以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係るハンドラ装置100の構成例を、テストヘッド110、テストトレイ20、およびユーザトレイ10と共に示す。ハンドラ装置100は、試験装置のテストヘッド110と接続され、複数の被試験デバイス22を搬送して試験装置のテストヘッド110に設けられた複数のソケットへと接続させる。
ここで、テストヘッド110は、複数のソケットを有するソケットボード120を備え、複数の被試験デバイス22と当該複数のソケットを介して電気的にそれぞれ接続される。テストヘッド110は、試験装置の一部であり、当該試験装置は、複数の被試験デバイス22を試験するための試験パターンに基づく試験信号を複数の被試験デバイス22のそれぞれに入力して、試験信号に応じてそれぞれの被試験デバイス22が出力する出力信号に基づいて複数の被試験デバイス22の良否を判定する。
試験装置は、アナログ回路、デジタル回路、アナログ/デジタル混載回路、メモリ、およびシステム・オン・チップ(SOC)等の複数の被試験デバイス22を試験する。複数の被試験デバイス22のそれぞれは、BGA(Ball Grid Array)またはLGA(Land Grid Array)等の電極を有してよい。
これに代えて、SOJ(Small Outline J−leaded)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、またはSOP(Small Outline Package)等の端子を有してよい。ソケットボード120は、試験すべき被試験デバイス22が有する電極または端子等と電気的に接続できるソケットを有する。
ハンドラ装置100は、第1載置装置200と、熱印加部210と、テスト部220と、除熱部230と、搬送部240と、第2載置装置250と、検出部260と、制御部270とを備える。第1載置装置200は、複数の被試験デバイス22が搭載されたユーザトレイ10からテストトレイ20に当該複数の被試験デバイス22を載置する。第1載置装置200は、被試験デバイス22を吸着するアームを有してよく、当該被試験デバイス22を吸着固定してユーザトレイ10からテストトレイ20に移動させてよい。
テストトレイ20は、複数の被試験デバイス22を行方向および列方向に配置して載置してよい。テストトレイ20は、複数の被試験デバイス22が載置され、試験装置が実行する高温/低温試験の温度条件におかれても、割れ、欠け、または変形等による被試験デバイス22へのストレスを生じさせない材質で形成される。
熱印加部210は、搬入ローダを有し、当該搬入ローダによって試験前の複数の被試験デバイス22が載置されたテストトレイ20が熱印加部210内にロードされる。熱印加部210は、試験に先立って被試験デバイス22の温度を試験温度へと制御する。また、熱印加部210内において、複数の被試験デバイス22は、テストトレイ20上の位置を調整される。熱印加部210は、温度制御部212と、デバイス撮像部216と、位置調整部218とを有する。
温度制御部212は、テストトレイ20を搭載し、テストトレイ20上の複数の被試験デバイス22の温度を制御する。温度制御部212は、複数の被試験デバイス22の温度を、試験装置が実行する試験の温度条件と略同一の温度となるように制御する。温度制御部212は、複数の温度制御ユニット214を有してよい。
温度制御ユニット214は、複数の被試験デバイス22に対応して複数設けられ、それぞれの被試験デバイス22をソケットボード120のソケットへと接続される電極面または端子面とは反対の面側から個別に加熱または冷却する。温度制御ユニット214は、ペルチエ素子等の熱電素子でよく、これに代えて、冷媒または熱媒を循環させるクーラーまたはヒータであってよい。
温度制御ユニット214が、被試験デバイス22毎に、被試験デバイス22の裏面から温度を直接制御する場合、熱印加部210は、チャンバ全体の温度を精密に制御することなく、高速かつ低消費電力で複数の被試験デバイス22の温度を制御することができる。これに代えて、温度制御部212は、熱印加部210内の温度を略同一の温度となるように制御してもよい。
デバイス撮像部216は、テストトレイ20に搭載された複数の被試験デバイス22の搭載位置を撮像する。デバイス撮像部216は、被試験デバイス22毎に搭載位置を撮像してよく、これに代えて、2以上の被試験デバイス22の搭載位置を撮像してもよい。デバイス撮像部216は、可動部を有してテストトレイ20に搭載された複数の被試験デバイス22を撮像してよい。
例えば、デバイス撮像部216は、撮像カメラ等を有し、当該撮像カメラの撮像する方向をテストトレイ20が被試験デバイス22を搭載する搭載面に対して平行方向に向けて配置し、可動部に搭載したミラーを介してテストトレイ20上の被試験デバイス22を撮像する。この場合、ミラーは被試験デバイス22の像を当該撮像カメラに反射させるべく、テストトレイ20の搭載面に対して略45度の角度を有してよい。
また、デバイス撮像部216は、当該ミラーを撮像カメラの撮像方向と略同一方向のテストトレイ20の搭載面に対して平行方向に動かして、当該平行方向に並んで搭載された複数の被試験デバイス22の搭載位置を撮像してよい。これに代えて、デバイス撮像部216は、ミラーおよび撮像カメラを撮像方向と略同一方向に動かして、当該平行方向に並んで搭載された複数の被試験デバイス22の搭載位置を撮像してよい。ここで、テストトレイ20の搭載面の当該平行方向を、一例として搭載面の行方向とする。
この場合、デバイス撮像部216は、撮像カメラおよびミラーを、撮像カメラの撮像方向と略垂直、かつ、テストトレイ20の搭載面に略平行方向に動かしてよい。これによって、デバイス撮像部216は、テストトレイ20の搭載面の列方向に並ぶ複数の被試験デバイス22の搭載位置を撮像する。この場合、撮像カメラは、位置調整部218に搭載されてもよい。
このように、デバイス撮像部216は、撮像カメラ、ミラー、および可動部を有し、テストトレイ20の搭載面の行および列方向に並んだ複数の被試験デバイス22の搭載位置を撮像してよい。これに代えて、デバイス撮像部216は、撮像カメラ等の撮像方向をテストトレイ20の搭載面に向けて配置し、当該撮像カメラを搭載面の行および列方向に移動させて複数の被試験デバイス22の搭載位置を撮像してよい。この場合、撮像カメラは、位置調整部218に搭載されてよい。
位置調整部218は、複数の被試験デバイス22が載置されたテストトレイ20上においてそれぞれの被試験デバイス22を移動させて、それぞれのソケットに対する位置を調整する。位置調整部218は、熱印加部210内でそれぞれの被試験デバイス22の位置を調整する。位置調整部218は、熱印加部210内で試験温度に制御された複数の被試験デバイス22のそれぞれの位置を調整してよい。また、位置調整部218は、熱印加部210内に複数備わり、複数の被試験デバイス22の位置をそれぞれ調整してよい。
テスト部220は、複数の被試験デバイス22を試験するための空間であって熱印加部210内のテストトレイ20が搬送される。テスト部220は、試験装置と接続され、当該試験装置のテストヘッド110に搭載されるソケットボード120がチャンバ内に配置される。テスト部220内において、テストトレイ20はソケットボード120へと搬送され、複数の被試験デバイス22は、対応するソケットと電気的に接続される。テスト部220は、デバイス装着部222と、駆動部226と、ソケット撮像部228とを有する。
デバイス装着部222は、位置調整部218により位置が調整された複数の被試験デバイス22をソケットボード120の複数のソケットに装着する。デバイス装着部222は、複数の押付部224を有する。押付部224は、複数の被試験デバイス22に対応して複数設けられる。押付部224は、それぞれの被試験デバイス22のソケットに接続される電極面または端子面とは反対の面を、ソケットボード120の方向へと押して、それぞれの被試験デバイス22を対応するソケットに装着する。
また、デバイス装着部222は、テストトレイ20上の複数の被試験デバイス22の温度を制御する。デバイス装着部222は、複数の被試験デバイス22の温度を、試験装置が実行する試験の温度条件となるように制御する。デバイス装着部222は、複数の押付部224に複数の被試験デバイス22の温度を制御させてよい。ここで、複数の押付部224は、それぞれの温度をそれぞれ個別に制御してよく、これに代えて、2以上の押付部224の温度を一括して制御してよい。
この場合、押付部224は、それぞれの被試験デバイス22の電極面または端子面とは反対の面側から個別に加熱または冷却する。押付部224は、ペルチエ素子等の熱電素子を含んでよく、これに代えて、冷媒または熱媒を循環させるクーラーまたはヒータを含んでよい。押付部224が、被試験デバイス22毎に、被試験デバイス22の裏面から温度を直接制御するので、テスト部220は、チャンバ全体の温度を精密に制御することなく、高速かつ低消費電力で複数の被試験デバイス22の温度を制御することができる。
駆動部226は、デバイス装着部222を駆動する。駆動部226は、デバイス装着部222の移動を制御して、テストトレイ20をソケットボード120へと搬送し、複数の被試験デバイス22と対応するソケットとを電気的に接続させる。また、駆動部226は、押付部224の加熱または冷却を駆動してよい。
ソケット撮像部228は、ソケットボード120が有する複数のソケットの実装位置を撮像する。ソケット撮像部228は、ソケット毎に実装位置を撮像してよく、これに代えて、2以上のソケットの実装位置を撮像してもよい。ソケット撮像部228は、可動部を有して複数のソケットを撮像してよい。
例えば、ソケット撮像部228は、撮像カメラ等を有し、当該撮像カメラの撮像する方向をソケットボード120がソケットを実装する実装面に対して平行方向に向けて配置し、可動部に搭載したミラーを介して実装面上のソケットを撮像する。この場合、ミラーはソケットの像を当該撮像カメラに反射させるべく、ソケットボード120の実装面に対して略45度の角度を有してよい。
また、ソケット撮像部228は、当該ミラーを撮像カメラの撮像方向であるソケットボード120の実装面の平行方向に動かすことで、当該平行方向に並んで実装された複数のソケットの実装位置を撮像する。ここで、ソケットボード120の実装面の当該平行方向を、一例として実装面の行方向とする。この場合、ソケット撮像部228は、撮像カメラおよびミラーを、撮像カメラの撮像方向と略垂直、かつ、ソケットボード120の実装面に略平行方向に動かしてよい。これによって、ソケット撮像部228は、ソケットボード120の実装面の列方向に並ぶ複数のソケットの実装位置を撮像する。
このように、ソケット撮像部228は、撮像カメラ、ミラー、および可動部を有し、ソケットボード120の実装面の行および列方向に並んだ複数のソケットの実装位置を撮像してよい。これに代えて、ソケット撮像部228は、撮像カメラ等の撮像方向をソケットボード120の実装面に向けて配置し、当該撮像カメラを実装面の行および列方向に移動させて複数のソケットの実装位置を撮像してよい。
除熱部230は、テスト部220からテストトレイ20が搬入される空間であって、搬入されたテストトレイ20は、当該除熱部230の外部へと搬出される。除熱部230は、搬出ローダを有し、当該搬出ローダによって試験後の複数の被試験デバイス22が載置されたテストトレイ20は除熱部230の外部にアンロードされる。除熱部230は、温度制御部280を有する。
温度制御部280は、除熱部230内において、搬入されたテストトレイ20の温度を制御する。温度制御部280は、テスト部220内から搬入される試験温度程度の複数の被試験デバイス22を、室温と同程度の予め定められた温度範囲にまで加熱または冷却する。温度制御部280は、ペルチエ素子等の熱電素子を含んでよく、これに代えて、冷媒または熱媒を循環させるクーラーまたはヒータを含んでよい。
搬送部240は、テストトレイ20を、熱印加部210からテスト部220へ、また、テスト部220から除熱部230へと搬送する。搬送部240は、熱印加部210が有する搬入ローダから搬入されるテストトレイ20を受け取ってよい。また、搬送部240は、除熱部230が有する搬出ローダにテストトレイ20を受け渡してよい。
第2載置装置250は、複数の被試験デバイス22が搭載されたテストトレイ20からユーザトレイ10に当該複数の被試験デバイス22を載置する。第2載置装置250は、被試験デバイス22を吸着するアームを有してよく、当該被試験デバイス22を吸着固定してテストトレイ20からユーザトレイ10に移動させてよい。
検出部260は、デバイス撮像部216およびソケット撮像部228が撮像した画像から、テストトレイ20上の複数の被試験デバイス22のそれぞれの配置と、ソケットボード120が有する複数のソケットのそれぞれの配置とを検出する。検出部260は、被試験デバイス22毎に、テストトレイ20上の配置と、当該被試験デバイス22が接続されるソケットの配置とを比較して、当該ソケットに対する位置を調整すべき被試験デバイス22を検出する。
検出部260は、当該調整すべき被試験デバイス22の調整量となる移動方向および移動量を検出する。検出部260は、調整量として、テストトレイ上のXY方向および各方向の移動量を検出してよく、また、テストトレイ上の回転方向および回転角θを検出してよい。検出部260は、検出結果を制御部270に送信する。
制御部270は、検出部260の検出結果を受信して、検出結果に基づき、調整すべき被試験デバイス22および調整量を位置調整部218に指定して、当該被試験デバイス22の位置を調整させる。また、制御部270は、第1載置装置200、搬送部240、駆動部226、第2載置装置250、搬入ローダ、搬出ローダ等に接続され、複数の被試験デバイス22の載置、テストトレイ20のロード/アンロード、デバイス装着部222の駆動、およびテストトレイ20の搬送を制御してよい。
また、制御部270は、温度制御部212、デバイス装着部222、および温度制御部280と接続されて、複数の被試験デバイス22の温度を制御してよい。また、制御部270は、複数の被試験デバイス22を対応するソケットにそれぞれ装着した後に、複数の被試験デバイス22の装着完了を試験装置に通知してよい。
図2は、本実施形態に係るテストヘッド110のソケットボード120の構成例を、ソケット撮像部228と共に示す。本図は、ソケットボード120の断面の概略構成を示す。ソケットボード120は、ソケット122と、基準ピン挿入部124を有する。
ソケット122は、被試験デバイス22と電気的に接続され、試験装置から供給される試験信号を被試験デバイス22に伝達すると共に、試験信号に応じた応答信号を試験装置に伝達する。ソケット122は、ソケットボード120に複数備わり、ソケットボード120のテストヘッド110とは反対の面に行方向および列方向に配列されて実装されてよい。ソケット122は、被試験デバイス22が有する電極または端子等と電気的に接続できる複数の電極126を含む。
基準ピン挿入部124は、ソケットボード120のソケット122が実装される面に備わり、テストトレイ20が含む基準ピンが挿入される。基準ピン挿入部124は、1つのソケット122に対して2以上備わってよい。基準ピン挿入部124は、ソケット122の四隅の近傍にそれぞれ備わることが望ましい。
ソケット撮像部228は、複数のソケット122のそれぞれを、対応する基準ピン挿入部124と共に撮像する。ソケット撮像部228は、ソケット122の実装位置として、ソケット122と、対応する基準ピン挿入部124とを撮像する。検出部260は、撮像された画像から、図中の線A−A'で示すソケット122の中心位置と、線B−B'および線C−C'で示す基準ピン挿入部124に挿入される基準ピンの中心位置とを抽出する。即ち、検出部260は、ソケット122の実装位置として、ソケット122の中心位置と基準ピンの中心位置との相対位置を検出する。
図3は、本実施形態に係る位置調整部218の構成例を、テストトレイ20と共に示す。本図は、断面の概略構成を示す。位置調整部218は、2以上の被試験デバイス22のそれぞれを巡回して、被試験デバイス22のソケット122に対する位置を調整する。位置調整部218は、可動部を有し、テストトレイ20上を巡回してよい。ここで、テストトレイ20は、複数の被試験デバイス22のそれぞれに対応して、インナーユニット410と、アウターユニット420と、基準ピン422とを有する。また、位置調整部218は、固定部510と、アクチュエータ520とを有する。
インナーユニット410は、被試験デバイス22のそれぞれを載置する。インナーユニット410は、予め定められた位置に被試験デバイス22の中心が位置するように載置する。例えば、インナーユニット410は、図中の線d−d'で示す位置に被試験デバイス22の中心を位置させて載置する。インナーユニット410は、テストトレイ20の載置面に対して平行方向に力を印加するバネを含んで、被試験デバイス22を固定してよい。インナーユニット410は、貫通孔が形成され、被試験デバイス22の温度制御部212側の面の一部を露出させてよい。
アウターユニット420は、テストトレイ20に固定され、インナーユニット410をロックするかまたは移動可能に保持するかをメカニカルに切り換えるロック機構を含む。アウターユニット420は、当該ロック機構として、リリース部430を含む。リリース部430は、制御部270の指示または位置調整部218のロック解除動作等によって、インナーユニット410のロックを解除してよい。アウターユニット420は、貫通孔が形成され、インナーユニット410の温度制御部212側の面の一部を露出させてよい。
複数の基準ピン422は、テストトレイ20の載置面の予め定められた位置に配置され、ソケットボード120に備わる複数の基準ピン挿入部124にそれぞれ挿入される。図中において、基準ピン422は、線e−e'および線f−f'で示す位置を中心としてテストトレイ20に載置される例を示す。また、図中において、複数の基準ピン422は、アウターユニット420に載置される例を示す。また、図中の線A−A'は、図2で説明した、検出部260によって検出されたソケット122の中心位置の一例を示す。
固定部510は、テストトレイ20に配置される複数の基準ピン422に固定される。固定部510は、基準ピン422の形状に対応する、ガイド、溝、またはレール等を含み、基準ピン422に固定されてよい。これに代えて、固定部510は、基準ピン422が挿入される基準ピン挿入部を有して基準ピン422に固定されてよい。
アクチュエータ520は、被試験デバイス22のソケット122に対する位置を調整する。例えば、アクチュエータ520は、インナーユニット410のロックが解除された後に、インナーユニット410をアウターユニット420に対して相対的に移動させる。図中は、1つの被試験デバイス22に対して、1組の固定部510およびアクチュエータ520が備わり、当該被試験デバイス22の位置を調整する例を示す。
これに代えて、1つの固定部510に対してアクチュエータ520が複数備わり、複数の被試験デバイス22の位置をそれぞれ調整してよい。この場合、複数のアクチュエータ520は、テストトレイ20の行方向に配置される複数の被試験デバイス22の位置に応じて、当該行方向に配列されてよい。ここで、行方向に配列された複数のアクチュエータ520のそれぞれは、列方向の2以上の被試験デバイス22の位置を順次調整する。
これに代えて、複数のアクチュエータ520は、テストトレイ20の列方向に配置される複数の被試験デバイス22の位置に応じて、当該列方向に配列されてよい。この場合、列方向に配列された複数のアクチュエータ520のそれぞれは、行方向の2以上の被試験デバイス22の位置を順次調整する。
以上のように、熱印加部210内に複数のアクチュエータ520が備わる場合、被試験デバイス22のそれぞれについて、ロック機構はインナーユニット410をリリースさせ、複数のアクチュエータ520のそれぞれはインナーユニット410をアウターユニット420に対して相対的に移動させたのち、ロック機構はアウターユニット420をロックさせてよい。これによって、位置調整部218は、複数のアクチュエータ520を用いて、被試験デバイス22毎にテストトレイ20上の位置を調整することができる。
ここで、デバイス撮像部216は、複数の被試験デバイス22のそれぞれについて、インナーユニット410およびアウターユニット420を撮像する。例えば、デバイス撮像部216は、被試験デバイス22の載置位置として、被試験デバイス22と、対応する基準ピン422とを撮像する。
検出部260は、撮像部が撮像した画像からインナーユニット410およびアウターユニット420の相対位置を検出する。例えば、検出部260は、撮像された画像から、図中の線d−d'で示す被試験デバイス22の中心位置と、図中の線e−e'および線f−f'で示す基準ピン422の中心位置とを抽出して、被試験デバイス22の基準ピン422からの相対位置を検出する。
図4は、本実施形態に係るハンドラ装置100および試験装置の動作フローを示す。まず、ハンドラ装置100は、テストトレイ20に被試験デバイス22を載置する(S400)。第1載置装置200は、ユーザトレイ10からテストトレイ20のインナーユニット410に、複数の被試験デバイス22を載置する。
次に、熱印加部210が有する搬入ローダは、テストトレイ20を熱印加部210にロードする(S410)。熱印加部210内において、温度制御部212は、テストトレイ20を搬入ローダから受け取って搭載し、温度制御ユニット214は、テストトレイ20上の複数の被試験デバイス22の温度を試験装置が実行する試験の温度条件と略同一の温度となるように制御する。
温度制御ユニット214は、インナーユニット410およびアウターユニット420に貫通孔が形成される場合、対応する被試験デバイス22に直接接触して加熱または冷却してよい。温度制御ユニット214は、インナーユニット410に当該貫通孔が形成されない場合は、対応する被試験デバイス22に近接するインナーユニット410の一部分に接触して加熱または冷却してよい。
次に、ソケット撮像部228は、ソケットボード120が有する複数のソケット122の実装位置を撮像し、検出部260は、ソケット撮像部228が撮像した画像に基づき、複数のソケット122のそれぞれの実装位置を検出する(S420)。ここで、ソケット撮像部228および検出部260は、温度制御ユニット214の被試験デバイス22の温度制御と並行して、ソケット122の位置検出を実行してよい。
これに代えて、ソケット撮像部228および検出部260は、温度制御ユニット214の温度制御前に、予めソケット122の位置検出を実行してよい。例えば、ソケット撮像部228および検出部260は、試験開始前にソケット122の位置検出を実行してよい。これに代えて、ソケット撮像部228および検出部260は、テスト部220内の温度が、試験温度と略同一の温度に制御されてからソケット122の位置検出を実行してよい。
次に、デバイス撮像部216は、複数の被試験デバイス22のそれぞれに対して、インナーユニット410およびアウターユニット420を撮像し、検出部260は、撮像された画像から被試験デバイス22の中心位置と基準ピン422との相対位置を検出する(S430)。ここで、検出部260は、被試験デバイス22の相対位置と、対応するソケット122の実装位置とを比較して、テストトレイ20上で位置を調整すべきか否かを検出してよい。例えば、検出部260は、被試験デバイス22の相対位置と対応するソケット122の実装位置との差が予め定められた範囲外の場合に、当該被試験デバイス22を調整すべきと判断する。
デバイス撮像部216および検出部260は、温度制御ユニット214による被試験デバイス22の温度制御が完了してから、被試験デバイス22の位置を検出してよい。これに代えて、デバイス撮像部216および検出部260は、温度制御ユニット214による被試験デバイス22の温度制御と並行して、被試験デバイス22の位置を検出してよい。
次に、ハンドラ装置100は、複数の被試験デバイス22を対応するソケット122に装着する(S440)。なお、複数の被試験デバイス22を対応するソケット122に装着するフローについては、図5で詳細を説明する。
次に、試験装置は、複数の被試験デバイス22の試験を実行する(S450)。試験装置は、複数の被試験デバイス22に対する試験を同時に実行してよい。
次に、ハンドラ装置100は、テストトレイ20をテスト部220から除熱部にロードする(S460)。ここで、駆動部226は、デバイス装着部222を駆動させてテストトレイ20を移動させ、複数の被試験デバイス22を対応するソケット122から脱着させる。
また、駆動部226は、デバイス装着部222を駆動させてテストトレイ20を搬送部240へ受け渡す。搬送部240は、受け取ったテストトレイ20を、テスト部220から除熱部230へと搬送する。温度制御部280は、除熱部230内において、複数の被試験デバイス22を予め定められた温度範囲内に制御する。
次に、第2載置装置250は、ユーザトレイ10に複数の被試験デバイス22を載置する(S470)。以上の動作フローによって、ハンドラ装置100は、ユーザトレイ10に載置された複数の被試験デバイス22を対応するソケット122に装着させ、試験装置の試験を実行させてから再びユーザトレイ10に複数の被試験デバイス22を載置する。
図5は、本実施形態に係るハンドラ装置100が被試験デバイスをソケットに装着する動作フローを示す。また、図6〜図11は、動作フローの各段階のハンドラ装置100の構成例をそれぞれ示す。
まず、位置調整部218の固定部510が、テストトレイ20に配置される複数の基準ピン422に固定される(S500)。ここで制御部270は、位置調整部218が有する可動部に接続され、位置調整部218を移動して固定部510を基準ピン422に固定してよい。図6において、本実施形態に係る固定部510が、テストトレイ20の基準ピン422に固定された段階の構成例を示す。図中の線A−A'は、図2および図3で説明した、検出部260によって検出されたソケット122の中心位置の一例を示す。
次に、ハンドラ装置100は、インナーユニット410のロックを解除する(S510)。ここで、熱印加部210は、制御部270のロック解除の指示に応じて、ロック機構を操作する操作部を有してよい。当該操作部は、制御部270の指示に応じてリリース部430に接触してリリース部430を動かし、ロックを解除させてよい。
これに代えて、テストトレイ20は、温度制御部212を介して制御部270からのロック解除の信号を受け取って、リリース部430のロックを解除させる操作部を有してよい。図7において、本実施形態に係るテストトレイ20が、テストトレイ20のインナーユニット410のロックを解除した段階を示す。
次に、アクチュエータ520は、インナーユニット410をアウターユニット420に対して相対的に移動させる(S520)。アクチュエータ520は、検出部260に検出された相対位置に基づいて、アウターユニット420に対するインナーユニット410の位置を調整する。これによって、位置調整部218は、被試験デバイス22のテストトレイ20上の位置を調整することができる。例えば、検出部260は、基準ピン422の中心位置からソケット122の中心位置までの相対位置と、基準ピン422から被試験デバイス22までの相対位置との差から、インナーユニット410の移動方向と移動距離を検出する。
即ち、検出部260は、基準ピン422の中心位置からソケット122の中心位置までの相対位置と、基準ピン422から被試験デバイス22までの相対位置とを、一致させるか、または予め定められた範囲内にする移動方向および移動距離を検出する。ここで、検出部260は、当該予め定められた範囲を、アクチュエータ520の移動誤差の範囲程度としてよい。
アクチュエータ520は、検出部260が検出した移動方向および移動距離に応じて、インナーユニット410を移動させる。図8において、本実施形態に係るアクチュエータ520が、インナーユニット410を移動させた段階を示す。図中において、アクチュエータ520は、インナーユニット410を図中の矢印方向に移動させて、ソケット122の中心位置である線A−A'と、被試験デバイス22の中心位置である線d−d'とを一致させた例を示す。
次に、ハンドラ装置100は、インナーユニット410をロックする(S530)。ここで、熱印加部210が操作部を有する場合、当該操作部は、制御部270の指示に応じてリリース部430に接触してリリース部430を動かしてロックしてよい。これに代えて、テストトレイ20は、温度制御部212を介して制御部270からのロックの信号を受け取って、リリース部430をロックさせてよい。
次に、位置調整部218は、テストトレイ20の基準ピン422の固定を外して移動する(S540)。位置調整部218は、次に調整すべき被試験デバイス22へと移動してよい。ハンドラ装置100は、複数の被試験デバイス22のそれぞれに対して、相対位置の検出および位置の調整を実行する。
ハンドラ装置100は、相対位置の検出および位置の調整を被試験デバイス22毎に実行してよく、これに代えて、複数の被試験デバイス22の相対位置の検出を実行してから、位置の調整を実行してよい。図9において、本実施形態に係る位置調整部218が、インナーユニット410の移動を終了させ、インナーユニット410のロック後にテストトレイ20から移動した段階を示す。
ハンドラ装置100は、テストトレイ20上の調整すべき複数の被試験デバイス22の調整を完了させた後に、テストトレイ20をテスト部220に搬送する(S550)。ここで、温度制御部212は、搭載したテストトレイ20を搬送部240に受け渡し、搬送部240は、受け取ったテストトレイ20をテスト部220に搬送する。搬送部240は、テスト部220内において、搬送したテストトレイ20をデバイス装着部222に受け渡す。
図10において、本実施形態に係る搬送部240が、テストトレイ20をテスト部220にロードした段階を示す。デバイス装着部222は、押付部224を用いて、それぞれの被試験デバイス22がソケット122に接続される電極面または端子面とは反対の面側から個別に加熱または冷却する。
押付部224は、インナーユニット410およびアウターユニット420に貫通孔が形成される場合、対応する被試験デバイス22に直接接触して加熱または冷却してよい。押付部224は、インナーユニット410に当該貫通孔が形成されない場合は、対応する被試験デバイス22に近接するインナーユニット410の一部分に接触して加熱または冷却してよい。
次に、デバイス装着部222は、被試験デバイス22をソケット122に装着する(S560)。押付部224は、インナーユニット410およびアウターユニット420に貫通孔が形成される場合、対応する被試験デバイス22に直接接触して当該被試験デバイス22を押してよい。押付部224は、インナーユニット410に当該貫通孔が形成されない場合は、対応する被試験デバイス22に近接するインナーユニット410の一部分に接触して押してよい。
ここで、位置調整部218が、基準ピン422を基準として、ソケット122および被試験デバイス22の中心位置を一致させているので、押付部224が、被試験デバイス22を押すことによって基準ピン422を基準ピン挿入部124に挿入すると、被試験デバイス22はソケット122に装着される。即ち、被試験デバイス22が有する複数の電極24と、対応するソケット122の複数の電極126とが電気的に接続される。図11において、本実施形態に係るデバイス装着部222が、被試験デバイス22をソケット122に装着した段階を示す。
以上の動作フローによって、ハンドラ装置100は、テストトレイ20上の複数の被試験デバイス22の対応するソケット122に対する位置を調整して、複数の被試験デバイス22を対応するソケット122に装着し、試験装置は当該複数の被試験デバイス22を試験することができる。また、ハンドラ装置100は、ユーザトレイ10上に複数の被試験デバイス22が載置されている状態から、試験装置の試験実行後、当該複数の被試験デバイス22を再びユーザトレイ10上に載置するまでの処理を、自動で実行することができる。
また、位置調整部218は、基準ピン422を基準として、複数の被試験デバイス22の位置を順次調整するので、デバイス装着部222がテストトレイ20を押し付けると、複数の被試験デバイス22は対応するソケット122に装着される。したがって、ハンドラ装置100は、数百個といった数の被試験デバイス22をソケット122に装着する場合でも、自動かつ高速に複数の被試験デバイス22を対応するソケット122に装着することができる。また、ハンドラ装置100は、被試験デバイス22、ソケット122、および基準ピン422の位置検出精度と、アクチュエータ520の移動精度とを、被試験デバイス22の電極サイズおよび電極ピッチに比べて高くすることで、微細な電極構造を有する被試験デバイス22を対応するソケット122に装着することができる。
図12は、本実施形態に係る位置調整部218の第1変形例を、テストトレイ20および温度制御部212と共に示す。また、図13は、本実施形態に係る位置調整部218の第1変形例が、テストトレイ20のアウターユニット420の基準ピン422に固定された段階を示す。本変形例の位置調整部218において、図3に示された本実施形態に係る位置調整部218の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。
テストトレイ20は、リリースピン424を更に備える。リリースピン424は、アウターユニット420のフレームに設けられ、インナーユニット410をリリースする場合に位置調整部218により押される。リリースピン424は、弾性を有するバネ等を介してアウターユニット420に設けられてよく、位置調整部218に押されている間、インナーユニット410をリリースしてロックを解除してよい。
本実施形態に係るリリース部430は、リリースピン424が押された場合に、インナーユニット410の押さえ付けを解除する。図中において、リリースピン424とリリース部430とが、一体に形成される例を示す。
また、本実施形態に係る温度制御部212は、位置決めピン挿入部622を更に備える。位置決めピン挿入部622は、テストトレイ20上の複数の基準ピン422からの相対的な距離と方向が予め定められた位置に備わってよい。位置決めピン挿入部622は、温度制御部212のテストトレイ20が搭載される面側に複数備わり、位置調整部218の位置を決める。位置決めピン挿入部622は、位置調整部218がテストトレイ20の行方向または列方向に配列された複数の被試験デバイス22の位置を調整する場合に、当該行および列毎に備わって位置調整部218の位置を決めてよい。
本実施形態に係る位置調整部218は、基準ピン挿入部512と、ピン押し部514と、基体部610とを有する。基準ピン挿入部512は、基準ピン422が挿入される。基準ピン422が基準ピン挿入部512に挿入されると、固定部510は、基準ピン422に固定される。ピン押し部514は、位置調整部218がインナーユニット410またはアウターユニット420と嵌合したことに応じてリリースピン424を押してよい。これによって、リリース部430は、インナーユニット410のロックを解除する。
基体部610は、固定部510およびピン押し部514を固定する。また、基体部610は、基体部610に対してXYZおよびθ方向に可動するアクチュエータ520を備える。基体部610は、位置決めピン612と、バネ部614と、駆動部710と、駆動部720とを有する。
位置決めピン612は、温度制御部212の位置決めピン挿入部622に挿入され、テストトレイ20の基準ピン422と基体部610との位置を決める。即ち、位置決めピン612が位置決めピン挿入部622に挿入されると、対応するテストトレイ20の基準ピン422が基準ピン挿入部512に挿入されて固定部510が固定される。即ち、制御部270は、調整すべき被試験デバイス22に応じて、位置調整部218の位置決めピン612を対応する位置決めピン挿入部622に挿入すれば、当該被試験デバイス22に対応するアウターユニット420の基準ピン422に固定部510を固定することができる。
バネ部614は、基体部610と固定部510との間に備わり、固定部510がアウターユニット420と接触して嵌合する場合の衝撃等を吸収する。また、バネ部614は、固定部510がアウターユニット420と嵌合する場合に、固定部510を押し込む強度を調節する。バネ部614は、リリースピン424が有するバネ等に比べて小さいバネ定数を有する。
駆動部710は、基体部610をXY方向に移動させる。駆動部710によるXY方向の移動と、温度制御部212のZ方向の移動によって、位置調整部218は、テストトレイ20上の複数の被試験デバイス22の位置を調整することができる。また、駆動部710は、基体部610をθ方向および/またはZ方向に移動させてもよい。駆動部710は、制御部270に接続されて、制御部270に基体部610の移動を指示されてよい。
駆動部720は、ピン押し部514に接続され、当該ピン押し部514を移動させる。駆動部720は、ピン押し部514をテストトレイ20方向に移動させて、リリースピン424を押し、インナーユニット410のロックを解除させる。また、駆動部720は、ピン押し部514をテストトレイ20から離間する方向に移動させて、インナーユニット410のロックを解除させる。以上の本実施形態に係る位置調整部218の第1変形例によれば、調整すべき被試験デバイス22に対応する基準ピン422に、固定部510を精度よく固定することができる。
図14は、本実施形態に係る位置調整部218の第2変形例を、テストトレイ20および温度制御部212と共に示す。本変形例の位置調整部218において、図3、図12、および図13に示された本実施形態に係る位置調整部218の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。
本変形例に係るテストトレイ20は、リリースピン424と、リリース部430とを個別に備える。また、本変形例において、テストトレイ20がアウターユニットの機能を有し、インナーユニット410をロックする例を示す。リリースピン424は、テストトレイ20に設けられ、インナーユニット410をリリースする場合に位置調整部218により押される。リリース部430は、リリースピン424が押された場合に、インナーユニット410の押さえ付けを解除する。リリース部430は、弾性を有するバネ等を介してテストトレイ20に設けられてよく、位置調整部218にリリースピン424が押されている間、インナーユニット410をリリースしてロックを解除してよい。
これによって、テストトレイ20は、リリースピン424およびリリース部430の設計自由度を増すことができる。また、テストトレイ20は、リリースピン424が押された強度を、てこ等の部品を介してリリース部430に伝えるので、位置調整部218がリリースピン424を押すべき強度の設計自由度を増すことができる。本変形例において、テストトレイ20がアウターユニットの機能を有する例を説明したが、これに代えて、テストトレイ20は、アウターユニットを有してもよい。
図15は、本実施形態に係る位置調整部218の第3変形例を、テストトレイ20および温度制御部212と共に示す。図16は、本実施形態に係る位置調整部218の第3変形例が、テストトレイ20のアウターユニット420の基準ピン422に嵌合された段階を示す。本変形例の位置調整部218において、図3、図12、および図13に示された本実施形態に係る位置調整部218の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。
本実施形態に係る位置調整部218は、アウターユニット420を移動して、複数の被試験デバイス22の対応するソケット122に対する位置を調整する。即ち、固定部510は、インナーユニット410に固定される。また、アクチュエータ520は、基準ピン挿入部512を有し、アウターユニット420を移動させる。また、本実施形態に係る駆動部720は、アクチュエータ520に接続され、当該アクチュエータ520を移動させる。
例えば、位置決めピン612が位置決めピン挿入部622に挿入されると、対応するテストトレイ20の基準ピン422が基準ピン挿入部512に挿入され、アクチュエータ520は、アウターユニット420と嵌合する。また、固定部510は、インナーユニット410に固定される。ここで、インナーユニット410は、被試験デバイス22を介して温度制御ユニット214と固定部510とに挟まれて固定されてよい。
ここで、駆動部720は、アクチュエータ520をテストトレイ20の方向に移動させ、基準ピン挿入部512を介して基準ピン422を押す。これによって、リリース部430は移動して、インナーユニット410とアウターユニット420との間のロックが解除される。
アクチュエータ520は、ロックが解除されたことに応じて、アウターユニット420を移動させる。アクチュエータ520がアウターユニット420の移動を完了させた後に、駆動部720は、アクチュエータ520をテストトレイ20とは反対方向に移動させてインナーユニット410とアウターユニット420とをロックさせる。
以上の本実施形態に係る位置調整部218の第3変形例によれば、テストトレイ20は、リリースピン424を備えなくてよく、また、位置調整部218は、ピン押し部514を備えなくてよい。即ち、位置調整部218は、簡便な構成で複数の被試験デバイス22の位置を調整することができる。
図17は、本実施形態に係る位置調整部218の第4変形例を、テストトレイ20および温度制御部212と共に示す。図18は、本実施形態に係る位置調整部218の第4変形例が、テストトレイ20のアウターユニット420の基準ピン422に嵌合された段階を示す。本変形例の位置調整部218において、図15および図16に示された本実施形態に係る位置調整部218の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。
本実施形態に係る位置調整部218は、上述の位置調整部218の第3変形例と同様に、アウターユニット420を移動して、複数の被試験デバイス22の対応するソケット122に対する位置を調整する。本実施形態に係る位置調整部218は、バネ部614に比べてバネ定数の大きいバネ部522を更に備える。また、固定部510は、当該バネ部522が縮むことで移動し、アクチュエータ520との相対位置が変化する。一例として、固定部510は、バネ部522が縮むと、テストトレイ20から離間する方向に移動する。
上述の位置調整部218の第3変形例と同様に、位置決めピン612が位置決めピン挿入部622に挿入されると、対応するテストトレイ20の基準ピン422が基準ピン挿入部512に挿入され、アクチュエータ520は、アウターユニット420と嵌合する。
ここで、位置決めピン612が位置決めピン挿入部622に更に深く挿入されると、バネ定数の小さいバネ部614が縮んで、固定部510は、インナーユニット410に固定される。更に位置決めピン612が位置決めピン挿入部622に更に深く挿入されると、バネ部614の弾性力とバネ部522の弾性力とが同程度になり、バネ部522も縮むので、固定部510は、アクチュエータ520と比べてテストトレイ20から離間する方向に移動する。
即ち、アクチュエータ520は、基準ピン挿入部512を介して基準ピン422を押すことになり、リリース部430が移動してインナーユニット410とアウターユニット420との間のロックが解除される。これによって、アクチュエータ520は、アウターユニット420を移動させることができる。また、アクチュエータ520がアウターユニット420の移動を完了させた後に、位置決めピン612を位置決めピン挿入部622から離間させることで、インナーユニット410とアウターユニット420とをロックさせることができる。
以上の本実施形態に係る位置調整部218の第4変形例によれば、駆動部を一つにすることができる。即ち、位置調整部218は、より簡便な構成で複数の被試験デバイス22の位置を調整することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。