以下、図面を参照して本発明によるハンドリングシステムの実施形態を説明する。ただし、本発明の実施形態は以下の実施形態に限定されない。
図1は、本実施形態のハンドリングシステム100の模式図である。ハンドリングシステム100は、搬入コンベア10と、ロボット20と、コントローラ110と、物品検出装置120とを備える。搬入コンベア10の外周面のうちの物品Aの搬送に用いられる搬送面10sにおいて、物品Aは上流側から下流側に向かって搬送される。このように搬入コンベア10は物品Aを搬送し、ロボット20は搬入コンベア10によって搬送された物品Aを受け取って運搬する。典型的には、搬入コンベア10は複数の物品Aを搬送するが、図1には、搬入コンベア10によって搬送される1つの物品Aを図示している。
本実施形態のハンドリングシステム100において、ロボット20は、搬入コンベア10のエッジ10eを利用して物品Aを受け取る。これにより、搬入コンベア10からロボット20への物品Aの受け渡しを簡便化することができる。詳細は後述するが、本実施形態のハンドリングシステム100において、ロボット20は、搬入コンベア10のエッジ10eから落下した物品Aを受け取ってもよい。あるいは、ロボット20は、搬入コンベア10上の物品Aを搬入コンベア10のエッジ10eで受け取ってもよい。なお、ここでは、ハンドリングシステム100は物品Aの運搬に用いられるが、ハンドリングシステム100は物品Aの運搬だけでなく、物品の並べ替え等の別の動作を行うために用いられてもよい。
搬入コンベア10及びロボット20はそれぞれ1以上のサーボモータ(図示省略)によって動作するように構成されている。搬送コンベア10及びロボット20はそれぞれコントローラ110に接続され、コントローラ110からの動作指令によって動作する。
コントローラ110は、1以上のプロセッサ及び記憶装置並びに入力装置を有しており、記憶装置にはロボット20の動作情報(教示情報)が記憶されている。
物品検出装置120は、例えば、プロセッサを内蔵したカメラによって構成されている。プロセッサは、カメラによって撮像された画像と予め設定された物品の基準画像との比較を行うことにより、搬入コンベア10上の物品の位置を検出し、検出した結果をコントローラ110に出力する。コントローラ110は、物品検出装置120から入力される物品の位置情報と、搬入コンベア10の搬送速度から物品を保持するべき位置を算出し、ロボット20の動作を修正し、修正された動作指令をロボット20に送出する。
図2は、本実施形態のハンドリングシステム100におけるロボット20の模式図である。ロボット20は、ロボットアーム22と、ロボットアーム22に取り付けられたロボットハンド24とを有する。ロボットアーム22は支持部26に支持されている。例えば、ロボットハンド24はロボットアーム22の先端に配置されており、ロボットアーム22は、ロボットハンド24の位置および向きの少なくとも一方を変化させる。例えば、ロボットアーム22の動作は予めティーチングされていてもよい。
図3は、本実施形態のハンドリングシステム100におけるロボット20の一部を拡大した模式的な上面図である。図3に示したロボット20において、ロボットハンド24は、物品Aを載せることの可能な載置面24aを有している。例えば、載置面24aは平らな板である。このようなロボット20は、搬入コンベア10のエッジ10eから落下した物品Aを受け取るために好適に用いられる。
図4は、図3に示したロボット20を備えるハンドリングシステム100の模式的な側面図である。図4に示したハンドリングシステム100には台Sが設けられている。搬入コンベア10が物品Aを搬送しているとき、ロボットハンド24は搬入コンベア10のエッジ10eのうちの最下流部分の下方に位置している。物品Aが搬入コンベア10のエッジ10eに到達して、搬入コンベア10のエッジ10eから落下すると、落下した物品Aはロボットハンド24の載置面24aの上に載る。その後、ロボット20は、載置面24aを略水平に保ったまま動作し、台S上で載置面を傾斜させる動作を行うことで物品Aは台Sまで運搬される。
なお、図4に示したハンドリングシステム100では、ロボット20は固定された台に物品Aを置いたが、本実施形態はこれに限定されない。ロボット20は、搬入コンベア10とは異なるコンベアに物品Aを渡してもよい。
図5は本実施形態のハンドリングシステム100の模式図である。図5に示したハンドリングシステム100は、搬入コンベア10およびロボット20に加えて、ロボット20から受け取った物品Aを搬出する搬出コンベア30を備えている。ロボット20が物品Aを搬出コンベア30に渡すと、物品Aは搬出コンベア30によって搬送される。
また、図5に示したハンドリングシステム100では、搬入コンベア10のエッジ10eから物品Aが落下する地点に廃棄箱Wが設けられている。搬入コンベア10が物品Aを搬送している際に物品Aの検査が行われる。本実施形態において、物品検出装置120はプロセッサを内蔵したカメラを含む。このプロセッサは、カメラによって撮像された物品Aの画像情報と、予め記憶された正常時の物品基準画像とを比較し、一致度を算出する。両画像の一致度が閾値以下の場合、プロセッサにより、物品Aは不良と判定される。この場合、コントローラ110は、不良と判定された物品Aについてはロボット20による受け取り動作を実行せず、そのまま搬入コンベア10から落下して、廃棄箱W内に入れるように設定されている。あるいは、不要な物品Aはロボット20によって受け取られた後、搬出コンベア30に運搬されることなく、廃棄箱W内に入れるように設定してもよい。
ここで、図6を参照して、図5に示したハンドリングシステム100における物品Aの移動を説明する。なお、以下の説明および参照する図面において、説明および図面が冗長になることを避けるために、コントローラ110および物品検査装置120の説明および図示を省略する。
まず、図6(a)および図6(b)を参照して搬入コンベア10からロボット20への物品Aの受け渡しを説明する。図6(a)および図6(b)は、それぞれ、ロボット20が搬入コンベア10から物品Aを受け取る場合の模式的な上面図および側面図である。
ここでは、搬入コンベア10の搬送面10sの法線方向から見た場合、搬出コンベア30の搬送方向は搬入コンベア10の搬送方向とほぼ同じ直線上にあり、また、ロボット20の支持部26もほぼこの直線上にある。ロボット20は、物品Aを受け取った後、搬入コンベア10の搬送面10sの法線方向(鉛直方向)から見て時計まわりまたは反時計まわりにほぼ180°回転し、物品Aを搬出コンベア30に運搬する。
次に、図6(c)および図6(d)を参照して、ロボット20から搬出コンベア30への物品Aの受け渡しを説明する。図6(c)および図6(d)は、それぞれ、ロボット20が搬出コンベア30に物品Aを渡す場合の模式的な上面図および側面図である。ロボットアーム22が、搬入コンベア10の搬送面10sの法線方向から見てほぼ180°回転することにより、ロボットハンド24は搬出コンベア30の搬送面30s上に到達する。さらに、水平面に対するロボットハンド24の載置面24aの傾きを増大させることにより、物品Aは、ロボット20から搬出コンベア30に渡される。
ここで、図7および図8を参照して、ロボット20が搬入コンベア10から物品Aを受け取る動作を例示して説明する。なお、図7および図8では、図面が過度に複雑になることを避けるために、ロボット20の一部分のみを示している。
例えば、図7(a)に示すように、物品Aが搬入コンベア10のエッジ10eから落下する前に、ロボットアーム22の動作により、ロボットハンド24は搬入コンベア10のエッジ10eの下方に移動する。このとき、ロボットハンド24の載置面24aは、搬入コンベア10の搬送方向に対して斜め上に傾いている。
次に、図7(b)に示すように、物品Aが搬入コンベア10のエッジ10eから落下する際に、ロボットアーム22の動作により、ロボットハンド24の載置面24aは、搬入コンベア10のエッジ10eの下方から、搬入コンベア10の搬送方向に対して斜め上方向に移動する。このように、搬入コンベア10のエッジ10eからの物品Aの落下時に、ロボットハンド24が斜め上方向に移動してもよい。
あるいは、物品Aが搬入コンベア10のエッジ10eから落下するのに伴い、ロボットアーム22の動作により、ロボットハンド24が回転してもよい。図8(a)に示すように、物品Aが搬入コンベア10のエッジ10eから落下する前に、ロボットアーム22の動作により、ロボットハンド24は搬入コンベア10のエッジ10eの下方に移動する。このとき、ロボットハンド24の載置面24aは、搬入コンベア10の搬送方向に対して斜め下に傾いている。
次に、図8(b)に示すように、物品Aが搬送コンベア10のエッジ10eから落下する際に、ロボットアーム22の動作により、ロボットハンド24の載置面24aは搬入コンベア10のエッジ10eの下方において回転する。例えば、回転は、搬入コンベア10の搬送方向に直交する水平方向を軸として行われる。このように、搬入コンベア10のエッジ10eからの物品Aの落下時に、ロボットハンド24は回転してもよい。
なお、上述した説明では、ロボット20は、搬入コンベア10の搬送面10sの法線方向から見てほぼ180°回転することによって物品Aを搬出コンベア30に運搬したが、本実施形態はこれに限定されない。
図9(a)は本実施形態のハンドリングシステム100の模式図である。図9(a)に示したハンドリングシステム100では、搬入コンベア10の搬送面10sの法線方向から見た場合、搬出コンベア30の搬送方向は搬入コンベア10の搬送方向とほぼ同じ直線上にあるのに対して、ロボット20の支持部26はこの直線からずれた位置に配置されている。ロボット20は、搬入コンベア10の搬送面10sの法線方向から見て180°よりも小さい角度で回転することにより、搬入コンベア10によって搬送された物品Aを受け取り、搬出コンベア30に渡す。
なお、上述した説明では、ロボット20は一度に1つの物品Aを運搬したが、本実施形態はこれに限定されない。ロボット20は一度に複数の物品Aを運搬してもよい。例えば、コントローラ110に予め入力された物品Aの搬送パターン情報に基づいて、コントローラ110は、ロボットハンド24が設定された個数の物品Aを保持し、搬出コンベア30側に搬送パターン情報に規定された位置関係(ここでは2個横並び)で物品Aを載置するようにロボット20を制御してもよい。
図9(b)は本実施形態のハンドリングシステム100の模式図である。図9(b)に示すように、ロボット20は、ロボットハンド24の載置面24aに2個の物品Aを載せた後に、ロボットアーム22を回転させ、搬出コンベア30に渡してもよい。
なお、上述した説明では、ハンドリングシステム100は1つのロボット20を備えていたが、本実施形態はこれに限定されない。ハンドリングシステム100は複数のロボット20を備えていてもよい。
以下、図10を参照して、複数のロボット20を備えるハンドリングシステム100を説明する。図10(a)は本実施形態のハンドリングシステム100の模式図である。図10(a)に示したハンドリングシステム100において、搬入コンベア10は、物品Aaおよび物品Abを含む複数の物品を搬入する。本明細書において、物品Aa、Abをそれぞれ第1物品Aa、第2物品Abと記載することがある。
図10(a)に示したハンドリングシステム100は、ロボット20Aおよびロボット20Bを備えている。ロボット20Aは物品Aaを受け取って運搬し、ロボット20Bは物品Abを受け取って運搬する。本明細書において、ロボット20A、20Bをそれぞれ第1ロボット20A、第2ロボット20Bと記載することがある。
第1ロボット20Aは、物品Aaを受け取った後、第2ロボット20Bから離れる方向Ra1に回転する。このとき、ロボット20Bは、物品Abを受け取るために、ロボット20Aから離れる方向Rb1に回転することが好ましい。また、ロボット20Aは、物品Aaを搬出コンベア30に渡した後、ロボット20Bから離れる方向Ra2に回転する。このとき、ロボット20Bは、物品Abを受け取った後、ロボット20Aから離れる方向Rb2に回転することが好ましい。このように、ロボット20A、20Bは、物品Aa、Abをそれぞれ受け取った後、互いに離れる方向に回転する。
なお、上述したハンドリングシステム100では、1つのロボット20が物品Aを搬入コンベア10から搬出コンベア30に運搬したが、本実施形態はこれに限定されない。
図10(b)は、本実施形態のハンドリングシステム100の模式図である。図10(b)に示したハンドリングシステム100では、ロボット20Aおよびロボット20Bのそれぞれの少なくとも一部は互いに鉛直方向に交差するように移動する。
ここでは、ロボット20Aは搬入コンベア10から物品Aを受け取り、ロボット20Bに渡し、ロボット20Bはこの物品Aを搬出コンベア30に渡す。このように、物品Aは複数のロボット20A、20Bを介して搬入コンベア10から搬出コンベア30に運搬されてもよい。
なお、図10(b)に示したハンドリングシステム100では、搬入コンベア10および搬出コンベア30は、互いの間の距離が比較的大きくなるように配置されており、ロボット20A、20Bのいずれもが搬入コンベア10と搬出コンベア30との両方に到達することはできないが、搬入コンベア10および搬出コンベア30は、互いの間の距離が比較的小さくなるように配置されており、ロボット20A、20Bのいずれもが搬入コンベア10と搬出コンベア30との両方に到達してもよい。この場合、ロボット20A、20Bは、互いのロボットアーム22の高さを異ならせるとともにロボット20A、20Bの一方は鉛直方向から見て他方に近づくように回転することにより、ロボット20A、20Bが鉛直方向からみて交差して物品Aの運搬を行ってもよい。
なお、図10に示したハンドリングシステム100では、ロボット20A、20Bのそれぞれが1つの物品Aを運搬したが、本実施形態はこれに限定されない。ロボット20A、20Bのそれぞれが一度に複数の物品Aを運搬してもよい。
以下、図11を参照してハンドリングシステム100を説明する。図11(a)に示したハンドリングシステム100において、ロボット20Aは一度に2つの物品Aを運搬し、ロボット20Bは一度に別の2つの物品Aを運搬する。
また、図11(b)に示したハンドリングシステム100において、ロボット20Aは搬入コンベア10から2つの物品Aを受け取り、ロボット20Bに渡し、ロボット20Bはこの2つの物品Aを搬出コンベア30に渡す。このように、2つの物品Aは複数のロボット20A、20Bを介して搬入コンベア10から搬出コンベア30に一度に運搬されてもよい。
なお、図10および図11に示したハンドリングシステム100はロボット20A、20Bを備えていたが、本実施形態はこれに限定されない。ハンドリングシステム100は3以上のロボット20を備えてもよい。また、上述した説明では、ロボット20は、台Sまたは搬出コンベア30に物品Aを渡したが、本実施形態はこれに限定されない。ロボット20は、ロボットハンド24の載置面24aを傾けることにより、容器に物品Aを収納してもよい。
また、上述した説明では、ロボットハンド24は、コンベア10のエッジ10eから落下した物品Aを受け取ったが、本実施形態はこれに限定されない。ロボットハンド24は、コンベア10上の物品Aを受け取ってもよい。また、上述した説明では、ロボットハンド24は載置面24aに物品Aを載せることによって物品Aを受け取ったが、本実施形態はこれに限定されない。ロボットハンド24は物品Aを把持してもよい。
図12は、本実施形態のハンドリングシステム100におけるロボット20の模式図である。ロボット20は、ロボットアーム22と、ロボットアーム22に取り付けられたロボットハンド24とを備えている。ロボットアーム22は支持部26に支持される。ロボットハンド24は少なくとも1つの把持部24sを有している。なお、ロボットハンド24は複数の把持部24sを有していることが好ましい。
ロボットアーム22は、ロボットハンド24の位置および向きの少なくとも一方を変更することができ、これにより、ロボットハンド24に把持される物品Aの位置および向きが変更される。ロボットアーム22は、例えば、6軸または7軸の多関節ロボットである。ロボットアーム22およびロボットハンド24の動作は予めティーチングされていてもよい。
以下、図13を参照して、本実施形態のハンドリングシステム100におけるロボットハンド24を説明する。図13(a)はy方向から見たロボットハンド24の模式的な側面図であり、図13(b)はx方向から見たロボットハンド24の模式的な側面図である。図13(c)は、物品Aを把持しているロボットハンド24を示す模式図である。
図13に示したハンドリングシステム100において、ロボットハンド24は、複数の把持部24sと、複数の把持部24sを連結させる連結部24tとを有している。複数の把持部24sはそれぞれ物品Aを把持可能なように構成されている。複数の把持部24sは連結部24tに取り付けられている。ロボットハンド24は物品Aを把持および開放することができる。
図13に示したロボットハンド24では、複数の把持部24sは、把持部24sa、24sbを含む。把持部24sa、24sbはx方向に配列されている。ここでは、把持部24sa、24sbは連結部24tに対して固定的に連結されている。例えば、把持部24sa、24sbのそれぞれは2爪の平行チャックである。
図13(c)に示すように、把持部24saの2つの爪の間隔はy方向に沿って変化する。把持部24saの爪の間隔が狭くなることにより、物品Aが把持される。把持部24sbも同様に、物品Aの把持を行うことができる。このように、把持部24sa、24sbの爪の間隔が変化することにより、物品Aの把持および開放が行われる。例えば、把持部24sa、24sbの爪の移動はエア方式で行われる。把持部24sa、24sbによる物品Aの把持および開放は個別に制御可能である。本明細書において、把持部24saを第1把持部24saと記載することがあり、把持部24sbを第2把持部24sbと記載することがある。
図14は、本実施形態のハンドリングシステム100におけるロボットハンド24の模式的な斜視図である。ここでは、把持部24sa、24sbはそれぞれ物品Aを把持している。具体的には、第1把持部24saが物品Aaを把持し、第2把持部24sbが物品Abを把持している。本明細書において、把持部24saに把持される物品Aaを第1物品Aaと記載することがあり、把持部24sbに把持される物品Abを第2物品Abと記載することがある。
ロボットハンド24では、連結部24tに連結された把持部24sa、24sbが複数の物品Aのそれぞれの把持および開放を個別に行うことにより、把持強度を個別に調整可能であるとともに、比較的狭い空間でも複数の物品Aの把持および開放を効率的に行うことができる。なお、図12、図13(c)および図14において、物品Aは球状であるが、物品Aの形状は任意であってもよい。また、把持部24sa、24sbの形状は、把持する物品Aに応じて適宜変更されてもよい。
なお、図13および図14に示した把持部24sa、24sbは、連結部24tに対して固定的に連結されていたが、本実施形態はこれに限定されない。把持部24sa、24sbは、連結部24tに対して移動可能に連結されていてもよい。
図15は、本実施形態のハンドリングシステム100におけるロボットハンド24の模式図である。連結部24tは、把持部24saおよび把持部24sbのそれぞれがx方向に移動可能なように把持部24saおよび把持部24sbを連結しており、把持部24saと把持部24sbとの間の間隔を適宜変更することができる。例えば、把持部24sa、24sbの移動はシリンダ(アクチュエータ)を用いて行われる。なお、ここでは、把持部24saおよび把持部24sbのそれぞれがx方向に移動可能であったが、把持部24saおよび把持部24sbの一方がx方向に移動可能に構成されており、他方が固定されていてもよい。
また、上述した説明では、ロボットハンド24には把持部24sa、24sbが設けられていたが、本実施形態はこれに限定されない。ロボットハンド24には3以上の把持部24sが設けられてもよい。
図16は、本実施形態のハンドリングシステム100におけるロボットハンド24の模式図である。図16に示したロボットハンド24では、5つの把持部24sa〜24seが連結部24tに連結されている。このように、ロボットハンド24には3以上の把持部24sが設けられてもよい。
図17は、本実施形態のハンドリングシステム100の模式図である。ハンドリングシステム100は、搬入コンベア10と、ロボット20とを備える。本実施形態のハンドリングシステム100では、ロボットハンド24の少なくとも一部が搬入コンベア10の搬送面10sよりも低い位置にある状態で、ロボットハンド24は搬入コンベア10のエッジ10eで搬入コンベア10上の物品Aを掴む。このため、ロボットハンド24は、搬入コンベア10と衝突することなく比較的薄い物品Aを受け取ることができる。
図17に示したハンドリングシステム100において、ロボット20の支持部26は搬入コンベア10に対して固定されており、ロボット20の支持部26は移動しない。ロボットハンド24は搬入コンベア10のエッジ10eに配置されている。具体的には、ロボットハンド24は、搬入コンベア10による物品Aの搬送方向のエッジ10eで物品Aを把持する。このように、ロボットハンド24は、搬入コンベア10の正面エッジで物品Aを把持することが好ましい。
ここでは、ロボットハンド24の把持部24saが物品Aaを把持し、把持部24sbが物品Abを把持する。また、把持部24sa、24sbのそれぞれの水平方向に延びた爪の間隔が変化することにより、物品Aa、Abは把持部24sa、24sbに掴まれる。
なお、図17に示したハンドリングシステム100では、搬入コンベア10に渡し部10aが取り付けられており、搬入コンベア10によって搬送された物品Aは搬入コンベア10のエッジ10eにおける渡し部10aに載せられる。
物品Aは、搬入コンベア10の上に、比較的安定な状態で載置されていることが好ましい。例えば、物品Aaは、搬入コンベア10上に、鉛直方向の長さが水平方向(鉛直方向に垂直な方向)の最短の長さよりも小さい状態で配置されている。例えば、物品Aaがほぼ直方体形状である場合、物品Aaの鉛直方向の長さ(図17においてx方向に沿った長さ:厚さ)L1は、物品Aaの水平方向の長さL2(図17においてz方向に沿った長さ)および長さL3(図17においてy方向に沿った長さ)のいずれよりも小さい。あるいは、物品Aaがほぼ円柱形状である場合、物品Aaの鉛直方向の長さ(x方向に沿った長さ)L1は、互いにほぼ等しい物品Aaの水平方向(y方向およびz方向)の長さL2、L3よりも小さい。また、同様に、物品Abは、搬入コンベア10上に、鉛直方向の長さが水平方向の最短の長さよりも小さい状態で配置されている。
ロボットハンド24の把持部24saが物品Aaを掴み、ロボットハンド24の把持部24sbが物品Abを掴む。ここでは、物品Aaがロボットハンド24の把持部24saによって掴まれて持ち上げられた後、物品Aaは持ち上げられたまま、物品Abはロボットハンド24の把持部24sbによって掴まれて持ち上げられる。例えば、把持部24saが物品Aaを掴んだ後に、ロボットアーム22の動作により、把持部24sbが搬入コンベア10上の物品Abを掴むことができるようにロボットハンド24が移動する。また、ここでは、物品Aa、Abは、搬入コンベア10によって搬送された向きとは異なる向きで運搬される。例えば、ロボットアーム22の動作により、物品Aa、Abを把持したロボットハンド24が上方に移動した後、ロボットハンド24の向きが変化することにより、物品Aa、Abは搬入コンベア10で搬送されたときの向きとは異なる向きで運搬される。
ここで、図18および図19を参照して本実施形態のハンドリングシステム100における物品Aの運搬を説明する。まず、図18を参照して、ロボットハンド24による複数の物品Aの把持を説明する。なお、図18では、図面が過度に複雑になることを避けるように、ロボット20のロボットアーム22を省略して図示している。
まず、図18(a)に示すように、搬入コンベア10は物品Aa、Abを搬送する。ロボットハンド24は搬入コンベア10のエッジ10eに配置されており、ロボットハンド24の少なくとも一部は搬入コンベア10の搬送面10sよりも低い位置にある。
次に、図18(b)に示すように、ロボットハンド24の把持部24saは物品Aaを把持する。ここでは、物品Aaは、把持部24saに掴まれた後、搬入コンベア10の搬送面10sまたは渡し部10aから持ち上げられる。
次に、図18(c)に示すように、把持部24saが物品Aaを把持した状態で、ロボットハンド24の把持部24sbは物品Abを把持する。ここでは、物品Abは、把持部24sbに掴まれた後、搬入コンベア10の搬送面10sまたは渡し部10aから持ち上げられる。
次に、図19を参照して、ロボットハンド24に把持された物品Aa、Abの運搬を説明する。図19では、図面が過度に複雑になることを避けるように、搬入コンベア10を省略して図示している。まず、図19(a)に示すように、ロボットアーム22の動作により、物品Aa、Abを把持したロボットハンド24が上方に移動する。
次に、図19(b)に示すように、ロボットアーム22の動作により、ロボットハンド24の向きの変化が開始する。ここでは、ロボットハンド24は支持部26に近づくように移動しながらロボットハンド24の向きが変化する。
図19(c)に示すように、ロボットアーム22の動作により、ロボットハンド24は下向きで移動する。例えば、ロボットハンド24は搬出コンベア30(図19には図示せず)の上で物品Aa、Abを放すことにより、物品Aa、Abは搬出コンベア30によって搬送される。
なお、図12〜図19を参照して上述したロボット20は物品Aを容器に収容させるのに好適に用いられる。ロボットハンド24が物品Aを把持した状態で、ロボットアーム22の動作により、ロボットハンド24が容器のすぐ上、または、容器内に移動した後、ロボットハンド24が物品Aを放すことにより、物品Aは容器に収容される。このようなロボット20は、一度に複数の物品Aを把持および開放することができ、短時間に物品Aを容器に収容させることができる。
図20は、本実施形態のハンドリングシステム100の模式図である。なお、図20に示したハンドリングシステム100は、物品Aを収容する容器V、および、容器Vを搬送するコンベア12が設けられている点を除いて図17〜図19を参照して上述したハンドリングシステムと同様の構成を有しており、冗長を避けるために重複する説明を省略する。
図20に示したハンドリングシステム100では、容器Vは、ロボット20の近傍に配置されており、容器Vは、物品Aを搬送する搬入コンベア10とは別のコンベア12の上に配置されている。物品Aが容器Vに収容されると、コンベア12は、物品Aの収容された容器Vを所定の方向に搬送するとともに、空の新たな容器Vをロボット20の近傍まで搬送する。
物品Aは、搬入コンベア10の上に、比較的安定な状態で載置されていることが好ましい。ここでも、物品Aaは、搬入コンベア10上に、鉛直方向の長さが水平方向(鉛直方向に垂直な方向)の最短の長さよりも小さい状態で配置されている。
ロボットハンド24の把持部24saが物品Aaを掴み、ロボットハンド24の把持部24sbが物品Abを掴む。ロボットハンド24が搬入コンベア10によって搬送された物品Aを把持した後、ロボットアーム22の動作により、物品Aを把持するロボットハンド24は容器Vの近傍に移動する。その後、把持部24saが物品Aaを放し、把持部24sbが物品Abを放すことにより、物品Aa、Abは容器Vに収容される。
また、ここでは、物品Aa、Abは、搬入コンベア10によって搬送された向きとは異なる向きで容器Vに収容される。例えば、ロボットアーム22の動作により、物品Aa、Abを把持したロボットハンド24が上方に移動した後、ロボットハンド24の向きが変化し、ロボットハンド24が容器Vの近傍まで移動した後に、ロボットハンド24が物品Aa、Abを放すことにより、物品Aa、Abは搬入コンベア10で搬送されたときの向きとは異なる向きで容器Vに収容される。
また、ここでは、容器Vに仕切りpが設けられている。このような仕切りpにより、容器V内の物品Aが容器Vに対して比較的少ない場合でも、物品Aが倒れることを防ぐことができる。
仕切りpの設けられた容器Vに物品Aを収容させる場合、把持部24saおよび把持部24sbは、所定の間隔に離れた状態で物品Aaおよび物品Abを放すことにより、容器Vの仕切りpによって仕切られた空間に物品Aaおよび物品Abを収容させることができる。この場合、物品Aaが把持部24saに掴まれ、かつ、物品Abが把持部24sbに掴まれた状態で物品Aa、Abが移動する際に、把持部24saと把持部24sbとの間の間隔は上述の所定の間隔に設定されていてもよい。例えば、把持部24saと把持部24sbとの間隔は、所定の間隔に固定されていてもよい。
あるいは、物品Aa、Abを把持する前の把持部24saと把持部24sbとの間の間隔は比較的狭く、把持部24sbが物品Abを掴んだ後であって、物品Aaおよび物品Abを容器Vに収容させる前に、把持部24saと把持部24sbとの間の間隔を広げてもよい。例えば、物品Aaおよび物品Abを容器Vに収容させる前に、連結部24tは、把持部24saと把持部24sbとの間隔を変化させてもよい。間隔の変化は、例えば、シリンダ(アクチュエータ)を用いて把持部24sa、24sbの少なくとも一方を移動させることによって行われる。なお、物品Aaが把持部24saによって持ち上げられる場合には、把持部24sbが物品Abを把持した後、把持部24saが物品Aaを放し、物品Aaを物品Abの上に落下させてもよい。
このように、個別に制御可能な把持部24sa、24sbが物品Aa、Abを把持および開放することにより、容器Vに仕切りpが設けられている場合でも、物品Aa、Abの収容を効率的に行うことができる。以上のようにして、容器入り物品が作製される。
ここで、図21および図22を参照して本実施形態のハンドリングシステム100における物品Aの容器Vへの収容を説明する。まず、図21を参照して、ロボットハンド24による複数の物品Aの把持を説明する。なお、図21では、図面が過度に複雑になることを避けるように、ロボット20のロボットアーム22を省略して図示している。
まず、図21(a)に示すように、搬入コンベア10は物品Aa、Abを搬送する。ロボットハンド24は搬入コンベア10のエッジ10eに配置されており、ロボットハンド24の少なくとも一部は搬入コンベア10の搬送面10sよりも低い位置にある。
次に、図21(b)に示すように、ロボットハンド24の把持部24saは物品Aaを把持する。ここでは、物品Aaは把持部24saを掴んだ後、搬入コンベア10または渡し部10aから持ち上げられる。
次に、図21(c)に示すように、把持部24saが物品Aaを把持した状態で、ロボットハンド24の把持部24sbは物品Abを把持する。ここでは、物品Abは把持部24sbを把持した後、搬入コンベア10または渡し部10aから持ち上げられる。
ここで、図22を参照して、ロボットハンド24に把持された物品Aa、Abの容器Vへの収納を説明する。図22では、図面が過度に複雑になることを避けるように、搬入コンベア10を省略して図示している。まず、図22(a)に示すように、ロボットアーム22の動作により、物品Aa、Abを把持したロボットハンド24が上方に移動する。
次に、図22(b)に示すように、ロボットアーム22の動作により、ロボットハンド24の向きの変化が開始する。ここでは、ロボットアーム22の動作により、ロボットハンド24は支持部26に近づくように移動しながらロボットハンド24の向きが変化する。
図22(c)に示すように、ロボットアーム22の動作により、ロボットハンド24は下向きで容器Vの近傍に移動する。その後、ロボットハンド24の把持部24sa、24sbが物品Aa、Abを放すことにより、物品Aa、Abが容器Vに収容される。
なお、図17〜図22を参照した上述の説明では、物品Aは、鉛直方向の長さが水平方向の最短の長さよりも小さい状態で配置(すなわち、横長に配置)されていたが、本実施形態はこれに限定されない。ロボットハンド24が物品Aを把持する際に、物品Aは鉛直方向の長さが水平方向の最短の長さよりも大きい状態で配置(すなわち、縦長に配置)されていてもよい。また、上述した説明では、物品Aaは物品Abと同様の形状を有していたが、本実施形態はこれに限定されない。物品Aaおよび物品Abは互いに異なる形状を有してもよい。
また、図17〜図22を参照した上述の説明では、搬入コンベア10に渡し部10aが設けられていたが、本実施形態はこれに限定されない。渡し部10aが設けられていなくてもよい。また、上述した説明では、把持部24sが物品Aを把持した後、ロボットハンド24は物品Aを上方に持ち上げたが、本実施形態はこれに限定されない。ロボットハンド24は物品Aを把持したまま下方に移動してもよい。
また、図17〜図22を参照した上述の説明では、把持部24sが物品Aを掴む際の物品Aの向きは把持部24sが物品Aを放す際の物品Aの向きと異なったが、本実施形態はこれに限定さない。把持部24sが物品Aを掴む際の物品Aの向きは把持部24sが物品Aを放す際の物品Aの向きと等しくてもよい。例えば、把持部24sが物品Aを掴む際に物品Aは縦長に配置されており、把持部24sは物品Aを縦長に把持した状態で放してもよい。あるいは、把持部24sが物品Aを把持する際に物品Aは横長に配置されており、把持部24sは物品Aを横長に把持した状態で放してもよい。また、例えば、ロボットハンド24が物品Aを放す場合、把持部24sbが物品Abを放した後に、把持部24saが物品Aaを放してもよい。
また、図17〜図22を参照した上述の説明では、ロボットハンド24は搬入コンベア10の正面エッジに配置されており、ロボットハンド24は、搬入コンベア10の正面エッジで物品Aを把持したが、本実施形態はこれに限定されない。ロボットハンド24は、搬入コンベア10の側方のエッジで物品Aを把持してもよい。
図23は、本実施形態のハンドリングシステム100の模式図である。ここでも、図面が過度に複雑になることを避けるために、ロボット20のロボットアーム22を省略して図示している。図23に示したハンドリングシステム100では、ロボットハンド24は、搬入コンベア10の側方のエッジ10eに配置されている。ロボットハンド24の把持部24saが物品Aaを把持した後、ロボットハンド24は上方に移動し、把持部24sbは搬入コンベア10によって搬送される物品Abを把持する。なお、ここでは、把持部24sa、24sbが開いた状態で、ロボットハンド24が鉛直方向に移動した場合でも把持部24sa、24sbが搬入コンベア10と接触しないように、ロボットハンド24が構成されている。