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JP5951420B2 - アクチュエータ - Google Patents

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JP5951420B2 JP2012196959A JP2012196959A JP5951420B2 JP 5951420 B2 JP5951420 B2 JP 5951420B2 JP 2012196959 A JP2012196959 A JP 2012196959A JP 2012196959 A JP2012196959 A JP 2012196959A JP 5951420 B2 JP5951420 B2 JP 5951420B2
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Description

本発明は、モータと減速機を備えるアクチュエータに関する。
従来、モータと減速機を備える汎用の小型アクチュエータでは、例えば、スパーギア(平歯車、外歯車)を用いている。スパーギアを用いる場合には、例えばモータからの出力が駆動ギア(スパーギア)を介して中間ギア(スパーギア)へと伝達されるとともに、駆動ギアの回転が中間ギアへの伝動で減速される。また、中間ギアの回転が従動ギア(スパーギア)を介して出力軸に伝達されるとともに、中間ギアの回転が従動ギアへの伝動で減速される。
また、小型アクチュエータの減速機には、モータからの出力を伝動するのにウォームギアを用いることにより、ウォームギアで減速するタイプも知られている。
上述のスパーギアの場合には、減速比を大きくする場合に、歯車の歯数を多くする必要がある。また、複数の歯車は、それらの半径方向に並ぶことになり、かつ、これらの歯車の回転軸も互いに平行に配置されることから、減速機の小型化が困難である。
また、ウォームギアでは、モータ軸に固定されたウォームと、モータ軸と直角となる方向に沿って配置された軸に支持されてウォームに噛み合うヘリカルギアとを備えていることから、必ずしも小型化が容易ではない。また、このウォームギアでは、伝達効率が悪いため、モータから出力された回転を出力側に効率的に伝達することが困難である。また、ウォームギアは耐久性にも問題がある。
そこで、スパーギアやウォームギアに代えて、サイクロイドギア(二重式ハイポサイクロイド機構)を減速機に用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
二重式ハイポサイクロイド機構を減速機に用いることで、減速機で大きな減速比を得るもの、すなわち、例えば、小型モータで高いトルクを得るものとしても、減速機の大型化を抑制できるとともに、回転駆動力の伝達効率の向上や、減速機の耐久性の向上を図ることができる。
特許第4303667号公
ところで、特許文献1のハイポサイクロイド歯車機構を有する減速機では、内歯歯車である固定ギアと、モータの駆動軸に設けられた偏心軸に回転自在に支持される第1ギアと、回転駆動力を外部に出力する軸部と一体に回転する内歯歯車である第2ギアとを備えている。
第1ギアは、固定ギアと噛合するスパーギアである小径ギア部と、第2ギアと噛合するスパーギアであり、かつ、小径ギア部より径が大きい大径ギア部とを同軸上に配置して張り合わせた形状を有する。小径ギア部は、大径ギア部の側面からモータ側に突出して設けられ、固定ギアに噛合するようになっている。
これにより、第1ギアは、固定ギアとハイポサイクロイド機構を構成するとともに、第2ギアとハイポサイクロイドギア機構を構成する。これにより小型で大きな減速比を得ることができるが、2つのハイポサイクロイド機構が軸方向に並んで配置されることから、一重のハイポサイクロイド機構と比較すると、軸方向の厚みが略2倍になる。
また、ハイポサイクロイド機構が軸方向位置をずらして2つ配置されることから、ギア同士の噛合により各ギアの回転軸に倒れ方向のトルクが働くことになり、各ギアの回転軸が倒れ方向の力に対抗できる構造となっている必要がある。
また、最も外側に配置されるギアが回転する第2ギアになり、回転する第2ギアの外周より外側に回転する第2ギアを保護するカバーが必ず必要となる。したがって、回転する第2ギアとの間に間隔をあけて外周を覆うカバーを設ける必要があることにより、減速機の外形が大きくなってしまう。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、スパーギアや、ウォームギアより優れた特性を有する二重式ハイポサイクロイド機構からなる減速機を備え、二重式ハイポサイクロイド機構の構造のさらなる小型化、効率化を図ることができるアクチュエータを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のアクチュエータは、モータと、モータの回転駆動力の回転を減速して出力する減速機とを備えるアクチュエータであって、
前記減速機は、固定の内歯車と、前記モータに回転駆動される駆動軸に設けられ、当該駆動軸に対して偏心している偏心軸と、
前記駆動軸と同軸上に配置される出力軸と一体に回転する出力側の内歯車と、
前記偏心軸に回転自在に支持される中間歯車とを備え、
前記中間歯車には、前記固定の内歯車に噛み合うとともに、前記固定の内歯車の内周を転がるように移動する第1外歯車部と、前記出力側の内歯車に噛み合うとともに、前記出力側の内歯車の内周を転がるように移動する第2外歯車部とが同軸上に設けられ、
かつ、第1外歯車部および第2外歯車部のうちに一方の外歯車部が円板状の前記中間歯車の外周に設けられ、他方の外歯車部が前記中間歯車の一方の側面の前記一方の外歯車部より内周側の凹部内に設けられていることを特徴とする。
本発明においては、内歯車内を外歯車が転がるように旋回移動するハイポサイクロイド機構が2つ設けられている。この2つのハイポサイクロイド機構をつなぐ中間歯車には、外周に設けられる一方の外歯車と、それより内周側に設けられる径の小さな他方の外歯車とが設けられるが、中間歯車の一方の側面に設けられた凹部内に他方の外歯車が設けられているため、一方の外歯車の側面から他方の外歯車を突出させた場合に比較して減速機を薄くできる。すなわち、一方の外歯車の幅(厚さ)の範囲内に他方の外歯車の幅(厚さ)が収まる形状とすることが可能である。
それにより、二重式ハイポサイクロイド機構を例えば、一つの内歯車と一つの外歯車とからなる一つのハイポサイクロイド機構とほぼ同じ厚さとすることが可能になる。
また、これにより一方の外歯車と、他方の外歯車とが軸方向の略同じ位置に配置されるので、これらと噛み合う固定の内歯車と、出力側の内歯車もそれらの軸方向位置が2つの外歯車と略同じになる。すなわち、減速機を構成する歯車の全てがほぼ同じ平面内に配置される。
これにより二重式ハイポサイクロイド減速機の薄型化(小型化)を図ることができるともに、各歯車を支持する回転軸に倒れ方向のトルクがかかるのを抑制することができる。
本発明の上記構成において、前記一方の外歯車部が前記固定の内歯車に噛み合う第1外歯車部とされ、前記他方の外歯車部が前記出力側の内歯車と噛み合う第2外歯車部とされ、前記固定の内歯車が前記中間歯車の外径より広い内径を備え、
前記出力側の内歯車が前記第1外歯車部の外径より狭く、前記第2外歯車部の外径より広い内径を備えていることが好ましい。
このような構成によれば、固定の内歯車が最も外側に配置され、その内側に中間歯車の第1外歯車部(一方の外歯車部)が配置され、その内側に出力側の内歯車が配置され、その内側に第2外歯車部(他方の外歯車部)が配置されることになる。上述のように全ての歯車が略同じ軸方向位置に配置され、かつ、最も外側の内歯車の内側に全ての歯車が配置可能になることから、全ての歯車は、固定の内歯車の内側に配置される。
したがって、固定の内歯車をケーシングの一部として利用可能になり、効率的な構造とすることができる。また、ケーシングと固定の内歯車とを別体とする場合も、内歯車が固定で動かないことから、ケーシングと固定の内歯車との間に間隔を開ける必要がなく、最外周部に固定でない回転する内歯車が配置される場合より、小型化が可能である。
本発明の上記構成において、偏心して回転する前記中間歯車および/または前記偏心軸の遠心力の不釣り合いを釣り合わせるためのバランスウエイトを前記中間歯車および/または前記偏心軸に設けていることが好ましい。
このような構成によれば、偏心した状態で回転する中間歯車および偏心軸においては、回転中心に対して遠心力が釣り合わず、遠心力が釣り合わないことにより、回転軸部分に力が作用するとともに、力の方向が回転に対応して変化し、振動や騒音の原因になるが、偏心して回転する中間歯車および/または偏心軸にバランスウエイトを設けて遠心力を釣り合わせることにより、回転軸に不要な力がかかるのを防止できる。これにより、アクチュエータの回転の効率を向上できるとともに、振動や騒音を低減できる。
本発明によれば、アクチュエータの減速機の小型化(薄型化)を図ることができるとともに、アクチュエータの回転する各歯車を支持する回転軸に倒れ方向のトルクが作用するのを抑制できる。
本発明の第1実施形態のアクチュエータ示す断面図である。 前記アクチュエータを示す斜視断面図である。 前記アクチュエータを示す分解斜視図である。 本発明の第2実施形態のアクチュエータ示す断面図である。 前記アクチュエータを示す一部部品を取り除いた要部斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜図3に示すように、第1実施形態のアクチュエータは、モータ1と、減速機10とからなるものであり、モータの回転駆動力を出力するに際し、回転駆動力における回転を減速して、トルクを高めて外部に出力するようになっている。
また、この例では、所謂小型モータの範疇に含まれるモータであり、アクチュエータとしては、汎用のアクチュエータである。
モータ1は、例えば、DCモータであるが、例えば、電動モータならば各種モータを採用することができる。モータ1は駆動軸2を備え、駆動軸2が回転することにより、回転駆動力を出力する。
前記減速機10は、二重式ハイポサイクロイド減速機であり、内歯車と内歯車に噛み合う外歯車とを二組有する構造となっている。ハイポサイクロイド減速機においては、内歯車に対してその内側に配置される外歯車が公転しながら自転することになる。
すなわち、内歯車の内周(歯が設けられた部分)を外歯車が転がるように移動することになり、この際に、歯の噛合により、内歯車に対して外歯車が回転することになる。なお、この場合の減速比を大きくとることができ、例えば、外歯車の歯数Z1とし、内歯車の歯数をZ2とした場合の速度比(減速比)はZ2−Z1/Z1となり、Z2が大きく、かつ、Z2とZ1の差が少ない場合に、大きな減速比を一段で得ることが可能になる。
この例の減速機10は、固定の内歯車11と、前記モータ1の駆動軸2の設けられる偏心軸12と、前記偏心軸12に回転自在に支持される中間歯車13と、駆動軸2に対して同軸上に配置される出力側の内歯車14とを備える。
前記中間歯車13は、前記固定の内歯車11と噛み合う第1外歯車部15と、前記出力側の内歯車14と噛み合う第2外歯車部16とを同軸上に備えている。
また、中間歯車13において、第1外歯車部15が略円板上の中間歯車の外周面に歯が設けられたものであり、第2外歯車部16は、中間歯車13の一方の測面に設けられた凹部17内に設けられた形状になっている。したがって、第1外歯車部15の方が第2外歯車部16より径が大きく、かつ、歯数が多くなっている。
また、第2外歯車部16の幅(歯の部分の厚さ)は、第1外歯車部15の幅(歯の部分お厚さ)の範囲内に入っている。
すなわち、中間歯車13は、凹部17が設けられていない側の測面は、略平面状になっているのに対して、凹部17が設けられた測面では、凹部17が設けられることにより、凹部17の部分だけ、中間歯車13の厚さが薄くなった形状となっている。
凹部17内には、第2外歯車部16が設けられているが、第2外歯車部16における中間歯車13の厚さは、それより外周側の第1外歯車部15の部分とほぼ同じ厚さとなっている。
また、凹部17は、第2外歯車部16より大きな円形で、第2外歯車部16(中間歯車13)の中心と同じ中心を備える。凹部17内に第2歯車部16が設けられた状態では、第1外歯車部15と第2外歯車部16との間に凹部17の第2外歯車部16を除いた略円環状の溝17aが設けられた状態となっている。
なお、実際の中間歯車の製造においては、プレス加工が可能な材質ならば、プレス加工により、外周面に第1外歯車部15の歯とその間の谷とを形成するとともに、上述の略円環状の溝17aを形成するとともに、その際に円環状の溝17aの内周側に第2外歯車部16の歯とその間の谷と形成する。
また、硬質の合成樹脂等で形成する場合に、各種樹脂の成形方法、例えば、射出成形で製造するものとしてもよい。
また、プレス加工が困難な場合には、例えば、円板状の部材に切削加工で外周面に第1外歯車部15の歯と溝とを形成し、円板状の部材の測面に円環状の溝17aを形成するともに、この際に、円環状の溝17aの内周側の円状の側縁に第2歯車部16の歯と溝とを形成する。また、中間歯車13を鋳造するものとしてもよい。いずれにしろ凹部17内に第2外歯車部16を設けた形状であるが、凹部17を設けてから第2外歯車部16を形成するのではなく、ほぼ円環状の溝17aを設けることで、第2外歯車部16が形成される。
また、第2外歯車部16に噛み合う出力側の内歯車14が、有蓋円筒状に形成され、内周側に歯が形成された円筒状の本体14aを有する。また、内歯車14の蓋部分には、本体14aのモータ1の反対側となる部分に、偏心軸12の後述の内歯車支持部12cに回転自在に支持される被支持部14bが形成されている。この被支持部14bは、有蓋円筒状で、本体14aと同軸上に配置されるとともに、本体14aより小径に形成されている。この被支持部14bの蓋部分の中心から出力軸19がモータ1の反対側に延出ており、この出力軸19が駆動力を必要とする装置に接続されることになる。
上述の駆動軸2、偏心軸12の内歯車支持部12c、出力側の内歯車14、出力軸19は同軸上に配置される。
また、出力側の内歯車14の本体14aは、上述の中間歯車13の一方の側面に形成された円環状の溝17a内に挿入されるとともに、第2外歯車部16の歯に内歯車14の歯が噛み合わされるようになっている。したがって、前記円環状の溝17aは、内歯車14の本体14aが挿入可能な大きさを有する。また、中間歯車13は、固定の内歯車11内を転がるように移動すること、すなわち、自転しながら公転する。それに対して出力側の内歯車14は、駆動軸2の軸心を回転中心として自転だけするので、出力側の内歯車14に対して中間歯車13の公転によるずれを含む余裕が円環状の溝17aにある必要がある。
前記偏心軸12は、駆動軸2の先端部に固定されて、駆動軸2と一体に回転するようになっている。また、偏心軸12は、中間歯車13を回転自在に支持する偏心支持部12aと偏心支持部12aよりモータ1側に設けられて偏心支持部12aとともに、駆動軸2に固定される固定部12bと、出力側の内歯車14を回転自在に支持する内歯車支持部12cとを備えている。
また、駆動軸2は、偏心軸12の固定部12bから偏心支持部12aに掛けて設けられた孔に挿入されるとともに、図示いない回り止め機構により、駆動軸2と偏心軸12とが一体に回転するようになっている。
偏心軸12(偏心支持部12a)は、その中心が公転する中間歯車13の自転中心と一致するようになっており、偏心軸12が駆動軸2と一体に回転する場合に、固定の内歯車11に噛み合った状態で公転する中間歯車13の中心の軌跡と、偏心軸12の偏心支持部12aの中心の奇跡が一致するようになっている。また、偏心支持部12aとその周囲に配置される内歯車11の間には、ラジアル軸受(ラジアルニードル軸受)21が設けられている。
また、偏心軸12の先端部には、上述の内歯車支持部12cが設けられており、上述の出力側の内歯車14の被支持部14bがラジアル軸受(ラジアルニードル軸受)22を介して回転自在に支持されている。また、偏心軸12の基端部である固定部12bと、後述のケーシング23(内歯車11)との間には、ラジアル軸受(ラジアルニードル軸受)29が設けられ、偏心軸12がケーシング23にラジアル軸受29を介して回転自在に支持されている。
また、固定の内歯車11の外周側は、略正方形状の減速機10のケーシング23となっている。このケーシング23には、モータ1の減速機10側に設けられた略正方形状のフランジ24の四隅部にそれぞれ形成された貫通孔に重なる貫通孔26が四隅にそれぞれ形成されている。また、減速機10には、その出力側を出力軸19を貫通させた状態で覆うカバー27が設けられている。カバー27には四隅にネジ孔28が形成されている。これら、モータ1のフランジ24、減速機10のケーシング23およびカバー27は、各部材の上述の貫通孔26を貫通してネジ孔28に螺合されるボルト25により、一体に固定されている。
このようなアクチュエータの二重式ハイポサイクロイド減速機(減速機10)においては、最も径(内径)の大きな固定の内歯車11に中間歯車13の第1外歯車部15が噛み合っているとともに、モータ1の駆動軸2と一体に回転する偏心軸12の偏心支持部12aにラジアル軸受21を介して中間歯車13が回転自在に支持されている。
モータ1が作動し、駆動軸が一回転すると、偏心軸12の偏心支持部12aにより、固定の内歯車11に噛み合った状態の第1外歯車部15を備える中間歯車13が一回公転する。この際に、中間歯車は、固定の内歯車11の歯数をZ1、第1外歯車の歯数をZ2とした場合に(Z1−Z2)/Z2だけ回転する。すなわち、駆動軸2が一回転する間に、第1外歯車部15を有する中間歯車13が(Z1−Z2)/Z2だけ回転することになり、駆動軸2と中間歯車13との速度比は、(Z1−Z2)/Z2になる。
また、中間歯車13に設けられた第2外歯車は、第1外歯車と一体に回転することになり、駆動軸2に対しる第2外歯車部16の速度比は、中間歯車13と同じ(Z1−Z2)/Z2になる。
また、第2外歯車部16には、出力軸19と一体に回転する内歯車14が噛み合っており、第2外歯車部16の公転と自転とにより内歯車14が回転する。ここで、出力側の内歯車14の歯数をZ3、第2外歯車部16の歯数をZ4とした場合に、第2外歯車部16は中間歯車13の一部として、上述のように(Z1−Z2)/Z2だけ自転している。
また、第2外歯車部16は、中間歯車と同様に駆動軸2が一回転する際に一回公転する。第2外歯車部16の一回の公転に際して、出力側の内歯車14は、(Z1−Z3)/Z3だけ自転することになる。
以上のことから駆動軸2と出力軸19の速度比は、((Z1−Z2)/Z2)×((Z1−Z3)/Z3)になる。
後述のように薄型化が可能な構造において、大きな速度比で回転駆動力の出力が可能になり、小さなモータ1でも、大きなトルクを出力する事が可能になる。したがって、この実施形態のアクチュエータは、小型のモータ1と小型でかつ速度比の大きな減速機10からなる汎用のアクチュエータとなり、その用途が広がることになる。
なお、公転するとともに自転する中間歯車13(第1外歯車部15および第2外歯車部16)は、所謂遊星歯車である。
このような二重式ハイポサイクロイド減速機である減速機10において、中間歯車13の互いに一体に公転および自転する第1外歯車部15と第2外歯車部16とが従来のように軸方向にずれて隣接するように配置されているのではなく、軸方向位置がほぼ完全に重なるように第1外歯車部15と第2外歯車部16とが配置されている。この例では、第1外歯車部15の幅(厚さ)が、第2外歯車部16より少し広くされ、第1外歯車部15の幅の範囲内に第2外歯車部16の幅が収まるように配置されている。
したがって、第1外歯車部15に噛み合う固定の内歯車11と、第2外歯車部16と噛み合う出力側の内歯車14も、第1外歯車部15および第2外歯車部16の軸方向位置と重なる軸方向位置に配置されることになる。この例では、基本的に第1外歯車部15の実際の歯が形成されている幅の範囲内に、固定の内歯車11の歯が形成された部分および出力側の内歯車14の歯が形成された部分がほぼ入った状態になっている。
したがって、従来の二重式ハイポサイクロイド減速機に比較して、その厚さ方向の長さをほぼ1/2とすることも可能であり、少なくとも中間歯車13の部分を従来の2/1の厚さにすることができ、上述のように大きな減速比を得ることが可能で、かつ、減速機10の薄型化(小型化)を図ることができる。また、上述の減速機10を構成する全ての歯車(内歯車11、中間歯車13(第1外歯車部15、第2外歯車部16)、内歯車14)の軸方向に沿った位置が略同じになることで、駆動軸2や出力軸19に倒れ方向のモーメントが作用するのを抑制することができる。
また、出力軸19と一体に回転する出力側の内歯車14が駆動軸2に固定された偏心軸12の内歯車支持部12cに回転自在に支持されているので、出力軸19の保持力が確保される。言い換えれば、駆動軸2と出力軸19とが同軸上に配置されるため、出力軸19の保持力が確保し易い構造となり、例えば、上述のように偏心軸12の先端部を偏心していない形状の内歯車支持部12cとし、この内歯車支持部12cに被支持部14bを強固に支持させる構造とすることが可能になる。
また、アクチュエータ全体としては、モータ1に対して減速機10が軸方向にモータ1を延長した状態に配置されるとともに、上述のように減速機10を薄型化することができるので、アクチュエータ全体としては、モータ1を少し軸方向に長くしただけの形状となり、極めて設置し易い形状となっている。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
なお、図4および図5に示すように、第2実施形態のアクチュエータは、第1実施形態のアクチュエータの減速機10の偏心軸12にバランスウエイト32を設けたものであり、その他の点は、第1実施形態のアクチュエータと同様の構成を有し、かつ、同様の作用効果を有するものであり、図1〜図3と同様の符号を付して説明を省略する。
図4および図5に示すように、偏心軸12の中間歯車13をラジアル軸受21を介して回転自在に支持する偏心支持部12aと、内歯車11を備えるケーシング23にラジアル軸受29を介して回転自在に支持されるとともに、駆動軸2に固定される固定部12bとの間にバランスウエイト32が設けられている。バランスウエイト32は、略円板状に形成されるとともに、偏心軸12の回転中心に対して偏心した状態に設けられている。また、円板状のバランスウエイト32の円状の両側面は、偏心軸12の回転軸に対して直交する向きになっている。
バランスウエイト32は、基本的に、偏心軸12の偏心した回転中心に作用するアンバランスな遠心力に基づく力に対応するように設けられたもので、回転中心に作用する遠心力が釣り合うように設定されている。
ただし、偏心軸12には、上述のように偏心軸12に回転自在に支持されるとともに、偏心して回転する中間歯車13に作用するアンバランスな遠心力に基づく力が作用しており、バランスウエイト32は、偏心軸12自身の上述の力だけではなく、さらに、中間歯車13から作用する力に対応して設定されている。すなわち、偏心軸12の遠心力の不釣り合いに加えて、中間歯車13から作用する力と釣り合うようにバランスウエイト32が設定されている。したがって、偏心軸12と中間歯車13とバランスウエイト32が回転した際に、これらの遠心力が釣り合うように、円板状のバランスウエイト32の重さと回転中心が設定されている。
また、内歯車11を備えるケーシング23には、上述のバランスウエイト32が偏心した状態で偏心軸12と一体に回転するための空間としての凹部31が設けられている。このようなバランスウエイト32を設けることにより、偏心軸12に不要な力が作用するのを防止できる。これにより、不要な力の発生を防止して、アクチュータによる回転の効率化を図ることができる。また、回転体のアンバランスな遠心力に基づく、振動、騒音を抑制することができる。
なお、バランスウエイト32は、偏心軸12だけではなく、偏心軸12と中間歯車13とに分けて設けてもよい。また、偏心軸12ではなく、中間歯車13にバランスウエイト32を設けるものとしてもよい。
1 モータ
2 駆動軸
10 減速機
11 固定の内歯車
12 偏心軸
12a 偏心支持部
13 中間歯車
14 出力側の内歯車
15 第1外歯車部
16 第2外歯車部
32 バランスウエイト

Claims (3)

  1. モータと、モータの回転駆動力の回転を減速して出力する減速機とを備えるアクチュエータであって、
    前記減速機は、固定の内歯車と、前記モータに回転駆動される駆動軸に設けられ、当該駆動軸に対して偏心している偏心軸と、前記駆動軸と同軸上に配置される出力軸と一体に回転する出力側の内歯車と、
    前記偏心軸に回転自在に支持される中間歯車とを備え、
    前記中間歯車には、前記固定の内歯車に噛み合うとともに、前記固定の内歯車の内周を転がるように移動する第1外歯車部と、前記出力側の内歯車に噛み合うとともに、前記出力側の内歯車の内周を転がるように移動する第2外歯車部とが同軸上に設けられ、
    かつ、第1外歯車部および第2外歯車部のうちに一方の外歯車部が円板状の前記中間歯車の外周に設けられ、他方の外歯車部が前記中間歯車の一方の側面の前記一方の外歯車部より内周側の凹部内に設けられた形状になっていることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記一方の外歯車部が前記固定の内歯車に噛み合う第1外歯車部とされ、前記他方の外歯車部が前記出力側の内歯車と噛み合う第2外歯車部とされ、前記固定の内歯車が前記中間歯車の外径より広い内径を備え、
    前記出力側の内歯車が前記第1外歯車部の外径より狭く、前記第2外歯車部の外径より広い内径を備えていることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 偏心して回転する前記中間歯車および/または前記偏心軸の遠心力の不釣り合いを釣り合わせるためのバランスウエイトを前記中間歯車および/または前記偏心軸に設けていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアクチュエータ。
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