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JP5726185B2 - 架橋剤としてのポリビニル単量体を有するマイクロカプセル - Google Patents

架橋剤としてのポリビニル単量体を有するマイクロカプセル Download PDF

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Description

本発明は、カプセルとアクリル酸および/またはメタクリル酸のC1〜C24アルキルエステル、ポリビニル単量体ならびに場合によりイオン性基なしの他の単量体から形成されたカプセル壁とを含むマイクロカプセルに関する。更に、本発明は、前記マイクロカプセルの製造法、結合建築材料、織物および伝熱流体中への前記マイクロカプセルの使用に関する。
近年、マイクロカプセル化された潜熱蓄積媒体の分野において多様化された開発が行なわれた。潜熱蓄積媒体、しばしばPCM(phase change material位相材料)とも呼称される、の機能形式は、環境へのエネルギー吸収またはエネルギー放出を意味する、固−液位相の際に生じるエンタルピー変換に基づくものである。それゆえ、この潜熱蓄積媒体は、規定された温度範囲内での温度一定保持のために使用されることができる。
欧州特許出願公開第1029018号明細書および欧州特許出願公開第1321182号明細書には、高度に架橋されたメタクリル酸エステルポリマーからなるカプセル壁と、潜熱蓄積媒体コアとを有するマイクロカプセルを、結合建築材料、例えばコンクリートまたは石膏中で使用することが教示されている。ドイツ連邦共和国特許出願公開第10139171号明細書には、石膏ボードへのマイクロカプセル化された潜熱蓄積材料の使用が記載されている。マイクロカプセル壁は、メチルメタクリレートおよびブタンジオールジアクリレートを保護コロイドとしての無機固体粒子の存在で重合させることによって形成される。更に、WO 2005/116559には、マイクロカプセル化された潜熱蓄積材料を結合剤としてのメラミンホルムアルデヒド樹脂と一緒にチップボードパネル中に使用することが教示されている。
使用される潜熱蓄積材料は、しばしば位相を越えて溶融する有機ワックスである。このようなマイクロカプセルを多孔質の建築材料、例えばコンクリートまたは石膏中に使用する場合には、不十分な緊密さを有するカプセルの場合には、長時間に亘ってワックスの僅かな逃出が観察されうる。しかし、この種の浸出は、特にインテリアにおいて望ましいものではなく、したがって、本発明は、緊密なカプセルを提供するという課題に基づくものである。
古典的な出願のPCT/EP 2009/050319には、メチルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートとコア材料としての芳香材料を有する架橋剤混合物とから構成されたカプセル壁が教示されている。
改善された緊密さを有するマイクロカプセルは、例えばWO 2008/071649中に記載されており、このマイクロカプセルの壁は、ポリビニル単量体20〜80質量%を含有する架橋剤混合物により架橋された。しかし、この壁は、全単量体に対して70質量%までメタクリル酸を重合導入して含有する。このカプセルは、織物範囲内での1.5〜2.5μmの粒度で清浄化安定性および180℃での良好な蒸発に関連して良好な緊密さを示す。
しかし、通常建築範囲内で使用されるような1〜50μmのカプセル寸法を有するマイクロカプセルは、石膏ボード中に加工され、不満足な緊密さを有することが判明した。従って、高い加工温度の際に良好な緊密さを有することが重要なだけではなく、付加的な要件は、カプセルの壁範囲がなお全く高められた移動性を示さないような温度での良好な蒸発速度を有することにある。この温度は、非架橋性の主要な単量体の単独ポリマーのガラス転移温度の範囲内にあると思われる。従って、本発明の課題は、15〜105℃の温度範囲内で良好な蒸発速度を有する建築用途のためのマイクロカプセルを提供することであった。もう1つの課題は、高沸点成分に対して低い放出値を有する建築材料を開発することであった。
従って、1つのカプセルコアおよび1つのカプセル壁を含むマイクロカプセル、但し、この場合このカプセル壁は、それぞれ単量体の全質量に対して、
アクリル酸および/またはメタクリル酸の1つ以上のC1〜C24アルキルエステル50〜90質量%(単量体I)、
1つ以上のポリビニル単量体10〜50%(単量体II)、ならびに
単量体Iとは異なる、1つ以上のモノ不飽和の非イオン性単量体0〜30質量%(単量体III)から形成されているものとし、
前記マイクロカプセルの製造法ならびに結合建築材料、織物および伝熱流体中への前記マイクロカプセルの使用が見い出された。
本発明によるマイクロカプセルは、1つのカプセルコアおよび1つのカプセル壁を含む。カプセルコアは、主に95質量%超が親油性物質からなる。カプセルの平均粒径(光散乱による遠心分離平均)は、1〜50μmである。1つの好ましい実施態様によれば、カプセルの平均粒径は、1.5〜15μm、有利に4〜10μmである。この場合、好ましくは粒子の90%は、平均粒径の2倍より小さい粒径を有する。
カプセルコアとカプセル壁との質量比は、一般的に50:50〜95:5である。好ましくは、コア/壁の比は、70:30〜93:7である。
カプセル壁のポリマーは、一般的に単量体の全質量に対してアクリル酸および/またはメタクリル酸のC1〜C24アルキルエステル(単量体I)を少なくとも50質量%、有利な形で少なくとも55質量%、特に有利な形で少なくとも60質量%ならびに一般的に最大90質量%、特に最大80質量%、特に有利な形で最大75質量%重合導入して含有する。
本発明によれば、カプセル壁のポリマーは、一般的に単量体の全質量に対して1つ以上のポリビニル単量体(単量体II)を少なくとも10質量%、有利に少なくとも15質量%、特に少なくとも20質量%ならびに一般的に最大50質量%、特に最大40質量%、特に有利な形で最大30質量%重合導入して含有する。
更に、好ましい実施態様によれば、カプセル壁のポリマーは、単量体の全質量に対して1つ以上のポリビニル単量体(単量体II)を少なくとも20質量%、有利に少なくとも25質量%、特に少なくとも30質量%ならびに一般的に最大50質量%、特に最大45質量%重合導入して含有する。
それと共に、ポリマーは、単量体の全質量に対して、単量体Iとは異なる、1つ以上のモノ不飽和の非イオン性単量体(単量体III)を30質量%まで、有利に20質量%まで、殊に10質量%まで、特に有利に1〜5質量%重合導入して含有することができる。
カプセル壁がそれぞれ単量体の全質量に対して
アクリル酸および/またはメタクリル酸の1つ以上のC1〜C24アルキルエステル60〜85質量%(単量体I)、
1つ以上のポリビニル単量体15〜40%(単量体II)、ならびに
単量体Iとは異なる、1つ以上のモノ不飽和の非イオン性単量体0〜30質量%(単量体III)から形成されているマイクロカプセルは、好ましい。
更に、カプセル壁がそれぞれ単量体の全質量に対して
アクリル酸および/またはメタクリル酸の1つ以上のC1〜C24アルキルエステル50〜70質量%(単量体I)、
1つ以上のポリビニル単量体30〜50%(単量体II)、ならびに
単量体Iとは異なる、1つ以上のモノ不飽和の非イオン性単量体0〜30質量%(単量体III)から形成されているマイクロカプセルは、好ましい。
特に、カプセル壁は、群IおよびIIの単量体だけから形成されている。
単量体Iとして、アクリル酸および/またはメタクリル酸のC1〜C24アルキルエステルが適している。好ましい単量体Iは、メチル−、エチル−、n−プロピル−およびn−ブチルアクリレートならびに相応するメタクリレートである。イソプロピル−、イソブチル−、第二ブチル−および第三ブチルアクリレートならびにイソプロピル−、イソブチル−、第二ブチル−および第三ブチルメタクリレートは、特に好ましい。一般的に、メタクリレートが好ましいである。
好ましいポリビニル単量体は、アクリル酸および/またはメタクリル酸とポリオールとのポリエステルであり、さらに前記ポリオールのポリアリルエーテルおよびポリビニルエーテルが好ましい。3個および/または4個のラジカル重合可能な二重結合を有するポリビニル単量体は、好ましい。トリメチロールプロパントリアクリレートおよびトリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリットトリアリルエーテル、ペンタエリトリットテトラアリルエーテル、ペンタエリトリットトリアクリレートおよびペンタエリトリットテトラアクリレートならびにこれらの工業用混合物は、好ましい。即ち、ペンタエリトリットテトラアクリレートは、一般的に工業用混合物の形でペンタエリトリットトリアクリレートおよび微少量のオリゴマー化生成物との混合物で存在する。
単量体IIIとして、単量体Iとは異なるモノ不飽和の非イオン性単量体(単量体III)、例えばビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルピリジン、スチレンまたはα−メチルスチレンがこれに該当する。
本発明によるマイクロカプセルは、いわゆるインサイチュー(in−situ)での重合によって製造することができる。マイクロカプセル形成の原理は、単量体、ラジカル開始剤、保護コロイドおよびカプセル化すべき親油性物質から、水中油型エマルジョンが製造されることに基づくものであり、この水中油型エマルジョン中には、単量体および分散相としての親油性物質が存在する。1つの実施態様によれば、ラジカル開始剤を分散後に初めて添加することが可能である。引続き、単量体の重合が加熱により開始され、この重合は、場合によりさらに温度を上昇させることによって制御され、この場合、生じるポリマーは、カプセル壁を形成し、このカプセル壁は、親油性物質を包囲する。この一般的な原理は、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第10139171号明細書中に記載されており、この場合、当該文献は、参照のために本明細書に援用される。
一般的にマイクロカプセルは、少なくとも1つの有機保護コロイドおよび/または無機保護コロイドの存在下で製造される。有機保護コロイドならびに無機保護コロイドは、イオン性であってよいか、または中性であってよい。この場合、保護コロイドは、個別的に使用されてよいし、ならびに多数の同じかまたは異なる負荷された保護コロイドの混合物で使用されてよい。好ましくは、マイクロカプセルは、無機保護コロイドの存在下で、殊に有機保護コロイドとの組合せで製造される。
有機保護コロイドは、有利に水の表面張力を73mN/mから最大45〜70mN/mへ減少させ、ひいては閉鎖されたカプセル壁の形成を保証し、ならびに0.5〜50μm、特に0.5〜30μm、殊に0.5〜10μmの範囲内の好ましい粒径を有するマイクロカプセルを形成する水溶性ポリマーである。
アニオン性の有機保護コロイドは、アルギン酸ナトリウム、ポリメタクリル酸およびその共ポリマー、スルホエチルアクリレートおよびスルホエチルメタクリレート、スルホプロピルアクリレートおよびスルホプロピルメタクリレート、N−(スルホエチル)−マレインイミド、2−アクリルアミド−2−アルキルスルホン酸、スチレンスルホン酸ならびにビニルスルホン酸の共ポリマーである。好ましいアニオン性の有機保護コロイドは、ナフタレンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸−ホルムアルデヒド−縮合物ならびにとりわけポリアクリル酸およびフェノールスルホン酸−ホルムアルデヒド−縮合物である。
中性の有機保護コロイドは、例えばセルロース誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンの共ポリマー、ゼラチン、アラビアゴム、キサンタン、カゼイン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールおよび部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニルならびにメチルヒドロキシプロピルセルロースである。好ましい中性の有機保護コロイドは、ポリビニルアルコールおよび部分的加水分解されたポリ酢酸ビニルならびにメチルヒドロキシ(C1〜C4)アルキルセルロースである。
本発明によれば、特にSiO2ベースの保護コロイドとメチルヒドロキシ(C1〜C4)アルキルセルロースとの組合せが使用される。この場合、低分子量のメチルヒドロキシ−(C1〜C4)アルキルセルロースとの組合せは、好ましい性質を生じることが判明した。本発明によれば、50000g/mol以下、有利に5000〜50000g/mol、特に10000〜35000g/mol、殊に20000〜30000g/molの範囲からの平均分子量(質量平均)を有するメチルヒドロキシ−(C1〜C4)アルキルセルロースが使用される。
メチルヒドロキシ−(C1〜C4)アルキルセルロースは、多種多様のメチル化度ならびにアルコキシル化度を有するメチルヒドロキシ−(C1〜C4)アルキルセルロースである。
メチルヒドロキシ−(C1〜C4)アルキルセルロースは、公知方法で2つの反応工程によって製造される。1つの工程において、セルロースのアルコキシル化は、アルキレンオキシドを用いて行なわれる。第2の工程において、存在するヒドロキシル基のメチル化は、メチルハロゲン化物を用いて行なわれる。これら2つの反応は、一般的に順次に行なわれるが、しかし、同時に実施されてもよい。セルロースに対する、使用されたアルキレンオキシドおよびアルキル化剤の化学量論的量に応じて、セルロースの置換度は、変動する。平均置換度(DS)は、どの位多数のヒドロキシル単位が1つのデヒドログルコース単位に対して平均的にエーテル化されたかを示し、および0〜3であることができる。モルでの置換度(MS)は、デヒドログルコース単位1個当たりのアルコキシ単位の平均数を示し、およびアルコキシル化中の側鎖の形成によって3を上廻ってもよい。
好ましいメチルヒドロキシ−(C1〜C4)アルキルセルロースは、1.1〜2.5の平均置換度DSおよび0.03〜0.9のモルでの置換度MSを有する。
適したメチルヒドロキシ−(C1〜C4)アルキルセルロースは、例えばメチルヒドロキシエチルセルロースまたはメチルヒドロキシプロピルセルロースである。メチルヒドロキシプロピルセルロースは、特に好ましい。この種のメチルヒドロキシ−(C1〜C4)アルキルセルロースは、例えばHercules/Aqualon社の商品名Culminal(登録商標)で入手可能である。
好ましくは、本質的な成分として単量体、ラジカル開始剤、無機保護コロイドおよびカプセル化すべき親油性物質を含む水中油型エマルジョンを製造し、重合を開始させることにより、マイクロカプセルが製造される。場合によっては、重合は、温度を上昇させることによって制御され、この場合生じるポリマーは、親油性物質を包囲するカプセル壁を形成する。
好ましくは、無機保護コロイドは、無機固体粒子、いわゆるピッケリング系(Pickering−Systeme)である。この場合、このようなピッケリング系は、固体粒子単独からなっていてよいか、または付加的に水中での粒子の分散性または親油相による粒子の湿潤性を改善する助剤からなっていてよい。作用様式およびその使用は、欧州特許出願公開第1029018号明細書ならびに欧州特許出願公開第1321182号明細書に記載されており、この場合当該文献は、参照のために本明細書に援用される。
無機固体粒子は、金属塩、例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、ニッケル、チタン、アルミニウム、ケイ素、バリウムおよびマンガンの塩、酸化物および水酸化物であってよい。水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シュウ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムおよび硫化亜鉛を挙げることができる。珪酸塩、ベントナイト、ハイドロキシアパタイトおよびハイドロタルサイトも同様に挙げられる。SiO2ベースの珪酸、ピロリン酸マグネシウムおよびリン酸三カルシウムが特に好ましい。
高分散性珪酸は、SiO2ベースの保護コロイドに適している。この高分散性珪酸は、微細な固体粒子として水中に分散されてよい。しかし、水中の珪酸のいわゆるコロイド分散系を使用することも可能である。このようなコロイド分散系は、珪酸のアルカリ性の水性混合物である。この粒子は、アルカリ性のpH範囲で膨潤し、かつ水中で安定する。前記分散液を保護コロイドとして使用するために、この水中油型エマルジョンのpH値を酸によりpH2〜7に調整することは、有利である。珪酸の好ましいコロイド分散系は、pH9.3で70〜90m2/gの範囲内の比表面積を有する。
SiO2ベースの保護コロイドとして、8〜11の範囲内のpH値の際に平均粒径が40〜150nmの範囲内にある高分散性珪酸は、好ましい。例示的にLevasil(登録商標)50/50(H.C.Starck社)、Koestrosol(登録商標)3550(CWK Bad Koestritz社)およびBindzil(登録商標)50/80(Akzo Nobel Chemicals社)が挙げられる。
1つの好ましい実施態様によれば、SiO2ベースの保護コロイドとメチルヒドロキシ(C1〜C4)アルキルセルロースとの組合せが使用される。この場合、低分子量のメチルヒドロキシ−(C1〜C4)アルキルセルロースとの組合せは、好ましい性質を生じることが判明した。本発明によれば、50000g/mol以下、有利に5000〜50000g/mol、特に10000〜35000g/mol、殊に20000〜30000g/molの範囲からの平均分子量(質量平均)を有するメチルヒドロキシ−(C1〜C4)アルキルセルロースが使用される。
一般的に保護コロイドは、水相に対して0.1〜20質量%、特に0.1〜15質量%、殊に0.5〜10質量%の量で使用される。
この場合、無機保護コロイドのためには、有利に水相に対して0.5〜15質量%、特に5〜15質量%の量が選択される。
有機保護コロイドは、有利にエマルジョンの水相に対して0.1〜10質量%の量で使用される。この場合、1つの好ましい実施態様により使用されるメチルヒドロキシ−(C1〜C4)アルキルセルロースは、SiO2ベースの保護コロイドに対して0.5質量%〜1.5質量%、殊に0.6〜0.8質量%の量で使用される。
更に、好ましい実施態様によれば、SiO2ベースの保護コロイドは、特にSiO2ベースの保護コロイドに対してメチルヒドロキシ−(C1〜C4)アルキルセルロースを0.2質量%〜0.65質量%、殊に0.3質量%〜0.6質量%の量で組み合わせて使用される。
ラジカル重合反応のためのラジカル開始剤として、常用の油溶性のペルオキソ化合物およびアゾ化合物は、有利に単量体の質量に対して0.2〜5質量%の量で使用されてよい。この場合、油溶性とは、ラジカル開始剤が水中油型エマルジョンの水相の成分であり、およびそこで重合を開始させることと理解すべきである。
ラジカル開始剤の凝集状態およびその溶解挙動に応じて、このラジカル開始剤は、それ自体として、しかし好ましくは溶液、エマルジョンまたは懸濁液として供給されることができ、それにより、特に小さな物質量のラジカル開始剤が正確に計量供給されうる。
好ましいラジカル開始剤として、第三ブチルペルオキソネオデカノエート、第三アミルペルオキシピバラート、ジラウロイルペルオキシド、第三アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチル)バレロニトリル、2,2′−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、過酸化ジベンゾイル、第三ブチルペル−2−エチルヘキサノエート、ジ−第三ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(第三ブチルペルオキシ)ヘキサンおよびクメンヒドロペルオキシドを挙げることができる。
特に好ましいラジカル開始剤は、ジ−(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)−ペルオキシド、4,4′−アゾビスイソブチロニトリル、第三ブチルペルピバラート、ジラウロイルペルオキシド、第三ブチルペルオキソネオデカノエートおよびジメチル−2,2−アゾビスイソブチレートである。前記のラジカル開始剤は、30〜100℃の温度範囲内で10時間の半減期を有する。
更に、重合のために当業者に公知の調整剤、例えば第三ドデシルメルカプタンまたはエチルヘキシルチオグリコラートを通常の量で添加することは、可能である。
一般的に、重合は、20〜100℃、有利に40〜95℃で実施される。所望の親油性物質に依存して、水中油型エマルジョンは、コア材料が液状/油状である温度で形成されるべきである。相応して、その崩壊温度がこの温度を上廻り、かつ重合が同様にこの温度を2〜50℃上廻るように実施されるラジカル開始剤が選択されなければならず、したがって、場合により、崩壊温度が親油性物質の融点を上廻るラジカル開始剤が選択される。
融点ないし約60℃を有する親油性物質のための通常の変法は、60℃で開始する反応温度であり、この反応温度は、反応の経過中に85℃に上昇される。好ましいラジカル開始剤、例えば第三ブチルペルピバラートは、45〜65℃の範囲内で10時間の半減期を有する。
60℃を上廻る融点を有する親油性物質のための別の変法によれば、相応してより高い反応温度で開始する温度プログラムが選択される。約85℃の初期温度については、70〜90℃の範囲内で10時間の半減期を有するラジカル開始剤、例えば第三ブチルペル−2−エチルヘキサノエートが好ましい。
好ましくは、重合は常圧で行なわれるが、しかしながら、例えば100℃を上廻る重合温度で減圧または少し高められた圧力でも、すなわち例えば0.5〜5バールの範囲内で、作業することができる。
重合の反応時間は、通常、1〜10時間、たいてい2〜5時間である。
90〜99質量%の反応率での本来の重合反応に引続き、通常は、水性のマイクロカプセル分散液が芳香剤担体、例えば残留単量体および別の有機揮発性成分をできる限り含有しなくなるように実施することが有利である。これは、自体公知の方法で物理的に蒸留による除去(殊に、水蒸気蒸留により)または不活性ガスを用いた除去によって達成されうる。更に、WO99/24525に記載されているように、好ましくは、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第4435423号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4419518号明細書およびドイツ連邦共和国特許出願公開第4435422号明細書の記載と同様にレドックス開始剤による重合によって化学的に行なうことができる。
更に、残留単量体含量を減少させるために、1つの実施態様によれば、ラジカル開始剤の再度の添加が必要とされ、このことは、後重合の開始を定義する。1つの好ましい実施態様によれば、カプセル形成に引き続いてラジカル開始剤としてのペルオキソ二硫酸の塩を用いての後重合が開始される。
適した塩は、殊にアンモニウムペルオキソ二硫酸、ナトリウムペルオキソ二硫酸およびカリウムペルオキソ二硫酸である。
ペルオキソ二硫酸のアルカリ金属塩は、水溶性であり、水相中での後重合が開始されるかまたは水相からの後重合が開始される。ペルオキソ二硫酸の塩は、有利に単量体の質量に対して0.2〜5質量%の量で使用される。この場合には、1回でかまたは或る程度の時間に亘って供給することが可能である。
後重合の温度は、通常、60〜100℃である。後重合の時間は、一般的に0.5〜5時間である。
ラジカル開始剤としてのペルオキソ二硫酸の1つ以上の塩を用いての後重合を有する前記の好ましい実施態様によれば、特に臭いの少ないマイクロカプセルが達成される。
必要な場合には、後重合は、還元剤、例えば亜硫酸水素ナトリウムを添加することによって低い温度でもなお実施されてよい。還元剤の添加は、残留単量体の含量をさらに減少させることができる。
その崩壊が場合により還元剤、例えばアスコルビン酸の添加によって促進されうるような水溶性の有機ペルオキソ化合物または有機アゾ化合物、例えば第三ブチルヒドロペルオキシドからなる通常の後重合開始剤と比較して、最終製品中のペルオキソ二硫酸の塩は、明らかに微少量の芳香剤担体、例えばアルデヒドを示す。
こうして0.5〜100μmの範囲の平均粒径を有するマイクロカプセルを製造することができ、その際、粒径は、自体公知の方法で、剪断力、攪拌速度およびその濃度により調節することができる。0.5〜50μm、有利に0.5〜30μm、殊に3〜10μm、特に3〜7μmの範囲内の平均粒径を有するマイクロカプセルは、好ましい(光散乱による数平均)。
本発明によるマイクロカプセルは、親油性物質に依存して、コピー用紙に適しており、化粧品において適しており、接着剤、接着剤成分、フラグランス、触媒のカプセル化において適しており、または植物保護において適しており、または一般的に殺生剤、活性成分および有効物質のカプセル化に適している。本発明によるマイクロカプセルは、潜熱蓄積材料に特に好適である。
潜熱蓄積材料は、定義によれば、熱の伝達が行なわれるべき温度範囲で相転移を有する物質である。特に、親油性物質は、−20℃〜120℃の温度範囲で固/液相転移を有する。
適切な物質として例示的に次のものが挙げられる:
− 分枝鎖状または有利に直鎖状である、脂肪族炭化水素化合物、例えば飽和または不飽和のC10〜C40−炭化水素、例えばn−テトラデカン、n−ペンタデカン、n−ヘキサデカン、n−ヘプタデカン、n−オクタデカン、n−ノナデカン、n−エイコサン、n−ヘンエイコサン、n−ドコサン、n−トリコサン、n−テトラコサン、n−ペンタコサン、n−ヘキサコサン、n−ヘプタコサン、n−オクタコサンならびに環式炭化水素、例えばシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン;
− 芳香族炭化水素化合物、例えばベンゼン、ナフタリン、ビフェニル、o−ターフェニルまたはn−ターフェニル、C1〜C40−アルキル置換された芳香族炭化水素、例えばドデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン、ヘキサデシルベンゼン、ヘキシルナフタリンまたはデシルナフタリン;
− 飽和または不飽和のC6〜C30−脂肪酸、例えばラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸またはベヘン酸、好ましくはデカン酸と、例えばミリスチン酸、パルミチン酸またはラウリン酸との共融混合物;
− 脂肪アルコール、例えばラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、やし油アルコールのような混合物ならびにα−オレフィンのヒドロホルミル化および更なる反応により得られるいわゆるオキソアルコール;
− C6〜C30−脂肪アミン、例えばデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミンまたはヘキサデシルアミン;
− エステル、例えば脂肪酸のC1〜C10−アルキルエステル、例えばプロピルパルミテート、メチルステアレートまたはメチルパルミテートならびに好ましくはこれらの共融混合物またはメチルシンナメート;
− 天然ワックスおよび合成ワックス、例えばモンタン酸ワックス、モンタンエステルワックス、カルナウバロウ、ポリエチレンワックス、酸化ワックス、ポリビニルエーテルワックス、エチレンビニルアセテートワックスまたはフィッシャー・トロプシュ法による硬質ロウ;
− ハロゲン化炭化水素、例えばクロロパラフィン、ブロモオクタデカン、ブロモペンタデカン、ブロモノナデカン、ブロモエイコサン、ブロモドコサン。
更に、これらの物質の混合物は、所望の範囲外への融点の低下をもたらさないか、または混合物の溶融熱が有用な用途のために低くなりすぎない限りは適している。
例えば、純粋なn−アルカン、80%よりも大きい純度を有するn−アルカン、または工業銘柄の留出物として発生し、かつそれ自体として市販されているようなアルカン混合物の使用は、有利である。
更に、無極性の物質の場合にときどき現れる結晶化遅延を阻止するために、親油性物質にこの親油性物質中で可溶性の化合物を添加することは、好ましい。好ましくは、米国特許第5456852号明細書中に記載されているように、本来のコア物質よりも20〜120K高い融点を有する化合物が使用される。適した化合物は、上記で親油性物質として挙げられた脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪アミドならびに脂肪族炭化水素化合物である。前記化合物は、カプセルコアに対して0.1〜10質量%の量で添加される。
蓄熱媒体に望ましいような温度範囲に応じて潜熱蓄積材料は、選択される。例えば、穏やかな気候における建築材料中の蓄熱媒体のためには、好ましくは、固液相転移が0〜60℃の温度範囲内である潜熱蓄積材料が使用される。即ち、一般的には、室内使用のために、15〜30℃の転移温度を有する個々の物質または混合物が選択される。例えば欧州特許出願公開第333145号明細書中に記載されているような、蓄熱媒体としてのソーラーの適用の際に、または透明な断熱材の過熱回避のために、とりわけ、30〜60℃の転移温度は適している。織物分野における用途のためには、とりわけ0〜40℃の変換温度が好ましく、伝熱流体のためには、−10〜120℃の変換温度が好ましい。
好ましい潜熱蓄積材料は、脂肪族炭化水素、特に有利に上記で例示的に挙げられた脂肪族炭化水素である。特に、14〜20個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素ならびにこれらの混合物が好ましい。
本発明によるマイクロカプセルは、直接に水性のマイクロカプセル分散液として、または粉末の形で加工することができる。本発明によるマイクロカプセルは、場合により引続き噴霧乾燥によって単離されてよい。
このマイクロカプセル分散液の噴霧乾燥は、通常の形式で行なうことができる。一般的には、熱空気流の入口温度が100〜200℃、特に120〜160℃の範囲内であり、かつこの熱空気流の出口温度が30〜90℃、特に60〜80℃の範囲内であるように行なわれる。この熱空気流中での水性ポリマー分散液の噴霧は、例えば1成分系ノズルまたは多成分系ノズルにより行なうことができるかまたは回転ディスクにより行なうことができる。このポリマー粉末は、通常、サイクロンまたはフィルター分離器を使用して分離される。噴霧される水性ポリマー分散液および熱空気流は、好ましくは並流で導かれる。
場合によっては、噴霧乾燥のために、噴霧助剤が、噴霧乾燥を簡易化するため、または一定の粉末特性、例えば低いダスト含量、流動性または改善された再分散性に調節するために、添加される。当業者には多数の噴霧助剤がよく知られている。このための例は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19629525号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19629526号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第2214410号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第2445813号明細書、欧州特許出願公開第407889号明細書または欧州特許出願公開第784449号明細書中に見出される。好ましい噴霧助剤は、例えばポリビニルアルコール型の水溶性ポリマーまたは部分加水分解されたポリ酢酸ビニル、セルロース誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロースおよびメチルヒドロキシプロピルセルロース、澱粉、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンのコポリマー、ゼラチン、有利にポリビニルアルコールおよび部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニルならびにメチルヒドロキシプロピルセルロースである。好ましくは、噴霧助剤の添加なしに作業される。
本発明によるマイクロカプセル粉末の使用は、多種多様である。幅広い使用分野は、鉱物質結合剤、珪酸塩結合剤またはポリマー結合剤を含有する結合建築材料である。この場合、成形体とコーティング材料とは、区別される。即ち、これらの成形体とコーティング材料は、水性材料およびしばしばアルカリ性水性材料と比較して加水分解安定性を示す。
鉱物質成形体は、鉱物質結合剤、水、骨材ならびに場合により助剤からなる混合物から、成形後に、鉱物質結合剤−水混合物が、時間の関数として、場合により高められた温度の作用下に、硬化することにより生じる成形体であると理解される。鉱物質結合剤は、一般的に公知である。この鉱物質結合剤は、微粒状の無機物質、例えば石灰、セッコウ、粘土、ロームおよび/またはセメントまたはマグネシアセメントであり、これらは、水と一緒に攪拌することにより、直ちに使用できる形へ変換され、この場合このマグネシアセメントは、空気中でまたは水中でも、場合により高められた温度の作用下に、放置された際に、時間の関数として、石状に硬化する。
骨材は、通例、粒状または繊維状の天然または人工の岩石(砂利、砂、ガラス繊維または鉱物繊維)からなるか、特殊な場合には、また金属または有機骨材から、または前記の骨材の混合物からなり、それぞれの使用目的に自体公知の方法で適合されている粒度または繊維長を有する。しばしば、着色の目的のためには、骨材として有色顔料も併用される。
助剤として、特に、硬化を促進するかまたは遅延するか、または硬化した鉱物質成形体の弾性または多孔度に影響を及ぼす係る物質がこれに該当する。これは、特に、例えば、米国特許第4340510号明細書、英国特許第1505558号明細書、米国特許第3196122号明細書、米国特許第3043790号明細書、米国特許第3239479号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4317035号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4317036号明細書、特開平3−131533号公報(JP−A91/131533)および他の明細書の記載から公知であるようなポリマーである。
本発明によるマイクロカプセルは、セメント70〜100質量%および石膏0〜30質量%からなる鉱物質結合剤を含有する鉱物質の結合建築材料(モルタル状調製物)の改質に適している。このことは、特に、セメントが唯一の鉱物質結合剤である場合に当てはまる。この場合、本発明による作用は、セメントの種類から本質的に独立している。目的に応じて、すなわち、高炉セメント、オイルシェールセメント、ポルトランドセメント、疎水化されたポルトランドセメント、急結セメント、膨張セメントまたはアルミナセメントが使用されてもよく、この場合、ポルトランドセメントの使用は、特に有利であることが証明された。さらなる詳細に関しては、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19623413号明細書を参照することができる。典型的には、鉱物質結合建築材料の乾燥組成物は、鉱物質結合剤の量に対してマイクロカプセルを0.1〜50質量%、有利に5〜40質量%、特に有利に10〜30質量%含有する。
好ましくは、本発明によるマイクロカプセルは、鉱物質コーティング組成物、例えばプラスターにおける添加剤として使用される。屋内分野用のこの種のプラスターは、通常、結合剤としての石膏から構成されている。一般的に石膏/マイクロカプセルの質量比は、95:5〜70:30である。よりいっそう高いマイクロカプセル含量は、勿論可能である。
屋外分野、例えば外部ファサードまたは湿った空間用のコーティングは、結合剤としてセメント(セメント状のプラスター)、石灰又は水ガラス(鉱物質プラスター又はケイ酸塩プラスター)又はプラスチック分散液(合成樹脂プラスター)を、充填剤及び場合により着色のための顔料と共に含有していてよい。全固体のマイクロカプセル含量は、石膏プラスターのための質量比に相当する。
更に、本発明によるマイクロカプセルは、ポリマー成形体またはポリマーコーティング組成物における添加剤として適している。これらは、加工の際にマイクロカプセルが破壊されない熱可塑性および熱硬化性のプラスチックであると理解されるべきである。例は、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタンおよびシリコーン樹脂ならびに溶剤ベース、ハイソリッドベースの塗料、粉体塗料または水性塗料および分散フィルムである。マイクロカプセル粉末は、プラスチックフォームおよび繊維への加工のためにも適している。フォームの例は、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ラテックスフォームおよびメラミン樹脂フォームである。
更に、本発明によるマイクロカプセルは、WO 2005/116559の記載と同様にリグノセルロース含有成形体、例えばチップボード、MDFボードおよびHDFボード、コルク板またはOSB板において添加剤として適しており、この場合、当該文献は、参照のために本明細書に援用される。
更に、好ましい効果は、本発明によるマイクロカプセルが発泡される鉱物質成形体中で加工される場合に、達成されることができる。
鉱物質結合剤へのマイクロカプセルの加工のための特に好ましい実施態様は、石膏建築ボードまたはマグネシアボードを改質することである。本発明によるマイクロカプセルを含有する建築ボードは、同様に本発明の構成要素である。
この場合には、建築ボード、殊に石膏建築ボード(乾燥物質)の全質量に対してマイクロカプセル粉末が有利に5〜40質量%、殊に20〜35質量%混入される。マイクロカプセル化された潜熱蓄積材料を有する石膏建築ボードの製造は、一般的に公知であり、欧州特許出願公開第1421243号明細書中に記載されており、この場合、当該文献は、参照のために本明細書に援用される。この石膏建築ボードは、通常、水性石膏スラリーを非連続的に、または有利に連続的に、2つの被覆層、例えばセルロースまたはガラス繊維フリースを基礎とする2つの板紙片の間に導入し、その際にボードが形成されるように製造される。この石膏スラリーは、β型硫酸カルシウム半水和物を、添加剤を有する水中に連続的に添加し、および絶えず混合することによって製造される。このマイクロカプセルは、この硫酸カルシウムと一緒に計量供給してもよいし、既に水性分散液として存在してもよい。こうして得られた石膏スラリーは、被覆層上に塗布、例えば噴霧され、および第2の被覆層で被覆される。硬化が開始すると、建築ボードは、プレス機中で造形され、ストリップに変わる。このストリップは、数分間で硬化し、および板に切断される。この段階において、この板は、一般的に、依然としてその質量の3分の1を遊離水として含有する。この残留水を除去するために、この板は、250℃までの温度で熱処理に掛けられる。こうして得られた石膏建築ボードは、750〜950kg/m3の密度を有する。この場合、セルロースベースの通常使用される厚紙の代わりに、"石膏建築ボード"用の両側カバーとしての代替の繊維状構造体が使用されてもよい。代替材料は、例えばポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル等からのポリマー繊維である。ガラス繊維も適している。この代替材料は、織物として、およびいわゆる「不織布」として、すなわちフリース様構造物、例えばガラス繊維フリースとして使用されてよい。この種の建築ボードは、例えば、米国特許第4810569号明細書、米国特許第4195110号明細書および米国特許第4394411号明細書の記載から公知である。本発明によるマイクロカプセルを含有するガラス繊維フリースから構成された両側カバーを有する石膏建築ボードは、好ましい。更に、代替カバー材料は、アルミニウム被覆された厚紙、シートおよび紙、プラスチックシート、塗被紙等である。この代替カバー材料は、片側または両側で使用されてよい。更に、このような被覆層は、事後に最初に施された被覆層上に貼り合わせることができる。この場合には、例えばサイジング処理法/接着法および溶融法を利用することができる。
本発明によるマイクロカプセルは、石膏建築ボード中に混入した際に長時間に亘ってより低い温度でも良好な緊密さを示す。更に、電子顕微鏡写真は、特に機械的および熱的に応力に晒された、石膏建築ボードの縁部領域内でドイツ連邦共和国特許出願公開第10139171号明細書の記載により使用されるマイクロカプセルよりもカプセルの僅かな破壊を示す。更に、新規の石膏建築ボードは、臭いが少なく、中程度の揮発性および難揮発性の化合物、SVOC(半揮発性有機化合物)およびTVOC(全揮発性有機化合物)のための低い放出値を示す。
更に、本発明によるマイクロカプセルは、有利に繊維および繊維製品、例えば繊維織物および不織布(例えば、バット)等の改質に適している。この場合、適用形として、殊にマイクロカプセルコーティング、マイクロカプセル含有フォームおよびマイクロカプセル改質された紡織繊維を挙げることができる。コーティングのために、マイクロカプセルは、高分子量結合剤および場合により別の助剤と一緒に、一般的に分散液として繊維製品上に施される。通常の繊維結合剤は、−45〜45℃、特に−30〜12℃の範囲内のガラス転移温度を有する被膜形成性ポリマーである。このようなマイクロカプセルコーティングの形成は、例えばWO 95/34609中に記載されており、この場合当該文献は、参照のために本明細書に援用される。フォームは、マイクロカプセルで、ドイツ連邦共和国特許第981576号明細書Tおよび米国特許第5955188号明細書の記載と同様に改質される。予め発泡された基質、特にポリウレタンまたはポリエーテルは、結合剤含有マイクロカプセル分散液で表面処理される。引続き、結合剤−マイクロカプセル混合物は、真空に引くことによって開放孔フォーム構造体中に到達し、この開放孔フォーム構造体中で結合剤は、硬化し、マイクロカプセルを基質に結合する。更に、加工法は、繊維織物それ自体を、例えば米国特許第2002/0054964号明細書の記載と同様に溶融液または水性分散液から紡糸することによって改質することである。この場合、溶融液紡糸法は、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維および類似の繊維に使用され、一方で、湿式紡糸法は、特にアクリル繊維の製造に使用される。
更に、本発明によるマイクロカプセルは、伝熱流体の製造に適している。伝熱流体という概念は、本明細書の範囲内で、熱輸送用の液体ならびに冷時輸送用の液体、すなわち冷却液を意味する。熱エネルギーの伝達の原理は、双方の場合に同じであり、かつ単に伝達方向のみが相違する。
次の実施例は、本発明をより詳細に説明するものである。実施例中の百分率の記載は、別記しない限り、質量百分率である。
マイクロカプセル分散液の粒径は、Malvern Particle Sizerの型式3600EまたはMalvern Mastersizer 2000を用いて、文献に文書化されている標準測定法に従い測定した。D[v,0.1]値は、粒子の10%がこの値までの粒径(容量平均による)を有することを意味する。相応して、D[v,0.5]は、粒子の50%がこの値以下の粒径(容量平均による)を有することを意味し、およびD[v,0.9]は、粒子の90%がこの値以下の粒径(容量平均による)を有することを意味する。このスパンの値は、D[v,0.9]−D[v,0.1]およびD[v,0.5]の差からの商からもたらされる。
180℃での蒸発速度(ADR)の測定
前処理のために、マイクロカプセル分散液2gは、金属皿中で105℃で2時間乾燥され、場合による残留水は、除去される。次に、質量(m0)を算出した。180℃に1時間加熱した後、冷却後に質量(m1)を算出した。m0に対する、100倍された質量差(m0−m1)は、%での蒸発速度を生じる。値が小さければ小さいほど、マイクロカプセルは、ますます高い緊密さを有する。この場合、蒸発速度における比較は、常に、比較可能なカプセル寸法および安定剤系に対して実施されることに注目すべきである。
95℃での蒸発速度(ADR)の測定
前処理のために、マイクロカプセル分散液2gは、金属皿中で105℃で2時間乾燥され、場合による残留水は、除去される。次に、質量(m0)を算出した。95℃に24時間加熱した後、冷却後に質量(m1)を算出した。m0に対する、100倍された質量差(m0−m1)は、%での蒸発速度を生じる。値が小さければ小さいほど、マイクロカプセルは、ますます高い緊密さを有する。この場合、蒸発速度における比較は、常に、比較可能なカプセル寸法および安定剤系に対して実施されることに注目すべきである。
"フィールド・アンド・ラボラトリー・エミッション・セル(Field and Laboratory Emission Cell)"測定法(FLEC測定法)によるTVOC/SVOC値の測定
石膏ボードからのVOC(揮発性有機化合物)の放出を定義された貯蔵後にFLEC測定法を用いて検出し、GC/MSシステムによって定性的および定量的に、DIN ISO 16000−6、DIN ISO 16000−10およびDIN ISO 16017−1に従って測定する。測定の経過中に、石膏ボードを金属フレーム(内部寸法:10.5×14.0×1.5cm)中で底板を含めて最初に30℃で24時間乾燥キャビネット(Heraeus T 5042 EK)中で状態調節する。引続き、前記ボードをフレームおよび底板と一緒に試料ガス採取器(Desage GS 312)および温度測定ユニットを備えた乾燥キャビネット中に置き、フレーム上に載置されたパッキングを備えたFLECアタッチメントを介して、予め清浄化された空気10 Lを前記ボード上に層状に流入させる。排気をTenax TAで充填された吸着小管を介して導入する。引続き、前記ボードから放出されたVOCをTenax小管から熱的に脱着し(熱脱着装置:Agilent社のGC 6890およびMS 5973を備えたPerkin Elmer社のTurbomatrix ATDまたはShimadzu社のGC/MS−QP 2010を備えた熱脱着装置ATD)、当業者に公知であるようなガスクロマトグラフで分析する。
FLEC測定法のための石膏ボードの製造
石膏217.0g、促進剤0.34gおよび澱粉1.7gを混合し、約15秒間、水109.4g、それぞれの実施例のマイクロカプセル分散液203.0g(固体含量〜42質量%)、液化剤1.7gおよびTego Foamex 1488 0.2gから構成された水相の表面上に分散させた。その後に、泡立て器を用いてさらに30秒間混合し、その結果、粥状石膏混合物を全部で45秒間で製造した。この石膏粥状物を金属フレーム(内部寸法10.5×14)(ガラスフリースを先に金属フレームの床上に置いた)中に注型し、平らになるように均展し、ガラスフリースを表面上にもたらし、麺棒で押圧した。室温で30分後、このボードを排気キャビネット中で170℃で30分間および105℃で1時間乾燥させた。その後に、このボードを40℃で約15時間、後乾燥させた。
マイクロカプセル分散液の製造
実施例1
水相:
水680g、
50質量%のシリカゾル110g(比表面積約80m2/g)、
26000g/molの平均分子量を有するメチルヒドロキシプロピルセルロースの5質量%の水溶液8g、
2.5質量%の亜硝酸ナトリウム水溶液2.1g、
水中の20質量%の硝酸溶液4.0g。
油相
約26℃の融点を有する本質的に線状のパラフィンの混合物308.0g、
ヘキサデカン123.2g(工業用)、
約65℃の融点を有する工業用パラフィン8.8g、
メチルメタクリレート66.0g、
ペンタエリトリット−テトラアクリレート44.0g(工業用、Cytec社)。
添加量1
脂肪族炭化水素中のt−ブチルペルピバレートの75%の溶液0.92g。
供給量1:
5質量%のNaペルオキソジスルフェート水溶液22.0g、
水30.0g。
水相を40℃で装入し、この水相中に溶融されかつ均一に混合された油相を添加し、40分間高速ディスソルバー攪拌機(ディスク直径5cm)を用いて3500rpmで分散させた。添加量1を添加した。このエマルジョンを撹拌下に馬蹄形攪拌機を用いて60分間で70℃に加熱し、さらに60分間で90℃に加熱し、および90℃で60分間維持した。生じたマイクロカプセル分散液に撹拌下に供給量1を90℃で90分間に亘り計量供給し、引続きこの温度で2時間攪拌した。次に、室温に冷却し、および苛性ソーダ水溶液で中和した。
7.2μmの平均粒径および43.6%の固体含量を有するマイクロカプセル分散液を得た。
180℃(1時間)での蒸発速度は、11.5%であった。
95℃(24時間)での蒸発速度は、0.2%であった。
室温への冷却後に濃稠化剤を添加することによって、自体公知の方法でクリーミングを阻止することができる。
実施例2
実施例1と同様に行なうが、しかし、油相は、次の成分から構成されていた:
油相
約26℃の融点を有する本質的に線状のパラフィンの混合物308.0g、
ヘキサデカン123.2g(工業用)、
約65℃の融点を有する工業用パラフィン8.8g、
メチルメタクリレート99.0g、
ペンタエリトリット−テトラアクリレート11.0g(工業用、Cytec社)。
5.7μmの平均粒径および43.2%の固体含量を有するマイクロカプセル分散液を得た。
180℃(1時間)での蒸発速度は、45.8%であった。
95℃(24時間)での蒸発速度は、0.3%であった。
実施例3
実施例1と同様に行なうが、しかし、油相は、次の成分から構成されていた:
油相
約26℃の融点を有する本質的に線状のパラフィンの混合物321.2g、
ヘキサデカン110.0g(工業用)、
約65℃の融点を有する工業用パラフィン9g、
メチルメタクリレート82.5g、
ペンタエリトリット−テトラアクリレート27.5g(工業用、Cytec社)。
7.0μmの平均粒径および43.3%の固体含量を有するマイクロカプセル分散液を得た。
180℃(1時間)での蒸発速度は、16.5%であった。
95℃(24時間)での蒸発速度は、0.7%であった。
比較例4、本発明によらない
実施例1と同様に行なうが、しかし、油相は、次の成分から構成されていた:
油相
約26℃の融点を有する本質的に線状のパラフィンの混合物321.2g、
ヘキサデカン110.0g(工業用)、
約65℃の融点を有する工業用パラフィン9g、
メチルメタクリレート82.5g、
ブタンジオールジアクリレート27.5g。
6.5μmの平均粒径および42.5%の固体含量を有するマイクロカプセル分散液を得た。
180℃(1時間)での蒸発速度は、60%超であった。
95℃(24時間)での蒸発速度は、1.5%であった。
石膏ボードからのSVOC:270μg/m3
実施例5
実施例3と同様に行なうが、しかし、マイクロカプセル分散液に室温への冷却後に澱粉019S1の50%の水溶液33.44gおよびDensodrin BAの26%の水溶液27.63gを添加した。引続き、中性のpHに調節し、Viscalex HV 30 0.6%と混合した。
7.2μmの平均粒径および42.7%の固体含量を有するマイクロカプセル分散液を得た。
180℃(1時間)での蒸発速度は、15.1%であった。
石膏ボードからのSVOC:710μg/m3
実施例6
実施例1と同様に行なうが、しかし、油相および油相は、次の組成を有していた:
水相:
水680g、
50質量%のシリカゾル165g(比表面積約80m2/g)、
26000g/molの平均分子量を有するメチルヒドロキシプロピルセルロースの5質量%の水溶液8g、
2.5質量%の亜硝酸ナトリウム水溶液2.1g、
水中の20質量%の硝酸溶液4.0g。
油相
約26℃の融点を有する本質的に線状のパラフィンの混合物321.0g、
ヘキサデカン110.0g(工業用)、
約65℃の融点を有する工業用パラフィン8.8g、
メチルメタクリレート66.0g、
ペンタエリトリット−テトラアクリレート44.0g(工業用、Cytec社)。
添加量1として、脂肪族炭化水素中のt−ブチルペルピバレートの75質量%の溶液1.5gを添加した。冷却後、最初にマイクロカプセル分散液を中和し、引続きSokalan AT 120 1質量%と混合した。5.0μmの平均粒径および43.4%の固体含量を有するマイクロカプセル分散液を得た。
180℃(1時間)での蒸発速度は、47.1%であった。
石膏ボードからのSVOC:60μg/m3
実施例7
実施例1と同様に行なうが、しかし、油相および油相は、次の組成を有していた:
水相:
水680g、
50質量%のシリカゾル121g(比表面積約80m2/g)、
26000g/molの平均分子量を有するメチルヒドロキシプロピルセルロースの5質量%の水溶液8g、
2.5質量%の亜硝酸ナトリウム水溶液2.1g、
水中の20質量%の硝酸溶液4.0g。
油相
約26℃の融点を有する本質的に線状のパラフィンの混合物337.3g、
ヘキサデカン115.5g(工業用)、
約65℃の融点を有する工業用パラフィン9.24g、
メチルメタクリレート52.8g、
ペンタエリトリット−テトラアクリレート35.2g(工業用、Cytec社)。
6.2μmの平均粒径および44.3%の固体含量を有するマイクロカプセル分散液を得た。
180℃(1時間)での蒸発速度は、60%超であった。
石膏ボードからのSVOC:440μg/m3
実施例8
実施例1と同様に行なうが、しかし、油相および油相は、次の組成を有していた:
水相:
水680g、
50質量%のシリカゾル137.5g(比表面積約80m2/g)、
26000g/molの平均分子量を有するメチルヒドロキシプロピルセルロースの5質量%の水溶液8g、
2.5質量%の亜硝酸ナトリウム水溶液2.1g、
水中の20質量%の硝酸溶液3.8g。
油相
約26℃の融点を有する本質的に線状のパラフィンの混合物321.0g、
ヘキサデカン110.0g(工業用)、
約65℃の融点を有する工業用パラフィン8.8g、
メチルメタクリレート66.0g、
ペンタエリトリット−テトラアクリレート44.0g(工業用、Cytec社)。
5.2μmの平均粒径および43.2%の固体含量を有するマイクロカプセル分散液を得た。
180℃(1時間)での蒸発速度は、60.3%であった。
石膏ボードからのSVOC:180μg/m3
実施例9
実施例1と同様に行なうが、しかし、油相および油相は、次の組成を有していた:
水相:
水680g、
50質量%のシリカゾル192.5g(比表面積約80m2/g)、
26000g/molの平均分子量を有するメチルヒドロキシプロピルセルロースの5質量%の水溶液8g、
2.5質量%の亜硝酸ナトリウム水溶液2.1g、
水中の20質量%の硝酸溶液4.5g。
油相
約26℃の融点を有する本質的に線状のパラフィンの混合物321.0g、
ヘキサデカン110.0g(工業用)、
約65℃の融点を有する工業用パラフィン8.8g、
メチルメタクリレート82.5g、
ペンタエリトリット−テトラアクリレート27.5g(工業用、Cytec社)。
3.4μmの平均粒径および43.7%の固体含量を有するマイクロカプセル分散液を得た。
180℃(1時間)での蒸発速度は、58.4%であった。
石膏ボードからのSVOC:570μg/m3

Claims (13)

  1. 1つのカプセルコアおよび1つのカプセル壁を含むマイクロカプセルであって、但し、この場合このカプセル壁は、重合導入された形で、それぞれ単量体の全質量に対して、
    アクリル酸および/またはメタクリル酸の1つ以上のC1〜C24アルキルエステル50〜90質量%(単量体I)、
    3個または4個のラジカル重合可能な二重結合を有する、アクリル酸とポリオールとのポリエステル、メタクリル酸とポリオールとのポリエステル、アクリル酸及びメタクリル酸とポリオールとのポリエステル、ポリオールのポリアリルエーテル並びにポリオールのポリビニルエーテルからなる群から選択された1つ以上のポリビニル単量体10〜50%(単量体II)、ならびに
    単量体Iとは異なる、1つ以上のモノ不飽和の非イオン性単量体0〜30質量%(単量体III)からなり、
    カプセルコアが、親油性物質を含む、前記マイクロカプセル。
  2. マイクロカプセルが1.5〜15μmの平均粒径を有し、粒子の90%が2倍の平均粒径より小さい粒径を有する、請求項1記載のマイクロカプセル。
  3. ポリビニル単量体がトリメチロールプロパントリアクリレートおよびトリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリットトリアリルエーテル、ペンタエリトリットテトラアリルエーテル、ペンタエリトリットトリアクリレートおよびペンタエリトリットテトラアクリレートならびにこれらの工業用混合物からなる群から選択される、請求項1または2記載のマイクロカプセル。
  4. 単量体、ラジカル開始剤、無機保護コロイドおよびカプセル化すべき親油性物質を含む水中油型エマルジョンを製造し、重合を開始することにより、得られる、請求項1から3までのいずれか1項に記載のマイクロカプセル。
  5. 単量体、ラジカル開始剤、無機保護コロイドおよびカプセル化すべき親油性物質を含む水中油型エマルジョンを製造し、重合を開始することにより、得られ、この場合無機保護コロイドの含量は、エマルジョンの水相に対して0.5〜15質量%である、請求項1から4までのいずれか1項に記載のマイクロカプセル。
  6. カプセル形成に引続き、ラジカル重合をラジカル開始剤としてのペルオキソ二硫酸の塩を用いて開始することにより、得られる、請求項1から5までのいずれか1項に記載のマイクロカプセル。
  7. カプセルコアが−20℃〜120℃の温度範囲の固/液相転移を有する親油性物質である、請求項1から5までのいずれか1項に記載のマイクロカプセル。
  8. 水性分散液の形の請求項1から7までのいずれか1項に記載のマイクロカプセル。
  9. 量体、ラジカル開始剤、保護コロイドおよびカプセル化すべき親油性物質から水中油型エマルジョンを製造し、単量体の重合を加熱によって開始し、場合によってはさらなる温度上昇によって制御するマイクロカプセルの製造法であって、保護コロイドを水相に対して0.1〜20質量%の量で添加した水相に、油相を添加して分散して水中油型エマルジョンを形成した後、ラジカル開始剤を単量体の質量に対して0.2〜5質量%の量で添加してラジカル重合する、請求項1から8までのいずれか1項に記載のマイクロカプセルの製造法。
  10. 無機保護コロイドを選択する、請求項9記載のマイクロカプセルの製造法。
  11. カプセル形成に引続き、ラジカル重合をラジカル開始剤としてのペルオキソ二硫酸の塩を用いて開始する、請求項9記載のマイクロカプセルの製造法。
  12. 前記親油性物質として潜熱蓄積材料を有するマイクロカプセルの使用であって、鉱物質結合剤を含有する建築材料中への請求項1から8までのいずれか1項に記載のマイクロカプセルの使用。
  13. 前記親油性物質として潜熱蓄積材料を有するマイクロカプセルの使用であって、石膏建築ボード中への請求項1から8までのいずれか1項に記載のマイクロカプセルの使用。
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