JP5821151B2 - 遊技機 - Google Patents

Description

本発明は、遊技機に関する。

従来から外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機（回胴式遊技機、スロットマシン）が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の操作に基づいて行われる内部抽選の結果に基づいて、遊技の結果をリールに配列された図柄の組合せを用いて表示するとともに、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどを行う機能を備えている。

ところで、上述した遊技機では、回転中のリールに対応する停止操作が行われることによってリールを停止させる制御を行っており、停止操作の時点から所定の期間内に相当する範囲内に存在する図柄を表示図柄として引き込んでからリールを停止させる制御を行っている。また近年では、チャレンジボーナス状態（ＣＢ状態）と呼ばれる特定の遊技状態で、複数のリールのうち、特定のリールを他のリールよりも図柄を引き込める範囲を制限することにより遊技性を高めることが試みられている（特許文献１参照）。

特開２００７−２８２９５１号公報

しかしながら、チャレンジボーナス状態を採用した遊技機では、遊技媒体を獲得しやすくするために、入賞に伴い遊技媒体の払い出しが行われる小役の全てが内部抽選の結果に関わらず当選状態に設定され、遊技者が役の入賞を狙って正確に停止操作を行える場合には、任意の小役を入賞させることができてしまい、遊技の単調化を招くという懸念があった。

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技性を高めて遊技の単調化を防ぐことができる遊技機を提供することにある。

（１）本発明は、外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールの停止状態において役毎に予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示されたことに基づいて、役が入賞するように設けられた遊技機であって、第１の小役、第２の小役、およびリプレイを含む複数種類の役の当否を決定する内部抽選を遊技毎に行い、内部抽選で当選した役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する内部抽選手段と、前記複数のリールを遊技毎に回転させるとともに、停止操作を契機として、当該停止操作の態様と前記抽選フラグの設定状態とに基づいて前記複数のリールを停止させるリール制御手段と、前記第１の小役あるいは前記第２の小役の入賞に伴い、入賞した役に設定された配当に応じた数の遊技媒体を払出装置に払い出させる払出制御手段と、前記リプレイの入賞に伴い、遊技者の所有する遊技媒体を要さずに遊技媒体を自動投入するリプレイ処理手段と、複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させ、特定の遊技状態では、払い出された遊技媒体の合計数に応じて終了条件が成立したか判定し、当該終了条件が成立したと判定された場合に当該特定の遊技状態を終了させる制御を行う遊技状態移行制御手段と、複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させ、特別演出状態では、前記内部抽選で当選した役の入賞を補助する特別演出を演出装置に実行させる演出制御手段とを備え、前記第１の小役の配当は、前記第２の小役の配当より高くなるように設定されており、前記内部抽選手段が、前記特定の遊技状態では、前記第１の小役および前記第２の小役に係る抽選フラグを前記内部抽選の結果に関わらず当選状態に設定するとともに、前記リプレイに係る抽選フラグを前記内部抽選で前記リプレイが当選したことに基づいて当選状態に設定し、前記リール制御手段が、前記特定の遊技状態における前記リプレイが当選していない遊技では、前記第１の小役の配当が前記第２の小役の配当より高いことに基づいて、前記第１の小役を前記第２の小役に優先して入賞させるように前記複数のリールを停止させ、前記特定の遊技状態における前記リプレイが当選した遊技では、前記リプレイを前記第１の小役および前記第２の小役に優先して入賞させるように前記複数のリールを停止させ、停止操作の態様が特定の態様であることを条件に、前記リプレイおよび前記第１の小役の入賞を回避して前記第２の小役を入賞させるように前記複数のリールを停止させ、前記演出制御手段が、前記特定の遊技状態における前記第２の小役の入賞状況に応じて特殊抽選を行い、当該特殊抽選に当選したことに基づいて演出状態を前記特別演出状態に設定する遊技機に関するものである。

本発明では、特定の遊技状態において、リプレイの非当選時には第２の小役を入賞させることができず、リプレイの当選時には特定の停止操作を行うことで第２の小役を入賞させることができるようになっており、特定の遊技状態での遊技においてリプレイの当否に応じて第２の小役の入賞機会が制限されている。本発明によれば、入賞機会が制限されている第２の小役の入賞状況に応じて特別演出状態の設定契機に関わる特殊抽選を行うようにしたので、遊技性を高めて遊技の単調化を防ぐことができる。

（２）本発明の遊技機では、前記特定の遊技状態において前記第２の小役が入賞することに伴って、当該特定の遊技状態において小役が入賞する回数が異なるように当該特定の遊技状態の終了条件が設定されており、前記演出制御手段が、前記特定の遊技状態において、いずれかの役が入賞する毎に前記特殊抽選を行うようにしてもよい。

このようにすれば、特定の遊技状態において第２の小役を入賞させることによって特定の遊技状態における小役の入賞回数が変動し、結果として特定の遊技状態における役の入賞回数を変動させることができる。またこの態様では、リプレイの入賞時にも特殊抽選を受けることができる。すなわち、この態様によれば、リプレイおよび第２の小役の入賞回数によって特殊抽選を受けることができる回数が変動する遊技仕様を実現することができる。

（３）本発明の遊技機では、前記演出制御手段が、前記特定の遊技状態において前記第２の小役が入賞する毎に前記特殊抽選を行うようにしてもよい。

このようにすれば、第２の小役を入賞させる機会が多くなるほど、特殊抽選を受けることができる回数が多くなるため、特定の遊技状態におけるリプレイの当選回数に応じて特別演出状態への移行に対する期待値が変動する遊技仕様を実現することができる。

（４）本発明の遊技機では、前記特定の遊技状態において前記第２の小役が入賞することに伴って、当該特定の遊技状態において遊技媒体の払い出しが行われる遊技の回数が異なるように当該特定の遊技状態の終了条件が設定されており、前記演出制御手段が、前記特定の遊技状態において、遊技媒体が払い出された遊技毎に前記特殊抽選を行うようにしてもよい。

このようにすれば、遊技媒体の払い出しが行われた遊技単位で特殊抽選が行われるため、第２の小役の入賞回数によって特殊抽選を受けることができる回数が変動する遊技仕様を実現することができる。

（５）本発明の遊技機では、前記第２の小役の入賞形態を示す図柄組合せは、前記複数のリールのうち特定のリールの表示図柄として第１図柄を含み、前記リプレイの入賞形態を示す図柄組合せは、前記特定のリールの表示図柄として第２図柄を含み、前記リール制御手段が、前記特定の遊技状態以外の遊技状態では、前記複数のリールの全てを、停止操作の時点から第１の期間内に当該停止操作に対応するリールを停止させる通常制御状態に設定し、前記特定の遊技状態では、前記複数のリールのうち前記特定のリールを、停止操作の時点から第１の期間より短い第２の期間内に当該停止操作に対応するリールを停止させる特殊制御状態に設定し、前記通常制御状態に設定されたリールについては、停止操作の時点において前記第１の期間に相当する引き込み範囲内に、内部抽選で当選した役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄が存在する場合に、当該図柄が入賞判定ライン上に表示されるように停止させ、前記特殊制御状態に設定されたリールについては、停止操作の時点において前記第２の期間に相当する引き込み範囲内に、内部抽選で当選した役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄が存在する場合に、当該図柄が入賞判定ライン上に表示されるように停止させ、前記第２の小役の入賞形態を示す図柄組合せおよび前記リプレイの入賞形態を示す図柄組合せは、前記複数のリールのうち前記特定のリール以外のリールに関する表示図柄が同一であって、前記特定のリールの外周面では、前記第１図柄と、前記第２図柄とが、前記第２の期間に相当する引き込み範囲内に存在しないように離間して配列されていてもよい。

このようにすれば、特殊制御状態に設定されるリールを最後に停止させるように停止操作を行うことで、特定の遊技状態での遊技において第２の小役を入賞させることができるようになる。

（６）本発明の遊技機では、前記特定の遊技状態以外の遊技状態において、所定条件下で内部抽選における前記リプレイの当選確率を変動させ、前記特定の遊技状態の開始時点における前記リプレイの当選確率を少なくとも前記特定の遊技状態が終了するまで維持するリプレイ抽選状態制御手段をさらに備えていてもよい。

このようにすれば、リプレイの当選確率の高低に応じて、第２の小役の入賞確率を変動させることができる。

本実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。 本実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。 本実施形態の遊技機における抽選テーブルの構成を説明する図である。 本実施形態の遊技機におけるリールの図柄配列を説明する図である。 本実施形態の遊技機における入賞役と図柄組合せとの関係を説明する図である。 本実施形態の遊技機における特殊抽選テーブルの構成を説明する図である。 本実施形態の遊技機におけるリールの停止制御手法を説明する図である。 本実施形態の遊技機におけるリールの停止制御手法を説明する図である。 本実施形態の遊技機におけるリールの停止制御手法を説明する図である。 本実施形態の遊技機におけるリールの停止制御手法を説明する図である。 本実施形態の遊技機におけるリールの停止制御手法を説明する図である。 本実施形態の遊技機における特殊抽選の実行制御手法に関するフローチャートである。

以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。

１．構成
図１は、本発明の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。

本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。

本実施形態の遊技機は、収納箱ＢＸ、前面上扉ＵＤ、および前面下扉ＤＤからなる箱形の筐体内に第１リールＲ１〜第３リールＲ３（複数のリール）からなるリールユニットが収められている。また筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット（図示省略）が収められている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、ＣＰＵ、ＲＯＭ（情報記憶媒体の一例）、ＲＡＭ等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板も収められている。

図１に示す第１リールＲ１〜第３リールＲ３は、それぞれ外周面が一定の間隔で２１の領域（各領域を「コマ」と称する）に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第１リールＲ１〜第３リールＲ３は、ステップモータ（リール駆動手段：図示省略）に軸支されており、それぞれステップモータの軸周りに回転駆動され、ステップモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位（所定の回転角度単位、所定の回転量単位）で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステップモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第１リールＲ１〜第３リールＲ３を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステップモータの回転が停止することに伴って第１リールＲ１〜第３リールＲ３が停止する。

前面上扉ＵＤと前面下扉ＤＤとは個別に開閉可能に設けられており、前面上扉ＵＤには第１リールＲ１〜第３リールＲ３の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓ＤＷが設けられている。第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止状態では、第１リールＲ１〜第３リールＲ３それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている３つの図柄（上段図柄、中段図柄、下段図柄）を遊技機の正面から表示窓ＤＷを通じて観察できるようになっている。

そして遊技結果は表示窓ＤＷ内の４本の入賞判定ラインＬ１〜Ｌ４のうち有効な入賞判定ライン上に停止表示された図柄組合せによって判断され、入賞判定ライン上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットからメダルの払い出し等が行われる。なお、本実施形態の遊技機では、１回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が３枚に設定され、規定投入数のメダルが投入されたことに基づいて４本の入賞判定ラインＬ１〜Ｌ４の全てが有効化される。なお、規定投入数が複数種類設定されている場合には、規定投入数に応じて有効化される入賞判定ラインの数が異なっていてもよい。また遊技状態に応じて有効化される入賞判定ラインの数が異なっていてもよい。

また前面上扉ＵＤには、遊技情報表示部ＤＳが設けられている。遊技情報表示部ＤＳは、ＬＥＤ、ランプ、７セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、１回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス遊技の残り回数等の各種遊技情報が表示される。

また前面上扉ＵＤには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイＬＣＤが設けられている。この液晶ディスプレイＬＣＤには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像（または画像）が表示される。また本実施形態の遊技機では、前面上扉ＵＤや前面下扉ＤＤに対して、遊技演出を行うためのスピーカ（図示省略）が複数設けられている。このスピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。

また前面下扉ＤＤには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット（貯留）されたメダルを投入する操作を行うためのベットボタン（投入操作手段）Ｂ０、第１リールＲ１〜第３リールＲ３を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバー（回転開始操作手段）ＳＬ、ステップモータにより回転駆動されている第１リールＲ１〜第３リールＲ３のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタン（停止操作手段）Ｂ１〜Ｂ３などが設けられている。

本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口ＭＩに投入するか、ベットボタンＢ０を押下する操作を行うことで、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーＳＬを押下すると、制御基板において第１リールＲ１〜第３リールＲ３をステップモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下操作が許可（有効化）される。

その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンＢ１〜Ｂ３を押下していくと、ストップボタンＢ１〜Ｂ３のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ（停止信号出力手段：例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど）がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。

また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンＢ１〜Ｂ３を解放すると、各ボタンのストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。

そして制御基板は、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる。

また前面下扉ＤＤの下部には、メダル払い出し口ＭＯとメダル受け皿ＭＰとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払い出し口ＭＯからメダル受け皿ＭＰへ払い出されるようになっている。

図２は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。

本実施形態の遊技機は、遊技制御手段（制御基板）１００によって制御される。遊技制御手段１００は、メダル投入スイッチ２１０、ベットスイッチ２２０、スタートスイッチ２３０、ストップスイッチ２４０等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット３１０、ホッパーユニット３２０、表示装置３３０、音響装置３４０等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段１００の機能は各種のプロセッサ（ＣＰＵ、ＤＳＰなど）、ＡＳＩＣ（ゲートアレイなど）、ＲＯＭ（情報記憶媒体の一例）、あるいはＲＡＭなどのハードウェアや、ＲＯＭなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。

そして遊技制御手段１００は、投入受付手段１０５、乱数発生手段１１０、内部抽選手段１２０、リール制御手段１３０、入賞判定手段１４０、払出制御手段１５０、リプレイ処理手段１６０、遊技状態移行制御手段１７０、リプレイ抽選状態制御手段１７５、演出制御手段１８０、記憶手段１９０を含む。

投入受付手段１０５は、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当する３枚のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー（回転開始操作手段）ＳＬに対する第１リールＲ１〜第３リールＲ３の回転開始操作を許可する処理を行う。

本実施形態の遊技機では、メダル投入口ＭＩにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ２１０が作動することに伴って、投入受付手段１０５が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また本実施形態の遊技機では、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットボタンＢ０が押下されると、ベットスイッチ２２０が作動することに伴って、投入受付手段１０５が、規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。

乱数発生手段１１０は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ（所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ）のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。

内部抽選手段１２０は、遊技者がスタートレバー（回転開始操作手段）ＳＬの押下操作により作動するスタートスイッチ２３０からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。

抽選テーブル選択処理では、記憶手段１９０の抽選テーブル記憶手段１９１に格納されている複数の抽選テーブルのうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、抽選テーブル記憶手段１９１に、図３に示すような４種類の抽選テーブルＡ〜抽選テーブルＥが記憶されている。そして各抽選テーブルでは、複数の乱数値（例えば、０〜６５５３５の６５５３６個の乱数値）のそれぞれに対して、リプレイ、小役（ベル、特殊小役１（第１の小役）、特殊小役２（第２の小役）、特殊小役３）、第１ビッグボーナス（ＲＢＢ）、および第２ビッグボーナス（ＣＢＢ：特定の遊技状態への移行契機となる役）などの各種の役もしくはハズレのいずれかが対応づけられている。

また本実施形態の遊技機では、遊技状態として、通常状態、第１ビッグボーナス成立状態（ＲＢＢ成立状態）、第２ビッグボーナス成立状態（ＣＢＢ成立状態）、第１ビッグボーナス状態（ＲＢＢ状態）、第２ビッグボーナス状態（ＣＢＢ状態：特定の遊技状態）が設定可能とされており、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされており、抽選テーブル選択処理では、遊技状態とリプレイの抽選状態とに応じて抽選テーブルＡ〜抽選テーブルＥのいずれか１つを内部抽選で使用する抽選テーブルとして選択することにより役の当選確率を調整している。

乱数判定処理では、スタートスイッチ２３０からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段１１０から乱数値（抽選用乱数）を取得し、取得した乱数値について記憶手段１９０の抽選テーブル記憶手段１９１に記憶されている抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。

抽選フラグ設定処理は、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグの設定状態を非当選状態（第１のフラグ状態、オフ状態）から当選状態（第２のフラグ状態、オン状態）に変更する。本実施形態の遊技機では、２種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した２種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。また抽選フラグの設定情報は、記憶手段１９０のフラグ記憶手段１９２に格納される。また本実施形態の遊技機では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ（持越可能フラグ）と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに遊技が終了する毎にクリア（非当選状態にリセット）される抽選フラグ（持越不可フラグ）とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ＲＢＢおよびＣＢＢがあり、それ以外の役（ベル、特殊小役１、特殊小役２、特殊小役３、リプレイ）は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、ＲＢＢあるいはＣＢＢに対応する抽選フラグが当選状態に設定されている遊技でＲＢＢあるいはＣＢＢが入賞しなかった場合には、ＲＢＢあるいはＣＢＢに対応する抽選フラグの当選状態を次回の遊技に持ち越す処理を行い、ＲＢＢあるいはＣＢＢ以外の役（ベル、特殊小役１、特殊小役２、特殊小役３、リプレイ）に対応する抽選フラグについては、当選状態に設定されていても入賞の有無に関わらず１回の遊技が終了する毎にクリア（非当選状態にリセット）する処理を行う。なお内部抽選手段１２０は、ＲＢＢやＣＢＢの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、ＲＢＢおよびＣＢＢ以外の役（小役およびリプレイ）についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、ＲＢＢやＣＢＢの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選でＲＢＢおよびＣＢＢ以外の役が当選した場合には、ＲＢＢやＣＢＢの抽選フラグと内部抽選で当選したＲＢＢおよびＣＢＢ以外の役の抽選フラグとからなる２種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。

また本実施形態では、通常状態、ＲＢＢ成立状態、ＣＢＢ成立状態、ＲＢＢ状態での遊技では、抽選フラグ設定処理において、内部抽選の結果に基づいて、当選した役の抽選フラグを当選状態に設定するが、ＣＢＢ状態での遊技では、リプレイに限って内部抽選の結果に基づいて抽選フラグを当選状態に設定し、小役（ベル、特殊小役１、特殊小役２、特殊小役３）の抽選フラグについては内部抽選の結果に関わらず当選状態に設定する処理を行う。

リール制御手段１３０は、遊技者がスタートレバー（回転開始操作手段）ＳＬの押下操作（回転開始操作）により作動するスタートスイッチ２３０からのスタート信号に基づいて、第１リールＲ１〜第３リールＲ３をステップモータにより回転駆動して、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の回転速度が所定速度（約８０ｒｐｍ：１分間あたり約８０回転となる回転速度）に達した状態において回転中のリールに対応するストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下操作（停止操作）を許可する制御を行うとともに、ステップモータにより回転駆動されている第１リールＲ１〜第３リールＲ３を抽選フラグの設定状態（内部抽選の結果）に応じて停止させる制御を行う。

そしてリール制御手段１３０は、ストップボタン（停止操作手段）Ｂ１〜Ｂ３に対する押下操作（停止操作）が許可（有効化）された状態において、遊技者がストップボタンＢ１〜Ｂ３を押下することによりストップスイッチ２４０が作動すると、ストップスイッチ２４０からのリール停止信号に基づいて、リールユニット３１０のステップモータへの駆動パルス（モータ駆動信号）の供給を停止することにより、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の各リールを停止させる制御を行う。

すなわちリール制御手段１３０は、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の各ボタンが押下される毎に、第１リールＲ１〜第３リールＲ３のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段１９０の停止制御テーブル記憶手段１９３に記憶されている停止制御テーブルを参照してストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下タイミング等（停止操作の態様）に応じた第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止位置を決定し、決定された停止位置で第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる制御を行う。

ここで停止制御テーブルでは、ストップスイッチ２４０の作動時点（ストップボタンＢ１〜Ｂ３の各ボタンの押下操作が検出された時点）における第１リールＲ１〜第３リールＲ３の位置（押下検出位置）と、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の実際の停止位置（または押下検出位置からの滑りコマ数）との対応関係が設定されている。また本実施の形態では、抽選フラグの設定状態に応じて、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されている。

なお本実施形態の遊技機では、リールユニット３１０がフォトセンサからなるリールインデックス３１５を備えており、リール制御手段１３０は、リールが１回転する毎にリールインデックス３１５で検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置（リールインデックスによって検出されるコマ）からの回転角度（ステップモータの回転軸の回転ステップ数）を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわちリール制御手段１３０は、ストップスイッチ２４０の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。

また停止制御テーブルでは、２種類以上の異なる役に対応づけられている抽選フラグが当選状態に設定されている場合に、役毎に定められた優先順位に従って、ストップスイッチ２４０の作動時点における各リールの位置と、実際の各リールの停止位置との対応関係が設定されている。特に本実施形態では、「リプレイ＞ボーナス（ＲＢＢ、ＣＢＢ）＞小役（ベル、特殊小役１、特殊小役２、特殊小役３）」の順序で優先順位が定められており、リール制御手段１３０は、２種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合には、各役に対して設定された優先順位に従って、優先順位が低い役を構成する図柄に優先して優先順位の高い役を構成する図柄を有効な入賞判定ライン上に表示させるようにリールを停止させる制御を行う。なお、２種類以上の小役に対応づけられている抽選フラグが当選状態に設定されている場合には、各小役について予め定められている配当に応じて優先順位が設定され、配当が多いほど優先順位が高くなるように設定されている。特に本実施形態では、各小役の配当が、ベル（１５枚）、特殊小役１（１５枚）、特殊小役２（５枚）、特殊小役３（１５枚）となっており、「ベル、特殊小役１、特殊小役３＞特殊小役２」の順序で優先順位が定められている。

またリール制御手段１３０は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように（当選した役を入賞させることができるように）リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように（当選していない役を入賞させることができないように）リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置（表示図柄の種類）などに応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このようにリール制御手段１３０は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる制御を行っている。

そして本実施形態の遊技機では、通常状態、ＲＢＢ成立状態、ＣＢＢ成立状態、およびＲＢＢ状態での遊技では、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の全てを、ストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下された時点から１９０ｍｓ以内（第１の期間内）に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる通常制御状態に設定している。すなわち通常状態、ＲＢＢ成立状態、ＣＢＢ成立状態、およびＲＢＢ状態での遊技における回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下時点から各リールＲ１〜Ｒ３が停止するまでに要するコマ数が０コマ〜４コマの範囲（所定の引き込み範囲）で設定されている。そして、リール制御手段１３０は、ストップボタンＢ１〜Ｂ３のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効な入賞判定ライン上の表示位置（上段、中段、下段）に対して０コマ〜４コマの範囲内に位置する場合に、当選した役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。

また本実施形態の遊技機では、遊技状態が、ＣＢＢ状態である場合に、リール制御手段１３０が、第１リール（特定のリール）Ｒ１を特殊制御状態に設定し、第１リールＲ１をストップボタンＢ１の押下タイミングから一律に７５ｍｓ以内（おおよそ１コマ分の回転移動に要する時間に相当：第２の期間内）で停止させる制御を行っている。すなわちＣＢＢ状態において特殊制御状態に設定される第１リールＲ１については、第１リールＲ１に対応するストップボタンＢ１の押下タイミングに相当するリールの位置から１コマ以内の位置が停止位置として決定されるようにＣＢＢ状態用の停止制御テーブルが設定されている。

なおリール制御手段１３０は、ＣＢＢ状態において、第２リールＲ２および第３リールＲ３については、ストップボタンＢ２およびストップボタンＢ３の押下タイミングから１９０ｍｓ以内（おおよそ４コマ分の回転移動に要する時間に相当）に各リールを停止させる制御を行う通常制御状態に設定され、ＣＢＢ状態用の停止制御テーブルでは、上述したような４コマを上限として図柄の引き込み処理や蹴飛ばし処理を実行することができるように第２リールＲ２および第３リールＲ３の停止位置が設定されている。

ここで本実施形態の遊技機では、ＣＢＢ状態での内部抽選でリプレイの当否を決定しており、リプレイが当選したか否かに応じて第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止制御の内容が異なっている。

まず、ＣＢＢ状態におけるリプレイが当選していない遊技では、リール制御手段１３０が、特殊小役１（第１の小役）の配当（１５枚）が特殊小役２（第２の小役）の配当（５枚）より高いことに基づいて、特殊小役１を特殊小役２に優先して入賞させるように第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる制御を行っている。

一方、ＣＢＢ状態におけるリプレイが当選した遊技では、リール制御手段１３０が、特殊小役１および特殊小役２を含む全ての小役に優先してリプレイを入賞させるようにリールを停止させるが、ストップボタンＢ１〜Ｂ３に対して、特定の態様で停止操作が行われると、リプレイおよび特殊小役１の入賞を回避して特殊小役２を入賞させるように第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる制御を行っている。

また本実施形態の遊技機では、第１リールＲ１〜第３リールＲ３については、図４に示すように、各リールの外周面に複数配列されているリプレイ図柄「ＲＰ」およびＢＡＲ図柄「ＢＡＲ」に関して、その間隔が４コマ以内となるように配列しており、第１リールＲ１〜第３リールＲ３が通常制御状態に設定されている場合には、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下タイミングや押下順序に関係なくリプレイ図柄「ＲＰ」や、ＢＡＲ図柄「ＢＡＲ」を任意の入賞判定ライン上に引き込むことができる図柄配列を有している。また本実施形態の遊技機では、図４に示すように、第２リールＲ２および第３リールＲ３の外周面に複数配列されているベル図柄「ＢＬ」に関しても、その間隔が４コマ以内となるように配列しており、第２リールＲ２および第３リールＲ３が通常制御状態に設定されている場合には、ストップボタンＢ２，Ｂ３の押下タイミングに関係なくベル図柄「ＢＬ」を任意の入賞判定ライン上に引き込むことができる図柄配列を有している。

また図４に示すように、第１リールＲ１の外周面では、赤７図柄（第１図柄）「赤７」と、リプレイ図柄（第２図柄）「ＲＰ」とが、２コマ以上離れて配列されている。すなわち赤７図柄「赤７」とリプレイ図柄「ＲＰ」とは、特殊制御状態における引き込み範囲内（７５ｍｓに相当する０コマ〜１コマの範囲内）に存在しないように離間して第１リールＲ１の外周面に配列されている。

また図４に示すように、第１リールＲ１の外周面では、赤７図柄（第１図柄）「赤７」と、ベル図柄（第３図柄）「ＢＬ」とが、２コマ以上離れて配列されている。すなわち赤７図柄「赤７」とベル図柄「ＢＬ」とは、特殊制御状態における引き込み範囲内に存在しないように離間して第１リールＲ１の外周面に配列されている。

入賞判定手段１４０は、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段１９０の入賞判定テーブル記憶手段１９４に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の全てが停止した時点で有効な入賞判定ライン上に停止している図柄の組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。

そして本実施形態では、図４に示すように、リールユニット３１０を構成する第１リールＲ１〜第３リールＲ３の外周面に対して、赤７図柄「赤７」、白７図柄「白７」、ＢＡＲ図柄「ＢＡＲ」、リプレイ図柄「ＲＰ」、ベル図柄「ＢＬ」、ダミー図柄「ＤＵＭ」などが配列されている。そして、各リールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された各図柄の組合せによって、図５に示すように、第１ビッグボーナス（ＲＢＢ）、第２ビッグボーナス（ＣＢＢ）、リプレイ、ベル、特殊小役１、特殊小役２、特殊小役３の入賞の有無が判定できるように入賞判定テーブルが用意されている。

すなわち本実施形態では、入賞判定ライン上に「赤７・赤７・赤７」の図柄組合せが表示された場合、ＲＢＢが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「ＢＡＲ・ＢＡＲ・ＢＡＲ」の図柄組合せが表示された場合、ＣＢＢが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「ＲＰ・ＲＰ・ＲＰ」の図柄組合せが表示された場合、リプレイが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「ＢＬ・ＢＬ・ＢＬ」の図柄組合せが表示された場合、ベルが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「赤７・ＢＬ・ＢＬ」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役１が入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「赤７・ＲＰ・ＲＰ」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役２が入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「白７・ＢＬ・ＢＬ」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役３が入賞したと判定される。

そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段１４０の判定結果に基づいて、役が入賞した場合には、入賞時処理が実行される。入賞時処理としては、メダルの払い出しをするための処理、リプレイ処理、遊技状態を移行させる処理などが実行される。例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段１５０によってメダルの払出制御処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段１６０によってリプレイ処理が行われ、第１ビッグボーナス（ＲＢＢ）や、第２ビッグボーナス（ＣＢＢ）などが入賞した場合には遊技状態移行制御手段１７０によって遊技状態を移行させる処理が行われる。

払出制御手段１５０は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め設定されている配当に基づいて、遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定されたメダルの払出数をホッパーユニット３２０（払出装置）に対して指示する制御を行う。複数の小役が１回の遊技で入賞した場合には、入賞した各小役の配当の合計が、遊技におけるメダルの払出数として設定される。

ホッパーユニット３２０は、払出制御手段１５０によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット３２０には、メダルを１枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ３２５が備えられており、払出制御手段１５０は、払出メダル検出スイッチ３２５からの入力信号に基づいてホッパーユニット３２０から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。

なおメダルのクレジット（内部貯留）が許可されている場合には、ホッパーユニット３２０によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段１９０のクレジット記憶領域（図示省略）に記憶されているクレジット数（クレジットされたメダルの数）に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。また本実施形態では、リプレイ、第１ビッグボーナス（ＲＢＢ）、および第２ビッグボーナス（ＣＢＢ）については配当が設定されておらず、遊技の結果、リプレイ、ＲＢＢ、あるいはＣＢＢが入賞した場合には、ホッパーユニット３２０からのメダルの払い出しは行われないが、形式的に０枚のメダルを払い出したとする処理（０枚処理）が行われる。

リプレイ処理手段１６０は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理（再遊技処理）を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル（クレジットメダルを含む）を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作（遊技者によるスタートレバーＳＬの押下操作）を待機する状態に設定される。

遊技状態移行制御手段１７０は、通常状態、ＲＢＢ成立状態、ＣＢＢ成立状態、ＲＢＢ状態、およびＣＢＢ状態の間で遊技状態を移行させる制御を行う。遊技状態の移行条件は、１の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち１の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。

通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはＲＢＢ成立状態あるいはＣＢＢ成立状態への移行が可能となっている。また通常状態では、リプレイの抽選状態がリプレイ低確率状態あるいはリプレイ高確率状態に設定され、リプレイ低確率状態ではリプレイの当選確率が約１／７．３に設定された抽選テーブルＡを参照した内部抽選が行われ、リプレイ高確率状態ではリプレイの当選確率が約１／１．４に設定された抽選テーブルＢを参照した内部抽選が行われる。

ＲＢＢ成立状態は、内部抽選でＲＢＢに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ＲＢＢ成立状態では、ＲＢＢおよびＣＢＢが内部抽選の対象から除外され、リプレイの抽選状態がリプレイ低確率状態に設定されることによって、リプレイの当選確率が約１／７．３に設定された抽選テーブルＣを参照した内部抽選が行われる。またＲＢＢ成立状態では、ＲＢＢが入賞するまでＲＢＢに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。

ＲＢＢ状態は、ＲＢＢ成立状態においてＲＢＢの入賞形態を示す図柄組合せ「赤７・赤７・赤７」が入賞判定ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。ＲＢＢ状態では、リプレイの抽選状態がリプレイ無抽選状態に設定されることによってリプレイが抽選対象から除外され、ベル、特殊小役１、および特殊小役３の当選確率が通常状態よりも高く設定された抽選テーブルＥを参照した内部抽選が行われる。

またＲＢＢ状態は、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数が、予め定められた払出上限数（例えば、３４５枚）を超えるまで継続し、払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ＲＢＢ状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる制御が行われる。

ＣＢＢ成立状態は、内部抽選でＣＢＢに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ＣＢＢ成立状態では、ＲＢＢおよびＣＢＢが内部抽選の対象から除外されるとともに、リプレイの抽選状態がリプレイ低確率状態あるいはリプレイ高確率状態に設定され、リプレイ低確率状態ではリプレイの当選確率が約１／７．３に設定された抽選テーブルＣを参照した内部抽選が行われ、リプレイ高確率状態ではリプレイの当選確率が約１／１．４に設定された抽選テーブルＤを参照した内部抽選が行われる。またＣＢＢ成立状態では、ＣＢＢが入賞するまでＣＢＢに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。

ＣＢＢ状態（特定の遊技状態）は、ＣＢＢ成立状態においてＣＢＢの入賞形態を示す図柄組合せ「ＢＡＲ・ＢＡＲ・ＢＡＲ」が入賞判定ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。ＣＢＢ状態では、ＲＢＢ成立状態からＲＢＢ状態へ移行した場合とは異なり、リプレイの抽選状態が維持され、ＣＢＢ成立状態と同じ抽選テーブル（抽選テーブルＣあるいは抽選テーブルＤのいずれか）を参照した内部抽選が行われる。またＣＢＢ状態では、小役（ベル、特殊小役１、特殊小役２、特殊小役３）に対応づけられた抽選フラグは、内部抽選の結果に関わらずに当選状態に設定される。

またＣＢＢ状態は、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数が、予め定められた払出上限数（例えば、２０枚）を超えるまで継続し、払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ＣＢＢ状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる制御が行われる。

リプレイ抽選状態制御手段１７５は、所定条件下で、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行う。本実施形態の遊技機では、リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約１／７．３に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約１／１．４に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされており、リプレイ抽選状態制御手段１７５は、リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。このようにすれば、リプレイの当選確率の高低に応じて、特殊小役２の入賞確率を変動させることができる。

具体的に説明すると、リプレイ抽選状態制御手段１７５は、初期状態としてリプレイの抽選状態をリプレイ低確率状態に設定し、内部抽選でＲＢＢが入賞したことを契機としてリプレイの抽選状態をリプレイ無抽選状態に設定する。

またリプレイ抽選状態制御手段１７５は、ＲＢＢ状態の終了を契機としてリプレイの抽選状態を、リプレイ無抽選状態からリプレイ高確率状態に変化させる。本実施形態の遊技機では、リプレイの抽選状態がリプレイ高確率状態に設定されたことを契機として、ＲＴカウンタ１９５に、所定の遊技回数に相当する初期値（例えば、２００）が設定され、１回の遊技が行われる毎にスタートレバーＳＬの操作を契機としてＲＴカウンタ１９５の記憶値から１回分の遊技に相当する値（例えば、１）がデクリメントされる。そしてＲＴカウンタ１９５の記憶値がしきい値（例えば、０）に達すると、リプレイ抽選状態制御手段１７５は、リプレイの抽選状態をリプレイ高確率状態からリプレイ低確率状態に変化させる。

またリプレイ抽選状態制御手段１７５は、リプレイの抽選状態がリプレイ高確率状態に設定されている遊技において、内部抽選でＲＢＢに当選すると、リプレイの抽選状態をリプレイ高確率状態からリプレイ低確率状態に変化させる。このときＲＴカウンタ１９５の記憶値は、ＲＢＢの当選を契機として所定値（例えば、０）にクリアされる。

なおリプレイ抽選状態制御手段１７５は、上述した各種の契機においてリプレイの抽選状態を変化させるが、内部抽選でのＣＢＢ当選時からＣＢＢ状態の終了時まではリプレイの抽選状態を維持するようにしている。このため本実施形態の遊技機では、ＣＢＢ当選時のリプレイの当選確率が、少なくともＣＢＢ状態が終了するまでは維持されるようになっている。

演出制御手段１８０は、演出データ記憶手段１９６に記憶されている演出データに基づいてランプ、ＬＥＤ、液晶ディスプレイ等の表示装置３３０（演出装置の一例）を用いて行う表示演出や音響装置３４０（演出装置の一例）を用いて行う音響演出に関する制御を行う。具体的には、メダルの投入やベットボタンＢ０、スタートレバーＳＬ、ストップボタンＢ１〜Ｂ３に対する操作、遊技状態の変動など、各種の遊技イベントの発生に応じてランプやＬＥＤを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイＬＣＤの表示内容を変化させたり、スピーカから音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出制御を行う。

また本実施形態の遊技機では、演出制御手段１８０が、複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させており、演出状態がアシストタイム状態（ＡＴ状態：特別演出状態）である場合に、内部抽選で特殊小役１あるいは特殊小役３のいずれかが当選すると、内部抽選で当選した特殊小役の種類を報知する特別演出を表示装置３３０や音響装置３４０に実行させる制御を行っている。特に本実施形態の遊技機では、演出制御手段１８０が、特別演出として、内部抽選で当選した特殊小役の種類を示唆する演出画像を液晶ディスプレイＬＣＤに表示させる演出を行っている。なお特別演出として、内部抽選で当選した特殊小役の種類を示唆する音声をスピーカから出力させたり、内部抽選で当選した特殊小役の種類に応じたランプを点灯させたりするようにしてもよい。

また本実施形態の遊技機では、演出制御手段１８０が、特殊抽選手段１８１と、ＡＴカウンタ更新手段１８２と、ＡＴフラグ設定手段１８３とを含む。

特殊抽選手段１８１は、ＣＢＢ状態における特殊小役２の入賞状況に応じて特殊抽選を実行する。具体的には、ＣＢＢ状態においてリプレイの当選時のみ入賞させることができる特殊小役２が入賞する毎に特殊抽選を実行する。

本実施形態の遊技機では、特殊抽選テーブル記憶手段１９７に、図６に示すような特殊抽選テーブルが記憶されている。図６に示す特殊抽選テーブルでは、０〜６５５３５までの複数の乱数値のそれぞれに対して、当選あるいはハズレのいずれか一方が対応づけられている。そして特殊抽選手段１８１は、ＣＢＢ状態の遊技においてストップボタンＢ１〜Ｂ３のうち最後に押下されたストップボタンの押下タイミングに基づいて特殊小役２が入賞すると判断される場合に、乱数値を取得して、取得した乱数値を特殊抽選テーブルと比較することによって、当選したか否かを決定する。

ＡＴカウンタ更新手段１８２は、特殊抽選に当選したことに基づいて、ＡＴカウンタ１９８の記憶値に一定値（例えば、１）を加算するインクリメント更新を行う。またＡＴカウンタ更新手段１８２は、後述するＡＴフラグ設定手段１８３が、ＡＴフラグを設定したことに基づいて、ＡＴカウンタ１９８の記憶値から一定値（例えば、１）を減算するデクリメント更新を行う。

ＡＴフラグ設定手段１８３は、ＣＢＢ状態の終了を契機としてＡＴカウンタ１９８の記憶値をチェックして、ＡＴカウンタ１９８の記憶値がしきい値（例えば、１）以上であることに基づいて、ＡＴフラグ記憶手段１９８にＡＴフラグを設定する。本実施形態の遊技機では、ＡＴフラグ記憶手段１９８にＡＴフラグが設定されたことによって、演出状態がＡＴ状態に移行する。またＡＴフラグ設定手段１８３は、ＲＢＢあるいはＣＢＢの当選を契機としてＡＴフラグをクリアすることによってＡＴ状態を終了させる。なお演出状態がＡＴ状態に設定されている遊技の回数やＡＴ状態で特別演出が実行された回数が所定回数に達したことに基づいてＡＴフラグをクリアするようにしてもよいし、ＡＴフラグをクリアするか否かを決定する抽選を行って、当該抽選に当選した場合にＡＴフラグをクリアするようにしてもよい。

なお本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム（ゲームシステムを含む）に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段１００としてコンピュータを機能させるプログラムを、ＣＤ、ＤＶＤ等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のＷｅｂサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ２１０、ベットスイッチ２２０、スタートスイッチ２３０、ストップスイッチ２４０等は、キーボードやポインティングデバイス（マウス等）、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット３１０やホッパーユニット３２０などは必須の構成要件ではなく、これらのユニットは、ディスプレイ（表示装置３３０）に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。

２．本実施形態の制御手法
続いて、本実施形態の遊技機で採用されている各種の制御手法を具体的に説明する。

まず本実施の形態では、ＣＢＢ状態において特殊小役２を入賞させる機会を内部抽選でのリプレイの当否に応じて制限する手法を採用している。

具体的に説明すると、ＣＢＢ状態の遊技では、内部抽選の対象役のうち、ベル、特殊小役１、特殊小役２、および特殊小役３の抽選フラグが内部抽選の結果に関わらず当選状態に設定される。しかしながら、第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる制御に関して、複数種類の小役の抽選フラグが当選状態に設定されている場合には、各小役に対応づけられた配当に従った優先順位で、優先順位の高い小役を入賞させるように第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる制御を行っている。

ここで、各小役の配当は、ベルが１５枚、特殊小役１が１５枚、特殊小役２が５枚、特殊小役３が１５枚となっているため、本実施形態の遊技機では、ベル、特殊小役１、および特殊小役３が特殊小役２よりも優先順位が高くなっている。

また本実施の形態では、ベルの入賞形態を示す図柄組合せ「ＢＬ・ＢＬ・ＢＬ」と、特殊小役１の入賞形態を示す図柄組合せ「赤７・ＢＬ・ＢＬ」とが、第２リールＲ２および第３リールＲ３の表示図柄に関して共通し、特殊小役１の入賞形態を示す図柄組合せ「赤７・ＢＬ・ＢＬ」と、特殊小役２の入賞形態を示す図柄組合せ「赤７・ＲＰ・ＲＰ」とが、第１リールＲ１の表示図柄に関して共通し、特殊小役２の入賞形態を示す図柄組合せ「赤７・ＲＰ・ＲＰ」と、リプレイの入賞形態を示す図柄組合せ「ＲＰ・ＲＰ・ＲＰ」とが、第２リールＲ２および第３リールＲ３の表示図柄に関して共通するように設定されている。

また本実施形態の遊技機では、図４に示すように、第１リールＲ１の外周面では、赤７図柄「赤７」に対して０コマ〜１コマの範囲内に、ベル図柄「ＢＬ」およびリプレイ図柄「ＲＰ」が存在しないように配列されており、第２リールＲ２および第３リールＲ３の外周面では、複数のベル図柄「ＢＬ」の間隔が４コマ以内であって、複数のリプレイ図柄「ＲＰ」の間隔が４コマ以内となるように配列されている。

そして本実施の形態では、上述した役の入賞形態を示す図柄組合せの設定と、各リールの図柄配列の元で、ＣＢＢ状態での遊技において、第１リールＲ１〜第３リールＲ３を以下のように停止させる。

まず、ＣＢＢ状態での遊技において、リプレイが当選しなかった場合について説明する。

第１リールＲ１〜第３リールＲ３の全てが回転している状態で、図７（Ａ）に示すように、第１リールＲ１に関して、７番の赤７図柄「赤７」が中段に位置するタイミングでストップボタンＢ１が押下されると、赤７図柄「赤７」を０コマ〜１コマの範囲内で引き込んで、赤７図柄「赤７」を入賞判定ラインＬ３，Ｌ４上の表示位置である下段に表示させることができる。すなわち図７（Ａ）に示す状態でストップボタンＢ１が押下されると、特殊小役１あるいは特殊小役２の入賞が可能であるので、図７（Ｂ）に示すように、赤７図柄「赤７」が下段に表示されるように第１リールＲ１を停止させる。

続いてストップボタンＢ２，Ｂ３が押下されると、第２リールＲ２および第３リールＲ３については、特殊小役１あるいは特殊小役２のいずれかを入賞させるべく、０コマ〜４コマの範囲でベル図柄「ＢＬ」あるいはリプレイ図柄「ＲＰ」を入賞判定ラインＬ３，Ｌ４上の表示位置に引き込む処理が働く。

本実施形態の遊技機では、上述した第２リールＲ２および第３リールＲ３の図柄配列によって、ベル図柄「ＢＬ」およびリプレイ図柄「ＲＰ」の双方がストップボタンＢ２，Ｂ３の押下タイミングに関わらず任意の入賞判定ライン上の表示位置に引き込むことができるようになっているが、特殊小役１の配当（１５枚）が、特殊小役２の配当（５枚）より高く設定されているため、配当に応じた入賞の優先順位に従って特殊小役１を特殊小役２に優先して入賞させるように第２リールＲ２および第３リールＲ３を停止させる。

従って、図７（Ｂ）に示す状態でストップボタンＢ２，Ｂ３が押下されると、図７（Ｃ）に示すように、第２リールＲ２および第３リールＲ３について、各ストップボタンの押下タイミングに関わらず、第２リールＲ２については中段にベル図柄「ＢＬ」を表示させ、第３リールＲ３については上段にベル図柄「ＢＬ」を表示させるように第２リールＲ２および第３リールＲ３を停止させることによって、入賞判定ラインＬ４において特殊小役１が入賞することになる。

また、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の全てが回転している状態で、ストップボタンＢ２，Ｂ３がストップボタンＢ１に先立って押下されると、小役のうち配当が最も高い１５枚に設定されたベルあるいは特殊小役１のいずれかを他の小役に優先して入賞させるべく、図８（Ａ）に示すように、第２リールＲ２については中段にベル図柄「ＢＬ」を表示させ、第３リールＲ３については上段にベル図柄「ＢＬ」を表示させるように第２リールＲ２および第３リールＲ３を停止させる。

続いて、回転中の第１リールＲ１を停止させるべく、図８（Ｂ）に示すように、第１リールＲ１に関して、７番の赤７図柄「赤７」が中段に位置するタイミングでストップボタンＢ１が押下されると、特殊小役１の入賞が可能であるので、図８（Ｃ）に示すように、赤７図柄「赤７」が入賞判定ラインＬ４上の表示位置である下段に表示させることによって、入賞判定ラインＬ４において特殊小役１が入賞する。

このように本実施の形態では、ＣＢＢ状態での遊技において、リプレイが当選していない場合には、ストップボタンＢ１〜Ｂ３がいずれの順序で押下されても、特殊小役１の配当（１５枚）が特殊小役２の配当（５枚）よりも高く設定されていることに起因して、特殊小役２の入賞を回避するように第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させている。

次に、ＣＢＢ状態での遊技において、リプレイが当選した場合について説明する。

第１リールＲ１〜第３リールＲ３の全てが回転している状態で、図９（Ａ）に示すように、第１リールＲ１に関して、７番の赤７図柄「赤７」が中段に位置するタイミングでストップボタンＢ１が押下されると、リプレイを最優先に入賞させるべく、リプレイ図柄「ＲＰ」を０コマ〜１コマの範囲内で引き込む制御が働く。具体的には、図９（Ｂ）に示すように、５番のリプレイ図柄「ＲＰ」を入賞判定ラインＬ１，Ｌ２上の表示位置である上段に表示させるように第１リールＲ１を停止させる。

続いてストップボタンＢ２，Ｂ３が押下されると、第２リールＲ２および第３リールＲ３については、リプレイを小役に優先して入賞させるべく、０コマ〜４コマの範囲でリプレイ図柄「ＲＰ」を入賞判定ラインＬ１，Ｌ２上の表示位置に引き込む処理が働く。

本実施形態の遊技機では、上述した第２リールＲ２および第３リールＲ３の図柄配列によって、リプレイ図柄「ＲＰ」がストップボタンＢ２，Ｂ３の押下タイミングに関わらず任意の入賞判定ライン上の表示位置に引き込むことができるようになっているため、図９（Ｃ）に示すように、第２リールＲ２および第３リールＲ３について、各ストップボタンの押下タイミングに関わらず、第２リールＲ２については中段にリプレイ図柄「ＲＰ」を表示させ、第３リールＲ３については下段にリプレイ図柄「ＲＰ」を表示させるように第２リールＲ２および第３リールＲ３を停止させることによって、入賞判定ラインＬ１においてリプレイが入賞することになる。

また第１リールＲ１〜第３リールＲ３の全てが回転している状態で、図１０（Ａ）に示すように、第１リールＲ１に関して、７番の赤７図柄「赤７」が上段に位置するタイミングでストップボタンＢ１が押下されると、リプレイ図柄「ＲＰ」を０コマ〜１コマの範囲内で引き込むことができない。すなわち、図１０（Ａ）に示す状態でストップボタンＢ１が押下された場合には、リプレイの入賞の可能性が消失しているため、特殊小役１あるいは特殊小役２のいずれかを入賞させるべく、図１０（Ｂ）に示すように、７番の赤７図柄「赤７」を入賞判定ラインＬ１，Ｌ２上の表示位置である上段に表示させるように第１リールＲ１を停止させる。

続いて、図１０（Ｂ）に示す状態でストップボタンＢ２，Ｂ３が押下されると、配当に基づく優先順位に従い、特殊小役２に優先して特殊小役１を入賞させるべく、図１０（Ｃ）に示すように、第２リールＲ２および第３リールＲ３について、各ストップボタンの押下タイミングに関わらず、第２リールＲ２については中段にベル図柄「ＢＬ」を表示させ、第３リールＲ３については下段にベル図柄「ＢＬ」を表示させるように第２リールＲ２および第３リールＲ３を停止させることによって、入賞判定ラインＬ１において特殊小役１が入賞することになる。

また、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の全てが回転している状態で、ストップボタンＢ２，Ｂ３がストップボタンＢ１に先立って押下されると、リプレイを最優先に入賞させるべく、図１１（Ａ）に示すように、第２リールＲ２については中段にリプレイ図柄「ＲＰ」を表示させ、第３リールＲ３については上段にリプレイ図柄「ＲＰ」を表示させるように第２リールＲ２および第３リールＲ３を停止させる。

続いて、回転中の第１リールＲ１を停止させるべく、図１１（Ｂ）に示すように、第１リールＲ１に関して、７番の赤７図柄「赤７」が中段に位置するタイミングでストップボタンＢ１が押下されると、５番のリプレイ図柄「ＲＰ」を０コマ〜１コマの範囲内で引き込むことができない。しかしながら、特殊小役２の入賞が可能であるので、図１１（Ｃ）に示すように、赤７図柄「赤７」が入賞判定ラインＬ４上の表示位置である下段に表示させることによって、入賞判定ラインＬ４において特殊小役２が入賞する。

このように本実施の形態では、ＣＢＢ状態での遊技において、リプレイが当選した場合には、ストップボタンＢ１がストップボタンＢ２，Ｂ３に先立って押下されると、リプレイあるいは特殊小役１が入賞するように第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させ、ストップボタンＢ２，Ｂ３がストップボタンＢ１に先立って押下され、最後にストップボタンＢ１が特定のタイミングで押下されると、特殊小役２が入賞するように第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させている。

そして本実施の形態では、ＣＢＢ状態においてリプレイの当選時にのみ入賞が可能となっている特殊小役２の入賞状況に応じてＡＴフラグの設定契機に関わる特殊抽選を実行する手法を採用している。以下では、図１２に示すフローチャートに沿って、説明を進める。

まず遊技状態がＣＢＢ状態であるか否かをチェックする（ステップＳ１００）。遊技状態がＣＢＢ状態であれば（ステップＳ１００でＹ）、遊技毎にステップＳ１０１以降の処理を行う。

遊技においてはスタートレバーＳＬが押下されると（ステップＳ１０１でＹ）、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の回転が開始される。そして、遊技者がストップボタンＢ１〜Ｂ３を押下することにより第１リールＲ１〜第３リールＲ３の全てが停止すると（ステップＳ１０２でＹ）、特殊小役２が入賞したか否かをチェックする（ステップＳ１０３）。

このとき特殊小役２が入賞した場合には（ステップＳ１０３でＹ）、特殊抽選を行い（ステップＳ１０４）、特殊抽選に当選した場合には（ステップＳ１０５でＹ）、ＡＴカウンタ１９８の記憶値に一定値（例えば、１）を加算するインクリメント更新を行う（ステップＳ１０６）。

そしてステップＳ１０１〜ステップＳ１０６の処理は、ＣＢＢ状態が終了するまで繰返し行われ、ＣＢＢ状態において払い出されたメダルの合計数が終了条件として予め定められた払出上限数（例えば、２０枚）に達すると（ステップＳ１０７でＹ）、ＡＴカウンタ１９８の記憶値をチェックする（ステップＳ１０８）。そしてＡＴカウンタ１９８の記憶値がしきい値（例えば、１）以上である場合には（ステップＳ１０８でＹ）、ＡＴフラグを設定して演出状態をＡＴ状態に移行させるとともに（ステップＳ１０９）、ＡＴカウンタ１９８の記憶値から一定値（例えば、１）を減算するデクリメント更新を行う（ステップＳ１１０）。

以上に述べた本実施形態の制御手法では、ＣＢＢ状態において、リプレイの非当選時には特殊小役２を入賞させることができず、リプレイの当選時にはストップボタンＢ２，Ｂ３をストップボタンＢ１に先立って押下しつつ、第１リールＲ１について赤７図柄「赤７」を狙ってストップボタンＢ１を押下することで特殊小役２を入賞させることができるようになっており、ＣＢＢ状態での遊技においてリプレイの当否に応じて特殊小役２の入賞機会が制限されている。

また本実施の形態では、ＣＢＢの当選後からＣＢＢ状態が終了するまでは、ＣＢＢの当選時におけるリプレイの抽選状態を引き継ぐようにしており、ＣＢＢ状態の終了後も所定の変動契機（本実施形態では、ＲＢＢの当選）が訪れるまで、リプレイの抽選状態が変動することがないように制御している。すなわち本実施の形態では、ＣＢＢの当選、ＣＢＢの入賞、ＣＢＢ状態の終了とは異なる変動契機においてリプレイの当選確率を変動させている。

そして本実施形態の制御手法によれば、入賞機会が制限されている特殊小役２が入賞する毎にＡＴ状態の設定契機に関わる特殊抽選を行うようにしたので、演出状態をＡＴ状態に移行させることができるか否かがＣＢＢ状態における特殊小役２の入賞機会を制限しているリプレイの当選確率に左右されるため、遊技性を高めて遊技の単調化を防ぐことができる。

ここで、前述したようにＣＢＢ状態は、ボーナス遊技におけるメダルの払出数の合計が払出上限数を超えた場合に終了するように制御されており、本実施形態の遊技機では払出上限数が２０枚に設定されている。

そして本実施の形態では、ＣＢＢ状態におけるボーナス遊技で入賞させることができる複数種類の小役のうち、ベル、特殊小役１、および特殊小役３の配当が１５枚に設定され、特殊小役２の配当が５枚に設定されている。このため、ベル、特殊小役１、あるいは特殊小役３をＣＢＢ状態におけるボーナス遊技で２回入賞させると、メダルの払出数の合計が３０枚となるため、ＣＢＢ状態は２回のボーナス遊技で終了するが、ベル、特殊小役１、あるいは特殊小役３のいずれか１つと特殊小役２とをＣＢＢ状態におけるボーナス遊技で１回ずつ入賞させた場合には、２回のボーナス遊技におけるメダルの払出数の合計が２０枚であるので、さらに１回分のボーナス遊技を行うことができる。

このように本実施形態の遊技機では、特殊小役２を１回でも入賞させると、ＣＢＢ状態でのボーナス遊技の回数が増えることとなり、ＣＢＢ状態において特殊小役２を最大で５回入賞させることができる。すなわち本実施形態の制御手法では、リプレイの当選回数が多くなるなるほど、特殊小役２を入賞させる機会が多くなり、結果として、特殊抽選を受けることができる回数が多くなる。このため本実施形態の制御手法によれば、ＣＢＢ状態におけるリプレイの当選回数に応じてＡＴ状態への移行に対する期待値が変動する遊技仕様を実現することができる。

特に本実施の形態では、リプレイの抽選状態がリプレイ低確率状態であるときにＣＢＢを入賞させると、リプレイの当選確率が約１／７．３に設定されるため、ＣＢＢ状態の２回のボーナス遊技でリプレイが１回以上当選する確率は約２５％になり、リプレイの抽選状態がリプレイ高確率状態であるときにＣＢＢを入賞させると、リプレイの当選確率が約１／１．４に設定されるため、ＣＢＢ状態の２回のボーナス遊技でリプレイが１回以上当選する確率は約９２％になる。すなわちリプレイ高確率状態では、リプレイ低確率状態よりも特殊抽選を受けることができる期待度が高くなっており、本実施形態の制御手法によれば、リプレイ低確率状態でＣＢＢを入賞させた場合には、演出状態がＡＴ状態に移行しにくく、リプレイ高確率状態でＣＢＢを入賞させた場合には、演出状態がＡＴ状態に移行しやすいという、同一の遊技状態でもＡＴ状態への移行期待度が変化する斬新な遊技仕様を実現することができる。

３．変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。

まず上記実施形態では、ＣＢＢ状態において特殊小役２が入賞する毎に特殊抽選を実行する場合を例に取り説明をしたが、ＣＢＢ状態において、いずれかの役が入賞する毎に特殊抽選を行うようにしてもよい。この場合には、ＣＢＢ状態において特殊小役２が入賞することに伴って、ＣＢＢ状態において小役が入賞する回数が異なるようにＣＢＢ状態の終了条件となる払出上限数が設定されていることが望ましい。このようにすれば、ＣＢＢ状態において特殊小役２を入賞させることによってＣＢＢ状態における小役の入賞回数が変動し、結果としてＣＢＢ状態における役の入賞回数を変動させることができる。例えば、上記実施形態のようにベル、特殊小役１、および特殊小役３の配当が１５枚であって、特殊小役２の配当が５枚に設定されている場合に、払出上限数が２０枚に設定されていれば、少なくとも１回、特殊小役２を入賞させることによって、特殊小役２を入賞させることができなかった場合に比べてＣＢＢ状態における小役の入賞回数が多くなり、特殊小役２を入賞させる回数が多くなるほど、特殊抽選を受けることができる回数が多くなる。またこの態様によれば、リプレイの入賞時にも特殊抽選が行われるようになるため、リプレイ当選時に特殊小役２を入賞させることができなかったとしても、リプレイが入賞することによって特殊抽選を受けることができるようになる。すなわち、この態様によれば、リプレイおよび特殊小役２の入賞回数によって特殊抽選を受けることができる回数が変動する遊技仕様を実現することができる。

また前述したように、ＣＢＢ状態において役が入賞する毎に特殊抽選を行うのではなく、メダルが払い出された遊技毎に特殊抽選を行うようにしてもよい。この場合には、ＣＢＢ状態において特殊小役２が入賞することに伴って、ＣＢＢ状態においてメダルの払い出しが行われる遊技の回数が異なるようにＣＢＢ状態の終了条件が設定されていることが望ましい。例えば、上記実施形態のようにベル、特殊小役１、および特殊小役３の配当が１５枚であって、特殊小役２の配当が５枚に設定されている場合に、払出上限数が２０枚に設定されていれば、少なくとも１回、特殊小役２を入賞させることによって、特殊小役２を入賞させることができなかった場合に比べてＣＢＢ状態における小役の入賞に伴いメダルが払い出される遊技の回数が多くなり、特殊小役２を入賞させる回数が多くなるほど、特殊抽選を受けることができる回数が多くなる。すなわち、この態様によれば、メダルの払い出しが行われた遊技単位で特殊抽選が行われるため、特殊小役２の入賞回数によって特殊抽選を受けることができる回数が変動する遊技仕様を実現することができる。

また小役の入賞状況に応じて特殊抽選を行う態様として、ＣＢＢ状態における予め定められた特定の遊技において特殊小役２を入賞させた場合に特殊抽選を実行させるようにしてもよい。例えば、ＣＢＢ状態に移行した後の最初の遊技や、ＣＢＢ状態において払い出されたメダルの数が所定条件を満たす遊技などを特定の遊技とすることができる。

また上記実施形態では、第１の小役に相当する特殊小役１の入賞形態を示す図柄組合せと、第２の小役に相当する特殊小役２の入賞形態を示す図柄組合せとが、ＣＢＢ状態において特殊制御状態に設定される第１リールＲ１の表示図柄に関して共通している場合を例に取り説明をしたが、第１の小役の入賞形態を示す図柄組合せと、第２の小役の入賞形態を示す図柄組合せとは、ＣＢＢ状態において特殊制御状態に設定される第１リールＲ１の表示図柄が異なっていてもよい。この場合には、第１の小役の入賞形態を示す図柄組合せにおける第１リールＲ１の表示図柄と、第２の小役の入賞形態を示す図柄組合せにおける第１リールＲ１の表示図柄とが、２コマ以上離れて第１リールＲ１に配列されていることが望ましい。すなわち第１の小役の入賞形態を示す図柄組合せにおける第１リールＲ１の表示図柄と、第２の小役の入賞形態を示す図柄組合せにおける第１リールＲ１の表示図柄とが、特殊制御状態における引き込み範囲内（７５ｍｓに相当する０コマ〜１コマの範囲内）に存在しないように第１リールＲ１に配列されていることが望ましい。

また上記実施形態では、図４に示すように、リプレイ図柄「ＲＰ」を、赤７図柄「赤７」と隣接しないように配列した場合を例に取り説明をしたが、特定の配列条件を満たす場合には、リプレイ図柄「ＲＰ」と赤７図柄「赤７」とを隣接して配列することができる。例えば、図４に示す７番の赤７図柄「赤７」の下に位置する８番のＢＡＲ図柄「ＢＡＲ」の代わりにリプレイ図柄「ＲＰ」を配列するようにしてもよい。この場合、リプレイ図柄「ＲＰ」が赤７図柄「赤７」に隣接していても、８番のリプレイ図柄「ＲＰ」が入賞判定ライン上の表示位置を通過した直後のタイミングでストップボタンＢ１を押下すれば、ＣＢＢ状態でのリプレイ当選時にリプレイの入賞を回避して特殊小役２を入賞させることが可能である。

また上記実施形態では、第１リールＲ１のみがＣＢＢ状態において特殊制御状態に設定される場合を例に取り説明をしたが、第２リールＲ２や第３リールＲ３も特殊制御状態に設定するようにしてもよい。

また上記実施形態では、ＣＢＢ状態での遊技では、リプレイの当選時に限って特殊小役２の入賞機会が与えられるようになっているため、ＣＢＢ状態ではリプレイの当否に応じた演出を実行させる制御を行うようにしてもよい。このとき上記実施形態では、ストップボタンＢ１をストップボタンＢ２，Ｂ３に先立って押下してしまうと、リプレイ当選時でも特殊小役２を入賞させることができないため、内部抽選を行った後のストップボタンＢ１〜Ｂ３の操作が許可される前にリプレイの当否を遊技者が把握可能な演出を実行することが好ましい。

また上記実施形態では、ＲＢＢの当選やＲＢＢ状態の終了をリプレイの抽選状態の変動契機とする場合を例に取り説明をしたが、入賞判定ライン上に特定の図柄組合せが表示されてことを変動契機として、リプレイの抽選状態をリプレイ高確率状態からリプレイ低確率状態へ変動させたり、リプレイ低確率状態からリプレイ高確率状態へ変動させたりするようにしてもよい。

ＢＸ 収納箱、ＵＤ 前面上扉、ＤＤ 前面下扉、ＤＷ 表示窓、
Ｌ１〜Ｌ４ 有効ライン、ＤＳ 遊技情報表示部、ＬＣＤ 液晶ディスプレイ、
Ｒ１ 第１リール、Ｒ２ 第２リール、Ｒ３ 第３リール、
Ｂ０ ベットボタン、ＳＬ スタートレバー、Ｂ１〜Ｂ３ ストップボタン、
ＭＩ メダル投入口、ＭＯ メダル払い出し口、ＭＰ メダル受け皿、
１００ 遊技制御手段、１０５ 投入受付手段、１１０ 乱数発生手段、
１２０ 内部抽選手段、１３０ リール制御手段、１４０ 入賞判定手段、
１５０ 払出制御手段、１６０ リプレイ処理手段、１７０ 遊技状態移行制御手段、
１７５ リプレイ抽選状態制御手段、１８０ 演出制御手段、１８１ 特殊抽選手段、
１８２ ＡＴカウンタ更新手段、１８３ ＡＴフラグ設定手段、
１９０ 記憶手段、１９１ 抽選テーブル記憶手段、１９２ 抽選フラグ記憶手段、
１９３ 停止制御テーブル記憶手段、１９４ 入賞判定テーブル記憶手段、
１９５ ＲＴカウンタ、１９６ 演出データ記憶手段、
１９７ 特殊抽選テーブル記憶手段、１９８ ＡＴカウンタ、
１９９ ＡＴフラグ記憶手段、
２１０ メダル投入スイッチ、２２０ ベットスイッチ、２３０ スタートスイッチ、
２４０ ストップスイッチ、３１０ リールユニット、３１５ リールインデックス、
３２０ ホッパーユニット、３２５ 払出メダル検出スイッチ、
３３０ 表示装置、３４０ 音響装置

Claims (1)

1. 外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールの停止状態において役毎に予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示されたことに基づいて、役が入賞するように設けられた遊技機であって、
   第１の小役、第２の小役、およびリプレイを含む複数種類の役の当否を決定する内部抽選を遊技毎に行い、内部抽選で当選した役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する内部抽選手段と、
   前記複数のリールを遊技毎に回転させるとともに、停止操作を契機として、当該停止操作の態様と前記抽選フラグの設定状態とに基づいて前記複数のリールを停止させるリール制御手段と、
   前記第１の小役あるいは前記第２の小役の入賞に伴い、入賞した役に設定された配当に応じた数の遊技媒体を払出装置に払い出させる払出制御手段と、
   前記リプレイの入賞に伴い、遊技者の所有する遊技媒体を要さずに遊技媒体を自動投入するリプレイ処理手段と、
   複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させ、特定の遊技状態では、払い出された遊技媒体の合計数に応じて終了条件が成立したか判定し、当該終了条件が成立したと判定された場合に当該特定の遊技状態を終了させる制御を行う遊技状態移行制御手段と、
   複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させ、特別演出状態では、前記内部抽選で当選した役の入賞を補助する特別演出を演出装置に実行させる演出制御手段と、
   前記特定の遊技状態以外の遊技状態において、所定条件下で内部抽選における前記リプレイの当選確率を変動させ、前記特定の遊技状態の移行契機となる役の当選時点における前記リプレイの当選確率を前記特定の遊技状態の移行契機となる役の当選時から前記特定の遊技状態が終了するまで維持するリプレイ抽選状態制御手段とを備え、
   前記第１の小役の配当は、前記第２の小役の配当より高くなるように設定されており、
   前記特定の遊技状態では、前記第１の小役および前記第２の小役の抽選フラグが必ず当選状態に設定され、前記第１の小役および前記第２の小役の抽選フラグが前記リプレイの抽選フラグと重複して当選状態に設定される場合と、前記第１の小役および前記第２の小役の抽選フラグが前記リプレイの抽選フラグと重複せずに当選状態に設定される場合とが存在し、
   前記リール制御手段が、
   前記特定の遊技状態における前記第１の小役および前記第２の小役の抽選フラグが前記リプレイの抽選フラグと重複せずに当選状態に設定された遊技では、前記第１の小役の配当が前記第２の小役の配当より高いことに基づいて、前記第１の小役を前記第２の小役に優先して入賞させ停止操作の態様に関わらずに前記第２の小役の入賞を回避するように前記複数のリールを停止させ、
   前記特定の遊技状態における前記第１の小役および前記第２の小役の抽選フラグが前記リプレイの抽選フラグと重複して当選状態に設定された遊技では、停止操作の態様が特定の態様であることを条件に、前記リプレイおよび前記第１の小役の入賞を回避して前記第２の小役を入賞させ、停止操作の態様が特定の態様とは異なる場合には前記第２の小役の入賞を回避するように前記複数のリールを停止させることを特徴とする遊技機。
   
   

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