向に動作する。このため、負荷4が軽負荷または無負荷になった場合、第2のコンバータ2において変化させなければならないスイッチング動作周波数範囲が小さくて済むようになり、第2のコンバータ2における制御負担が軽減される。負荷4が重くなった場合は、逆の動作になり、やはり、第2のコンバータ2において変化させなければならないスイッチング動作周波数範囲が小さくて済み、第2のコンバータ2における制御負担が軽減される。従って、最適動作を確保し、効率を向上させることができる。
【0046】
過電流保護動作の場合は、第2の直流出力電圧V2を垂下させる動作特性となるため、第2のコンバータ2のスイッチング動作周波数を上昇させる方向になる。このスイッチング動作周波数を上昇させる制御情報(信号)S1により、第1の制御回路31は、第1のコンバータ1から出力される第1の直流出力電圧V1を低下させる方向に、第1のコンバータ1を制御する。このため、過電流保護動作の場合も、第2のコンバータ2のスイッチング動作周波数の変動幅を小さく抑えることができる。
【0047】
ここで、第1のコンバータの応答速度が第2のコンバータ2よりも早いと、負荷4の変動に対して、第2のコンバータ2よりも早く、第1のコンバータ1が応答してしまい、入力高調波電流を充分に抑制することができなくなる。従って、第1のコンバータ1の応答速度を第2のコンバータ2の応答速度よりも遅くしておくことが望ましい。
【0048】
以上、昇圧型コンバータと、周波数変調型コンバータの代表例である共振型コンバータとを例にとって、本発明の内容を具体的に説明したが、本発明はパルス幅変調型コンバータ等についても適用が可能である。また、当業者であれば、発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、種々の変形を行なうことができることは自明である。
【0049】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、第1のコンバータと第2のコンバータとを縦続的に接続したスイッチング電源において、多様な条件下で最適動作を確保し得る高効率のスイッチング電源を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスイッチング電源のブロック図である。
【図2】本発明に係るスイッチング電源おける第1のコンバータを昇降圧型コンバータによって構成した場合の回路図を示している。
【図3】本発明に係るスイッチング電源おける第2のコンバータを共振型コンバータによって構成した場合の回路図を示している。
【図4】本発明に係るスイッチング電源の制御動作を説明する図である。
【図5】共振型コンバータの負荷率ー動作周波数特性を示す図である。
【図6】共振型コンバータの入力電圧ー動作周波数特性を示す図である。
【符号の説明】
1 第1のコンバータ
2 第2のコンバータ
3 制御回路
31 第1の制御回路
32 第2の制御回路

Claims (6)

  1. 第1のコンバータと、第2のコンバータと、制御回路とを含むスイッチング電源であって、
    前記第1のコンバータは、交流入力を第1の直流出力電圧に変換して出力する回路であって、前記第1の直流出力電圧が制御可能であり、
    前記第2のコンバータは、前記第1のコンバータの後段に接続され、前記第1の直流出力電圧を第2の直流出力電圧に変換して出力する回路であって、前記第2の直流出力電圧が制御可能であり、出力安定化の応答時間が前記第1のコンバータの出力安定化の応答時間よりも短く、
    前記制御回路は、前記第2のコンバータを制御すると共に、前記第2のコンバータに与えられる制御情報に対応して前記第1の直流出力電圧を変化させ得る
    スイッチング電源。
  2. 第1のコンバータと、第2のコンバータと、制御回路とを含むスイッチング電源であって、
    前記第1のコンバータは、交流入力を第1の直流出力電圧に変換して出力する回路であって、前記第1の直流出力電圧が制御可能であり、
    前記第2のコンバータは、前記第1のコンバータの後段に接続され、前記第1の直流出力電圧を第2の直流出力電圧に変換して出力する回路であって、前記第2の直流出力電圧が制御可能であり、出力安定化の応答時間が前記第1のコンバータの出力安定化の応答時間よりも短く、
    前記制御回路は、前記第2の直流出力電圧を監視し、前記第1のコンバータに前記第2の直流出力電圧に対応した制御信号を供給し、前記第1の直流出力電圧を、前記第2の直流出力電圧に応じて変化させる
    スイッチング電源。
  3. 請求項1または2に記載されたスイッチング電源であって、
    前記第2のコンバータは、前記第1の直流出力電圧をスイッチングし、スイッチング出力を直流に変換して前記第2の直流出力電圧を得る回路であって、前記第2の直流出力電圧がスイッチング動作周波数を制御することによって制御され、
    前記制御回路は、前記第1のコンバータに前記スイッチング動作周波数に対応した制御信号を供給し、前記第1の直流出力電圧を、前記スイッチング動作周波数に応じて変化させる
    スイッチング電源。
  4. 請求項3に記載されたスイッチング電源であって、
    前記第2のコンバータは、前記スイッチング出力を共振回路で共振させ、共振出力を直流に変換して出力する共振型コンバータである
    スイッチング電源。
  5. 請求項1または2に記載されたスイッチング電源であって、
    前記第2のコンバータは、前記第1の直流出力電圧をスイッチングし、スイッチング出力を直流に変換して前記第2の直流出力電圧を得る回路であって、前記第2の直流出力電圧がパルス幅を制御することによって制御され、
    前記制御回路は、前記第1のコンバータに前記パルス幅に対応した制御信号を供給し、前記第1の直流出力電圧を、前記パルス幅に応じて変化させる
    スイッチング電源。
  6. 請求項1または2に記載されたスイッチング電源であって、前記第1のコンバータは、昇降圧型コンバータでなるスイッチング電源。
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