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JP5860206B2 - 遊技機 - Google Patents

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JP5860206B2 JP2010233781A JP2010233781A JP5860206B2 JP 5860206 B2 JP5860206 B2 JP 5860206B2 JP 2010233781 A JP2010233781 A JP 2010233781A JP 2010233781 A JP2010233781 A JP 2010233781A JP 5860206 B2 JP5860206 B2 JP 5860206B2
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Description

本発明は、複数の画像表示器を備える遊技機に関する。
パチンコ遊技機は、始動口への遊技球の入賞を契機として大当たり抽選を実行すると共に、特別図柄を変動表示してから大当たり抽選の結果を示す特別図柄を停止表示し、その停止表示された特別図柄が所定の当たり図柄であった場合に、大入賞口が解放されて遊技者が大当たり遊技を楽しめるように構成されている。この種のパチンコ遊技機としては、例えば特許文献1に開示されたパチンコ遊技機が挙げられる。
特許文献1に記載のパチンコ遊技機は、特別図柄等の遊技情報を表示する主表示部と、その他の遊技情報や遊技ガイド、テレビ映像、CM等を表示する副表示部とが左右に並べて配置された画像表示器を備えている。この画像表示器は、遊技者が首を曲げることなく主表示部を見ることができるように、遊技盤の中央部分に固定されている。
特開2006−158638号公報
ところで、特許文献1に開示されたパチンコ遊技機では、副表示部に様々な情報が表示されることで遊技者の視点が固定されてしまい、なかなか大当たりしない時などは遊技が単調になり易いと考えられる。このため、遊技が単調になり難い興趣性が高い効果的な表示演出が求められていた。
それ故に、本発明の目的は、興趣性が高い効果的な表示演出を行うことができる遊技機を提供することである。
本発明の一局面は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、本欄における括弧内の参照符号や補足説明等は、本発明の一局面の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の一局面を何ら限定するものではない。
第1画像表示器と、
第2画像表示器と、
始動条件の成立により取得された遊技情報に基づいて、特別遊技を行うか否かを判定する特別遊技判定手段と、
前記第1画像表示器に第1のオブジェクトを表示させ、前記第2画像表示器に第2のオブジェクトを表示させる表示制御手段と、
前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの位置関係を変化させる変化手段とを備え、
前記表示制御手段は、
前記特別遊技判定手段により、特別遊技を行うと判定された場合と当該特別遊技を行わないと判定された場合とで、前記第1のオブジェクトの表示、および、前記第2のオブジェクトの表示を、それぞれ、異なる表示に制御し、
前記変化手段によって変化した位置関係が所定の位置関係の場合、前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとを連動させる。
この発明によれば、興趣性が高い効果的な表示演出を行うことができる遊技機を提供することができる。
パチンコ遊技機1の概略正面図 パチンコ遊技機1の一部を示す概略平面図 図1における表示器4の拡大図 液晶画面50の概略構成を示す図 EL表示器6の位置検出について説明するための図 駆動機構10の構成を示す斜視図 駆動機構10の構成を示す斜視図 駆動機構10の分解斜視図 EL表示器6の拡大斜視図 パチンコ遊技機1の制御装置の構成例を示すブロック図 画像音響制御部140の構成例を示すブロック図 VRAM_FB1426の構成について説明するための説明図 遊技制御部100によって行われる主要動作の一例を示すフローチャート 図13のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャート 図13のステップS4における特別図柄処理の詳細フローチャート 本実施形態における演出の一例を示す図 本実施形態における演出の一例を示す図 演出を実行するための各制御部の処理の流れの概要を示す図 画像音響制御部140によって行われる設定処理の一例を示すフローチャート メイン画像サイズ、サブ画像サイズ、フレームバッファサイズ、及び空き領域のサイズについて説明するための説明図 画像音響制御部140によって行われる設定処理について説明するための説明図 演出制御部130のCPU131によって行われる処理の一例を示すフローチャート 画像音響制御部140によって行われる描画処理の一例を示すフローチャート 分割数SNが「0」に設定されている場合に画像音響制御部140によって行われる描画処理について説明するための説明図 分割数SNが「4」に設定されている場合に画像音響制御部140によって行われる描画処理について説明するための説明図 VDP142の出力回路1427による分割画像の出力処理について説明するための説明図
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
まず、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図1に示されるように、パチンコ遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2の表面側(図1の紙面手前側)に遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行に配置された透明なガラス板(不図示)を支持する部材であり、遊技盤2に対して蝶番(不図示)を介して開閉可能に構成されると共に、遊技盤2に対して着脱可能に構成されている。
枠部材3に支持されたガラス板と遊技盤2との間には、遊技球が移動する遊技領域20が形成されている。遊技者がハンドル31を握ってレバー32を時計方向へ回転させると、ハンドル31の回転角度に応じた打球力で不図示の発射装置から遊技球が発射される。図には示されていないが、遊技盤2には、発射装置から発射された遊技球を遊技領域20へ案内するガイド部材が設けられており、遊技球は、このガイド部材によって遊技領域20の上部位置へ案内される。遊技球は、遊技領域20に配置された不図示の遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2の表面に沿って落下する。
遊技領域20には、入賞や抽選に関する役物として、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、普通入賞口24、及びゲート25が設けられている。また、遊技領域20における大入賞口23の下方には、始動口21,22、又は入賞口23,24に入らなかった遊技球を遊技領域20の外へ排出する排出口26が設けられている。
第1始動口21及び第2始動口22は、後述する液晶表示器5の下方に設けられている。第1始動口21及び第2始動口22は、第1始動口21を第2始動口22の上側として所定の間隔を隔てて上下に並んで配置されている。パチンコ遊技機1では、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞することで、賞球が払い出されると共に大当たり抽選が実行される。なお、以下の説明では、第1始動口21への遊技球の入賞を契機として実行される大当たり抽選を第1特別図柄抽選と呼び、第2始動口22への遊技球の入賞を契機として実行される大当たり抽選を第2特別図柄抽選と呼び、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選を総称して特別図柄抽選と呼ぶものとする。
第1始動口21と第2始動口22との間には、チューリップの花を模した一対の羽根部材を有する電動チューリップ27が配置されている。電動チューリップ27は、一対の羽根部材が閉じた閉姿勢(図1参照)と、一対の羽根部材が開いた開姿勢(不図示)との間で姿勢変化可能に構成されており、不図示の電動ソレノイドが作動することによって閉姿勢から開姿勢に姿勢変化する。
電動チューリップ27の一対の羽根部材が閉姿勢の状態では、第1始動口21を構成する部材及び電動チューリップ27によって第2始動口22への遊技球の進入経路が塞がれており、遊技球が第2始動口22へ入ることはない。これに対して、遊技球がゲート25を通過すると、普通図柄抽選(電動チューリップ27の開閉抽選)が実行され、この普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ27の一対の羽根部材が規定時間だけ開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、普通図柄抽選に当選することで、第2始動口22への遊技球の進入経路が開放されて、遊技球が第2始動口22に入賞可能となる。すなわち、第2特別図柄抽選の実行が可能な状態となる。なお、普通図柄抽選の当選確率、電動チューリップ27の動作に関する規定時間及び規定回数は、パチンコ遊技機1の遊技状態に応じて変更されることがある。
普通入賞口24は、ゲート25の下方に配置されている。普通入賞口24に遊技球が入賞した場合、抽選は実行されないが、第1始動口21や第2始動口22に遊技球が入賞した場合よりも多い賞球が払い出される。
大入賞口23は、第2始動口22の下方に配置されている。大入賞口23は、特別図柄抽選の結果に応じて開放される。大入賞口23の開口部には、大入賞口23を開閉するプレートが設けられている。特別図柄抽選に当選していない状態では、このプレートが遊技盤2の表面と同一平面を形成する姿勢となっているために、大入賞口23に遊技球が入らない状態となっている。これに対して、特別図柄抽選に当選すると、プレートの下端側を軸としてプレートの上端側が遊技盤2の表面側へ傾倒して、大入賞口23が開放される。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、及び普通入賞口24に遊技球が入って入賞すると、入賞した場所に応じた個数の賞球(遊技球)が払い出される。例えば、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞すると4個の賞球が払い出され、大入賞口23に遊技球が入賞すると13個の賞球が払い出され、普通入賞口24に遊技球が入賞すると10個の賞球が払い出される。なお、遊技球がゲート25を通過しても賞球が払い出されることはない。
遊技盤2の中央部には、演出のための各種の画像を表示する液晶表示器5及びEL表示器6が設けられている。液晶表示器5及びEL表示器6については、後に詳述する。
液晶表示器5と近接する位置に、各種の演出に用いられる盤ランプ8及び可動役物7が設けられている。盤ランプ8は、遊技者による遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成されており、例えば内蔵された発光素子を発光させながら回動することによって各種の演出を行う。なお、本実施形態では、遊技盤2に対して可動に構成された装飾役物が可動役物7のみである場合について説明するが、更に他の可動役物が設けられていてもよい。
図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す概略平面図である。図1及び図2に示されるように、枠部材3には、上記ハンドル31及びレバー32の他に、停止ボタン33、取り出しボタン34、スピーカ35、枠ランプ36、演出ボタン37、演出キー38、及び皿39が設けられている。
皿39は、枠部材3からパチンコ遊技機1の正面側へ突出するように設けられており、上述の発射装置へ供給される遊技球を一時的に溜めるものである。この皿39には、上述のように払い出された賞球が排出される。遊技者がハンドル31を握ってレバー32を時計方向へ回転させると、皿39に溜められた遊技球が発射装置へ供給されて、遊技領域20へ所定の時間間隔で発射される。この遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン33を押下することによって一時的に停止される。
取り出しボタン34は、皿39と近接する位置に設けられている。遊技者が取り出しボタン34を操作すると、皿39の下面の一部が開口されて、皿39に溜まった遊技球が皿39の下方に配置された不図示の箱へ落下する。なお、この皿39は、1つの皿によって構成されてもよいし、発射装置へ供給される遊技球及び賞球を溜める上皿と、賞球のみを溜める下皿との2つの皿によって構成されてもよい。
スピーカ35は、楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。枠ランプ36は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更、光の照射方向の変更等の光による各種の演出を行う。
演出ボタン37及び演出キー38は、それぞれ遊技者が演出に対する操作入力を行うために設けられている。演出ボタン37は、皿39の横に設けられている。演出キー38は、中央キーと中央キーの周辺に配列された複数(ここでは4つ)の周辺キーとを有しており、演出ボタン37に隣接配置されている。後述するが、遊技者が周辺キーのいずれかを押下することによって、EL表示器6を遊技盤2に対して移動させることができる。すなわち、遊技者が演出キー38の周辺キーを操作することによって、EL表示器6の移動方向(上下左右)を指示する操作情報を入力することができる。また、遊技者が演出キー38の周辺キーを操作することによって、液晶表示器5に表示された複数の選択肢の中からいずれかを選択指示することができる。このように、演出キー38は、遊技者が操作情報を入力するための操作手段として機能する。
図3は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する情報を表示するものである。図3に示されるように、表示器4は、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、及び遊技状態表示器47を備えている。
第1特別図柄表示器41は、第1始動口21への遊技球の入賞を契機として特別図柄を変動表示してから第1特別図柄抽選の結果を示す特別図柄を停止表示する。第1特別図柄保留表示器43は、第1特別図柄抽選の保留数を表示する。第2特別図柄表示器42は、第2始動口22への遊技球の入賞を契機として特別図柄を変動表示してから第2特別図柄抽選の結果を示す特別図柄を停止表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄抽選の保留数を表示する。普通図柄表示器45は、遊技球がゲート25を通過したことを契機として始動した普通図柄抽選の結果を表示する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄抽選の保留数を表示する。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態(例えば、通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、潜伏遊技状態)を表示する。
ここまでパチンコ遊技機1の概略構成について説明したが、上述したパチンコ遊技機1の構成は単なる一例であって、遊技盤2の盤面構成等は適宜変更されてもよい。例えば本発明に係る遊技機が右打ちが必要なパチンコ遊技機に適用される場合には、大入賞口23やゲート25等を液晶表示器5に対して右側の遊技領域20に配置するといった変更が行われる。
[液晶表示器5の構成]
液晶表示器5(本発明の第2画像表示器の一例)は、遊技盤2を支持するパチンコ遊技機1の筐体に固定されている。このため、液晶表示器5は、遊技盤2に対して固定されている。液晶表示器5としては、例えば垂直方向11の画素数が「600」で、水平方向12の画素数が「800」という画面解像度(垂直画素数×水平画素数)の液晶画面50(本発明の第2表示画面の一例)を有する液晶ディスプレイが使用される。液晶表示器5は、後述する画像音響制御部140(図10参照)から出力される画像を液晶画面50に表示する。液晶画面50には、例えば、特別図柄抽選の結果を報知するための装飾図柄、予告演出を行うキャラクタやアイテム、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留表示画像等の各種表示オブジェクトが表示される。
図4は、液晶画面50の概略構成を示す図である。図4に示されるように、液晶画面50は、多数の画素ユニット51を有して構成されている。画素ユニット51は、垂直方向11に600個、水平方向12に800個並んで配置されているが、説明の便宜上、図4(A)では、実際よりも少なく画素ユニット51が表記されている。
画素ユニット51は、カラー液晶素子52及び光センサ56を有している。カラー液晶素子52は、3原色のそれぞれの色を表示するR(Red)色液晶素子53、G(Green)色液晶素子54、及びB(Blue)色液晶素子55から構成されている。光センサ56は、液晶画面50の前方からの光を検知する受光素子であり、R色液晶素子53、G色液晶素子54、及びB色液晶素子55と隣接するように配置されている(図4(B)参照)。このように、光センサ56は、各カラー液晶素子52のそれぞれに近接配置されている。
光センサ56が光を受光すると、受光した光の輝度に応じた電気信号が生成される。液晶画面50が有する各光センサ56は、後述する演出制御部130(図10参照)に接続されており、各光センサ56で生成された電気信号は演出制御部130に出力される。演出制御部130は、各光センサ56から出力される電気信号に基づいて、EL表示器6の位置を検出する。具体的には、後述するEL表示器6のフレーム61(図6参照)は、液晶画面50と対向する面が黒色に形成されており、液晶画面50においてフレーム61によって覆われた領域に設けられている光センサ56からは、フレーム61によって覆われていない領域に設けられている光センサ56から出力される電気信号とは異なるレベルの電気信号が出力される。図5には、液晶表示器5の液晶画面50に対してEL表示器6のEL画面60が左下方に位置したときにフレーム61によって覆われた領域16(ハッチングされた領域)が示されている。演出制御部130は、各光センサ56から出力される電気信号のレベルの違いに基づいて、EL表示器6のフレーム61の位置を検出することができる。
図4(B)に示されるように、画素ユニット51には、画素ユニット51と隣接する他の画素ユニットとを区画する外壁57、及び画素ユニット51を構成するカラー液晶素子52と光センサ56とを区画する内壁58が設けられている。外壁57は、カラー液晶素子52及び光センサ56の外側を囲み、且つ画素ユニット51の基部から液晶画面50の前方へ向けて突出するように形成されている。内壁58は、カラー液晶素子52と光センサ56との間に画素ユニット51の基部から液晶画面50の前方へ向けて突出するように形成されている。この外壁57及び内壁58が設けられていることにより、光センサ56に対して近接するカラー液晶素子52から光が直接入射することが防止されるので、液晶画面50の前方からの光を各光センサ56で正確に検知して、EL表示器6の位置を精度良く検出することができる。
[EL表示器6の構成]
EL表示器6(本発明の第1画像表示器の一例)は、液晶表示器5の前面側に液晶画面50と所定の間隔を隔てて配置されており、後述する駆動機構10を介して伝達される第1ステッピングモータ29及び第2ステッピングモータ30の駆動力を受けて液晶画面50の表面に沿って上下左右に移動可能である。本実施形態におけるEL表示器6は、透明なEL画面60(本発明の第1表示画面の一例)に画像を表示する透明ELディスプレイである。EL画面60は、樹脂製のフレーム61に形成された開口部に嵌め込まれることによってフレーム61に固定されている。EL画面60としては、例えば垂直方向11の画素数が「240」で、水平方向12の画素数が「320」という画面解像度を有するものが使用される。したがって、液晶表示器5及びEL表示器6は、EL画面60よりも液晶画面50の方が画面解像度が大きくなるように構成されている。
EL表示器6として透過型のELディスプレイが使用されるので、EL画面60に画像が表示された状態であっても、遊技者がEL表示器6の裏面側に位置するオブジェクト(液晶画面50に表示されたキャラクタやアイテムといった表示オブジェクト、可動役物7等)をEL画面60を通して視認することができる。なお、EL表示器6のフレーム61の裏面(液晶画面50と対向する面)は、上述のように、黒色に形成されている。
[駆動機構10の構成及び動作]
次に、図6〜図9を参照しつつ、EL表示器6を移動させる駆動機構10について説明する。図6は、駆動機構10の構成を示す斜視図であり、液晶画面50に表示された表示オブジェクトをEL画面60を通して視認可能な位置にEL表示器6が位置した状態を示している。図7は、駆動機構10の構成を示す斜視図であり、可動役物7の一部をEL画面60を通して視認可能な位置にEL表示器6が位置した状態を示している。図8は、駆動機構10の分解斜視図である。図9は、EL表示器6の拡大斜視図である。
駆動機構10は、EL表示器6を液晶画面50に沿って上下左右に移動させるものである。本実施形態においては、駆動機構10は、第1ステッピングモータ29(図10参照)の駆動力をEL表示器6に伝達して、EL表示器6を液晶画面50に沿って垂直方向11(図1参照)に移動させる昇降駆動機構200と、第2ステッピングモータ30(図10参照)の駆動力をEL表示器6に伝達して、EL表示器6を液晶画面50に沿って水平方向12(図1参照)に移動させるスライド駆動機構220とから構成されている。
昇降駆動機構200は、大別して、第1支持部材201、ガイド部材202、ガイド部材203、第1回転軸204、第2回転軸205、第1駆動ベルト206、及び第2駆動ベルト207を備えている。
第1支持部材201は、水平方向12を長手方向とする薄い板状部材である。この第1支持部材201は、図1に示されるように、液晶表示器5の液晶画面50の手前に配置されるため、液晶画面50に表示された画像の視認性の低下を最低限に抑えるために、透明な樹脂で形成されている。EL表示器6のフレーム61には、水平方向12に貫通する挿通孔62(図8及び図9参照)が形成されており、第1支持部材201は、挿通孔62に挿通されることによってフレーム61を水平方向12へ移動可能に支持する。
図9に示されるように、第1支持部材201は、その一端側に連結部材194が固定されると共に、その他端側に連結部材197が固定されている。連結部材194は、ガイド部材202(図8参照)が挿通される円筒状の挿通孔195と、第1駆動ベルト206(図8参照)を挟持する挟持片196とを有している。ガイド部材202は、断面外形が円形の棒状部材であり、その長手方向が垂直方向11と一致するようにパチンコ遊技機1の筐体に固定されている。ガイド部材202の外径寸法は、挿通孔195の内径寸法よりも若干小さく設定されており、連結部材194は、挿通孔195にガイド部材202が挿通されることによって、垂直方向11へ移動可能にガイド部材202によって支持される。
連結部材197は、連結部材194と同形状の部材であって、ガイド部材203(図8参照)が挿通される挿通孔198と、第2駆動ベルト207(図8参照)を挟持する挟持片199とを有している。ガイド部材203は、ガイド部材202と同形状の部材であって、ガイド部材202と所定の間隔を隔てて対向するようにパチンコ遊技機1の筐体に固定されている。連結部材197は、挿通孔198にガイド部材203が挿通されることによって、垂直方向11へ移動可能にガイド部材203によって支持される。
このように連結部材194及び連結部材197がガイド部材202及びガイド部材203に支持されているので、第1支持部材201は、垂直方向11へスライド可能である。
ガイド部材202,203の上側に第1回転軸204が設けられると共に、ガイド部材202,203の下側に第2回転軸205が設けられている(図6及び図7参照)。第1回転軸204及び第2回転軸205は、それぞれ軸方向が水平方向12と一致するように、不図示の軸受けに回転可能に支持されている。図8に示されるように、第1回転軸204は、その一端側にギヤ212及びプーリ208が固定されると共に、その他端にプーリ209が固定されている。第2回転軸205は、その一端にプーリ210が固定されると共に、その他端にプーリ211が固定されている。
プーリ208とプーリ210との間には、内側に歯が形成された無端環状の第1駆動ベルト206が張り渡されている。プーリ209とプーリ211との間には、第1駆動ベルト206と同じ構成の第2駆動ベルト207が張り渡されている。
第1回転軸204のギヤ212(図6参照)には、第1ステッピングモータ29(図10参照)の駆動力が入力される。これにより、ギヤ212が固定された第1回転軸204が回転する。プーリ208〜211の外周には、第1駆動ベルト206及び第2駆動ベルト207の歯と噛合する歯が形成されており、第1回転軸204の回転力がプーリ208,209を介して第1駆動ベルト206及び第2駆動ベルト207に伝達される。その結果、第1駆動ベルト206及び第2駆動ベルト207が周運動すると共に、第1回転軸204及び第2回転軸205が同期回転する。この第1駆動ベルト206及び第2駆動ベルト207には、第1支持部材201の両端に固定された連結部材194,197が挟持片196,199によって固定されているので、第1ステッピングモータ29の駆動力が第1支持部材201にも伝達されて、第1支持部材201に支持されたEL表示器6が垂直方向11へ移動する。なお、第1ステッピングモータ29の回転方向を正回転又は逆回転に切り換えることで、垂直方向11におけるEL表示器6の移動方向を切り換えることができる。
一方、スライド駆動機構220は、大別して、第2支持部材221、ガイド部材222、ガイド部材223、第1回転軸224、第2回転軸225、第1駆動ベルト226、及び第2駆動ベルト227を備えている。
第2支持部材221は、垂直方向11を長手方向とする薄い板状部材である。この第2支持部材221は、第1支持部材201と同様に、透明な樹脂で形成されている。EL表示器6のフレーム61には、垂直方向11に貫通する挿通孔63(図8及び図9参照)が形成されており、第2支持部材221は、挿通孔63に挿通されることによってフレーム61を垂直方向11へ移動可能に支持する。
図9に示されるように、第2支持部材221は、その一端側に連結部材214が固定されると共に、その他端側に連結部材217が固定されている。連結部材214は、ガイド部材222(図8参照)が挿通される円筒状の挿通孔215と、第2駆動ベルト227(図8参照)を挟持する挟持片216とを有している。ガイド部材222は、断面外形が円形の棒状部材であり、その長手方向が水平方向12と一致するように、パチンコ遊技機1の筐体に固定されている。ガイド部材222の外径寸法は、挿通孔215の内径寸法よりも若干小さく設定されており、連結部材214は、挿通孔215にガイド部材222が挿通されることによって、水平方向12へ移動可能にガイド部材222によって支持される。
連結部材217は、連結部材214と同形状の部材であって、ガイド部材223(図8参照)が挿通される挿通孔218と、第1駆動ベルト226(図8参照)を挟持する挟持片219とを有している。ガイド部材223は、ガイド部材222と同形状の部材であって、ガイド部材222と所定の間隔を隔てて対向するようにパチンコ遊技機1の筐体に固定されている。連結部材217は、挿通孔218にガイド部材223が挿通されることによって、水平方向12へ移動可能にガイド部材223によって支持される。
このように連結部材214及び連結部材217がガイド部材222及びガイド部材223に支持されているので、第2支持部材221は、水平方向12へスライド可能である。
水平方向12におけるガイド部材222,223の外側に、第1回転軸224及び第2回転軸225が設けられている(図6及び図7参照)。第1回転軸224及び第2回転軸225は、それぞれ軸方向が垂直方向11と一致するように、不図示の軸受けに回転可能に支持されている。図8に示されるように、第1回転軸224は、その一端側にギヤ232及びプーリ228が固定されると共に、その他端にプーリ229が固定されている。第2回転軸225は、その一端にプーリ230が固定されると共に、その他端にプーリ231が固定されている。
プーリ228とプーリ230との間には、内側に歯が形成された無端環状の第1駆動ベルト226が張り渡されている。プーリ229とプーリ231との間には、第1駆動ベルト226と同じ構成の第2駆動ベルト227が張り渡されている。
第1回転軸224のギヤ232(図6参照)には、第2ステッピングモータ30(図10参照)の駆動力が入力される。これにより、ギヤ232が固定された第1回転軸224が回転する。プーリ228〜231の外周には、第1駆動ベルト226及び第2駆動ベルト227の歯と噛合する歯が形成されており、第1回転軸224の回転力がプーリ228,229を介して第1駆動ベルト226及び第2駆動ベルト227に伝達される。その結果、第1駆動ベルト226及び第2駆動ベルト227が周運動すると共に、第1回転軸224及び第2回転軸225が同期回転する。この第1駆動ベルト226及び第2駆動ベルト227には、第2支持部材221の両端に固定された連結部材214,217が挟持片216,219によって固定されているので、第2ステッピングモータ30の駆動力が第2支持部材221にも伝達されて、第2支持部材221に支持されたEL表示器6が水平方向12へ移動する。なお、第2ステッピングモータ30の回転方向を正回転又は逆回転に切り換えることで、水平方向12におけるEL表示器6の移動方向を切り換えることができる。
このように、EL表示器6は、昇降駆動機構200によって垂直方向11へ移動し、スライド駆動機構220によって水平方向12へ移動する。なお、本実施形態では、演出キー38から入力される操作情報に応じてEL表示器6が移動するので、遊技者は、所望の位置へEL表示器6を移動させることができる。また、第1支持部材201及び第2支持部材221を除く駆動機構10の各構成部材は、液晶表示器5等が設けられた領域と遊技領域20とを区画する化粧カバー14(図1参照)によって覆われているために、図1には現れていない。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側(図1の紙面奥側)には、賞球として払い出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。図には示されていないが、この制御装置は、メイン基板及びサブ基板を有している。メイン基板は、内部抽選や当選の判定等を行う遊技制御部100として機能するメイン制御基板、賞球の払い出しを制御する払出制御部120として機能する払出制御基板等から構成されている。このメイン基板は、メイン基板が改変された場合にその痕跡が残るように、透明部材で構成されたケース内に密閉状態で配置されている。一方のサブ基板は、演出を統括的に制御する演出制御部130として機能する演出制御基板、画像や音による演出を制御する画像音響制御部140として機能する画像音響制御基板、及び各種のランプ(枠ランプ36や盤ランプ8)や可動役物7による演出を制御するランプ制御部150として機能するランプ制御基板等から構成されている。
以下、図10を参照しつつ、パチンコ遊技機1の制御装置の構成について説明する。ここで、図10は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成例を示すブロック図である。図10に示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、遊技制御部100、払出制御部120、演出制御部130、画像音響制御部140、及びランプ制御部150を備えている。
[遊技制御部100の構成]
遊技制御部100は、CPU101、ROM102、及びRAM103を備えている。CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに基づいて、内部抽選や当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。ROM102には、上記プログラムの他に、第1特別図柄抽選の最大保留数Umax1、第2特別図柄抽選の最大保留数Umax2等が記憶されている。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。この遊技制御部100の主な機能は以下の通りである。
遊技制御部100は、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を実行し、特別図柄抽選での当選か否かを示す判定結果データを演出制御部130へ送信する。また、遊技制御部100は、特別図柄抽選に応じて決定した当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)を示すデータ、特別図柄変動時間の短縮設定を示すデータ、普通図柄抽選に応じて決定した普通図柄変動時間の短縮設定を示すデータ等を演出制御部130へ送信する。
遊技制御部100は、電動チューリップ27の羽根部材が開姿勢となる開時間、羽根部材が開閉する回数、及び羽根部材が閉じてから次に開くまでの開閉時間間隔を制御する。また、遊技制御部100は、遊技球が第1始動口21又は第2始動口22へ入賞したことによる特別図柄抽選の保留数、及び遊技球がゲート25を通過したことによる普通図柄抽選の保留数を管理する。
遊技制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口23の開閉動作を制御する。例えば、所定条件(例えば、大入賞口23が開いてから30秒が経過、大入賞口23への10個の遊技球の入賞、又は大入賞口23の開放累積時間が1.8秒以内)を満たすまで、大入賞口23のプレートが突出傾倒して大入賞口23の開状態を維持するラウンドを所定回数(例えば15回)繰り返す。
遊技制御部100は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、及び普通入賞口24に遊技球が入賞すると、入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御部120に指示する。払出制御部120が遊技制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払い出された賞球の個数に関する情報が払出制御部120から遊技制御部100へ送られる。遊技制御部100は、払出制御部120から取得した情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
これらの機能を実現するために、遊技制御部100には、第1始動口スイッチ(SW)111、第2始動口スイッチ(SW)112、電動チューリップ開閉部113、ゲートスイッチ(SW)114、大入賞口スイッチ(SW)115、大入賞口制御部116、及び普通入賞口スイッチ(SW)117が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口21に遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ送る。第2始動口スイッチ112は、第2始動口22に遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部113は、電動チューリップ27の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを有している。遊技制御部100からの制御信号に応じて電動ソレノイドが作動して、電動チューリップ27の一対の羽根部材が姿勢変化する。ゲートスイッチ114は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ送る。大入賞口スイッチ115は、大入賞口23に遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ送る。大入賞口制御部116は、大入賞口23のプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを有している。遊技制御部100からの制御信号に応じて電動ソレノイドが作動して、大入賞口23が開閉される。普通入賞口スイッチ117は、普通入賞口24に遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ送る。
また、遊技制御部100には、表示器4(図3参照)が接続されている。遊技制御部100は、第1特別図柄抽選の結果を第1特別図柄表示器41に表示させ、第1特別図柄抽選を保留している保留数を第1特別図柄保留表示器43に表示させる。遊技制御部100は、第2特別図柄抽選の結果を第2特別図柄表示器42に表示させ、第2特別図柄抽選の保留数を第2特別図柄保留表示器44に表示させる。遊技制御部100は、普通図柄抽選の結果を普通図柄表示器45に表示させ、普通図柄抽選の保留数を普通図柄保留表示器46に表示させる。遊技制御部100は、遊技状態表示器47にパチンコ遊技機1の遊技状態を表示させる。
[払出制御部120の構成]
払出制御部120は、CPU121、ROM122、及びRAM123を備えている。CPU121は、ROM122に記憶されたプログラムに基づいて、賞球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。RAM123は、CPU121が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
払出制御部120は、遊技制御部100からの指示に基づいて、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球が皿39へ払い出されるように払出モータ125を制御する。ここで、払出モータ125は、遊技盤2の裏面側に配置された球タンクから遊技球を送り出すモータである。
払出制御部120には、払出モータ125の他に、払出球検出部126、球有り検出部127、及び満タン検出部128が接続されている。払出球検出部126は、払出モータ125により球タンクから皿39へ払い出された賞球の数を検出する。球有り検出部127は、球タンクにおける遊技球の有無を検出する。満タン検出部128は、皿39が遊技球で満タンになったことを検出する。払出制御部120は、払出球検出部126、球有り検出部127、及び満タン検出部128の検出結果に応じて所定の処理を実行する。
[演出制御部130の構成]
演出制御部130は、CPU131、ROM132、RAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。CPU131は、ROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時を計測する。
演出制御部130は、遊技制御部100から送られる特別図柄抽選の結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン37又は演出キー38からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。さらに、特別図柄抽選の当選確率の変動設定を示すデータを遊技制御部100から受信した場合、特別図柄抽選の変動時間の短縮設定を示すデータを遊技制御部100から受信した場合、及び普通図柄抽選の変動時間の短縮設定を示すデータを遊技制御部100から受信した場合には、これらのデータに応じて演出内容を設定する。演出制御部130は、このようにして設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150へ送信する。
演出制御部130には、液晶表示器5が備える光センサ56が接続されている。演出制御部130のCPU131は、各光センサ56から入力される電気信号に基づいて、EL表示器6の位置を検出する。RAM133には、EL表示器6の位置を示す位置情報が記憶される。
[ランプ制御部150の構成]
ランプ制御部150は、CPU151、ROM152、及びRAM153を備えている。CPU151は、盤ランプ8や枠ランプ36の発光、及び可動役物7の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM152には、CPU151によって実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM153は、CPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプ制御部150のCPU151は、ROM152に記憶されている発光パターンデータの中から、演出制御部130から送信されたコマンドに対応する発光パターンデータを読み出して、盤ランプ8、枠ランプ36、及び可動役物7の発光を制御する。また、CPU151は、演出制御部130から送信されたコマンドにEL表示器6の移動が可能な状態になったことを示す情報が含まれている場合に、遊技者に対して演出キー38の操作を促すために、演出キー38に内蔵されているボタンランプ40の発光を制御する。また、CPU151は、ROM152に記憶されている動作パターンデータの中から、演出制御部130から送信されたコマンドに対応する動作パターンデータを読み出して、可動役物7を動作させるモータ(不図示)の駆動を制御する。
ランプ制御部150は、演出キー38から入力された操作情報を含む移動指示コマンドを演出制御部130から受信した場合、その操作情報に基づいて、第1ステッピングモータ29及び第2ステッピングモータ30の駆動を制御する。第1ステッピングモータ29は、その回転軸が昇降駆動機構200のギヤ212(図6及び図8参照)と噛合するように配置されており、第1ステッピングモータ29の駆動力がギヤ212に入力されることによって、EL表示器6が垂直方向11へ移動する。一方、第2ステッピングモータ30は、その回転軸がスライド駆動機構220のギヤ232(図6及び図8参照)と噛合するように配置されており、第2ステッピングモータ30の駆動力がギヤ232に入力されることによって、EL表示器6が水平方向12へ移動する。本実施形態においては、第1ステッピングモータ29、第2ステッピングモータ30、昇降駆動機構200、スライド駆動機構220、及びステッピングモータ29,30を動作させるCPU151が、EL表示器6を移動させる。
[画像音響制御部140の構成]
図11は、画像音響制御部140の構成例を示すブロック図である。画像音響制御部140は、図11に示されるように、各種演出の実行を指示するための制御信号を生成するCPU141と、CPU141によって生成された制御信号に応じた演出を表現するための画像を生成するVDP(Video Display Processor)142と、CPU141によって生成された制御信号に応じた演出を実現するための音響データを生成する音響DSP(Digital Signal Processor)143とを備えている。
CPU141には、制御用ROM144、及びRAM145が接続されている。制御用ROM144には、CPU141によって実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM145は、CPU141が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。CPU141は、演出制御部130から受信したコマンドに基づいて、VDP142及び音響DSP143の動作を制御するための制御信号を生成して、その制御信号をVDP142及び音響DSP143に出力する。
音響DSP143には、音響用ROM146、及びSDRAM147が接続されている。音響用ROM146には、スピーカ35から出力させる楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データが記憶されている。SDRAM147は、音響DSP143によるデータ処理等の作業領域として使用される。
音響DSP143は、CPU141から入力された制御信号に対応する音響データを音響用ROM146からSDRAM147に読み出し、その音響データに対して必要なデータ処理を行う。そして、液晶画面50やEL画面60による画像表示と同期させて、又は画像表示とは非同期に、データ処理後の音響データを不図示の増幅器を介してスピーカ35に出力する。
VDP142は、CPU141から入力された制御信号に基づいて画像を描画して、液晶表示器5及びEL表示器6に出力する。このVDP142は、CPU I/F1421、デコーダ1422、ROM I/F1423、描画エンジン1424、VRAM_RS1425、VRAM_FB1426、及び出力回路1427を備えている。
VDP142には、内部バス1428及び内部バス1429が設けられている。CPU I/F1421、デコーダ1422、ROM I/F1423、描画エンジン1424、及びVRAM_RS1425は、内部バス1428を介して通信可能に接続されている。また、描画エンジン1424、VRAM_FB1426、及び出力回路1427は、内部バス1429を介して通信可能に接続されている。
CPU I/F1421は、VDP142とCPU141とを通信可能に接続するインターフェースである。CPU141によって生成された制御信号は、CPU I/F1421を介してVDP142に入力される。ROM I/F1423は、画像用ROM148から画像データを読み出すためのインターフェースである。
画像用ROM148には、液晶表示器5及びEL表示器6に表示される演出画像を構成する素材となる素材データが記憶されている。具体的には、3つの数字からなる装飾図柄や期待度の大きさに応じた演出を行うためのキャラクタやアイテム等に関する画像データ、液晶表示器5に背景画面として表示される背景画像に関する画像データ、「リーチ」、「激アツ」等の文字に関する画像データといった、いわゆるスプライト機能を実現するための素材データが記憶されている。
VRAM_RS1425は、画像用ROM148から読み出された素材データを一時的に記憶する記憶領域又は描画エンジン1424が実行する描画処理などの作業領域として使用されるメモリである。なお、例えばMPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)方式で符号化された画像データが画像用ROM148から読み出される場合には、デコーダ1422によって復号された画像データが素材データとしてVRAM_RS1425に格納される。VRAM_RS1425に格納された素材データは、描画エンジン1424が行う描画処理に使用される。このため、描画処理で頻繁に使用される素材データをVRAM_RS1425にバッファリングしておくことによって、描画エンジン1424による描画処理を効率良く実行することができる。
描画エンジン1424は、CPU141からの制御信号に基づいて、液晶表示器5の液晶画面50及びEL表示器6のEL画面60に表示すべき画像をVRAM_FB1426に描画する。具体的には、CPU141からの制御信号、及びVRAM_RS1425に格納された素材データに基づいて、各ピクセルの色を計算し、計算した色の値をVRAM_FB1426に書き込むレンダリング処理を行う。VRAM_FB1426に描画された画像は、1フレーム分の画像に対応する複数の画素データから構成されており、各画素データは、R(Red)、G(Green)、B(Blue)を示す色情報と、画素の透過度を示すアルファ値とを含んでいる。出力回路1427は、VRAM_FB1426に描画された画像を所定の表示タイミングで液晶表示器5及びEL表示器6に出力して、液晶画面50及びEL画面60に画像を表示させる。なお、液晶表示器5のみを使用する場合には、描画エンジン1424は、液晶画面50に表示するための画像のみをVRAM_FB1426に描画して、出力回路1427がその画像を液晶表示器5に出力する。
図12は、VRAM_FB1426の構成について説明するための説明図である。図12に示されるように、VRAM_FB1426は、描画エンジン1424によって描画される1フレーム分の画像をそれぞれ記憶する第1フレームバッファ1426A及び第2フレームバッファ1426Bを備えるダブルバッファ方式のメモリである。描画エンジン1424は、第1フレームバッファ1426A内の画像を液晶表示器5及びEL表示器6に出力している間には、次のフレームの画像を第2フレームバッファ1426Bに描画する。一方、第2フレームバッファ1426B内の画像を液晶表示器5及びEL表示器6に出力している間には、次のフレームの画像を第1フレームバッファ1426Aに描画する。このように、描画エンジン1424は、一方のフレームバッファから画像を出力している間に他方のフレームバッファに描画処理を行うことで、高いフレームレートで描画処理を行うことができる。
[遊技制御部100による主要動作]
次に、遊技制御部100において行われる主要動作について説明する。図13は、遊技制御部100によって行われる主要動作の一例を示すフローチャートである。遊技制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図13に示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図13以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御部100の処理は、ROM102に記憶されているプログラムに基づいてCPU101が発行する命令に従って行われる。
乱数更新処理(ステップS1)では、遊技制御部100のCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種の乱数の更新を行う。ここで、大当たり乱数は、特別図柄抽選の当選(大当たり)又は落選(ハズレ)を決定するための乱数である。図柄乱数は、特別図柄抽選に当選した場合に、当たりの種類(長当たり、短当たり、高確率状態への移行の有無、時短遊技状態への移行の有無)を決定するための乱数である。リーチ乱数は、特別図柄抽選に落選した場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターンを決定するための乱数である。普通図柄乱数は、普通図柄抽選の当選又は落選を決定するための乱数である。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値がステップS2の始動口スイッチ(SW)処理やステップS3のゲートスイッチ(SW)処理で取得され、ステップS4の特別図柄処理やステップS5の普通図柄処理で使用される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタにはループカウンタが使用されており、設定されている乱数の最大値に達した後は、再び「0」に戻る。
始動口スイッチ(SW)処理(ステップS2)では、CPU101は、第1始動口スイッチ111及び第2始動口スイッチ112の状態を監視し、いずれかのスイッチから検出信号が出力された場合に、第1特別図柄抽選の保留数U1や第2特別図柄抽選の保留数U2に関する処理や乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得する処理等を実行する。この始動口スイッチ処理の詳細については、図14に基づいて後に詳述する。
ゲートスイッチ(SW)処理(ステップS3)では、CPU101は、ゲートスイッチ114の状態を監視し、遊技球がゲート25を通過してゲートスイッチ114から検出信号が出力された場合に、普通図柄抽選の保留数が上限値未満であるか否かを判断する。そして、保留数が上限値未満であると判断した場合に、ステップS5の普通図柄処理に使用される普通図柄乱数を取得する。
特別図柄処理(ステップS4)では、CPU101は、特別図柄抽選を実行し、表示器4に特別図柄を変動表示してから特別図柄抽選の結果を示す特別図柄を停止表示するための処理を実行する。この特別図柄処理については、図15に基づいて後に詳述する。
普通図柄処理(ステップS5)では、CPU101は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された普通図柄乱数がその当選値と一致するか否かを判定する。そして、表示器4の普通図柄表示器45(図3参照)に普通図柄を変動表示させた後に判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。
大入賞口処理(ステップS6)では、CPU101は、特別図柄抽選に当選した場合に、大入賞口制御部116を介して大入賞口23の開閉を制御する。
電動チューリップ処理(ステップS7)では、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理において普通図柄乱数がその当選値と一致すると判定された場合に、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ27の一対の羽根部材を作動させる。電動チューリップ27が作動することによって第2始動口22へ遊技球が入賞可能な状態となり、第2始動口22に遊技球が入賞することで第2特別図柄抽選が始動する。
賞球処理(ステップS8)では、CPU101は、上述したように、遊技球の入賞個数の管理及び入賞に応じた賞球の払い出しを制御する。
出力処理(ステップS9)では、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理やステップS4の特別図柄処理等でRAM103にセットされた各種コマンドや演出に必要な情報を演出制御部130へ送る。また、ステップS8の賞球処理でRAM103にセットされた賞球の払い出しを指示するコマンドを払出制御部120へ送る。
[遊技制御部100による始動口スイッチ処理]
図14は、図13のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。遊技制御部100のCPU101は、図14に示されるように、第1始動口スイッチ111からの検出信号の有無に基づいて、第1始動口21に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ111がONになったか否かを判定する(ステップS21)。第1始動口スイッチ111がONになったと判定した場合(ステップS21:YES)、CPU101は、ROM102から第1特別図柄抽選の最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第1特別図柄抽選の保留数U1が上限値Umax1未満であるか否かを判定する(ステップS22)。
CPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS22:YES)、RAM103に記憶されている保留数U1の値を「1」加算した値に書き換える(ステップS23)。そして、CPU101は、ステップS23の処理によって保留した第1特別図柄抽選等に使用される乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、RAM103の所定領域に格納する(ステップS24)。
第1始動口スイッチ111がOFFであると判定した場合(ステップS21:NO)、保留数U1が最大保留数Umax1と等しいと判定した場合(ステップS22:NO)、又はステップS24の処理を行った場合、CPU101は、第2始動口スイッチ112からの検出信号の有無に基づいて、第2始動口22に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ112がONになったか否かを判定する(ステップS25)。第2始動口スイッチ112がONになったと判定した場合(ステップS25:YES)、CPU101は、ROM102から第2特別図柄抽選の最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第2特別図柄抽選の保留数U2が最大保留数Umax2未満であるか否かを判定する(ステップS26)。
CPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS26:YES)、RAM103に記憶されている保留数U2の値を「1」加算した値に書き換える(ステップS27)。そして、CPU101は、ステップS27の処理によって保留した第2特別図柄抽選等に使用される乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、RAM103の所定領域に格納する(ステップS28)。
第2始動口スイッチ112がOFFであると判定した場合(ステップS25:NO)、保留数U2が最大保留数Umax2と等しいと判定した場合(ステップS26:NO)、又はステップS28の処理を行った場合、一連の処理が終了して図13のステップS3におけるゲートスイッチ処理へ処理が進められる。
[遊技制御部100による特別図柄処理]
図15は、図13のステップS4における特別図柄処理の詳細フローチャートである。図15に示されるように、遊技制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている情報に基づいて、パチンコ遊技機1の現在の状態が大当たり中であるか否かを判定する(ステップS41)。大当たり中であるとCPU101が判定した場合(ステップS41:YES)、既に何らかの大当たりを表す特別図柄が選択されて停止表示されている状態であるため、特別図柄の変動表示を開始することなく特別図柄処理を終了し、図13のステップS5における普通図柄処理へ処理が進められる。
CPU101は、大当たり中ではないと判定した場合(ステップS41:NO)、表示器4の第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42による特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS42)。CPU101は、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS42:NO)、RAM103に記憶されている保留数U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS43)。CPU101は、保留数U2が「1」以上であると判定した場合(ステップS43:YES)、RAM103に記憶されている保留数U2を「1」減算した値に書き換える(ステップS44)。
CPU101は、保留数U2が「1」以上ではない(第2特別図柄抽選が保留されていない)と判定した場合(ステップS43:NO)、RAM103に記憶されている保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS45)。CPU101は、保留数U1が「1」以上であると判定した場合(ステップS45:YES)、RAM103に記憶されている保留数U1を「1」減算した値に書き換える(ステップS46)。一方、保留数U1が「1」以上ではない(第1特別図柄抽選が保留されていない)とCPU101が判定した場合(ステップS45:NO)、特別図柄の変動表示を開始することなく特別図柄処理を終了し、図13のステップS5における普通図柄処理へ処理が進められる。
CPU101は、ステップS44又はステップS46の処理を行った後、大当たり判定処理を実行する(ステップS47)。具体的には、ステップS44の処理に続いてステップS47の処理を実行する場合、CPU101は、ROM102に記憶されている大当たりの当選値をRAM103に読み出し、第2始動口22への遊技球の入賞を契機としてステップS28の処理(図14参照)で取得されてRAM103に格納された大当たり乱数がこの大当たりの当選値と一致するか否かに基づいて、第2特別図柄抽選の結果が大当たりであるかハズレであるかを判定する。一方、ステップS46の処理に続いてステップS47の処理を実行する場合、CPU101は、ROM102に記憶されている大当たりの当選値をRAM103に読み出し、第1始動口21への遊技球の入賞を契機としてステップS24の処理(図14参照)で取得されてRAM103に格納された大当たり乱数がこの大当たりの当選値と一致するか否かに基づいて、第1特別図柄抽選の結果が大当たりであるかハズレであるかを判定する。
第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果が大当たりである場合、CPU101は、複数種の大当たりのそれぞれに割り当てられた図柄乱数をROM102から読み出す。そして、上述した当選値と一致するか否かの判定に使用した大当たり乱数と一緒に取得された図柄乱数が、複数種の大当たりのいずれの大当たりに割り当てられた図柄乱数と一致するかに応じて、大当たりの種類を判定する。そして、この大当たりの種類に応じた大当たり図柄を設定情報としてRAM103にセット(格納)する。一方、大当たりの判定結果がハズレである場合には、特別図柄抽選に落選したことを表すハズレ図柄を設定情報としてRAM103にセットする。
CPU101は、ステップS47の処理によって大当たり抽選の結果に応じた大当たり図柄又はハズレ図柄を設定情報としてセットした後に、変動パターン選択処理を実行する(ステップS48)。具体的には、ステップS47の大当たり判定処理で大当たりしたと判定した場合、大当たり用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットする。一方、ハズレと判定した場合、ROM102に記憶されているリーチ乱数をRAM103に読み出し、ステップS47の大当たり判定処理に使用した大当たり乱数及び図柄乱数と一緒に取得されたリーチ乱数が、このROM102から読み出したリーチ乱数と一致するか否かに基づいて、遊技者に対して大当たりを期待させるためのリーチ演出を行うか否かを判定する。そして、リーチ演出を行うと判定した場合にはリーチ用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットし、リーチ演出を行わないと判定した場合にはハズレ用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットする。ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の乱数値とを対応付けたテーブルである。
次に、CPU101は、セットした変動パターンテーブルを参照して、ステップS47の大当たり判定処理に使用した大当たり乱数及び図柄乱数と一緒に取得された変動パターン乱数に対応する変動パターンを選択することによって特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する。このようにして選択された変動パターンは、設定情報としてRAM103にセットされる。
ステップS47の大当たり判定処理及びステップS48の変動パターン選択処理を行った後、CPU101は、大当たり判定処理を行ってセットした図柄の設定情報、変動パターン選択処理を行ってセットした変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す遊技状態情報等を含む変動開始コマンドを生成してRAM103にセットする(ステップS49)。この変動開始コマンドは、液晶表示器5による特別図柄(装飾図柄)の変動表示の開始を指示するコマンドであって、図13のステップS9における出力処理によって演出制御部130へ送信される。
ステップS49の処理に続いて、CPU101は、ステップS49の処理でセットされた変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、表示器4の第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42による特別図柄の変動表示を開始し(ステップS50)、変動時間の計測を開始する(ステップS51)。この変動時間を示す情報は、RAM103に一時的に格納される。なお、ステップS50における特別図柄の変動表示は、ステップS44の処理の後に行われる場合には第2特別図柄表示器42を用いて行われ、ステップS46の処理の後に行われる場合には第1特別図柄表示器41を用いて行われる。
CPU101は、ステップS51の処理によって変動時間の計測を開始した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS42:YES)、ステップS51における変動時間の計測開始からステップS48の変動パターン選択処理で設定された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS52)。変動時間が経過していないとCPU101が判定した場合(ステップS52:NO)、特別図柄処理を終了して、図13のステップS5における普通図柄処理へ処理が進められる。
一方、CPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS52:YES)、液晶表示器5による特別図柄(装飾図柄)の変動表示の終了を指示する変動停止コマンドをRAM103にセットし(ステップS53)、ステップS50の処理で開始した第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42による特別図柄の変動表示を終了する(ステップS54)。そして、CPU101は、計測した変動時間をリセットする(ステップS55)。なお、ステップS53の処理でセットされた変動停止コマンドは、図13のステップS9における出力処理によって演出制御部130へ送信される。
CPU101は、変動時間をリセットした後、ステップS47の大当たり判定処理の結果に応じてパチンコ遊技機1の遊技状態を変更したり、大当たりと判定した場合に大入賞口制御部116に大入賞口23の開閉制御を開始させるといった停止中処理を実行する(ステップS56)。
[本実施形態特有の演出の概要]
次に、本実施形態に係る遊技機1に特有の演出について説明する。図16は、本実施形態における演出の一例を示す図である。本実施形態では、特別図柄の変動開始後、例えば、リーチに発展した場合に、液晶表示器5およびEL表示器6による所定の演出が行われる。例えば、図16(A)に示すように、液晶表示器5には、所定のオブジェクト550および551が表示され、EL表示器6には、所定のオブジェクト550又は551を把持するためのクレーンオブジェクト610が表示される。遊技者は、演出キー38を操作することによって、EL表示器6を所定のオブジェクト550又は551が表示された位置に移動させて、クレーンオブジェクト610を用いて所定のオブジェクト550又は551を把持する(図16(B))。次に、遊技者は、演出キー38を操作して、クレーンオブジェクト610で把持した所定のオブジェクト550又は551を所定の位置まで移動させる(図16(C))。特別図柄抽選の結果が大当たりである場合、遊技者は、所定のオブジェクト550又は551を所定の位置まで移動させることができる。特別図柄抽選の結果が大当たりである場合は、図16(C)の表示の後、特別図柄(装飾図柄555)の変動が停止して抽選の結果が大当たりであることが報知される。一方、特別図柄抽選の結果がはずれである場合、遊技者は、所定のオブジェクト550又は551を所定の位置まで移動させることができず、例えば、図16(B)においてクレーンオブジェクト610を用いて所定のオブジェクト550を把持することができなかったり、所定のオブジェクト550を把持して所定の位置に移動させる途中で、所定のオブジェクト550が落下したりする様子が表示される。
また、他の例では、例えば、特別図柄の変動開始後、野球ゲームの一例が画面に表示されてもよい。図17は、本実施形態における演出の一例を示す図である。具体的には、図17(A)に示すように、液晶表示器5には、ピッチャー560が表示され、EL表示器6にはバッター620が表示される。EL表示器6は、液晶表示器5の画面の前面であって、当該画面の左右方向に関して中央、かつ、上下方向に関して下方に予め配置しているものとする。そして、特別図柄の変動開始後、液晶表示器5に表示されたピッチャー560が投球を開始し、ボール561が液晶表示器5の画面上を移動する。所定時間経過後、ボール561がEL表示器6の画面の領域内に移動すると、EL表示器6を通して液晶表示器5に表示されたボール561が視認可能となる。次に、図17(B)に示すように、ボール561とバッター620との距離が所定の範囲になると、例えば、演出ボタン37が押された場合、バッター620がスイングを行う様子がEL表示器6に表示される。そして、特別図柄抽選の結果に応じて、所定の演出が行われる。例えば、特別図柄抽選の結果が大当たりであった場合は、ボール561がバッター620の所持するバットにヒットする。そして、ボール561がピッチャー560の投球方向とは反対方向に跳ね返されて、EL画面60の領域を超えて液晶画面50上を移動し、ホームランとなる。また、図17(C)に示すように、例えば、特別図柄抽選の結果がはずれであった場合は、ボール561の軌道が変化してボール561をEL表示器6のEL画面60を通して視認不可能となり、バッター620は空振りする。なお、遊技者がピッチャー560を操作することによって、ボールの軌道を変化させてもよい。
図16に示す演出が実行される場合の処理の流れについて、図18を用いて説明する。図18は、上記演出を実行するための各制御部の処理の流れの概要を示す図である。図18では、特別図柄の変動開始後に図16に示す演出が開始された後の処理の流れが示されている。図18に示すように、(1)演出キー38からの入力を演出制御部130が受け付ける。特別図柄の変動開始後に上記演出が開始されると、遊技者に演出キー38の操作を促すための画像が液晶表示器5に表示されたり、演出キー38に内蔵されているボタンランプ40が発光されたりする。次に、(2)演出キー38からの入力情報に基づいて、EL表示器6の位置を制御するためのコマンドが演出制御部130からランプ制御部150に送信される。ランプ制御部150は、当該コマンドに基づいて、第1ステッピングモータ29および第2ステッピングモータ30を動作させて、EL表示器6を移動させる。すると、(3)光センサ56がEL表示器6の位置を検出して、演出制御部130に位置情報が出力される。(4)演出制御部130は、当該位置情報を画像音響制御部140に送信する。(5)画像音響制御部140は、受信したEL表示器6の位置情報と、液晶表示器5の液晶画面50に表示された所定のオブジェクト(550や551)との位置関係を算出する。そして、(6)画像音響制御部140は、算出した位置関係が所定の条件を満たす場合、液晶表示器5及びEL表示器6に表示させる画像を変化させる。例えば、これらの位置関係が、遊技者が所定のオブジェクト550をEL表示器6の画面を通して視認可能な位置である場合、EL表示器6の移動に伴って、液晶表示器5に表示された所定のオブジェクト(550や551)が移動する。
なお、図16(B)に示す場合において、EL表示器6には、EL表示器6に表示されるクレーンオブジェクト610が表示されるとともに、所定のオブジェクト550も表示される。具体的には、液晶表示器5に表示される所定のオブジェクト550と重なるようにして、EL表示器6にも所定のオブジェクトが表示される。EL表示器6のEL画面60は透過型の画面であるため、EL表示器6に所定のオブジェクト550を表示しなくても、遊技者はEL画面60を通して、液晶表示器5に表示された所定のオブジェクト550を視認することができる。しかしながら、EL画面60の光の透過率や外部からの反射光によっては、EL画面60を通して、液晶表示器5に表示された所定のオブジェクト550を見難い場合がある。従って、EL表示器6にも、所定のオブジェクト550を表示する。図17(B)に示す場合も同様に、バッター620に加えてボール561もEL表示器6に表示される。なお、必ずしもEL表示器6に所定のオブジェクト550(ボール561)を表示する必要はない。
以上のように、本実施形態では、液晶表示器5に表示されたオブジェクトと、EL表示器6との位置関係が所定の条件を満たす場合、液晶表示器5およびEL表示器6に表示されるオブジェクトが互いに連動して変化する。ここで、液晶表示器5に表示されたオブジェクトと、EL表示器6との位置関係とは、液晶表示器5に表示されたオブジェクトに対するEL表示器6の相対的な位置を示す。例えば、位置関係は、これらの間の距離であったり、あるいは、距離と方向とを示す情報であったりする。また、上記位置関係が所定の条件を満たす場合とは、例えば、EL表示器6を通して液晶表示器5に表示されたオブジェクトを視認可能である場合や、これらの距離が所定の閾値以下である場合等である。
本実施形態では、液晶表示器5の液晶画面50に表示される画像(以下「メイン画像」と呼ぶ)と、EL表示器6のEL画面60に表示される画像(以下「サブ画像」と呼ぶ)とは、上記画像音響制御部140の1つのVDP142によって生成される。具体的には後述するが、VDP142のフレームバッファ(1426A又は1426B)にメイン画像が描画されるとともに、当該フレームバッファの空き領域にサブ画像が描画される。
ところで、第1フレームバッファ1426A及び第2フレームバッファ1426Bは、本実施形態においては、いずれも垂直方向11に720ドット、水平方向12に960ドットの画素データを格納可能なメモリ領域を有している(図21(A)参照)。これに対して、液晶表示器5の液晶画面50に表示される画像(メイン画像)は、垂直方向11に600ドット、水平方向12に800ドットの画素データから構成されている(図21(A)参照)。このため、EL画面60には画像を表示せずに液晶画面50にのみ画像を表示する場合には、何ら問題なく描画処理を行うことができる。しかしながら、EL画面60に表示される画像(サブ画像)が垂直方向11に240ドット、水平方向12に320ドットの画素データから構成されており(図21(C)参照)、メイン画像及びサブ画像を並べて描画した場合に垂直方向11又は水平方向12の画素数が第1フレームバッファ1426Aに格納可能な画素データの画素数を超えるため、そのままでは、第1フレームバッファ1426Aにメイン画像及びサブ画像を一緒に描画することは不可能である。これは、第2フレームバッファ1426Bにメイン画像及びサブ画像を描画する場合についても同様である。そこで、本実施形態に係るVDP142は、第1フレームバッファ1426Aにメイン画像を描画した後にできる空き領域(図21(B)参照)にサブ画像を複数の領域に分割した状態で描画することによって、第1フレームバッファ1426A(又は第2フレームバッファ1426B)にメイン画像及びサブ画像を一緒に描画することを可能にしている。以下、このような描画処理を実現するためのパチンコ遊技機1の動作について詳細に説明する。なお、以下の説明では、第1フレームバッファ1426Aを使用して描画処理が行われる場合を例に説明するが、第2フレームバッファ1426Bを使用して描画処理を行う場合にも同様の処理が行われる。
[画像音響制御部140による分割画像サイズ及び分割数の設定]
第1フレームバッファ1426A及び第2フレームバッファ1426Bは、メイン画像が描画された場合に、描画処理に使用されていない空き領域が生じる(図20(D)参照)。サブ画像は、この空き領域に描画されるが、空き領域にそのまま描画できない場合には複数の領域に分割された分割画像として空き領域に描画される。サブ画像を分割画像として描画する処理は、予め設定された分割画像サイズSS及び分割数SNに基づいて行われる。
以下、図19〜図21を参照しつつ、分割画像サイズSS及び分割数SNを設定する処理について説明する。ここで、図19は、画像音響制御部140によって行われる設定処理の一例を示すフローチャートである。図20は、メイン画像サイズ、サブ画像サイズ、フレームバッファサイズ、及び空き領域のサイズについて説明するための説明図である。図21は、画像音響制御部140によって行われる設定処理について説明するための説明図である。なお、図19以降のフローチャートに基づいて説明する画像音響制御部140で行われる処理は、制御用ROM144(図11参照)に記憶されているプログラムに基づいてCPU141が発行する命令に従って行われる。
例えばパチンコ遊技機1の電源が投入されたときや、液晶表示器5を用いた1画面表示から液晶表示器5及びEL表示器6を用いた2画面表示に切り替えられるとき等に、分割画像サイズSS及び分割数SNの設定処理を指示する設定指示コマンドが演出制御部130から画像音響制御部140へ送信される。これに対して、画像音響制御部140のCPU141は、設定指示コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS301)。設定指示コマンドを受信していないとCPU141が判定した場合(ステップS301:NO)、待機状態となる。
CPU141は、設定指示コマンドを受信したと判定した場合(ステップS301:YES)、メイン画像サイズ、サブ画像サイズ、及びフレームバッファ(FB)サイズを取得する(ステップS302)。具体的には、VDP142から第1フレームバッファ1426A及び第2フレームバッファ1426Bのフレームバッファサイズを取得してRAM145に格納すると共に、液晶画面50の画面解像度及びEL画面60の画面解像度をメイン画像サイズ及びサブ画像サイズとしてVDP142を介して液晶表示器5及びEL表示器6から取得してRAM145に格納する。ここで、フレームバッファサイズは、図20(A)に示されるように、第1フレームバッファ1426A(或いは第2フレームバッファ1426B)に格納可能な画素データの垂直方向11の画素数L1及び水平方向12の画素数C1を示す情報であり、本実施形態では720×960(垂直画素数L1×水平画素数C1)である(図21(A)参照)。メイン画像サイズは、図20(B)に示されるように、メイン画像を構成する画素データの垂直方向11の画素数L2及び水平方向12の画素数C2を示す情報であり、液晶画面50の画面解像度と等しく、本実施形態では600×800(垂直画素数L2×水平画素数C2)である(図21(A)参照)。サブ画像サイズは、図20(C)に示されるように、サブ画像を構成する画素データの垂直方向11の画素数L3及び水平方向12の画素数C3を示す情報であり、EL画面60の画面解像度と等しく、本実施形態では240×320(垂直画素数L3×水平画素数C3)である(図21(C)参照)。
次に、CPU141は、取得したメイン画像サイズ、及びフレームバッファサイズに基づいて、第1フレームバッファ1426Aにメイン画像を描画した後に生じる空き領域のサイズを算出する(ステップS303)。具体的には、以下の演算式を用いて、空き領域に描画可能な画素データの最低垂直画素数L4(図20(D)参照)、及び最低水平画素数C4(図20(D)参照)を算出する。
最低垂直画素数L4=垂直画素数L1−垂直画素数L2
最低水平画素数C4=水平画素数C1−水平画素数C2
本実施形態では、図21に示されるように、垂直画素数L1が「720」であり、垂直画素数L2が「600」であるため、最低垂直画素数L4として「120」が算出され、水平画素数C1が「960」であり、水平画素数C2が「800」であるため、最低水平画素数C4として「160」が算出される(図21(B)参照)。
続いて、CPU141は、以下の演算式を用いて、サブ画像を構成する画素データの総数ST、及び空き領域に描画可能な画素データの総数VTを算出し、総数STが総数VT未満か否かを判定する(ステップS304)。
総数ST=垂直画素数L3×水平画素数C3
総数VT=垂直画素数L4×水平画素数C1+水平画素数C4×(垂直画素数L1−垂直画素数L4)
ここで、垂直画素数L3は、サブ画像を構成する画素データの垂直方向11の画素数であり、水平画素数C3は、サブ画像を構成する画素データの水平方向12の画素数である。総数ST及び総数VTを算出すると、CPU141は、総数STが総数VTよりも小さいか否かを判定する。総数STが総数VT未満であれば、サブ画像をそのまま或いは分割して第1フレームバッファ1426Aに描画することができると判断することができる。一方、総数STが総数VTよりも大きければ、サブ画像を分割したとしてもそのままでは第1フレームバッファ1426Aに描画することはできないと判断することができる。
CPU141は、総数STが総数VT以下であると判定した場合(ステップS304:YES)、サブ画像を空き領域に描画するためにサブ画像を分割する必要があるか否かを判定する(ステップS305)。具体的には、サブ画像を構成する画素データの垂直画素数L3(図20(C)参照)が空き領域の最低垂直画素数L4(図20(D)参照)よりも小さいか、又はサブ画像を構成する画素データの水平画素数C3(図20(C)参照)が空き領域の最低水平画素数C4(図20(D)参照)よりも小さいかの少なくとも一方の条件を満たしているか否かを判定する。ここで、垂直画素数L3が最低垂直画素数L4よりも小さいか、又は水平画素数C3が最低水平画素数C4よりも小さければ、サブ画像を分割することなく空き領域に描画することが可能であると判定することができる。一方、垂直画素数L3が最低垂直画素数L4よりも大きく且つ水平画素数C3が最低水平画素数C4よりも大きい場合、サブ画像を空き領域にそのまま描画できないので、サブ画像を分割して描画する必要があると判定することができる。このように、CPU141は、空き領域のサイズ及びサブ画像サイズに基づいて、サブ画像の分割の必要性を判定する。
CPU141は、分割が不要であると判定した場合(ステップS305:NO)、分割数SNを「0」に設定する(ステップS306)。ここで、分割数SNは、空き領域に描画される分割画像の数を示す情報である。言い換えれば、分割数SNは、サブ画像を構成する分割画像の数を示す情報である。このステップS6で設定された分割数SNは、設定情報としてRAM145に格納される。この設定情報は、VDP142へ出力される制御信号に含まれて、VDP142へと送られる。後に詳述するが、分割数SNが「0」に設定された場合、空き領域には分割画像が描画されず、サブ画像がそのまま描画されることになる。
CPU141は、分割が必要であると判定した場合(ステップS305:YES)、空き領域サイズ及びサブ画像サイズに基づいて、分割画像サイズSS及び分割数SNを算出する(ステップS307)。ここで、分割画像サイズSSは、サブ画像が分割数SNで示される個数の分割画像に分割された場合に、1個の分割画像のサイズ(垂直画素数及び水平画素数)を示す情報である。ステップS307では、以下の演算式を用いて、分割画像サイズSS(分割画像の垂直画素数SSLと分割画像の水平画素数SSC)及び分割数SNを算出する。
分割画像の垂直画素数SSL=最低垂直画素数L4
分割画像の水平画素数SSC=最低水平画素数C4
分割数SN=(垂直画素数L3/最低垂直画素数L4)×(水平画素数C3/最低水平画素数C4)
図21(B)及び図21(C)に示されるように、本実施形態では、最低垂直画素数L4として「120」が算出され、最低水平画素数C4として「160」が算出される。このため、ここでの分割画像サイズSSは、120×160(垂直画素数SSL×水平画素数SSC)となる。また、分割数SNは、(240/120)×(320/160)により「4」が算出される。
CPU141は、分割画像サイズSS及び分割数SNを算出した後、算出した分割画像サイズSS及び分割数SNを設定情報としてRAM145に格納する(ステップS308)。この設定情報は、VDP142へ出力される制御信号に含まれて、VDP142へと送られる。なお、ステップS308の設定処理に代えてステップS306の設定処理が行われた場合には、サブ画像を分割する必要がないので分割画像サイズSSは算出されず、設定情報として、分割数SNが「0」であることを示す情報のみがVDP142へ送られる。
ここで、分割画像サイズSS及び分割数SNを変化させた場合の分割画像サイズSSと空き領域サイズとの関係について図21(C)に基づいて説明する。垂直画素数L3が「240」であり水平画素数C3が「320」であるサブ画像に対して、仮に分割数SNが「0」に設定された場合(ステップS306の処理が行われた場合)、図21(B)及び図21(C)から明らかなように、垂直画素数L3が最低垂直画素数L4を超え且つ水平画素数C3が最低水平画素数C4を超えているので、第1フレームバッファ1426Aの空き領域にサブ画像をそのまま描画することはできない。
また、仮に分割数SNが「2」に設定された場合、サブ画像を垂直画素数が「240」で水平画素数が「160」である2個の分割画像として空き領域に描画する第1の方法と、サブ画像を垂直画素数が「120」で水平画素数が「320」である2個の分割画像として空き領域に描画する第2の方法とが考えられる(図21(C)の真ん中の図を参照)。しかしながら、第1の方法でサブ画像を描画することを考えた場合、空き領域内の垂直方向11に延びる領域(図21(B)参照)に2個の分割画像を描画することは可能であるが、空き領域内の水平方向12に延びる領域に分割画像を描画することはできない。なぜなら、分割画像の垂直画素数「240」が、空き領域の最低垂直画素数L4(=120)を超えているからである。また、第2の方法でサブ画像を描画することを考えた場合、空き領域内の水平方向12に延びる領域(図21(B)参照)に2個の分割画像を描画することは可能であるが、空き領域内の垂直方向11に延びる領域に2個の分割画像を描画することはできない。なぜなら、分割画像の水平画素数「320」が、空き領域の最低水平画素数C4(=160)を超えているからである。このように、本実施形態で例示したサブ画像を分割画像として空き領域に描画する際に分割数SNを「2」に設定すると、分割画像を描画する位置によっては、分割画像を空き領域に描画できないケースが生じ得る。
これに対して、上述のように分割数SNが「4」に設定された場合、図21(B)及び図21(C)の右側の図から明らかなように、垂直画素数SSLが空き領域の最低垂直画素数L4と同じ「120」に設定され、且つ水平画素数SSCが空き領域の最低水平画素数C4と同じ「160」に設定される。そして、この分割画像サイズSSの分割画像が空き領域に4個描画されることになる。この場合、各分割画像は、空き領域内の垂直方向11に延びる領域と水平方向12に延びる領域とのいずれにも描画可能である。したがって、分割数SNが「2」に設定された場合とは異なり、分割画像を描画する位置によって空き領域に分割画像を描画できないケースが生じることはない。このように、分割数SN及び分割画像サイズSSは、分割画像をどのような配列で空き領域に描画したとしても確実に空き領域に収まるように、適切な値に設定される。
一方、上記ステップS304において総数STが総数VTよりも大きいとCPU141が判定した場合(ステップS304:NO)、たとえサブ画像を分割したとしても、サブ画像を構成する全ての画素データを空き領域に描画することは不可能である。このため、CPU141は、総数STが総数VTよりも大きいと判定した場合(ステップS304:NO)、縮小倍率を算出して(ステップS309)、算出した縮小倍率を設定情報としてRAM145に格納する(ステップS310)。そして、ステップS307,S308へ処理が進められて、分割画像サイズSS及び分割数SNが設定される。
ここで、縮小倍率の設定方法について説明する。例えばステップS309で縮小倍率が「0.5」に設定された場合、垂直画素数L3が「240」であり水平画素数C3が「320」であるサブ画像(図21(C)の左側の図を参照)が、垂直画素数L3が「120」(=240×0.5)であり水平画素数C3が「160」(=320×0.5)であるサブ画像として、ステップS307,S308の処理が行われる。この場合、描画処理に際して、VRAM_RS1425上で垂直方向11及び水平方向12の画素数を1/2にしたサブ画像が生成されて、そのサブ画像が、分割画像サイズSS及び分割数SNに基づく分割画像として第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画されることになる。そして、これらの分割画像は、垂直方向11及び水平方向12の画素数を2倍にするスケーリング処理(拡大処理)が出力回路1427によって行われてからEL表示器6へ出力される。これにより、分割したとしても空き領域に描画できないサブ画像を空き領域に描画することが可能になる。したがって、空き領域サイズに対して画面解像度が大きい画像表示器を備えるパチンコ遊技機において、従来の描画処理ではその画像表示器に画像を表示することができないという問題を、分割画像サイズSS及び分割数SNに加えて縮小倍率を設定することで解決することができる。
なお、縮小倍率は、例えば縮小後のサブ画像の総画素数(=垂直画素数×水平画素数)が、空き領域に描画可能な画素データの総数VT以下(好ましくは総数VTより所定数以上小さい値)となるように設定すればよい。これにより、サブ画像を分割画像として空き領域に描画することが可能となる。ただし、縮小倍率を小さくし過ぎると、スケーリング処理の結果としてEL表示器6に表示される画像の画質が低下するおそれがあるので、縮小倍率は、縮小後のサブ画像の総画素数が総数VTを超えない範囲で、できるだけ大きな値に設定することが好ましい。
以上説明した図19のフローチャートに基づく設定処理が行われることにより、第1フレームバッファ1426Aへのメイン画像及びサブ画像の描画に際してサブ画像の縮小が必要か否かを示す情報、縮小が必要な場合には縮小倍率、サブ画像の分割が必要か否かを示す情報、分割が必要な場合には分割画像サイズSS及び分割数SN(分割数SN=0の場合は分割数SNのみ)が、設定情報としてRAM145に格納される。後述する画像音響制御部140による画像生成処理は、この設定情報に基づいて実行される。
上記設定処理が行われることにより、例えばEL表示器6のリユースによってEL画面60の画面解像度、すなわちサブ画像サイズが変化した場合でも、第1フレームバッファ1426A又は第2フレームバッファ1426Bの空き領域へのサブ画像の描画を適切に行うことができる。
次に、図22を参照して、演出制御部130で行われる処理について説明する。図22は、演出制御部130のCPU131によって行われる処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す処理は、特別図柄の変動開始を示す変動開始コマンド(図15のステップS49)を遊技制御部100から受信したことに応じて、行われる。なお、図22では、本実施形態の遊技機1の動作に直接関連する処理のみが示されており、直接関連しない処理については省略されている。
まず、演出制御部130のCPU131は、演出キー38に内蔵されているボタンランプ40を発光させるためのコマンドをランプ制御部150に送信する(ステップS401)。これにより、演出キー38が発光して遊技者に演出キー38への操作を促すことができる。次に、CPU131は、演出キー38からの入力情報を受信する(ステップS402)。演出キー38への入力が行われた場合、演出キー38はその入力に応じた入力情報を演出制御部130に送信する。
演出制御部130のCPU131は、次に、演出キー38からの入力情報に応じたEL表示器6を移動させるためのコマンドを、ランプ制御部150に送信する(ステップS403)。これにより、ランプ制御部150は、第1ステッピングモータ29および第2ステッピングモータ30を動作させて、EL表示器6を移動させる。
その後、演出制御部130のCPU131は、光センサ56からの検出結果を取得して、EL表示器6の位置を算出(取得)する(ステップS404)。そして、CPU131は、当該EL表示器6の位置情報を示すコマンドを画像音響制御部140に送信する(ステップS405)。
以上のようにして、EL表示器6が移動されて、当該EL表示器6の位置が画像音響制御部140に送信される。
[画像生成処理]
以下、図23〜図26を参照しつつ、画像音響制御部140(CPU141又はVDP142)によって行われる画像生成処理(描画処理)について詳細に説明する。ここで、図23は、画像音響制御部140によって行われる描画処理の一例を示すフローチャートである。図24は、分割数SNが「0」に設定されている場合に画像音響制御部140によって行われる描画処理について説明するための説明図である。図25は、分割数SNが「4」に設定されている場合に画像音響制御部140によって行われる描画処理について説明するための説明図である。図26は、VDP142の出力回路1427による分割画像の出力処理について説明するための説明図である。なお、図23のフローチャートに示す処理は、制御用ROM144に記憶されているプログラムに基づいてCPU141が生成する制御信号に基づいて行われる。また、画像音響制御部140は演出制御部130からのコマンドを所定の時間間隔で受信するが、図24では、描画処理に直接関連する処理のみが示されており、当該コマンドを受信する処理等、描画処理に直接関連しない処理は省略されている。また、以下の説明では、第1フレームバッファ1426A及び第2フレームバッファ1426Bのうち、第1フレームバッファ1426Aを使用して描画処理が行われる場合を例に説明するが、第2フレームバッファ1426Bを使用した描画処理も第1フレームバッファ1426Aを使用した描画処理と同様に行われる。
まず、メイン画像及びサブ画像の描画処理に使用するフレームバッファが選択される(ステップS501)。具体的には、画像音響制御部140は、第1フレームバッファ1426A及び第2フレームバッファ1426Bのうち、液晶表示器5とEL表示器6へ画像を出力しているフレームバッファを特定して、画像を出力していない方のフレームバッファを今回のフレームの描画処理に使用するフレームバッファとして選択する。
続いて、画像音響制御部140は、演出制御部130からのコマンドに含まれるEL表示器6の位置情報(ステップS405で出力)に基づいて、液晶表示器5に表示された所定のオブジェクト(550および551)とEL表示器6との位置関係(例えば、距離)を算出する(ステップS502)。なお、画像音響制御部140は、液晶表示器5に表示された所定のオブジェクト(550および551)の位置情報を記憶しており、所定のオブジェクトを移動させる場合は、記憶した位置情報を更新する。次に、画像音響制御部140は、ステップS502で算出した位置関係が所定の位置関係か否かを判定する(ステップS503)。画像音響制御部140は、所定の位置関係であると判定した場合(ステップS503:YES)、ステップS504の処理を実行する。
ステップ504において、画像音響制御部140(VDP142の描画エンジン1424)は、液晶表示器5に表示されるメイン画像を第1フレームバッファ1426Aに描画する。ここで、画像音響制御部140は、ステップS502で算出した位置関係に応じて、所定のオブジェクト(550および551)の表示位置や形状等を変化させて、メイン画像を描画する。具体的には、装飾図柄555の画像と、所定のオブジェクト(550および551)の画像と、背景を示す背景画像とを画像用ROM148からVRAM_RS1425に読み出して、これらの画像を合成した画像であるメイン画像を第1フレームバッファ1426Aに描画する(図24および図25参照)。続いて、画像音響制御部140は、クレーンオブジェクト610および所定のオブジェクト550(又は551)を含むサブ画像を生成する(ステップS505)。具体的には、クレーンオブジェクト610を変化させた画像データ(アームが開いたクレーンオブジェクト610の画像データ)と所定のオブジェクト550の画像データとを画像用ROM148からVRAM_RS1425へ読み出し、読み出した画像データをVRAM_RS1425上で合成してサブ画像を生成する(図24および図25参照)。
一方、画像音響制御部140は、ステップS503で所定の位置関係でないと判定した場合(ステップS503:NO)、ステップS506の処理を実行する。ステップS506において、画像音響制御部140は、液晶表示器5に表示されるメイン画像を第1フレームバッファ1426Aに描画する。ここで、画像音響制御部140は、ステップS502で算出した位置関係に応じて、メイン画像を描画する。具体的には、装飾図柄555の画像と、所定のオブジェクト(550および551)の画像と、背景を示す背景画像とを画像用ROM148からVRAM_RS1425に読み出して、これらの画像を合成した画像であるメイン画像を第1フレームバッファ1426Aに描画する。続いて、画像音響制御部140は、アームが閉じたクレーンオブジェクト610の画像をサブ画像として生成する(ステップS507)。具体的には、アームが閉じたクレーンオブジェクト610の画像データを画像用ROM148からVRAM_RS1425へ読み出し、サブ画像として生成する。
ステップS505又はステップS507の処理を行ってサブ画像を生成した後、画像音響制御部140は、RAM145を参照して、ステップS310(図19参照)の処理によって設定された縮小倍率を示す情報が設定されているか否かに基づいて、縮小倍率が設定されているか否かを判定する(ステップS508)。画像音響制御部140は、縮小倍率が設定されていると判定した場合(ステップS508:YES)、RAM145に記憶された縮小倍率を示す情報に基づいて、ステップS505又はステップS507の処理で生成したサブ画像に対して縮小処理を行う(ステップS509)。例えば縮小倍率が「0.5」に設定されている場合、画像音響制御部140は、垂直画素数L3が例えば「480」で水平画素数C3が「640」のサブ画像から垂直画素数L3が「240」(=480×0.5)で水平画素数C3が「320」(=640×0.5)のサブ画像を生成する。その結果、分割したとしても空き領域に描画できなかったサブ画像の描画が可能となる。
画像音響制御部140は、ステップS509の処理を行った場合、又は縮小倍率が設定されていないと判定した場合(ステップS508:NO)、RAM145に記憶された分割数SNが「0」であるか否かを判定する(ステップS510)。分割数SNが「0」であると判定した場合(ステップS510:YES)、VRAM_RS1425内のサブ画像を分割することなく第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画することができるので、サブ画像をそのまま第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画する(ステップS511)。具体的には、ステップS505(又はS507)の処理でVRAM_RS1425に生成したサブ画像を第1フレームバッファ1426Aの空き領域にそのまま描画する。ちなみに、図19に示されるように、本実施形態では、ステップS310の処理によって縮小倍率が設定された場合には分割数SNは「0」以外の値に設定されるので、ステップS511以降の処理が行われることはない。
このように、画像音響制御部140は、分割が不要であると予め判定されている場合には、メイン画像の描画によってできた第1フレームバッファ1426A内の空き領域にサブ画像を分割することなく描画する。
図24には、サブ画像が分割されることなく第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画される例が示されている。図24に例示されているように、垂直画素数L2が「600」で水平画素数C2が「800」のメイン画像に対して上述した例とは異なり垂直画素数L1が「840」で水平画素数C1が「1120」であるフレームバッファが用意されている場合、そのフレームバッファの空き領域の最低垂直画素数L4は「240」(=840−600)で、最低水平画素数C4は「320」(=1120−800)である。このような空き領域に垂直画素数L3が「240」であり水平画素数C3が「320」であるサブ画像を描画する場合、サブ画像の垂直画素数L3が最低垂直画素数L4と等しく、且つ水平画素数C3が最低水平画素数L4と等しいので、サブ画像の分割は不要である。このような場合に分割数SNが「0」に設定され、画像音響制御部140(描画エンジン1424)は、サブ画像を分割することなく第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画する。
ステップS511の処理を行った場合、画像音響制御部140は、第2フレームバッファ1426Bに格納されている前のフレームの画像を表示する処理が完了して、ステップS504(又はS506),S511の処理で第1フレームバッファ1426Aに描画した次のフレームの画像を表示するタイミングになったか否かを判定する(ステップS512)。表示タイミングになっていないと判定した場合(ステップS512:NO)、処理がステップS512へ戻されて待機状態となる。
表示タイミングになったと画像音響制御部140が判定した場合(ステップS512:YES)、出力回路1427は、図24に示されているように、メイン画像を第1フレームバッファ1426Aから読み出して液晶表示器5へ出力すると共に(ステップS513)、サブ画像を同じく第1フレームバッファ1426Aから読み出してEL表示器6へ出力する(ステップS514)。
一方、画像音響制御部140は、分割数SNが「0」ではない(2以上の偶数である)と判定した場合(ステップS510:NO)、サブ画像を分割画像として第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画する(ステップS515)。具体的には、ステップS505(又はS507)の処理でVRAM_RS1425に生成したサブ画像、又はステップS509の処理で縮小したサブ画像を、RAM145に記憶された分割画像サイズSSの分割数SN個の分割画像に分割して、各分割画像を第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画する。
図25には、分割数SNが「4」であり、垂直画素数L3が「240」で水平画素数C3が「320」であるサブ画像が4個の分割画像(図21(C)参照)に対して分割画像サイズSSが120×160(垂直画素数×水平画素数)に設定されている場合に(図21(C)の右側の図を参照)、第1フレームバッファ1426Aにメイン画像を描画した場合に生じた空き領域に対して、サブ画像が4個の分割画像として描画される様子が示されている。サブ画像の分割が必要であると図19に示す設定処理で予め判定されている場合、描画エンジン1424は、図25に例示されるように、サブ画像を複数の領域に分割して得られる分割画像(ここでは4個の分割画像)として第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画する。
このように、描画エンジン1424は、図19に示す設定処理で分割が必要であると判定されて分割画像サイズSS及び分割数SNが予め設定されている場合、その設定に基づいてサブ画像を分割画像として第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画する。
分割画像を描画した場合、画像音響制御部140は、ステップS512の処理と同様に、ステップS504(又はS506),S515の処理で第1フレームバッファ1426Aに描画した次のフレームの画像を表示するタイミングになったか否かを判定する(ステップS516)。表示タイミングになっていないと画像音響制御部140が判定した場合(ステップS516:NO)、処理がステップS516へ戻されて待機状態となる。一方、表示タイミングになったと画像音響制御部140が判定した場合(ステップS516:YES)、出力回路1427は、図25に示されるように、メイン画像を第1フレームバッファ1426Aから読み出して液晶表示器5に出力する(ステップS517)。
続いて、画像音響制御部140は、ステップS508の処理を行ったか否かに基づいて、縮小倍率が設定されているか否かを判定する(ステップS518)。縮小倍率が設定されていないと画像音響制御部140が判定した場合(ステップS518:NO)、すなわち図19に例示される設定処理でステップS309,S310の処理が行われていない場合、出力回路1427は、分割画像を第1フレームバッファ1426Aから読み出して、サブ画像としてEL表示器6に出力する(ステップS519)。
ところで、メイン画像は、液晶画面50を構成する画素(カラー液晶素子52)と同じ配列で第1フレームバッファ1426Aに格納されている。このため、メイン画像を構成する各画素データに関しては、そのままの順番で液晶表示器5に出力すればよい。また、サブ画像が縮小や分割されることなく第1フレームバッファ1426Aに描画された場合(図24参照)、このサブ画像は、EL画面60を構成する画素と同じ配列で第1フレームバッファ1426Aに格納されている。このため、このサブ画像を構成する各画素データに関しては、そのままの順番でEL表示器6に出力すればよい。
これに対して、サブ画像が分割画像として第1フレームバッファ1426Aに描画された場合(図25参照)、このサブ画像は、EL画面60を構成する画素とは異なる配列で第1フレームバッファ1426Aに格納されている。そこで、サブ画像がEL画面60に正しく表示されるように、出力回路1427は、サブ画像を構成する各画素データが本来出力されるべき所定の順序で出力されるように、分割画像を構成する各画素データを読み出す。例えば図25に例示された配列で4個の分割画像が第1フレームバッファ1426Aに格納されている場合、出力回路1427は、図26に示されるように、サブ画像の左上方の領域と同じ表示内容を示す第1分割画像に対して、水平方向12に1ライン分の画素データを読み出して出力する処理と、サブ画像の右上方の領域と同じ表示内容を示す第2分割画像に対して、水平方向12に1ライン分の画素データを読み出して出力する処理とを交互に繰り返す。これにより、サブ画像の上半分に対応する画素データが出力されたことになる。続いて、サブ画像の左下方の領域と同じ表示内容を示す第3分割画像に対して、水平方向12に1ライン分の画素データを読み出して出力する処理と、サブ画像の右下方の領域と同じ表示内容を示す第4分割画像に対して、水平方向12に1ライン分の画素データを読み出して出力する処理とを交互に繰り返す。これにより、分割画像の下半分に対応する画素データが出力されたことになる。
このように、出力回路1427は、サブ画像が分割画像として描画された場合であってもそのサブ画像が正しくEL画面60に表示されるように分割画像の読み出しを行う。
一方、画像音響制御部140は、縮小倍率が設定されていると判定した場合(ステップS518:YES)、分割画像を拡大してから、サブ画像としてEL表示器6に出力する(ステップS520)。具体的には、出力回路1427は、縮小倍率の逆数を拡大倍率として第1フレームバッファ1426A内の各分割画像に対して拡大処理を行い、拡大処理された分割画像をEL表示器6に出力する。その結果、EL画面60の画面解像度と同じ画素数のサブ画像が出力される。例えば縮小倍率が「0.5」に設定されている場合、画像音響制御部140は、拡大倍率2倍(=1/0.5)に設定する。そして、画像音響制御部140は、第1フレームバッファ1426Aに格納されている各分割画像をVRAM_RS上で2倍に拡大して、拡大処理した各分割画像を、サブ画像として出力する。
ステップS514の処理、ステップS519の処理、又はステップS520の処理が行われた後、処理がステップS501へ戻されて次のフレームに対してステップS501以降の処理が行われる。
[本実施形態の作用効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、遊技者による演出キー38に対する操作に応じて、EL表示器6が移動し、液晶表示器5に表示された所定のオブジェクトとEL表示器6との位置関係が変化する。ここで、位置関係とは、例えば所定のオブジェクトの位置に対するEL表示器6の相対的な位置を示す。そして、上記位置関係が所定の条件を満たす場合、所定のオブジェクトとEL表示器6に表示されたオブジェクト(クレーンオブジェクト)とが連動して動作する。具体的には、EL表示器6の位置が、液晶表示器5に表示された所定のオブジェクトをEL表示器6の画面を通して視認可能な位置である場合、液晶表示器5に表示された所定のオブジェクトは、EL表示器6に移動に伴って移動する。これにより、より効果的な演出を実現することができる。すなわち、複数の画面に表示されたオブジェクト同士が連動するため、遊技者の注意が1つの画面(オブジェクト)に固定されず、遊技者の遊技に対する興味を持続させることができる。
また、本実施形態によれば、EL表示器6が遊技者の操作によって移動するため、さらに興趣性を向上させることができる。すなわち、遊技者は自身の操作によってEL表示器6を移動させて、液晶表示器5に表示されたオブジェクトとEL表示器6に表示されたオブジェクトとを連動させることができるため、遊技者は積極的にゲームを楽しむことができる。
また、本実施形態によれば、サブ画像が第1フレームバッファ1426A又は第2フレームバッファ1426Bの空き領域に収まるように分割された状態で描画される。このため、複数の画面を有する場合であっても、1つのVDPで画像を生成することができ、製造コストの上昇を抑えることができる。また、必要以上に容量が大きいフレームバッファを設けることなく、液晶画面50に表示されるメイン画像、及びEL画面60に表示されるサブ画像を1個の描画手段(本実施形態では描画エンジン1424)によって1個のフレームバッファ(第1フレームバッファ1426A又は第2フレームバッファ1426B)に描画することができる。したがって、液晶表示器5及びEL表示器6を備えることによる製造コストの上昇を最低限に抑えることができる。
また、特別図柄等を表示する液晶表示器5とは別の画像表示器(例えばEL表示器6)を追加した遊技機を製造する場合、EL表示器6の画面解像度(=サブ画像の垂直画素数×水平画素数)は、どのような画面解像度のEL表示器6が追加されるかによって大きく異なる。本実施形態によれば、サブ画像が第1フレームバッファ1426A又は第2フレームバッファ1426Bの空き領域に収まるように分割画像サイズSS及び分割数SNが算出されて、その算出結果に基づいてサブ画像が分割画像として描画される。このため、液晶画面50又はEL画面60の画面解像度が変化したとしても、第1フレームバッファ1426A又は第2フレームバッファ1426Bへの描画処理を適切に行うことができる。
また、本実施形態によれば、メイン画像を描画した後の第1フレームバッファ1426A(又は第2フレームバッファ1426B)の空き領域にサブ画像を分割しなければ描画できない場合にのみサブ画像が分割画像として描画され(図25参照)、分割が不要な場合にはサブ画像が空き領域にそのまま描画される(図24参照)。このため、第1フレームバッファ1426A又は第2フレームバッファ1426Bの空き領域に対するサブ画像のサイズに応じた適切な描画処理を行うことができる。
[変形例]
上記実施形態では、特別図柄が変動してリーチ演出が実行された場合に、EL表示器6の位置に応じて、液晶表示器5に表示されたオブジェクトとEL表示器6に表示されたオブジェクトとを連動させた。他の実施形態では、特別図柄の変動後の予告演出において、上記演出が行われてもよい。
また、本実施形態ではEL表示器6が遊技者の操作によって移動する場合について説明した。他の実施形態では、EL表示器6は遊技者の操作によらずに、自動で移動してもよい。
また、本実施形態では、EL表示器6が移動することにより、液晶表示器5に表示されたオブジェクトとEL表示器6との位置関係(相対位置)が変化した。他の実施形態では、図17に示す演出例のように、EL表示器6が固定されてもよい。この場合において、上記位置関係は、液晶表示器5に表示されたオブジェクトが(遊技者の操作又は遊技者の操作によらずに)移動することにより、変化する。そして、変化した位置関係に応じて、当該オブジェクトとEL表示器6に表示されるオブジェクトとが連動してもよい。すなわち、液晶表示器5に表示されたオブジェクトをEL表示器6のEL画面60を通して視認可能である場合、液晶表示器5に表示されたオブジェクトとEL表示器6に表示されたオブジェクトとが連動してもよい。また、他の実施形態では、EL表示器6が移動するとともに、液晶表示器5に表示されたオブジェクトも移動してもよい。
また、EL表示器6のEL画面60は必ずしも透過型の画面である必要はなく、非透過型の画面であってもよい。
また、EL表示器6を移動させる駆動機構は上述のようなものに限らない。例えば、複数の関節を有するアームによって構成される機構によって、EL表示器6が移動されてもよい。
また、上記実施形態では、CPU141が分割画像サイズSS及び分割数SNを算出する場合について説明したが、パチンコ遊技機1は、必ずしもこれらは計算により算出される必要はない。例えば、分割画像サイズSS及び分割数SNは、設定処理によって算出される代わりに例えば予め制御用ROM144に記憶されていてもよい。
また、上記実施形態では、パチンコ遊技機1がサブ画像の分割が必要か否かを判定したが、例えば分割が必要であることが明らかである場合等には、分割が必要か否かの判定処理を行うことなくサブ画像を分割画像として描画するようにしてもよい。すなわち、本発明の遊技機は、必ずしも分割判定を行う必要はない。
また、上記実施形態では、1個の描画エンジン1424がメイン画像及びサブ画像の両方の描画処理を行う場合について説明したが、メイン画像の描画処理を行う描画エンジンとは別の描画エンジンによってサブ画像の描画処理を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、光センサ56の検知結果に基づいてEL画面60の位置を検出する場合について説明したが、これに代えて、第1ステッピングモータ29、及び第2ステッピングモータ30のステップ数に基づいて、EL画面60の位置を検出するようにしてもよい。また、他の実施形態では、非接触で物体の存否を検出する複数の近接センサ等を駆動機構10の内部に配設し、当該近接センサを用いてEL表示器6の位置を検出してもよい。
1 パチンコ遊技機
2 遊技盤
5 液晶表示器(本発明の第2画像表示器の一例)
6 EL表示器(本発明の第1画像表示器の一例)
10 駆動機構
29 第1ステッピングモータ
30 第2ステッピングモータ
38 演出キー
50 液晶画面(本発明の第2表示画面の一例)
60 EL画面(本発明の第1表示画面の一例)
130 演出制御部
131 CPU
140 画像音響制御部
141 CPU
142 VDP
150 ランプ制御部
151 CPU
1424 描画エンジン
1425 VRAM_RS
1426 VRAM_FB
1426A 第1フレームバッファ
1426B 第2フレームバッファ
1427 出力回路

Claims (1)

  1. 第1画像表示器と、
    第2画像表示器と、
    始動条件の成立により取得された遊技情報に基づいて、特別遊技を行うか否かを判定する特別遊技判定手段と、
    前記第1画像表示器に第1のオブジェクトを表示させ、前記第2画像表示器に第2のオブジェクトを表示させる表示制御手段と
    前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの位置関係を変化させる変化手段とを備え、
    前記表示制御手段は、
    前記特別遊技判定手段により、特別遊技を行うと判定された場合と当該特別遊技を行わないと判定された場合とで、前記第1のオブジェクトの表示、および、前記第2のオブジェクトの表示を、それぞれ、異なる表示に制御し、
    前記変化手段によって変化した位置関係が所定の位置関係の場合、前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとを連動させる、遊技機。
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