JP5816541B2 - 包装容器 - Google Patents
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Description
このように天面部を外側に膨らませた包装容器としては、例えば、長方形状底板の一対向辺に五角形状の端板を連接し、端板の底板側二辺には内側板を、他の二辺に内頂板をそれぞれ連接し、底辺の他の対向辺には端辺の各辺長と対応した大きさの側板及び外頂板を連接すると共に、外頂板の外側方に差込片及び取手板を連接してなる1枚の展開板からなる組立式携帯用容器が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1の発明をサック貼り包装材にすると折り畳めないため、1枚の展開板(ブランク)で納品される。このため、所定の形状に組み立てるのが煩雑である。
また、例えば、正面板、側面板、背面板、側面板を順次連設した本体部と、両側面板の上端にそれぞれ連設した小フラップと、正面板と背面板との上端にそれぞれ連設した屋根板と、底部とから構成され、両側面板の上方が山形に突出した形状を呈しており、小フラップを屋根板に貼着してなる紙箱が提案されている(例えば、特許文献3)。
そこで、本発明は、強度を損ねることなく、意匠性に優れ、組立操作が容易であり、汎用のサック貼り機で製造できる包装容器を目的とする。
前記第三の面部と第四の面部とは、略平行であることが好ましい。
図1の包装容器1は、平面視長方形の第一の面部10と、第一の面部10に対向する長方形の第二の面部20と、第一の面部10と第二の面部20とに連接された長方形の第三の面部30と、第三の面部30に対向し第一の面部10と第二の面部20とに連接された長方形の第四の面部40とで形成された筒状体2を備えるものである。包装容器1は、筒状体2の一方の開口端を塞ぐ第五の面部50と、筒状体2の他方の開口端を塞ぐ第六の面部60とを備える。
第二の面部20には、第五の面部50から第六の面部60に向かって延びる稜線21が形成され、この稜線21から立設された取手部70が設けられている。稜線21は、第二の面部20における第三の面部30との境界22から第四の面部40との境界24までの長さを二分する位置に形成されている。
本実施形態においては、第一の面部10が底面とされ、第二の面部20が天面とされ、第三の面部30と第四の面部40とが略平行とされている。略平行にされているとは、第三の面部30と第四の面部40とが目視にて平行と認識できることを意味する。
正面視において、第三の面部30は、第一の面部10との境界12を長手とする長方形とされ、第四の面部40は、第一の面部10との境界14を長手とする長方形とされている。
側面視において、第五の面部50は、第一の面部10との境界が短手とされ、第六の面部60は、第一の面部10との境界が短手とされている。第五の面部50と第六の面部60とは、同じ形状で同じ大きさとされている。
包装容器1に用いられる材料の厚さは、包装容器1に求める強度等を勘案して決定される。
包装容器1の高さH、即ち、第一の面部10から稜線21までの距離は、被包装物の大きさ等に応じて決定される。
包装容器1の幅、即ち、第一の面部10における第三の面部30との境界12から第四の面部40との境界14までの長さL1は、被包装物の大きさ等に応じて決定される。
長さL1と長さL2との差は、包装容器1の大きさや、意匠性を勘案して決定され、例えば、長さL4の15%以下が好ましく、5%以下がより好ましい。
例えば、長さL1が50〜300mmであれば、長さL1と長さL2との差は、好ましくは0.3〜20mm、より好ましくは1〜8mmとされる。
上記下限値未満では、稜線21が目立たないおそれがあり、上記上限値超では、長さL3と長さL4との差が大きくなり、意匠性が損なわれるおそれがある。
長さL3と長さL4の差は、長さL1と長さL2との差と等しくされている。
これにより、長さL1と長さL4との合計は、長さL2と長さL3との合計と等しくされている。長さL1と長さL4との合計と、長さL2と長さL3との合計とを等しくすることで、包装容器1を構成するサック貼り包装材を正常に折り畳める。「正常に折り畳める」とは、サック貼り包装材を折り畳む際に、新たな折線を形成することなく、2面を対向させ当接させて折り畳めることを意味する。
図3は、包装容器1を構成するブランク4の平面図であり、図4は、ブランク4をサック貼りしたサック貼り包装材4aの模式図である。
まず、任意の材質のシート状物を型抜きして、図3に示すブランク4とする。
ブランク4は、一方を長手とする平面視長方形の第一の面部10と、第一の面部10の長手を形成する一方の辺に延設された平面視長方形の第三の面部30と、第一の面部10の長手を形成する他方の辺に延設された平面視長方形の第四の面部40と、第四の面部40における第一の面部10の反対側に延設された平面視長方形の第二の面部20とを備える。
第二の面部20は、折罫線24aに沿った方向が長手とされ、第二の面部20には、折罫線24aに沿って稜線用罫線21aが形成されている。
第三の面部30には、長手方向の一端に第五の面部50が延設され、長手方向の他端に第六の面部60が延設されている。
第三の面部30には、第一の面部10と反対側に、取手貼りしろ70bと取手部70と取手貼りしろ70aとがこの順で延設され、第三の面部30と取手貼りしろ70bとの境界には、折罫線22aが形成されている。
第二の面部20には、長手方向の一端にフラップ20cが延設され、長手方向の他端にフラップ20dが延設されている。
第四の面部40には、長手方向の一端にフラップ40aが延設され、長手方向の他端にフラップ40bが延設されている。
まず、折罫線12aと折罫線24aとを山折りにして、ブランク4を折り曲げる。この際、第二の面部20における折罫線24aの反対側の端辺23と、折罫線22aとを揃えてブランク4を折り曲げる。
取手部70を折罫線71で山折りにし、取手部70と取手貼りしろ70aとの境界、及び取手部70と取手貼りしろ70bとの境界を谷折りにする。第二の面部20における稜線用罫線21aと折罫線24aとの間の領域20aに取手貼りしろ70aを接着し、第二の面部20における稜線用罫線21aと端辺23との間の領域20bに取手貼りしろ70bを接着して、サック貼り包装材4aを得る。
折罫線12aと折罫線24aとを近づけるようにしつつ、折罫線14a、22a及び稜線用罫線21aが外側に張り出すように折罫線14a、22a及び稜線用罫線21aを山折りして、筒状体2(図1)を形成する。この際、折罫線12a、14a、22a、24aで折り曲げられた部分がそれぞれ境界12、14、22、24となり、稜線用罫線21aで折り曲げられた部分が稜線21となる(図1)。
次いで、筒状体2の一方の開口端を塞ぐように、フラップ10aとフラップ20cとフラップ40aとを折り曲げ、折り曲げたフラップ10a、20c、40aに第五の面部50を被せて接着する。また、筒状体2の他方の開口端を塞ぐように、フラップ10bとフラップ20dとフラップ40bとを折り曲げ、折り曲げたフラップ10b、20d、40bに第六の面部60を被せて接着して、包装容器1とする。
本実施形態によれば、長さL1と長さL4との合計と、長さL2と長さL3との合計とが等しいため、L1<L2としても、ブランクを貼り合わせて正常に畳んだサック貼り包装材として流通できる。このため、サック貼り包装材の製造が容易であり、かつ包装容器の組立操作が容易である。
加えて、長さL1と長さL4との合計と、長さL2と長さL3との合計が等しいため、第三の面部と第四の面部とを略平行にしても、第二の面部に稜線を形成でき、かつサック貼り包装材として流通できる。
さらに、捨て罫線を形成する必要がないため、包装容器の意匠性を損なわず、かつ包装容器の強度を損なわない。
上述の実施形態は、側面視五角形で、第二の面部の側面視形状が稜線を頂点とする三角形とされ、これに対応する形状の第五の面部及び第六の面部が設けられているが、本発明はこれに限定されない。
例えば、図5に示す包装容器100のように、側面視において第二の面部120を円弧状に膨出させて稜線を形成させ、これに対応する形状の第六の面部160及び第五の面部を設けたものであってもよい。あるいは、図6に示す包装容器200のように、側面視において第二の面部220を台形とし、これに対応する形状の第六の面部260及び第五の面部が設けられていてもよいし、側面視において、第二の面部が三角形、台形以外の多角形とされていてもよい。
上述の実施形態では、第二の面部が、第三の面部との境界を長手とする長方形とされているが、本発明はこれに限定されず、第二の面部が、第三の面部との境界を短手とするものであってもよいし、正方形であってもよい。
上述の実施形態では、第三の面部が、第一の面部との境界を長手とする長方形とされているが、本発明はこれに限定されず、第三の面部が、第一の面部との境界を短手とするものであってもよいし、正方形であってもよい。
上述の実施形態では、第四の面部が、第一の面部との境界を長手とする長方形とされているが、本発明はこれに限定されず、第四の面部が、第一の面部との境界を短手とするものであってもよいし、正方形であってもよい。
上述の実施形態では、第五の面部が、第一の面部との境界を短手とする形状とされているが、本発明はこれに限定されず、第五の面部が、第一の面部との境界を長手とするものであってもよいし、正方形であってもよい。
上述の実施形態では、第六の面部が、第一の面部との境界を短手とする形状とされているが、本発明はこれに限定されず、第六の面部が、第一の面部との境界を長手とするものであってもよいし、正方形であってもよい。
第一〜第六の面部は、L1<L2、L1+L4=L2+L3を満たす範囲で、被包装物の形状や数量等に応じて適宜設計されればよい。
あるいは、各フラップに差込片を延設し、この差込片を、第三の面部と第五の面部との境界や第三の面部と第六の面部との境界等に形成した差込口に差し込んで、包装容器を組み立ててもよい。
板紙(目付:550g/m2)で図3に示すブランク4と同様のブランクを製造した。このブランクは、図1の包装容器1における高さH=203mm、長さL5=262mm、長さL1=89mm、長さL2=92mm、長さL3=190mm、長さL4=193mmとなるように成形したものである。
得られたブランクを用い、図4のサック貼り包装材4aと同様にしてサック貼り包装材を製造したところ、サック貼り装置で容易に製造できた。得られたサック貼り包装材は、正常に折り畳められ、これを組み立てたところ容易に包装容器を組み立てられた。加えて、組み立てられた包装容器は、外観が良好であった。
第三の面部における第一の面部との境界から第二の面部との境界までの長さを193mm(即ち、L3=L4、L1+L4<L2+L3)とした以外は、実施例1と同様にしてブランクを得た。得られたブランクを用い、図4のサック貼り包装材4aと同様のサック貼り包装材を製造しようと試みたところ、図7に示すサック貼り包装材800のように、第二の面部20と第三の面部830との境界に形成した折罫線22aが山折りとなり、第一の面部10と第四の面部40とが面一に連なった面から浮き上がってしまい、正常に折り畳めなかった。
図8に示すブランク900のように、第三の面部930に折罫線12aに沿った折罫線904を形成した以外は、比較例1と同様にしてブランクを製造した。このブランクは、L3=L4、L1+L4<L2+L3の包装容器となるものである。折罫線12aと折罫線904との距離は2mmであった。
得られたブランク900を用いて、図9に示すサック貼り包装材902と同様のサック貼り包装材を製造したところ、サック貼り装置で容易に製造できた。加えて、得られたサック貼り包装材を組み立てたところ、容易に組み立てられた。
ただし、第三の面部930に形成された折罫線904が、包装容器の意匠性を損ねていた。加えて、折罫線904の部分が脆弱であった。
2 筒状体
10 第一の面部
12、14、22、24 境界
20、120、220 第二の面部
21 稜線
30 第三の面部
40 第四の面部
50 第五の面部
60、160、260 第六の面部
Claims (3)
- 平面視長方形の第一の面部と、該第一の面部に対向する第二の面部と、前記第一の面部と前記第二の面部とに連接された第三の面部と、該第三の面部に対向し前記第一の面部と前記第二の面部とに連接された第四の面部と、前記第一の面部と前記第二の面部と前記第三の面部と前記第四の面部とで形成された筒状体の一方の開口端を塞ぐ第五の面部と、前記筒状体の他方の開口端を塞ぐ第六の面部とを備え、前記第二の面部には、前記第五の面部から前記第六の面部に向かって延びる稜線が形成された包装容器において、
前記第一の面部における前記第三の面部との境界から前記第四の面部との境界までの長さL1は、前記第二の面部における前記第三の面部との境界から前記第四の面部との境界までの長さL2より短く、
前記第三の面部における前記第一の面部との境界から前記第二の面部との境界までの長さL3は、前記第四の面部における前記第一の面部との境界から前記第二の面部との境界までの長さL4より短く、
L1とL4との合計は、L2とL3との合計と等しいことを特徴とする包装容器。 - 前記第三の面部と第四の面部とは、略平行であることを特徴とする請求項1に記載の包装容器。
- 請求項1又は2に記載の包装容器を構成するサック貼り包装材であって、
前記第一の面部と前記第三の面部との境界及び前記第二の面部と前記第四の面部との境界が折り曲げられ、かつ、前記第一の面部と前記第四の面部との境界及び前記第二の面部と第三の面部との境界が折り曲げられずに、前記筒状体が畳まれていることを特徴とする、サック貼り包装材。
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