JP5738125B2 - 導電性ロール - Google Patents
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Description
実施例に係る導電性ロールの概略構成を図1、図2を用いて説明する。図1、図2に示すように、導電性ロール1は、炭素−炭素二重結合を含有するゴム材料から構成されるとともに導電性を示すゴム弾性部2を有している。なお、本例では、ゴム弾性部2は、芯金3の外周に沿って層状に形成されている。ゴム弾性部2の表面は、ロール表面に露出しており、樹脂層は形成されていない。ゴム弾性部2の表面には、シリコーン基およびフッ素含有基から選択される1種または2種以上を含む有機基がイソシアヌル酸骨格を介して結合されている。
<ゴム弾性部形成材料の調製>
ゴム弾性部の材料として、以下の材料を準備した。
・ゴム成分
イソプレンゴム(IR)[日本ゼオン(株)製、「Nipol IR2200」]
ブタジエンゴム(BR)[日本ゼオン(株)製、「Nipol BR1220」]
・導電剤
カーボンブラック(電子導電剤)[キャボットジャパン(株)製、「ショウブラックN762」]
・酸化亜鉛[堺化学工業(株)製、「酸化亜鉛2種」]
・ステアリン酸[日本油脂(株)製、「ステアリン酸さくら」]
・硫黄[鶴見化学工業(株)製、「粉末硫黄」]
・加硫促進剤
チアゾール系加硫促進剤[大内新興化学工業(株)製、「ノクセラーDM」]
チラウム系加硫促進剤[大内新興化学工業(株)製、「ノクセラーTRA」]
・無機フィラー粒子
合成炭酸カルシウム[白石カルシウム(株)製、「白艶華CCR」、平均粒径0.1μm]
重質炭酸カルシウム[白石カルシウム(株)製、「ホワイトンB」、平均粒径3.6μm]
シリカ[東ソー・シリカ(株)製、「NipsilLP」、平均粒径9μm]
準備した各材料を、表1に示す配合割合(質量部)となるように秤量した。秤量した各材料を50℃に温度調節した密閉型ミキサーを用いて10分間混練し、ゴム弾性部形成材料(1)〜(7)を調製した。
表面処理液の材料として、以下の材料を準備した。
・トリクロロイソシアヌル酸[東京化成工業(株)製]
・C=C結合含有シリコーンオイル[信越化学工業(株)製、「X−22−174DX」](上述した化2に記載の有機化合物であって、重量平均分子量が約4000に相当するもの)
・パーフルオロヘキシルエチレン(C=C結合含有)
・tert−ブチルアルコール(溶媒)
・酢酸エチル(溶媒)
準備した各材料を、表2に示す配合割合(質量部)となるように秤量した。秤量した各材料をミキサーを用いて混合することにより、表面処理液(1)〜(3)を調製した。なお、準備したC=C結合含有シリコーンオイル単体を表面処理液(4)とした。
フッ素変性アクリレート樹脂[DIC(株)製、「ディフェンサTR230K」]100質量部と、カーボンブラック[ケッチェンブラック・インターナショナル(株)製、「ケッチェンブラックEC300J」]8質量部と、メチルエチルケトン100質量部とを混合することにより、樹脂層形成材料(1)を調製した。また、樹脂層形成材料(1)の調製において、さらに、粗さ形成粒子としてアクリル樹脂粒子[ガンツ化成(株)製、「GM1001」、平均粒径10μm]を添加した以外は同様にして、樹脂層形成材料(2)を調製した。
JIS B 0601:1994に準拠し、試料1〜試料10および試料13の帯電ロールについては、ロール表面であるゴム弾性部表面の表面粗さRzを測定した。試料11、12の帯電ロールについては、ロール表面である樹脂層表面の表面粗さRzを測定した。なお、上記表面粗さRzは、帯電ロールの軸方向における中央部、両端部の3箇所につき、周方向に等間隔で3箇所、つまり、合計9箇所について測定した値の平均値とした。
摩擦計[協和界面化学(株)製、「Triboster TS501」]を用い、接触子の形状:直径3mmの鋼球、荷重:100g、移動速度:1cm/秒、回数:3回という条件で、作製した帯電ロール試料のロール表面(試料1〜試料10および試料13はゴム弾性部表面、試料11、12は樹脂層表面)の初期摩擦係数を測定した。また、評価用プリンタ[日本ヒューレット・パッカード(株)製、「LaserJet3800」]のカートリッジ内に帯電ロール試料をセットし、32.5℃×85%RH環境下で灰色25%画像を1万枚出力した。その後、帯電ロール試料を取り出し、上記と同様にして、ロール表面(試料1〜試料10および試料13はゴム弾性部表面、試料11、12は樹脂層表面)の耐久後摩擦係数を測定した。
評価用プリンタ[日本ヒューレット・パッカード(株)製、「LaserJet3800」]のカートリッジ内に帯電ロール試料をセットし、その状態にて40℃×95%RH環境下に10日間放置し、その後、15℃×10%RH環境下で灰色25%画像を出力した。得られた画像中に、帯電ロールの周回のピッチで、帯電ロールに生じた軸方向のスジ状のヘタリ(セット跡)に起因する画像スジが認められなかった場合を耐ヘタリ性に優れるとして「○」とした。得られた画像中に、上記画像スジが認められた場合を耐ヘタリ性に劣るとして「×」とした。
評価用プリンタ[日本ヒューレット・パッカード(株)製、「LaserJet3800」]のカートリッジ内に帯電ロール試料をセットし、32.5℃×85%RH環境下で灰色25%画像を出力した。その後、さらに灰色25%画像を1万枚出力した。
上記帯電ロール試料をセットした直後に得られた初期画像中に、周方向の画像スジが認められなかった場合を、帯電ロール表面にトナー固着による汚れがなく、初期の耐トナー固着性に優れるとして「○」とした。上記初期画像中に、周方向の画像スジが認められた場合を、帯電ロール表面にトナー固着による汚れがあり、初期の耐トナー固着性に劣るとして「×」とした。また、上記1万枚の画像を出力した直後に得られた耐久後の画像中に、周方向の画像スジが認められなかった場合を、帯電ロール表面にトナー固着による汚れがなく、耐久後の耐トナー固着性に優れるとして「○」とした。上記耐久後の画像中に、周方向の画像スジが認められた場合を、帯電ロール表面にトナー固着による汚れがあり、耐久後の耐トナー固着性に劣るとして「×」とした。なお、ここでいう画像スジは、帯電ロールと感光ドラムとが連れ回りすることによってロール周方向にスジ状の汚れムラが生じ、これが印刷画像に現れたものをいう。
プリンタ[日本ヒューレット・パッカード(株)製、「LaserJet3800」]のカートリッジ内に帯電ロール試料をセットし、15℃×10%RH環境下で灰色25%画像を出力した。そして、帯電不良に起因してロール軸方向に発生するスジ(横スジ)の程度を出力した画像から調査した。
具体的には、得られた画像中に、帯電ロールのロール軸方向に画像スジが認められなかった場合を、帯電性に優れるとして「A」とした。得られた画像中に、帯電ロールのロール軸方向に画像スジが認められるものの許容範囲内であった場合を、許容可能な帯電性を有するとして「B」とした。得られた画像中に、帯電ロールのロール軸方向に画像スジが顕著に認められた場合を、帯電性に劣るとして「C」とした。
プリンタ[日本ヒューレット・パッカード(株)製、「LaserJet3800」]のカートリッジ内に帯電ロール試料をセットし、15℃×10%RH環境下で灰色25%画像を出力した。
得られた画像中に、画像濃度ムラが認められなかった場合を「A」とした。得られた画像中に、画像濃度ムラが認められるものの許容範囲内であった場合を「B」とした。得られた画像中に、画像濃度ムラが顕著に認められた場合を「C」とした。なお、画像形成装置に組み込まれる帯電ロールでは、ロール表面の表面粗さが過度に大きいと、感光ドラムとの接地性が不均一になり、その結果、帯電性が不均一になって、画像濃度ムラが発生しやすくなる。そのため、ここでは、参考データとして画像濃度ムラの調査を行ったものである。
2 ゴム弾性部
3 軸体
Claims (5)
- 炭素−炭素二重結合を含有するゴム材料から構成されているとともに導電性を示すゴム弾性部を有し、該ゴム弾性部の表面がロール表面に露出している導電性ロールであって、
上記ゴム弾性部の表面に、シリコーン基およびフッ素含有基から選択される1種または2種以上を含む有機基がイソシアヌル酸骨格を介して結合されていることを特徴とする導電性ロール。 - 請求項1に記載の導電性ロールにおいて、
上記有機基は、シリコーン基およびフッ素含有基から選択される1種または2種以上を含み、かつ、炭素−炭素二重結合を有する有機化合物に由来する基であることを特徴とする導電性ロール。 - 請求項1または2に記載の導電性ロールにおいて、
上記ゴム弾性部の表面粗さRzが、7〜28μmの範囲内にあることを特徴とする導電性ロール。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性ロールにおいて、
上記ゴム弾性部は無機フィラーを含有しており、該無機フィラーにより上記ゴム弾性部の表面に粗さが付与されていることを特徴とする導電性ロール。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性ロールは、電子写真方式を採用する画像形成装置の帯電ロールとして用いられることを特徴とする導電性ロール。
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