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JP5854378B2 - 乗り心地評価方法及び乗り心地評価装置 - Google Patents

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JP5854378B2
JP5854378B2 JP2011125804A JP2011125804A JP5854378B2 JP 5854378 B2 JP5854378 B2 JP 5854378B2 JP 2011125804 A JP2011125804 A JP 2011125804A JP 2011125804 A JP2011125804 A JP 2011125804A JP 5854378 B2 JP5854378 B2 JP 5854378B2
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Description

本発明は、自動車、航空機、列車などに設置される乗物用シート、ベッド、救急車用防振架台など、各種人体支持構造により支持されている人の乗り心地を評価する乗り心地評価方法及び乗り心地評価装置に関する。
乗物に関する振動評価基準は、国際標準化機構の規格(ISO2631−1)で報告されているように、人体の共振点回りの4Hz〜10Hzを中心とした振動感受性の高い周波数帯域での評価となっており、4Hz〜10Hzの振動伝達率を低減することが乗り心地の向上のために必要と考えられている(非特許文献1参照)。一方、1Hz以下の振動伝達特性が動揺病の発症に大きく関連することが知られている(特許文献1、非特許文献2、ISO2631−3)。
特許第4080358号公報
「ヒューマンダイナミックスを考慮した車両評価」土居俊一、豊田中央研究所R&D レビュー Vol. 30 No. 3 ( 1995. 9 ) 「乗り物酔いの実験的評価法」松本亙平、藤井智弘、MEM. School . B.O.S.T. Kinki University No.12:37〜47(2003)
動揺病の発症は、乗車時における快適性を大きく損なうものである。従って、乗り心地の評価には振動に対する快適性だけでなく、動揺病の発症要件が加味されることが望ましい。また、従来、乗物用シートでは、上下方向振動入力に対する加速度応答に関する研究が多くなされている。例えば、上下方向振動入力対する頭部動揺、骨格の上下動、内蔵共振といった人が不快と知覚する領域に直結するファクターに関する評価はなされているが、その評価は、官能評価に依存するところが多い。また、加減速やステアリング操作からの反力による前後方向の人の状態の挙動の安定性やコーナリング時の左右方向の人の状態の挙動の安定性は、背部、座部のサポート性やホールド性で担保されるが、その良し悪しについても官能評価に依存するところが多く、動力学的な解析あるいはそれに生理学的な解析を加味したアプローチはあまりなされていない。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、乗物用シートなどの人体支持構造において生じる加減速やステアリング操作からの反力による人の挙動の良し悪し、コーナリング時の挙動の良し悪し、動揺病に対する快適性などを含む総合的な乗り心地評価を動力学的に解析すると共に、好ましくは、それに生理指標を加味し、乗り心地の評価を行う乗り心地評価方法及び乗り心地評価装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明では、乗り心地評価を行う乗り心地評価方法であって、頭部加速度応答のデータから、前記乗り心地を評価する乗り心地評価方法を提供する。
振動感受性の高い周波数帯域における頭部加速度応答のデータと、前記振動感受性の高い周波数帯域よりも低い周波数帯域における頭部加速度応答のデータとを用いて前記乗り心地を評価することが好ましい。前記振動感受性の高い周波数帯域よりも低い周波数帯域における頭部加速度応答のデータとして、動揺病発症の関連性の高い周波数帯域の頭部加速度応答のデータを用い、前記乗り心地を評価することが好ましい。前記振動感受性の高い周波数帯域が4Hz〜10Hzであることが好ましい。前記動揺病発症の関連性の高い周波数帯域が1Hz以下であることが好ましい。
前後振動及び上下振動に関する頭部加速度応答のデータを用い、
前後方向の乗り心地評価値を、次式:
前後乗り心地評価値=c1/(f1×p1×f2×p2×f3×p3)、
(但し、c1=調整用の定数、f1=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける1次次共振点の周波数、f2=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける2次共振点の周波数、f3=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける3次共振点の周波数、p1=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける1次共振点のゲイン、p2=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける2次共振点のゲイン、p3=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける3次共振点のゲイン、である)
により求め、
上下方向の乗り心地評価値を、次式:
上下乗り心地評価値=c10×p10/(f11×p11)、
(但し、c10=調整用の定数、p10=前記上下振動の頭部加速度応答のデータにおける1Hz以下の特定周波数のゲイン、f11=前記上下振動の頭部加速度応答のデータにおける1次共振点の周波数、p11=前記上下振動の頭部加速度応答のデータにおける1次共振点のゲイン、である)
により求め、
前記前後乗り心地評価値と前記上下乗り心地評価値とを組み合わせて乗り心地点数を求め、この乗り心地点数の大小により、前記乗り心地評価を行うことが好ましい。
前記乗り心地点数を、次式:
乗り心地点数=log(前後乗り心地評価値+上下乗り心地評価値)
により求めることが好ましい。
また、本発明は、乗り心地評価を行う乗り心地評価装置であって、頭部加速度応答のデータを用いて、前記乗り心地を評価する手段を有する乗り心地評価装置を提供する。
前記乗り心地を評価する手段が、振動感受性の高い周波数帯域における頭部加速度応答のデータと、前記振動感受性の高い周波数帯域よりも低い周波数帯域における頭部加速度応答のデータとを用いて前記乗り心地を評価する手段であることが好ましい。前記乗り心地を評価する手段が、前記振動感受性の高い周波数帯域よりも低い周波数帯域における頭部加速度応答のデータとして、動揺病発症の関連性の高い周波数帯域の頭部加速度応答のデータを用いて前記乗り心地を評価する手段であることが好ましい。前記乗り心地評価を行う手段が、前記振動感受性の高い周波数帯域として4Hz〜10Hzの頭部加速度応答のデータを用いる手段であることが好ましい。前記乗り心地評価を行う手段が、前記動揺病発症の関連性の高い周波数帯域として1Hz以下の頭部加速度応答のデータを用いる手段であることが好ましい。
前記乗り心地評価を行う手段が、
前後振動及び上下振動に関する頭部加速度応答のデータを用い、
前後方向の乗り心地評価値を、次式:
前後乗り心地評価値=c1/(f1×p1×f2×p2×f3×p3)、
(但し、c1=調整用の定数、f1=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける1次次共振点の周波数、f2=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける2次共振点の周波数、f3=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける3次共振点の周波数、p1=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける1次共振点のゲイン、p2=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける2次共振点のゲイン、p3=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける3次共振点のゲイン、である)
により求め、
上下方向の乗り心地評価値を、次式:
上下乗り心地評価値=c10×p10/(f11×p11)、
(但し、c10=調整用の定数、p10=前記上下振動の頭部加速度応答のデータにおける1Hz以下の特定周波数のゲイン、f11=前記上下振動の頭部加速度応答のデータにおける1次共振点の周波数、p11=前記上下振動の頭部加速度応答のデータにおける1次共振点のゲイン、である)
により求め、
前記前後乗り心地評価値と前記上下乗り心地評価値とを組み合わせて乗り心地点数を求め、この乗り心地点数の大小により、前記乗り心地評価を行う手段であることが好ましい。
前記乗り心地評価を行う手段が、
前記乗り心地点数を、次式:
乗り心地点数=log(前後乗り心地評価値+上下乗り心地評価値)
により求める手段を有していることが好ましい。
本発明では、頭部加速度応答のデータを用いて乗り心地を評価する。頭部加速度応答のデータは、人体支持構造において生じる加減速やステアリング操作時、コーナリング時における種々の人の挙動に対応するため、それらの良し悪しを評価するのに適している。また、振動感受性の高い周波数帯域だけでなく、それよりも低い周波数帯域の加速度応答データを併せて評価することにより、種々の挙動要因を含んだ人の状態(すなわち、総合的な乗り心地)を評価することができる。特に、動揺病発症の関連性が高い周波数帯域の振動伝達特性を加味して乗り心地評価を行うことにより、本発明により乗り心地評価が高くなる場合には、乗り心地に関する快適性が高いというだけでなく、動揺病の発症の可能性が低いことも示し、乗り物酔いを発症しやすい人にとって快適に乗車できる人体支持構造(乗物自体、乗物に設置されたシート、ベッド、救急車用防振架台など)であるか否かの評価を容易に行うことに寄与する。
図1は、本発明の一の実施形態に係る乗り心地評価手段の構成を説明するための図である。 図2(a),(b)は、上記乗り心地評価手段により乗り心地を評価する方法を説明するための図である。 図3(a)〜(c)は、入力加速度が1Hz以下の場合の被験者の頭部に発生した頭部加速度応答のデータをリサージュ図形で示したものである。 図4(a)〜(c)は、入力加速度が4Hz〜10Hzの場合の被験者の頭部に発生した頭部加速度応答のデータをリサージュ図形で示したものである。 図5は、本発明の一の実施形態に係る乗り心地評価手段により算出した乗り心地点数を示した図である。 図6は、検証指標1の評価を説明するための図であって、解析したゆらぎ波形と近似線の一例を示した図である。 図7は、検証指標1に関する評価を説明するための図であって、点数化基準を示したものである。 図8は、検証指標1に関する乗り心地点数を示した図である。 図9は、官能評価に用いたBorgスケールを示した図である。 図10は、官能評価に基づく検証指標2に関する乗り心地点数を示した図である。 図11は、官能評価による許容度に基づく検証指標3に関する乗り心地点数を示した図である。 図12は、本発明の一の実施形態に係る乗り心地評価手段により算出した乗り心地点数による評価と検証指標1との相関を示した図である。 図13は、検証指標1と検証指標2との相関を示した図である。 図14は、検証指標1と検証指標3との相関を示した図である。 図15は、本発明の一の実施形態に係る乗り心地評価手段により算出した乗り心地点数と検証指標2との相関を示した図である。 図16(a)〜(c)は、頭部における前後方向の加速度に対する上下方向の加速度の1Hz以下の図形を示した図である。 図17(a)〜(c)は、頭部における前後方向の加速度に対する上下方向の加速度の4Hz〜10Hzの図形を示した図である。 図18(a)〜(f)は、外国産車A及び国産車Bにおける各被験者の頭部加速度応答の4Hz〜10Hz成分の左右(Y axis)−前後(X axis)の挙動を示すリサージュ図形である。 図19(a)〜(f)は、外国産車A及び国産車Bにおける各被験者の頭部加速度応答の4Hz〜10Hz成分の上下(Z axis)−前後(X axis)の挙動を示すリサージュ図形である。 図20(a)〜(b)は、開発シート車Cにおける各被験者の頭部加速度応答の4Hz〜10Hz成分の左右(Y axis)−前後(X axis)の挙動を示すリサージュ図形である。 図21(a)〜(b)は、開発シート車Cにおける各被験者の頭部加速度応答の4Hz〜10Hz成分の上下(Z axis)−前後(X axis)の挙動を示すリサージュ図形である。 図22(a)〜(f)は、外国産車A及び国産車Bにおける各被験者の頭部加速度応答の0.05Hz〜3Hz成分の左右(Y axis)−前後(X axis)の挙動を示すリサージュ図形である。 図23(a)〜(f)は、外国産車A及び国産車Bにおける各被験者の頭部加速度応答の0.05Hz〜3Hz成分の上下(Z axis)−前後(X axis)の挙動を示すリサージュ図形である。 図24(a)〜(b)は、開発シート車Cにおける各被験者の頭部加速度応答の0.05Hz〜3Hz成分の左右(Y axis)−前後(X axis)の挙動を示すリサージュ図形である。 図25(a)〜(b)は、開発シート車Cにおける各被験者の頭部加速度応答の0.05Hz〜3Hz成分の上下(Z axis)−前後(X axis)の挙動を示すリサージュ図形である。 図26(a)〜(c)は、外国産車A、国産車B、開発シート車Cを運転する各被験者の前後方向の1Hz以下のパワースペクトルを示した図である。 図27(a)〜(c)は、外国産車A、国産車B、開発シート車Cを運転する各被験者の左右方向の1Hz以下のパワースペクトルを示した図である。 図28(a)〜(c)は、外国産車A、国産車B、開発シート車Cを運転する各被験者の上下方向の1Hz以下のパワースペクトルを示した図である。 図29(a)〜(c)は、外国産車A、国産車B、開発シート車Cを運転する各被験者の前後方向の頭部対フロアの加速度応答、振動伝達率を示した図である。 図30(a)〜(c)は、外国産車A、国産車B、開発シート車Cを運転する各被験者の左右方向の頭部対フロアの加速度応答、振動伝達率を示した図である。 図31(a)〜(c)は、外国産車A、国産車B、開発シート車Cを運転する各被験者の上下方向の頭部対フロアの加速度応答、振動伝達率を示した図である。 図32は、国産車Bと開発シート車Cに用いられている各シートの腰部に対応する部位の減衰比を示した図である。 図33(a)〜(c)は、加圧板直径30mm、直径98mm、直径200mmを用いた腰部対応部位における荷重−たわみ特性を示した図である。 図34は、生理指標を用いた評価した外国産車A、国産車B、開発シート車Cの評価結果を示した図である。
以下、図面に示した本発明の実施形態に基づき、本発明をさらに詳細に説明する。図1は、本発明の一の実施形態に係る乗り心地評価装置に設定された乗り心地評価を行う手段(乗り心地評価手段10)の構成を示したものである。すなわち、この乗り心地評価を行う手段は、人体の振動感受性の高い周波数帯域における前後方向及び上下方向の頭部加速度応答のデータに、動揺病発症の関連性の高い周波数帯域の頭部加速度応答のデータを加味して、乗り心地評価を行う。
具体的には、前後方向の乗り心地評価値を、次式:
「前後乗り心地評価値」=c1/(f1×p1×f2×p2×f3×p3)、
(但し、c1=調整用の定数、f1=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける1次共振点の周波数、f2=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける2次共振点の周波数、f3=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける3次共振点の周波数、p1=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける1次共振点のゲイン、p2=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける2次共振点のゲイン、p3=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける3次共振点のゲイン、である)・・・式1
により求め、
前記上下方向の乗り心地評価値を、次式:
「上下乗り心地評価値」=c10×p10/(f11×p11)、
(但し、c10=調整用の定数、p10=前記上下振動の頭部加速度応答のデータにおける1Hz以下の特定周波数のゲイン、f11=前記上下振動の頭部加速度応答のデータにおける1次共振点の周波数、p11=前記上下振動の頭部加速度応答のデータにおける1次共振点のゲイン、である)・・・式2
により求め、
前後乗り心地評価値と上下乗り心地評価値とを組み合わせて乗り心地点数を求め、この乗り心地点数の大小により、乗り心地評価を行う。
上記した人体の振動感受性の高い周波数帯域としては、人体の共振点回りである4Hz〜10Hzの周波数帯域を含むことが好ましい。動揺病発症の関連性の高い周波数帯域は1Hz以下の周波数帯域を含むことが好ましく、さらには0.1Hz〜1Hzの周波数帯域を含むことが好ましい。
「前後乗り心地評価値」の算出式の中で、前後振動の1次共振点は1Hz以下又は1Hz付近で生じ、前後振動の2次共振点は4Hz〜10Hzの範囲の中の4Hz寄りの範囲あるいはそれよりも若干低い周波数帯域(2Hz〜3Hz前後)で生じ、前後振動の3次共振点は4Hz〜10Hzの範囲の中で特に10Hz寄りの範囲で生じる。よって、前後振動の1次共振点、2次共振点、3次共振点の各周波数及び振動伝達率のゲインを考慮することは、動揺病発症との関連性の高い周波数帯域と振動感受性の高い周波数帯域の双方を考慮した指標となる。
「上下乗り心地評価値」の算出式の中では、上下振動の1Hz以下の特定周波数の振動伝達率のゲインを用いると共に、4Hz〜10Hzの範囲で生じる上下振動の1次共振点の周波数及び振動伝達率のゲインを用いており、「上下乗り心地評価値」も、動揺病発症との関連性の高い周波数帯域と振動感受性の高い周波数帯域の双方を考慮した指標となっている。なお、上下振動の1Hz以下の特定周波数は、好ましくは、0.1Hz〜1Hzの中で、動揺病を生じさせるふわふわ感の感度の高い周波数が選択される。
「前後乗り心地評価値」及び「上下乗り心地評価値」を求めたならば、それらを用いて総合的な乗り心地点数を求める。この場合、両評価値を掛け合わせればよいが、人は加速度をlogスケールで感じていると言われていることから、次式:
「乗り心地点数」=log(前後乗り心地評価値+上下乗り心地評価値)・・・式3
により対数で求めることが好ましい。
図2は、上記の乗り心地評価手段10により求めた乗り心地点数の一例を示した図である。これは、救急車用防振架台を6軸加振機に設置し、被験者を仰臥させて測定した際に加速度センサにより測定した6軸加振機上のフロアの加速度と被験者の頭部の加速度の振動伝達率を求めたものである。
図2(a)に示したように、前後方向振動に関しては、1次共振点における共振周波数が1Hzで、その振動伝達率のゲインが1.7であり、2次共振点における共振周波数が2.7Hzで、その振動伝達率のゲインが1.7であり、3次共振点における共振周波数が9.4Hzで、その振動伝達率のゲインが1.1であった。
一方、図2(b)に示したように、上下方向振動に関しては、1次共振点における共振周波数が3.7Hzで、その振動伝達率のゲインが2.7であり、1Hz以下でふわふわ感の感度が高い周波数が0.1Hzで、その振動伝達率のゲインが2.9であった。
上記の条件より、「前後乗り心地評価値」は、定数c1=2000として上記式1にあてはめると、24.8となり、「上下乗り心地評価値」は、定数c10=100として上記式2にあてはめると、29.03となる。
その結果、「乗り心地点数」は、上記式3から、log(24.8+29.03)=3.986という値が求められ、この点数が、振動感受性だけでなく、動揺病発症との関連性をも考慮した乗り心地に関する評価指標となる。
次に、上記の乗り心地評価方法の妥当性を検証するために行った実験結果について説明する。
(実験内容)
6軸加振機のフロアに救急車用防振架台を取り付け、被験者を仰臥させて6軸加振機のフロアの振動加速度と被験者の頭部の加速度を加速度センサにより測定した。被験者は20歳代〜40歳代の健康な男性4名である。
救急車用防振架台としては、次の3つの条件のものを準備し、それぞれを6軸加振機に取り付けて各被験者について実施した。
第1条件:上下方向に機能するサスペンション(上下サス)と前後方向に機能するサスペンション(前後サス)との両方を備えると共に、磁気ダンパによる減衰機構を有するサスペンションシステムを備えたもの。
第2条件:第1条件の全ての機能を使用できなくしたもの。
第3条件:前後方向の振動及び上下方向の振動に対して、回転動作して減衰する機構を備えたもの。
(実験結果)
(本発明による乗り心地点数の算出)
図3は、入力加速度が1Hz以下の場合の被験者の頭部に発生した加速度応答をリサージュ図形で示したものであり、図4は入力加速度が4Hz〜10Hzの場合の被験者の頭部に発生した加速度応答をリサージュ図形に示したものである。図中、前後方向の加速度を横軸に示し、上下方向の加速度を縦軸に示している。なお、(a)は第1条件、(b)は第2条件、(c)は第3条件での実験結果である。
これらの結果から、入力が1H以下の場合で、前後サスの影響が出ているのが第2条件の場合であり、上下方向加速度が低減されているのが第1条件の場合であり、さらに上下方向加速度が低減されたものが第3条件の場合であることがわかる。入力が4Hz〜10Hzの場合には、加速度が絶対的に小さいのは第1条件の場合であった。第2条件の場合は、加速度の低減がなされないままの状態なので加速度の絶対値が大きい。これに対し、第3条件の場合は前後方向への分散が相対的に大きいことがわかる。
図3及び図4の結果を用い、上記各式1〜3により求めた乗り心地点数を示したものが図5である。図5は、被験者4名分の算出した乗り心地点数の平均値を示す。
図5から、乗り心地点数の平均値は、第3条件の救急車用防振架台が最も高く、次いで、第1条件の救急車用防振架台であり、第2条件の救急車防振架台が最も低かった。従って、第3条件、第1条件及び第2条件の順で乗り心地(動揺病の発症しにくさと通常の乗り心地とを合わせた指標)が優れていると判定できる。
(検証指標1:生理指標(心部揺動波(APW))を用いた評価)
本出願人が、特願2011−108909号において提案した生体状態の推定方法を応用して乗り心地点数を求めるものである。生体状態の推定方法では、算出した得点により生体状態を判定するものであるが、ここでは、その得点を乗り心地点数として、点数の高いほど被験者が快適な乗り心地と感じていることを示す。
具体的には、背部に当接した生体信号測定手段としてのエアパックセンサにより心部揺動波(APW)を採取し、このAPWの時系列波形のゼロクロスの時間間間隔から周波数傾き時系列波形を求め、さらに、この周波数傾き時系列波形を周波数解析し、得られたゆらぎ波形を両軸対数表示する。このゆらぎ波形を、ULF、VLFと言われる周波数帯域に着目し、長周期領域(0.003Hz周辺の領域)、中周期領域(0.01Hz周辺の領域)及び短周期領域(0.015Hz〜0.03Hzの領域)の3つに分け、それぞれについて近似線の傾きの変化を単位時間毎に求め、その変化の度合いを乗り心地点数としたものである。変化の度合いは、近似線の傾きの符号と、3つの近似線間における折れ点いわゆる分岐現象の数で決定する。
図6は、実験の前半部分の結果と後半部分の結果に対して、上記解析を行って得られたゆらぎ波形に近似線を表示した具体例であり、図7は、乗り心地点数として点数化するための基準の一例を示した図である。図7の点数化基準により、図6の前半部分は5点(=形状得点:1点+長周期領域の得点:0点+中周期領域の得点:2点+短周期領域の得点:2点)となる。同様に、図6の後半部分は2点(=形状得点:0点+長周期領域の得点:0点+中周期領域の得点:0点+短周期領域の得点:2点)となる。得られた前半部分の得点と後半部分の得点を、図7に示した算出式:「乗り心地点数=後半の点数+(後半−前半)×3」に当てはめると、乗り心地点数は7点となる。
図8は、APWにより求めた乗り心地点数の被験者4名分の平均値を示す。この結果から、第3条件の平均値が最も高く、次いで第1条件の平均値であり、第2条件の平均値が最も低かった。
(検証指標2:官能評価(Borg)による乗り心地の評価)
各被験者について、5分ごとに、図9に示したBorgスケールによる官能評価を行った。被験者4名分の官能評価の平均値を示したのが図10であり、第3条件の平均値が最も高く、次いで第1条件の平均値が高く、第2条件の平均値が最も低かった。
(検証指標3:官能評価(許容度)による乗り心地の評価)
Borgスケールによる官能評価を基に得られる振動に対する許容度の各被験者の平均値を示したのが図11である。第3条件が最も振動に対して許容でき、第2条件が最も許容できないという結果になった。
(乗り心地点数による評価とAPWによる乗り心地の評価(検証指標1)と相関)
上記の説明から、本発明により得られる乗り心地点数は、検証指標1,2,3のいずれとも相関があると言える。しかし、APWによる乗り心地点数(検証指標1)は、図8のように分散が大きく、被験者毎に値がばらついていた。そこで、被験者毎に、APWによる乗り心地点数と本発明の振動伝達率による乗り心地点数との相関をとった。その結果が図12である。
この結果から、被験者4名の傾向は全て同じであり、相関係数の平均値R=0.655±0.262であり、分散より平均値が大きいことから、両指標には相関関係がある可能性が示唆された。
(APWによる乗り心地の評価(検証指標1)と官能評価(検証指標2,3)との相関)
次に、APWによる乗り心地点数と上記2つの官能評価による乗り心地点数との比較を行う。まず、Borgスケールによる官能評価(検証指標2)との関係では、図13のように被験者4名全てに同じ傾向がみられ、相関係数Rの平均値と分散は、R=0.802±0.284と相関関係がある可能性が示唆された。次に、振動に対する許容度(検証指標3)とAPWによる乗り心地点数の関係について同様に相関を見てみると、図14に示すように、R=0.88±0.156と相関関係がある可能性が示唆された。
(乗り心地点数による評価と官能評価(検証指標2)と相関)
次に、本発明による乗り心地点数とBorgスケールによる官能評価(検証指標2)から得られた乗り心地点数の比較を行う。この結果、図15のようにBorgスケールを用いた官能評価では、被験者4名全てで同じ傾向が得られ、R=0.928±0.088と同様の結果となり、相関関係がある可能性が示唆された。
(相対加速度を用いた検証)
図16に頭部における前後方向の加速度に対する上下方向の加速度の1Hz以下の図形を、図17に4Hz〜10Hzの図形を示す。いずれも(a)は第1条件、(b)は第2条件、及び(c)は第3条件に関する図形である。
図16の1Hz以下の場合は、第1条件の上下サス・前後サスを有するサスペンションシステムと第3条件の振り子型のサスペンションシステムとは、ほぼ同等の振動吸収性を示し、その絶対値においては、振り子型のサスペンションシステムが若干の高吸収性能を示し、縦軸を上下にし、横軸を前後方向にして加速度応答はほぼ円運動を示し、頭部に発生する加速度の変化も小さかった。一方、サスペンションシステムをロックした第2条件は、加速度の絶対値の変化も大きく、運動の方向も上下方向に大きくシフトしている。図17の4Hz〜10Hzの加速度応答の場合は、第1条件及び第3条件は、サスペンションをロックした第2条件とは異なる特性を示し、第1条件と第3条件との間では、サスペンション機構に差はあるものの、ほぼ同様の特性を示した。これらの結果より、1Hz以下では前後方向と上下方向の加速度の合力が滑らかな円運動を示し、そして加速度の絶対値の変化の小さいことが望ましいものであることがわかった。また、4Hz〜10Hzでも同様で、前後サスの機能が上下方向の加速度応答に対する軽減に果たす役割が大きいと考えられる。つまり、2方向に分けて加速度を分担し合うことの有効性が示唆された。
(除振性能に関する検証)
動揺病は、1Hz以下の振動加速度が低いことが原因とされるが、図16から、第3条件にかかる振り子式の機構では、上下方向加速度が他の条件のものよりも大幅に低減し、前後方向加速度が増加している。図17に示した4Hz〜10Hzの結果も同様であり、上下方向加速度が振り子機能によって減衰され、前後方向へと分散させていることがわかる。この点は、特に、図17に示した第1条件の傾きA、第2条件の傾きB、第3条件の傾きCの違いからも見て取れ、除振性能は第3条件が最も良いと考えられる。以上のことから、剛体構造による上下方向の加速度の減衰・振り子機構による前後方向への加速度の分散により、乗り心地の向上と動揺病の軽減効果が図られることが示された。従って、本発明による求められる乗り心地点数は、除振性能から見た場合の乗り心地評価と同様の結果が得られることがわかる。
以上のことから、人体の振動感受性の高い周波数帯域である4Hz〜10Hzの振動伝達特性と、動揺病発症の関連性の高い周波数帯域である1Hz以下の振動伝達特性を用いた本発明により算出される乗り心地点数は、生理指標による評価、官能評価、相対加速度による評価、除振性能による評価の各結果と一致しており、乗り心地の評価として妥当であると言える。また、本発明により算出される乗り心地点数に、上記した生理指標(検証指標1)による評価を加味して評価することもできる。
上記した実施形態では、救急車用防振架台に被験者を仰臥させて乗り心地の評価をしているが、自動車、航空機などの乗物用シートあるいはベッドなどの他の人体支持構造における乗り心地評価に本発明を適用可能であることはもちろんである。
(座位姿勢における実験)
そこで次に、自動車の運転席における被験者の頭部加速度応答データを測定し、座位姿勢における被験者の挙動から運転席のシートの特性を評価した実験結果について説明する。
3種類の実験用車両、外国産車A、国産車B及び開発シート車Cを準備した。外国産車Aは、市場やジャーナリストの評判で、運転して「楽しい車」と評価されている車種であり、国産車Bは、同じく市場やジャーナリストの評判で、運転しても「面白くない車」と言われている。開発シート車Cは、「面白くない車」と言われている国産車Bの標準シートに替えて、よりリラックスできるように設計したシートを搭載した車両である。走行条件はワインディング路の通常走行状態とした。そこで計測したものは運転している被験者の頭部加速度(前後左右上下3軸方向加速度計を使用)、フロアの入力加速度及び背部から入力される心部揺動波(APW)を計測した。走行路面には速度規制の異なる区間が複数含まれており、加減速による前後振動も発生するコース設定で行った。外国産車Aと国産車Bの被験者は健康な成人男性3名の被験者(Subject)1〜3(30歳代から50歳代の健康な被験者)で、開発シート車Cの被験者は健康な成人男性2名の被験者(Subject)4〜5(20歳代から30歳代の健康な被験者)で行った。
図18、図19は外国産車(Imported car)A、国産車(Domestic car)Bを運転するドライバーの頭部加速度応答の4Hz〜10Hz成分の左右(Y axis)−前後(X axis)、及び、上下(Z axis)−前後(X axis)の挙動を示す。図20、図21は開発シート車Cをドライバーの頭部加速度応答の4Hz〜10Hz成分の左右−前後、及び、上下−前後の挙動を示す。外国産車Aの各ドライバーは国産車Bの各ドライバーと比較し、上下動が小さく、前後動もスムーズな円運動を示し、ステアリングからの反力が小さいことがわかる。逆に国産車Bは頭部に直線的な動きが生じやすくなっており、ステアリング操作のマッチングが悪く、前後動を誘発しやすいものであることがわかる。
図20のドライバーは国産車Bのステアリング操作による反力の特徴が表れているが、開発シート車(The development seat)Cに設置されたシートの上下方向・前後方向の高い振動吸収性により上体の挙動はスムーズで高い制振効果が見て取れる。一方、図21のドライバーはステアリングからの反力を上体の動きとシートの特性でよく吸収し、3つの条件下の中では最も良い制振性能を示す。
図22、図23は外国産車Aと国産車Bのドライバーの頭部加速度応答の0.05Hz〜3Hz成分の左右−前後及び上下−前後の挙動を示す。図24、図25は開発シート車Cをドライバーの頭部加速度応答の0.05Hz〜3Hz成分の左右−前後及び上下−前後の挙動を示す。図22、図23より、外国産車Aのドライバー(被験者1,3)は、ステアリング操作のダイレクト感により、頭部の動きにリズムが生じていることがわかる。被験者2のドライバーは逆に動きが少ない中で車を運転している。これらの差は車の制振機能の高さを示している。一方、国産車Bは、ステアリングからの反力により、無駄な動きが生じていることがわかる。その無駄な動きは、前後の挙動に表れている。
ところが、図24、図25の開発シート車Cになると上下−前後の挙動は国産車Bのドライバーと同一の挙動を示すが、左右−前後の動きは、国産車Bと外国産車Aの中間の挙動となっている。これはステアリングからの反力をシートの背部でしっかり受け止めて、リズムを作りかけている可能性が示唆される。
図26、図27、図28は、外国産車A、国産車B、開発シート車Cを運転するドライバーの頭部の前後・左右・上下動の1Hz以下のパワースペクトルを示す。ここに外国産車Aと開発シート車Cは同じ傾向を示し、相対的に国産車Bはゆらぎ、リズムの少ない様子を示す。これが車両操作上、あまり面白くないという感覚を人に抱かせる要因が見て取れる。つまり、人がリズムを作りにくい、その多くはシートを介して人がステアリングの操作する際の反力の処理の仕方に原因があると考えられる。
図29、図30、図31は前後方向、左右方向、上下方向のドライバーの頭部体フロアの加速度応答、振動伝達率を示す。外国産車Aは上下方向の振動吸収性がサスペンションで担保され、シートは人を支え、かつステアリング、ペダルを操作するときに必要なしっかりとした支持感を創出することが役目となっている。そして、的確に人の力は、ステアリング、ペダルに伝わっていると考えられる。さらに、その挙動のばらつきが少なく、ドライバーの熟練度に左右されないものになっている。一方、国産車Bは前後の挙動に問題を提起している。ドライバーの熟練度により、その操作感が変化し、引きハンドルと送りハンドルで、その挙動に差が生じていると考えられる。開発シート車Cは、ばね特性が高いが故にその効果を助長するが、左右方向の支持性が上体回転と面剛性、そして、高い面剛性の下にあるばね特性により、力をいなして、それら上体の動きをキャンセルしているものと考えられる。
図32は国産車Bと開発シート車Cに用いられている各シートの腰部の減衰比を示す。開発シート車Cのシート(Development seat)は国産車Bに使われている従来のシート(Conventional seat)に比べて、ばね感が強いことを示す。
図33は、加圧板直径30mm、直径98mm、直径200mmを用いた腰部の荷重−たわみ特性を示す。開発シートの背部は従来のシートに比べて、硬めのシートになっている。接触面積が増すにしたがって、ばね定数は大きくなり、高い面剛性を示していることがわかる。この高い背部の面剛性が、ステアリング、ペダルのダイレクトな操作感を生んでいる。この直径98mmと直径200mmのばね定数の差が背部の回転運動を生じさせていることもわかる。
図34は、APWを用いた外国産車A(Car A)、国産車B(Car B)、開発シート車C(Car C)の感覚応答マップを示す。外国産車Aはこれまでの解析に良く従い、非常に満足興奮度の高いものになっている。一方、国産車Bは鎮静効果が高いもので、静かな走行をする車となっている。開発シート車Cはベース車両の不満点を解消しつつ、外国産車Aとの中間のポジションにその面白さがあることがわかる。
なお、図34は、本出願人が、特願2011−108909号において提案した生体状態の推定方法に用いた技術である。具体的には、上記したように、まず、背部に当接した生体信号測定手段としてのエアパックセンサにより心部揺動波(APW)を採取し、このAPWの時系列波形のゼロクロス及びピークの時間間間隔から周波数傾き時系列波形をそれぞれ求め、さらに、それぞれについて周波数傾き時系列波形を周波数解析し、得られたゆらぎ波形を両軸対数表示する。各ゆらぎ波形を、ULF、VLFと言われる周波数帯域に着目し、長周期領域、中周期領域及び短周期領域の3つに分け、それぞれについて近似線の傾きの変化を単位時間毎に求め、その変化の度合いを点数化としたものである。変化の度合いは、近似線の傾きの符号と、3つの近似線間における折れ点いわゆる分岐現象の数で決定する。例えば、図7に示した点数化基準に基づき、ゼロクロスの時間間隔を用いた場合とピークの時間間隔を用いた場合のそれぞれについて点数を算出する。そして、ゼロクロスの時間間隔を用いた場合の点数を横軸に、ピークの時間間隔を用いた場合の点数を縦軸にとった座標系に、算出された各点数を時系列にプロットし、そのプロット点同士を結んで得られたものである。横軸のプラス側ほど満足度が高く、縦軸のプラス側ほど活性度が高い状態を意味する。
上記実験から明らかなように、本発明の頭部加速度応答のデータを用いた手法によれば、座位姿勢における人の挙動を正確に把握することができる。また、振動感受性の高い4Hz〜10Hzの領域のデータを用いた制振性能に関する評価だけでなく、それよりも低い領域についても分析することで、ステアリング操作に対する反応なども把握することができ、それらも含めた総合的な乗り心地評価の手法として有用である。
10 乗り心地評価手段

Claims (4)

  1. 乗り心地評価を行う乗り心地評価方法であって、
    前後振動及び上下振動に関する頭部加速度応答のデータを用い、
    前後方向の乗り心地評価値を、次式:
    前後乗り心地評価値=c1/(f1×p1×f2×p2×f3×p3)、
    (但し、c1=調整用の定数、f1=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける1次次共振点の周波数、f2=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける2次共振点の周波数、f3=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける3次共振点の周波数、p1=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける1次共振点のゲイン、p2=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける2次共振点のゲイン、p3=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける3次共振点のゲイン、である)
    により求め、
    上下方向の乗り心地評価値を、次式:
    上下乗り心地評価値=c10×p10/(f11×p11)、
    (但し、c10=調整用の定数、p10=前記上下振動の頭部加速度応答のデータにおける1Hz以下の特定周波数のゲイン、f11=前記上下振動の頭部加速度応答のデータにおける1次共振点の周波数、p11=前記上下振動の頭部加速度応答のデータにおける1次共振点のゲイン、である)
    により求め、
    前記前後乗り心地評価値と前記上下乗り心地評価値とを組み合わせて乗り心地点数を求め、この乗り心地点数の大小により、前記乗り心地評価を行うことを特徴とする乗り心地評価方法。
  2. 前記乗り心地点数を、次式:
    乗り心地点数=log(前後乗り心地評価値+上下乗り心地評価値)
    により求める請求項1記載の乗り心地評価方法。
  3. 乗り心地評価を行う乗り心地評価装置であって、
    前後振動及び上下振動に関する頭部加速度応答のデータを用いて、前記乗り心地を評価する手段を有し、
    前記乗り心地評価を行う手段が、
    前後方向の乗り心地評価値を、次式:
    前後乗り心地評価値=c1/(f1×p1×f2×p2×f3×p3)、
    (但し、c1=調整用の定数、f1=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける1次次共振点の周波数、f2=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける2次共振点の周波数、f3=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける3次共振点の周波数、p1=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける1次共振点のゲイン、p2=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける2次共振点のゲイン、p3=前記前後振動の頭部加速度応答のデータにおける3次共振点のゲイン、である)
    により求め、
    上下方向の乗り心地評価値を、次式:
    上下乗り心地評価値=c10×p10/(f11×p11)、
    (但し、c10=調整用の定数、p10=前記上下振動の頭部加速度応答のデータにおける1Hz以下の特定周波数のゲイン、f11=前記上下振動の頭部加速度応答のデータにおける1次共振点の周波数、p11=前記上下振動の頭部加速度応答のデータにおける1次共振点のゲイン、である)
    により求め、
    前記前後乗り心地評価値と前記上下乗り心地評価値とを組み合わせて乗り心地点数を求め、この乗り心地点数の大小により、前記乗り心地評価を行う手段であることを特徴とする乗り心地評価装置
  4. 前記乗り心地評価を行う手段が、
    前記乗り心地点数を、次式:
    乗り心地点数=log(前後乗り心地評価値+上下乗り心地評価値)
    により求める手段を有している請求項3記載の乗り心地評価装置。
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