JP5899835B2 - エンジンの冷却装置 - Google Patents
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Description
例えば、エンジンの温度状態によらず燃料の霧化を促進させる技術が特許文献1に記載してある。この技術は、特にエンジンの暖機が終了していない状態で燃料を霧化させ易くするために、吸気を積極的に加熱するものである。即ち、排気ガス中の未燃燃料を未燃燃料燃焼室で燃焼させ、これによって生じた熱を熱交換器で吸気に付与して、エンジンが未だ冷温状態にある場合でも吸気温度を高める処理が行われている(例えば、特許文献1参照)。
また、公知文献1のエンジンは、過給機やインタークーラを備えていない自然吸気式のエンジンであり、吸気管の内圧はそれほど高くならないため上記ポンピングロスの影響は少ないと考えられる。
このような過給機付きのエンジンに於いても、エンジン始動直後の状態で吸気を加熱し燃焼効率を高めることは有効と考えられるものの、これまで吸気を加熱するといった技術はなかった。
このように上記従来技術が有する問題に鑑み、本発明の目的は、過給機およびインタークーラを備えたエンジンにおいてエンジンの運転状態に拘らず燃焼効率を向上し得るエンジンを得る点にある。
このため、エンジンの低負荷運転時に、過給機を流通して温度が上昇した冷却水を、ラジエータで冷却せずに電動ポンプに還流させて、インタークーラに流通させることができる。
特に、スロットルバルブの開度を吸気量(アクセルの踏み込み量)に応じて制御するエンジンにおいて、エンジンの低負荷運転時に吸気温度を高めることにより、スロットルバルブの開度を高める制御が行われてポンピングロスが低減される。
また、本構成であれば、過給機の温度が予め設定した温度未満では電動ポンプが停止しているので、冷却水による過給機の冷却が行われず、過給機を迅速に昇温させることができる。
過給機が予め設定した温度以上の状態であれば、過給機を流通した後の冷却水をバイパス流路に流通させるので、電動ポンプを効率良く作動させながら吸気温度を適切に制御することができる。
その結果、エンジン始動の直後においても吸気温度を適切に制御することができる。
〔第1実施形態〕
図1は、自動車用エンジンに装備された本発明によるエンジンの冷却装置を示すブロック図である。
エンジン1は、エンジン1に供給する空気を過給する過給機(ターボチャージャー)2と、過給機2によって圧縮された空気を冷却するインタークーラ3とを装備している。
過給機2は、エンジン1のエンジンブロックなどに一体連結されている。
第2冷却水路12は、電動ポンプ9からインタークーラ3を介してサブラジエータ10に冷却水を流通させる。
制御装置14は、エンジンの暖機運転時などの低負荷運転時に、インタークーラ3を通過する吸気の温度(吸気温度)が設定範囲内の温度になるように、開閉弁13aの作動を制御する。
この設定温度は、過給機2を流通した後の冷却水をバイパス流路17に流通させることにより、吸気温度を効果的に上昇させることができる過給機2の温度として予め設定されている。
吸気温度の目標温度範囲は、ポンピングロスを効果的に低減することができる温度範囲として予め設定されている。
尚、電動ポンプ9の作動開始時における過給機出口水温のピークは、エンジン1を始動した後、電動ポンプ9の作動開始まで過給機2が冷却されていなかったことにより生じている。
図4,図5は、本発明の別実施形態を示す。
本実施形態では、第1実施形態で示した開閉弁13aに代えて、図4に示すように、冷却水流入路16におけるバイパス流路17の分岐箇所に、第1冷却水路11及び第2冷却水路12の冷却水をバイパス流路17に流通させる流路切替弁13bを流路設定機構13として設けてある。
流路切替弁13bは、エンジン停止状態では非通電状態に維持した第1接続状態に保持され、通電により第2接続状態に切り替えられる。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
1.本発明によるエンジンの冷却装置は、吸気温度が目標温度未満のときに、第1冷却水路11の冷却水の全量をバイパス流路17にのみ流通させる流路設定機構13を備えていても、一部をバイパス流路17に流通させる流路設定機構13を備えていてもよい。
2.本発明によるエンジンの冷却装置は、吸気温度が目標温度未満のときに、過給機2を流通した冷却水のみをバイパス流路17に流通させる流路設定機構13を備えていてもよい。
3.本発明によるエンジンの冷却装置は、第1冷却水路11と第2冷却水路12の夫々がサブラジエータ10に各別に接続されていてもよい。
4.本発明によるエンジンの冷却装置は、過給機2又はインタークーラ3を流通した冷却水を冷却するラジエータが、機械式ポンプ6で循環させる冷却水を冷却するラジエータで構成されていてもよい。
5.本発明によるエンジンの冷却装置は、自動車用エンジン以外の各種エンジンに装備されるものであってもよい。
2 過給機
3 インタークーラ
9 電動ポンプ
10 ラジエータ
11 第1冷却水路
12 第2冷却水路
13 流路設定機構
13a 開閉弁
13b 流路切替弁
17 バイパス流路
Claims (3)
- エンジンに供給する空気を過給する過給機と、
前記過給機によって圧縮された空気を冷却するインタークーラと、
前記過給機及び前記インタークーラに冷却水を流通させる電動ポンプと、
前記過給機又は前記インタークーラを流通した冷却水を冷却するラジエータと、
前記電動ポンプから前記過給機を介して前記ラジエータに前記冷却水を流通させる第1冷却水路と、
前記電動ポンプから前記インタークーラを介して前記ラジエータに前記冷却水を流通させる第2冷却水路と、
前記過給機を流通した前記冷却水を前記ラジエータを迂回して前記電動ポンプに還流させるバイパス流路と、
吸気温度が目標温度未満のときに前記第1冷却水路の冷却水を前記バイパス流路に流通させる流路設定機構と、を備え、
前記過給機が予め設定した温度以上となったときに、前記電動ポンプを始動し、前記流路設定機構が前記冷却水を前記バイパス流路に流通させるように構成してあるエンジンの冷却装置。 - 前記流路設定機構が、前記バイパス流路の分岐部の下流において前記第1冷却水路及び前記第2冷却水路から前記ラジエータへの冷却水流量を調節可能な開閉弁である請求項1に記載のエンジンの冷却装置。
- 前記流路設定機構が、前記第1冷却水路及び前記第2冷却水路の冷却水を前記バイパス流路に流通させる流路切替弁である請求項1に記載のエンジンの冷却装置。
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