以下、本発明の実施形態を図1〜図10を用いて説明する。尚、本実施形態では、トナー供給装置100を含む複合機101(画像形成装置に相当)を例に挙げて説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。又、図1〜図8を用いて、第1の実施形態を説明し、図9〜図10を用いて第2の実施形態を説明する。
(画像形成装置の概略)
まず、図1に基づき、第1の実施形態に係る複合機101の概略を説明する。図1は複合機101の一例を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の複合機101は最上部に原稿カバー102を有する。複合機101本体内には、操作パネル1(報知部に相当)、画像読取部2、給紙部3、搬送部4、画像形成部5、定着部6等が設けられる。
図1に破線で示すように、操作パネル1は複合機101の正面上方に設けられる。そして、操作パネル1は各種メッセージを表示する液晶表示部11を含む。例えば、液晶表示部11は複合機101に取り付けられたコンテナ7(トナー収容体に相当、詳細は後述)の残量情報やエラー、異常の発生等、複合機101の状態を表示する。又、液晶表示部11は機能の選択、設定や文字入力等を行うためのキー(ソフトキー)を1又は複数表示できる。又、液晶表示部11の上面にタッチパネル部12(例えば、抵抗膜方式)が設けられる。タッチパネル部12を用いて液晶表示部11で押下された部分の位置、座標を検出し、いずれのソフトキーが押されたかが認識される。又、操作パネル1には、コピー等の各種機能の実行開始を指示するためのスタートキー13等、各種のハードキーも設けられる。
原稿カバー102は載置読取用コンタクトガラス21に載置された原稿を押さえる。原稿カバー102は支点を有し、正面側の端を振るようにして紙面上下方向に開閉可能である。画像読取部2は原稿を読み取り、原稿の画像データを形成する。又、画像読取部2内には露光ランプ、ミラー、レンズ、イメージセンサ(例えば、CCD)等の光学系部材(不図示)が設けられる。尚、原稿カバー102に変えて、原稿を1枚ずつ、自動的、連続的に、画像読取部2の読み取り位置(送り読取用コンタクトガラス22)に向けて搬送する原稿搬送装置を設けてもよい。
そして、これらの光学系部材を用い、載置読取用コンタクトガラス21に載置される原稿に光を照射し、その原稿の反射光を受けたイメージセンサの各画素の出力値をA/D変換し、画像データが生成される。複合機101は、読み取りにより得られた画像データに基づき印刷を行うことができる(コピー機能)。
給紙部3は複数の用紙が載置されるカセット31を複数含む(図1で上方のものに31a、下方のものに31bの符号を付す)。各カセット31は複数の用紙(例えば、コピー用紙、普通紙、再生紙、厚紙、OHPシート等の各種シート)を収容する。又、各カセット31に対し、回転駆動して用紙を搬送部4に送り出す給紙ローラー32が設けられる(図1で上方のものに32a、下方のものに32bの符号を付す)。印刷時、何れかの給紙ローラー32が回転駆動し、印刷に要する用紙が1枚ずつ搬送部4に送り出される。
搬送部4は給紙部3から供給された用紙を排出トレイ41まで搬送する。画像形成部5、定着部6等が用紙搬送経路上に配される。そして、搬送部4には、用紙の案内のためのガイド42や、用紙搬送の際に回転駆動する搬送ローラー対43、搬送されてくる用紙を画像形成部5の手前で待機させ、形成されたトナー像の転写タイミング合わせて用紙を送り出すレジストローラー対44や、排出トレイ41に向けて用紙を排出する排出ローラー対45等が設けられる。
画像形成部5は画像データに基づきトナー像を形成し、搬送される用紙にトナー像を転写する部分である。そして、画像形成部5は図1中に示す矢印方向に回転駆動可能に支持された感光体ドラム51、及び、感光体ドラム51の周囲に配設された帯電装置52、露光装置53、現像装置54、転写ローラー55、クリーニング装置56等を含む。
トナー像形成及び転写プロセスを説明する。感光体ドラム51は画像形成部5の略中心に設けられ、所定方向に回転駆動する。帯電装置52は感光体ドラム51の表面を所定電位に帯電させる。露光装置53は画像データに基づきレーザ光を出力し、感光体ドラム51表面を走査、露光する。これにより、感光体ドラム51の表面には画像データに応じた静電潜像が形成される。尚、画像データは、画像読取部2で得られた画像データや、ネットワーク等で接続される外部のコンピューター200や相手方FAX装置300から送信された画像データ等が用いられる(図2参照)。
そして、現像装置54は感光体ドラム51表面の静電潜像にトナーを供給して現像する。転写ローラー55は感光体ドラム51に圧接する。これにより、転写ニップが形成される。そして、形成されたトナー像にあわせ、レジストローラー対44は用紙を転写ニップに進入させる。用紙進入時、転写ローラー55には所定の電圧が印加される。これにより、感光体ドラム51上のトナー像は用紙に転写される。クリーニング装置56は転写後に感光体ドラム51に残留するトナーを除去する。
ここで、複合機101の内部には、コンテナ7(トナー収容体に相当、「トナーキット」、「トナーカートリッジ」等、他の呼ばれ方もある)が装着される。コンテナ7は、現像装置54に供給する(補給する)トナーを収容する。尚、コンテナ7による現像装置54へのトナー供給の詳細は後述する。
定着部6は用紙に転写されたトナー像を定着させる。定着部6の方式は様々であるが、本実施形態の定着部6は発熱体を内蔵する加熱ローラー61と加圧ローラー62を含む。加圧ローラー62は加熱ローラー61に圧接し、定着ニップが形成される。そして、この定着ニップに用紙を通過させることで、用紙表面のトナーが溶融・加熱され、トナー像が用紙に定着する。トナー定着後の用紙は排出トレイ41に排出される。
(複合機101のハードウェア構成)
次に、図2を用いて、第1の実施形態に係る複合機101のハードウェア構成の一例を説明する。図2は実施形態に係る複合機101のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
まず、複合機101本体内に、制御部8(検知処理部に相当、例えば、制御基板)が設けられる。例えば、制御部8は操作パネル1、画像読取部2、給紙部3、搬送部4、画像形成部5、定着部6等と接続され、これらの制御を行う。尚、制御部8は全体制御や通信制御や画像処理を行うメイン制御部や、画像形成や各種回転体を回転させるモーター等のON/OFF等を行い、印刷を制御するエンジン制御部等、機能ごとに分割して複数種設けられてもよい。本説明では、これらを1つとしてまとめた形態を示し、説明する。
制御部8には、例えば、CPU81が設けられる。CPU81は処理内容に応じて複数設けられても良い(図2では、便宜上1つのみ図示)。CPU81は記憶装置82(記憶部に相当)に格納され、展開される制御プログラムに基づき演算等を行い、複合機101の各部を制御する。
又、例えば、制御部8には、画像読取部2で原稿を読み取って得られた画像データや通信部83を介して複合機101に入力された画像データに対し、画像処理を施す画像処理部84が設けられる。画像処理部84は専用回路であるASICやワークメモリー等の回路、素子を含む。印刷時、画像処理部84が処理した画像データは露光装置53に送信され、感光体ドラム51の走査・露光に用いられる。
記憶装置82は制御部8と接続される。記憶装置82は、ROM、RAM、HDD等の揮発性と不揮発性の記憶媒体の組み合わせである。記憶装置82は複合機101の制御用プログラム、制御用データ、設定データ等の各種データを記憶する。又、記憶装置82は画像読取部2の読み取りで得られた原稿の画像データを記憶できる(スキャナ機能)。
そして、制御部8は通信部83と接続される。通信部83は通信チップ、各種コネクター、ソケット、FAXモデム等を備えた通信用インターフェイスである。通信部83はネットワークや公衆回線等により複数の外部のコンピューター200(例えば、パーソナルコンピューターやサーバー)や相手方FAX装置300(図3では、いずれも便宜上1つのみ図示)と通信可能に接続される。例えば、画像読取部2の読み取りで得られた画像データをコンピューター200に送信することや、相手方FAX装置300に送信することができる(スキャナ機能、FAX機能)。又、外部のコンピューター200や相手方FAX装置300から送信され、複合機101に入力される画像データ(FAXの送信データやEメールに添付された画像データ)に基づき印刷、FAX送信等を行うこともできる(プリンター機能、FAX機能)。
又、制御部8は操作パネル1と通信可能に接続される。制御部8は操作パネル1になされた入力を認識する。そして、制御部8は使用者の設定にあわせてコピー、スキャン、FAX送信等が行われるように複合機101を制御する。例えば、操作パネル1で、使用する給紙部3を指定してコピーする旨が設定されると、制御部8は、指定された給紙部3から給紙を行わせる。又。操作パネル1で指定された送信先に、制御部8は通信部83から画像データを送信させる。
又、本実施形態の複合機101にはコンテナ7が取り付けられる。そして、RFICのタグ71(記憶部に相当)がコンテナ7に取り付けられる。複合機101内部にはタグ71と無線通信を行うリーダーライター85が設けられる。タグ71はシリアルナンバーや、正規品である旨を示す情報や、製造場所を示す情報や、対応する機種を示す情報等、コンテナ7を識別するための識別情報を記憶できる。制御部8はリーダーライター85を介して識別情報をタグ71から取得し、コンテナ7が正規品であるか否か等を認識する。
(トナー供給装置100)
次に、図3、図4を用いて、第1の実施形態に係る複合機101に含まれるトナー供給装置100の一例を説明する。図3はトナー供給装置100の一例を示す説明図である。図4は撹拌部材74の一例を示す説明図である。
複合機101には、トナーによって静電潜像を現像する現像装置54が設けられる。現像装置54にはトナーを担持する現像ローラー54aが設けられる。又、現像装置54内のトナーを撹拌しつつ搬送する2本の搬送部材54b(例えば、螺旋状の羽根を有する)が設けられる。例えば、2本の搬送部材54bは逆方向に回転する。
静電潜像の現像によりトナーは消費される。そのため、現像装置54内のトナーは少なくなる。そこで、現像装置54にトナーを供給(補給)するコンテナ7が複合機101内に設けられる。コンテナ7は補給管71を介して現像装置54に接続される。トナーの消費に伴い、トナーはコンテナ7から順次、現像装置54に投入される。又、コンテナ7は、取り外し可能である。使用者はコンテナ7が空になると、コンテナ7を新たなものに交換する。
具体的に、コンテナ7は長手方向(図3の紙面垂直方向)の一端の下面に開口を有する。この開口は現像装置54に向けてトナーを吐き出す送出口72となる。一方、現像装置54の上面にはトナーを受け取るための開口である受取口73が設けられる。送出口72と受取口73は補給管71で接続される。トナーはコンテナ7から現像装置54に自重で落下する。これにより、コンテナ7から現像装置54へのトナーの補給経路が形成される。尚、コンテナ7と現像装置54の接続方法はこれに限らず、現像装置54側にトナー吸引装置を設け、吸引によりコンテナ7から現像装置54にトナーが補給されるようにしてもよい。
コンテナ7には、コンテナ7内のトナーを撹拌しつつ送出口72に向けて搬送する撹拌部材74が2本設けられる(1本でもよい)。図4に示すように、螺旋状の羽根75が撹拌部材74の回転軸76に取り付けられる。この羽根75により、撹拌部材74を回転させるとトナーは巻き上げられるように撹拌されつつ搬送される。
そして、この撹拌部材74(の回転軸76)を回転させるための駆動機構9が設けられる。駆動機構9は撹拌部材74を回転させる駆動源としてのコンテナモーター91(モーターに相当)と、コンテナモーター91の駆動力を回転軸76に伝えるギア列92を含む。例えば、コンテナモーター91は直流モーターである。又、コンテナモーター91は複合機101の機内に設けられる。
又、例えば、コンテナ7の複合機101への差込方向(長手方向)の奥側には撹拌部材74につながる複数のギアが設けられる。そして、コンテナ7を装着することにより、コンテナ7側のギアと、コンテナモーター91の軸に取り付けられたギアが噛み合う。これらの複数のギアによりギア列92が構成される。このように、駆動機構9のコンテナモーター91とギア列92によりコンテナモーター91から撹拌部材74の回転軸76に駆動力が伝達され、撹拌部材74が回転する。
そして、制御部8はコンテナモーター91の回転、停止(ON/OFF)を制御する。例えば、制御部8は印刷実行時(現像実行時)や現像装置54へのトナーの補給時にコンテナモーター91を回転させる。
又、現像装置54の上面部分には、コンテナ7内のトナーの量や有無を検知するためのトナーセンサー75(トナー検知体に相当)が設けられる。本実施形態の複合機101での現像剤に含まれるトナーは磁性体を含む磁性トナーである。そのため、本実施形態の複合機101では、トナーセンサー75には磁気センサーが用いられる。トナーセンサー75の検知領域(検知範囲)内のトナーの量に応じ、トナーセンサー75の出力値(出力電圧値)が変化する。
トナーセンサー75の出力は制御部8に入力される。トナーセンサー75の出力値の大きさに基づき、制御部8はコンテナ7のトナーの残量を認識できる。又、制御部8は、トナーセンサー75の出力値が予め定められた範囲の値を示すことにより、コンテナ7が空になったことを認識できる。例えば、コンテナ7の空検知等を行うためのプログラム、データは記憶装置82に記憶され、制御部8は記憶装置82の記憶内容を利用する。
これらのコンテナ7、撹拌部材74、駆動機構9、制御部8、トナーセンサー75等により現像装置54にトナーを補給するトナー供給装置100が構成され、複合機101はトナー供給装置100を含む。尚、制御部8は複合機101をコントロールする部分であるとともに、トナー供給装置100をコントロールする部分として機能する。
(トナーセンサー75の出力値)
次に、図5、図6を用いて、第1の実施形態に係る複合機101に含まれるトナー供給装置100の一例を説明する。図5、図6はトナーセンサー75の出力波形の一例を示すグラフである。
まず、図5、図6での縦軸はトナーセンサー75の出力値(出力電圧値)の大きさ(振幅)を示し、横軸は時間の経過を示す。尚、本説明では、トナーセンサー75が検知しているトナーが多いほど、出力値が大きくなるトナーセンサー75を例に挙げて説明する。
そして、図5は撹拌部材74の回転に伴うトナーセンサー75の出力値の変動の周期と、コンテナ7内のトナーの残量に応じたトナーセンサー75の出力変化を説明するための図面である。そして、図5での実線で示す波形はコンテナ7内のトナーの残量が比較的多いときのトナーセンサー75の出力波形の一例を示し、図5での2点鎖線で示す波形はコンテナ7内のトナーの残量が比較的少ないときのトナーセンサー75の出力波形の一例を示す。そして、図5では、トナーが比較的多いとき(実線のとき)と比較的少ないとき(二点鎖線のとき)とで、撹拌部材74の回転速度(コンテナモーター91の回転速度)を同じとしている。
コンテナ7内のトナーが多いほどトナーセンサー75の検知領域内に存在するトナーの数が多くなり、トナーセンサー75が受ける磁束が多くなる。一方、コンテナ7内のトナーが少ないほどトナーセンサー75の検知領域内に存在するトナーの数が少なくなる。そのため、コンテナ7内のトナーの残量が少ないほど、全体的にトナーセンサー75の出力レベルは小さくなる。
このトナーセンサー75の出力特性は、コンテナ7内のトナーの残量の検知に用いることができる。制御部8はトナーセンサー75の出力をサンプリングし、トナーセンサー75の出力値の1周期での平均値(平均レベル)を求める。そして、例えば、トナーセンサー75の出力値の平均値に応じてトナーの残量を定めたデータをトナー消費量データとして記憶装置82に記憶させておく。そして、制御部8はトナー消費量データを参照し、求めた平均値に対応するコンテナ7内のトナーの残量を認識するようにしても良い。
尚、コンテナ7内のトナーの残量を検知するうえで、他の手法を用いることもできる。例えば、制御部8はコンテナ7の使用開始からの画像データ中のトナーを載せるドットの累計値(ドットカウント値)に基づき、トナーの残量を検知してもよい。例えば、制御部8はリーダーライター85を介してタグ71に、コンテナ7の使用開始からの画像データ中のトナーを載せるドットの累計値をトナー消費量データとして記憶させる(記憶装置82に記憶させてもよい)。
そして、累計値に基づきトナーの残量を求めるとき、制御部8はタグ71等から累計値を読み出し、予め定められた満杯時での印刷可能なドット数(例えば満杯時から印刷可能なドット数はタグ71に記憶)と、累計値の比を求める。これにより、制御部8は現在のコンテナ7のトナーの残量を満杯時に対する比率として得る。尚、他の方式によりトナーの残量を求めるのであれば、制御部8はトナーの残量の求め方にあわせて適切なトナー消費量データをタグ71や記憶装置82に記憶させればよい。
又、撹拌部材74による撹拌、搬送により、トナーセンサー75が検知するトナーの量は時間的に変化する。そのため、図5に示すように、トナーセンサー75の出力値は時間に伴い変化する。又、螺旋状の羽根75を有する撹拌部材74を回転させるので、巻き上げられたり、落下したりするトナーの量は周期的となる。そのため、トナーの周期的な動き(移動)に応じ、トナーセンサー75の出力値の変動は周期的となる。従って、図5に示すように、コンテナ7内のトナーの残量に寄らず、撹拌部材74の回転速度を一定にすれば、トナーセンサー75の出力値の変動の周期はほぼ同様となる。
次に、図6を用いて、撹拌部材74を回転させるためのトルクの大小とトナーセンサー75の出力値の変動の周期との関係を説明する。
制御部8は、撹拌部材74を予め定められた速度で回転するように、コンテナモーター91を予め定められた速度で回転させる。このとき、問題が無ければ、撹拌部材74は予め定められた速度で回転する。
しかし、コンテナ7の取り付けが完全でなく、コンテナ7側のギアとコンテナモーター91側のギアの噛み合いが万全で無い場合や、コンテナ7内のトナーの吸湿等によるトナーの粘度の増加した場合や、非正規品のコンテナ7内のトナーが正規品よりも品質が悪い場合や、コンテナモーター91から撹拌部材74までのギア列92の一部で異常が生じた場合や、コンテナモーター91の経時変化等により、撹拌部材74を回転させるためのトルクが通常よりも大きくなることがある。
撹拌部材74を回転させるためのトルクが通常よりも大きくなると、撹拌部材74の回転速度は通常よりも遅くなる。従って、図6に示すように、撹拌部材74を回転させるためのトルクが通常よりも大きくなると、トナーセンサー75の出力値の変動の周期は、通常のときよりも長くなる。
又、撹拌部材74を回転させるためのトルクが大きくなりすぎると、コンテナモーター91がロックする。この場合、コンテナ7内のトナーでの流動が無くなり、トナーセンサー75の出力はほぼ一定を保つ。従って、トナーセンサー75の出力値の変動の1周期は、ロックが解除するまで終わらず、周期が極めて長くなる。
撹拌部材74を回転させるためのトルクが大きい状態や、ロック状態が続くと、駆動機構9に含まれる各ギアに負担がかかり、何れかのギアが壊れかねない。又、撹拌部材74を回転させるためのトルクが大きい状態や、ロック状態が続くと、コンテナモーター91に流れる電流が増加し、巻き線温度が上がりすぎてコンテナモーター91が壊れることもある。
そこで、本実施形態の複合機101では、コンテナモーター91用の電流検知回路を設けずに、トナーセンサー75の出力に基づき、駆動機構9の異常を検知し、駆動機構9の異常検知に応じて駆動機構9を停止させ、駆動機構9が壊れることを未然に防ぐ。
(駆動機構9の異常検知と検知時の駆動機構9の停止の流れ)
次に、図7、図8を用いて、第1の実施形態に係る駆動機構9の異常検知と検知時の駆動機構9の停止の流れの一例を説明する。図7は第1の実施形態に係る駆動機構9の異常検知と検知時の駆動機構9の停止の流れの一例を示すフローチャートである。図8はコンテナ7のトナーの残量に応じた第1周期を示すデータの一例を示す説明図である。
まず、図7のスタートは現像装置54にトナーの補給を行うため、制御部8がコンテナモーター91及び撹拌部材74の回転を開始させる時点である。例えば、現像装置54へのトナー補給は画像形成時(現像実行時)など、現像装置54でトナーが消費されるときに行われる。
あるいは、現像装置54内のトナーが一定量を下回ったことを検知するトナーレベルセンサー54c(図2、図3参照)を現像装置54内に設け、トナーレベルセンサー54cを用いて現像装置54へのトナー補給の要否が判断されてもよい。この場合、トナーレベルセンサー54cは、トナーに触れているか否か(現像装置54内のトナーの量が一定量以上であるか否か)により出力が変化するセンサーである。例えば、トナーレベルセンサー54cの出力は制御部8に入力される。制御部8はトナーレベルセンサー54cの出力に基づき、現像装置54内のトナーの量が一定量以上であるか否かを判断する。そして、現像装置54内のトナーの量が一定量以上でないと判断したとき、制御部8はコンテナモーター91を回転させて、少なくとも現像装置54内のトナーの量が一定量以上となるまで、撹拌部材74を回転させるようにしてもよい。
撹拌部材74の回転が開始されると(スタート)、制御部8は駆動機構9の異常を検知するうえで用いる第1周期を記憶装置82から読み出す(ステップ♯1)。
ここで、図8を用いて、本実施形態での第1周期を説明する。第1周期はトナーセンサー75の出力値の変動における周期に対して定められ、駆動機構9の異常を検知するために用いられる。本実施形態では、制御部8がトナーセンサー75の出力値の変動の周期を計測し、計測した周期が第1周期よりも長くなると、制御部8は駆動機構9で異常が生じたと判断する。
制御部8は撹拌部材74が一定の速度(周速度)で回転するように、コンテナモーター91の動作(回転速度)を制御する。駆動機構9やトナーなどに異常が無ければ、トナーセンサー75の出力値の変動の周期は、ほぼ同じ値(通常周期)を示す。異常により撹拌部材74を回転させるために必要なトルクが大きくなれば、撹拌部材74の回転速度が低下する。そのため、もし、駆動機構9やトナーやコンテナ7の取り付けなどに問題があれば、トナーセンサー75の出力値の変動の周期は、通常周期よりも長くなる。
そこで、第1周期は予めの実験により得られた、あるいは、設計的に求められる通常周期よりも長くされる。第1周期は、通常の回転速度で撹拌部材74を回転させたときのトナー検知体(トナーセンサー75)の出力の周期(出力値の変動の周期)に対し、トルク増大等の駆動機構9の異常が認められる周期である。「第1周期」は、モーター(コンテナモーター91)の定格、性能、特性等を勘案し、任意に定めることができる値である。例えば、通常周期よりも10%〜30%程度長い周期を第1周期として定めることができる。
ここで、トナーは粉体であるものの、撹拌部材74を回転させるうえで抵抗となる。トナーや現像剤は様々である。抵抗の大きさが無視できれば、通常周期は一定でよく、第1周期も固定の値でよい(例えば、記憶装置82が記憶)。しかし、抵抗の大きさが無視できない場合もある。このような場合、コンテナモーター91に流す電流の大きさ等を勘案し、コンテナ7内のトナーの残量に応じて理想的な通常周期を変えることが考えられる。従って、コンテナ7内のトナーの残量に応じて第1周期を変える場合も有り得る。
尚、上述のように、コンテナ7が取り付けられてから現在までのトナーの消費量を示すトナー消費量データがコンテナ7のタグ71や記憶装置82に記憶される。そのため、制御部8はトナー消費量データに基づき、コンテナ7内のトナーの残量を求めることができる。
そこで、図8に示すように、記憶装置82はトナーの残量の値ごとに対応する第1周期を定めたデータを記憶してもよい(このデータはタグ71に記憶されていてもよい)。例えば、図8にしめすように、トナーの残量を満杯時に対する比として求め、比の1%刻みで第1周期が定められたデータを記憶装置82等は記憶してもよい。基本的に、第1周期はトナーの残量が少なくなるに従い、短くされる。そして、制御部8は第1周期を読み出す際に、コンテナ7内のトナーの残量を求め、求めたトナーの残量に応じて予め定められた第1周期を読み出すようにしてもよい(ステップ♯1)。
そして、制御部8はコンテナモーター91の回転開始から予め定められた待ち時間だけ待つ(ステップ♯2)。予め定められた待ち時間はコンテナモーター91の回転開始から回転が安定するまでに要する時間である。回転開始から回転速度が安定するまでのトナーセンサー75の出力値の変動の周期は通常、第1周期よりも長くなる。そこで、制御部8はコンテナモーター91の回転開始から予め定められた待ち時間だけ待つ。
次に、制御部8はトナーセンサー75の出力値の変動の周期を計測する(ステップ♯3)。周期の計測方法は様々である。例えば、制御部8は1周期中のトナーセンサー75の出力値を複数回サンプリングし、トナーセンサー75のある大きさの出力値(例えば、最大値や最小値等のピーク値)の間隔から周期を計測しても良い。
続いて、制御部8は計測した周期が第1周期よりも長いか否かを判断する(ステップ♯4)。もし、計測した周期よりも第1周期の方が長ければ(ステップ♯4のYes)、制御部8は駆動機構9で異常が生じていると認識する(異常発生検知、ステップ♯5)。
この異常発生検知に応じて、制御部8は駆動機構9で異常が発生している旨を報知する(ステップ♯6)。例えば、制御部8は操作パネル1の液晶表示部11に駆動機構9での異常発生のエラーを表示させる。具体的には、制御部8は液晶表示部11に「コンテナから現像装置へのトナーの補給で異常があります」、「サービスマンを呼んでください」といったメッセージや、異常箇所を示す画像を表示させる。あるいは、制御部8は通信部83から複合機101の管理用のコンピューター200やサーバーに向けて駆動機構9での異常発生を示すデータを送信させても良い。更に、制御部8は駆動機構9を停止させる(ステップ♯7)。具体的には、制御部8はコンテナモーター91を停止させる。そして、本フローは終了する。
一方、計測した周期が第1周期以下であれば(ステップ♯4のNo)、制御部8は計測した周期が第2周期よりも長いか否かを確認する(ステップ♯8)。制御部8は第2周期を用いて、第1周期を越えるほどではないが、撹拌部材74を回転させるためのトルクが大きくなっていて(撹拌部材74を回転させるためのトルクがやや大きくなっていて)、状態としてあまり好ましくないことを認識する。第2周期は、撹拌部材74を回転させるためのトルクがやや大きくなっていて、コンテナ7の再装着を促すうえでの目安の周期である。例えば、第2周期は通常周期よりも長い。例えば、第1周期と通常周期の平均を第2周期と定めることができる。
撹拌部材74を回転させるためのトルクの増大は、トナーの流動性低下や適切にコンテナ7が装着されていないことに起因することがある。そして、一旦、コンテナ7を外し、コンテナ7が振られるようにし、コンテナ7を再装着すると撹拌部材74を回転させるためのトルクは通常に戻ることがある。
そこで、計測した周期が第2周期よりも長ければ(ステップ♯8のYes)、制御部8はコンテナ7の再装着を促す旨を報知する(ステップ♯9)。例えば、制御部8は操作パネル1の液晶表示部11にコンテナ7の再装着を促す旨を表示させる。具体的には、制御部8は液晶表示部11に「コンテナ7いったん取り外し、振った後、再装着して下さい」といったメッセージや、取り外し手順を表示させる。あるいは、制御部8は通信部83から複合機101の管理用のコンピューター200やサーバーに向けてコンテナ7の再装着を促す旨を示すデータを送信させ、コンピューター200のディスプレイに表示を行わせても良い。この後、制御部8は駆動機構9を停止させる(ステップ♯7に移行)。そして、本フローは終了する。そして、コンテナ7が再装着されると、スタートから再開されることになる。
一方、計測した周期が第2周期以下であり、特に異常が無ければ(ステップ♯8のNo)、制御部8はコンテナモーター91を停止させるか否かを確認する(ステップ♯10)。例えば、制御部8は印刷ジョブの完了や、トナーレベルセンサー54cにより現像装置54内のトナー量が十分であるとき、コンテナモーター91を停止させる。
もし、コンテナモーター91をまだ回転させるのであれば(ステップ♯10のNo)、例えば、フローはステップ♯3に戻る。これにより、コンテナモーター91により撹拌部材74を回転させている間、駆動機構9の異常の検知が行われる。一方、コンテナモーター91を停止させるのであれば(ステップ♯10のNo)、駆動機構9の異常検知は不要となり、トナーセンサー75の出力値の変動の周期を計測できなくなるので、本フローは終了する(エンド)。
撹拌部材74は回転し、トナー収容体(コンテナ7)内のトナーは撹拌部材74により撹拌される。そのため、センサーの検知領域内に存在するトナーの量は周期的に変わる。これに対応し、トナー検知体(トナーセンサー75)の出力値は、撹拌部材74の回転周期にあわせて周期的に変わる。一方、撹拌部材74を回転させるためのトルクが大きくなると撹拌部材74の回転速度は低下する。又、モーター(コンテナモーター91)のロックが生ずれば、撹拌部材74の回転は停止する。そのため、撹拌部材74を回転させるためのトルクが大きくなると、トナー検知体の出力値の変動の周期は長くなる。又、モーターのロックが生ずれば、トナー検知体の出力値の変動の周期は無限大に長くなる(周期が無くなる)。
そこで、本実施形態に係るトナー供給装置100は、現像装置54に供給するトナーを収容し、交換可能であり、トナーを撹拌、搬送する撹拌部材74を含むトナー収容体(コンテナ7)と、モーター(コンテナモーター91)を含み、撹拌部材74を回転させる駆動機構9と、トナー収容体のトナーを検知し、検知しているトナーの量に応じて出力が変わるトナー検知体(トナーセンサー75)と、を含み、制御部8は撹拌部材74の回転に応じたトナー検知体の出力値の変動の周期が予め定められた第1周期よりも長くなったとき、駆動機構9に撹拌部材74の回転を停止させる。
これにより、駆動機構9の異常によってモーター(コンテナモーター91)の撹拌部材74を回転させるためのトルク増大やロックによって、トナー検知体(トナーセンサー75)の出力値の変動の周期が長くなると、自動的に撹拌部材74の回転が停止される。従って、トルク増大やロック等の駆動機構9の異常が認められたとき、ギアの故障や、巻き線温度の上昇によるモーターの故障を無くすことができる。又、従来のようにモーターの電流検知用の回路を設けることなく、異常が生じた駆動機構9を停止させることができ、製造コストを低減することができる。
又、トナー供給装置100はトナー検知体(トナーセンサー75)の出力値に基づき(出力値の変動の)周期を認識する検知処理部(制御部8)を含み、検知処理部は、周期が第1周期よりも長くなったとき、駆動機構9で異常が発生したことを検知し、駆動機構9による撹拌部材74の回転を停止させる。これにより、従来のようにモーター(コンテナモーター91)の電流検知用の回路を設けることなく、トナー検知体の出力にのみに基づいて駆動機構9の異常を検知することができる。
トナーの消費に伴い、撹拌部材74を回転させるうえで、トナー収容体のトナーの残量が少なくなるほど、抵抗が減り、撹拌部材74を回転させるためのトルクは小さくて済む(負荷が軽くなる)。そこで、トナー供給装置100はトナー収容体(コンテナ7)のトナーの残量を求めるためのトナー消費量データが記憶される記憶部(記憶装置82、タグ71)を含み、検知処理部(制御部8)は、トナー消費量データに基づきトナー収容体のトナーの残量を求め、求めたトナーの残量が少なくなるほど、第1周期を短くしてゆく。これにより、トナーの残量が少なくなり、出力値の変動の周期が短くなる傾向に従い、第1周期を短くすることができる。
又、トナー供給装置100はトナー検知体(トナーセンサー75)の出力値の変動の周期が第1周期よりも長くなったとき、異常発生を報知する報知部(操作パネル1)を含む。これにより、駆動機構9の異常を使用者に対して報知することができる。
又、駆動機構9の故障やモーター(コンテナモーター91)の過熱の観点から見て、駆動機構9を停止させるほどではないが、撹拌部材74を回転させるためのトルクが通常よりも大きくなっている場合がある。このようなとき、トナー収容体(コンテナ7)を振ることでトナーの流動性を高めたり、トナー収容体(コンテナ7)を正確に付け直したりすることで改善されることがある。そこで、報知部(操作パネル1)は、周期が第1周期以下であるとともに、周期が第1周期よりも短い第2周期よりも長ければ、トナー収容体(コンテナ7)の再装着を促す旨の報知を行う。これにより、撹拌部材74を回転させるためのトルクが通常に戻るように仕向けることができる。
又、画像形成装置(複合機101)は、実施形態に係るトナー供給装置100を含む。これにより、画像形成装置(複合機101)に含まれるトナー供給装置100の駆動機構9のトルク増大やロック等の駆動機構9の異常が生じても、巻き線温度の上昇によるモーター(コンテナモーター91)の故障やギアの故障なしに、自動的に駆動機構9が停止する画像形成装置(複合機101)を提供することができる。又、異常が生じたことを検知するために、従来のようにモーター(コンテナモーター91)の電流検知用の回路を設けることなく、駆動機構9を停止させることができ、画像形成装置(複合機101)の製造コストを低減することができる。
(第2の実施形態)
次に、図9、図10を用いて、第2の実施形態に係る駆動機構9の異常検知と検知時の駆動機構9の停止の流れの一例を説明する。図9は第2の実施形態に係る駆動機構9の異常検知と検知時の駆動機構9の停止の流れの一例を示すフローチャートである。図10は以前に装着されたコンテナ7に関する周期推移データの一例を示す説明図である。
第1の実施形態では、制御部8はトナーセンサー75の出力値の変動の周期が第1周期よりも長いか否かにより駆動機構9で異常発生が発生したか否かを判断していた。そして、第2の実施形態では、以前に装着されていたコンテナ7で計測されたトナーセンサー75の出力値の変動の周期を用いて駆動機構9で異常発生が発生したか否かを判断する点で異なる。
尚、その他の点については、以下で特に説明する点を除き、第1の実施形態と同様でよい。そこで、第2の実施形態の説明では、第1の実施形態と共通する部分については、援用するものとし、説明、図示を省略する。
そこで、図9を用いて、第2の実施形態での駆動機構9の異常検知と検知時の駆動機構9の停止の流れを説明する。第1の実施形態と同様、図9のスタートは制御部8がコンテナモーター91及び撹拌部材74の回転を開始させる時点である。
撹拌部材74の回転が開始されると(スタート)、制御部8は駆動機構9の異常を検知するうえで用いる第1周期を求める(ステップ♯21)。
ここで、図10を用いて、本実施形態での第1周期の求め方を説明する。制御部8は以前に複合機101に装着されたコンテナ7で計測された(制御部8が認識した)トナーセンサー75の出力値の変動の周期に予め定められた固定時間を加算した時間を第1周期として求める。尚、固定時間は任意に定めることができる時間である。固定時間は周期が長くなったときに許容できる限界を示す目安の時間である。例えば、第1の実施形態での第1周期と通常周期の時間差を固定時間と定めることができる。
そして、第1周期を求めるため、本実施形態のトナー供給装置100の記憶装置82はコンテナ7のトナーの残量に関連付けて、トナーセンサー75の出力値の変動の周期を周期推移データとして随時記憶する。尚、直前に装着されていたコンテナ7の出力値の変動の周期の計測結果だけを周期推移データとして記憶するようにしてもよい。
例えば、図10に示すように、記憶装置82は複合機101に装着されていたコンテナ7について、コンテナ7のトナーの残量(図10に示す例では1%刻み)に応じて認識した(計測した)周期を随時、周期推移データとして記憶する。尚、コンテナ7のトナーの残量に関連付けられて記憶される周期は、そのトナーの残量中、複数回計測された周期の平均値としてもよいし、そのトナーの残量中に計測された1回分の周期でもよい。このように以前に複合機101に取り付けられたコンテナ7で実際に計測された周期を用いるので、複合機101やトナー供給装置100の個体差や経時的な変化を考慮に入れて駆動機構9での異常の発生の有無を判断できる。
そして、制御部8は基準周期の読み出しに際し、第1の実施形態と同様にコンテナ7のトナーの残量を求め、周期推移データ中、求めたトナーの残量に対応して以前に計測された周期を記憶装置82から読み出し、予め定められた固定時間を加算して第1周期を求める(ステップ♯21)。
そして、制御部8はコンテナモーター91の回転開始から予め定められた待ち時間だけ待つ(ステップ♯22)。予め定められた待ち時間を設ける理由は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
次に、制御部8はトナーセンサー75の出力値の変動の周期を計測する(ステップ♯23)。続いて、制御部8は計測した周期が求めた第1周期よりも長いか否かを判断する(ステップ♯24)。もし、計測した周期よりも第1周期の方が長ければ(ステップ♯24のYes)、制御部8は駆動機構9で異常が生じていると認識する(異常発生検知、ステップ♯25)。
この異常発生検知に応じて、制御部8は駆動機構9で異常が発生している旨を報知する(ステップ♯26)。更に、制御部8は駆動機構9を停止させる(ステップ♯27)。具体的には、制御部8はコンテナモーター91を停止させる。そして、本フローは終了する。
一方、計測した周期が第1周期以下であれば(ステップ♯24のNo)、制御部8は計測した周期が第2周期よりも長いか否かを確認する(ステップ♯28)。ここで、第2周期も第1周期と同様、制御部8は以前に複合機101に装着されたコンテナ7で計測された(制御部8が認識した)トナーセンサー75の出力値の変動の周期に予め定められた第2固定時間を加算して第2周期を求める。尚、第2固定時間は任意に定めることができる時間である。第2周期は、撹拌部材74を回転させるためのトルクがやや大きくなっていて、コンテナ7の再装着を促すうえでの目安の時間である。第2周期は通常周期よりも長くなるように定められる。例えば、第1の実施形態での第2周期と通常周期の時間差を第2固定時間と定めることができる。
そこで、計測した周期が第2周期よりも長ければ(ステップ♯28のYes)、制御部8はコンテナ7の再装着を促す旨を報知する(ステップ♯29)。報知の手順は第1の実施形態と同様でよいので説明を省略する。
一方、計測した周期が第2周期以下であり、特に異常が無ければ(ステップ♯28のNo)、制御部8はコンテナモーター91を停止させるか否かを確認する(ステップ♯30)。もし、コンテナモーター91をまだ回転させるのであれば(ステップ♯30のNo)、例えば、フローはステップ♯23に戻る。これにより、コンテナモーター91により撹拌部材74を回転させている間、駆動機構9の異常の検知が行われる。一方、コンテナモーター91を停止させるのであれば(ステップ♯30のNo)、駆動機構9の異常検知は不要となり、トナーセンサー75の出力値の変動の周期を計測できなくなるので、本フローは終了する(エンド)。
このようにして、本実施形態のトナー供給装置100は、トナー収容体(コンテナ7)のトナーの残量を求めるためのトナー消費量データと、トナー収容体のトナーの残量に応じた周期を示す周期推移データを記憶する記憶部(記憶装置82、タグ71)を含み、検知処理部(制御部8)は、トナー消費量データに基づきトナー収容体のトナーの残量を求め、以前に取り付けられたトナー収容体で同じトナーの残量のときに認識した周期に固定時間を加算した時間を第1周期とする。これにより、第1の実施形態で得られた効果に加え、前のトナー収容体(コンテナ7)取り付け時に計測された周期を用いることで、トナー供給装置100の個体差や経時的な変化を鑑み、駆動機構9の異常発生の検知の精度を向上させることができる。又、トナー供給装置100の個体差を鑑み、適切なタイミングで駆動機構9を停止させることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。