JP5951420B2 - アクチュエータ - Google Patents
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Description
上述のスパーギアの場合には、減速比を大きくする場合に、歯車の歯数を多くする必要がある。また、複数の歯車は、それらの半径方向に並ぶことになり、かつ、これらの歯車の回転軸も互いに平行に配置されることから、減速機の小型化が困難である。
二重式ハイポサイクロイド機構を減速機に用いることで、減速機で大きな減速比を得るもの、すなわち、例えば、小型モータで高いトルクを得るものとしても、減速機の大型化を抑制できるとともに、回転駆動力の伝達効率の向上や、減速機の耐久性の向上を図ることができる。
また、最も外側に配置されるギアが回転する第2ギアになり、回転する第2ギアの外周より外側に回転する第2ギアを保護するカバーが必ず必要となる。したがって、回転する第2ギアとの間に間隔をあけて外周を覆うカバーを設ける必要があることにより、減速機の外形が大きくなってしまう。
前記減速機は、固定の内歯車と、前記モータに回転駆動される駆動軸に設けられ、当該駆動軸に対して偏心している偏心軸と、
前記駆動軸と同軸上に配置される出力軸と一体に回転する出力側の内歯車と、
前記偏心軸に回転自在に支持される中間歯車とを備え、
前記中間歯車には、前記固定の内歯車に噛み合うとともに、前記固定の内歯車の内周を転がるように移動する第1外歯車部と、前記出力側の内歯車に噛み合うとともに、前記出力側の内歯車の内周を転がるように移動する第2外歯車部とが同軸上に設けられ、
かつ、第1外歯車部および第2外歯車部のうちに一方の外歯車部が円板状の前記中間歯車の外周に設けられ、他方の外歯車部が前記中間歯車の一方の側面の前記一方の外歯車部より内周側の凹部内に設けられていることを特徴とする。
また、これにより一方の外歯車と、他方の外歯車とが軸方向の略同じ位置に配置されるので、これらと噛み合う固定の内歯車と、出力側の内歯車もそれらの軸方向位置が2つの外歯車と略同じになる。すなわち、減速機を構成する歯車の全てがほぼ同じ平面内に配置される。
これにより二重式ハイポサイクロイド減速機の薄型化(小型化)を図ることができるともに、各歯車を支持する回転軸に倒れ方向のトルクがかかるのを抑制することができる。
前記出力側の内歯車が前記第1外歯車部の外径より狭く、前記第2外歯車部の外径より広い内径を備えていることが好ましい。
図1〜図3に示すように、第1実施形態のアクチュエータは、モータ1と、減速機10とからなるものであり、モータの回転駆動力を出力するに際し、回転駆動力における回転を減速して、トルクを高めて外部に出力するようになっている。
また、この例では、所謂小型モータの範疇に含まれるモータであり、アクチュエータとしては、汎用のアクチュエータである。
前記減速機10は、二重式ハイポサイクロイド減速機であり、内歯車と内歯車に噛み合う外歯車とを二組有する構造となっている。ハイポサイクロイド減速機においては、内歯車に対してその内側に配置される外歯車が公転しながら自転することになる。
また、中間歯車13において、第1外歯車部15が略円板上の中間歯車の外周面に歯が設けられたものであり、第2外歯車部16は、中間歯車13の一方の測面に設けられた凹部17内に設けられた形状になっている。したがって、第1外歯車部15の方が第2外歯車部16より径が大きく、かつ、歯数が多くなっている。
すなわち、中間歯車13は、凹部17が設けられていない側の測面は、略平面状になっているのに対して、凹部17が設けられた測面では、凹部17が設けられることにより、凹部17の部分だけ、中間歯車13の厚さが薄くなった形状となっている。
また、凹部17は、第2外歯車部16より大きな円形で、第2外歯車部16(中間歯車13)の中心と同じ中心を備える。凹部17内に第2歯車部16が設けられた状態では、第1外歯車部15と第2外歯車部16との間に凹部17の第2外歯車部16を除いた略円環状の溝17aが設けられた状態となっている。
また、プレス加工が困難な場合には、例えば、円板状の部材に切削加工で外周面に第1外歯車部15の歯と溝とを形成し、円板状の部材の測面に円環状の溝17aを形成するともに、この際に、円環状の溝17aの内周側の円状の側縁に第2歯車部16の歯と溝とを形成する。また、中間歯車13を鋳造するものとしてもよい。いずれにしろ凹部17内に第2外歯車部16を設けた形状であるが、凹部17を設けてから第2外歯車部16を形成するのではなく、ほぼ円環状の溝17aを設けることで、第2外歯車部16が形成される。
また、出力側の内歯車14の本体14aは、上述の中間歯車13の一方の側面に形成された円環状の溝17a内に挿入されるとともに、第2外歯車部16の歯に内歯車14の歯が噛み合わされるようになっている。したがって、前記円環状の溝17aは、内歯車14の本体14aが挿入可能な大きさを有する。また、中間歯車13は、固定の内歯車11内を転がるように移動すること、すなわち、自転しながら公転する。それに対して出力側の内歯車14は、駆動軸2の軸心を回転中心として自転だけするので、出力側の内歯車14に対して中間歯車13の公転によるずれを含む余裕が円環状の溝17aにある必要がある。
また、中間歯車13に設けられた第2外歯車は、第1外歯車と一体に回転することになり、駆動軸2に対しる第2外歯車部16の速度比は、中間歯車13と同じ(Z1−Z2)/Z2になる。
以上のことから駆動軸2と出力軸19の速度比は、((Z1−Z2)/Z2)×((Z1−Z3)/Z3)になる。
後述のように薄型化が可能な構造において、大きな速度比で回転駆動力の出力が可能になり、小さなモータ1でも、大きなトルクを出力する事が可能になる。したがって、この実施形態のアクチュエータは、小型のモータ1と小型でかつ速度比の大きな減速機10からなる汎用のアクチュエータとなり、その用途が広がることになる。
なお、公転するとともに自転する中間歯車13(第1外歯車部15および第2外歯車部16)は、所謂遊星歯車である。
なお、図4および図5に示すように、第2実施形態のアクチュエータは、第1実施形態のアクチュエータの減速機10の偏心軸12にバランスウエイト32を設けたものであり、その他の点は、第1実施形態のアクチュエータと同様の構成を有し、かつ、同様の作用効果を有するものであり、図1〜図3と同様の符号を付して説明を省略する。
ただし、偏心軸12には、上述のように偏心軸12に回転自在に支持されるとともに、偏心して回転する中間歯車13に作用するアンバランスな遠心力に基づく力が作用しており、バランスウエイト32は、偏心軸12自身の上述の力だけではなく、さらに、中間歯車13から作用する力に対応して設定されている。すなわち、偏心軸12の遠心力の不釣り合いに加えて、中間歯車13から作用する力と釣り合うようにバランスウエイト32が設定されている。したがって、偏心軸12と中間歯車13とバランスウエイト32が回転した際に、これらの遠心力が釣り合うように、円板状のバランスウエイト32の重さと回転中心が設定されている。
2 駆動軸
10 減速機
11 固定の内歯車
12 偏心軸
12a 偏心支持部
13 中間歯車
14 出力側の内歯車
15 第1外歯車部
16 第2外歯車部
32 バランスウエイト
Claims (3)
- モータと、モータの回転駆動力の回転を減速して出力する減速機とを備えるアクチュエータであって、
前記減速機は、固定の内歯車と、前記モータに回転駆動される駆動軸に設けられ、当該駆動軸に対して偏心している偏心軸と、前記駆動軸と同軸上に配置される出力軸と一体に回転する出力側の内歯車と、
前記偏心軸に回転自在に支持される中間歯車とを備え、
前記中間歯車には、前記固定の内歯車に噛み合うとともに、前記固定の内歯車の内周を転がるように移動する第1外歯車部と、前記出力側の内歯車に噛み合うとともに、前記出力側の内歯車の内周を転がるように移動する第2外歯車部とが同軸上に設けられ、
かつ、第1外歯車部および第2外歯車部のうちに一方の外歯車部が円板状の前記中間歯車の外周に設けられ、他方の外歯車部が前記中間歯車の一方の側面の前記一方の外歯車部より内周側の凹部内に設けられた形状になっていることを特徴とするアクチュエータ。 - 前記一方の外歯車部が前記固定の内歯車に噛み合う第1外歯車部とされ、前記他方の外歯車部が前記出力側の内歯車と噛み合う第2外歯車部とされ、前記固定の内歯車が前記中間歯車の外径より広い内径を備え、
前記出力側の内歯車が前記第1外歯車部の外径より狭く、前記第2外歯車部の外径より広い内径を備えていることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。 - 偏心して回転する前記中間歯車および/または前記偏心軸の遠心力の不釣り合いを釣り合わせるためのバランスウエイトを前記中間歯車および/または前記偏心軸に設けていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアクチュエータ。
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