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JP5873113B2 - 電池状態検出装置 - Google Patents

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JP5873113B2 JP2013556343A JP2013556343A JP5873113B2 JP 5873113 B2 JP5873113 B2 JP 5873113B2 JP 2013556343 A JP2013556343 A JP 2013556343A JP 2013556343 A JP2013556343 A JP 2013556343A JP 5873113 B2 JP5873113 B2 JP 5873113B2
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Description

本発明は電池状態検出装置に関し、特に、二次電池の電池状態を複素インピーダンス解析する技術に関する。
従来から、電池のインピーダンス解析により、電池の劣化状態や余寿命を評価する技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、内部インピーダンスを有する電池の放電の状態を測定する方法において、第1周波数において電池の第1内部インピーダンスを測定し、第2周波数において電池の第2内部インピーダンスを測定し、第1内部インピーダンスと第2内部インピーダンス間の差を求め、内部インピーダンス間の差の偏角ないしアーギュメントであって、電池の放電の状態を表現する偏角ないしアーギュメントを求めることが記載されている。また、第1周波数及び第2周波数のうち、より低い方の周波数が0.1と10Hzの間にあることが記載されている。
また、特許文献2には、二次電池に交流電圧を印加して二次電池のインピーダンスに関連する電気量又は最大出力密度に関連する電気量を検出し、この電気量に基づいて二次電池の性能を判定することが記載されている。また、電気量は、二次電池のインピーダンスのうちで交流電圧の周波数により変動する成分からなる交流インピーダンス成分に関連する交流インピーダンス関連電気量であることが記載されている。また、所定の周波数帯内の多数の周波数値の交流電圧を二次電池に印加して、各周波数値毎に二次電池のインピーダンスの実軸成分値及び虚軸成分値を求め、実軸成分値及び虚軸成分値からインピーダンスに関連する電気量を演算することが記載されている。さらに、実軸成分値及び虚軸成分値をそれぞれ軸とする二次元平面におけるインピーダンスの円弧軌跡の直径に基づいて交流インピーダンス成分を演算することが記載されている。
特開昭60−144675号公報 特開2000−299137号公報
ところで、近年のハイブリッド自動車や電気自動車等の普及とともに、これらの車両に搭載される二次電池の状態を高精度に検出する技術を確立することが急務となっている。この技術により、車両に搭載される二次電池の制御や、二次電池の再利用への応用が期待できる。例えば、二次電池を再利用する際には、車両から取り出した二次電池の電池特性(開放電圧、内部抵抗、残存容量等)から再利用可能か否かを判定する手法が提案されているが、再利用可能かの判定をより高精度に行うため、より高精度に二次電池の状態を検出できる技術が望まれている。また、上記文献には、インピーダンスにより電池の状態を検出することが記載されているが、所謂電荷移動抵抗領域のインピーダンスから電池状態を検出しており、電池状態を必ずしも十分に検知しているとはいえなかった。例えば、ニッケル水素電池では、SOCが変化しても、電荷移動抵抗領域のインピーダンスに変化がないため、電荷移動抵抗領域のインピーダンスからは電池状態を推定することはできなかった。
本発明の目的は、電池の複素インピーダンス解析により、高精度に電池の状態、特に電池の正常/異常や電池の劣化度を検出できる装置を提供することにある。
本発明は、電池が正常あるいは異常であるか、または前記電池の劣化度を検出する電池状態検出装置であって、前記電池の拡散領域内の複素インピーダンスを測定する測定手段と、前記測定手段で測定した前記電池の拡散領域内の周波数の異なる2つ以上の前記複素インピーダンスを結んだ直線または近似直線の傾き角度を算出する検出手段と、前記電池が正常であるか異常であるか、または前記電池の劣化度を判定する前記傾き角度に対応する閾値を予め記憶した記憶手段とを備え、前記検出手段は、算出された傾き角度と前記記憶手段に記憶された所定の閾値とを用いて前記電池が正常あるいは異常であるか、または前記電池の劣化度を検出することを特徴とする。
本発明の1つの実施形態では、周波数の異なる2つ以上の前記複素インピーダンスは、同一充電量での複素インピーダンスであることを特徴とする。
本発明の他の実施形態では、前記充電量はゼロないしその近傍であることを特徴とする。
本発明のさらに他の実施形態では、前記検出手段は、実軸成分及び虚軸成分を軸とする二次元平面を用いて、周波数の異なる2つ以上の前記複素インピーダンスを結んだ直線または近似直線の傾き角度を算出することを特徴とする。
また、本発明は、電池が正常あるいは異常であるか、または前記電池の劣化度を検出する電池状態検出装置であって、前記電池を比較する際に基準となるベース電池の拡散領域内の複素インピーダンスである基準複素インピーダンスの周波数と同一の周波数の前記電池の拡散領域内の複素インピーダンスを測定する測定手段と、前記基準複素インピーダンスと前記測定手段で測定した前記複素インピーダンスとの間の距離及び前記基準複素インピーダンスと前記測定手段で測定した前記複素インピーダンスを結んだ直線の傾き角度を検出する検出手段と、前記電池が正常であるか異常であるか、または前記電池の劣化度を判定する前記距離に対応する閾値と前記傾き角度に対応する閾値のそれぞれを予め記憶した記憶手段とを備え、前記検出手段は、算出された前記距離及び前記傾き角度、前記記憶手段に記憶された前記距離に対応する閾値及び前記傾き角度に対応する閾値とを用いて前記電池が正常あるいは異常であるか、または前記電池の劣化度を検出することを特徴とする。
本発明の1つの実施形態では、前記基準複素インピーダンスと前記測定手段で測定した前記複素インピーダンスは、同一充電量での複素インピーダンスであることを特徴とする。
本発明の他の実施形態では、前記充電量はゼロないしその近傍であることを特徴とする。
本発明のさらに他の実施形態では、前記検出手段は、実軸成分及び虚軸成分を軸とする二次元平面を用いて、前記基準複素インピーダンスと前記測定手段で測定した前記複素インピーダンスとの間の距離を検出するとともに、前記基準複素インピーダンスと前記測定手段で測定した前記複素インピーダンスとを結んだ直線の傾き角度を検出することを特徴とする。
また、本発明は、リザーブが存在する電池が正常であるか異常であるかを検出する電池状態検出装置であって、前記電池の拡散領域における第1周波数の複素インピーダンスを測定する測定手段と、前記測定手段で測定した第1周波数の複素インピーダンスの実軸成分、虚軸成分、複素インピーダンスの大きさの少なくともいずれか1つを算出する検出手段と、前記電池の容量バランスが正常であるか異常であるかを判定する前記測定手段で得られる第1周波数の複素インピーダンスの実軸成分、虚軸成分、複素インピーダンスの大きさの少なくともいずれか1つに対応する所定の閾値を予め記憶した記憶手段とを備え、前記検出手段は、前記第1周波数の複素インピーダンスの実軸成分、虚軸成分、複素インピーダンスの大きさの少なくともいずれか1つと、前記記憶手段に記憶された第1周波数の複素インピーダンスの実軸成分、虚軸成分、複素インピーダンスの大きさの少なくともいずれか1つに対応する閾値とを比較することで前記電池の容量バランスが正常あるいは異常であるかを検出することを特徴とする。
本発明の1つの実施形態では、前記検出手段が異常であると検出した場合には、さらに、前記測定手段は、前記電池の拡散領域における第1周波数よりも低い周波数である第2周波数の複素インピーダンスを測定し、前記検出手段は、前記測定手段で測定した第2周波数の複素インピーダンスの実軸成分、虚軸成分、複素インピーダンスの大きさの少なくともいずれか1つを算出し、前記記憶手段は、前記電池の容量バランスが正常であるか異常であるかを判定する前記測定手段で得られる第2周波数の複素インピーダンスの実軸成分、虚軸成分、複素インピーダンスの大きさの少なくともいずれか1つに対応する所定の閾値を予め記憶しており、前記検出手段は、前記第2周波数の複素インピーダンスの実軸成分、虚軸成分、複素インピーダンスの大きさの少なくともいずれか1つと、前記記憶手段に記憶された第2周波数の複素インピーダンスの実軸成分、虚軸成分、複素インピーダンスの大きさの少なくともいずれか1つの対応する閾値とを比較することで前記電池の容量バランスが正常あるいは異常を検出することを特徴とする。
本発明の他の実施形態では、前記測定手段は、前記電池の充電量がゼロないしその近傍である場合の複素インピーダンスを測定することを特徴とする。
本発明によれば、電池の複素インピーダンス解析により、高精度に電池の状態を検出でき、より特定的には、検出対象の電池が正常であるか異常であるか、または劣化しているか否かを検出できる。従って、例えば車両に搭載した電池を精度良く制御する、あるいは電池を再利用する際に本発明を適用することにより再利用効率を向上させることができる。
正常な容量バランスを示す図である。 図1に示す電池の複素インピーダンス図(ナイキストプロット)である。 容量バランスのずれを示す図である。 図3に示す電池の複素インピーダンス図(ナイキストプロット)である。 正常な容量バランスの複素インピーダンスの傾き角度と容量バランスずれの複素インピーダンスの傾き角度の関係を示す図(ナイキストプロット)である。 複数セルを直列接続した場合の複素インピーダンス図(ナイキストプロット)である。 異常セル数と傾き角度との関係を示すグラフ図である。 実施形態の装置構成図である。 第1実施形態の処理フローチャートである。 第1実施形態の模式的説明図(ナイキストプロット)である。 放電リザーブと傾き角度との関係を示すグラフ図である。 第3実施形態の処理フローチャートである。 第3実施形態の模式的説明図(ナイキストプロット)である。 充電量(SOC)が同一の場合及び異なる場合における複素インピーダンスの変化を示す図(ナイキストプロット)である。 傾き角度及び距離と、正常/異常の範囲を示す図である。 ワールブルグインピーダンスと伝送線モデルのインピーダンスを示す図(ナイキストプロット)である。 複素インピーダンス図(ナイキストプロット)である。 正常な容量バランス及び異常な容量バランスの電池の複素インピーダンス図(ナイキストプロット)である。 6セルから構成されるモジュールの説明図である。 正常モジュールと異常モジュールの複素インピーダンス図(ナイキストプロット)である。 正常モジュールと異常モジュールのモジュール内最低放電リザーブと複素インピーダンス虚軸成分との関係を示すグラフ図である。 モジュール内最低放電リザーブと複素インピーダンス各成分との関係を示すグラフ図である。 セル放電リザーブと複素インピーダンス各成分との関係を示すグラフ図である。 第3実施形態のフローチャートである。 異なる周波数(1Hz)におけるモジュール内最低放電リザーブと複素インピーダンス各成分との関係を示すグラフ図である。 第4実施形態の処理フローチャートである。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
<基本原理>
まず、本実施形態における基本原理について説明する。本実施形態における二次電池の状態検出装置及び方法では、二次電池の複素インピーダンスの挙動のうち、特定の周波数領域における挙動に着目して二次電池の状態を検出するものである。なお、以下の説明では二次電池としてニッケル水素電池(Ni−MH電池)を例にとり説明するが、これに限定されるものではなく、例えば他のアルカリ電池やリチウム電池等の非水系電池にも利用可能である。
図1に、正常なニッケル水素電池の正極容量及び負極容量を示す。ニッケル水素電池は、過充電時に負極で酸素を吸収し、かつ、負極自身から水素発生しないように負極容量を正極容量よりも過剰に設ける(充電リザーブ)ことにより、過充電時におけるガスの蓄積による内圧上昇を抑制している。また、放電時に電池容量が負極規制にならないように、負極に放電可能な容量を設けている(放電リザーブ)。すなわち、ニッケル水素電池の放電容量は、正極容量によって規制されるように正極及び負極の容量バランスが設定される。図1に示すように、正常なニッケル水素電池では、充電リザーブ及び放電リザーブが存在し、放電側に着目すると、放電リザーブが正(例えば図1に示すように2.96Ah)となっている。
図2に、放電状態の正常電池に交流電圧を印加した場合における等価回路の複素インピーダンスを結んだ複素インピーダンス曲線を示す。等価回路や複素インピーダンスは公知であり、例えば上記の特許文献2にも記載されている通りであるが、簡単に説明すると、電池のインピーダンスは直流インピーダンス成分と交流インピーダンス成分とを直列接続した等価回路で表現され、交流インピーダンス成分は抵抗とコンデンサの並列回路で等価される。交流インピーダンス成分は、電池の両端の電圧から直流電圧成分を除去し、電池の両端に印加される交流電圧成分Vacと交流電流Iacとを検出し、
Z=Vac/Iac=Zreal+jZimg
として得られる。Zrealは複素インピーダンスの実軸成分、Zimgは複素インピーダンスの虚軸成分である。図2は、図1に示す正常電池の複素インピーダンスの実軸成分及び虚軸成分を求め、実軸成分と虚軸成分のペアデータを、横軸を実軸成分Zr、縦軸を虚軸成分Ziとする二次元平面にプロットしたものである(ナイキストプロット:横軸では右側をプラス側、左側をマイナス側とし、縦軸では上側をマイナス側、下側をプラス側としている:他のナイキストプロットも同じ)。放電状態の電池に対して、(正極容量(Ah),負極容量(Ah))=(5.54,8.5)、(4.54,7.5)、(3.54,6.5)、(2.54,5.5)、(1.54,4.5)、(0.54,3.5)、(0,2.96)のそれぞれの容量において周波数を変化させたときの複素インピーダンスの実軸成分、虚軸成分である。図において、0.1Hz、1Hz、10Hz、100Hzの点を明示的に示している。具体的には、丸印が0.1Hz、菱形印が1Hz、三角印が10Hz、四角印が100Hzを示す。周波数が低い領域は、物質拡散の関与した複素インピーダンスで構成された領域であり、本実施形態においては、拡散領域における複素インピーダンスで構成された領域と称する。具体的には、図2で示す複素インピーダンス曲線は、高周波数側の円弧を示す曲線部分(電荷移動抵抗領域)と、略直線状の部分から構成されているが、その変曲点より低周波数の部分(略直線状の部分)が拡散領域における複素インピーダンスで構成される領域である。拡散領域における複素インピーダンスで構成された領域は、正極容量が5.54Ah〜1.54Ahでは大きな変化はないものの、正極容量が0Ah及びその近傍では直線の傾きが急峻となっている。
図3に、正極と負極の容量バランスがずれた電池を示す。本来であれば、図1に示すように放電時に負極規制とならないように負極に放電可能な容量を設けているが、容量バランスがずれてしまうと負極に放電リザーブ分がなく、放電リザーブが負となってしまう(例えば図3に示すように−1.78Ah)。すなわち、負極規制となってしまう。
図4に、図3に示す異常電池に交流電圧を印加した場合における等価回路の複素インピーダンスを結んだ複素インピーダンス曲線を示す。放電状態の電池に対して、(正極容量(Ah),負極容量(Ah))=(5.56,3.78)、(4.56,2.78)、(3.56,1.78)、(2.56,0.78)、(1.78,0)のそれぞれの容量において周波数を変化させたときの複素インピーダンスの実軸成分、虚軸成分である。図2では、正極規制であるため正極容量が0Ahとなるまで放電しているが、図4では負極規制となってしまい負極容量が0Ahとなるまで放電している点に留意されたい。図4においても、拡散領域における複素インピーダンスで構成された領域は略直線上であり、負極容量が3.78Ah〜1.78Ahでは大きな変化はないものの、負極容量が0Ah及びその近傍では直線の傾きが急峻となっている。但し、図2と図4とを対比すると、拡散領域における周波数の異なる2つの複素インピーダンスを結んだ直線の傾き角度に相違があり、図4に示す負極容量0Ahにおける傾き角度は、図2に示す正極容量0Ahにおける傾き角度よりも小さくなっている。
図5に、図2の容量バランスが正常な電池における正極容量0Ah時の拡散領域における傾きと、図4の容量バランスがずれた異常な電池における負極容量0Ah時の拡散領域における傾きを対比して示す。図から分かるように、正常な容量バランスの場合の傾きよりも、容量バランスがずれた場合の傾きは相対的に小さくなる。このメカニズムは必ずしも明らかでないが、拡散領域の複素インピーダンスは、理論的には傾き角度が90degとなる集中定数域と、傾き角度が45degとなる分布定数域からなり、その境界となる周波数は遷移周波数とされる。実際の電池内部には異なる物質移動拡散挙動が混在しているため、拡散領域の傾きは45〜90degの間の値をとることがある。また、充放電サイクルの進行に伴う電池の劣化、若しくは電池の充電状態の変化によって、遷移周波数が高い挙動と低い挙動の存在割合が変化していくため、拡散領域における傾き角度が変化すると考えられる。
そこで、本実施形態では、このような傾きの相違の事実に着目し、正常な容量バランスであることが既知である電池の拡散領域における傾きを検出してこれを閾値として設定し、状態を検出すべき電池の拡散領域における傾きを検出して閾値と大小比較することで、その電池が正常あるいは異常であるか、またはその電池の劣化度を検出する。すなわち、両電池の傾きを互いに比較し、状態を検出すべき電池の傾きが閾値より小さい場合には、容量バランスがずれた異常な電池、あるいは劣化した電池であると判定する。拡散領域における傾きは、拡散領域内の少なくとも2つの異なる周波数での複素インピーダンスをそれぞれ検出し、これらを直線近似して求めることができる。
以上は、電池1個の場合、いわゆる単セルの場合であるが、複数セルの場合でも同様に適用できる。単セルを直列に接続した複数セルの場合、複数セルの傾きは直列接続されたそれぞれのセルの傾きを総合したものであるから、少なくともいずれかのセルの傾きが閾値よりも小さい場合、複数セルが示す全体の傾きもこれに応じて閾値よりも小さくなると予想されるからである。
図6に、複数セル、例えば6個のニッケル水素電池セルを直列接続して交流電圧もしくは交流電流を印加した場合における等価回路のそれぞれの複素インピーダンスを結んだ複素インピーダンス曲線を示す。図において、6個のセル全てが正常な容量バランスの場合(図における「0セル」)、6個のセルのうち1個のセルが異常な容量バランスの場合(図における「1セル」)、6個のセルのうち2個のセルが異常な容量バランスの場合(図における「2セル」)、6個のセルのうち3個のセルが異常な容量バランスの場合(図における「3セル」)、6個のセルのうち6個全てが異常な容量バランスの場合(図における「6セル」)のそれぞれについて複素インピーダンス曲線を示す。それぞれの場合について拡散領域における傾きに着目すると、0セルの場合に比べて1セル、2セル、3セル、6セルの場合はその傾きが小さくなっている。
図7に、6個のセルを直列接続して構成される電池モジュールの異常セル数と拡散領域における傾きとの関係を示す。横軸は6セル中の異常な容量バランスのセル数であり、縦軸は拡散領域における複素インピーダンスの傾き角度(deg)である。異常セル数が1個でも含まれていれば、異常セルが全く含まれていない場合に比べていずれも傾きが小さくなる。なお、異常セルが含まれていればその数によらずに傾きはほぼ一定である。
従って、複数セルの場合においても、その中に異常セルが含まれているか否かを拡散領域における傾きの大きさを用いて検出することが可能である。一方、異常な容量バランスのセルの数が多くなるにつれ、実軸と虚軸の値がともに大きくなる(図6参照)。そのため、実軸又は虚軸の値の大きさによって、直列に接続された複数セルのうち異常な容量バランスのセル数を検出することも可能である。
なお、ハイブリッド自動車等に搭載される電池パックは、複数のブロック(例えば10ブロック以上)から構成され、各ブロックは複数のモジュール(例えば2モジュール)から構成され、各モジュールは複数のセル(例えば6〜12セル)から構成されている。従って、自動車に搭載された電池パックを回収して再利用する際に、電池パックを分解してブロック単位、あるいはモジュール単位に分解し、各ブロック毎、あるいは各モジュール毎に拡散領域における傾きを検出して閾値と大小比較することで、当該ブロックあるいは当該モジュール内に、少なくとも1つの異常な容量バランスのセルが含まれているか否かを判定し、セル単位まで分解することなくブロック単位あるいはモジュール単位で正常/異常を選別することが可能である。
本実施形態の基本原理は以上の通りであり、以下、より具体的に本実施形態の構成及び処理内容について説明する。
<第1実施形態>
図8に、本実施形態における電池状態検出装置の全体構成を示す。電池状態検出装置は、検出対象である電池10に交流電圧もしくは交流電流を印加して電池10の複素インピーダンスを測定する測定手段であるインピーダンス測定器(あるいはインピーダンスアナライザ)12と、インピーダンスアナライザ12で測定された電池10の拡散領域内における前記複素インピーダンスのデータが供給され、これら複素インピーダンスのデータから拡散領域における傾きを算出する検出手段であるコンピュータ14を有する。コンピュータ14は、さらに、電池10が正常であるか異常であるか、または前記電池の劣化度を判定する傾き角度に対応する閾値を記憶した記憶手段であるメモリを有している。そして、コンピュータ14は、算出された拡散領域における傾きとメモリに記憶した、算出された傾き角度に対応する所定の閾値と大小比較して正常か異常か、または前記電池の劣化度を判定して判定結果を出力する。
インピーダンス測定器12は、電池10を所定の条件で放電した後、所定時間静置し、両極電位がほぼ一定となった時点で拡散領域内の異なる2つの周波数(例えば1Hz以下の0.1Hzと0.5Hz)の交流電圧を印加して電池10のインピーダンスを測定する。なお、測定温度は25℃とし、印加電流は500mA、積分時間2秒等とすることができる。また、必要な複素インピーダンスデータは拡散領域内の2つの周波数におけるデータであるが、インピーダンス測定器12は、これに限らず例えば印加する交流電圧の周波数を1MHz〜0.1Hzの間で順次変化させて各周波数における複素インピーダンスを測定してもよい。なお、二次電池の種類や温度によって拡散領域の周波数は変動するため、計測する周波数の値は各種条件によって適宜設定すればよい。
コンピュータ14は、CPU、メモリ及び入出力インタフェースを備える。CPUは、インピーダンス測定器12で得られたインピーダンスデータから、拡散領域における傾き、すなわち図2や図4に示すような実軸成分と虚軸成分の2次元平面上における拡散領域内の2つの周波数での複素インピーダンスを結んだ直線の傾き角度を演算する。メモリは、予め正常な容量バランスを示す電池で測定した傾きを閾値として格納する。CPUは、メモリに格納された閾値と、演算して得られた傾きとを大小比較し、演算して得られた傾きが閾値よりも小さいか否かを判定する。そして、演算して得られた傾きが閾値とほぼ等しい場合には電池10を正常と判定し、演算して得られた傾きが閾値よりも小さい場合には電池10を異常な電池、つまり劣化が進んで容量バランスがずれた電池と判定して、判定結果を出力する。コンピュータ14がディスプレイをさらに備え、判定結果をディスプレイに表示してもよい。
図9に、本実施形態の処理フローチャートを示す。まず、検出対象の電池10を充放電し、充電量(SOC:State of Charge)を調整する(S101)。すなわち、電池10をそのSOCが0%ないしその近傍となるまで放電する。「0%ないしその近傍」とは、0%の場合、及び実質的に0%とみなせる程度の微小充電量を意味し、0%〜5%程度を意味する。この調整により、正常な電池であれば正極容量は0Ahとなり負極の容量は残っている(放電リザーブが正)状態となるが、異常な電池であれば負極容量が0Ahとなる(放電リザーブが負)。
次に、電池10に測定用電極を接続し、交流電圧を印加してインピーダンス測定器12で電池10の複素インピーダンスを測定する(S102)。電池10に印加すべき交流電圧の周波数は、拡散領域内の少なくとも2つの周波数であり、例えば0.1Hzと0.5Hzであるが、これに限定されるものではない。一般的には、1Hz以下の任意の2つの周波数とすることが可能であろう。
次に、コンピュータ14は、インピーダンス測定器12で得られた2つの周波数における複素インピーダンスデータを用いて、拡散領域における傾き、つまり図4等におけるグラフ(ナイキストプロット)の傾き角度を演算する(S103)。傾き角度は、数学的あるいは図形的(幾何学的)のいずれの方法でもよい。あるいは、2つの周波数のうち、相対的に高い周波数での複素インピーダンスを第1の複素インピーダンス、相対的に低い周波数での複素インピーダンスを第2の複素インピーダンスとすると、第1及び第2の複素インピーダンスを結ぶ直線の傾き角度を演算する。
次に、コンピュータ14は、メモリに予め格納されている閾値(正常/異常や電池の劣化度を判定するための判定閾値)と、演算して得られた傾き角度とを比較し(S104)、比較結果に応じて正常/異常や電池の劣化度を判定する(S105)。すなわち、演算して得られた傾き角度が閾値より小さければ異常または電池が劣化していると判定し、そうでなければ正常と判定する。もちろん、閾値に対して許容マージンを設けてもよく、許容マージンを超えて閾値より小さい場合にのみ異常または電池が劣化していると判定してもよい。
図10に、本実施形態の処理を模式的に示す。横軸に実軸Zreal、縦軸に虚軸Zimgとする2次元平面上の複素インピーダンス曲線であり、符号100は正常な電池の複素インピーダンス曲線、符号200は異常な電池の複素インピーダンス曲線である。正常な電池の複素インピーダンスのうち、拡散領域における周波数の異なる2つの複素インピーダンスを結んだ直線の傾き角度をθとする。拡散領域における周波数の異なる2つの複素インピーダンスがある領域を領域20とする。領域22は、領域20を拡大したものである。他方、異常な電池の複素インピーダンスのうち、拡散領域における周波数の異なる2つの複素インピーダンスを結んだ直線の傾き角度をαとする。拡散領域における周波数の異なる2つの複素インピーダンスがある領域を領域24とする。領域26は、領域24を拡大したものである。傾き角度αと傾き角度θを比較すると、領域26に示すようにα<θとなる。コンピュータ14は、α<θであるか否かを判定することで、電池10の正常/異常を一義的に判定する。
図11に、放電リザーブと傾き角度との関係を示す。放電リザーブが正であれば正常な容量バランスの電池であり、放電リザーブが負であれば異常な容量バランスの電池である。放電リザーブと拡散領域における傾き角度との間には正の相関関係があり、放電リザーブが増大するほど傾き角度も増大する。そこで、複数の電池について放電リザーブと傾き角度のデータを収集し、直線近似して得られる直線が放電リザーブ0Ahの直線と交わる傾き角度を閾値に設定する。図では、例えば閾値は70degに設定される。この閾値は、予めコンピュータ14のメモリに格納される。そして、検出対象の電池10の傾き角度が図における点30で示される角度、例えば60degであるとすると、これは閾値である70degより小さいから放電リザーブが負である。すなわち容量バランスが異常な電池であると判定できる。
なお、本実施形態では、放電リザーブが負である、すなわち容量バランスが異常であるにもかかわらず正常な電池と判定しないように、閾値となる直線を放電リザーブと傾き角度のプロットの上側に設定している。また、本実施形態では、電池10をそのSOCが0%ないしその近傍まで放電している。これは、低SOCの方が傾き角度が大きいため、容量バランスの正常・異常の判断を精度良く行うことができるからである。但し、放電した後のSOCは0%ないしその近傍に限られるわけではない。例えば、20%以下であれば、傾き角度の変動が十分に大きいため好適であるし、20%より大きい場合も当然含まれる。また、第1実施形態では、容量バランスがずれた電池として、放電リザーブが負(負極規制)の電池(図3参照)を例として説明したが、他の態様でずれが発生している電池についても、容量バランスのずれを適切に検出することができる。
<第2実施形態>
上記の第1実施形態では、拡散領域における周波数の異なる2つの複素インピーダンスを結んだ直線の傾き角度を演算し、この傾き角度を用いて正常/異常または電池の劣化度を判定しているが、電池10を比較する際に基準となるベース電池の拡散領域内の複素インピーダンスである基準複素インピーダンスと、基準複素インピーダンスの周波数と同一の周波数の電池10の拡散領域内の複素インピーダンスとを結んだ直線の傾き角度を用いて電池10の正常/異常または電池の劣化度の判定を行うこともできる。以下では、この場合の実施形態について説明する。なお、第1実施形態の測定手段の代わりに、測定手段であるインピーダンス測定器(あるいはインピーダンスアナライザ)12は、基準複素インピーダンスの周波数と同一の周波数の電池10の拡散領域内の複素インピーダンスを測定する。また、第1実施形態の検出手段の代わりに、検出手段であるコンピュータ14は、基準複素インピーダンスと測定手段で測定した複素インピーダンスとの間の距離及び基準複素インピーダンスと測定手段で測定した複素インピーダンスを結んだ直線または近似直線の傾き角度を算出する。さらに、第1実施形態の記憶手段の代わりに、記憶手段であるメモリは、距離に対応する閾値と傾き角度に対する閾値とを予め記憶する。そして、第1実施形態の検出手段の代わりに、算出された距離及び傾き角度と、メモリに記憶された距離に対応する閾値及び傾き角度に対応する閾値とを用いて電池10の正常あるいは異常、または電池10の劣化度を検出する。
図12に、本実施形態の処理フローチャートを示す。まず、検出対象の電池10を充放電し、SOCを調整する(S301)。すなわち、電池10をそのSOCが0%ないしその近傍となるまで放電する。
次に、電池10に測定用電極を接続し、交流電圧を印加してインピーダンス測定器12で電池10の複素インピーダンスを測定する(S302)。電池10に印加すべき交流電圧の周波数は、拡散領域内の1つの周波数であり、例えば0.1Hzであるが、これに限定されるものではない。
次に、コンピュータ14は、電池10を比較する際に基準となるベース電池の拡散領域内の複素インピーダンスである基準複素インピーダンスのうち、測定した周波数と同一周波数でSOCが0%の基準複素インピーダンスをメモリから読み出す。ここで、ベース電池とは、例えば、初期状態である電池10や、電池10と異なるが正常であることが既知である電池をいう。そして、S302で得られた複素インピーダンスとメモリから読出した基準複素インピーダンスとを結んだ直線の傾き角度とそれらの間の距離を演算する(S303)。傾き角度及び距離は、数学的あるいは図形的(幾何学的)のいずれの方法でもよい。基準複素インピーダンスは、電池10を検出する前に、予め電池10の初期状態(正常状態)において測定周波数と同一周波数(例えば0.1Hz)の交流電圧を印加してSOC0%での複素インピーダンスを測定するか、あるいは電池10と異なる他の正常な電池に同一周波数の交流電圧を印加してSOC0%での複素インピーダンスを測定してメモリに格納しておく。ベース電池の基準複素インピーダンスと、検出対象の電池10の複素インピーダンスは、互いにSOC及び周波数が同一の条件下において測定されるインピーダンスである。複素インピーダンスは、SOC及び周波数に応じて変化し得るが、これらを同一条件に合わせることで、劣化の度合いによる複素インピーダンスが抽出される。
次に、コンピュータ14は、メモリに予め格納されている閾値(正常/異常や電池の劣化度を判定するための判定閾値)と、演算して得られた傾き角度及び距離とを比較し(S304)、比較結果に応じて正常/異常や電池の劣化度を判定する(S305)。具体的には、距離と角度の2次元平面上において、距離及び角度が特定の範囲に含まれる場合には正常と判定し、そうでなければ異常または劣化していると判定する。
図13に、本実施形態の処理を模式的に示す。図において、符号600は初期状態の複素インピーダンス曲線、あるいは電池10とは異なる他の正常な電池の複素インピーダンス曲線であり、ベース電池の複素インピーダンス曲線である。符号700は電池10のSOC0%での複素インピーダンス曲線である。また、点40はある周波数、例えば0.1Hzにおける電池10の初期状態あるいは他の正常な電池の複素インピーダンスであり、点50は同一周波数(0.1Hz)における電池10の検出時の複素インピーダンスである。コンピュータ14は、点40と点50を結ぶ直線の距離Aと傾き角度Bを演算する。
図14に、ベース電池の充電量と検出時の電池10の充電量(SOC)が同一の場合と異なる場合における、同一周波数での複素インピーダンスの変化の様子を示す。図14(a)は、SOCが同一の場合の変化であり、図14(b)はSOCが互いに異なる場合の変化である。図14(a)において、符号600はベース電池の複素インピーダンス曲線、つまり電池10の初期状態の複素インピーダンス曲線、あるいは他の正常な電池の複素インピーダンス曲線であり、点40は拡散領域内のある周波数、例えば0.1Hzでの複素インピーダンスである。また、符号701,702,703は検出対象の電池10の種々の劣化状態での複素インピーダンス曲線であり、点51,52,53は拡散領域内の同一周波数、例えば0.1Hzでの複素インピーダンスである。点40と点51を結ぶ直線、点40と点52を結ぶ直線、点40と点53を結ぶ直線がそれぞれ存在し、それぞれの直線の距離及び傾き角度が存在する。SOCが同一である場合、点51,点52,点53は点40に対して実軸、虚軸方向において同一方向に存在し、それぞれの直線の傾き角度は0deg〜90degの範囲内にある。この角度範囲内において、電池10の劣化の度合いに応じて距離及び角度が種々に変化し、例えば距離が一定値以上大きい場合には異常と判定される。異常の原因としては、容量バランスのずれ、電解液の減少、活物質の劣化等が考えられる。本実施形態における処理は、この図14(a)の変化を利用するものである。
他方、図14(b)において、ベース電池と電池10のSOCが異なる場合であり、符号704,705は検出対象の電池10の種々の劣化状態での複素インピーダンス曲線であり、点54,55は拡散領域内の同一周波数、例えば0.1Hzでの複素インピーダンスである。点40と点54を結ぶ直線、点40と点55を結ぶ直線がそれぞれ存在し、それぞれの直線の距離及び傾き角度が存在する。SOCが異なる場合、点55のように点40に対して複素インピーダンスが増大する方向に変化する場合のみならず、点54のように点40に対して複素インピーダンスが逆に減少する場合もあり得る。このとき、傾き角度は0deg〜90degの範囲内になく、180deg〜270degの範囲内となる。ベース電池と電池10は基本的にSOCが同一の条件下において比較するが、両方のSOCの間に多少の相違が生じていたとしても、図14(b)の変化を考慮することで、正常/異常の判定が可能である。すなわち、SOCが同一の場合には傾き角度は0deg〜90degの範囲内にあるが、SOCが多少相違する場合には傾き角度は180deg〜270degとなる場合もあり得るから、傾き角度が180deg〜270degの場合においても所定条件を満たす場合に正常と判定する。
図15に、距離と傾き角度の2次元平面上における、正常範囲及び異常範囲の一例を示す。コンピュータ14のメモリに予め格納される閾値マップである。図において、斜線で示す範囲1,2,3は異常と判定される範囲であり、それ以外の範囲4は正常と判定される範囲である。具体的には、範囲1は距離が0.6mΩ以上、傾き角度が0deg〜90degであり、これは抵抗が増加したことに起因する異常である。範囲2は距離が0.2mΩ以上、傾き角度が90deg〜180degであり、これは限界容量の変化による電池性能低下に起因する異常である。範囲3は、距離が0.2mΩ以上、傾き角度が270deg〜360degであり、これは部品や液抵抗の増加による電池性能低下に起因する異常である。範囲4は正常と判定される範囲であり、具体的には距離0.6mΩ未満で傾き角度が0deg〜90deg、距離によらずに傾き角度が180deg〜270deg、距離が0.2mΩ未満で傾き角度が270deg〜360degである。原則的には、「傾き角度が90deg〜180deg、270deg〜360degの場合に異常、それ以外の場合に正常と判定し、0〜90degの場合でも距離が大きければ異常と判定する」と要約することができよう。つまり、傾き角度が0deg〜90degの場合、距離がある値(本実施形態では0.6Ω、第1値と称す)以上、傾き角度が90deg〜180degの場合、距離が第1値より小さい第2値(本実施形態では0.2Ω)以上、傾き角度が270deg〜360degの場合、第2値以上であれば異常と判定し、それ以外を正常と判定することができる。
コンピュータ14は、S303で得られた距離及び角度が例えば範囲1内にあれば、電池10を異常と判定して出力し、他方、S303で得られた距離及び角度が例えば範囲4内にあれば、コンピュータ14は電池10を正常と判定して出力する。なお、本実施形態では、電池10をそのSOCが0%ないしその近傍まで放電している。これは、低SOCの方が距離及び角度の変動が大きいため、正常・異常の判断を精度良く行うことができるからである。但し、放電した後のSOCは0%ないしその近傍に限られるわけではない。例えば、20%以下であれば、距離及び角度の変動が十分に大きいため好適であるし、20%より大きい場合も当然含まれる。また、本実施形態では、ベース電池として、初期状態の電池10や、電池10と異なるが正常であることが既知である電池としているが、これらの電池以外にも検出対象の電池10と比較する際に基準となる電池であればよく、例えば少なくとも検出対象の電池10と比較する項目(SOC等)についてその状態が既知の電池であれば利用可能である。
以上の各実施形態で説明したように、本実施形態では、拡散領域内における異なる2つの周波数における複素インピーダンスの傾き角度を用いて電池10が正常であるか異常であるかを検出することができる、また、拡散領域内における同一の周波数における複素インピーダンスの傾き角度及び距離を用いて電池10が正常であるか異常であるかを検出することができる。車両に搭載された電池パックを車両から取り外して再利用する場合、電池パックを構成するブロックあるいはモジュールが正常であるか異常であるかを検出することが必要であるところ、本実施形態の装置及び方法を用いてブロック単位あるいはモジュール単位で正常であるか異常であるかを高精度に検出することができ、再利用時の利用率が向上する。本実施形態の装置及び方法によれば、常温(25℃)かつ非破壊により正常/異常を検出できる。特に、図6あるいは図7に示すように、複数セルが直列に接続されている場合において、少なくとも1つのセルが異常であってもこれを確実に検出できるため、複数のセルから構成されるモジュール単位、あるいは複数のモジュールから構成されるブロック単位での正常/異常の検出を確実に行うことができる。
各実施形態の検出条件及び検出状態を要約すると以下の通りである。
<第1実施形態>
周波数条件:拡散領域内の異なる2つの周波数
充電量(SOC)条件:同一充電量(第1実施形態ではゼロないしその近傍)
検出項目:傾き角度
検出状態:容量バランスが正常であるか異常であるか(複数セルが直列接続されている場合、実軸と虚軸の値を検出することで、異常な容量バランスのセル数も検出可能)
<第2実施形態>
周波数条件:拡散領域内の一つの周波数
充電量条件:第2実施形態ではゼロないしその近傍
基準複素インピーダンス:電池の初期状態、あるいは正常である他の電池の複素インピーダンス(予めメモリに記憶)
検出項目:傾き角度及び距離
検出状態:容量バランスが正常であるか異常であるか
なお、第1実施形態における電池10の拡散領域内の周波数の異なる2つの複素インピーダンスをインピーダンス測定器12で測定しているが、予め電池10の拡散領域内のある周波数における複素インピーダンスが既知であれば、これを予めメモリに格納しておき、インピーダンス測定器12では、電池10の拡散領域内のある周波数とは異なる1つの複素インピーダンスを測定する処理をしてもよい。すなわち、第1実施形態において、インピーダンス測定器12は必ずしも異なる2つの周波数での複素インピーダンスを測定する必要はない。このため、例えば図9のフローチャートにおいて、S102の処理に先立って、電池10の拡散領域内の周波数のある複素インピーダンスがメモリに格納されているかを判定し、格納されていなければS102の処理に移行し、格納されていればS102の処理で他の周波数での複素インピーダンスのみを測定するように変更してもよい。第2実施形態では、基準複素インピーダンスは、電池10の測定に先立ってメモリに予め格納しておくので、インピーダンス測定器12で測定する必要はない。
第1実施形態では、電池10の拡散領域内の周波数の異なる2つの複素インピーダンスを結んだ直線の傾き角度を演算しているが、電池10の拡散領域内の周波数の異なる3つあるいはそれ以上の複素インピーダンスを結んだ直線または近似直線の傾き角度を演算してもよい。
電池の拡散領域内の複素インピーダンスとしてはワールブルグインピーダンスと伝送線モデルのインピーダンスがある。上記の実施形態ではワールブルグインピーダンスを用いて正常/異常を検出しているが、伝送線モデルのインピーダンスを用いて正常/異常の検出をしてもよい。ワールブルグインピーダンスは、水素拡散の関係した公知のインピーダンスであり、例えば、
Kuriyama, N., et al. : J Alloy & Compd., 202 (1993), 183
Zhang, W., et al. : Electrochem. Soc. the 185th Meet., (1994), abstr. No.593
等に開示されている。
図16に、ワールブルグインピーダンスと伝送線モデルのインピーダンスをそれぞれ示す。図において、領域Aはワールブルグインピーダンスであり、領域Bは伝送線モデルのインピーダンスである。第1実施形態に即して説明すると、周波数の異なる2つの伝送線モデルのインピーダンスを結んだ直線の傾き角度を算出し、得られた傾き角度と閾値とを大小比較して電池10の正常/異常を検出する。
また、本実施形態では複素インピーダンスをナイキストプロットして傾き角度を演算しているが、Bode線図を用いてもよい。また、本実施形態では、複素インピーダンスの測定に交流電圧を印加しているが、交流信号であればよく、例えば交流電流を印加してもよい。
なお、第1実施形態では、実軸成分及び虚軸成分を軸とする二次元平面を用いて、周波数の異なる2つの複素インピーダンスを結んだ直線の傾き角度を算出しているが、これに限定されず、実軸成分及び虚軸成分を軸として含む三次元平面を用いて傾き角度を算出してもよいし、周波数と複素インピーダンスの大きさを軸とするBode線図と、周波数と位相を軸とするBode線図とを用いて傾き角度を算出してもよい。
また、第2実施形態では、実軸成分及び虚軸成分を軸とする二次元平面を用いて、基準複素インピーダンスと測定手段で測定した複素インピーダンスとの間の距離を検出するとともに、基準複素インピーダンスと測定手段で測定した複素インピーダンスとを結んだ直線の傾き角度を検出したが、これに限定されず、実軸成分及び虚軸成分を軸として含む三次元平面を用いて距離と傾き角度を算出してもよいし、周波数と複素インピーダンスの大きさを軸とするBode線図と、周波数と位相を軸とするBode線図を用いて距離と傾き角度を算出してもよい。
<第3実施形態>
図17に、複素インピーダンスの実軸成分及び虚軸成分を求め、実軸成分と虚軸成分のペアデータを、横軸を実軸成分Zreal、縦軸を虚軸成分Zimgとする二次元平面にプロットした図を示す(ナイキストプロット:横軸では右側をプラス側、左側をマイナス側とし、縦軸では上側をマイナス側、下側をプラス側としている:他のナイキストプロットも同じ)。複素インピーダンスは、高周波側であって円弧形状を示す電荷移動抵抗領域IIと、低周波側であって略直線形状を示す拡散抵抗領域IIIと、部品・液抵抗領域Iに大別することができる。拡散抵抗領域IIIは、物質拡散の関与したインピーダンスで構成された領域であり、周波数が略1Hz以下の領域である。本願出願人は、この拡散抵抗領域において、正常な容量バランスの電池(図1)と異常な容量バランスの電池(図3)とで、複素インピーダンスに有意な相違が生じることを見出している。なお、本実施形態において、複素インピーダンスの大きさ|Z|、実軸成分の大きさ|Zreal|、虚軸成分の大きさ|Zimg|とは、それぞれの値の絶対値を示す。
図18に、正常な容量バランスの電池と異常な容量バランスの電池の拡散抵抗領域における複素インピーダンスの変化を示す。正常な容量バランスの電池は、放電時に正極容量が0の電池であり、異常な容量バランスの電池は、放電時に負極容量が0(リザーブずれ)の電池である。周波数0.1Hzにおける複素インピーダンスに着目すると、正常な容量バランスの電池に比べて異常な容量バランスの電池では複素インピーダンスの実軸成分及び虚軸成分の大きさがともに著しく増大している。図では、特に複素インピーダンスの虚軸成分に着目し、正常な容量バランスの電池に比べて異常な容量バランスの電池の虚軸成分Zimgが大きくマイナス側に変化していることを示している。従って、拡散抵抗領域(例えば0.1Hz)における複素インピーダンスの虚軸成分の大きさに着目し、その大きさを閾値と大小比較することで、正常な容量バランスの電池と異常な容量バランスの電池とを識別することができる。
一方、例えば車載用の電池は複数のセルを直列接続してなるモジュールから構成されているから、モジュール単位で正常な容量バランスか異常な容量バランスかを識別することが必要である。具体的には、ハイブリッド自動車等に搭載される電池パックは、複数のブロック(例えば10ブロック以上)から構成され、各ブロックは複数のモジュール(例えば2モジュール)から構成され、各モジュールは複数のセル(例えば6〜12セル)から構成されている。従って、自動車に搭載された電池パックを回収して再利用する際に、電池パックを分解してブロック単位、あるいはモジュール単位に分解し、各ブロック毎、あるいは各モジュール毎に、少なくとも1つの異常な容量バランスのセルが含まれているか否かを判定し、セル単位まで分解することなくブロック単位あるいはモジュール単位で正常/異常を選別できることが望まれる。
図19に、複数のセルとして6個のセルを直列接続して構成されるモジュールの構成を示す。6個のセルはNo.1〜No.6であり、No.1、No.2、No.4、No.5及びNo.6のセルは正常な容量バランスであり、No.3のセルのみが異常な容量バランスである。
図20に、6個のセルが全て正常な容量バランスのモジュールと、6個のセルのうちNo.3のセルのみが異常な容量バランスのモジュールの複素インピーダンスを示す。拡散抵抗領域内の0.1Hzにおける複素インピーダンスの虚軸成分Zimgに着目すると、正常モジュールの値に比べて異常モジュールの値は著しくその大きさが変化している。すなわち、縦軸は上方がマイナス側であるから、異常モジュールの虚軸成分の値Zimg(異常)は正常モジュールの虚軸成分の値Zimg(正常)に比べてZimg(異常)<<Zimg(正常)であり、その絶対値は、|Zimg(異常)|>>|Zimg(正常)|となる。6個のセルのうちの2つあるいはそれ以上のセルの容量バランスがずれている場合も同様であり、その複素インピーダンスの虚軸成分の値は正常なモジュールの値と大きく相違することを出願人は確認している。従って、例えば拡散領域の複素インピーダンスの虚軸成分に着目し、その大きさ(絶対値)を所定の閾値と大小比較することで、判定対象のモジュールが正常なモジュールであるか、あるいは少なくとも1つのセルの容量バランスがずれた異常なモジュールであるかを識別することができる。
図21に、拡散領域における複素インピーダンスである、例えば0.1Hzにおける複素インピーダンスの虚軸成分Zimgと、モジュール内の最低放電リザーブとの関係を示す。横軸は複素インピーダンスの虚軸成分Zimgであり、右方がマイナス側である。モジュールを構成する全てのセルが正常な容量バランスの場合、最低放電リザーブは0ないし正の値を示す(図1参照)。一方、モジュールを構成するセルの少なくともいずれかにおいて容量バランスがずれた場合、そのモジュール内の最低放電リザーブは当該容量バランスがずれたセルの放電リザーブであり、負の値を示す(図3参照)。図から分かるように、最低放電リザーブが0ないし正の正常なモジュールでは、複素インピーダンスの虚軸成分の値はほぼ一定であるものの、最低放電リザーブが負の異常なモジュールでは、複素インピーダンスの虚軸成分の値は大きく変化し、放電リザーブの負の値が増大するほど複素インピーダンスの虚軸成分の負の値も大きくなる傾向を示す。すなわち、正常なモジュールではモジュール内最低放電リザーブと虚軸成分の値との間に相関はないが、異常なモジュールではモジュール内最低放電リザーブと虚軸成分の値の間に相関が生じることになる。このような相関の有無によっても、正常なモジュールと異常なモジュールを識別することができる。
図22に、拡散領域における複素インピーダンスである、例えば0.1Hzにおける複素インピーダンスの実軸成分Zreal、虚軸成分Zimg、及び複素インピーダンスの大きさ|Z|と、モジュール内最適放電リザーブとの関係を示す。図において、丸印は実軸成分Zreal、三角印は虚軸成分Zimg、菱形印は大きさ|Z|を示す。最低放電リザーブが0ないし正の正常なモジュールでは、実軸成分Zreal、虚軸成分Zimg、大きさ|Z|のいずれも最低放電リザーブによらずほぼ一定であるが、最低放電リザーブが負の異常なモジュールでは、実軸成分Zreal及び大きさ|Z|の値は増大し、虚軸成分Zimgの値は小さくなる。従って、虚軸成分の値に代えて、あるいは虚軸成分の値に加えて、実軸成分Zreal及び大きさ|Z|を用いても、正常なモジュールと異常なモジュールの識別が可能である。
なお、図22において、モジュール内最低放電リザーブが負であるものの0近傍の領域100では、必ずしも実軸成分Zreal、虚軸成分Zimg、大きさ|Z|が変化していない場合もある。この理由としては、
(1)実際の電池のSOCと、放電リザーブ計算時のSOCで定義が異なる
(2)モジュールは複数セルを直列接続して構成されているため、各セルでばらつきが生じている
が考えられる。上記の(1)は、放電リザーブ計算時のSOC0%(つまり、図22横軸のモジュール内最低放電リザーブが0Ah)の場合、電池SOC0%以下の正極部分に僅かに放電可能な容量が残っており、電池SOC0%では「放電リザーブが正」でも放電リザーブ計算時のSOCでは「放電リザーブが負」になっていることもあるからと考えられる。
また、上記の(2)に関しては、図23に、セル単位での放電リザーブと0.1Hzでの複素インピーダンスの関係を示す。図中矢印200で示すように、放電リザーブが−0.6(Ah)付近まで、たとえ放電リザーブが負であっても複素インピーダンスが変化しないセルも存在することが分かる。
従って、例えば複素インピーダンスの虚軸成分に着目し、これを閾値と大小比較しても、モジュール内最低放電リザーブが負の異常なモジュールを検出することは困難な場合もあるが、例えば図22において虚軸成分の閾値を50mΩとする等、閾値を適切な値に設定することで、モジュール内最低放電リザーブが一定値以上負側にずれた異常なモジュール、言い換えれば、容量バランスが大きくずれていて明らかに異常なモジュールについては確実に検出できる。
図24に、本実施形態の処理フローチャートを示す。まず、検出対象の電池10を充放電し、充電量(SOC)を調整する(S501)。すなわち、電池10をそのSOCが0%ないしその近傍となるまで放電する。「0%ないしその近傍」とは、0%の場合、及び実質的に0%とみなせる程度の微小充電量を意味し、0%〜5%程度を意味する。この調整により、正常な電池であれば正極容量は0Ahとなり負極の容量は残っている(放電リザーブが正)状態となるが、異常な電池であれば負極容量が0Ahとなる(放電リザーブが負)。なお、本実施形態では、SOCが「0%ないしその近傍」となるまで放電したのは、低SOCの方が、小さいリザーブずれ(異常)でも検知できるため、容量バランスの正常・異常の判断を精度よく行うことができるからである。但し、放電後のSOCは、「0%ないしその近傍」に限られるわけではない。例えば、大きいリザーブずれのみを検知すればよい場合等は、「0%ないしその近傍」より大きくてもよい。
次に、電池10に測定用電極を接続し、交流電圧もしくは交流電流を印加して電池10の複素インピーダンスを測定する測定手段であるインピーダンス測定器12で電池10の複素インピーダンスを測定する(S502)。電池10に印加すべき交流電圧の周波数は、拡散領域内の周波数であり、例えば0.1Hzや1Hzであるが、これに限定されるものではない。一般的には、1Hz以下の任意の周波数とすることが可能であろう。
次に、検出手段であるコンピュータ14は、正常/異常を判定する閾値を予め記憶したメモリを有し、インピーダンス測定器12で得られた周波数における複素インピーダンスデータを用いて、虚軸成分Zimgの大きさ|Zimg|を演算し、閾値と大小比較する(S503)。演算して得られた大きさが閾値より大きければ異常と判定し(S505)、そうでなければ正常と判定する(S504)。もちろん、閾値に対して許容マージンを設けてもよく、許容マージンを超えて閾値より小さい場合にのみ異常または劣化と判定してもよい。その場合、許容マージン内では他の判定方法でより精度よく正常・異常を判定してもよい。
以上のように、本実施形態では、拡散領域内における一つの周波数における複素インピーダンスから電池の正常/異常を簡易に検出できる。なお、本実施形態では、虚軸成分Zimgを閾値と比較することで、電池の正常・異常を判定しているが、虚軸成分Zimgは容量バランスの異常(ずれ)を最もよく反映しており、Zimgを用いることで、容量バランスの異常(ずれ)の有無を好適に判定することができる。一方、実軸成分Zrealでは、容量バランスの異常(ずれ)に加え、液抵抗・部品抵抗の増加による異常も反映しており、Zrealを用いることで液抵抗・部品抵抗の増加による異常の有無を好適に判定することができる。液抵抗・部品抵抗の増加の原因としては、電解液の枯渇、不純物による電解液の電気伝導度の低下、部品の劣化による抵抗の増大等が挙げられる。また、ZimgとZrealの両方の特徴を有する複素インピーダンスの大きさ|Z|を用いることにより、容量バランスの異常と、液抵抗・部品抵抗の増加の異常の少なくともいずれか一方の異常の有無を判定することができる。
また、上記の実施形態では、複数のセルのうち、1つのセルが異常であるモジュールを例として説明したが、2つ以上のセルが異常の場合でも、実軸成分、虚軸成分、複素インピーダンスの大きさは変化するので、閾値と比較することで異常を検出することができる。
<第4実施形態>
上記の第3実施形態では、拡散領域内における一つの周波数、例えば0.1Hzにおける複素インピーダンスに着目して電池の正常/異常を検出しているが、拡散領域内における複数の周波数、例えば0.1Hzと1Hzにおける複素インピーダンスに着目して電池の正常/異常を検出することもできる。すなわち、印加する交流電圧の周波数が低いほど、異常な電池の複素インピーダンスの変化が大きく、その分だけ高精度に正常/異常を検出することが可能であるが、検出に時間を要する。一方、印加する交流電圧の周波数が相対的に高い場合には、異常な電池の複素インピーダンスの変化は相対的に小さく、その分だけ検出の精度は低下するものの、検出に要する時間は短縮できる(1Hzの場合、0.1Hzに比べて1/10の時間で済む)。
そこで、本実施形態では、コンピュータ14は、精度が相対的に低いものの短時間で検出できる高い周波数でまず正常/異常を検出し、次に、高精度で検出できる低い周波数で正常/異常を検出する処理を実行する。
図25に、1Hzにおける複素インピーダンスの実軸成分Zreal、虚軸成分Zimg、及び複素インピーダンスの大きさ|Z|と、モジュール内最適放電リザーブとの関係を示す。図22との相違点は、図22は周波数が0.1Hzにおける複素インピーダンスであるのに対し、図25は周波数が1Hzにおける複素インピーダンスであり、図25でも最低放電リザーブが負の異常なモジュールでは実軸成分及び大きさが増大し、虚軸成分が減少しているものの、図22の場合と比べるとその変化量が相対的に小さい点である。従って、例えば虚軸成分Zimgに着目し、その大きさを閾値(この場合の閾値は、第3実施形態での閾値と異なる閾値とする)と大小比較することで、迅速に正常/異常を検出できる。
図26に、本実施形態の処理フローチャートを示す。まず、検出対象の電池10を充放電し、充電量(SOC)を調整する(S701)。すなわち、電池10をそのSOCが0%ないしその近傍となるまで放電する。「0%ないしその近傍」とは、第1実施形態と同様に0%の場合、及び実質的に0%とみなせる程度の微小充電量を意味し、0%〜5%程度を意味する。この調整により、正常な電池であれば正極容量は0Ahとなり負極の容量は残っている(放電リザーブが正)状態となるが、異常な電池であれば負極容量が0Ahとなる(放電リザーブが負)。
次に、電池10に測定用電極を接続し、交流電圧もしくは交流電流を印加してインピーダンス測定器12で電池10の複素インピーダンスを測定する(S702)。電池10に印加すべき交流電圧の周波数は、拡散領域内の周波数であり、例えば1Hzであるが、これに限定されるものではない。
次に、検出手段であるコンピュータ14は、正常/異常を判定する閾値を予め記憶するメモリを有し、インピーダンス測定器12で得られた周波数における複素インピーダンスデータを用いて、虚軸成分Zimgの大きさ|Zimg|を演算し、1Hz用の閾値と大小比較する(S703)。演算して得られた大きさが1Hz用の閾値より大きくなければ正常と判定する(S706)。一方、演算して得られた大きさが1Hz用の閾値より大きい場合には、直ちに異常と判定するのではなく、さらに、当該電池10に交流電圧もしくは交流電流を印加してインピーダンス測定器12で電池10の複素インピーダンスを測定する(S704)。電池10に印加すべき交流電圧の周波数は、拡散領域内の周波数であって1Hzよりも低い周波数であり、例えば0.1Hzである。そして、コンピュータ14は、インピーダンス測定器12で得られた周波数(0.1Hz)における複素インピーダンスデータを用いて、虚軸成分Zimgの大きさ|Zimg|を演算し、0.1Hz用の閾値と大小比較する(S705)。S203でYESと判定されても直ちに異常と判定せず、さらに0.1Hzにおける複素インピーダンスに着目するのは、1Hzでは相対的に精度が低いため、本来正常である電池を異常と誤判定してしまう事態を防止するためである。演算して得られた大きさが0.1Hz用の閾値より大きい場合、つまり、1Hz及び0.1Hzのいずれにおいても閾値よりも大きい場合には、確かに電池10は異常と判定する(S207)。1Hzにおいては閾値より大きいものの、0.1Hzにおいては閾値以下である場合には、より精度の高い0,1Hzにおいて正常と判定されるので、最終的に正常と判定する(S706)。
本実施形態では、S703でNOと判定され、正常と判定された電池10についてはS704以降の処理を行う必要がなく、0.1Hzでの計測の対象から除外できるので、トータルの判定時間を短縮し得る。
本実施形態では、基本的にはS703、S705に示すように1Hzでの虚軸成分Zimgと0,1Hzでの虚軸成分Zimgに着目しているが、これらは必ずしも同一である必要はなく、互いに異なっていてもよい。例えば、S703では1Hzでの虚軸成分Zimgに着目するが、S705では精度を重視して虚軸成分Zimgと実軸成分Zreal、あるいは虚軸成分Zimgと実軸成分Zrealと大きさ|Z|に着目してそれぞれを閾値と比較し、虚軸成分Zimgと実軸成分Zrealと大きさ|Z|のいずれもそれぞれの閾値より大きい場合に異常と判定してもよい。
第3、第4実施形態では、常温(25℃)かつ非破壊により電池10の正常/異常を検出できる。特に、複数セルが直列に接続されている場合において、少なくとも1つのセルが異常であってもこれを確実に検出できるため、複数のセルから構成されるモジュール単位、あるいは複数のモジュールから構成されるブロック単位での正常/異常の検出を確実に行うことができる。従って、本実施形態を車載の電池に適用した場合、車両走行中においても車載電池の正常/異常を検出することができ、異常な電池の充放電を未然に防止できる。
また、第3、第4実施形態では、複素インピーダンスのうち、ワールブルグインピーダンスを用いて正常/異常を検出しているが、伝送線モデルのインピーダンスを用いて正常/異常を検出してもよい。
また、第3、第4実施形態では、複素インピーダンスをナイキストプロットしているが、Bode線図を用いてもよい。
また、第3、第4実施形態において、拡散領域の複素インピーダンスの実軸成分Zreal、虚軸成分Zimg、複素インピーダンスの大きさ|Z|の少なくともいずれかを用いて正常/異常を検出しているが、これらの可能な組み合わせを例示すると以下の通りである。
(a)虚軸成分Zimgの値あるいはその大きさを閾値と比較する
(b)虚実成分Zimgの値あるいはその大きさを閾値と比較するとともに、実軸成分Zrealの値あるいはその大きさを閾値と比較する
(c)虚軸成分Zimgの値あるいはその大きさを閾値と比較するとともに、大きさ|Z|を閾値と比較する
(d)大きさ|Z|を閾値と比較する
(e)実軸成分Zrealの値あるいはその大きさを閾値と比較する
(f)実軸成分Zrealの値あるいはその大きさを閾値と比較するとともに、大きさ|Z|を閾値と比較する
なお、(a)〜(f)では、実軸成分Zreal、虚軸成分Zimg、複素インピーダンスの大きさ|Z|から2つを選択した組み合わせを例示したが、3つ全部を選択した組み合わせでもよい。また、実軸成分Zreal、虚軸成分Zimg、複素インピーダンスの大きさ|Z|のいずれかについて、周波数を変更して2回以上用いてもよい。
また、実軸成分Zreal、虚軸成分Zimg、複素インピーダンスの大きさ|Z|を組み合わせることにより、電池の異常が容量バランスの異常(Zimgに大きく反映)と、液抵抗・部品抵抗の増加による異常(Zrealに大きく反映)のどちらに大きく起因しているのかを特定することも可能である。
なお、二次電池の種類や温度によって、拡散領域の周波数は変動するため、計測する周波数の値は、各種条件により適宜設定すればよい。
また、第3、第4実施形態では、二次電池として、複数のセルを直列接続してなるモジュールについて説明しているが、本発明では単電池においても実軸成分、虚軸成分、複素インピーダンスの大きさのいずれかを閾値と比較することで、電池の状態を検出することができる。

Claims (11)

  1. 電池が正常あるいは異常であるか、または前記電池の劣化度を検出する電池状態検出装置であって、
    前記電池の拡散領域内の複素インピーダンスを測定する測定手段と、
    前記測定手段で測定した前記電池の拡散領域内の周波数の異なる2つ以上の前記複素インピーダンスを結んだ直線または近似直線の傾き角度を算出する検出手段と、
    前記電池が正常であるか異常であるか、または前記電池の劣化度を判定する前記傾き角度に対応する閾値を予め記憶した記憶手段とを備え、
    前記検出手段は、算出された傾き角度と前記記憶手段に記憶された所定の閾値とを用いて前記電池が正常あるいは異常であるか、または前記電池の劣化度を検出することを特徴とする電池状態検出装置。
  2. 請求項1記載の電池状態検出装置において、
    周波数の異なる2つ以上の前記複素インピーダンスは、同一充電量での複素インピーダンスであることを特徴とする電池状態検出装置。
  3. 請求項2記載の電池状態検出装置において、
    前記充電量はゼロないしその近傍であることを特徴とする電池状態検出装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の電池状態検出装置であって、
    前記検出手段は、実軸成分及び虚軸成分を軸とする二次元平面を用いて、周波数の異なる2つ以上の前記複素インピーダンスを結んだ直線または近似直線の傾き角度を算出することを特徴とする電池状態検出装置。
  5. 電池が正常あるいは異常であるか、または前記電池の劣化度を検出する電池状態検出装置であって、
    前記電池を比較する際に基準となるベース電池の拡散領域内の複素インピーダンスである基準複素インピーダンスの周波数と同一の周波数の前記電池の拡散領域内の複素インピーダンスを測定する測定手段と、
    前記基準複素インピーダンスと前記測定手段で測定した前記複素インピーダンスとの間の距離及び前記基準複素インピーダンスと前記測定手段で測定した前記複素インピーダンスを結んだ直線の傾き角度を検出する検出手段と、
    前記電池が正常であるか異常であるか、または前記電池の劣化度を判定する前記距離に対応する閾値と前記傾き角度に対応する閾値のそれぞれを予め記憶した記憶手段とを備え、
    前記検出手段は、算出された前記距離及び前記傾き角度、前記記憶手段に記憶された前記距離に対応する閾値及び前記傾き角度に対応する閾値とを用いて前記電池が正常あるいは異常であるか、または前記電池の劣化度を検出することを特徴とする電池状態検出装置。
  6. 請求項5記載の電池状態検出装置において、
    前記基準複素インピーダンスと前記測定手段で測定した前記複素インピーダンスは、同一充電量での複素インピーダンスであることを特徴とする電池状態検出装置。
  7. 請求項6記載の電池状態検出装置において、
    前記充電量はゼロないしその近傍であることを特徴とする電池状態検出装置。
  8. 請求項5〜7のいずれかに記載の電池状態検出装置であって、
    前記検出手段は、実軸成分及び虚軸成分を軸とする二次元平面を用いて、前記基準複素インピーダンスと前記測定手段で測定した前記複素インピーダンスとの間の距離を検出するとともに、前記基準複素インピーダンスと前記測定手段で測定した前記複素インピーダンスとを結んだ直線の傾き角度を検出することを特徴とする電池状態検出装置。
  9. リザーブが存在する電池が正常であるか異常であるかを検出する電池状態検出装置であって、
    前記電池の拡散領域における第1周波数の複素インピーダンスを測定する測定手段と、
    前記測定手段で測定した第1周波数の複素インピーダンスの実軸成分、虚軸成分、複素インピーダンスの大きさの少なくともいずれか1つを算出する検出手段と、
    前記電池の容量バランスが正常であるか異常であるかを判定する前記測定手段で得られる第1周波数の複素インピーダンスの実軸成分、虚軸成分、複素インピーダンスの大きさの少なくともいずれか1つに対応する所定の閾値を予め記憶した記憶手段とを備え、
    前記検出手段は、前記第1周波数の複素インピーダンスの実軸成分、虚軸成分、複素インピーダンスの大きさの少なくともいずれか1つと、前記記憶手段に記憶された第1周波数の複素インピーダンスの実軸成分、虚軸成分、複素インピーダンスの大きさの少なくともいずれか1つに対応する閾値とを比較することで前記電池の容量バランスが正常あるいは異常であるかを検出することを特徴とする電池状態検出装置。
  10. 請求項9記載の電池状態検出装置において、
    前記検出手段が異常であると検出した場合には、さらに、
    前記測定手段は、前記電池の拡散領域における第1周波数よりも低い周波数である第2周波数の複素インピーダンスを測定し、
    前記検出手段は、前記測定手段で測定した第2周波数の複素インピーダンスの実軸成分、虚軸成分、複素インピーダンスの大きさの少なくともいずれか1つを算出し、
    前記記憶手段は、前記電池の容量バランスが正常であるか異常であるかを判定する前記測定手段で得られる第2周波数の複素インピーダンスの実軸成分、虚軸成分、複素インピーダンスの大きさの少なくともいずれか1つに対応する所定の閾値を予め記憶しており、
    前記検出手段は、前記第2周波数の複素インピーダンスの実軸成分、虚軸成分、複素インピーダンスの大きさの少なくともいずれか1つと、前記記憶手段に記憶された第2周波数の複素インピーダンスの実軸成分、虚軸成分、複素インピーダンスの大きさの少なくともいずれか1つの対応する閾値とを比較することで前記電池の容量バランスが正常あるいは異常を検出することを特徴とする電池状態検出装置。
  11. 請求項9,10のいずれかに記載の電池状態検出装置において、
    前記測定手段は、前記電池の充電量がゼロないしその近傍である場合の複素インピーダンスを測定することを特徴とする電池状態検出装置。
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