以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態に係る携帯型電子機器10の正面図である。図2は電子機器10の背面図である。図3は電子機器10の分解斜視図である。図4は図2に示すIV−IV線を切断面とするハウジングの断面図である。
なお、以下の説明では、図1においてX1,X2で示す方向がそれぞれ左方向,右方向であり、Z1,Z2で示す方向がそれぞれ上方,下方である。また、図4においてY1,Y2で示す方向がそれぞれ前方,後方である。
[全体構成]
電子機器10は、回路基板40などを収容するとともに電子機器10の外面を形成するハウジング20を備えている。この例のハウジング20は、図3に示すように、回路基板40の表側を覆うフロントハウジング24と、回路基板40の裏側を覆い、フロントハウジング24と前後方向において組み合わされるバックハウジング23とによって構成されている。フロントハウジング24は、図4に示すように、フロントハウジング本体21と、フロントハウジング本体21の前側に配置され、電子機器10の前面を構成するフロントパネル22とによって構成されている。フロントパネル22はフロントハウジング本体21に取り付けられている。フロントハウジング本体21は電子機器10の側面、上面及び下面を構成する周壁部21bを有している。フロントパネル22の外周部は周壁部21bの縁に取り付けられている。フロントパネル22は光透過性を有する材料(例えば、ガラスや、アクリルなどの樹脂)で形成されている。フロントハウジング本体21とバックハウジング23も樹脂によって成形されている。
図1及び図4に示すように、電子機器10は、ハウジング20の前面側に、すなわちフロントパネル22に、表示パネル2aを含む表示パネルユニット2を有している。表示パネル2aとしては、例えば液晶表示パネルや有機ELパネル、電界放出表示パネルなどの種々の表示パネルを用いることができる。
また、この例の表示パネルユニット2は、タッチパネル2bを有している。タッチパネル2bは、ユーザが電子機器10の前面(この例ではフロントパネル22の表面)に指で触れたときに、その指の位置を検出する位置検出装置である。この例のタッチパネル2bは静電容量式パネルである。タッチパネル2bはこれに限られず、抵抗膜式や電磁誘導方式など他の方式のパネルが用いられてもよい。
タッチパネル2bは表示パネル2aとフロントパネル22との間に配置されている。表示パネルユニット2はフロントパネル22と向き合う姿勢で、フロントパネル22の内側に配置されている。この例では、図4に示すように、タッチパネル2bはフロントパネル22に貼り付けられ、表示パネル2aはタッチパネル2bに貼り付けられており、これら3つのパネルは一体化している。
タッチパネル2bと表示パネル2aは、互いに対応したサイズを有している。すなわち、タッチパネル2bと表示パネル2aは、上下方向及び左右方向の幅において、概ね等しい。なお、電子機器10にはタッチパネル2bは必ずしも設けられていなくてもよい。
この例の電子機器10はゲーム装置や、動画や音声再生装置として機能する装置である。図1に示すように、電子機器10は、表示パネルユニット2の左右に、ゲームプレイ時などにおいてユーザが操作する複数の操作部材を有している。この例では、表示パネルユニット2の右側には複数(この例では4つ)の操作ボタン5が配置されている。4つのボタン5は十字の端部にそれぞれ位置している。また、表示パネルユニット2の左側には十字キー6が配置されている。さらに、表示パネルユニット2の右側と左側とには、操作スティック7,8がそれぞれ配置されている。操作スティック7,8は電子機器10の前面から前方に突出する軸部7b,8bと、その軸部7b,8bの頭部に形成された円盤状の操作部7a,8aを含んでいる。操作スティック7,8は、上下方向や左右方向など軸部7b,8bの半径方向に傾けたり、軸部7b,8bを傾けた状態で周方向に回転させることができる。また、操作スティック7,8は、軸部7b,8bの半径方向にスライド可能となっていてもよい。さらに、電子機器10は、その上面の最右部と最左部とに、上部ボタン14,15をそれぞれ有している。上部ボタン14,15は、下方に向けて、すなわち図1においてZ2の示す方向に向けて、押すことができる。
複数の操作部材5,6,7,8は、フロントパネル22に形成された開口22a,22bから前方に突出するように配置されている。図3に示すように、フロントハウジング本体21は、周壁部21bの内側に位置し回路基板40の表側を覆う板状のフレーム部21cを有している。フレーム部21cは、複数の操作ボタン5の裏面側に配置され操作ボタン5を前後動可能に支持するベース5aと、十字キー6の裏面側に配置され当該十字キー6の端部を前後動可能に支持するベース6とを保持している。さらにフレーム部21cは、操作スティック7,8の基部に位置しそれらを支持する支持機構のケース7c,8cを保持している。
図2及び図4に示すように、電子機器10は、ハウジング20の背面側に、すなわちバックハウジング23に、背面タッチパネル4を有している。この例の背面タッチパネル4は静電容量式のパネルである。背面タッチパネル4はこれに限られず、抵抗膜式や電磁誘導式などのパネルが用いられてもよい。ユーザは、電子機器10の右側部分(すなわち操作ボタン5や操作スティック7が設けられた部分)と、左側部分(すなわち十字キー6や操作スティック8が設けられた部分)とを保持しながら、背面タッチパネル4に指(例えば中指)を配置したり、上部ボタン14,15に指(例えば人差し指)を配置することができる。背面タッチパネル4の表面は、当該背面タッチパネル4を保護するための保護パネル3で覆われている。保護パネル3はガラスや樹脂(例えば、アクリル)のなどのパネルである。
図4に示すように、背面タッチパネル4のサイズは表示パネルユニット2のサイズよりも小さい。この例のタッチパネル4の上下方向の幅W1は、表示パネルユニット2の上下方向の幅W2、すなわち表示パネル2a及びタッチパネル2bの上下方向の幅よりも小さい。そして、背面タッチパネル4は表示パネルユニット2に対して上下方向の一方(この例では上方)にオフセットしている。すなわち、背面タッチパネル4の上下方向の中心線は表示パネルユニット2の上下方向の中心線C1よりも上方に位置している。背面タッチパネル4のこのようなレイアウトにより、電子機器1の上面に配置されるユーザの指を、背面タッチパネル4に向けてスライドさせ易くなり、背面タッチパネル4の操作性を向上できる。なお、この例では、表示パネルユニット2の上縁2dと背面タッチパネル4の上縁4aとの位置は上下方向において概ね一致している。左右方向の幅については、背面タッチパネル4は表示パネルユニット2と概ね一致している。また、表示パネルユニット2と背面タッチパネル4は電子機器10の左右方向の中心に位置している。タッチパネル4の下側には、樹脂など導電性を有していない材料で形成されたプレート12が配置されている。
[アンテナレイアウト]
電子機器10は無線通信機能を有しており、ハウジング20内には、図2に示すように、アンテナ31,32,33が配置されている。また、この例の電子機器10はGPS(Global Positioning System)を利用した位置検出機能をも備えており、GPSアンテナであるアンテナ34を備えている。図5は電子機器10が備えるアンテナ31〜34のレイアウトを示す図である。図5では電子機器10を正面視したときのアンテナ31〜34のレイアウトが示されている。図6はアンテナ31〜34とバックハウジング23の分解斜視図である。
以下の説明では、符号31、32、33、34で示すアンテナを、それぞれ第1アンテナ、第2アンテナ、第3アンテナ、第4アンテナとする。第1アンテナ31と第2アンテナ32は、携帯電話網(例えば、第三世代移動通信システムと称されるシステム)を利用した通信を行うためのアンテナである。第3アンテナ33は無線LANを利用した通信を行うためのアンテナである。
図4に示すように、第1アンテナ31は、電子機器10のハウジングの前後方向において、表示パネル2aよりも背面タッチパネル4寄りに配置されている。すなわち、第1アンテナ31は、表示パネル2aと背面タッチパネル4との中心を通る鉛直面P1に対して背面タッチパネル4側に位置している。この例の電子機器10は、上述したように、タッチパネル2bを有している。第1アンテナ31は、表示パネル2aとタッチパネル2bよりも、背面タッチパネル4寄りに配置され、第1アンテナ31と表示パネルユニット2との間に十分な距離を確保できている。この例では、表示パネルユニット2と背面タッチパネル4との間には、回路基板40が配置されている。第1アンテナ31は回路基板40を挟んで表示パネルユニット2とは反対側に位置している。
図4に示すように、この例の表示パネル2aとタッチパネル2bはフロントパネル22の内面に接着されており、パネル2a,2bとフロントパネル22との間にクリアランスが形成されていない。そのため、パネル2a,2bとフロントパネル22との間にクリアランスを設ける構造に比べて、第1アンテナ31から表示パネルユニット2までの距離を大きくできる。
図2及び図5に示すように、第1アンテナ31は、その少なくとも一部が前後方向において背面タッチパネル4とオーバーラップしないように、前後方向に対して垂直な方向に背面タッチパネル4に対してずれて配置されている。すなわち、第1アンテナ31の少なくとも一部は、背面タッチパネル4の外縁よりも外方に位置している。第1アンテナ31のこのようなレイアウトによれば、背面タッチパネル4と表示パネルユニット2の双方から第1アンテナ31までの距離を保つことができ、第1アンテナ31について良好な受信感度を得ることができる。
上述したように、背面タッチパネル4は、表示パネルユニット2よりも小さなサイズを有している。この例では、図4に示すように、背面タッチパネル4の上下方向の幅W1は、表示パネルユニット2の上下方向の幅W2よりも小さい。そのため、表示パネルユニット2は、背面タッチパネル4と前後方向においてオーバーラップしない部分2cを有している。これにより、オーバーラップしない部分2cの後方に第1アンテナ31を配置することが可能となる。その結果、表示パネル2aのサイズを十分に確保しながら、第1アンテナ31のレイアウトを容易化できる。
この例では、上述したように、背面タッチパネル4は表示パネルユニット2の上下方向の中心C1に対して上方にオフセットしている。一方、第1アンテナ31は、図4に示すように、背面タッチパネル4から下方にずれて位置している。すなわち、背面タッチパネル4が表示パネルユニット2に対してオフセットした方向とは反対方向に、第1アンテナ31は背面タッチパネル4に対してずれて位置している。このような背面タッチパネル4と第1アンテナ31とのレイアウトによれば、電子機器1の上下方向の幅の拡大を抑えながら、第1アンテナ31の上下方向の幅を拡大できる。この例では、第1アンテナ31はバックハウジング23の下縁23eに沿って配置されている。また、第1アンテナ31は、その表面に、後述するフィルム状のアンテナ本体31bを有している。アンテナ本体31bの全体が背面タッチパネル4よりも下方に位置している。なお、第1アンテナ31の上縁の位置は、上下方向において、背面タッチパネル4の下縁の位置に概ね一致している。
上述したように、電子機器10の上面の最右部及び最左部には上部ボタン14,15が設けられている。ユーザは背面タッチパネル4を操作しようとして、上部ボタン14,15に配置していた指を背面タッチパネル4に向けて下方にスライドさせる場合がある。第1アンテナ31は背面タッチパネル4の下方に配置されている。そのため、ユーザが指をそのようにスライドさせる場合でも、ユーザの指によって第1アンテナ31が覆われない。
上述したように、電子機器10は、表示パネルユニット2の右側に配置される操作ボタン5及び操作スティック7と、表示パネルユニット2の左側に配置される十字キー6及び操作スティック8とを備えている(図1参照)。図5に示すように、左右方向における第1アンテナ31の位置は、左側の操作ボタン6及び操作スティック8と、右側の操作ボタン5及び操作スティック7との間となっている。すなわち、第1アンテナ31は、左側の操作ボタン6及び操作スティック8よりも右方向に位置し、右側の操作ボタン5及び操作スティック7よりも左方向に位置している。このようなレイアウトによれば、ユーザが電子機器10の右側部分と左側部分を保持しながら操作部材5,6,7,8を操作している時にユーザの手によって第1アンテナ31が覆われることを、防ぐことができる。
図4に示すように、背面タッチパネル4はバックハウジング23に取り付けられている。この例の背面タッチパネル4はバックハウジング23の外面(後面)に貼り付けられている。一方、第1アンテナ31はバックハウジング23の内側に配置されている。そのため、背面タッチパネル4と第1アンテナ31との間には、前後方向における距離が僅かに設けられている。この構造によっても、第1アンテナ31による受信感度を向上できる。なお、この例では、上述したように、背面タッチパネル4の下方にはプレート12が配置されている。このプレート12もバックハウジング23の外面に貼り付けられている。第1アンテナ31とプレート12はバックハウジング23を挟んで互いに反対側に位置している。
図6に示すように、バックハウジング23の内側には、複数の壁部で取り囲まれる第1収容スペース23aが形成されている。第1収容スペース23aは第1アンテナ31の外形に対応しており、第1アンテナ31は第1収容スペース23aに配置されている。なお、図6において、第1収容スペース23aには、その明瞭化のために、斜線が施されている。
図7は第1アンテナ31の斜視図である。図4、図6及び図7に示すように、第1アンテナ31は、樹脂によって形成されたベース31aを有している。ベース31aは前方に向かって開いた箱形状である。また、第1アンテナ31はフィルム状のアンテナ本体31bを有している。アンテナ本体31bはベース31aの外面(後面)に貼り付けられており、後方に向いている。図6に示すように、ベース31aの内側には、当該ベース31aの強度を確保するためのリブ31cが形成されている。また、図7に示すように、ベース31aの左右には爪状の係合部31dが形成されている。この係合部31dは第1収容スペース23aを規定する壁部に引っ掛かり、これによって第1アンテナ31はバックハウジング23に固定される。
図3及び図4に示すように、この例では、バックハウジング23は、フロントパネル22に向けて湾曲した外周部23fを有している。外周部23fはバックハウジング23の全周に亘って形成されている。ベース31aの下部とアンテナ本体31bは外周部23fに沿って湾曲している。第1アンテナ31のこのような形状により、アンテナ本体31bを外周部23fの内面に近づけることができ、その結果、表示パネルユニット2と第1アンテナ31との間に十分な距離を確保し易くなる。なお、アンテナ本体31bはこのような湾曲形状を有することにより、前後方向の幅W3を有している。アンテナ本体31bのこのような形状により、第1アンテナ31はさらに良好な受信感度を得ることができる。また、アンテナ本体31bの上縁と背面タッチパネル4の下縁との間には、上下方向のクリアランスGが設けられている。
電子機器10は、同一の通信機能のために2つのアンテナを有している。すなわち、電子機器10は、図5に示すように、第1アンテナ31に加えて第2アンテナ32を備えている。第1アンテナ31と第2アンテナ32の双方が、携帯電話網を利用する通信のためのアンテナとして機能する。
図5に示すように、第2アンテナ32は背面タッチパネル4と表示パネルユニット2とから右方向又は左方向のうち一方(この例では右方向)にずれて位置している。この例では、第2アンテナ32の全体が背面タッチパネル4と表示パネルユニット2よりも右方向に位置している。一方、第1アンテナ31は、上述したように、背面タッチパネル4よりも下方に位置している。このような第1アンテナ31と第2アンテナ32のレイアウトによれば、ユーザが電子機器10の下部を手で保持しながら表示パネル2a上の動画像を見る際、第1アンテナ31は手で覆われるものの、第2アンテナ32は手で覆われなくなる。なお、上述したように、表示パネルユニット2の右側と左側とには、操作ボタン5,6と操作スティック7,8とが設けられている。第2アンテナ32は右側の操作ボタン5と操作スティック7との後方に位置している。
図5に示すように、電子機器10は、ハウジング20に収容されるバッテリ9を備えている。バッテリ9は、左右方向において、表示パネルユニット2や背面タッチパネル4に対して左方向にオフセットしている。バッテリ9の左右方向の中心Cbと第2アンテナ32は、表示パネルユニット2や背面タッチパネル4の左右方向の中心C、すなわち電子機器10の左右方向の中心、を挟んで互いに反対側に位置している。バッテリ9は電子機器10が内蔵する部品のなかでは、特に重い部品である。そのため、ユーザは片手で電子機器10を持つ場合、バッテリ9が配置された電子機器10の左側部分を持つことが多くなる。その際、第2アンテナ32は手で覆われなくなり、良好な受信感度を得やすくなる。なお、図5に示すように、背面タッチパネル4や表示パネルユニット2を挟んで第2アンテナ32の反対側にはいずれのアンテナも配置されていない。すなわち、左側の操作ボタン6と操作スティック8の後方にはいずれのアンテナも配置されていない。
図5に示すように、上述した第1アンテナ31は、バッテリ9と同様に、表示パネルユニット2や背面タッチパネル4の左右方向の中心Cに対して、左方向にオフセットしている。そのため、第1アンテナ31と第2アンテナ32との間に十分な距離を確保し易くなり、良好な受信感度を得やすくなる。
上述したように、電子機器10は第3アンテナ33と第4アンテナ34とを備えている。図4及び図5に示すように、第3アンテナ33と第4アンテナ34は、背面タッチパネル4を挟んで、第1アンテナ31とは反対側に配置されている。このレイアウトによれば、第1アンテナ31から、第3アンテナ33と第4アンテナ34までに十分な距離が確保される。その結果、これらのアンテナについて良好な受信感度を得やすくなる。この例では、第1アンテナ31と、第3アンテナ33及び第4アンテナ34との間にバッテリ9が配置されている。
第3アンテナ33と第4アンテナ34は、図5に示すように、表示パネルユニット2の左右方向の中心Cを挟んで互いに反対側に配置され、それらの間にカメラユニット11が配置されている。このようなレイアウトによれば、第3アンテナ33と第4アンテナ34との間に十分な距離を確保しながら、それらの間のスペースを有効に利用できる。
上述したように、第1アンテナ31は、バックハウジング23に保持されている。また、他のアンテナ32〜34も、図6に示すように、バックハウジング23に保持されている。これらのアンテナ31〜34は背面タッチパネル4の外周縁の外方に位置している。換言すると、アンテナ31〜34は背面タッチパネル4を取り囲むようにして、バックハウジング23に保持されている。特に、この例では、アンテナ31〜34はバックハウジング23の外縁に沿って配置されている。詳細には、第1アンテナ31は、上述したように、バックハウジング23の下縁23eに沿って配置されている。第2アンテナ32はバックハウジング23の右縁23gに沿って配置されている。さらに第3アンテナ33と第4アンテナ34は背面タッチパネル4よりも上方に位置し、バックハウジング23の上縁23kに沿って配置されている。
図6に示すように、バックハウジング23の内側には複数の壁部で規定される第2収容スペース23bが形成されている。第2収容スペース23bは第2アンテナ32の形状に対応しており、第2アンテナ32は第2収容スペース23bに嵌められている。同様に、バックハウジング23の内側には複数の壁で規定された第3収容スペース23cと、複数の壁で規定された第4収容スペース23dとが形成されている。第3収容スペース23cと第4収容スペース23dは第3アンテナ33の外形と第4アンテナ34の外形とにそれぞれ対応しており、第3アンテナ33と第4アンテナ34は第3収容スペース23cと第4収容スペース23dとにそれぞれ嵌められている。なお、図6においては、収容スペース23b,23c,23dには、それらの明瞭化のために、斜線が施されている。
図8はアンテナ32,33,34の斜視図である。同図(a)は第2アンテナ32を示し、同図(b)は第3アンテナ33を示し、同図(c)は第4アンテナ34を示している。図6及び図8に示すように、アンテナ32,33,34は、樹脂によって形成されたベース32a,33a,34aをそれぞれ有している。これらのベース32a,33a,34aは前方に向かって開いた略箱形状を有している。ベース32a,33a,34aの内側には複数のリブが形成されている。ベース32a,33a,34aの縁には爪状の係合部32d,33d,34dが形成されている(図8参照)。この係合部32d,33d,34dは収容スペース23b,23c,23dを規定する壁部に引っ掛かり、これによってアンテナ32,33,34はバックハウジング23に固定されている。
図8に示すように、アンテナ32,33,34はそれぞれフィルム状のアンテナ本体32b,33b,34bを有している。アンテナ本体32b,33b,34bはベース32a,33a,34aの外面(後面)に貼り付けられており、後方に向いている。上述したように、この例のバックハウジング23は湾曲した外周部23fを有している。第2アンテナ32のベース32aとアンテナ本体32bは外周部23fに沿って湾曲している。アンテナ本体32bのこのような形状によれば、アンテナ本体32bは、アンテナ本体31bと同様に、前後方向の幅を有することができるため、良好な受信感度を得ることができるようになる。また、第3アンテナ33のベース33aとアンテナ本体33bと、第4アンテナ34のベース34aとアンテナ本体34bも、外周部23fに沿って湾曲している。
[ケーブル保持構造]
図1に示すように、電子機器10のハウジング20には回路基板40が収容されている。この例の回路基板40はメイン基板41と、メイン基板41の右側に配置される右サブ基板42と、メイン基板41の左側に配置される左サブ基板43とによって構成されている。図3に示すように、電子機器10はメイン基板41上に配置される通信モジュール50を備えている。図9はメイン基板41上に配置された通信モジュール50の背面図、すなわち通信モジュール50をバックハウジング23から臨む図である。図10はメイン基板41と、通信モジュール50と、後述するケーブルホルダー70の分解斜視図である。図11はケーブルホルダー70の斜視図であり、同図ではケーブルホルダー70の底面が示されている。
上述したように、電子機器10は第1アンテナ31と第2アンテナ32と第3アンテナ33とを備えている。通信モジュール50は、アンテナ31〜33で受信/送信する信号についての復調処理/変調処理など、通信のための処理を担うモジュールである。
この例の通信モジュール50はメイン基板41の裏面側に配置されている。図10に示すように、通信モジュール50はメイン基板41よりも小さな回路基板(以下、モジュール基板)51を備えている。モジュール基板51はメイン基板41と向き合う姿勢で配置されている。
メイン基板41には、モジュール基板51の縁(この例では上縁51d)が差し込まれるカードエッジ型のコネクタ55が実装されている。モジュール基板51はコネクタ55を通してメイン基板41に接続されている。通信モジュール50で処理された信号はコネクタ55を通して、メイン基板41に実装されたマイクロプロセッサに出力される。また、マイクロプロセッサからコネクタ55を通して通信モジュール50に入力された信号は、通信モジュール50で上述の変調等の処理を行った後に、後述するケーブル61,62、63を通してアンテナ31,32,33に出力される。
図10に示すように、モジュール基板51の一方の面(メイン基板41とは反対側の面、以下において後面とする)にはICチップ52など複数の電子部品が実装されている。ICチップ52は金属製のシールドプレート53によって覆われている。また、この例では、モジュール基板51はメイン基板41の表面から離れた状態で支持されており、モジュール基板51のメイン基板41側の面(以下において前面)にもICチップが実装されている。メイン基板41側のICチップは金属製のシールドプレート54によって覆われている。なお、モジュール基板51の後面には複数のICチップ52が配置されてもよい。同様に、モジュール基板51の前面にも複数のICチップが配置されてもよい。
コネクタ55は、図10に示すように、モジュール基板51の上縁を受け入れる挿入口55aを有している。挿入口55aはメイン基板41の表面から離れて位置している。また、メイン基板41には、メイン基板41の厚さ方向に突出する左右の台座59が形成されている。モジュール基板51の下縁は、螺子59aによって台座59に取り付けられる。このような取付構造により、通信モジュール50はメイン基板41から離れた状態で支持されている。
図9に示すように、電子機器10は、モジュール基板51に端部が取り付けられた複数(この図では3本)のケーブル61,62,63を有している。この例では、モジュール基板51にはコネクタ51a,51b,51cが実装されている(図10参照)。ケーブル61,62,63の端部に設けられた端子61a,62a,63aはコネクタ51a,51b,51cに接続されている。この例のケーブル61,62,63は同軸ケーブルであり、コネクタ51a,51b,51cは同軸コネクタである。この例では、コネクタ51a,51b,51cはモジュール基板51の下縁に沿って配置されている。
ケーブル61,62,63は、上述したアンテナ31,32,33にそれぞれ接続されている。この例では、ケーブル61の他方の端部に設けられた端子は、左サブ基板43に実装された同軸コネクタ43aに取り付けられ(図3参照)、ケーブル61は左サブ基板43を通して第1アンテナ31に接続されている。また、図9及び図10に示すように、ケーブル62の他方の端部に形成された端子62bは右サブ基板42に実装された同軸コネクタ42aに取り付けられている。ケーブル62は右サブ基板42に形成された回路パターンを通して第2アンテナ32に接続されている。同様に、ケーブル63の他方の端部に形成された端子63bはメイン基板41に実装された同軸コネクタ41aに取り付けられている。ケーブル63はメイン基板41に形成された回路パターンを通して第3アンテナ33に接続されている。
図9及び図10に示すように、ケーブル62,63はICチップ52などモジュール基板51に実装された電子部品を跨いでいる。すなわち、ケーブル62,63はICチップ52を挟んでコネクタ51b,51cとは反対側に向けて伸びている。この例では、ケーブル62,63はコネクタ51b,51cから上方に延びている。また、ケーブル62,63はICチップ52に対してモジュール基板51とは反対側に位置している。すなわち、ケーブル62,63はICチップ52の表側に配置されている。特に、図9に示す例では、ケーブル63はICチップ52の直上に位置している。電子機器10はモジュール基板51に取り付けられるケーブルホルダー70を備えている。ケーブルホルダー70はケーブル62,63がICチップ52を跨いだ状態で留まるように、ケーブル62,63を保持している。この例のケーブルホルダー70は、ICチップ52の、モジュール基板51とは反対の側に位置する保持部71を有している。ケーブル62,63は保持部71によって保持されている。上述したように、回路基板40の裏面側はバックハウジング23によって覆われている。ケーブルホルダー70を利用するこの構造によれば、通信モジュール50とバックハウジング23との間の狭いスペースにケーブル62,62を配置でき、通信モジュール50の回りに配置されるメイン基板41や右サブ基板42上の部品のレイアウトの自由度を増すことができる。また、保持部71によってケーブル62,63の位置が規定されるので、ケーブル62,63がバックハウジング23に形成されたリブなどに干渉することを防ぐことができる。
なお、シールドプレート53はICチップ52と保持部71との間に位置しており、ケーブル62,63はシールドプレート53の表面に沿って上方に延びている。これにより、ICチップ52の熱のケーブル62,63への伝達が、シールドプレート53によって抑えられる。
図10に示すように、この例のケーブルホルダー70は保持部71を含む本体部77を有している。本体部77は、モジュール基板51の大きさに対応したサイズの外形を有している。モジュール基板51は矩形であり、本体部77も略矩形状である。本体部77は、上下方向に延びる、すなわちケーブル62,63に沿った方向に延びるバーフレーム77aを有している。また、本体部77は、保持部71を挟んでバーフレーム77aとは反対側に位置し、内側に開口が形成された矩形フレーム77bを有している。矩形フレーム77bの内側の開口からシールドプレート53の大部分が露出している。本体部77のこのような構造により、シールドプレート53の熱が矩形フレーム77bの内側を通して外部に放出されやすくなる。なお、矩形フレーム77bの左右方向の幅は、バーフレーム77aと矩形フレーム77bとの距離、すなわち保持部71の左右方向の幅よりも大きい。
図10に示すように、ケーブルホルダー70は樹脂によって一体的に形成された部材である。この例では、ケーブルホルダー70は、後述するガイド部74,76をさらに有している。ガイド部74,76及び本体部77はプラスチックなどの樹脂によって一体的に形成されている。
図10に示すように、この例の保持部71はアーム71b,71cを有している。アーム71b,71cはバーフレーム77aと矩形フレーム77bの一辺とからモジュール基板51に沿った方向にそれぞれ突出している。図9に示すように、ケーブル62はアーム71bとシールドプレート53との間を通されている。また、ケーブル63はアーム71cとシールドプレート53との間を通されている。これにより、ケーブル62,63はシールドプレート53に近い位置で保持され、ケーブル62,63とバックハウジング23との干渉を防ぐことができる。
図10に示すように、この例の保持部71はバーフレーム77aと矩形フレーム77bの一辺とに掛け渡されるプレート部71aをさらにプレート部71aを有している。プレート部71aはケーブル62,63とシールドプレート53との間に位置している。すなわち、ケーブル62,63はプレート部71aの後側を通されている。プレート部71aによって、ケーブル62,63のシールドプレート53に向けた動きが規制され、ケーブル62,63とシールドプレート53との接触が抑えられている。
この例では、保持部71は上下方向に離れて位置する、すなわちケーブル62,63の延伸方向に離れて位置する2つのアーム71b,71cを有している。プレート部71aは上側のアーム71b,71cと下側のアーム71b,71cとの間に位置している。この例のプレート部71aは上下方向(すなわちケーブル62,62の延伸方向)に細長い板状である。プレート部71aこのような形状によれば、ケーブル62,63の長い範囲を保持できる。
上述したように、バーフレーム77aに形成されたアーム71bと、矩形フレーム77bに形成されたアーム71cは、モジュール基板51に沿った方向において、互いに反対方向に延びている。アーム71bの端部とアーム71cの端部は自由端となっている。そのため、アーム71b,71cとシールドプレート53との間にケーブル62,63を簡単な作業で配置できる。
上述したように、ケーブル62,63は同軸ケーブルである。そのため、ケーブル62,63の端子62a,63aは、コネクタ51b,51cを中心にして左右に回転する場合がある。この例では、図9に示すように、保持部71はケーブル62,63の端子62a,63aに対して左方向にオフセットしているため、ケーブル62,63は端子62a,63aから左方向に伸び、その後に上方に延びている。そのため、端子62a,63aは、コネクタ51b,51cを中心にして右方向に回転する場合がある。図9及び図10に示すように、ケーブルホルダー70のコネクタ51b,51c寄りの端部には、ストッパ77c,77dが形成されている。ケーブル62はストッパ77cとバーフレーム77aの端部との間を通って上方に延びており、ケーブル62の右方向への回転はストッパ77cによって規制される。また、ケーブル63はストッパ77cとストッパ77dとの間を通って上方の延びており、ケーブル63の右方向への回転はストッパ77dによって規制される。
なお、ケーブル62,63の端子62a,63aの回転をこのように規制することにより、端子62a,63aとコネクタ51b,51cの取り付け安定性を増すことができる。つまり、この例では、保持部71はシールドプレート53上に位置しているため、コネクタ51b,51cよりも高い位置に位置している。端子62a,63aが回転すると、ケーブル62,63の端子62a,63aに近い部分が保持部71に乗り上げる。ストッパ77c,77dによれば、ケーブル62,63の保持部71への乗り上げを防止できる。
ケーブルホルダー70は、図10及び図11に示すように、ケーブルホルダー70をモジュール基板51に固定するための複数(この例では2つ)の係合部72を有している。係合部72はモジュール基板51の縁に引っ掛かるように形成されている。この構造によれば、ケーブルホルダー70のモジュール基板51への取り付け作業を容易化できる。
この例のケーブルホルダー70はモジュール基板51とシールドプレート53とを覆う形状を有している。すなわち、ケーブルホルダー70の外形は略矩形で、その左右方向の幅はモジュール基板51に対応している。2つの係合部72はモジュール基板51を挟んで互いに反対側に位置し、それぞれモジュール基板51の外縁(この例では、右縁と左縁)に引っ掛かっている。これにより、ケーブルホルダー70をモジュール基板51に安定的に取り付けることができ、また、取り付け作業を容易化できる。なお、この例の係合部72はモジュール基板51に向かって延びており、その端部にモジュール基板51の縁に引っ掛かる爪72aが形成されている(図11参照)。
また、この例では、ケーブルホルダー70の上下方向及び左右方向の位置は、シールドプレート53によって規定されている。すなわち、図11に示すように、ケーブルホルダー70には、全体としてシールドプレート53の外周を囲む複数(この例では4つ)の突起73が形成されている。突起73の位置はシールドプレート53の4つの角部に対応しており、各突起73はシールドプレート53の角部の外側を囲むように屈曲している。そして、4つの突起73の内側にシールドプレート53が配置される。
ケーブル62,63はモジュール基板51の外縁(この例では上縁)を越えて延びている。図9及び図10に示すように、ケーブルホルダー70は、モジュール基板51の外縁よりも外側に位置するガイド部74を有している。ガイド部74は、モジュール基板51の外縁よりも外側の領域において、ケーブル62,63の位置を規定する。すなわち、ガイド部74はケーブル62が配置される通路F2の側壁と、ケーブル63が配置される通路F3の側壁とを形成している。この例では、ケーブル62,63はモジュール基板51の上縁が嵌められるコネクタ55を上方に越えている。ガイド部74はケーブルホルダー70の上部に形成され、コネクタ55の上方に位置している。また、ガイド部74は回路基板40(より具体的にはメイン基板41)上に配置されている。
図9に示すように、ガイド部74はケーブル62がICチップ52を跨ぐ方向(この例では上下方向)に対して屈曲した方向に延びる通路F2を形成している。ケーブル62は、コネクタ55の位置を越えた後に、ガイド部74によって曲げられ、コネクタ42aに向けて延びている。また、ガイド部74は、ケーブル63がICチップ52を跨ぐ方向(この例では上下方向)に対して屈曲した方向に延びる通路F3をも形成している。この例の通路F3は通路F2とは反対方向に屈曲した通路である。ケーブル63はコネクタ55の位置を越えた後に、ガイド部74によって曲げられ、コネクタ41aに向けて延びている。ケーブル62,63を屈曲させるこのようなガイド部74によれば、コネクタ55よりも上方に配置される部品とケーブル62,63との干渉を防ぎながら、電子機器10の幅(この例では、上下方向の幅)を抑えることができる。
ガイド部74は、図10に示すように、通路F2,F3を部分的に覆う上壁部74a,74bを有している。これにより、ケーブル62,63が通路F2,F3から抜け出ることを抑えることができる。また、ガイド部74は、図11に示すように、通路F2,F3の底を形成する底壁部74cを有している。この構造によれば、通路F2,F3の内側に確実にケーブル62,63を保持できる。なお、底壁部74cには、上壁部74a,74bに対向する位置に、開口74d,74eが形成されている。
ケーブル61は、上述のケーブル62,63とは反対側に、モジュール基板51から延びている(図9参照)。図9及び図10に示すように、ケーブルホルダー70は、その下部に、モジュール基板51の外縁よりも外側の領域においてケーブル61の位置を規定するガイド部76を有している。すなわち、ガイド部76はケーブル61が配置される通路F1の側壁を形成している。この例では、ガイド部76は、左右方向の一方に延びる通路F1を形成している。この例の通路F1は、複数の位置で屈曲しながら右方向に延びている。ガイド部76のこの形状により、メイン基板41に実装される他の部品の間の狭いスペースを利用しながらケーブル61を配置し、且つ、それらの部品とケーブル61との干渉を防ぐことができる。なお、ガイド部76は回路基板40(より具体的にはメイン基板41)上に配置されている。
図10に示すように、ガイド部76は、ガイド部74と同様に、通路F1を部分的に覆う上壁部76aを有している。これにより、ケーブル61が通路F1から抜け出ることを抑えることができる。また、ガイド部76は、図11に示すように、通路F1の底を形成する底壁部76cを有している。なお、底壁部76cには、上壁部76aに対向する位置に、開口76d,76eが形成されている。また、ガイド部76の端部には、メイン基板41に形成された穴に嵌められ、ケーブルホルダー70とメイン基板41との位置を規定する突起76fが形成されている。
[回路基板間の接続構造]
上述したように、回路基板40は3つの回路基板に分割されており、メイン基板41と右サブ基板42と左サブ基板43とによって構成されている。図12は基板41,42,43の背面図である。
図12に示すように、サブ基板42,43はそれぞれメイン基板41の隣に配置されている。すなわち、右サブ基板42はメイン基板41の右隣に配置され、左サブ基板43はメイン基板41の左隣に配置されている。これらは概ね同一平面に配置されている。これら3つの回路基板41,42,43は全体としてフロントハウジング24の内形に対応した形状を有している。これらの基板41,42,43は、後において詳説するように信号ラインを含むケーブル84,85を通して互いに接続されている。
メイン基板41には、電子機器10の全体を制御したり、画像処理を行うマイクロプロセッサ(不図示)が実装されている。また、メイン基板41には外部装置と電子機器10とを接続するためのケーブルの端子が差し込まれるコネクタ(不図示)も取り付けられている。メイン基板41は上述した表示パネルユニット2の裏面側に位置している(図1参照)。
右サブ基板42は上述した操作ボタン5や操作スティック7の裏面側に位置している(図1参照)。右サブ基板42のフロントパネル22と対向する面には、各操作ボタン5の裏面に形成された凸部5dによって押されるスイッチが実装されている。また、左サブ基板43は上述した十字キー6や操作スティック8の裏面側に位置している(図1参照)。左サブ基板43のフロントパネル22と対向する面には、十字キー6の裏面に形成された凸部6dによって押されるスイッチが実装されている。
メイン基板41は多層プリント配線板であり、その層数は左右のサブ基板42,43の層数よりも多い。そのため、回路基板40の全体をメイン基板41と同数の層数を有するプリント配線板にするよりも、電子機器10の重量を低減できる。なお、サブ基板42,43も多層プリント配線板でもよい。
図12に示すように、電子機器10は平らな金属プレート81,82,83を有している。金属プレート81,82,83は、例えば、1枚の金属板からプレス加工によって形成される部材である。金属プレート81はメイン基板41の表面と右サブ基板42の表面とに取り付けられる。メイン基板41の表面と右サブ基板42の表面とにはグランドパターンが形成されており、これらのグランドパターンは金属プレート81によって互いに接続される。金属プレート82,83はメイン基板41の表面と左サブ基板43の表面とに取り付けられている。左サブ基板43の表面にもグランドパターンが形成されており、左サブ基板43のグランドパターンとメイン基板41のグランドパターンは金属プレート82,83によって接続される。上述したように、メイン基板41には、アンテナ31,32,33に接続される通信モジュール50が接続されている。3つの基板41,42,43のグランドパターンを、金属プレート81,82,83を通して接続することにより、グランドのインピーダンスを下げることができる。その結果、3つの基板41,42,43を用いながらも、1つの基板を用いる場合に近い電位安定性をグランドに得ることができ、通信モジュール50の受信精度を向上できる。なお、基板41,42,43の表面には、例えば、金属プレート81,82,83が取り付けられる位置にグランドパターンが形成される。そして、このグランドパターンは基板41,42,43の層の1つであるグランド層に接続される。また、グランドパターンは基板41,42,43の表面の概ね全域に形成されてもよい。
金属プレート81は、螺子81b,81aによって、メイン基板41と右サブ基板42とにそれぞれ取り付けられている。また、金属プレート82は、螺子82a,82bによって、メイン基板41と左サブ基板43とにそれぞれ取り付けられている。この例では、金属プレート82は、複数(この例では2つ)の螺子82aによってメイン基板41に取り付けられ、複数(この例では2つ)の螺子82bによって左サブ基板43に取り付けられている。さらに、金属プレート83は螺子83a,83bによってメイン基板41と左サブ基板43とにそれぞれ取り付けられている。これらの接続に螺子81a,81b,82a,82b,83a,83bを用いることにより、金属プレート81,82,83と、基板41,42,43に形成されたグランドパターンとの接触圧を増すことができ、グランドのインピーダンスを下げ易くなる。
この例では、フロントハウジング24のフレーム部21cに、螺子81a,81b,82a,82b,83a,83bが差し込まれる螺子孔が形成されたボス21dが形成されている(図3参照)。螺子81a,81bは金属プレート81と基板41,42とをボス21dに押し付ける。同様に、螺子82a,82b,83a,83bは金属プレート82,83と基板41,43とをボス21dに押し付ける。この構造により、金属プレート81,82,83と基板41,42,43のグランドパターンとの接触圧をさらに増すことができる。なお、金属プレート81,82,83の基板41,42,43への固定構造はこれに限られない。例えば、金属プレート81,82,83はボルトや半田によって回路基板41,42,43に固定されてもよい。
なお、金属プレート81には、図12に示すように、穴81c,81dが形成されている。基板41,42にも、穴81c,81dに対応する位置に穴が形成されており、これらの穴にフレーム部21cに形成された突起が嵌る。これにより、フロントハウジング24に対するメイン基板41と金属プレート81の位置が規定される。同様に、金属プレート82には穴82c,82dが形成され、基板41,43には、穴82c,82dに対応する位置に穴が形成されている。そして、これらの穴にフレーム部21cに形成された突起が嵌る。さらに、金属プレート83にも、穴83c,83dが形成されている。これらの穴にもフレーム部21cに形成された突起が嵌る。
図12に示すように、メイン基板41の縁(この例では右縁41e)は、右サブ基板42の縁(この例では左縁42e)に沿って位置している。金属プレート81は、これらの縁41e,42eに跨って配置されている。金属プレート81は、これらの縁41e,42eに沿った方向(この例では上下方向)に細長い矩形状を有している。そのため、上下方向での金属プレート81の幅は、当該縁に41e,42eに垂直な方向、すなわち左右方向での金属プレート81の幅W5よりも大きい。金属プレート81のこの形状により、メイン基板41と右サブ基板42のインピーダンスが下げ易くなる。なお、この例の金属プレート81の幅W5は、後述するフラットケーブル84の幅W6よりも大きい。
上述したように、メイン基板41上には、当該メイン基板41にコネクタ55を通して電気的に接続される通信モジュール50が配置されている(図3参照)。金属プレート81の一部(メイン基板41上に位置する部分)は、通信モジュール50とメイン基板41との間の隙間に位置し、通信モジュール50によって覆われている。すなわち、この例では、金属プレート81は部分的に、メイン基板41の厚さ方向において通信モジュール50と重なっている。金属プレート81の通信モジュール50と重なっている部分は上述の螺子81bによってメイン基板41に取り付けられている。金属プレート81のこのようなレイアウトによれば、通信モジュール50の近くでのグランドのノイズ(電位の変動)を抑え易くなる。
上述したように、電子機器10は第2アンテナ32を備えている。第2アンテナ32は右サブ基板42の裏面側に配置され、右サブ基板42に形成された回路パターンを通して通信モジュール50に繋がっている。図12に示すように、金属プレート81の他の一部(右サブ基板42に取り付けられた部分)は第2アンテナ32と右サブ基板42との間に位置している。すなわち、金属プレート81は部分的に第2アンテナ32と重なっている。このレイアウトによれば、第2アンテナ32の近くでのグランドのノイズ(電位の変動)を抑え易くなる。
メイン基板41と右サブ基板42は、さらにフレキシブルフラットケーブル84によって互いに接続されている。ケーブル84は左右方向に延びるよう配置され、その両端はメイン基板41上のコネクタと右サブ基板42上のコネクタとにそれぞれ接続されている。ケーブル84は信号ラインを含み、この信号ラインを通してメイン基板41と右サブ基板42との間で信号伝送がなされる。この例では、上述したように、右サブ基板42は操作ボタン5の裏面側に位置し、これらの入力信号がケーブル84を通してメイン基板41上のマイクロプロセッサに入力される。また、この例の電子機器10は、図6に示すように、スピーカ13Rを備えている。右サブ基板42には、このスピーカ13Rの端子に接触する接点42cが形成されており、音声信号はメイン基板41からケーブル84を通してスピーカ13Rに入力される。
ケーブル84はグランドラインを有している。この例のグランドラインはケーブル84の途中で屈曲した屈曲ライン84aを有している。屈曲ライン84aの幅は、他の信号ラインよりも太くなっている。屈曲ライン84aは、螺子84cによってメイン基板41のグランドパターンに固定されている。また、屈曲ライン84aはその端部に補強板を有し、当該補強板が螺子84cによってメイン基板41に取り付けられている。このような屈曲ライン84aによれば、ケーブル84のグランドラインとメイン基板41のグランドパターンとの接続強度を増すことができる。その結果、ケーブル84を流れる信号に起因するアンテナを通して送受信される信号にとってのノイズの発生を抑えることができる。また、ケーブル84のグランドラインに屈曲ライン84aを設けるので、屈曲ライン84aの位置をケーブル84の設計時に適宜調整することが可能となり、グランドラインの取付位置の自由度を増すことができる。なお、この例では、ケーブル84は金属プレート81に隣接しており、屈曲ライン84aも、金属プレート81と同様に、通信モジュール50によって覆われている。
図12に示すように、左サブ基板43とメイン基板41とに掛け渡される金属プレート82,83は、上下方向に互いに離れて位置している。この例では、金属プレート82は左サブ基板43の最下部とメイン基板41の最下部とに取り付けられている。また、金属プレート83は左サブ基板43の最上部とメイン基板41の最上部とに取り付けられている。金属プレート82,83の位置をこのように上下方向に大きく離すことにより、メイン基板41と左サブ基板43のグランドのインピーダンスを下げ易くなる。なお、この例では、金属プレート82は左右方向に細長い矩形のプレートである。金属プレート83は略L字形状を有するプレートである。
図12に示すように、メイン基板41と左サブ基板43は、さらにフレキシブルフラットケーブル85によって接続されている。ケーブル85は左右方向に延びるよう配置され、その両端はメイン基板41上のコネクタと左サブ基板43上のコネクタとにそれぞれ接続されている。ケーブル85は信号ラインを含み、この信号ラインを通してメイン基板41と左サブ基板43との間で信号伝送がなされる。この例では、左サブ基板43は十字キー6の裏側に位置し、その入力信号はケーブル85を通してメイン基板41上のマイクロプロセッサに入力される。また、この例の電子機器10は、図6に示すように、スピーカ13Lを備えている。左サブ基板43には、このスピーカ13Lの端子に接触する接点43cが形成されており、音声信号はメイン基板41からケーブル85を通してスピーカ13Lに入力される。
ケーブル85はグランドラインを有している。ケーブル85のグランドラインも、図12に示すように、ケーブル84と同様に、ケーブル85の延伸方向に対して垂直な方向(この例では上方)に、ケーブル85の途中で屈曲した屈曲ライン85aを有している。屈曲ライン85aは、他の信号ラインよりも大きな幅を有している。屈曲ライン85aは、螺子85cによってメイン基板41のグランドパターンに固定されている。このような屈曲ライン85aによれば、ケーブル85のグランドラインとメイン基板41のグランドとの接続強度を増すことができる。上述した第1アンテナ31は電子機器10の左側下部に配置され、ケーブル85の近くに位置している。ケーブル85に他の信号ラインよりも太い屈曲ライン85aを設けることで、ケーブル85を流れる信号に起因する第1アンテナ31で送受信される信号にとってのノイズの発生を抑えることができる。また、ケーブル85のグランドラインに屈曲ライン85aを設けるので、屈曲ライン85aの位置をケーブル85の設計時に適宜調整することが可能となり、グランドラインの取付位置の自由度を増すことができる。
上述したように、金属プレート82,83は上下方向に離れて位置している。図12に示すように、ケーブル85は金属プレート82,83の間に位置している。第1アンテナ31は金属プレート82と前後方向において重なるように配置されている。第1アンテナ31は金属プレート82の裏面側に位置している。このようなレイアウトによれば、ケーブル85を流れる信号に起因する第1アンテナ31で送受信される信号とってのノイズの発生を、金属プレート82によっても抑えることができる。
[通信機能について相違を有する2つの電子機器]
電子機器10は、上述したように、携帯電話網を利用した通信機能を有している。以下では、電子機器10と概ね同様の構造を有するもののこの通信機能の有無について相違する電子機器と、電子機器10とからなる電子機器群について説明する。
図13は電子機器群を電子機器10とともに構成する携帯型電子機器110の分解斜視図である。図14は電子機器110が備えるバックハウジング123の内側を臨む斜視図である。電子機器110は、電子機器10が有する機能のうち携帯電話網を利用した上述の通信機能(以下、付加通信機能とする)は備えていない。電子機器110は付加通信機能以外の機能については電子機器10と共通している。
図13に示すように、電子機器110は、回路基板40と、バックハウジング123と、フロントハウジング24とを備えている。
上述したように、電子機器10は、付加通信機能のための部品として、アンテナ31,32、及び通信モジュール50を備えている。また、電子機器10は、図3に示すように、付加通信機能のための部品として、受け入れ装置56を備えている。受け入れ装置56は、アンテナ31,32と通信モジュール50とによる通信において利用されるICカード(例えば、USIM(Universal Subscriber Identity Module)カード)を受け入れる装置である。ICカードには固有の識別番号が割り当てられており、当該番号はICカードが備える記憶回路に格納されている。この例の受け入れ装置56は基板56aと受けプレート56bとを有している。基板56aは回路基板40(この例では、左サブ基板43)と向き合う姿勢で配置され回路基板40(この例では、メイン基板41)とフラットケーブルを通して接続されている。受けプレート56bはICカードを載せるための台として機能し、基板56aに対して電子機器10の外方(この例では左方向)に向けてスライド可能となっている。ユーザは受けプレート56bにICカードを設置して、当該受けプレート56bを基板56aに向けてスライドさせる。
上述したように、電子機器10のハウジング20は、回路基板40の表側を覆うフロントハウジング24と、回路基板40の裏側を覆うバックハウジング23とを含んでいる。アンテナ31,32、通信モジュール50、及び受け入れ装置56は、いずれも回路基板40とバックハウジング23との間に配置されている。具体的には、通信モジュール50と受け入れ装置56は、図3に示すように、回路基板40の裏面に取り付けられている。この例では、通信モジュール50はメイン基板41の裏面に取り付けられ、受け入れ装置56は左サブ基板43の裏面に取り付けられている。アンテナ31,32はバックハウジング23によって保持されている(図6参照)。
電子機器110には、図13及び図14に示すように、付加通信機能のためのアンテナ31,32、通信モジュール50、及び受け入れ装置56は設けられていない。回路基板40の表側の構造については、電子機器110と電子機器10は共通している。すなわち、電子機器110が備えるフロントハウジング24は、図1及び図3で示されるフロントハウジング24と共通している。したがって、電子機器110が備えるフロントハウジング24には、電子機器10のフロントハウジング24と同様に、表示パネルユニット2や操作部材5,6,7,8が設けられている。ここで共通とは、2つの電子機器10,110が備えるフロントハウジング24及びそれに設けられた部品のサイズや形状が同じことを意味しており、一方の電子機器のフロントハウジング24は他方の電子機器のフロントハウジング24としても用いることができる。このように、電子機器10において付加通信機能のための部品を回路基板40の裏面側に集約することにより、回路基板40の表側の構造については電子機器110と電子機器10とを共通化できている。このような電子機器10,110によれば、負荷通信機能のための部品を回路基板40の表側と裏側に分散させる構造に比べて、共通して使用できる部品数が多くなり、それらの製造コストを低減できる。
なお、電子機器110には、図13に示すように、通信モジュール50のモジュール基板51と接続されるコネクタ55も設けられていない。また、図3に示すように、電子機器10のバックハウジング23には蓋部23jが設けられている。蓋部23jの位置はバックハウジング23の外周部における受け入れ装置56に対応しており、ユーザはこの蓋部23jを空けることで、受けプレート56bを左方向にスライドさせることができる。一方、図13に示すように、電子機器110のバックハウジング123にはこの蓋部23jは形成されていない。
図6に示すように、電子機器10のバックハウジング23には、アンテナ31,32、通信モジュール50、及び受け入れ装置56を収容するためのスペースが形成されている。すなわち、バックハウジング23には、上述したように、第1アンテナ31を収容するための第1収容スペース23aと、第2アンテナ32を収容するための第2収容スペース23bとが形成されている。さらに、バックハウジング23には、通信モジュール50を収容するためのモジュール収容スペース23hと、受け入れ装置56を収容するための受け入れ装置収容スペース23iとが形成されている。一方、電子機器110のバックハウジング123は、図14に示すように、これら収容スペース23a,23b,23h,23iに対応する位置に、当該バックハウジング123を補強するための構造を有している。この例では、バックハウジング123は、第1収容スペース23aに対応する位置と第2収容スペース23bに対応する位置とに、リブ123aとリブ123bをそれぞれ有している。また、バックハウジング123は、モジュール収容スペース23hに対応する位置と受け入れ装置収容スペース23iとに対応する位置とに、リブ123hとリブ123iをそれぞれ有している。リブ123a,123b,123h,123iはバックハウジング123の内面で立つ壁状である。
上述したように、第1アンテナ31と第2アンテナ32は、フィルム状のアンテナ本体31b,32bが貼り付けられるベース31a,32aを有している。ベース31a,32aは樹脂によって成形された部材であり、また、フロントハウジング24に向かって開いた略箱状である。一方、上述したリブ123a,123bは樹脂によって成形されたバックハウジング123と一体的に成形されている。そのため、電子機器110がアンテナ31,32を備えていないことに起因する電子機器10と電子機器110との重量の相違を抑えることができている。
図3及び図12に示すように、電子機器10において、通信モジュール50と受け入れ装置56は、左右方向の中心Cを挟んで互いに反対側に位置している。そのため、左右方向での重量バランスについて、通信モジュール50と受け入れ装置56とを備えていない電子機器110と電子機器10との間での相違を低減できる。なお、この例では、通信モジュール50は中心Cに対して右側に位置し、受け入れ装置56は中心Cに対して左側に位置している。
この例では、通信モジュール50は、モジュール基板51の両面に実装されるICチップと、ICチップを覆うシールドプレート53,54とを有している。また、この例では通信モジュール50には上述したケーブルホルダー70が設けられている。一方、受け入れ装置56の基板56aはモジュール基板51よりも小さな基板であり、また、受けプレート56bは樹脂によって成形されている。そのため、通信モジュール50は受け入れ装置56よりも大きな重量を有している。図12に示すように、通信モジュール50は受け入れ装置56よりも左右方向の中心C寄りに位置している。すなわち、中心Cから通信モジュール50までの距離は、中心Cから受け入れ装置56までの距離よりも小さい。このようなレイアウトによれば、通信モジュール50と受け入れ装置56が中心Cから等距離に配置される構造に比べて、通信モジュール50と受け入れ装置56との重心位置が左右方向の中心Cに近くなる。その結果、電子機器10において通信モジュール50と受け入れ装置56が中心Cから等距離に配置される場合に比べて、左右方向での重量バランスについて、電子機器110と電子機器10との間での相違を低減できる。
上述したように、電子機器10のバッテリ9は、バックハウジング23において、左右方向における一方にオフセットしている。この例では、バッテリ9は中心Cに対して左方向にずれて位置している(図5参照)。図14に示すように、電子機器110もバックハウジング123に配置されるバッテリ9を備えている。バックハウジング123におけるバッテリ9の位置は、バックハウジング23におけるバッテリ9の位置と同じであり、バッテリ9はバックハウジング123において左方向にオフセットしている。電子機器10において、通信モジュール50と受け入れ装置56も、バッテリ9と同様に、全体として左方向にオフセットしている。この例では、受け入れ装置56はバックハウジング123の左縁に沿って配置され、通信モジュール50はバックハウジング23の右縁から左方向に離れて位置している。通信モジュール50と受け入れ装置56のこのようなレイアウトによれば、電子機器10の重心が中心Cからずれている方向と、電子機器110の重心が中心Cからずれている方向とが同じになる。
上述したように、通信モジュール50はメイン基板41とは別体のモジュール基板51を備えている。モジュール基板51は螺子59aでメイン基板41に取り付けられている(図10参照)。このような構造によれば、通信モジュール50が有するICチップをメイン基板41に直接的に半田付けする構造に比べて、電子機器10と電子機器110とに共通する機能のための回路パターンをメイン基板41に形成し易くなる。
また、図3に示すように、受け入れ装置56も左サブ基板43とは別体の基板56aを備えている。基板56aは螺子56cで左サブ基板43に取り付けられている。この構造によれば、ICカードのスロット等を左サブ基板43に直接的に半田付けする構造に比べて、電子機器10と電子機器110とに共通する機能のための回路パターンを左サブ基板43に形成し易くなる。
図14に示すように、電子機器110は、その左部及び右部に、スピーカ13L,13Rをそれぞれ有している。スピーカ13L,13Rは回路基板40(この例では、左サブ基板43と右サブ基板42)の裏側に配置され、バックハウジング123によって保持されている。図6に示すように、電子機器10も、その左部及び右部に、スピーカ13L,13Rをそれぞれ有している。これらスピーカ13L,13Rも、左サブ基板43と右サブ基板42の裏側にそれぞれ配置されている。電子機器10においては、左側のスピーカ13Lはバックハウジング23に配置されているものの、右側のスピーカ13Rは第2アンテナ32に保持されている。すなわち、第2アンテナ32のベース32aにはスピーカ13Rを収容するためのスペースが形成されている。このような構造によれば、電子機器10を電子機器110よりも大きくすることなく、電子機器10の内部にスピーカ13Rを収容できる。
以上説明したように、電子機器10では、第1アンテナ31は、ハウジング20の前後方向において、表示パネル2aと背面タッチパネル4のうち表示パネル2aよりも背面タッチパネル4寄りに配置されている。また、第1アンテナ31は、その少なくとも一部がハウジング20の前後方向において背面タッチパネル4とオーバーラップしないように、ハウジング20の前後方向に対して垂直な方向に背面タッチパネル4からずれて位置している。このような第1アンテナ31のレイアウトによれば、第1アンテナ31の受信感度に対する、表示パネル2aからの悪影響と背面タッチパネル4からの悪影響の双方を低減できる。
また、背面タッチパネル4は表示パネル2aよりも小さなサイズを有している。この構造によれば、表示パネル2aは、背面タッチパネル4と前後方向においてオーバーラップしない部分を有することとなる。その結果、表示パネル2aのサイズを十分に確保しながら、第1アンテナ31のレイアウトを容易化できる。
また、背面タッチパネル4は表示パネル2aに対して上方にオフセットし、第1アンテナ31は背面タッチパネル4に対して下方に位置している。このレイアウトによれば、上下方向の幅の大きなアンテナを第1アンテナ31として利用することが可能となる。
また、背面タッチパネル4はハウジング20の外面に位置している。この構造によれば、背面タッチパネル4から第1アンテナ31への悪影響を低減できる。
また、第1アンテナ31は左右方向において右側の操作部材5,7と左側の操作部材6,8との間に位置し、背面タッチパネル4に対して下方にずれて配置されている。このレイアウトによれば、ユーザが右側の操作部材5,7と左側の操作部材6,8とを操作している際、第1アンテナ31がユーザの手で覆われないため、良好な受信感度を得ることができる。
また、第1アンテナ31は背面タッチパネル4から下方にずれて配置され、第2アンテナ32は背面タッチパネル4から右方向にずれて配置されている。このレイアウトによれば、第1アンテナ31と第2アンテナ32の双方がユーザの手で覆われる可能性を低減できる。
また、バッテリ9の位置はハウジング20の左右方向の中心Cに対して左方向にオフセットしている。このレイアウトによれば、ユーザは片手で電子機器10を保持する際、バッテリ9が配置された電子機器10の左側部分を、保持することが多くなる。ユーザが電子機器10の左側部分を保持した時には、第2アンテナ32が手で覆われないため、良好な受信感度を得ることができる。
また、第3アンテナ33及び第4アンテナ34は、背面タッチパネル4を挟んで第1アンテナ31とは反対側に配置されている。このレイアウトによれば、これらのアンテナの距離を大きくできるので、良好な受信感度を得やすくなる。
なお、本発明は以上説明した電子機器10に限られず、種々の変更が可能である。
例えば、第1アンテナ31は背面タッチパネル4よりも表示パネル2a寄りに配置され、その少なくとも一部が表示パネル2aと前後方向においてオーバーラップしないように、表示パネル2aからずれて配置されてもよい。その場合、表示パネル2aのサイズが背面タッチパネル4のサイズよりも小さくてもよい。
また、背面タッチパネル4は表示パネル2aに対して下方にオフセットしてもよい。その場合、第1アンテナ31は背面タッチパネル4に対して上方にずれて配置されてもよい。その場合、第3アンテナ33と第4アンテナ34は、背面タッチパネル4に対して下方にずれて配置されてもよい。
また、第2アンテナ32は背面タッチパネル4の左方向に配置されてもよい。その場合、バッテリ9はハウジング20の左右方向の中心Cに対して右方向にオフセットしてもよい。