以下、添付した図面を参照して、本発明に係る流動層乾燥装置、ガス化複合発電設備および乾燥方法について説明する。なお、以下の実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、実施例1に係る流動層乾燥装置を適用した石炭ガス化複合発電設備の概略構成図である。実施例1の流動層乾燥装置1が適用された石炭ガス化複合発電設備(IGCC:Integrated Coal Gasification Combined Cycle)100は、空気を酸化剤としてガス化炉で石炭ガスを生成する空気燃焼方式を採用し、ガス精製装置で精製した後の石炭ガスを燃料ガスとしてガスタービン設備に供給して発電を行っている。すなわち、実施例1の石炭ガス化複合発電設備100は、空気燃焼方式(空気吹き)の発電設備である。この場合、ガス化炉に供給する湿潤燃料として褐炭を使用している。
なお、実施例1では、湿潤燃料として褐炭を適用したが、水分含量の高いものであれば、亜瀝青炭等を含む低品位炭や、スラッジ等の泥炭を適用してもよく、また、高品位炭であっても適用可能である。また、湿潤燃料として、褐炭等の石炭に限らず、再生可能な生物由来の有機性資源として使用されるバイオマスであってもよく、例えば、間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤ及びこれらを原料としたリサイクル燃料(ペレットやチップ)などを使用することも可能である。
実施例1において、図1に示すように、石炭ガス化複合発電設備100は、給炭装置111、流動層乾燥装置1、微粉炭機113、石炭ガス化炉114、チャー回収装置115、ガス精製装置116、ガスタービン設備117、蒸気タービン設備118、発電機119、排熱回収ボイラ(HRSG:Heat Recovery Steam Generator)120を有している。
給炭装置111は、原炭バンカ121と、石炭供給機122と、クラッシャ123とを有している。原炭バンカ121は、褐炭を貯留可能であって、所定量の褐炭を石炭供給機122に投下する。石炭供給機122は、原炭バンカ121から投下された褐炭をコンベアなどにより搬送し、クラッシャ123に投下する。このクラッシャ123は、投下された褐炭を細かく破砕して細粒化する。
詳細は後述するが、流動層乾燥装置1は、給炭装置111から投入された褐炭を水蒸気等の流動化ガスにより流動させると共に、伝熱管33,43により加熱乾燥することで、褐炭が含有する水分を除去するものである。この流動層乾燥装置1には、排出された乾燥済の褐炭(乾燥炭)を冷却する冷却器131が接続されている。冷却器131には、冷却済の乾燥炭を貯留する乾燥炭バンカ132が接続されている。また、流動層乾燥装置1には、外部へ排出される排出ガスから乾燥炭の粒子を分離する集塵装置139として乾燥炭サイクロン133と乾燥炭電気集塵機134が接続されている。乾燥炭サイクロン133および乾燥炭電気集塵機134において排出ガスから分離された乾燥炭の粒子は、乾燥炭バンカ132に貯留される。なお、乾燥炭電気集塵機134で乾燥炭が分離された排出ガスは、蒸気圧縮機135で圧縮されてから流動層乾燥装置1の伝熱管33,43に熱媒として供給される。
微粉炭機113は、流動層乾燥装置1により乾燥された褐炭(乾燥炭)を細かい粒子状に粉砕して微粉炭を製造するものである。すなわち、微粉炭機113は、乾燥炭バンカ132に貯留された乾燥炭が石炭供給機136により投下されると、この乾燥炭を所定粒径以下の微粉炭とする。そして、微粉炭機113で粉砕後の微粉炭は、微粉炭バグフィルタ137a,137bにより搬送用ガスから分離され、微粉炭供給ホッパ138a,138bに貯留される。
石炭ガス化炉114は、微粉炭機113で処理された微粉炭が供給されると共に、チャー回収装置115で回収されたチャー(石炭の未燃分)が供給される。
石炭ガス化炉114は、ガスタービン設備117(圧縮機161)から圧縮空気供給ライン141が接続されており、このガスタービン設備117で圧縮された圧縮空気が供給可能となっている。空気分離装置142は、大気中の空気から窒素と酸素を分離生成するものであり、第1窒素供給ライン143が石炭ガス化炉114に接続され、この第1窒素供給ライン143に微粉炭供給ホッパ138a,138bからの給炭ライン144a,144bが接続されている。また、第2窒素供給ライン145も石炭ガス化炉114に接続され、この第2窒素供給ライン145にチャー回収装置115からのチャー戻しライン146が接続されている。更に、酸素供給ライン147は、圧縮空気供給ライン141に接続されている。この場合、窒素は、石炭やチャーの搬送用ガスとして利用され、酸素は、酸化剤として利用される。
石炭ガス化炉114は、例えば、噴流床形式のガス化炉であって、内部に供給された石炭、チャー、酸化剤(酸素)、またはガス化剤としての水蒸気を燃焼・ガス化すると共に、二酸化炭素を主成分とする可燃性ガス(生成ガス、石炭ガス)が発生し、この可燃性ガスをガス化剤としてガス化反応が起こる。なお、石炭ガス化炉114は、微粉炭の混入した異物を除去する異物除去装置148が設けられている。この場合、石炭ガス化炉114は噴流床ガス化炉に限らず、流動床ガス化炉や固定床ガス化炉としてもよい。そして、この石炭ガス化炉114は、チャー回収装置115に向けて可燃性ガスのガス生成ライン149が設けられており、チャーを含む可燃性ガスが排出可能となっている。この場合、ガス生成ライン149にガス冷却器を設けることで、可燃性ガスを所定温度まで冷却してからチャー回収装置115に供給するとよい。
チャー回収装置115は、集塵装置151と供給ホッパ152とを有している。この場合、集塵装置151は、1つまたは複数のバグフィルタやサイクロンにより構成され、石炭ガス化炉114で生成された可燃性ガスに含有するチャーを分離することができる。そして、チャーが分離された可燃性ガスは、ガス排出ライン153を通してガス精製装置116に送られる。供給ホッパ152は、集塵装置151で可燃性ガスから分離されたチャーを貯留するものである。なお、集塵装置151と供給ホッパ152との間にビンを配置し、このビンに複数の供給ホッパ152を接続するように構成してもよい。そして、供給ホッパ152からのチャー戻しライン146が第2窒素供給ライン145に接続されている。
ガス精製装置116は、チャー回収装置115によりチャーが分離された可燃性ガスに対して、硫黄化合物や窒素化合物などの不純物を取り除くことで、ガス精製を行うものである。そして、ガス精製装置116は、可燃性ガスを精製して燃料ガスを製造し、これをガスタービン設備117に供給する。なお、このガス精製装置116では、チャーが分離された可燃性ガス中にはまだ硫黄分(H2S)が含まれているため、アミン吸収液によって除去することで、硫黄分を最終的には石膏として回収し、有効利用する。
ガスタービン設備117は、圧縮機161、燃焼器162、タービン163を有しており、圧縮機161とタービン163は、回転軸164により連結されている。燃焼器162は、圧縮機161から圧縮空気供給ライン165が接続されると共に、ガス精製装置116から燃料ガス供給ライン166が接続され、タービン163に燃焼ガス供給ライン167が接続されている。また、ガスタービン設備117は、圧縮機161から石炭ガス化炉114に延びる圧縮空気供給ライン141が設けられており、圧縮空気供給ライン141に昇圧機168が介設されている。従って、燃焼器162では、圧縮機161から供給された圧縮空気とガス精製装置116から供給された燃料ガスとを混合して燃焼し、タービン163にて、発生した燃焼ガスにより回転軸164を回転することで発電機119を駆動することができる。
蒸気タービン設備118は、ガスタービン設備117における回転軸164に連結されるタービン169を有しており、発電機119は、この回転軸164の基端部に連結されている。排熱回収ボイラ120は、ガスタービン設備117(タービン163)からの排ガスライン170に設けられており、空気と高温の排ガスとの間で熱交換を行うことで、蒸気を生成するものである。そのため、排熱回収ボイラ120は、蒸気タービン設備118のタービン169との間に蒸気供給ライン171が設けられると共に、蒸気回収ライン172が設けられ、蒸気回収ライン172に復水器173が設けられている。従って、蒸気タービン設備118では、排熱回収ボイラ120から供給された蒸気によりタービン169が駆動し、回転軸164を回転することで発電機119を駆動することができる。
そして、排熱回収ボイラ120で熱が回収された排ガスは、ガス浄化装置174により有害物質を除去され、浄化された排ガスは、煙突175から大気へ放出される。
ここで、実施例1の石炭ガス化複合発電設備100の作動について説明する。
実施例1の石炭ガス化複合発電設備100において、給炭装置111にて、原炭(褐炭)が原炭バンカ121に貯留されており、この原炭バンカ121の褐炭が石炭供給機122によりクラッシャ123に投下され、ここで所定の大きさに破砕される。そして、破砕された褐炭は、流動層乾燥装置1により加熱乾燥された後、冷却器131により冷却され、乾燥炭バンカ132に貯留される。また、流動層乾燥装置1から排出された排出ガスは、乾燥炭サイクロン133および乾燥炭電気集塵機134により乾燥炭の粒子が分離され、蒸気圧縮機135で圧縮されてから流動層乾燥装置1の伝熱管33,43に熱媒として戻される。一方、蒸気から分離された乾燥炭の粒子は、乾燥炭バンカ132に貯留される。
乾燥炭バンカ132に貯留される乾燥炭は、石炭供給機136により微粉炭機113に投入され、ここで、細かい粒子状に粉砕されて微粉炭が製造され、微粉炭バグフィルタ137a,137bを介して微粉炭供給ホッパ138a,138bに貯留される。この微粉炭供給ホッパ138a,138bに貯留される微粉炭は、空気分離装置142から供給される窒素により第1窒素供給ライン143を通して石炭ガス化炉114に供給される。また、後述するチャー回収装置115で回収されたチャーが、空気分離装置142から供給される窒素により第2窒素供給ライン145を通して石炭ガス化炉114に供給される。更に、後述するガスタービン設備117から抽気された圧縮空気が昇圧機168で昇圧された後、空気分離装置142から供給される酸素と共に圧縮空気供給ライン141を通して石炭ガス化炉114に供給される。
石炭ガス化炉114では、供給された微粉炭及びチャーが圧縮空気(酸素)により燃焼し、微粉炭及びチャーがガス化することで、二酸化炭素を主成分とする可燃性ガス(石炭ガス)を生成することができる。そして、この可燃性ガスは、石炭ガス化炉114からガス生成ライン149を通して排出され、チャー回収装置115に送られる。
このチャー回収装置115にて、可燃性ガスは、まず、集塵装置151に供給され、集塵装置151は、可燃性ガスに含まれるチャーを分離する。そして、チャーが分離された可燃性ガスは、ガス排出ライン153を通してガス精製装置116に送られる。一方、可燃性ガスから分離した微粒チャーは、供給ホッパ152に堆積され、チャー戻しライン146を通して石炭ガス化炉114に戻されてリサイクルされる。
チャー回収装置115によりチャーが分離された可燃性ガスは、ガス精製装置116にて、硫黄化合物や窒素化合物などの不純物が取り除かれてガス精製され、燃料ガスが製造される。そして、ガスタービン設備117では、圧縮機161が圧縮空気を生成して燃焼器162に供給すると、この燃焼器162は、圧縮機161から供給される圧縮空気と、ガス精製装置116から供給される燃料ガスとを混合し、燃焼することで燃焼ガスを生成し、この燃焼ガスによりタービン163を駆動することで、回転軸164を介して発電機119を駆動し、発電を行うことができる。
そして、ガスタービン設備117におけるタービン163から排出された排気ガスは、排熱回収ボイラ120にて、空気と熱交換を行うことで蒸気を生成し、この生成した蒸気を蒸気タービン設備118に供給する。蒸気タービン設備118では、排熱回収ボイラ120から供給された蒸気によりタービン169を駆動することで、回転軸164を介して発電機119を駆動し、発電を行うことができる。
その後、ガス浄化装置174では、排熱回収ボイラ120から排出された排気ガスの有害物質が除去され、浄化された排ガスが煙突175から大気へ放出される。
以下、上述した石炭ガス化複合発電設備100における流動層乾燥装置1について詳細に説明する。図2は、実施例1に係る流動層乾燥装置を模式的に表した概略構成図である。実施例1の流動層乾燥装置1は、給炭装置111により投入された褐炭を、流動化ガスにより流動させながら、加熱乾燥させるものである。
図2に示すように、流動層乾燥装置1は、内部に褐炭が供給される乾燥炉5を備えている。乾燥炉5は、上流側乾燥炉5aと下流側乾燥炉5bとを有している。上流側乾燥炉5aの内部には、上流側ガス分散板6aが設けられ、下流側乾燥炉5bの内部には、下流側ガス分散板6bが設けられている。上流側乾燥炉5aおよび下流側乾燥炉5bは、長方体の箱状に形成されている。上流側ガス分散板6aは、上流側乾燥炉5aの内部の空間を、鉛直方向下方側(図示下側)に位置する上流側風室11aと、鉛直方向上方側(図示上側)に位置する上流側乾燥室12aとに区分けしている。同様に、下流側ガス分散板6bは、下流側乾燥炉5bの内部の空間を、鉛直方向下方側(図示下側)に位置する下流側風室11bと、鉛直方向上方側(図示上側)に位置する下流側乾燥室12bとに区分けしている。上流側ガス分散板6aおよび下流側ガス分散板6bには、多数の貫通孔が形成されている。
流動層乾燥装置1は、上流側風室11aおよび下流側風室11bに流動化蒸気を供給する流動化蒸気供給部21と、上流側風室11aに窒素等の非凝縮性ガスを供給するガス供給部25とを備えている。流動化蒸気供給部21は、上流側風室11aおよび下流側風室11bに接続されており、流動化蒸気を供給する。一方、ガス供給部25は、流動化蒸気供給部21と上流側風室11aとを接続する供給ラインに接続され、非凝縮性ガスを流動化蒸気と共に流動化ガスとして供給する。このため、上流側乾燥室12aには、上流側風室11aを介して流動化ガスが導入されることから、上流側乾燥室12a内の露点温度は、100℃よりも小さくすることが可能となる。一方で、下流側乾燥室12bには、下流側風室11bを介して流動化蒸気が導入されることから、下流側乾燥室12b内の露点温度は、100℃前後にする必要がある。なお、ガス供給部25から供給される非凝縮性ガスとしては、例えば、外部の非凝縮性ガス供給装置から供給してもよいし、ガスタービンやボイラ等から排出される排ガスを供給してもよい。
上流側乾燥炉5aの上流側乾燥室12aには、褐炭が投入される上流側褐炭投入口31と、褐炭を加熱乾燥した乾燥炭を排出する上流側乾燥炭排出口34と、流動化ガスおよび乾燥時に発生する発生蒸気を排出するガス排出口35と、褐炭を加熱する上流側伝熱管(上流側伝熱部材)33とが設けられている。
上流側褐炭投入口31は、上流側乾燥室12aの一端側(図示左側)の上部に形成されている。上流側褐炭投入口31には、給炭装置111が接続されており、給炭装置111から供給された褐炭が、上流側乾燥室12aに供給される。
上流側乾燥炭排出口34は、上流側乾燥室12aの他端側(図示右側)の下部に形成されている。上流側乾燥炭排出口34からは、上流側乾燥室12aにおいて初期乾燥された褐炭が、乾燥炭として排出され、排出された乾燥炭は上記した下流側乾燥室12bへ向けて供給される。
ガス排出口35は、上流側乾燥室12aの他端側の上部に形成されている。ガス排出口35は、褐炭の初期乾燥時において、上流側乾燥室12aに供給された流動化ガスと共に、褐炭が加熱されることによって発生する発生蒸気を排出している。なお、ガス排出口35から排出された流動化ガスおよび発生蒸気は、保温対象物を保温するトレース管等に供給されることで、有効に活用される。
上流側伝熱管33は、パネル状に構成されており、上流側乾燥室12a内において褐炭が流動することにより形成される流動層3の内部に設けられている。上流側伝熱管33には、後述する下流側伝熱管(下流側伝熱部材)43の流出側が接続されており、管内に下流側伝熱管43を流通した熱媒としての蒸気(後述する乾燥用蒸気)が供給される。
下流側乾燥炉5bの下流側乾燥室12bには、初期乾燥された褐炭が投入される下流側褐炭投入口41と、褐炭を加熱乾燥した乾燥炭を排出する下流側乾燥炭排出口44と、流動化蒸気および乾燥時に発生する発生蒸気を排出する蒸気排出口45と、褐炭を加熱する下流側伝熱管43とが設けられている。
下流側褐炭投入口41は、下流側乾燥室12bの一端側(図示左側)の上部に形成されている。下流側褐炭投入口41には、上流側乾燥炭排出口34が燃料供給ラインL1を介して接続されている。燃料供給ラインL1には、ロータリーフィーダ48が介設されている。ロータリーフィーダ48は、作動することで、上流側乾燥炭排出口34から排出された褐炭を、下流側褐炭投入口41へ向けて供給する。このため、ロータリーフィーダ48から供給された褐炭が、下流側褐炭投入口41を介して下流側乾燥室12bに供給される。
下流側乾燥炭排出口44は、下流側乾燥室12bの他端側(図示右側)の下部に形成されている。下流側乾燥炭排出口44からは、下流側乾燥室12bにおいて後期乾燥された褐炭が、乾燥炭として排出され、排出された乾燥炭は上記した冷却器131へ向けて供給される。
蒸気排出口45は、下流側乾燥室12bの他端側の上部に形成されている。蒸気排出口45は、褐炭の後期乾燥時において、下流側乾燥室12bに供給された流動化蒸気と共に、褐炭が加熱されることによって発生する発生蒸気を排出している。なお、蒸気排出口45から排出された流動化蒸気および発生蒸気は、上記した集塵装置139へ向けて供給された後、蒸気圧縮機135に供給される。
下流側伝熱管43は、パネル状に構成されており、下流側乾燥室12b内において褐炭が流動することにより形成される流動層3の内部に設けられている。下流側伝熱管43には、蒸気圧縮機135の流出側が接続されており、管内に蒸気圧縮機135で圧縮された蒸気が乾燥用蒸気として供給される。
このため、蒸気圧縮機135から乾燥用蒸気が供給されると、供給された乾燥用蒸気は、下流側伝熱管43に流入する。下流側伝熱管43は、管内に乾燥用蒸気が供給されると、乾燥用蒸気の潜熱を利用して、褐炭を加熱し、これにより、流動層3の褐炭中の水分を除去することで、下流側乾燥室12bにおける褐炭を後期乾燥させる。この後、下流側伝熱管43を流通した乾燥用蒸気は、上流側伝熱管33に流入する。上流側伝熱管33は、管内に乾燥用蒸気が供給されると、乾燥用蒸気の潜熱を利用して、上流側乾燥室12aにおける褐炭を初期乾燥する。この後、初期乾燥に利用された乾燥用蒸気は、上流側乾燥室12aの外部に排出される。
また、上流側伝熱管33と下流側伝熱管43との間には、気液分離器51が設けられている。気液分離器51は、乾燥炉5の外部に設けられ、上流側伝熱管33および下流側伝熱管43が接続される。このため、気液分離器51に接続される、下流側伝熱管43の流出側の一部および上流側伝熱管33の流入側の一部が乾燥炉5の外部に配置される。気液分離器51には、下流側伝熱管43から乾燥用蒸気が流入する。気液分離器51は、下流側伝熱管43から流入する乾燥用蒸気を液相と気相とに分離し、気相となった乾燥用蒸気を上流側伝熱管33に供給する一方で、液相となった乾燥用蒸気を凝縮水として排出する。
流動化蒸気供給部21は、上流側風室11aおよび下流側風室11bに流動化蒸気を供給する(流動化蒸気供給工程)。ガス供給部25は、流動化蒸気供給部21にて供給された流動化蒸気に非凝縮性ガスを混合させ、流動化ガスとして上流側風室11aに供給する(流動化ガス供給工程)。上流側褐炭投入口31を介して上流側乾燥室12aに供給された褐炭は、上流側ガス分散板6aを介して供給される流動化ガスにより流動することで、上流側乾燥室12aに流動層3を形成すると共に、流動層3の上方にフリーボード部Fを形成する。上流側乾燥室12aに形成される流動層3は、その流動方向が、上流側乾燥室12aの一端側から他端側へ向かう方向となる。流動層3となった褐炭は、上流側伝熱管33により加熱されることで、褐炭に含まれる水分が発生蒸気となって、流動化ガスと共にガス排出口35から排出される。上流側伝熱管33により加熱された褐炭は、水分が除去されることで、初期乾燥される。初期乾燥された褐炭は、上流側乾燥炭排出口34から排出される。
上流側乾燥炭排出口34から排出された褐炭は、作動するロータリーフィーダ48により燃料供給ラインL1を通り、下流側褐炭投入口41を介して下流側乾燥室12bに供給される。下流側乾燥室12bに供給された褐炭は、下流側ガス分散板6bを介して供給される流動化蒸気により流動することで、下流側乾燥室12bに流動層3を形成すると共に、流動層3の上方にフリーボード部Fを形成する。下流側乾燥室12bに形成される流動層3は、その流動方向が、下流側乾燥室12bの一端側から他端側へ向かう方向となる。流動層3となった褐炭は、下流側伝熱管43により加熱されることで、褐炭に含まれる水分が発生蒸気となって、流動化蒸気と共に蒸気排出口45から排出される(蒸気排出工程)。下流側伝熱管43により加熱された褐炭は、水分が除去されることで、後期乾燥される。後期乾燥された褐炭は、下流側乾燥炭排出口44から排出される。
蒸気排出口45から排出された排出蒸気は、集塵装置139で微粉炭が集塵された後、蒸気圧縮機135に供給され、蒸気圧縮機135によって圧縮されることで昇温される(蒸気圧縮工程)。圧縮された蒸気は、乾燥用蒸気として下流側伝熱管43に供給され、下流側伝熱管43内を流通する(下流側蒸気供給工程)。この後、下流側伝熱管43内を流通した乾燥用蒸気は、気液分離器51に流入する。気液分離器51は、乾燥用蒸気を液相と気相とに気液分離し、液相となった蒸気を凝縮水として排出する一方で、気相となった乾燥用蒸気を上流側伝熱管33に供給する(上流側蒸気供給工程)。そして、上流側伝熱管33に供給された乾燥用蒸気は、上流側伝熱管33内を流通した後、乾燥炉5の外部へ排出される。よって、伝熱管33,43は、褐炭の流動方向の下流側から上流側へ向けて、乾燥用蒸気を流通させる。
次に、図3および図4を参照して、流動層乾燥装置1の上流側伝熱管33および下流側伝熱管43に流通する乾燥用蒸気のクオリティについて説明する。図3および図4は、実施例1に係る流動層乾燥装置における乾燥用蒸気のクオリティに関するグラフである。図3および図4に示すグラフは、その横軸が乾燥用蒸気のクオリティであり、その縦軸が乾燥用蒸気の温度である。なお、クオリティとは、蒸気の全量に対する気相の蒸気の割合であり、クオリティが低ければ低いほど、気相の蒸気の割合が少なく、液相の蒸気の割合が多くなる。
このため、蒸気圧縮機135により圧縮された乾燥用蒸気は、下流側伝熱管43を流通した後、上流側伝熱管33を流通することから、クオリティの高い乾燥用蒸気が下流側伝熱管43の流入側となり、クオリティの低い乾燥用蒸気が上流側伝熱管33の流出側となる。
図3および図4のグラフでは、下流側乾燥炉5b内の雰囲気に含まれる非凝縮性ガスの混入率は、5wt%となっている。このとき、乾燥炉5内の雰囲気の圧力は、0.1MPaとなっている。このため、下流側乾燥炉5b内の露点温度T1は、100℃前後となる。一方、図3のグラフでは、上流側乾燥炉5a内の雰囲気に含まれる非凝縮性ガスの混入率は、50wt%となっている。このとき、上流側乾燥炉5a内の雰囲気の圧力も、0.1MPaとなっている。このため、上流側乾燥炉5a内の露点温度T2は、86℃前後となる。また、図4のグラフでは、上流側乾燥炉5a内の雰囲気に含まれる非凝縮性ガスの混入率は、75wt%となっている。このとき、上流側乾燥炉5a内の雰囲気の圧力も、0.1MPaとなっている。このため、上流側乾燥炉5a内の露点温度T2は、72℃前後となる。
また、図3および図4において、下流側乾燥炉5bから排出された蒸気は、蒸気圧縮機135により圧縮されて下流側伝熱管43に供給されることから、上流側伝熱管33および下流側伝熱管43を流通する乾燥用蒸気に含まれる非凝縮性ガスの混入率は、5wt%となる。このとき、乾燥用蒸気が流通する上流側伝熱管33および下流側伝熱管43内の圧力は、それぞれ0.49MPaとなっている。
図3および図4に示すように、流動層乾燥装置1では、乾燥用蒸気に非凝縮性ガスが混入していることから、乾燥用蒸気のクオリティが低下すると、乾燥用蒸気の気相中における蒸気の割合が少なくなる。つまり、乾燥用蒸気の気相中における非凝縮性ガスの割合がより多くなる。このため、低クオリティの乾燥用蒸気から、潜熱を回収し難くなることから、乾燥用蒸気のクオリティが0.2よりも小さくなると、乾燥用蒸気の温度T3が急低下する。
ここで、下流側乾燥炉5bでは、炉内の露点温度T1が100℃前後であるため、下流側伝熱管43に供給される乾燥用蒸気の温度T3は100℃以上とする必要があり、露点温度T1と乾燥用蒸気(下流側伝熱管43)の温度T3との温度差が、所定の温度差ΔT1となる。一方、上流側乾燥炉5aでは、炉内の露点温度T2が86℃前後または72℃前後であるため、上流側伝熱管33に供給される乾燥用蒸気の温度T3が、下流側伝熱管43に供給される乾燥用蒸気の温度T3より低くても、露点温度T2と乾燥用蒸気(上流側伝熱管33)の温度T3との温度差が、所定の温度差ΔT2となる。このように、温度差ΔT2を確保できるため、上流側伝熱管33により褐炭を好適に初期乾燥することができ、また、温度差ΔT1を確保できるため、下流側伝熱管43により褐炭を好適に後期乾燥することができる。
以上のように、実施例1の構成によれば、上流側乾燥室12aでは、露点温度T2と乾燥用蒸気の温度T3との温度差ΔT2を好適に確保することができる。これにより、上流側乾燥室12aを流動する褐炭を、下流側乾燥室12bに比して気相中の非凝縮性ガスの割合が多い乾燥用蒸気で初期乾燥することができる。一方で、下流側乾燥室12bでは、露点温度T1と乾燥用蒸気の温度T3との温度差ΔT1を好適に確保することができる。これにより、下流側乾燥室12bを流動する褐炭を、上流側乾燥室12aに比して気相中の非凝縮性ガスの割合が少ない乾燥用蒸気で後期乾燥することができる。よって、上流側乾燥室12a内に非凝縮性ガスを含む流動化ガスを供給することで、気相中の非凝縮性ガスの割合が多い低い温度の乾燥用蒸気であっても、褐炭を好適に初期乾燥することができるため、蒸気を有効に活用することができ、蒸気の潜熱を効率よく回収することができる。
また、実施例1の構成によれば、乾燥炉5を上流側乾燥炉5aと下流側乾燥炉5bとに分割することができるため、上流側乾燥炉5a内に供給される流動化ガスが、下流側乾燥炉5bに混入することを抑制することができる。
また、実施例1の構成によれば、気液分離器51により下流側伝熱管43を流通した液相の乾燥用蒸気を凝縮水として排出することで、上流側伝熱管33に供給される乾燥用蒸気の気相の割合を増加させることができる。つまり、気液分離器51により、気相中の非凝縮性ガスの割合が多い低クオリティの蒸気を、気相中の非凝縮性ガスの割合が多い高クオリティの蒸気とすることができる。これにより、上流側伝熱管33には、液相の蒸気(凝縮水)の流入を抑制することができるため、上流側伝熱管33の内側における液膜の形成を抑制でき、熱伝達率の向上を図ることができる。なお、実施例1では、気液分離器51を設けたが、省略した構成であってもよい。
なお、実施例1では、上流側乾燥室12aで初期乾燥された褐炭を、ロータリーフィーダ48により下流側乾燥室12bへ供給したが、この構成に限定されない。例えば、上流側乾燥室12aで初期乾燥された褐炭を、スクリューフィーダにより下流側乾燥室12bへ供給してもよい。つまり、上流側乾燥室12aと下流側乾燥室12bとを接続する接続管を設け、この接続管内にスクリューフィーダを設け、スクリューフィーダを作動させることで、上流側乾燥室12aから下流側乾燥室12bへ褐炭を供給する構成であってもよい。
次に、図5を参照して、実施例2に係る流動層乾燥装置200について説明する。図5は、実施例2に係る流動層乾燥装置を模式的に表した概略構成図である。なお、実施例2では、重複した記載を避けるべく、実施例1と異なる部分について説明すると共に、実施例1と同様の構成である部分については、同じ符号を付す。実施例1に係る流動層乾燥装置1は、乾燥炉5を上流側乾燥炉5aと下流側乾燥炉5bとに分けて構成したが、実施例2に係る流動層乾燥装置200では、単一の乾燥炉5とし、乾燥炉5内を上流側乾燥室12aと下流側乾燥室12bとに分けて構成している。以下、実施例2に係る流動層乾燥装置200について説明する。
図5に示すように、流動層乾燥装置200は、単一の乾燥炉5を有している。乾燥炉5の内部には、ガス分散板6が設けられている。ガス分散板6は、乾燥炉5の内部の空間を、鉛直方向下方側(図示下側)に位置する風室11a,11bと、鉛直方向上方側(図示上側)に位置する乾燥室12a,12bとに区分けしている。
流動層乾燥装置200は、乾燥室12a,12bを区分けする乾燥室仕切り部材201と、風室11a,11bを区分けする風室仕切り部材202と、を有している。乾燥室仕切り部材201は、流動方向に沿って、乾燥室12a,12bを上流側乾燥室12aと下流側乾燥室12bとに区分けしている。乾燥室仕切り部材201は、鉛直方向の上端部が乾燥室12の上部に接続され、下端部がガス分散板6との間に隙間を空けて設けられている。このため、上流側乾燥室12aで初期乾燥された褐炭は、乾燥室仕切り部材201により形成された隙間を通って、下流側乾燥室12bに導入される。よって、実施例2では、実施例1の上流側乾燥炭排出口34を廃した構成となっている。
風室仕切り部材202は、流動方向に沿って、風室11a,11bを上流側風室11aと下流側風室11bとに区分けしている。風室仕切り部材202は、鉛直方向の上端部が風室11a,11bの上部に接続され、下端部が風室11a,11bの下部に接続されている。
流動層乾燥装置200は、上流側風室11aおよび下流側風室11bに流動化蒸気を供給する流動化蒸気供給部21と、流動化蒸気供給部21と上流側風室11aとを接続する供給ラインに接続されたガス供給部25とを備えている。流動化蒸気供給部21およびガス供給部25は、実施例1と同様に、上流側風室11aに、流動化蒸気および非凝縮性ガスを含む流動化ガスを供給し、下流側風室11bに、流動化蒸気を供給する。
流動化蒸気供給部21は、上流側風室11aおよび下流側風室11bに流動化蒸気を供給する(流動化蒸気供給工程)。ガス供給部25は、流動化蒸気供給部21にて供給された流動化蒸気に非凝縮性ガスを混合させ、流動化ガスとして上流側風室11aに供給する(流動化ガス供給工程)。上流側褐炭投入口31を介して上流側乾燥室12aに供給された褐炭は、ガス分散板6を介して供給される流動化ガスにより流動することで、上流側乾燥室12aに流動層3を形成すると共に、流動層3の上方にフリーボード部Fを形成する。上流側乾燥室12aに形成される流動層3は、その流動方向が、乾燥炉5の一端側から他端側へ向かう方向となる。流動層3となった褐炭は、上流側伝熱管33により加熱されることで、褐炭に含まれる水分が発生蒸気となって、流動化ガスと共にガス排出口35から排出される。上流側伝熱管33により加熱された褐炭は、水分が除去されることで、初期乾燥される。上流側乾燥室12aにおいて初期乾燥された褐炭は、乾燥室仕切り部材201により形成された隙間を通って、下流側乾燥室12bに導入される。
上流側乾燥室12aから下流側乾燥室12bに導入された褐炭は、ガス分散板6を介して供給される流動化蒸気により流動することで、下流側乾燥室12bに流動層3を形成すると共に、流動層3の上方にフリーボード部Fを形成する。下流側乾燥室12bに形成される流動層3は、上流側乾燥室12aと同様に、その流動方向が、乾燥炉5の一端側から他端側へ向かう方向となる。流動層3となった褐炭は、下流側伝熱管43により加熱されることで、褐炭に含まれる水分が発生蒸気となって、流動化蒸気と共に蒸気排出口45から排出される(蒸気排出工程)。下流側伝熱管43により加熱された褐炭は、水分が除去されることで、後期乾燥される。後期乾燥された褐炭は、下流側乾燥炭排出口44から排出される。
蒸気排出口45から排出された排出蒸気は、集塵装置139で微粉炭が集塵された後、蒸気圧縮機135に供給され、蒸気圧縮機135によって圧縮されることで昇温される(蒸気圧縮工程)。圧縮された蒸気は、乾燥用蒸気として下流側伝熱管43に供給され、下流側伝熱管43内を流通する(下流側蒸気供給工程)。この後、下流側伝熱管43内を流通した乾燥用蒸気は、気液分離器51に流入する。気液分離器51は、乾燥用蒸気を液相と気相とに気液分離し、液相となった蒸気を凝縮水として排出する一方で、気相となった乾燥用蒸気を上流側伝熱管33に供給する(上流側蒸気供給工程)。そして、上流側伝熱管33に供給された乾燥用蒸気は、上流側伝熱管33内を流通した後、乾燥炉5の外部へ排出される。よって、伝熱管33は、褐炭の流動方向の下流側から上流側へ向けて、乾燥用蒸気を流通させる。
以上のように、実施例2の構成においても、上流側乾燥室12aでは、露点温度T2と乾燥用蒸気の温度T3との温度差ΔT2を好適に確保することができる。これにより、上流側乾燥室12aを流動する褐炭を、下流側乾燥室12bに比して気相中の非凝縮性ガスの割合が多い乾燥用蒸気で初期乾燥することができる。一方で、下流側乾燥室12bでは、露点温度T1と乾燥用蒸気の温度T3との温度差ΔT1を好適に確保することができる。これにより、下流側乾燥室12bを流動する褐炭を、上流側乾燥室12aに比して気相中の非凝縮性ガスの割合が少ない乾燥用蒸気で後期乾燥することができる。よって、上流側乾燥室12a内に非凝縮性ガスを含む流動化ガスを供給することで、気相中の非凝縮性ガスの割合が多い低い温度の乾燥用蒸気であっても、褐炭を好適に初期乾燥することができるため、蒸気を有効に活用することができ、蒸気の潜熱を効率よく回収することができる。
また、実施例2の構成によれば、乾燥室仕切り部材201を用いることで、単一の乾燥炉5で構成することができるため、流動層乾燥装置200の構成を簡易なものとすることができる。
なお、本発明は、上述した実施例1および2の構成に限定されるものではなく、下記する変形例1ないし6の構成として実施することもできる。以下、変形例1ないし6について説明する。なお、変形例1ないし6の構成は、実施例1に適用して説明するが、実施例2に適用することも可能である。図6は、変形例1に係る流動層乾燥装置を模式的に表した概略構成図である。図7は、変形例2に係る流動層乾燥装置を模式的に表した概略構成図である。図8は、変形例3に係る流動層乾燥装置を模式的に表した概略構成図である。図9は、変形例4に係る流動層乾燥装置を模式的に表した概略構成図である。図10は、変形例5に係る流動層乾燥装置を模式的に表した概略構成図である。図11は、変形例6に係る流動層乾燥装置を模式的に表した概略構成図である。
図2に示すように、実施例1の流動層乾燥装置1では、下流側乾燥室12bの他端側の上部に形成されている蒸気排出口45から排出される蒸気が、集塵装置139を介して蒸気圧縮機135に供給され、圧縮機135で圧縮された蒸気が乾燥用蒸気として下流側伝熱管43へ供給されている。しかしながら、図6に示すように、変形例1の流動層乾燥装置1では、下流側乾燥室12bから排出された蒸気が、集塵機139を介して圧縮機135で圧縮された後、下流側伝熱管43に供給される乾燥用蒸気の一部を抽気し、下流側風箱11bに流動化蒸気として供給することができる。このような構成とすることによって、変形例1の流動層乾燥装置1では、外部から供給される蒸気量を少なくすることができる。また、図7に示すように、変形例2の流動層乾燥装置1では、下流側乾燥室12bから排出された蒸気が集塵機139を介して圧縮機135へ供給される供給ラインに、下流側風室11bへ供給する供給ラインを接続する。そして、下流側風室11bへ供給する供給ラインに昇圧ブロア210を設け、昇圧ブロア210によって下流側風室11bに圧縮した蒸気を供給することもできる。このような構成とすることによって、変形例2の流動層乾燥装置1では、圧縮機135の動力の低減を図ることができる。
また、図8に示すように、変形例3の流動層乾燥装置1では、下流側乾燥室12bから排出された蒸気は、集塵機139を介して圧縮機135で圧縮した後、下流側伝熱管43に供給される乾燥用蒸気の一部を抽気し、上流側風室11aと下流側風室11bに流動化蒸気として投入することができる。このような構成とすることによって、変形例3の流動層乾燥装置1では、外部から供給する蒸気量を少なくすることができる。また、図9に示すように、変形例4の流動層乾燥装置1では、下流側乾燥室12bから排出された蒸気が集塵機139を介して圧縮機135へ供給される供給ラインに、下流側風室11bへ供給する供給ラインを接続すると共に、下流側風室11bへ供給する供給ラインに、上流側風室11aへ供給する供給ラインを接続する。そして、下流側風室11bへ供給する供給ラインに昇圧ブロア210を設け、昇圧ブロア210によって下流側風室11bおよび上流側風室11aに圧縮した蒸気を供給することもできる。このような構成とすることによって、変形例4の流動層乾燥装置1では、圧縮機135の動力の低減を図ることができる。
また、図10に示すように、変形例5の流動層乾燥装置1では、変形例1の構成に加え、上流側乾燥室12aの他端側の上部に形成されているガス排出口35と、流動化蒸気供給部21から上流側風室11aに流動化蒸気を供給する供給ラインと、を接続する循環ラインを設け、循環ラインに昇圧ブロア211を設ける。そして、上流側乾燥室12aのガス排出口35から排出される気相中の非凝縮性ガスの割合が多い流動化ガスおよび発生蒸気を、流動化蒸気供給部21からの流動化蒸気と共に、昇圧ブロア211によって上流側風室11aに供給する。このような構成とすることによって、変形例5の流動層乾燥装置1では、ガス供給部22を設ける必要がなく装置の簡略化やコスト低減に繋がる。また、図11に示すように、変形例6の流動層乾燥装置1では、変形例2の構成と変形例5の構成とを組み合わせている。つまり、変形例6の流動層乾燥装置1では、変形例5の構成に加え、下流側乾燥室12bから排出された蒸気が集塵機139を介して圧縮機135へ供給される供給ラインに、下流側風室11bへ供給する供給ラインを接続する。そして、下流側風室11bへ供給する供給ラインに昇圧ブロア210を設け、昇圧ブロア210によって下流側風室11bに圧縮した蒸気を供給することもできる。このような構成とすることによって、変形例6の流動層乾燥装置1では、圧縮機135の動力の低減を図ることができる。