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JP5831352B2 - ワイヤソーガイドローラ及びその外側ローラ - Google Patents

ワイヤソーガイドローラ及びその外側ローラ Download PDF

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JP5831352B2 JP2012103220A JP2012103220A JP5831352B2 JP 5831352 B2 JP5831352 B2 JP 5831352B2 JP 2012103220 A JP2012103220 A JP 2012103220A JP 2012103220 A JP2012103220 A JP 2012103220A JP 5831352 B2 JP5831352 B2 JP 5831352B2
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Description

本発明は、ワイヤソーに回転可能に設けられるワイヤ案内用のガイドローラと、その外側ローラに関するものである。
半導体インゴットからウェハを切り出す手段等として、ワイヤソーが用いられている。このワイヤソーでは、切断用ワイヤが多数本並んだ状態で張設されており、1つのワークから多数枚の薄片が同時に切り出される。
このワイヤソーには、ワイヤを案内する多数のガイド溝を備えたガイドローラが設けられている。このガイドローラとして、内側ローラと、該内側ローラの外周に装着された外側ローラとで構成され、この外側ローラを周方向に分割することにより、内側ローラをワイヤソーの支持装置に装着したまま外側ローラのみを交換できるようにしたものが特許文献1に記載されている。
図2は、特許文献1に記載のワイヤソーガイドローラの分解斜視図であり、内側ローラ2に1対の半円筒形の外側ローラ3が取り付けられることによりワイヤソーガイドローラ1が構成される。外側ローラ3は、金属セグメントと、該金属セグメント外周面に設けたポリウレタン樹脂層4とで構成され、このポリウレタン樹脂層4にワイヤソーガイド溝4aが設けられている。
特許文献2には、ワイヤソーガイドローラを炭素繊維強化合成樹脂(CFRP)にて構成し、その外周面にポリウレタン層を設けることが記載されている。
特開平9−216222 特開2011−665
ワイヤソーガイドローラの外側ローラに金属シェルを用いた場合、外側ローラの重量が大きくなり、その交換作業に手間がかかる。
また、ワイヤソー装置は、ワイヤソーを一方向のみに移動させるものではなく、往復運動させてインゴットを切削するものであり、ワイヤソーローラは高速で交互に異なる回転方向に回転する。
重量の大きなシェルを表面に有するワイヤソーローラでは、回転慣性力が大きいので、反転に時間がかかると共に、反転に際し大きな反転駆動力を加えるので電力コストも嵩む。さらに、ワイヤソーガイドローラの慣性力が大きいと、ワイヤソーに位置ずれが生じ、シリコンウエハ切断精度が低下する。
また、金属材は熱膨張係数が大きいために、ワイヤソーローラとワイヤソーとの摩擦熱により外側ローラが熱膨張し、ワイヤソーローラの真円度が低下する。
本発明は、軽量、低熱膨張かつ高強度であり、しかもワイヤソーガイドローラの内側ローラの外周面に密着状に取り付けることができる外側ローラと、この外側ローラを用いたワイヤソーガイドローラとを提供することを目的とする。
本発明の外側ローラは、ワイヤソーガイドローラの内側ローラに取り付けられる外側ローラであって、繊維強化熱硬化性樹脂製の円筒体を半割してなる半円筒形の繊維強化熱硬化性樹脂成形体よりなり、該成形体の強化繊維は、フープ方向及びヘリカル方向に延在しており、該外側ローラの軸心線方向の中央部が軸心線方向の端部よりも大径であり、該軸心線方向端部の最大内径をXとし、該軸心線方向中央部の最大内径をYとしたときに(Y−X)/Xが0.0009〜0.0030であることを特徴とするものである。
本発明のワイヤソーガイドローラは、この外側ローラを用いたものである。
本発明者が種々研究を重ねた結果、円筒体を筒軸心線を含む方向に二分割(半割)した半円筒形状の繊維強化樹脂成形体よりなる外側ローラにおいては、軸心線方向の中央部を端部よりもごくわずかに大径とすることにより、繊維強化樹脂成形体の有する反発力を効果的に利用し、ワイヤソーローラの内側ローラへの密着度を向上でき、回転に伴う位置ずれが抑制されると共に、回転精度が向上することを見出した。
これは、本発明の繊維強化樹脂成形体よりなる外側ローラは、金属に比べて軽量且つ低熱膨張率であるだけでなく、その中央部と端部における経時的な寸法変形の差が抑制されているので、内側ローラへの締結力を部位に因らず略均一とすることが出来るので、内側ローラへの密着度を全体として略均一化し向上することを見出したのである。加えて当該外側ローラは、ワイヤソーローラの使用に伴い発生する熱による歪みが少ない。また、ワイヤソーローラの回転時の慣性力も小さくなるので、高精度の切削が可能となる。また、この外側ローラは、軽量であるため、交換も容易である。
実施の形態に係る外側ローラの側面図と正面図である。 従来のワイヤソーガイドローラの分解斜視図である。
以下、図1を参照して本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明する。
図1の実施の形態に係る外側ローラ5は、繊維強化合成樹脂製である。この外側ローラ5は円筒を半割した半円筒形である。前記図2と同様に、1対の外側ローラが内側ローラの外周面に取り付けられる。
外側ローラ5は、通常、外径(図1のX及びY方向の直径)が100〜500mm、特に160〜400mm程度である。外側ローラ5の肉厚(外周半径と内周半径との差)は、5〜40mm、特に10〜30mm程度であることが好ましい。外側ローラ5の軸心線方向長さLは、通常50〜2000mm、特に300〜1200mm程度である。
この外側ローラ5の軸心線方向の中央部の最大内径をYとし、両端部の最大内径をXとした場合、(Y−X)/Xが0.0003〜0.0030特に0.0003〜0.0025となっており、ごくわずかに中央部が大径となっている。
なお、この外側ローラ5の中央部とは、外側ローラ5の軸心線方向の両端から軸心線方向全長の25%の範囲を除いた、軸心線方向一端から25%〜75%の範囲を表わす。また、外側ローラ5の端部とは、外側ローラ5の軸心線方向の端縁から軸心線方向全長の1%までの範囲を表わす。
外側ローラの内径は、半円形状の外側ローラの断面又は端面において、円周方向に等間隔に7点以上設定した測定点の座標を含むか、又はそれらに対し最も近接して通る仮想円を算出し、この仮想円の直径として求められる。
この外側ローラ5は、円筒形状の成形体を半割することにより製造される。この円筒形状の成形体は、筒軸心線方向の一端側から他端側まで実質的に等内径である。具体的には、最大内径Dmaxと最小内径Dminとの差ΔDとDmaxとの比ΔD/Dmaxが0.002以下特に0.0005以下であることが好ましい。この真円筒形の成形体を半割すると、熱硬化性樹脂の加熱硬化時の残留応力の差、すなわち繊維の引張応力に起因する、成形体の外側と内側との線膨張係数差によるバイメタル効果により、半割円筒体の軸心線方向の両端部がごくわずかに前記内径Xを小さくする方向に収縮し、上記の通り、中央部最大内径Yが端部最大内径Xよりもごくわずかに大きい外側ローラが得られる。
この円筒形成形体はフィラメントワインディングマシンを用いたフィラメントワインディング法により製造されることが好ましい。
フィラメントワインディング法では、ロービング(繊維)に接着剤となる樹脂(熱硬化性樹脂組成物)を含浸させて一定の張力を与えながら、回転しているマンドレル(型)に糸口をトラバースさせて規則正しく巻き付け、所定の厚さまで巻回した後に加熱硬化させる。その後、マンドレルを抜くことにより円筒形成形体が得られる。
フィラメントワインディングパターンとしては、以下の2種類を採用する。
(1)ヘリカル巻き:マンドレルに繊維を軸心線方向との斜交角度が±5°〜85°程度となるように巻き付ける。
(2)フープ巻き:マンドレルに繊維を軸心線方向に対し大凡90°の方向に巻き付ける。
フィラメントワインディング法により円筒形状の成形体を製造するに際しては、内周側にフープ巻き層を配置し、全体厚みにおける外表面側の50〜90%特に70〜90%の位置にヘリカル巻き層を配置するのが好ましい。なお、外周側のヘリカル巻き層を過度に多く形成すると、半円筒形の外側ローラの両端部の内径(X)が中央部の内径(Y)よりも大きくなってしまうだけでなく、外側ローラの内径の全体平均が大きくなり過ぎてしまう。
尚、本発明においては、繊維強化樹脂成形体における繊維含有量を増加させて機械強度を向上すべく、ヘリカル層の一部にフープ巻を混在させてもよい。この様な場合、ヘリカル層におけるフープ巻きの含有量は30体積%以下、中でも5%〜20%であることが好ましい。
外周側にフープ巻き層を多く配置すると、外表面における周方向の膨張率が低減しすぎてヘリカル巻き層による半円筒形外側ローラ端部の内径(X)の値が小さくなり過ぎて(Y−X)/Xの値が0.0030よりも大きくなったり、また内側ローラへの取り付け不良が発生する場合がある。
外側ローラを製造するための円筒形状の成形体をフィラメントワインディング法によって成形するに際しては、繊維及び樹脂材料に応じて、上記(Y−X)/Xが0.0003〜0.0030の範囲となるように、このヘリカル巻き層とフープ巻き層の割合を適宜選択する。
外側ローラを構成する繊維強化合成樹脂中の繊維としては、炭素繊維又はガラス繊維が好適である。炭素繊維としては、PAN系炭素繊維が好適である。炭素繊維の平均繊維径は5〜20μm、特に7〜12μmが好適である。合成樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ビスマレイミド等の熱硬化性樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニルスルフォン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、PMMAに代表されるアクリル樹脂等の熱可塑性樹脂などが好適であり、特にエポキシ樹脂が好適である。繊維として炭素繊維を用いた場合、炭素繊維強化合成樹脂中の炭素繊維の割合は40〜85重量%特に50〜80重量%とりわけ60〜75重量%程度が好適である。ガラス繊維の場合、ガラス繊維強化樹脂中のガラス繊維の割合は40〜90重量%特に50〜85重量%とりわけ60〜80重量%程度が好適である。
円筒形成形体及びそれを半割した外側ローラの周方向における弾性率(引張弾性率。以下、同様)は、5〜50GPa、特に10〜40GPaであることが好ましい。弾性率が5GPaより小さい場合には、外側ローラを内側ローラに装着した場合の剛性が十分でなく、最外層に施工されるウレタンの膨張、収縮に伴う外側ローラの変形が大きくなり、真円度、円筒度が不足する恐れがある。また、弾性率が50GPaよりも大きい場合には、外側ローラを内側ローラに装着する際にボルト等の締結具において締付トルクによる変形が生じにくく、外側ローラを内側ローラに密着させにくくなる。
内側ローラーの外径が小さい場合、曲率半径が小さくなることにより締結部への負荷(発生応力)はより大きくなる傾向となる。この場合、先の範囲内における(Y−X)/Xの値が高い方が好ましい。
外側ローラの熱膨張係数は−1.5×10−6〜+4.0×10−6/℃が好ましい。熱膨張係数が−1.5×10−6/℃以下となる繊維強化合成樹脂成形体は、炭素繊維の含有量が多く、成形体の強度が低い。また、熱膨張係数が4.0×10−6/℃より大きい場合には、ワイヤソーローラとして使用した際にインゴットの切断時の発熱によりローラが膨張し、切断精度が低下するおそれがある。
この外側ローラの外周面にポリウレタン樹脂層を注型法になどにより形成し、このポリウレタン樹脂層にワイヤソー用の溝(ワイヤ溝)を図2の如く周方向(半周方向)に切削加工により形成する。ワイヤ溝のピッチは、スライスされたウェハ等の厚みに応じて設定される。ワイヤ溝の断面形状は、V型が好適である。なお、ポリウレタン以外にも、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレンなども用いることができるが、特にポリウレタン又は高密度ポリエチレンとりわけポリウレタンが好適である。
この外側ローラ5はボルト、ナット、ネジなどの固定用部材、特に好ましくはボルトによってスリーブを介して内側ローラに取り付けられる。ボルトは、外側ローラ5の外周縁に間隔をおいて、また非周縁部(周方向の中間付近かつ軸心線方向の中間付近。以下、面央部という。)にも適宜の間隔をおいて設けられる。
この外側ローラ5は、軸心線方向の中央部が両端部よりもわずかに大径となっており、その中央部と端部における経時的な寸法変形の差が抑制されているので、内側ローラへの締結力を部位に因らず略均一とすることが出来る。よって、面央部を含めて軸心線方向の中央部もボルトによって内側ローラに押しつけられる際、軸心線方向両端側も同様の力でボルトによって内側ローラに押し付けられ、外側ローラ5の内周面の全面が内側ローラに対し密着状に押し付けられる。
以下に実施例、比較例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。用いた材料、条件等は説明のための一例であり、製品の仕様に合わせ適宜変更することができる。
以下の実施例、比較例にて採用した評価方法及び測定方法は次の通りである。
<炭素繊維含有量>
炭素繊維含有量(Vf)は繊維強化合成樹脂成形体の真比重と嵩比重から算出した。真比重は繊維強化合成樹脂成形体を5cm角片に裁断し、これをミルにより粉砕し、気体置換法(JIS R1620)にて測定した結果より求めた。嵩比重はアルキメデス法により水中での密度をJIS Z8807にて測定した結果より求めた。これらの結果より次式により炭素繊維含有量(Vf)を算出した。ガラス繊維含有量も同様にして算出した。
体積含有率(Vf)=(C+D×(F−1))/(E−D)
A:測定時の水温における水の密度(g/cm
B:真比重(g/cm
C:嵩比重(g/cm
D:エポキシ樹脂の密度(g/cm
E:炭素繊維の密度(g/cm
F:ボイド率(%)=(B−A)/B×100
<熱膨張係数>
熱膨張係数は繊維強化合成樹脂成形体から高さ100mm、幅20mm、長さ20mmのサイズに試験片を切り出し、ULVAC社製DL1500によりJIS K7197に準拠して測定した。
<弾性率>
弾性率は各成形体の構成において物性シミュレーションソフトフェアである「The Laminator Version 3.7」により算出した計算値とした。
<内径および外径測定>
外側ローラの内径および外径測定には、三次元測定器(東京精密社製 Xyzax JD800D)を用いた。
<振動測定>
外側ローラを内側ローラに固定し、ワイヤーの平均送り速度700m/分でロールを回転させた時の回転ぶれ、異音を観察した。
[実施例1]
フィラメントワインディング装置を用いて、クリール台車のボビンよりPAN系炭素繊維(三菱レイヨン社製 「パイロフィル TR50−12L」 引張弾性率230GPa)を送り出し、レジンバスにより液状のエポキシ樹脂を含浸させることにより樹脂を含浸し、面長さ1800mm、直径300mmのマンドレルに張力をかけながら巻きつけた。
炭素繊維の積層角度は、マンドレルの軸方向を0°として、フープ層である90°の層を15%、ヘリカル層である±30°の層を85%の割合とした。フープ層を内層側、ヘリカル層を外層側とした。なお、この角度は、フィラメントワインディング装置における設定値を示す。全体の巻き付け厚さは22mmとした。
次いで、硬化炉内にて150℃、6時間かけてエポキシ樹脂を硬化させた後に、マンドレルを脱芯して、円筒状の炭素繊維強化樹脂成形体(CFRP)を製作した。このCFRPの炭素繊維含有割合(Vf)は65体積%であった。このCFRPの円筒軸方向の熱膨張係数は、−0.4×10−6/℃、円周方向の弾性率は20.7GPaであった。
上記の円筒形成形体を、切断機を用いて端部切断と半割切断を行うことにより分割成形体を成形した。この分割成形体の外表面を研磨して外径調整の加工を施し、穴加工、スリーブ取り付け等を行うことにより、長さ500mmのワイヤソーローラ用の半円筒形の外側ローラを作製した。この外側ローラの重量は一片あたり7.6kgであった。
この外側ローラの内径および外径を三次元測定機を用いて片方の端部より5mm、125mm、250mm、375mm、495mmの各部分において円周方向に等間隔となるように各片において合計7点で測定し、それぞれの座標から仮想円を形成して算出した。表1に内径測定の結果を示した。表1のデータより、この外側ローラの中央部最大径(Y)は299.88mmであり、端部最大径(X)は299.61mmであった。(Y−X)/X=0.27/299.61=0.00090であり、0.0003よりも大きいことが認められた。
Figure 0005831352
この外側ローラの外周に注型法により厚さ7.5mmのポリウレタン樹脂層を形成した後に外周加工と溝加工(ピッチ1.0mm、溝幅0.1mm)を行った。次いでスリーブ部を通して、直径300mmの金属製内側ローラにボルトにより固定し、ワイヤソー用ローラを作製した。このワイヤソー用ローラは、ワイヤーの送り速度を700m/分で回転させても回転ぶれや異音は観察されなかった。
この外側ローラは、弾性率が適度であるため、内側ローラへの取り付けおよびボルト固定は容易であった。外側ローラの固定前の外径の最大差(中央部最大外径と端部最大外径との差)は0.25mmであるのに対し、固定後の外径の最大差は0.1mm未満であった。このように外側ローラと内側ローラとの間に隙間が生じないので、ウェハ切断精度が良好となった。
[比較例1]
フィラメントワインディング装置を用いて、クリール台車のボビンよりPAN系炭素繊維(三菱レイヨン(株)製 「パイロフィル TR50−12L」 引張弾性率230GPaを送り出し、レジンバスにより液状のエポキシ樹脂を含浸させることにより樹脂を含浸し、面長さ1800mm、直径304mmのマンドレルに張力をかけながら巻きつけた。炭素繊維は、フープ層である90°層(内周層)を60%、ヘリカル層である±30°層(外周層)を40%とした。巻き付け厚みは22mmとした。
次いで、硬化炉でエポキシ樹脂を150℃にて6時間硬化させた後に、マンドレルを脱芯して、CFRPからなる円筒体を製作した。このCFRP製円筒体の炭素繊維含有割合(Vf)は66%であった。このCFRP製円筒体の軸心線方向の熱膨張係数は、4.4×10−6/℃、円周方向の弾性率は35GPaであった。
上記の円筒体を切断機を用いて端部切断と半割切断を行うことにより、半円筒形の成形体とし、この半円筒成形体をさらに外径調整加工、穴加工、スリーブ取り付け等を行うことにより、軸心線方向の長さ500mmの外側ローラを作製した。この外側ローラの重量は一片あたり7.6kgであった。
この外側ローラの内径および外径を、実施例1と同様にして測定したところ、中央部最大径(Y)は300.70mm、端部最大径(X)は299.48mmであった。(Y−X)/Xの値は0.00409であり、0.0030よりも大であった。
この外側ローラの外周に厚さ7.5mmのポリウレタン樹脂層を形成した後に外周加工と溝加工を行った。次いで、スリーブ部を通して金属製内側ローラにボルトにより固定し、ワイヤソー用ローラを作製した。内側ローラと外側ローラとの間に隙間が生じたこのワイヤソー用ローラは、ワイヤーの送り速度を700m/分で回転させた際にワイヤー振れと異音を生じた。
Figure 0005831352
[比較例2]
フィラメントワインディング装置を用いて、クリール台車のボビンよりPAN系炭素繊維(三菱レイヨン(株)製 「パイロフィル TR50−12L」 引張弾性率230GPa)を送り出し、レジンバスにより液状のエポキシ樹脂を含浸させることにより樹脂を含浸し、面長さ1800mm、直径304mmのマンドレルに張力をかけながら巻きつけた。炭素繊維は、外周側にフープ層である90°層を35%、内周側にヘリカル層である±30°層を65%の割合とした。全体の巻き付け厚みは22mmとした。
次いで、硬化炉でエポキシ樹脂を150℃にて6時間硬化させた後に、マンドレルを脱芯して、CFRPからなる円筒体を製作した。このCFRP製円筒体の炭素繊維含有割合(Vf)は65%であった。このCFRPの軸心線方向の熱膨張係数は、1.8×10−6/℃、円周方向の弾性率は73GPaである。
上記の円筒体を切断機を用いて端部切断と半割切断を行うことにより半円筒形の成形体とし、この半円筒形の成形体をさらに外径調整加工、穴加工、スリーブ取り付け等を行うことにより、長さ500mmのワイヤソーローラ用の外側ローラを作製した。この外側ローラの重量は一片あたり7.7kgであった。
この外側ローラの内径および外径を、実施例1と同様にして測定したところ、この外側ローラの中央部最大径(Y)は299.54mmであり、端部最大径(X)は299.67mmであった。(Y−X)/Xの値は−0.00043であり、0.0003よりも小であるため、φ300mmの金属製内側ローラへの取り付けの際にボルト固定が困難であった。
この外側ローラの外周に厚さ7.5mmのポリウレタン樹脂層を形成した後に外周加工と溝加工を行った。次いで、スリーブ部を通して金属製内側ローラにボルトにより固定し、ワイヤソー用ローラを作製した。内側ローラと外側ローラとの間に隙間が生じたこのワイヤソー用ローラは、ワイヤーの送り速度を700m/分で回転させた際にワイヤー振れと異音を生じた。
また、この外側ローラーは、固定前の外径の最大差が0.19mmであるのに対し、固定後の外径の径最大差が0.1mm以上であった。
Figure 0005831352
[実施例2]
実施例1において炭素繊維の代わりにガラス繊維(オーウェンスコーニングジャパン製「T30ER1150FW35RW」引張弾性率70GPa)を用いたこと以外は同様の条件でフィラメントワインディング成形を行った。
次いで、硬化炉でエポキシ樹脂を150℃にて6時間硬化させた後に、マンドレルを脱芯して、GFRP(ガラス繊維強化合成樹脂)からなる円筒体を製作した。このGFRP製円筒体のガラス繊維含有割合(Vf)は68体積%であった。このGFRP製円筒体の円筒軸方向の熱膨張係数は、8.5×10−6/℃、円周方向の弾性率は11.5GPaであった。
上記の円筒体を切断機を用いて端部切断と半割切断を行うことにより半円筒形成形体とし、この半円筒形成形体をさらに外径調整加工、穴加工、スリーブ取り付け等を行うことにより、長さ500mmのワイヤソーローラ用の外側ローラを作製した。この外側ローラの重量は一片あたり8.5kgであった。
この外側ローラの内径および外径を、実施例1と同様にして測定したところ、中央部最大径(Y)は299.88mmであり、端部最大径(X)は299.58mmであった。(Y−X)/Xの値は0.0010であり、0.0003よりも大であった。
Figure 0005831352
この外側ローラの外周に厚さ7.5mmのポリウレタン樹脂層を形成した後に外周加工と溝加工を行った。次いで、スリーブ部を通して金属製内側ローラにボルトにより固定し、ワイヤソー用ローラを作製した。このワイヤソー用ローラは内側ローラとの密着性が良好であり、外側ローラと内側ローラとの間に隙間が生じなかった。このワイヤソー用ローラをワイヤーの送り速度を700m/分で回転させたところ、回転ぶれや異音は観察されなかった。
この外側ローラは、弾性率が適度であり、内側ローラへの取り付けおよびボルト固定は容易であった。外側ローラの固定前の外径の最大差は0.27mmであるのに対し、固定後の外径の最大差は0.1mm未満であった。内側ローラと外側ローラとの間に隙間が生じないので、ウェハ切断精度も良好となった。
[実施例3]
フィラメントワインディング装置を用いて、クリール台車のボビンよりPAN系炭素繊維(三菱レイヨン(株)製 「パイロフィル TR50−12L」 引張弾性率230GPa)を送り出し、レジンバスにより液状のエポキシ樹脂を含浸させることにより樹脂を含浸し、面長さ1800mm、直径300mmのマンドレルに張力をかけながら巻きつけた。炭素繊維は、外周側にヘリカル層である30°層を70%、内周側にフープ層である±30°層を30%の割合とした。全体の巻き付け厚みは22mmとした。
次いで、硬化炉でエポキシ樹脂を150℃にて6時間硬化させた後に、マンドレルを脱芯してCFRPからなる円筒体を製作した。このCFRP製円筒体の炭素繊維含有割合(Vf)は67%であった。このCFRP製円筒体の円筒軸方向の熱膨張係数は、1.8×10−6/℃、円周方向の弾性率は38.0GPaであった。
上記の円筒体を切断機を用いて端部切断と半割切断を行うことにより半円筒形成形体とし、この半円筒形成形体をさらに外径調整加工、穴加工、スリーブ取り付け等を行うことにより、長さ500mmのワイヤソーローラ用の外側ローラを作製した。この外側ローラの重量は一片あたり7.6kgであった。
この外側ローラの内径および外径を、実施例1と同様にして測定したところ、中央部最大径(Y)はmmであり、端部最大径(X)はmmであった。(Y−X)/Xの値は0.0020であり、0.0003よりも大であった。
Figure 0005831352
この外側ローラの外周に厚さ7.5mmのポリウレタン樹脂層を形成した後に外周加工と溝加工を行った。次いで、スリーブ部を通して金属製内側ローラにボルトにより固定し、ワイヤソー用ローラを作製した。このワイヤソー用ローラは内側ローラとの密着性が良好であり、外側ローラと内側ローラとの間に隙間が生じなかった。このワイヤソー用ローラをワイヤーの送り速度を700m/分で回転させたところ、回転ぶれや異音は観察されなかった。
1 ワイヤソーガイドローラ
2 内側ローラ
3,5 外側ローラ

Claims (6)

  1. ワイヤソーガイドローラの内側ローラに取り付けられる外側ローラにおいて、
    繊維強化熱硬化性樹脂製の円筒体を半割してなる半円筒形の繊維強化熱硬化性樹脂成形体よりなり、
    該成形体の強化繊維は、フープ方向及びヘリカル方向に延在しており、
    該外側ローラの軸心線方向の中央部が軸心線方向の端部よりも大径であり、
    該軸心線方向端部の最大内径をXとし、該軸心線方向中央部の最大内径をYとしたときに(Y−X)/Xが0.0009〜0.0030であることを特徴とするワイヤソーガイドローラの外側ローラ。
  2. 請求項1において、該外側ローラの周方向における弾性率が5〜50GPaであることを特徴とするワイヤソーガイドローラの外側ローラ。
  3. 請求項1又は2において、外側ローラの軸心線方向の熱膨張係数が−1.5×10−6〜+4.0×10−6/℃であることを特徴とするワイヤソーガイドローラの外側ローラ。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記強化繊維は、内周側ではヘリカル方向に延在し、外周側ではフープ方向に延在していることを特徴とするワイヤソーガイドローラの外側ローラ。
  5. 回転可能に支持される内側ローラと、該内側ローラの外周面上に固定される1対の半円筒形の外側ローラとを備えたワイヤソーのガイドローラにおいて、該外側ローラが請求項1ないし3のいずれか1項に記載の外側ローラであることを特徴とするワイヤソーガイドローラ。
  6. 請求項5において、前記外側ローラが内側ローラに対し固定用部材によって固定されており、
    該固定用部材は、外側ローラの軸心線方向の中央部と両端部にそれぞれ配置されていることを特徴とするワイヤソーガイドローラ。
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