JP5876441B2 - 画像表示装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置1を示す図である。この画像表示装置1では、画像表示パネル2のパネル面に、光学フィルム3が配置される。画像表示パネル2は、可撓性を有するシート形状による有機ELパネルであり、所望のカラー画像を表示する。なお、画像表示パネル2は、有機ELパネルに限定されるものでなく、反射型の液晶パネル等を適用することも可能である。
ここで、正Cプレートとは、面内屈折率が厚み方向の屈折率よりも小さく形成されたフィルムをいい、負Cプレートとは、面内屈折率が厚み方向の屈折率よりも大きく形成されたフィルムをいう。
1) −140nm≦Rth≦−40nm
正Cプレート17は、面内屈折率が厚み方向の屈折率よりも小さくなる状態で固化(硬化)された棒状の液晶化合物、例えば、下記化学式(5)の液晶化合物に、基材に対して垂直配向する添加剤を加えることによって基材14上に形成される。具体的には、特開2005−173410、特開2006−57051、特開2006−106662に記載されている添加剤を用いることにより、特別な配向膜を使うことなく、液晶を垂直配向することができる。さらに開始剤としてBASF社製イルガキュア184、もしくはイルガキュア907を液晶材料に対して4%加えて、MIBK、シクロヘキサノン、またはMIBKとシクロヘキサノンの混合溶剤を用いて固形分濃度25%に溶解して塗工液を作製する。ミヤバーにより基材に塗工して110℃設定で3分間の乾燥工程を得て、窒素雰囲気下で紫外線硬化により配向固定して作製する。
基材14は、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルムである。
賦型樹脂層10は、微細な凹凸形状の賦型に供する賦型用樹脂層であり、この実施形態ではこの賦型用樹脂に紫外線硬化性樹脂が適用される。なお、この紫外線硬化性樹脂については、例えばアクリル系等、賦型処理に供する各種の樹脂を広く適用することができる。賦型樹脂層10は、その表面に、賦型処理により微細な凹凸形状、すなわち配向膜形状11が形成される。
位相差層8は、屈折率異方性を保持した状態で固化(硬化)された液晶材料により形成され、この液晶材料の配向を配向膜形状11の配向規制力によりパターンニングする。
液晶化合物は通常、波長分散性が正分散性であるか、或いは波長分散性を持たないことが多い。逆分散特性を発現させるためには、常光方向の吸収波長をより長波化できれば、逆分散特性を満たす分子を設計することができる。
図2は、この1/4波長位相差板6の製造工程20を示す略線図である。この製造工程20は、基材14がロールにより提供され、この基材を供給リール21から供給する。製造工程20は、ダイ50によりこの基材14の上に液晶材料を塗布し、紫外線照射装置51による紫外線の照射により液晶材料を硬化させ、これらにより正Cプレート17に係る構成を作成する。次に、製造工程20は、基材14をダイ22に搬送し、ダイ22によりこの基材14の正Cプレート17の上に紫外線硬化性樹脂10の塗布液を塗布する。この製造工程20において、ロール版30は、1/4波長位相差板6の配向膜形状11に係る凹凸形状が周側面に形成された円筒形状の賦型用金型である。製造工程20は、紫外線硬化性樹脂が塗布された基材14を加圧ローラ24によりロール版30の周側面に押圧し、高圧水銀燈からなる紫外線照射装置25による紫外線の照射により紫外線硬化性樹脂を硬化させる。これにより製造工程20は、ロール版30の周側面に形成された凹凸形状を基材14に転写する。その後、剥離ローラ26により硬化した紫外線硬化性樹脂と一体に基材14をロール版30から剥離し、ダイ29により液晶材料を塗布する。またその後、紫外線照射装置27による紫外線の照射により液晶材料を硬化させ、これらにより位相差層8に係る構成を作成する。
賦型樹脂層10の配向膜形状11を形成するロール版30の製造工程について説明する。ここでこの製造工程では、母材の周側面を切削により平滑化した後、下地層が作製される。ここで母材は、ロール版の外形形状に対応する円筒形状の金属材料である。母材は、加工のしやすさや寸法安定性などから金属材料であることが好ましく、ニッケル、クロム、ステンレス、銅などであることがより好ましい。なおこの実施形態において、母材は、銅が適用される。
以上の工程より作成されたロール版30に、紫外線硬化性樹脂が塗布された基材を押圧することによって、賦型樹脂層10上に配向膜形状11が形成されることとなる。
図3は、図1との対比により本実施形態に係る画像表示装置201を示す図である。また、図4は、本実施形態に係る転写フィルム220を示す図である。なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態の画像表示装置201は、1/4波長位相差板206が転写フィルム220の転写層によって形成されている点で第1実施形態の画像表示装置1と相違する。
光学フィルム203は、図3に示すように、粘着層207を介してこれら1/4波長位相差板206、直線偏光板5が一体化され、この一体化の処理に、転写法が適用される。
賦型樹脂層10は、正Cプレート17の上に、紫外線硬化性樹脂の塗布液を塗布して作成される。また、配向膜形状11が、賦型に供する微細凹凸形状を周側面に形成した賦型用金型(ロール版)を用いて賦型樹脂層10を賦型処理することによって作成される。位相差層8は、配向膜形状11の上に、液晶材料を塗布して硬化させることにより作成される。しかして転写体では、これら1/4波長位相差板に係る層構成である、正Cプレート17、賦型樹脂層10、位相差層8が、転写に供する転写層である。
なお、粘着層207は、紫外線硬化性樹脂を使用してもよく、この場合は、光学フィルムの厚みを一段と薄くすることができる。
次に、本発明による光学フィルム3を備えた画像表示装置1(実施例)と、本発明とは相違する光学フィルムを備えた画像表示装置(比較例)との表示画面の評価結果について説明する。
図5は、本発明による実施例の画像表示装置1と、比較例の画像表示装置との表示画面の評価結果を示す図である。
なお、各位相差層の面内リタデーション(R(550))と、厚み方向のリタデーション(Rth(550))は、王子計測機器(株)社製、KOBRA−WRを用いて測定した。また、上記評価において、各画像表示装置に使用する画像表示パネルとして、携帯式電話機(サムスン製、ギャラクシーSIII)の有機ELパネルを使用した。また、上述の色味の評価は、画像表示パネルの表示画面に何も画像を表示させない状態(黒色の状態)で行った。
位相差層8は、直線偏光板5の透過光の吸収軸に対する遅相軸の傾きがθ1=45°であり、波長が550nmの透過光に対する面内のリタデーションがR1(550)=146nmである。また、正Cプレート17は、厚み方向のリタデーションがRth2(550)=−135nmである。
実施例2に係る光学フィルム3は、上述の実施例1の光学フィルムと同様の層構成を有している。
位相差層8は、θ1=45°であり、R1(550)=146nmである。また、正Cプレート17は、Rth2(550)=−130nmである。
位相差層8は、θ1=45°であり、R1(550)=144nmである。また、正Cプレート17は、Rth2(550)=−135nmである。
実施例4に係る光学フィルム3は、上述の実施例3の光学フィルムと同様の層構成を有している。
位相差層8は、θ1=45°であり、R1(550)=144nmである。また、正Cプレート17は、Rth2(550)=−100nmである。
位相差層8は、θ1=45°であり、R1(550)=144nmである。また、正Cプレート17は、Rth2(550)=−80nmである。
実施例6に係る光学フィルム3は、上述の実施例3の光学フィルムと同様の層構成を有している。
位相差層8は、θ1=45°であり、R1(550)=144nmである。また、正Cプレート17は、Rth2(550)=−60nmである。
位相差層は、θ1=45°であり、R1(550)=144nmである。
比較例2に係る光学フィルムは、画像表示パネル側から、正Cプレート、賦型樹脂層、配向層、位相差層、直線偏光板の順で積層されたものである。
位相差層は、θ1=45°であり、R1(550)=144nmである。また、正Cプレート17は、Rth2(550)=−200nmである。
位相差層は、θ1=45°であり、R1(550)=144nmである。また、正Cプレート17は、Rth2(550)=−150nmである。
比較例4に係る光学フィルムは、上述の比較例2の光学フィルムと同様の層構成を有している。
位相差層は、θ1=45°であり、R1(550)=144nmである。また、正Cプレート17は、Rth2(550)=−30nmである。
1) −140nm≦Rth2≦−40nm
を満たすことも確認された。
従って、上記関係式1)を全て満たすことによって、画像表示装置1の表示画面の法線に対する斜め方向から観察した表示画面の外観を向上させることができることが評価結果から確認することができる。
次に、別な実施例における光学フィルムの色度及び輝度の評価結果について説明する。
斜め方向からの色味、コントラストを評価するため、反射色度及び反射輝度をELDIM社製EZ Constrastで測定した。各データは、極角60°で全方位から測定した反射色度及び反射輝度のデータをそれぞれ平均して算出した。
図6は、本発明による実施例の光学フィルムと、比較例の光学フィルムとの色度の評価結果を示す図である。図6(a)は、実施例及び比較例の色度の平均値を示す図であり、図6(b)は、実施例及び比較例の色度の標準偏差(3σ)を示す図である。
図7は、本発明による実施例の光学フィルムと、比較例の光学フィルムとの反射輝度の評価結果を示す図である。図7(a)は、実施例及び比較例の反射輝度の平均値を示す図であり、図7(b)は、実施例及び比較例の反射輝度の標準偏差(3σ)を示す図である。
位相差層8は、直線偏光板5の透過光の吸収軸に対する遅相軸の傾きがθ1=45°であり、波長が550nmの透過光に対する面内のリタデーションがR1(550)=152nmである。また、正Cプレート17は、厚さ方向のリタデーションが、Rth2(550)=−40nmである。
実施例12の光学フィルム3は、実施例11の光学フィルムと同様の層構成を有している。また、実施例12の位相差層8の遅相軸の傾きθ1と、面内のリタデーションR1(550)の値は、実施例11の光学フィルムと同等である。実施例12の正Cプレート17は、厚さ方向のリタデーションが、Rth(550)=−60nmである。
実施例14の光学フィルム3は、実施例11の光学フィルムと同様の層構成を有している。また、実施例14の位相差層8の遅相軸の傾きθ1と、面内のリタデーションR1(550)の値は、実施例11の光学フィルムと同等である。実施例14の正Cプレート17は、厚さ方向のリタデーションが、Rth(550)=−100nmである。
実施例15の光学フィルム3は、実施例11の光学フィルムと同様の層構成を有している。また、実施例15の位相差層8の遅相軸の傾きθ1と、面内のリタデーションR1(550)の値は、実施例11の光学フィルムと同等である。実施例15の正Cプレート17は、厚さ方向のリタデーションが、Rth(550)=−120nmである。
また、比較例11の位相差層の遅相軸の傾きθ1と、面内のリタデーションR1(550)の値は、実施例11の光学フィルムと同等である。
しかし、極角60度における色度の標準偏差(3σ)は、図6(b)に示すように、各実施例の光学フィルム3が、比較例11の光学フィルムに比して各色座標のばらつきが小さくなることが確認された。特に、厚み方向のリタデーションがRth(550)=−80nmである実施例13の光学フィルム3が、最も色度の標準偏差が小さくなることが確認された。
また、極角60度における入射光に対する反射輝度の標準偏差(3σ)は、図7(b)に示すように、各実施例の光学フィルム3が比較例の光学フィルムよりも低く抑えられており、反射輝度のばらつきが低減されることが確認された。特に、実施例12の光学フィルム3が最も標準偏差が低減される。
また、図6(b)に示す結果から、正Cプレート17の厚み方向のリタデーションRthが−80nmの場合に、色度のばらつきを最も効果的に低減させることができることが確認された。更に、図7に示す結果から、正Cプレート17の厚み方向のリタデーションRthが−60nmの場合に、反射輝度の平均値及び標準偏差を最も低減させることができることが確認された。
従って、光学フィルム3は、使用用途等に応じて、正Cプレート17のリタデーションを適宜設定することにより、画像表示装置1に配置された場合に、表示画面の黒味を強調させるとともに、反射防止機能を向上させることができる。これにより、表示画面の斜め方向から観察した表示画面の外観をより効果的に向上させることができる。
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を種々に組み合わせ、さらには上述の実施形態の構成を種々に変更することができる。
例えば、基材14の下面に、賦型樹脂層10、位相差層8、正Cプレート17を順に形成した構成にしてもよい。なお、この場合、1/4波長位相差板は、基材14の上面に粘着層7を、正Cプレート17の下面に粘着層4を設ける必要がある。
また、基材14の上面に、順次、賦型樹脂層10、位相差層8を形成し、基材の下面に正Cプレート17を形成するようにしてもよい。
この場合、賦型樹脂層10、位相差層8、正Cプレート17の順で積層させた転写体を支持体基材上に形成する必要がある。このとき、支持体基材は、TACフィルムや、PETフィルムを適用することができる。このような積層順序にすることにより、転写フィルムは、上述の第2実施形態の転写フィルムの場合よりもその製造を容易にすることができる。
2 画像表示パネル
3、203 光学フィルム
4、7 粘着層
5 直線偏光板
6、206 1/4波長位相差板
8 位相差層
10 賦型樹脂層
11 配向膜形状
14、15 基材
16 光学機能層
17 正Cプレート
220 転写フィルム
221 支持体基材
223 セパレータフィルム
20 製造工程
21 供給リール
22、29、50 ダイ
24 加圧ローラ
25、27、51 紫外線照射装置
26 剥離ローラ
30 ロール版
31 搬送ローラ
Claims (2)
- 画像表示パネルのパネル面に光学フィルムを配置した画像表示装置において、
前記光学フィルムは、
直線偏光板と転写層とが積層され、
前記転写層は、
前記直線偏光板側から、1層からなり、逆分散特性を有し、透過光に1/4波長分の位相差を付与する位相差層と、
面内屈折率が厚み方向の屈折率よりも小さい正Cプレートとが順次積層され、
前記正Cプレートは、厚み方向のリタデーションRthが、
−140nm≦Rth≦−40nmを満たし、
前記画像表示パネルが、
有機ELパネルであり、
前記光学フィルムは、
極角60°で全方位から測定した反射色度のx座標値の標準偏差(3σ)及びY座標値標準偏差(3σ)が、0.0386以下であり、
前記反射色度のx座標の平均値が0.2960以上0.3034以下であり、
前記反射色度のy座標の平均値が0.3391以上0.3453以下であること、
を特徴とする画像表示装置。 - 前記正Cプレートは、液晶化合物により形成されること、
を特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
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