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JP5831673B2 - 空間表面の殺菌方法 - Google Patents

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JP5831673B2 JP2010012556A JP2010012556A JP5831673B2 JP 5831673 B2 JP5831673 B2 JP 5831673B2 JP 2010012556 A JP2010012556 A JP 2010012556A JP 2010012556 A JP2010012556 A JP 2010012556A JP 5831673 B2 JP5831673 B2 JP 5831673B2
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Description

本発明は、飲料、食品等の無菌充填ラインへの衛生的なボトル等の容器製造、医療製造工場等の無菌化あるいは清浄化が要求される空間における殺菌剤による空間表面の殺菌方法に関する。
飲料、食品等の無菌充填への衛生的なボトル等の容器製造、医療製造工場などにおいては、容器、或いは製品が直接あるいは間接的に接触する製造設備室内の表面等(以下、これらをまとめて空間表面という)については、常に高度な清浄化が必要とされる。空間表面殺菌技術は、特に無菌充填への衛生的なボトル等の容器製造等においては欠かせない技術で、古くて新しい技術であり、従来から種々の方法が提案されているが未だ決定的な技術に至ってなく、製造現場において常に克服しなければならない重要な技術課題の一つとなっている。その理由は、空間表面殺菌技術は、一見単純そうに見えるが、(1)所望の殺菌効果を得るための殺菌対象菌に応じた適正な殺菌剤の選択、(2)作業者の健康、環境に対する影響、(3)殺菌設備のコスト、(4)人件費等のコスト、(5)殺菌時間等製造ラインの効率に対する影響、(6)製品に対する影響等を考慮し、それらを全て満足することが要求されるが、従来の空間表面殺菌技術は一長一短あり全ての条件を満足する方法は未だ提案されていない。
前記(1)〜(6)の観点から従来技術を検討すると、空間表面殺菌方法の一つとして、アルコールなどの殺菌剤を布等に浸漬させてその布で拭き取る方法が用いられているが、アルコール殺菌剤は、一般殺菌に対しては効力があるが芽胞菌には効力が及ばないという問題があり、殺菌対象物によって前記(1)の問題が生じる。またこの方法は、空間が広い場合には拭き取り工程に長時間を要し、人件費も多くかかる反面、狭い微小空間表面は十分な拭き取りが困難であり、前記(4)(5)の面でも問題がある。
一方、芽胞菌に対する殺菌剤として、過酸化水素水あるいは過酢酸水溶液が従来から用いられている。従来表面殺菌に用いられている過酸化水素としては一般に35%の過酸化水素水であり、殺菌方法としては、無菌チャンバー内で35%過酸化水素水溶液と無菌エアーを二流体ノズルより噴射後、加熱無菌エアーを30分間送り込み、殺菌剤を蒸発により除去する方法(特許文献1)、あるいは、同じく35%過酸化水素水を気化させて凝縮した過酸化水素のミストを室内に強制的に充満させて攪拌する方法(特許文献2〜4参照)、処理空間内に過酸化水素水の気化ガスを充満させる方法(特許文献5、6)等が提案されている。
しかしながら、この場合、35%の高濃度な過酸化水素水を用いるため、それが皮膚にふれると激しい炎症が起きるため、防護服・防護メガネ・マスクなどの装備をし、噴霧乾燥するまで待つ必要がある。したがって、その場合は、前記(2)及び(5)の問題があると共に、気化した殺菌剤が殺菌対象表面に十分接触し、かつ外部に漏れないためには殺菌空間は高度にシールドされた密封空間設備を必要とし、かつ気化した排ガスを無害化する排ガス処理装置を必要とし、膨大な設備投資を要し、前記(3)の面でも克服しなければならない問題点がある。そのため、従来空間表面殺菌として、前記のように噴霧した殺菌剤を気化させて殺菌する方法が種々提案されているが、ガス化した高濃度の殺菌剤に対する防御対策に高コストの設備を必要とするため、従来殆ど実用化されておらず、薬剤による空間殺菌は殺菌剤水溶液を直接殺菌対象物に噴射又は噴霧し、その後無菌水等で洗浄する方法が一般的に採用されている。しかし、その場合、湿った状態をきらう殺菌対象物には適用できず、また殺菌効率も悪く大量の殺菌剤及び洗浄水を必要とする等の問題点がある。また、単に殺菌剤を付着させて殺菌剤を自然乾燥させる場合は、完全な除去に長時間を要し、前記(5)(6)の問題が発生する。
特開平1−267131号公報 特開平5−65148号公報 特開2002‐193220号公報 特開2006−248617号公報 特開2006−288647号公報 特開2006−288624号公報
そこで、本発明は、従来の空間表面の殺菌方法における前記(1)〜(5)の問題点を解決できるような空間殺菌方法を提供しようとするものであり、殺菌時間・労力を少なくし、かつ人体に安全で芽胞菌殺菌にも有効で、しかも高価な過酸化水素水ガス装置等を用いる必要がなく、殺菌空間の高度なシールドを必要とせず、膨大な設備投資を必要とせず、安価な設備で効率的に空間表面殺菌ができる空間表面殺菌方法を提供することを目的とする。
本発明者は、前記問題点を解決するために、鋭意研究した結果、従来の空間表面の殺菌方法の常識では考えられなかった低濃度の殺菌剤を微粒化して空間表面に付着後、乾燥(風乾)させることにより、殺菌効果が従来の高濃度の殺菌剤を使用する場合と比べても遜色なく、しかも短時間に安全に殺菌できることを見出し本発明に到達したものである。
即ち、前記課題を解決する本発明の空間表面の殺菌方法は、容器製造設備の殺菌空間の表面を殺菌する方法において、1〜10重量%濃度の過酸化水素水溶液又は0.01〜0.1重量%濃度の次亜塩素酸水溶液の何れかに調整した常温の殺菌剤を微粒化して前記殺菌空間の表面に1〜3mg/cm付着させた後、エアーを送風して陽圧環境下で前記殺菌剤を乾燥させてなり、前記殺菌空間の湿度を20〜60%RH、温度を25〜50℃、乾燥時間を30〜60分に組み合わせて前記殺菌剤が乾燥する条件を調整することを特徴とするものである。
本発明によれば、低濃度に調整した殺菌剤を微粒化して殺菌空間の殺菌対象面に付着、乾燥させることにより、人体に直接触れても影響なく、環境への影響も少なく、殺菌空間をシールドして密閉空間にする必要もなく空間表面を殺菌できる。
前記低濃度殺菌剤として、1〜10重量%濃度の過酸化水素水溶液、又は0.01〜0.1重量%濃度の次亜塩素酸水溶液の何れかを採用できる。従来の空間表面の殺菌に使用する殺菌剤は、例えば過酸化水素水溶液の場合35%であるのに比べて、本発明では桁違いに低い濃度で空間殺菌が可能となった。前記殺菌剤の微粒化は、常温で前記殺菌剤とエアーを混合することにより行なうことが望ましく、例えば気液二流体噴霧ノズルを使用する微細化法、超音波振動による微細化法等により常温での微粒化が達成できる。また、前記殺菌剤の微粒化では、平均粒子径を1〜500μm、好ましくは1〜100μm、より好ましくは1〜30μmとすることが好ましい。平均粒子径が1μmより小さいと、殺菌対象面に付着しにくいために殺菌効果がなく、平均粒子径が500μmより大きいと、粒子同士が繋がって膜を形成する箇所が出てくるなど殺菌剤が乾燥しにくくなってしまうため、殺菌効果があがらなくなってしまうため、好ましくない。
前記殺菌剤の乾燥は、エアーを送風して陽圧環境下で行なう、いわゆる風乾が望ましく、陽圧環境化で行なうことにより殺菌空間に外部からの菌の流入を防ぐことができると共に、殺菌表面に熱的影響を与えることなく、短時間で効率的に乾燥させることができる。また、このように、殺菌対象表面に付着させた殺菌剤を強制乾燥させることにより、殺菌剤を付着させて自然に乾燥させる場合に比べて殺菌効果が高くなり、低濃度であっても殺菌効果が高く芽胞菌も短時間で殺菌できる。
前記殺菌空間の表面の乾燥に用いるエアーは、無菌化されていることが好ましい。殺菌空間の対象物や殺菌対象となる菌によっては、乾燥に用いるエアーは無菌化されている必要はないが、無菌化されたエアーを用いることにより、外部からの新たな汚染菌の進入を最小限にすることができる。
前記殺菌空間の表面における殺菌剤の付着量を1〜3mg/cmとすることが好ましい。このように殺菌空間の表面に適量の殺菌剤を付着させることにより、より効果的に殺菌効果を上昇させることができる。
殺菌剤の容器製造設備の殺菌空間の表面の乾燥を効率的に行なうには、前記殺菌空間の湿度及び温度、乾燥時間を調整して行うことが好ましい。殺菌空間の周囲環境の湿度及び温度を調整することにより、容器製造設備の殺菌空間の表面の乾燥を早めることができる。例えば、前述した衛生的なボトルの容器製造においては、ブロー成形に供給するプリフォーム殺菌、或いは延伸ブロー成形工程の殺菌のように乾燥状態が求められる物品の場合は、容器製造設備の殺菌空間の表面の乾燥を早めると共に、物品をドライ状態で次工程に送ることができ、より効果的である。各条件の相互関係については実験例にて後述するが、殺菌空間の湿度は20〜60%RH、温度は25〜50℃、乾燥時間は30〜60分の範囲内に調整することが好ましい。これらの調整により、適正な殺菌効果を得ることができると共に、短時間に殺菌ができ、特に製造ラインにおいては効率化を図ることができる。
また、前記殺菌空間の表面が、ボトルを延伸ブロー成形するためのプリフォーム供給ライン、及びプリフォーム加熱、延伸ブロー成形、ボトル検査といった延伸ブロー成形工程における前記容器製造設備の表面である場合、プリフォームの殺菌や衛生的なボトルの製造が可能となり、この衛生的なボトルの飲料等をオンラインで無菌充填ラインへ供給することが可能となる。
前記課題を解決する本発明の空間表面の殺菌方法は、殺菌空間に噴霧する殺菌剤の微粒化手段(後述する図1の3)、殺菌空間に供給する外気の無菌化手段、及び殺菌空間の湿度、温度のコントロールを行う空調手段から成り、前記微粒化手段により微粒化された殺菌剤の乾燥を陽圧雰囲気下で行うことを特徴とする空間表面殺菌システムによって効果的に達成することができる。陽圧雰囲気条件としては、1〜100paが好ましい。この空間表面の殺菌システムによれば、安価な設備で、効率的に確実に空間表面の殺菌を行うことができる。
前記殺菌空間と空調手段の間に排気処理手段を配設することにより、殺菌空間の外気による陽圧、及び殺菌剤の濃度コントロールを容易に行うことができる。また、前記排気処理手段が殺菌剤分解手段を有することにより、殺菌空間から排出される殺菌剤を分解・除去し、大気中に排気、或いは空調手段を介して循環して前記殺菌空間に供給することが可能となる。
前記殺菌空間に供給する外気の無菌化手段に、殺菌剤の微粒化手段(後述する図1の4)を設け、前記無菌化手段へ殺菌剤を噴霧することにより、前記無菌化手段の無菌状態を容易に保持することができる。前記微粒化手段(図1の3、4)に供給する外気の浄化手段を設けることにより、殺菌空間に噴霧する殺菌剤、及び又は殺菌空間に供給する外気の無菌化手段のより一層の無菌化が可能となる。前記微粒化手段は、殺菌剤とエアーの二流体噴霧ノズルとすることにより殺菌剤の微粒子化、空間表面への付着が容易に行われる。
本発明の空間表面の殺菌方法によれば、従来のエタノール拭き取り殺菌方法に比べ作業員及び工数を大幅に低減させることが可能であり、かつアルコール殺菌では除菌不可能な芽胞菌に対しても2D以上の殺菌効果を奏し、しかも従来の殺菌剤濃度と比べて特段に低濃度で十分な殺菌効果が得られ、高濃度殺菌剤を使用する場合に発生する前記問題点を悉く解決することができる。即ち、殺菌剤として、極めて低濃度の殺菌剤を使用することができるので、その分殺菌剤のコストを低減できると共に、人体や環境への影響も低減でき、取扱いが容易であり、従来最も課題となっていた外気との流通を遮断するための密封空間形成のための設備投資を不要とし、簡単な設備でできる。また、乾燥は風乾により行なうことができ、しかも陽圧化で行なうことにより、外部から新たな汚染菌の進入を防ぎつつ乾燥させることができる。
本発明の空間表面の殺菌方法を適用する装置の模式図である。 テストピースに過酸化水素水を噴霧した状態の拡大写真である。 クリーンベンチでの風乾試験における経過時間と雰囲気中の過酸化水素ガス濃度の関係を示すグラフである。
以下、図面を基に本発明の空間表面の殺菌方法及び空間表面の殺菌システムの実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る空間表面の殺菌方法及び空間表面の殺菌システムを示すブロック線図である。
本システムは、殺菌空間に噴霧する殺菌剤の第1微粒化手段、殺菌空間に供給する外気の無菌化手段、及び殺菌空間の温度、湿度のコントロールを行う空調手段から成り、前記殺菌空間の陽圧雰囲気下で前記第1微粒化手段により微粒化されて空間表面に付着した殺菌剤の乾燥を行うことを特徴とし、殺菌剤噴霧工程、殺菌剤の乾燥・殺菌工程を有している。
殺菌剤噴霧工程としては、装置等の殺菌対象物1が配置されている殺菌空間2を囲い(非密閉)、前記殺菌剤の第1微粒化手段である二流体噴霧ノズル3より低濃度の殺菌剤水溶液を微粒子化して噴霧する。前記二流体噴霧ノズル3は、例えば公知のエアアシスト内部混合スプレーノズルが採用でき、エアー(外気)供給路10及び殺菌剤水溶液供給路11に接続され、加圧状態で供給された殺菌剤水溶液とエアーが混合されて殺菌剤水溶液を微細粒化して噴霧する。該第1二流体噴霧ノズル3は、図では1個しか示されていないが、殺菌空間に満遍なく噴霧されるように複数個設置することが好ましい。また、第1二流体噴霧ノズル3は、自動化機能を有しているのが好ましく、角度を変えることができ、殺菌空間に殺菌剤の微細化粒子を均一塗布できるノズルが好ましい。また、第1二流体噴霧ノズル3に供給するエアー(外気)は、浄化手段であるカートリッジフィルター8のフィルターを通して清浄化されていることが好ましい。
一方殺菌剤の乾燥・殺菌工程は、外気(エアー)を殺菌空間2に供給して行われるが、殺菌空間2の外に配置されたフィルターユニット5、空調手段6、排気処理手段7を用いて行われる。
乾燥・殺菌に用いる外気(エアー)は、無菌化手段であるフィルターユニット5を介して殺菌空間2に供給される。このフィルターユニット5は、図示しないが、外層側からプレフィルター、中性能フィルター、高性能フィルター、あるいはプレフィルター、中性能フィルター、超高性能フィルターで構成されたフィルター層を組み込むことが好ましい。これらフィルター層を介することによりエアーは無菌化され、殺菌空間2に入気される。また、本実施形態ではフィルターユニット5の上部には、前記フィルター層のうち、最外層のフィルターの入気面と接する表面に、前述した第1微粒化手段である二流体噴霧ノズル3と同様な殺菌剤の第2微粒化手段である第2二流体噴霧ノズル4を配置し、殺菌剤を微粒子化して最外層のフィルターに噴霧するようにしている。殺菌剤を満遍なく噴霧し殺菌するためには、前記第2二流体噴霧ノズル4を複数個配置することが好ましい。このように、最外層のフィルターの殺菌を行うことにより、フィルターユニット5の外気等による細菌汚染を防止する。
前記フィルターユニット5、殺菌空間2、空調手段6、排気処理手段7との間には、図1に示すように、フィルターユニット5を介して殺菌空間2に供給されたエアーの循環経路12、13、14が形成されている。循環経路12は、殺菌空間2から空調手段6に連通する分岐経路12−1と排気処理手段7に連通する分岐経路12−2に分岐している。フィルターユニット5を介して殺菌空間2に供給されたエアーは、循環経路12、13、14を介して空調手段6、排気処理手段7へと後述するように選択的に送られて循環できるようになっている。
空調手段6は、湿度と温度をコントロールすると共に送風するための機能を有し、排気処理手段7は、殺菌空間2に入気されるエアーの入気量に対する排気量と殺菌空間2の陽圧化をコントロールすると共に、エアー中の殺菌剤濃度をコントロールする機能を有する。また、前記排気処理手段7は殺菌空間2と空調手段6と連通して設置されており、エアー中の殺菌剤を分解・除去する殺菌剤分解手段を有することが好ましく、この場合、殺菌空間2から排出される排気中の殺菌剤を分解して除去し、大気中に排気、或いは循環経路13、14を介して空調手段6・フィルターユニット5を経由して循環して前記殺菌空間に供給される。前記殺菌剤分解手段としては、例えばセラミックに触媒として金属を混合したもの等エアー中の殺菌剤を分解・除去する公知の殺菌剤分解手段が採用できる。
エアーは、殺菌剤噴霧直後からフィルターユニット5を介して外気(エアー)を入気しはじめ、乾燥・殺菌工程を開始することが好ましい。殺菌剤の噴霧完了後にエアーを供給することで、風の影響を受けることなく殺菌空間2に殺菌剤を満遍なく噴霧することが可能となる。そして、殺菌空間2中の殺菌剤濃度が高い場合は排気処理手段7から空調手段6を介してフィルターユニット5に戻し、再度殺菌空間2を乾燥・殺菌させるために入気することが好ましい。このような経路を取ることにより、常に外気(エアー)を入気して排出するよりもフィルター層を長く使用することができるためランニングコストを抑えることができる。また、排気処理手段7の殺菌剤分解手段のランニングコストを抑えるためには、殺菌空間2から空調手段のみを循環させてもよい。この場合においても、乾燥・殺菌工程終了前には上記排気処理手段7を介することが好ましい。従って、本システムにおける殺菌空間のエアー循環経路の組み合わせは、(1)殺菌空間2→排気処理手段7→空調手段6→フィルターユニット5→殺菌空間2、(2)殺菌空間2→空調手段6→フィルターユニット5→殺菌空間2、(3)殺菌空間2→排気処理手段7→排気の3経路があり、殺菌剤噴霧工程中はこれらの循環経路を全て停止させ、乾燥・殺菌工程中はこれの経路を適宜組合せてエアーの循環・排気を制御することにより、より効率的に殺菌空間の乾燥・殺菌を行うことができる。尚、排気処理手段が殺菌剤分解手段を有する場合は、殺菌空間2を密閉すると良い。
さらに、前記第1二流体噴霧ノズル3及び第2二流体噴霧ノズル4に供給するエアー(外気)は、浄化手段であるカートリッジフィルター8のフィルターを通して清浄化することが好ましく、殺菌空間2に噴霧する殺菌剤、及び殺菌空間2に供給する外気の無菌化手段であるフィルターユニット5のより一層の無菌化が達成される。
尚、前記殺菌剤の微粒子化は二流体噴霧ノズル以外に、超音波振動による微細化法など、殺菌剤とエアーを混合・付着が可能であれば良い。また、乾燥に用いるエアーは、殺菌空間2の環境や殺菌対象となる菌種により必ずしも無菌化されてなくても良く、この場合、前記フィルターユニット5やカートリッジフィルター8は不要である。
また、本発明の空間表面の殺菌方法の他の形態としては、殺菌剤水溶液とエアー(外気)を取り込む機構を備え、二流体噴霧ノズルによって薬剤を噴霧する小型化した薬剤噴霧装置を用いて、殺菌剤を殺菌空間に噴霧しても良い。このように小型化した殺菌剤噴霧装置を用いることにより、空間殺菌内の殺菌対象表面に対して柔軟に対応した殺菌を行うことができる。
実験例
[実験例1]
本発明者は、過酸化水素水溶液の噴霧後の気化乾燥方法による空間表面の殺菌方法において、過酸化水素水溶液の濃度と殺菌効果の関係を確認するために次の実験を行なった。
表1に示すように、0.1重量%,0.3重量%,1重量%,3重量%,10重量%,30重量%と濃度が異なる6種類の過酸化水素水溶液を調整した。10mm×10mmのアルミニウム板の片面に供試菌Bacillus subtilisを植菌・乾燥して試験片(テストピース)とし、前記調整した過酸化水素水溶液を試験片から100mm離れた距離からアトマイザーで2回噴霧して付着させた。殺菌剤の微粒子径は、1〜30μmの範囲で、付着量は1mg/cmとした。図2はテストピースの拡大写真であり、粒状に見えるものが殺菌剤である。図2で示すように、テストピースには過酸化水素水溶液が過不足なく満遍に付着していることが観測された。それをクリーンベンチ内で温度35℃、湿度60%RH雰囲気で風乾により30分(乾燥状態を目視で確認)乾燥させた。その後、それらのテストピースをデキストローストリプトンブロス培地に浸漬して、35℃で7日間培養して、殺菌効果を確認した。その結果を表1に示す。
本実験例の結果から、過酸化水素水溶液濃度を従来にみられる高濃度の30重量%以上にしなくても、過酸化水素水溶液濃度1重量%以上であれば、供試菌であるBacillus subtilis芽胞へ殺菌効果2D(殺菌率99%)以上を確認でき、実用的に採用可能な十分な殺菌ができた。なお、0.1重量%、0.3重量%では生残菌があり、十分な殺菌効果は認められなかった。
[実験例2]
さらに、過酸化水素水溶液噴霧による殺菌中の作業者への安全を確認するため、風乾中の過酸化水素ガス濃度を測定する次の実験を行なった。
噴霧場所:クリーンベンチ(AIR TECH製)の作業台
吹出速度:約0.45m/sec
大きさ: 1,260mm×650mm
過酸化水素濃度: 3重量%
実験方法:クリーンベンチ作業台全体に3重量%過酸化水素水溶液を1mg/cmの付着量になるよう、作業台から100mmの距離から斜めに噴霧後(作業台一面に殺菌剤が均一に噴霧された状態を目視で確認)、風乾させ、過酸化水素濃度測定器(ドレーゲル)を作業台におき、30秒ごとにクリーンベンチ内雰囲気中の過酸化水素ガス濃度を記録した。
乾燥条件:クリーンベンチの前扉を閉じ乾燥(湿度60%RH、温度28℃)
過酸化水素水溶液噴霧後の経過時間と過酸化水素ガス濃度の測定結果を図3に示す。クリーンベンチ内雰囲気の過酸化水素ガス濃度は、時間と共に増加・減少し、噴霧後36分で0ppmになり、略乾燥した。ACGIH(米国産業衛生専門者会議)やOSHA(米国労働安全衛生庁)が提案している「TWA(時間加重平均許容暴露限界)」は1ppmであり、本実験による過酸化水素水溶液の乾燥後の濃度はこの規約内に入っているため、人体に触れても影響を与えることはない。
また、図3に示すように、乾燥中のクリーンベンチ内雰囲気中の過酸化水素ガス濃度は、最大18ppmまで増加している。NIOSH(米国国立労働安全衛生研究所)やOSHA(米国労働安全衛生庁)が提案している過酸化水素の「IDLH(脱出限界濃度)」は75ppmであり、本実験での最大濃度IDLHの1/4以下である。仮に過酸化水素水噴霧濃度が10重量%であってもIDHL以下であるが、安全を期するためには、乾燥中は噴霧場所に立ち入らず、また、噴霧時は、マスク、保護メガネなどの保護具をすることが好ましい。
さらに、過酸化水素水溶液噴霧、風乾後に残留する過酸化水素濃度の確認を行った。噴霧箇所は[実験例2]と同じ条件のクリーンベンチ内で、噴霧する過酸化水素水溶液濃度を10重量%とした。
残留濃度測定方法:噴霧した過酸化水素水溶液を乾燥後、作業台(噴霧表面)にイオン交換水5mlを滴下し、前記イオン交換水中の残留過酸化水素濃度を残留過酸化水素濃度測定器(リフレクトクワント)で測定した。
その結果を表2に示す。
表2に示すように、10重量%過酸化水素水溶液を噴霧・乾燥後の噴霧表面に残留する過酸化水素濃度は0.1ppmであった。FDA(米国)では、過酸化水素の残留基準について、製造条件下で充填・密封した蒸留水の直後の分析で、過酸化水素は0.5ppm以上でないことと定めているため、本実験結果はその条件を満たしている。
これら噴霧中・乾燥後の過酸化水素濃度の結果から、本実験によれば、10重量%過酸化水素水溶液を用い殺菌した場合においても、乾燥殺菌環境中に立ち入らなければ、殺菌環境を密閉しなくても人体に影響を及ぼすことがなく、安全であることが確認された。
[実験例3]
薬剤の種類による殺菌効果を得るための有効濃度を確認する実験を行なった。
噴霧液: 過酸化水素水溶液、過酢酸水溶液、次亜塩素酸ナトリウム水溶液
供試菌: Bacillus subtilis
方法 : 10mm×10mmのアルミ板(試験片)の片面に供試菌を植菌し乾燥した各試験片に上記各薬剤をそれぞれ噴霧して1mg/cm付着させて乾燥後、試験片を培地に浸漬し、培養した。尚、薬剤の乾燥状態は、目視で確認した。
乾燥条件:クリーンベンチの前扉を閉じ乾燥(湿度60%RH、温度25℃)
乾燥時間:30分
培養条件:デキストローストリプトンブロス培地、35℃培養
その結果を表3に示す。
本実験例の結果から、過酸化水素水溶液は薬剤濃度1〜10重量%、過酢酸水溶液は0.1〜1重量%、次亜塩素酸水溶液は0.01〜0.1重量%の濃度で所望の殺菌効果が得られることが確認された。
尚、薬剤量の削減及び、より一層の人体への影響を加味すると、過酸化水素水溶液は薬剤濃度1〜5重量%、過酢酸水溶液は0.1〜0.5重量%、次亜塩素酸水溶液は0.01〜0.05重量%の範囲の濃度を選択することが好ましい。
過酸化水素水溶液に関しては、6重量%を超えると「医薬用外劇物」に該当するため、この点からも、5重量%以下のより低濃度に調整することが好ましい。
[実験例4]
殺菌剤の濃度、付着量と殺菌効果・乾燥状態の関係を確認した。
殺菌剤 :過酸化水素水溶液
(濃度:1重量%,3重量%,5重量%,10重量%)
供試菌 :Bacillus subtilis
方法 :10mm×10mmのアルミニウム板(試験片)の片面に供試菌を植菌し、試験片に薬剤の付着量を変えて噴射し、時間を変えて乾燥後、試験片を培地に浸漬し培養した。尚、薬剤の乾燥状態は、目視で確認した。
乾燥条件:クリーンベンチの前扉を閉じ乾燥(湿度60%RH、温度25℃)
培養条件:デキストローストリプトンブロス培地、35℃培養
その結果を表4に示す。
実験例4によれば、表4から明らかなように、薬剤濃度が1重量%、3重量%、5重量%、10重量%のいずれの場合も、付着量が1mg/cm、3mg/cmは乾燥時間30分で乾燥し、供試菌の99%が死滅していることが確認された。しかしながら、付着量が10mg/cmは30分以内では乾燥せず、殺菌効果はむしろ低下していることがわかる。このことは、殺菌効果は乾燥状態の影響が大きく、付着量が多くても乾燥しておらず湿っている状態では、殺菌効果が上昇しないことが推察される。したがって、殺菌効果を上昇させるためには適量の付着量で乾燥させることが有効であることが分かる。
本実験例では、1〜10重量%の低濃度の過酸化水素水溶液を噴霧し、付着量1〜3mg/cmという極めて少ない薬剤の付着量で、30分乾燥させることで芽胞菌である供試菌の99%が死滅し、かつ殺菌対象物の表面を乾燥させることができた。そのことは、人体や環境に弊害をもたらさない低濃度の薬剤で、かつ少量の付着量で殺菌効果を挙げることができ、30分という短時間での乾燥が可能であることが確認された。
[実験例5]
次に、殺菌空間の湿度が空間表面の乾燥状態に及ぼす影響を確認するために、1重量%濃度の過酸化水素水溶液を使用して、付着量と湿度を変えて乾燥状態を確認した。
方法:10mm×10mmのアルミ板(試験片)の片面に、1重量%濃度の過酸化水素水溶液を噴霧して乾燥させ、目視で乾燥状態を確認した。
乾燥条件:クリーンベンチの前扉を閉じ乾燥(温度28℃)
乾燥時間:30分
その結果を表5に示す。
本実験例5の結果から空間の湿度と殺菌剤の乾燥状態とは相関関係があり、湿度が低いほど乾燥しやすく、前記実験例4で述べた付着量1〜3mg/cmを30分で乾燥させるためには、湿度は20〜60%RHに調整する必要があることがわかる。したがって、付着量1〜3mg/cmの場合、湿度を60%以下に保つことが好ましいことが確認された。
また、温度は、エネルギー効率の観点から25〜50℃、より好ましくは容器等製造ラインのように機械による発熱がある空間でも温度調節の必要がない25〜35℃とするのが好ましい。乾燥時間は、乾燥を十分に行って殺菌効果を得ること、また、過剰なエネルギー消費による乾燥を避けることから、5〜60分とするのが好ましい。前記実験例4では湿度60%RH、温度25℃の空間においては、殺菌剤の付着量が1mg/cmであれば殺菌剤は20分で乾燥し、殺菌効果があることが確認されているが、乾燥時間をより短時間にしたい場合は、例えば、殺菌空間の湿度を20%RH以下、温度を40〜50℃まであげるといったように、湿度を低く、温度を高く調節するなど、殺菌剤が乾燥する条件を適時組み合わせれば良い。
このように、前記した湿度及び温度、乾燥時間を適宜調整することにより、低濃度の殺菌剤を用いた場合でも高い殺菌効果を得ることが可能となる。
尚、前述した実験例4及び5においては、薬剤として過酸化水素水溶液を使用した場合のみを確認したが、過酢酸水溶液、次亜塩素酸水溶液を使用した場合は、表3に示したように各薬剤濃度は過酸化水素水溶液より更に低くより水に近いため、乾燥傾向は同様の結果となることは明らかである。また、過酢酸水溶液については、製法由来で過酸化水素と共存する場合がある。
さらに、本発明の空間表面の殺菌方法においては、低濃度に調整した殺菌剤を微粒化して殺菌空間に噴霧し付着させる際、殺菌空間に複雑な形状が含まれている場合には、殺菌効果をあげるために前記低濃度の殺菌剤を布等に浸漬させ、その布で拭き取る方法を併用し、前記殺菌剤を乾燥させてもよい。
そして、前述した本発明の空間表面の殺菌方法においては、前記空間表面が、ボトルを延伸ブロー成形するためのプリフォームの供給ライン、及びプリフォーム加熱、延伸ブロー成形、ボトル検査といった延伸ブロー成形工程における物品及び設備とした場合、プリフォームの殺菌、衛生的なボトルの製造が可能となり、オンラインで前記した衛生的なボトルの飲料等を、無菌充填ラインへ供給することが可能となる。
このため、飲料水、果汁飲料、茶類、コーヒー類等の飲料をPETボトルに代表されるポリエステルボトルに無菌充填するための無菌充填システムに、前記延伸ブロー成形をオンサイトで適用することにより、ボトルの製造からボトルへの飲料等の無菌充填,殺菌済みキャップによる密封までの無菌充填システムを極めて容易に構築することができる。
本発明によれば、空間表面を低濃度の殺菌剤を用いて芽胞菌に対しても高い殺菌効果が得られ、人体や環境への安全性が高いので、シールドを必要としない簡単な安価な噴霧装置による殺菌法が達成でき、飲料、食品等の無菌充填への衛生的なボトル等の容器製造設備、医療品製造分野の製造設備等が存在する空間、また、病院設備などに代表される医療関連空間、介護施設、飲食店、実験室など衛生的な状態が必要であり、かつ衛生空間を維持することが好ましい空間に広く適用でき、産業上の利用可能性が高い。
1 殺菌対象物
2 殺菌空間
3 第1二流体噴霧ノズル
4 第2二流体噴霧ノズル
5 フィルターユニット(無菌化手段)
6 空調手段
7 排気処理手段
8 カートリッジフィルター(浄化手段)
10 エアー供給路
11 殺菌剤水溶液供給路
12、13、14 エアーの循環経路
12−1、12−2 分岐経路

Claims (4)

  1. 容器製造設備の殺菌空間の表面を殺菌する方法において、
    1〜10重量%濃度の過酸化水素水溶液又は0.01〜0.1重量%濃度の次亜塩素酸水溶液の何れかに調整した常温の殺菌剤を微粒化して前記殺菌空間の表面に1〜3mg/cm付着させた後、エアーを送風して陽圧環境下で前記殺菌剤を乾燥させてなり、前記殺菌空間の湿度を20〜60%RH、温度を25〜50℃、乾燥時間を30〜60分に組み合わせて前記殺菌剤が乾燥する条件を調整することを特徴とする空間表面の殺菌方法。
  2. 前記殺菌剤の微粒化は、前記殺菌剤とエアーを混合し平均粒子径を1〜500μmとして噴霧することにより行なう請求項1に記載の空間表面の殺菌方法。
  3. 前記殺菌空間の表面の乾燥に用いるエアーは、無菌化されていることを特徴とする請求項2に記載の空間表面の殺菌方法。
  4. 前記殺菌空間の表面が、ボトルを延伸ブロー成形するためのプリフォーム供給ライン、及びプリフォーム加熱、延伸ブロー成形、ボトル検査といった延伸ブロー成形工程における前記容器製造設備の表面である請求項1〜何れかに記載の空間表面殺菌方法。
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