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JP5861940B2 - リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置 - Google Patents

リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置 Download PDF

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Description

本発明は、ハイブリッド自動車などの車両に搭載される車載用DC-DCコンバータといった電力変換装置の構成部品に利用されるリアクトルに関するものである。特に、リアクトルの動作時の物理量(温度や電流値など)を適切に測定可能で小型なリアクトルに関する。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。例えば、特許文献1は、ハイブリッド自動車などの車両に載置されるコンバータに利用されるリアクトルを開示している。このリアクトルは、一対のコイル素子を有するコイルと、コイルが配置され、閉磁路を構成する環状の磁性コアと、コイルと磁性コアとの組合体を収納するケースと、ケース内に充填される封止樹脂(二次樹脂部、ポッティング樹脂)とを具えるものを開示している。
通電に伴いコイルが発熱すると、この発熱によりリアクトルの損失が大きくなる。そのため、上記リアクトルは、一般に、コイルを冷却できるように冷却ベースといった設置対象に固定されて利用される。また、リアクトルの使用時、コイルの温度や電流などの物理量を測定するセンサをリアクトルの近傍に配置して、測定した温度や電流に応じてコイルへの電流などを制御することが検討されている。特許文献1では、コイル素子間において、両コイル素子の横並び方向、及びコイル素子の軸方向の双方に直交する方向にセンサを配置するリアクトルを開示している。
特開2010-245458号公報
特許文献1のリアクトルでは、両コイル素子間に、少なくともセンサの厚さに応じた隙間を設ける必要がある。この隙間の大きさとセンサの厚さとが実質的に等しい場合、発熱により熱膨張したコイル素子がセンサを押圧してセンサを破損する虞がある。特に、両コイル素子間において内側コア部に挟まれた領域は、コイル素子の熱膨張分を吸収できるスペースが実質的になく、コイル素子の熱膨張による押圧力がセンサに負荷され易い。従って、センサに負荷される応力(コイル素子からの押圧力)を低減する、好ましくは、実質的に応力が加わらないようにするために上記隙間を更に大きくする必要があり、リアクトルの小型化が難しい。
そこで、本発明の目的の一つは、リアクトルの動作時の物理量を適切に測定可能であり、小型なリアクトルを提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記リアクトルを具えるコンバータ、このコンバータを具える電力変換装置を提供することにある。
本発明は、各コイル素子の形状を特定の形状とすると共に、リアクトルの動作時の物理量(コイルの温度や電流など)を計測するセンサの配置箇所を特定の位置とすることで、上記目的を達成する。
本発明のリアクトルは、互いに繋がる一対のコイル素子を具えるコイルと、上記各コイル素子内にそれぞれ配置される一対の内側コア部及びこれら内側コア部を連結して閉磁路を形成する外側コア部を有する磁性コアとを具える。さらに、このリアクトルは、上記コイルが載置される放熱板と、上記リアクトルの動作時の物理量を測定するセンサとを具える。上記各コイル素子は、巻線を螺旋状に巻回して構成された筒状体で、かつ端面形状が角部を丸めた角R部を有する形状であり、各コイル素子の軸が平行するように並列に配置されている。上記センサは、上記各コイル素子において対向配置された上記角R部と上記放熱板とで形成される台形状空間に配置されている。
本発明のリアクトルは、一対のコイル素子において内側コア部に挟まれた領域を近接させて両コイル素子を横並びさせた場合でも、上記台形状空間は、角R部の丸め半径に応じた十分な大きさの空間を有することができるため、センサを十分に設置可能である。即ち、台形状空間にセンサを配置すると、両コイル素子間の隙間をセンサの厚さよりも小さくすることができるため、リアクトルを小型化できる。かつ、上記台形状空間は、角R部を設けるように巻線を巻回する必要上形成された、いわばデッドスペースだが、当該空間にセンサを配置することで、このデッドスペースの有効利用ができるため、リアクトルの大型化を実質的に招かない。
また、本発明のリアクトルは、上記角R部に挟まれる台形状空間の大半が、両内側コア部に挟まれた領域からずれていることから、当該空間にセンサを配置した場合、センサに加えられるコイル素子による応力を低減できる、好ましくは実質的に加わらないようにすることができる。
リアクトルを放熱板に載置した状態において、この載置したときの載置側を下側、その対向側を上側とした場合、上記台形状空間は、リアクトルの上側と下側とに形成される。リアクトルの上側における各コイル素子の角R部に挟まれる台形状空間にセンサを配置すると、次の点で改善の余地があった。
(1)リアクトルが封止樹脂を具える場合、コイルと磁性コアとの組合体をケースに収納し、このケース内に封止樹脂を充填し、樹脂を硬化させることが挙げられる。その場合、封止樹脂を充填する際に、樹脂によってセンサが浮いて、センサを所定の位置に固定できない。
(2)リアクトルが封止樹脂を具えない場合、センサ(特に、温度センサの場合)の外周が何も覆われず大気に剥き出しの状態となり、センサが測定対象物であるコイル以外(大気)の物理量を測定してしまうことがある。
本発明のリアクトルは、リアクトルの下側における各コイル素子の角R部に挟まれる台形状空間にセンサを配置することで、センサは、角R部と放熱板とで挟むことができ、(1)リアクトルが封止樹脂を具える場合、樹脂によってセンサが浮くことを防止でき、(2)リアクトルが封止樹脂を具えない場合、センサが大気に剥き出しになることを防止できる。
本発明のリアクトルの一形態として、上記放熱板は、上記コイルを固定する接合層を具え、上記センサは、上記接合層によって固定されている形態が挙げられる。
接合層によりセンサが固定されていることで、センサをより強固に保持することができる。接合層により、コイルを放熱板に固定すると共に、センサも同時に固定することができるため、各々を個別に接合する接合工程を簡略化することができ、組立作業性に優れる。
本発明のリアクトルの一形態として、上記センサを保持するセンサホルダと、上記コイルと上記磁性コアとの間に介在されるインシュレータとを具え、上記センサホルダは、上記インシュレータと一体に形成されている形態が挙げられる。
センサホルダを具えることで、センサをより強固に保持することができる。センサホルダがインシュレータと一体に形成されていることで、センサホルダにセンサを組み付けると、組合体とインシュレータとの組物を放熱板に固定すると共に、センサも同時に固定することができ、組立作業性に優れる。また、組物とセンサとを一体物として放熱板に固定できるため、コイルに対するセンサの位置決めを行い易く、センサの位置ずれも防止できる。
本発明のリアクトルの一形態として、上記センサホルダは、上記インシュレータと独立した部材で構成されている形態が挙げられる。
センサホルダとインシュレータとが独立した部材で構成されていることで、センサホルダにセンサを組み付けてから、組合体とインシュレータとの組物に配置することができるため、センサを配置し易い。
センサホルダとインシュレータとが独立した部材である本発明のリアクトルの一形態として、上記センサホルダは、上記インシュレータと係合する係合部を具える形態が挙げられる。
センサホルダとインシュレータとが係合することで、センサホルダの位置決めを容易にできる。また、センサホルダを組物に対してより強固に固定でき、センサの位置ずれを防止でき、組立作業性に優れる。
本発明のコンバータは、上記本発明のリアクトルを具える。本発明の電力変換装置は、本発明のコンバータを具える。
本発明のコンバータは、小型である本発明のリアクトルを具えることで小型である。また、本発明の電力変換装置は、小型である本発明のコンバータを具えることで小型である。
本発明のリアクトルは、リアクトルの動作時の物理量(コイルの温度など)を適切に測定可能で、小型である。
実施形態1のリアクトルを示し、(A)は斜視図、(B)は図1のB-B断面図である。 実施形態1のリアクトルに具えるコイルと磁性コアとの組合体の概略を示す分解斜視図である。 実施形態2のリアクトルに具えるインシュレータを示し、(A)は断面斜視図、(B)は図3(A)の横断面図である。 実施形態3のリアクトルに具えるインシュレータとセンサホルダとを示し、(A)は断面斜視図、(B)は図4(A)の横断面図である。 実施形態4のリアクトルの概略を示す分解斜視図である。 ハイブリッド自動車の電源系統を模式的に示す概略構成図である。 本発明のコンバータを具える本発明の電力変換装置の一例を示す概略回路図である。
以下、本発明についての実施形態を図面に基づいて説明する。図面において同一符号は同一部材を示す。なお、以下の説明では、リアクトルを設置したときの設置側を下側、その対向側を上側として説明する。
<実施形態1>
図1,図2を参照して、本発明の実施の形態1を説明する。
≪リアクトルの全体構成≫
リアクトル1は、互いに繋がる一対のコイル素子2a,2bを具えるコイル2と、各コイル素子2a,2b内にそれぞれ配置される一対の内側コア部31(図2)及びこれら内側コア部31を連結して閉磁路を形成する外側コア部32を有する磁性コア3との組合体10を具える。さらに、コイル2が載置される底板部40(放熱板)と、リアクトル1の動作時の物理量を測定するセンサ7とを具える。また、この例のリアクトル1は、コイル2と磁性コア3との間に介在されるインシュレータ5と、底板部40において、コイル2の設置側の面が接触する箇所に接合層42とを具える。リアクトル1の主たる特徴とするところは、各コイル素子2a,2bの形状と、センサ7の配置位置にある。以下、上記特徴部分をまず説明し、次に、その他の構成をより詳細に説明する。
[コイル]
コイル2は、図1(B),図2を主に参照して説明する。図1(B)では、分かり易いように、コイル2と、センサ7及び接合層42を主に示し、インシュレータ5などを省略している。
コイル2は、接合部の無い1本の連続する巻線2wを螺旋状に巻回してなる一対のコイル素子2a,2bと、両コイル素子2a,2bを連結するコイル連結部2rとを具える。各コイル素子2a,2bは、互いに同一の巻数の中空の筒状体であり、各軸方向が平行するように並列(横並び)され、コイル2の他端側(図2では右側)において巻線2wの一部がU字状に屈曲されてコイル連結部2rが形成されている。この構成により、両コイル素子2a,2bの巻回方向は同一となっている。
なお、各コイル素子を別々の巻線により作製し、各コイル素子の巻線の一端部同士を溶接や半田付け、圧着などにより接合されたコイルとすることができる。
巻線2wは、銅やアルミニウム、その合金といった導電性材料からなる導体の外周に、絶縁性材料からなる絶縁被覆を具える被覆線を好適に利用できる。絶縁被覆の厚さは、20μm以上100μm以下が好ましく、厚いほどピンホールを低減できて電気絶縁性を高められる。導体は、平角線が代表的であり、その他、横断面が円形状、楕円形状、多角形状などの種々の形状のものを利用できる。平角線は、断面が円形状の丸線を用いた場合よりも占積率が高いコイルを形成し易く、接合層42との接触面積を広く確保し易い、といった利点がある。ここでは、導体が銅製の平角線からなり、絶縁被覆がエナメル(代表的にはポリアミドイミド)からなる被覆平角線を利用し、各コイル素子2a,2bは、この被覆平角線をエッジワイズ巻きにしたエッジワイズコイルである。
コイル2を形成する巻線の両端部2eは、コイル2の一端側(図2では左側)においてターン形成部分から適宜引き延ばされる(図1(A))。巻線の両端部2eは、絶縁被覆が剥がされて露出された導体部分に、導電材料からなる端子部材(図示せず)が接続され、この端子部材を介して、コイル2に電力供給を行う電源などの外部装置(図示せず)が接続される。
各コイル素子2a,2bはそれぞれ、軸方向から見た端面形状(=軸方向に直交する平面で切断した形状)が、長方形の角部を丸めた形状であり、四つの角R部21と、角R部21間を繋ぐ長い直線状部22と短い直線状部23とで構成されている。従って、各コイル素子2a,2bの輪郭線は、図1(B)に示すように、角R部21を構成する曲線と、直線状部22,23を構成する直線とで構成される図形である。
各コイル素子2a,2bの端面形状は、上記長方形以外の多角形の角部を丸めた形状とすることができる。しかし、長方形の角部を丸めた上記形状は、(1)巻線2wを巻回し易く、コイルの製造性に優れる、(2)内周形状が単純であり、コイル素子の内周形状に相似な外周形状を有する内側コア部を形成し易い、(3)デッドスペースが少なく小型である、といった利点がある。
角R部21の丸め半径は、適宜選択することができる。コイル2の大きさ、使用する巻線2wの大きさ(平角線の場合、幅や厚さ)などを考慮して、丸め半径を選択するとよい。特に、コイル2がエッジワイズコイルの場合、角R部21を構成する巻線2wにおいて外周側の丸め半径を大きくとり易く、隣接する両コイル素子2a,2bの間に、センサ7の収納箇所となる台形状空間を広くとり易い。
各コイル素子2a,2bにおいて直線状部22間には、図1(B)に示すように若干の隙間gを設けて、両コイル素子2a,2b間の絶縁性を高めている。但し、この隙間gは、後述するセンサ7の厚さ(例えば、3mm程度)よりも小さく、センサ7に接続される配線71よりも大きい(例えば、2mm程度)。この例では、隙間gは、後述するインシュレータ5の仕切り片53a,53b(図2)により確保する。この隙間gには、後述するセンサ7に接続される配線71が介在される。
リアクトル1の下側における上記角R部21を有するコイル2は、図1(B)に示すように、各コイル素子2a,2bにおいて対向配置された角R部21と底板部40とで形成される台形状空間を有する。この台形状空間は、リアクトル1の上側と下側とに形成されるが、本発明では、下側の台形状空間を利用する。詳しくは、この台形状空間は、一方のコイル素子2aにおいて下側の角R部21とこの角R部21に繋がる長い直線状部22との交点、他方のコイル素子2bにおいて下側の角R部21とこの角R部21に繋がる長い直線状部22との交点とを繋ぐ直線lと、両コイル素子2a,2bの角R部21を構成する曲線と、底板部40(両コイル素子2a,2bの下面2dを繋ぐ直線)とで囲まれる空間である。本発明では、この両コイル素子2a,2bの下側の角R部21と底板部40とで形成される台形状空間をセンサ7の配置空間とするところを特徴の一つとする。
上記台形状空間の大きさは、角R部21の丸め半径により調整することができる。丸め半径が大きいと、センサ7の収納空間が大きくなり易く、丸め半径が小さいと小型なコイルになり易い。
上記台形状空間のうち、内側コア部31に挟まれていない領域にセンサ7を配置することが好ましい。この例では、コイル素子2a,2bの内周形状に相似な外周形状を有する内側コア部31が各コイル素子2a,2bに同軸状に収納されており、これら両内側コア部31の下面を繋ぐ直線(接線)lcをとったとき、この接線lcよりも下方側の領域が、内側コア部31に挟まれていない領域となる。この例では、図1(B)に示すように、台形状空間のうち、内側コア部31に挟まれていない領域(接線lcと各コイル素子2a,2bの下側の角R部21を構成する曲線とで囲まれる領域)にセンサ7を配置している。
上記台形状空間は、コイル2の一端面から他端面に亘って形成され、この任意の箇所にセンサ7を配置することができる。しかし、上記台形状空間のうち、コイル2の軸方向の中心を含む中間領域をセンサ7の配置領域とすることが好ましい。中間領域は、例えば、上記中心からコイル2の一端側又は他端側へコイル2の軸方向の長さの30%までの領域、即ち、上記中心を含んでコイル2の軸方向の長さの60%の領域が挙げられる。
[センサ]
ここでは、センサ7は温度センサであり、サーミスタといった感熱素子7aと、感熱素子7aを保護する保護部7bとを具えた棒状体が挙げられる。保護部7bは、樹脂などのチューブが挙げられる。センサ7には、感知した情報を制御装置といった外部装置に伝達するための配線71(図1(B))が接続される。センサとしては、温度センサ以外に、電流センサや電圧センサ、リアクトルの振動を測定可能な加速度センサなど、リアクトルの動作時の物理量を測定するためのセンサが挙げられる。
リアクトル1を冷却ベース(図示せず)に設置した状態において、コイル2の設置側の面(下面2d(図1(B)))からその対向面(上面2u(図1(B)))に亘ってコイル素子2a,2b間の温度分布を調べたところ、各コイル素子2a,2b間で高さ方向の略中間部が最高温度箇所であり、この最高温度箇所から離れるに従って温度は低くなり、下面2d及びその近傍の領域は、冷却ベースで冷却されるため、最低温度箇所であった。そこで、下側の台形状空間における温度と最高温度との温度分布を予め測定しておくことで、台形状空間で温度測定を行った際に、この温度分布による相関関係からそのときのリアクトルの最高温度を求められる。よって、測定した温度に応じてコイル2への電流などの制御を行うことができる。
(底板部(放熱板))
底板部40(放熱板)は、代表的には、リアクトル1が設置対象に設置されるときに設置対象に接して固定される板材である(図1)。底板部40は、コイル2の放熱経路に利用されることから、一般に熱伝導率が高い材料である金属によって構成される。具体的な金属は、アルミニウムやその合金、マグネシウムやその合金、銅やその合金、銀やその合金、鉄やオーステナイト系ステンレス鋼などが挙げられる。アルミニウムやマグネシウム、これらの合金は軽量であり、軽量なリアクトルとできる。底板部40の厚さは、強度、シールド性、放熱性、騒音特性などを考慮して、例えば、2mm〜5mm程度が挙げられる。ここでは、底板部40をアルミニウム合金から構成している。この底板部40は、コイル2の設置側の面が接触する箇所一面に接合層42が形成されている。
底板部40は、上記台形状空間に面する箇所に、組合体10を底板部40上に載置した際のコイル2軸方向に沿った突条を形成してもよい。この突条によって、底板部40上にセンサ7を載置する際に、センサ7の位置決めとなって配置し易い。この突条の上にセンサ7を配置することで、センサ7をコイル2側に近接でき、センサ7をコイル2の角R部21に接触させ易くできる。また、台形状空間に形成される接合層42の接着剤の量を削減できる。
底板部40の外形は適宜選択することができる。ここでは、底板部40は、図1(A)に示すように矩形状であり、四隅のそれぞれから突出した取付部400を有する。なお、ここでは、底板部40が下方となる設置状態を示すが、底板部40が上方、又は側方となる設置状態も有り得る。
(接合層)
底板部40は、少なくともコイル2の設置側の面(下面2d(図1(B)))が接触する箇所に接合層42を具える。本発明では、センサ7を接合層42に配置し、上述した台形状空間に配置されたセンサ7をコイル2に接触した状態で保持する。
接合層42は、絶縁性材料からなる単層構造とすると容易に形成できる上に、底板部40が金属製でも、コイル2と底板部40との間を絶縁できる。絶縁性材料からなる多層構造とすると、絶縁性をより高められる。同材質の多層構造とする場合、一層あたりの厚さを薄くできる。薄くすることでピンホールが存在しても、隣接する別の層によりピンホールを塞ぐことで絶縁を確保できる。一方、異種材質の多層構造とすると、コイル2と底板部40との絶縁性、両者の密着性、コイル2から底板部40への放熱性などの複数の特性を兼備できる。この場合、少なくとも一層の構成材料は、絶縁性材料とする。
接合層42は、少なくともコイル2の設置側の面(下面2d)が十分に接触可能な面積を有していれば、特に形状は問わない。ここでは、接合層42は、組合体10の設置側の面、即ち、コイル2及び外側コア部32の双方の設置側の面がつくる形状に沿った形状としている。従って、コイル2及び外側コア部32の双方が接合層42に十分に接触できる。
特に、接合層42は、コイル2の設置側の面が接する表面側に絶縁性材料からなる接着層を具え、底板部40に接する側に熱伝導性に優れる材料からなる放熱層を具える多層構造であることが好ましい。ここでは、接合層42は、接着層と放熱層とを具える。
接着層は、接着強度に優れる材料を好適に利用できる。例えば、接着層は、絶縁性接着剤、具体的には、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤などにより構成することができる。接着層の形成は、例えば、放熱層の上に塗布したり、スクリーン印刷を利用したりすることが挙げられる。接着層にシート状接着剤を利用してもよい。ここでは、接着層は、絶縁性接着剤の単層構造としている。
放熱層は、放熱性に優れる材料、好ましくは熱伝導率が2W/m・K超の材料を好適に利用できる。放熱層は、熱伝導率が高いほど好ましく、3W/m・K以上、特に10W/m・K以上、更に20W/m・K以上、とりわけ30W/m・K以上の材料により構成されることが好ましい。
放熱層の具体的な構成材料は、例えば、金属材料が挙げられる。金属材料は一般に熱伝導率が高いものの導電性材料であり、上記接着層の絶縁性を高めることが望まれる。また、金属材料からなる放熱層は重くなり易い。一方、放熱層の構成材料として、金属元素,B,及びSiの酸化物、炭化物、及び窒化物から選択される一種の材料といったセラミックスなどの非金属無機材料を利用すると、放熱性に優れる上に、電気絶縁性にも優れて好ましい。より具体的なセラミックスは、窒化珪素(Si3N4):20W/m・K〜150W/m・K程度、アルミナ(Al2O3):20W/m・K〜30W/m・K程度、窒化アルミニウム(AlN):200W/m・K〜250W/m・K程度、窒化ほう素(BN):50W/m・K〜65W/m・K程度、炭化珪素(SiC):50W/m・K〜130W/m・K程度などが挙げられる。上記セラミックスにより放熱層を形成するには、例えば、PVD法やCVD法といった蒸着法を利用したり、上記セラミックスの焼結板などを用意して、適宜な接着剤により、底板部40に接合したりすることが挙げられる。
或いは、放熱層の構成材料は、上記セラミックスからなるフィラーを含有する絶縁性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂)が挙げられる。この材料は、放熱性及び電気絶縁性の双方に優れる放熱層が得られる。また、この場合、放熱層及び接着層の双方が絶縁性材料で構成される、即ち、接合層全体が絶縁性材料で構成されるため、この接合層は絶縁性に更に優れる。上記絶縁性樹脂が接着剤であると、放熱層と接着層との密着性に優れ、この放熱層を具える接合層は、コイル2と底板部40との間を強固に接合できる。接着層及び放熱層を構成する接着剤を異種としてもよいが、同種である場合、密着性に優れる上に接合層の形成が容易である。上記フィラー入りの絶縁性接着剤により接合層全体を形成してもよい。この場合、接合層は、単一種の材質からなる単層構造となる。
上記フィラー入り樹脂により放熱層を形成するには、例えば、底板部40に塗布したり、スクリーン印刷したりなどすることで容易に形成できる。
放熱層は、単層構造でも多層構造でもよい。多層構造とする場合、少なくとも一層の材質を異ならせてもよい。例えば、放熱層は、熱伝導率が異なる材質からなる多層構造とすることができる。
接合層42の厚さは、0.2mm以上、より好ましくは1mm以上である。接合層42の厚さが3mm以上であることで、センサ7を接合層42内に配置し、より強固に保持することができる。この接合層42の厚さは、組合体10を載置する前の厚さである。接合層42の厚さは、センサ7の配置箇所となる領域を部分的に厚くしてもよい。センサ7は、接合層42内に配置することもできるし、コイル2と接触した状態とすることもできる。
[磁性コア]
磁性コア3の説明は、図2を参照して行う。磁性コア3は、各コイル素子2a,2bに覆われる一対の内側コア部31と、コイル2が配置されず、コイル2から露出されている一対の外側コア部32とを有する。ここでは、各内側コア部31はそれぞれ、上述のように各コイル素子2a,2bの内周形状に沿って、直方体の角部を丸めた外形を有する柱状体であり、各外側コア部32はそれぞれ、一対の台形状面を有する柱状体である。磁性コア3は、離間して配置される内側コア部31を挟むように外側コア部32が配置され、各内側コア部31の端面31eと外側コア部32の内端面32eとを接触させて環状に形成される。これら内側コア部31及び外側コア部32により、コイル2を励磁したとき、閉磁路を形成する。
内側コア部31は、図2に示すように、軟磁性材料からなる複数のコア片31mと、コア片31mよりも比透磁率が小さい材料からなるギャップ材31gとが交互に積層配置された積層物である。コア片31mとギャップ材31gとは、特に接着剤によって一体化すると、扱い易い上に、コア片31mとギャップ材31gとを強固に固定することで騒音を低減できると期待される。その他、コア片31mとギャップ材31gとを接着テープなどによって一体化すると、扱い易い。外側コア部32は、軟磁性材料からなるコア片である。
内側コア部31や外側コア部32を構成するコア片は、鉄などの鉄族金属やその合金、鉄を含む酸化物などに代表される軟磁性粉末を用いた成形体や、絶縁被膜を有する磁性薄板(例えば、ケイ素鋼板に代表される電磁鋼板)を複数積層した積層板体が挙げられる。上記成形体は、圧粉成形体、焼結体、軟磁性粉末と樹脂とを含む混合体を射出成形や注型成形などした複合材料などが挙げられる。ここでは、各コア片はいずれも、鉄や鋼などの鉄を含有する軟磁性金属粉末の圧粉成形体としている。
ギャップ材31gの具体的な材料は、アルミナや不飽和ポリエステルなどの非磁性材料、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂などの非磁性材料と磁性粉末(例えば、鉄粉などの軟磁性粉末)とを含む混合物などが挙げられる。ここでは、ギャップ材31gは公知のものを利用できる。
なお、ここでは、磁性コア3を構成する各コア片は一様な材質から構成された同一の仕様(圧粉成形体)のものとしているが、内側コア部31と外側コア部32とで磁気特性や仕様を異ならせることができる。例えば、圧粉成形体と複合材料とを組み合わせた形態、材質や軟磁性粉末の混合量などが異なる複合材料を組み合わせた形態などとすることができる。
その他、この例に示す磁性コア3は、内側コア部31の設置側の面と外側コア部32の設置側の面とが面一になっておらず、外側コア部32の設置側の面が内側コア部31よりも突出し、かつコイル2の設置側の面(図1(B)において下面2d)と面一である。従って、コイル2と磁性コア3との組合体10の設置側の面は、両コイル素子2a,2bの下面2dと、外側コア部32の設置側の面とで構成され、コイル2及び磁性コア3の双方が接合層42に接触できるため、リアクトル1は、放熱性に優れる。また、組合体10の設置側の面がコイル2及び磁性コア3の双方で構成されることで固定対象との接触面積が十分に大きく、リアクトル1は、設置したときの安定性にも優れる。更に、コア片を圧粉成形体で構成することで、外側コア部32において内側コア部31よりも突出した箇所は磁束の通路に利用できる。
[インシュレータ]
インシュレータ5の説明は、図2を参照して行う。インシュレータ5は、内側コア部31を収納する筒状部51と、各コイル素子2a,2bの端面と外側コア部32の内端面32eとの間に介在される枠板部52とを具える。筒状部51は、コイル素子2a,2bと内側コア部31とを絶縁し、枠板部52は、コイル素子2a,2bの端面と外側コア部32の内端面32eとを絶縁する。
筒状部51は、内側コア部31の外周形状に沿った筒状の分割片50a,50bから構成され、この一対の分割片50a,50bを組み合せて一体にされる。分割片50a,50bの形状は適宜選択することができる。ここでは、分割片50a,50bを内側コア部31の外周面に配置したとき、内側コア部31の一部が露出された状態となる。そのため、封止樹脂を具える形態とする場合、封止樹脂の充填時に脱気し易く、製造性に優れる上に、内側コア部31と封止樹脂との接触面積を増大でき、騒音を抑制できると期待される。
枠板部52は、2個の内側コア部31がそれぞれ挿通可能な一対の開口部(貫通孔)を有するB字状の平板部分である。枠板部52は、コイル2に組み付けたとき、両コイル素子2a,2b間に介在されるように配置される仕切り片53a,53bと、コイル連結部2rと外側コア部32との間に配置される平板状の台座52pとを具える。仕切り片53a,53bは、枠板部52の一面からコイル側に向かって突設され、台座52pは、枠板部52の他面から外側コア部32側に向かって突設されている。仕切り片53a,53bや台座52pは省略してもよい。
インシュレータ5の構成材料には、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの絶縁性材料が利用できる。
≪リアクトルの製造≫
上記構成を具えるリアクトル1は、代表的には、組合体の準備⇒底板部の準備⇒センサの固定⇒組合体の固定という工程により製造することができる。
[組合体の準備]
まず、コイル2と磁性コア3との組合体10の作製手順を説明する。具体的には、図2に示すようにコア片31mやギャップ材31gを積層した内側コア部31とインシュレータ5の一方の分割片50aとを各コイル素子2a,2bに挿入する。ここでは、コア片31mとギャップ材31gとの積層体の外周面を接着テープにより連結して内側コア部31を柱状に作製している。次に、コイル素子2a,2bの他方の端面に、インシュレータ5の他方の分割片50bを挿入する。なお、コア片31mとギャップ材31gとを接着テープや接着剤などで一体化せず、ばらばらの状態としてもよい。この場合、一部のコア片31m及びギャップ材31gを一方の分割片50aで支持し、他部のコア片31m及びギャップ材31gを他方の分割片50bで支持して、各コイル素子2a,2bに挿入するとよい。
次に、両コイル素子2a,2bの端面及び内側コア部31の端面31eをインシュレータ5の枠板部52及び外側コア部32の内端面32eで挟むように、コイル2に枠板部52及び外側コア部32を配置して、組合体10を形成する。このとき、内側コア部31の端面31eは、枠板部52の開口部から露出されて外側コア部32の内端面32eに接触する。両コイル素子2a,2b間には、インシュレータ5の仕切り片53a,53bが介在され、当該仕切り片53a,53bの厚さに応じた隙間gを両素子2a,2b間に設けることができる。
[底板部の準備]
アルミニウム板を所定の形状に打ち抜いて底板部40を形成し、一面に所定の形状の接合層42をスクリーン印刷により厚さ0.2mm以上(ここでは1mm)となるように形成して、接合層42を具える底板部40を用意する。
[センサ及び組合体の固定]
接合層42上の所定の位置に、センサ7を載置する。このとき、組合体10を配置した際に、センサ7がコイル2の軸方向の中心領域に位置するように載置する。そして、センサ7が両コイル素子2a,2bの下側に形成された台形状空間に配置されるように、組み立てた組合体10を接合層42上に載置する。このとき、センサ7に接続される配線71は、各コイル素子間2a,2b間の下側から隙間gを通して、コイル2の上側から引き出す。その後、接合層42を適宜硬化して組合体10及びセンサ7を底板部40に固定する。
≪用途≫
上述のリアクトル1は、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車載用電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。
≪効果≫
本発明のリアクトル1は、コイル2を特定の形状とし、この形状により構成される特定の領域:角R部21がつくる台形状空間にセンサ7を配置していることで、センサ7に加えられる応力(熱膨張したコイル2による応力)を低減できる、或いは実質的に応力が加わることが無い。従って、上記応力によりセンサ7が破損せず、リアクトル1は、コイル2の温度を適切に測定できる。かつ、リアクトル1の台形状空間は、いわゆるデッドスペースであって、上記応力を受け難い、或いは実質的に応力が負荷されない領域(台形状領域において接線lcよりも下方領域)をセンサ7の配置領域とする。従って、リアクトル1は、センサ7の配置による大型化や、センサ7の保護のための大型化を招くことがなく、小型である。
本発明のリアクトル1は、上記台形状空間として、リアクトル1の下側における各コイル素子2a,2bの角R部21に挟まれる空間を採用することで、センサ7は、角R部21と底板部40とで囲むことができる。よって、リアクトルが封止樹脂を具える場合、樹脂によってセンサが浮くことを防止でき、リアクトルが封止樹脂を具えない場合、センサが大気に剥き出しになることを防止できる。センサ7は、底板部40上に形成された接合層42により固定されていることでより強固に接合することができる。センサ7はコイル2に接触していない状態であってもよいが、センサ7をコイル2に接触した状態とすると測定値の信頼性が高いと考えられる。また、接合層42によりコイル2を底板部40に固定すると共に、センサ7も同時に固定することができるため、組立作業性に優れる。
<実施形態2>
上述した実施形態1では、センサ7を底板部40上に形成された接合層42によって固定した形態を説明した。その他、図3に示すように、センサ保持部54(センサホルダ)によって、センサ7を保持する形態とすることができる。このセンサ保持部54は、インシュレータ5と一体に成形されている。以下、図1(B)を適宜参照して、この相違点を中心に説明し、その他の構成は実施形態1の構成と同様であるため、説明を省略する。まず相違点であるインシュレータについて説明し、次に実施形態2のリアクトルの製造方法について説明する。
[インシュレータ]
インシュレータ5の枠板部52には、その下方側にセンサ保持部54を具える。センサ保持部54は、分割片50bをコイル2に組み付けたとき、コイル2の台形状空間に向かって突出するように設けられた棒状体が挙げられる。センサ保持部54の突出長さは、センサ7がコイル2側に接触した状態で保持でき、かつセンサ7をセンサ保持部54に組み付けることができればよく、適宜選択することができる。ここでは、センサ保持部54は、センサ7の軸方向の長さ(図3(B)において左右の長さ)の1/2程度がセンサ保持部54に接するような突出長さを有している。
分割片50bの枠板部52は、コイル2に組み付けたとき、両コイル素子2a,2b間に介在されるように配置されるL字状の仕切り片53bを具えており、L字の短辺部分が枠板部52の下方側に設けられている。この仕切り片53bの短辺部分がセンサ保持部54と枠板部52との連結箇所となり、この短辺部分の端面が、図3(B)に示すように、センサ7の当て止めとなる。従って、センサ7は、センサ保持部54により保持できると共に、仕切り片53bの端面位置によりコイル2に対するその軸方向の位置決めができる。このとき、センサ7がコイル2の軸方向の中心領域に位置した状態で保持できるように、突出長さを調整している。ここでは、センサ7はコイル2側に接触した状態で保持される。
≪リアクトルの製造≫
上記構成を具えるリアクトルは、代表的には、組合体の準備⇒組合体にセンサを固定⇒底板部の準備⇒底板部にセンサ付組合体を固定という工程により製造することができる。組合体及び底板部の準備工程は実施形態1と同様であるため、ここでは、組合体にセンサを固定する工程と底板部にセンサ付組合体を固定する工程について述べる。
[組合体にセンサを固定]
まず、センサ保持部54にセンサ7を組み付ける。両コイル素子2a,2bの角R部21と、インシュレータ5のセンサ保持部54とで挟まれる空間にセンサ7を挿入する。このとき、インシュレータ5の分割片50bの仕切り片53bの端面を当て止めとして、センサ7の軸方向がコイル素子2a,2bの軸方向に沿うようにセンサ7を差し入れる。センサ7に接続される配線71は、センサ7をセンサ保持部54に差し入れる際に、各コイル素子2a,2b間の隙間gを通して、コイル2のセンサ7が配置された側とは反対側から引き出しておく。こうすることで、センサ7は、両コイル素子2a,2bの角R部21とセンサ保持部54とで挟まれ、コイル2側に接触した状態で保持できる。このセンサの組み付け作業は、コイル2の下側となる面を上に向けて行うと作業し易い。
[底板部にセンサ付組合体を固定]
底板部40の上に形成された接合層42上に、センサ7を組み付けた組合体10(組物)を載置する。このとき、センサ7を組み付けた側を接合層42に面するように載置する。その後、接合層42を適宜硬化してセンサ7付組合体10を底板部40に固定する。
≪効果≫
実施形態2の構成によれば、組合体10とインシュレータ5との組物に対してセンサ7を固定してから、組物とセンサ7とを一体物として底板部に固定するため、コイル2に対するセンサ7の位置決めを行い易い。センサ保持部54によって、その位置決め状態を保持できるので、センサ7の位置ずれも防止できる。また、組物を底板部40に固定すると共に、センサ7も同時に固定することができ、組立作業性に優れる。
<実施形態3>
上述した実施形態2では、センサ保持部54(センサホルダ)がインシュレータ5と一体成形された形態を説明した。その他、図4に示すように、センサホルダ8がインシュレータ5と独立した部材である形態とすることができる。以下、図1(B)を適宜参照して、この相違点を中心に説明し、その他の構成は実施形態1の構成と同様であるため、説明を省略する。まず相違点であるセンサホルダについて説明し、次に実施形態3のリアクトルの製造方法について説明する。
[センサホルダ]
センサホルダ8は、センサ7が載置される短冊状の載置部8aと、その載置部8aとの間にL字状のスリットの横辺を形成して配される保持部8bと、保持部8bにおける載置部8aとは反対側に延びる板状の仕切り部8cと、上記L字状のスリットの縦辺を形成して配される引き出し部8hとを具える。ここでは、載置部8a、保持部8b、仕切り部8c。及び引き出し部8hは一体で形成されている。上記スリットの横辺は、センサ7の収納空間であり、このスリットにセンサ7を収納した状態では、センサ7の上下が保持部8bと載置部8aとで挟まれ、その左右が開放されている。また上記スリットの縦辺が、センサ7に接続される配線71の収納空間であり、配線71の一端がリアクトル1の外部に引き出される。
載置部8aは、一端側が保持部8bに一体化されており、他端側が引き出し部8hに連結された棒状体である。載置部8aは、センサ7を載置した状態において、センサ7が抜け落ちないように、センサ止め8iを具える。このセンサ止め8iは、センサ7を載置する際に、センサ7の感熱素子7aを損傷しないように、センサ7の両端に設けることが好ましい。載置部8aのセンサ7と接触する面は、センサ7の外形形状に相似な円弧状の曲面となっている。
仕切り部8cは、各コイル素子2a,2bにおいて直線状部22間に設けられた隙間gに配置される板状体であり、ここでは矩形の板状体である。仕切り部8cの厚さは、各コイル素子2a,2b間の隙間g以下であり、センサ7の厚さよりも小さい。仕切り部8cは、コイル2の軸方向に広がる本体部8dと、インシュレータ5の枠板部52と接し、かつ枠板部52に形成された係合部53eと係合する係合部8eとを具える。本体部8dは、センサホルダ8を隙間gに差し込む方向の先端側の両側面が、先端に向かって幅が小さくなるようにテーパ状になっている。係合部8eは、上記先端側の端部に、枠板部52側に突出するフック8fを有する。フック8fの形状は、先端に向かって細くなるようにテーパ状になっている。
引き出し部8hは、配線71を引き出す際にセンサホルダ8の角に当たることで配線71が損傷しないように、その角は丸められている。
センサホルダ8を隙間gに差し込んだとき、係合部8eのフック8fが枠板部52の係合部53eと係合されて位置決めされ、センサホルダ8が脱落することを防止できる。本形態では、フック8fと係合部53eとの間には、隙間8gが設けられている。この隙間8gによって、センサホルダ8を一旦差し込んだとしても、フック8fが係合部53eに当て止めされるまでセンサホルダ8を引き抜くことができ、いつでもセンサ7を載置部8aから容易に出し入れできる。
センサホルダ8を隙間gに差し込んだ状態では、センサ7は、センサホルダ8から露出された部分で各コイル素子2a,2bの角R部21に接触している。
センサホルダ8の構成材料には、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、液晶ポリマー(LCP)など、インシュレータ5と同様の絶縁性材料が利用できる。この場合、センサホルダ8をコイル2に対して接触して配置した場合でも、両者の絶縁性に優れる。また、センサホルダ8の少なくとも一部を金属で構成すると、放熱性の向上が期待できる。
≪リアクトルの製造≫
上記構成を具えるリアクトルは、代表的には、組合体の準備⇒組合体にセンサを固定⇒底板部の準備⇒底板部にセンサ付組合体を固定という工程により製造することができる。組合体及び底板部の準備工程は実施形態1と同様であるため、ここでは、組合体にセンサを固定する工程と底板部にセンサ付組合体を固定する工程について述べる。
[組合体にセンサを固定]
まず、センサホルダ8にセンサ7を組み付ける。センサホルダ8の載置部8aにセンサ7を載置し、載置部8aと保持部8bとセンサ止め8iとでセンサ7を挟むことで、センサ7をセンサホルダ8で保持する。このとき、センサ7はセンサホルダ8の幅方向の中間位置に保持する。センサ7に接続される配線71は、引き出し部8hに沿って配置し、一端を外部に引き出す。次に、センサ7を保持したセンサホルダ8を両コイル素子2a,2bの下側に形成された台形状空間に配置する。ここでは、センサホルダ8の仕切り部8cを、各コイル素子2a,2b間に設けられた隙間gに差し込み、センサホルダ8のフック8fと枠板部52の係合部53eとを係合させて、両者を一体化する。こうすることで、センサ7は、両コイル素子2a,2bの角R部21とセンサホルダ8とで固定され、センサホルダ8の載置部8a及び保持部8bから露出された箇所において、両コイル素子2a,2bの角R部21でコイル2と接触した状態となる。
ここでは、センサホルダ8にセンサ7を組み付けてから、センサホルダ8の載置部8a及び保持部8bを台形状空間に配置したが、センサホルダ8の載置部8a及び保持部8bを台形状空間に配置してから、そのセンサホルダ8にセンサ7を組み付けてもよい。このとき、センサホルダ8の仕切り部8cを隙間gに差し込んで枠板部52と一体化するが、フック8fと係合部53eとの間には隙間8gがあるため、フック8fが係合部53eに当て止めされるまでセンサホルダ8を引き抜くことができ、この状態でセンサ7を組み付けることができる。
[底板部にセンサ付組合体を固定]
底板部40の上に形成された接合層42上に、センサ7を組み付けた組合体10を載置する。このとき、センサ7を組み付けた側を接合層42に面するように載置する。その後、接合層42を適宜硬化してセンサ7付組合体10を底板部40に固定する。
≪効果≫
実施形態3の構成によれば、センサホルダ8とインシュレータ5とが独立した部材で構成されていることで、センサ7はセンサホルダ8に組み付けてから、組合体10とインシュレータ5との組物に配置することができるため、センサ7を配置し易い。さらに、センサホルダ8とインシュレータ5(枠板部52)とが互いに係合する係合部を具えると、両者を係合することで、センサホルダ8の位置決めを容易にできる。また、センサホルダ8を組物に対してより強固に固定でき、センサ7の位置ずれを防止でき、組立作業性に優れる。
<実施形態4>
上述した実施形態1〜3では、組合体10の外周が何も覆われずに大気に剥き出しである形態を説明した。その他、組合体10の外周を射出成型などにより樹脂で被覆した形態とすることができる。この形態は、組合体10の外周が樹脂で覆われていることで、組合体10を粉塵や腐食といった外部環境からの保護や強度といった機械的特性の確保を図ることができる。上記樹脂には、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ウレタン樹脂、PPS樹脂、PBT樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂などが挙げられる。この樹脂は、上述したセラミックスからなるフィラーを含有させると、放熱性を高められる。
<実施形態5>
上述した実施形態1〜4では、ケースを省略した形態を説明した。その他、ケースを具える形態とすることができる。実施形態1〜4のリアクトルは、そのままでも利用することができるが、ケース内に収納することで、粉塵や腐食といった外部環境からの保護や強度といった機械的特性の確保を図ることができる。以下、この相違点を中心に説明し、その他の構成は上述した実施形態の構成と同様であるため、説明を省略する。まず、相違点であるケースについて説明し、次にケースにリアクトルを収納する方法について説明する。
[ケース]
ケース4の説明は、図5を参照して行う。コイル2と磁性コア3との組合体10が収納されるケース4は、実施形態1で説明した底板部40と、底板部40に立設する枠状の側壁部41とを具える。リアクトル1のケース4は、底板部40と側壁部41とが一体に成形されておらず、それぞれ独立した部材であり、固定材により一体化される。底板部40については、実施形態1の構成と同様であるため、説明を省略する。
(側壁部)
側壁部41は、枠状体(ここでは矩形状)であり、一方の開口部を底板部40により塞いでケース4を組み立てたとき、上記組合体10の周囲を囲むように配置され、他方の開口部が開放される。ここでは、側壁部41は、リアクトル1を固定対象に設置したときに設置側となる領域が上記底板部40の外形に沿った矩形状であり、開放された開口側の領域がコイル2と磁性コア3との組合体10の外周面に沿った曲面形状である。
側壁部41は、絶縁性樹脂から構成されている。そのため、図1に示すようにコイル2と側壁部41とを近接配置した場合(例えば、コイル2の外周面と側壁部41の内面との間隔が0mm〜1.0mm程度)でも、両者の絶縁性に優れる。また、上記間隔を小さくすることで、リアクトル1を小型にできる。上記絶縁性樹脂は、PBT樹脂、ウレタン樹脂、PPS樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂などが挙げられる。
側壁部41の少なくとも一部を金属(特にアルミニウムやマグネシウムなどの非磁性金属)で構成すると、放熱性の向上やシールド機能を期待できる。この例のように側壁部41の全てを絶縁性樹脂で構成すると、(1)コイル2とケース4との絶縁性に優れる、(2)複雑な形状であっても射出成形などで容易に製造できる、(3)軽量化を図ることができるといった利点を有する。
側壁部41も取付部411を有しており、底板部40と側壁部41とを組み付けてケース4を形成した場合、底板部40の取付部400と側壁部41の取付部411とが重なる。取付部400,411にはそれぞれ、ボルト孔400h,411hが連通するように設けられている。ボルト孔400h,411hには、設置対象にケース4を固定するボルト(図示せず)が挿通される。取付部400,411の形状、個数などは適宜選択することができる。側壁部41のボルト孔411hは、金属管によって構成すると、後述するように側壁部41が樹脂で構成されていても、強度に優れる。
(連結方法)
ここでは、底板部40及び側壁部41は、上述のようにボルトによって一体化しているが、ボルトと共に接着剤を併用してもよい。又は、接着剤のみを利用して底板部40及び側壁部41を連結してもよい。この場合、例えば、接合層42に用いる接着層と、底板部40及び側壁部41を接合する接着剤層との双方を形成する形態とすることができる。この形態は、接合層42の硬化工程と、底板部40及び側壁部41を接合する接着剤層の硬化工程とを同時に行えて、硬化工程を低減できる。従って、この形態は、生産性の向上を図ることができる。
[封止樹脂]
ケース4内に封止樹脂(図示せず)を充填した形態とすることができる。封止樹脂は、ケース4に収納した組合体10などの位置の固定、組合体10などの機械的な保護や外部環境からの保護(耐食性の向上)、材質によっては放熱性の向上、絶縁性の向上などを図ることができる。この形態では、例えば、巻線2wの端部を封止樹脂から露出させると、巻線2wの端部と端子金具(図示せず)とを接合し易い。巻線2wの端部と端子金具とを接合した後、この接合箇所を封止樹脂に埋設させた形態とすることもできる。
封止樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などの絶縁性樹脂が挙げられる。また、絶縁性及び熱伝導性に優れるフィラー、例えば、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、ムライト、及び炭化珪素から選択される少なくとも1種のセラミックスからなるフィラーを含有する封止樹脂とすると、放熱性を更に高められる。
ケース4内に封止樹脂を充填する場合、底板部40と側壁部41との間にパッキン(図示せず)を具えると、底板部40と側壁部41との隙間から未硬化の樹脂が漏れることを防止できる。底板部40と側壁部41とを接着剤によって一体化する場合、この接着剤によって両者間を密閉して未硬化の樹脂の漏洩を防止できることから、パッキンを省略できる。
≪リアクトルの製造≫
上記ケース4を具えるリアクトルは、実施形態1〜4のリアクトルをケース4内に収納する収納工程により製造することができる。この収納工程は、代表的には、底板部40に側壁部41を取り付けることによるケースの組立工程を具える。
[ケースの組立]
底板部40に固定されたセンサ7付組合体10(リアクトル)の外周を囲むように、側壁部41をリアクトルの上方から被せ、底板部40の上に配置する。別途用意したボルト(図示せず)により、底板部40と側壁部41とを一体化する。この工程により、箱状のケース4が組み立てられると共に、ケース4内にリアクトルが収納された状態とすることができる。
<実施形態6>
上述した実施形態5では、底板部40と側壁部41とが独立した部材である形態を説明した。その他、底板部と側壁部とが一体に成形された箱体からなるケースを具える形態とすることができる。この形態では、ケース全体が上述のアルミニウムなどの金属で構成された場合には、ケース全体を放熱経路に利用でき、放熱性を高められる。
<実施形態7>
実施形態1〜6のリアクトルは、例えば、車両などに載置されるコンバータの構成部品や、このコンバータを具える電力変換装置の構成部品に利用することができる。
例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車といった車両1200は、図6に示すようにメインバッテリ1210と、メインバッテリ1210に接続される電力変換装置1100と、メインバッテリ1210からの供給電力により駆動して走行に利用されるモータ(負荷)1220とを具える。モータ1220は、代表的には、3相交流モータであり、走行時、車輪1250を駆動し、回生時、発電機として機能する。ハイブリッド自動車の場合、車両1200は、モータ1220に加えてエンジンを具える。なお、図6では、車両1200の充電箇所としてインレットを示すが、プラグを具える形態とすることができる。
電力変換装置1100は、メインバッテリ1210に接続されるコンバータ1110と、コンバータ1110に接続されて、直流と交流との相互変換を行うインバータ1120とを有する。この例に示すコンバータ1110は、車両1200の走行時、200V〜300V程度のメインバッテリ1210の直流電圧(入力電圧)を400V〜700V程度にまで昇圧して、インバータ1120に給電する。また、コンバータ1110は、回生時、モータ1220からインバータ1120を介して出力される直流電圧(入力電圧)をメインバッテリ1210に適合した直流電圧に降圧して、メインバッテリ1210に充電させている。インバータ1120は、車両1200の走行時、コンバータ1110で昇圧された直流を所定の交流に変換してモータ1220に給電し、回生時、モータ1220からの交流出力を直流に変換してコンバータ1110に出力している。
コンバータ1110は、図7に示すように複数のスイッチング素子1111と、スイッチング素子1111の動作を制御する駆動回路1112と、リアクトルLとを具え、ON/OFFの繰り返し(スイッチング動作)により入力電圧の変換(ここでは昇降圧)を行う。スイッチング素子1111には、FET,IGBTなどのパワーデバイスが利用される。リアクトルLは、回路に流れようとする電流の変化を妨げようとするコイルの性質を利用し、スイッチング動作によって電流が増減しようとしたとき、その変化を滑らかにする機能を有する。このリアクトルLとして、上記実施形態1〜6のリアクトルを具える。小型であるリアクトル1などを具えることで、電力変換装置1100やコンバータ1110も小型である。
なお、車両1200は、コンバータ1110の他、メインバッテリ1210に接続された給電装置用コンバータ1150や、補機類1240の電力源となるサブバッテリ1230とメインバッテリ1210とに接続され、メインバッテリ1210の高圧を低圧に変換する補機電源用コンバータ1160を具える。コンバータ1110は、代表的には、DC-DC変換を行うが、給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160は、AC-DC変換を行う。給電装置用コンバータ1150のなかには、DC-DC変換を行うものもある。給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160のリアクトルに、上記実施形態1〜6のリアクトルなどと同様の構成を具え、適宜、大きさや形状などを変更したリアクトルを利用することができる。また、入力電力の変換を行うコンバータであって、昇圧のみを行うコンバータや降圧のみを行うコンバータに、上記実施形態1〜6のリアクトルなどを利用することもできる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
本発明のリアクトルは、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車などの車両に搭載される車載用コンバータ(代表的にはDC-DCコンバータ)や空調機のコンバータなどの種々のコンバータ、電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。
1 リアクトル 10 組合体
2 コイル 2a,2b コイル素子 2r コイル連結部 2w 巻線
2e 巻線の端部 2d 下面 2u 上面 21 角R部 22,23 直線状部
3 磁性コア 31 内側コア部 31e 端面 31m コア片
31g ギャップ材
32 外側コア部 32e 内端面
4 ケース 40 底板部(放熱板) 41 側壁部 42 接合層
400,411 取付部 400h,411h ボルト孔
5 インシュレータ 50a,50b 分割片 51 筒状部
52 枠板部 52p 台座 53a,53b 仕切り片 53e 係合部
54 センサ保持部
7 センサ 7a 感熱素子 7b 保護部 71 配線
8 センサホルダ 8a 載置部 8b 保持部
8c 仕切り部 8d 本体部 8e 係合部 8f フック 8g 隙間
8h 引き出し部 8i センサ止め
1100 電力変換装置 1110 コンバータ 1111 スイッチング素子
1112 駆動回路 L リアクトル 1120 インバータ
1150 給電装置用コンバータ 1160 補機電源用コンバータ
1200 車両 1210 メインバッテリ 1220 モータ 1230 サブバッテリ
1240 補機類 1250 車輪

Claims (7)

  1. 互いに繋がる一対のコイル素子を具えるコイルと、前記各コイル素子内にそれぞれ配置される一対の内側コア部及びこれら内側コア部を連結して閉磁路を形成する外側コア部を有する磁性コアとを具えるリアクトルであって、
    前記コイルが載置される放熱板と、
    前記リアクトルの動作時の物理量を測定するセンサとを具え、
    前記各コイル素子は、巻線を螺旋状に巻回して構成された筒状体で、かつ端面形状が角部を丸めた角R部を有する形状であり、各コイル素子の軸が平行するように並列に配置され、
    前記センサは、前記各コイル素子において対向配置された前記角R部と前記放熱板とで形成される台形状空間に配置されているリアクトル。
  2. 前記放熱板は、前記コイルを固定する接合層を具え、
    前記センサは、前記接合層によって固定されている請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記センサを保持するセンサホルダと、
    前記コイルと前記磁性コアとの間に介在されるインシュレータとを具え、
    前記センサホルダは、前記インシュレータと一体に形成されている請求項1又は2に記載のリアクトル。
  4. 前記センサを保持するセンサホルダと、
    前記コイルと前記磁性コアとの間に介在されるインシュレータとを具え、
    前記センサホルダは、前記インシュレータと独立した部材で構成されている請求項1又は2に記載のリアクトル。
  5. 前記センサホルダは、前記インシュレータと係合する係合部を具える請求項4に記載のリアクトル。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のリアクトルを具えるコンバータ。
  7. 請求項6に記載のコンバータを具える電力変換装置。
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